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2020年9月14日 (月) 23:13時点における版
二十四史 |
---|
二十四史 |
司馬遷『史記』 |
班固『漢書』 |
范曄『後漢書』 |
陳寿『三国志』 |
房玄齢等『晋書』 |
沈約『宋書』 |
蕭子顕『南斉書』 |
姚思廉『梁書』 |
姚思廉『陳書』 |
魏収『魏書』 |
李百薬『北斉書』 |
令狐徳棻等『周書』 |
魏徴・長孫無忌等『隋書』 |
李延寿『南史』 |
李延寿『北史』 |
劉昫等『旧唐書』 |
欧陽脩・宋祁『新唐書』 |
薛居正等『旧五代史』 |
欧陽脩『新五代史』 |
脱脱等『宋史』 |
脱脱等『遼史』 |
脱脱等『金史』 |
宋濂等『元史』 |
張廷玉等『明史』 |
二十六史 |
柯劭忞等『新元史』 |
趙爾巽等『清史稿』 |
その他 |
班固・劉珍・蔡邕等『東観漢記』 |
中華民國版『清史』 |
中華民國版『新清史』(未完) |
中華人民共和国版『清史』 |
『後漢書』(ごかんじょ)は、中国後漢朝について書かれた歴史書。二十四史の一つ。本紀10巻、列伝80巻、志30巻の全120巻からなる紀伝体。成立は5世紀南北朝時代の南朝宋の時代で、編者は范曄(はんよう、398年 - 445年)。
成立までの経緯
范曄は字を蔚宗と言い、幼い頃から学問に長じ、経書に通じて文章・音楽を良くしたという。南朝宋の創始者の劉裕に仕えて尚書吏部郎となったが、432年(元嘉9年)に事件を起こし、左遷されて宣城郡太守になり、在任中に『後漢書』を著したとされている。范曄が執筆したのは本紀と列伝のみである。志については、范曄が後に文帝の弟の劉義康擁立の事件に関わったことで処刑されたので書かれていない。後に南朝梁の劉昭は、范曄の『後漢書』に、西晋の司馬彪が著した『続漢書』の志の部分を合わせ注を付けた。このため現在伝わるのは、後述の李賢注と劉昭注の『続漢書』の志を合刻した北宋時代の版本に基づくものである。
范曄著『後漢書』の成立は432年以降と後漢滅亡から200年以上が経ってからのことであり、年代的には『後漢書』より後の時代の範囲を記述している『三国志』の方が、范曄の『後漢書』よりも約150年も前に既に成立していた。後漢滅亡から200年余りの間に後漢についての歴史書を数多くの史家が著している。後漢がまだ存続していた時から書かれた同時代史書である『東観漢記』、東晋の袁宏の『後漢紀』など。その他にも数多くの史書が存在していて、これを八家後漢書(あるいは七家)と呼んでいる。
- 『後漢書』(呉の謝承)
- 『後漢書』(呉の薛瑩)
- 『後漢書』(西晋の華嶠、『漢後書』とも)
- 『続漢書』(西晋の司馬彪)
- 『後漢書』(東晋の謝沈)
- 『後漢書』(東晋の袁山松)
- 『後漢書』(著者不明)
- 『後漢南記』(晋の張瑩、『漢南紀』とも)
- 『漢紀』(東晋の張璠)
范曄は『東観漢記』、『後漢紀』をベースにこれらの書物を参照しながら、『後漢書』を著した。しかし八家後漢書はほとんど現存しておらず、汪文台『七家後漢書』、裴松之の『三国志』注などのこれらの書物から引用した書物から集めた一部分のみ見ることが出来る(『東観漢記』は『永楽大典』からの輯本(引用された文章を集める事で散逸した書物を復活させること)があり、司馬彪の『続漢書』は、前述の通り志の部分が現存している。袁宏の『後漢紀』はほぼ完全な形で現存している)。
