「中国の貨幣制度史」の版間の差分

履歴の双方向閲覧

← 古い編集新しい編集 →

削除された内容追加された内容

ビジュアルウィキテキスト

インライン

2019年6月29日 (土) 20:18時点における版

オーストリアの旅行家・Ernst von Hesse-Wartegg著"China und Japan"より
中国古代貨幣図^{[† 1]}

中国の貨幣制度史（ちゅうごくのかへいせいどし）では、中国の貨幣制度の歴史について記述する。中国に流入した外国の貨幣や、国外で流通した中国の貨幣についても記述する。世界各地の貨幣の歴史については、貨幣史を参照。

概要

中国の歴史を通じて使われた主な貨幣は、小額の銅貨、高額の紙幣、そして銀貨だった。銅貨は日常の支払いや取り引きに使われ、運搬費用が高かった。紙幣は政府発行と民間発行のものに分かれており、運搬は金属の貨幣と比べて容易だった。銅貨や紙幣は表示された金額や刻印をもとに使う計数貨幣であり、銀貨は19世紀までは重量をはかって使う秤量貨幣だった^[1]。各時代の主な貨幣をあげると、殷〜周の時代は貝貨・青銅貨、秦〜漢の時代は銅貨・金・布、後漢〜唐は銅貨・布、宋は銅貨・鉄貨・紙幣、元は紙幣・銀貨、明〜清は銅貨・銀貨・紙幣、中華民国は銀貨・紙幣、中華人民共和国は硬貨・紙幣となる。銅貨はつねに不足しており、金銀・布・穀物などの秤量貨幣でおぎなわれた^{[† 2]}^[2]^[3]。貨幣の機能には、支払い・価値尺度・蓄蔵・交換があり、それぞれ異なる歴史的起源をもつ。中国では、時代によって貨幣の素材と機能の関係は変化し、異なる機能の貨幣が組み合わせて使われた^{[† 3]}^[4]^[5]。

各時代の概要

古代

中国をはじめて統一した秦は、度量衡を統一して銅貨の半両銭を貨幣重量の基準とした。しかし貨幣は統一されず、地域的な格差が大きかった^[6]。国家による銭の発行を示す最古の記録は『史記』にあり、前漢の呂后2年である^[7]。前漢時代には金が蓄積されて金が200万斤（500トン）があったとされるが、貿易による金の減少で銅貨の重要性が増した^[8]。漢〜唐までは銅貨の五銖銭が王朝を超えて発行されており、漢の武帝から平帝までの五銖銭の発行量は約280億銭、昭帝以降は年平均1億5380万だった^[9]。漢においては政府による鋳造権の独占が進んでおらず、民間が発行する貨幣（私鋳銭）が多かった。唐は銅貨の開元通宝を発行し、後期から私鋳銭の禁止が厳しくなって貨幣が統一された^[10]。唐の貨幣発行額は年平均で15万貫ほどだったが、唐の後期から五代十国にかけては国家に支払う貨幣が1000万貫から1500万貫に増大した^[11]。

中世

宋は銅貨と鉄貨を発行した他に、有効期限がある紙幣の発行も始まり、商業の発展などにより貨幣の流通総額が急増した。宋の鋳造貨幣の発行額は総額で約3億貫、年平均では約200万貫で、王安石の時代には年間600万貫に達しており、宋銭と呼ばれて周辺地域に大量に輸出された^[12]。北宋を倒した金は銅不足への対策として有効期間の制限がない紙幣を発行した。金を倒したモンゴル帝国は当初50万貫の紙幣を発行し、モンゴル帝国が改称した元の紙幣は期間や地域の制限がなく、当初350万貫が発行されて基本貨幣となった。国外での貿易としては銀が流通した^[13]。

近世・近代

明の時代には再び銅貨を中心としたが、銅の不足によって紙幣が発行され、銀は禁止から解禁に変わるなど貨幣制度は安定しなかった。銅貨の鋳造額は20万貫と少なかった^[14]。結果として、貿易で日本や南米から流入した銀による財政が確立して、清も明の政策を引き継いだ。清の時代には貨幣単位が両に代わって元（圓）が採用された^[15]。世界的には19世紀から金本位制が広まったが、中国は20世紀まで銀本位制を保ち、銀が下落したため金本位制の国々に対して不利となった^{[† 4]}。そうした状況下で国外から送金をする華僑や、二重為替制の香港は、金融活動を活発に行った^[17]。辛亥革命ののちは国民党と共産党がそれぞれ通貨を発行し、日本は満洲国や占領地域において通貨を発行した^[18]。

現代

2019年現在、中華人民共和国では人民元が通貨となっている。香港では香港ドル、マカオではマカオ・パタカ、台湾（中華民国）ではニュー台湾ドル（新台幣）が通貨にあたる。中国ではクレジット決済のユーザーが少なかったが、改革開放政策をへて21世紀以降はIT技術にもとづく決済システムが急速に普及した。仮想通貨（暗号資産）は中国でもユーザーが増え、中国に世界最大のビットコインの採掘施設が設置されている^{[† 5]}^[19]^[20]。

貨幣の形態

古代から、「銭」と呼ばれる中心に穴の空いた硬貨が作られた^{[† 6]}。銭の形は円形方孔といって穴が四角く、円形が天、方形が地を表すという古代の宇宙観である天円地方の思想にもとづいている^[21]。この穴は、鋳造後にバリを削るときの道具を通すために用いたほか、紐を通して大量の硬貨をまとめるためにも活用された^[22]。高額の取り引きにおいては現金の運搬が負担となり、紙幣や手形の普及を後押しした^{[† 7]}。初期の紙幣は縦長であり、文字が縦書きであったことに由来する^[24]。

貨幣の単位

貨幣の名前は、重量単位を由来とする貨幣（五銖銭など）から、象徴的な意味をもつ貨幣（開元通宝など）に移り、皇帝の治世に関わる年号銭（永楽通宝など）へと変化していった。唐の開元通宝から王朝や年号を刻銘にした貨幣に変わっていき、貨幣単位は銭から文へと移っていった^[5]。

銭の孔にひもを通してまとめたものを省陌や短陌と呼ばれる方法で数えた。これは100枚未満の銭を100文の価値があるとみなす方法であり、同様の習慣は日本やベトナム等にも広まった。省陌を用いずに100枚で100文と数える方法を調陌（ちょうはく）や丁陌と呼んだ ^[25]。省陌や短陌は、宋の紙幣などにも使われた^[26]。

古代

殷・周

殷・周では、南方の海から入手したタカラガイの貝殻を貨幣としていた。このような貨幣を貝貨という。タカラガイは熱帯や亜熱帯の海で生息しており、殷にはベトナム方面で採取したものが運ばれていた^{[† 8]}。タカラガイを糸で5個つないだものを朋と呼び、王朝では朋を贈与や下賜など互酬の行為として使われたとされる。周時代にはタカラガイのほかに鼈甲などの亀甲が貨幣に使われた^[27]。現在、貨、財、販、買、貸、貴、賎、費、贈、賑といった漢字に貝が含まれるのは、当時貝貨が使われていたためである。貝貨は青銅貨が広まる春秋時代まで使われたとされ、雲南地方では中世においても流通した^{[† 9]}^[28]^[29]。

周代の後期に青銅器の大量生産が可能となり、需要の高い農具（銅鋤）や武器（銅剣・銅刀）などが農民や兵士に普及した。青銅器それ自体の使用価値（実用性＋呪術性＋保存性）を担保に、物々交換の基準・物の価値を計る尺度として、青銅器が貨幣として使われるようになった^[30]。貝貨のタカラガイを模して骨や銅による倣製貝も作られ、西周ではタカラガイをかたどった青銅貨として銅貝も作られた^[27]。

春秋戦国

交換価値が確立した青銅器を、持ち運びに便利なように小型軽量化したものが貨幣となっていく。春秋戦国時代に使われた青銅貨幣は、大きく分けて以下の4種類がある^[31]^[32]。

布貨（ふか）：鋤（鏟）の形をしており、晋・斉・韓・魏・趙・燕で使った。布銭、布幣ともいう。
刀貨（とうか）：包丁のような形をしており、斉・趙・燕・中山国で使った。刀銭ともいう。明刀と斉刀に大別され、猟や漁労用の小刀が原型とされる。
蟻鼻銭（ぎびせん）：字が刻まれた銅貝。表面の模様が蟻の顔のように見えることから、この名称で呼ばれる。楚で使った。
圜銭（かんせん）：円板の中心に、丸（円形円孔貨、円孔円銭）あるいは正方形（円形方孔貨、方孔円銭）の穴を空けた形をしている。戦国時代の中期以降に使われ、秦・韓・魏・趙などで流通した。
金貨：楚は金が多く採れる土地だったため、金貨の発見例が多い。秤量貨幣であり、金餅や馬蹄金の形がある。楚の金貨は各地に流通した^{[† 10]}。

この頃から金貨や銀貨を高額の支払いに使う例が増えたとみられる。春秋時代の青銅貨は流通は限られており、交換では物々交換、価値尺度では米や塩が使われた^[34]。戦国時代にこれらの貨幣が普及した。元々の青銅器との類似性がなくとも交換価値を有し得ることに気づいた人々は、発行や携帯の利便性を求めて圜銭を生み出す^[30]^[35]。

秦・漢

秦の始皇帝が中国をはじめて統一すると、貨幣についても統一が進んだ。各地でばらばらの貨幣が使われていた状況を改め、秦で使われていた環銭の形に硬貨の統一をすすめた^{[† 11]}。秦が統一前から発行していた半両銭は中心の穴が正方形であり、これ以降、東アジアの銭貨の形状は円形で中心の穴が正方形のものが基本となった。半両銭には半両という漢字が刻まれており、半両の両とは重さの単位を指し、12銖にあたる^{[† 12]}^[37]^[38]。秦は金布律という法律で貨幣や財物について規定し、政府発行の貨幣を行銭と呼び、それ以外を盗鋳銭として禁止した。また通銭という規定によって国外の貨幣の流通を禁じた^[39]。漢は劉邦の時代には楚との戦争中で造幣力がなかったため、銅貨の民間鋳造を許可して半両銭の普及がすすんだ。漢は秦の法律や行政を基本的に引き継いだ^[40]。秦から漢の時代にかけては、以下の貨幣が主に使われた。

金貨・銀貨：高額の贈与用である秤量貨幣で、皇帝、王侯、高級官吏が使った。金餅や馬蹄金などの形態があった。後漢時代には銀も白金と呼ばれて秤量貨幣として使われた。金貨は1斤（20両）と1両（約16グラム）を単位として楕円形と方形が作られ、銀貨は1流（8両）を単位とした。
布：布帛。高額の取り引きや保蔵用。農村を中心として生産されて、物品貨幣として流通した。交換手段として、布や穀物などの物品貨幣が使われた^[41]。
銅貨：秦は半両銭、漢は五銖銭を発行した。発行量は賦役をまかなうには足りるが、市場の流通には不足していた。この点から漢の銅貨は国家の支払い手段や価値尺度の機能が中心であったとされる。贈与用としては軍人への褒賞や徒民への賜与、官吏の退職に使われた。
鉄貨：銅が不足した湖北や湖南地域では鉄貨が私鋳されていた。

前漢の呂后期には、半両銭が重く不便という理由により、楡莢銭（ゆきょうせん）と呼ばれる軽薄な銭貨を発行した。楡莢銭の重さは1銖のものもあった^{[† 13]}。文帝期には銭の私鋳を禁じる法律を廃止したが、これにより資産家による軽薄な私鋳銭が濫造され、銭の価値は暴落した。あわせて文帝は四銖銭の発行を開始し、呉王の劉濞と鄧通が四銖銭を大量に発行して銭貨の流通が拡大した^{[† 14]}^[42]。景帝は再び私鋳を禁じたが、禁令を破って銭を発行する者は後を絶たなかった^{[† 15]}。

前漢の財政は、帝室の財政と政府の財政が分かれており、それぞれ収入や支出が別であった。武帝期には匈奴との戦いで国家財政が窮乏し、帝室財政による補填で禁銭（皇帝の銭）が不足した。対策として、帝室財政は白金と皮幣（中国語版）という貨幣を発行し、国家財政は塩と鉄を税から切り離して専売にした。白金は銀貨であったが錫や鉛も含み、皮幣は白鹿の皮で作られ、ともに素材の比価よりも高い価値が設定された^{[† 16]}。白金は帝室財政に多大な貨幣発行益をもたらしたので、改鋳益のない銅貨を発行する余裕が生まれた。そこで武帝は半両銭に代わり、重い銅貨として五銖銭を発行した。五銖銭には五銖という文字が刻まれ、重さもその名の通り5銖あったので流通が安定し、一時期を除いて唐の初頭まで使われた。また帝室財政に負担をかけないように、各地方の郡国で発行させた^{[† 17]}。武帝は私鋳を厳しく取り締まったので、民間による鋳造は収まった^[42]。塩鉄専売は商人出身の財政家である桑弘羊によって運営されて莫大な利益をあげ、以後の中国の財政収入でも重要となった^{[† 18]}^[43]^[41]。

宝貨制

ファイル:S-148 Wang Mang huo bu.JPG

貨布（王莽銭）

王莽は、春秋戦国時代に使われていた刀貨と円貨をつけた形の契刀・錯刀を貨幣として造った。さらに前漢を滅ぼして新を建国した西暦9年には契刀・錯刀・五銖銭の使用を禁止すると共に、宝貨制として復古調の布貨、少額貨幣の銭貨、高額貨幣の宝貨を発行した。宝貨には、下のようにさまざまな素材が使われた。

金貨：1種類、1斤（約320グラム）、銭10000文。
銀貨：2種類、1流（約128グラム）、銀・銭1000文、朱堤銀・銭1580文。
亀貨：甲羅、官有の祭器、4種類:元亀・長さ1尺2寸以上・2160文、公亀・9寸以上・500文、侯亀・7寸以上・300文、子亀・5寸以上・100文。
貝貨：貝殻、5種類。
布貨：鋤形の青銅貨幣、10種類:重量15銖～1両（24銖）、長さ1寸5分～2寸4分、額面100～1000文、それぞれ10段階。
銭貨：重量が12銖以下の円形青銅貨幣、6種類。

しかし、いずれも五銖銭に比べて不便であったため、これらの貨幣の多くはほとんど流通せずに終わり、青銅貨幣以外は現存しない。民衆は五銖銭を使い続け、さらには五銖銭を私鋳した。王莽銭はわずか4年で廃止され、新たに貨布と貨泉が発行された。前者は鏟の形状を模した青銅製の重量25銖の布銭で貨布の銘を持ち、後者は円形方孔、重量5銖の銅貨で貨泉の銘を持つ^{[† 19]}。後者は使用されたものの、前者は忌避された^{[† 20]}。こうして宝貨制は失敗に終わり、穀物や布帛などの物品貨幣が増加した^[44]。

新が滅んで後漢が成立すると、光武帝は王莽銭を廃止して五銖銭を復活させた。後漢代に入ると金貨による高額決済は乏しくなり、金貨は主に下賜品や贈答で使われるようになる。後漢の滅亡後は、董卓によって五銖銭が董卓小銭という硬貨に改鋳されたが、銘文や研磨などの処理がされていない悪貨だったためインフレーションを招いた^[45]。

