コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「本四備讃線」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
Cewbot (会話 | 投稿記録)
135行目: 135行目:
* 特急「[[南風 (列車)|南風]]」:岡山駅 - 高知駅・中村駅間
* 特急「[[南風 (列車)|南風]]」:岡山駅 - 高知駅・中村駅間
* 特急「[[うずしお (列車)|うずしお]]」:岡山駅 - 徳島駅間
* 特急「[[うずしお (列車)|うずしお]]」:岡山駅 - 徳島駅間
* 寝台特急「[[瀬戸 (列車)|サンライズ瀬戸]]」:東京駅 - 高松駅間
* 寝台特急「[[サンライズ瀬戸]]」:東京駅 - 高松駅間
* 快速「[[マリンライナー]]」:岡山駅 - 高松駅間
* 快速「[[マリンライナー]]」:岡山駅 - 高松駅間



2021年1月17日 (日) 01:31時点における版

本四備讃線
シンボルマーク
本四備讃線を走行する快速「マリンライナー」
本四備讃線を走行する快速「マリンライナー
基本情報
通称 瀬戸大橋線
日本の旗 日本
所在地 岡山県香川県
種類 普通鉄道在来線幹線
起点 茶屋町駅
終点 宇多津駅
駅数 6駅
路線記号 M(茶屋町駅 - 児島駅間)
開業 1988年3月20日(暫定開業)[1]
全通 1988年4月10日(全面開業)[1]
所有者 日本高速道路保有・債務返済機構[2]
運営者 西日本旅客鉄道(第一種[3] 茶屋町駅 - 児島駅間)
四国旅客鉄道(第一種[3] 児島駅 - 宇多津駅間)
日本貨物鉄道(第ニ種)
車両基地 岡山電車区
使用車両 運行形態を参照
路線諸元
路線距離 31.0 km
軌間 1,067 mm狭軌
線路数 全線複線
電化方式 直流1,500 V 架空電車線方式
閉塞方式 自動閉塞式
最高速度 130 km/h
路線図
テンプレートを表示

本四備讃線(ほんしびさんせん)は、岡山県倉敷市茶屋町駅から瀬戸大橋を渡り、香川県綾歌郡宇多津町宇多津駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)・四国旅客鉄道(JR四国)の鉄道路線幹線)である。

概要

1988年に開通した6つの橋梁からなる瀬戸大橋を渡り、本州四国を結ぶ。瀬戸大橋は道路(瀬戸中央自動車道)との併用橋となっており、本四備讃線は道路の下部を通る。アプローチ区間は本州側が高架とトンネル、四国側が高架線となっている。

宇野線予讃線の一部を合わせた岡山駅 - 高松駅間に「瀬戸大橋線」の愛称がつけられている[4]。交通新聞社発行の『JR時刻表』をはじめとする旅客向けの案内においても「瀬戸大橋線」と記されることが多く、「本四備讃線」という表現はほとんど使用されていない。

瀬戸大橋は橋上の鉄道施設を含め日本高速道路保有・債務返済機構(高速道路機構)が所有しているが、高速道路機構は鉄道事業法第59条の規定により、第三種鉄道事業者として適用されず、同法同条2項の規定によって、JR四国が第一種鉄道事業者とみなされている。

JR西日本が保有する区間は、岡山支社の直轄である。当該区間に2016年3月26日から導入されたラインカラーは青()、路線記号Mである。JR四国が保有する区間はラインカラーを設定しておらず、路線図[5]などでは当該区間も含めた本四備讃線全線をJR西日本のコーポレートカラーで表現しているものや、予讃線と同一の表現も存在する[6]

全線がIC乗車カードICOCA」および「SHIKOKU ICOCA」のエリアに含まれている[7][8]。また児島駅 - 宇多津駅間には、1996年1月10日から加算運賃(2019年10月1日時点で110円[9])が設定され、道路との共用部の維持費として支払われる「本四利用料」や、軌道の維持費などの一部に充当されている[10]

本四備讃線建設に係る鉄道債務の額は、長期借入金に係るものとしての債務総額約1,886億7,200万円、本州四国連絡橋債券に係るものとして債券総額約4,250億3,200万円の合計、約6,117億400万円と定められている[11]。これらは本来は国鉄が負担すべきものであったが、国鉄分割民営化に伴い国鉄清算事業団日本鉄道建設公団)が負担した[12]

路線データ

  • 管轄・路線距離(営業キロ):全長31.0km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:6(起終点駅含む)
    • JR西日本:5
    • JR四国:1(児島駅除く)
      • 本四備讃線所属駅に限定した場合、宇野線所属の茶屋町駅と予讃線所属の宇多津駅[13]が除外され、4駅となる(これらはすべてJR西日本所属。JR四国としての本四備讃線所属駅はない)。
  • 複線区間:全線
  • 電化区間:全線(直流1500V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 最高速度:
    • 茶屋町駅 - 児島駅間 130km/h
    • 児島駅 - 宇多津駅間 120km/h
  • 運転指令所
    • 茶屋町駅 - 児島駅間 岡山総合指令所
    • 児島駅 - 宇多津駅間 高松指令所

