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| 作品名 = 仮面ライダーZO
| 作品名 = 仮面ライダーZO

2021年9月6日 (月) 03:40時点における版

仮面ライダーZO
監督 雨宮慶太
脚本 杉村升
原作 森章太郎
製作 渡辺繁
久保聡(バンダイビジュアル
堀長文
角田朝雄
出演者 土門廣
柴田翔平
音楽 川村栄二
主題歌 INFIX愛が止まらない
撮影 松村文雄
編集 菅野順吉
製作会社 東映
東映ビデオ
バンダイ
公開 1993年4月17日
上映時間 48分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
製作費 3億円[1]
前作 仮面ライダーBLACK 恐怖!悪魔峠の怪人館
次作 仮面ライダーJ
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仮面ライダーZO』(かめんライダーゼットオー)は、1993年4月17日から東映スーパーヒーローフェアの一作として公開された劇場映画。および、それに登場するヒーローの名称[注釈 1]

概要

仮面ライダー誕生20周年記念作品[注釈 2]であり、東映とバンダイが提携した初の作品でもある[3]。また仮面ライダーシリーズ初の劇場用オリジナル作品でもある[4]。『真・仮面ライダー 序章』や次作『仮面ライダーJ』と同様、平成になってから制作された作品であるが、『仮面ライダークウガ』以降のいわゆる「平成仮面ライダーシリーズ」には含まれていない。

タイトルについては、バンダイが提示した初期タイトル案「仮面ライダー20ツーオー」をもとに、「20」を「ZO」に見立てて正式タイトルが決定した[5][6][7]。石森によれば「Z」は究極(無限大)、「O」は原点という意味とのこと[8][7]

作品の尺の都合から、従来のライダーシリーズのような大規模な敵組織は登場せず、1人の科学者によって作り出された生命体同士の対決が描かれている。

本作品のポイントの1つは、「原点回帰」である。ドラスや怪人が雨宮の得意とする生物的なデザインになっているのに対し、ZOは石森が生物を意識して体のラインや関節の継ぎ目が不自然にならないようにしたり、ベルトやブーツ、手袋などを排除したシンプルなデザインになっており[9]、必殺技もパンチとキックのみで、その他の武器や能力は一切持っていない[7]

森章太郎が描き上げたシノプシスでは「天空の騎士」というタイトルで、宇宙から飛来したライダーというストーリー展開であったが、撮影スケジュールや予算面の都合から不採用となった[7]。その後、制作の指揮が委ねられた監督の雨宮のアイデアが盛り込まれたシナリオ第1稿では、本郷猛が主人公となっており、改造手術を新たに受けることによって、名前のみを残して俳優やデザインを一新するという「平成の1号ライダーをつくる」という制作者たちの「原点回帰」への志向が現れた結果となったが、そのアイデアも見送られた[7]。ただし、ZOのパンチやキックというシンプルな技しか用いない戦闘スタイルやクモやコウモリをモチーフとした敵対する相手怪人など、1号の世界観が随所に取り入れられている[7]

予告編は急遽作られたため、シルエットは仮面ライダーBLACKが使用されており、仮面ライダーBLACK RXを主役にする案も出されていたという[7]

また、劇場版・漫画版・小説版でまったく話の方向が違うことも大きな点として挙げられる。望月博士によって生み出されたZOとドラスの戦いという点はどれも変わらないが、オーソドックスなライダーらしいライダーの話として進む劇場版、作者の作風の影響か仮面ライダーとして勝が心の弱さや力不足を特訓でZOが克服していく熱血な要素の強い漫画版、逆に非常に感傷的で家族をテーマにこの作品の悪役であるドラスの家族への欲求やそれが満たされない寂しさなどに大きく割いた小説版、といった具合である。

演出については、CG操演モデルアニメーション・ワイヤーを多用したアクションなど、多様な表現が用いられた[4][10][11]。撮影されたが尺の都合でカットされたシーンの一部は、映像特典に約15分間のダイジェスト映像としてまとめられている。

制作

1992年2月にオリジナルビデオとして制作された『真・仮面ライダー 序章』の売れ行きが好調だったことから成立した企画である[12][注釈 3]。『真』の続編とする案や仮面ライダー1号からBLACK RXまでが登場する娯楽大作とする案なども存在していたが、最終的に新たな仮面ライダーの単独作品となった[12]

当時の東映ビデオ社長・渡邊亮徳バンダイビジュアル社長・山科誠の協同企画案を、マルチ・キャンペーンによる興行力の増幅策推進を条件に[1]、東映社長・岡田茂がいち早く製作に踏み切った[1]。岡田は1992年9月のインタビューで、「今は映像が末広がりで商売になると、商社なんかが儲かる手口を研究しているけど、映画そのものはあんまりよく判らず、投資対象、商売対象として手掛けてみようというようなところと組んでも東映としては意味がない。映画を製作してお互いちゃんと儲けて分の立つことをやろうというところとじゃないと僕は提携したくない。来年の5月にはバンダイの山科君と組んで『仮面ライダー』の新作を出すことに決めている。バンダイはキャラクター商品をリフレッシュして大量販売を狙って力を入れるわけだし、東映は事前にプロモーションの一環として、映像事業部が『仮面ライダー・ワールド』を全国展開するというように、お互い組むことで、両社の総合戦略でゴールデンウイークの一大イベント化しようと、これは組んで意味があることだから、早く決めようというので公開一年前のこの春、『よしやろう』と決めたんだ」[13]、1993年6月のインタビューでは「『仮面ライダーZO』の製作は社内でも抵抗があったんだが、オレが『ダメだ、やれ』とゴールデンウイーク興行を強行させたんだ」などと述べている[14][15]。東映はゴールデンウイーク興行が、1991年の『本気!』『シャイなあんちくしょう』の二本立てが配収1億5000万円[1]、1992年の『赤と黒の熱情』が配収2億円に届かず[1]、2年連続で悲惨な状況に追い込まれていたため[1]、岡田が「やっぱり子ども狙いが確か」と[1]、この年1993年のゴールデンウイーク興行に本作を据えた[1][15]。製作の正式決定は1992年3月[1]。映画、テレビ、催事、物販など、各分野の機能を有機的に結び付け、その相乗効果を興行に及ぼすというマルチ・キャンペーンを実施するためには早期の製作決定が必要だった[1][13]

