「軌間可変電車」の版間の差分
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{{Otheruses|日本の軌間可変電車(フリーゲイジトレイン)|各国の軌間可変電車およびシステム全般|軌間可変}} |
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{{Pathnav|新在直通運転}} |
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| 出典の明記 = 2023年2月 |
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{{加筆|第三次試験車両の節の2018年以降の説明を書いてください。|date=2023-05-11}} |
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[[ファイル:Free Gauge Train GCT-01 at kamogawa.jpg|thumb|250px|第一次試験車両([[予讃線]] [[鴨川駅]]にて 2003年(平成15年)5月撮影)]] |
[[ファイル:Free Gauge Train GCT-01 at kamogawa.jpg|thumb|250px|第一次試験車両([[予讃線]] [[鴨川駅]]にて 2003年(平成15年)5月撮影)]] |
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日本における'''軌間可変電車'''(きかんかへんでんしゃ)とは、電車[[軌間]]を線路軌間に変動可能な[[試験車|試験電車]]。'''フリーゲージトレイン'''(Free Gauge Train, FGT)<ref>[http://www.jrtt.go.jp/02business/construction/const-fgauge.html フリーゲージトレイン] - [[鉄道建設・運輸施設整備支援機構]](更新日不明/2017年9月21日閲覧)</ref> ともいうが、これは[[和製英語]]であり、直訳すると「軌間が定まらない |
日本における'''軌間可変電車'''(きかんかへんでんしゃ)とは、電車[[軌間]]を線路軌間に変動可能な[[試験車|試験電車]]。'''フリーゲージトレイン'''(Free Gauge Train, FGT)<ref>[http://www.jrtt.go.jp/02business/construction/const-fgauge.html フリーゲージトレイン] - [[鉄道建設・運輸施設整備支援機構]](更新日不明/2017年9月21日閲覧)</ref> ともいうが、これは[[和製英語]]であり、直訳すると「軌間が定まらない車両」となる。[[英語]]では Gauge Changeable Train または Gauge Convertible Train (共に直訳で「軌間可変車両」)と呼称される。 |
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[[日本]]では、主に[[標準軌]](1,435 mm)と[[狭軌]](1,067 mm)の両方の[[線路 (鉄道)|線路]]上を走行可能な車両を開発すべく、[[国土交通省]]の施策で[[日本鉄道建設公団]](現・[[鉄道建設・運輸施設整備支援機構]])の委託によりフリーゲージトレイン技術研究組合が開発を進めていたが、日本の急曲線が多い環境への対応が難しく実用化に至っていない<ref>"高速鉄道の柔軟な展開" RRR Vol.78 No.10 鉄道総合技術研究所 2021 p.30</ref>。2025年度(令和6年度)中に[[九州新幹線]]内に残る最後の試験設備の撤去工事の完了が予定されており、[[共同通信社]]によると開発を事実上断念する方向である<ref name="共同2024-7-14">[https://news.yahoo.co.jp/articles/42f14cd05da2a9e81877491e3305f4b17973eb1c "フリーゲージトレイン設備撤去へ 九州新幹線導入頓挫、10月にも"] 共同通信社/Yahoo!ニュース 2024年7月14日更新 2024年7月16日閲覧</ref>。 |
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== 概要 == |
== 概要 == |
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[[軌間可変]]は[[鉄道車両]]が異なる[[軌間]]の線路へ直通できる機構で、この機構を用いれば例えば[[標準軌]]と[[狭軌]]の路線間を[[直通運転]]する[[列車]]を運行でき、[[旅客|乗客]]・[[貨物]]・荷物の[[乗換駅|乗り換え]]・載せ替えが不要となって利用者の負担軽減を図ることができる。具体的な数値として、[[日本鉄道建設公団]](現・[[鉄道建設・運輸施設整備支援機構]])が[[新在直通運転]]について2001年(平成13年)に公開した報告書『新幹線直通運転化事業調査報告書』は、「通常の乗り換え1回の解消は、乗車時間が30分程度短縮される効果と同等の価値を有する」としている<ref>[https://news.mynavi.jp/article/20230718-shinkansenhakodate/ "新幹線函館乗入れの調査費「捨てるようなもの」無知と誤解の原因は"] 杉山淳一 マイナビニュース 2023年7月18日6:05掲載 2023年8月28日閲覧</ref>。 |
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[[軌間可変]]は[[鉄道車両]]が異なる[[軌間]]の線路へ直通できる機構である。[[車輪]]を[[車軸]]方向にスライドさせる[[鉄道車両の台車|台車]]を搭載した車両を、軌間の異なる線路を接続するように設置された軌間変換装置を通過することで軌間を変更できる。この技術を用いれば、標準軌の[[新幹線]]と狭軌のままの[[在来線]]を[[直通運転]]する[[列車]]を運行できる。また、[[乗換駅|乗換え]]が不要となり、利用者の負担軽減を図れる。 |
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[[オイルショック]]の経済混乱期以降、[[整備新幹線]]の建設にあたってはその効果に加えてコストも重視されるようになり、[[ミニ新幹線|改軌(ミニ新幹線)方式]]と本項の軌間可変電車方式による整備が検討された。期間可変電車方式は、全線[[フル規格]]新幹線に対しては所要時間の面で格段に劣るが、新規路線の建設用地確保が不要であるため建設コストや建設期間を大幅に抑えられる。また、ミニ新幹線方式に対しては改軌によるコストや在来線の[[鉄道路線|ネットワーク]]の寸断が生じないという利点がある。さらに、直通運転によるメリットは新在直通運転だけでなく軌間が異なる在来線路線同士の直通運転(在来線軌間可変電車)でも当てはまると考えられた<ref>[https://merkmal-biz.jp/post/16870 "結局理想が高すぎた? 異なる軌間を行く「フリーゲージトレイン」、約四半世紀たっても実用化されないワケ"] 赤羽良男 Merkmal 2022年8月2日更新 2024年7月16日閲覧</ref>。 |
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しかし、1990年代の研究開始以来、[[実用]]化のめどはなお立っておらず、開発費が嵩んでいる。開発に投じた[[公金]]は約550億円<ref name="NetIB-NEWS_2020-9-4">[https://www.data-max.co.jp/article/37461 "【ラスト50kmの攻防(8)】「これ以上はFGT開発に予算と時間を割けない」FGT断念、国交省ひたすら陳謝」"] NetIB-NEWS 2020年9月4日14:30更新 2024年7月18日閲覧</ref>。これまでの試験車両{{どれ|date=2024年7月}}の試験結果では、新幹線区間では目標を達成しているものの、在来線の曲線区間においては、既存の[[特別急行列車|特急列車]]に比べて速度が最大で40 km/hも低い状態であった。その後新たに開発された新形台車も[[振動]]や速度、車軸摩耗といった問題があった<ref name="乗りものニュース_2022-10-13">[https://trafficnews.jp/post/122313 "フリーゲージトレインまだやるの? JRも拒否した30年払拭できぬデメリット 計画は存在"] 安藤昌季 乗りものニュース 2022年10月13日更新 2024年7月17日閲覧</ref>。2020年(令和2年)9月2日、国土交通省鉄道局次長(当時)は[[佐賀県議会]]新幹線問題対策特別委員会で「安全性と経済性を考え、これ以上はFGT開発に予算と時間を費やせない」と強調して語った。新在直通車両のFGTはフル規格新幹線車両の1.9倍から2.3倍割高な上、最高速度は270km/hであり、300km/h時代([[新幹線500系電車|500系]]/[[新幹線N700系電車|N700系]]は300km/h、[[新幹線E5系・H5系電車|E5系]]/[[新幹線E6系電車|E6系]]は320km/h)には使えないという背景もあった<ref name="NetIB-NEWS_2020-9-4" />。 |
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全線[[フル規格]]新幹線に対しては所要時間の面で格段に劣るが、新規路線の建設用地確保が不要であるため建設コストや建設期間を大幅に抑えられる。また、[[ミニ新幹線]]のように改軌による在来線の[[鉄道路線|ネットワーク]]の寸断も生じない。このため、[[実用]]化に至れば、[[新幹線直行特急|新在直通乗り入れ]]という同じ効用を得るためのコストとしては、軌間可変電車のほうが格段に低くなる。そのため新規のミニ新幹線が建設される可能性は低くなる。 |
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⚫ | 2022年に部分開業した[[西九州新幹線]]([[武雄温泉駅|武雄温泉]] - [[諫早駅|諫早]])では軌間可変電車の実用化を前提として工事が進められていたが<ref>{{Cite news|url=http://www.saga-s.co.jp/news/sinkansen.0.2236465.article.html|title=九州新幹線長崎ルート、着工認可 2022年一括開業|newspaper=[[佐賀新聞]]|publisher=佐賀新聞社|date=2012-06-30|accessdate=2017-02-08|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170921145459/http://www1.saga-s.co.jp/news/sinkansen.0.2236465.article.html |archivedate=2017-09-21}}</ref>、実用化の目処が立たなかったことから[[九州旅客鉄道|JR九州]]は軌間可変電車の導入を断念した<ref name="saga-s20151206">{{Cite news|url=http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/256616|title=22年度全面開業は困難 九州新幹線長崎ルート|newspaper=佐賀新聞|publisher=佐賀新聞社|date=2015-12-05|accessdate=2017-02-08|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180723212514/http://www.saga-s.co.jp/articles/-/38758 |archivedate=2018-07-23}}</ref>。 |
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ただし、十数年かけてもなお[[実用]]化のめどは立っておらず、開発費が嵩んでいる。これまでの試験車両の試験結果では、新幹線区間では目標を達成しているものの、在来線の曲線区間においては、既存の[[特別急行列車|特急列車]]に比べて速度が最大で40 km/hも低い状態であった。その後新たに開発された新形台車も[[振動]]や速度に問題があり、台車の改良は断念された。 |
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軌間が異なる路線同士の在来線の直通運転(異ゲージ在来線直通運転、在来線軌間可変電車)は、[[近畿日本鉄道]]の[[近鉄京都線|京都線]]・[[近鉄橿原線|橿原線]]と[[近鉄吉野線|吉野線]]の直通運転と、[[東京都]][[大田区]]などが計画中の[[蒲蒲線]](新空港線)を介した[[東急多摩川線]]と[[京急空港線]]の直通運転で導入が検討されている<ref name="乗りものニュース_2022-10-13"/>。 |
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== 開発過程 == |
== 開発過程 == |
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=== 要素技術開発 === |
=== 要素技術開発 === |
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* [[1993年]]([[平成]]5年)3月、[[タルゴ]]社が、日本で台車をつくることについて[[住友金属工業]]に[[軌間可変車軸]]の[[ライセンス生産|ライセンス]]を与えた。 |
* [[1993年]]([[平成]]5年)3月、[[タルゴ]]社が、日本で台車をつくることについて[[住友金属工業]]に[[軌間可変車軸]]の[[ライセンス生産|ライセンス]]を与えた<ref>{{Cite web |url=https://www.talgo.com/our-history |title=Talgo-our history |access-date=2022/7/17 |publisher=Talgo}}</ref>。 |