魏晋南北朝

後漢末の戦乱以降は貨幣の品質が急落し、魏晋南北朝時代を通じて銭貨の発行量は減って私鋳銭が増えていった。梁の武帝は青銅でなく鉄銭を発行して、銭100枚の重さを1斤2両（432銖）と定めたが経済は混乱した^{[† 21]}。北魏では金貨・銀貨を使った。また、大きめの銭を発行し、五銖銭10枚分として通用させた。各政権がさまざまな基準の銭貨を発行したために、重さによって貨幣価値を計ることが行われなくなり、代わりに銭貨の枚数もしくは一定数量を1組とした銭さし（銭繦/銭貫）の数によってやり取りされるようになる。この時期に文・陌・貫などの通貨単位が出現したと考えられている。五銖銭の発行が再開するが銅不足は解消されず、物品貨幣である布帛、穀物、塩の流通が盛んとなった。やがて銭の不足によって鉄片、裁断した革、重ねた紙なども貨幣として流通するようになり、唐の開元通宝の発行まで混乱は続いた^[46]^[47]。

隋・唐

戦乱の中から中国を統一した隋は、貨幣の統一を試みた。隋は新たに漢よりも重い五銖銭を発行した。新しい五銖銭を普及させるために、楊堅は関所に五銖銭を配布して通行者の貨幣を確認し、古い五銖銭は回収して銅原料とした。隋は南北朝の混乱を解決し、貨幣の統一は比較的成功したが、隋が滅ぶと再び戦乱が起きて粗悪な銭貨が流通した^[48]。隋と、隋末の混乱を収めて成立した唐では、以下のような貨幣が使われた^[5]。

金貨・銀貨：高額の贈与用である秤量貨幣で、贈与や貿易に使われた。隋や唐は、漢が始めた西域経営をより活発にした。
布：布帛と呼ばれる。銅貨の不足により、唐は高額の取り引きで一定の布帛や穀物を兼用するように定めた。
銅貨：隋は五銖銭を発行した。唐は、当時流通していた銭貨が粗悪であることから、新しい貨幣を発行した。それが開元通宝であり、唐代を通して発行された。開元通宝の重さは2.4銖であった^{[† 22]}。

銭貨の銘は半両銭にせよ五銖銭にせよ重さが刻まれていたが^{[† 23]}、開元通宝には「開元通宝」とのみ刻まれた。これ以降、銭貨には重さを書かなくなり、貨幣単位は銭に代わって文の普及が進んだ。開元通宝のデザインは周辺諸国にも影響を与えた^{[† 24]}^[5]。唐は、銅鉱の付近に開元通宝の鋳造所を設置した。後半になると、市場での流通が増加して商税が始まり、客商と呼ばれる交易商人の活動が増えた。国庫に支払われる貨幣が急増し、国庫に納める貨幣は官銭に限られた。しかし銅貨が不足して、粛宗時代の宰相・第五琦は乾元重宝と重輪銭を発行した。この2種類の貨幣は開元通宝の約2倍しかなかったが、価値は乾元重宝で開元通宝の10倍、重輪銭で50倍として通用させた。こうした高額貨幣は官銭の信用を落とし、インフレーションが発生した。代宗の頃には、乾元重宝も重輪銭も開元通宝と同じ価値とされ、開元通宝より重い乾元重宝・重輪銭は使われなくなった。五代十国時代には、開元通宝のような銅貨のほかに、閩・楚・蜀（前蜀・後蜀）などでは鉄貨、鉛錫銭、鉄鍮銭も発行された^[49]。

古代の金融と貿易

金融

高利貸は紀元前5世紀から3世紀に盛んになり、利子を子銭や息銭と呼び、高利貸を子銭家や称貸家と呼んだ。利率は月利2分〜1分と3分の1が多かった。契約の履行については古代から記録があり、秦の法律では、負債者は債務（責）を償還（賞）すべきことが定められていた^[50]。漢の時代には、土地、商品、奴隷に関する契約書も残されており、役所用の債務証書の記録がある^[51]。共同出資としては、資本を持ち寄って商業を行う合銭共買の記録が前漢にある^[52]。

唐には両替商として金銀鋪や兌房がいた。これらは金銀細工の製造販売や金銀の鑑定・保管のほかに両替・預金も行うようになり、宋では銅貨（銅銭）・銀貨（銀錠）・紙幣（交子）の両替をした。唐や宋の時代には送金用の手形として飛銭が使われており、飛銭は役所で発行された^[53]^[54]。

貿易

青銅貨のなかには貿易で国外に運ばれたものがあり、青銅器の原料としても使われた^{[† 25]}。『魏志倭人伝』の一支国の首都とされる原の辻遺跡では副葬品ではない五銖銭が出土しており、原の辻遺跡は港をもつ交易地であることから、交易で貨幣としても流通していたとする説もある^[55]。

貿易の決済には金銀も使われ、陸路の西域での貿易や、広東を中心とする南海では金貨と銀貨も流通した^[11]。武帝期から王莽期までの約140年間で130万斤の金が流出した。古代のマレー半島は、『エリュトゥラー海案内記』では黄金島、プリニウスの『博物誌』では黄金岬、プトレマイオスの『地理学』では黄金半島などの名称で呼ばれており、これは中国から運ばれていた金に由来する^[56]。西域と呼ばれた中央アジアでは、中国からの輸出品は絹と金が中心で、絹の産地である河東・河南・剣南道から中央アジアに庸調の絹が送られた。漢の時代からソグド人も貿易に参加した。8世紀の中央アジアでは、絹が帛練と呼ばれて物品貨幣として流通し、帛練の価格帯は絹の品質に応じて決まった^[57]。

古代の貨幣論・貨幣の記録

春秋戦国時代から漢代にかけて多くの貨幣論が書かれた。春秋戦国時代の出来事をもとに書かれた『国語』に登場する穆公は、基準通貨と補助通貨の2種類の貨幣で調整をするという子母相権論を説いた。『墨子』では刀貨と穀物価格の関係を論じており、『孟子』では一物一価の法則への反論がなされている。『管子』には貨幣の記述が多く、市場の価格形成金価格と物価の関係などがあるほか、君主による価格統制をすすめている。『荀子』では貨幣として刀貨と布貨をあげている^{[† 26]}^[59]^[60]。司馬遷は財政や貨幣について『史記』平準書に書き、貨殖列伝では范蠡の逸話を通して物価の変動を説いている^[61]。

貨幣についての記録は、『史記』平準書、『漢書』食貨志に記録があり、物価については『史記』、『漢書』、『後漢書』などから確認できる。前漢時代には、塩と鉄の専売をめぐる討論の記録として桓寬（中国語版）が『塩鉄論』を書いた^[9]。

中世

宋

唐の滅亡にともない五代十国時代になると銅が不足して、十国では硬貨の不足が激しくなり鉛貨と鉄貨が中心となった。中国を統一した宋は悪貨や私鋳を取り締まり、以下のような貨幣が使われた。

銅貨：宋銭とも呼ばれる。北宋の創始者である趙匡胤は、開元通宝とほぼ同形・同重量の宋元通宝を発行した。宋は銅貨を大量に発行し、国外でも流通した。
鉄貨：鉄銭と呼ばれる。四川をはじめとする地域で流通する地方貨幣であった。四川・陝西では遼・西夏への銅の流出を防止するために銅貨が禁止され、代わりに鉄貨が強制的に流通させられた。鉄貨は財政目的から銅貨と等価とされ、しかも国家の造幣権が確立されなかったため鉄貨の私鋳が流行した^[62]。
紙幣：北宋では交子、南宋では会子と呼ばれた。もとは民間が発行する鉄貨の預かり証だった。のちに紙幣には有効期限があり、期限前に新しい紙幣との交換は可能だが、新旧の紙幣交換には手数料がかかった^[63]。
銀貨：遠隔地交易の高額の決済で大商人が使う支払いや交換用であり、価値尺度の機能は薄かった^[64]。

宋は粗悪な銭貨の使用を禁止したが、鉄貨や唐以来の開元通宝は使用が許された。趙匡胤の後を継いだ太宗は、太平通宝と淳化通宝を発行した。淳化はこの当時使われていた年号であり、以降元号が変わるごとに、銭貨の名前とその銭貨に刻まれる文字が変わった。これ以降、清が滅亡するまで、中国王朝の発行する硬貨は基本的に「元号名＋通宝（あるいは元宝）」と名づけられ、銭貨にその名を刻まれることとなった。北宋は、池州・饒州・江州・建州などに銅貨の鋳造所を、邛州・嘉州・興州に鉄貨の鋳造所を設けた。北宋・南宋を通じての銭貨の発行量は歴代の王朝の中で最高額となった。しかし物価は安定せず、銭荒と呼ばれた。北宋の王安石はさまざまな改革を行い、これによって税や専売によって政府に銅貨が集まり、軍事費・青苗銭の貸付・公共事業への投資によって政府から銅貨が放出されるという貨幣の流れが大規模化した^[65]^[66]。

宋銭は貿易でも輸出されて、アジアの国々は、信用価値が高い中国の銅貨を輸入して自国内で流通させた。宋銭は遼、西夏、金、高麗、日本、安南、ジャワなどでも貨幣として流通した^[67]。宋銭が普及した地域では、宋銭が不足すると民間や政府が硬貨を発行した。各国でも中国の銭と同様のデザインで銅貨が発行された^{[† 27]}^[68]。16世紀までの地域市場においては、竹や布などの物品貨幣も取り引きに使った^[69]。

紙幣の成立

世界初の紙幣は宋の交子とされる。当初は、鉄貨が流通していた四川において鉄貨の預り証として発行された^[70]。四川での成功を知った宋政府は交子の発行を官業とし、民間の発行を禁止した。交子は手形から紙幣に変わり、政府は本銭（兌換準備金）や発行限度額を定めて官営の交子を流通させた^[71]。

唐代から飛銭が流通していたが、北宋になると商人によって交子・会子と呼ばれる手形が使われた。特に銅貨に比べて重く銭価の低い鉄貨の流通が強制された四川・陝西では、全国一律で同じ価値を持つ交子は他地域との交易には欠かせないものとなった。交子は仁宗の頃から、会子は南宋になってから政府によって発行された。これが世界で最初の紙幣となったが、のちに大量発行されてインフレーションが発生した。また、当時は茶の専売や塩の専売が行われており、茶引（中国語版）や塩引と呼ばれる手形が紙幣の代用品として流通し、生産地では専売品との引き換えに使われた。北宋・南宋ともに紙幣は界制によって有効期限が3年とされ、1界ごとに125万貫が発行され、界が異なる紙幣は異なる貨幣と見なされた。地域によって通用する紙幣が異なり、東南会子、淮南交子、湖広会子などがあった^[63]。

金

北方の王朝である金は、北宋を滅ぼしたのちに宋や遼の銭貨を流通させた。銅貨の不足により、海陵王の時代には交鈔と呼ばれる紙幣が発行された。交鈔は7年の有効期限があり、期限をすぎると紙切れと化した。のちに交鈔の期限は撤廃されたが、大量発行によるインフレーションが発生し、銅貨と紙幣がともに流通しない状況で銀が普及した。紙幣制度は、のちの元や明清などの政権に引き継がれた^[72]。

元

宋ののちのモンゴル帝国は、銀錠と呼ばれる秤量貨幣と絹糸による税制を定めて、この税制は元にも引き継がれた。元では以下のような貨幣が使われた。

銅貨：発行量は少なく、国内での私的な銅貨の使用はたびたび禁止された。
銀貨：銀錠と呼ばれる。対外取引の貨幣として使われた。王族や領主は銀を納税で集めて、銀錠をオルトクと呼ばれる特権商人に与えて管理貿易に運用させた^[73]。
紙幣：交鈔と呼ばれる。金やモンゴル帝国の制度をもとにしたが、有効期限はなかった。銅貨と同じ単位が用いられて、10文から2貫文までの種類があった^[74]。

元は紙幣を流通させつつ、貴金属の私的な取引を禁じた。元は銀を確保するために、貴金属が豊富な雲南の大理国に雲南・大理遠征も行っている^[75]。雲南では貝貨^{[† 28]}、塩^{[† 29]}、金銀や紙幣が流通しており、貝貨での納税も認められていた^[76]。

モンゴル帝国の領土拡大にともない、管理貿易によって銀や銅が輸出されてユーラシア大陸の東西を横断した。インド洋貿易では中国の陶磁器とアラビアの馬が重要な貿易品となり、貨幣の流れに影響を与えた。南インドではパーンディヤ朝が元と貿易を盛んにして、中国との貿易で得た銀でペルシア湾から馬を輸入した。元の歴史書『元史』にもその繁栄が記録されている^{[† 30]}^[67]。また、黒海方面から陸路で貿易も行われ、フィレンツェの商人であるペゴロッティ（英語版）は元との貿易のノウハウを書いている^{[† 31]}^[77]。こうした記録は銀が東から西へと流れていたことを示しており、東西の貴金属の流れはイスラーム世界やヨーロッパにも影響を与えた。イスラーム世界の銀不足は13世紀に解消され、14世紀から再び不足した。イギリスの銀貨発行は14世紀に急減し、イタリアでも銀不足が起きている。こうした現象は、元からの銀の増加と滅亡による停止が原因とされる。元の貿易ルートが衰えると、イスラーム世界とヨーロッパは再び銀不足に陥った^[67]^[78]。

紙幣の基本貨幣化

北宋を倒したモンゴル帝国のオゴデイは、江南が勢力外だった当初は銅が不足したため紙幣の交鈔を発行した。オゴデイの時代には、他のモンゴル族や漢人も紙幣を発行した。モンゴル帝国はクビライの時代に元が成立して、クビライは即位すると中統元宝交鈔（通称・中統鈔）を発行した。交鈔は宋の紙幣と異なり有効期限を持たず、補助貨幣ではなく基本貨幣とされた。交鈔は金銀との兌換（交換）が保障されている兌換通貨であり、元は決済上の利便性から紙幣の流通を押し進めた。交鈔の流通を拒んだり、偽造をする者は死罪となった。交鈔の製造法は、樹皮を薄くのばした上に銅版画を印刷し、皇帝の御璽を押して完成とするもので、300×200ミリを超えるサイズもあった^[79]。のちにインフレーション対策として、中統鈔の五倍の価値に当たる至元鈔の発行と旧紙幣の回収が行われ、紙幣価値は一旦安定に向かった。しかし、絶えず紙幣が大量発行されてインフレーションを引き起こし、金銀との兌換も中止された。元では交鈔の価値を維持する為、生活必需品である塩の専売制と結び付け、塩の売買には交鈔を用いなければならないと定めた^[80]。国内の治安悪化にともない紙幣の価値は下がり、民間の店舗で貨幣を発行するところも現れた。塩を包む紙や、酒屋は塗油した木片を使った^[81]。紙幣に代わって銅貨が流通するようになり、地方に独立政権が成立して独自に貨幣を発行した。のちに明を建国する朱元璋も独立政権の1人であり、明の建国前から銅貨を発行した^[82]。