映像に対する並々ならぬ意欲を燃やすバンダイビジュアルの山科誠は[16]、1992年8月24日付けでバンダイメディア事業本部を販売子会社・バンダイビジュアルに譲渡し、企画から販売まで映像事業を一元化し、映画への積極的投資を打ち出した[16]

「20周年記念作品だから単独作品として公開すべき」との声があったが、興行でのリスクを考慮して「東映スーパーヒーローフェア」と銘打ち、スーパー戦隊シリーズ五星戦隊ダイレンジャー』やメタルヒーローシリーズ特捜ロボ ジャンパーソン』の各劇場版と併映された[4][17]。そのため、当初の想定していた90分前後より短い48分という尺に物語を詰め込んでおり[4]、かなり展開が駆け足になってしまっているが、雨宮によると、尺が短いからこそ幕の内弁当のようにギッシリ詰め込みたかったそうである[18]

制作費は3億円[1]。この額を聞いたアメリカの映画関係者は「なんであれだけのものが、そんな低予算でつくれるんだ?」と驚いたという[19]

1992年11月19日製作開始[1]、同年12月20日撮影完了、1993年2月3日完成[1]

スタッフ・キャスト

監督の雨宮慶太にとっては、本作品が初の全国公開作品である[3]。雨宮は『仮面ライダー』をリアルタイムで視聴していたという大ファンで、企画当初は1号ライダー(仮面ライダー1号)=本郷猛を主人公とした物語にしたいと考えていたという[20][7]。諸般の事情からその考えは実現できなかったものの、猛のように「頼りがいのあるお兄さん」のイメージとして土門廣をキャスティングしたという。

音楽は、『仮面ライダーBLACK』『仮面ライダーBLACK RX』を手掛けた川村栄二が担当[21]。川村の起用は、東映プロデューサーの吉川進の推薦によるものであった[21]。川村は『五星戦隊ダイレンジャー』にも起用され、作業は並行して行われた[21]

評価

全国200館で公開され、観客は100万人を動員[7]配収4億5,000万円を上げ[14][15][注釈 4]、岡田は「『仮面ライダーZO』が1993年4月邦画のナンバーワンになったわけだろ。この現実...。『仮面ライダーZO』がよかったか、悪かったか、議論があるが、とにかくこの種のもの狙って凌ごうということでな。年寄り狙いのもの(『動天』『福沢諭吉』など)をたまにやるのもいいが、当てるのは大変だから、当分は徹底して、幼児ローティーン狙いで着実に稼ぐことを考えるよ。17~18歳から20代のヤングがビデオに取られちゃったんだから、子ども狙いに力を注ぐ。これが一番稼ぎがいいんだから。正月、春、夏、全部マンガで押すという形をどんどんやらせるよ」[14][15]、「映画を取り巻く状況が変わって、ウチも数年ズーッと低迷を続けて来ているのいうのが現状。そこで、思い切って子供路線に転換というのが現在です。色々言われるが、子供路線があるじゃないかと、ウチもまだ生きられるということ。製作・配給・ビデオ、どういう組み方したら東映のメリットになるか、相乗的に相互補完的に協業の実を上げようということです。ヤング・ターゲットのビデオの考え方も取り入れ、子供観客中心にね。確実に儲けを確保する以外、いまの構造的な映画不振、凌ぐ道はないやね。子供路線といっても色々あるから、まあ20歳以下のお客対象にモノを考えるということ。大人もの? ふざけるな、来やしねえじゃないか、なんぼやっても来ねえものやるバカ、何処にいるかということです。全番組子供向けにしてもいいんだよ。大人向きの映画是非やらせてくれというから、損せんように身を削って考えたものなら許可してるだけです」などと話した[22]

本作品公開後に次の劇場用ライダー新作の企画が開始された際、雨宮は本作品の続編を提案している。一緒に提出されたZOの新デザインは手足が銀色になり赤いマフラーやベルトを身に付けた、いわばZO強化案というべきものになっていた。しかし、結果的に新作は『仮面ライダーJ』となっている[注釈 5]

ストーリー

望月博士に作り出された不死身の怪人ドラスは、自らの形を自由にできるネオ生命体だった。ドラスは、より完成された生物になろうと、望月博士の息子・宏を誘拐し博士に手術を迫ることを目論む。