注釈
『後漢書』に最初に注釈を付けたのが既述の劉昭の手による『集注後漢』であるが、本紀・列伝部分の注釈は散逸し、志に付けた注釈部分が現存している。
本紀・列伝の注釈として最も著名なものは、唐の章懐太子李賢の手によるものである。李賢は高宗・武則天夫婦の六男として生まれ、兄の李弘が皇太子の座を廃されてから皇太子に立てられながら、後に実の母親に殺害されたといわれる人物である。この李賢注は文の解釈と共に足りない事実の補填をその他の書物から取って非常に高い評価があり、その他の『後漢書』に対し范曄の『後漢書』が存続したのも李賢注があるからだという評もある。
その他の『後漢書』の注釈としては、清の恵棟の『後漢書補注』、王先謙の『後漢書集解』、李慈銘の『後漢書集注』がある。
2001年(平成13年)から2007年(平成19年)にかけ、吉川忠夫による原文・読み下し・訓注が岩波書店(全10巻と別巻〈人名索引・地名索引〉)で刊行(岩波版は范曄による著述ではない「志」は除外)。
完訳版は、2001年(平成13年)から2016年(平成28年)にかけ、渡邉義浩を代表に原文・読み下し・訓注・現代語訳が、汲古書院(全18巻と別冊)で刊行。
評価
『後漢書』は歴史評論家にある一定の高い評価を得ている。八家後漢書がいずれも散逸して、范曄の『後漢書』のみが残ったという事実が、范曄『後漢書』に対する評価を表しているともいえる。
内容
本紀
題名 | 人物 | |
---|---|---|
巻1上 (1/2) | 光武帝紀上 | 光武帝 |
巻1下 (2/2) | 光武帝紀下 | 光武帝 |
巻2 | 顕宗孝明帝紀 | 明帝 |
巻3 | 粛宗孝章帝紀 | 章帝 |
巻4 | 孝和孝殤帝紀 | 和帝・殤帝 |
巻5 | 孝安帝紀 | 安帝 |
巻6 | 孝順孝沖孝質帝紀 | 順帝・沖帝・質帝 |
巻7 | 孝桓帝紀 | 桓帝 |
巻8 | 孝霊帝紀 | 霊帝 |
巻9 | 孝献帝紀 | 献帝 |
巻10上 (1/2) | 皇后紀上 | 光武郭皇后・光烈陰皇后・明徳馬皇后・賈貴人・章徳竇皇后・和帝陰皇后・和熹鄧皇后 |
巻10下 (2/2) | 皇后紀下 | 安思閻皇后・順烈梁皇后・虞美人・陳夫人・孝崇匽皇后・桓帝懿献梁皇后・桓帝鄧皇后・桓思竇皇后・孝仁董皇后・霊帝宋皇后・霊思何皇后・献帝伏皇后・献穆曹皇后 |
列伝
題名 | 人物 | |
---|---|---|
巻11 | 劉玄劉盆子列伝 | 劉玄・劉盆子 |
巻12 | 王劉張李彭盧列伝 | 王昌・劉永・龐萌・張歩・王閎・李憲・彭寵・盧芳 |
巻13 | 隗囂公孫述列伝 | 隗囂・公孫述 |
巻14 | 宗室四王三侯列伝 | 斉武王縯・北海靖王興・趙孝王良・城陽恭王祉・泗水王歙・安成孝侯賜・成武孝侯順・順陽懐侯嘉 |
巻15 | 李王鄧来列伝 | 李通・王常・鄧晨・来歙・来歴 |
巻16 | 鄧寇列伝 | 鄧禹・鄧訓・鄧騭・寇恂・寇栄 |
巻17 | 馮岑賈列伝 | 馮異・岑彭・賈復 |
巻18 | 呉蓋陳臧列伝 | 呉漢・蓋延・陳俊・臧宮 |
巻19 | 耿弇列伝 | 耿弇・耿国・耿秉・耿夔・耿恭 |