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* [[1994年]](平成6年)より[[鉄道総合技術研究所]]が台車や軌間変換の基礎技術開発を進めた。 |
* [[1994年]](平成6年)より[[鉄道総合技術研究所]]が台車や軌間変換の基礎技術開発を進めた。 |
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** 11月2日、鉄道総研へ搬入され12月まで構内で試験走行{{R|交通981027}} |
** 11月2日、鉄道総研へ搬入され12月まで構内で試験走行{{R|交通981027}} |
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* [[1999年]](平成11年) |
* [[1999年]](平成11年) |
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** 1月、[[山陰本線]]([[米子駅|米子]] - [[安来駅|安来]])で走行試験(100 km/h) |
** [[1月22日]] - [[1月31日]]、[[山陰本線]]([[米子駅|米子]] - [[安来駅|安来]])で走行試験(100 km/h)<ref>{{Cite news |title=22日から山陰線で試験 軌間可変電車 狭軌での安定性見極め |newspaper=[[交通新聞]] |publisher=交通新聞社 |date=1999-01-19 |page=1 }}</ref> |
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** 4月 - [[2001年]](平成13年)1月、[[アメリカ合衆国]][[コロラド州]]にある[[運輸技術センター|運輸技術センター(TTCI)プエブロ実験線]]で、標準軌での[[ストレステスト|高速耐久試験]]を実施。最高速度246 km/h、累積走行距離600,000 km、軌間変換回数2000回を達成 |
** 4月 - [[2001年]](平成13年)1月、[[アメリカ合衆国]][[コロラド州]]にある[[運輸技術センター|運輸技術センター(TTCI)プエブロ実験線]]で、標準軌での[[ストレステスト|高速耐久試験]]を実施。最高速度246 km/h、累積走行距離600,000 km、軌間変換回数2000回を達成 |
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* [[2001年]](平成13年) |
* [[2001年]](平成13年) |
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* [[2003年]](平成15年)5月 - 6月、[[予讃線]]で走行試験 |
* [[2003年]](平成15年)5月 - 6月、[[予讃線]]で走行試験 |
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* [[2004年]](平成16年)[[8月23日]] - [[10月28日]]、[[山陽新幹線]]で[[新幹線]]での走行試験、[[新山口駅|新山口]] - [[新下関駅|新下関]]間を15回に渡って走行(最高速度210 km/hまでを試験) |
* [[2004年]](平成16年)[[8月23日]] - [[10月28日]]、[[山陽新幹線]]で[[新幹線]]での走行試験、[[新山口駅|新山口]] - [[新下関駅|新下関]]間を15回に渡って走行(最高速度210 km/hまでを試験) |
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* [[2006年]](平成18年)までに試験が終了し、[[小倉総合車両センター|JR九州小倉工場]]内に留置されていたが、[[2007年]](平成19年)4月以降は[[四国旅客鉄道多度津工場|JR四国多度津工場]]内に移動。その後も留置されていたが、[[2013年]](平成25年)[[7月23日]]から[[解体]]が始まった<ref>{{Cite web|work=[[鉄道ファン (雑誌)|railf.jp(鉄道ニュース)]] |date=2013年7月25日 |url=http://railf.jp/news/2013/07/25/170000.html |title=フリーゲージトレイン1次車の解体が始まる |publisher=[[交友社]] |accessdate=2018年2月11日}}</ref>。 |
* [[2006年]](平成18年)までに試験が終了し、[[小倉総合車両センター|JR九州小倉工場]]内に留置されていたが、[[2007年]](平成19年)4月以降は[[四国旅客鉄道多度津工場|JR四国多度津工場]]内に移動。その後も留置されていたが、[[2013年]](平成25年)[[7月23日]]から[[解体]]が始まった<ref>{{Cite web|和書|work=[[鉄道ファン (雑誌)|railf.jp(鉄道ニュース)]] |date=2013年7月25日 |url=http://railf.jp/news/2013/07/25/170000.html |title=フリーゲージトレイン1次車の解体が始まる |publisher=[[交友社]] |accessdate=2018年2月11日}}</ref>。 |
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第一次試験車両はGCT01-1、GCT01-2、GCT01-3の3両編成。走行試験では新幹線区間でも200 km/hまでしか出せず、車輪が揺れる問題もあった<ref name="nishinippon_20100820">[http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/192047 九州新幹線長崎ルート フリーゲージ開発 また難航 新型台車にも不具合 開業に遅れる恐れ]{{リンク切れ|date=2014年10月}} - [[西日本新聞]] 2010年8月20日付</ref>。 |
第一次試験車両はGCT01-1、GCT01-2、GCT01-3の3両編成。走行試験では新幹線区間でも200 km/hまでしか出せず、車輪が揺れる問題もあった<ref name="nishinippon_20100820">[http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/192047 九州新幹線長崎ルート フリーゲージ開発 また難航 新型台車にも不具合 開業に遅れる恐れ]{{リンク切れ|date=2014年10月}} - [[西日本新聞]] 2010年8月20日付</ref>。 |
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小倉工場で基本的な安全性を確認したのち、8月までに日豊本線で走行試験が開始される予定であったが、機器類の調整で12月まで延期された。[[2009年]](平成21年)6月に新八代駅構内の新在直通試験線での新在直通試験実施。[[2009年]](平成21年)7月下旬からは[[九州新幹線|九州新幹線鹿児島ルート]]の[[新水俣駅|新水俣]] - [[川内駅 (鹿児島県)|川内]]間において新幹線区間の走行試験が実施され、最高速度は270km/hだった。しかし、台車に問題が多く、この台車での実用化は断念された<ref name="nishinippon_20100820" />。走行試験は2009年(平成21年)末で中断され、[[2010年]](平成22年)現在新たな台車の開発に移行したものの、その「3代目」の台車でも車輪のぶれが発生し、改良が難航していた<ref name="nishinippon_20100820" />。[[9月7日]]に開かれた国の軌間可変技術評価委員会ではカーブでの走行試験結果について「台車の改良だけでは目標達成は難しい」とし、今後は台車の小型・軽量化と併せ、レールの継ぎ目を少なくする「ロングレール化」やレールの幅など誤差の管理を厳しくする「軌道整正」などの改良を検討し、目標達成を目指す考えを示した。一方、車輪の幅を変える軌間可変機構などの技術は一定の耐久性を確認し「確立のめどが立った」としている<ref>[http://www.nagasaki-np.co.jp/press/sinkansen/kiji/102.shtml フリーゲージトレイン実用化へはレールも改良必要 国交省技術評価委]{{リンク切れ|date=2014年10月}} [[長崎新聞]] [[2010年]]([[平成]]22年)[[9月8日]]</ref>。 |
小倉工場で基本的な安全性を確認したのち、8月までに日豊本線で走行試験が開始される予定であったが、機器類の調整で12月まで延期された。[[2009年]](平成21年)6月に新八代駅構内の新在直通試験線での新在直通試験実施。[[2009年]](平成21年)7月下旬からは[[九州新幹線|九州新幹線鹿児島ルート]]の[[新水俣駅|新水俣]] - [[川内駅 (鹿児島県)|川内]]間において新幹線区間の走行試験が実施され、最高速度は270km/hだった。しかし、台車に問題が多く、この台車での実用化は断念された<ref name="nishinippon_20100820" />。走行試験は2009年(平成21年)末で中断され、[[2010年]](平成22年)現在新たな台車の開発に移行したものの、その「3代目」の台車でも車輪のぶれが発生し、改良が難航していた<ref name="nishinippon_20100820" />。[[9月7日]]に開かれた国の軌間可変技術評価委員会ではカーブでの走行試験結果について「台車の改良だけでは目標達成は難しい」とし、今後は台車の小型・軽量化と併せ、レールの継ぎ目を少なくする「ロングレール化」やレールの幅など誤差の管理を厳しくする「軌道整正」などの改良を検討し、目標達成を目指す考えを示した。一方、車輪の幅を変える軌間可変機構などの技術は一定の耐久性を確認し「確立のめどが立った」としている<ref>[http://www.nagasaki-np.co.jp/press/sinkansen/kiji/102.shtml フリーゲージトレイン実用化へはレールも改良必要 国交省技術評価委]{{リンク切れ|date=2014年10月}} [[長崎新聞]] [[2010年]]([[平成]]22年)[[9月8日]]</ref>。 |
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[[2011年]](平成23年)3月に改良台車が完成し、四国へ送られる。当初は4月から試験走行を開始すると報じられたが<ref>[http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/article.aspx?id=20110310000210 フリーゲージトレイン四国上陸/4月に走行試験] [[四国新聞]] [[2011年]](平成23年)[[3月10日]]{{リンク切れ|date=2019年2月}}</ref>、予定より遅れて[[6月28日]]に[[予讃線]] [[多度津駅|多度津]] - [[坂出駅|坂出]]間で新しい台車を装着した試験走行がスタートした<ref name="shikoku110629">[ |
[[2011年]](平成23年)3月に改良台車が完成し、四国へ送られる。当初は4月から試験走行を開始すると報じられたが<ref>[http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/article.aspx?id=20110310000210 フリーゲージトレイン四国上陸/4月に走行試験] [[四国新聞]] [[2011年]](平成23年)[[3月10日]]{{リンク切れ|date=2019年2月}}</ref>、予定より遅れて[[6月28日]]に[[予讃線]] [[多度津駅|多度津]] - [[坂出駅|坂出]]間で新しい台車を装着した試験走行がスタートした<ref name="shikoku110629">[https://archive.today/2013.05.01-142033/http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/economy/20110629000157 深夜の予讃線で走行試験/フリーゲージトレイン] 四国新聞 2011年(平成23年)[[6月29日]]</ref><ref name="nishinippon110704">[http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/251826 フリーゲージ開発正念場 長崎ルート計画に影響も]{{リンク切れ|date=2014年10月}} [[西日本新聞]] 2011年(平成23年)[[7月4日]]</ref>。[[8月22日]]からは多度津 - 多喜浜間でカーブ区間の走行試験を実施<ref>[https://web.archive.org/web/20120131211505/http://www.nagasaki-np.co.jp/news/sinkansen/2011/09/22090400.shtml フリーゲージトレインの曲線走行試験が終了 11月、評価委に結果報告] 長崎新聞 2011年(平成23年)[[9月16日]]</ref>。これらの結果などが[[10月27日]]の軌間可変技術評価委員会で審議され、急カーブの走行試験は台車の軽量化、ロングレール化などで在来線カーブの目標速度である85 - 130 km/hを達成したことを確認。これにより、課題とされた在来線カーブでの走行試験で目標を達成し「実用化に向けた基本的な走行性能に関する技術は確立している」との評価をまとめた<ref>[https://web.archive.org/web/20120131180827/http://www.nagasaki-np.co.jp/news/sinkansen/2011/10/28092428.shtml FGT「基本技術確立」 国交省評価委、経済性など今後検証] 長崎新聞 2011年(平成23年)[[10月28日]]</ref><ref>[http://www.mlit.go.jp/common/000170877.pdf 軌間可変技術評価委員会 別添資料] 2011年(平成23年)[[10月27日]]</ref>。 |