同じく望月博士によりバッタの遺伝子を組み込む改造手術を施された博士の助手・麻生勝は、謎の声に導かれ、望月宏の身を守るため行動を開始する。

登場人物

麻生 勝あそう まさる / 仮面ライダーZO
1968年2月7日生まれ。25歳。物静かな性格で元は臨床遺伝子工学の権威・望月博士の助手として完全生物の開発のための研究を手伝っていた。しかし、強靭な肉体と明晰な頭脳に目を付けられ、実験の狂気に駆られた博士の手により、実験台として半ば無理やりにバッタの遺伝子と機械を部分的に組み込んだネオ生命体のプロトタイプへと改造を施されてしまった。異形の存在となったことにショックを受けて茫然自失となり、博士の研究所を逃亡後、森の洞窟の中で落雷に遭って4年間昏睡状態に陥ったが、オルゴールの音楽とともに「宏をネオ生命体から守れ」という謎のテレパシー[注釈 6]を受信して覚醒する[注釈 7]
性格描写は映画版と小説版では感情を表に出さないやや寡黙な青年、島本和彦によるコミカライズ版では感情をダイレクトに表現する熱血漢となっている。
主人公であるにもかかわらず、劇中では名前を呼ばれていない[注釈 8]
コミカライズ版では自分を狙うドラスによりかつて別れた恋人が蜘蛛女に改造され、さらにそれと知らずに彼女を倒して殺してしまった自責の念から、ドラスとの対決を決意。ナオミの特訓を受けたことで「仮面ライダー」としてドラスに挑む。
望月博士もちづきはかせ
42歳。臨床遺伝子工学の博士号を持つ世界的権威。4年前、自ら望月遺伝子工学研究所を構えて完全生物・ネオ生命体の開発に乗り出す。音楽を愛し、宏にその素晴らしさを伝えるなど、本来は温厚な良き父親だったが、研究が進むにつれ次第に狂気に取りつかれ生命倫理を失い、助手である麻生さえも実験台にしてしまい、2年後に失踪する。しかしその後、ネオ生命体の脅威的な成長に恐れをなして研究を中断しようとしたが、すでに自我を発現させていたネオ生命体により廃工場の生体プールに融合させられて自由を奪われ、さらなる改造を迫られていた。
ZOを吸収したネオ生命体によって機械から引きずり出されたが、最後の力を振り絞って生体プールを破壊した。これがZOの勝利につながったが、身体は既に機械との融合なしでは生命を維持できなくなっており、爆発する廃工場と運命を共にした。
小説版で名は敏郎としろうであると明かされている。同作品では妻(宏の母)の死による悲しみに耐え切れず、それを齎した感情を超越しようと考え狂気に染まって行ったとされる。最後は自らの罪悪とドラスの抱いていた孤独を理解し、ZOに倒され少年の姿に戻ったドラスの亡骸を抱え、燃え盛る廃工場の中へ身を投じた。
島本和彦によるコミカライズ版ではより狂気が前面に出ており、ドラスがZOに苦戦する姿を前に、自身の最高傑作ドラスが劣っているはずがないと、ネオ生命体の要求を呑んで強化してしまう。だが、結局ネオ生命体はZOに倒され、自身の追求した「完全」とは彼の「限界」に過ぎなかった事を悟り、研究が間違っていたことを認め、爆発する廃工場と運命を共にした。
望月 宏もちづき ひろし
望月博士の一人息子。11歳。産まれてすぐ母を亡くし、父も研究三昧の日々のため、祖父の清吉と2人暮し同然に育った。狂気に走る前の父に贈られたオルゴール時計が宝物。博士に自らの再改造を強要するネオ生命体に人質として誘拐される。
廃工場で父と再会したが、ネオ生命体の脅威に晒される。しかし、持ち歩いていたオルゴール時計がネオ生命体の精神をかき乱し、ZOの勝利へとつながった。
漫画版ではほとんど出番がカットされている。
望月 清吉もちづき せいきち
宏の祖父で、育ての親ともいえる。72歳。珍妙な二足歩行機械など、珍発明を繰り返しては失敗する物好き博士として、町の名物となっているが、その陰では密かに宏の父・望月博士の行方を追い続けている。宏を狙うコウモリ男との戦闘では、電撃を発する護身棒を使用して戦闘した。そして、麻生にネオ生命体やZOに関する研究書類を見せる。
玲子れいこ黒田くろだ西村にしむら宮崎みやざき
宏の通う武道道場「東松館道場」の仲間たちで、玲子は師範代。家族の少ない宏にとっては、良き兄・姉役といえる。
ナオミ
漫画版のみのオリジナルキャラクター。映画版での玲子に当たる人物。クモ女に改造されていた恋人を正体を知らぬとは言え、殺してしまった自責の念から、意気消沈する勝を叱咤し再起させ、その心身を鍛えた。

仮面ライダーZO

諸元
仮面ライダーZO
身長 193cm
体重 83kg
ジャンプ力 130m[25]

麻生勝が変身を遂げる、バッタの遺伝子による生体改造と機械的なサイボーグの中間体であるネオ生命体実験体第1号[25][26]。狂気に駆られた望月博士の手によって無理やり改造手術を施された、改造人間である。

「宏を守りたい」という強い意志やドラスへの強い怒りが勝の心に生まれると、そこから精神エネルギーが放射され、大自然のエネルギーと融合して光を発し、勝の全身を包み込むことでバッタの遺伝子が組み込まれた体内のメカニズムが反応し、ZOへと変貌する[23]

改造直後は肉体の変化を自制できなかったが、落雷による4年間の昏睡状態の後に「変身」を会得した[注釈 9][注釈 10]

有機的改造を受けているため、変身前でも頑強な肉体[注釈 11]と特殊能力[注釈 12]を有する。変身後の姿形はバッタを模しており、全身を濃緑色の強靭な外殻状生体装甲[注釈 13]が覆い尽くし、その繋ぎ目を黄金の生物的ラインが駆け巡る。

感情が高ぶると真紅の目が眩く発光し、口腔部分から3対の牙状器官クラッシャー[27][28]が一時的に飛び出し、抑えきれないドラスへの怒りから後頭部のスリットから気を放出する[23]

ZOは人間の肉体を基盤としたネオ生命体第1号であり、ドラスの試作型にあたる。それゆえ、能力は発展型のドラスには劣るはずだが、4年間の昏睡中に腹部のレッドコアが大自然のエネルギーを存分に吸収していたため、ドラスと対等に渡り合える戦闘能力と特殊能力など、未知のパワーの発揮が可能となっている。

望月博士の分析によれば、完全生物にとって弱点である人間の「心」を持っている状態のプロトタイプであるため、ドラスよりも「未熟」とされていたが、結果的にはヒトの熱い「心」によって想像以上の能力を発揮し、ドラスを破ることとなった。劇中の戦闘ではその能力を全開したわけではないため、ポテンシャルは未知数である。

戦闘能力は驚異的であり、打撃は厚さ20センチメートルの特殊合金を粉々に砕き、自動車50台を瞬時にスクラップにすることができる。チョップは鉄の柱をも叩き折り、蹴撃は打撃の約3倍もの威力を発揮する。跳躍力は一跳び130メートルである。必殺技の発声は基本的に行わず、技を決める場合は咆哮する場合が多い[注釈 14]

彼に「仮面ライダー」の名を与えたのは宏である[注釈 15]