モンゴル帝国の紙幣は元以外にも影響を与え、モンゴル帝国の地方政権であるイルハン朝では西アジア初の紙幣としてチャーヴ（鈔）が発行された。しかしチャーヴの流通は長続きせず、2ヶ月で廃止された^[83]。日本では、後醍醐天皇が乾坤通宝という新貨を銅貨と楮幣という紙幣で発行を計画したが、政権の崩壊で実現しなかった^[84]。朝鮮王朝では、太宗期に楮貨という紙幣が発行され、朝鮮王朝が発行した最初の貨幣となった^[85]。

明

明の貨幣は元を引き継いだ部分がありつつも、王朝を通じた統一的な貨幣政策が存在しなかった。明では以下のような貨幣が使われた。

銅貨：小額の取り引き用。官制の銅貨は制銭と呼ばれた。初代皇帝である朱元璋は明の成立前から銅貨を発行し、南京に宝源局（中国語版）、江西行省に宝泉局（中国語版）を設立して大中通宝を発行し、明の成立時には洪武通宝を発行して私鋳を禁じた。
銀貨：銀錠。高額の取り引きや地域間交易用で、地金のまま使われた。当初は銀の民間使用を禁じたが、貿易により銀が普及していった。
紙幣：宝鈔と呼ばれる。政府は銅貨不足を紙幣で補うことを計画し、大明宝鈔を発行した。宝鈔には100文から1貫文（1000文）までの5種類があった。元の交鈔と異なり、宝鈔は不換紙幣だった。

このほかに明の初期には、紙幣とともに布（絹帛・棉布）や米も高額取引に使われた^[86]。元に続いて明でも銅不足が続き、銅貨の発行量は北宋時代の約10パーセントにとどまった。政府は紙幣の価値を維持するために商業税を銅貨3、宝鈔7の比率で納税するように定め、さらに塩の強制販売をして宝鈔で支払わせる戸口食塩法なども制定された。政府は銅貨の発行を停止するとともに金銀の売買を禁じる。これによって法律上で使える貨幣は宝鈔と銅貨のみとなったが、宝鈔は不換紙幣だったために下落を続けた^{[† 32]}^[87]。紙幣の増発も価値下落の一因となり、政府は銅貨や秤量銀貨の国内使用を解禁した^[83]。銅貨は貿易用の貨幣となり、永楽通宝や宣徳通宝は海外へ流通し、日明貿易で室町時代の日本に流入した。中国では、日本で好まれる品物を指す倭好という言葉も生まれ、銅貨も好まれたという記録がある^{[† 33]}^[88]^[83]。

明でも塩の専売は行われたが、元のように貨幣には結びつかず、開中法によって軍の兵站と結びついた。塩を売る商人（塩商）は販売許可証として塩引を買い、1引あたり塩200斤で交換された。銀の普及にともなって塩引の対価も現物の糧食から銀に代わっていった。塩の専売をした徽州商人や山西商人は、地元が農業に適さないため資金を集めて遠距離の商業活動に投資し、海上貿易を行った福建商人と並んで大きな客商集団となった^[89]。鉱業は官営であり、貨幣に関係がある銀鉱山（銀場）が重要とされた。しかし産出は少なく、後述のように貿易で輸入された銀が流通の中心となる。銅場は宋代のものがあったがこれも産出が不足し、日本から銅が輸入されることとなる^{[† 34]}^[90]。

海域アジア貿易と貨幣

ポルトガルは香辛料を求めてアフリカ経由でインド洋に進出し、中国にも到達した。ポルトガル人は年間500両の地租を条件としてマカオの居住権を獲得した^{[† 35]}。居住を許可した理由については諸説がある^{[† 36]}^[94]。明は日本との公式な貿易を禁じたが、16世紀末から東南アジアで日本人と中国人の取り引きが増えた。こうしてマカオを拠点として、中国・日本・ポルトガルの三国が海上貿易を行って南蛮貿易とも呼ばれた^{[† 37]}。ポルトガルは貿易品を大きく5種類に分類して運んだ。(1)中国から日本、(2)日本から中国。(3)中国からインド、(4)インドから中国、(5)東南アジア各地の商品となる。このうち、(2)と(4)のルートで銀が輸入され、中国からは生糸、絹織物、陶磁器などを輸出した^[97]。

ポルトガルはアフリカを周回して中国へ着き、他方でスペインは太平洋を横断して東南アジアへ着いた。スペインはフィリピン諸島の交易中心地であるマニラを拠点として、マニラとアカプルコを結ぶ定期航路を始める^{[† 38]}。スペインは輸送に大型帆船のガレオン船を用いたので、ガレオン貿易やマニラ・ガレオンと呼ばれた。マニラ・ガレオンはアメリカからポトシで採掘された銀を運び、福建から運ばれた絹や陶磁器、香辛料をマニラで買い付けた^{[† 39]}^[98]。

16世紀後期からは陶器や絹などの輸出品が銀と交換されて、中国に大量の銀の輸入が続いた。ポルトガルは倭銀と呼ばれる日本産の銀をマカオ経由で中国へ運び^{[† 40]}、スペインはアメリカ産の銀をマニラ経由で中国へ運んだ^[98]。こうした貿易は各地の商人を集め、福建商人（閩商）の他に日本、琉球、チャンパからも商人が参加した^[99]。

中世の金融と貨幣

両替商

唐の時代からあった金銀鋪や兌房は、宋の時代には銅貨（銅銭）・銀貨（銀錠）・紙幣（交子）の両替をした。明の時代には兌銭舗や銭卓と呼ばれ、銀が普及すると、銀貨と銅貨の両替を専門とする者も増えた。清の時代の金融機関である銭荘の起源が明代にあるとする説もある^{[† 41]}^[100]。

海商

12世紀から東南アジアでは海商が長期間の航海で貿易を行った。海商が共同資本を持ち寄ったり、広東や福建では海商に出資する者もいた。北宋の朱彧（中国語版）が書いた『萍州可談（中国語版）』には、商船貿易の資本は利息が10割で帰国時に元利を返済し、航海から10年帰国しなくても利息は増やさないという記述があり、長期間の航海と利益の大きさを表している^[101]。

マカオ

マカオのポルトガル人は明に対して、地租、船の停泊税、関税などを納めた。オランダとのマカオの戦いが起きると、明は要塞整備用の貢納をポルトガル人に求めた^[102]。マカオではポルトガル式の金融も行われた。ポルトガルの慈善院（ミゼリコルディア）では、富裕者の資金を投資や貧者への喜捨に運用する銀行業務や、遠隔地間の信用取引も行われていた。イエズス会はマカオの慈善院で資金を運用し、南蛮貿易の航海資金も貸し出した^{[† 42]}^[103]。イエズス会はプロクラドールという貿易や財務の担当者が南蛮貿易から財源を調達した^[104]。

中世の貨幣論・貨幣の記録

宋の時代には、王安石によって農民への青苗法や均輸法、市易法などの改革が行われるが、新法・旧法の争いという論争も起きた^[105]。中国以外の地域では紙幣の存在が珍しく、特に元の交鈔は国外から訪れた旅行家や商人に注目された。マグリブの旅行家イブン・バットゥータは『大旅行記』、ヴェネツィア共和国の商人マルコ・ポーロは『東方見聞録』で交鈔について語った^[106]。フィレンツェの商人であるペゴロッティは商業書『商業実務（英語版）』を書き、元との貿易や紙幣、貨幣レートについて記している^[77]。明の鄭若曽は『日本図纂』や『籌海図編』において、日本人が好む商品を倭好と呼んでまとめており、その中に中国の銅貨も記録されている^[107]。

近世

銀貨の普及

明が海禁の政策を行なっている頃から牙行と呼ばれる仲買人の集団が活発となり、海禁が緩和されると、牙行から貿易や徴税の特権を得る者が出た^[108]。ポルトガルやスペインに続いて、オランダ東インド会社やイギリス東インド会社も東アジアに進出した。日本では江戸幕府が貿易を許可する朱印状で管理を行い、朱印状は日本を拠点とすれば国籍に関係なく発行されたので、華僑商人、ポルトガル人、スペイン人も受け取った^[109]^[110]。明は民間の富の蓄積を抑えるために銀の採掘を規制したが、スペインがマニラへ運んだ銀が5000トンほど中国へ持ち込まれ、貿易商人の豪華な生活が民衆の反発も招いた^[111]。中国からは福建商人（閩商）がルソン島に進出し、のちに鄭芝龍が福建商人の首領となり、息子の鄭成功は台湾に進出した。スペインが運んだ銀貨は円形であり、のちに貨幣単位の元（圓）の語源となる^[112]。

商業化と一条鞭法

明の紙幣は金銀と兌換できず価値が下落したために、貿易で増加した銀が通貨として使われるようになった。商業の増加とともに銅は不足して、日本からの銅の輸入が重要となった^{[† 43]}。金銀の貨幣利用を禁止していた政府も民間の流れに沿い、銀による納税を認めた。明は一条鞭法という銀本位制を定め、銀と紙幣が普及して銅貨発行が衰えた^{[† 44]}^[114]。商業の拡大は農村にも及び、各地に市鎮と呼ばれる市場町が生まれた^[115]。また、個別分散的だった商人が集団を作るようになり、商幇（シャンバン）と呼ばれた。明の時代には塩の専売と結びついた徽州商幇、山西商幇、陜西商幇がいた。沿岸地域の広東商幇、福建商幇、寧波商幇は海上貿易で活動した。それ以外には山東商幇、江西商幇、洞庭商幇、河南商幇、龍游商幇などもいた^{[† 45]}^[116]。

清

清は基本的に明と同じような政策がとられた。税制は当初は明の一条鞭法を引き継ぎ、のちに地丁銀制に切り替えられた。清では以下のような貨幣が使われた^[117]。

銅貨：小額取り引き用で、制銭とも呼ばれた。銅貨の普及が本格化し、各皇帝が良質な銅貨の普及に力を入れたため銅貨の信用が増して広く流通するようになり、銅貨の供給量が増えているにもかかわらず対銀レートが高騰する銭貴という状態になった。原料となる銅は日本や雲南で産出された^{[† 46]}^[118]。
銀貨：銀両や銀元と呼ばれる。高額取り引き用。貿易銀と呼ばれる国際的な銀貨の流通により、清も貿易用の銀貨を発行した。これにより、銀貨はそれまでの秤量貨幣から硬貨への切り替えが進んだ。
紙幣：宝鈔と呼ばれる。清では民間の紙幣である銭票も流通した。

銭票は、携帯が不便な銅貨や銀貨のための預かり証がもとになった^[23]。銭票の発行者は穀物店、酒屋、雑貨屋、銭荘などだった。銭票の流通は県を基本的な単位とする地域通貨であり、鎮市などの市場町で使われた。銭票は季節に左右される農産物取引の貨幣受給を調整する役割を果たした^[119]。

華僑

ガレオン貿易の影響で、16世紀からルソン島でスペイン人と商売をする華僑が急増して、17世紀初頭にはマニラが中国船寄港地のなかで最大の華僑人口を抱えた。そのほかにも東南アジアに商業移民が増加して、華僑商人（華商（中国語版））は国外の貿易や金融も手がけるようになり、政治的な影響力も持った^{[† 47]}。華僑は幇と呼ばれる同族集団をもち、寧波幇、福建幇、潮州幇、広東幇、客家幇の五大幇が成立した。華僑はのちに送金によって本土の経済にも影響を与えた^[120]^[121]。

モンゴル

清は内モンゴルを支配して、漢人のモンゴル進出を制限した。しかし漢人商人は禁令を破って増加して、モンゴル高原の各地で売買城と呼ばれる町を建設して商店や定期市も開いた。漢人商人はモンゴル人と商売をしたが高額で販売し、たとえばモンゴル人にとって必需品の茶1斤（約600グラム）の価格が羊1頭、茶10斤で牛1頭だった。モンゴルの王公も漢人商人から借金をするようになり、売買が禁止されていた牧地が質に入れられることも起きた。王公は小作料を徴集するために漢人の農民をモンゴルに呼ぶことも行い、漢人は増加を続けた。牧地の減少や困窮するモンゴル人も増加し、漢人に対する悪感情につながった^[122]。

近世の金融

郷紳と金融業

江南デルタを中心として郷紳と呼ばれる官僚が影響力を持つようになった。郷紳は都市に住みつつ、官僚として得た貨幣を故郷の土地に投資して地主となった。郷紳は税法で優遇もされており、自身は商業を禁止されていたが一族は高利貸も経営した。さらに郷紳は租桟と呼ばれる一種の信託機関を設立して支配を強めたが、のちの辛亥革命では郷紳も攻撃目標にされた^[123]。

典当業、銭舗、銭荘

担保を取って金を貸す典舗や当舗という質屋（典当業）にあたる金融業があり、典当業は預金も受け付けて生息銀と呼んだ。預り証をもとにして、現金に交換できる銭票や銀票（中国語版）と呼ばれる証書も発行されて市場でも流通した。徽州商人（徽商）は全国で典当業を経営した。明末の法定金利は月三分から四分のところを、徽州商人は豊富な資金を背景に典当の金利を低くして一分〜二分として繁盛し、貧民に利益をもたらしたという評判も得た^[124]。金融機関としては清の時代に預金、両替、貸付をする銀号（中国語版）や、為替業務を行う票号が生まれた。典当業は徽州商人が多く、票号は山西商人（中国語版）（晋商）が多かった。山西票号は皇族や貴族の資金も取り扱った^[125]^[54]。

銀貨に加えて私鋳の銅貨が流通して貨幣の交換が必要となり、銭荘や銭舗と呼ばれる業者が両替を行った。銭荘は預金も受け入れ、典当業と同じく金融業者として活動した。推計では、17世紀後半から19世紀前半の北京では銭舗が389軒、上海では18世紀後半に銭荘が124軒あった^[126]^[23]。預金利子は、票号が5〜8パーセント、銭荘が12パーセント、典当業は36パーセントだった^[127]。

共同出資

海洋商船はジャンクと呼ばれる船が主流であり、共同出資が行われた。船長は出資の代表であり、船の株を持つ船員も多かった。総収益から経費を引いた額が共同出資者と乗組員によって配分され、次に出資者は出資額、乗組員は役職に応じて配分された^[128]。客商たちは血縁集団で合股（中国語版）と呼ばれる共同出資を行なった^[129]。

台湾

台湾は中継貿易の拠点として栄えた。オランダはマカオの戦いでポルトガルに負けたのちに台湾に拠点を築き、中国の生糸を日本の銀と交換した。鄭芝竜がアモイや杭州で財をなし、息子の鄭成功はオランダを台湾から撤退させて鄭氏政権を建国した。オランダ東インド会社は退去を許されたが、約40万グルデンの資産を鄭成功に渡した^{[† 48]}^[130]^[131]。清が攻撃をするまで鄭氏政権は繁栄を続け、貿易で大量の銀を蓄えた。年間に10隻の船が往復して銀40万〜50万両を得たという記録もある^{[† 49]}^[108]^[132]。