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12月15日からは予讃線で在来線耐久試験が開始され、2013年9月21日に走行試験終了。それまで計10万kmを走行する<ref>[http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20111214/04.shtml あすから予讃線でフリーゲージトレイン耐久試験 実用化へ最終関門]{{リンク切れ|date=2014年10月}} 長崎新聞 2011年(平成23年)[[12月14日]]</ref>。その他、新幹線高速走行試験なども行い、それらの結果を確認し実用化の最終判断を国が2013年度中に行う見通しとされた。 |
12月15日からは予讃線で在来線耐久試験が開始され、2013年9月21日に走行試験終了。それまで計10万kmを走行する<ref>[http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20111214/04.shtml あすから予讃線でフリーゲージトレイン耐久試験 実用化へ最終関門]{{リンク切れ|date=2014年10月}} 長崎新聞 2011年(平成23年)[[12月14日]]</ref>。その他、新幹線高速走行試験なども行い、それらの結果を確認し実用化の最終判断を国が2013年度中に行う見通しとされた。 |
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[[File:FGT-9000 Matsubase 20141118.jpg|thumb|200px|三代目フリーゲージトレイン([[松橋駅]])]] |
[[File:FGT-9000 Matsubase 20141118.jpg|thumb|200px|三代目フリーゲージトレイン([[松橋駅]])]] |
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営業車両となる三次車両による実用化は当初、2010年(平成22年)とされており遅れていたが、二次車両での結果をふまえ政府は、[[2012年]](平成24年)度予算案に過去最多の61億8700万円を計上し、実用化に向けて二次車両より軽量化・長編成化した三次車両の設計製作に着手した<ref>[https://web.archive.org/web/20140308175723/http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2107533.article.html 諫干開門関連に48億4千万円 政府予算案、県関係分] 佐賀新聞 2011年(平成23年)[[12月25日]]</ref>。 |
営業車両となる三次車両による実用化は当初、2010年(平成22年)とされており遅れていたが、二次車両での結果をふまえ政府は、[[2012年]](平成24年)度予算案に過去最多の61億8700万円を計上し、実用化に向けて二次車両より軽量化・長編成化した三次車両の設計製作に着手した<ref>[https://web.archive.org/web/20140308175723/http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2107533.article.html 諫干開門関連に48億4千万円 政府予算案、県関係分] 佐賀新聞 2011年(平成23年)[[12月25日]]</ref>。 |
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* 2014年 |
* 2014年(平成26年)2月21日、中間車1両が日立製作所笠戸事業所より川崎重工兵庫工場へ航送された。 |
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* 2014年 |
* 2014年(平成26年)4月19日、JR九州[[熊本総合車両所]]にて三次車両が報道陣に公開された<ref>[http://response.jp/article/2014/04/19/221595.html フリーゲージトレイン新試験車両、熊本で報道公開] レスポンス2014年4月19日</ref>。「FGT-9001」(1号車)・「FGT-9002」(2号車)・「FGT-9003」(3号車)・「FGT-9004」(4号車)の4両編成で全電動車(直流区間は非対応)。製造メーカーは1・3・4号車が川崎重工業、2号車が日立製作所。外観は、「ディープレッド」と「シャンパンゴールド」の2色でまとめられている。先頭車はなめらかな流線形で、側面に「FGT」のロゴが入る。車内も赤を基調とした内装になった<ref>[https://news.mynavi.jp/article/20140419-a133/ 九州新幹線・在来線で走行可能、フリーゲージトレイン新試験車両を公開!] [[マイナビニュース]] 2014年(平成26年)[[4月19日]]</ref>。なお、座席は[[新幹線300系電車|300系]]からの廃車発生品(モケット張替)の流用である。[[炭素繊維]]強化プラスチックを使うなどして、これまでの車両より1両当たり約2トン(4%)軽くなり<ref name="nikkei20140420">{{cite news |
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|title = フリーゲージトレイン新車両公開 JR九州、長崎導入へ準備 |
|title = フリーゲージトレイン新車両公開 JR九州、長崎導入へ準備 |
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|publisher = [[日本経済新聞]] |
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|date = 2014年4月20日 |
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| accessdate = 2014年4月23日}}</ref>、通常の新幹線並みの43トンを実現<ref name="sankei20140502">{{cite news |
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|title = 迷走するフリーゲージトレイン 長崎新幹線、地元から「ノー」の声 |
|title = 迷走するフリーゲージトレイン 長崎新幹線、地元から「ノー」の声 |
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|title = お目見えしたフリーゲージ車両の実力と課題 |
|title = お目見えしたフリーゲージ車両の実力と課題 |
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| accessdate = 2014年5月27日}}</ref>、FGT最大の弱点といわれた重量問題を克服している<ref name="sankei20140502"/>。電機品は[[東芝]]が担当した<ref>{{PDFlink|[https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/migration/corp/techReviewAssets/tech/review/2015/06/70_06pdf/f04.pdf 「フリーゲージトレイン新試験車両用電気品」]}} - 東芝レビュー2015年6月一般論文。</ref>。 |
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* 2014年 |
* 2014年(平成26年)4月20日、[[熊本県]]内で走行試験を開始した<ref name="response20140421">{{cite news |
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|title = 新しいフリーゲージトレイン試験車、そのスペックは? |
|title = 新しいフリーゲージトレイン試験車、そのスペックは? |
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* 2014年 |
* 2014年(平成26年)8月29日、国土交通省はフリーゲージトレインの開発費に2015年度予算の概算要求で前年度比35%増の28億9700万円を計上し、新たに耐雪・耐寒化の雪対策を施した寒冷地仕様車の開発も始めると発表<ref name="saga20140830">{{cite news |
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|title = 整備新幹線、15年度概算要求 FGT開発に28億円 |
|title = 整備新幹線、15年度概算要求 FGT開発に28億円 |
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|url =http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/99319 |
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|date = 2014年8月30日 |
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| accessdate = 2014年10月25日}}</ref>。 |
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* 2014年 |
* 2014年(平成26年)10月19日、4月から導入した試験車両が設計通りの性能を持つか確認していたが、結果が良好だったため、より営業運転に近い形での新幹線、軌間変換、在来線を繰り返す「3モード耐久走行試験」へ移行<ref name="saga20141020">{{cite news |
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|title = FGT、直通走行試験開始 実用化へ最終段階 |
|title = FGT、直通走行試験開始 実用化へ最終段階 |
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* 2014年 |
* 2014年(平成26年)12月24日、耐久走行試験の一時休止を発表<ref name="mynavi20141224">{{cite news |
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|title = 九州新幹線のフリーゲージトレイン、欠損が見つかり耐久走行試験を一時休止 |
|title = 九州新幹線のフリーゲージトレイン、欠損が見つかり耐久走行試験を一時休止 |
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|url =https://news.mynavi.jp/article/20141224-a335/ |
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|date = 2014年12月24日 |
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| accessdate = 2014年12月27日}}</ref>。2014年11月29日までに約400回の軌間変換を行い、約3万3,000kmを走り込んだが、一部の台車を確認した際に、スラスト軸受のオイルシールに部分的な欠損が発生し、すべり軸受と車軸の接触部に微細な磨耗痕も確認されたため、必要な対策の検討をはじめ、初期段階での部品点検のための詳細調査を実施することになり、その間の走行試験を見合わせることが決まった<ref name="mynavi20141224"/>。 |
| accessdate = 2014年12月27日}}</ref>。2014年11月29日までに約400回の軌間変換を行い、約3万3,000kmを走り込んだが、一部の台車を確認した際に、スラスト軸受のオイルシールに部分的な欠損が発生し、すべり軸受と車軸の接触部に微細な磨耗痕も確認されたため、必要な対策の検討をはじめ、初期段階での部品点検のための詳細調査を実施することになり、その間の走行試験を見合わせることが決まった<ref name="mynavi20141224"/>。 |
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* [[2015年]] |
* [[2015年]](平成27年)8月28日、国土交通省はフリーゲージトレインの開発費に2016年度予算の概算要求で前年度比36%増の27億4600万円を計上<ref name="saga20150828">{{cite news |
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|title = 長崎新幹線概算要求 FGT開発費27億円 |
|title = 長崎新幹線概算要求 FGT開発費27億円 |
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|url =http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/223609 |
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|date = 2015年8月28日 |
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* 2015年 |
* 2015年(平成27年)11月27日、[[石井啓一]][[国土交通大臣]]が会見で、トラブルの検証に一定のめどがついたため専門家による検証結果の審議を近く始めると表明<ref name="saga20151127">{{cite news |
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|title = FGT試験中断1年、トラブル検証にめど |