制作関連
企画当初の段階では、「自然の守護者(地球環境の保護者)」である「仮面ライダーガイア」という名前であった[7]
仮面ライダーBLACKと仮面ライダーBLACK RXを同一の存在として数えていた際にはZOを13号としていたが[30][7][31][32]、『ネット版 仮面ライダーディケイド オールライダー超スピンオフ』で設定の整理が行われた結果、BLACKが11号、BLACK RXが12号、シンが13号とされ、公式にZOが14号とされた。
デザインについて石森は、敵が生々しいのでシャープにしたと述べている[2]。全身のラインは殻の継ぎ目をイメージしており、マスク部分のラインも口吻としての機能を感じさせることを意図しているなど、生物的なイメージが取り入れられている[33]。腹部のレッドコアは、仮面ライダー1号・仮面ライダー2号のタイフーンを生物的に処理したものである[2]
撮影用スーツは、アップ用とアクション用の2種類が存在し、前者は撮影会の後にダークグリーンに改められた[25]。アクション用は胸部で分割されているが、アップ用は一体成型となっており、スーツアクターを務めた岡元次郎はアップ用ではスムーズな動きが難しかったと述べている[34]。スーツの製作時には岡元の石膏型をとっている[25]
マスクは、アップ用とアクション用のほかに、人が被らないギミック用が存在する[25]。ブレイクトゥーサーのギミックは雨宮の要望により追加されたもので、雨宮は仮面ライダー1号に対する敬意であると述べている[30]

Zブリンガー

諸元
Zブリンガー
全高 1050mm[35]
全長 1995mm[35]
全幅 710mm[35]
重量 180kg[35]
ジャンプ力 30m[35]
最高時速 1300km[36][35]

ZO専用のスーパーバイク。その姿は、バッタもしくはZO自身の姿を模している。変身前の勝は市販バイク(スズキ・バンディット400[37][注釈 16])に乗っているが、彼が変身すると共にその変身時の大自然のエネルギーを受けて変形する(その際、緑色の炎のように揺らぎながら勝とバイクを光の繭が包み込む[35][注釈 17]

カウルは1000度の高熱や100Gの衝撃にも耐える装甲で覆われ、ボディはビルの5階から落下しても無傷の頑丈さを誇る[35]。50tの90式戦車を跳ね飛ばすほどの突進力の体当たり技Zブリンガーアタックという技もあり、この技でドラスとの初戦に白星を挙げた。

昏睡状態から覚醒直後の勝が望月宅に向かう際にはすでに乗っており、制作者は定かではない[37][39][注釈 18]

撮影用車両
ベース車両はスズキGSX-R400R[36][37]。走行性能を優先し、ベース車両のフォルムがほぼそのまま活かされている[36]
前半でのドラスを突き落とすシーンでは、ボール紙で作られたカウルを用いている[4]

その他の登場作品

映画『仮面ライダーワールド
本作品と『仮面ライダーJ』とのクロスオーバー作品。仮面ライダーJと共にシャドームーン率いる再生怪人軍団と戦った。
映画『仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー
仮面ライダーディケイド』の映画作品。終盤に大ショッカーに苦戦するディケイドを助けるために登場し、戦闘シーンは短いもののXやストロンガーと共に向かって来る怪人たち(怪人軍団)を坂から落としていった。今作以降は、シンやJと共にオールライダー(歴代仮面ライダー)の一員として登場している。
映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー
仮面ライダー電王』と『仮面ライダーオーズ/OOO』の映画作品。1号、2号、NEW電王、オーズを救うために他の悪の組織を吸収し一大勢力となったショッカーの怪人連合を倒すべく、人々の思いを受けて他の仮面ライダーと共に登場。本作品でも戦ったドラスと交戦する。ドラスと共にショッカーの怪人連合として登場したスコーピオンイマジンと戦った。映像作品としては、オーナーに初めて「ZO」と呼ばれている。
ネット版『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー 〜ガチで探せ!君だけのライダー48〜』
「Type4. 静聴!20年ライダーの悲劇!!〜おとめ座O型の君へ〜」にメインゲストとして登場。
映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦
ゴーカイレッドによって他の仮面ライダー共々時空の狭間に消されていたが、終盤で他の仮面ライダーたちやスーパー戦隊たちと共に復活し駆け付け、大ショッカーや大ザンギャック(ショッカー・ザンギャック連合)と戦った。
映画『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊
物語開始時点ですでにロックシードに変えられていたが、終盤で復活。地下帝国バダンの怪人として登場したカメバズーカと戦った。平成ライダーとの最終決戦では、Jと共に仮面ライダークウガ仮面ライダーアギトと戦った。
映画『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号
歴史改変の影響を受けてショッカーに敗れたのちにショッカー首領の電子頭脳(「歴史改変マシン」)で洗脳されて他の仮面ライダーと共にショッカーライダーとなり、仮面ライダードライブを襲撃する。最終決戦では1号と2号が電子頭脳を利用して復活した影響によりショッカーライダーの洗脳が解けて正義の仮面ライダーとしてショッカーに立ち向かったが、ライダーロボの歴史改変ビームで消されてしまった。
小説版『S.I.C. HERO SAGA MASKED RIDER ZO EDITION -ZO VS J-』
本作品と『仮面ライダーJ』とのクロスオーバー作品。仮面ライダーJと共に、復活したドラス、さらにドラスとフォッグ・マザーが合体したフォッグ・ドラスと戦った。

ネオ生命体

望月博士によって生み出された肉体を持たない完全生物。生命エネルギーの源である緑色の溶液で満たされた生体プール[41]から円盤の姿で浮かび上がり、そこから宏に似た少年の姿(少年体[42][43])がレリーフ状に浮かび上がる[44]

「感情などに左右されない完全生命体」を目指して作られているため、感情に左右されず合理的に物事を凶悪にして怜悧に考え、ただ自らの強大なパワーを揮う無慈悲な性質で凶暴な生命体。プール外での活動をするため、ドラスを作成した。

  • 造形物は全体のものと、表情を変化させられるギミックを内蔵したものの2種類が用いられた[45]

ドラス

諸元
ドラス
身長 2.04m[45]
体重 94kg[45]
ジャンプ力 150m[46]