北方の貿易と貨幣

山丹人とも呼ばれるニヴフやウリチは、清や樺太アイヌと山丹貿易を行った。山丹人の商品は清に朝貢をして得た絹織物や大陸の産物で、アイヌの商品はクロテンなどの毛皮や江戸幕府から得た鉄製品だった。取り引きにおいて金属貨幣は使われず、清で重宝された樺太産のクロテンを価値尺度の貨幣として使った。山丹側の商品はクロテンの枚数で計算されたのちに、毛皮や鉄製品と交換された^[133]。

近世の貨幣論・貨幣の記録

明代の中期から客商と呼ばれる遠距離交易の商人が活発化し、商人のための実用書も多数書かれた。内容としては商人の心得、地理や旅行方法、各地の商品や貨幣、取り引きや官憲対策などが含まれていた。貨幣や商業に関係する算術を扱った書もあり、出資、利益配分、賃借、両替などが計算の例題となった^{[† 50]}^[134]。

近代

清の管理貿易

清の成立当初は遷界令による海禁政策がとられたが、鄭氏政権の降伏によって清が台湾支配を始めると、展界令によって貿易が解禁される。ポルトガルとスペインに代わってオランダやイギリスの影響力が強まり、清は中国の伝統的な貿易である朝貢にのっとって朝貢を求める夷狄に物品を賞賜するという形式をとった。清は江蘇・浙江・福建・広東清に海関を設立して入港税と貨税を徴収して、政府ではなく宮廷の収入とした。欧米商人との取り引きをする貿易港は広州に限定され、広東貿易体制と呼ばれた。外国の商人は陸上居住を禁止され、広東十三行と呼ばれる特権商人のギルドが取り引きを独占した^{[† 51]}。こうした特権商人は公行と呼ばれ、のちにイギリスと対立した^[117]。銅貨の素材となる銅は引き続き日本から輸入され、杭州の乍浦と寧波が貿易港となった^[117]。

銀貨が世界的な貿易の支払いの中心となり、貿易専用に発行された銀貨を貿易銀と呼んだ。メキシコドルは国際貿易の決済通貨となり、ドルの語源となった。明清朝では銀が秤量貨幣として使用されていたが、清末に広東造幣廠が設立されて本位銀貨として光緒元宝が発行された。これが銀元と呼ばれる貿易銀となった。香港ドルも貿易銀にあたる銀貨があった。中国では圓の同音で元と呼ばれ、のちの東アジアの通貨単位である円、元、ウォンなどの由来にもなった^[135]^[136]。民間の紙幣である銭票は20世紀まで続いて吊票とも呼ばれ、政府や商会に規制される場合もあった^[119]。

列国の経済進出

17世紀からヨーロッパとの茶貿易が始まった^{[† 52]}。18世紀からイギリス東インド会社はコショウに代わって紅茶貿易に力を入れ、イギリスは中国茶の輸入が続いて中国へ銀が流出したため、解決策としてアヘン貿易を行った^[137]。イギリス東インド会社は、自国の工業製品の販売、銀を対価としない中国茶の輸入、植民地インドの財源という3つの目的を解決するためにアヘンによる三角貿易を確立した。イギリス東インド会社は次のような手順で行なった。(1)インドでアヘンを栽培する。(2)清でアヘンを販売し、アヘンの購入には銀を指定する。(3)清から入手した銀で中国茶を購入する。(4)中国茶をヨーロッパへ運ぶ。このような手順でイギリスは赤字を解消し、中継地としてシンガポールの貿易商人が活動した。1827年頃から清が貿易で入超となり、銀の流出とアヘン中毒の拡大が問題となる。清はアヘンを禁止したがイギリスは密貿易でアヘンを運び、アヘン戦争の原因となった^{[† 53]}。インドからのアヘン輸出は、対中国貿易黒字の3分の1を占めた^[138]^[139]。

アヘン戦争終結のための南京条約により、清の統治原理からはヨーロッパ諸国は互市国として位置づけられた。香港島の割譲、5港の開港、貿易自由化が決定して不平等条約につながったが、それまで非公認だった華僑の存在が認められるという変化も起きた^{[† 54]}。特許商人制度は廃止となり、広東十三行も停止されて、香港で南北行（中国語版）を結成する者も出る。南京条約の影響で上海や香港が急拡大を続け、香港上海銀行が開設された。香港は中継貿易や金融で栄え、上海は最大の貿易港となる。上海の貿易商は欧米諸国と取り引きする西洋荘、日本と取り引きをする東洋荘、東南アジアと取り引きをする南洋荘に分かれて活動した。欧米商人との仲介をして買弁と呼ばれる者もいた^[140]^[141]。外国の銀行が進出するようになると、上海の銭荘や広東の銀号の中には欧米式の銀行業務を行うところも現れた^[142]。マカオは中葡和好通商条約によってポルトガルの領土となり、ポルトガル植民地の発券業務を行なう大西洋銀行が通貨としてマカオ・パタカを発行した^[143]。日本は東北部に進出して、傀儡政権である満洲国を建国した^[144]。

華僑・香港・シンガポール

19世紀前半から中国からの移民が急増した。初期の移民は単身の出稼ぎが多く、華工（中国語版）や苦力と呼ばれて重労働に従事した^{[† 55]}。こうした華僑は本国の家族に定期的に送金をしており、また本国に投資をする華商も出るようになり、中国経済に影響を与えた。特に東南アジアからの華僑送金は、華北・華中からの入超だった華南の経済をおぎなう効果もあった。アジア太平洋の各地は香港を中継してつながった^{[† 56]}^[145]。

華僑の送金は大きく分けて4種類あり、(1)郵便送金。(2)帰国者の携帯。(3)移民の斡旋人が仲介する送金。(4)華僑の送金機関である民信局となる。民信局は郵便局と為替銀行の面をもっており、貿易を兼業する者もいた。民信局の送金方法は、現金・為替・商品などがあり、複雑な過程をへていた。たとえば為替送金は二重為替の香港を中継しており、(1)送金依頼者が東南アジアの現地通貨で送金を求める。(2)東南アジアの送金側民信局は香港の支店に連絡し、華南の受け取り側民信局に支払うように指示する。(3)送金側民信局は、相当額の集積があった時か、為替相場が有利になった時に送金するという手順だった^{[† 57]}。この送金ネットワークは印僑による東南アジアからインドへの送金も行なっており、金融によって東アジア・東南アジア・南アジアを連結する効果もあった^[146]。

香港はシンガポールと密接な関係にあった。香港は二重為替によって金建て取引と銀建て取引を仲介し、銀本位制の中国と金本位制の諸外国を中継した。シンガポールは東南アジアの貿易や為替の中継地となった。のちに香港は中国が銀本位制を停止するまで銀にリンクし、シンガポールは金為替本位制を採用した^{[† 58]}^[145]^[17]。香港では1840年代からカリフォルニア移民が急増し、銀鉱山や金鉱山、鉄道の労働者となったアメリカからも送金を行なった^{[† 59]}^[149]。1910年代には華人資本による近代的な銀行業への参入があいついだ。広東系の廣益銀行、潮州系の四海通銀行、中国交通銀行、福建系の華僑銀行、シンガポール系の利華銀行（中国語版）などがある^[145]。

銀本位制と国際金本位制

清は開港によって朝貢とは異なる貿易を行うことになり、同時期に開港した朝鮮王朝や日本の明治政府、東南アジアと取り引きを盛んにした。貿易によって沿岸地域の経済力が増し、税制に重要な変化が起きる。中国の歴代王朝では土地税が財源の中心となってきたが、これに代わり、太平天国の乱の平定時に導入された流通税と、関税や外国借款が主な財源となった^[150]。東アジアの利益をめぐる各国の競争は戦争の原因にもなり、朝鮮王朝には日本と清が進出をして対立して日清戦争が起きた。清が日本に敗北すると、朝鮮は朝貢を終えるとともに、中国はヨーロッパや日本による分割が進んだ^{[† 60]}。アヘン戦争以降は賠償金が清の財政を圧迫し、清が義和団の乱の賠償を支払う国は13カ国におよんだ。各国で金本位制の採用がすすむ国際金本位制の時代にあって、清は銀本位制であった。そのため銀価格の下落が起きると清の債務は実質的に増加して財政負担が増え、他方で金本位制国家は中国への投資を拡大した。各国は賠償金をもとに中国に投資して、貿易、借款、外債においては外国の銀行が大きな役割を果たした。なかでもイギリス系の香港上海銀行は投資を拡大し、銀資金を清や日本への借款としたり、各国に支店を増やして貿易金融や華僑送金も業務とした。義和団の乱以降は、中国の公的資金も外国の銀行に握られ、税関収入は香港上海銀行、ロシア・アジア銀行、ドイツ・アジア銀行（中国語版）に管理された^[16]^[151]。

辛亥革命から近代的制度へ

→「中華民国期の通貨の歴史」も参照

辛亥革命後の1927年に成立した蒋介石の南京国民政府は、廃両改元を行った。これにより秤量貨幣である銀両の流通が廃止され、新たに1円銀貨として孫文像幣が発行された^[152]。南京国民政府は関税自主権を主張し、金融機関としては四行二局を設立した。これは中華民国中央銀行、中国銀行、交通銀行、中国農民銀行の四行と、郵政預金為替管理局、中央信託局（中国語版）の二局である。中央銀行の権限は(1)兌換券発行、(2)国幣の鋳造と発行、(3)国庫の経理、(4)内債・外債の募集と経理だった。南京政府は四行をはじめとして商業銀行にも介入して支配力を強めた^{[† 61]}^[153]。

南京国民政府は共産党軍や日本軍との戦闘によって軍事費が増えたため、税制改革を行って関税・塩税・統税（流通税）を定め、旧来の7000以上の租税項目を廃止した。内債・外債の整理も行い、33種類の内債を統一して14億6000万元の公債を発行した。この公債は浙江財閥系の銀行が公債を引き受けたが、財閥系銀行への依存を強める結果となった^[154]。

法幣

世界恐慌によってアメリカが金本位制から離脱して銀の国有化政策を行った影響で、銀価格が暴騰して中国の銀は上海から流出した。銀不足は中国に物価の下落と恐慌を招き、各地で銀行や両替商の倒産や営業停止が相次いだ。南京国民政府は銀の流出を防ぐために幣制改革を行い、中央銀行・中国銀行・交通銀行の紙幣を法幣と認定した。納税や公金は法幣によって扱われることになり、銀の使用は禁止された。政府は各地から銀を供出させて法幣と兌換させ、銀を国有化した^{[† 62]}。こうした政策はイギリスから来た顧問であるフレデリック・リー・ロス（英語版）の指導のもとで実施され、中国はイギリスのスターリング・ポンドに法幣をリンクさせた。法幣は経済の復興に貢献し、国民政府の金融支配を確立した^[155]。

辺区券

中国共産党は江西省で中華ソビエト共和国を建国した。ソヴィエト区時代の主な政府財源は地主の資産没収と土地分配、富農や商工業者への徴税であり、共和国時代には財務機関が設立されて累進課税の税制や公債が定められた。ソヴィエト区時代の銀行は共和国に入ると辺区銀行となり、公営商業機関のための貨幣として光華代価券（辺区券）を発行した。辺区券は法幣に対して下落してインフレーションが起きた^[156]。

第二次世界大戦

日中戦争の時期を中心として中国は戦乱となり、国民党の蒋介石政権、中国共産党、日本占領地域など各勢力のもとでさまざまな貨幣が流通した^[157]。

法幣：蒋介石政権下の四行が発行。
辺区券：中国共産党解放区の辺区銀行が発行。通称は辺幣。各地の辺区（解放区）政府は紙幣を発行して預金、貸付、為替などの業務も行った^[158]。
満州国圓：満洲国下の満洲中央銀行が発行。通称は国幣。
朝鮮銀行券：朝鮮銀行が発行。日本の占領政策とともに中国にも進出し、満洲国や華北で流通した^[159]。
日本占領地の貨幣：華北は中国聯合準備銀行券（中華民国臨時政府下の中国聯合準備銀行が発行。通称は連銀券）、華中は中央儲備銀行券（汪兆銘政権下の中央儲備銀行が発行。通称は儲備券・中儲券）、華南は華興商業銀行（中華民国維新政府下の華興商業銀行（中国語版）が発行。通称は華興券）があった。
軍票：日本軍が発行。厳密には貨幣ではないが、日本軍が占領地で物資の調達に使った。

日中戦争によって日本は広州・武漢をはじめとして占領を進め、国民党政府は工業施設を移転して財政再建を図った。国家四銀行は西南・西北地区に移転し、のちに財政金融の最高機関となる。開戦前の財源だった関税や塩税などの間接税がなくなったために所得税、遺産税、可分利得税などの直接税に切り替えて、不足分は公債発行で補った^[160]。

日中の通貨戦争

日中戦争の激化によって法幣の価値は下落を続けた。上海にはイギリス、アメリカ、フランスの租界があり、1940年までに50億元以上の資金が流入し、太平洋戦争まで繁栄を続けた^[157]。貨幣の価値が下落した地域においては、アヘンが通貨の代わりとなった^{[† 63]}^[161]^[162]。日本は日本円とリンクした聯銀券を流通させるために法幣の排除を計画し、法幣売りを行う。しかし、蒋介石政権の外貨割当制がきっかけで華北と上海の価格差を利用した鞘取りが増え、日本は法幣売りを停止した^{[† 64]}。これにより外貨転換をできなくなった日銀券は下落し、日本側はさらなる対策として法幣の偽造を行ったが失敗した（後述）^[163]^[164]。

第二次大戦後、国民党政府は旧日本占領地政府の資産を接収した。2400以上の日系の工場をはじめ、金融機関、農地などが接収され、工場だけで20億USドルに相当した。貨幣制度の統一をはかるため、国民党政府は法幣に有利なレートで連銀券や中儲券など旧日本占領地区の通貨を交換した^{[† 65]}^[157]。

近代の貨幣論・貨幣の記録

清の時代には、銀が不足した17世紀後半と19世紀前半に貨幣をめぐって活発な議論があった。17世紀後半には台湾の鄭氏政権や緊縮財政による銀不足があり、19世紀前半にはアヘン貿易による銀の流出が問題となった。銀不足の対応について、国家が不換紙幣を発行するべきとする統制論と、民間経済の動きに合わせるべきとする自由経済論、そしてその中間に大きく分かれた^[165]。

現代

国共内戦と東西冷戦

アメリカ合衆国とソヴィエト連邦の冷戦によって、アメリカ政府は国民党政府を経済支援する。1945年下半期から1948年6月までの援助額は51億400万USドルで、国民党歳出の73パーセントに達した。こうした援助はアメリカとの条約と引き換えに行われたが、国共内戦が激化すると国民党政府は軍事費をまかなうために法幣を大量発行してインフレーションを招いた。国民党政府は法幣に代わって金円券を発行したが、正貨準備の裏付けなしで増発されてインフレを引き起こし、金円券ののちに発行された銀円券は、中国共産党の人民幣との競争に破れた。国共内戦は中国共産党の勝利に終わり、共産党政権は金円券を回収するために人民幣1元＝金円券10万元で交換した^[166]。