|title = FGT試験中断1年、トラブル検証にめど |
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|url =http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/254331 |
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|date = 2015年11月28日 |
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| accessdate = 2015年12月27日}}</ref>。 |
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* 2015年 |
* 2015年(平成27年)12月4日、国土交通省が、不具合の原因推定と対策案を技術評価委員会に報告、内容を公表<ref name="toyokeizai20151204">{{cite news |
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|title = 「フリーゲージ」新幹線が抱えている根本問題 |
|title = 「フリーゲージ」新幹線が抱えている根本問題 |
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|publisher = [[東洋経済新報社]] |
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|date = 2015年12月6日 |
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* 2016年 |
* 2016年(平成28年)12月3日、車軸の摩耗具合や安定性の検証走行試験を開始<ref name="hokkaidou20161204">{{cite news |
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|title =フリーゲージトレイン、検証走行 来年3月まで摩耗対策確認 |
|title =フリーゲージトレイン、検証走行 来年3月まで摩耗対策確認 |
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|url =http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/life-topic/life-topic/1-0344937.html |
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|publisher = [[北海道新聞]] |
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|title =FGT走行試験を2年ぶりに再開 九州新幹線の軌道上で |
|title =FGT走行試験を2年ぶりに再開 九州新幹線の軌道上で |
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* [[2017年]] |
* [[2017年]](平成29年)7月14日、国土交通省は、台車に改良を加えて2016年12月から実施した走行試験でも車軸に磨耗が見つかったことを明らかにし、2022年度の九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)暫定開業時には、FGTの先行車両導入は間に合わないとの見解を示した<ref name="toyo20170715">{{cite news |
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|title =フリーゲージ、国の見方は「完成へあと一息」 |
|title =フリーゲージ、国の見方は「完成へあと一息」 |
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|url =https://toyokeizai.net/articles/-/180747 |
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|publisher = [[東洋経済新報社]] |
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|date = 2017年7月15日 |
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* 2017年 |
* 2017年(平成29年)7月25日、JR九州の[[青柳俊彦]]社長は、[[与党]]の整備新幹線推進プロジェクトチーム(与党PT)の会合で、「フリーゲージトレインによる運営は困難」だとして、九州新幹線 (西九州ルート)へのフリーゲージトレイン導入を断念すると発表した。フリーゲージトレインは一般の新幹線より車両関連費が2倍前後かかり、全面導入すればJRにとっては年間約50億円の負担増につながると試算されたため「前提である収支採算性が成り立たない」とし、また安全性も「まだ確立できていない状態」であることを理由に述べた。同時に、[[九州新幹線 (西九州ルート)]]博多 - 長崎間全線のフル規格での整備を求める考えも示した<ref>[https://web.archive.org/web/20180612143109/https://www.asahi.com/articles/ASK7T5CR6K7TTIPE035.html?iref=comtop_list_biz_n05 "長崎新幹線、フリーゲージトレイン断念 JR九州が表明]、朝日新聞"(2017年7月25日)</ref>。 |
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* [[2018年]] |
* [[2018年]](平成30年)8月27日、国土交通省はフリーゲージトレインについて、北陸新幹線への導入を断念する方針を明らかにした<ref name="sankei20180828">{{cite news |
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|title = 近鉄に逆風? 国交省が北陸新幹線のフリーゲージトレイン導入断念 開発コスト上昇も |
|title = 近鉄に逆風? 国交省が北陸新幹線のフリーゲージトレイン導入断念 開発コスト上昇も |
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|publisher = [[産経新聞]] |
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|date = 2018年08月28日 |
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|title = 近鉄のフリーゲージトレインは「第2の名阪特急」になる? |
|title = 近鉄のフリーゲージトレインは「第2の名阪特急」になる? |
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|date = 2018年06月15日 |
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試験断念後は[[川内駅 (鹿児島県)|川内駅]]に留置されていたが、2024年7月末から解体が始まった<ref>[https://www.47news.jp/11286606.html フリーゲージ試験車両の解体開始 鹿児島、川内駅で]共同通信社、2024年8月2日</ref>。 |
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=== 寒冷地仕様試験車両 === |
=== 寒冷地仕様試験車両 === |
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2014年 |
2014年(平成26年)9月17日、JR西日本は金沢 - 敦賀間の開業に向けて開発を進めている「北陸ルート仕様」のフリーゲージトレインについて、2014年10月から模擬台車を使った軌間変換試験を始めると発表。2014年度中に北陸ルート仕様の6両編成の試験車両の設計と製作に着手<ref>{{Cite press release|和書|title=模擬台車による軌間変換試験を開始します!フリーゲージトレイン(FGT)の開発状況について |publisher=西日本旅客鉄道 |date=2014-09-17 |url=https://www.westjr.co.jp/press/article/2014/09/page_6164.html |language=日本語 |accessdate=2018-03-27 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20140917102604/http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/09/page_6164.html |archivedate=2014-09-17}}</ref>。北陸本線敦賀駅構内に新設する約180メートルの実験線を用いて、模擬台車にけん引車を連結して軌間変換装置を通過させ、変換動作の確認などを行う。試験車両の走行試験は2016年度中に始める<ref>{{Cite web|和書|title = 「北陸仕様」のフリーゲージトレイン、2016年度中に走行試験開始へ|url =http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1120140923caax.html|publisher = [[日刊工業新聞]]|date = 2014-09-23| accessdate = 2014-09-24|archiveurl=https://web.archive.org/web/20141027133311/http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1120140923caax.html |archivedate=2014-10-27|url-status=dead|url-status-date=2018-03}}</ref>。この案は既に不採用決定によってJR西日本から取り下げている。 |
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=== 在来線軌間可変電車 === |
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2018年(平成30年)5月15日、[[近畿日本鉄道]]は[[近鉄京都線|京都線]]・[[近鉄橿原線|橿原線]](標準軌、1,435mm)と[[近鉄吉野線|吉野線]](狭軌、1,067mm)の間で軌間可変電車による在来線区間同士の直通運転を実施することを検討すると発表と発表した。[[観光|観光客]]の輸送を目的としており<ref>[https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/freegauge.pdf "プレスリリース「フリーゲージトレイン開発推進に向けて」"] 近畿日本鉄道 2018年5月15日</ref><ref>[https://toyokeizai.net/articles/-/224272 "近鉄「フリーゲージ列車」開発宣言の舞台裏"] 大坂直樹 東洋経済オンライン 2018年6月11日6:00更新 2024年7月14日閲覧</ref>、実現すると[[京都駅]]から[[橿原神宮前駅]]での乗換えなしで[[吉野駅 (奈良県)|吉野駅]]まで行くことができる。同社は[[2022年]](令和4年)5月25日に「鉄道技術展・大阪」に説明パネルを出展しており、引き続き開発を継続していることが判明した<ref>[https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/06870/ "フリーゲージトレインの開発継続判明、新技術が続々「鉄道技術展」"] 木崎健太郎 日経クロステック 2022年5月27日更新 2024年7月14日閲覧</ref>。 |
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== 実用化に際しての課題 == |
== 実用化に際しての課題 == |
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以下の理由により、九州新幹線(西九州ルート)での営業量産車両は不採用となった。 |
以下の理由により、九州新幹線(西九州ルート)での営業量産車両は不採用となった。 |
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* 軌間可変装置の通過時間 |
* 軌間可変装置の通過時間 |
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** 軌間可変装置の通過速度向上にも重点が置かれている。開発当初は極端な低速でしか通過できず、1両通過するのに1分以上掛かる状況であった。その場合だと長編成の列車になれば軌間変更に時間が掛かることになり、結局は[[新八代駅]]で行われたような[[対面乗り換え]](当時は九州新幹線の開業区間が新八代以南のみであったため、博多 - 新八代の在来線特急と新八代 - 鹿児島中央の新幹線列車との乗換が必要だった)の方が所要時間(約3分)の面では短いということになる。2009年(平成21年)5月現在、10 km/h程度まで通過速度が向上しており(分速166 m程度)単純計算すると20 m級車両なら1分で8両通過できることになるが、実際には様々な要因を含めて通過に要する時間は5分程度とされている<ref>{{Cite web |