巻20 | 銚期王覇祭遵列伝 | 銚期・王覇・祭遵・祭肜 |
巻21 | 任李萬邳劉耿列伝 | 任光・任隗・李忠・萬脩・邳彤・劉植・耿純 |
巻22 | 朱景王杜馬劉傅堅馬列伝 | 朱祜・景丹・王梁・杜茂・馬成・劉隆・傅俊・堅鐔・馬武 |
巻23 | 竇融列伝 | 竇融・竇固・竇憲・竇章 |
巻24 | 馬援列伝 | 馬援・馬廖・馬防・馬厳・馬棱 |
巻25 | 卓魯魏劉列伝 | 卓茂・魯恭・魯丕・魏覇・劉寛 |
巻26 | 伏侯宋蔡馮趙牟韋列伝 | 伏湛・伏隆・侯覇・宋弘・宋漢・蔡茂・郭賀・馮勤・趙憙・牟融・韋彪・韋義 |
巻27 | 宣張二王杜郭呉承鄭趙列伝 | 宣秉・張湛・王丹・王良・杜林・郭丹・呉良・承宮・鄭均・趙典 |
巻28上 (1/2) | 桓譚馮衍列伝 | 桓譚・馮衍 |
巻28下 (2/2) | 馮衍伝 | 馮衍・馮豹 |
巻29 | 申屠剛鮑永郅惲列伝 | 申屠剛・鮑永・鮑昱・郅惲・郅寿 |
巻30上 (1/2) | 蘇竟楊厚列伝 | 蘇竟・楊厚 |
巻30下 (2/2) | 郎顗襄楷列伝 | 郎顗・襄楷 |
巻31 | 郭杜孔張廉王蘇羊賈陸列伝 | 郭伋・杜詩・孔奮・張堪・廉范・王堂・蘇章・蘇不韋・羊続・賈琮・陸康 |
巻32 | 樊宏陰識列伝 | 樊宏・樊儵・樊準・陰識・陰興 |
巻33 | 朱馮虞鄭周列伝 | 朱浮・馮魴・虞延・鄭弘・周章 |
巻34 | 梁統列伝 | 梁統・梁松・梁竦・梁商・梁冀 |
巻35 | 張曹鄭列伝 | 張純・張奮・曹褒・鄭玄 |
巻36 | 鄭范陳賈張列伝 | 鄭興・鄭衆・范升・陳元・賈逵・張覇・張楷・張陵・張玄 |
巻37 | 桓栄丁鴻列伝 | 桓栄・桓郁・桓焉・桓典・桓鸞・桓曄・桓彬・丁鴻 |
巻38 | 張法滕馮度楊列伝 | 張宗・法雄・滕撫・馮緄・度尚・楊琁 |
巻39 | 劉趙淳于江劉周趙列伝 | 劉平・趙孝・淳于恭・江革・劉般・劉愷・周磐・蔡順・趙咨 |
巻40上 (1/2) | 班彪列伝 | 班彪・班固 |
巻40下 (2/2) | 班彪列伝 | 班固 |
巻41 | 第五鍾離宗宋寒列伝 | 第五倫・鍾離意・宋均・宋意・寒朗 |
巻42 | 光武十王列伝 | 劉彊・劉輔・劉康・劉延・劉焉・劉英・劉蒼・劉荊・劉衡・劉京 |
巻43 | 朱楽何列伝 | 朱暉・朱穆・楽恢・何敞 |
巻44 | 鄧張徐張胡列伝 | 鄧彪・張禹・徐防・張敏・胡広 |
巻45 | 袁張韓周列伝 | 袁安・袁京・袁敞・袁閎・張酺・韓棱・周栄・周景 |
巻46 | 郭陳列伝 | 郭躬・郭鎮・陳寵・陳忠 |
巻47 | 班梁列伝 | 班超・班勇・梁慬・何熙 |
巻48 | 楊李翟応霍爰徐列伝 | 楊終・李法・翟酺・応奉・応劭・霍諝・爰延・徐璆 |
巻49 | 王充王符仲長統列伝 | 王充・王符・仲長統 |
巻50 | 孝明八王列伝 | 劉建・劉羨・劉恭・劉党・劉衍・劉暢・劉昞・劉長 |
巻51 | 李陳龐陳橋列伝 | 李恂・陳禅・龐参・陳亀・橋玄 |
巻52 | 崔駰列伝 | 崔駰・崔瑗・崔寔・崔烈・崔鈞 |
巻53 | 周黄徐姜申屠列伝 | 周燮・黄憲・徐稚・姜肱・申屠蟠 |
巻54 | 楊震列伝 | 楊震・楊秉・楊賜・楊彪・楊修 |
巻55 | 章帝八王伝 | 劉伉・劉全・劉慶・劉寿・劉開・劉淑・劉万歳・劉勝 |
巻56 | 張王種陳列伝 | 張晧・張綱・王龔・王暢・种暠・种岱・种払・种劭・陳球 |
