「マリリン・モンロー」の版間の差分
→出演作品: 一部邦題の混同・重複を修正(Let's Make It Legal→結婚しましょう) |
読書家について加筆。 |
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{{otheruses|女優・モデル・歌手|2005年のパチンコ機|マリリン・モンロー (2005年のパチンコ機)}} |
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{{複数の問題|独自研究=2010-7|雑多な内容の箇条書き=2011-4}} |
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{{翻訳直後|[[:en:Marilyn Monroe]] 2022-09-07 01:49 (UTC)|date=2022年9月}} |
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| 芸名 = Marilyn Monroe |
| 芸名 = Marilyn Monroe |
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| ふりがな = マリリン・モンロー |
| ふりがな = マリリン・モンロー |
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| 画像ファイル = Marilyn Monroe, Photoplay 1953.jpg |
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| 画像コメント = |
| 画像コメント = 1953年撮影 |
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| 本名 = ノーマ・ジーン・モーテンソン |
| 本名 = ノーマ・ジーン・モーテンソン (''Norma Jeane Mortenson''){{efn|1956年に本名も「マリリン・モンロー」へ改名している<ref>{{Cite news | title = Monroe divorce papers for auctio | newspaper =BBC NEWS | date = 2005-04-21 | url = http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/4468031.stm | access-date = 2022-09-14 |
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| 別名義 = |
| 別名義 = |
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| 出生地 = {{USA}} [[カリフォルニア州]][[ロサンゼルス]] |
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| 死没地 = {{USA}} |
| 死没地 = {{USA}} カリフォルニア州ロサンゼルス |
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| 国籍 = {{USA}} |
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| 民族 = |
| 民族 = |
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| 身長 = |
| 身長 = 168 cm |
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| 血液型 = |
| 血液型 = |
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| 生年 = 1926 |
| 生年 = 1926 |
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| 活動期間 = [[1947年]] - [[1962年]] |
| 活動期間 = [[1947年]] - [[1962年]] |
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| 活動内容 = |
| 活動内容 = |
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| 配偶者 = |
| 配偶者 = {{ubl|{{仮リンク|ジェームズ・ドハティ|en|James Dougherty (police officer)}}|[[ジョー・ディマジオ]]|[[アーサー・ミラー]]}} |
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| 著名な家族 = |
| 著名な家族 = |
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| 事務所 = |
| 事務所 = |
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| 公式サイト = http://marilynmonroe.com/ |
| 公式サイト = http://marilynmonroe.com/ |
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| 主な作品 = 『[[ナイアガラ (映画)|ナイアガラ]]』(1953年)<br/>『[[紳士は金髪がお好き]]』(1953年)<br/>『[[七年目の浮気]]』(1955年)<br/>『[[お熱いのがお好き]]』(1959年) |
| 主な作品 = 『[[ナイアガラ (映画)|ナイアガラ]]』(1953年)<br />『[[紳士は金髪がお好き]]』(1953年)<br />『[[七年目の浮気]]』(1955年)<br />『[[お熱いのがお好き]]』(1959年) |
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| アカデミー賞 = |
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| AFI賞 = |
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| エミー賞 = |
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| ジェミニ賞 = |
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| ゴールデングローブ賞 = '''[[ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)|女優賞(ミュージカル・コメディ部門)]]'''<br/>1959年『お熱いのがお好き』 |
| ゴールデングローブ賞 = '''[[ゴールデングローブ賞 映画部門 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)|女優賞(ミュージカル・コメディ部門)]]'''<br/>1959年『お熱いのがお好き』 |
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| その他の賞 = [[#賞歴]]参照 |
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| ゴールデンラズベリー賞 = |
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| ゴヤ賞 = |
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| グラミー賞 = |
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| ブルーリボン賞 = |
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| ローレンス・オリヴィエ賞 = |
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| 全米映画俳優組合賞 = |
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| トニー賞 = |
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| 日本アカデミー賞 = |
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| その他の賞 = |
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| 備考 = |
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'''マリリン・モンロー'''(Marilyn Monroe、[[1926年]][[6月1日]] - [[1962年]][[8月5日]])は、[[アメリカ合衆国]]の[[俳優|女優]]、[[モデル (職業)|モデル]]、[[歌手]]である。様々な[[アメリカ合衆国の映画|映画]]で典型的な「[[金髪]][[美人|美女]]」(ブロンド・[[ボムシェル]] Blonde bombshell)の役を演じた。1950年代から1960年代初頭にかけて最も人気のある[[セックスシンボル]]の一人であり、同時代の[[性の革命]]の象徴でもあった。 |
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[[File:Marilyn Monroe Birth Certificate.jpg|thumb|250px|モンローの出生証明書]] |
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'''マリリン・モンロー'''(''Marilyn Monroe''、[[1926年]][[6月1日]] - [[1962年]][[8月5日]])は、[[アメリカ合衆国]]の[[俳優|女優]]、[[モデル (職業)|モデル]]である。様々な映画で典型的な「金髪美女」(ブロンド・{{仮リンク|ボムシェル (セックスシンボル)|label=ボムシェル|en|Bombshell (sex symbol)}}Blonde bombshell)の役を演じ、晩年は演技力の伴った俳優としても名声を高めた<ref name=":0" />。 |
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1962年に[[#死と葬儀|不慮の死]]を遂げるまで活動期間はわずか10年ほどにすぎなかったが、彼女の出演した映画は総計2億ドル(2021年の貨幣価値に換算して20億ドルに相当)の[[興行収入]]を上げた<ref>{{Cite news|url=https://www.latimes.com/local/obituaries/archives/la-me-marilyn-monroe-19620806-story.html|title=Marilyn Monroe Dies; Pills Blamed|newspaper=[[ロサンゼルス・タイムズ|''Los Angeles Times'']]|date=August 6, 1962|access-date=September 23, 2015|first=Howard|last=Hertel|first2=Don|author2=Heff|archive-url=https://web.archive.org/web/20150925094726/http://www.latimes.com/local/obituaries/archives/la-me-marilyn-monroe-19620806-story.html|archive-date=September 25, 2015}}</ref>。 |
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死後も重要な[[大衆文化]]のアイコンとなり{{sfnm|1a1=Chapman|1y=2001|1pp=542–543|2a1=Hall|2y=2006|2p=468}}、数多くのアート作品や映画の題材となっている<ref name=":02">Charles Casillo, ''Marilyn Monroe : The Private Life of a Public Icon'' (New York : St. Martin's Press, 2018)</ref>{{Sfnm|1a1=Chapman|1y=2001|1pp=542–543}}。 1999年、[[アメリカン・フィルム・インスティチュート]](AFI)の「[[映画スターベスト100|アメリカ映画100年 映画スターベスト100]]」で女優部門の第6位。 |
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==概要== |
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[[ロサンゼルス]]で生まれたノーマ・ジーン(モンローの本名)は、幼少期のほとんどを[[孤児院]]と[[里親]]のもとで過ごし、16歳で[[結婚]]した。戦時中、[[1944年]]に工場で働いているとき軍隊所属のカメラマン([[第1映画部隊 (アメリカ軍)|第1映画部隊]])の目にとまり、{{仮リンク|ピンナップモデル|en|Pin-up model}}としてキャリアを積み始めた。 |
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== 概要 == |
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その後、[[20世紀フォックス]]([[1946年]] - [[1947年|47年]])、[[コロンビア ピクチャーズ]]([[1948年]])と短期間の映画契約を結ぶ。マイナー映画への出演後、[[1951年]]からのフォックスとの新たな契約の元で2年間、彼女は『{{仮リンク|素晴らしき哉、定年!|en|As Young as You Feel}}』と『[[モンキー・ビジネス (映画)|モンキー・ビジネス]]』を含むいくつかの[[喜劇]]、そして『{{仮リンク|熱い夜の疼き|en|Clash by Night}}』『[[ノックは無用 (映画)|ノックは無用]]』といったドラマ映画に脇役で出演して注目されるようになった<ref name=":0" />。 |
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[[カリフォルニア州]][[ロサンゼルス]]で生まれ育ったモンローは、幼少期のほとんどを[[里親]]家庭や[[孤児院]]で過ごした<ref name="withnews170805">{{Cite web|和書|author=|title=マリリン・モンロー、今も残る死の謎 新婚旅行で原爆資料館にも…|url=https://withnews.jp/article/f0170805003qq000000000000000W06d10501qq000015689A|date=2017-08-05|website=[[withnews]]|publisher=[[朝日新聞社]]|accessdate=2022年10月26日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170805173948/https://withnews.jp/article/f0170805003qq000000000000000W06d10501qq000015689A|archivedate=2017年8月5日}}</ref>。彼女は16歳で最初の結婚をした。[[第二次世界大戦]]中に軍需工場で働いていたときに、[[アメリカ陸軍]][[第1映画部隊 (アメリカ軍)|第1映画部隊]]のカメラマンと出会い、[[ピンナップガール|ピンナップモデル]]としてキャリアをスタートした。 |
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その後、[[20世紀スタジオ|20世紀FOX]]と[[コロンビア ピクチャーズ]]との短期間の映画契約を結ぶ。マイナー映画への出演後、1951年からのFOXとの新たな契約の下での2年間で『{{仮リンク|素晴らしき哉、定年!|en|As Young as You Feel}}』『[[モンキー・ビジネス (映画)|モンキー・ビジネス]]』を含むいくつかの[[喜劇]]作品、そして『{{仮リンク|熱い夜の疼き|en|Clash by Night}}』『[[ノックは無用 (映画)|ノックは無用]]』といったドラマ作品に出演して注目され<ref name=":01">Michelle Vogel, ''Marilyn Monroe : Her Films, Her Life'' (Carolina : McFarland & Company, 2014)</ref>、人気を博した。この頃、無名時代に[[ヌード写真]]を撮っていたことが明らかになるというスキャンダルに見舞われたが、ダメージを受けることはなく、逆に彼女の映画への関心が高まることとなった。 |
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その後モンローは[[1953年]]にかけて、『[[ナイアガラ (映画)|ナイアガラ]]』『[[紳士は金髪がお好き]]』『[[百万長者と結婚する方法]]』の3つの映画で主役を演じて大成功をおさめ、突如としてハリウッドを代表するスターの1人となった。 |
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1953年に主演した『[[ナイアガラ (映画)|ナイアガラ]]』『[[紳士は金髪がお好き]]』『[[百万長者と結婚する方法]]』で「賢くはないが溢れるばかりの性的魅力をもつ女性」、いわゆる「{{仮リンク|ブロンドのステレオタイプ|en|Blonde stereotype|label=ダム・ブロンド}}("Dumb blonde"{{Efn|「ブロンド女性は暗い髪色の女性より頭が悪い」というステレオタイプに基づくキャラクター。}})」のヒロインを演じて大成功を収め、自身のイメージを確立するとともにハリウッドを代表するスター女優のひとりとなる。同年、彼女のヌード写真が雑誌『[[プレイボーイ (雑誌)|プレイボーイ]]』創刊号の[[センターフォールド]]に起用された。 |
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しかしモンローは、 |
しかしモンローは、映画会社が同じような役柄ばかり彼女に振り当てることや、出演料の低さに不満を持ち、1954年初めに映画出演を拒否して活動停止処分を受けた。翌年『[[七年目の浮気]]』の主演で復帰すると、同作は彼女の出演作品の中で最大の興行収入を上げた。 |
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1954年後半には映画制作会社 |
1954年後半には映画制作会社「マリリン・モンロー・プロダクション(MMP)」を設立。1955年からは[[アクターズ・スタジオ]]で[[リー・ストラスバーグ]]の下で演技術([[メソッド演技法]])を学び直している。 同年後半、FOXはモンローの技量を認め、出演料の値上げと映画製作に彼女の意見を反映させることに応じた<ref name=":01" />。その後は1956年の『[[バス停留所 (映画)|バス停留所]](Bus Stop)』での演技を絶賛され、1957年の『[[王子と踊子]]』では初めて[[プロデューサー]]も務めた。1959年『[[お熱いのがお好き]]』で[[ゴールデングローブ賞]]の[[ゴールデングローブ賞 映画部門 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)|ミュージカル・コメディ映画部門主演女優賞]]を受賞した。 |
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その華やかな私生活はメディアで大きな注目を集めた。野球の元スター選手[[ジョー・ディマジオ]]、劇作家の[[アーサー・ミラー]]と結婚しているが、いずれも離婚している。一方で、彼女は[[薬物乱用]]、[[うつ病]]、[[不安障害]]に悩まされていた。 |
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以後、単なるセックスシンボルではなく演技力が伴った俳優としての名声を高め、MMP最初の独立企画である『[[王子と踊子]]』の演技で[[英国アカデミー賞]]主演女優賞の候補となった。[[1959年]]には『[[お熱いのがお好き]]』で[[ゴールデングローブ賞]]主演女優賞を受賞。[[1961年]]公開の『[[荒馬と女]]』が遺作となった。 |
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1962年8月4日、ロサンゼルスの自宅で[[バルビタール]]の過剰服用により36歳で死去(謀殺説については「[[#死をめぐる諸説]]」節を参照)。1961年の映画『[[荒馬と女]]』が遺作となった。 |
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モンローの華やかな私生活はメディアで大きな注目を集め、ハリウッド女優になってから野球のスター選手だった[[ジョー・ディマジオ]]、劇作家の[[アーサー・ミラー]]と[[結婚]]をしている。一方で、彼女は[[薬物乱用]]、[[うつ病]]、[[不安]]に悩まされていた。 |
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[[1962年]][[8月5日]]、ロサンゼルスの自宅で[[バルビタール]]の過剰服用により36歳で死去(死をめぐる謀殺の噂は[[#死と波紋]]を参照)。 |
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== 経歴 == |
== 経歴 == |
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=== 生い立ち === |
=== 生い立ち === |
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[[ファイル:Marilyn_monroe_as_an_infant_brightened.jpg|thumb|幼少期のモンロー(1927年ごろ)]] |
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モンローは[[一人親家庭|片親家庭]]に生まれた。[[アメリカ合衆国]]には[[戸籍]]がないので、出産直後に医師が書く出生証明書が法的な意味をもつことになっている。彼女の出生証明書には、父:エドワード・モーテンソン、母:グラディス・モンロー、氏名:ノーマ・ジーン・モーテンソンと記載されており、彼女の実の父親については議論があるとされる<ref>アンソニー・サマーズ『マリリン・モンローの真実(上)』、28頁、[[中田耕治]]訳、扶桑社<扶桑社ミステリー>、1988年7月</ref>。両親は1928年に離婚している<ref>L.A.County Hall of Records Case No. D-53720, 05MAR1927.</ref><ref>{{cite news|author=AP |url=http://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=9D02E1DC1639F930A25751C0A967948260 |title=Mortensen's Death and documents |work=New York Times |date=February 13, 1981 |accessdate=March 2, 2010}}</ref>。後年大人になったノーマが実の父親の可能性がある母の同僚だったチャールズ・スタンリー・ギフォードに電話したことがあるが、会うことは拒否されている。なお、母グラディスはノーマが出生後ほどなくして、ノーマの姓をモーテンソンからベイカーへ届出変更をしており<ref name="English版wikipedia">{{citation |title= [[:en:Early_life_of_Marilyn_Monroe|English版wikipedia]] }}</ref>、モンローは自己紹介するときは自分の名はノーマ・ジーン・ベイカーだと名乗っている。またモンローは、1956年2月23日ニューヨーク州裁判所から、本名をマリリン・モンローへ変えてよいとの決定を得た<ref name="English版wikipedia"/>。そのため、アーサー・ミラーと結婚したときの本名はマリリン・モンロー・ミラーであった。 |
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モンローは、1926年6月1日、ロサンゼルスの{{仮リンク|ロサンゼルス郡病院|en|LAC+USC Medical Center}}で'''ノーマ・ジーン・モーテンソン''' (Norma Jeane Mortenson) として生まれた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=3, 13–14}}。母親はグラディス・パール・ベイカー(旧姓モンロー)。父親は当時の夫マーティン・エドワード・モーテンセンとされていたが{{Efn|グラディスはモンローの出生証明書の父親の欄にモーテンセンの名前を記載しているが、その綴りは誤ったものだった{{sfn|Churchwell|2004|p=150, citing Spoto, Summers and Guiles}}。(出生証明書では「Mortenson」と記されていたが「Mortensen」が正しい)}}、実の父親については議論があり<ref>アンソニー・サマーズ『マリリン・モンローの真実(上)』、28頁、[[中田耕治]]訳、扶桑社<扶桑社ミステリー>、1988年7月</ref>{{Efn|両親は1924年に結婚したが、グラディスが妊娠するかなり前に別居していたため、モーテンソンが父親である可能性は低い{{sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1pp=149–152|2a1=Banner|2y=2012|2p=26|3a1=Spoto|3y=2001|3p=13}} 。 |
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伝記作家のフレッド・ガイルズとロイス・バナーは、父親は1925年にグラディスと不倫関係にあった同僚のチャールズ・スタンリー・ギフォードであろうと述べているが、ドナルド・スポトは別の同僚が父親の可能性が高いとみなしていた{{sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1p=152|2a1=Banner|2y=2012|2p=26|3a1=Spoto|3y=2001|3p=13}}。}}、2022年に行われた[[DNA鑑定]]の結果、母親の勤め先の同僚チャールズ・スタンレー・ギフォードが実父と判明した<ref>{{Cite web |title=Marilyn Monroe's Biological Father Revealed in Documentary 'Marilyn, Her Final Secret' |url=https://variety.com/2022/tv/global/marilyn-monroe-documentary-charles-stanley-gifford-mediawan-1235222789/ |website=[[バラエティ (アメリカ合衆国の雑誌)|Variety]] |date=2022-04-04 |access-date=2022-08-23 |language=en-US |first=Elsa |last=Keslassy}}</ref>。 |
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母グラディスには離婚歴があり、先夫との間に兄ロバート(1918 - 1933年)と姉{{仮リンク|バーニース・ベイカー・ミラクル|en|Berniece Baker Miracle|label=バーニース}}(1919 - 2014年)がいた{{Sfnm|1a1=Miracle|1y=1994|1p=see family tree}}。モンローは、12歳になるまで兄姉の存在を知らされず、初めて姉と対面したのは成年後(17か18歳)だった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1p=88, for first meeting in 1944}}。 |
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ノーマという本名の由来は、映画好きな母グラディスが当時好きだった女優[[ノーマ・タルマッジ]]からとったとされる。ジーンは1930年代のセックス・シンボル、[[ジーン・ハーロウ]]に由来すると言われているが、彼女の芸能デビューは1930年で、モンローが4歳の時なのでこれは事実では無い。母グラディス・ベイカー(旧姓モンロー)は「[[モンロー主義|モンロー宣言]]」で知られる[[ジェームズ・モンロー]]大統領が先祖であると周囲にもらしていたが、娘のモンロー自身は一笑に付したとされる。 |
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両親は1928年に離婚した<ref>L.A.County Hall of Records Case No. D-53720, 05MAR1927.</ref><ref>{{cite news|author=AP|url=http://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=9D02E1DC1639F930A25751C0A967948260|title=Mortensen's Death and documents|work=New York Times|date=February 13, 1981|accessdate=March 2, 2010}}</ref>。グラディスは精神的にも経済的にも不安定だったが、モンローは幸せな幼少期を過ごした{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=17–26}}。グラディスはノーマを[[ホーソーン (カリフォルニア州)|ホーソーン]]のボレンダー家に預け、仕事のためにロサンゼルスに戻るまでの半年間は一緒に暮らし{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=16–26}}、その後は毎週末に娘を訪ねてきた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=17–26}}。 1933年夏、グラディスはローンで[[ハリウッド]]に小さな家を購入し、7歳のノーマと一緒に暮らし始めた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=26–28}}。親子の住む家には俳優のアトキンソン夫妻と娘のネリーが間借していた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=26–28}}。 |
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日本語訳されている評伝のなかには、マリリンは[[孤児]]だったと記されているが、母親がいたのだから日本語では孤児と呼ぶことは出来ない。これは彼女が孤児院(orphanage)や養子として育てられたために受けた誤解である。またマリリンには父親違いの7つ年上の姉が居る。姉とは女優になってからも気にかけていて、手紙をやりとりし互いに訪ね合うほど親交があった。その姉はマリリンの葬儀に参列している。ジョー・ディマジオと共に葬儀の準備にあたり、マリリンの死装束を選んだのも他ならぬこの姉であった<ref>『マリリン・モンロー わが妹マリリン』バーニース・ベイカー・ミラクル/モナ・ラエ・ミラクル共、大沢満里子訳、メディアックス、初版1997年8月</ref>。 |
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1934年1月、グラディスは精神を病み、妄想型[[統合失調症]]と診断された{{Sfn|Churchwell|2004|pp=155–156}}。療養所で数ヶ月を過ごした後、彼女はメトロポリタン州立病院に入院した{{Sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1pp=155–156}}。以後、彼女は残りの人生を入退院を繰り返しながら過ごし、ノーマとは滅多に会わなかった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=100–101, 106–107, 215–216}}。ノーマは州の保護下に入り、母親の友人グレース・ゴダードがノーマ母娘の身辺を管理することになった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=40–49}}。 |
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マリリンの母親は大手映画製作会社の[[RKO]]でフィルムカッターの仕事をしていたが、[[精神病]]を患ったため、母親の親友であったグレース・マッキー(後に結婚してGoddard「ゴダード」)がマリリンの保護者になった。マッキーが[[1935年]]に結婚した後、モンローは[[ロサンゼルス]]の[[孤児院]]へ、その後伝えられるところでは[[性的虐待]]及び[[ネグレクト]]で支配された養家へ連続して送られ、そのせいか[[吃音症]]を患うようになってしまった。当時の大統領の政策で、里親には支給された援助金目当てで子供を引き取る家もあったとされ、モンローもいくつもの家をたらい回しにされるなど大事に扱われたとは言えなかった。 |
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その後の4年間、ノーマの生活状況は目まぐるしく変化した。最初の16ヶ月、彼女はアトキンソン一家との同居を続けたが、この間に[[児童性的虐待|性的虐待]]を受けた可能性がある{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=33–40}}{{Efn|モンローは8歳の時に下宿人から性的虐待を受けたことを、複数の伝記作家や『[[パリ・マッチ]]』誌、『[[コスモポリタン (雑誌)|コスモポリタン]]』誌でのインタビューでも語っている{{sfn|Banner|2012|pp=48–49}}。児童虐待について語ることがタブーとされた当時、モンローが敢えてこの事を語ったことは異例だった{{sfn|Banner|2012|pp=7, 40–59}}。他にモンローは1937年にグレース・ゴダードの夫から、1938年に親せきの家に住んでいたときに従兄弟から性的虐待を受けていたと述べている{{sfn|Churchwell|2004|pp=166–173}}。}}。 元々内気な性格だったが、[[吃音症|吃音]]も発症し引きこもりがちになった{{Sfn|Banner|2012|pp=27, 54–73}}。1935年の夏、ノーマはグレースと彼女の夫アーウィン・"ドク"・ゴダードの家に引き取られ、彼らと他に2つの家族と一時的に同居した{{Sfn|Banner|2012|pp=47–48}}。同年9月、グレースはノーマをロサンゼルスの[[孤児院]]に預けた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=44–45}}。この孤児院は「模範的な施設」で、周りの人間からも好意的に受け入れられたが、ノーマは自分が見捨てられたと感じていた{{Sfn|Banner|2012|pp=60–63}}。 |
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ノーマは家族と一緒に暮らす方が幸せだと考えた孤児院のスタッフに勧められ、グレースは1936年にノーマの法定[[後見人]]になったが、1937年の夏までノーマを孤児院から引き取らなかった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=49–50}}。2度目のゴダード家での生活はドクが彼女を虐待したためほんの数ヶ月で終わった{{Sfn|Banner|2012|pp=62–64}}。その後、ノーマはロサンゼルスと[[コンプトン (カリフォルニア州)|コンプトン]]で母方の親戚やグレースの友人・親戚の家を短期間で[[たらい回し]]にされながら過ごした{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=49–50}}。 |
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モンローが最初に俳優になりたいと思ったのは、この頃だったという。モンローは当時を「周りの世界が何となく不気味で好きではなかった。『これは、"いい子" を演じるお芝居なんだ』と思った時、私は演技することを初めて意識した。(中略)里親の中には私を邪魔にして映画館に行かせる人もいて、私は一日中、夜遅くまで映画館にいた。でも幼い私は大きなスクリーンの前で一人で座っているのが楽しかった」と回想している<ref>{{Cite news|url=https://www.theguardian.com/theguardian/2007/sep/14/greatinterviews|title=Great interviews of the 20th century: "When you're famous you run into human nature in a raw kind of way"|newspaper=[[ガーディアン|The Guardian]]|date=September 14, 2007|access-date=October 21, 2015|first=Richard|last=Meryman|archive-url=https://web.archive.org/web/20151104070748/http://www.theguardian.com/theguardian/2007/sep/14/greatinterviews|archive-date=November 4, 2015}}</ref>。 |
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=== 最初の結婚 === |
=== 最初の結婚 === |
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[[ファイル:Monroe_and_James_Dougherty.jpg|thumb|最初の夫ドハティと(1943年 - 1944年ごろ)]] |
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[[第二次世界大戦]]下の[[1942年]]、16歳のときに半年で高校を中退しグレース・ゴダードの叔母で母の友人アナ・ロウアーのすすめで、母の家の近所に住む[[ジム・ドハティ]]と最初の結婚をする。ジムはロッキード航空機製造会社に整備工として勤務していたが、その後[[海軍]]に徴兵され輸送船団に乗り組むことになった。独りになったノーマは航空機部品工場レイディオ・プレーン社に就職し、自活の道を歩き始めた。 |
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ノーマは、1938年9月にロサンゼルス西部の{{仮リンク|ソウテル (ロサンゼルス)|en|Sawtelle, Los Angeles|label=ソウテル}}地区でグレースの叔母アナ・ローワーと一緒に暮らし始め、漸く安住の地を得た{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=51–67}}。 彼女は{{仮リンク|エマーソン・コミュニティ・チャーター・スクール|en|Emerson Community Charter School|label=エマーソン中等学校}}に入学し、ローワー夫人と共に毎週[[クリスチャン・サイエンス]]教団の奉仕活動に参加した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=68–69}}。ノーマは成績面では平凡な学生だったが、文章が得意で、学校新聞に記事を寄稿していた{{Sfn|Banner|2012|pp=73–76}}。 年配のローワー夫人の健康上の問題により、ノーマは1941年初めごろ[[サンフェルナンド・バレー]]の{{仮リンク|ヴァンナイズ|en|Van Nuys}}地区に住んでいたゴダード家に戻った{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=67–69}}。 |
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同年、ノーマは{{仮リンク|ヴァンナイズ高等学校|en|Van Nuys High School}}に通い始めた{{Sfn|Spoto|2001|pp=67–69}}。1942年、ドク・ゴダードは勤務先から[[ウェストバージニア州]]への転勤を命じられた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=70–75}}。カリフォルニア州児童保護法の規定により、ゴダード夫妻にはノーマを州外に連れ出す権利がないため、彼女は孤児院に戻らなければならなくなった{{Sfn|Banner|2012|pp=86–90}}。その解決策として、ノーマは16歳の誕生日を迎えた直後の1942年6月19日、ゴダード家の隣人で21歳の工場労働者{{仮リンク|ジェームズ・ドハティ|en|James Dougherty (police officer)}}と結婚した{{Sfn|Spoto|2001|pp=70–75}}。 |
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ノーマは高校を中退し、専業主婦になった。ノーマとドハティは初めから反りが合わず、彼女は後に当時を回想して「退屈で死にかけていた」と述べている{{Sfn|Spoto|2001|p=70–78}}。1943年、ドハティは[[アメリカ海軍]]に徴兵され輸送船団に配属されて[[サンタカタリナ島]]に駐留することになり、ノーマも一緒に転居した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=83–86}}。 |
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=== ハリウッドへ === |
=== ハリウッドへ === |
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[[ファイル:MarilynMonroe_-_YankArmyWeekly.jpg|thumb|コノバーが撮影したノーマ(モンロー)の写真]] |
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[[ファイル:Marilyn_Monroe_postcard.JPG|thumb|絵はがきのピンナップモデルを務めるモンロー(1940年代)]] |
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第二次世界大戦の[[1945年]]の19歳の誕生日を迎えて間もなくのこと、工場で働いていた時に陸軍から取材に派遣された報道部員デビッド・コノバー一等兵に見出され、写真を撮られる。この写真が陸軍の機関誌『ヤンク』に掲載されたことを機にハリウッドへの道をたどることになる。 |
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1944年4月、ドハティは[[太平洋戦争]]の前線に出征し、その後の2年間、殆ど家に帰らなかった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=83–86}}。ノーマはヴァンナイズに戻って彼の家族と同居し、{{仮リンク|ラジオプレーン|en|Radioplane Company}}社の航空機部品製造工場で働き始めた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=83–86}}。同年後半、ノーマは[[アメリカ陸軍航空軍|陸軍航空軍]][[第1映画部隊 (アメリカ軍)|第1映画部隊]]からカメラマンとして女性労働者の士気高揚を目的に陸軍機関誌『[[ヤンク_(雑誌)|ヤンク]]』へ掲載する写真撮影のため工場に派遣されてきた{{仮リンク|デイヴィッド・コノバー|en|David Conover}}に写真を撮られた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=90–91}}。 |
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写真自体は掲載を見送られた<ref>{{Cite web |title=Yank USA 1945 |url=http://www.wartimepress.com/archives.asp?TID=YANK%20USA%201943&MID=YANK%20-%20USA%20Edition&q=357&FID=42 |archive-url=https://web.archive.org/web/20170807072009/http://www.wartimepress.com/archives.asp?TID=YANK%20USA%201943&MID=YANK%20-%20USA%20Edition&q=357&FID=42 |archive-date=August 7, 2017 |publisher=Wartime Press |access-date=January 13, 2012}}</ref>が、ノーマは、前線にいる夫の反対を押し切って、1945年1月に工場を辞め{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=90–93}}、単身ハリウッドに転居し、8月にモデル事務所ブルー・ブック・エージェンシーと契約した{{Sfn|Banner|2012|pp=103–104}}。 |
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コノバーにそのネガを見せられた商業写真家のポッター・ヒューズにカバーガールになることをすすめられ、モンローは工場を辞めてハリウッドのモデルクラブ「ブルーブックス・モデルズ・エージェンシー」の専属モデルに応募した。モデルの基礎教程を終えたノーマの初仕事は、ロサンゼルス博覧会場での[[イベントコンパニオン]]であった。 |
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事務所は、ノーマの容姿はファッションモデルよりも[[ピンナップガール]]向きと見て、彼女の写真を主に男性向けの広告や雑誌に売り込んだ{{Sfn|Spoto|2001|pp=95–107}}。ノーマも採用され易いよう、栗色で癖のある頭髪を金髪に染めて直毛に矯正した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=93–95}}。ノーマはすぐに人気モデルになった。 1946年初頭までに、彼女は『{{仮リンク|ページェント (雑誌)|en|Pageant (magazine)|label=ページェント}}』『USカメラ』『ラフ(Laff)』『ピーク』など33の雑誌の表紙を飾った{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1p=95, for statement & covers}}。当時の彼女は、時折'''ジーン・ノーマン'''(Jean Norman)という芸名を使用していた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=93–95}}。 |
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やがて新進の写真家[[アンドレ・ド・ディーンズ]]と知り合い、モデルとしての才能を発見される。この年、二人で長い撮影旅行に出かけている。ド・ディーンズはマリリン・モンローになる前のノーマ・ジーンの初々しい姿をカメラに収めた。その後、髪をゴールデン・ブロンドに染めたセクシーな[[ポスター|ピンナップ]]が売りものの雑誌に写真が掲載されるようになる。 |
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=== 女優になる === |
=== 女優になる === |
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1946年6月、ブルー・ブックの経営者エメリン・スナイブリーの紹介でノーマは俳優事務所と契約した{{Sfn|Spoto|2001|pp=110–111}}。[[パラマウント・ピクチャーズ|パラマウント映画]]の採用面接に落ちた後、ノーマは[[20世紀スタジオ|20世紀FOX]]の幹部{{仮リンク|ベン・ライオン|en|Ben Lyon}}のスクリーン・テストを受けた。FOXの最高幹部[[ダリル・F・ザナック]]は彼女の採用に難色を示した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=110–112}}が、ライバルの[[RKO]]と契約されるを避けるため{{Efn|RKOのオーナーであった[[ハワード・ヒューズ]]は、雑誌の表紙を飾ったモンローに興味を示していた{{sfn|Banner|2012|p=119}}。}}、同年8月からの半年間の契約を結んだ。契約に際しノーマは「'''マリリン・モンロー'''」という[[芸名]]を名乗ることにした{{Sfn|Spoto|2001|pp=112–114}}。「マリリン」は1920年代の[[ブロードウェイ (ニューヨーク)|ブロードウェイ]]のスター女優{{仮リンク|マリリン・ミラー|en|Marilyn Miller}}から、「モンロー」は母親の旧姓からとった{{Sfn|Spoto|2001|p=114}}。9月、芸能活動に反対し続けていたドハティと離婚した{{Sfn|Spoto|2001|p=109}}。 |
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[[1946年]]、[[20世紀フォックス]]のスクリーン・テストに合格し「マリリン・モンロー」という芸名で契約を結んだ。マリリンの名は1920年代の[[ブロードウェイ]]の美貌の舞台女優[[マリリン・ミラー]]に由来している。なお夫のジムはモデル業に理解を示さず結婚から4年で離婚。 |
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モンローは最初の6か月間、FOXで演技、歌、ダンスを学び、映画制作の現場を見学した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=118–120}}。 契約は1947年2月に更新され、初出演作となった1947年制作の『Dangerous Years{{Enlink|Dangerous Years|英語版}}』『{{仮リンク|嵐の園|en|Scudda Hoo! Scudda Hay!}}』に端役で出演した{{Sfn|Spoto|2001|pp=120–121}}{{Efn|この時期に他のFOX映画に[[エキストラ]]として出演したという主張があるが定かでない{{sfn|Churchwell|2004|p=59}}。}}。FOXは、{{仮リンク|グループ・シアター|en|Group Theatre (New York City)}}劇団が主催する{{仮リンク|アクターズ・ラボラトリー・シアター|en|Actors' Laboratory Theatre|label=演劇学校}}にもモンローを通わせた。モンローは後に「ここで本物の演技というものに初めて触れて、夢中になった」と述べている{{Sfn|Spoto|2001|pp=122–126}}。 しかし彼女の内気で不安定な性格から女優としての将来性はないと考えたFOXは1947年8月に彼女との契約を更新しなかった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=120–121, 126}}。モンローはモデルに戻る一方で、[[ミュージカル映画]]において主役を引き立てる「ペーサー」と呼ばれる裏方の仕事をしていた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=120–121, 126}}。 |
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[[1947年]]に20世紀フォックスの『[[嵐の園]]』という映画に端役で初出演するが、あまりぱっとせずに契約を切られてしまった。しかし、彼女は女優への夢を諦めきれず[[コロムビア映画]]に移籍、『[[コーラスのレディたち]]』で準主役となる。[[コロムビア映画]]とはその映画一本のみで終わってしまったために、その後は再びヌードモデルなどをしながら演技の勉強をし、エージェント(交渉代理業者)を探し続けた。生活が苦しく家賃や車の月賦が払えなかったためにカレンダーのヌードモデルになった(写真家{{仮リンク|トム・ケリー (写真家)|en|Tom Kelley (photographer)|label=トム・ケリー}}撮影の『ゴールデン・ドリーム』と呼ばれる作品で有名)。しかしこのことが後にスキャンダルを巻き起こすことになる。 |
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[[ファイル:Marilyn-by_Cronenweth.JPG|thumb|1948年、『Ladies of the Chorus』の楽屋でメイクを披露するモンロー]] |
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モンローは女優に戻ることを決意し、演劇学校で勉強を続けた。彼女は{{仮リンク|ビバリーヒルズ劇場|en|Beverly Hills Playhouse|label=ブリス・ヘイデン劇場}}の舞台劇で端役を演じたが、この公演は不入りのため数回で終了した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=122–129}}。人脈を作るために、彼女はプロデューサーのオフィスを頻繁に訪れ、FOXがハリウッドで影響力のある男性を接待する場にも同席した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=130–133}}。また、FOXの幹部[[ジョセフ・M・シェンク]]の愛人となり、シェンクは1948年3月に彼女が[[コロンビア ピクチャーズ|コロンビア映画]]と契約する際にコロンビアの[[最高経営責任者]][[ハリー・コーン]]を説得してくれた{{sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1pp=204–216, citing Summers, Spoto and Guiles for Schenck|2a1=Banner|2y=2012|2pp=141–144|3a1=Spoto|3y=2001|3pp=133–134}}。 |
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コロンビアは、モンローに外見を[[リタ・ヘイワース]]に似せるよう指示し、彼女の髪色をプラチナブロンドに変えさせた{{Sfnm|1a1=Banner|1y=2012|1p=139}}。モンローはコロンビアの主席演技指導者{{仮リンク|ナターシャ・ライテス|en|Natasha Lytess}}から指導を受け、彼女は1955年までライテスの指導を受けていた{{Sfn|Spoto|2001|pp=133–134}}。モンローのコロンビアでの唯一の出演作は低予算のミュージカル作品『Ladies of the Chorus{{Enlink|Ladies of the Chorus|英語版}}』で裕福な男に求愛されるコーラスガールを演じて初主演を果たした{{Sfn|Churchwell|2004|p=59}}。彼女は『[[ボーン・イエスタデイ]]』 のスクリーンテストも受けていたが、1948年9月に契約は終了した{{Sfn|Summers|1985|p=43}}。 |
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=== トップスターに === |
=== トップスターに === |
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コロンビアとの契約が終了すると、モンローは再びモデルに戻った。彼女は'''モナ・モンロー'''(Mona Monroe)名義でビール会社の広告やカレンダー用ヌード写真(写真家{{仮リンク|トム・ケリー (写真家)|en|Tom Kelley (photographer)|label=トム・ケリー}}撮影の『ゴールデン・ドリーム』と呼ばれる作品<ref name="issuemagazine-goddesses2">{{cite news|last1=Ortner|first1=Jon|title=Sex Goddesses & Pin-Up Queens|url=https://www.issuemagazine.com/sex-goddesses-pin-up-queens/|access-date=July 19, 2022|work=issue magazine|archive-url=https://archive.ph/mf4U2|archive-date=July 19, 2022}}</ref>で有名)のモデルを務めた{{Sfn|Spoto|2001|pp=151–153}}。モンローは以前にも、他の写真家にトップレスや[[ビキニ (水着)|ビキニ]]姿の写真を撮らせており、ヌードにも抵抗感がなかったといわれている{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=151–153}}{{Efn|これらの写真のモデルがモンローであることが公になったのは1952年になってからである。その後、彼女は「現金が必要だったため、やむを得ずヌードの撮影に応じた」と言ってスキャンダルを収めたが、ドナルド・スポトとロイス・バナーは、彼女は必要に迫られた訳ではなく(バナーによれば、彼女は当初、女優への復帰願望があったため躊躇はした)、ヌード写真撮影も単なる仕事の一つと見做していたと述べている{{sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=151–153|2a1=Banner|2y=2012|2pp=140–149}}。}}。コロンビアを退所して間もなく大手代理人事務所[[エンデバー (企業)|WMA]]の副社長{{仮リンク|ジョニー・ハイド|en|Johnny Hyde}}と出会い、愛人となった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=145–146}}。 |