** 軌間可変装置の通過速度向上にも重点が置かれている。開発当初は極端な低速でしか通過できず、1両通過するのに1分以上掛かる状況であった。その場合だと長編成の列車になれば軌間変更に時間が掛かることになり、結局は[[新八代駅]]で行われたような[[対面乗り換え]](当時は九州新幹線の開業区間が新八代以南のみであったため、博多 - 新八代の在来線特急と新八代 - 鹿児島中央の新幹線列車との乗換が必要だった)の方が所要時間(約3分)の面では短いということになる。2009年(平成21年)5月現在、10 km/h程度まで通過速度が向上しており(分速166 m程度)単純計算すると20 m級車両なら1分で8両通過できることになるが、実際には様々な要因を含めて通過に要する時間は5分程度とされている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/574/271/sankousiryou,0.pdf |title=直通運転化の手法(ミニ新幹線、フリーゲージトレイン)について |format=PDF |publisher=新潟県 |accessdate=2018-02-11|archiveurl=https://web.archive.org/web/20130921053513/http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/574/271/sankousiryou,0.pdf |archivedate=2013-09-21 }}</ref>。 |
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* ダイヤ組成の影響・山陽新幹線の保線負担 |
* ダイヤ組成の影響・山陽新幹線の保線負担 |
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** 九州新幹線(西九州ルート)の運営予定の[[九州旅客鉄道|JR九州]]は「関西からの直通列車が長崎まで来る」ことを計画していた。しかし、山陽新幹線を保有する[[西日本旅客鉄道|JR西日本]]はダイヤ組成に影響がある点に加えて、台車の重さによって線路の傷みが早くなって線路保守費が増大するなどの問題点からフリーゲージトレインの山陽新幹線乗り入れに難色を示す発言をしていた<ref>{{Cite news |date=2008年11月28日 |url=http://www.asahi.com/national/update/1128/TKY200811280238.html |title=新幹線、山陽と長崎「直通困難」 会見でJR西社長 |publisher=[[朝日新聞社]] |newspaper=[[朝日新聞]]|agency=asahi.com |accessdate=2017年4月27日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20081201044217/http://www.asahi.com/national/update/1128/TKY200811280238.html |archivedate=2008年12月1日}}</ref><ref>{{Cite news |date=2012年4月12日 |url=http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/296692 |title=フリーゲージ 山陽乗り入れ JR西日本が難色 |publisher=西日本新聞社 |newspaper=[[西日本新聞]] |accessdate=2017年4月27日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20120609172011/http://nishinippon.co.jp/nnp/item/296692 |archivedate=2012年6月9日}}</ref>。[[2022年]]に予定される西九州ルート(長崎ルート)の開業までにこれらの問題点を解決して山陽区間を300 km/hで走行できる車両が実用化できるかが注目されていたが、こちらも第三次試験車両では解決できず、新幹線区間は270 km/hのままとなった<ref name="toyokeizai20151111" /><ref name="toyokeizai/168292">{{Cite web |
** 九州新幹線(西九州ルート)の運営予定の[[九州旅客鉄道|JR九州]]は「関西からの直通列車が長崎まで来る」ことを計画していた。しかし、山陽新幹線を保有する[[西日本旅客鉄道|JR西日本]]はダイヤ組成に影響がある点に加えて、台車の重さによって線路の傷みが早くなって線路保守費が増大するなどの問題点からフリーゲージトレインの山陽新幹線乗り入れに難色を示す発言をしていた<ref>{{Cite news |date=2008年11月28日 |url=http://www.asahi.com/national/update/1128/TKY200811280238.html |title=新幹線、山陽と長崎「直通困難」 会見でJR西社長 |publisher=[[朝日新聞社]] |newspaper=[[朝日新聞]]|agency=asahi.com |accessdate=2017年4月27日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20081201044217/http://www.asahi.com/national/update/1128/TKY200811280238.html |archivedate=2008年12月1日}}</ref><ref>{{Cite news |date=2012年4月12日 |url=http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/296692 |title=フリーゲージ 山陽乗り入れ JR西日本が難色 |publisher=西日本新聞社 |newspaper=[[西日本新聞]] |accessdate=2017年4月27日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20120609172011/http://nishinippon.co.jp/nnp/item/296692 |archivedate=2012年6月9日}}</ref>。[[2022年]]に予定される西九州ルート(長崎ルート)の開業までにこれらの問題点を解決して山陽区間を300 km/hで走行できる車両が実用化できるかが注目されていたが、こちらも第三次試験車両では解決できず、新幹線区間は270 km/hのままとなった<ref name="toyokeizai20151111" /><ref name="toyokeizai/168292">{{Cite web|和書|work=[[鉄道ジャーナル#鉄道ジャーナル社|鉄道ジャーナル社]] |date=2017-04-24 |url=http://toyokeizai.net/articles/-/168292 |title=フリーゲージトレイン「試乗」で見えた問題点 |publisher=東洋経済新報社 |accessdate=2017-04-27<!--|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170424061941/http://toyokeizai.net/articles/-/168292 |archivedate=2017-04-24 |url-status=dead|url-status-date=-->}}</ref>。 |
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* 保安上の問題 |
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** 新幹線には踏切がないが、在来線には踏切が存在し、2本のレールの間に微弱な電流を流し列車検知を行っている(軌道回路)。しかしながら2008年から2009年にかけて日豊本線で行われた2次車での試験において、踏切接近時に検知できないトラブルが確認された。一般的な列車は車輪と車軸が電気的にも接続されているが、フリーゲージトレインは車軸の間を車輪が動く構造のため、車輪と車軸は別になり、一般の列車と比べると電気が伝わりにくくなり不検知が発生したと考えられる。これは保安上重大な問題であり、鉄道・運輸機構は対策を講じようとしたが、問題を十分に解決することができなかった<ref>[https://toyokeizai.net/articles/-/182392?page=2 フリーゲージで「信号トラブル」も起きていた新幹線だけでなく在来線にも問題があった]</ref>。 |
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* 駅整備の負担 |
* 駅整備の負担 |
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** 狭軌対応の軌間可変車両は車両長や車体断面などの寸法が在来線規格となる。このため、一部の[[ホームドア]]設置駅では客用扉の位置が合わなくなるため、[[ホームドア]]の改修が必要となる<ref name="toyokeizai20151111" />。 |
** 狭軌対応の軌間可変車両は車両長や車体断面などの寸法が在来線規格となる。このため、一部の[[ホームドア]]設置駅では客用扉の位置が合わなくなるため、[[ホームドア]]の改修が必要となる<ref name="toyokeizai20151111" />。 |
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* 過大な車両重量によるメンテナンスコストの増大 |
* 過大な車両重量によるメンテナンスコストの増大 |
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** 標準軌の[[新幹線車両]]に比べ台車が数割重く、軌道や[[分岐器|ポイント]]に与える影響が大きい<ref name="toyokeizai20151111">{{cite news|title = 「長崎新幹線は「全線フル規格」で進めるべきだ」|url = |
** 標準軌の[[新幹線車両]]に比べ台車が数割重く、軌道や[[分岐器|ポイント]]に与える影響が大きい<ref name="toyokeizai20151111">{{cite news|title = 「長崎新幹線は「全線フル規格」で進めるべきだ」|url =https://toyokeizai.net/articles/-/91837 | publisher=[[東洋経済新報社]]|date=2015年11月11日|accessdate=2015年12月7日}}</ref>。また、高速走行の際の[[騒音]]や[[振動]]が問題ともなる。 |
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** 軌間可変用の特殊な機構以外にも、新在共用走行のための運転保安設備を2系統備えるため、車両重量が増加する<ref name="toyokeizai/168292" />。 |
** 軌間可変用の特殊な機構以外にも、新在共用走行のための運転保安設備を2系統備えるため、車両重量が増加する<ref name="toyokeizai/168292" />。 |
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** 比較対象として、スペインの[[タルゴ]]は機関車が客車を牽引する方式で、客車は左右の車輪が車軸で結ばれていないため、軌間可変装置を置くスペースが確保できている。また、機関車には客を乗せない分、車輪や台車を大きくすることで重量の問題を解決している。一方、日本は |
** 比較対象として、スペインの[[タルゴ]]は機関車が客車を牽引する[[動力集中方式]]で、客車は左右の車輪が車軸で結ばれていないため、軌間可変装置を置くスペースが確保できている。また、機関車には客を乗せない分、車輪や台車を大きくすることで重量の問題を解決している。一方、日本の新幹線は[[動力分散方式]]の電車であり、全ての台車にモーターを設置するため、台車が重くなってしまう。また、広軌 - 標準軌(1668mm⇔1435mm)で軌間可変するタルゴと異なり、日本では標準軌 - 狭軌(1435mm⇔1067mm)で軌間可変するため、狭軌の限界寸法に合わせて機器類を設置しなければならず、軌間差(変換幅)もタルゴの15%に対し日本は26 %と大きいため、軌間可変装置を置くスペースがない<ref>{{Cite web|和書|website=ITmedia ビジネスオンライン |date=2017年07月28日 |url=http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1707/28/news025_3.html |title=フリーゲージトレインと長崎新幹線の「論点」 (3/5) |publisher=[[ITmedia]] |accessdate=2019年2月10日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170730042750/http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1707/28/news025_3.html |archivedate=2017年07月30日}}</ref><ref>{{Cite web|和書|author=さかい もとみ |website=東洋経済オンライン |date=2017-06-16 |url=http://toyokeizai.net/articles/-/175844?page=2 |title=フリーゲージ列車がスペインで成功したワケ |publisher=[[東洋経済新報社]] |accessdate=2019年2月10日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170623005913/http://toyokeizai.net/articles/-/175844?page=2 |archivedate=2017-06-23}}</ref><ref>[https://news.yahoo.co.jp/articles/6359a1647778cfbbc95f4fd3f36b1127637bea3b?page=2 フリーゲージトレインまだやるの? JRも拒否した30年払拭できぬデメリット 計画は存在]</ref><ref>[https://merkmal-biz.jp/post/16870/3 結局理想が高すぎた? 異なる軌間を行く「フリーゲージトレイン」、約四半世紀たっても実用化されないワケ]</ref>。 |
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** フリーゲージトレイン(FGT)第3次試験車は、車両軽量化対策として、高価な部品を用いることで、270 km/h走行を行う一般の新幹線電車と同じ重量を実現<ref name="toyokeizai/168292" />。 |
