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「大相撲平成30年11月場所」の版間の差分

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[[横綱]]・[[白鵬翔|白鵬]]と[[鶴竜力三郎|鶴竜]]は負傷の影響で全休。結局一人横綱となった[[稀勢の里寛|稀勢の里]]の取組に一層注目が集まったが、一人横綱のプレッシャーなのか怪我の影響なのかは定かでないが、初日から精彩を欠いた取組が続いた。そして4連敗となった所で休場届を提出して5日目から休場した。結果、またもや横綱不在という展開になってしまった(横綱不在は[[大相撲平成30年7月場所|先々場所]]以来)。[[大関]]・[[豪栄道豪太郎|豪栄道]]は場所前の好調が伝えられており、初日の[[北勝富士大輝|北勝富士]]戦は完勝したため順調な滑り出しを見せたかのように見えたが、翌日[[貴景勝光信|貴景勝]]に敗れるとその後も黒星を重ねて序盤で3敗して心配されたが、その後は立て直して6日目からの6連勝で11日目に8勝目を挙げた。しかし、7日目の[[正代直也|正代]]戦で右腕を負傷した事が判明し(実際に豪栄道は9日目・10日目と連続して[[注文相撲]]で白星を得ており、本来の相撲とは程遠かった)、そのまま翌12日目から休場した<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASLCQ3CHWLCQKJPA002.html 豪栄道、右腕痛め休場 九州場所 3横綱1大関が不在に]、[[朝日新聞]]、2018年11月22日、2018年12月13日閲覧。</ref>。[[栃ノ心剛史|栃ノ心]]も初日[[玉鷲一朗|玉鷲]]に早速敗れ、その後は盛り返したかのように見えたが5日目から3連敗を喫するなど9日目を終えて4勝5敗と黒星先行。勝ち越しも危ぶまれたが、終盤戦はしっかりと立て直して14日目に[[御嶽海久司|御嶽海]]を破り8勝目を挙げて勝ち越し。しかし、千秋楽は[[松鳳山裕也|松鳳山]]との流血を交えた激しい相撲に敗れ8勝7敗で取り終えた。
[[横綱]]・[[白鵬翔|白鵬]]と[[鶴竜力三郎|鶴竜]]は負傷の影響で全休。結局一人横綱となった[[稀勢の里寛|稀勢の里]]の取組に一層注目が集まったが、一人横綱のプレッシャーなのか怪我の影響なのかは定かでないが、初日から精彩を欠いた取組が続いた。そして4連敗となった所で休場届を提出して5日目から休場した。結果、またもや横綱不在という展開になってしまった(横綱不在は[[大相撲平成30年7月場所|先々場所]]以来)。[[大関]]・[[豪栄道豪太郎|豪栄道]]は場所前の好調が伝えられており、初日の[[北勝富士大輝|北勝富士]]戦は完勝したため順調な滑り出しを見せたかのように見えたが、翌日[[貴景勝光信|貴景勝]]に敗れるとその後も黒星を重ねて序盤で3敗して心配されたが、その後は立て直して6日目からの6連勝で11日目に8勝目を挙げた。しかし、7日目の[[正代直也|正代]]戦で右腕を負傷した事が判明し(実際に豪栄道は9日目・10日目と連続して[[注文相撲]]で白星を得ており、本来の相撲とは程遠かった)、そのまま翌12日目から休場した<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASLCQ3CHWLCQKJPA002.html 豪栄道、右腕痛め休場 九州場所 3横綱1大関が不在に]、[[朝日新聞]]、2018年11月22日、2018年12月13日閲覧。</ref>。[[栃ノ心剛史|栃ノ心]]も初日[[玉鷲一朗|玉鷲]]に早速敗れ、その後は盛り返したかのように見えたが5日目から3連敗を喫するなど9日目を終えて4勝5敗と黒星先行。勝ち越しも危ぶまれたが、終盤戦はしっかりと立て直して14日目に[[御嶽海久司|御嶽海]]を破り8勝目を挙げて勝ち越し。しかし、千秋楽は[[松鳳山裕也|松鳳山]]との流血を交えた激しい相撲に敗れ8勝7敗で取り終えた。