ネオ生命体の本体にあたる球体がスクラップ置き場にあった分子分解した廃棄物の金属などの物体と融合して形成した戦闘用ボディの金属生命体[46][41]。一定の姿を持たず、変身移動時には元の球体や空気抵抗の少ない槍状に変形して移動する[46][41]。そのため、最適な形状をそれぞれの場面で取っていることから、戦闘時のドラスの形態は破壊のみを追求した結果であることがうかがえる[46]。右肩の赤い球体からは分子エネルギーがビーム状に変形された数km先の鉄塔をも破壊する分子分解エネルギーをビーム状にした分子破壊光線マリキュレイザー[45][46]の放射(全身からの一斉発射も可能。)、および電流攻撃が可能、厚さ30センチメートルのコンクリートをも貫く最大6メートルまで伸びる[41]伸縮自在な尻尾・ドラステール[46]、右腕から発射するロケットアームや左腕から出るムチなど、数多くの武器を全身に備えている。その戦闘力はZOを遥かに上回るものである。再生能力にも長けており、右腕を切断されても本体が破壊されない限り、周囲の金属物質を融合して巨大な3本爪の腕へと強化再生(復活時には元の腕に戻っているが)[41]したり、腹部を鉄骨に貫かれて機能を停止するなど体の一部が損傷しても周囲の鉄骨などの物質を分子分解して融合することで自己再生したりしている[46][44]。ただし、それほど装甲は頑丈ではないため、高圧電流を浴びると分子分解による欠損を起こす[46]。自らの細胞を使用して分身を掌から生み出すことも可能[46]

誕生から数年と経っていないためか、外見と高い知能に反して精神年齢は幼く一人称は「僕」、望月博士を「パパ」、ZOを「お兄ちゃん」、と呼び[注釈 19]、時々漏れる呼吸音のような音の他、声変わり前の少年のような甲高い声で話す。またこれらの精神的幼さを反映してか、輪から緑色の肌と、赤い目をした少年の上体を突き出したような形態を持つ。

成長過程で自我に目覚め、狂気の望月博士に教わったとおり人間は感情に左右される未熟な生き物と判断し、それを淘汰して生態系の頂点に立とうと望むようになる。しかし、その成長を恐れた望月博士に成長を止められ、定期的に生体プールに浸からなければ生命を維持できない弱点が残ったため、これを克服して完全体となる体質の再改造手術をするよう望月博士に迫り、望月博士を生体プールに接続し、宏を拉致した[44]

最終的にZOを体内に取り込むこと[注釈 20]によって、赤い姿の強化形態になり、宏に詰め寄るが、幼生の時、宏に聞かされていた懐中時計のオルゴールから流れた音色を聞いて育てられたころの記憶を刺激されて優しい気持ちになったため精神に乱れが生じて動きを止め、その隙に生体プールを望月博士に破壊され苦悶していたところに、宏の呼びかけで覚醒したZOと分離。続けざまに放たれたZOキックを受け、父親の名を呼びながら生体プールの側で力尽き、生体プールの溶液とともに消滅した。

感情を超越した究極生命体という設計思想で作られ、自身も感情を侮蔑していたものの、深層心理では望月博士の愛情のようなものを感じている節があり、皮肉にも作中の行動も全てその「感情」に起因したものだった。小説版ではよりはっきりと「家族」に羨望の感情を抱いていたと吐露しており、父親から拒絶され誰も自分を受け入れてくれない、「家族」がいないことが全ての暴走の原因になっていた。作中最大の加害者であり悪でもあると同時に、ドラスもまた望月博士の狂気の被害者であり犠牲者でもあるが、劇場版、漫画版、小説版どれにおいても彼の真の願いである「家族」の暖かさを手に入れるという願いが叶えられ、救われることはなかった。

小説版では、色白で中性的な容姿[注釈 21]の幼い少年の姿でも行動する。

  • 企画段階ではシャドームーンのような「悪の仮面ライダー」として想定されていた[47]
  • 撮影用スーツはアップ用とアクション用が存在し、頭部のみ超アップ用も用意された[45]。一部のシーンではミニチュアを併用している[45]

レッドドラス

諸元
レッドドラス
身長 223cm[48]
体重 177kg[48]

ドラスがZOパンチによって貫かれた腹部の穴からZOの体細胞を分解して光に変えて体内に取り込んで吸収合体[41]して進化した強化タイプ[44]。より筋肉質な外見となり、体色が灰色を基調としたものから血のような赤色に、口が小さくなり、小さい赤色の目が巨大な黒い眼に変化して窪みが目の脇にできて、長く太い湾曲した触角が細く短くなっているなどの違いがある[49]。ZOを取り込むもすぐに分離されてしまい、ほんの短時間の変身となった。

  • 当初は登場の予定はなく、監督の雨宮の提案により追加された[50]。撮影用スーツはアップ用ドラスが撮影現場で改造された[50]
  • 劇中では特に名称はなく、資料によってレッドドラス[48]赤ドラス[51][48][52][53]ドラス・パワーアップ体[48]強化体[42][43]などと記載されている。

その他の登場作品(ドラス)

映画『仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』
『仮面ライダーディケイド』の映画作品。大ショッカーの怪人の一員として登場。
映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010
『仮面ライダーディケイド』と『仮面ライダーW』のクロスオーバー作品。スーパーショッカーの主要怪人[注釈 22]として登場。
映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』
『仮面ライダー電王』と『仮面ライダーオーズ/OOO』のクロスオーバー作品。ショッカーの怪人連合の幹部として国連会議に参加した他、スコーピオンイマジンと共に仮面ライダーZOと戦った。
映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』
第1作では大ショッカーの大幹部として登場。ゴーカイブルーをラリアットとパンチだけで変身解除に追い込むが、突然現れたゴーカイレッドに切り裂かれ、ゴーカイガンで撃たれ爆死した。
映画『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat,スーパー戦隊』
地下帝国バダンの幹部怪人として登場。仮面ライダー響鬼に対決し「音撃打」で倒される。
小説版『S.I.C. HERO SAGA MASKED RIDER ZO EDITION -ZO VS J-』
本作品と『仮面ライダーJ』のクロスオーバー作品。仮面ライダーJを取り込み、ZOと融合した時にはなかった、背中に8枚の緑の羽を生やし、Jパワーを扱えるレッドドラスver.2へと変貌する。その後、Jと分離した後に、フォッグ・マザーを取り込もうとしたが、フォッグ・マザーに逆に体を乗っ取られ、ネオ生命体とフォッグ・マザーの力をあわせ持つフォッグ・ドラスとなった。