** フリーゲージトレイン(FGT)第3次試験車は、車両軽量化対策として、高価な部品を用いることで、270 km/h走行を行う一般の新幹線電車と同じ重量を実現<ref name="toyokeizai/168292" />。 |
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** 軌間可変台車は可動部を有していることから点検箇所が増え、摺動部品、摩耗部品は交換周期自体も短いため、メンテナンスコストが増大する。軌間可変技術評価委員会は、フリーゲージトレイン(FGT)第3次試験車の検証走行試験での車軸の不具合から、車軸の定期的交換を想定して一般の新幹線車両と経済性の比較を行った結果、車軸を240万 kmごとに交換する場合で一般の新幹線車両の2.5倍程度、台車検査周期の60万 kmで交換する場合は3倍程度のメンテナンスコストになると試算している<ref name="toyokeizai/168292" />。 |
** 軌間可変台車は可動部を有していることから点検箇所が増え、摺動部品、摩耗部品は交換周期自体も短いため、メンテナンスコストが増大する。軌間可変技術評価委員会は、フリーゲージトレイン(FGT)第3次試験車の検証走行試験での車軸の不具合から、車軸の定期的交換を想定して一般の新幹線車両と経済性の比較を行った結果、車軸を240万 kmごとに交換する場合で一般の新幹線車両の2.5倍程度、台車検査周期の60万 kmで交換する場合は3倍程度のメンテナンスコストになると試算している<ref name="toyokeizai/168292" />。 |
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== 導入が検討されている路線 == |
== 導入が検討されている路線 == |
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⚫ | * [[蒲蒲線]]([[東急多摩川線]]と[[京急空港線]])<ref name=oota20150119>{{Cite web|和書|date=2015-01-19 |url=http://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/sumaimachinami/koutsu/kamakamasen/kama_kyogikai/h26kaisaihoukoku.files/katudouhoukoku.pdf |title=平成26年活動状況『新空港線「蒲蒲線」整備案説明資料』 |format=PDF |publisher=[[大田区]] |work=大田区新空港線「蒲蒲線」整備促進区民協議会 |page=6 |accessdate=2018-05-15}}</ref><ref>{{Cite news |date=2018-1-26 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26185890W8A120C1EA4000/ |title=都予算案、鉄道新設へ基金 財政需要25年で15兆円増 |publisher=[[日本経済新聞社]] |newspaper=[[日本経済新聞]] |accessdate=2019年2月10日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180126111222/https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26185890W8A120C1EA4000/ |archivedate=2018-1-26}}</ref> |
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=== 通勤 - 近郊路線 === |
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⚫ | * [[近畿日本鉄道]](近鉄)[[近鉄京都線|京都線]]・[[近鉄橿原線|橿原線]]と[[近鉄吉野線|吉野線]]<ref>{{Cite press release|和書|title=フリーゲージトレイン開発推進に向けて |publisher=[[近畿日本鉄道]] |date=2018-05-15 |url=http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/freegauge.pdf |format=PDF |accessdate=2018-05-15}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/06870/|title=フリーゲージトレインの開発継続判明、新技術が続々「鉄道技術展」|publisher=日経XTECH|date=2022-05-27|accessdate=2022-06-07}}</ref> |
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都市圏における軌間の異なる鉄道間の直通との計画の経歴である。 |
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⚫ | * [[蒲蒲線]]([[東急多摩川線]]と[[京急空港線]])<ref name=oota20150119>{{Cite web |
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== かつて検討された路線 == |
== かつて検討された路線 == |
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=== 新在直通 === |
=== 新在直通 === |
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* 1999年(平成11年) |
* 1999年(平成11年) |
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** 6月から[[日本鉄道建設公団]]の専門委員会で調査された5路線。[[高山本線]]、[[関西本線]] - [[紀勢本線]] |
** 6月から[[日本鉄道建設公団]]の専門委員会で調査された5路線。[[高山本線]]、[[関西本線]] - [[紀勢本線]](名古屋接続)、[[伯備線]]、[[瀬戸大橋線]](岡山接続)、日豊本線(小倉接続)。 |
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** 10月から2年間[[運輸省]]の新幹線直通運転化調査委員会で調査された7路線10区間。[[羽越本線]](新潟接続 - 酒田)、高山本線(名古屋接続 - 高山)、関西本線 - 紀勢本線(名古屋接続 - 近鉄名古屋線経由 - 津 - 新宮及び四日市 - 奈良)、[[阪和線]] - 紀勢本線(新大阪接続 - 和歌山-新宮)、伯備線(岡山接続 - 米子-松江 - 出雲市)、瀬戸大橋線(岡山接続 - 高松-徳島、松山、高知)、日豊本線(小倉接続 - 大分-宮崎)。 |
** 10月から2年間[[運輸省]]の新幹線直通運転化調査委員会で調査された7路線10区間。[[羽越本線]](新潟接続 - 酒田)、高山本線(名古屋接続 - 高山)、関西本線 - 紀勢本線(名古屋接続 - 近鉄名古屋線経由 - 津 - 新宮及び四日市 - 奈良)、[[阪和線]] - 紀勢本線(新大阪接続 - 和歌山-新宮)、伯備線(岡山接続 - 米子-松江 - 出雲市)、瀬戸大橋線(岡山接続 - 高松-徳島、松山、高知)、日豊本線(小倉接続 - 大分-宮崎)。 |
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* 2001年(平成13年)7月、[[秋田新幹線]]能代延伸をミニ新幹線ではなくフリーゲージトレインで行い、積雪地での実験線とする構想。 |
* 2001年(平成13年)7月、[[秋田新幹線]]能代延伸をミニ新幹線ではなくフリーゲージトレインで行い、積雪地での実験線とする構想{{要出典|date=2023年1月}}。 |
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* 新潟 - 山形両県による[[羽越本線高速化]]調査。 |
* 新潟 - 山形両県による[[羽越本線高速化]]調査。 |
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* 新潟県による[[信越本線高速化]]調査。 |
* 新潟県による[[信越本線高速化]]調査。 |
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* 2006年(平成18年) |
* 2006年(平成18年) |
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** 4月 |
** 4月 |
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*** [[北海道旅客鉄道|JR北海道]]会長が[[北海道新幹線]]からフリーゲージトレインで[[道東]]方面へ向かう構想を発表。JR北海道はそれを拒否。 |
*** [[北海道旅客鉄道|JR北海道]]会長が[[北海道新幹線]]からフリーゲージトレインで[[道東]]方面へ向かう構想を発表。JR北海道はそれを拒否{{要出典|date=2023年1月}}。 |
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*** 4月、[[弘前市|弘前市長]]がフリーゲージトレインで秋田新幹線を[[弘前駅|弘前]]まで乗りいれる構想を公約にして当選。JR東日本はそれを拒否。 |
*** 4月、[[弘前市|弘前市長]]がフリーゲージトレインで秋田新幹線を[[弘前駅|弘前]]まで乗りいれる構想を公約にして当選。JR東日本はそれを拒否{{要出典|date=2023年1月}}。 |
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** 8月、[[苫小牧市|苫小牧市長]]が記者会見で[[北海道新幹線]][[長万部駅|長万部]]からフリーゲージトレインで苫小牧方面へ向かう構想を発表。2007年(平成19年)度に苫小牧市など胆振管内の自治体による広域研究組織発足予定([[北海道南回り新幹線]]も参照)。JR北海道はそれを拒否。 |
** 8月、[[苫小牧市|苫小牧市長]]が記者会見で[[北海道新幹線]][[長万部駅|長万部]]からフリーゲージトレインで苫小牧方面へ向かう構想を発表。2007年(平成19年)度に苫小牧市など胆振管内の自治体による広域研究組織発足予定([[北海道南回り新幹線]]も参照)。JR北海道はそれを拒否{{要出典|date=2023年1月}}。 |
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** 10月、福島県鉄道活性化対策協議会が、[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]に[[磐越西線]]へのフリーゲージトレイン導入等によるスピードアップを要望したが{{Refnest|要望自体は1994年(平成6年)度から行われていた<ref>{{Cite web |
** 10月、福島県鉄道活性化対策協議会が、[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]に[[磐越西線]]へのフリーゲージトレイン導入等によるスピードアップを要望したが{{Refnest|group="注釈"|要望自体は1994年(平成6年)度から行われていた<ref>{{Cite web|和書|date= |url=http://www.aizu-kouiki.jp/kaisokyo/doc/yobosho-kuni_20.pdf |page=33 |title=JR磐越西線の複線化とミニ新幹線等の導入について |format=PDF |publisher=会津総合開発協議会 |accessdate=2018-09-07|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180907111230/http://www.aizu-kouiki.jp/kaisokyo/doc/yobosho-kuni_20.pdf |archivedate=2018-09-07 }}</ref>。}}、実用化の状態にないと回答。 |
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=== 通勤 - 近郊路線 === |
=== 通勤 - 近郊路線 === |
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== 脚注 == |
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{{脚注ヘルプ}} |
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=== 注釈 === |
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=== 出典 === |
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== 関連項目 == |
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* [[新在直通運転]] |
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* [[軌間可変]] |