沿線概況

宇野線との分岐駅である茶屋町駅は本四備讃線専用のホームがなく、茶屋町駅を発車するとしばらく宇野線と同じ線路上を走行し、宇野線が右に分かれていく。左にカーブしてもなお宇野線は本四備讃線の高架下を走行し、右にカーブすると左手には引き続き直進していく宇野線が見える。その先で植松駅を過ぎると、すぐに蟻峰山トンネル・福南山トンネル・児島トンネルと立て続けに通過し、トンネル間に木見駅上の町駅が設けられている。児島トンネルを出ると瀬戸内海が見え、繊維(アパレル)産業で栄えている児島駅に到着し、JR西日本の区間が終わる。

児島駅を出ると、JR四国の区間に入り、鷲羽山の山麓を進み、瀬戸中央自動車道の交点付近で神道山トンネル・鷲羽山トンネルを通過し、瀬戸大橋を渡り始める。神道山トンネルでは複線でトンネルに入るが、トンネルの途中から鷲羽山トンネルに接続して上下線で分かれて、鷲羽山トンネルおよび瀬戸大橋では上り線が四国横断新幹線用の下り線を、下り線が在来線用の上り線を使用している。そのため、瀬戸大橋は在来線と新幹線を合わせて4線敷設できるように考慮されているが、現在は中央の2線しか線路が敷設されていない。櫃石島 - 与島間は人家に近く開業後に騒音問題になったことから、これらの区間を通過する際は騒音を抑え、環境基準の75ホン以下にするため速度を落として運転している。

JR四国では、一部区間をのぞき風速が30m/s以上になると列車の運転を見合わせるとしているが、海上を走行することから、瀬戸大橋上での風速規制値は25m/s以上と厳しくしている。瀬戸大橋に設置されている風速計信号機と連動しており、風速規制値を超えると自動的に停止信号を現示し、風が弱まるまで列車を一時安全な場所に停車させる。また、閉塞信号機の配置によって、橋上に3列車以上(同じ橋の同じ線路に列車があること)運転しないようになっている。

吊り橋の荷重制限から1列車の重量は最大1400tまで、1橋には(上下線合わせて)同時に2列車までという運転上の制限があることから、閉塞信号機はすべて陸地にあたる高架橋部に設置されている。また、列車火災に備えて櫃石島と与島の高架橋部には消火設備と避難通路が備えられている。

四国に入ると工業地帯を通過し、瀬戸中央自動車道と分かれて右にカーブし、快速「マリンライナー」など坂出駅へと向かう連絡線が左へ分岐するが、特急しおかぜ」などは直進し、宇多津駅に到着する。

全線を通してほとんどが橋梁・高架およびトンネルで地平を走行する区間はなく、踏切は1か所も設けられていない。

運行形態

2019年3月現在、本四備讃線のみを走る列車は1本もなく、ほぼすべての列車が岡山駅から直通している。

旅客列車

本四連絡列車として以下の列車が運行されている(定期列車のみ掲げる)。

本四備讃線の終点は宇多津駅だが、高松方面と直通する快速「マリンライナー」や寝台特急「サンライズ瀬戸」は、宇多津駅構内にある短絡線(通過線)を通って坂出駅方面と行き来するため宇多津駅のホームは経由しない。ただし、特急「うずしお」は岡山駅 - 宇多津駅間で特急「南風」と併結運転するため、宇多津駅に停車する。運賃はいずれの場合も宇多津経由で計算される。

このほか、岡山駅 - 児島駅間の普通も運転されている。岡山駅から予讃線観音寺駅、土讃線琴平駅に直通する普通列車も運転されていたが、2019年3月16日のダイヤ改正で消滅した。

貨物列車

歴史

児島駅前で瀬戸大橋開通に先立ち、1988年3月20日 - 8月31日に開催された「瀬戸大橋架橋記念博覧会」(瀬戸大橋博'88・岡山)の観客輸送のため、同駅以北を先行開業している。

  • 1988年昭和63年)
    • 3月20日:茶屋町駅 - 児島駅間暫定開業[1](西日本旅客鉄道・第一種鉄道事業)。
    • 4月10日:児島駅 - 宇多津駅間[1]と坂出駅への短絡線が開業(四国旅客鉄道・第一種鉄道事業)。日本貨物鉄道が全線の第二種鉄道事業者となる。与島にて瀬戸大橋開通式を開催。
  • 2001年平成11年) - 瀬戸大橋鉄道部の債務償還4,900億円の返済が完了。
  • 2007年(平成19年)9月1日:茶屋町駅 - 児島駅間が「ICOCA」の利用エリアになる[14][15]
  • 2014年(平成26年)3月1日:児島駅 - 宇多津駅間および坂出駅への短絡線が「ICOCA」の利用エリアになる。
  • 2020年(令和2年)9月以降:駅ナンバー(駅番号)を瀬戸大橋線の宇野線区間を含む岡山駅 - 児島駅間の各駅に導入予定[16][17]