人民元と計画経済

ファイル:Avers 1 Yuan chinois.jpg

人民元紙幣

中華人民共和国の成立によって、人民幣は人民元となり、社会主義体制のもとで計画経済が始まった^[167]。国民党系の資本は国有化され、基本通貨は人民元に統一された。続く1万分の1のデノミネーションで通貨は安定し、民間金融機関は公有化が進んで人民銀行に統合された^[168]。賃金は高インフレーションの影響もあって一部が現物支給のかたちで始まり、やがて現物給は賃金制度に統一されて賃金総額や所得分配が管理された^[169]。

価格や流通は政府によって決定され、買い物の際には通貨とともに配給切符を出す必要があった。配給切符は職場で配布されており、自転車や家電などは切符が少なかった。価格統制は鄧小平の改革開放から緩和され、市場で決定される割合が増えていった。最後の配給切符である糧票（中国語版）と呼ばれる食糧切符も廃止され、価格と流通の自由化が成立した^{[† 66]}^[170]^[171]。

管理フロート制と人民元の国際化

人民元は改革開放によって大きく変化する。それまでは外貨兌換券用の公定為替レートと市場の為替レートに格差があったが、改革開放によって二重相場制を廃止して管理フロート制に移行した。これは実質的にドルペッグ制であり、通貨の切り下げによって輸出が増加する。改革開放以前は中国人民銀行が政府が決定のもとで貸付を行なっていたが、国有銀行の商業銀行化も進められた。IMF8条国となったのちは経常取引の自由化が義務づけられるが、資本取引の規制は続けて銀行の国際取引も外貨管理局が統制した^{[† 67]}^[172]。1984年〜1994年の間にマネーサプライは8.1倍となり、50元や100元が新たに発行されて、紙幣の最高額面がそれまでの10元から拡大したために紙幣枚数の増加は落ち着いた。しかし次は2元以下の小額面の紙幣が不足して、釣り銭用の小銭が不足する時期があった^[173]。外貨管理のためには外貨兌換券として兌換元が発行されて1995年まで流通した^[174]。

中国人民銀行は人民元の国際化をすすめ、経済成長によって石油をはじめとする資源や農産物輸入のために貿易を拡大させた。貿易による人民元決済は2014年時点で輸出入の25パーセントに増えた^{[† 68]}^[175]。民間による外貨の保有、グローバルな資金流入、一帯一路をはじめとする海外への投資がなされ、投機的な資金流入も起きた^[176]。投機への対策として、中国政府は通貨バスケット制を参照しつつ管理変動相場制に移行した。これを人民元改革と呼ぶ^{[† 69]}^[177]。

国際機関とIMF

中国政府はアフリカ諸国の政府に貸付を行い、中国・アフリカ協力フォーラム（FOCAC）を3年ごとに開催している。貸付の内容は建設などの経済インフラとなっており、中国は欧米と異なり内政不干渉の援助を行うので歓迎された^[178]。世界金融危機以降、中国政府は人民元の国際化をさらに進め、ドルを基軸とするIMFの改革を提案した。人民元はIMFのSDR（特別引出権）の構成通貨に加わり、中国外貨取引センター（CFETS）は通貨バスケットを24ヶ国に拡大した。そして中国は新興国への拠出金の増額や新興国の外貨準備をSDR建てにすることを提案した。IMFの改革は進まず、中国は国際機関として新開発銀行やアジアインフラ投資銀行（AIIB）を設立した。中国の一帯一路のルートに必要な建設費は8兆ドルともいわれており、AIIBやシルクロード基金が資金の供給源とみられている ^[179]。

香港・マカオ

香港ドルは、香港金融管理局が運営してドルペッグ制をとっている。中国返還前の硬貨にはエリザベス2世の肖像も使われた。香港政庁は香港ドルを1USドル＝7.8香港ドルの固定相場にすると発表した^[180]。マカオは本国のポルトガルでカーネーション革命が起きた際に大西洋銀行が国有化され、中華人民共和国への返還後もマカオ・パタカの発行を続けた^[143]。

台湾

国民党政府は台湾へ移転して、銀本位制を維持して銀元を通貨としつつ、台湾で発行されていた新台幣を流通させた。また、国民党政府は金門県、馬祖島、大陳島（中国語版）の各地域用の通貨として金門馬祖大陳専用紙幣を発行した。国民党政府の台湾移転にともない中華民国中央銀行も台湾へ移転したが、通貨発行は台湾銀行が行った。2000年以降はニュー台湾ドルが正式に通貨となり、中央銀行の発行となった^[166]。

現代の金融

企業の資金調達

企業の資金調達方法としては(1)起業家の自己資本、(2)銀行融資、(3)社債、(4)株式発行、(5)政府投資があるが、計画経済においては、改革開放以前（1953年〜78年）までは(5)中央政府の投資が主要であった。その後、改革開放前半に(2)銀行融資や(5)地方政府の投資が増えて、改革開放後半には(1)自己資本や(4)株式発行も増え、21世紀からは(3)社債も増加した^{[† 70]}^[181]。外国の投資家へのアピールも増え、近年では国内での上場よりも先に国外で上場する企業も増えている^[182]。

金融機関

家計貯蓄率の上昇によって金融仲介業も活発になる。改革開放前の銀行は中国人民銀行のみだったが、それが分割されて中国農業銀行、中国銀行、中国人民建設銀行、中国工商銀行の四大国有銀行となった。さらに地方政府や国有企業が設立した銀行や、信用合作社（中国語版）などの金融機関が増加した。これらの金融機関は国民の預金を、政府の政策に沿って融資した。四大国有銀行は商業銀行として業務を行うようになり、新たに政策金融を行う政策性銀行（中国語版）として国家開発銀行、中国農業発展銀行（中国語版）、中国輸出入銀行（中国語版）が設立された^[183]。

1985年には、国有企業の資金調達は全て銀行融資が原則とされた。このため資本が0であり資金は全て銀行融資となる国有企業が多数出現し、国有企業の不良債権が問題となった^{[† 71]}。不良債権は最大時の2000年には国内総生産（GDP）の22.5パーセントに達する巨額で、不良債権処理のために金融資産管理会社が四大国有銀行から不良債権を買い取った。買い取られた不良債権は1兆4787億元にのぼり、金融資産管理会社の損失は最終的に政府の負担となった^[184]。

近年では電子決済の普及によって、オンラインの理財商品が増加した。マネー・マーケット・ファンドをする余額宝（中国語版）は、銀行の定期預金よりも利回りが高いためユーザー数が1億人を超え、2017年時点で1.6兆元に達して単独のファンドとしては最多の投資家がいる金融商品となった^[185]。銀行業務は簡素化されて従業員が減り、2017年の五大商業銀行は合計2.7万人の純減となっている^[186]。

金融センター

第二次大戦後はアジアにおいても東京、香港、シンガポール、上海などの地域が金融センターとして発展した。金融センターの国際的競争力を示す指標としてZ/Yen（英語版）グループの世界金融センター指数（英語版）があり、2019年3月時点では、上位5位は1位ニューヨーク、2位ロンドン、3位香港、4位シンガポール、5位上海と中国から2つ入っている^[187]。

電子マネー

1990年代からは、電子決済のサービスである電子マネーが始まった^{[† 72]}。中国では小額決済の短縮化として香港で八達通が発売され、公共交通機関の乗車カードとして香港ドルのデポジット式で使われている^[188]。中国の電子マネーは、後述する決済仲介サービスとスマートフォンによって普及が進み、技術的にはQR・バーコード決済を使っている。モバイル決済額は2012年の2.3兆元から2017年には202.9兆元に増加した^[189]。マネーサプライでは、現金通貨と預金通貨の合計（M1）は2015年から乖離するようになった。非現金決済率は2015年に前年比90パーセント増となり、他方でATMの出金額は下がり続けている^[186]。生活に与える影響としては、公共料金の支払いや病院など長時間かかっていた手続きの簡素化、自動販売機や無人店舗の増加、動画配信サービスの有料化と正規ルート化、電子商取引（EC）などがある^[190]。

決済仲介サービス

クレジット決済に代わって、IT技術にもとづく決済システムが普及した。サービスとしては阿里巴巴集団（アリババグループ）による支付宝（アリペイ）や、腾讯（テンセント）の微信支付（ウィーチャットペイ）が中心となっている。電子商取引成功のきっかけは、阿里巴巴集団が運営するショッピング・サイトの淘宝網（タオバオ）だった。淘宝網は売り手と買い手の間に支付宝の決済を入れることで仲介役となり、取り引きの安全性を高めた。これによって詐欺をはじめとするトラブルが減り、決済仲介サービスは広まった^[191]。腾讯は京東に出資しており、阿里巴巴と腾讯の2社で中国の電子商取引市場の85パーセント以上を占める^[192]。決済仲介サービスは銀行口座を使っており、クレジットカードの使用者が少なく銀行振込に時間がかかるという中国の事情に合ったビジネスモデルだった^{[† 73]}。微信支付は2014年に参入して支付宝と競合し、2014年から2015年にかけてモバイル決済が急増している^[189]。

淘宝網は、売り手と買い手がお互いを評価する信用評価システムも導入した。こうした第三者決済サービスで蓄積された取引情報は社会信用システムに活用されるようになった^[194]。個人信用を評価する芝麻信用などのサービスも行われており、従来は融資が困難だった中小企業や個人事業者への融資も進んでいる^[20]。社会信用システムの構築は中国人民銀行が中心となり、個人信用調査許可証の第1号が百行征信（中国語版）（バイハン・クレジット）に与えられた^[195]。

仮想通貨（暗号資産）

ビットコインをはじめとする仮想通貨は中国で急速にユーザーを増やした。中国のビットコイン交換所である比特幣中国（中国語版）（BTC China）は腾讯と契約をして、中国でもビットコイン交換所に直接送金できるようにした。ビットコインは史上最高値を更新するが、中国政府は暗号通貨ビジネスへの直接送金に警告を発し、腾讯は比特幣中国のサービスを停止した。しかしその後も仮想通貨のユーザーは増加して、中国の交換所である火幣と幣行でビットコイン取引の92パーセントを占めるようになる。ビットコインの大規模なマイニングを行う上位4社は中国にあり、この4社で2016年には世界の処理パワーの76パーセントに達した^{[† 74]}^[196]。

資産・所得格差

資産・所得の格差は中国でも問題とされている。沿岸部と内陸部の格差、都市部と農村の格差、国有企業と非国有企業の格差などがあり、対策として分税制改革（中国語版）で中央政府の再配分の強化をはかり、各地域を開発する地域協調発展などの政策も行われた。北京大学の「中国民生発展報告2014」によれば、2012年時点で1パーセントの富裕層が中国の全財産の約3割を占めている^{[† 75]}。改革開放以後の中国についてのトマ・ピケティ、リー・ヤン、ガブリエル・ザックマン（フランス語版）らの研究では、資産保有額の格差は北欧諸国に近い水準からアメリカ合衆国の水準に近づきつつある^{[† 76]}^[198]。

特殊な貨幣

厭勝銭・冥銭

災いを防ぎ祓うための呪力や霊力を与える貨幣として厭勝銭があり、祝事に使う慶祝銭もある。これらは（花錢（中国語版））とも呼ばれる。副葬品として使う貨幣に冥銭があり、紙錢と呼ばれる。殷時代の墓にはタカラガイが大量に副葬されており、死者の安寧や復活を願ったとされる。秦や漢においては死者は冥土でも生活すると考えられて、死者も貨幣が必要とされた。漢の時代には銭の副葬品が増え、瘞銭（えいせん）とも呼ばれた。明の時代には、金の冥銭が発見されている。四川を中心とする習慣では、銭が実った木をかたちどった揺銭樹という青銅器を墓に入れた^[199]。このほかに陶銭や紙銭も素材となった^[42]。葬儀社などでは、冥国銀行券といった名称の葬儀用紙幣が用意されている。1930年の中国では額面が5円となっているが、その後に高額化が進み、一般には存在しない額面となっている。類似の習慣は日本、韓国、台湾、ベトナムなどにある^[200]。中華人民共和国の建国時には、冥銭や紙錢は迷信商品として取り締まりの対象にもなった^{[† 77]}^[201]。

貨幣の偽造の歴史

→詳細は「贋金」および「偽札」を参照

紀元前144年（景帝中元6年）には「鋳銭・偽黄金棄市の律」が定められて、銭の盗鋳（私鋳）や黄金の偽造者を死刑とした。『史記』遊侠列伝には、私鋳をした人物として郭解が登場する。『漢書』食貨志下には、私鋳で鉛や鉄を混入した者が黥罪に処されたという記録がある^[202]。初の紙幣とされる交子が990年頃に出たのちの神宗年間（1068年～1077年）には偽造に関する記述が見られる^[203]。

法幣の偽造

日中戦争が起きると、日本軍は国民党政府の通貨である法幣を排除するために偽札発行を計画した。陸軍の登戸研究所が中心となり、印刷会社や製紙会社などが極秘で参加した。偽造された5円券や10円券は上海の秘密結社である青幇の協力もあって中国で使用され、一説には25億円分が流通したとも言われる。しかし、蒋介石政権はインフレーションにより1000円や5000円などの高額紙幣を発行し、偽造紙幣は小額だったために効果をあげなかった^[204]^[205]。

人民元の偽造

改革開放の前までは、通貨の偽造が発生しにくかった。計画経済のもとで印刷設備が国有や集団所有である点、通貨ではなくクーポンによる決済が多かった点、通貨があっても必要な商品が買えない点などの理由があげられる。改革開放以降は、外貨兌換券の発行終了や経済交流の活発化、印刷技術の発達などが原因で偽札が増加した^{[† 78]}^[206]。

年表

紀元前336年 - 秦が銅貨発行を国家で行うとして、半両銭を正式な貨幣と定めた。
紀元前118年 - 漢が銅貨の五銖銭を発行。
紀元前119年 - 漢が塩と鉄を専売とする。
9年 - 新が宝貨制を制定。
40年 - 後漢が王莽銭を廃止して五銖銭を復活。
581年 - 隋が五銖銭を復活。
621年 - 唐が銅貨の開元通宝を発行。
960年 - 宋が銅貨の宋元通宝を発行。
1023年 - 宋が紙幣の交子を官営として発行。
1260年 - クビライが元の皇帝に即位。元が紙幣の中統元宝交鈔を発行。
1287年 - 元の通貨改革。中統鈔の五倍の価値に当たる至元鈔を発行し、旧紙幣を回収。
1361年 - 朱元璋が銅貨の大中通宝を発行。
1368年 - 明が紙幣の大明宝鈔を発行。
1374年 - 明が海禁政策を実施。
1553年 - ポルトガル人がマカオ居住を認められる。
1567年 - 明の海禁が緩和。
16世紀後半 - 明が一条鞭法を制定。
1661年 - 清が遷界令を制定し、海禁状態となる。
1684年 - 清が展界令を制定し、海禁が解かれる。
1711年 - 清が地丁銀制を制定。
1720年 - 広東十三行が欧米との取り引きを独占。広東貿易体制。
1853年 - 清が紙幣の大清宝鈔を発行。
1865年 - 香港上海銀行が開設。
1890年 - 清が銀貨の銀元を発行。
1933年 - 南京国民政府が廃両改元を行う。
1935年 - 国民党政府が幣制改革を行い、法幣を定める。
1945年 - 中華民国が国際復興開発銀行（IBRD）に加盟。
1948年 - 国民党政府が法幣に代わって金円券を発行。
1978年 - 改革開放政策が開始。
1980年 - 外貨兌換券として兌換元を発行。1995年に廃止。
1983年 - 香港政庁が香港ドルを1USドル＝7.8香港ドルの固定相場にする。
1988年 - 50元券が発行開始。
1989年 - 100元券が発行開始。
1990年 - 上海証券取引所と深圳証券取引所が設立。
1994年 - 四大国有銀行が商業銀行として業務を開始。価格と流通の自由化。分税制改革。
1997年 - アジア通貨危機。香港で電子マネーの八達通が開始。
2000年 - 香港証券取引所が設立。
2005年 - 人民元改革。
2008年 - 世界金融危機。
2014年 - 新開発銀行、アジアインフラ投資銀行（AIIB）が設立。
2015年 - 人民元のマネーサプライにおいて現金通貨と預金通貨の合計（M1）が乖離を始める。
2016年 - IMFが人民元をSDR通貨バスケットに採用。
2018年 - 個人信用調査許可証の第1号をバイハン・クレジットが取得。