* [[軌間可変]] |
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* [[タルゴ]] ‐ 実用化されているフリーゲージトレイン(客車列車) |
** [[タルゴ]] ‐ 実用化されているフリーゲージトレイン(客車列車) |
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* [[レンフェ120系電車]] - BRAVAを採用したフリーゲージトレイン |
** [[レンフェ120系電車]] - BRAVAを採用したフリーゲージトレイン |
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* [[中国中車]] - 傘下の中車唐山が国際高速列車用フリーゲージトレインを開発 |
** [[中国中車]] - 傘下の中車唐山が国際高速列車用フリーゲージトレインを開発 |
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* [[三線軌条]] |
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* [[ミニ新幹線]] |
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* [[日本の改軌論争]] |
* [[日本の改軌論争]] |
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** [[ミニ新幹線]] - [[三線軌条|三線軌条/四線軌条]] |
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* [[蓄電池電車]] - 蓄電池駆動式の電車 |
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* 構想 |
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* [[近畿日本鉄道]] |
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* [[近鉄特急]] |
** [[近畿日本鉄道]] - [[近鉄特急]] |
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* [[三重新幹線構想]] |
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* 文化作品 |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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{{日本の新幹線}} |
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[[Category:鉄道車両の台車]] |
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2024年9月21日 (土) 22:40時点における最新版
この項目「軌間可変電車」は加筆依頼に出されており、内容をより充実させるために次の点に関する加筆が求められています。 加筆の要点 - 第三次試験車両の節の2018年以降の説明を書いてください。 (貼付後はWikipedia:加筆依頼のページに依頼内容を記述してください。記述が無いとタグは除去されます) (2023年5月) |
日本における軌間可変電車(きかんかへんでんしゃ)とは、電車軌間を線路軌間に変動可能な試験電車。フリーゲージトレイン(Free Gauge Train, FGT)[1] ともいうが、これは和製英語であり、直訳すると「軌間が定まらない車両」となる。英語では Gauge Changeable Train または Gauge Convertible Train (共に直訳で「軌間可変車両」)と呼称される。
日本では、主に標準軌(1,435 mm)と狭軌(1,067 mm)の両方の線路上を走行可能な車両を開発すべく、国土交通省の施策で日本鉄道建設公団(現・鉄道建設・運輸施設整備支援機構)の委託によりフリーゲージトレイン技術研究組合が開発を進めていたが、日本の急曲線が多い環境への対応が難しく実用化に至っていない[2]。2025年度(令和6年度)中に九州新幹線内に残る最後の試験設備の撤去工事の完了が予定されており、共同通信社によると開発を事実上断念する方向である[3]。
概要
[編集]軌間可変は鉄道車両が異なる軌間の線路へ直通できる機構で、この機構を用いれば例えば標準軌と狭軌の路線間を直通運転する列車を運行でき、乗客・貨物・荷物の乗り換え・載せ替えが不要となって利用者の負担軽減を図ることができる。具体的な数値として、日本鉄道建設公団(現・鉄道建設・運輸施設整備支援機構)が新在直通運転について2001年(平成13年)に公開した報告書『新幹線直通運転化事業調査報告書』は、「通常の乗り換え1回の解消は、乗車時間が30分程度短縮される効果と同等の価値を有する」としている[4]。
オイルショックの経済混乱期以降、整備新幹線の建設にあたってはその効果に加えてコストも重視されるようになり、改軌(ミニ新幹線)方式と本項の軌間可変電車方式による整備が検討された。期間可変電車方式は、全線フル規格新幹線に対しては所要時間の面で格段に劣るが、新規路線の建設用地確保が不要であるため建設コストや建設期間を大幅に抑えられる。また、ミニ新幹線方式に対しては改軌によるコストや在来線のネットワークの寸断が生じないという利点がある。さらに、直通運転によるメリットは新在直通運転だけでなく軌間が異なる在来線路線同士の直通運転(在来線軌間可変電車)でも当てはまると考えられた[5]。
しかし、1990年代の研究開始以来、実用化のめどはなお立っておらず、開発費が嵩んでいる。開発に投じた公金は約550億円[6]。これまでの試験車両[どれ?]の試験結果では、新幹線区間では目標を達成しているものの、在来線の曲線区間においては、既存の特急列車に比べて速度が最大で40 km/hも低い状態であった。その後新たに開発された新形台車も振動や速度、車軸摩耗といった問題があった[7]。2020年(令和2年)9月2日、国土交通省鉄道局次長(当時)は佐賀県議会新幹線問題対策特別委員会で「安全性と経済性を考え、これ以上はFGT開発に予算と時間を費やせない」と強調して語った。新在直通車両のFGTはフル規格新幹線車両の1.9倍から2.3倍割高な上、最高速度は270km/hであり、300km/h時代(500系/N700系は300km/h、E5系/E6系は320km/h)には使えないという背景もあった[6]。
2022年に部分開業した西九州新幹線(武雄温泉 - 諫早)では軌間可変電車の実用化を前提として工事が進められていたが[8]、実用化の目処が立たなかったことからJR九州は軌間可変電車の導入を断念した[9]。
軌間が異なる路線同士の在来線の直通運転(異ゲージ在来線直通運転、在来線軌間可変電車)は、近畿日本鉄道の京都線・橿原線と吉野線の直通運転と、東京都大田区などが計画中の蒲蒲線(新空港線)を介した東急多摩川線と京急空港線の直通運転で導入が検討されている[7]。
開発過程
[編集]要素技術開発
[編集]- 1993年(平成5年)3月、タルゴ社が、日本で台車をつくることについて住友金属工業に軌間可変車軸のライセンスを与えた[10]。
- 1994年(平成6年)より鉄道総合技術研究所が台車や軌間変換の基礎技術開発を進めた。
第一次試験車両
[編集]- 1998年(平成10年)
- 1999年(平成11年)
- 2001年(平成13年)
- 2002年(平成14年)
- 2003年(平成15年)5月 - 6月、予讃線で走行試験
- 2004年(平成16年)8月23日 - 10月28日、山陽新幹線で新幹線での走行試験、新山口 - 新下関間を15回に渡って走行(最高速度210 km/hまでを試験)
- 2006年(平成18年)までに試験が終了し、JR九州小倉工場内に留置されていたが、2007年(平成19年)4月以降はJR四国多度津工場内に移動。その後も留置されていたが、2013年(平成25年)7月23日から解体が始まった[13]。
第一次試験車両はGCT01-1、GCT01-2、GCT01-3の3両編成。走行試験では新幹線区間でも200 km/hまでしか出せず、車輪が揺れる問題もあった[14]。
この車両の試験にともない、新下関駅構内に直流1,500 V - 交流25 kV(60 Hz)のデッドセクションと軌間可変装置が設置された。また、GCT01は車籍を持っておらず、保守用のモーターカーと同じ扱いとなるため、試験時には線路閉鎖の必要があった。
第二次試験車両
[編集]- 2002年(平成14年)8月、フリーゲージトレイン技術研究組合発足
- 2003年(平成15年)、二次車両開発着手
- 2006年(平成18年)10月、JR四国多度津工場にて二次車両の台車走行試験
- 2007年(平成19年)
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)9月、軌間可変技術評価委員会で軌間可変機構などの技術確立をしたと評価
- 2011年(平成23年)
- 3月、JR四国多度津工場に回送・改良台車完成
- 6月、予讃線での試験走行を開始
- 10月、軌間可変技術評価委員会で急曲線目標達成確認・軌間可変電車の基本技術を確立したと評価
- 12月、予讃線で在来線耐久試験を開始
- 2013年(平成25年)
2007年(平成19年)5月27日、鉄道建設・運輸施設整備支援機構により、JR九州小倉工場で、試験車両が報道公開された。GCT01-201、GCT01-202、GCT01-203の3両編成で、オール電動車(在来線区間交直両用)。車体はアルミニウム合金製。営業運転を意識し、中間車に座席が設けられた。駆動装置は、1次車で直接駆動方式とカルダン駆動方式と2種類設けられたものが、カルダン駆動方式に統一された。一方で、ブレーキシステムはディスクブレーキ(1、2号車)と、原動機内にブレーキを持つばね間ブレーキ(3号車)の2種類が設けられ、双方の有用性をはかる。高速性能を高めるために先頭形状をより抵抗の少ない流線型にし、各種機器の簡素化を図って車体が軽量化された。1、2号車に新在兼用の低騒音集電装置(パンタグラフ)が搭載された。空気ばねが利用された電子制御の車体傾斜装置が備えられた。新車両の開発費は1編成約30億円。
一次車両より軽量化された台車となり、振動、揺れが軽減され、乗り心地の改善が図られている。新幹線区間での最高速度は275km/h、在来線区間で130km/hが目標とされ、前者は270km/h運転を実現した[14] が、在来線のカーブ区間では線路への高負荷のため80km/h程度と目標に及ばなかった[14]。
新八代駅構内に新在直通試験線と交流25kV - 20kV(60 Hz)のデッドセクション、軌間可変装置が設置された。
小倉工場で基本的な安全性を確認したのち、8月までに日豊本線で走行試験が開始される予定であったが、機器類の調整で12月まで延期された。2009年(平成21年)6月に新八代駅構内の新在直通試験線での新在直通試験実施。2009年(平成21年)7月下旬からは九州新幹線鹿児島ルートの新水俣 - 川内間において新幹線区間の走行試験が実施され、最高速度は270km/hだった。しかし、台車に問題が多く、この台車での実用化は断念された[14]。走行試験は2009年(平成21年)末で中断され、2010年(平成22年)現在新たな台車の開発に移行したものの、その「3代目」の台車でも車輪のぶれが発生し、改良が難航していた[14]。9月7日に開かれた国の軌間可変技術評価委員会ではカーブでの走行試験結果について「台車の改良だけでは目標達成は難しい」とし、今後は台車の小型・軽量化と併せ、レールの継ぎ目を少なくする「ロングレール化」やレールの幅など誤差の管理を厳しくする「軌道整正」などの改良を検討し、目標達成を目指す考えを示した。一方、車輪の幅を変える軌間可変機構などの技術は一定の耐久性を確認し「確立のめどが立った」としている[17]。
2011年(平成23年)3月に改良台車が完成し、四国へ送られる。当初は4月から試験走行を開始すると報じられたが[18]、予定より遅れて6月28日に予讃線 多度津 - 坂出間で新しい台車を装着した試験走行がスタートした[19][20]。8月22日からは多度津 - 多喜浜間でカーブ区間の走行試験を実施[21]。これらの結果などが10月27日の軌間可変技術評価委員会で審議され、急カーブの走行試験は台車の軽量化、ロングレール化などで在来線カーブの目標速度である85 - 130 km/hを達成したことを確認。これにより、課題とされた在来線カーブでの走行試験で目標を達成し「実用化に向けた基本的な走行性能に関する技術は確立している」との評価をまとめた[22][23]。
12月15日からは予讃線で在来線耐久試験が開始され、2013年9月21日に走行試験終了。それまで計10万kmを走行する[24]。その他、新幹線高速走行試験なども行い、それらの結果を確認し実用化の最終判断を国が2013年度中に行う見通しとされた。
- 2014年(平成26年)
新たな試験用には第三次試験車両が新造されることになり、第二次試験車両は実験を終了した。先頭車の1両は2014年7月20日より、愛媛県西条市の四国鉄道文化館南館で保存展示されている[27]。
第三次試験車両
[編集]営業車両となる三次車両による実用化は当初、2010年(平成22年)とされており遅れていたが、二次車両での結果をふまえ政府は、2012年(平成24年)度予算案に過去最多の61億8700万円を計上し、実用化に向けて二次車両より軽量化・長編成化した三次車両の設計製作に着手した[28]。
- 2014年(平成26年)2月21日、中間車1両が日立製作所笠戸事業所より川崎重工兵庫工場へ航送された。
- 2014年(平成26年)4月19日、JR九州熊本総合車両所にて三次車両が報道陣に公開された[29]。「FGT-9001」(1号車)・「FGT-9002」(2号車)・「FGT-9003」(3号車)・「FGT-9004」(4号車)の4両編成で全電動車(直流区間は非対応)。製造メーカーは1・3・4号車が川崎重工業、2号車が日立製作所。外観は、「ディープレッド」と「シャンパンゴールド」の2色でまとめられている。先頭車はなめらかな流線形で、側面に「FGT」のロゴが入る。車内も赤を基調とした内装になった[30]。なお、座席は300系からの廃車発生品(モケット張替)の流用である。炭素繊維強化プラスチックを使うなどして、これまでの車両より1両当たり約2トン(4%)軽くなり[31]、通常の新幹線並みの43トンを実現[32](新幹線N700系の1両あたり平均重量は43トン、東北新幹線E5系は同45トン)[33]、FGT最大の弱点といわれた重量問題を克服している[32]。電機品は東芝が担当した[34]。