巻57 | 杜欒劉李劉謝列伝 | 杜根・成翊世・欒巴・劉陶・李雲・劉瑜・謝弼 |
巻58 | 虞傅蓋臧列伝 | 虞詡・傅燮・蓋勲・臧洪 |
巻59 | 張衡列伝 | 張衡 |
巻60上 (1/2) | 馬融列伝 | 馬融 |
巻60下 (2/2) | 蔡邕列伝 | 蔡邕 |
巻61 | 左周黄列伝 | 左雄・周挙・周勰・黄瓊・黄琬 |
巻62 | 荀韓鍾陳列伝 | 荀淑・荀爽・荀悦・韓韶・鍾皓・陳寔・陳紀 |
巻63 | 李杜列伝 | 李固・李燮・杜喬 |
巻64 | 呉延史盧趙列伝 | 呉祐・延篤・史弼・盧植・趙岐 |
巻65 | 皇甫張段列伝 | 皇甫規・張奐・段熲 |
巻66 | 陳王列伝 | 陳蕃・王允 |
巻67 | 党錮列伝 | 劉淑・李膺・杜密・魏朗・夏馥・宗慈・范滂・尹勲・蔡衍・羊陟・張倹・岑晊・陳翔・苑康・檀敷・劉儒・賈彪・何顒 |
巻68 | 郭符許列伝 | 郭泰・符融・許劭 |
巻69 | 竇何列伝 | 竇武・何進 |
巻70 | 鄭孔荀列伝 | 鄭泰・孔融・荀彧 |
巻71 | 皇甫嵩朱鑈列伝 | 皇甫嵩・朱儁 |
巻72 | 董卓列伝 | 董卓 |
巻73 | 劉虞公孫瓚陶謙列伝 | 劉虞・公孫瓚・陶謙 |
巻74上 (1/2) | 袁紹劉表列伝 | 袁紹 |
巻74下 (2/2) | 袁紹劉表列伝 | 袁譚・劉表 |
巻75 | 劉焉袁術呂布列伝 | 劉焉・袁術・呂布 |
巻76 | 循吏列伝 | 衛颯・任延・王景・秦彭・王渙・許荊・孟嘗・第五訪・劉矩・劉寵・仇覧・童恢 |
巻77 | 酷吏列伝 | 董宣・樊曄・李章・周紆・黄昌・陽球・王吉 |
巻78 | 宦者列伝 | 鄭衆・蔡倫・孫程・曹騰・単超・侯覧・曹節・呂強・張譲 |
巻79上 (1/2) | 儒林列伝 | 劉昆・洼丹・任安・楊政・張興・戴憑・魏満・欧陽歙・曹曾・陳弇・牟長・宋登・張馴・尹敏・周防・孔僖・楊倫 |
巻79下 (2/2) | 儒林列伝 | 高詡・包咸・魏応・伏恭・任末・景鸞・薛漢・杜撫・楊仁・趙曄・張匡・衛宏・董鈞・丁恭・周澤・周堪・鍾興・甄宇・楼望・程曾・張玄・李育・何休・服虔・穎容・謝該・許慎・蔡玄 |
巻80上 (1/2) | 文苑列伝 | 杜篤・王隆・夏恭・傅毅・黄香・劉毅・李尤・李勝・蘇順・劉珍・葛龔・王逸・崔琦・辺韶 |
巻80下 (2/2) | 文苑列伝 | 張升・趙壱・劉梁・劉楨・辺譲・酈炎・侯瑾・高彪・張超・禰衡 |
巻81 | 独行列伝 | 譙玄・李業・劉茂・温序・彭修・索盧・周嘉・范式・李善・王忳・張武・陸続・戴封・李充・繆肜・陳重・雷義・范冉・戴就・張揖・趙苞・向栩・諒輔・劉翊・王烈 |
巻82上 (1/2) | 方術列伝 | 任文公・郭憲・許楊・王喬・謝夷吾・楊由・李南・李郃・段翳・廖扶・折像・樊英 |
巻82下 (2/2) | 方術列伝 | 唐檀・公沙穆・許曼・趙彦・樊志張・単颺・韓説・董扶・郭玉・華陀・徐登・費長房・薊子訓・劉根・左慈・計子勲・上成公・解奴辜・甘始・王真・王和平 |
巻83 | 逸民列伝 | 野王二老・向長・逢萌・周党・王覇・厳光・井丹・梁鴻・高鳳・臺佟・韓康・矯慎・戴良・法真・漢陰老父・陳留老父・龐徳公 |