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[[ファイル:Gentlemen Prefer Blondes Movie Trailer Screenshot (16).jpg|thumb|225px|『[[紳士は金髪がお好き]]』(1953年)の一場面]] |
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[[ファイル:Marilyn Monroe Joe DiMaggio January 1954.jpg|thumb|250px|マリリン・モンローと2番目の夫[[ジョー・ディマジオ]](右)(1954年)。ディマジオは離婚後もモンローを一途に愛し、晩年は頼ってきた彼女の心の支えとなった]] |
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[[ファイル:Marilyn_Monroe_Asphalt_Jungle.jpg|thumb|250px|『アスファルト・ジャングル』(1950年)より。]] |
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[[File:JFK and Marilyn Monroe 1962.jpg|thumb|275px|ケネディ大統領の誕生日祝賀会の後にケネディ兄弟と話すモンロー(1962年5月19日)<br/>右奥は歌手の[[ハリー・ベラフォンテ]]夫妻。話しているのはコメディアンの[[ジャック・ベニー]]。右最手前は大統領補佐官[[アーサー・シュレジンジャー]]]] |
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1950年、ハイドの力でモンローはいくつかの映画で脇役を演じ{{Efn|『[[彼女は二挺拳銃]]』『アスファルト・ジャングル』『イヴの総て』『[[:en:The Fireball|The Fireball]]』『[[:en:Right Cross|Right Cross]]』}}、『[[イヴの総て]]』『[[アスファルト・ジャングル]]』の演技で注目される{{Sfn|Churchwell|2004|pp=59–60}}。特に後者での登場時間はほんの数分間であったにも拘らず、彼女は『{{仮リンク|フォトプレイ (雑誌)|en|Photoplay (magazine)|label=フォトプレイ}}』誌の記事中で言及され、「モデルから女優への転身を果たした」{{Sfn|Spoto|2001|pp=159–162}}。12月、ハイドは20世紀FOXからモンローとの7年間の出演契約{{Efn|ただし、FOX側には1年ごとに契約を見直す権利があった{{Sfn|Spoto|2001|p=182}}。}}を勝ち取った{{Sfnm|1a1=Riese|1y=1988|1p=228}}。契約成立の数日後、ハイドは心臓発作で死亡した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=175–177}}。 |
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[[1951年]]にエージェントのジョニー・ハイドの尽力で『[[アスファルト・ジャングル]]』、『[[イヴの総て]]』に出演、注目される。以後、数本の映画に脇役で出、[[1952年]]の『[[ノックは無用 (映画)|ノックは無用]]』で準主役。[[1953年]]『[[ナイアガラ (映画)|ナイアガラ]]』では不倫相手と夫の殺害を計画する悪女を主演し、腰を振って歩く仕草([[モンロー・ウォーク]])で世の男性の注目を集める。続く『[[紳士は金髪がお好き]]』、『[[百万長者と結婚する方法]]』や『[[七年目の浮気]]』が大ヒットして一躍トップスターとなった。 |
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1951年、モンローはFOX制作の3つのコメディ作品『{{仮リンク|素晴らしき哉、定年!|en|As Young as You Feel}}』『{{仮リンク|恋愛アパート|en|Love Nest}}』『{{仮リンク|結婚しましょう|en|Let's Make It Legal}}』に脇役で出演した{{Sfn|Churchwell|2004|p=60}}。これらの作中でのモンローは「セクシーな添え物」のような扱いだったが、批評家からは好評を博した。『[[ニューヨーク・タイムズ]]』紙の[[ボズレー・クラウザー]]は『素晴らしき哉、定年!』での演技を「素晴らしい」と評し、『[[デイリーニューズ (ロサンゼルス)|イラストレイテッド・デイリー・ニューズ]]』紙のエズラ・グッドマンは、『恋愛アパート』での演技を「最も輝いている新進気鋭の "女優" の1人」と評した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=179–187}}。 |
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大衆の間でのモンローの人気も高まっていった。彼女は週に数千通のファンレターを受け取るようになり、陸軍の機関紙『[[星条旗新聞]]』は[[朝鮮戦争]]の前線にいる兵士の投票によって彼女を「ミス・[[ピンナップガール|チーズケーキ]]1951」に選んだ{{Sfn|Spoto|2001|p=192}}。1952年2月、[[ハリウッド外国人映画記者協会]]は、モンローを「最優秀若手映画人」に選んだ<ref name=":12">{{Cite web |url=https://www.goldenglobes.com/articles/marilyn-globes-golden-girl |title=Marilyn: The Globes' Golden Girl |publisher=[[ハリウッド外国人映画記者協会|Hollywood Foreign Press Association]] (HFPA) |access-date=September 11, 2015 |first=Yoram |author=Kahana |date=January 30, 2014}}</ref>。 |
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私生活では、モンローは映画監督[[エリア・カザン]]と短期間関係を持ち、ほかに監督の[[ニコラス・レイ]]、俳優の[[ユル・ブリンナー]]、[[ピーター・ローフォード]]などと浮名を流した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=180–181}}。1952年初頭、彼女は[[ニューヨーク・ヤンキース]]の元スター選手[[ジョー・ディマジオ]]と交際を始め、これは大々的に報道された{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1p=201}}。 |
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[[ファイル:Monroe_and_Andes_in_Clash_By_Night.jpg|thumb|『熱い夜の疼き』(1952年)でのモンローと{{仮リンク|キース・アンデス|en|Keith Andes}}。本作で、モンローは演技の幅を見せた。]] |
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1952年3月、過去にヌード写真を撮っていたことが明るみに出た{{Sfnm|1a1=Summers|1y=1985|1p=58}}。FOXは記事が出る数週間前に情報を掴んでモンロー側と相談し、ダメージを最小限に抑えるため、マスコミには事実を認めつつ、当時の彼女が経済的に困窮していたことを強調していく戦略をとった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=210–213}}。この戦略は世間の共感を得て、逆に彼女への関心を高め、大きな役を演じるチャンスが舞い込むことになった。このスキャンダルの終息後、モンローは雑誌『[[ライフ (雑誌)|ライフ]]』の表紙を飾り、コラムニストの[[ヘッダ・ホッパー]]は、このスキャンダルはモンローを「[[ピンナップ]]の女王」から「人気女優」に変えたと評した<ref>{{Cite news|url=http://archives.chicagotribune.com/1952/05/04/page/103/article/they-call-her-the-blowtorch-blonde|title=They Call Her The Blowtorch Blonde|newspaper=Chicago Tribune|date=May 4, 1952|access-date=October 18, 2015|first=Hedda|last=Hopper|authorlink=ヘッダ・ホッパー|archive-date=2015-11-21|archive-url=https://web.archive.org/web/20151121135919/http://archives.chicagotribune.com/1952/05/04/page/103/article/they-call-her-the-blowtorch-blonde}}</ref>。FOXはこの状況を利用してモンローが出演した3作品 —『{{仮リンク|熱い夜の疼き|en|Clash by Night}}』『[[ノックは無用 (映画)|ノックは無用]]』『{{仮リンク|結婚協奏曲|en|We're Not Married!}}』— を立て続けに公開した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=210–213}}。 |
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新たなセックスシンボルとして人気が出つつあったモンローだが、自身は演技派の女優になりたいと思っていた。彼女はFOXと契約した直後から俳優[[マイケル・チェーホフ]]とパントマイミストの{{仮リンク|ロッテ・ゴスラー|en|Lotte Goslar}}から演技指導を受け始め{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=188–189}} 、その指導は『熱い夜の疼き』と『ノックは無用』での演技に活かされた{{Sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1p=61 for being commercially successful}}。 |
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『熱い夜の疼き』でモンローは缶詰工場で働く女性を演じた。その役作りのため、彼女は[[モントレー]]の缶詰工場で働いた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=194–195}}。 同作でのモンローの演技は好評を得た。『[[ハリウッド・リポーター]]』誌は「役柄に対する彼女の優れた解釈は主演の地位に値する」と述べ、『[[バラエティ (アメリカ合衆国の雑誌)|バラエティ]]』誌は「もう少し話術を身につければ、更なる人気を博すだろう」と書いた{{Sfn|Spoto|2001|pp=194–195}}<ref>{{Cite web |url=https://catalog.afi.com/Catalog/moviedetails/50452 |title=Clash By Night |publisher=[[American Film Institute]] |access-date=August 8, 2015}}</ref>。 |
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[[ファイル:Monroe_in_Don't_Bother_to_Knock_(1952).jpg|thumb|250px|『ノックは無用』(1952) の一場面。]] |
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『ノックは無用』で、モンローは情緒不安定なヒロインを演じたが、これは彼女がシリアスな役柄も演じられるかを試すテストも兼ねていた{{Sfn|Spoto|2001|pp=196–197}}。しかし同作での演技について『ニューヨーク・タイムズ』紙は「難しい役を演じるには経験が浅すぎた」と評し<ref>{{Cite news|url=https://www.nytimes.com/movie/review?res=9400E7DA153AE23BBC4152DFB1668389649EDE|title=Don't Bother to Knock|date=July 19, 1952|newspaper=[[The New York Times]]|access-date=August 8, 2015|first=Bosley|last=Crowther|authorlink=ボズレー・クラウザー|archive-url=https://web.archive.org/web/20150904002218/https://www.nytimes.com/movie/review?res=9400E7DA153AE23BBC4152DFB1668389649EDE|archive-date=2015-09-04}}</ref> 、『バラエティ』誌は脚本の出来を非難した{{Sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1p=61}} <ref>{{Cite news|url=https://variety.com/1951/film/reviews/don-t-bother-to-knock-1200417267/|title=Review: Don't Bother to Knock|date=December 31, 1951|newspaper=[[Variety (magazine)|Variety]]|access-date=August 8, 2015}}</ref>。 |
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1952年に公開された出演映画5作品中3つは、彼女の性的魅力を強調した典型的なお色気コメディー作品だった。美人コンテストの出場者を演じた『結婚協奏曲』は、脚本を担当した{{仮リンク|ナナリー・ジョンソン|en|Nunnally Johnson}}によると、「彼女の水着姿を見せるため」だけに制作されたといわれる{{Sfn|Spoto|2001|p=200}}。『[[モンキー・ビジネス (映画)|モンキー・ビジネス]]』で、モンローは[[ケーリー・グラント]]の相手役である秘書を演じた{{Sfn|Churchwell|2004|p=62}}。『[[人生模様]]』では[[街娼]]を演じ、[[チャールズ・ロートン]]と共演したが、出演時間は非常に短いものだった{{Sfn|Churchwell|2004|p=61}}。 |
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1952年はモンローが新しいセックスシンボルとしての地位を確立した年となった。彼女が[[ミス・アメリカ]]コンテストのパレード先導役を務めた際の記者会見で、コラムニストの{{仮リンク|アール・ウィルソン (コラムニスト)|en|Earl Wilson (columnist)|label=アール・ウィルソン}}から「夜は何を身に着けて寝ているのか」と質問されて「[[シャネルNo.5|シャネルの5番]]よ」(「裸で寝る」の意)と答えたエピソードはあまりにも有名である{{Sfn|Spoto|2001|pp=224–225}}。コラムニストの{{仮リンク|フローラベル・ミュア|en|Florabel Muir}}は、モンローを「1952年の[[あれ (映画)#評価|イット・ガール]]」と表現した<ref>{{Cite news|url=http://archives.chicagotribune.com/1952/10/19/page/103/article/marilyn-monroe-tells|archive-url=https://web.archive.org/web/20151121143131/http://archives.chicagotribune.com/1952/10/19/page/103/article/marilyn-monroe-tells|archive-date=November 21, 2015|title=Marilyn Monroe Tells: How to Deal With Wolves|newspaper=[[Chicago Tribune]]|date=October 19, 1952|access-date=October 18, 2015|first=Florabel|last=Muir}}</ref> <ref name="MotionPicture1953">{{Cite news|last=Marilyn Monroe as told to Florabel Muir|title=Wolves I Have Known|url=http://es-blog-images.everlasting-star.net.s3-website-eu-west-1.amazonaws.com/wp-content/uploads/2017/10/Motion_Picture__january_1953__b.jpg|access-date=January 31, 2022|newspaper=Motion Picture|date=January 1953|archive-url=https://web.archive.org/web/20210310220531/http://es-blog-images.everlasting-star.net.s3-website-eu-west-1.amazonaws.com/wp-content/uploads/2017/10/Motion_Picture__january_1953__b.jpg|archive-date=March 10, 2021|page=41}}</ref>。 |
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この頃から、映画人の間でモンローは「気難しい女優」と言われるようになり、この悪評は彼女の生涯にわたってつきまとうことになった。事実、彼女は撮影所への遅刻・無断欠勤を繰り返し、台詞を全く覚えずに現場へ来たり、自分の演技に満足できないと何度も撮影のやり直しを求めたりした{{Sfn|Churchwell|2004|p=238}}。彼女の演技指導を担当していたナターシャ・ライテスと[[ポーラ・ストラスバーグ]]のへの依存ぶりも、監督を苛立たせた{{Sfn|Spoto|2001|pp=139, 195, 233–234, 241, 244, 372}}。こうしたモンローの問題行動は、彼女の完璧主義、低い自尊心、舞台恐怖症に起因するといわれている{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=328–329}}。また、彼女は映画撮影の現場が自分の思い通りにならないことに強い不満を持っていたが、これは写真撮影の現場には台本が無く、自分の意見の通る余地があったことに起因していたとされる{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=328–329}} <ref name="levin">{{Cite web |url=https://www.pbs.org/wnet/americanmasters/marilyn-monroe-filmmaker-interview-gail-levin/63/ |title=Filmmaker interview – Gail Levin |date=July 19, 2006 |publisher=[[Public Broadcasting Service]] |access-date=July 11, 2016 |archive-url=https://web.archive.org/web/20160810035145/http://www.pbs.org/wnet/americanmasters/marilyn-monroe-filmmaker-interview-gail-levin/63/ |archive-date=August 10, 2016}}</ref>。 |
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不安障害と慢性的な[[不眠症]]を緩和するために、彼女は[[バルビツール酸系|バルビツール]]、[[アンフェタミン]]といった薬物やアルコールに頼るようになり、これらも問題を悪化させたが、1956年までは深刻な中毒に陥ってはいなかった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=328–329}}。またキャリア後半の問題行動は、男性の共演者や監督からの軽蔑と性差別への抗議でもあったとされている{{Sfn|Churchwell|2004|pp=257–264}}。また多くの監督から嫌がらせを受けていたともいわれている{{Sfn|Banner|2012|pp=189–190, 210–211}}。 |
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{{Triple image stack|right|Marilyn Monroe Niagara.png|Gentlemen Prefer Blondes Movie Trailer Screenshot (34).jpg|Marilyn Monroe, Betty Grable and Lauren Bacall in How to Marry a Millionaire trailer.jpg|250|『ナイアガラ』より|『紳士は金髪がお好き』より、「ダイヤは女の最良の友」を歌うモンロー。|『百万長者と結婚する方法』より。左からモンロー、[[ベティ・グレイブル]]、[[ローレン・バコール]]。}} |
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モンローは1953年に公開された3本の映画に出演し、ハリウッドで最も興行収入を稼ぎ出す女優の一人となった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1p=221}} <ref name="www.quigleypublishing.com Top10_lists">{{Cite web |url=http://www.quigleypublishing.com/MPalmanac/Top10/Top10_lists.html |title=The 2006 Motion Picture Almanac, Top Ten Money Making Stars |publisher=Quigley Publishing Company |access-date=August 25, 2008 |archive-url=https://web.archive.org/web/20141221063625/http://www.quigleypublishing.com/MPalmanac/Top10/Top10_lists.html |archive-date=December 21, 2014}}</ref>。 |
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[[フィルム・ノワール]]作品『[[ナイアガラ (映画)|ナイアガラ]]』では、[[ジョゼフ・コットン]]演じる夫の殺害を企む悪女を演じた{{Sfn|Churchwell|2004|p=233}}。この作品で、モンローは[[メイクアップアーティスト]]の{{仮リンク|アラン・"ホワイティ"・スナイダー|en|Allan "Whitey" Snyder}}とともに、現在も彼女の象徴となっているメイク、すなわち「アーチ型で栗色の眉、白い肌、輝くような赤い唇、ほくろ」を確立した{{Sfn|Churchwell|2004|pp=25, 62}}。『ナイアガラ』はモンローの出演作の中で最も性的な場面の多い映画の一つとされており{{Sfn|Churchwell|2004|p=62}}、作中ではモンローがシーツやタオルを1枚まとっているだけのシーンが複数あるため、当時は観客への刺激が強すぎるのではないかと問題視された{{Sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1p=62}}。最も有名な場面が、腰をくねらせて歩く(いわゆる'''モンロー・ウォーク''')モンローを背後から追った30秒間のロングショットで、予告編等の宣伝活動でも多用された{{Sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1p=62}}。1953年1月に映画が公開されると女性団体からは内容が不道徳であると抗議の声が上がったが、興行的には成功を収めた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1p=221}}。『バラエティ』誌は「定型的でつまらない作品」と酷評したが、『ニューヨーク・タイムズ』紙は作品については「[[ナイアガラの滝|滝]]とモンロー嬢には見るべきものあり」とだけコメントし、モンローの演技については「完璧な女優というにはまだまだだが(略)ただ歩いているだけで、その魅力を十分に感じさせた」と評価した<ref>{{Cite news|url=https://www.nytimes.com/movie/review?res=940DE0DF163FE53ABC4A51DFB7668388649EDE|title=Niagara Falls Vies With Marilyn Monroe|newspaper=The New York Times|date=January 22, 1953|access-date=October 18, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20151105231428/http://www.nytimes.com/movie/review?res=940DE0DF163FE53ABC4A51DFB7668388649EDE|archive-date=November 5, 2015}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://variety.com/1952/film/reviews/niagara-1200417447/|title=Review: 'Niagara'|newspaper=Variety|date=December 31, 1952|access-date=October 18, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20151121060822/http://variety.com/1952/film/reviews/niagara-1200417447/|archive-date=November 21, 2015}}</ref>。 |
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モンローは、その後も際どい衣装で公の場に現れては世間の注目を集めた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=236–238}}。1953年1月に開催されたフォトプレイ賞授賞式で着用したデザイナーの{{仮リンク|ウィリアム・トラヴィッラ|en|William Travilla}}が『紳士は金髪がお好き』のためにデザインしたボディラインを強調し背中の大きく開いた金色のドレスは、大きな話題となった<ref>{{Cite web |title=Style Essentials--Stardom Strikes Marilyn Monroe as GENTLEMEN PREFER BLONDES |url=http://www.glamamor.com/2014/05/MarilynMonroe-GentlemenPreferBlondes-Travilla.html |access-date=2022-09-05 |first=Kimberly |last=Truhler}}</ref>。[[ジョーン・クロフォード]]は、そのようなモンローの振る舞いを「女優としてだけでなく、ひとりの女性としても見苦しい」と批判した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=236–238}}。 |
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『ナイアガラ』でモンローは外見イメージを確立したが、続くミュージカルコメディー作品『[[紳士は金髪がお好き]]』で、彼女には「{{仮リンク|ブロンドのステレオタイプ|en|Blonde stereotype|label=ダム・ブロンド}}」という役柄イメージが定着した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1p=231}}。この映画で、モンローは[[ジェーン・ラッセル]]とともに金銭目的で男性と交際するショーガールを演じたが、モンローの演じたローレライ役は元々、1940年代のFOXで最も人気のあった「金髪美人」女優[[ベティ・グレイブル]]が演じる予定だった。しかし、男女双方の観衆を惹きつけられるスターとして、グレイブルの人気を凌駕しつつあるモンローに白羽の矢がたった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=219–220}}。 |
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映画の宣伝キャンペーンの一環として、モンローとラッセルは6月に[[グローマンズ・チャイニーズ・シアター|チャイニーズ・シアター]]の前庭に手形を押す栄誉を受けた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1p=242}}。映画はそのイベントの直後に封切られ、その年最大の興行収入を上げた作品の1つとなった{{Sfnm|1a1=Solomon|1y=1988|1p=89}}。『バラエティ』誌はモンローの演技、特に劇中歌「{{仮リンク|ダイヤは女の最良の友|en|Diamonds Are a Girl's Best Friend}}」を歌う場面でのパフォーマンスについて「艶やかな歌唱はもちろんのこと、彼女の存在こそがこの場面の価値を高めている」と称賛した<ref>{{Cite news|url=https://variety.com/1953/film/reviews/gentlemen-prefer-blondes-2-1200417560/|title=Gentlemen Prefer Blondes|newspaper=Variety|date=July 1, 1953|access-date=October 18, 2015|first=William|last=Brogdon|archive-url=https://web.archive.org/web/20151121062432/http://variety.com/1953/film/reviews/gentlemen-prefer-blondes-2-1200417560/|archive-date=November 21, 2015}}</ref>。 |
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9月、モンローは『{{仮リンク|ジャック・ベニー・プログラム|en|The Jack Benny Program|label=ジャック・ベニー・ショー}}』でテレビ初出演を果たし、[[ジャック・ベニー]]の妄想に登場する美女を演じた{{sfn|Spoto|2001|p=250}}。11月にはベティ・グレイブル、[[ローレン・バコール]]と共演した同年3本目の映画『[[百万長者と結婚する方法]]』が封切られた。映画はモンロー演じる純真なモデルが、友人達と協力して金持ちの結婚相手を探すという、『紳士は金髪がお好き』の成功パターンを踏襲したものだった。批評家の評価は低かったが、映画はモンローのこれまでのキャリア中で最高の興行収入を記録した{{Sfnm|1a1=Solomon|1y=1988|1p=89}}。 |
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モンローは、[[トップテン・マネーメイキングスター]]に1953年と1954年の2年連続でランキングされ <ref name="www.quigleypublishing.com Top10_lists" />、[[シネマスコープ]]の技術と並んでFOXの「最大の財産」となった{{Sfn|Solomon|1988|p=89}}。1953年12月、[[ヒュー・ヘフナー]]が雑誌『[[プレイボーイ (雑誌)|プレイボーイ]]』創刊号の表紙と[[センターフォールド]]にモンローを起用したことで、彼女のセックスシンボルとしての地位はより確かなものとなった(モンロー自身は出版に同意していなかった){{Sfn|Churchwell|2004|p=217}}。表紙には1952年のミス・アメリカ・コンテストの際に撮影された写真が使用され、センターフォールドには1949年撮影のヌード写真が掲載されていた{{Sfn|Churchwell|2004|p=217}}。 |
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=== 20世紀FOXとの対立とジョー・ディマジオとの結婚 === |
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[[ファイル:Monroe_DiMaggio_Wedding.jpg|thumb|結婚式直後のモンローとジョー・ディマジオ]] |
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[[ファイル:Marilyn_Monroe_photo_pose_Seven_Year_Itch.jpg|thumb|『七年目の浮気』のプロ―モーション写真]] |
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モンローは20世紀FOXが抱える最大のスターの1人となったが、彼女の契約内容は1950年以降は見直しがなく、出演料は他のスター達と比べて低く抑えられ、また企画の選択権も無かった{{sfn|Churchwell|2004|p=68}}。モンローはこれまでとは違う路線の作品への出演を希望したが、FOX経営トップのダリル・F・ザナックは、そうした作品では収益を上げられないと判断して彼女の希望を却下した{{Sfn|Churchwell|2004|pp=68, 208–209}}。FOXオーナーの{{仮リンク|スピロス・スコウラス|en|Spyros Skouras}}から更に収益を上げるよう圧力を受けたザナックは、利益を最大化するため娯楽映画の制作に専念し、芸術性の高い映画の制作を中止することを決断した{{Sfn|Banner|2012|p=217}}。1954年1月、モンローがミュージカルコメディー『The Girl in Pink Tights{{Enlink|The Girl in Pink Tights|英語版}}』への出演を拒否すると、FOXは彼女を活動停止処分とした{{Sfnm|1a1=Summers|1y=1985|1p=92}}。モンローの活動停止はトップニュースとして報じられ、彼女は即座にこのネガティブな話題を打ち消すための行動を起こした。 |
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1月14日、モンローはかねてより交際していたジョー・ ディマジオと[[サンフランシスコ市庁舎]]で結婚式を挙げた{{Sfn|Spoto|2001|p=260}}。 |
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2月1日、[[読売ジャイアンツ]]に招かれたディマジオに同行し、新婚旅行を兼ねて[[日本]]を訪れ<ref name="withnews170805" />{{Sfn|Spoto|2001|pp=262–263}}、[[東京国際空港]](羽田空港)で大歓迎を受けた<ref name="esquire">{{Cite web|和書|author=|title=マリリン・モンロー、闇から浮上したSEXシンボル|url=https://www.esquire.com/jp/culture/woman/a199395/culture-woman-monroe16-0612/|date=2016-06-12|website=[[エスクァイア#日本版エスクァイア|エスクァイア]]|publisher=|accessdate=2022年10月26日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210423093445/https://www.esquire.com/jp/culture/woman/a199395/culture-woman-monroe16-0612/|archivedate=2021年4月23日}}</ref>。夫妻は3週間日本に滞在し<ref name="佐山2">[[#佐山]]171-190頁</ref><ref name="don1962852">{{Cite web|和書|date=2009-08-05 |url=http://www1.ntv.co.jp/don/donna/2009/08/196285.html |title=きょうはDONな日 1962年8月5日 マリリン・モンローが亡くなった日 |work=[[おもいッきりDON!]] |publisher=[[日本テレビ放送網|日本テレビ]] |accessdate=2015-10-15 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20090828001904/https://www1.ntv.co.jp/don/donna/2009/08/196285.html |archivedate=2009年8月28日}}</ref>、[[東京都|東京]]、[[静岡県|静岡]]、[[福岡市|福岡]]、[[広島県|広島]]、[[大阪府|大阪]]を巡った<ref name="esquire" /><ref name="documentary">{{Cite web|和書|author=|title=生誕90年!マリリン・モンローに何があったのか? ~運命の24日間!日本でのハネムーンの真相~|url=https://www.bs-asahi.co.jp/documentary/lineup/prg_038/|date=2016-09-08|website=[[BS朝日ザ・ドキュメンタリー]]|publisher=[[BS朝日]]|accessdate=2022年10月26日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20221025155639/https://www.bs-asahi.co.jp/documentary/lineup/prg_038/|archivedate=2022年10月25日}}</ref><ref name="fmfukuoka">{{Cite web|和書|author=|title=モンロー来日時のエピソード|url=https://fmfukuoka.co.jp/blog-archives/a/human/2007/02/211.html|date=2008-02-11|website=ヒューマンストリート|publisher=[[エフエム福岡]]|accessdate=2022年10月26日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20221024125839/https://fmfukuoka.co.jp/blog-archives/a/human/2007/02/211.html|archivedate=2022年10月24日}}</ref>。福岡までは仲睦まじかったが、[[広島県総合グランド野球場|広島県総合球場]]でディマジオが[[広島カープ]]の選手たちに打撃指導を行った際<ref name="中国9918">{{Cite news|title=カープ50周年特集 カープ年表(1954年)|newspaper=[[中国新聞]]|date=1999-04-22|author=|url=http://www.chugoku-np.co.jp/Carp/50y/nen/990422.html|accessdate=2022年3日10日|publisher=[[中国新聞社]]|archiveurl=https://web.archive.org/web/20000509123800/http://www.chugoku-np.co.jp/Carp/50y/nen/990422.html|archivedate=2000年4月9日}}{{Cite news|title=元カープ社長の孫 50年代の写真発見 スター来訪 復興に光|newspaper=中国新聞|date=2017-12-05|author=|url=https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=79919|accessdate=2022年3日10日|publisher=ヒロシマ平和メディアセンター|archiveurl=https://web.archive.org/web/20201204033226/https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=79919|archivedate=2020年12月4日}}</ref><ref>{{Cite news|title=ボクの思い出STADIUM:広島総合&広島市民球場|newspaper=中日スポーツ|date=2016-07-12|url=http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/column/omoidestadium/CK2016072102100020.html|accessdate=2016-11-21|archiveurl=https://web.archive.org/web/20160801025853/http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/column/omoidestadium/CK2016072102100020.html|archivedate=2016年8月1日|deadlinkdate=2017年10月}}[https://www.daily.co.jp/baseball/2016/07/12/0009276919.shtml 思い出のスタジアム広島市民球場…2千人暴徒乱入事件]</ref>、絶対に来てはいけないと念を押されていたモンローが球場を訪れ<ref name="esquire" /><ref name="中国9918" /><ref>{{Cite web|和書|author=比嘉太一・山崎毅朗・比嘉展玖・副島英樹|title=核といのちを考える 怒るゲバラ、モンローはため息 広島・長崎に刻んだ思い|url=https://www.asahi.com/articles/ASP7Z4J9PP7NPTIL02J.html|date=2021-08-6|website=[[朝日新聞デジタル]]|publisher=[[朝日新聞社]]|accessdate=2022年10月26日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210805211243/https://www.asahi.com/articles/ASP7Z4J9PP7NPTIL02J.html|archivedate=2021年8月5日}}</ref><ref>{{Cite news|author=玉木研二|date=2016-05-27|title=オバマ大統領に伝えたい 広島、71年の営み|url=https://mainichi.jp/articles/20160527/dde/012/040/005000c|accessdate=2022-03-10|newspaper=[[毎日新聞]]|publisher=[[毎日新聞社]]|archiveurl=https://web.archive.org/web/20160528110215/https://mainichi.jp/articles/20160527/dde/012/040/005000c|archivedate=2016年5月27日}}</ref>、ディマジオそっちのけでファンが殺到してしまい<ref name="esquire" /><ref name="佐山2" /><ref name="カープ昔話2222">{{Cite book|和書|author=西本恵|title=広島カープ昔話・裏話 じゃけえカ−プが好きなんよ|chapter=絶世の美女マリリン・モンロー、広島総合球場に現る。『スロー』『スロー』『ブーン』のアメリカ流指導に耳を傾ける。|year=2008|publisher=トーク出版|pages=222-227|isbn=9784904014073}}</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20131204202724/http://www.k2.dion.ne.jp/~sigesige/LOVELOG_IMG/837D838A838A839381E83828393838D815BB01.jpg 広島県営グランドを歩くモンロー(サンデー毎日、1980年8月17日 巻頭グラビア)。]、[http://img.4travel.jp/img/tcs/t/pict/src/37/91/34/src_37913422.jpg カープ写真パネル展]、[https://web.archive.org/web/20110622014140/http://www.geocities.jp/mink_okayama/minpousi03.html みんなで語ろう民放史. 泣き笑いスポーツアナ奮戦記 -カープを追い続けた地方局- 山中 善和 (RCC) ]</ref>、ディマジオがモンローを叱責したことが離婚の原因の一つともいわれる<ref name="esquire" /><ref name="佐山2" /><ref name="カープ昔話2222" />。 |
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日本滞在中の2月16日からの3日間、モンローは[[朝鮮戦争休戦協定|朝鮮戦争休戦]]後も韓国に駐留する[[国連軍 (朝鮮半島)|国連軍]]兵士を慰問する[[米国慰問協会|USO]]主催のショーに参加し<ref name="documentary" /><ref name="fmfukuoka" />、60,000人以上の[[アメリカ海兵隊]]員の前で出演作の劇中歌などを歌った{{Sfn|Churchwell|2004|p=241}}。 |
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帰国後、モンローは『フォトプレイ』誌の「最も人気のある女性スター」に選ばれた{{Sfn|Spoto|2001|p=267}}。3月にはFOXと和解し、新しい契約を結んだ。FOXは彼女に10万ドルのボーナスを支払い、ブロードウェイで成功した演劇『七年目の浮気』を映画化する際の主役を約束した{{Sfn|Spoto|2001|p=271}}。 |
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1954年4月、活動中断前に撮影していた[[オットー・プレミンジャー]]監督の[[西部劇]]『[[帰らざる河]]』が公開された。モンローはこの映画について「俳優たちの演技が風景映像とシネマスコープの添え物にされたZ級のカウボーイ映画」と述べているが、興行的には成功を収めた{{Sfn|Churchwell|2004|pp=66–67}}。彼女が復帰後に初出演した映画はミュージカル『[[ショウほど素敵な商売はない]]』だった{{Sfn|Spoto|2001|p=271}}が、12月16日の封切り後、モンローの本作での演技は多くの批評家から下品と評価され、興行的にも成功しなかった{{Sfnm|1a1=Riese|1y=1988|1pp=338–440}}。 |
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[[1954年]][[1月14日]]、かつて[[メジャーリーグベースボール]]の[[ニューヨーク・ヤンキース]]に所属し、最も知名度の高い[[プロ野球選手]]だった[[ジョー・ディマジオ]]と[[サンフランシスコ]]市庁舎で結婚。 |
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1954年9月、映画『[[七年目の浮気]]』の撮影が[[ビリー・ワイルダー]]監督の下で開始され、モンローは[[トム・イーウェル]]演じる既婚男性の妄想の対象となる女性を演じた。映画の殆どはハリウッドのスタジオで撮影されたが、FOXは[[マリリン・モンローの白いドレス|白いドレス]]をまとったモンローのスカートが地下鉄の通風孔からの風でめくれ上がる場面を[[ニューヨーク]]・[[マンハッタン]]の[[レキシントン・アベニュー (マンハッタン)|レキシントン・アベニュー]]で撮影し、宣伝を兼ねてその模様を公開することにした{{Sfn|Spoto|2001|pp=283–284}}。撮影は数時間にわたり、約2000人がその模様を見物した{{Sfn|Spoto|2001|pp=283–284}}。この場面はモンローの最も有名な映像の一つになり、1955年6月に封切られた映画は、その年最大の興行収入を上げた作品の1つとなった{{Sfn|Spoto|2001|p=331}}。 |
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同年2月1日、[[読売ジャイアンツ]]の招きもあり、[[新婚旅行]]を兼ねて[[パンアメリカン航空]]の[[ボーイング377]]で[[日本]]を訪れ、[[東京国際空港]]で大歓迎を受けた。夫妻は3週間日本に滞在<ref name="佐山" >[[#佐山]]171-190頁</ref><ref name="don196285">{{Cite web |date=2009-08-05 |url=http://www1.ntv.co.jp/don/donna/2009/08/196285.html |title=きょうはDONな日 1962年8月5日 マリリン・モンローが亡くなった日 |work=[[おもいッきりDON!]] |publisher=[[日本テレビ放送網|日本テレビ]] |accessdate=2015-10-15 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20090828001904/https://www1.ntv.co.jp/don/donna/2009/08/196285.html |archivedate=2009年8月28日 }}</ref>。[[東京都|東京]]、[[静岡県|静岡]]、[[福岡市|福岡]]、[[広島県|広島]]、[[大阪府|大阪]]とまわり、ディマジオが福岡で[[松竹ロビンス|松竹]]と[[東京ヤクルトスワローズ|国鉄]]の選抜選手<ref name="佐山" />、広島で[[広島東洋カープ|広島カープ]]、大阪で[[阪神タイガース]]の野球指導を行った<ref name="佐山" /><ref name="don196285" /><ref name="中国990422" >{{Cite news|title=カープ50周年特集 カープ年表(1954年)|newspaper=[[中国新聞]]|date=1999-04-22|author=|url=http://www.chugoku-np.co.jp/Carp/50y/nen/990422.html|accessdate=2022年3日10日|publisher=[[中国新聞社]]|archiveurl=https://web.archive.org/web/20000509123800/http://www.chugoku-np.co.jp/Carp/50y/nen/990422.html|archivedate=2000年4月9日}}</ref><ref name="中国180104" >{{Cite news|title=元カープ社長の孫 50年代の写真発見 スター来訪 復興に光|newspaper=[[中国新聞]]|date=2017-12-05|author=|url=https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=79919|accessdate=2022年3日10日|publisher=ヒロシマ平和メディアセンター|archiveurl=https://web.archive.org/web/20201204033226/https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=79919|archivedate=2020年12月4日}}</ref><ref name="毎日160527">{{Cite news|author=玉木研二|date=2016-05-27|title=オバマ大統領に伝えたい 広島、71年の営み|url=https://mainichi.jp/articles/20160527/dde/012/040/005000c |accessdate=2022-03-10|newspaper=[[毎日新聞]]|publisher=[[毎日新聞社]] |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160528110215/https://mainichi.jp/articles/20160527/dde/012/040/005000c |archivedate=2016年5月27日}}</ref><ref>{{Cite web|author=比嘉太一・山崎毅朗・比嘉展玖・副島英樹|title=核といのちを考える 怒るゲバラ、モンローはため息 広島・長崎に刻んだ思い|url=https://www.asahi.com/articles/ASP7Z4J9PP7NPTIL02J.html|date=2021-08-6|website=[[朝日新聞デジタル]] |accessdate=2022年3月10日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210805211243/https://www.asahi.com/articles/ASP7Z4J9PP7NPTIL02J.html|archivedate=2021年8月5日}}</ref><ref name="カープ昔話222" >{{Cite book |和書 |author = 西本恵 |title = 広島カープ昔話・裏話 じゃけえカ−プが好きなんよ |chapter = 絶世の美女マリリン・モンロー、広島総合球場に現る。『スロー』『スロー』『ブーン』のアメリカ流指導に耳を傾ける。|year = 2008 |publisher = トーク出版 |pages=222-227|isbn = 9784904014073 }}</ref><ref>[http://www.cdjournal.com/main/calendar/20140114 2014年01月14日(火) - 今日は何の日? - CDJournal.com ]</ref>。福岡までは二人は仲睦まじかったが、[[広島県総合グランド野球場|広島県総合球場]]でディマジオがカープ選手に打撃指導を行った際<ref name="中国990422" /><ref name="中国180104" />、球場には絶対に来てはいけないと念を押していたモンローが同球場を訪れ<ref name="中国990422" /><ref name="毎日160527"/>、ディマジオそっちのけでファンが殺到した<ref name="佐山" /><ref name="カープ昔話222" /><ref>[https://web.archive.org/web/20131204202724/http://www.k2.dion.ne.jp/~sigesige/LOVELOG_IMG/837D838A838A839381E83828393838D815BB01.jpg 広島県営グランドを歩くモンロー(サンデー毎日、1980年8月17日 巻頭グラビア)。]、[http://img.4travel.jp/img/tcs/t/pict/src/37/91/34/src_37913422.jpg カープ写真パネル展]、[https://web.archive.org/web/20110622014140/http://www.geocities.jp/mink_okayama/minpousi03.html みんなで語ろう民放史. 泣き笑いスポーツアナ奮戦記 -カープを追い続けた地方局- 山中 善和 (RCC) ]</ref>。ディマジオがモンローを叱責したことが離婚の原因ともいわれる<ref name="佐山" /><ref name="カープ昔話222" />。 |