11日目を終えて、1敗は初日から破壊力のある突き押し相撲で快進撃を続ける[[小結]][[貴景勝光信|貴景勝]]が単独トップ、2敗で大関[[髙安晃|安]]と平幕の[[大栄翔勇人|大栄翔]]・[[碧山亘右|碧山]]の3人が追うという展開になっていた。翌12日目はまず登場した碧山はご当所の元大関・[[琴奨菊和弘|琴奨菊]]のかぶり寄りからの[[寄り切り]]で圧倒され3敗に。その後登場した大栄翔も好調の[[阿武咲]]に[[叩き込み]]で一蹴されこちらも3敗に後退し、平幕の2敗力士はいなくなった。そしてその後に登場した1敗の貴景勝は、実力者[[玉鷲一朗|玉鷲]]を本領発揮の[[突き落とし]]で完勝し1敗を守った。また高安は結びで大関栃ノ心戦を迎えた<ref>余談だが、豪栄道休場の影響で高安-栃ノ心戦が今場所唯一の大関戦となった。</ref>が、こちらも[[上手投げ]]で圧倒。10勝目を挙げて2敗キープ。この結果、1敗で貴景勝・2敗で高安という一騎打ちの形が出来上がった。翌13日目、まず登場した貴景勝は好調の碧山戦を迎えた。この相撲は貴景勝が突き押しから、相手がバランスを崩した所を[[押し倒し]]で圧倒、1敗で単独先頭を維持した。また高安も豪栄道休場の影響で急遽組まれた大栄翔に押し倒しで圧倒して11勝2敗。結果、13日目を終えて優勝争いの構図は変わらなかった。そして翌14日目は両者が激突する大一番が組まれた。貴景勝が勝てば14日目で優勝決定・高安が勝てば両者が2敗で並ぶという状況であった。この相撲は立ち合いから貴景勝が攻め込んだが、土俵際で高安が[[引き落とし]]でひらりと交わせば貴景勝は四つん這いとなり惜敗。両者2敗で並び優勝決定は千秋楽へもつれた。そして翌千秋楽。貴景勝は初めての平幕上位で存在感を見せていた[[錦木徹也|錦木]]戦・高安は[[千秋楽結びの一番]]で御嶽海戦が組まれた。最初に登場した貴景勝は、錦木に攻め込まれる場面があったものの[[叩き込み]]で勝利。13勝2敗として結びの結果を待つこととなった。そして千秋楽結びの一番。高安勝てば優勝決定戦、御嶽海勝てば貴景勝の優勝決定となった。この相撲は1分を超える持久戦の末、高安が寄ろうとしたハナを御嶽海の[[掬い投げ]]に崩れて痛恨の3敗目。この結果、'''貴景勝の初優勝'''が決定した。
11日目を終えて、1敗は初日から破壊力のある突き押し相撲で快進撃を続ける[[小結]][[貴景勝光信|貴景勝]]が単独トップ、2敗で大関[[髙安晃|安]]と平幕の[[大栄翔勇人|大栄翔]]・[[碧山亘右|碧山]]の3人が追うという展開になっていた。翌12日目はまず登場した碧山はご当所の元大関・[[琴奨菊和弘|琴奨菊]]のかぶり寄りからの[[寄り切り]]で圧倒され3敗に。その後登場した大栄翔も好調の[[阿武咲]]に[[叩き込み]]で一蹴されこちらも3敗に後退し、平幕の2敗力士はいなくなった。そしてその後に登場した1敗の貴景勝は、実力者[[玉鷲一朗|玉鷲]]を本領発揮の[[突き落とし]]で完勝し1敗を守った。また高安は結びで大関栃ノ心戦を迎えた<ref>余談だが、豪栄道休場の影響で高安-栃ノ心戦が今場所唯一の大関戦となった。</ref>が、こちらも[[上手投げ]]で圧倒。10勝目を挙げて2敗キープ。この結果、1敗で貴景勝・2敗で高安という一騎打ちの形が出来上がった。翌13日目、まず登場した貴景勝は好調の碧山戦を迎えた。この相撲は貴景勝が突き押しから、相手がバランスを崩した所を[[押し倒し]]で圧倒、1敗で単独先頭を維持した。また高安も豪栄道休場の影響で急遽組まれた大栄翔に押し倒しで圧倒して11勝2敗。結果、13日目を終えて優勝争いの構図は変わらなかった。そして翌14日目は両者が激突する大一番が組まれた。貴景勝が勝てば14日目で優勝決定・高安が勝てば両者が2敗で並ぶという状況であった。この相撲は立ち合いから貴景勝が攻め込んだが、土俵際で高安が[[引き落とし]]でひらりと交わせば貴景勝は四つん這いとなり惜敗。両者2敗で並び優勝決定は千秋楽へもつれた。そして翌千秋楽。貴景勝は初めての平幕上位で存在感を見せていた[[錦木徹也|錦木]]戦・高安は[[千秋楽結びの一番]]で御嶽海戦が組まれた。最初に登場した貴景勝は、錦木に攻め込まれる場面があったものの[[叩き込み]]で勝利。13勝2敗として結びの結果を待つこととなった。そして千秋楽結びの一番。高安勝てば優勝決定戦、御嶽海勝てば貴景勝の優勝決定となった。この相撲は1分を超える持久戦の末、高安が寄ろうとしたハナを御嶽海の[[掬い投げ]]に崩れて痛恨の3敗目。この結果、'''貴景勝の初優勝'''が決定した。


