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竹谷隆之

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

竹谷 隆之 (たけや たかゆき[出典 1]1963年昭和38年)[出典 2]12月10日[5][6] - )は、日本造形作家[4]雨宮慶太監督作品の造形美術を担当していることで知られる。

人物

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北海道出身[出典 3]漁師の家に生まれ、粘土細工やプラモデル製作で遊ぶという幼少期を過ごす。阿佐ヶ谷美術専門学校に進学し、グラフィックデザインを専攻。クラスメイトには寺田克也などがいた。寺田の絵があまりに上手いため造形の道へ進んだという。専門学校在学中に製作した初のスクラッチビルド作品を西荻窪の模型店に展示したことをきっかけに小林誠と知り合う。小林に師事し、そこで造形仲間の韮沢靖と出会うことになる。専門学校卒業後、小林の誘いを受けモデルアート社に入社[4][6]。月刊「モデルアート」の編集の仕事に従事。並行して博覧会などの展示映像用立体物の製作などを請け負っていたが、造形の仕事が多忙になり1980年代中盤よりフリーランスとなる[出典 4]。寺田の紹介により雨宮慶太の映画『未来忍者』に参加。以後、雨宮作品の多くで造形美術を担当する[7][1]

2023年(令和5年)、文化庁長官表彰[8]

高いレベルの造形力と、氏独自の解釈で描かれるデザイン力が評価されている。特に有機的なメカニック・デザインやクリーチャー作品を得意とする。1994年から模型誌『S.M.H.』でオリジナル作品『漁師の角度』を連載し、1999年に刊行したオリジナル作品集『竹谷隆之作品集 漁師の角度』のほか、仮面ライダーシリーズファイナルファンタジーシリーズのフィギュア原型を担当。『牙狼<GARO>』など特撮作品・映画の原型製作・特殊造形・玩具デザインにも参加している[6]

海外にも熱狂的なファンを持ち、膨大なおもちゃのコレクターであるNIKEの社長Mark Parker自らが竹谷の原型を買いに来たこともある。

作風・エピソード

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  • 無類の「骨」好きであり、動物など実物の骨から複製したパーツを使い造形することもある。また、人形フィギュアを制作する際も、サイズの同じ骨を制作し、そこに肉付けしていくという手間のかかる造形工程を行っていたこともあった(例:コトブキヤ製「Elric」などが該当)。
  • シンメトリーが苦手ということもあり、左右非対称なデザインを好む傾向にある。既存作品の中には、一見すると左右対称に見えるが実際は左右非対称の物も多い。
  • 海洋堂原型の食玩チョコエッグのコレクターで、その縁で海洋堂から妖怪の食玩フィギュアの原型を依頼された。
  • 知人に、専門学校では、雨宮慶太(3学年上)、桂正和(1学年上)、寺田克也(同級生)、専門学校以外では小林誠韮沢靖野村哲也がいる。特に野村とはその後ファイナルファンタジーシリーズのフィギュア原型の製作を担当したり、スクウェア・エニックス直営のグッズ販売店「スクウェア・エニックス ショウケース」にあるセフィロスの等身大フィギュアを監修し製作した。
  • S.I.C.シリーズで平成仮面ライダーシリーズをあまり行わない理由として、本人が「朝起きるのがつらい」とコメントしている[要出典]。そのため、竹谷が原型制作を行っている平成仮面ライダーシリーズは仮面ライダークウガの各フォームと『仮面ライダー THE FIRST』の1号とサイクロン号のみである。S.I.C.匠魂は全シリーズ監修している。
  • 雨宮慶太の監督作品では、初期は造形担当として現場でプロップの管理やメンテナンスを行っていたが、『牙狼<GARO>』で年齢を理由に現場を離れデザイン画の執筆やプロップの原型製作などへ移行した[7]。また、映画『タオの月』に参加した際には新婚早々に栃木県山中の撮影現場に行ったため離婚の危機を迎えたことも現場を離れた理由に挙げている[7]
  • シン・ゴジラ』(2016年)でゴジラの原型に起用された理由について、竹谷がゴジラへ特にこだわりがなかったことが総監督の庵野秀明にとって都合が良かったのだろうと述べている[1][3]