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ニューヨーク[[ロケーション撮影|ロケ]]の模様を撮影した写真が、世界中の新聞・雑誌に掲載されると、それを見た夫ディマジオは激怒し、2人の離婚の原因の一つとなった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=284–285}}。モンローは結婚当初からディマジオの[[モラルハラスメント|嫉妬深さと束縛]]に悩まされており、また彼から[[ドメスティックバイオレンス|暴力]]も受けていた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=208, 222–223, 262–267, 292}}。結婚から9か月後の1954年10月、ニューヨークからハリウッドに戻った後、モンローは離婚を申請した{{Sfnm|1a1=Summers|1y=1985|1pp=103–105}}。 |
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東京の[[帝国ホテル]]滞在中、2月5日に米軍高官から兵士慰問の依頼があり、帰国日の2月25日までの間、モンローは日本国内の米軍基地や負傷兵の収容施設・病院などを折に触れて訪問した。また、滞在中の2月16日からの3日間は、[[朝鮮戦争]]の休戦協定後も駐留する[[国連軍]]兵士の慰問として訪韓している。モンローは米軍関係者とともにヘリコプターやジープなどを乗り継いで、[[大韓民国|韓国]]内の国連軍駐屯地の慰問を行った。 |
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=== 脱セックスシンボル === |
=== 脱セックスシンボル === |
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[[ファイル:Monroe_Actors_Studio.jpg|左|thumb|1961年、アクターズ・スタジオにて]] |
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[[1955年]]に、関係が悪化していたディマジオと離婚した。結婚生活は9か月しか続かなかった。その後、セックスシンボルを脱したかった彼女は、[[ニューヨーク]]に移り[[リー・ストラスバーグ]]が主催する[[アクターズ・スタジオ]]で演技の指導を受けている。『[[アンナ・クリスティ]]』、『[[欲望という名の電車]]』を演じ好評を博したことは彼女に自信を取り戻させた。 |
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1954年11月に『七年目の浮気』の撮影が終了すると、モンローはハリウッドを離れて[[アメリカ合衆国東海岸|東海岸]]に移り住み、そこで写真家[[ミルトン・H・グリーン]]と自身の制作会社「'''マリリン・モンロー・プロダクションズ'''(MMP)」を設立した{{Efn|モンローとグリーンは1949年に出会い、短期間だが関係を持っており、1953年に雑誌『[[ルック (アメリカの雑誌)|ルック]]』に掲載する写真撮影で再会した。その際、モンローからFOXへの不満を聞いたグリーンがMMP設立を持ちかけた{{sfn|Spoto|2001|pp=158–159, 252–254}}。}}。この行動は後に[[スタジオ・システム]]の崩壊に一定の貢献をしたと評価されている{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=295–298}}。当時のモンローは「同じような(ダム・ブロンドの)役ばかり持ってくるFOXにうんざりして」おり、またFOXが先述のボーナスを一向に支払わないため、先の契約は無効であると主張した{{Sfn|Spoto|2001|pp=301–302}}。1955年1月、彼女とFOXの間で1年間にわたる法廷闘争が始まった{{Sfn|Spoto|2001|pp=302–303}}。マスコミはモンローを大々的に嘲笑し、ブロードウェイでも彼女を揶揄する演劇『Will Success Spoil Rock Hunter?{{Enlink|Will Success Spoil Rock Hunter? (play)|英語版}}』が上演され、彼女によく似た風貌の[[ジェーン・マンスフィールド]]が、人気に驕って自分の制作会社を立ち上げる我儘な女優を演じた{{Sfn|Spoto|2001|p=338}}。 |
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MMP設立後、モンローは[[マンハッタン]]に移り住み、1955年から再び演技を学び始めた。彼女は女優{{仮リンク|コンスタンス・コリアー|en|Constance Collier}}の演劇講座を受講し、[[リー・ストラスバーグ]]が主宰する演劇学校[[アクターズ・スタジオ]]で[[メソッド演技法]]に関するワークショップに参加した{{Sfn|Spoto|2001|p=302}}。モンローはストラスバーグと彼の妻[[ポーラ・ストラスバーグ|ポーラ]]と親しくなり、夫妻の自宅で個人レッスンを受けるようになって、すぐに家族同然の関係となった{{Sfn|Spoto|2001|p=327}}。ポーラはナターシャ・ライテスに替わってモンローの演技指導者になった。ストラスバーグ夫妻は、彼女の後半生に多大な影響を与えた{{Sfn|Spoto|2001|p=350}}。また、モンローはリー・ストラスバーグの「俳優は自らのトラウマに立ち向かい、それを演技に生かさなけらばならない」という教えに感化されて[[精神分析学|精神分析]]を受け始めた{{Sfn|Spoto|2001|pp=310–313}} {{Efn|モンローは1955年から亡くなるまで定期的に精神分析を受けていた。彼女の精神分析を担当した精神科医は順に、マーガレット・ホーエンベルク (1955–1957)、[[アンナ・フロイト]] (1957)、マリアンヌ・クリス (1957–1961) そして{{仮リンク|ラルフ・グリーンソン|en|Ralph Greenson}} (1960–1962) である{{sfn|Spoto|2001|pp=312–313, 375, 384–385, 421, 459 on years and names}}。}}。 |
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[[1956年]]には劇作家の[[アーサー・ミラー]]と結婚するが、[[1957年]]頃から不安定な状態が続き、[[睡眠薬]]を飲み過ぎたりして、[[精神病院]]に入ったりもした。[[カリフォルニア大学ロサンゼルス校]]教授の[[ラルフ・グリーンソン]]による精神分析を受け続けた。 |
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当時のモンローは、離婚協議進行中にも拘わらずディマジオとの夫婦生活を続ける一方で、俳優[[マーロン・ブランド]]や劇作家[[アーサー・ミラー]]とも関係を持っていた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001}}。モンローとミラーの関係は、1950年代初頭に彼女がエリア・カザンから初めてミラーを紹介されたことに始まる{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001}}。1955年10月にモンローの離婚が成立し、さらにミラーが妻と別居すると、二人の関係はさらに深まった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1p=337}}。当時のミラーは[[共産主義|共産主義者]]との告発を受けて[[連邦捜査局|FBI]]の捜査対象になっており、[[下院非米活動委員会]]にも召喚されていたため、FOXはモンローに彼と別れるよう促したが、彼女は拒否した{{Sfnm|1a1=Summers|1y=1985|1p=157}}。このため、モンローもFBIの捜査対象となった{{sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1p=337|2a1=Meyers|2y=2010|2p=98}}。 |
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また、[[アンナ・フロイト]]([[ジークムント・フロイト]]の娘)には[[境界性パーソナリティ障害]]と診断されたが、正確なところは分からない。この頃流産を経験した。 |
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結局、MMPだけでは映画の制作資金を調達することができなかったことと、FOX側がモンローとの再契約を切望していたため、年末までに両者は和解して新たに7年間の契約に署名した{{Sfn|Spoto|2001|pp=301–302}}。FOXは映画4本分の製作費用としてモンローに40万ドルを支払い、彼女に企画・演出家・撮影監督を選ぶ権限を与え{{Sfn|Spoto|2001|pp=339–340}}、今後モンローがFOX制作の映画1本に出演するごとにMMPで1本の映画を自由に制作することを認めた{{Sfn|Spoto|2001|pp=339–340}}。 |
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=== 私生活への注目 === |
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モンローは、強い性的魅力で男を翻弄する役柄を数多く演じたため、私生活での男性関係がつねにメディアで注目されづけた。そのためモンローの相手として噂に上った著名人は、喜劇俳優チャールズ・チャップリンや映画監督エリア・カザン、俳優マーロン・ブロンドまできわめて多数に上る<ref name=":0" /><ref name=":1" />。 |
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=== 名声の獲得、アーサー・ミラーとの結婚 === |
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その中でも特に執拗に流された噂のひとつが、[[ジョン・F・ケネディ|ジョン・F・ケネディ]]大統領との関係である。 |
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モンローは1956年を20世紀FOXに対する勝利宣言から始めた{{Sfn|Banner|2012|pp=296–297}}。マスコミは映画会社と争うというモンローの決断について好意的な記事を書いている。『[[タイム (雑誌)|タイム]]』誌は彼女を「抜け目のない女性実業家」と呼び{{Sfn|Spoto|2001|p=341}} 、『[[ルック (アメリカの雑誌)|ルック]]』誌はこの勝利が「今後何年にもわたって組織に対抗する個人の模範」になるだろうと予測した{{Sfn|Banner|2012|pp=296–297}}。対照的に、モンローとアーサー・ミラーとの関係は、[[ウォルター・ウィンチェル]]が「アメリカで最も有名な金髪美女は、今や左翼インテリの情婦である」という声明を出すなど、否定的なコメントで溢れた{{Sfn|Spoto|2001|pp=343–345}}。 |
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[[ファイル:Monroe_and_Murray_argument_in_Bus_Stop.jpg|180px|thumb|『バス停留所』の一場面]] |
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モンローは[[1961年]]にミラーと離婚したが、この離婚に先立つ[[1959年]]頃から、ケネディの妹の夫で俳優の[[ピーター・ローフォード]]や[[フランク・シナトラ]]の紹介で、前年に大統領となった[[ジョン・F・ケネディ|ケネディ]]の知己を得ている<ref name=":0" />。 |
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3月、モンローは新しい契約下での最初の映画『[[バス停留所 (映画)|バス停留所]](Bus Stop)』の撮影を開始した{{Sfn|Spoto|2001|p=345}}。劇中で彼女は、スターダムを夢見ながら純朴なカウボーイと恋に落ちたことで葛藤を抱える歌手シェリーを演じた。役作りのため、彼女は{{仮リンク|アパラチア英語|en|Appalachian English|label=アパラチア方言}}を学び、それまでの売り物だった性的魅力を抑えた衣装とメイクを選び、凡庸な歌と踊りの演技を披露した{{Sfn|Spoto|2001|pp=352–357}}。監督を依頼された[[ジョシュア・ローガン]]は、当初はモンローの演技力を疑い、気難しいという彼女の評判も知っていたにも拘わらず、依頼を受けた{{Sfn|Spoto|2001|pp=352–354}}。 |
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撮影は[[アイダホ州]]と[[アリゾナ州]]で行われ、モンローはMMP側の「技術責任者」も務め、時に撮影に関する重要な決定に関与し、ローガンも彼女の遅刻癖と完璧主義に見事に対応した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=354–358, for location and time}}。この撮影での経験はモンローに対するローガンの見方を変え、彼は後にモンローの喜劇と悲劇を融合させる能力を[[チャールズ・チャップリン]]のそれと比較して論じている{{Sfn|Banner|2012|p=254}}。 |
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その後モンローとケネディが肉体関係にあったとする噂が、ローフォードやモンローの家の家政婦のレナ・ペピートーンなどの証言をもとに長く噂されてきた<ref>『ピーター・ローフォード―ケネディ兄弟とモンローの秘密を握っていた男』 348頁、ジェイムズ スパダ、[[広瀬順弘]]訳、[[読売新聞社]]刊 [[1992年]]</ref>。また、ジョンの弟で司法長官を務めていた[[ロバート・ケネディ]]とも関係があったとも囁かれたことがある<ref>『JFKの寝室 ケネディと[[ジャクリーン・ケネディ・オナシス|ジャクリーン]]の封印された性』370頁、クリストファー・アンダーソン著、[[戸根田由紀恵]]訳、[[徳間書店]]、1997年</ref>。 |
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[[ファイル:Monroe_Miller_Wedding.jpg|左|180px|thumb|1956年6月の結婚式でのモンローとミラー]] |
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しかし、モンローがケネディとたびたび電話で個人的な会話を交わす関係にあったことは、ホワイトハウスの通話記録などから確実視されている<ref name=":2">Fredrik Logevall, ''JFK : Coming of Age in the American Century, 1917-1956'' (New York : Random House, 2020)</ref>ものの、FBIの捜査記録や知人たちへの膨大なインタビューなどをもとにした近年の研究では、二人が肉体関係にあったことを裏づける明確な証拠は存在せず、あくまで噂にすぎないと結論づけられている<ref name=":0">Michelle Vogel, ''Marilyn Monroe : Her Films, Her Life'' (Carolina : McFarland & Company, 2014)</ref><ref name=":1">Charles Casillo, ''Marilyn Monroe : The Private Life of a Public Icon'' (New York : St. Martin's Press, 2018)</ref>。 |
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6月29日、モンローとアーサー・ミラーは[[ニューヨーク州]][[ホワイト・プレインズ (ニューヨーク州)|ホワイト・プレインズ]]のウェストチェスター郡裁判所で結婚した。 2日後、彼らはニューヨーク州{{仮リンク|ワカバック (ニューヨーク州)|en|Waccabuc, New York|label=ワカバック}}にあるミラーの著作権代理人{{仮リンク|ケイ・B・バレット|en|Kay B. Barrett|label=ケイ・ブラウン}}の家で改めて[[ユダヤ教]]式で挙式した{{Sfn|Spoto|2001|pp=364–365}} <ref>{{Cite web |title=Marilyn Monroe's Westchester Wedding; Plus, More County Questions And Answers |date=November 2014 |first=Tom |author=Schreck |website=Westchester Magazine |url=https://www.westchestermagazine.com/Westchester-Magazine/November-2014/Marilyn-Monroes-Westchester-Wedding-Plus-More-County-Questions-And-Answers/ |access-date=May 17, 2019 |archive-url=https://web.archive.org/web/20190517063630/http://www.westchestermagazine.com//Westchester-Magazine/November-2014/Marilyn-Monroes-Westchester-Wedding-Plus-More-County-Questions-And-Answers |archive-date=May 17, 2019}}</ref>。 |
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結婚とともにモンローはユダヤ教に改宗し{{Efn|モンローはユダヤ人を「被差別民族」と認識しており、改宗してミラーの家族の一員になりたいと考えていた{{sfn|Banner|2012|p=256}} 。彼女はラビ・ロバート・ゴールドバーグの指導で1956年7月1日に改宗した{{sfn|Meyers|2010|pp=156–157}} 。 |
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ただし、モンローの宗教としてのユダヤ教への関心は薄く、自らを「ユダヤ的無神論者」と称し、ミラーとの離婚後は、宗教的な品を所持する以外、信仰を実践することはなかったという{{sfn|Meyers|2010|pp=156–157}}。}}、このため当時[[イスラエル]]と対立していた[[エジプト]]は彼女の出演する映画を上映禁止にした{{Sfn|Meyers|2010|pp=156–157}} {{Efn|1961年にモンローとミラーが離婚すると解除した{{sfn|Meyers|2010|pp=156–157}}。}}。二人の結婚はメディアからは不釣り合いと見られており、『バラエティ』誌は「エッグヘッド(知識人=ミラー)と砂時計(セックスシンボル=モンロー)の結婚」という見出しで報じた{{Sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1pp=253–257}}。 |
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ケネディとモンローが近づいた背景には、マフィア幹部の[[サム・ジアンカーナ]]や、彼と関係の深いシナトラの手引きがあったとも言われる。そのためケネディ政権へマフィアの影響力が強まることが懸念され、当時のFBI長官[[ジョン・エドガー・フーヴァー]]らによって2人の関係が強制的に終わらされたとする噂も長く語られてきた<ref>『マフィアとケネディ一族』 266頁、ジョン・H・デイヴィス著、市雄貴訳、[[朝日新聞社]]、[[1994年]]</ref>。しかし現在では、多忙をきわめるようになったケネディ側が自ら交友関係を大きく縮小させたためとする説が主流である<ref name=":2" /><ref name=":0" />。 |
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8月には映画『バス停留所』が封切られ、批評面でも興行面でも大きな成功を収めた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=358–359}}。『{{仮リンク|サタデー・レビュー (アメリカの雑誌)|en|Saturday Review (U.S. magazine)|label=サタデー・レビュー}}』誌は、モンローの演技を「グラマーなだけの女優という、これまでのイメージを一掃した」と書き、ボスレー・クラウザーは「マリリン・モンローは遂に本物の女優になった」と絶賛した{{sfn|Spoto|2001|p=358}}。本作の演技でモンローは[[ゴールデングローブ賞]][[ゴールデングローブ賞 映画部門 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)|ミュージカル・コメディ映画部門主演女優賞]]にノミネートされた<ref name=":13">{{Cite web |url=https://www.goldenglobes.com/articles/marilyn-globes-golden-girl |title=Marilyn: The Globes' Golden Girl |publisher=[[ハリウッド外国人映画記者協会|Hollywood Foreign Press Association]] (HFPA) |access-date=September 11, 2015 |first=Yoram |author=Kahana |date=January 30, 2014}}</ref>。 |
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モンローは、2人の関係が終焉を迎えた直後の1962年[[5月19日]]に、[[ニューヨーク市]]の[[マディソン・スクエア・ガーデン]]で行われたケネディの45歳の誕生日パーティ(司会はローフォード)に、体の線が露わになったドレス姿で赴き、「[[ハッピーバースデートゥーユー]]」を歌った(「[[ハッピーバースデー・ミスタープレジデント]]」の項も参照)。 |
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[[ファイル:Laurence_Olivier_and_Marilyn_Monroe_Prince_and_the_Showgirl_1957.jpg|alt=|右|180px|thumb|オリヴィエとモンロー]] |
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このとき[[ジャクリーン・ケネディ・オナシス|ジャクリーン]]夫人は、誕生日パーティーにモンローが来ると知り欠席している<ref name=":2" /><ref>[http://www.cnn.co.jp/usa/AIC201006020024.html 「マリリン・モンローとケネディ兄弟の貴重な写真が公に」2010年6月2日 CNN] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20100608013809/http://www.cnn.co.jp/usa/AIC201006020024.html |date=2010年6月8日 }}</ref>。 |
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同月、モンローは[[イギリス]]の[[パインウッド・スタジオ]]で、初のMMP制作の映画『[[王子と踊子]]』の撮影を開始した{{Sfn|Spoto|2001|p=372}}。同作は[[テレンス・ラティガン]]が1953年に書いた舞台劇を原作に、[[ローレンス・オリヴィエ]]が監督および共同制作を務め、モンローと共演することになった{{Sfn|Spoto|2001|p=341}}。しかし彼とモンローの間の対立により、制作は難航した{{Sfn|Churchwell|2004|pp=258–261}}。原作の舞台劇でも監督と主演を務めたオリヴィエは、モンローを見下して「君はセクシーな格好をして立っていればそれでいい」と発言し、演技も舞台劇での[[ヴィヴィアン・リー]]のそれを踏襲することを求めてモンローを怒らせた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=370–379}}。またオリヴィエの方もモンローが演技指導のポーラ・ストラスバーグを現場に帯同させていることが気に入らなかった{{Sfn|Spoto|2001|pp=370–379}}。これらにより、モンローは非協力的になり、故意に遅刻を繰り返し、後に「俳優に対する尊敬の無い現場で、彼らが素晴らしい演技をすることはないわ」と述べている{{Sfn|Churchwell|2004|pp=258–261}}。 |
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『王子と踊子』の撮影はスケジュール通り1956年末に完了した{{sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1p=69|2a1=Banner|2y=2012|2p=314, for being on time}}。『王子と踊子』はヨーロッパでは好評で、[[イタリア]]の[[ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞]]と[[フランス]]の{{仮リンク|エトワール・ド・クリスタル賞|fr|Étoiles de cristal}}([[セザール賞]]の前身)で最優秀外国人女優賞を受賞し、 [[英国アカデミー賞]]では5部門にノミネートされた{{sfn|Banner|2012|p=346}}。 |
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ケネディはモンローが死んだ1年3ヶ月後の翌年11月に凶弾に倒れている。 |
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この時期、モンローは他にも問題を抱えていた。私生活では薬物依存が進行し、流産を経験した{{sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=368–376|2a1=Banner|2y=2012|2pp=310–314}}。グリーンとは、MMPの方向性について対立が生じていた{{sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=368–376|2a1=Banner|2y=2012|2pp=310–314}}。 |
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=== 死と波紋 === |
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1961年に公開された映画『[[荒馬と女]]』の評判が悪く、また共演した[[クラーク・ゲーブル]]が撮影終了後に急死したことも重なり、精神的に不安定になり再び入院。このときは元夫ディマジオが彼女を支えている。翌[[1962年]]に、映画『[[女房は生きていた (1962年の映画)|女房は生きていた]]』の主演になるが、たびたび撮影をすっぽかすため制作はほとんど進まず、結局、主役を降ろされてしまう(『[[女房は生きていた]]』は、翌[[1963年]]に[[ドリス・デイ]]主演で公開された)。[[File:Marilyn.Monroe.House.v2.jpg|thumb|250px|遺体が発見されたモンローの家(1992年)]] |
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[[1962年]][[8月5日]]、[[ロサンゼルス]]郊外のブレントウッドにある自宅の寝室で全裸で死亡している所を[[メイド]]が発見した。36歳だった。死の直後、マスコミでは「死因は睡眠薬の大量服用による急性[[バルビツール]]中毒で、[[自殺]]の模様」と大々的に報道され、世界に多大な衝撃・悲嘆が駆け巡った。 |
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『王子と踊子』の撮影を終えてイギリスから帰国した後、モンローは家庭生活に専念するために18ヶ月の休暇を取った。この間、彼女とミラーは、ニューヨーク、[[コネチカット州|コネチカット]]、[[ロングアイランド]]を行き来しながら過ごした{{Sfn|Spoto|2001|pp=381–382}}。モンローは1957年半ばに[[子宮外妊娠]]し、翌年に流産した{{Sfn|Spoto|2001|pp=392–393, 406–407}}。先の流産も含め、これは彼女が患っていた[[子宮内膜症]]{{Efn|この子宮内膜症が原因で、モンローは生涯にわたってひどい[[月経困難症|月経痛]]に悩まされており、契約書にも生理期間中の欠勤を認める条項があった。また何度も子宮内膜症の手術を受けている{{sfn|Churchwell|2004|pp=274–277}}。}}が原因の可能性が高いとされている{{Sfn|Churchwell|2004|pp=274–277}} {{Efn|モンローが過去に何度か[[妊娠中絶|中絶]]手術を受けており、この際に未熟な医師の施術を受けたことが、流産を繰り返す一因となったとも言われている{{sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1pp=271–274|2a1=Banner|2y=2012|2pp=222, 226, 329–30, 335, 362}}。ただし、モンローの中絶歴についてはミルトン・グリーンの妻の証言があるものの、具体的な証拠はない{{sfn|Churchwell|2004|pp=271–274}} 。またモンローの検死報告書にも中絶の形跡があったという記録はない{{sfn|Churchwell|2004|pp=271–274}}。}}。 |
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これについて警察は[[司法解剖]]を行い、「急性バルビツール中毒による体の不調を受けて救急車を自ら呼ぶために受話器を取ったものの、ダイヤルする前にこと切れた」と結論付け、自殺や他殺の可能性を否定している{{要出典|date=2021年10月}}。因みにモンローを司法解剖した[[監察医]]は、[[トーマス野口]]こと野口恒富である。 |
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また[[バルビツール酸系過量服薬|バルビタールの過剰摂取]]により短期間入院した{{Sfn|Banner|2012|p=321}}。グリーンとのMMPに関する意見の相違は、話し合いで解決できなかったため、モンローは彼が持つ会社の株を買い取ることで、この問題を終わらせた{{Sfn|Spoto|2001|pp=389–391}}。 |
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[[ファイル:Some_like_it_hot_film_poster.jpg|左|thumb|250px|『お熱いのがお好き』より]] |
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[[オーバードース|ドラッグ・オーバードース]]であるとの声もある<ref>アンソニー・サマーズ 『マリリン・モンローの真実(下)』 、250・254頁、中田耕治訳、[[扶桑社]]〈扶桑社ミステリー〉、初版1988年7月。ISBN 978-4594003166</ref> 上、「『女房は生きていた』の主役を降ろされたことを悲観して」との根拠に欠ける仮説も唱えられたが、[[2000年代]]に入り[[FOXニュース]]が20世紀フォックスの倉庫から発見した資料によると、FOX首脳部との会談で、モンローとそりの合わなかった監督を降板させ、モンローを復帰させる契約が交わされていたことが分かった。さらに、「何という行き方!」というミュージカル大作への出演も決まっており、「モンローが配給会社から見捨てられ、失意の中で死んでいった」という仮説は成立しなくなることが分かった{{要出典|date=2021年10月}}。 |
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モンローは1958年7月にハリウッドに戻り、ビリー・ワイルダー監督の[[性役割|ジェンダー・ロール]]を題材としたコメディー『[[お熱いのがお好き]]』で[[ジャック・レモン]]、[[トニー・カーティス]]と共演した{{Sfn|Banner|2012|p=325 on it being a comedy on gender}}。当初、彼女は自分が演じるシュガー役を「ダム・ブロンドの類型」と捉えて乗り気ではなかったが、ミラーの励ましと通常の出演料に加えてボーナスとして利益の10%を支払うというFOXの申し出により、出演依頼を受けた{{Sfn|Banner|2012|p=325}}。『お熱いのがお好き』の制作難航ぶりは後に「ハリウッドの伝説」の一つとなった{{Sfn|Churchwell|2004|p=626}}。現場でモンローは、演技が気に入らないと何十回も撮り直しを求め、自分の台詞を覚えてこない、監督の指示通りに演技しない、といった問題行動を繰り返した。彼女とのキスシーンを何テイクも撮影させられたカーティスは「まるで[[アドルフ・ヒトラー|ヒトラー]]とキスをしている気分だった」と回想している{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=399–407}}。 |
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後に、モンローは混乱する制作現場の様子を難破船に例え、「(男性のスタッフ、共演者たちは)右往左往していたけど、私は彼らと違って "失うもの" がないから何の心配もしていなかった」と答えている{{Sfnm|1a1=Banner|1y=2012|1p=327 on "sinking ship" and "phallic symbol"}}。 |
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[[1980年]]前後以降は、何物かによってモンローが殺されたとする説が主張されるようになった。現場からは自殺に使うはずのコップは発見されておらず、またモンローが遺体で発見されたとき、手には受話器が握られていたものの、FBIが押収したモンローが死亡した前日と死亡した夜の電話の通話記録<ref>『マフィアとケネディ一族』P.268 ジョン・H・デイヴィス著、市雄貴訳 [[朝日新聞社]]刊 [[1994年]]</ref> には電話局からは同時刻の通話記録はなく、部屋からはモンローの日記(赤い手帳)が消えていた。そのため電話の通話記録の改ざん・隠蔽を行うことができる政治力の持ち主がモンローの死に関わっていたとする主張がある<ref>ロバート・スレイツァー 『マリリン・モンロー他殺の証明』 仙名紀訳 朝日新聞社 1993年、314頁。ISBN 978-4022565730</ref>。 |
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問題の多くはモンローと、こちらも気難しいと評判のワイルダーとの間で、彼女の演技の方向性をめぐって意見が合わなかったことが原因だった{{Sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1pp=262–266}}。モンローは多くの演出の変更を求めてワイルダーを怒らせ、また、それが原因で彼女の舞台恐怖症は悪化した{{Sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1pp=262–266}}。 |
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また上述のとおり、大統領[[ジョン・F・ケネディ]]と1950年代より不倫関係にあったとか、さらに弟で時の[[司法長官]][[ロバート・ケネディ]]とも不倫関係にあったとする証言がモンローの死後さかんに現れるようになった<ref>『ピーター・ローフォード―ケネディ兄弟とモンローの秘密を握っていた男』ジェイムズ スパダ著、広瀬順弘訳 [[読売新聞社]]刊 [[1992年]]</ref> 上に、お互いを紹介したのが、ケネディの大統領選挙の際の支援者で[[マフィア]]の大ボスの[[サム・ジアンカーナ]]と関係の深いシナトラであったことや、これらの関係を知ったFBIのジョン・エドガー・フーヴァー長官が、ケネディとモンローのみならず、ケネディとマフィアの関係についても度々忠告していたとする噂も、しばしばこの謀殺説を裏づける根拠として語られる。またこれらの不倫の事実が死後に公にならないように、モンローが常に会話の内容をメモしていた赤い手帳が表に出るのを避けるために謀殺後に密かに処分したという説もある{{要出典|date=2021年10月}}。 |
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しかし最後には、ワイルダーもモンローの演技に満足し、「セリフを覚えて演技するだけなら誰でもできる。だが彼女はセリフを覚えずに現場に来て、素晴らしい演技ができる本物の俳優だ」と述べている{{sfn|Spoto|2001|p=406}}。『お熱いのがお好き』は1959年3月に封切られ、批評・興行の両面で大成功を収めた{{sfnm|2a1=Banner|2y=2012|2p=346|1a1=Spoto|1y=2001|1p=406}}。モンローは本作の演技でゴールデングローブ賞 ミュージカル・コメディ映画部門主演女優賞を受賞し、『バラエティ』誌は彼女を「セクシーな魅力と絶妙な間のとり方を兼ね備えた最高の喜劇女優」と絶賛した{{Sfn|Banner|2012|p=346}}<ref>{{Cite news|url=https://variety.com/1959/film/reviews/some-like-it-hot-2-1200419454/|title=Review: 'Some Like It Hot'|newspaper=Variety|date=February 24, 1959|access-date=October 21, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20151031205405/http://variety.com/1959/film/reviews/some-like-it-hot-2-1200419454/|archive-date=October 31, 2015}}</ref>。また本作は21世に入ってから[[英国放送協会|BBC]]、[[アメリカン・フィルム・インスティチュート|AFI]]および『{{仮リンク|サイト & サウンド|en|Sight & Sound}}』誌がそれぞれ行った調査で「史上最高の映画」の一つに選ばれている<ref>{{Cite web |url=http://www.bbc.com/culture/story/20170821-the-100-greatest-comedies-of-all-time |title=The 100 greatest comedies of all time |publisher=BBC |date=August 22, 2017 |access-date=January 21, 2018 |archive-url=https://web.archive.org/web/20180111175543/http://www.bbc.com/culture/story/20170821-the-100-greatest-comedies-of-all-time |archive-date=January 11, 2018}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://catalog.afi.com/Catalog/moviedetails/53017 |title=Some Like It Hot |publisher=American Film Institute |access-date=September 5, 2015 |archive-url=https://web.archive.org/web/20190517064546/https://catalog.afi.com/Catalog/moviedetails/53017 |archive-date=May 17, 2019}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.bfi.org.uk/news/50-greatest-films-all-time |title=The top 50 Greatest Films of All Time |publisher=[[British Film Institute]] |date=September 2012 |access-date=September 5, 2015 |first=Ian |author=Christie |authorlink=Ian Christie (film scholar) |archive-url=https://web.archive.org/web/20150905061731/http://www.bfi.org.uk/news/50-greatest-films-all-time |archive-date=September 5, 2015}}</ref>。 |
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しかし、上述のとおりモンローとケネディが肉体関係をもっていたという確実な証拠は現在にいたるまで見つかっておらず<ref name=":0" />、近年の研究でも、モンローの死をめぐる謀殺説はあくまで出所の不確かな噂にすぎないとされる<ref name=":1" />。モンローとケネディの関係をめぐるマフィアの介在やFBIの介入も、証拠にとぼしい都市伝説として退けられている<ref name=":2" /><ref name=":1" /><ref name=":0" />。 |
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=== キャリアと私生活への翳り === |
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=== 葬儀 === |
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[[ファイル:Monroe_Montand_Let's_Make_Love.jpg|thumb|250px|『恋をしましょう』(1960年)でのイヴ・モンタンとモンロー]] |
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葬儀はモンローの死の3日後、[[8月8日]]にハリウッドにあるウエストウッド教会にて執り行われた。式はディマジオが取り仕切り、参列者は生前にモンローの世話などをしていたごく一部の関係者など約30名の小規模な葬儀であった。マスコミは一切シャットアウトされ、ハリウッドの映画関係者は1名も呼出しはなかった。 |
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『お熱いのがお好き』の後、モンローは1959年後半にミュージカル・コメディー『[[恋をしましょう (映画)|恋をしましょう]]』に出演するまで、再び活動を休止した{{Sfn|Churchwell|2004|p=71}}。本作で彼女は[[ジョージ・キューカー]]を監督に選び、劇中での彼女の出番が少ないと感じたミラーが脚本の一部を書き直した。モンローがこの扱いを受け入れて出演した背景には、FOXとの契約更改交渉が遅れていたという理由があった{{Sfn|Spoto|2001|pp=410–415}}。彼女が頻繁に撮影を欠席したため、映画の制作は遅れた{{Sfn|Churchwell|2004|p=71}}。撮影中、モンローは共演者の[[イヴ・モンタン]]と不倫関係になったが、これは映画の話題作りに利用され、マスコミによって広く報道された{{Sfn|Churchwell|2004|p=72}}。 |
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『恋をしましょう』は1960年9月に公開されたが興行的には失敗に終わった{{Sfnm|1a1=Riese|1y=1988|1p=270}}。ボスレー・クラウザーはモンローの演技を「少し手を抜いているように見える」「以前のようなダイナミズムがない」と批判し<ref>{{Cite news|url=https://www.nytimes.com/movie/review?res=9A01E1DA1F3EEF3ABC4153DFBF66838B679EDE|title=Movie Review: Let's Make Love (1960)|newspaper=The New York Times|date=September 9, 1960|access-date=October 18, 2015|first=Bosley|last=Crowther|archive-url=https://web.archive.org/web/20151011184254/http://www.nytimes.com/movie/review?res=9A01E1DA1F3EEF3ABC4153DFBF66838B679EDE|archive-date=October 11, 2015}}</ref>、ヘッダ・ホッパーは本作を「これまでの(モンローが出演した)映画の中で最低の作品」と酷評した<ref>{{Cite news|url=http://archives.chicagotribune.com/1960/08/25/page/138/article/hedda-finds-marilyns-new-film-most-vulgar|title=Hedda Finds Marilyn's Film 'Most Vulgar'|newspaper=Chicago Tribune|date=August 25, 1960|access-date=October 18, 2015|first=Hedda|last=Hopper|archive-url=https://web.archive.org/web/20160422020025/http://archives.chicagotribune.com/1960/08/25/page/138/article/hedda-finds-marilyns-new-film-most-vulgar/|archive-date=April 22, 2016}}</ref>。[[トルーマン・カポーティ]]は自著『[[ティファニーで朝食を]]』が[[ティファニーで朝食を (映画)|映画化]]される際、モンローをホリー役に起用するようロビー活動を行っていたが、制作の難航を恐れたプロデューサーは[[オードリー・ヘプバーン]]を起用した{{Sfn|Banner|2012|p=335}}。 |
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その後、モンローの遺体は故郷へ搬送された。墓所は故郷ロサンゼルスの[[ウエストウッド・メモリアルパーク]]にある。 |
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[[ファイル:Monroecrypt1.jpg|thumb|250px|モンローの墓]] |
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[[ファイル:Marilyn_Monroe_Misfits.jpg|左|thumb|250px|『荒馬と女』より]] |
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ディマジオは離婚後もモンローを一途に愛し、変わらぬ友情で彼女を支え続けた。モンローの晩年は2人は多くの時間を過ごし、亡くなる数日前には2人が再婚の約束をしていたという双方の関係者からの複数証言が残っている<ref name="DON!">{{Cite web|url=http://www.ntv.co.jp/don/contents03/2011/03/199938.html|title=1999年3月8日「ジョー・ディマジオ選手が亡くなった日」|publisher=[[DON!]]特集|accessdate=2013年12月24日}}</ref><ref name="PBS">{{Cite web|url=http://www.pbs.org/wgbh/amex/dimaggio/peopleevents/pande12.html|title=Joe Directs Marilyn’s Funeral |publisher=PBS.org|accessdate=2013年12月24日}}</ref>。そして、モンローの葬儀時には彼女の遺体を前に「愛している」と声をかけ続け、涙を流したと伝えられている<ref name="DON!" /><ref name="PBS" />。 |
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モンローが出演した最後の映画は[[ジョン・ヒューストン]]監督の『[[荒馬と女]]』で、脚本はミラーが彼女を極力目立たせるようなシナリオを書いた{{Sfn|Churchwell|2004|p=266}}。劇中でモンローは[[クラーク・ゲーブル]]、[[イーライ・ウォラック]]、[[モンゴメリー・クリフト]]が演じる3人の老カウボーイと出会う離婚歴のある女性を演じた。1960年7月から11月にかけての[[ネバダ砂漠]]での撮影は、やはり困難を極めた{{Sfn|Spoto|2001|pp=429–430}}。この頃、モンローとミラーの結婚生活は事実上破綻しており、ミラーは新たに写真家の[[インゲ・モラス]]と関係を持っていた{{Sfn|Churchwell|2004|p=266}}。 |
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モンローは、自分の役柄の一部が自身の人生に基づいて作られていることを嫌がり、また男優たちの役よりも作中での扱いが悪いと思っていた。また、撮影の前夜になってシナリオを書き直すというミラーの悪癖にも悩まされた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=431–435}}。健康状態も悪化していた。モンローは[[胆石]]による痛みに苦しみ、また薬物中毒も深刻化しており、スタッフは彼女が薬物の影響で眠っている間にメイクを施さなければならない有様だった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=435–445}}。8月、モンローが薬物を抜くため1週間入院したため撮影は中断された{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=435–445}}。にも拘わらず、ヒューストンはモンローの演技を「作り物ではない、本物の感情が発露していた。彼女は自分自身の奥深くに眠るそれを見つけ、意図的に発露させていた」 と称賛している{{Sfn|Tracy|2010|p=109}}。 |
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ディマジオは自身が亡くなるまでモンローについてのコメントは控えた。「ある女性誌が、貴方が話してくれたら5万ドル払うと言っているが」と尋ねられた時も「世の中には金にかえられないものがある。それは愛の思い出だ」と即座に答えた。また、モンローの死後20年にわたって週3回、彼女の墓に赤いバラ(品種:[[アメリカン・ビューティー]])を送り続けた<ref>{{Cite web|url=https://www.lib.pref.fukuoka.jp/hp/tosho/1954m&d.htm|title=マリリン・モンローとジョー・ディマジオ|publisher=福岡県立図書館ホームページ|accessdate=2013年12月24日}}</ref>。これはディマジオの亡き後もファンクラブなどのボランティアの手で続けられている。 |
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撮影終了後の1961年1月、モンローとミラーは[[メキシコ]]で離婚した{{Sfn|Spoto|2001|pp=450–455}}{{Efn|当時、アメリカの多くの州では長い裁判の手続きを経なければ離婚できなかったが、メキシコでは届けを出すだけで離婚が成立した。そのため手っ取り早く離婚するためにメキシコを訪れる夫婦が多かった。詳細は「[[:en:Mexican divorce]]」を参照。}}。『荒馬と女』はその翌月に封切られたが、興行的には失敗した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1p=456}}。評価も低調で{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1p=456}} 、『バラエティ』誌は一貫性のない人物造形への不満を書き<ref>{{Cite web |url=https://variety.com/1960/film/reviews/the-misfits-1200419862/ |title=The Misfits |website=Variety |date=December 31, 1960 |access-date=November 16, 2016 |archive-url=https://web.archive.org/web/20161118035630/http://variety.com/1960/film/reviews/the-misfits-1200419862/ |archive-date=November 18, 2016}}</ref>、クラウザーはモンローの演技について「全く無表情で感情が読み取れない」とし、「不幸なことに、この映画は構成上、そんな彼女を見続けなければならない」と酷評した<ref>{{Cite news|url=https://www.nytimes.com/movie/review?res=9C06E0D71739EE32A25751C0A9649C946091D6CF|title=Movie Review: The Misfits (1961)|newspaper=The New York Times|date=February 2, 1961|access-date=October 18, 2015|first=Bosley|last=Crowther|archive-url=https://web.archive.org/web/20151101042756/http://www.nytimes.com/movie/review?res=9C06E0D71739EE32A25751C0A9649C946091D6CF|archive-date=November 1, 2015}}</ref>。 |
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[[1978年のMLBオールスターゲーム]]の日本向け衛星中継で一緒にマイクの前に並んだ[[伊東一雄]]は「マリリンほど素晴らしい女性はいなかった…」とディマジオがポツリと漏らしていたのを耳にしている<ref>{{Cite book|author=[[伊東一雄]]|title=メジャーリーグこそ我が人生:パンチョ伊東の全仕事|publisher=[[サンケイスポーツ]]|page=418}}</ref>。[[1999年]][[3月8日]]に[[肺癌|肺がん]]で亡くなる数日前に友人に語った最期の言葉は「死んだら、マリリンのところへいける」だった<ref>{{Cite web|url=http://abcnews.go.com/Sports/story?id=100802&page=1|title=Report: DiMaggio's Final Words|publisher=[[ABCニュース (アメリカ)|ABC News.go.com]]|accessdate=2013年12月24日}}</ref>。 |
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ただし本作は21世紀に入って以降、再評価されている。[[英国映画協会]]の{{仮リンク|ジェフ・アンドリュー|en|Geoff Andrew}}は本作を古典の一つに数えており<ref>{{Cite web |url=https://www.bfi.org.uk/news-opinion/news-bfi/features/film-fate-helped-make-classic-misfits |title=A Film That Fate Helped Make a Classic: The Misfits |publisher=British Film Institute |date=June 17, 2015 |access-date=September 10, 2015 |first=Geoff |author=Andrew |authorlink=Geoff Andrew |archive-url=https://web.archive.org/web/20150910101006/http://www.bfi.org.uk/news-opinion/news-bfi/features/film-fate-helped-make-classic-misfits |archive-date=September 10, 2015}}</ref> 、ジョン・ヒューストンの研究家トニー・トレーシーはモンローの演技を「彼女のキャリアの中で最も成熟したもの」と述べており{{Sfn|Tracy|2010|p=96}} 、『[[インデペンデント|インディペンデント]]』紙のジェフリー・マクナブはモンローの「役への共感を呼び起こす力は並外れている」と評している<ref>{{Cite news|url=https://www.independent.co.uk/arts-entertainment/films/reviews/the-misfits-film-review-marilyn-monroe-gives-an-extraordinary-performance-10314475.html|title=The Misfits, film review: Marilyn Monroe gives an extraordinary performance|first=Geoffrey|last=McNab|newspaper=The Independent|date=June 12, 2015|access-date=November 16, 2016|archive-url=https://web.archive.org/web/20161117212257/http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/films/reviews/the-misfits-film-review-marilyn-monroe-gives-an-extraordinary-performance-10314475.html|archive-date=November 17, 2016}}</ref>。 |