出典・脚注

[脚注の使い方]

注釈

^ ただし、中央の1点は江戸時代後期の日本で使われた天保通宝（裏面）を天地逆に掲載したものである。
^ 唐の時代には、硬貨の不足をおぎなうために銭帛兼行の政策が行われた。これは高額の取り引きでは一定の割合で絹帛布米粟を兼用することを命じたものである。
^ たとえば漢の時代には、銅貨が政府の支払いや価値尺度となり、市場での交換には布や米が広く使われた。
^ 1935年時点で90パーセント以上の国が金を本位貨幣としていた^[16]。
^ 既存の技術発展を越えて普及することをリープフロッグ型発展と呼ぶ。
^ 銭は銭貨とも呼ばれる。
^ たとえば清の時代では銀1両に相当する1000枚の銅貨は重量が約4キログラム、50両の銀両を詰める箱の重さは10キログラムあった。このため銭票が普及した^[23]。
^ 貝貨となったタカラガイの種類はキイロダカラやハナビラダカラだった。
^ 異説として、タカラガイは相手とやり取りをすることで相手の繁栄を祈る宗教的な意味合いを持つ貴重品であり（クラ参照）、タカラガイ贈与の慣習が失われて貨幣流通が一般化した戦国時代以後に「貴重品＝財物＝貨幣」という当時の人々の観念からさかのぼって貝貨という認識が生まれたもので、殷周時代の実態は反映していないとする説もある。
^ 楚は金属精錬が活発であり、銅の精錬過程で産出された金や銀も貨幣とした^[33]。
^ 他方で、始皇帝は農業を重んじて商業を抑制する重農抑商の政策をとり、以後の歴代の中国王朝も多くが抑商政策をとった^[36]。
^ 当時、1両は24銖（しゅ、1銖は約0.67グラム）であったので、半両銭の重さは12銖、すなわち約8グラムとなる。
^ 楡の実のさやに似ているためこう呼ばれた。
^ 紀元前175年に書かれた賈誼の上奏文によれば、当時四銖半両（四銖銭の半両銭）100銭の重さが1斤16銖（＝400銖）が基準とされ、それより軽い場合には何枚か足して1斤16銖分にしてそれを100銭分としたこと、反対にそれより重い場合には100枚に満たないことを理由に通用しなかったと書かれている（『漢書』食貨志）。
^ 武帝以前の漢の貨幣は、その重さが半両に満たなくとも半両と刻まれていた。そのため、これら前漢の銭も重さにかかわらず半両銭という。
^ 白金と皮幣の立案には、酷吏として知られる張湯も関わった。
^ 五銖銭発行は郡国の負担増となった。『史記』平準書には、困窮した郡国が銅以外のものを混入したという記述がある。
^ 塩の税収が1石あたり10銭とすると、塩の専売収入は350銭に上がり、専売収入は年平均38億銭となった。
^ 比価は貨布1：貨泉25とされた。
^ 使用拒否者に対して刑死や全財産没収のうえ奴婢とする禁令が出され、多数が処罰されたが全く収蔵されなかった。
^ 『泉志（中国語版）』の記述による。
^ 唐の1銖は1.55グラムであるから、開元通宝は3.73グラムとなり、3グラム強であった前漢の五銖銭よりやや重くなる。
^ ただし、必ずしも実際の重さではなかった。
^ たとえば、日本の和同開珎（珎は宝の異体字）も唐の開元通宝を真似て作ったものである。
^ 日本の弥生時代と古墳時代の遺跡で出土した半両銭や五銖銭は、青銅器の原料のほかに、副葬品や祭祀用に使われたと推測されている。
^ 文芸作品では、西晋の魯褒が当時の社会を風刺した『銭神論』を書いた^[58]。
^ 朝鮮王朝では朝鮮通宝、ベトナムでは前黎朝の太平興宝や天福通宝、陳朝の大治通宝がある。琉球王国では15世紀後半に大世通宝、世高通宝、金円世宝という銅貨が発行されたとされる。
^ 小額決済用でキイロダカラが素材となった。のちに琉球王国から明への朝貢品にはキイロダカラが含まれており、貝貨用に輸出していた可能性がある。中世にはベンガルやアフリカでも貝貨が流通していた。
^ 『東方見聞録』によれば、塩の生産地であるロロス宣慰司とチベットでは塩を円形に固めたものが貨幣として通用した。
^ 馬は最盛期で年間1400頭ほどがキーシュ島からインドに輸入され、インドの軍隊編成を変化させた。
^ ペゴロッティは、元の貨幣レートや、元政府が民間商人から銀を徴収して紙幣と交換させたことなどについて書いている。
^ 貨幣の比価は、米1石＝銀1両＝銅貨1000文が定められたが、価値を維持するための準備制度などの方策がなかったために下落した。
^ 日本は、銅の精錬技術が発達したのちは銅の輸出国となる。
^ 明代の銀場は浙江や福建であり、山東、陝西、広東は枯渇していた。
^ 当初、明はポルトガルを拒絶した。ポルトガルのマラッカ王国への武力進行が悪評であったためである。ポルトガルはマラッカにいるアラブ人のイスラーム商人全員の殺害を命じ、マラッカに住んでいたグジャラート商人は東南アジア各地に移住した^[91]。
^ ポルトガル側の史料によれば、密貿易や海賊への対策を行ったのでマカオ居住を許可されたとある。中国側の史料である『廣東通志（中国語版）』によれば、1553年にポルトガル人が汪柏（中国語版）という役人に賄賂を贈って居住の許可を得たとある^[92]^[93]。
^ マカオでは、司令官であるカピタン・モールの管理貿易による定期船と、私貿易の個人商船が並立した^[95]^[96]。
^ スペインはマニラ王国の王であるラジャ・スレイマン（英語版）を殺害して拠点を築いた。
^ 太平洋の横断には2〜3カ月かかり、帰路はさらに長くかかった。
^ 日本は灰吹法によって精錬が向上して、17世紀以降は貴金属の輸出が盛んになった。
^ 万暦年間に書かれたとされる小説『金瓶梅』には、銭舗で銀貨と銅貨を交換する描写がある。
^ ベルショール・カルネイロ司教は毎年50ピコの生糸の割り当てをイエズス会の財源とした。カルネイロの契約で生糸の独占はなくなり、少額資本でも南蛮貿易に参加できるようになった。
^ 出島で輸出される銅により、日本では別子銅山を経営する住友家が繁栄した。
^ 明からの銅貨の減少により日本では硬貨が不足して、硬貨を尺度とする貫高制から米の収穫量を尺度とする石高制に移る一因にもなった^[113]。
^ 耕作地が狭く人口密度の高い地域には、故郷をあとにして商業で生計を立てる者が多かった。
^ 中国式のデザインの銅貨は他国でも続いており、近世には日本の寛永通宝、朝鮮王朝の常平通宝、ベトナムの景興通宝をはじめとする景興銭が発行された^[68]。
^ ベトナム、インドネシア、タイ、マレー半島などで生活した。
^ 清の成立当初は、鄭成功を大陸から孤立させるために遷界令で海禁政策をとった。
^ 李士楨（中国語版）の『撫粤政略』の記述による。
^ 算盤の普及も明代とされている。
^ 広東十三行は13人の商人でなくても成立し、少ない時には4人、多い時には20人いた。
^ 1609年にオランダ東インド会社が日本の緑茶を運んだことをきっかけに、オランダを通じてフランスやイギリスで飲茶の習慣が広まった。のちに日本からは貴金属の輸出が増え、茶は中国が主流となる。
^ イギリス東インド会社は、アヘンの密輸出にジャーディン・マセソン商会などの商人も使った。
^ 清は財政不足のために朝貢の回賜に紙幣を使うようになり、朝貢貿易の利益が減ったため各国の朝貢は終了していった。
^ 外国で強制的に働かされる豬花と呼ばれる女性もいた。
^ 広州、シンガポール、サイゴン、バンコク、サンフランシスコ、シドニーなどが香港を中継した。
^ さらに別の方法として、商品市場を利用して商品取引で香港の輸入代金の支払いと相殺する方法や、金銀市場を利用して香港とシンガポールの地金価格差から利益を出す方法などもある。
^ 華人系の移民であるプラナカンは、シンガポールを中心として経済力を持った^[147]^[148]。シンガポールの華人社会を舞台として、ケヴィン・クワン（英語版）の小説『クレイジー・リッチ・アジアンズ（英語版）』も書かれた。
^ 1840年代にはカリフォルニア・ゴールドラッシュも起きていた。
^ 日本は清からの賠償金3億6千万円によって金本位制に移行した。
^ 全国の164銀行に占める四行の資本総額は42パーセント、資産総額は59パーセントに及んだ。
^ この政策により、四行には3億元の銀が集まったといわれる。
^ 日本の傀儡政権である満洲国はアヘンの栽培と専売を行ったため華北にアヘンが流通した。ペルシアやトルコ産のアヘンは、鈴木商店や昭和通商などの日本企業が上海や大連に密輸した。
^ 華北の朝鮮銀行券を上海に運んで日本側の銀行で法幣に交換し、それを華北に運んで聯銀券を通じて朝鮮銀行券に交換した。
^ 法幣と連銀券は1＝5、法幣と中儲券は1＝200で交換された。
^ その後は、電気、ガソリン、軽油、航空燃料、食塩などの価格を政府が統制した。
^ アジア通貨危機の際に、東アジア各国の通貨が切り下げを行う一方で中国が人民元を下げなかったのは、資本規制をしていたので外貨建ての短期借入の影響を受けなかった点にもある。
^ 人民元建てのオフショア人民元市場は香港、マカオ、台北、シンガポール、ソウルなどアジア各都市のほかにオーストラリアやヨーロッパにも開設されている。
^ 北京オリンピックや上海万博の影響もあって旅行者の両替は改善が進んだ。
^ 1990年には上海証券取引所と深圳証券取引所、2000年には香港証券取引所が設立され、上場企業が急増した。社債は2008年以降に急増し、2011年には株式発行で調達した資金の3倍以上が社債発行で調達されている。
^ 国際基準で測った場合は、不良債権額はさらに大きくなるという説もある。国際基準では利子支払いが半年以上滞った場合に不良債権とみなすが、中国では元本返済が滞った時に不良債権とみなす。
^ 広義の電子マネーには前払いで入金するプリペイド式と、クレジットカードと同様のポストペイ式がある。
^ 阿里巴巴のネットショッピングのサービスの普及には、2002年のSARSが影響したという説もある。支付宝はebayのサービスであるPayPalをモデルにしており、阿里巴巴とebayは2003年〜2006年にかけて激しく競合した^[193]。
^ 大規模なマイニングをマイニング・プールと呼ぶ。
^ 中国の近未来を舞台として格差を描いた郝景芳のSF小説『北京折畳（中国語版）』は、2016年のヒューゴー賞中編小説部門を受賞した。
^ 1978年から2015年にかけては、資本係数が350パーセントから700パーセントに増えて、総資産における公的資産の割合が約70パーセントから30パーセントに低下した^[197]。
^ ほかに取り締まられたものとして、商人の空取り引き、アヘン窟、売春宿、宝飾品店、骨董屋などがある。
^ 不完全な統計によれば、1989年の偽札摘発件数は335件で額面は100元だったが、1990年には4272件で額面は1368万元となった。