その他のネオ生命体

ZOとの戦いでエネルギー不足に陥ったドラスが自身の細胞から生み出した2体のネオ生命体。

諸元
クモ女
身長 270cm
体重 70kg
クモ女
クモの特徴を持つネオ生命体。人間の女性のような顔と乳房を持つ白い体色の巨大なクモの形態を成している[54]。蜘蛛への変身能力を有し、長い9本の鋭い手足と怪力、大きく裂けた口から吐き出す高硬度な糸アラクノイドウェップ[45]が武器。また、エネルギー波によって一種の催眠術でもある異空間を作り出すことができ、倒されない限り脱出することは不可能[54]
東松館から脱出した玲子と宏を異空間に引きずりこんで襲ったが、突入してきたZOに阻まれる。そのまま戦闘に突入し、手の多さと怪力でZOを苦しめたが、触手の1本をもぎ取られて急所の腹部に突き刺され、死亡。死骸は蜘蛛の姿に戻った。
  • ドラスやコウモリ男と違い、ストップモーションアニメと操演のみで撮影されている[45][7]。造形物は人間大のものとミニチュアのほか、表情用の上半身アップモデルも用いられた[45]
島本和彦によるコミカライズ版『仮面ライダーZO』
麻生の恋人が、ドラスによりクモ女の姿に変えられ、ZO(麻生勝)はそれを殺してしまう。
小説版『仮面ライダーZO』
宏の担任の先生がドラスの細胞で作られた蜘蛛に取り付かれ誕生した改造人間として描かれた。
諸元
コウモリ男
身長 182cm
翼長 120cm
最大翼長=7.2m[41]
体重 63kg
コウモリ男
コウモリの特徴を持つネオ生命体。本来の目が退化しているため、両掌に付いている目や額の目で見ている[55]。長い爪を伸ばして体の内部に格納されている巨大な翼を腕から現し、親指以外の両手の8本の指を伸ばして羽根を支える骨格とすることで、時速500kmでの空を飛行することができ[45]、小さな蝙蝠だけでなく人間の姿にも変身することができる[55]。宏の誘拐を目的としているため、戦闘能力は高くない[45][55]
逃げ込んだ宏を追って東松館を襲撃したが、ZOに苦戦し退散。直後クモ女を撃退したZOたちの前に再度現れ、宏をさらおうとしたが、Zブリンガーに乗ったZOとのチェイス戦の末失敗する。その後、街中で望月博士に変身して宏をおびき出して捕獲。救助に来たZOに対し、宏に化けてだまし討ちを試みたが通用せず、首筋に噛みつくもののZOパンチで腹部を貫かれて死亡した。
  • 撮影用スーツは1着のみで、飛行シーンでは1/2スケールのミニチュアが使用された[45]
小説版『仮面ライダーZO』
クモ女同様人間がドラスに改造された姿である。

キャスト

望月博士役に竹中直人、清吉役にいかりや長介を配するというキャスティング案があった[56]

スーツアクター

ドラス役は、当初演じていた横山一敏が『特捜ロボ ジャンパーソン』へ参加するため、途中で高岩成二に交代した[57]。ZO役の岡元次郎と高岩は、後に平成仮面ライダーシリーズで対決シーンを演じることも多く、本作品がその最初とされる[57]

スタッフ

  • 製作 - 山科誠渡邊亮徳
  • 原作 - 森章太郎
  • 企画 - 村上克司バンダイ)、吉川進
  • プロデューサー - 渡辺繁・久保聡(バンダイビジュアル)、堀長文、角田朝雄
  • 脚本 - 杉村升
  • 音楽 - 川村栄二
  • 撮影 - 松村文雄
  • 美術 - 高橋昭彦
  • 照明 - 才木勝
  • 編集 - 菅野順吉
  • 録音 - 太田克己
  • 助監督 - 古庄淳一
  • キャスティング - 酒井福夫
  • 製作主任 - 富田幸弘
  • キャラクターデザイン - 雨宮慶太
  • キャラクター造型 - レインボー造型企画前沢範
  • クリーチャースーパーバイザー - 竹谷隆之
  • 特殊技術 - 國米修市
  • ビジュアルエフェクトスーパーバイザー - 松本肇
  • 技闘補 - 村上潤ジャパンアクションクラブ
  • 記録 - 安藤豊子
  • 助監督 - 柏渕亘、黒木浩介、松田康洋
  • 撮影助手 - 三重野聖一郎、佐藤剛、石山一三、柴田守、川口健太郎
  • 特機 - 加藤勝
  • 美術助手 - 小林巧、寺井雄二、石黒昭一郎、高橋勲、小林牧子
  • 装飾 - 小林和美、羽島幸博、松下仁亮、佐藤廊亮
  • 小道具 - 中村豊
  • 特殊技術助手 - 松本一英、渡辺直樹
  • 装置 - 土居清雄
  • 背景 - 植田義明
  • セット付 - 倉林幸夫
  • カースタント - 武士レーシング
  • ヘアー・メイク - 住吉美加子
  • 衣裳 - 大掛裕子
  • 編集助手 - 田熊純、奥洋子
  • ネガ編集 - 長田直樹
  • 選曲 - 金成謙二
  • 音響効果 - 森賢一
  • 進行助手 - 原田良晴、菅原太
  • 造型スタッフ
    • クリーチャー造型 - 高柳祐介、BADGE
    • クリーチャーモーションメカニカルデザイン - 高山克彦
    • クリーチャーバックアップクルー - 高橋雅人、鬼頭栄作、岡伸行、金牧靖志
    • クリーチャー造型助手 - 須田哲生、椋梨浩之
    • 人形アニメーション - 小杉和次、折笠誠、島崎恭一
  • ビジュアル・エフェクトスタッフ
    • アニメーション エフェクト - 橋本満明、沖満
    • マットアート - 上遠野恵介
    • コンピューター グラフィックス - 篠原保
    • ロトスコープ - 進藤智子
    • エフェクト撮影 - 杉木信章、長部恭平
    • CG出力 - 富士プレゼンテック株式会社
  • 音楽プロデューサー - 峰松毅(アポロン
  • 宣伝 - 茂木俊之、大西弘行、吉田啓昭、入瀬和子
  • クリーチャーコーディネート - 有限会社クラウド
  • 特殊美術 - 特殊美術GAM
  • 現像 - 東映化学
  • 協力 - 東京日産自動車販売株式会社オガワモデリング ほか
  • アクション監督 - 金田治(ジャパンアクションクラブ)
  • 企画協力 - バンダイ ビジュアル
  • 製作協力 - 東映東京撮影所
  • 監督 - 雨宮慶太
  • 製作 - 東映東映ビデオ、バンダイ