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== ゴールデングローブ賞 == |
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; 受賞 |
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: [[1954年]] [[ヘンリエッタ賞]]: |
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: [[1960年]] [[ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)|主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)]]:『[[お熱いのがお好き]]』 |
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: [[1962年]] ヘンリエッタ賞: |
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; ノミネート |
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: [[1957年]] 主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門):『[[バス停留所 (映画)|バス停留所]]』 |
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モンローは次に、 [[サマセット・モーム]]の短編『ミス・トンプソン(雨)』を原作とした[[NBC]]のテレビドラマに出演する予定だったが、彼女が望んだリー・ストラスバーグの監督起用にNBCが難色を示したため、企画は[[お蔵入り]]となった{{Sfn|Spoto|2001|pp=453–454}}。 |
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== エピソード == |
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[[ファイル:Marilyn Monroe and Jane Russell at Chinese Theater 3.jpg|thumb|250px|手型を残すモンローと[[ジェーン・ラッセル]] 1953年6月26日[[グローマンズ・チャイニーズ・シアター]]]] |
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[[ファイル:Joe DiMaggio, Marilyn Monroe and Tstsuzo Inumaru.jpg|thumb|250px|[[帝国ホテル]]に滞在中のディマジオ(左)とモンローを案内する[[犬丸一郎]](後方)(1954年2月)]] |
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[[ファイル:Marilyn_Monroe,_The_Prince_and_the_Showgirl,_1.jpg|thumb|225px|『[[王子と踊子]]』(1957年)の一場面]] |
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* モンローは、スターになる前にヌード写真を撮っていたことが判明したが、彼女の経歴にダメージを与えることはなく、むしろ彼女の映画に対する関心が高まった。 |
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*記者の「夜は何を着て寝るのか」との質問に「[[シャネルNo.5|シャネルの5番]]よ」(裸で寝るの意)と答えたエピソードはあまりにも有名である。 |
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*[[ブロンディ (バンド)|ブロンディ]]の[[デボラ・ハリー]]、[[マドンナ (歌手)|マドンナ]]らは「第二のマリリン・モンロー」と称されたことがある。 |
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*[[淀川長治]]によれば、モンローは「シェークスピアのような文芸作品に出たかった」という気持ちを持っており、生涯それが実現しなかったことが不憫であると語っていた。 |
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* 最初の夫ジム・ドハティが、[[ロッキード]]航空の製造会社で整備工をしていたとき、同僚に、後に俳優になった[[ロバート・ミッチャム]]がいた<ref>『[[中田耕治]]コレクション1. マリリン・モンロー論考』、194頁、青弓社、1991年10月</ref>。ミッチャムは映画『帰らざる河』でモンローと共演。 |
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* 陸軍報道部員デビッド・コノバーを取材に派遣した当時の上司は、後にB級俳優から右派の大統領となった[[ロナルド・レーガン]]であった。後年モンローは、ディナーの席でたまたま隣に座った俳優レーガンと言葉を交わしている<ref>アンソニー・サマーズ『マリリン・モンローの真実(上)』、268頁、[[中田耕治]]訳、扶桑社<扶桑社ミステリー>、1988年7月</ref>。 |
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* [[グローマンズ・チャイニーズ・シアター]]の前庭に、『[[紳士は金髪がお好き]]』で共演した[[ジェーン・ラッセル]]と共に、手型・靴型・サインを残したのは、1953年6月26日のことであった。ジェーンがうつぶせになって胸を、モンローが座ってお尻の跡をつけようとのモンローの提案は受け入れられなかった。サインの「Marilyn」の「i」の点にダイヤモンドを使ったらどうかとの提案には、結局模造ダイヤを使うことになったが、観光客が削っていってしまった<ref>フウス・ライテルス編、『モンロー・トーク』、46頁、関美冬訳、[[河出書房新社]]・アップリンク発行、初版1992年4月10日</ref>。 |
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* 1954年2月1日、新婚旅行で来日したモンローであったが、体調をくずしてしまう。予定されていた記者会見も顔見せ程度でキャンセルされ(翌日に延期された)、早々と[[帝国ホテル]]2階244号室にひきこもった。長旅で疲労困憊、胃痙攣もおこしていた。医者が呼ばれ、痛み止めの注射をしようとしたがモンローはこれを拒否。それではと治療のために呼ばれたのが、[[浪越徳治郎]]であった<ref>[[#佐山]]101頁</ref>。 |
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* モンローに[[戒名]]をつけた人がいる。1973年8月5日に[[東京都]][[世田谷区]]の大吉寺本堂でモンロー13[[命日|回忌]]の法要が営まれ、住職で[[作家]]の[[寺内大吉]](ボクシング、キックボクシングの評論家)が経をあげ、モンローに「鞠利院不滅美色悶浪大姉(まりりいんふめつびしょくもんろうだいし)」という戒名を捧げた<ref>詩人・白石かずこの作家・寺内大吉とのインタビュー記事「鞠利院不滅美色悶浪大姉はアメリカ民主主義の匂いがした」、小学館の雑誌『サライ』、4巻10号/通巻65号(1992年5月)、30-31頁より。</ref>。 |
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* 1985年9月23日ロサンゼルス市警は、当時の捜査資料を公表した。この中で、他殺説を裏付ける証拠はなく、ダリル・ゲイツ署長も記者会見で「明らかに自殺といえる」と述べた。この日、公表された捜査資料は全132ページ、厚さにして1cm強。モンローの関係捜査資料は死亡時から約10年間、非公開書類として保管された後、1973年に廃棄されたが、当時の捜査担当官故タッド・ブラウンが個人的にその写しを保管していた。今回の公表資料はそれをコピーしたものという。資料はトーマス・ノグチ・ロサンゼルス郡検視局検視官(当時)による解剖所見のほか、関係者の事情聴取記録やモンローの死亡前後の電話通話記録など。モンローの死については一時、他殺説が流れたことから、同市警も再捜査した。この再捜査記録も今回含まれているが、他殺説を証拠立てる資料は見当たらない、と結論づけた<ref>1985年9月25日付け「サンケイスポーツ」閲覧 "死因はやはり自殺"</ref>。 |
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* イギリスの大衆紙『[[ピープル]]』は、1990年7月2日の紙面で、モンローに隠し子がいたと報じた。同紙は1面に「マリリン・モンローに英国育ちの隠された子がいた!」と大見出し、中面の1ページ全体を使ってこの情報を伝えた。同紙によれば、モンローの元恋人で米国人作家のテッド・ジョーダンが出版する著書『マリリン・モンローの秘められた生活』の中で記しているもので、モンローが1947年、21歳のときに生んだ子で、相手は当時交際のあったミュージシャンとのこと。子どもの名はナンシーといい、すぐ養女にだされ、養父が英国人だったため、イギリスのサウサンプトンに移され育てられた。虐待を受けたため17歳で家出。豪州に渡り、南太平洋の島々を転々とし、現在は豪州[[タスマニア島]]で、地道に宗教活動をしていて、苦心の末ナンシーに会ったというジョーダンによれば、唇と脚線美は母親そっくりだという<ref>1990年7月3日付け「日刊スポーツ」1面閲覧 "英紙報道 元恋人が暴露 モンローに娘がいた"</ref>。(モンローは、「十代のときに子どもを産んだことがある」と親しかった友人ジーン・カーメンに打ち明けている)<ref>アンソニー・サマーズ『マリリン・モンローの真実(上)』 、456頁、[[中田耕治]]訳、[[扶桑社]]<扶桑社ミステリー>、1988年7月</ref>。一方で、[[検死]]を行った[[トーマス野口]]は、モンローが「出産した痕跡はない」と証言している<ref>『追憶マリリン・モンロー』、36頁、[[井上篤夫]]、[[集英社文庫]]、初版2001年8月</ref>)。 |
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* モンローと親交のあった作家[[トルーマン・カポーティ]]の小説『[[ティファニーで朝食を]]』のヒロインは、カポーティがモンローをイメージして書いたものといわれる。しかし[[オードリー・ヘプバーン]]を主役に映画化された。 |
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* [[2004年]]には希少[[万年筆]]ブランドとして知られる[[クローネ (万年筆)|クローネ]]から、彼女をモチーフとした万年筆『マリリン・モンロー』が世界限定288本、税込808,000円で発売された。 |
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* [[2008年]]3月31日[[ロサンゼルス]]連邦地方裁判所は、マリリン・モンローの写真を使用したTシャツを製造販売した企業と、彼女の遺産管理団体の間で争われていた彼女の[[肖像権]]についての裁判で、マリリン・モンローは[[カリフォルニア州]]民ではなく[[ニューヨーク州]]民であり、同州の法律によって1962年の死亡と同時に彼女の肖像権は消滅したと判決を下した。彼女はニューヨーク市内にアパートを所有しており、そこを永住先としていたのが判決の理由となった。なお彼女の出生地であるカリフォルニア州の法律では肖像権は本人の死後100年は残る。その後アメリカの上訴裁判所は、2012年8月末、モンローのパブリシティ権は存在しないとの判決を下した<ref>{{Cite web|url=http://www.cinematoday.jp/page/N0045727|title=モンローに肖像権なし|accessdate=2012年9月5日|author=cinematoday}}</ref>。 |
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* モンローの埋葬室の真上の区画が2009年8月24日にオークションにかけられ、一旦は460万2,100ドル(約4億3,000万円)で落札されたが、落札者(日本人)がすぐに辞退を申し出たため、新たにインターネットオークションにかけられたが、入札者なしで、現在も買い手は見つかっていない<ref>2009年11月3日米国メディア報道・AFP等配信</ref>。2009年時点で、モンローの「上にいる」のは、23年前に81歳で亡くなった実業家リチャード・ポンチャー(Richard Poncher)だが、夫人のエルシー・ポンチャー(Elsie Poncher)が夫を別の区画に移すためオークションに出した。理由は、ビバリーヒルズにある160万ドル(約1億5,000万円)相当の自宅のローンを完済したいからだという。この墓は、実業家として成功していたリチャードが、モンローの夫だった[[ジョー・ディマジオ]]から1954年に買い取ったもので、リチャードはもうひとつ上の区画も購入してあったため、エルシーはそこに夫を移すという。成人向け娯楽雑誌『[[PLAYBOY]]』の創始者[[ヒュー・ヘフナー]]は「モンローのそばで永眠したい」と1992年に7万5,000ドル(約710万円)でモンローの左真横の区画を購入している。その上の区画もまだ空いており、25万ドル(約2,400万円)で販売中だという<ref>[http://www.afpbb.com/article/entertainment/news-entertainment/2633884/4465777 マリリン・モンローの納骨室の真上、4億3000万円で落札 2009年08月25日 AFPBB]</ref>。 |
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* モンローの胸部を含むエックス線写真3枚が、2010年6月27日、[[ラスベガス]]のホテル「プラネット・ハリウッド・リゾート・アンド・カジノ」で[[オークション]]にかけられ、胸部エックス線写真は2万5,000ドル、横から写したものなど2枚はそれぞれ1万ドルで落札された。写真はモンローが1954年11月に、[[カリフォルニア州]]ロサンゼルスのシーダーズ・オブ・レバノン病院で診察を受けた際に撮影されたもので、担当した医師の夫人が保管していたもの。モンローは当時、[[子宮内膜症]]に苦しんでおり、この治療のために通っていた。子宮の状態を検査するため、胸部や骨盤を撮影した際のもの。またこの時期は、夫のジョー・ディマジオと離婚して2週間後の時期でもあった<ref>2010年6月28日ロイター発</ref> |
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* 2011年6月18日ハリウッドスターゆかりの品々を一堂に集めたオークションが、アメリカ・ロサンゼルスで開かれ、映画『[[七年目の浮気]]』で地下鉄の通風口の上に立ったモンローのスカートが大きくめくれる有名なシーンで使われた白いホルターネックのドレスが、460万ドル(約3億7,000万円)の高値で落札された。このドレスは女優の[[デビー・レイノルズ]]が所有していたもので、ドレスの価格は事前予想の180~200万ドルを大きく上回った。他に『[[紳士は金髪がお好き]]』の真っ赤なスパンコールのドレスが120万ドル(約9,600万円)、『[[帰らざる河]]』の酒場の衣装が51万ドル(約4,000万円)で落札された。 |
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* 2011年7月15日アメリカ・[[イリノイ州]][[シカゴ]]の目抜き通りに、高さ約8メートルの巨大マリリン像が出現した。制作したのはアメリカで著名な彫刻家[[セワード・ジョンソン]](アメリカの大企業[[ジョンソン・エンド・ジョンソン]]の創業者の孫)。像はその後移設され、現在は[[カリフォルニア州]][[パームスプリングス]]に設置されている。 |
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* 2017年、日本(東京都)の[[遊園地]]である[[としまえん]](2020年閉園)はマリリン・モンローをプールのイメージキャラクターに採用した。これはとしまえんがモンローの生誕年である1926年に開園したことや同園の主要アトラクションである「[[としまえんの乗り物#カルーセルエルドラド|カルーセルエルドラド]]」がかつてニューヨーク市[[コニーアイランド]]の遊園地にて運営していた際にモンローが同施設に乗車していた史実に由来しての起用だった<ref>{{Cite web|title=としまえん、回転木馬110周年で記念ロゴ&ポスター 「マリリン・モンローから祝福」も|url=https://nerima.keizai.biz/headline/1262/|website=練馬経済新聞|accessdate=2020-09-23|publisher=|date=2017-04-04}}</ref><ref>{{Cite web|title=としまえん、7月1日プール開き ポスターはマリリン・モンロー起用|url=https://nerima.keizai.biz/headline/1288/|website=練馬経済新聞|accessdate=2020-09-23|publisher=|date=2017-06-26}}</ref><ref>{{Cite web|title=としまえん運営部長「世界の宝」回転木馬の稼働願う|url=https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202008300000538.html|website=日刊スポーツ|accessdate=2020-09-23|publisher=|date=2020-08-31}}</ref>。 |
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1961年前半の6カ月間、モンローは健康問題に悩まされた。彼女は子宮内膜症のために[[胆嚢摘出術|胆嚢摘出手術]]を受け、[[うつ病]]で4週間入院した{{Sfn|Spoto|2001|pp=453, for a new role, 466–467 for operations, 456–464 for psychiatric hospital stays}} {{Efn|モンローは、初め精神科医マリアンヌ・クリスの勧めで、ニューヨークの「ペイン・ホイットニー精神病院」に入院した{{sfn|Spoto|2001|pp=456–459}}。クリスは後に、「この病院を選んだのは間違いだった」と述べている。モンローは重症の[[精神病]]患者用病棟で独房のような病室に閉じ込められ、より適した病室に移ることも自分の意志で退院することも許されなかった{{sfn|Spoto|2001|pp=456–459}}。結局、入院から3日後にジョー・ディマジオの助力で{{仮リンク|コロンビア大学アーヴィング医療センター|en|Columbia University Irving Medical Center|label=コロンビア大学医療センター}}に転院し、さらに23日間入院している{{sfn|Spoto|2001|pp=456–459}}。}}。そんな彼女を支えたのが元夫のジョー・ディマジオだった。2人は再び交際を始め、モンローはディマジオの友人[[フランク・シナトラ]]と数カ月間だけ関係を持った{{sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=464–470, 483–485, 594–596|2a1=Churchwell|2y=2004|2p=291}}。モンローは同年にカリフォルニアに戻り、1962年初頭にロサンゼルスの{{仮リンク|ブレントウッド (ロサンゼルス)|en|Brentwood, Los Angeles|label=ブレントウッド地区}}{{仮リンク|フィフス・ヘレナ・ドライブ 12305|en|12305 Fifth Helena Drive}}番地の邸宅を購入し、亡くなるまでの最後の数カ月をそこで暮らした{{Sfn|Spoto|2001|pp=465–470, 484–485}}。 |
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<!--== モンロー・ウォーク == |
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{{独自研究|section=1|date=2010年7月}} |
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マリリン・モンローはお尻を通常よりも大きく左右に振ってセクシーに見える歩き方をすることで有名で、これを指して「モンロー・ウォーク」と呼ぶ。この独特な歩き方の秘密は、彼女が意図的に左右のヒールの長さを変えていることにあると言われている。おおよそ、左のヒールよりも右のヒールを4分の1インチ(6mm強)程度短くしているとされる。このことは、彼女の友人である女優が証言している。--> <!-- |
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== モンロースマイル == |
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{{独自研究|section=1|date=2010年7月}} |
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親の愛情に恵まれていない子供ほど、周囲の大人に気に入られようとして魅力的な笑顔を振りまく傾向があることを示す心理学用語。マリリン・モンローは、チャーミングな笑顔で多くの人々を魅了したが、その笑顔は不遇な子供時代に周囲の大人たちの歓心を買うため自然と身に付いたものだと言われている。オーディションなどで笑顔の印象的な子役を選んでみると、両親の離婚など家庭に複雑な事情を抱えている子供が多いことから、モンローにちなんで名づけられた。--><!--出典が分かったら戻す--> |
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[[ファイル:Cropped_version_of_Monroe_on_the_set_of_Something's_Got_to_Give.jpg|thumb|『女房は生きていた』の撮影セットにて]] |
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== 出演作品 == |
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1962年春、[[ゴールデングローブ賞#廃止された賞|ゴールデングローブ賞「ヘンリエッタ賞」]]を受賞し、新作映画『[[女房は生きていた (1962年の映画)|女房は生きていた]]』の制作が発表されたことでモンローは再び世間の注目を集めた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=495–496}}。映画はジョージ・キューカーが監督、[[ディーン・マーティン]]と[[シド・チャリシー]]が共演し、FOXとMMPによって共同制作される予定たった{{Sfn|Churchwell|2004|p=258, for the involvement of MMP}}。撮影開始の数日前、モンローは[[副鼻腔炎]]に罹った。撮影は延期すべきという医師の助言を無視し、FOXは予定どおり4月下旬から撮影を開始した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=524–525}}。 |
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{| class="wikitable" |
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モンローは病気で撮影入り後6週間の大半を欠席した。複数の医師による診断があったにも拘らず、FOXは彼女が仮病を使っていると主張して撮影に出てくるよう圧力をかけた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=524–525}}。5月19日、彼女は撮影を休んで、ニューヨークの{{仮リンク|マディソン・スクエア・ガーデン (1925年)|en|Madison Square Garden (1925)|label=マディソン・スクエア・ガーデン}}で行われた当時の大統領[[ジョン・F・ケネディ]]の誕生日を祝うステージで「[[ハッピーバースデー・ミスタープレジデント|ハッピーバースデー・トゥー・ユー]]」を歌った{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=520–521}}{{Efn|モンローとケネディには共通の友人があり、親交があった。肉体関係にあったとの証言もあるが、定かでない{{sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1pp=291–294|2a1=Rollyson|2y=2014|2p=17|3a1=Spoto|3y=2001|3pp=488–493}}。}}。このときモンローはラインストーンで身体のラインが強調されたベージュ色のドレスを身に着けてステージに登場したため、見た人々の多くが裸で登場したと見間違えた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=520–521}}。このとき大統領夫人[[ジャクリーン・ケネディ・オナシス|ジャクリーン・ケネディ]]は、式典にモンローが来ると知り欠席している<ref name=":23">Fredrik Logevall, ''JFK : Coming of Age in the American Century, 1917-1956'' (New York : Random House, 2020)</ref><ref>{{Cite web |url=http://www.cnn.co.jp/usa/AIC201006020024.html |title=マリリン・モンローとケネディ兄弟の貴重な写真が公に(下) |access-date=2022-09-05 |website=CNN |date=2010-06-02 |archive-url=https://web.archive.org/web/20100608013809/http://www.cnn.co.jp/usa/AIC201006020024.html |archive-date=2010-06-08}}</ref>。モンローのニューヨーク行きは、彼女に式典への出席をキャンセルするよう求めていたFOXの重役たちをさらに苛立たせた{{Sfn|Banner|2012|p=398}}。 |
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『女房は生きていた』の撮影に戻ったモンローが次に撮影したのは、全裸になってプールで泳ぐ場面だった{{Sfn|Spoto|2001|p=523}}。現場には映画の宣伝用写真撮影を兼ねて、マスコミが招待された。このとき撮られた写真は後に雑誌『ライフ』に掲載された。大スターが全盛期にヌードを披露したのはこれが初めてのことである{{Sfn|Churchwell|2004|p=74}}。モンローが再び病気を理由に撮影を数日間欠席したことで、FOXは既に『[[クレオパトラ (1963年の映画)|クレオパトラ]]』の制作費高騰に苦しんでいる現状で、これ以上撮影を遅らせることは出来ないと判断した{{Sfn|Spoto|2001|p=535}}。 6月7日、FOXはモンローを解雇し、75万ドルの損害賠償を求めて彼女を訴えた{{Sfn|Churchwell|2004|p=75}}。モンローの代役は[[リー・レミック]]が務めることになったが、今度はディーン・マーティンがモンロー以外と共演することを拒否したため、FOXは彼も訴え、映画は[[お蔵入り]]となった{{Sfn|Spoto|2001|pp=535–536}}。FOXは、映画の失敗をモンロー1人の責任だと主張し、彼女は精神病で頭がおかしくなっている、などの[[ネガティブ・キャンペーン]]を行った{{Sfn|Churchwell|2004|p=75}}。 |
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しかしFOXはすぐに方針を転換し、6月後半にはモンローとの再契約交渉を開始した。夏の終わりには『女房は生きていた』の撮影再開、[[ロマンティック・コメディ]]『[[何という行き方!]]』への主演を含む新しい契約が成立し、両者は和解した{{Sfnm|1a1=Rollyson|1y=2014|1p=273–274, 279}}。またモンローは、自らの主演で[[ジーン・ハーロウ]]の[[伝記]]映画を企画していた{{Sfnm|1a1=Summers|1y=1985|1p=301}}。 |
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このスキャンダルで傷ついたイメージを回復するため、彼女は雑誌『ライフ』『[[コスモポリタン (雑誌)|コスモポリタン]]』のインタビューを受け、初めてファッション誌『[[ヴォーグ (雑誌)|ヴォーグ]]』に掲載される写真を撮影するなど、プロモーション活動に従事した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=538–543}}。モンローは『ヴォーグ』掲載用に、写真家の{{仮リンク|バート・スターン|en|Bert Stern}}と組んで通常のファッション写真集とヌード写真集の2つのシリーズを撮影し、それらは彼女の死後一冊にまとめられ『The Last Sitting{{Enlink|The Last Sitting|英語版}}』と題して出版された{{Sfn|Banner|2012|p=401}}。 |
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=== 死と葬儀 === |
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{{Main|{{仮リンク|マリリン・モンローの死|en|Death of Marilyn Monroe}}}} |
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[[ファイル:Marilyn_Monroe,_visit_to_Mexico_in_1962.jpg|250px|thumb|1962年、メキシコ映画『[[皆殺しの天使]]』の撮影現場を訪れたモンロー (左から3人目) 。彼女がメディアの前に現れた最後の姿である<ref>{{Cite AV media|date=June 5, 2016|title=Marilyn Monroe en Méxicolanguage=es|url=https://www.youtube.com/watch?v=t6Oq8Y0Hv9o|accessdate=July 27, 2022|publisher=Canal22|id=t6Oq8Y0Hv9o}}</ref>。]] |
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1962年8月5日、前日からモンローの家に泊まり込んでいた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=574–577}}家政婦ユーニス・マレーは午前3時に目が覚め、異変を感じた。彼女の証言によると、モンローの寝室のドア下からは光が漏れていたが、ノックに応答は無く、ドアには鍵が掛かっていた。その後、マレーはモンローの精神科医{{仮リンク|ラルフ・グリーンソン|en|Ralph Greenson}}に電話をかけた。彼はすぐに駆けつけて、窓から寝室に入り、モンローがベッドで死んでいるのを発見した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=574–577}}。3時50分頃、モンローの主治医ハイマン・エンゲルバーグが到着し{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=574–577}}、その場で彼女の死亡宣告をした。4時25分、事態が[[ロサンゼルス市警察]]に通報された{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=574–577}}。 |
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検死により、モンローは前日の20時30分から22時30分の間に死亡したと推定され{{Sfn|Banner|2012|p=411}}、薬物検査で[[バルビツール酸系過量服薬|急性バルビタール中毒]]の所見が示された。彼女の血液中からは[[抱水クロラール]]8{{nbsp}}mg%{{Efn|溶液100{{nbsp}}mLあたりの[[ミリグラム]]。詳細は[[:en:Milligram per cent]]を参照。}}、[[ペントバルビタール]](ネンブタール)4.5mg%が検出され、肝臓からもペントバルビタール13{{nbsp}}mg%が検出された{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=580–583}}。ベッドの横からは空の薬瓶が見つかった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=580–583}}。モンローが誤って過剰摂取した可能性は、彼女の体内から致死量の数倍もの薬物が検出されたことから否定された<ref name="tribunecoroner">{{Cite web |url=http://archives.chicagotribune.com/1962/08/18/page/1/article/marilyn-monroe-ruled-probable-suicide-victim |title=Marilyn Monroe Ruled 'Probable Suicide' Victim |website=Chicago Tribune |date=August 18, 1962 |access-date=October 21, 2015 |first=Seymour |author=Kormam |archive-url=https://web.archive.org/web/20160310055232/http://archives.chicagotribune.com/1962/08/18/page/1/article/marilyn-monroe-ruled-probable-suicide-victim/ |archive-date=March 10, 2016}}</ref>。 |
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[[ファイル:New_York_Mirror_Front_Page_of_August_6,_1962.jpeg|180px|左|thumb|モンローの死を報じる『ニューヨーク・ミラー』1962年8月6日号の一面]] |
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本件に関するロサンゼルス郡検死局の捜査には、自殺に関する専門知識を持つロサンゼルス市の自殺予防チームが協力した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=580–583}}。主治医のエンゲルバーグは、彼女が「突然の予測不可能な気分の変化」を伴って「深刻な恐怖に襲われたり、うつ状態になる」ことが頻繁にあり、過去にも何度か過剰摂取をしていた可能性を述べた<ref name="tribunecoroner" />。これらの事実と遺体に不審点がないことから、検死官補の[[トーマス野口]]は彼女の死を自殺の可能性が高いと判断した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=580–583}}。 |
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モンローの突然の死は、欧米の新聞で一面トップで報じられた{{Sfn|Banner|2012|p=427}}。ロサンゼルス市内の自殺率は彼女が亡くなった翌月に2倍に上昇し、この時期に多くの新聞が発行部数を伸ばした{{Sfn|Banner|2012|p=427}}。当時『[[シカゴ・トリビューン]]』紙の編集部にはモンローの死についての情報を求める読者からの電話が1日に何百本もかかってきた<ref>{{Cite web |url=http://archives.chicagotribune.com/1962/08/06/page/1/article/marilyn-monroe-is-dead |title=Pill Death Secret Goes With Marilyn |website=Chicago Tribune |date=August 6, 1962 |access-date=September 23, 2015 |first=Hedda |author=Hopper |archive-url=https://web.archive.org/web/20160307071651/http://archives.chicagotribune.com/1962/08/06/page/1/article/marilyn-monroe-is-dead/ |archive-date=March 7, 2016}}</ref>。 |
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[[ファイル:Monroecrypt1.jpg|thumb|ウェストウッド・メモリアル パーク墓地にあるモンローの墓]] |
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フランスの芸術家[[ジャン・コクトー]]は「彼女の死は著名人の行動を監視し、彼らを苦しめることを主な仕事とする全ての人にとって、恐ろしい教訓となるはずだ」とコメントし、ローレンス・オリヴィエは「彼女は(マスコミによる)誇大広告と煽情的な報道の犠牲者だった」と述べ、『バス停留所』の監督を務めたジョシュア・ローガンは「彼女は世界で最も評価されていない人間の1人である」と述べて、その死を悼んだ<ref>{{Cite news|url=https://www.nytimes.com/books/98/11/22/specials/monroe-obit2.html|title=Brilliant Stardom and Personal Tragedy Punctuated the Life of Marilyn Monroe|newspaper=The New York Times|date=August 6, 1962|access-date=September 23, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20160310145114/https://www.nytimes.com/books/98/11/22/specials/monroe-obit2.html|archive-date=March 10, 2016}}</ref>。 |
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8月8日に[[ウエストウッド・メモリアルパーク]]墓地{{Efn|墓所の選定はジョー・ディマジオが行った。ディマジオがここを選んだ理由は、モンローの母親代わりだったグレース・ゴダードとアナ・ローワーの墓があったからである<ref>{{Cite web |url=http://www.socalstudio.org/calendar/walking_tours/westwood2.htm |publisher=Retrieved February |title=The Studio for Southern California History |accessdate=2022-08-16 |
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|archivedate= |
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}}</ref>}}で執り行われた葬儀は非公開とされ、彼女の最も近しい関係者のみが参列した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=594–597}}。葬儀はジョー・ディマジオ、モンローの異父姉{{仮リンク|バーニース・ベイカー・ミラクル|en|Berniece Baker Miracle}}、およびモンローの代理人を務めていたイネス・メルソンによって取り仕切られた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=594–597}}。何百人もの見物人が墓地の周りの通りに群がった{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=594–597}}。モンローは集合墓室「記憶の回廊」の第24区画に埋葬された<ref>{{cite magazine|date=September 3, 2009|title=Top 10 Celebrity Grave Sites: Marilyn Monroe|url=http://content.time.com/time/specials/packages/article/0,28804,1919236_1919237_1919221,00.html|magazine=[[Time (magazine)|Time]]|access-date=October 15, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20151119201501/http://content.time.com/time/specials/packages/article/0%2C28804%2C1919236_1919237_1919221%2C00.html|archive-date=November 19, 2015|url-status=live}}</ref>。 |
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== 遺産と旧宅 == |
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{{Main|{{仮リンク|マリリン・モンローの死|en|Death of Marilyn Monroe}}}} |
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モンローの[[遺産]]は、[[遺言]]により、 |
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* 異父姉バーニース・ベイカー・ミラクル、秘書のメイ・レイスにそれぞれ数千ドル |
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* 友人の詩人{{仮リンク|ノーマン・ロステン|en|Norman Rosten}}に彼の娘の養育費として数千ドル |
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* 母グラディスと[[マイケル・チェーホフ]]の未亡人の終身介護のための基金として10万ドルずつ |
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が分与され{{Sfn|Spoto|2001|p=454}}、残りの遺産については、25%が精神科医マリアンヌ・クリスに「あなたが選んだ精神科の医療機関もしくは研究機関に寄付するよう」、モンローの遺品や不動産・肖像権を含む75%が[[リー・ストラスバーグ]]に「友人、同僚、お世話になった人たちで分配するよう」という指示と共に託された{{Sfn|Spoto|2001|p=454}}{{Sfn|Churchwell|2004|pp=247-248}}。ただし、手続きに時間がかかったことから、これらの人々が遺産を実際に受け取ったのは1971年になってからである{{Sfn|Charchwell|2004|pp=247-248}}。 |
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クリスは指示通り遺産を{{仮リンク|アンナ・フロイト・センター|en|Anna Freud Centre}}に寄付した<ref name=":6">{{Cite web |url=https://www.telegraph.co.uk/finance/9056455/Selling-the-dead.html |title=Selling the dead |access-date=2022-08-28 |last=Kirsta |first=Alix |website=[[デイリー・テレグラフ|The Daily Telegraph]] |date=2012-02-03 |archive-url=The Daily Telegraph |archive-date=2022-01-12}}</ref>が、ストラスバーグは指示を守らず遺産を独占し、彼の死後に遺産を相続した妻のアンナ{{Efn|[[ポーラ・ストラスバーグ]]は1966年に死去。リー・ストラスバーグは翌年にアンナと再婚している。}}は遺産管理会社「マリリン・モンローLLC」を設立し<ref>{{Cite web |url=https://www.wsj.com/articles/SB114463306707721479 |title=A Battle Erupts Over the Right To Market Marilyn |access-date=2022-08-28 |last=Koppel |first=Nathan |date=2006-04-10 |website=[[ウォール・ストリート・ジャーナル|he Wall Street Journal]]}}</ref>、[[パブリシティ権]]収入や遺品・不動産の売却で荒稼ぎし<ref name=":6" />、パブリシティ権だけで2008年までに約3000万ドル(約30億円)の利益を得た<ref name=":5">{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20080401-342892.html |title=マリリン・モンローの肖像権消滅 |access-date=2022-08-21 |date=2008-04-01 |website=日刊スポーツ}}</ref>。さらにクリスに分与された遺産の所有権を主張して裁判を起こしたが、敗訴している<ref name=":6" />。 |
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モンローが晩年を過ごした邸宅をロサンゼルス市議会が2024年6月26日、歴史的文化財として全会一致で指定した<ref name="読売新聞20240701">{{Cite web |title=マリリン・モンローさん邸宅、米ロス市議会が歴史的文化財に指定…所有者取り壊し申請 |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20240629-OYT1T50154/ |website=読売新聞オンライン |date=2024-06-29 |access-date=2024-07-10 |language=ja}}</ref>。高級住宅街ブレントウッドで1929年に建てられ、モンローが1962年に購入した<ref name=読売新聞20240701/>。隣家を保有する夫婦が2023年夏に835万ドルで購入しており、自分たちの土地の拡張や、観光客やファンが集まることで近所迷惑になっていること、改築が重ねられモンロー生前と様変わりしていることを理由に取り壊しを申請しており、ロサンゼルス市議から移築を含めて保存するよう求める意見が出ていた<ref name=読売新聞20240701/>。 |
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=== 死をめぐる諸説 === |
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モンローの死については、 |
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* 現場から自殺に使ったはずのコップが発見されていない |
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* 遺体発見時、手には受話器が握られていたものの、FBIが電話局から押収した死亡前日から当日夜の通話記録には同時刻の記録がない |
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* 部屋からはモンローの日記(赤い手帳)が消えていた |
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等の不審点が指摘されており<ref>ジョン・H・デイヴィス著、市雄貴訳『マフィアとケネディ一族』([[朝日新聞社]]刊。1994年)p.268</ref>、そのため通話記録や証拠品の改竄・隠蔽を行うことができる政治力の持ち主がモンローの死に関わっていたと主張し<ref>ロバート・スレイツァー著、仙名紀訳『マリリン・モンロー他殺の証明』(朝日新聞社 1993年)p.314 ISBN 978-4022565730</ref>、彼女は何者かによって謀殺されたとする[[陰謀論]]がある<ref name="withnews170805"/>{{Sfn|Churchwell|2004|pp=297–318, for different theories proposed by Spoto, Summers, Brown & Barham, and Donald Wolfe}}。 |
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死亡当初、警察はトーマス野口らによって[[司法解剖]]を行い、「急性バルビツール中毒による体の不調を受けて救急車を自ら呼ぶために受話器を取ったものの、ダイヤルする前にこと切れた」と、自殺や他殺の可能性を否定し、事故死であったとしている。 |
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モンローの謀殺説を最初に主張したのは反共主義の活動家{{仮リンク|フランク・A・カペル|en|Frank A. Capell}}が1964年に自著 "The Strange Death of Marilyn Monroe" の中で主張した、当時モンローと不倫関係にあった[[ロバート・ケネディ]]が事の発覚を恐れて彼女を謀殺したというものである{{sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1p=|2a1=Churchwell|2y=2004|2p=|1pp=600-603|2pp=89-90, 309-310}}。ただし同書の内容はロバート・ケネディや[[アーサー・ミラー]]等のモンロー周辺の人々を共産主義者と決めつけるなど著者の個人的思想が強く出ていること、情報源が同じく反共主義者の[[ウォルター・ウィンチェル]]だけしかないことで当時から疑問視されており{{sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1p=|2a1=Charchwell|2y=2004|2p=|1pp=600-603|2pp=89-90, 309-310}}、広まることはなかった{{Sfn|Churchwell|2004|pp=89-90}}。 |
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謀殺説は1973年に出版された[[ノーマン・メイラー]]著の伝記『マリリン その実像と死 {{Enlink|Marilyn: A Biography|"''Marilyn: A Biography''"}} 』{{efn|邦訳版は1981年に『マリリン - 性と愛の神話』と改題}}を機に世間に広まった{{Sfn|Churchwell|2004|pp=92-94}}。同書中でメイラーは確たる証拠も示さず、「モンローとロバート・ケネディが不倫関係にあった」「モンローはこのスキャンダルをケネディ家に対する圧力に利用しようと考えていたFBIか[[中央情報局|CIA]]の人間に殺された」と主張した{{Sfn|Churchwell|2004|pp=301-302}}。同書は書評家たちに酷評され、メイラーは[[マイク・ウォレス]]からのインタビューの中で、本を売るために内容を捏造したことを認め、モンローの死因は十中八九自殺であると思うと発言した{{Sfn|Churchwell|2004|pp=301-302}}。 |
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モンローの死をめぐる謀殺説の広がりを受けて、1982年に当時のロサンゼルス郡地方検事{{仮リンク|ジョン・ヴァン・デ・カンプ|en|John Van de Kamp}}が指揮をとり、犯罪の可能性の有無を調べる予備捜査が行われたが{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=605–606}}、他殺の証拠は見つからなかった{{Sfn|Spoto|2001|p=606}}。 |
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1985年9月23日、[[ロサンゼルス市警察]]は、1962年当時の捜査資料を公表した。この中で、他殺説を裏付ける証拠はなく、本部長ダリル・ゲイツも記者会見で「明らかに自殺といえる」と述べた。この日、公表された捜査資料は全132ページ、厚さにして1cm強。モンローの関係捜査資料は死亡時から約10年間、非公開書類として保管された後、1973年に廃棄されたが、当時の捜査担当官タッド・ブラウンが個人的にその写しを保管していた物をコピーしたものという。資料にはロサンゼルス郡検視局検視官補[[トーマス野口]]による解剖所見のほか、関係者の事情聴取記録やモンローの死亡前後の電話通話記録なども含まれている。捜査記録には1982年の再捜査の記録も含まれており、やはり他殺説を証拠立てる資料は見当たらない、と結論づけた。<ref>『[[サンケイスポーツ]]』1985年9月25日付「死因はやはり自殺」</ref>。 |
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イギリス人ジャーナリスト{{仮リンク|アンソニー・サマーズ|en|Anthony Summers}}は『マリリン・モンローの真実(原題 "Goddess: The Secret Lives of Marilyn Monroe")』(1985年)の中で、モンローの死は薬物の[[過剰摂取]]による事故死であり、死後に自殺に見せかけられたと主張した{{Sfn|Churchwell|2004|pp=97-98}}。彼は同書を書くため関係者650人にインタビューしている{{Sfn|Churchwell|2004|pp=97-98}}が、伝記作家の{{仮リンク|ドナルド・スポト|en|Donald Spoto}}は「証言内容に誤りが多い」、{{仮リンク|サラ・チャーチウェル|en|Sarah Churchwell}}は「証言内容の殆どが伝聞で、証言者当人が見聞きしたことではない」と批判している{{Sfn|Spoto|2001|pp=606-608}}{{Sfn|Churchwell|2004|pp=97-98, 311}}。また証言者の中に「信用に値しない」人物(陰謀論主張の先達、虚言癖のある人物)がいる点も問題視されている{{sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1p=472|2a1=Banner|2y=2012|2p=9}}。 |
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謀殺説は否定しているスポトも1993年に発表したモンローの伝記の中で、20世紀FOXと新たな契約で合意していたことと[[ジョー・ディマジオ]]との復縁が予定されていたことを理由に自殺ではなく過剰摂取による事故死を主張した{{Sfn|Spoto|2001|pp=583-592}}。 |