出典

^ 黒田 2014, p. 96.
^ 宮澤 1998, p. 19.
^ 山田 2000, p. 308.
^ ポランニー 2005, p. 第9章.
^ ^a ^b ^c ^d 宮澤 1998, p. 490.
^ 日本銀行金融研究所 1996.
^ 山田 2000, p. 86.
^ 山田 2000, p. 114.
^ ^a ^b 明石 2011.
^ 宮澤 1998, p. 493.
^ ^a ^b 宮澤 1998, p. 492.
^ 宮澤 1998, p. 497.
^ 宮澤 1998, p. 508.
^ 宮澤 1998, p. 513.
^ 鹿野 2011.
^ ^a ^b 濱下 1999, p. 387.
^ ^a ^b 濱下 1999, p. 394.
^ 松丸ほか編 2002, p. 第2章第Ⅱ部.
^ ニュー・サイエンティスト編集部 2017, p. 68.
^ ^a ^b 梶谷 2018, p. 215.
^ 山田 2000, p. 31.
^ 柿沼 2015, p. 43.
^ ^a ^b ^c 李 2012, p. 5.
^ 植村 1994, p. 299.
^ 櫻木 2016, p. 48.
^ 宮澤 1998, p. 248.
^ ^a ^b 山田 2000, p. 13, 19.
^ 柿沼 2011.
^ 宮澤 2007, p. 第1章.
^ ^a ^b 柿沼 2015, p. 99.
^ Kakinuma 2014.
^ 山田 2000, p. 24, 30.
^ 山田 2000, p. 46.
^ 山田 2000, p. 26.
^ 山田 2000, p. 30.
^ 臼井 1999, p. 163.
^ 山田 2000, p. 53.
^ 宮澤 2007, p. 第3章.
^ 山田 2000, p. 66.
^ 山田 2000, p. 81, 84.
^ ^a ^b 明石 2011, p. 19, 66.
^ ^a ^b ^c 柿沼 2015.
^ 山田 2000, p. 100.
^ 山田 2000, p. 第5章.
^ 山田 2000.
^ 山田 2000, p. 第8章.
^ 宮澤 2007, p. 第6章.
^ 山田 2000, p. 276.
^ 宮澤 1998, p. 289, 497.
^ 山田 2000, p. 244.
^ 明石 2011, p. 77.
^ 山田 2000, p. 246.
^ 宮澤 1998.
^ ^a ^b 李 2012.
^ 藤尾 2015, p. 141.
^ 山田 2000, p. 134.
^ 荒川 2010, p. 第10章.
^ 山田 2000, p. 10.
^ 山田 2000, p. 48.
^ 雨宮 2012.
^ 山田 2000, p. 54.
^ 宮澤 1998, p. 499.
^ ^a ^b 宮澤 1998, p. 500.
^ 宮澤 1998, p. 504.
^ 宮澤 1998, p. 498.
^ 湯浅 1998, p. 第5章.
^ ^a ^b ^c 四日市 2008.
^ ^a ^b 櫻木 2016, p. 146.
^ 黒田 2014, p. 55.
^ 宮澤 1998, p. 375.
^ 宮澤 1998, p. 441.
^ 宮澤 1998, p. 441, 508.
^ 宮澤 1998, p. 511.
^ 宮澤 1998, p. 509.
^ 四日市 2008, p. 131, 139.
^ 安木 2012.
^ ^a ^b 齊藤 2011.
^ 黒田 2014, p. 65.
^ 植村 1994, p. 11.
^ 松丸ほか編 1997.
^ 黒田 2014, p. 93.
^ 宮澤 2001.
^ ^a ^b ^c 湯浅 1998, p. 第8章.
^ 本多, 早島 2017, p. 97.
^ 須川 1999, p. 78.
^ 松丸ほか編 1999, p. 280.
^ 松丸ほか編 1999, p. 125.
^ 松丸ほか編 1999, p. 123.
^ 松丸ほか編 1999, p. 127, 159.
^ 松丸ほか編 1999, p. 133.
^ 羽田 2017, p. 69.
^ Bitterli, Robertson 1993.
^ 毎日頭條 2016.
^ 岡 2010.
^ 岡 2010, p. 63.
^ 羽田 2017, p. 124.
^ 岡 2010, p. 93.
^ ^a ^b 宮田 2017.
^ 松丸ほか編 1999, p. 165.
^ 李 2012, p. 4.
^ 可児 1984, p. 3.
^ 岡 2010, p. 118.
^ 岡 2010, p. 216.
^ 岡 2010, p. 241.
^ 宮澤 1998, p. 55.
^ 湯浅 1998, p. 176.
^ 田中 1997, p. 171.
^ ^a ^b 永積 1999.
^ 羽田 2017, p. 138.
^ 岡 2010, p. 215.
^ ブルック 2014, p. 第6章.
^ 松丸ほか編 1999, p. 163.
^ 鈴木編 2007.
^ 松丸ほか編 1999, p. 162.
^ 松丸ほか編 1999, p. 167.
^ 臼井 1999, p. 169.
^ ^a ^b ^c 松丸ほか編 1999, p. 461.
^ 上田 2008.
^ ^a ^b 黒田 2014, p. 152.
^ 松丸ほか編 1999, p. 464.
^ 菅谷 1999.
^ 松丸ほか編 1999, p. 418.
^ 松丸ほか編 1999, p. 171.
^ 臼井 1999, p. 146.
^ 松丸ほか編 1999, p. 474.
^ 松丸ほか編 1999, p. 164.
^ 李 2012, p. 7.
^ 羽田 2017, p. 184.
^ 松丸ほか編 1999, p. 160.
^ 永積 1999, p. 359.
^ 羽田 2017, p. 144.
^ 鄭 2013.
^ 佐々木 1996, p. 212.
^ 松丸ほか編 1999, p. 161.
^ 松丸ほか編 2002, p. 163.
^ 濱下 1999, p. 137.
^ 松丸ほか編 2002, p. 54.
^ ポメランツ, トピック 2013, p. 150.
^ 松丸ほか編 2002, p. 15.
^ 濱下 1997, p. 第1章、第7章.
^ 松丸ほか編 2002, p. 634.
^ 松丸ほか編 1999, p. 475.
^ ^a ^b 松丸ほか編 2002.
^ 山室 2004.
^ ^a ^b ^c 久末 2006.
^ 濱下 1999, p. 383.
^ 安里 2013.
^ 太田 2018.
^ 松丸ほか編 2002, p. 636.
^ 松丸ほか編 2002, p. 56.
^ 松丸ほか編 2002, p. 71.
^ 松丸ほか編 2002, p. 197.
^ 松丸ほか編 2002, p. 194, 218.
^ 松丸ほか編 2002, p. 193.
^ 松丸ほか編 2002, p. 192, 197.
^ 松丸ほか編 2002, p. 216.
^ ^a ^b ^c 松丸ほか編 2002, p. 222.
^ 松丸ほか編 2002, p. 217.
^ 多田井 1997, p. 下巻.
^ 松丸ほか編 2002, p. 218.
^ 山田編 1995.
^ 多田井 1997, p. 下巻227.
^ 梶谷 2016, p. 3章.
^ 多田井 1997, p. 下巻12章.
^ 岸本 1999, p. 43.
^ ^a ^b 松丸ほか編 2002, p. 224.
^ 松丸ほか編 2002, p. 410.
^ 松丸ほか編 2002, p. 414.
^ 松丸ほか編 2002, p. 422.
^ 丸川 2013, p. 63.
^ 松丸ほか編 2002, p. 478.
^ 小林, 中林 2010, p. 156.
^ 冨田 1996, p. 14.
^ 冨田 1996, p. 69.
^ 梶谷 2018, p. 45.
^ 梶谷 2018, p. 41.
^ 小林, 中林 2010, p. 163.
^ 宮本, 松田編 2018.
^ 梶谷 2018, p. 44, 48, 241.
^ 松丸ほか編 2002, p. 651.
^ 丸川 2013, p. 112.
^ 丸川 2013, p. 141.
^ 丸川 2013, p. 126.
^ 丸川 2013, p. 133, 136.
^ 西村 2019, p. 141.
^ ^a ^b 西村 2019, p. 186.
^ Z/Yen 2019.
^ 岡田 2008, p. 116.
^ ^a ^b 西村 2019, p. 27.
^ 西村 2019, p. 56, 82, 115.
^ 西村 2019, p. 17, 43.
^ 西村 2019, p. 48.
^ 高口 2017, p. 164.
^ 西村 2019, p. 134.
^ 西村 2019, p. 152.
^ ニュー・サイエンティスト編集部 2017, p. 169.
^ 梶谷 2018, p. 100.
^ Piketty, Yang, Zucman 2017.
^ 山田 2000, p. 234.
^ 植村 1994, p. 315.
^ 松丸ほか編 2002, p. 229.
^ 山田 2000, p. p94.
^ 植村 2004, p. p18.
^ 多田井 1997, p. 下巻248,254.
^ 渡辺 2012.
^ 冨田 1996, p. 183.

引用文献

日本語文献（五十音順）

明石茂生 (2011年). “古代帝国における国家と市場の制度的補完性について(2):漢帝国” (PDF). 成城・経済研究第193号. 2018年3月8日閲覧。
安里陽子 (2013年). “再構築される歴史とプラナカン概念 - プラナカンとは誰のことなのか” (PDF). 同志社グローバル・スタディーズ第4号. 2019年6月19日閲覧。
雨宮健 (2012年). “古代ギリシャと古代中国の貨幣経済と経済思想” (PDF). 日本銀行金融研究所. 2018年3月8日閲覧。
荒川正晴『ユーラシアの交通・交易と唐帝国』名古屋大学出版会、2010年。
上田裕之 (2008年). “清代康熙後半の京師における貨幣政策と銭貴の発生” (PDF). 一橋経済学第2巻2号. 2019年6月19日閲覧。
植村峻『お札の文化史』NTT出版、1994年。
植村峻『贋札の世界史』日本放送出版協会〈生活人新書〉、2004年。
臼井佐知子著「中国江南における徽州商人とその商業活動」、佐藤次高; 岸本美緒編『市場の地域史』山川出版社、1999年。
太田泰彦『プラナカン - 東南アジアを動かす謎の民』日本経済新聞出版社、2018年。
岡美穂子『商人と宣教師 - 南蛮貿易の世界』東京大学出版会、2010年。
岡田仁志『電子マネーがわかる』日本経済新聞社〈日経文庫〉、2008年。
柿沼陽平『中国古代の貨幣 - お金をめぐる人びとと暮らし』吉川弘文館、2015年。
梶谷懐『日本と中国経済 - 相互交流と衝突の100年』筑摩書房〈ちくま新書〉、2016年。
梶谷懐『中国経済講義 - 統計の信頼性から成長のゆくえまで』中央公論新社〈中公新書〉、2018年。
可児弘明著「海上民のさまざまな顔 - 中国・東南アジア・日本をめぐって」、家島彦一; 渡辺金一編『イスラム世界の人びと4 海上民』東洋経済新報社、1984年。
鹿野嘉昭「比較経済史からみた三貨制の意義と特色」『同志社大学経済学論叢第57巻第4号』第4巻第57号、2011年。
岸本美緒著「清代中国の経世論における貨幣と社会」、歴史学研究会編『越境する貨幣』青木書店、1999年。
黒田明伸著「16・17世紀環シナ海経済と銭貨流通」、歴史学研究会編『越境する貨幣』青木書店、1999年。
黒田明伸『貨幣システムの世界史 - 〈非対称性〉をよむ（増補新版）』岩波書店、2014年。
小林正宏; 中林伸一『通貨で読み解く世界経済 - ドル、ユーロ、人民元、そして円』中央公論新社〈中公新書〉、2010年。
齊藤寛海 (2011年). “ペゴロッティの商業実務とバドエルの元帳” (PDF). 日本パチョーリ協会第23回フォーラム. 2018年3月8日閲覧。
櫻木晋一『貨幣考古学の世界』ニューサイエンス社、2016年。
佐々木史郎『北方から来た交易民 - 絹と毛皮とサンタン人』日本放送出版協会〈NHKブックス〉、1996年。
菅谷成子著「マニラの中国人」、濱下武志編『東アジア世界の地域ネットワーク』国際文化交流推進協会、1999年。
須川英徳著「朝鮮時代の貨幣 - 「利権在上」をめぐる葛藤」、歴史学研究会編『越境する貨幣』青木書店、1999年。
高口康太『現代中国経営者列伝』星海社〈星海社新書〉、2017年。
多田井喜生『大陸に渡った円の興亡（上下）』東洋経済新報社、1997年。
田中健夫『東アジア通交圏と国際認識』吉川弘文館、1997年。
鄭維中著、郭陽訳「清朝の台湾征服とオランダ東インド会社 - 施琅の「台湾返還」密議をめぐって」、中島楽章編『南蛮・紅毛・唐人 - 一六・一七世紀の東アジア海域』思文閣出版、2013年。
冨田昌弘『紙幣の博物誌』筑摩書房〈ちくま新書〉、1996年。
西村友作『キャッシュレス国家 - 「中国新経済」の光と影』文藝春秋〈文春新書〉、2019年。
日本銀行金融研究所「中国における幣制の展開」『金融研究第15巻第3号』第3巻第15号、日本銀行金融研究所、1996年。
ニュー・サイエンティスト編集部著、水谷淳訳『ビットコインとブロックチェーンの歴史・しくみ・未来』SBクリエイティブ、2017年。（原書 New Scientist (2017), The End of Money: The story of Bitcoin, cryptocurrencies and the blockchain revolution, Nicholas Brealey ）
羽田正『東インド会社とアジアの海』講談社〈講談社学術文庫〉、2017年。
濱下武志『朝貢システムと近代アジア』岩波書店、1997年。
濱下武志著「通貨の地域性と金融市場の重層性」、佐藤次高; 岸本美緒編『市場の地域史』山川出版社、1999年。
久末亮一 (2006年). “華僑送金の広域間接続関係 - シンガポール・香港・珠江デルタを例に” (PDF). 東南アジア研究 44巻2号. 2018年6月19日閲覧。
藤尾慎一郎『弥生時代の歴史』講談社〈現代新書〉、2015年。
ティモシー・ブルック著、本野英一訳『フェルメールの帽子 - 作品から読み解くグローバル化の夜明け（英語版）』岩波書店、2014年。（原書 Brook, Timothy (2008), Vermeer's hat: the seventeenth century and the dawn of the global world, Profile ）
ケネス・ポメランツ; スティーヴン・トピック著、福田邦夫、吉田敦訳『グローバル経済の誕生 - 貿易が作り変えたこの世界』筑摩書房、2013年。（原書 Pomeranz, Kenneth L. (2009), The world that trade created: society, culture, and the world economy, 1400-the present ）
カール・ポランニー著、玉野井芳郎、栗本慎一郎、中野忠訳『人間の経済』岩波書店〈岩波モダンクラシックス〉、2005年。（原書 Polányi, károly (1977), The Livelihood of Man, Academic Press ）
本多博之; 早島大祐著「鋳造の自由と金融の自由」、深尾京司; 中村尚史; 中林真幸編『日本経済の歴史1 中世』岩波書店、2017年。
松丸道雄; 斯波義信; 濱下武志ほか編『中国史〈1〉先史～後漢』山川出版社〈世界歴史大系〉、2003年。
松丸道雄; 斯波義信; 濱下武志ほか編『中国史〈2〉三国～唐』山川出版社〈世界歴史大系〉、1996年。
松丸道雄; 斯波義信; 濱下武志ほか編『中国史〈3〉五代〜元』山川出版社〈世界歴史大系〉、1997年。
松丸道雄; 斯波義信; 濱下武志ほか編『中国史〈4〉明〜清』山川出版社〈世界歴史大系〉、1999年。
松丸道雄; 斯波義信; 濱下武志ほか編『中国史〈5〉清末〜現在』山川出版社〈世界歴史大系〉、2002年。
丸川知雄『現代中国経済』有斐閣〈有斐閣アルマ〉、2013年。
宮澤知之『宋代中国の国家と経済 - 財政・市場・貨幣』創文社、1998年。
宮澤知之 (2001年). “元代後半期の幣制とその崩壊” (PDF). 鷹陵史学 27号 53-92. 2019年6月19日閲覧。
宮澤知之『中国銅銭の世界 - 銭貨から経済史へ』思文閣出版〈佛教大学鷹陵文化叢書16〉、2007年。
宮田絵津子『マニラ・ガレオン貿易 - 陶磁器の太平洋貿易圏』慶應義塾大学出版会、2017年。
宮本正興; 松田素二編『改訂新版新書アフリカ史』講談社〈講談社現代新書〉、2018年。
安木新一郎 (2011年). “13世紀後半モンゴル帝国領雲南における貨幣システム” (PDF). 大阪国際大学国際研究論叢 25. 2018年3月8日閲覧。
山田勝芳『貨幣の中国古代史』朝日新聞社〈朝日選書〉、2000年。
山田豪一編『オールド上海阿片事情』亜紀書房、1995年。
山室信一『キメラ - 満洲国の肖像増補版』中央公論新社〈中公新書〉、2004年。
湯浅赳男『文明の「血液」 - 貨幣から見た世界史（増補新版）』新評論、1998年。
四日市康博著「銀と銅銭のアジア海道」、四日市康博編『モノから見た海域アジア史 - モンゴル～宋元時代のアジアと日本の交流』九州大学出版会、2008年。
李紅梅 (2012年). “貨幣流通の視点からみた山西票号” (PDF). 松山大学論集第24巻第3号. 2018年3月8日閲覧。
渡辺賢二『陸軍登戸研究所と謀略戦 - 科学者たちの戦争』吉川弘文館、2012年。