[[三賞]]は、今場所優勝の貴景勝が殊勲賞・敢闘賞のダブル受賞、中盤までは優勝戦線に絡んで復調を印象付けた11勝4敗の阿武咲が敢闘賞を受賞した。
[[三賞]]は、今場所優勝の貴景勝が殊勲賞・敢闘賞のダブル受賞、中盤までは優勝戦線に絡んで復調を印象付けた11勝4敗の阿武咲が敢闘賞を受賞した。
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2020年6月23日 (火) 01:24時点における版

大相撲平成30年11月場所
福岡国際センター
基本情報
会場 福岡国際センター
番付発表 2018年10月29日
開催期間 2018年11月11日 - 11月25日(15日間)
各段優勝・三賞
幕内最高優勝 貴景勝光信(13勝2敗・初優勝)
十両優勝 友風勇太(12勝3敗)
幕下優勝 蒼国来栄吉(7戦全勝)
三段目優勝 宇良和輝(7戦全勝)
序二段優勝 光内洸太(7戦全勝)
序ノ口優勝 鳩岡良祐(7戦全勝)
殊勲賞 貴景勝光信(13勝2敗・3回目)
敢闘賞 貴景勝光信(13勝2敗・2回目)
阿武咲奎也(11勝4敗・3回目)
技能賞 該当者なし
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大相撲平成30年11月場所(おおずもうへいせい30ねん11がつばしょ)は、2018年11月11日から11月25日まで福岡県福岡市博多区福岡国際センターで開催された大相撲本場所である。

幕内最高優勝は、小結貴景勝光信(13勝2敗・初優勝)。

優勝争い

横綱白鵬鶴竜は負傷の影響で全休。結局一人横綱となった稀勢の里の取組に一層注目が集まったが、一人横綱のプレッシャーなのか怪我の影響なのかは定かでないが、初日から精彩を欠いた取組が続いた。そして4連敗となった所で休場届を提出して5日目から休場した。結果、またもや横綱不在という展開になってしまった(横綱不在は先々場所以来)。大関豪栄道は場所前の好調が伝えられており、初日の北勝富士戦は完勝したため順調な滑り出しを見せたかのように見えたが、翌日貴景勝に敗れるとその後も黒星を重ねて序盤で3敗して心配されたが、その後は立て直して6日目からの6連勝で11日目に8勝目を挙げた。しかし、7日目の正代戦で右腕を負傷した事が判明し(実際に豪栄道は9日目・10日目と連続して注文相撲で白星を得ており、本来の相撲とは程遠かった)、そのまま翌12日目から休場した[1]栃ノ心も初日玉鷲に早速敗れ、その後は盛り返したかのように見えたが5日目から3連敗を喫するなど9日目を終えて4勝5敗と黒星先行。勝ち越しも危ぶまれたが、終盤戦はしっかりと立て直して14日目に御嶽海を破り8勝目を挙げて勝ち越し。しかし、千秋楽は松鳳山との流血を交えた激しい相撲に敗れ8勝7敗で取り終えた。