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2000年代に入り、1962年の捜査に地方検事補として関わった{{仮リンク|ジョン・マイナー (弁護士)|en|John Miner (attorney)|label=ジョン・マイナー}}がモンローが死の直前に録音し、精神科医のラルフ・グリーンソンに預けたオーディオテープから書き起こしたと主張する筆記録を発表した{{Sfn|Churchwell|2004|pp=109-110, 332-334}}<ref>{{Cite web |url=http://articles.latimes.com/2005/aug/05/entertainment/et-marilyn5 |title=New Chapter in the Mystery of Marilyn: Her Own Words? |access-date=2022-08-29 |website=Los Angeles Times |date=2005-08-05}}</ref>。マイナーはテープの録音内容を根拠に自殺・他殺説を否定し、モンローの死は過剰摂取の末の事故死と主張した{{Sfn|Banner|2012|pp=419-420}}。しかし、この主張には証拠となるテープ原本が見つからないことと{{Sfn|Churchwell|2004|pp=109-110, 332-334}}マイナーに経歴詐称の過去があったこと{{Sfn|Banner|2012|pp=419-420}}から、筆記録を最初に売り込まれた『[[ヴァニティ・フェア]]』誌が証拠検証のためテープの提出を求めたところ、マイナーがテープを所持していないことが判明した{{Sfn|Banner|2012|pp=419-420}}。 |
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近年の研究では、モンローの死をめぐる謀殺説はあくまで出所の不確かな噂にすぎないとされている<ref name=":03">Charles Casillo, ''Marilyn Monroe : The Private Life of a Public Icon'' (New York : St. Martin's Press, 2018)</ref>。モンローとケネディ家の関係をめぐるマフィアの介在やFBIの介入も、証拠に乏しい[[都市伝説]]として退けられている<ref name=":03" /><ref name=":012">Michelle Vogel, ''Marilyn Monroe : Her Films, Her Life'' (Carolina : McFarland & Company, 2014)</ref><ref name=":23" />。 |
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== 作品 == |
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=== 映画 === |
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{| class="wikitable" |
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!公開年 |
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!邦題<br/>原題 |
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!役名 |
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|1947年 |
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!公開年!!邦題<br>原題!!役名!!備考 |
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|''[[:en:Dangerous Years|Dangerous Years]]'' |
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|エヴィー |
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|- |
|- |
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| rowspan="2" |1948年 |
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|1947|| ''[[:en:Dangerous Years|Dangerous Years]] || エヴィー(ウェイトレス) || |
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|[[嵐の園]]<br />''[[:en:Scudda Hoo! Scudda Hay!|Scudda Hoo! Scudda Hay!]]'' |
|||
|ベティ(クレジットなし) |
|||
|- |
|- |
||
|''[[:en:Ladies of the Chorus|Ladies of the Chorus]]'' |
|||
|rowspan="2"|1948|| [[嵐の園]]<br>''[[:en:Scudda Hoo! Scudda Hay!|Scudda Hoo! Scudda Hay!]] ''|| ベティ || クレジットなし |
|||
|ペギー・マーティン |
|||
|- |
|- |
||
|1949年 |
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| レディース・オブ・ザ・コーラス<br>''[[:en:Ladies of the Chorus|Ladies of the Chorus]] || ペギー・マーティン || |
|||
|''[[:en:Love Happy|Love Happy]]'' |
|||
|グルーニオンの顧客<ref>{{Citation|title=Love Happy|last=Miller|first=David|date=1950-03-03|url=https://www.imdb.com/title/tt0041604/|publisher=Artists Alliance|others=Groucho Marx, Harpo Marx, Chico Marx|access-date=2024-10-05}}</ref> |
|||
|- |
|- |
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| rowspan="5" |1950年 |
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|1949|| ラヴ・ハッピー<br>''[[:en:Love Happy|Love Happy]] || Grunion's Client || |
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|[[彼女は二挺拳銃]]<br />''A Tickt to Tomahowk'' |
|||
|クララ(クレジットなし) |
|||
|- |
|- |
||
|[[アスファルト・ジャングル]]<br />''The Asphalt Jungle'' |
|||
|rowspan="5"|1950|| [[彼女は二挺拳銃]]<br>''[[:en:A Ticket to Tomahawk|A Ticket to Tomahawk]]'' || クララ || クレジットなし<br>[[アン・バクスター]]主演 |
|||
|アンジェラ・フィンレイ |
|||
|- |
|- |
||
|[[イヴの総て]]<br />''All About Eve'' |
|||
| [[アスファルト・ジャングル]]<br>''[[:en:The Asphalt Jungle|The Asphalt Jungle]]'' || アンジェラ・フィンレイ || |
|||
|カズウェル |
|||
|- |
|- |
||
|''[[:en:The Fireball|The Fireball]]'' |
|||
| [[イヴの総て]]<br>''[[:en:All About Eve|All About Eve]]'' || カズウェル || [[ベティ・デイヴィス]]、アン・バクスター主演 |
|||
|ポリー |
|||
|- |
|- |
||
| |
|''[[:en:Right Cross|Right Cross]]'' |
||
|ダスキー・ルドゥー(クレジットなし) |
|||
|- |
|- |
||
| rowspan="4" |1951年 |
|||
| ''[[:en:Right Cross|Right Cross]]'' || ダスキー・ルドゥー || クレジットなし |
|||
|[[ふるさと物語]]<br />''[[:en:Home Town Story|Home Town Story]]'' |
|||
|アイリス・マーティン |
|||
|- |
|- |
||
|[[素晴らしき哉、定年!]]<br />''[[:en:As Young as You Feel|As Young as You Feel]]'' |
|||
|rowspan="4"|1951|| [[ふるさと物語]]<br>''[[:en:Home Town Story|Home Town Story]]'' || アイリス・マーティン || |
|||
|ハリエット |
|||
|- |
|- |
||
|[[恋愛アパート]]<br />''[[:en:Love Nest|Love Nest]]'' |
|||
| 素晴らしき哉、定年! <br>''[[:en:As Young as You Feel|As Young as You Feel]]''|| ハリエット || |
|||
|ボビー・スティーヴンス |
|||
|- |
|- |
||
|[[結婚しましょう]]<br />''[[:en:Let's Make It Legal|Let's Make It Legal]]'' |
|||
| 恋愛アパート<br>''[[:en:Love Nest|Love Nest]]''|| ボビー・スティーヴンス || |
|||
|ジョイス・マナリング |
|||
|- |
|- |
||
| rowspan="5" |1952年 |
|||
| 結婚しましょう<br>''[[:en:Let's Make It Legal|Let's Make It Legal]]''|| ジョイス・マナリング || [[クローデット・コルベール]]主演 |
|||
|[[熱い夜の疼き]]<br />''[[:en:Clash by Night|Clash by Night]]'' |
|||
|ペギー |
|||
|- |
|- |
||
|[[結婚協奏曲]]<br />''[[:en:We're Not Married!|We're Not Married!]]'' |
|||
|rowspan="5"|1952|| 熱い夜の疼き<br>''[[:en:Clash by Night|Clash by Night]]''|| ペギー || [[バーバラ・スタンウィック]]主演 |
|||
|アナベル・ジョーンズ・ノリス |
|||
|- |
|- |
||
|[[ノックは無用 (映画)|ノックは無用]]<br />''Don't Bother to Knock'' |
|||
| 結婚協奏曲<br>''[[:en:We're Not Married!|We're Not Married!]]''|| アナベル・ジョーンズ・ノリス || [[ジンジャー・ロジャース]]出演 |
|||
|ネル・フォーブス |
|||
|- |
|- |
||
|[[人生模様]]<br />''O. Henry's Full House'' |
|||
| [[ノックは無用 (映画)|ノックは無用]]<br>''[[:en:Don't Bother to Knock|Don't Bother to Knock]]'' || ネル・フォーブス || |
|||
|街娼 |
|||
|- |
|- |
||
|[[モンキー・ビジネス (映画)|モンキー・ビジネス]]<br />''Monkey Business'' |
|||
| [[人生模様]]<br>''[[:en:O. Henry's Full House|O. Henry's Full House]]''|| 街娼 || |
|||
|ロイス・ローレル |
|||
|- |
|- |
||
| rowspan="3" |1953年 |
|||
| [[モンキー・ビジネス (映画)|モンキー・ビジネス]]<br>''[[:en:Monkey Business (1952 film)|Monkey Business]]'' || ミス・ロイス・ローレル || [[ケーリー・グラント]]、ジンジャー・ロジャース主演 |
|||
|[[ナイアガラ (映画)|ナイアガラ]]<br />''Niagara'' |
|||
|ローズ・ルーミス |
|||
|- |
|- |
||
|[[紳士は金髪がお好き]]<br />''Gentlemen Prefer Blondes'' |
|||
|rowspan="3"|1953|| [[ナイアガラ (映画)|ナイアガラ]]<br>''[[:en:Niagara (1953 film)|Niagara]]'' || ローズ・ルーミス || |
|||
|ローレライ・リー |
|||
|- |
|- |
||
|[[百万長者と結婚する方法]]<br />''How to Marry a Millionaire'' |
|||
| [[紳士は金髪がお好き]]<br>''[[:en:Gentlemen Prefer Blondes (1953 film)|Gentlemen Prefer Blondes]]'' || ローレライ・リー || |
|||
|ポーラ・デベヴォア |
|||
|- |
|- |
||
| rowspan="2" |1954年 |
|||
| [[百万長者と結婚する方法]]<br>''[[:en:How to Marry a Millionaire|How to Marry a Millionaire]]'' || ポーラ・デベヴォア || |
|||
|[[帰らざる河]]<br />''River of No Return'' |
|||
|ケイ・ウェストン |
|||
|- |
|- |
||
|[[ショウほど素敵な商売はない]]<br />''There's No Business Like Show Business'' |
|||
|rowspan="2"|1954|| [[帰らざる河]]<br>''[[:en:River of No Return|River of No Return]]'' || ケイ・ウェストン || |
|||
|ヴィッキー・パーカー |
|||
|- |
|- |
||
|1955年 |
|||
| [[ショウほど素敵な商売はない]]<br>''[[:en:There's No Business Like Show Business (film)|There's No Business Like Show Business]]'' || ヴィッキー・パーカー || |
|||
|[[七年目の浮気]]<br />''The Seven Year Itch'' |
|||
|ブロンド美女 |
|||
|- |
|- |
||
|1956年 |
|||
|1955|| [[七年目の浮気]]<br>''[[:en:The Seven Year Itch|The Seven Year Itch]]'' || ブロンド美女 || |
|||
|[[バス停留所 (映画)|バス停留所]]<br />''Bus Stop'' |
|||
|シェリー |
|||
|- |
|- |
||
|1957年 |
|||
|1956|| [[バス停留所 (映画)|バス停留所]]<br>''[[:en:Bus Stop (film)|Bus Stop]]'' || チェリー || |
|||
|[[王子と踊子]]<br />''The Prince and the Showgirl'' |
|||
|エルシー・マリーナ |
|||
|- |
|- |
||
|1959年 |
|||
|1957|| [[王子と踊子]]<br>''[[:en:The Prince and the Showgirl|The Prince and the Showgirl]]'' || エルシー・マリーナ || |
|||
|[[お熱いのがお好き]]<br />''Some Like It Hot'' |
|||
|シュガー・ケーン・コワルチェック |
|||
|- |
|- |
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|1960年 |
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|1959|| [[お熱いのがお好き]]<br>''[[:en:Some Like It Hot|Some Like It Hot]]'' || シュガー・ケーン・コワルチェック || [[ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)|ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)]] 受賞 |
|||
|[[恋をしましょう (映画)|恋をしましょう]]<br />''Let's Make Love'' |
|||
|アマンダ・デル |
|||
|- |
|- |
||
|1961年 |
|||
|1960|| [[恋をしましょう (映画)|恋をしましょう]]<br>''[[:en:Let's Make Love|Let's Make Love]]'' || アマンダ・デル || |
|||
|[[荒馬と女]]<br />''The Misfits'' |
|||
|ロズリン・ターベル |
|||
|} |
|||
=== 楽曲 === |
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{| class="wikitable" |
|||
! colspan="2" |劇中歌 |
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|- |
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|"Every Baby Needs a Da-Da-Daddy"(ベビーにはパパが必要) |
|||
| rowspan="2" |『Ladies of the Chorus』 |
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|- |
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|"Anyone Can See I Love You"(私の恋はどなたにもお見通し) |
|||
|- |
|||
|"Kiss"(キス) |
|||
|『ナイアガラ』 |
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|- |
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|"[[:en:Diamonds Are a Girl's Best Friend|Diamonds Are a Girl's Best Friend]]"(ダイヤは女の最良の友) |
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| rowspan="4" |『紳士は金髪がお好き』 |
|||
|- |
|||
|"Two Little Girls from Little Rock"(リトルロックから来た娘) |
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|- |
|||
|"When Love Goes Wrong"(恋にしくじったら) |
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|- |
|||
|"Bye Bye Baby"(バイ・バイ・ベイビー) |
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|- |
|||
|"The River of No Return"(帰らざる河) |
|||
| rowspan="4" |『帰らざる河』 |
|||
|- |
|||
|"I'm Gonna File My Claim"(請求書にためとくわ ※素訳 登記しとくわ) |
|||
|- |
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|"One Silver Dollar"(一枚の銀貨) |
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|- |
|||
|"Down in the Meadow"(牧場で) |
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|- |
|||
|"After You Get What You Want, You Don't Want It"(気ままなあなた) |
|||
| rowspan="4" |『ショウほど素敵な商売はない』 |
|||
|- |
|||
|"[[:en:Heat Wave (Irving Berlin song)|Heat Wave]]"(ヒート・ウェーブ) |
|||
|- |
|||
|"[[:en:Lazy (Irving Berlin song)|Lazy]]"(もの憂さ) |
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|- |
|||
|"A Man Chases a Girl"(男は女を追いかける) |
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|- |
|||
|"[[:en:That Old Black Magic|That Old Black Magic]]"(恋という魔術) |
|||
|『バス停留所 (Bus Stop)』 |
|||
|- |
|||
|"I'm Through with Love"(恋はおしまい) |
|||
| rowspan="3" |『お熱いのがお好き』 |
|||
|- |
|||
|"[[:en:I Wanna Be Loved by You|I Wanna Be Loved by You]]"(愛されたいの) |
|||
|- |
|||
|"[[:en:Runnin' Wild (1922 song)|Running Wild]]"(ランニング・ワイルド) |
|||
|- |
|||
|"Let's Make Love"(恋をしましょう) |
|||
| rowspan="4" |『恋をしましょう』 |
|||
|- |
|||
|"Incurably Romantic"(とってもロマンティック) |
|||
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|"Specialization"(スペシャリゼイション) |
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|"[[:en:My Heart Belongs to Daddy|My Heart Belongs to Daddy]]"(私の心はパパのもの) |
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! colspan="2" |その他 |
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| colspan="2" |"[[:en:Do It Again (George Gershwin and Buddy DeSylva song)|Do It Again]]"(ドゥ・イット・アゲイン) |
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| colspan="2" |"[[:en:A Fine Romance (song)|A Fine Romance]]"(ファイン・ロマンス) |
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| colspan="2" |"[[:en:You'd Be Surprised|You'd Be Surprised]]"(驚かないでね) |
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| colspan="2" |"She Acts Like a Woman Should"(女のお手本) |
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| colspan="2" |"Some Like It Hot"(お熱いのがお好き){{Efn|映画の中ではインストルメント・バージョンが使われていて歌はない。これは同映画公開時にPR用に歌ったもの。{{要出典|date=2022年9月}}}} |
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|1961|| [[荒馬と女]]<br>''[[:en:The Misfits (film)|The Misfits]]'' || ロズリン・ターベル || |
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| colspan="2" |"Happy Birthday,Mr.President"([[ハッピーバースデー・ミスタープレジデント]]) |
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== 賞歴 == |
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=== 受賞 === |
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* [[ゴールデングローブ賞]] |
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* 『Ladies of the Chorus』より |
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** [[ゴールデングローブ賞 映画部門 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)|ミュージカル・コメディ映画部門 主演女優賞]]:1960年(『[[お熱いのがお好き]]』) |
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** Every Baby Needs a Da-Da-Daddy(ベビーにはパパが必要) |
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** [[ゴールデングローブ賞#廃止された賞|ヘンリエッタ賞]]:1951年、1953年、1962年 |
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** Anyone Can See I Love You(私の恋はどなたにもお見通し) |
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* [[ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞]] 外国人女優賞:1958年(『[[王子と踊子]]』) |
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* 『ナイアガラ』より |
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* {{仮リンク|エトワール・ド・クリスタル賞|fr|Étoiles de cristal}}外国人女優賞:1959年(『王子と踊子』) |
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** Kiss(キス) |
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=== ノミネート === |
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* 『紳士は金髪がお好き』より |
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* ゴールデングローブ賞 ミュージカル・コメディ映画部門主演女優賞:1956年(『[[バス停留所 (映画)|バス停留所]]』) |
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** Diamonds Are a Girl's Best Friend(ダイヤは女の最良の友) |
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* [[英国アカデミー賞]] 最優秀外国女優賞:1956年(『[[七年目の浮気]]』)、1958年(『王子と踊子』) |
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** Two Little Girls from Little Rock(リトルロックから来た娘) |
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** When Love Goes Wrong(恋にしくじったら) |
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** Bye Bye Baby(バイ・バイ・ベイビー) |
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* 『帰らざる河』より |
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** The River of No Return(帰らざる河) |
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** I'm Gonna File My Claim(請求書にためとくわ ※素訳 登記しとくわ) |
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** One Silver Dollar(一枚の銀貨) |
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** Down in the Meadow(牧場で) |
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* 『ショウほど素敵な商売はない』より |
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** After You Get What You Want, You Don't Want It(気ままなあなた) |
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** Heat Wave(ヒート・ウェーブ) |
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** Lazy(もの憂さ) |
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** A Man Chases a Girl(男は女を追いかける) |
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* 『バス停留所』より |
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** That Old Black Magic(恋という魔術) |
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* 『お熱いのがお好き』より |
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** I'm Through with Love(恋はおしまい) |
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** I Wanna Be Loved by You(あなたに愛されたいの) |
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** Running Wild(ランニング・ワイルド) |
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* 『恋をしましょう』より |
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** Let's Make Love(恋をしましょう) |
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** Incurably Romantic(とってもロマンティック) |
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** Specialization(スペシャリゼイション) |
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** My Heart Belongs to Daddy(私の心はパパのもの) |
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== 人物 == |
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=== 巧みなイメージ戦略 === |
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* Do It Again(ドゥ・イット・アゲイン) |
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1940年代は、戦時中で観客も女性の率が高く、彼女たちにアピールするため[[キャサリン・ヘプバーン]]や[[バーバラ・スタンウィック]]のようなタフでスマートなイメージの女優が重宝されていた。[[20世紀スタジオ|20世紀FOX]]は、モンローが男性客を映画館に呼び戻す次の10年のスターになることを望んでおり、当時衰えの見え始めた[[ベティ・グレイブル]]の後継者として期待していた{{Sfn|Banner|2012|pp=124, 177}}。映画研究家の{{仮リンク|リチャード・ダイアー|en|Richard Dyer}}によると、モンローのイメージは主に[[男性のまなざし|男性目線]]を意識して作り上げられた{{Sfn|Dyer|1991|pp=19, 20}}。 |
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* A Fine Romance(ファイン・ロマンス) |
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* You'd be Surprised(驚かないでね) |
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[[ファイル:Harlow-jean_swim1934.jpg|左|thumb|ジーン・ハーロウ。モンローは彼女を手本に自分のイメージを確立していった。]] |
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* She Acts Like a Woman Should(女のお手本) |
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モンローはデビュー当初から、自分のイメージ作りに積極的に関わり、キャリア末期にはほぼ独力でそれを行っていた{{Sfnm|1a1=Banner|1y=2012|1pp=172–174}}<ref>{{Cite web |url=https://www.smithsonianmag.com/arts-culture/model-arrangement-36654928/ |title=Model Arrangement |publisher=[[Smithsonian Institution]] |date=May 2008 |access-date=September 11, 2015 |first=Michelle |author=Stacey |archive-url=https://web.archive.org/web/20150925201206/http://www.smithsonianmag.com/arts-culture/model-arrangement-36654928/ |archive-date=September 25, 2015}}</ref>。彼女はイメージ戦略の多くを自分で考案し、{{仮リンク|シドニー・スコルスキー|en|Sidney Skolsky}}や[[ルエラ・パーソンズ]]といった芸能コラムニストと良好な関係を築き、自身のイメージ作りに利用した{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=172–174, 210–215, 566}}。 |
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* Some Like It Hot(お熱いのがお好き) |
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** 映画の中ではインストルメント・バージョンが使われていて歌はない。これは同映画公開時にPR用に歌ったもの。 |
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モンローはベティ・グレイブルに加えて、1930年代を象徴する金髪美人女優[[ジーン・ハーロウ]]ともしばしば比較される{{Sfn|Banner|2012|p=238}}。これはモンローが幼少期のアイドルとしてハーロウの名を挙げ、彼女の伝記映画を企画し、彼女のヘアスタイリストを雇って髪を染めたことが理由となっている {{Sfn|Banner|2012|pp=38, 175, 343}}。 |
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* Happy Birthday,Mr.President([[ハッピーバースデー・ミスタープレジデント]]) |
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** 1962年5月19日、[[マディソン・スクエア・ガーデン]]で行われたジョン・F・ケネディ大統領誕生パーティで歌ったもの。 |
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映画の中のモンローは、彼女の金髪と仕草から受ける素朴さ、色気、そして人工物感に焦点が当てられていた{{Sfn|Churchwell|2004|pp=21–26, 181–185}}。彼女は映画の中でしばしば幼児のような喋り方で話し、インタビューでの奔放な発言は「[[天然ボケ|無垢で計算されていない]]」という印象を与えた{{Sfnm|1a1=Dyer|1y=1991|1pp=33–34}}。たとえば、1949年のヌード写真撮影のとき何を "着けて" いたかを尋ねられたとき、彼女は「ラジオを "つけて" いた」と答えている{{Sfn|Banner|2012|p=194}}。 |
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[[ファイル:Marilyn_Monroe_Seven_Year_Itch.jpg|thumb|『七年目の浮気』の宣伝写真。このようにモンローは自身の魅力を強調する体型にぴったり合った衣装をよく着用した。]] |
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映画の中でモンローは男性にとってステレオタイプな女性を多く演じた{{Sfn|Dyer|1991|pp=19, 20}}。彼女は出演した多くの作品で、コーラスガール、モデルといった「男を視覚的に喜ばせる」職業の女性を演じた{{Sfn|Dyer|1991|pp=19, 20}}。モンローはピンナップモデルとしてその経歴をスタートさせ、砂時計のような体型で有名になった{{Sfn|Dyer|1991|pp=19–20}}。 映画の中でも、その体型が映えるような役を与えられ、宣伝写真では頻繁にピンナップ写真のようなポーズをとった{{Sfn|Dyer|1991|pp=19–20}}。独特の腰を振る歩き方(モンロー・ウォーク)は、彼女の体型に世間の注目を集めた{{Sfn|Churchwell|2004|p=62}}。 |
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モンローは金髪を強調するため白い衣装をよく着用し、また体型を際立たせた露出度の高い衣装で人前に登場して世間の注目を集めた{{Sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1p=25}}。映画の宣伝でも露出度の高いものや破れやすい素材の衣装を着用し{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=224–225, 342–343}}、例えば記者会見中にドレスの肩紐が千切れるなどのハプニングをわざと起こしていた{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=224–225, 342–343}}。 |
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彼女の生い立ちを扱った記事では、モンローは悲惨な幼少期を過ごしながらハリウッドのスターダムにのし上がった[[アメリカン・ドリーム]]の体現者として描かれた{{Sfnm|1a1=Dyer|1y=1991|1p=45}}。里親の家や孤児院で過ごした時期の逸話には誇張や創作されたものもあった{{Sfn|Banner|2012|pp=44–45}}。映画研究家トーマス・ハリスは、労働者階級出身ということは、男性客にモンローをより身近で親しみやすい女性として見せ、対照的に同世代で同じく魅力的な金髪美女として売り出された[[グレース・ケリー]]は、上流階級出身という生い立ちのため、大多数の男性客から手の届かない洗練された女性と見られ敬遠されていた、と分析している{{Sfn|Harris|1991|pp=40–44}}。 |
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映画の中における、純心だが性的魅力に溢れた金髪美女というモンローのイメージは巧妙に作られたものだったが、観客や評論家はそれが彼女の素顔であると信じていた。後に彼女が新しい役柄を演じたいと求めたり、自分の制作会社を立ち上げたとき、これが障害となった{{Sfn|Banner|2012|pp=273–276}}。文化学者のサラ・チャーチウェルはモンローの出演作品を研究し、次のように述べている。 |
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{{Quote|(モンローは)自分が「頭が悪く、気弱で、演技が下手」という大いなる虚像を作り上げた。彼女は高等教育を受けられなかったことに対するコンプレックスを持ってはいた。だが実際の彼女は、非常に頭が良く、タフな精神の持ち主だった。1950年代のハリウッドにおいて強固だった[[スタジオ・システム]]に打ち勝つには、虚実2つの力が必要だったのだ。(中略)ダム・ブロンドは与えられた役柄であり、彼女は女優としてそれを演じていたにすぎない。しかし今でも。映画の中の彼女が本当のマリリン・モンローだと誰もが信じてしまうような本物の女優なのだ。<ref>{{cite web|url=https://www.csmonitor.com/Books/chapter-and-verse/2012/0803/Marilyn-Monroe-Anything-but-a-dumb-blonde|title=Marilyn Monroe: Anything but a dumb blonde|work=[[The Christian Science Monitor]]|last=Dotinga|first=Randy|date=August 3, 2012|access-date=June 16, 2016|archive-url=https://web.archive.org/web/20160630045046/http://www.csmonitor.com/Books/chapter-and-verse/2012/0803/Marilyn-Monroe-Anything-but-a-dumb-blonde|archive-date=June 30, 2016|url-status=live}}</ref>}} |
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20世紀FOXはモンロー人気を受けて、その後も[[ジェーン・マンスフィールド]]や{{仮リンク|シェリー・ノース|en|Sheree North}}など同系統の女優を育てることでさらなる利益を得た{{Sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1p=396}}。他の映画スタジオもこれに追随し、[[ユニバーサル・ピクチャーズ|ユニバーサル映画]]は[[マミー・ヴァン・ドーレン]]{{Sfn|Spoto|2001|p=396}}、コロンビアは[[キム・ノヴァク]]{{Sfn|Solomon|2010|p=110}}、そして{{仮リンク|ランク・オーガニゼーション|en|The Rank Organisation}}は[[ダイアナ・ドース]]<ref>{{Cite news|url=https://www.theguardian.com/film/2009/may/05/from-the-archives-diana-dors-obituary|title=From the archives: Sex Symbol Diana Dors Dies at 52|newspaper=The Guardian|date=May 5, 1964|access-date=September 11, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20150925131302/http://www.theguardian.com/film/2009/may/05/from-the-archives-diana-dors-obituary|archive-date=September 25, 2015}}</ref>を売り出した。 |
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=== 社会への影響 === |
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伝記作家の{{仮リンク|ロイス・バナー|en|Lois Banner}}は、モンローが映画や公の場で[[セックスシンボル]]としての自分を自嘲的に表現することがあったとし{{Sfn|Banner|2012|p=244}}、「20世紀のジェンダートリックスターの歴史の中で彼女は[[メイ・ウエスト]]と[[マドンナ (歌手)|マドンナ]]の中間に位置しており、その後も続く原型を作り上げた」と書いている<ref>{{Cite web |url=https://www.wcwonline.org/WRB-Issues/the-meaning-of-marilyn |title=The Meaning of Marilyn |author=Banner |first=Lois |publisher=Women's Review of Books |access-date=April 30, 2018 |archive-url=https://web.archive.org/web/20180501093607/https://www.wcwonline.org/WRB-Issues/the-meaning-of-marilyn |archive-date=May 1, 2018}}</ref>。モンロー自身、ウエストから影響を受け、「自身の性を嘲笑することで、イメージを作り上げる技術を学んだ」と述べている{{Sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1p=63 for West}}。彼女は、コミカルなステージパフォーマンスで有名なパントマイミストでダンサーの{{仮リンク|ロッテ・ゴスラー|en|Lotte Goslar}}の講座でコメディを学び、ゴスラーは映画の現場でも彼女を指導していた{{Sfn|Banner|2012|pp=170–171}}。モンローが典型的なダム・ブロンドを演じた『紳士は金髪がお好き』の中で、彼女は自分の役に「大事な時には賢くなれるけど、大体の男は賢い女が好きじゃないの」という台詞を追加した {{Sfn|Banner|2012|p=201}}。 |
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[[ファイル:Marilyn_Monroe_at_Ciro's.jpg|左|thumb|1953年、パーティーに到着したモンロー。]] |
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リチャード・ダイアーによると、モンローは「[[キンゼイ報告]](1953年)や[[ベティ・フリーダン]]の『{{仮リンク|新しい女性の創造|en|The Feminine Mystique}}』と並んで1950年代のアメリカにおける道徳と性についての思想の潮流の中心に位置づけられる」としている{{Sfnm|1a1=Dyer|1y=1991|1p=21}}。モンローは、1940年代のそれとは対照的に、無防備な様を見せることで、セックスを自然で危険のないものとして提示した最初のセックスシンボルだった{{Sfn|Dyer|1991|pp=29–39}}。同様に、伝記作家{{仮リンク|ドナルド・スポト|en|Donald Spoto}}はモンローを映画評論家{{仮リンク|モリー・ハスケル|en|Molly Haskell}}の「『女性は男性の欲求に応えたり、高めたりするために存在する』という1950年代の虚像」とした発言{{Efn|ハスケルによれば、モンローは男性よりも女性からの人気が低かった{{Sfn|Dyer|1991|p=57, quoting Haskell}}。}}に呼応してモンローは「戦後の(男性にとって)理想的なアメリカ女性の体現者だ」とした{{Sfnm|1a1=Haskell|1y=1991|1p=256}}。モンローと同時代を生きた小説家[[ノーマン・メイラー]]は「マリリンは、タブー視されていたセックスを、決してそうではないと示唆してくれた」と書いた{{Sfnm|1a1=Dyer|1y=1991|1p=39}}。<!--上手く翻訳できませんでした。 |
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While [[グルーチョ・マルクス|Groucho Marx]] characterized her as "[[メイ・ウエスト|Mae West]], [[セダ・バラ|Theda Bara]], and Bo Peep all rolled into one. {{Sfnm|1a1=Dyer|1y=1986|1p=39}}--> |
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リチャード・ダイアーは、当時は[[アフリカ系アメリカ人公民権運動|公民権運動]]が始まった時期で、モンローが髪を金髪にしたのは自分が純粋な白人だとアピールしたかったためだとし、彼女は20世紀の大衆文化における人種差別の象徴と見なされるべきと主張している{{Sfn|Dyer|1991|p=40}}。一方、ロイス・バナーは、モンローが公民権運動中に金髪に変えたのは偶然ではないかもしれない点には同意したが、モンローは私生活でジョー・ディマジオ([[イタリア系アメリカ人|イタリア系]])やアーサー・ミラー([[ユダヤ人]])など非[[WASP]]の人々と関係があったことを指摘して、ダイアーの主張に反論した{{Sfn|Banner|2012|pp=254–256}}。またバナーによると、モンローは当時一般的だった人種規範に挑戦するような宣伝写真を撮ったことがあるという。たとえば、1951年の『ルック』誌に、彼女が露出度の高い服を着て[[アフリカ系アメリカ人]]の音楽家{{仮リンク|フィル・ムーア|en|Phil Moore (jazz musician)}}と歌の練習をしている様子を撮影した写真が掲載されている{{Sfn|Banner|2012|p=184}} |
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[[ファイル:MonroeLustreCremead.jpg|サムネイル|モンローを起用したシャンプーの広告(1953年)。]] |
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『フォトプレイ』誌によると、モンローはアメリカでは「ホットドッグ、アップルパイ、野球と同じくらい有名な存在」とされていた{{Sfn|Banner|2012|p=8}}。ロイス・バナーは彼女を「{{仮リンク|ポピュラックス|en|Populuxe}}{{Efn|「ポピュリズム(大衆主義)」と「ラグジュアリー(豪華さ)」をあわせた造語で、チープ感とゴージャス感が同居する1950年代のアメリカ大衆文化を形容する用語<ref>{{Cite web|和書|url=https://artscape.jp/artword/index.php/%E3%83%9D%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E6%96%87%E5%8C%96 |title=ポピュラックス文化 現代美術用語辞典ver2.0 |publisher=artscape~新聞 |accessdate=2022-08-17 |
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|archiveurl= |
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|archivedate= |
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}}</ref>}}の象徴」と呼んでおり、その陽気で華やかなイメージは、「1950年代の[[冷戦]]、原子爆弾、ソビエト連邦と共産主義に対する社会不安の払拭に役立った」としている{{Sfn|Banner|2012|pp=239–240}}。歴史家のフィオナ・ハンディサイドは、フランスの女性観客は白い肌と金髪をアメリカの近代性や清潔さと結びつけ、モンローは現代の「解放された女性」の象徴となったと書いている{{Sfn|Handyside|2010|pp=1–16}}。映画史家{{仮リンク|ローラ・マルベイ|en|Laura Mulvey}}は、アメリカの消費文化を支持するものとしてモンローについて次のように書いている。{{Quote|アメリカが大戦後の貧しい欧州に華やかな民主主義を輸出しようとしたとき、映画はその窓口となった。(中略)マリリン・モンローはそのオール・アメリカンな特徴と最新のセクシュアリティによって、(アメリカの)経済・政治・エロティシズムを一まとめにして体現する存在だった。1950年代半ばまでに彼女はアメリカ製の化粧品やナイロンを使えば誰もが手に入る美の象徴となった。{{sfn|Handyside|2010|p=2, quoting Mulvey}}}} |
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=== 交友 === |
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モンローの交際相手として噂に上った著名人は、喜劇俳優[[チャールズ・チャップリン]]や映画監督[[エリア・カザン]]、俳優[[マーロン・ブランド]]まできわめて多数に上る<ref name=":02" /><ref name=":01" />。 |
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==== ケネディ兄弟との関係 ==== |
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[[ファイル:JFK_and_Marilyn_Monroe_1962.jpg|thumb|250px|ケネディ大統領の誕生日祝賀会の後にケネディ兄弟と話すモンロー(1962年5月19日)]] |
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モンローは1961年にアーサー・ミラーと離婚したが、この離婚に先立つ[[1959年]]頃から、当時は上院議員で後に[[アメリカ合衆国大統領]]となる[[ジョン・F・ケネディ]](JFK)の義弟で俳優の[[ピーター・ローフォード]]や[[フランク・シナトラ]]の紹介で、ケネディの知己を得た<ref name=":01" />。 |
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その後、モンローとJFKが肉体関係にあったとする噂が、ローフォードやモンローの家政婦レナ・ペピートーンなどの証言をもとに長く噂されてきた<ref>ジェイムズ スパダ著、[[広瀬順弘]]訳『ピーター・ローフォード―ケネディ兄弟とモンローの秘密を握っていた男』([[読売新聞社]]刊 [[1992年]])p.348</ref>。また、JFKの弟で司法長官を務めていた[[ロバート・ケネディ]]とも関係があったとも囁された<ref>クリストファー・アンダーソン著、[[戸根田由紀恵]]訳『JFKの寝室 ケネディとジャクリーンの封印された性』([[徳間書店]]、1997年)p.370</ref>。 |
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しかし、モンローがJFKとたびたび電話で個人的な会話を交わす関係にあったことは、[[ホワイトハウス]]の通話記録などから確実視されている<ref name=":23" />ものの、FBIの捜査記録や知人たちへの膨大なインタビューなどをもとにした近年の研究では、二人が肉体関係にあったことを裏づける明確な証拠は存在せず、あくまで噂にすぎないと結論づけられている<ref name=":02" /><ref name=":01" />。 |