国鉄再建に係る本四備讃線建設中止問題

第二次臨時行政調査会及び国鉄再建監理委員会は、国鉄に瀬戸大橋の鉄道部分の利用料を支払う能力が無いことを問題視し、分割・民営化の大きな障害となると考えていた。瀬戸大橋の鉄道部分の建設費4500億円に建設中の利息1500億円を加えた6000億円に対し、40年間に国鉄が支払うべき利用料は年間500億円(合計2兆円)に達するからである(当時の金利約8%による複利計算)。一方、当時の四国の国鉄の年間旅客収入は約360億円にすぎず、「鉄道計画の常識を逸脱した建設計画」を推進していたことになる[18]

1983年7月21日付け日本経済新聞は、国鉄再建監理委員会が「児島·坂出ルートの鉄道建設工事をとりやめるよう中曽根首相に提言する方針を固めた。8月初めに打ち出す「緊急提言」に盛り込む。」「借入金をこれ以上増やさない施策が最も重要と判断。設備投資の抑制に重点を置いており、本州連絡橋児島・坂出ルートの鉄道建設中止は緊急提言の目玉になる。」と報じた。これに対し、四国の政治家等が巻き返した結果、緊急提言に本四備讃線の建設中止は盛り込まれなかった。

瀬戸大橋は線路等の鉄道専用施設を含めて本州四国連絡橋公団(→日本高速道路保有・債務返済機構)の所有であるが[19]、鉄道専用施設の建設費にかかる債務については日本国有鉄道清算事業団(→日本鉄道建設公団鉄道建設・運輸施設整備支援機構)が承継しており[19]、鉄道部分のうち鉄道専用施設以外の建設費は本州四国連絡橋公団が、鉄道専用施設の建設費は日本国有鉄道清算事業団が負担したことになる。協定によりJR四国が負担する利用料は鉄道部分の維持管理に必要な経費に対応する額のみとされたため[19]、本州四国連絡橋公団・日本国有鉄道清算事業団は他の収入により建設費にかかる債務を償還する必要に迫られたが、いずれも見込み通りの収入を得ることができなかったことから償還が滞り、債務の一部を一般会計が承継している(詳細は各団体の記事を参照)。

駅一覧

会社 駅名 駅間
営業キロ
累計
営業キロ
接続路線 所在地
西日本
旅客鉄道
茶屋町駅 - 0.0 西日本旅客鉄道宇野線 宇野みなと線・ 瀬戸大橋線) 岡山県 倉敷市
植松駅 2.9 2.9   岡山市
南区
木見駅 2.7 5.6   倉敷市
上の町駅 4.1 9.7  
児島駅 3.2 12.9  
四国
旅客鉄道
(この間で瀬戸大橋を通過する)
宇多津駅 18.1 31.0 四国旅客鉄道●Y 予讃線 香川県
綾歌郡
宇多津町

茶屋町駅と児島駅はJR西日本の直営駅、宇多津駅はJR四国の直営駅である。植松駅・木見駅・上の町駅の3駅は無人駅となっている。茶屋町駅・植松駅・木見駅・上の町駅の4駅は児島駅が管理している。

脚注

  1. ^ a b c d “JR7社14年のあゆみ”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 9. (2001年4月2日) 
  2. ^ よくある質問 高速道路機構の鉄道勘定って何ですか
  3. ^ a b 鉄道事業法(昭和61年法律第92号)第59条第2項の規定による。
  4. ^ データで見るJR西日本 - 営業線区 (PDF) - 西日本旅客鉄道(2016年4月27日閲覧)
  5. ^ JR四国 路線図 (PDF) - 四国旅客鉄道(2011年3月4日閲覧)
  6. ^ [JR四国]ダイヤ改正(インターネット・アーカイブ)- 四国旅客鉄道(2016年4月27日閲覧)
  7. ^ ご利用可能エリア|ICOCA:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
  8. ^ ICOCAガイド ご利用可能エリア - 四国旅客鉄道
  9. ^ 新しい運賃・料金のご案内 (PDF) - 四国旅客鉄道、2019年10月22日閲覧
  10. ^ 瀬戸大橋線における加算運賃の状況について - 四国旅客鉄道(2016年4月27日閲覧)
  11. ^ 本州四国連絡橋公団30年史 p61
  12. ^ 本州四国連絡橋公団30年史 p62
  13. ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB、1998年。ISBN 978-4-533-02980-6
  14. ^ 岡山・広島エリアに「ICOCA」デビュー!(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2007年8月8日
  15. ^ 岡山・広島エリアへICカード乗車券「ICOCA」を導入します(インターネット・アーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2006年5月24日
  16. ^ 岡山・福山エリア 8路線82駅への「駅ナンバー」の導入について - 西日本旅客鉄道、2020年7月28日
  17. ^ 瀬戸大橋線のうち予讃線各駅には導入済み。
  18. ^ 「瀬戸大橋にかける夢」石合六郎 国際交通安全学会誌 vol14.no1 (PDF)
  19. ^ a b c 道路関係四公団民営化推進委員会 本州四国連絡橋公団ヒアリング資料 - 本州四国連絡橋公団、2002年9月

関連項目