音楽

主題歌「愛が止まらない」
作詞 - 大津あきら / 作曲・編曲 - 川村栄二 / 歌 - INFIX
挿入歌「微笑みの行方」
作詞 - 大津あきら / 作曲・編曲 - 川村栄二 / 歌 - INFIX

またオープニングの音楽が、White Zombieの楽曲「Electric Head Pt.1」のイントロとして使用されている。

他媒体展開

映像ソフト化

すべて、バンダイビジュアルよりリリースされている。

小説

『仮面ライダーZO-闇の少年-』
小学館スーパークエスト文庫から1993年5月に刊行された射口巌によるノベライズ。サブタイトルのモチーフになっているドラスを初めとして登場人物の心理が映画版より細かく描写されており、他、細部の設定、並びに結末も映画版とはやや異なったものになっている。
S.I.C. HERO SAGA MASKED RIDER ZO EDITION -ZO vs J-』
本作品と『仮面ライダーJ』のクロスオーバー作品。仮面ライダーJと共にフォッグ・ドラスと戦った。ドラスが仮面ライダーJを取り込んだレッドドラスver.2やフォッグを取り込んだフォッグ・ドラスも登場した。

漫画

島本和彦版
島本和彦によるコミカライズが、「月刊少年キャプテン」誌の1993年5月号から7月号まで掲載された。1993年徳間書店から、島本が手がけた『イミテーション・7』(『仮面ライダーBlack』および『仮面ライダーBLACK』の外伝的ストーリー。「週刊少年サンデー30周年記念増刊号」(小学館)初出)を併録した単行本が発売され、続いて2011年には新たな後書きなどを加筆した『仮面ライダーZO 完全版』が発売。玲子の代わりとも言えるオリジナルキャラクターが登場し、ストーリーも話の流れや登場人物こそほぼ同じであるものの、本質的な部分で島本らしい改変がなされていて映画とは全く別の作品と言える。
青木たかお版
青木たかおによるコミカライズが、「てれびくん」誌の1993年2月号から11月号まで掲載された。ZOへの変身は改造ではなくウイルスによるものとなっているが、2月号から7月号までの前半はドラスとZOとの攻防となっており、細かい設定以外は映画と同じストーリーとなっている。しかし、8月号からの後半は仮面ライダーBLACK RXに変身する南光太郎が先輩として登場。RXと協力してシャドームーンに憑依したジャーク将軍と闘うオリジナルストーリーとなっている。
塚田秀一郎版
塚田秀一郎によるコミカライズが、立風書房「仮面ライダーZO大百科」に掲載された。

テレビスペシャル

『闘え!ぼくらの仮面ライダー 〜最強のライダーZO誕生!!〜』
公開前の3月27日TBSの17:00〜17:30の枠で放映された。TBS系で仮面ライダーシリーズが放送されたのは、バラエティやクイズ番組で映像の一部を使用したものや再放送を除くと、この番組が最後となった。同時間帯では翌週から円谷プロダクション制作の『電光超人グリッドマン』がスタートした。
出演
ナレーター

ゲーム

メガCD用ゲームソフト『仮面ライダーZO』
1994年5月13日に東映ビデオからリリースされたゲーム化作品。メディアはCD-ROM。ゲームの内容は映画本編の映像を利用したリアルタイムアクション+アドベンチャーで、戦闘シーンなどにおいて画面上に表示されるサインに従いキー入力を行い、指示通りの入力をタイミングよく行えば先に進めるというもので、アーケードゲームのLDゲームと同様のゲームシステムである。ゲームの進め方によっては劇場公開作品では削除されたシーンを見ることも可能。
ゲーム制作は、『タイムギャル』『サンダーストームFX』『ロードブラスターFX』『忍者ハヤテ(日本未発売)』など、アーケード用LDゲームをメガCDでリリースしたという実績を持つウルフチームが請け負った。

他映画

仮面ライダーワールド
本作および『仮面ライダーJ』のクロスオーバー作品。仮面ライダーZOが登場。
劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』(2009年8月8日公開)
仮面ライダーディケイド』の映画作品。仮面ライダーZOとドラスが登場。
仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』(2009年12月12日公開)
仮面ライダーW』と『仮面ライダーディケイド』のクロスオーバー作品。ドラスが登場。
オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』(2011年4月1日公開)
仮面ライダーオーズ/OOO』と『仮面ライダー電王』のクロスオーバー作品。仮面ライダーZOとドラスが登場。
スーパーヒーロー大戦シリーズ
いずれも仮面ライダーシリーズスーパー戦隊シリーズのクロスオーバー作品。
仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』(2012年4月21日公開)
仮面ライダーZOとドラスが登場。
平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』(2014年3月29日公開)
仮面ライダーZOとドラスが登場。
スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』(2015年3月21日公開)
仮面ライダーZOが登場。