- 2014年(平成26年)4月20日、熊本県内で走行試験を開始した[35][36]。最高速度は新幹線区間が270km/h、在来線区間が130km/h、新幹線・在来線を結ぶ接続線では50km/h、軌間変換装置の通過時は10km/hで走行する[35]。3年間で新幹線 - 軌間変換 - 在来線を繰り返し走行する「3モード耐久走行試験」を通常の新幹線の検査周期と同じ60万km分行う予定[35][36]。
- 2014年(平成26年)8月29日、国土交通省はフリーゲージトレインの開発費に2015年度予算の概算要求で前年度比35%増の28億9700万円を計上し、新たに耐雪・耐寒化の雪対策を施した寒冷地仕様車の開発も始めると発表[37]。
- 2014年(平成26年)10月19日、4月から導入した試験車両が設計通りの性能を持つか確認していたが、結果が良好だったため、より営業運転に近い形での新幹線、軌間変換、在来線を繰り返す「3モード耐久走行試験」へ移行[38][39]。
- 2014年(平成26年)12月24日、耐久走行試験の一時休止を発表[40]。2014年11月29日までに約400回の軌間変換を行い、約3万3,000kmを走り込んだが、一部の台車を確認した際に、スラスト軸受のオイルシールに部分的な欠損が発生し、すべり軸受と車軸の接触部に微細な磨耗痕も確認されたため、必要な対策の検討をはじめ、初期段階での部品点検のための詳細調査を実施することになり、その間の走行試験を見合わせることが決まった[40]。
- 2015年(平成27年)8月28日、国土交通省はフリーゲージトレインの開発費に2016年度予算の概算要求で前年度比36%増の27億4600万円を計上[41]。
- 2015年(平成27年)11月27日、石井啓一国土交通大臣が会見で、トラブルの検証に一定のめどがついたため専門家による検証結果の審議を近く始めると表明[42]。
- 2015年(平成27年)12月4日、国土交通省が、不具合の原因推定と対策案を技術評価委員会に報告、内容を公表[43]。
- 2016年(平成28年)12月3日、車軸の摩耗具合や安定性の検証走行試験を開始[44][45]。試験走行再開は試験車両の車軸の不具合で中断してから約2年ぶり[44][45]。2017年3月までレール幅の異なる九州新幹線熊本 - 鹿児島中央と在来線の熊本 - 八代で約1万キロを走らせ、車軸が摩耗しないよう改良した部品の効果を確認し、技術評価委員会が耐久走行試験を再開できるかを判断するとしている[44][45]。
- 2017年(平成29年)7月14日、国土交通省は、台車に改良を加えて2016年12月から実施した走行試験でも車軸に磨耗が見つかったことを明らかにし、2022年度の九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)暫定開業時には、FGTの先行車両導入は間に合わないとの見解を示した[46]。一方で課題だった車軸の磨耗は「従来の100分の1」まで軽減させることに成功したことも明らかにされた[46]。
- 2017年(平成29年)7月25日、JR九州の青柳俊彦社長は、与党の整備新幹線推進プロジェクトチーム(与党PT)の会合で、「フリーゲージトレインによる運営は困難」だとして、九州新幹線 (西九州ルート)へのフリーゲージトレイン導入を断念すると発表した。フリーゲージトレインは一般の新幹線より車両関連費が2倍前後かかり、全面導入すればJRにとっては年間約50億円の負担増につながると試算されたため「前提である収支採算性が成り立たない」とし、また安全性も「まだ確立できていない状態」であることを理由に述べた。同時に、九州新幹線 (西九州ルート)博多 - 長崎間全線のフル規格での整備を求める考えも示した[47]。
- 2018年(平成30年)8月27日、国土交通省はフリーゲージトレインについて、北陸新幹線への導入を断念する方針を明らかにした[48][49][50]。開発に関しては近畿日本鉄道が在来線での活用を検討しており、日本国政府は予算を縮小して開発を続ける[48][49]。
試験断念後は川内駅に留置されていたが、2024年7月末から解体が始まった[51]。
寒冷地仕様試験車両
[編集]2014年(平成26年)9月17日、JR西日本は金沢 - 敦賀間の開業に向けて開発を進めている「北陸ルート仕様」のフリーゲージトレインについて、2014年10月から模擬台車を使った軌間変換試験を始めると発表。2014年度中に北陸ルート仕様の6両編成の試験車両の設計と製作に着手[52]。北陸本線敦賀駅構内に新設する約180メートルの実験線を用いて、模擬台車にけん引車を連結して軌間変換装置を通過させ、変換動作の確認などを行う。試験車両の走行試験は2016年度中に始める[53]。この案は既に不採用決定によってJR西日本から取り下げている。
在来線軌間可変電車
[編集]2018年(平成30年)5月15日、近畿日本鉄道は京都線・橿原線(標準軌、1,435mm)と吉野線(狭軌、1,067mm)の間で軌間可変電車による在来線区間同士の直通運転を実施することを検討すると発表と発表した。観光客の輸送を目的としており[54][55]、実現すると京都駅から橿原神宮前駅での乗換えなしで吉野駅まで行くことができる。同社は2022年(令和4年)5月25日に「鉄道技術展・大阪」に説明パネルを出展しており、引き続き開発を継続していることが判明した[56]。
実用化に際しての課題
[編集]以下の理由により、九州新幹線(西九州ルート)での営業量産車両は不採用となった。
- 軌間可変装置の通過時間
- 軌間可変装置の通過速度向上にも重点が置かれている。開発当初は極端な低速でしか通過できず、1両通過するのに1分以上掛かる状況であった。その場合だと長編成の列車になれば軌間変更に時間が掛かることになり、結局は新八代駅で行われたような対面乗り換え(当時は九州新幹線の開業区間が新八代以南のみであったため、博多 - 新八代の在来線特急と新八代 - 鹿児島中央の新幹線列車との乗換が必要だった)の方が所要時間(約3分)の面では短いということになる。2009年(平成21年)5月現在、10 km/h程度まで通過速度が向上しており(分速166 m程度)単純計算すると20 m級車両なら1分で8両通過できることになるが、実際には様々な要因を含めて通過に要する時間は5分程度とされている[57]。
- ダイヤ組成の影響・山陽新幹線の保線負担
- 保安上の問題
- 新幹線には踏切がないが、在来線には踏切が存在し、2本のレールの間に微弱な電流を流し列車検知を行っている(軌道回路)。しかしながら2008年から2009年にかけて日豊本線で行われた2次車での試験において、踏切接近時に検知できないトラブルが確認された。一般的な列車は車輪と車軸が電気的にも接続されているが、フリーゲージトレインは車軸の間を車輪が動く構造のため、車輪と車軸は別になり、一般の列車と比べると電気が伝わりにくくなり不検知が発生したと考えられる。これは保安上重大な問題であり、鉄道・運輸機構は対策を講じようとしたが、問題を十分に解決することができなかった[62]。
- 駅整備の負担
- 過大な車両重量によるメンテナンスコストの増大
- 標準軌の新幹線車両に比べ台車が数割重く、軌道やポイントに与える影響が大きい[60]。また、高速走行の際の騒音や振動が問題ともなる。
- 軌間可変用の特殊な機構以外にも、新在共用走行のための運転保安設備を2系統備えるため、車両重量が増加する[61]。
- 比較対象として、スペインのタルゴは機関車が客車を牽引する動力集中方式で、客車は左右の車輪が車軸で結ばれていないため、軌間可変装置を置くスペースが確保できている。また、機関車には客を乗せない分、車輪や台車を大きくすることで重量の問題を解決している。一方、日本の新幹線は動力分散方式の電車であり、全ての台車にモーターを設置するため、台車が重くなってしまう。また、広軌 - 標準軌(1668mm⇔1435mm)で軌間可変するタルゴと異なり、日本では標準軌 - 狭軌(1435mm⇔1067mm)で軌間可変するため、狭軌の限界寸法に合わせて機器類を設置しなければならず、軌間差(変換幅)もタルゴの15%に対し日本は26 %と大きいため、軌間可変装置を置くスペースがない[63][64][65][66]。
- フリーゲージトレイン(FGT)第3次試験車は、車両軽量化対策として、高価な部品を用いることで、270 km/h走行を行う一般の新幹線電車と同じ重量を実現[61]。
- 軌間可変台車は可動部を有していることから点検箇所が増え、摺動部品、摩耗部品は交換周期自体も短いため、メンテナンスコストが増大する。軌間可変技術評価委員会は、フリーゲージトレイン(FGT)第3次試験車の検証走行試験での車軸の不具合から、車軸の定期的交換を想定して一般の新幹線車両と経済性の比較を行った結果、車軸を240万 kmごとに交換する場合で一般の新幹線車両の2.5倍程度、台車検査周期の60万 kmで交換する場合は3倍程度のメンテナンスコストになると試算している[61]。
導入が検討されている路線
[編集]かつて検討された路線
[編集]整備新幹線
[編集]- 1998年(平成10年)、政府の与党整備新幹線検討委員会で北陸新幹線 長野 - 上越間について、上越以西にフリーゲージトレインを導入した場合の需要予測及び収支改善効果が試算された。
- 1999年(平成11年)、自自政権の自自協議会や自自公政権の整備新幹線建設促進協議会で九州新幹線鹿児島ルート、西九州ルート(長崎ルート)、及び北陸新幹線敦賀以西でフリーゲージトレインの検討案(その後鹿児島ルート及び北陸新幹線はフル規格による整備と決定)。
- 2004年(平成18年)、政府与党合意で九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)へ導入を目指すとされた。
- 2012年(平成24年)、国土交通省は、北陸新幹線の敦賀-大阪間について、当初は2025年予定だった敦賀延伸開業後も新線を建設せずにフリーゲージトレインによる在来線の湖西線への直通によるものとする案を提案した[71]。
- 2018年(平成30年)8月27日の政府与党とJR西日本の会合で、2023年春に前倒し予定となった敦賀延伸開業においては不採用となった[48][49][50]。
新在直通
[編集]- 1999年(平成11年)
- 2001年(平成13年)7月、秋田新幹線能代延伸をミニ新幹線ではなくフリーゲージトレインで行い、積雪地での実験線とする構想[要出典]。
- 新潟 - 山形両県による羽越本線高速化調査。
- 新潟県による信越本線高速化調査。
- 2006年(平成18年)
通勤 - 近郊路線
[編集]かつて計画があった都市圏の路線。
整備新幹線に関する政府与党合意
[編集]- 1996年(平成8年)12月25日「整備新幹線の取り扱いについて」政府 - 与党合意において、「新幹線鉄道の高速化効果を他の地域に均てんするための軌間自由可変電車の技術開発等の事業等を推進する」との文言が掲げられた。
- 2000年(平成12年)12月18日「整備新幹線の取り扱いについて」政府 - 与党申合せにおいて、「軌間可変電車の技術開発を推進し、早期実用化を図る」との文言が掲げられた。
- 2004年(平成16年)12月16日「整備新幹線の取り扱いについて」政府 - 与党申合せにおいて同様の文言が掲げられるとともに、九州新幹線西九州ルート(長崎ルート) 武雄温泉 - 諫早間につき「軌間可変電車方式による整備を目指す」とされた。
- 整備新幹線関連文書 国土交通省。より
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ フリーゲージトレイン - 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(更新日不明/2017年9月21日閲覧)
- ^ "高速鉄道の柔軟な展開" RRR Vol.78 No.10 鉄道総合技術研究所 2021 p.30
- ^ "フリーゲージトレイン設備撤去へ 九州新幹線導入頓挫、10月にも" 共同通信社/Yahoo!ニュース 2024年7月14日更新 2024年7月16日閲覧
- ^ "新幹線函館乗入れの調査費「捨てるようなもの」無知と誤解の原因は" 杉山淳一 マイナビニュース 2023年7月18日6:05掲載 2023年8月28日閲覧
- ^ "結局理想が高すぎた? 異なる軌間を行く「フリーゲージトレイン」、約四半世紀たっても実用化されないワケ" 赤羽良男 Merkmal 2022年8月2日更新 2024年7月16日閲覧
- ^ a b "【ラスト50kmの攻防(8)】「これ以上はFGT開発に予算と時間を割けない」FGT断念、国交省ひたすら陳謝」" NetIB-NEWS 2020年9月4日14:30更新 2024年7月18日閲覧
- ^ a b "フリーゲージトレインまだやるの? JRも拒否した30年払拭できぬデメリット 計画は存在" 安藤昌季 乗りものニュース 2022年10月13日更新 2024年7月17日閲覧
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- ^ 奥田行男「京阪電車と私(3)」、『鉄道ピクトリアル』1984年1月増刊号、pp.120。京阪60型電車#京津間直通運転をめぐるその他の構想も参照。
関連項目
[編集]- 新在直通運転
- 軌間可変
- タルゴ ‐ 実用化されているフリーゲージトレイン(客車列車)
- レンフェ120系電車 - BRAVAを採用したフリーゲージトレイン
- 中国中車 - 傘下の中車唐山が国際高速列車用フリーゲージトレインを開発
- 日本の改軌論争
- 構想
- 文化作品
- 交渉人 真下正義 - 作品中に開発中の軌間可変電車(クモE4-600、架空)が登場する。
外部リンク
[編集]- 国土交通省軌間可変技術評価委員会
- 編集長敬白アーカイブ:フリーゲージトレイン第二次試作車が完成。 - 鉄道ホビダス(インターネットアーカイブ)
- 編集長敬白:走行試験を開始したフリーゲージトレイン。 - 鉄道ホビダス(インターネットアーカイブ)
- フリーゲージトレインの耐久走行試験を公開 熊本 - YouTube(朝日新聞社提供、2014年10月20日公開)