作品

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ガレージキット

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  • PUMPKIN HEAD - THE METAMORPHOSIS(ジオメトリック製)
  • 未来忍者 白怒火(マックスファクトリー製)
  • 未来忍者II(マックスファクトリー製)
  • DevilMan(マックスファクトリー製)
  • 髑髏戦士 SkullSoldier(M1号製)
  • ゴジラ骨格(M1号製)[1]
  • IRIA(ファルシオン製)
  • Limited Edition IRIA(ファルシオン製)
  • IRIA II FINAL VERSION(ファルシオン製)
  • ZEIRAM(海洋堂)
  • FINAL FANTASY VIII GUARDIAN FORCE ODIN(コトブキヤ製)
  • FINAL FANTASY VIII - GUARDIAN FORCE DIABOLUS(コトブキヤ製)
  • 変身忍者 嵐(コトブキヤ製)
  • 黒衣の騎士 Night Mare(コトブキヤ製)
  • Elric(コトブキヤ製)
  • ALBINONE(コトブキヤ製)
  • GUIN(コトブキヤ製)
  • CAMBRIA(コトブキヤ製)
  • aura battler DUNBINE(コトブキヤ製)
  • aura battler ZWARTH(コトブキヤ製)
  • aura battler WRYNECK(コトブキヤ製)
  • aura battler VIERRES(コトブキヤ製)
  • 風神(Studio M製)
  • REGENERATION DEVILMAN(フューチャーモデルズ製)
  • ZEIRAM PROP SET(フューチャーモデルズ製)
  • ZEIRAM2(フューチャーモデルズ製)
  • VAMPU 骨人(フューチャーモデルズ製)
  • BEE WOMAN VS MASKED RIDER(フューチャーモデルズ製)
  • HOPPER & PUSHER HOPPER(フューチャーモデルズ製)
  • A METAMORPHOSIS ADDICT HOPPER(フューチャーモデルズ製)
  • DISASTER OF THE PUSHER HOPPER(フューチャーモデルズ製)
  • HOPPER & DISASTER OF THE PUSHER HOPPER(フューチャーモデルズ製)
  • O.I.P.(フューチャーモデルズ製)
  • SITTING HELL(フューチャーモデルズ製)
  • AJARI(フューチャーモデルズ製)
  • NINA DOLONO & STEEVE OIL RAIN(フューチャーモデルズ製)
  • SNAKE WOMAN 鉄僧(フューチャーモデルズ製)
  • 黒木(フューチャーモデルズ製)
  • キバクロウ(フューチャーモデルズ製)
  • EROSIVE GUYVER(フューチャーモデルズ製)
  • HAKAIDER(フューチャーモデルズ製)
  • HAKAIDER BUST-UP MODEL(フューチャーモデルズ製)
  • ALIEN PILE(フューチャーモデルズ製)
  • WARRIOR ALIEN(フューチャーモデルズ製)
  • ALIAN(フューチャーモデルズ製)
  • ALIEN BUST(フューチャーモデルズ製)
  • PREDATOR(フューチャーモデルズ製)
  • PREDATOR BUST(フューチャーモデルズ製)

リボルテックタケヤ

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  • 多聞天
  • 広目天
  • 阿修羅
  • 増長天
  • 持国天
  • 鬼太郎
  • 目玉おやじ
  • ねずみ男
  • 風神
  • 雷神

玩具

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  • L.O.B VOL.1 聖戦士ダンバイン(バンダイ製)
  • FINAL FANTASY CREATURES(スクウェア・エニックス製)
  • デビルマン アートコレクション(ハピネットロビン製)
  • 百鬼夜行妖怪コレクション(海洋堂、フルタ製菓製)
  • 妖怪根付(海洋堂、フルタ製菓製)
  • イデオン(threezeroX)

参加作品

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特撮

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アニメ

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ゲーム

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書籍

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  • 『竹谷隆之作品集 漁師の角度』(ホビージャパン、1999年、ISBN 978-4894252141
  • 『漁師の角度 完全増補改訂版』(講談社、2013年、ISBN 978-4063649178
  • 『竹谷隆之 精密デザイン画集 造形のためのデザインとアレンジ』(グラフィック社、2014年、ISBN 978-4766126167
  • 『竹谷隆之 リボタケ本』(二見書房、2014年、ISBN 978-4576140865)※山口隆との共著
  • 『ROIDMUDE 竹谷隆之 仮面ライダードライブ デザインワークス』(ホビージャパン、2016年、ISBN 978-4798611778
  • 『竹谷隆之 畏怖の造形』(玄光社、2020年、ISBN 978-4768313121
  • 『腐海創造 写真で見る造形プロセス』(徳間書店、2023年、ISBN 978-4198654610

モニュメント・屋外彫像

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脚注

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注釈

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  1. ^ 桂正和との連名。
  2. ^ a b 島本和彦とビッグバンプロジェクトとの連名。
  3. ^ 篠原保K-SuKeとの連名。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i Walker 2016, pp. 112–114, 「竹谷隆之インタビュー」
  2. ^ a b c ゴジラ造型写真集 2017, p. 119, 「ゴジラを造った男たち 竹谷隆之」
  3. ^ a b c d e f シン・ゴジラGENERATION 2017, pp. 57–59, 「造形インタビュー 竹谷隆之」
  4. ^ a b c d e f g h i j ジ・アート・オブ シン・ゴジラ 2016, pp. 102–104, 「インタビュー / 竹谷隆之」
  5. ^ a b c 野村宏平、冬門稔弐「12月10日」『ゴジラ365日』洋泉社映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、355頁。ISBN 978-4-8003-1074-3 
  6. ^ a b c d 完全超悪 2020, p. 335, 「デザイナー紹介/あとがき」
  7. ^ a b c 「MAKING INTERVIEW 006 特殊造形監修 竹谷隆之」『牙狼〈GARO〉公式ビジュアルブック』ホビージャパン〈ホビージャパンMOOK177〉、2006年4月26日、pp.72-73頁。ISBN 4-89425-425-5 
  8. ^ 令和五年度文化庁長官表彰名簿
  9. ^ 『シン・ゴジラ』特報映像解禁 『エヴァ』を感じる?庵野節が炸裂”. ORICON STYLE (2016年4月14日). 2016年4月16日閲覧。

出典(リンク)

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参考文献

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関連項目

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外部リンク

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