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ケネディ政権への悪影響を懸念した当時のFBI長官[[ジョン・エドガー・フーヴァー]]らによって2人の関係が強制的に終わらされたとする噂も長く語られてきた<ref>ジョン・H・デイヴィス著、市雄貴訳『マフィアとケネディ一族』(朝日新聞社、1994年)p.266</ref>。しかし現在では、多忙をきわめるようになったJFK側が自ら交友関係を大きく縮小したためとする説が主流である<ref name=":01" /><ref name=":23" />。 |
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==== ディマジオとの絆 ==== |
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前述の通り、両者の結婚生活は1年9か月で終わったが、モンローの晩年に再び交際を始め{{sfn|Spoto|2001|pp=456–459}}{{sfnm|1a1=Spoto|1y=2001|1pp=464–470, 483–485, 594–596|2a1=Churchwell|2y=2004|2p=291}}、多くの時間を過ごし、亡くなる数日前には復縁の約束をしていたという双方の関係者からの証言が複数残っている<ref name="DON!2">{{Cite web|和書|url=http://www.ntv.co.jp/don/contents03/2011/03/199938.html |title=1999年3月8日「ジョー・ディマジオ選手が亡くなった日」 |publisher=[[DON!]]特集 |accessdate=2013-12-24 |archive-url=https://web.archive.org/web/20131224110958/http://www.ntv.co.jp/don/contents03/2011/03/199938.html |archive-date=2013-12-24 |url-status=dead|url-status-date=2022-08-28}}</ref><ref name="PBS2">{{Cite web |url=http://www.pbs.org/wgbh/amex/dimaggio/peopleevents/pande12.html |title=Joe Directs Marilyn’s Funeral |publisher=PBS.org |accessdate=2013年12月24日}}</ref>。ディマジオはモンローの葬儀では彼女の遺体に「愛している」と声をかけ続け、涙を流したと伝えられている<ref name="DON!2" /><ref name="PBS2" />。 |
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ディマジオはモンローの死後20年にわたって週3回、彼女の墓に赤いバラ(品種:{{仮リンク|アメリカン・ビューティー (バラ)|en|Rosa 'American Beauty'|label=アメリカン・ビューティー}})を捧げ続けた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.lib.pref.fukuoka.jp/hp/tosho/1954m&d.htm |title=マリリン・モンローとジョー・ディマジオ |publisher=[[福岡県立図書館]]ホームページ |accessdate=2013年12月24日}}</ref>。 |
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[[1978年のMLBオールスターゲーム]]の日本向け衛星中継で一緒にマイクの前に並んだ[[伊東一雄]]は「マリリンほど素晴らしい女性はいなかった…」とディマジオがポツリと漏らしていたのを耳にしている<ref>{{Cite book|author=伊東一雄|title=メジャーリーグこそ我が人生:パンチョ伊東の全仕事|publisher=サンケイスポーツ|page=418}}</ref>。1999年3月8日に亡くなる数日前に友人に語った最期の言葉は「死んだら、マリリンのところへいける」だった<ref>{{Cite web |url=http://abcnews.go.com/Sports/story?id=100802&page=1 |title=Report: DiMaggio's Final Words |publisher=[[ABCニュース (アメリカ)|ABC News.go.com]] |accessdate=2013年12月24日}}</ref>。 |
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== エピソード == |
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{{雑多な内容の箇条書き|date=2022年9月|section=1}} |
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[[ファイル:Marilyn_Monroe_and_Jane_Russell_at_Chinese_Theater_3.jpg|thumb|手型を残すモンローと[[ジェーン・ラッセル]] 1953年6月26日[[グローマンズ・チャイニーズ・シアター]]]] |
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[[ファイル:Joe_DiMaggio,_Marilyn_Monroe_and_Tstsuzo_Inumaru.jpg|thumb|1954年2月、[[帝国ホテル]]に滞在中のディマジオ(左)とモンローを案内する[[犬丸一郎]](後方)]] |
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* [[淀川長治]]によれば、モンローは「[[ウイリアム・シェイクスピア|シェークスピア]]のような文芸作品に出たかった」という気持ちを持っており、生涯それが実現しなかったことが不憫であると語っていた{{要出典|date=2022年9月}}。 |
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* [[グローマンズ・チャイニーズ・シアター]]の前庭に、『[[紳士は金髪がお好き]]』で共演した[[ジェーン・ラッセル]]と共に、手型・靴型・サインを残したのは、1953年6月26日のことであった。ラッセルがうつぶせになって胸を、モンローが座ってお尻の跡をつけようとのモンローの提案は受け入れられなかった。サインの「Marilyn」の「i」の点にダイヤモンドを使ったらどうかとの提案には、結局模造ダイヤを使うことになったが、観光客が削っていってしまった。<ref>フウス・ライテルス編、関美冬訳『モンロー・トーク』([[河出書房新社]]・アップリンク発行、初版1992年4月10日)p.46</ref> |
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* 1954年2月1日、新婚旅行で来日したモンローであったが、体調を崩してしまう。予定されていた記者会見も顔見せ程度でキャンセルされ(翌日に延期された)、早々と[[帝国ホテル]]2階244号室にひきこもった。長旅で疲労困憊、胃痙攣も起こしていた。医者が呼ばれ、痛み止めの注射をしようとしたがモンローはこれを拒否。それではと治療のために呼ばれたのが、[[浪越徳治郎]]であった。モンローは指圧を気に入り、日本滞在中7回も施術を受けた<ref>[[#佐山]]101頁</ref>。 |
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* モンローに[[戒名]]をつけた人がいる。1973年8月5日に[[東京都]][[世田谷区]]の[[大吉寺 (世田谷区)|大吉寺]]本堂でモンロー13[[命日|回忌]]の法要が営まれ、住職で[[作家]]の[[寺内大吉]]([[競輪]]、[[ボクシング]]、[[キックボクシング]]の評論家)が経をあげ、モンローに「鞠利院不滅美色悶浪大姉(まりりいんふめつびしょくもんろうだいし)」という戒名を捧げた<ref>詩人・白石かずこの作家・寺内大吉とのインタビュー記事「鞠利院不滅美色悶浪大姉はアメリカ民主主義の匂いがした」、[[小学館]]の雑誌『サライ』4巻10号/通巻65号(1992年5月)30-31頁より。</ref> |
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* イギリスの大衆紙『{{仮リンク|サンデー・ピープル|en|Sunday People}}』は1990年7月2日号で、モンローに隠し子がいたと報じた<ref name="nikkansports1980-7-3">1990年7月3日付け「日刊スポーツ」1面閲覧 "英紙報道 元恋人が暴露 モンローに娘がいた"</ref>。同紙は1面に「マリリン・モンローに英国育ちの隠された子がいた!」と大見出し、中面の1ページ全体を使ってこの情報を伝えた。記事によれば、モンローの元恋人で米国人作家のテッド・ジョーダンが出版する著書『マリリン・モンローの秘められた生活』の中で記しているもので、子供はモンローが1947年、21歳のときに産んだ娘で、父親は当時交際していたミュージシャンとされている。名前はナンシーといい、生後すぐ養女に出され、養父が英国人だったためイギリスのサウサンプトンで育てられた。虐待を受けたため17歳で家出して豪州に渡り、その後は南太平洋の島々を転々とし、現在は豪州[[タスマニア島]]で、地道に宗教活動をしている、とされる。苦心の末ナンシーに会ったというジョーダンによれば、唇と脚線美は母親そっくりだという。モンローは「十代のときに子どもを産んだことがある」と親しかった友人ジーン・カーメンに打ち明けている<ref>アンソニー・サマーズ著、[[中田耕治]]訳『マリリン・モンローの真実(上)』 ([[扶桑社]]<扶桑社ミステリー>、1988年7月)p.456</ref>。一方で、[[検死]]を行った[[トーマス野口]]は、モンローが「出産した痕跡はない」と証言している<ref>『追憶マリリン・モンロー』、36頁、[[井上篤夫]]、[[集英社文庫]]、初版2001年8月</ref>。 |
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* モンローは読書家で<ref name="秘宝202205">{{Cite journal |和書 |author = 高橋信之 |title = FIGHTING GIRL,GENTLIY BOY AND X HEAD–QUARTER 戦う女と優しい男そして存在X総司令部最後の編集長こだわり企画 |chapter = 第1章 マリリン・モンローが読んだ100冊の本 |journal = [[映画秘宝]] |issue = 2022年5月号 |publisher = [[洋泉社]] |pages = 78 }}</ref><ref name="bookglow">{{Cite web |url=http://www.bookglow.net/430-books-found-in-marilyn-monroes-library/ |date=2015-06-24 |title=430 Books Found In Marilyn Monroe’s Library |access-date=2024-12-08 |website=BOOKGLOW |archive-url=https://web.archive.org/web/20240524194015/https://bookglow.net/430-books-found-in-marilyn-monroes-library/ |archive-date=2024-05-24 |language=en-AU }}</ref>、モンローほど「読書する姿」が写真に残された女優はいない<ref name="秘宝202205"/>。[[1999年]]10月27–28日、ニューヨーク[[コムキャスト・ビルディング|ロックフェラープラザ]]で開催された[[クリスティーズ]]のオークション9216号では500点を超えるモンローの遺品が出品されたが<ref name="秘宝202205"/>、その内、400点近くがモンローが生前読んでいた書籍で、ニューヨークの自宅に残された物だった<ref name="秘宝202205"/>。モンローはロサンゼルス・ブレントウッドとニューヨークに二つの自宅を持っており<ref name="秘宝202205"/><ref>{{Cite web|author=Stefanie Waldek|title=マリリン・モンローが過ごした数々の家と、そこで見せた素顔ハリウッドの伝説的アイコンは、賃貸とホテルがお好き?|url=https://www.harpersbazaar.com/jp/celebrity/celebrity-home/g40163657/marilynmonroe-home-life-220601-hns/|date=2022-06-01|website=[[ハーパーズ バザー#日本版|ハーパーズ バザー]]|publisher=[[ハースト婦人画報社]]|accessdate=2024–12–08|archiveurl=https://web.archive.org/web/20230206164809/https://www.harpersbazaar.com/jp/celebrity/celebrity-home/g40163657/marilynmonroe-home-life-220601-hns/|archivedate=2023–02–06}}</ref>、[[納税]]地はニューヨークでニューヨーク市民でもあった<ref name="秘宝202205"/>。モンローの蔵書は多岐に渡り<ref name="秘宝202205"/>、世界最強のセ〇クスアイコンがこれほどまでにインテリジェンスを追求していたのかと驚かせるが、とりわけモンローが読んだ異色の一冊として{{仮リンク|ダニエル・ラング|en|Daniel Lang (writer)}}著『ヒロシマから月へ(From Hiroshima to the Moon)』(1959年)が挙げられる<ref name="秘宝202205"/>。同書は[[マンハッタン計画|アメリカの原爆開発]]と[[広島市への原子爆弾投下|ヒロシマへの原爆投下]]、[[ソビエト連邦|ソ連]]との[[核兵器|核]]武装競争、[[ヴェルナー・フォン・ブラウン]]らによる[[ロケット]]開発と[[大陸間弾道ミサイル]]による核支配、及び[[宇宙開発競争]]について各界の知見者による解説本<ref name="秘宝202205"/>。 |
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* [[2008年]]3月31日[[ロサンゼルス]]連邦地方裁判所は、マリリン・モンローの写真を使用したTシャツを製造販売した企業と、彼女の遺産管理団体の間で争われていた彼女の[[肖像権]]についての裁判で、マリリン・モンローは[[カリフォルニア州]]民ではなく[[ニューヨーク州]]民であり、同州の法律によって1962年の死亡と同時に彼女の肖像権は消滅したと判決を下した<ref name=":52">{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20080401-342892.html |title=マリリン・モンローの肖像権消滅 |access-date=2022-08-21 |date=2008-04-01 |website=日刊スポーツ}}</ref>。彼女はニューヨーク市内にアパートを所有しており、そこを永住先としていたのが判決の理由となった<ref name=":52" />。その後アメリカの上訴裁判所は、2012年8月末、モンローのパブリシティ権は存在しないとの判決を下した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0045727 |title=モンローに肖像権なし |accessdate=2012年9月5日 |author=cinematoday}}</ref>。 |
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* 2009年8月24日にモンローの埋葬室の真上の区画がオークションにかけられ<ref>{{Cite web|和書|url=https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-11049920090817 |title=故M・モンローの「上」隣の墓が競売に、2億円超の入札も |access-date=2022-08-21 |publisher=ロイター |date=200-08-11}}</ref>、一旦は460万2,100ドル(約4億3,000万円)で落札されたが<ref>{{Cite web|和書|url=https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-11170120090825 |title=M・モンローの真上の墓、競売の落札価格は4億円超 |access-date=2022-08-21 |publisher=ロイター |date=2009-08-25}}</ref>、落札者(日本人)がすぐに辞退を申し出たため<ref>{{Cite web|和書|url=https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-11198520090826 |title=M・モンローの真上の墓、日本からの落札者が購入辞退 |access-date=2022-08-21 |publisher=ロイター |date=2009-08-27}}</ref>、新たにインターネットオークションにかけられたが、入札者なしで買い手はつかなかった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/showbiz/enews/RTR200911030020.html |title=M・モンローの真上の墓、2度目の競売でも売れず |access-date=2022-08-21 |website=朝日新聞 |date=2009-11-3}}</ref>。2009年時点で、モンローの「上にいた」のは、1986年に81歳で亡くなった元実業家の男性だが、遺族が相続した住宅のローン完済を目的にオークションに出した(男性の棺は同墓室の別区画に改葬)<ref name=":4">{{Cite web|和書|title=マリリン・モンローの納骨室の真上、4億3000万円で落札 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/2633884 |website=AFPBB News |access-date=2022-08-21 |language=ja}}</ref>。成人向け娯楽雑誌『[[プレイボーイ (雑誌)|PLAYBOY]]』の創始者[[ヒュー・ヘフナー]]は「モンローのそばで永眠したい」と1992年に7万5,000ドル(約710万円)でモンローの左真横の区画を購入している<ref name=":4" />。その上の区画もまだ空いており、25万ドル(約2,400万円)で販売中だという<ref name=":4" />。 |
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* 2010年6月27日、モンローの胸部を撮影した3枚綴りの[[エックス線写真]]が、[[ラスベガス]]のホテル「プラネット・ハリウッド・リゾート・アンド・カジノ」で[[競売|オークション]]にかけられ<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/2738199 |title=モンローのX線写真やジミヘンのギターが競売に |access-date=2022-08-21 |publisher=AFP |month=2010-06-29 |website=AFPBB News}}</ref>、45,000ドルで落札された<ref>{{Cite web|和書|url=https://news.ntv.co.jp/category/international/161865 |title=モンローさんのレントゲン写真、高値で落札 |access-date=2022-08-21 |publisher=日本テレビ |website=日テレNEWS |date=2010-06-29}}</ref>。写真はモンローが1954年11月に、ロサンゼルスのシーダーズ・オブ・レバノン病院で診察を受けた際に撮影されたものを担当した医師が保管していたものである<ref>{{Cite web |url=http://www.nydailynews.com/money/2010/06/28/2010-06-28_marilyn_monroes_chest_xray_from_1954_sells_for_45000_at_las_vegas_auction.html |title=Marilyn Monroe's chest x-ray from 1954 sells for $45,000 at Las Vegas auction |access-date=2010-08-21 |publisher=DAILY NEWS |date=2010-06-28 |archive-url=https://web.archive.org/web/20100630020800/http://www.nydailynews.com/money/2010/06/28/2010-06-28_marilyn_monroes_chest_xray_from_1954_sells_for_45000_at_las_vegas_auction.html |archive-date=2010-06-30}}</ref>。 |
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* 2011年6月18日、ハリウッドスターゆかりの品々を一堂に集めたオークションが、アメリカ・ロサンゼルスで開かれ<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.vogue.co.jp/fashion/news/2011-06/10/auction |title=マリリン・モンローの伝説のドレスがオークションに |access-date=2022-08-21 |publisher=Vogue Japan |date=2011-06-10 |last=Milligan |first=Lauren}}</ref>、映画『[[七年目の浮気]]』で地下鉄の通風口の上に立ったモンローのスカートが大きくめくれる有名なシーンで使われた[[マリリン・モンローの白いドレス|白いホルターネックのドレス]]が、460万ドル(約3億7,000万円)の高値で落札された<ref name=":3">{{Cite web|和書|url=https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-21780920110620 |title=モンローの「地下鉄ドレス」が3.7億円で落札、予想を大幅に超える |access-date=2022-08-21 |publisher=ロイター}}</ref>。このドレスは女優の[[デビー・レイノルズ]]が所有していたもので、ドレスの価格は事前予想の180~200万ドルを大きく上回った<ref name=":3" />。他に『[[紳士は金髪がお好き]]』の真っ赤なスパンコールのドレスが120万ドル(約9,600万円)、『[[帰らざる河]]』の酒場の衣装が51万ドル(約4,000万円)で落札された<ref name=":3" />。 |
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* 2011年、アメリカ合衆国[[イリノイ州]][[シカゴ]]の目抜き通りに、彫刻家{{仮リンク|ジョン・スワード・ジョンソン2世|en|John Seward Johnson II|label=スワード・ジョンソン}}が制作した『[[フォーエバー・マリリン]]』と題された高さ約8mの巨大マリリン像が出現した。像はその後移設され、2021年からは[[カリフォルニア州]][[パームスプリングス (カリフォルニア州)|パームスプリングス]]に設置されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000218929.html |title=米の巨大マリリン・モンロー像 7年ぶりにお目見え |access-date=2022-08-21 |publisher=テレビ朝日 |website=テレ朝news |date=2021-06-10}}</ref>。 |
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* 2017年、日本の遊園地[[としまえん]]はモンローをプールのイメージキャラクターに採用した<ref>{{Cite web|和書|title=としまえん、7月1日プール開き ポスターはマリリン・モンロー起用 |url=https://nerima.keizai.biz/headline/1288/ |website=練馬経済新聞 |accessdate=2020-09-23 |publisher= |date=2017-06-26}}</ref>。これは、としまえんがモンローの生誕年である1926年に開園したことや同園の主要アトラクションである「[[としまえんの乗り物#カルーセルエルドラド|カルーセルエルドラド]]」がかつてニューヨーク市[[コニーアイランド]]の遊園地にて運営していた際にモンローが同施設で乗車していた史実に由来しての起用だった<ref>{{Cite web|和書|title=としまえん、回転木馬110周年で記念ロゴ&ポスター 「マリリン・モンローから祝福」も |url=https://nerima.keizai.biz/headline/1262/ |website=練馬経済新聞 |accessdate=2020-09-23 |publisher= |date=2017-04-04}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=としまえん運営部長「世界の宝」回転木馬の稼働願う |url=https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202008300000538.html |website=日刊スポーツ |accessdate=2020-09-23 |publisher= |date=2020-08-31}}</ref>。 |
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== 評価 == |
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[[ファイル:Marilyn Monroe in How to Marry a Millionaire.jpg|thumb|1953年公開の『[[百万長者と結婚する方法]]』のために撮影された宣材写真]] |
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モンローの不朽の人気は、彼女の虚実相反するイメージと結びつけられて語られる{{Sfnm|1a1=Fuller|1y=1983|1p=309}}。そして、彼女は今もなおセックスシンボル、美のアイコン、そして{{仮リンク|ハリウッド黄金時代|en|Classical Hollywood cinema}}における最も有名な映画スターの1人である{{Sfn|Churchwell|2004|p=8}}<ref>{{Cite web |url=https://www.smithsonianmag.com/smithsonian-institution/remembering-marilyn-monroe-43964747/ |title=Remembering Marilyn Monroe |author=Stromberg |first=Joseph |date=August 5, 2011 |publisher=Smithsonian Institution |access-date=September 10, 2015 |archive-url=https://web.archive.org/web/20150928090337/http://www.smithsonianmag.com/smithsonian-institution/remembering-marilyn-monroe-43964747/ |archive-date=September 28, 2015}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.bfi.org.uk/news-opinion/news-bfi/features/marilyn-icon |title=Marilyn: The Icon |author=Wild |first=Mary |date=May 29, 2015 |publisher=British Film Institute |access-date=September 10, 2015 |archive-url=https://web.archive.org/web/20150906134813/http://www.bfi.org.uk/news-opinion/news-bfi/features/marilyn-icon |archive-date=September 6, 2015}}</ref>。 |
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一方で彼女は、私生活でのトラブル、不幸な幼少期、女優としての尊厳をかけた闘争、そして突然の死にまつわる様々な謎でも人々に記憶されている{{Sfnm|1a1=Fuller|1y=1983|1p=309}}。 |
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現代においても彼女は広告の素材とされ<ref>{{cite magazine|last1=Rudnick|first1=Paul|date=June 14, 1999|title=The Blond Marilyn Monroe|url=http://content.time.com/time/magazine/article/0,9171,991257,00.html|magazine=Time|access-date=August 30, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20160106091538/http://content.time.com/time/magazine/article/0%2C9171%2C991257%2C00.html|archive-date=January 6, 2016|url-status=live}}</ref>、その肖像と名前は何百もの製品にライセンスされ、[[マックスファクター]] 、[[シャネル]] 、[[メルセデス・ベンツ]] 、[[アブソルート (ウォッカ)|アブソルート]]などのブランドで使用された{{sfn|Churchwell|2004|pp=33, 40}}<ref name="www.theguardian.com max-factor-cant-claim-marilyn-monroe22">{{cite news|url=https://www.theguardian.com/commentisfree/2015/jan/09/max-factor-cant-claim-marilyn-monroe|title=Max Factor Can't Claim Credit for Marilyn Monroe|last=Churchwell|first=Sarah|date=January 9, 2015|newspaper=The Guardian|access-date=August 30, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20150825013827/http://www.theguardian.com/commentisfree/2015/jan/09/max-factor-cant-claim-marilyn-monroe|archive-date=August 25, 2015|url-status=live}}</ref>。 |
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モンローについて何百冊もの伝記が書かれている。また彼女は数多くの映画、演劇、[[オペラ]]、歌の題材となっており、[[アンディ・ウォーホル]]やマドンナなどの芸術家やエンターテイナーに影響を与えてきた{{sfnm|1a1=Churchwell|1y=2004|1pp=12–15|2a1=Hamscha|2y=2013|2pp=119–129}}<ref>{{Cite news|url=https://www.theguardian.com/books/2011/nov/16/michel-schneider-top-10-marilyn-monroe-books|title=Michel Schneider's Top 10 Books About Marilyn Monroe|last=Schneider|first=Michel|date=November 16, 2011|newspaper=The Guardian|access-date=August 30, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20150928145942/http://www.theguardian.com/books/2011/nov/16/michel-schneider-top-10-marilyn-monroe-books|archive-date=September 28, 2015}}</ref>。 |
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[[グロリア・スタイネム]]、{{仮リンク|ジャクリーン・ローズ|en|Jacqueline Rose}}{{Sfn|Rose|2014|pp=100–137}}、モリー・ハスケル{{Sfn|Haskell|1991|pp=254–265}}、サラ・チャーチウェル<ref name="www.theguardian.com max-factor-cant-claim-marilyn-monroe22" />、ロイス・バナー<ref>{{Cite news|url=https://www.theguardian.com/film/2012/jul/21/marilyn-monroe-feminist-psychoanalysis-lois-banner|title=Marilyn Monroe: Proto-feminist?|last=Banner|first=Lois|date=July 21, 2012|newspaper=The Guardian|access-date=November 7, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20151121051705/http://www.theguardian.com/film/2012/jul/21/marilyn-monroe-feminist-psychoanalysis-lois-banner|archive-date=November 21, 2015|ref=none}}</ref>などジェンダーとフェミニズムに関心のある学者やジャーナリストが彼女に関する文章を書いている<ref name="Guardianfem">{{Cite web |url=https://www.theguardian.com/film/features/featurepages/0,,498050,00.html |title=Happy Birthday, Marilyn |date=May 29, 2001 |website=The Guardian |access-date=August 30, 2015 |archive-url=https://web.archive.org/web/20150611194816/http://www.theguardian.com/film/features/featurepages/0,,498050,00.html |archive-date=June 11, 2015}}</ref>。 |
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その中でもスタイネムは、彼女をスタジオ・システムの犠牲者と見なし<ref name="Guardianfem" />{{Sfnm|1a1=Steinem|1y=1987|1pp=15–23}}、他方チャーチウェル、ハスケル、ローズなどは、モンローが自身のキャリア形成やイメージ作りに積極的に関わり主体的に行動した点を強調している<ref name="www.theguardian.com max-factor-cant-claim-marilyn-monroe22" /><ref>{{Cite news|url=https://www.nytimes.com/books/98/11/22/reviews/981122.22haskelt.html|title=Engineering an Icon|last=Haskell|first=Molly|date=November 22, 1998|newspaper=The New York Times|access-date=August 30, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20160307052723/https://www.nytimes.com/books/98/11/22/reviews/981122.22haskelt.html|archive-date=March 7, 2016}}</ref>{{Sfn|Rose|2014|pp=100–137}}。 |
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華やかなスターダムと問題を抱えた私生活との対比から、モンローは、現代のマスメディアや消費者文化などに関する幅広い話題と密接に結びつけられる{{Sfn|Hamscha|2013|pp=119–129}}。 |
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文化学者のスザンヌ・ハムシャによれば、モンローは現代社会において継続中の問題と常に結びつけられ、「特定の時間や場所に留められる」ことなく、「アメリカ文化の物語を(再)構築するための顔」となり、そして「第三者によって新たな文脈に(再)生産・変換・翻訳される存在」と定義している{{Sfn|Hamscha|2013|pp=119–129}}。同様に、ロイス・バナーはモンローを「各世代、さらに個人によって(略)独自の仕様に」再生される「永遠のシェイプシフター」と呼んでいる<ref>{{Cite news|url=https://www.latimes.com/opinion/la-xpm-2012-aug-05-la-oe-0805-banner-marilyn-monroe-icon-biography-20120805-story.html|title=Marilyn Monroe, the Eternal Shape Shifter|last=Banner|first=Lois|date=August 5, 2012|newspaper=Los Angeles Times|access-date=August 30, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20190517063539/https://www.latimes.com/opinion/la-xpm-2012-aug-05-la-oe-0805-banner-marilyn-monroe-icon-biography-20120805-story.html|archive-date=May 17, 2019|ref=none}}</ref>。 |
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『The Guide to United States Popular Culture』によると、モンローは「アメリカの[[ポップカルチャー]]のアイコンとして[[エルヴィス・プレスリー]]や[[ミッキーマウス]]と並ぶ人気を誇る(中略)羨望から同情まで、これほど幅広い感情を抱かせたスターは他にいない。」とされる{{Sfn|Chapman|2001|pp=542–543}}。美術史家の{{仮リンク|ゲイル・レビン|en|Gail Levin (art historian)}}は、モンローは「20世紀で最も写真に撮られた人物」である可能性があると述べている<ref name="levin" />。 |
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モンローはアメリカ映画協会(AFI)の「[[映画スターベスト100|アメリカ映画100年の映画スターベスト100]]」ランキングの女優部門第6位にランキングされている。[[スミソニアン博物館|スミソニアン協会]]は彼女を「史上最も重要なアメリカ人100人」のリストに加え<ref>{{Cite web |url=https://www.smithsonianmag.com/smithsonianmag/meet-100-most-significant-americans-all-time-180953341/ |title=Meet the 100 Most Significant Americans of All Time |author=Frail |first=T.A. |date=November 17, 2014 |publisher=[[Smithsonian Institution]] |access-date=September 10, 2015 |archive-url=https://web.archive.org/web/20190321144943/https://www.smithsonianmag.com/smithsonianmag/meet-100-most-significant-americans-all-time-180953341/ |archive-date=March 21, 2019}}</ref> 、[[VH1]]ネットワーク(2003年)と雑誌『バラエティ』(2005年)がそれぞれ開催した「20世紀の最も偉大なポップカルチャーアイコン」のランキングで彼女は第10位にランクされた<ref>{{Cite news|url=http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/4344910.stm|title=Beatles Named 'Icons of Century'|date=October 16, 2005|publisher=BBC|access-date=September 10, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20160306201152/http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/4344910.stm|archive-date=March 6, 2016}}</ref><ref>{{Cite press release|title=The 200 Greatest Pop Culture Icons Complete Ranked List|publisher=[[VH1]]|url=http://www.prnewswire.com/news-releases/the-200-greatest-pop-culture-icons-complete-ranked-list-70807437.html|access-date=September 10, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20160511154709/http://www.prnewswire.com/news-releases/the-200-greatest-pop-culture-icons-complete-ranked-list-70807437.html|archive-date=May 11, 2016}}</ref>。 |
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=== 女優としての評価 === |
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現代においても[[文化的アイコン]]となっているモンローだが、女優としての評価については批評家の間でも意見が分かれている。 |
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{{仮リンク|デヴィッド・トムソン|en|David Thomson (film critic)}}は彼女の出演した一連の作品を「中身が無い」と酷評し<ref>{{cite magazine|last=Thomson|first=David|author-link=David Thomson (film critic)|date=August 6, 2012|title=The Inscrutable Life and Death of Marilyn Monroe|url=https://newrepublic.com/article/105847/the-inscrutable-life-and-death-marilyn-monroe|magazine=New Republic|access-date=August 30, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20151210190429/https://newrepublic.com/article/105847/the-inscrutable-life-and-death-marilyn-monroe|archive-date=December 10, 2015|url-status=live}}</ref> 、[[ポーリン・ケイル]]はモンローは演技が出来なかったとした上で「逆に女優としてのスキルの欠如を利用して大衆を楽しませた。彼女は、自分の肉体美を利用することで、他者にはない「個性」を手にいれたのだ」と評した<ref>{{Cite news|url=https://www.nytimes.com/books/97/05/04/reviews/mailer-marilyn.html|title=Marilyn: A Rip-Off With Genius|last=Kael|first=Pauline|authorlink=Pauline Kael|date=July 22, 1973|newspaper=The New York Times|access-date=August 30, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20160325182658/https://www.nytimes.com/books/97/05/04/reviews/mailer-marilyn.html|archive-date=March 25, 2016}}</ref>。 |
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対照的に、{{仮リンク|ピーター・ブラッドショー|en|Peter Bradshaw}}は、モンローは「喜劇がその効果をどのように発揮するかを理解する」才能を持ったコメディエンヌだった書いており<ref>{{Cite news|url=https://www.theguardian.com/film/2012/may/09/cannes-marilyn-monroe|title=Cannes and the Magic of Marilyn Monroe|last=Bradshaw|first=Peter|authorlink=Peter Bradshaw|date=May 9, 2012|newspaper=The Guardian|access-date=August 30, 2015|archive-url=https://web.archive.org/web/20150923131249/http://www.theguardian.com/film/2012/may/09/cannes-marilyn-monroe|archive-date=September 23, 2015}}</ref> 、[[ロジャー・イーバート]]は「現場でのモンローの奇行と神経質ぶりは悪名高かったが、映画の中の彼女は魔法がかかったような別人になった。だからFOXは長い間、彼女が他の女優たちからどんなに嫌われていても使い続けた」と書いている<ref>{{Cite web |url=https://www.rogerebert.com/reviews/great-movie-some-like-it-hot-1959 |title=Some Like It Hot |author=Ebert |first=Roger |date=January 9, 2000 |publisher=Roger Ebert.com |access-date=July 11, 2016 |archive-url=https://web.archive.org/web/20160725091543/http://www.rogerebert.com/reviews/great-movie-some-like-it-hot-1959 |archive-date=July 25, 2016}}</ref>。 |
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同様に、{{仮リンク|ジョナサン・ローゼンバウム|en|Jonathan Rosenbaum}}は、「彼女は自分の作品の性差別的な内容をさりげなく変更させていた」と述べ、さらに「女優としての彼女の知性を認識するのが難しいのは、女性は賢くあるべきではないとされていた抑圧的な時代のイデオロギーが原因だ」とのべている<ref>{{Cite web |url=https://www.chicagoreader.com/chicago/marilyn-monroes-brains/Content?oid=920660 |title=Marilyn Monroe's Brains |author=Rosenbaum |first=Jonathan |authorlink=Jonathan Rosenbaum |date=December 1, 2005 |website=Chicago Reader |access-date=August 30, 2015 |archive-url=https://web.archive.org/web/20150905085251/http://www.chicagoreader.com/chicago/marilyn-monroes-brains/Content?oid=920660 |archive-date=September 5, 2015}}</ref>。 |
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== 関連作品 == |
== 関連作品 == |
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* ドキュメンタリー映画『[[マリリン・モンロー 瞳の中の秘密]]』(''Love, Marilyn''、2013、米・仏)監督[[リズ・ガルバス]] |
* ドキュメンタリー映画『[[マリリン・モンロー 瞳の中の秘密]]』(''Love, Marilyn''、2013、米・仏)監督[[リズ・ガルバス]] |
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* ノンフィクション『[[マリリン・モンローの真実]]』([[アンソニー・サマーズ]]) |
* ノンフィクション『[[マリリン・モンローの真実]]』([[アンソニー・サマーズ]]) |
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* 映画『[[ブロンド (映画)|ブロンド]]』(''Blonde''、2022、米):監督 [[アンドリュー・ドミニク]]、出演:[[アナ・デ・アルマス]]、[[ボビー・カナヴェイル]]、[[エイドリアン・ブロディ]] |
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== 脚注 == |
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== 第二のマリリン・モンロー == |
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セクシーなブロンド美女が現れるとその人物を「マリリン・モンローの再来」ということがある。 |
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* [[ジェーン・マンスフィールド]] |
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* [[マミー・ヴァン・ドーレン]] |
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* [[ダイアナ・ドース]](「イギリスのマリリン・モンロー」) |
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* [[デボラ・ハリー]] |
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* [[マドンナ (歌手)|マドンナ]](口元のホクロの位置が同じだったためによく言われていた)<ref>{{Cite web|url=http://www.ongen.net/international/artist/feature/madonna/index.php|title=マドンナ特集|accessdate=2008年9月29日|author=OnGen}}</ref> |
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* [[ケイト・アプトン]]<ref>https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200418-00010002-cosmopoli-ent</ref> |
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* [[カイリー・ジェンナー]] |
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* [[ウィニー・ハーロウ]] |
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* [[アンナ・ニコル・スミス]](マリリン・モンローの人生そのものに憧れて「マリリン・モンローの様な死に方をしたい」と発言しており、実際に謎の多い最期を迎えている)<ref>{{Cite web|url=http://www.j-cast.com/tv/2007/09/26011639.html|title=資産550億円ベビィ!DNAパパは「死んでも離さない」|accessdate=2008年9月29日|author=J-CAST}}</ref> |
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* [[スカーレット・ヨハンソン]]<ref>『THE BIG ISSUE JAPAN 59号』より</ref> |
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* [[エヴァ・ハーツィゴヴァ]](『1990年代のマリリン・モンロー』と称された)<ref>{{Cite web|url=http://xbrand.yahoo.co.jp/magazine/marieclaire/795/10.html|title=輝きを取り戻したスーパーモデルたちの謎に迫る!|accessdate=2008年9月29日|author=X BRAND}}</ref> |
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== 脚注・出典 == |
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=== 注釈 === |
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=== 出典 === |
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== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
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; 和書 |
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* [[亀井俊介]] 『マリリン・モンロー』 [[岩波新書]]、初版1987年7月。ISBN 4004203813 |
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* アンソニー・サマーズ『マリリン・モンローの真実(上下)』[[中田耕治]]訳、[[扶桑社]]ミステリー、1988年7月 |
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* ドナルド・スポト『マリリン・モンロー最後の真実』[[小沢瑞穂]]・[[真崎義博]]訳、[[光文社]] 1993年10月。ISBN 4334960707&ISBN 4334960715 |
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* ミシェル・シュネデール『マリリン・モンローの最期を知る男』長島良三訳 [[河出書房新社]] |