巻84 | 列女伝 | 鮑宣妻・王覇妻・姜詩妻・周郁妻・曹世叔妻・楽羊子妻・程文矩妻・孝女曹娥・許升妻・袁隗妻・龐淯母・劉長卿妻・皇甫規妻・陰瑜妻・盛道妻・孝女叔先雄・董祀妻 |
巻85 | 東夷列伝 | 夫餘・挹婁・高句驪・東沃沮・濊・三韓・倭 |
巻86 | 南蛮西南夷列伝 | 南蛮・巴郡南郡蛮・板楯蛮夷・西南夷・西南夷・夜郎・滇・哀牢・邛都・莋都・冉駹・白馬氐 |
巻87 | 西羌伝 | 羌無弋爰剣・滇良・東号子麻奴・湟中月氏胡 |
巻88 | 西域伝 | 拘彌・于窴・西夜・子合・徳若・條支・安息・大秦・大月氏・高附・天竺・東離・栗弋・厳・奄蔡・莎車・疏勒・焉耆・蒲類・移支・東且彌・車師 |
巻89 | 南匈奴列伝 | 南匈奴 |
巻90 | 烏桓鮮卑列伝 | 烏桓・鮮卑 |
志
題名 | 項目 | |
---|---|---|
巻91 | 律暦上 | |
巻92 | 律暦中 | |
巻93 | 律暦下 | |
巻94 | 礼儀上 | |
巻95 | 礼儀中 | |
巻96 | 礼儀下 | |
巻97 | 祭祀上 | |
巻98 | 祭祀中 | |
巻99 | 祭祀下 | |
巻100 | 天文上 | |
巻101 | 天文中 | |
巻102 | 天文下 | |
巻103 | 五行一 | |
巻104 | 五行二 | |
巻105 | 五行三 | |
巻106 | 五行四 | |
巻107 | 五行五 | |
巻108 | 五行六 | |
巻109 | 郡国一 | |
巻110 | 郡国二 | |
巻111 | 郡国三 | |
巻112 | 郡国四 | |
巻113 | 郡国五 | |
巻114 | 百官一 | |
巻115 | 百官二 | |
巻116 | 百官三 | |
巻117 | 百官四 | |
巻118 | 百官五 | |
巻119 | 輿服上 | |
巻120 | 輿服下 |
大秦王安敦
西域列伝の大秦国(=ローマ帝国)の記事に桓帝の延熹9年(166年) 日南に象牙やタイマイなどをもった「大秦王安敦」の使者がきたと記述されている。この「大秦王安敦」はローマ帝国皇帝のマルクス・アウレリウス・アントニヌスとされる。
倭国について
『後漢書』東夷伝の中に倭(後の日本)について記述があり、古代日本の史料になっている。この「倭条」(いわゆる「後漢書倭伝」)は、280年代成立とされる『三国志』の「魏書」東夷伝倭人条(いわゆる「魏志倭人伝」)を基にした記述とされているが、これに対して反論を唱える学者もいる。
「魏志倭人伝」にない記述として、建武中元二年倭奴國奉貢朝賀使人自稱大夫倭國之極南界也光武賜以印綬 とあり、建武中元二年(57年)に倭奴国が朝貢したとされている。このとき光武帝が与えた金印(漢委奴国王印)が福岡県の志賀島で出土している。また、安帝永初元年 倭国王帥升等献生口百六十人 ともあり、永初元年(107年)に倭国王帥升 が人材(労働者か)を百六十人献上したとされている。これが史料に出てくる名前が分かる初めての倭人と言うことになるが、一文のみであり、詳しいことは分かっていない。また「魏志倭人伝」には年代の指定がない倭国大乱についても桓帝・霊帝の間(147年 - 189年)と、大まかではあるが年代の指定がある。
関連項目
- ※「倭・倭人関連の中国文献」参照
- 倭国
- ヤマト王権
- 邪馬台国
- 古墳時代
主な訳注書