脚注

注釈

  1. ^ 劇中では呼称されない。
  2. ^ ただし、厳密に言うと22周年作品である。原作者の森章太郎は、企画が長引いたため22年目になってしまったことを証言している[2]。これについてはネットムービー『ネット版 オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー 〜ガチで探せ!君だけのライダー48〜』のネタとして扱われた。
  3. ^ 森は、映画の企画自体は『真』とは別に存在していたと証言している[2]
  4. ^ 資料によっては5億円と記述している[7]
  5. ^ ZOの新デザイン画は、『仮面ライダーJ』のDVDに収録されている。
  6. ^ 後に望月博士と会った際に、彼が送っていたことが判明する。
  7. ^ 関連書籍上では、山中で眠る間に大自然のエネルギーを吸収し、望月博士の想定を上回る強さを身につけたという設定が明かされている[23][24]
  8. ^ DVD収録のメイキングや未公開映像には、宏をコウモリ男から救出したZOのもとに駆けつけた清吉が、ZOの姿を見るなり「息子の助手をしておった麻生勝、そうじゃな?」と尋ねる場面があった。
  9. ^ 歴代ライダーと同様に変身ポーズが存在するが、勝のそれはきわめて簡素であり、最終決戦でのみ披露された(劇中では5度変身しているが、変身ポーズによるもの以外は、勝の意志一つでパンチを繰り出しながらの変身やバイクとともにZOに変身している。)[23]
  10. ^ 変身ポーズは、精神を昂揚させて集中するためのものであるため、不可欠なものではない[23]
  11. ^ 生身でドラスのマリキュレイザーの直撃を耐え忍ぶほど。その直後、負傷の影響を微塵も感じさせずに変身して戦闘へ移行している。
  12. ^ 100メートル先の鳴き声をも聞き取る聴力や、ミュータントバッタとの精神感応による交信や念力を含めた超能力、宏が持つ壊れた懐中時計のオルゴールを修復した未知のパワーなど。
  13. ^ 超至近距離でドラスのマリキュレイザーが直撃したにもかかわらず、一部の装甲が焼け付く程度の強度を誇る。自己再生能力も高く、傷口も短時間で治癒される。
  14. ^ 公式設定ではZOパンチZOキックと命名されている[27][29]島本和彦によるコミカライズ版ではZOキックの名称がライダーキックとなっており、発声も行っている。
  15. ^ 島本和彦によるコミカライズ版では、望月清吉が望月博士のレポートで「仮面ライダー」と書かれていたと語っている。
  16. ^ 資料によってはバンディット250と記述している[35]
  17. ^ バイクに乗っての変身シーンは、仮面ライダー旧1号の変身を意識している[7][38]。雨宮は、1号のように変身前後の映像を二重写しにしようとしていたが、時間の都合で見送られている[7]
  18. ^ 一部の書籍では、「望月博士が改造手術と同時に開発・製作した」と記述している[35][40]
  19. ^ 宏は「宏君」と呼んでいる。
  20. ^ この吸収して取り込むという行為は、他作品への登場でもネオ生命体の特色の1つとして描かれており、『HERO SAGA』や『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』では、ZOではない個体を吸収することにより、レッドドラス以外への進化も行っている。小説版では、劇中でも描写されたアジトの壁に張り付く有機物はドラスの細胞に取り込まれた多くの生物の成れの果てであり、望月博士を含め生命の維持をドラスに依存する存在にされていた。
  21. ^ 望月博士がある二人の人物に似せて作った姿とされる。
  22. ^ スーパー死神博士からは最強最悪の怪人、仮面ライダーディエンドからは邪悪な金属生命体と呼ばれている。
  23. ^ 冒頭のシーンを担当した[34]
  24. ^ ノンクレジット

出典

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参考文献

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  • テレビマガジン特別編集 劇場版シリーズ第10作「仮面ライダーZO」公開記念 仮面ライダー映画大全集』講談社、1993年6月10日。ISBN 4-06-178415-3 
  • 『仮面ライダー大図鑑1J・ZO・真編』メディアワークス、1994年5月30日。ISBN 4-07-301517-6 
  • 石井博士ほか『日本特撮・幻想映画全集』勁文社、1997年。ISBN 4766927060 
  • 竹書房/スタジオ・ハード編 編『仮面ライダー画報』竹書房、2001年9月25日。ISBN 4-8124-0783-4 
  • 『決定版 仮面ライダー 完全超百科』講談社、2003年12月20日。ISBN 4-06-304492-0 
  • 『決定版 仮面ライダー パーフェクト超百科』講談社、2006年6月26日。ISBN 4-06-304569-2 
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  • 講談社編 編『仮面ライダー大全 昭和編 AD1971-1994』講談社〈キャラクター大全〉、2011年7月27日。ISBN 978-4-06-216993-6 
  • 『決定版 オール仮面ライダー&全怪人超百科〈昭和編〉』講談社、2013年5月24日。ISBN 978-4-06-304836-0 
  • 『東映ヒーロー仮面俳優列伝』鴬谷五郎[編著]、辰巳出版、2014年12月20日。ISBN 978-4-7778-1425-1 
  • 宇宙船』VOL.150(2015 autumn)、ホビージャパン、2015年10月1日、ISBN 978-4-7986-1099-3 
  • 『週刊 仮面ライダー オフィシャルデータファイル』デアゴスティーニ・ジャパン
    • 「仮面ライダーデータベース 仮面ライダーZO」『週刊 仮面ライダー オフィシャルデータファイル』79号、2009年9月18日、SERIES EX3 FILE 01 SHEET 01。 
    • 「怪人図鑑 仮面ライダーZO」『週刊 仮面ライダー オフィシャルデータファイル』87号、2009年11月17日、SERIES EX3 FILE 01 SHEET 01。 
    • 「怪人図鑑 仮面ライダーZO」『週刊 仮面ライダー オフィシャルデータファイル』104号、2010年3月16日、SERIES EX3 FILE 01 SHEET 02。 
    • 「怪人図鑑 仮面ライダーZO」『週刊 仮面ライダー オフィシャルデータファイル』33号、2008年10月28日、SERIES EX3 FILE 02 SHEET 01。 
    • 「怪人図鑑 仮面ライダーZO」『週刊 仮面ライダー オフィシャルデータファイル』12号、2008年6月3日、SERIES EX3 FILE 03 SHEET 01。 
    • 「怪人図鑑 仮面ライダーZO」『週刊 仮面ライダー オフィシャルデータファイル』100号、2010年2月16日、SERIES EX3 FILE 04 SHEET 01。 
    • 「アイテムカタログ 仮面ライダーZO」『週刊 仮面ライダー オフィシャルデータファイル』72号、2009年8月4日、SERIES EX3。 
    • 「エピソードガイド 仮面ライダーZO」『週刊 仮面ライダー オフィシャルデータファイル』8号、2008年5月7日、SERIES EX3 SHEET 01。 
    • 「トピックインフォメーション 仮面ライダーZO」『週刊 仮面ライダー オフィシャルデータファイル』11号、2008年5月27日、SERIES EX3 SHEET 01。 

外部リンク