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* アンソニー・サマーズ 『マリリン・モンローの真実 (上下)』 [[中田耕治]]訳、扶桑社<扶桑社ミステリー>、1988年7月 |
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* 『 |
* [[亀井俊介]]『マリリン・モンロー』[[岩波新書]]、初版1987年7月。ISBN 4004203813 |
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* |
* 亀井俊介『アメリカでいちばん美しい人-マリリン・モンローの文化史』[[岩波書店]]、2004年12月。ISBN 400022025X |
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* 亀井俊介編『「セックス・シンボル」から「女神」へ-マリリン・モンローの世界』昭和堂、2010年1月。ISBN 4812209560、写真多数 |
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*{{Cite book|和書|author=佐山和夫|authorlink=佐山和夫|year=1995|month=12|title=ディマジオとモンロー {{small|ー運命を決めた日本での二十四日間}}|publisher=[[河出書房新社]]|isbn=4-309-01027-X|ref=佐山}} |
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* {{Cite book|和書|author=佐山和夫|authorlink=佐山和夫|year=1995|month=12|title=ディマジオとモンロー {{small|ー運命を決めた日本での二十四日間}}|publisher=河出書房新社|isbn=4-309-01027-X|ref=佐山}} |
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* [[田村千穂]]『マリリン・モンローと[[原節子]]』([[筑摩選書]])、[[2015年]] |
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*髙野てるみ『マリリン・モンロー |
* 髙野てるみ『マリリン・モンロー 魅せる女の言葉』[[PHP研究所|PHP文庫]]、2017年11月、ISBN 978-4569767765 |
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* [[田村千穂]]『マリリン・モンローと[[原節子]]』[[筑摩選書]]、[[2015年]] |
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* 『中田耕治コレクション1. マリリン・モンロー論考』青弓社、1991年 |
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* [[松本良夫|まつもとよしお]]『マリリン・モンロー大研究』[[文芸社]]、2002年。ISBN 4835539699 |
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; 洋書 |
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{{Refbegin|20em}} |
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* {{cite book|last=Banner|first=Lois|title=Marilyn: The Passion and the Paradox|year=2012|publisher=Bloomsbury|isbn=978-1-4088-3133-5|url-access=registration|url=https://archive.org/details/marilynpassionpa0000bann|ref={{SfnRef|Banner|2012}}}} |
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* {{cite book|last=Belton|first=John|title=American Cinema, American Culture|year=2005|publisher=McGraw Hill|isbn=978-0-07-288627-6}} |
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* {{cite book|last1=Chapman|first1=Gary|editor1-last=Browne|editor1-first=Ray B.|editor2-last=Browne|editor2-first=Pat|chapter=Marilyn Monroe|title=The Guide to United States Popular Culture|year=2001|publisher=University of Wisconsin Press|isbn=978-0-87972-821-2|ref={{SfnRef|Chapman|2001}}}} |
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* {{cite book|last=Churchwell|first=Sarah|title=The Many Lives of Marilyn Monroe|year=2004|publisher=Granta Books|isbn=978-0-312-42565-4|ref={{SfnRef|Churchwell|2004}}}} |
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* {{cite book|last=Dyer|first=Richard|editor1-last=Gledhill|editor1-first=Christine|chapter=Charisma|title=Stardom: Industry of Desire|year=1991|orig-year=1979|publisher=Routledge|isbn=978-0-415-05217-7|ref={{SfnRef|Dyer|1991}}}} |
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* {{cite book|last=Dyer|first=Richard|author-mask={{long dash}}|title=Heavenly Bodies: Film Stars and Society|year=1986|publisher=Routledge|isbn=978-0-415-31026-0}} |
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* {{cite book|editor1-last=Fuller|editor1-first=Graham|editor2-last=Lloyd|editor2-first=Ann|title=Illustrated Who's Who of the Cinema|year=1983|publisher=Macmillan|isbn=978-0-02-923450-1|ref={{SfnRef|Fuller|1983}}}} |
|||
* {{cite book|last=Hall|first=Susan G.|title=American Icons: An Encyclopedia of the People, Places, and Things that Have Shaped Our Culture|year=2006|publisher=Greenwood Publishing Group|isbn=978-0-275-98429-8|url-access=registration|url=https://archive.org/details/americaniconsenc0000unse|ref={{SfnRef|Hall|2006}}}} |
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* {{cite book|last=Hamscha|first=Susanne|editor1-last=Rieser|editor1-first=Klaus|editor2-last=Fuchs|editor2-first=Michael|editor3-last=Phillips|editor3-first=Michael|chapter=Thirty Are Better Than One: Marilyn Monroe and the Performance of Americanness|title=ConFiguring America: Iconic Figures, Visuality, and the American Identity|year=2013|publisher=Intellect|isbn=978-1-84150-635-7|ref={{SfnRef|Hamscha|2013}}}} |
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* {{cite journal|last=Handyside|first=Fiona|date=August 2010|title=Let's Make Love: Whiteness, Cleanliness and Sexuality in the French Reception of Marilyn Monroe|url=https://doi.org/10.1177/1367549410363198|journal=European Journal of Cultural Studies|volume=3|issue=13|pages=291–306|ref={{SfnRef|Handyside|2010}}|doi=10.1177/1367549410363198|hdl=10871/9547|s2cid=146553108|hdl-access=free}} |
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* {{cite book|last1=Harris|first1=Thomas|editor1-last=Gledhill|editor1-first=Christine|chapter=The Building of Popular Images: Grace Kelly and Marilyn Monroe|title=Stardom: Industry of Desire|year=1991|orig-year=1957|publisher=Routledge|isbn=978-0-415-05217-7|ref={{SfnRef|Harris|1991}}}} |
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* {{cite book|last1=Haskell|first1=Molly|editor1-last=Butler|editor1-first=Jeremy G.|chapter=[[From Reverence to Rape: The Treatment of Women in the Movies]]|title=Star Texts: Image and Performance in Film and Television|year=1991|publisher=Wayne State University Press|isbn=978-0-8143-2312-0|ref={{SfnRef|Haskell|1991}}}} |
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* {{cite book|last1=Hecht|first1=Ben|last2=Monroe|first2=Marilyn|author1-link=Ben Hecht|author2-link=Marilyn Monroe|title=My story|date=1974|publisher=Stein and Day|location=New York|isbn=9780812817072|oclc=461777186}} |
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* {{cite book|last=Leaming|first=Barbara|title=Marilyn Monroe|year=1998|publisher=Three Rivers Press|isbn=978-0-609-80553-4}} |
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* {{cite book|last=Lev|first=Peter|title=Twentieth-Century Fox: The Zanuck–Skouras Years, 1935–1965|year=2013|publisher=University of Texas Press|isbn=978-0-292-74447-9}} |
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* {{cite book|last=Marcus|first=Daniel|title=Happy Days and Wonder Years: The Fifties and Sixties in Contemporary Popular Culture|year=2004|publisher=Rutgers University Press|isbn=978-0-8135-3391-9}} |
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* {{cite book|last=Meyers|first=Jeffrey|title=The Genius and the Goddess: Arthur Miller and Marilyn Monroe|year=2010|publisher=University of Illinois Press|isbn=978-0-252-03544-9|url=https://archive.org/details/geniusgoddessart00meye_0|ref={{SfnRef|Meyers|2010}}}} |
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* {{cite book|last1=Miracle|first1=Berniece Baker|last2=Miracle|first2=Mona Rae|title=My Sister Marilyn|url=https://archive.org/details/mysistermarilynm00mira|url-access=registration|year=1994|publisher=Algonquin Books|isbn=978-0-595-27671-4|ref={{SfnRef|Miracle|1994}}}} |
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* {{cite book|last1=Monroe|first1=Marilyn|editor2-last=Comment|editor2-first=Bernard|title=Fragments: Poems, Intimate Notes, Letters|year=2010|publisher=Farrar, Straus and Giroux|editor1-first=Stanley|editor1-last=Buchthal|isbn=9780374158354|oclc=973641163}} |
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* {{cite book|last1=Riese|first1=Randall|last2=Hitchens|first2=Neal|title=The Unabridged Marilyn|publisher=Corgi Books|year=1988|isbn=978-0-552-99308-1|ref={{SfnRef|Riese|1988}}}} |
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* {{cite book|last=Rollyson|first=Carl|year=2014|title=Marilyn Monroe Day by Day: A Timeline of People, Places and Events|publisher=Rowman and Littlefield|isbn=978-1-4422-3079-8|ref={{SfnRef|Rollyson|2014}}}} |
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* {{cite book|last=Rose|first=Jacqueline|title=Women in Dark Times|year=2014|publisher=Bloomsbury|isbn=978-1-4088-4540-0|ref={{SfnRef|Rose|2014}}}} |
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* {{cite book|last=Solomon|first=Aubrey|title=Twentieth Century-Fox: A Corporate and Financial History|year=1988|publisher=Scarecrow Press|isbn=978-0-8108-4244-1|ref={{SfnRef|Solomon|1988}}}} |
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* {{cite book|last=Solomon|first=Matthew|editor-last=Palmer|editor-first=R. Barton|chapter=Reflexivity and Metaperformance: Marilyn Monroe, Jayne Mansfield, and Kim Novak|title=Larger Than Life: Movie Stars of the 1950s|year=2010|publisher=Rutgers University Press|isbn=978-0-8135-4766-4|ref={{SfnRef|Solomon|2010}}}} |
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* {{cite book|last=Spoto|first=Donald|title=Marilyn Monroe: The Biography|year=2001|publisher=Cooper Square Press|isbn=978-0-8154-1183-3|url=https://archive.org/details/marilynmonroe00dona|ref={{SfnRef|Spoto|2001}}}} |
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* {{cite book|last1=Steinem|first1=Gloria|last2=Barris|first2=George|title=Marilyn|year=1987|publisher=Victor Gollancz Ltd|isbn=978-0-575-03945-2|和書|ref={{SfnRef|Steinem|1987}}}} |
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* {{cite book|last=Summers|first=Anthony|title=Goddess: The Secret Lives of Marilyn Monroe|year=1985|publisher=Victor Gollancz Ltd|isbn=978-0-575-03641-3|ref={{SfnRef|Summers|1985}}}} |
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* {{cite book|last=Tracy|first=Tony|title=John Huston: Essays on a Restless Director|year=2010|publisher=McFarland|isbn=978-0-7864-5853-0|ref={{SfnRef|Tracy|2010}}}} |
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== 関連項目 == |
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* [[向井真理子]]:日本語[[吹き替え]]におけるマリリン・モンローの専属声優 |
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* [[向井真理子]] - 日本語吹き替えにおけるマリリン・モンローの専属声優 |
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* [[モンロー (小惑星)]] |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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* {{Official website|marilynmonroe.com}}{{En icon}} |
* {{Official website|marilynmonroe.com}}{{En icon}} |
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* {{allcinema name|40178|マリリン・モンロー}} |
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[[Category:マリリン・モンロー|*]] |
[[Category:マリリン・モンロー|*]] |
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[[Category:アメリカ合衆国の女優]] |
[[Category:アメリカ合衆国の映画女優]] |
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[[Category:20世紀アメリカ合衆国の女優]] |
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[[Category:リー・ストラスバーグ演劇映画学校出身の人物]] |
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[[Category:アメリカ合衆国のアダルトモデル]] |
[[Category:アメリカ合衆国のアダルトモデル]] |
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[[Category:プレイメイト]] |
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[[Category:ゴールデングローブ賞受賞者]] |
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[[Category:ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム]] |
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[[Category:ユダヤ教への改宗者]] |
[[Category:ユダヤ教への改宗者]] |
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[[Category:ユダヤ人の俳優]] |
[[Category:ユダヤ人の俳優]] |
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[[Category:ユダヤ教徒の歌手]] |
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[[Category:ジョー・ディマジオ]] |
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[[Category:アーサー・ミラー]] |
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[[Category:自殺した人物]] |
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[[Category:吃音の人物]] |
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[[Category:ロサンゼルス出身の人物]] |
[[Category:ロサンゼルス出身の人物]] |
2024年12月7日 (土) 15:17時点における最新版
この項目「マリリン・モンロー」は翻訳されたばかりのものです。不自然あるいは曖昧な表現などが含まれる可能性があり、このままでは読みづらいかもしれません。(原文:en:Marilyn Monroe 2022-09-07 01:49 (UTC)) 修正、加筆に協力し、現在の表現をより自然な表現にして下さる方を求めています。ノートページや履歴も参照してください。(2022年9月) |
マリリン・モンロー Marilyn Monroe | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1953年撮影 | |||||||||||
本名 | ノーマ・ジーン・モーテンソン (Norma Jeane Mortenson)[注釈 1] | ||||||||||
生年月日 | 1926年6月1日 | ||||||||||
没年月日 | 1962年8月5日(36歳没) | ||||||||||
出生地 | アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロサンゼルス | ||||||||||
死没地 | アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロサンゼルス | ||||||||||
国籍 | アメリカ合衆国 | ||||||||||
身長 | 168 cm | ||||||||||
職業 | 女優 | ||||||||||
ジャンル | 映画 | ||||||||||
活動期間 | 1947年 - 1962年 | ||||||||||
配偶者 | |||||||||||
公式サイト | http://marilynmonroe.com/ | ||||||||||
主な作品 | |||||||||||
『ナイアガラ』(1953年) 『紳士は金髪がお好き』(1953年) 『七年目の浮気』(1955年) 『お熱いのがお好き』(1959年) | |||||||||||
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マリリン・モンロー(Marilyn Monroe、1926年6月1日 - 1962年8月5日)は、アメリカ合衆国の女優、モデル、歌手である。様々な映画で典型的な「金髪美女」(ブロンド・ボムシェル Blonde bombshell)の役を演じた。1950年代から1960年代初頭にかけて最も人気のあるセックスシンボルの一人であり、同時代の性の革命の象徴でもあった。
1962年に不慮の死を遂げるまで活動期間はわずか10年ほどにすぎなかったが、彼女の出演した映画は総計2億ドル(2021年の貨幣価値に換算して20億ドルに相当)の興行収入を上げた[2]。
死後も重要な大衆文化のアイコンとなり[3]、数多くのアート作品や映画の題材となっている[4][5]。 1999年、アメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)の「アメリカ映画100年 映画スターベスト100」で女優部門の第6位。
概要
[編集]カリフォルニア州ロサンゼルスで生まれ育ったモンローは、幼少期のほとんどを里親家庭や孤児院で過ごした[6]。彼女は16歳で最初の結婚をした。第二次世界大戦中に軍需工場で働いていたときに、アメリカ陸軍第1映画部隊のカメラマンと出会い、ピンナップモデルとしてキャリアをスタートした。
その後、20世紀FOXとコロンビア ピクチャーズとの短期間の映画契約を結ぶ。マイナー映画への出演後、1951年からのFOXとの新たな契約の下での2年間で『素晴らしき哉、定年!』『モンキー・ビジネス』を含むいくつかの喜劇作品、そして『熱い夜の疼き』『ノックは無用』といったドラマ作品に出演して注目され[7]、人気を博した。この頃、無名時代にヌード写真を撮っていたことが明らかになるというスキャンダルに見舞われたが、ダメージを受けることはなく、逆に彼女の映画への関心が高まることとなった。
1953年に主演した『ナイアガラ』『紳士は金髪がお好き』『百万長者と結婚する方法』で「賢くはないが溢れるばかりの性的魅力をもつ女性」、いわゆる「ダム・ブロンド("Dumb blonde"[注釈 2])」のヒロインを演じて大成功を収め、自身のイメージを確立するとともにハリウッドを代表するスター女優のひとりとなる。同年、彼女のヌード写真が雑誌『プレイボーイ』創刊号のセンターフォールドに起用された。
しかしモンローは、映画会社が同じような役柄ばかり彼女に振り当てることや、出演料の低さに不満を持ち、1954年初めに映画出演を拒否して活動停止処分を受けた。翌年『七年目の浮気』の主演で復帰すると、同作は彼女の出演作品の中で最大の興行収入を上げた。
1954年後半には映画制作会社「マリリン・モンロー・プロダクション(MMP)」を設立。1955年からはアクターズ・スタジオでリー・ストラスバーグの下で演技術(メソッド演技法)を学び直している。 同年後半、FOXはモンローの技量を認め、出演料の値上げと映画製作に彼女の意見を反映させることに応じた[7]。その後は1956年の『バス停留所(Bus Stop)』での演技を絶賛され、1957年の『王子と踊子』では初めてプロデューサーも務めた。1959年『お熱いのがお好き』でゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ映画部門主演女優賞を受賞した。
その華やかな私生活はメディアで大きな注目を集めた。野球の元スター選手ジョー・ディマジオ、劇作家のアーサー・ミラーと結婚しているが、いずれも離婚している。一方で、彼女は薬物乱用、うつ病、不安障害に悩まされていた。
1962年8月4日、ロサンゼルスの自宅でバルビタールの過剰服用により36歳で死去(謀殺説については「#死をめぐる諸説」節を参照)。1961年の映画『荒馬と女』が遺作となった。
経歴
[編集]生い立ち
[編集]モンローは、1926年6月1日、ロサンゼルスのロサンゼルス郡病院でノーマ・ジーン・モーテンソン (Norma Jeane Mortenson) として生まれた[8]。母親はグラディス・パール・ベイカー(旧姓モンロー)。父親は当時の夫マーティン・エドワード・モーテンセンとされていたが[注釈 3]、実の父親については議論があり[10][注釈 4]、2022年に行われたDNA鑑定の結果、母親の勤め先の同僚チャールズ・スタンレー・ギフォードが実父と判明した[13]。
母グラディスには離婚歴があり、先夫との間に兄ロバート(1918 - 1933年)と姉バーニース(1919 - 2014年)がいた[14]。モンローは、12歳になるまで兄姉の存在を知らされず、初めて姉と対面したのは成年後(17か18歳)だった[15]。
両親は1928年に離婚した[16][17]。グラディスは精神的にも経済的にも不安定だったが、モンローは幸せな幼少期を過ごした[18]。グラディスはノーマをホーソーンのボレンダー家に預け、仕事のためにロサンゼルスに戻るまでの半年間は一緒に暮らし[19]、その後は毎週末に娘を訪ねてきた[18]。 1933年夏、グラディスはローンでハリウッドに小さな家を購入し、7歳のノーマと一緒に暮らし始めた[20]。親子の住む家には俳優のアトキンソン夫妻と娘のネリーが間借していた[20]。
1934年1月、グラディスは精神を病み、妄想型統合失調症と診断された[21]。療養所で数ヶ月を過ごした後、彼女はメトロポリタン州立病院に入院した[21]。以後、彼女は残りの人生を入退院を繰り返しながら過ごし、ノーマとは滅多に会わなかった[22]。ノーマは州の保護下に入り、母親の友人グレース・ゴダードがノーマ母娘の身辺を管理することになった[23]。
その後の4年間、ノーマの生活状況は目まぐるしく変化した。最初の16ヶ月、彼女はアトキンソン一家との同居を続けたが、この間に性的虐待を受けた可能性がある[24][注釈 5]。 元々内気な性格だったが、吃音も発症し引きこもりがちになった[28]。1935年の夏、ノーマはグレースと彼女の夫アーウィン・"ドク"・ゴダードの家に引き取られ、彼らと他に2つの家族と一時的に同居した[29]。同年9月、グレースはノーマをロサンゼルスの孤児院に預けた[30]。この孤児院は「模範的な施設」で、周りの人間からも好意的に受け入れられたが、ノーマは自分が見捨てられたと感じていた[31]。
ノーマは家族と一緒に暮らす方が幸せだと考えた孤児院のスタッフに勧められ、グレースは1936年にノーマの法定後見人になったが、1937年の夏までノーマを孤児院から引き取らなかった[32]。2度目のゴダード家での生活はドクが彼女を虐待したためほんの数ヶ月で終わった[33]。その後、ノーマはロサンゼルスとコンプトンで母方の親戚やグレースの友人・親戚の家を短期間でたらい回しにされながら過ごした[32]。
モンローが最初に俳優になりたいと思ったのは、この頃だったという。モンローは当時を「周りの世界が何となく不気味で好きではなかった。『これは、"いい子" を演じるお芝居なんだ』と思った時、私は演技することを初めて意識した。(中略)里親の中には私を邪魔にして映画館に行かせる人もいて、私は一日中、夜遅くまで映画館にいた。でも幼い私は大きなスクリーンの前で一人で座っているのが楽しかった」と回想している[34]。
最初の結婚
[編集]ノーマは、1938年9月にロサンゼルス西部のソウテル地区でグレースの叔母アナ・ローワーと一緒に暮らし始め、漸く安住の地を得た[35]。 彼女はエマーソン中等学校に入学し、ローワー夫人と共に毎週クリスチャン・サイエンス教団の奉仕活動に参加した[36]。ノーマは成績面では平凡な学生だったが、文章が得意で、学校新聞に記事を寄稿していた[37]。 年配のローワー夫人の健康上の問題により、ノーマは1941年初めごろサンフェルナンド・バレーのヴァンナイズ地区に住んでいたゴダード家に戻った[38]。
同年、ノーマはヴァンナイズ高等学校に通い始めた[38]。1942年、ドク・ゴダードは勤務先からウェストバージニア州への転勤を命じられた[39]。カリフォルニア州児童保護法の規定により、ゴダード夫妻にはノーマを州外に連れ出す権利がないため、彼女は孤児院に戻らなければならなくなった[40]。その解決策として、ノーマは16歳の誕生日を迎えた直後の1942年6月19日、ゴダード家の隣人で21歳の工場労働者ジェームズ・ドハティと結婚した[39]。
ノーマは高校を中退し、専業主婦になった。ノーマとドハティは初めから反りが合わず、彼女は後に当時を回想して「退屈で死にかけていた」と述べている[41]。1943年、ドハティはアメリカ海軍に徴兵され輸送船団に配属されてサンタカタリナ島に駐留することになり、ノーマも一緒に転居した[42]。
ハリウッドへ
[編集]1944年4月、ドハティは太平洋戦争の前線に出征し、その後の2年間、殆ど家に帰らなかった[42]。ノーマはヴァンナイズに戻って彼の家族と同居し、ラジオプレーン社の航空機部品製造工場で働き始めた[42]。同年後半、ノーマは陸軍航空軍第1映画部隊からカメラマンとして女性労働者の士気高揚を目的に陸軍機関誌『ヤンク』へ掲載する写真撮影のため工場に派遣されてきたデイヴィッド・コノバーに写真を撮られた[43]。
写真自体は掲載を見送られた[44]が、ノーマは、前線にいる夫の反対を押し切って、1945年1月に工場を辞め[45]、単身ハリウッドに転居し、8月にモデル事務所ブルー・ブック・エージェンシーと契約した[46]。
事務所は、ノーマの容姿はファッションモデルよりもピンナップガール向きと見て、彼女の写真を主に男性向けの広告や雑誌に売り込んだ[47]。ノーマも採用され易いよう、栗色で癖のある頭髪を金髪に染めて直毛に矯正した[48]。ノーマはすぐに人気モデルになった。 1946年初頭までに、彼女は『ページェント』『USカメラ』『ラフ(Laff)』『ピーク』など33の雑誌の表紙を飾った[49]。当時の彼女は、時折ジーン・ノーマン(Jean Norman)という芸名を使用していた[48]。
女優になる
[編集]1946年6月、ブルー・ブックの経営者エメリン・スナイブリーの紹介でノーマは俳優事務所と契約した[50]。パラマウント映画の採用面接に落ちた後、ノーマは20世紀FOXの幹部ベン・ライオンのスクリーン・テストを受けた。FOXの最高幹部ダリル・F・ザナックは彼女の採用に難色を示した[51]が、ライバルのRKOと契約されるを避けるため[注釈 6]、同年8月からの半年間の契約を結んだ。契約に際しノーマは「マリリン・モンロー」という芸名を名乗ることにした[53]。「マリリン」は1920年代のブロードウェイのスター女優マリリン・ミラーから、「モンロー」は母親の旧姓からとった[54]。9月、芸能活動に反対し続けていたドハティと離婚した[55]。
モンローは最初の6か月間、FOXで演技、歌、ダンスを学び、映画制作の現場を見学した[56]。 契約は1947年2月に更新され、初出演作となった1947年制作の『Dangerous Years (英語版) 』『嵐の園』に端役で出演した[57][注釈 7]。FOXは、グループ・シアター劇団が主催する演劇学校にもモンローを通わせた。モンローは後に「ここで本物の演技というものに初めて触れて、夢中になった」と述べている[59]。 しかし彼女の内気で不安定な性格から女優としての将来性はないと考えたFOXは1947年8月に彼女との契約を更新しなかった[60]。モンローはモデルに戻る一方で、ミュージカル映画において主役を引き立てる「ペーサー」と呼ばれる裏方の仕事をしていた[60]。
モンローは女優に戻ることを決意し、演劇学校で勉強を続けた。彼女はブリス・ヘイデン劇場の舞台劇で端役を演じたが、この公演は不入りのため数回で終了した[61]。人脈を作るために、彼女はプロデューサーのオフィスを頻繁に訪れ、FOXがハリウッドで影響力のある男性を接待する場にも同席した[62]。また、FOXの幹部ジョセフ・M・シェンクの愛人となり、シェンクは1948年3月に彼女がコロンビア映画と契約する際にコロンビアの最高経営責任者ハリー・コーンを説得してくれた[63]。
コロンビアは、モンローに外見をリタ・ヘイワースに似せるよう指示し、彼女の髪色をプラチナブロンドに変えさせた[64]。モンローはコロンビアの主席演技指導者ナターシャ・ライテスから指導を受け、彼女は1955年までライテスの指導を受けていた[65]。モンローのコロンビアでの唯一の出演作は低予算のミュージカル作品『Ladies of the Chorus (英語版) 』で裕福な男に求愛されるコーラスガールを演じて初主演を果たした[58]。彼女は『ボーン・イエスタデイ』 のスクリーンテストも受けていたが、1948年9月に契約は終了した[66]。
トップスターに
[編集]コロンビアとの契約が終了すると、モンローは再びモデルに戻った。彼女はモナ・モンロー(Mona Monroe)名義でビール会社の広告やカレンダー用ヌード写真(写真家トム・ケリー撮影の『ゴールデン・ドリーム』と呼ばれる作品[67]で有名)のモデルを務めた[68]。モンローは以前にも、他の写真家にトップレスやビキニ姿の写真を撮らせており、ヌードにも抵抗感がなかったといわれている[68][注釈 8]。コロンビアを退所して間もなく大手代理人事務所WMAの副社長ジョニー・ハイドと出会い、愛人となった[70]。
1950年、ハイドの力でモンローはいくつかの映画で脇役を演じ[注釈 9]、『イヴの総て』『アスファルト・ジャングル』の演技で注目される[71]。特に後者での登場時間はほんの数分間であったにも拘らず、彼女は『フォトプレイ』誌の記事中で言及され、「モデルから女優への転身を果たした」[72]。12月、ハイドは20世紀FOXからモンローとの7年間の出演契約[注釈 10]を勝ち取った[74]。契約成立の数日後、ハイドは心臓発作で死亡した[75]。
1951年、モンローはFOX制作の3つのコメディ作品『素晴らしき哉、定年!』『恋愛アパート』『結婚しましょう』に脇役で出演した[76]。これらの作中でのモンローは「セクシーな添え物」のような扱いだったが、批評家からは好評を博した。『ニューヨーク・タイムズ』紙のボズレー・クラウザーは『素晴らしき哉、定年!』での演技を「素晴らしい」と評し、『イラストレイテッド・デイリー・ニューズ』紙のエズラ・グッドマンは、『恋愛アパート』での演技を「最も輝いている新進気鋭の "女優" の1人」と評した[77]。
大衆の間でのモンローの人気も高まっていった。彼女は週に数千通のファンレターを受け取るようになり、陸軍の機関紙『星条旗新聞』は朝鮮戦争の前線にいる兵士の投票によって彼女を「ミス・チーズケーキ1951」に選んだ[78]。1952年2月、ハリウッド外国人映画記者協会は、モンローを「最優秀若手映画人」に選んだ[79]。
私生活では、モンローは映画監督エリア・カザンと短期間関係を持ち、ほかに監督のニコラス・レイ、俳優のユル・ブリンナー、ピーター・ローフォードなどと浮名を流した[80]。1952年初頭、彼女はニューヨーク・ヤンキースの元スター選手ジョー・ディマジオと交際を始め、これは大々的に報道された[81]。
1952年3月、過去にヌード写真を撮っていたことが明るみに出た[82]。FOXは記事が出る数週間前に情報を掴んでモンロー側と相談し、ダメージを最小限に抑えるため、マスコミには事実を認めつつ、当時の彼女が経済的に困窮していたことを強調していく戦略をとった[83]。この戦略は世間の共感を得て、逆に彼女への関心を高め、大きな役を演じるチャンスが舞い込むことになった。このスキャンダルの終息後、モンローは雑誌『ライフ』の表紙を飾り、コラムニストのヘッダ・ホッパーは、このスキャンダルはモンローを「ピンナップの女王」から「人気女優」に変えたと評した[84]。FOXはこの状況を利用してモンローが出演した3作品 —『熱い夜の疼き』『ノックは無用』『結婚協奏曲』— を立て続けに公開した[83]。
新たなセックスシンボルとして人気が出つつあったモンローだが、自身は演技派の女優になりたいと思っていた。彼女はFOXと契約した直後から俳優マイケル・チェーホフとパントマイミストのロッテ・ゴスラーから演技指導を受け始め[85] 、その指導は『熱い夜の疼き』と『ノックは無用』での演技に活かされた[86]。
『熱い夜の疼き』でモンローは缶詰工場で働く女性を演じた。その役作りのため、彼女はモントレーの缶詰工場で働いた[87]。 同作でのモンローの演技は好評を得た。『ハリウッド・リポーター』誌は「役柄に対する彼女の優れた解釈は主演の地位に値する」と述べ、『バラエティ』誌は「もう少し話術を身につければ、更なる人気を博すだろう」と書いた[87][88]。
『ノックは無用』で、モンローは情緒不安定なヒロインを演じたが、これは彼女がシリアスな役柄も演じられるかを試すテストも兼ねていた[89]。しかし同作での演技について『ニューヨーク・タイムズ』紙は「難しい役を演じるには経験が浅すぎた」と評し[90] 、『バラエティ』誌は脚本の出来を非難した[91] [92]。
1952年に公開された出演映画5作品中3つは、彼女の性的魅力を強調した典型的なお色気コメディー作品だった。美人コンテストの出場者を演じた『結婚協奏曲』は、脚本を担当したナナリー・ジョンソンによると、「彼女の水着姿を見せるため」だけに制作されたといわれる[93]。『モンキー・ビジネス』で、モンローはケーリー・グラントの相手役である秘書を演じた[94]。『人生模様』では街娼を演じ、チャールズ・ロートンと共演したが、出演時間は非常に短いものだった[91]。
1952年はモンローが新しいセックスシンボルとしての地位を確立した年となった。彼女がミス・アメリカコンテストのパレード先導役を務めた際の記者会見で、コラムニストのアール・ウィルソンから「夜は何を身に着けて寝ているのか」と質問されて「シャネルの5番よ」(「裸で寝る」の意)と答えたエピソードはあまりにも有名である[95]。コラムニストのフローラベル・ミュアは、モンローを「1952年のイット・ガール」と表現した[96] [97]。
この頃から、映画人の間でモンローは「気難しい女優」と言われるようになり、この悪評は彼女の生涯にわたってつきまとうことになった。事実、彼女は撮影所への遅刻・無断欠勤を繰り返し、台詞を全く覚えずに現場へ来たり、自分の演技に満足できないと何度も撮影のやり直しを求めたりした[98]。彼女の演技指導を担当していたナターシャ・ライテスとポーラ・ストラスバーグのへの依存ぶりも、監督を苛立たせた[99]。こうしたモンローの問題行動は、彼女の完璧主義、低い自尊心、舞台恐怖症に起因するといわれている[100]。また、彼女は映画撮影の現場が自分の思い通りにならないことに強い不満を持っていたが、これは写真撮影の現場には台本が無く、自分の意見の通る余地があったことに起因していたとされる[100] [101]。
不安障害と慢性的な不眠症を緩和するために、彼女はバルビツール、アンフェタミンといった薬物やアルコールに頼るようになり、これらも問題を悪化させたが、1956年までは深刻な中毒に陥ってはいなかった[100]。またキャリア後半の問題行動は、男性の共演者や監督からの軽蔑と性差別への抗議でもあったとされている[102]。また多くの監督から嫌がらせを受けていたともいわれている[103]。
モンローは1953年に公開された3本の映画に出演し、ハリウッドで最も興行収入を稼ぎ出す女優の一人となった[104] [105]。
フィルム・ノワール作品『ナイアガラ』では、ジョゼフ・コットン演じる夫の殺害を企む悪女を演じた[106]。この作品で、モンローはメイクアップアーティストのアラン・"ホワイティ"・スナイダーとともに、現在も彼女の象徴となっているメイク、すなわち「アーチ型で栗色の眉、白い肌、輝くような赤い唇、ほくろ」を確立した[107]。『ナイアガラ』はモンローの出演作の中で最も性的な場面の多い映画の一つとされており[94]、作中ではモンローがシーツやタオルを1枚まとっているだけのシーンが複数あるため、当時は観客への刺激が強すぎるのではないかと問題視された[94]。最も有名な場面が、腰をくねらせて歩く(いわゆるモンロー・ウォーク)モンローを背後から追った30秒間のロングショットで、予告編等の宣伝活動でも多用された[94]。1953年1月に映画が公開されると女性団体からは内容が不道徳であると抗議の声が上がったが、興行的には成功を収めた[104]。『バラエティ』誌は「定型的でつまらない作品」と酷評したが、『ニューヨーク・タイムズ』紙は作品については「滝とモンロー嬢には見るべきものあり」とだけコメントし、モンローの演技については「完璧な女優というにはまだまだだが(略)ただ歩いているだけで、その魅力を十分に感じさせた」と評価した[108][109]。
モンローは、その後も際どい衣装で公の場に現れては世間の注目を集めた[110]。1953年1月に開催されたフォトプレイ賞授賞式で着用したデザイナーのウィリアム・トラヴィッラが『紳士は金髪がお好き』のためにデザインしたボディラインを強調し背中の大きく開いた金色のドレスは、大きな話題となった[111]。ジョーン・クロフォードは、そのようなモンローの振る舞いを「女優としてだけでなく、ひとりの女性としても見苦しい」と批判した[110]。
『ナイアガラ』でモンローは外見イメージを確立したが、続くミュージカルコメディー作品『紳士は金髪がお好き』で、彼女には「ダム・ブロンド」という役柄イメージが定着した[112]。この映画で、モンローはジェーン・ラッセルとともに金銭目的で男性と交際するショーガールを演じたが、モンローの演じたローレライ役は元々、1940年代のFOXで最も人気のあった「金髪美人」女優ベティ・グレイブルが演じる予定だった。しかし、男女双方の観衆を惹きつけられるスターとして、グレイブルの人気を凌駕しつつあるモンローに白羽の矢がたった[113]。
映画の宣伝キャンペーンの一環として、モンローとラッセルは6月にチャイニーズ・シアターの前庭に手形を押す栄誉を受けた[114]。映画はそのイベントの直後に封切られ、その年最大の興行収入を上げた作品の1つとなった[115]。『バラエティ』誌はモンローの演技、特に劇中歌「ダイヤは女の最良の友」を歌う場面でのパフォーマンスについて「艶やかな歌唱はもちろんのこと、彼女の存在こそがこの場面の価値を高めている」と称賛した[116]。
9月、モンローは『ジャック・ベニー・ショー』でテレビ初出演を果たし、ジャック・ベニーの妄想に登場する美女を演じた[117]。11月にはベティ・グレイブル、ローレン・バコールと共演した同年3本目の映画『百万長者と結婚する方法』が封切られた。映画はモンロー演じる純真なモデルが、友人達と協力して金持ちの結婚相手を探すという、『紳士は金髪がお好き』の成功パターンを踏襲したものだった。批評家の評価は低かったが、映画はモンローのこれまでのキャリア中で最高の興行収入を記録した[115]。
モンローは、トップテン・マネーメイキングスターに1953年と1954年の2年連続でランキングされ [105]、シネマスコープの技術と並んでFOXの「最大の財産」となった[115]。1953年12月、ヒュー・ヘフナーが雑誌『プレイボーイ』創刊号の表紙とセンターフォールドにモンローを起用したことで、彼女のセックスシンボルとしての地位はより確かなものとなった(モンロー自身は出版に同意していなかった)[118]。表紙には1952年のミス・アメリカ・コンテストの際に撮影された写真が使用され、センターフォールドには1949年撮影のヌード写真が掲載されていた[118]。
20世紀FOXとの対立とジョー・ディマジオとの結婚
[編集]モンローは20世紀FOXが抱える最大のスターの1人となったが、彼女の契約内容は1950年以降は見直しがなく、出演料は他のスター達と比べて低く抑えられ、また企画の選択権も無かった[119]。モンローはこれまでとは違う路線の作品への出演を希望したが、FOX経営トップのダリル・F・ザナックは、そうした作品では収益を上げられないと判断して彼女の希望を却下した[120]。FOXオーナーのスピロス・スコウラスから更に収益を上げるよう圧力を受けたザナックは、利益を最大化するため娯楽映画の制作に専念し、芸術性の高い映画の制作を中止することを決断した[121]。1954年1月、モンローがミュージカルコメディー『The Girl in Pink Tights (英語版) 』への出演を拒否すると、FOXは彼女を活動停止処分とした[122]。モンローの活動停止はトップニュースとして報じられ、彼女は即座にこのネガティブな話題を打ち消すための行動を起こした。
1月14日、モンローはかねてより交際していたジョー・ ディマジオとサンフランシスコ市庁舎で結婚式を挙げた[123]。
2月1日、読売ジャイアンツに招かれたディマジオに同行し、新婚旅行を兼ねて日本を訪れ[6][124]、東京国際空港(羽田空港)で大歓迎を受けた[125]。夫妻は3週間日本に滞在し[126][127]、東京、静岡、福岡、広島、大阪を巡った[125][128][129]。福岡までは仲睦まじかったが、広島県総合球場でディマジオが広島カープの選手たちに打撃指導を行った際[130][131]、絶対に来てはいけないと念を押されていたモンローが球場を訪れ[125][130][132][133]、ディマジオそっちのけでファンが殺到してしまい[125][126][134][135]、ディマジオがモンローを叱責したことが離婚の原因の一つともいわれる[125][126][134]。
日本滞在中の2月16日からの3日間、モンローは朝鮮戦争休戦後も韓国に駐留する国連軍兵士を慰問するUSO主催のショーに参加し[128][129]、60,000人以上のアメリカ海兵隊員の前で出演作の劇中歌などを歌った[136]。
帰国後、モンローは『フォトプレイ』誌の「最も人気のある女性スター」に選ばれた[137]。3月にはFOXと和解し、新しい契約を結んだ。FOXは彼女に10万ドルのボーナスを支払い、ブロードウェイで成功した演劇『七年目の浮気』を映画化する際の主役を約束した[138]。
1954年4月、活動中断前に撮影していたオットー・プレミンジャー監督の西部劇『帰らざる河』が公開された。モンローはこの映画について「俳優たちの演技が風景映像とシネマスコープの添え物にされたZ級のカウボーイ映画」と述べているが、興行的には成功を収めた[139]。彼女が復帰後に初出演した映画はミュージカル『ショウほど素敵な商売はない』だった[138]が、12月16日の封切り後、モンローの本作での演技は多くの批評家から下品と評価され、興行的にも成功しなかった[140]。
1954年9月、映画『七年目の浮気』の撮影がビリー・ワイルダー監督の下で開始され、モンローはトム・イーウェル演じる既婚男性の妄想の対象となる女性を演じた。映画の殆どはハリウッドのスタジオで撮影されたが、FOXは白いドレスをまとったモンローのスカートが地下鉄の通風孔からの風でめくれ上がる場面をニューヨーク・マンハッタンのレキシントン・アベニューで撮影し、宣伝を兼ねてその模様を公開することにした[141]。撮影は数時間にわたり、約2000人がその模様を見物した[141]。この場面はモンローの最も有名な映像の一つになり、1955年6月に封切られた映画は、その年最大の興行収入を上げた作品の1つとなった[142]。
ニューヨークロケの模様を撮影した写真が、世界中の新聞・雑誌に掲載されると、それを見た夫ディマジオは激怒し、2人の離婚の原因の一つとなった[143]。モンローは結婚当初からディマジオの嫉妬深さと束縛に悩まされており、また彼から暴力も受けていた[144]。結婚から9か月後の1954年10月、ニューヨークからハリウッドに戻った後、モンローは離婚を申請した[145]。
脱セックスシンボル
[編集]1954年11月に『七年目の浮気』の撮影が終了すると、モンローはハリウッドを離れて東海岸に移り住み、そこで写真家ミルトン・H・グリーンと自身の制作会社「マリリン・モンロー・プロダクションズ(MMP)」を設立した[注釈 11]。この行動は後にスタジオ・システムの崩壊に一定の貢献をしたと評価されている[147]。当時のモンローは「同じような(ダム・ブロンドの)役ばかり持ってくるFOXにうんざりして」おり、またFOXが先述のボーナスを一向に支払わないため、先の契約は無効であると主張した[148]。1955年1月、彼女とFOXの間で1年間にわたる法廷闘争が始まった[149]。マスコミはモンローを大々的に嘲笑し、ブロードウェイでも彼女を揶揄する演劇『Will Success Spoil Rock Hunter? (英語版) 』が上演され、彼女によく似た風貌のジェーン・マンスフィールドが、人気に驕って自分の制作会社を立ち上げる我儘な女優を演じた[150]。
MMP設立後、モンローはマンハッタンに移り住み、1955年から再び演技を学び始めた。彼女は女優コンスタンス・コリアーの演劇講座を受講し、リー・ストラスバーグが主宰する演劇学校アクターズ・スタジオでメソッド演技法に関するワークショップに参加した[151]。モンローはストラスバーグと彼の妻ポーラと親しくなり、夫妻の自宅で個人レッスンを受けるようになって、すぐに家族同然の関係となった[152]。ポーラはナターシャ・ライテスに替わってモンローの演技指導者になった。ストラスバーグ夫妻は、彼女の後半生に多大な影響を与えた[153]。また、モンローはリー・ストラスバーグの「俳優は自らのトラウマに立ち向かい、それを演技に生かさなけらばならない」という教えに感化されて精神分析を受け始めた[154] [注釈 12]。
当時のモンローは、離婚協議進行中にも拘わらずディマジオとの夫婦生活を続ける一方で、俳優マーロン・ブランドや劇作家アーサー・ミラーとも関係を持っていた[156]。モンローとミラーの関係は、1950年代初頭に彼女がエリア・カザンから初めてミラーを紹介されたことに始まる[156]。1955年10月にモンローの離婚が成立し、さらにミラーが妻と別居すると、二人の関係はさらに深まった[157]。当時のミラーは共産主義者との告発を受けてFBIの捜査対象になっており、下院非米活動委員会にも召喚されていたため、FOXはモンローに彼と別れるよう促したが、彼女は拒否した[158]。このため、モンローもFBIの捜査対象となった[159]。
結局、MMPだけでは映画の制作資金を調達することができなかったことと、FOX側がモンローとの再契約を切望していたため、年末までに両者は和解して新たに7年間の契約に署名した[148]。FOXは映画4本分の製作費用としてモンローに40万ドルを支払い、彼女に企画・演出家・撮影監督を選ぶ権限を与え[160]、今後モンローがFOX制作の映画1本に出演するごとにMMPで1本の映画を自由に制作することを認めた[160]。
名声の獲得、アーサー・ミラーとの結婚
[編集]モンローは1956年を20世紀FOXに対する勝利宣言から始めた[161]。マスコミは映画会社と争うというモンローの決断について好意的な記事を書いている。『タイム』誌は彼女を「抜け目のない女性実業家」と呼び[162] 、『ルック』誌はこの勝利が「今後何年にもわたって組織に対抗する個人の模範」になるだろうと予測した[161]。対照的に、モンローとアーサー・ミラーとの関係は、ウォルター・ウィンチェルが「アメリカで最も有名な金髪美女は、今や左翼インテリの情婦である」という声明を出すなど、否定的なコメントで溢れた[163]。
3月、モンローは新しい契約下での最初の映画『バス停留所(Bus Stop)』の撮影を開始した[164]。劇中で彼女は、スターダムを夢見ながら純朴なカウボーイと恋に落ちたことで葛藤を抱える歌手シェリーを演じた。役作りのため、彼女はアパラチア方言を学び、それまでの売り物だった性的魅力を抑えた衣装とメイクを選び、凡庸な歌と踊りの演技を披露した[165]。監督を依頼されたジョシュア・ローガンは、当初はモンローの演技力を疑い、気難しいという彼女の評判も知っていたにも拘わらず、依頼を受けた[166]。