- 吉川忠夫訓注、岩波書店(全10巻・別冊)、2001年 - 2005年、別冊2007年
- 後漢書 本紀1 第1冊 ISBN 400-008861-0
- 後漢書 本紀2 第2冊 ISBN 400-008862-9
- 後漢書 列伝1 第3冊 ISBN 400-008863-7
- 後漢書 列伝2 第4冊 ISBN 400-008864-5
- 後漢書 列伝3 第5冊 ISBN 400-008865-3
- 後漢書 列伝4 第6冊 ISBN 400-008866-1
- 後漢書 列伝5 第7冊 ISBN 400-008867-X
- 後漢書 列伝6 第8冊 ISBN 400-008868-8
- 後漢書 列伝7 第9冊 ISBN 400-008869-6
- 後漢書 列伝8 第10冊 ISBN 400-008870-X
- 後漢書 別冊 人名索引・地名索引 ISBN 400-008871-8
- 渡邉義浩責任編集、池田雅典・岡本秀夫ほか訳注、汲古書院(全18巻・別冊)、2001年12月 - 2016年12月
- ※原文・訓文・詳細な現代語訳注・解説。なお表記は該当文献に準ず
- 全譯後漢書 本紀1 (光武帝紀 - 和帝紀) 第1冊 ISBN 9784762927041
- 全譯後漢書 本紀2 (安帝紀 - 皇后紀) 第2冊 ISBN 9784762927058
- 全譯後漢書 志1 (律暦志) 第3冊 ISBN 9784762927065
- 全譯後漢書 志2 (儀禮志) 第4冊 ISBN 9784762927072
- 全譯後漢書 志3 (祭祀志) 第5冊 ISBN 9784762927089
- 全譯後漢書 志4 (天文志) 第6冊 ISBN 9784762927096
- 全譯後漢書 志5 (五行志) 第7冊 ISBN 9784762927102
- 全譯後漢書 志6 (郡國志) 第8冊 ISBN 9784762927119
- 全譯後漢書 志7 (百官志) 第9冊 ISBN 9784762927126
- 全譯後漢書 志8 (輿服志) 第10冊 ISBN 9784762927133
- 全譯後漢書 列傳1(第1 - 10卷) 第11冊 ISBN 9784762927140
- 全譯後漢書 列傳2(第11 - 20卷) 第12冊 ISBN 9784762927157
- 全譯後漢書 列傳3(第21 - 30卷) 第13冊 ISBN 9784762927164
- 全譯後漢書 列傳4(第31 - 40卷) 第14冊 ISBN 9784762927171
- 全譯後漢書 列傳5(第41 - 50卷) 第15冊 ISBN 9784762927188
- 全譯後漢書 列傳6(第51 - 60卷) 第16冊 ISBN 9784762927195
- 全譯後漢書 列傳7(第61 - 70卷) 第17冊 ISBN 9784762927201
- 全譯後漢書 列傳8(第71 - 80卷) 第18冊 ISBN 9784762927218
- 全譯後漢書 別冊(後漢書研究便覽) ISBN 9784762927225。渡邉・稀代麻也子共編
外部リンク
- 『後漢書』東夷伝倭人伝 - ウェイバックマシン(2019年3月30日アーカイブ分)
- 『後漢書』東夷伝 - ウェイバックマシン(1999年8月27日アーカイブ分)