11日目を終えて、1敗は初日から破壊力のある突き押し相撲で快進撃を続ける小結貴景勝が単独トップ、2敗で大関髙安と平幕の大栄翔碧山の3人が追うという展開になっていた。翌12日目はまず登場した碧山はご当所の元大関・琴奨菊のかぶり寄りからの寄り切りで圧倒され3敗に。その後登場した大栄翔も好調の阿武咲叩き込みで一蹴されこちらも3敗に後退し、平幕の2敗力士はいなくなった。そしてその後に登場した1敗の貴景勝は、実力者玉鷲を本領発揮の突き落としで完勝し1敗を守った。また高安は結びで大関栃ノ心戦を迎えた[2]が、こちらも上手投げで圧倒。10勝目を挙げて2敗キープ。この結果、1敗で貴景勝・2敗で高安という一騎打ちの形が出来上がった。翌13日目、まず登場した貴景勝は好調の碧山戦を迎えた。この相撲は貴景勝が突き押しから、相手がバランスを崩した所を押し倒しで圧倒、1敗で単独先頭を維持した。また高安も豪栄道休場の影響で急遽組まれた大栄翔に押し倒しで圧倒して11勝2敗。結果、13日目を終えて優勝争いの構図は変わらなかった。そして翌14日目は両者が激突する大一番が組まれた。貴景勝が勝てば14日目で優勝決定・高安が勝てば両者が2敗で並ぶという状況であった。この相撲は立ち合いから貴景勝が攻め込んだが、土俵際で高安が引き落としでひらりと交わせば貴景勝は四つん這いとなり惜敗。両者2敗で並び優勝決定は千秋楽へもつれた。そして翌千秋楽。貴景勝は初めての平幕上位で存在感を見せていた錦木戦・高安は千秋楽結びの一番で御嶽海戦が組まれた。最初に登場した貴景勝は、錦木に攻め込まれる場面があったものの叩き込みで勝利。13勝2敗として結びの結果を待つこととなった。そして千秋楽結びの一番。高安勝てば優勝決定戦、御嶽海勝てば貴景勝の優勝決定となった。この相撲は1分を超える持久戦の末、高安が寄ろうとしたハナを御嶽海の掬い投げに崩れて痛恨の3敗目。この結果、貴景勝の初優勝が決定した。

三賞は、今場所優勝の貴景勝が殊勲賞・敢闘賞のダブル受賞、中盤までは優勝戦線に絡んで復調を印象付けた11勝4敗の阿武咲が敢闘賞を受賞した。

番付・星取表

番付 西
四股名 成績 結果 四股名 成績 結果
白鵬 全休 横綱 鶴竜 全休
稀勢の里 0勝5敗10休 横綱  
豪栄道 8勝4敗3休 大関 髙安 12勝3敗 優勝次点
  大関 栃ノ心 8勝7敗
御嶽海 7勝8敗 関脇 逸ノ城 6勝9敗
貴景勝 13勝2敗 幕内最高優勝
殊勲賞
敢闘賞
小結 魁聖 3勝9敗3休
妙義龍 8勝7敗 前頭筆 北勝富士 7勝8敗
栃煌山 8勝7敗 前頭2 玉鷲 9勝6敗
錦木 8勝7敗 前頭3 竜電 6勝9敗
正代 8勝7敗 前頭4 嘉風 7勝8敗
千代大龍 7勝8敗 前頭5 朝乃山 6勝9敗
貴ノ岩 6勝9敗 前頭6 5勝10敗
阿炎 6勝9敗 前頭7 松鳳山 10勝5敗
6勝9敗 前頭8 宝富士 7勝8敗
琴奨菊 10勝5敗 前頭9 大栄翔 9勝6敗
佐田の海 7勝8敗 前頭10 豊山 5勝10敗
千代の国 5勝10敗 前頭11 隠岐の海 11勝4敗
碧山 11勝4敗 前頭12 遠藤 9勝6敗
阿武咲 11勝4敗 敢闘賞 前頭13 隆の勝 4勝11敗
千代翔馬 7勝8敗 前頭14 大翔丸 6勝9敗
大奄美 7勝8敗 前頭15 明生 9勝6敗
荒鷲 1勝12敗2休 前頭16 千代丸 4勝11敗

脚注

  1. ^ 豪栄道、右腕痛め休場 九州場所 3横綱1大関が不在に朝日新聞、2018年11月22日、2018年12月13日閲覧。
  2. ^ 余談だが、豪栄道休場の影響で高安-栃ノ心戦が今場所唯一の大関戦となった。