撮影はアイダホ州とアリゾナ州で行われ、モンローはMMP側の「技術責任者」も務め、時に撮影に関する重要な決定に関与し、ローガンも彼女の遅刻癖と完璧主義に見事に対応した[167]。この撮影での経験はモンローに対するローガンの見方を変え、彼は後にモンローの喜劇と悲劇を融合させる能力をチャールズ・チャップリンのそれと比較して論じている[168]。
6月29日、モンローとアーサー・ミラーはニューヨーク州ホワイト・プレインズのウェストチェスター郡裁判所で結婚した。 2日後、彼らはニューヨーク州ワカバックにあるミラーの著作権代理人ケイ・ブラウンの家で改めてユダヤ教式で挙式した[169] [170]。 結婚とともにモンローはユダヤ教に改宗し[注釈 13]、このため当時イスラエルと対立していたエジプトは彼女の出演する映画を上映禁止にした[172] [注釈 14]。二人の結婚はメディアからは不釣り合いと見られており、『バラエティ』誌は「エッグヘッド(知識人=ミラー)と砂時計(セックスシンボル=モンロー)の結婚」という見出しで報じた[173]。
8月には映画『バス停留所』が封切られ、批評面でも興行面でも大きな成功を収めた[174]。『サタデー・レビュー』誌は、モンローの演技を「グラマーなだけの女優という、これまでのイメージを一掃した」と書き、ボスレー・クラウザーは「マリリン・モンローは遂に本物の女優になった」と絶賛した[175]。本作の演技でモンローはゴールデングローブ賞ミュージカル・コメディ映画部門主演女優賞にノミネートされた[176]。
同月、モンローはイギリスのパインウッド・スタジオで、初のMMP制作の映画『王子と踊子』の撮影を開始した[177]。同作はテレンス・ラティガンが1953年に書いた舞台劇を原作に、ローレンス・オリヴィエが監督および共同制作を務め、モンローと共演することになった[162]。しかし彼とモンローの間の対立により、制作は難航した[178]。原作の舞台劇でも監督と主演を務めたオリヴィエは、モンローを見下して「君はセクシーな格好をして立っていればそれでいい」と発言し、演技も舞台劇でのヴィヴィアン・リーのそれを踏襲することを求めてモンローを怒らせた[179]。またオリヴィエの方もモンローが演技指導のポーラ・ストラスバーグを現場に帯同させていることが気に入らなかった[179]。これらにより、モンローは非協力的になり、故意に遅刻を繰り返し、後に「俳優に対する尊敬の無い現場で、彼らが素晴らしい演技をすることはないわ」と述べている[178]。
『王子と踊子』の撮影はスケジュール通り1956年末に完了した[180]。『王子と踊子』はヨーロッパでは好評で、イタリアのダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞とフランスのエトワール・ド・クリスタル賞(セザール賞の前身)で最優秀外国人女優賞を受賞し、 英国アカデミー賞では5部門にノミネートされた[181]。
この時期、モンローは他にも問題を抱えていた。私生活では薬物依存が進行し、流産を経験した[182]。グリーンとは、MMPの方向性について対立が生じていた[182]。
『王子と踊子』の撮影を終えてイギリスから帰国した後、モンローは家庭生活に専念するために18ヶ月の休暇を取った。この間、彼女とミラーは、ニューヨーク、コネチカット、ロングアイランドを行き来しながら過ごした[183]。モンローは1957年半ばに子宮外妊娠し、翌年に流産した[184]。先の流産も含め、これは彼女が患っていた子宮内膜症[注釈 15]が原因の可能性が高いとされている[185] [注釈 16]。 またバルビタールの過剰摂取により短期間入院した[188]。グリーンとのMMPに関する意見の相違は、話し合いで解決できなかったため、モンローは彼が持つ会社の株を買い取ることで、この問題を終わらせた[189]。
モンローは1958年7月にハリウッドに戻り、ビリー・ワイルダー監督のジェンダー・ロールを題材としたコメディー『お熱いのがお好き』でジャック・レモン、トニー・カーティスと共演した[190]。当初、彼女は自分が演じるシュガー役を「ダム・ブロンドの類型」と捉えて乗り気ではなかったが、ミラーの励ましと通常の出演料に加えてボーナスとして利益の10%を支払うというFOXの申し出により、出演依頼を受けた[191]。『お熱いのがお好き』の制作難航ぶりは後に「ハリウッドの伝説」の一つとなった[192]。現場でモンローは、演技が気に入らないと何十回も撮り直しを求め、自分の台詞を覚えてこない、監督の指示通りに演技しない、といった問題行動を繰り返した。彼女とのキスシーンを何テイクも撮影させられたカーティスは「まるでヒトラーとキスをしている気分だった」と回想している[193]。
後に、モンローは混乱する制作現場の様子を難破船に例え、「(男性のスタッフ、共演者たちは)右往左往していたけど、私は彼らと違って "失うもの" がないから何の心配もしていなかった」と答えている[194]。
問題の多くはモンローと、こちらも気難しいと評判のワイルダーとの間で、彼女の演技の方向性をめぐって意見が合わなかったことが原因だった[195]。モンローは多くの演出の変更を求めてワイルダーを怒らせ、また、それが原因で彼女の舞台恐怖症は悪化した[195]。
しかし最後には、ワイルダーもモンローの演技に満足し、「セリフを覚えて演技するだけなら誰でもできる。だが彼女はセリフを覚えずに現場に来て、素晴らしい演技ができる本物の俳優だ」と述べている[196]。『お熱いのがお好き』は1959年3月に封切られ、批評・興行の両面で大成功を収めた[197]。モンローは本作の演技でゴールデングローブ賞 ミュージカル・コメディ映画部門主演女優賞を受賞し、『バラエティ』誌は彼女を「セクシーな魅力と絶妙な間のとり方を兼ね備えた最高の喜劇女優」と絶賛した[181][198]。また本作は21世に入ってからBBC、AFIおよび『サイト & サウンド』誌がそれぞれ行った調査で「史上最高の映画」の一つに選ばれている[199][200][201]。
キャリアと私生活への翳り
[編集]『お熱いのがお好き』の後、モンローは1959年後半にミュージカル・コメディー『恋をしましょう』に出演するまで、再び活動を休止した[202]。本作で彼女はジョージ・キューカーを監督に選び、劇中での彼女の出番が少ないと感じたミラーが脚本の一部を書き直した。モンローがこの扱いを受け入れて出演した背景には、FOXとの契約更改交渉が遅れていたという理由があった[203]。彼女が頻繁に撮影を欠席したため、映画の制作は遅れた[202]。撮影中、モンローは共演者のイヴ・モンタンと不倫関係になったが、これは映画の話題作りに利用され、マスコミによって広く報道された[204]。
『恋をしましょう』は1960年9月に公開されたが興行的には失敗に終わった[205]。ボスレー・クラウザーはモンローの演技を「少し手を抜いているように見える」「以前のようなダイナミズムがない」と批判し[206]、ヘッダ・ホッパーは本作を「これまでの(モンローが出演した)映画の中で最低の作品」と酷評した[207]。トルーマン・カポーティは自著『ティファニーで朝食を』が映画化される際、モンローをホリー役に起用するようロビー活動を行っていたが、制作の難航を恐れたプロデューサーはオードリー・ヘプバーンを起用した[208]。
モンローが出演した最後の映画はジョン・ヒューストン監督の『荒馬と女』で、脚本はミラーが彼女を極力目立たせるようなシナリオを書いた[209]。劇中でモンローはクラーク・ゲーブル、イーライ・ウォラック、モンゴメリー・クリフトが演じる3人の老カウボーイと出会う離婚歴のある女性を演じた。1960年7月から11月にかけてのネバダ砂漠での撮影は、やはり困難を極めた[210]。この頃、モンローとミラーの結婚生活は事実上破綻しており、ミラーは新たに写真家のインゲ・モラスと関係を持っていた[209]。
モンローは、自分の役柄の一部が自身の人生に基づいて作られていることを嫌がり、また男優たちの役よりも作中での扱いが悪いと思っていた。また、撮影の前夜になってシナリオを書き直すというミラーの悪癖にも悩まされた[211]。健康状態も悪化していた。モンローは胆石による痛みに苦しみ、また薬物中毒も深刻化しており、スタッフは彼女が薬物の影響で眠っている間にメイクを施さなければならない有様だった[212]。8月、モンローが薬物を抜くため1週間入院したため撮影は中断された[212]。にも拘わらず、ヒューストンはモンローの演技を「作り物ではない、本物の感情が発露していた。彼女は自分自身の奥深くに眠るそれを見つけ、意図的に発露させていた」 と称賛している[213]。
撮影終了後の1961年1月、モンローとミラーはメキシコで離婚した[214][注釈 17]。『荒馬と女』はその翌月に封切られたが、興行的には失敗した[215]。評価も低調で[215] 、『バラエティ』誌は一貫性のない人物造形への不満を書き[216]、クラウザーはモンローの演技について「全く無表情で感情が読み取れない」とし、「不幸なことに、この映画は構成上、そんな彼女を見続けなければならない」と酷評した[217]。
ただし本作は21世紀に入って以降、再評価されている。英国映画協会のジェフ・アンドリューは本作を古典の一つに数えており[218] 、ジョン・ヒューストンの研究家トニー・トレーシーはモンローの演技を「彼女のキャリアの中で最も成熟したもの」と述べており[219] 、『インディペンデント』紙のジェフリー・マクナブはモンローの「役への共感を呼び起こす力は並外れている」と評している[220]。
モンローは次に、 サマセット・モームの短編『ミス・トンプソン(雨)』を原作としたNBCのテレビドラマに出演する予定だったが、彼女が望んだリー・ストラスバーグの監督起用にNBCが難色を示したため、企画はお蔵入りとなった[221]。
1961年前半の6カ月間、モンローは健康問題に悩まされた。彼女は子宮内膜症のために胆嚢摘出手術を受け、うつ病で4週間入院した[222] [注釈 18]。そんな彼女を支えたのが元夫のジョー・ディマジオだった。2人は再び交際を始め、モンローはディマジオの友人フランク・シナトラと数カ月間だけ関係を持った[224]。モンローは同年にカリフォルニアに戻り、1962年初頭にロサンゼルスのブレントウッド地区フィフス・ヘレナ・ドライブ 12305番地の邸宅を購入し、亡くなるまでの最後の数カ月をそこで暮らした[225]。
1962年春、ゴールデングローブ賞「ヘンリエッタ賞」を受賞し、新作映画『女房は生きていた』の制作が発表されたことでモンローは再び世間の注目を集めた[226]。映画はジョージ・キューカーが監督、ディーン・マーティンとシド・チャリシーが共演し、FOXとMMPによって共同制作される予定たった[227]。撮影開始の数日前、モンローは副鼻腔炎に罹った。撮影は延期すべきという医師の助言を無視し、FOXは予定どおり4月下旬から撮影を開始した[228]。
モンローは病気で撮影入り後6週間の大半を欠席した。複数の医師による診断があったにも拘らず、FOXは彼女が仮病を使っていると主張して撮影に出てくるよう圧力をかけた[228]。5月19日、彼女は撮影を休んで、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われた当時の大統領ジョン・F・ケネディの誕生日を祝うステージで「ハッピーバースデー・トゥー・ユー」を歌った[229][注釈 19]。このときモンローはラインストーンで身体のラインが強調されたベージュ色のドレスを身に着けてステージに登場したため、見た人々の多くが裸で登場したと見間違えた[229]。このとき大統領夫人ジャクリーン・ケネディは、式典にモンローが来ると知り欠席している[231][232]。モンローのニューヨーク行きは、彼女に式典への出席をキャンセルするよう求めていたFOXの重役たちをさらに苛立たせた[233]。
『女房は生きていた』の撮影に戻ったモンローが次に撮影したのは、全裸になってプールで泳ぐ場面だった[234]。現場には映画の宣伝用写真撮影を兼ねて、マスコミが招待された。このとき撮られた写真は後に雑誌『ライフ』に掲載された。大スターが全盛期にヌードを披露したのはこれが初めてのことである[235]。モンローが再び病気を理由に撮影を数日間欠席したことで、FOXは既に『クレオパトラ』の制作費高騰に苦しんでいる現状で、これ以上撮影を遅らせることは出来ないと判断した[236]。 6月7日、FOXはモンローを解雇し、75万ドルの損害賠償を求めて彼女を訴えた[237]。モンローの代役はリー・レミックが務めることになったが、今度はディーン・マーティンがモンロー以外と共演することを拒否したため、FOXは彼も訴え、映画はお蔵入りとなった[238]。FOXは、映画の失敗をモンロー1人の責任だと主張し、彼女は精神病で頭がおかしくなっている、などのネガティブ・キャンペーンを行った[237]。
しかしFOXはすぐに方針を転換し、6月後半にはモンローとの再契約交渉を開始した。夏の終わりには『女房は生きていた』の撮影再開、ロマンティック・コメディ『何という行き方!』への主演を含む新しい契約が成立し、両者は和解した[239]。またモンローは、自らの主演でジーン・ハーロウの伝記映画を企画していた[240]。
このスキャンダルで傷ついたイメージを回復するため、彼女は雑誌『ライフ』『コスモポリタン』のインタビューを受け、初めてファッション誌『ヴォーグ』に掲載される写真を撮影するなど、プロモーション活動に従事した[241]。モンローは『ヴォーグ』掲載用に、写真家のバート・スターンと組んで通常のファッション写真集とヌード写真集の2つのシリーズを撮影し、それらは彼女の死後一冊にまとめられ『The Last Sitting (英語版) 』と題して出版された[242]。
死と葬儀
[編集]1962年8月5日、前日からモンローの家に泊まり込んでいた[244]家政婦ユーニス・マレーは午前3時に目が覚め、異変を感じた。彼女の証言によると、モンローの寝室のドア下からは光が漏れていたが、ノックに応答は無く、ドアには鍵が掛かっていた。その後、マレーはモンローの精神科医ラルフ・グリーンソンに電話をかけた。彼はすぐに駆けつけて、窓から寝室に入り、モンローがベッドで死んでいるのを発見した[244]。3時50分頃、モンローの主治医ハイマン・エンゲルバーグが到着し[244]、その場で彼女の死亡宣告をした。4時25分、事態がロサンゼルス市警察に通報された[244]。
検死により、モンローは前日の20時30分から22時30分の間に死亡したと推定され[245]、薬物検査で急性バルビタール中毒の所見が示された。彼女の血液中からは抱水クロラール8 mg%[注釈 20]、ペントバルビタール(ネンブタール)4.5mg%が検出され、肝臓からもペントバルビタール13 mg%が検出された[246]。ベッドの横からは空の薬瓶が見つかった[246]。モンローが誤って過剰摂取した可能性は、彼女の体内から致死量の数倍もの薬物が検出されたことから否定された[247]。
本件に関するロサンゼルス郡検死局の捜査には、自殺に関する専門知識を持つロサンゼルス市の自殺予防チームが協力した[246]。主治医のエンゲルバーグは、彼女が「突然の予測不可能な気分の変化」を伴って「深刻な恐怖に襲われたり、うつ状態になる」ことが頻繁にあり、過去にも何度か過剰摂取をしていた可能性を述べた[247]。これらの事実と遺体に不審点がないことから、検死官補のトーマス野口は彼女の死を自殺の可能性が高いと判断した[246]。
モンローの突然の死は、欧米の新聞で一面トップで報じられた[248]。ロサンゼルス市内の自殺率は彼女が亡くなった翌月に2倍に上昇し、この時期に多くの新聞が発行部数を伸ばした[248]。当時『シカゴ・トリビューン』紙の編集部にはモンローの死についての情報を求める読者からの電話が1日に何百本もかかってきた[249]。
フランスの芸術家ジャン・コクトーは「彼女の死は著名人の行動を監視し、彼らを苦しめることを主な仕事とする全ての人にとって、恐ろしい教訓となるはずだ」とコメントし、ローレンス・オリヴィエは「彼女は(マスコミによる)誇大広告と煽情的な報道の犠牲者だった」と述べ、『バス停留所』の監督を務めたジョシュア・ローガンは「彼女は世界で最も評価されていない人間の1人である」と述べて、その死を悼んだ[250]。
8月8日にウエストウッド・メモリアルパーク墓地[注釈 21]で執り行われた葬儀は非公開とされ、彼女の最も近しい関係者のみが参列した[252]。葬儀はジョー・ディマジオ、モンローの異父姉バーニース・ベイカー・ミラクル、およびモンローの代理人を務めていたイネス・メルソンによって取り仕切られた[252]。何百人もの見物人が墓地の周りの通りに群がった[252]。モンローは集合墓室「記憶の回廊」の第24区画に埋葬された[253]。
遺産と旧宅
[編集]- 異父姉バーニース・ベイカー・ミラクル、秘書のメイ・レイスにそれぞれ数千ドル
- 友人の詩人ノーマン・ロステンに彼の娘の養育費として数千ドル
- 母グラディスとマイケル・チェーホフの未亡人の終身介護のための基金として10万ドルずつ
が分与され[254]、残りの遺産については、25%が精神科医マリアンヌ・クリスに「あなたが選んだ精神科の医療機関もしくは研究機関に寄付するよう」、モンローの遺品や不動産・肖像権を含む75%がリー・ストラスバーグに「友人、同僚、お世話になった人たちで分配するよう」という指示と共に託された[254][255]。ただし、手続きに時間がかかったことから、これらの人々が遺産を実際に受け取ったのは1971年になってからである[256]。
クリスは指示通り遺産をアンナ・フロイト・センターに寄付した[257]が、ストラスバーグは指示を守らず遺産を独占し、彼の死後に遺産を相続した妻のアンナ[注釈 22]は遺産管理会社「マリリン・モンローLLC」を設立し[258]、パブリシティ権収入や遺品・不動産の売却で荒稼ぎし[257]、パブリシティ権だけで2008年までに約3000万ドル(約30億円)の利益を得た[259]。さらにクリスに分与された遺産の所有権を主張して裁判を起こしたが、敗訴している[257]。
モンローが晩年を過ごした邸宅をロサンゼルス市議会が2024年6月26日、歴史的文化財として全会一致で指定した[260]。高級住宅街ブレントウッドで1929年に建てられ、モンローが1962年に購入した[260]。隣家を保有する夫婦が2023年夏に835万ドルで購入しており、自分たちの土地の拡張や、観光客やファンが集まることで近所迷惑になっていること、改築が重ねられモンロー生前と様変わりしていることを理由に取り壊しを申請しており、ロサンゼルス市議から移築を含めて保存するよう求める意見が出ていた[260]。
死をめぐる諸説
[編集]モンローの死については、
- 現場から自殺に使ったはずのコップが発見されていない
- 遺体発見時、手には受話器が握られていたものの、FBIが電話局から押収した死亡前日から当日夜の通話記録には同時刻の記録がない
- 部屋からはモンローの日記(赤い手帳)が消えていた
等の不審点が指摘されており[261]、そのため通話記録や証拠品の改竄・隠蔽を行うことができる政治力の持ち主がモンローの死に関わっていたと主張し[262]、彼女は何者かによって謀殺されたとする陰謀論がある[6][263]。
死亡当初、警察はトーマス野口らによって司法解剖を行い、「急性バルビツール中毒による体の不調を受けて救急車を自ら呼ぶために受話器を取ったものの、ダイヤルする前にこと切れた」と、自殺や他殺の可能性を否定し、事故死であったとしている。
モンローの謀殺説を最初に主張したのは反共主義の活動家フランク・A・カペルが1964年に自著 "The Strange Death of Marilyn Monroe" の中で主張した、当時モンローと不倫関係にあったロバート・ケネディが事の発覚を恐れて彼女を謀殺したというものである[264]。ただし同書の内容はロバート・ケネディやアーサー・ミラー等のモンロー周辺の人々を共産主義者と決めつけるなど著者の個人的思想が強く出ていること、情報源が同じく反共主義者のウォルター・ウィンチェルだけしかないことで当時から疑問視されており[265]、広まることはなかった[266]。
謀殺説は1973年に出版されたノーマン・メイラー著の伝記『マリリン その実像と死 ("Marilyn: A Biography") 』[注釈 23]を機に世間に広まった[267]。同書中でメイラーは確たる証拠も示さず、「モンローとロバート・ケネディが不倫関係にあった」「モンローはこのスキャンダルをケネディ家に対する圧力に利用しようと考えていたFBIかCIAの人間に殺された」と主張した[268]。同書は書評家たちに酷評され、メイラーはマイク・ウォレスからのインタビューの中で、本を売るために内容を捏造したことを認め、モンローの死因は十中八九自殺であると思うと発言した[268]。
モンローの死をめぐる謀殺説の広がりを受けて、1982年に当時のロサンゼルス郡地方検事ジョン・ヴァン・デ・カンプが指揮をとり、犯罪の可能性の有無を調べる予備捜査が行われたが[269]、他殺の証拠は見つからなかった[270]。
1985年9月23日、ロサンゼルス市警察は、1962年当時の捜査資料を公表した。この中で、他殺説を裏付ける証拠はなく、本部長ダリル・ゲイツも記者会見で「明らかに自殺といえる」と述べた。この日、公表された捜査資料は全132ページ、厚さにして1cm強。モンローの関係捜査資料は死亡時から約10年間、非公開書類として保管された後、1973年に廃棄されたが、当時の捜査担当官タッド・ブラウンが個人的にその写しを保管していた物をコピーしたものという。資料にはロサンゼルス郡検視局検視官補トーマス野口による解剖所見のほか、関係者の事情聴取記録やモンローの死亡前後の電話通話記録なども含まれている。捜査記録には1982年の再捜査の記録も含まれており、やはり他殺説を証拠立てる資料は見当たらない、と結論づけた。[271]。
イギリス人ジャーナリストアンソニー・サマーズは『マリリン・モンローの真実(原題 "Goddess: The Secret Lives of Marilyn Monroe")』(1985年)の中で、モンローの死は薬物の過剰摂取による事故死であり、死後に自殺に見せかけられたと主張した[272]。彼は同書を書くため関係者650人にインタビューしている[272]が、伝記作家のドナルド・スポトは「証言内容に誤りが多い」、サラ・チャーチウェルは「証言内容の殆どが伝聞で、証言者当人が見聞きしたことではない」と批判している[273][274]。また証言者の中に「信用に値しない」人物(陰謀論主張の先達、虚言癖のある人物)がいる点も問題視されている[275]。
謀殺説は否定しているスポトも1993年に発表したモンローの伝記の中で、20世紀FOXと新たな契約で合意していたこととジョー・ディマジオとの復縁が予定されていたことを理由に自殺ではなく過剰摂取による事故死を主張した[276]。
2000年代に入り、1962年の捜査に地方検事補として関わったジョン・マイナーがモンローが死の直前に録音し、精神科医のラルフ・グリーンソンに預けたオーディオテープから書き起こしたと主張する筆記録を発表した[277][278]。マイナーはテープの録音内容を根拠に自殺・他殺説を否定し、モンローの死は過剰摂取の末の事故死と主張した[279]。しかし、この主張には証拠となるテープ原本が見つからないことと[277]マイナーに経歴詐称の過去があったこと[279]から、筆記録を最初に売り込まれた『ヴァニティ・フェア』誌が証拠検証のためテープの提出を求めたところ、マイナーがテープを所持していないことが判明した[279]。
近年の研究では、モンローの死をめぐる謀殺説はあくまで出所の不確かな噂にすぎないとされている[280]。モンローとケネディ家の関係をめぐるマフィアの介在やFBIの介入も、証拠に乏しい都市伝説として退けられている[280][281][231]。
作品
[編集]映画
[編集]公開年 | 邦題 原題 |
役名 |
---|---|---|
1947年 | Dangerous Years | エヴィー |
1948年 | 嵐の園 Scudda Hoo! Scudda Hay! |
ベティ(クレジットなし) |
Ladies of the Chorus | ペギー・マーティン | |
1949年 | Love Happy | グルーニオンの顧客[282] |
1950年 | 彼女は二挺拳銃 A Tickt to Tomahowk |
クララ(クレジットなし) |
アスファルト・ジャングル The Asphalt Jungle |
アンジェラ・フィンレイ | |
イヴの総て All About Eve |
カズウェル | |
The Fireball | ポリー | |
Right Cross | ダスキー・ルドゥー(クレジットなし) | |
1951年 | ふるさと物語 Home Town Story |
アイリス・マーティン |
素晴らしき哉、定年! As Young as You Feel |
ハリエット | |
恋愛アパート Love Nest |
ボビー・スティーヴンス | |
結婚しましょう Let's Make It Legal |
ジョイス・マナリング | |
1952年 | 熱い夜の疼き Clash by Night |
ペギー |
結婚協奏曲 We're Not Married! |
アナベル・ジョーンズ・ノリス | |
ノックは無用 Don't Bother to Knock |
ネル・フォーブス | |
人生模様 O. Henry's Full House |
街娼 | |
モンキー・ビジネス Monkey Business |
ロイス・ローレル | |
1953年 | ナイアガラ Niagara |
ローズ・ルーミス |
紳士は金髪がお好き Gentlemen Prefer Blondes |
ローレライ・リー | |
百万長者と結婚する方法 How to Marry a Millionaire |
ポーラ・デベヴォア | |
1954年 | 帰らざる河 River of No Return |
ケイ・ウェストン |
ショウほど素敵な商売はない There's No Business Like Show Business |
ヴィッキー・パーカー | |
1955年 | 七年目の浮気 The Seven Year Itch |
ブロンド美女 |
1956年 | バス停留所 Bus Stop |
シェリー |
1957年 | 王子と踊子 The Prince and the Showgirl |
エルシー・マリーナ |
1959年 | お熱いのがお好き Some Like It Hot |
シュガー・ケーン・コワルチェック |
1960年 | 恋をしましょう Let's Make Love |
アマンダ・デル |
1961年 | 荒馬と女 The Misfits |
ロズリン・ターベル |
楽曲
[編集]劇中歌 | |
---|---|
"Every Baby Needs a Da-Da-Daddy"(ベビーにはパパが必要) | 『Ladies of the Chorus』 |
"Anyone Can See I Love You"(私の恋はどなたにもお見通し) | |
"Kiss"(キス) | 『ナイアガラ』 |
"Diamonds Are a Girl's Best Friend"(ダイヤは女の最良の友) | 『紳士は金髪がお好き』 |
"Two Little Girls from Little Rock"(リトルロックから来た娘) | |
"When Love Goes Wrong"(恋にしくじったら) | |
"Bye Bye Baby"(バイ・バイ・ベイビー) | |
"The River of No Return"(帰らざる河) | 『帰らざる河』 |
"I'm Gonna File My Claim"(請求書にためとくわ ※素訳 登記しとくわ) | |
"One Silver Dollar"(一枚の銀貨) | |
"Down in the Meadow"(牧場で) | |
"After You Get What You Want, You Don't Want It"(気ままなあなた) | 『ショウほど素敵な商売はない』 |
"Heat Wave"(ヒート・ウェーブ) | |
"Lazy"(もの憂さ) | |
"A Man Chases a Girl"(男は女を追いかける) | |
"That Old Black Magic"(恋という魔術) | 『バス停留所 (Bus Stop)』 |
"I'm Through with Love"(恋はおしまい) | 『お熱いのがお好き』 |
"I Wanna Be Loved by You"(愛されたいの) | |
"Running Wild"(ランニング・ワイルド) | |
"Let's Make Love"(恋をしましょう) | 『恋をしましょう』 |
"Incurably Romantic"(とってもロマンティック) | |
"Specialization"(スペシャリゼイション) | |
"My Heart Belongs to Daddy"(私の心はパパのもの) | |
その他 | |
"Do It Again"(ドゥ・イット・アゲイン) | |
"A Fine Romance"(ファイン・ロマンス) | |
"You'd Be Surprised"(驚かないでね) | |
"She Acts Like a Woman Should"(女のお手本) | |
"Some Like It Hot"(お熱いのがお好き)[注釈 24] | |
"Happy Birthday,Mr.President"(ハッピーバースデー・ミスタープレジデント) |
賞歴
[編集]受賞
[編集]- ゴールデングローブ賞
- ミュージカル・コメディ映画部門 主演女優賞:1960年(『お熱いのがお好き』)
- ヘンリエッタ賞:1951年、1953年、1962年
- ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞 外国人女優賞:1958年(『王子と踊子』)
- エトワール・ド・クリスタル賞外国人女優賞:1959年(『王子と踊子』)
ノミネート
[編集]人物
[編集]巧みなイメージ戦略
[編集]1940年代は、戦時中で観客も女性の率が高く、彼女たちにアピールするためキャサリン・ヘプバーンやバーバラ・スタンウィックのようなタフでスマートなイメージの女優が重宝されていた。20世紀FOXは、モンローが男性客を映画館に呼び戻す次の10年のスターになることを望んでおり、当時衰えの見え始めたベティ・グレイブルの後継者として期待していた[283]。映画研究家のリチャード・ダイアーによると、モンローのイメージは主に男性目線を意識して作り上げられた[284]。
モンローはデビュー当初から、自分のイメージ作りに積極的に関わり、キャリア末期にはほぼ独力でそれを行っていた[285][286]。彼女はイメージ戦略の多くを自分で考案し、シドニー・スコルスキーやルエラ・パーソンズといった芸能コラムニストと良好な関係を築き、自身のイメージ作りに利用した[287]。
モンローはベティ・グレイブルに加えて、1930年代を象徴する金髪美人女優ジーン・ハーロウともしばしば比較される[288]。これはモンローが幼少期のアイドルとしてハーロウの名を挙げ、彼女の伝記映画を企画し、彼女のヘアスタイリストを雇って髪を染めたことが理由となっている [289]。
映画の中のモンローは、彼女の金髪と仕草から受ける素朴さ、色気、そして人工物感に焦点が当てられていた[290]。彼女は映画の中でしばしば幼児のような喋り方で話し、インタビューでの奔放な発言は「無垢で計算されていない」という印象を与えた[291]。たとえば、1949年のヌード写真撮影のとき何を "着けて" いたかを尋ねられたとき、彼女は「ラジオを "つけて" いた」と答えている[292]。
映画の中でモンローは男性にとってステレオタイプな女性を多く演じた[284]。彼女は出演した多くの作品で、コーラスガール、モデルといった「男を視覚的に喜ばせる」職業の女性を演じた[284]。モンローはピンナップモデルとしてその経歴をスタートさせ、砂時計のような体型で有名になった[293]。 映画の中でも、その体型が映えるような役を与えられ、宣伝写真では頻繁にピンナップ写真のようなポーズをとった[293]。独特の腰を振る歩き方(モンロー・ウォーク)は、彼女の体型に世間の注目を集めた[94]。
モンローは金髪を強調するため白い衣装をよく着用し、また体型を際立たせた露出度の高い衣装で人前に登場して世間の注目を集めた[294]。映画の宣伝でも露出度の高いものや破れやすい素材の衣装を着用し[295]、例えば記者会見中にドレスの肩紐が千切れるなどのハプニングをわざと起こしていた[295]。
彼女の生い立ちを扱った記事では、モンローは悲惨な幼少期を過ごしながらハリウッドのスターダムにのし上がったアメリカン・ドリームの体現者として描かれた[296]。里親の家や孤児院で過ごした時期の逸話には誇張や創作されたものもあった[297]。映画研究家トーマス・ハリスは、労働者階級出身ということは、男性客にモンローをより身近で親しみやすい女性として見せ、対照的に同世代で同じく魅力的な金髪美女として売り出されたグレース・ケリーは、上流階級出身という生い立ちのため、大多数の男性客から手の届かない洗練された女性と見られ敬遠されていた、と分析している[298]。
映画の中における、純心だが性的魅力に溢れた金髪美女というモンローのイメージは巧妙に作られたものだったが、観客や評論家はそれが彼女の素顔であると信じていた。後に彼女が新しい役柄を演じたいと求めたり、自分の制作会社を立ち上げたとき、これが障害となった[299]。文化学者のサラ・チャーチウェルはモンローの出演作品を研究し、次のように述べている。
20世紀FOXはモンロー人気を受けて、その後もジェーン・マンスフィールドやシェリー・ノースなど同系統の女優を育てることでさらなる利益を得た[301]。他の映画スタジオもこれに追随し、ユニバーサル映画はマミー・ヴァン・ドーレン[301]、コロンビアはキム・ノヴァク[302]、そしてランク・オーガニゼーションはダイアナ・ドース[303]を売り出した。
社会への影響
[編集]伝記作家のロイス・バナーは、モンローが映画や公の場でセックスシンボルとしての自分を自嘲的に表現することがあったとし[304]、「20世紀のジェンダートリックスターの歴史の中で彼女はメイ・ウエストとマドンナの中間に位置しており、その後も続く原型を作り上げた」と書いている[305]。モンロー自身、ウエストから影響を受け、「自身の性を嘲笑することで、イメージを作り上げる技術を学んだ」と述べている[306]。彼女は、コミカルなステージパフォーマンスで有名なパントマイミストでダンサーのロッテ・ゴスラーの講座でコメディを学び、ゴスラーは映画の現場でも彼女を指導していた[307]。モンローが典型的なダム・ブロンドを演じた『紳士は金髪がお好き』の中で、彼女は自分の役に「大事な時には賢くなれるけど、大体の男は賢い女が好きじゃないの」という台詞を追加した [308]。
リチャード・ダイアーによると、モンローは「キンゼイ報告(1953年)やベティ・フリーダンの『新しい女性の創造』と並んで1950年代のアメリカにおける道徳と性についての思想の潮流の中心に位置づけられる」としている[309]。モンローは、1940年代のそれとは対照的に、無防備な様を見せることで、セックスを自然で危険のないものとして提示した最初のセックスシンボルだった[310]。同様に、伝記作家ドナルド・スポトはモンローを映画評論家モリー・ハスケルの「『女性は男性の欲求に応えたり、高めたりするために存在する』という1950年代の虚像」とした発言[注釈 25]に呼応してモンローは「戦後の(男性にとって)理想的なアメリカ女性の体現者だ」とした[312]。モンローと同時代を生きた小説家ノーマン・メイラーは「マリリンは、タブー視されていたセックスを、決してそうではないと示唆してくれた」と書いた[313]。
リチャード・ダイアーは、当時は公民権運動が始まった時期で、モンローが髪を金髪にしたのは自分が純粋な白人だとアピールしたかったためだとし、彼女は20世紀の大衆文化における人種差別の象徴と見なされるべきと主張している[314]。一方、ロイス・バナーは、モンローが公民権運動中に金髪に変えたのは偶然ではないかもしれない点には同意したが、モンローは私生活でジョー・ディマジオ(イタリア系)やアーサー・ミラー(ユダヤ人)など非WASPの人々と関係があったことを指摘して、ダイアーの主張に反論した[315]。またバナーによると、モンローは当時一般的だった人種規範に挑戦するような宣伝写真を撮ったことがあるという。たとえば、1951年の『ルック』誌に、彼女が露出度の高い服を着てアフリカ系アメリカ人の音楽家フィル・ムーアと歌の練習をしている様子を撮影した写真が掲載されている[316]
『フォトプレイ』誌によると、モンローはアメリカでは「ホットドッグ、アップルパイ、野球と同じくらい有名な存在」とされていた[317]。ロイス・バナーは彼女を「ポピュラックス[注釈 26]の象徴」と呼んでおり、その陽気で華やかなイメージは、「1950年代の冷戦、原子爆弾、ソビエト連邦と共産主義に対する社会不安の払拭に役立った」としている[319]。歴史家のフィオナ・ハンディサイドは、フランスの女性観客は白い肌と金髪をアメリカの近代性や清潔さと結びつけ、モンローは現代の「解放された女性」の象徴となったと書いている[320]。映画史家ローラ・マルベイは、アメリカの消費文化を支持するものとしてモンローについて次のように書いている。
アメリカが大戦後の貧しい欧州に華やかな民主主義を輸出しようとしたとき、映画はその窓口となった。(中略)マリリン・モンローはそのオール・アメリカンな特徴と最新のセクシュアリティによって、(アメリカの)経済・政治・エロティシズムを一まとめにして体現する存在だった。1950年代半ばまでに彼女はアメリカ製の化粧品やナイロンを使えば誰もが手に入る美の象徴となった。[321]
交友
[編集]モンローの交際相手として噂に上った著名人は、喜劇俳優チャールズ・チャップリンや映画監督エリア・カザン、俳優マーロン・ブランドまできわめて多数に上る[4][7]。
ケネディ兄弟との関係
[編集]モンローは1961年にアーサー・ミラーと離婚したが、この離婚に先立つ1959年頃から、当時は上院議員で後にアメリカ合衆国大統領となるジョン・F・ケネディ(JFK)の義弟で俳優のピーター・ローフォードやフランク・シナトラの紹介で、ケネディの知己を得た[7]。
その後、モンローとJFKが肉体関係にあったとする噂が、ローフォードやモンローの家政婦レナ・ペピートーンなどの証言をもとに長く噂されてきた[322]。また、JFKの弟で司法長官を務めていたロバート・ケネディとも関係があったとも囁された[323]。
しかし、モンローがJFKとたびたび電話で個人的な会話を交わす関係にあったことは、ホワイトハウスの通話記録などから確実視されている[231]ものの、FBIの捜査記録や知人たちへの膨大なインタビューなどをもとにした近年の研究では、二人が肉体関係にあったことを裏づける明確な証拠は存在せず、あくまで噂にすぎないと結論づけられている[4][7]。
ケネディ政権への悪影響を懸念した当時のFBI長官ジョン・エドガー・フーヴァーらによって2人の関係が強制的に終わらされたとする噂も長く語られてきた[324]。しかし現在では、多忙をきわめるようになったJFK側が自ら交友関係を大きく縮小したためとする説が主流である[7][231]。
ディマジオとの絆
[編集]前述の通り、両者の結婚生活は1年9か月で終わったが、モンローの晩年に再び交際を始め[223][224]、多くの時間を過ごし、亡くなる数日前には復縁の約束をしていたという双方の関係者からの証言が複数残っている[325][326]。ディマジオはモンローの葬儀では彼女の遺体に「愛している」と声をかけ続け、涙を流したと伝えられている[325][326]。
ディマジオはモンローの死後20年にわたって週3回、彼女の墓に赤いバラ(品種:アメリカン・ビューティー)を捧げ続けた[327]。
1978年のMLBオールスターゲームの日本向け衛星中継で一緒にマイクの前に並んだ伊東一雄は「マリリンほど素晴らしい女性はいなかった…」とディマジオがポツリと漏らしていたのを耳にしている[328]。1999年3月8日に亡くなる数日前に友人に語った最期の言葉は「死んだら、マリリンのところへいける」だった[329]。
エピソード
[編集]この節に雑多な内容が羅列されています。 |
- 淀川長治によれば、モンローは「シェークスピアのような文芸作品に出たかった」という気持ちを持っており、生涯それが実現しなかったことが不憫であると語っていた[要出典]。
- グローマンズ・チャイニーズ・シアターの前庭に、『紳士は金髪がお好き』で共演したジェーン・ラッセルと共に、手型・靴型・サインを残したのは、1953年6月26日のことであった。ラッセルがうつぶせになって胸を、モンローが座ってお尻の跡をつけようとのモンローの提案は受け入れられなかった。サインの「Marilyn」の「i」の点にダイヤモンドを使ったらどうかとの提案には、結局模造ダイヤを使うことになったが、観光客が削っていってしまった。[330]
- 1954年2月1日、新婚旅行で来日したモンローであったが、体調を崩してしまう。予定されていた記者会見も顔見せ程度でキャンセルされ(翌日に延期された)、早々と帝国ホテル2階244号室にひきこもった。長旅で疲労困憊、胃痙攣も起こしていた。医者が呼ばれ、痛み止めの注射をしようとしたがモンローはこれを拒否。それではと治療のために呼ばれたのが、浪越徳治郎であった。モンローは指圧を気に入り、日本滞在中7回も施術を受けた[331]。
- モンローに戒名をつけた人がいる。1973年8月5日に東京都世田谷区の大吉寺本堂でモンロー13回忌の法要が営まれ、住職で作家の寺内大吉(競輪、ボクシング、キックボクシングの評論家)が経をあげ、モンローに「鞠利院不滅美色悶浪大姉(まりりいんふめつびしょくもんろうだいし)」という戒名を捧げた[332]
- イギリスの大衆紙『サンデー・ピープル』は1990年7月2日号で、モンローに隠し子がいたと報じた[333]。同紙は1面に「マリリン・モンローに英国育ちの隠された子がいた!」と大見出し、中面の1ページ全体を使ってこの情報を伝えた。記事によれば、モンローの元恋人で米国人作家のテッド・ジョーダンが出版する著書『マリリン・モンローの秘められた生活』の中で記しているもので、子供はモンローが1947年、21歳のときに産んだ娘で、父親は当時交際していたミュージシャンとされている。名前はナンシーといい、生後すぐ養女に出され、養父が英国人だったためイギリスのサウサンプトンで育てられた。虐待を受けたため17歳で家出して豪州に渡り、その後は南太平洋の島々を転々とし、現在は豪州タスマニア島で、地道に宗教活動をしている、とされる。苦心の末ナンシーに会ったというジョーダンによれば、唇と脚線美は母親そっくりだという。モンローは「十代のときに子どもを産んだことがある」と親しかった友人ジーン・カーメンに打ち明けている[334]。一方で、検死を行ったトーマス野口は、モンローが「出産した痕跡はない」と証言している[335]。
- モンローは読書家で[336][337]、モンローほど「読書する姿」が写真に残された女優はいない[336]。1999年10月27–28日、ニューヨークロックフェラープラザで開催されたクリスティーズのオークション9216号では500点を超えるモンローの遺品が出品されたが[336]、その内、400点近くがモンローが生前読んでいた書籍で、ニューヨークの自宅に残された物だった[336]。モンローはロサンゼルス・ブレントウッドとニューヨークに二つの自宅を持っており[336][338]、納税地はニューヨークでニューヨーク市民でもあった[336]。モンローの蔵書は多岐に渡り[336]、世界最強のセ〇クスアイコンがこれほどまでにインテリジェンスを追求していたのかと驚かせるが、とりわけモンローが読んだ異色の一冊としてダニエル・ラング著『ヒロシマから月へ(From Hiroshima to the Moon)』(1959年)が挙げられる[336]。同書はアメリカの原爆開発とヒロシマへの原爆投下、ソ連との核武装競争、ヴェルナー・フォン・ブラウンらによるロケット開発と大陸間弾道ミサイルによる核支配、及び宇宙開発競争について各界の知見者による解説本[336]。
- 2008年3月31日ロサンゼルス連邦地方裁判所は、マリリン・モンローの写真を使用したTシャツを製造販売した企業と、彼女の遺産管理団体の間で争われていた彼女の肖像権についての裁判で、マリリン・モンローはカリフォルニア州民ではなくニューヨーク州民であり、同州の法律によって1962年の死亡と同時に彼女の肖像権は消滅したと判決を下した[339]。彼女はニューヨーク市内にアパートを所有しており、そこを永住先としていたのが判決の理由となった[339]。その後アメリカの上訴裁判所は、2012年8月末、モンローのパブリシティ権は存在しないとの判決を下した[340]。
- 2009年8月24日にモンローの埋葬室の真上の区画がオークションにかけられ[341]、一旦は460万2,100ドル(約4億3,000万円)で落札されたが[342]、落札者(日本人)がすぐに辞退を申し出たため[343]、新たにインターネットオークションにかけられたが、入札者なしで買い手はつかなかった[344]。2009年時点で、モンローの「上にいた」のは、1986年に81歳で亡くなった元実業家の男性だが、遺族が相続した住宅のローン完済を目的にオークションに出した(男性の棺は同墓室の別区画に改葬)[345]。成人向け娯楽雑誌『PLAYBOY』の創始者ヒュー・ヘフナーは「モンローのそばで永眠したい」と1992年に7万5,000ドル(約710万円)でモンローの左真横の区画を購入している[345]。その上の区画もまだ空いており、25万ドル(約2,400万円)で販売中だという[345]。
- 2010年6月27日、モンローの胸部を撮影した3枚綴りのエックス線写真が、ラスベガスのホテル「プラネット・ハリウッド・リゾート・アンド・カジノ」でオークションにかけられ[346]、45,000ドルで落札された[347]。写真はモンローが1954年11月に、ロサンゼルスのシーダーズ・オブ・レバノン病院で診察を受けた際に撮影されたものを担当した医師が保管していたものである[348]。
- 2011年6月18日、ハリウッドスターゆかりの品々を一堂に集めたオークションが、アメリカ・ロサンゼルスで開かれ[349]、映画『七年目の浮気』で地下鉄の通風口の上に立ったモンローのスカートが大きくめくれる有名なシーンで使われた白いホルターネックのドレスが、460万ドル(約3億7,000万円)の高値で落札された[350]。このドレスは女優のデビー・レイノルズが所有していたもので、ドレスの価格は事前予想の180~200万ドルを大きく上回った[350]。他に『紳士は金髪がお好き』の真っ赤なスパンコールのドレスが120万ドル(約9,600万円)、『帰らざる河』の酒場の衣装が51万ドル(約4,000万円)で落札された[350]。
- 2011年、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴの目抜き通りに、彫刻家スワード・ジョンソンが制作した『フォーエバー・マリリン』と題された高さ約8mの巨大マリリン像が出現した。像はその後移設され、2021年からはカリフォルニア州パームスプリングスに設置されている[351]。
- 2017年、日本の遊園地としまえんはモンローをプールのイメージキャラクターに採用した[352]。これは、としまえんがモンローの生誕年である1926年に開園したことや同園の主要アトラクションである「カルーセルエルドラド」がかつてニューヨーク市コニーアイランドの遊園地にて運営していた際にモンローが同施設で乗車していた史実に由来しての起用だった[353][354]。
評価
[編集]モンローの不朽の人気は、彼女の虚実相反するイメージと結びつけられて語られる[355]。そして、彼女は今もなおセックスシンボル、美のアイコン、そしてハリウッド黄金時代における最も有名な映画スターの1人である[356][357][358]。
一方で彼女は、私生活でのトラブル、不幸な幼少期、女優としての尊厳をかけた闘争、そして突然の死にまつわる様々な謎でも人々に記憶されている[355]。
現代においても彼女は広告の素材とされ[359]、その肖像と名前は何百もの製品にライセンスされ、マックスファクター 、シャネル 、メルセデス・ベンツ 、アブソルートなどのブランドで使用された[360][361]。
モンローについて何百冊もの伝記が書かれている。また彼女は数多くの映画、演劇、オペラ、歌の題材となっており、アンディ・ウォーホルやマドンナなどの芸術家やエンターテイナーに影響を与えてきた[362][363]。
グロリア・スタイネム、ジャクリーン・ローズ[364]、モリー・ハスケル[365]、サラ・チャーチウェル[361]、ロイス・バナー[366]などジェンダーとフェミニズムに関心のある学者やジャーナリストが彼女に関する文章を書いている[367]。 その中でもスタイネムは、彼女をスタジオ・システムの犠牲者と見なし[367][368]、他方チャーチウェル、ハスケル、ローズなどは、モンローが自身のキャリア形成やイメージ作りに積極的に関わり主体的に行動した点を強調している[361][369][364]。
華やかなスターダムと問題を抱えた私生活との対比から、モンローは、現代のマスメディアや消費者文化などに関する幅広い話題と密接に結びつけられる[370]。
文化学者のスザンヌ・ハムシャによれば、モンローは現代社会において継続中の問題と常に結びつけられ、「特定の時間や場所に留められる」ことなく、「アメリカ文化の物語を(再)構築するための顔」となり、そして「第三者によって新たな文脈に(再)生産・変換・翻訳される存在」と定義している[370]。同様に、ロイス・バナーはモンローを「各世代、さらに個人によって(略)独自の仕様に」再生される「永遠のシェイプシフター」と呼んでいる[371]。
『The Guide to United States Popular Culture』によると、モンローは「アメリカのポップカルチャーのアイコンとしてエルヴィス・プレスリーやミッキーマウスと並ぶ人気を誇る(中略)羨望から同情まで、これほど幅広い感情を抱かせたスターは他にいない。」とされる[5]。美術史家のゲイル・レビンは、モンローは「20世紀で最も写真に撮られた人物」である可能性があると述べている[101]。
モンローはアメリカ映画協会(AFI)の「アメリカ映画100年の映画スターベスト100」ランキングの女優部門第6位にランキングされている。スミソニアン協会は彼女を「史上最も重要なアメリカ人100人」のリストに加え[372] 、VH1ネットワーク(2003年)と雑誌『バラエティ』(2005年)がそれぞれ開催した「20世紀の最も偉大なポップカルチャーアイコン」のランキングで彼女は第10位にランクされた[373][374]。
女優としての評価
[編集]現代においても文化的アイコンとなっているモンローだが、女優としての評価については批評家の間でも意見が分かれている。
デヴィッド・トムソンは彼女の出演した一連の作品を「中身が無い」と酷評し[375] 、ポーリン・ケイルはモンローは演技が出来なかったとした上で「逆に女優としてのスキルの欠如を利用して大衆を楽しませた。彼女は、自分の肉体美を利用することで、他者にはない「個性」を手にいれたのだ」と評した[376]。
対照的に、ピーター・ブラッドショーは、モンローは「喜劇がその効果をどのように発揮するかを理解する」才能を持ったコメディエンヌだった書いており[377] 、ロジャー・イーバートは「現場でのモンローの奇行と神経質ぶりは悪名高かったが、映画の中の彼女は魔法がかかったような別人になった。だからFOXは長い間、彼女が他の女優たちからどんなに嫌われていても使い続けた」と書いている[378]。 同様に、ジョナサン・ローゼンバウムは、「彼女は自分の作品の性差別的な内容をさりげなく変更させていた」と述べ、さらに「女優としての彼女の知性を認識するのが難しいのは、女性は賢くあるべきではないとされていた抑圧的な時代のイデオロギーが原因だ」とのべている[379]。
関連作品
[編集]- 映画『マリリンとアインシュタイン』(Insignificance、1985、米):監督 ニコラス・ローグ、出演:テレサ・ラッセル、ゲイリー・ビジー、トニー・カーティス
- 映画『ノーマ・ジーンとマリリン』(Norma Jean and Marilyn、1996、米):監督 ティム・フェイウェル、出演:アシュレイ・ジャッド、ミラ・ソルヴィノ、ジョシュ・チャールズ、ピーター・ドブソン
- 映画『マリリン 7日間の恋』(My Week with Marilyn、2011、米)監督 サイモン・カーティス、出演:ミシェル・ウィリアムズ、ケネス・ブラナー
- ドキュメンタリー映画『マリリン・モンロー 瞳の中の秘密』(Love, Marilyn、2013、米・仏)監督リズ・ガルバス
- ノンフィクション『マリリン・モンローの真実』(アンソニー・サマーズ)
- 映画『ブロンド』(Blonde、2022、米):監督 アンドリュー・ドミニク、出演:アナ・デ・アルマス、ボビー・カナヴェイル、エイドリアン・ブロディ
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 1956年に本名も「マリリン・モンロー」へ改名している[1]。
- ^ 「ブロンド女性は暗い髪色の女性より頭が悪い」というステレオタイプに基づくキャラクター。
- ^ グラディスはモンローの出生証明書の父親の欄にモーテンセンの名前を記載しているが、その綴りは誤ったものだった[9]。(出生証明書では「Mortenson」と記されていたが「Mortensen」が正しい)
- ^ 両親は1924年に結婚したが、グラディスが妊娠するかなり前に別居していたため、モーテンソンが父親である可能性は低い[11] 。 伝記作家のフレッド・ガイルズとロイス・バナーは、父親は1925年にグラディスと不倫関係にあった同僚のチャールズ・スタンリー・ギフォードであろうと述べているが、ドナルド・スポトは別の同僚が父親の可能性が高いとみなしていた[12]。
- ^ モンローは8歳の時に下宿人から性的虐待を受けたことを、複数の伝記作家や『パリ・マッチ』誌、『コスモポリタン』誌でのインタビューでも語っている[25]。児童虐待について語ることがタブーとされた当時、モンローが敢えてこの事を語ったことは異例だった[26]。他にモンローは1937年にグレース・ゴダードの夫から、1938年に親せきの家に住んでいたときに従兄弟から性的虐待を受けていたと述べている[27]。
- ^ RKOのオーナーであったハワード・ヒューズは、雑誌の表紙を飾ったモンローに興味を示していた[52]。
- ^ この時期に他のFOX映画にエキストラとして出演したという主張があるが定かでない[58]。
- ^ これらの写真のモデルがモンローであることが公になったのは1952年になってからである。その後、彼女は「現金が必要だったため、やむを得ずヌードの撮影に応じた」と言ってスキャンダルを収めたが、ドナルド・スポトとロイス・バナーは、彼女は必要に迫られた訳ではなく(バナーによれば、彼女は当初、女優への復帰願望があったため躊躇はした)、ヌード写真撮影も単なる仕事の一つと見做していたと述べている[69]。
- ^ 『彼女は二挺拳銃』『アスファルト・ジャングル』『イヴの総て』『The Fireball』『Right Cross』
- ^ ただし、FOX側には1年ごとに契約を見直す権利があった[73]。
- ^ モンローとグリーンは1949年に出会い、短期間だが関係を持っており、1953年に雑誌『ルック』に掲載する写真撮影で再会した。その際、モンローからFOXへの不満を聞いたグリーンがMMP設立を持ちかけた[146]。
- ^ モンローは1955年から亡くなるまで定期的に精神分析を受けていた。彼女の精神分析を担当した精神科医は順に、マーガレット・ホーエンベルク (1955–1957)、アンナ・フロイト (1957)、マリアンヌ・クリス (1957–1961) そしてラルフ・グリーンソン (1960–1962) である[155]。
- ^ モンローはユダヤ人を「被差別民族」と認識しており、改宗してミラーの家族の一員になりたいと考えていた[171] 。彼女はラビ・ロバート・ゴールドバーグの指導で1956年7月1日に改宗した[172] 。 ただし、モンローの宗教としてのユダヤ教への関心は薄く、自らを「ユダヤ的無神論者」と称し、ミラーとの離婚後は、宗教的な品を所持する以外、信仰を実践することはなかったという[172]。
- ^ 1961年にモンローとミラーが離婚すると解除した[172]。
- ^ この子宮内膜症が原因で、モンローは生涯にわたってひどい月経痛に悩まされており、契約書にも生理期間中の欠勤を認める条項があった。また何度も子宮内膜症の手術を受けている[185]。
- ^ モンローが過去に何度か中絶手術を受けており、この際に未熟な医師の施術を受けたことが、流産を繰り返す一因となったとも言われている[186]。ただし、モンローの中絶歴についてはミルトン・グリーンの妻の証言があるものの、具体的な証拠はない[187] 。またモンローの検死報告書にも中絶の形跡があったという記録はない[187]。
- ^ 当時、アメリカの多くの州では長い裁判の手続きを経なければ離婚できなかったが、メキシコでは届けを出すだけで離婚が成立した。そのため手っ取り早く離婚するためにメキシコを訪れる夫婦が多かった。詳細は「en:Mexican divorce」を参照。
- ^ モンローは、初め精神科医マリアンヌ・クリスの勧めで、ニューヨークの「ペイン・ホイットニー精神病院」に入院した[223]。クリスは後に、「この病院を選んだのは間違いだった」と述べている。モンローは重症の精神病患者用病棟で独房のような病室に閉じ込められ、より適した病室に移ることも自分の意志で退院することも許されなかった[223]。結局、入院から3日後にジョー・ディマジオの助力でコロンビア大学医療センターに転院し、さらに23日間入院している[223]。
- ^ モンローとケネディには共通の友人があり、親交があった。肉体関係にあったとの証言もあるが、定かでない[230]。
- ^ 溶液100 mLあたりのミリグラム。詳細はen:Milligram per centを参照。
- ^ 墓所の選定はジョー・ディマジオが行った。ディマジオがここを選んだ理由は、モンローの母親代わりだったグレース・ゴダードとアナ・ローワーの墓があったからである[251]
- ^ ポーラ・ストラスバーグは1966年に死去。リー・ストラスバーグは翌年にアンナと再婚している。
- ^ 邦訳版は1981年に『マリリン - 性と愛の神話』と改題
- ^ 映画の中ではインストルメント・バージョンが使われていて歌はない。これは同映画公開時にPR用に歌ったもの。[要出典]
- ^ ハスケルによれば、モンローは男性よりも女性からの人気が低かった[311]。
- ^ 「ポピュリズム(大衆主義)」と「ラグジュアリー(豪華さ)」をあわせた造語で、チープ感とゴージャス感が同居する1950年代のアメリカ大衆文化を形容する用語[318]
出典
[編集]- ^ “Monroe divorce papers for auctio”. BBC NEWS. (2005年4月21日) 2022年9月14日閲覧。
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関連項目
[編集]- 向井真理子:日本語吹き替えにおけるマリリン・モンローの専属声優
- モンロー (小惑星)
外部リンク
[編集]- 公式ウェブサイト
- マリリン・モンロー - allcinema
- マリリン・モンロー - KINENOTE
- Dear Marilyn
- Marilyn Monroe - IMDb
- Marilyn Monroe - Discogs
- Marilyn Monroe - Find a Grave
- Marilyn Monroe - TCM Movie Database
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