外国語文献（アルファベット順）

Urs Bitterli; Ritchie Robertson (1993). Cultures in Conflict: Encounters Between European and Non-European Cultures, 1492-1800. Stanford University Press. p. 140. ISBN 978-0-8047-2176-9
Kakinuma,Yohei (2014), “The Emergence and Spread of Coins in China from the Spring and Autumn Period to the Warring States Period.”, in Bernholz, P. & Vaubel, R., Explaining Monetary and Financial Innovation: A Historical Analysis, Switzerland: Springer
Thomas Piketty, Li Yang, Gabriel Zucman (2017年). “Capital Accumulation, Private Property and Rising Inequality in China, 1978-2015” (PDF). 2019年6月19日閲覧。
“明朝時期葡萄牙最後能將澳門占為已有，靠的是這一招”. 毎日頭條. (2016年11月16日) 2019年5月12日閲覧。

外部リンク

中国古銭 - 古文銭を中心に画像付きで紹介。
中国貨幣屋 - 中国の硬貨と紙幣を画像付きで紹介。
中国の紙幣（英語）（ドイツ語）（フランス語）

[1] ただし、中央の1点は江戸時代後期の日本で使われた天保通宝（裏面）を天地逆に掲載したものである。

[3] 唐の時代には、硬貨の不足をおぎなうために銭帛兼行の政策が行われた。これは高額の取り引きでは一定の割合で絹帛布米粟を兼用することを命じたものである。

[6] たとえば漢の時代には、銅貨が政府の支払いや価値尺度となり、市場での交換には布や米が広く使われた。

[20] 1935年時点で90パーセント以上の国が金を本位貨幣としていた^[16]。

[23] 既存の技術発展を越えて普及することをリープフロッグ型発展と呼ぶ。

[26] 銭は銭貨とも呼ばれる。

[30] たとえば清の時代では銀1両に相当する1000枚の銅貨は重量が約4キログラム、50両の銀両を詰める箱の重さは10キログラムあった。このため銭票が普及した^[23]。

[34] 貝貨となったタカラガイの種類はキイロダカラやハナビラダカラだった。

[36] 異説として、タカラガイは相手とやり取りをすることで相手の繁栄を祈る宗教的な意味合いを持つ貴重品であり（クラ参照）、タカラガイ贈与の慣習が失われて貨幣流通が一般化した戦国時代以後に「貴重品＝財物＝貨幣」という当時の人々の観念からさかのぼって貝貨という認識が生まれたもので、殷周時代の実態は反映していないとする説もある。

[43] 楚は金属精錬が活発であり、銅の精錬過程で産出された金や銀も貨幣とした^[33]。

[47] 他方で、始皇帝は農業を重んじて商業を抑制する重農抑商の政策をとり、以後の歴代の中国王朝も多くが抑商政策をとった^[36]。

[48] 当時、1両は24銖（しゅ、1銖は約0.67グラム）であったので、半両銭の重さは12銖、すなわち約8グラムとなる。

[54] 楡の実のさやに似ているためこう呼ばれた。

[55] 紀元前175年に書かれた賈誼の上奏文によれば、当時四銖半両（四銖銭の半両銭）100銭の重さが1斤16銖（＝400銖）が基準とされ、それより軽い場合には何枚か足して1斤16銖分にしてそれを100銭分としたこと、反対にそれより重い場合には100枚に満たないことを理由に通用しなかったと書かれている（『漢書』食貨志）。

[57] 武帝以前の漢の貨幣は、その重さが半両に満たなくとも半両と刻まれていた。そのため、これら前漢の銭も重さにかかわらず半両銭という。

[58] 白金と皮幣の立案には、酷吏として知られる張湯も関わった。

[59] 五銖銭発行は郡国の負担増となった。『史記』平準書には、困窮した郡国が銅以外のものを混入したという記述がある。

[60] 塩の税収が1石あたり10銭とすると、塩の専売収入は350銭に上がり、専売収入は年平均38億銭となった。

[62] 比価は貨布1：貨泉25とされた。

[63] 使用拒否者に対して刑死や全財産没収のうえ奴婢とする禁令が出され、多数が処罰されたが全く収蔵されなかった。

[66] 『泉志（中国語版）』の記述による。

[70] 唐の1銖は1.55グラムであるから、開元通宝は3.73グラムとなり、3グラム強であった前漢の五銖銭よりやや重くなる。

[71] ただし、必ずしも実際の重さではなかった。

[72] たとえば、日本の和同開珎（珎は宝の異体字）も唐の開元通宝を真似て作ったものである。

[79] 日本の弥生時代と古墳時代の遺跡で出土した半両銭や五銖銭は、青銅器の原料のほかに、副葬品や祭祀用に使われたと推測されている。

[84] 文芸作品では、西晋の魯褒が当時の社会を風刺した『銭神論』を書いた^[58]。

[94] 朝鮮王朝では朝鮮通宝、ベトナムでは前黎朝の太平興宝や天福通宝、陳朝の大治通宝がある。琉球王国では15世紀後半に大世通宝、世高通宝、金円世宝という銅貨が発行されたとされる。

[103] 小額決済用でキイロダカラが素材となった。のちに琉球王国から明への朝貢品にはキイロダカラが含まれており、貝貨用に輸出していた可能性がある。中世にはベンガルやアフリカでも貝貨が流通していた。

[104] 『東方見聞録』によれば、塩の生産地であるロロス宣慰司とチベットでは塩を円形に固めたものが貨幣として通用した。

[106] 馬は最盛期で年間1400頭ほどがキーシュ島からインドに輸入され、インドの軍隊編成を変化させた。

[107] ペゴロッティは、元の貨幣レートや、元政府が民間商人から銀を徴収して紙幣と交換させたことなどについて書いている。

[118] 貨幣の比価は、米1石＝銀1両＝銅貨1000文が定められたが、価値を維持するための準備制度などの方策がなかったために下落した。

[120] 日本は、銅の精錬技術が発達したのちは銅の輸出国となる。

[123] 明代の銀場は浙江や福建であり、山東、陝西、広東は枯渇していた。

[126] 当初、明はポルトガルを拒絶した。ポルトガルのマラッカ王国への武力進行が悪評であったためである。ポルトガルはマラッカにいるアラブ人のイスラーム商人全員の殺害を命じ、マラッカに住んでいたグジャラート商人は東南アジア各地に移住した^[91]。

[129] ポルトガル側の史料によれば、密貿易や海賊への対策を行ったのでマカオ居住を許可されたとある。中国側の史料である『廣東通志（中国語版）』によれば、1553年にポルトガル人が汪柏（中国語版）という役人に賄賂を贈って居住の許可を得たとある^[92]^[93]。

[133] マカオでは、司令官であるカピタン・モールの管理貿易による定期船と、私貿易の個人商船が並立した^[95]^[96]。

[135] スペインはマニラ王国の王であるラジャ・スレイマン（英語版）を殺害して拠点を築いた。

[136] 太平洋の横断には2〜3カ月かかり、帰路はさらに長くかかった。

[138] 日本は灰吹法によって精錬が向上して、17世紀以降は貴金属の輸出が盛んになった。

[140] 万暦年間に書かれたとされる小説『金瓶梅』には、銭舗で銀貨と銅貨を交換する描写がある。

[144] ベルショール・カルネイロ司教は毎年50ピコの生糸の割り当てをイエズス会の財源とした。カルネイロの契約で生糸の独占はなくなり、少額資本でも南蛮貿易に参加できるようになった。

[155] 出島で輸出される銅により、日本では別子銅山を経営する住友家が繁栄した。

[157] 明からの銅貨の減少により日本では硬貨が不足して、硬貨を尺度とする貫高制から米の収穫量を尺度とする石高制に移る一因にもなった^[113]。

[160] 耕作地が狭く人口密度の高い地域には、故郷をあとにして商業で生計を立てる者が多かった。

[163] 中国式のデザインの銅貨は他国でも続いており、近世には日本の寛永通宝、朝鮮王朝の常平通宝、ベトナムの景興通宝をはじめとする景興銭が発行された^[68]。

[166] ベトナム、インドネシア、タイ、マレー半島などで生活した。

[177] 清の成立当初は、鄭成功を大陸から孤立させるために遷界令で海禁政策をとった。

[180] 李士楨（中国語版）の『撫粤政略』の記述による。

[183] 算盤の普及も明代とされている。

[185] 広東十三行は13人の商人でなくても成立し、少ない時には4人、多い時には20人いた。

[188] 1609年にオランダ東インド会社が日本の緑茶を運んだことをきっかけに、オランダを通じてフランスやイギリスで飲茶の習慣が広まった。のちに日本からは貴金属の輸出が増え、茶は中国が主流となる。

[190] イギリス東インド会社は、アヘンの密輸出にジャーディン・マセソン商会などの商人も使った。

[193] 清は財政不足のために朝貢の回賜に紙幣を使うようになり、朝貢貿易の利益が減ったため各国の朝貢は終了していった。

[199] 外国で強制的に働かされる豬花と呼ばれる女性もいた。

[200] 広州、シンガポール、サイゴン、バンコク、サンフランシスコ、シドニーなどが香港を中継した。

[202] さらに別の方法として、商品市場を利用して商品取引で香港の輸入代金の支払いと相殺する方法や、金銀市場を利用して香港とシンガポールの地金価格差から利益を出す方法などもある。

[206] 華人系の移民であるプラナカンは、シンガポールを中心として経済力を持った^[147]^[148]。シンガポールの華人社会を舞台として、ケヴィン・クワン（英語版）の小説『クレイジー・リッチ・アジアンズ（英語版）』も書かれた。

[207] 1840年代にはカリフォルニア・ゴールドラッシュも起きていた。

[210] 日本は清からの賠償金3億6千万円によって金本位制に移行した。

[213] 全国の164銀行に占める四行の資本総額は42パーセント、資産総額は59パーセントに及んだ。

[216] この政策により、四行には3億元の銀が集まったといわれる。

[223] 日本の傀儡政権である満洲国はアヘンの栽培と専売を行ったため華北にアヘンが流通した。ペルシアやトルコ産のアヘンは、鈴木商店や昭和通商などの日本企業が上海や大連に密輸した。

[226] 華北の朝鮮銀行券を上海に運んで日本側の銀行で法幣に交換し、それを華北に運んで聯銀券を通じて朝鮮銀行券に交換した。

[229] 法幣と連銀券は1＝5、法幣と中儲券は1＝200で交換された。

[235] その後は、電気、ガソリン、軽油、航空燃料、食塩などの価格を政府が統制した。

[238] アジア通貨危機の際に、東アジア各国の通貨が切り下げを行う一方で中国が人民元を下げなかったのは、資本規制をしていたので外貨建ての短期借入の影響を受けなかった点にもある。

[242] 人民元建てのオフショア人民元市場は香港、マカオ、台北、シンガポール、ソウルなどアジア各都市のほかにオーストラリアやヨーロッパにも開設されている。

[245] 北京オリンピックや上海万博の影響もあって旅行者の両替は改善が進んだ。

[250] 1990年には上海証券取引所と深圳証券取引所、2000年には香港証券取引所が設立され、上場企業が急増した。社債は2008年以降に急増し、2011年には株式発行で調達した資金の3倍以上が社債発行で調達されている。

[254] 国際基準で測った場合は、不良債権額はさらに大きくなるという説もある。国際基準では利子支払いが半年以上滞った場合に不良債権とみなすが、中国では元本返済が滞った時に不良債権とみなす。

[259] 広義の電子マネーには前払いで入金するプリペイド式と、クレジットカードと同様のポストペイ式がある。

[266] 阿里巴巴のネットショッピングのサービスの普及には、2002年のSARSが影響したという説もある。支付宝はebayのサービスであるPayPalをモデルにしており、阿里巴巴とebayは2003年〜2006年にかけて激しく競合した^[193]。

[269] 大規模なマイニングをマイニング・プールと呼ぶ。

[271] 中国の近未来を舞台として格差を描いた郝景芳のSF小説『北京折畳（中国語版）』は、2016年のヒューゴー賞中編小説部門を受賞した。

[273] 1978年から2015年にかけては、資本係数が350パーセントから700パーセントに増えて、総資産における公的資産の割合が約70パーセントから30パーセントに低下した^[197]。

[277] ほかに取り締まられたものとして、商人の空取り引き、アヘン窟、売春宿、宝飾品店、骨董屋などがある。

[283] 不完全な統計によれば、1989年の偽札摘発件数は335件で額面は100元だったが、1990年には4272件で額面は1368万元となった。

[FOOTNOTE黒田201496-2] 黒田 2014, p. 96.

[FOOTNOTE宮澤199819-4] 宮澤 1998, p. 19.

[FOOTNOTE山田2000308-5] 山田 2000, p. 308.

[FOOTNOTEポランニー2005第9章-7] ポランニー 2005, p. 第9章.

[FOOTNOTE宮澤1998490-8] 宮澤 1998, p. 490.

[FOOTNOTE日本銀行金融研究所1996-9] 日本銀行金融研究所 1996.

[FOOTNOTE山田200086-10] 山田 2000, p. 86.

[FOOTNOTE山田2000114-11] 山田 2000, p. 114.

[FOOTNOTE明石2011-12] 明石 2011.

[FOOTNOTE宮澤1998493-13] 宮澤 1998, p. 493.

[FOOTNOTE宮澤1998492-14] 宮澤 1998, p. 492.

[FOOTNOTE宮澤1998497-15] 宮澤 1998, p. 497.

[FOOTNOTE宮澤1998508-16] 宮澤 1998, p. 508.

[FOOTNOTE宮澤1998513-17] 宮澤 1998, p. 513.

[FOOTNOTE鹿野2011-18] 鹿野 2011.

[FOOTNOTE濱下1999387-19] 濱下 1999, p. 387.

[FOOTNOTE濱下1999394-21] 濱下 1999, p. 394.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002第2章第Ⅱ部-22] 松丸ほか編 2002, p. 第2章第Ⅱ部.

[FOOTNOTEニュー・サイエンティスト編集部201768-24] ニュー・サイエンティスト編集部 2017, p. 68.

[FOOTNOTE梶谷2018215-25] 梶谷 2018, p. 215.

[FOOTNOTE山田200031-27] 山田 2000, p. 31.

[FOOTNOTE柿沼201543-28] 柿沼 2015, p. 43.

[FOOTNOTE李20125-29] 李 2012, p. 5.

[FOOTNOTE植村1994299-31] 植村 1994, p. 299.

[FOOTNOTE櫻木201648-32] 櫻木 2016, p. 48.

[FOOTNOTE宮澤1998248-33] 宮澤 1998, p. 248.

[FOOTNOTE山田200013,_19-35] 山田 2000, p. 13, 19.

[FOOTNOTE柿沼2011-37] 柿沼 2011.

[FOOTNOTE宮澤2007第1章-38] 宮澤 2007, p. 第1章.

[FOOTNOTE柿沼201599-39] 柿沼 2015, p. 99.

[FOOTNOTEKakinuma2014-40] Kakinuma 2014.

[FOOTNOTE山田200024,_30-41] 山田 2000, p. 24, 30.

[FOOTNOTE山田200046-42] 山田 2000, p. 46.

[FOOTNOTE山田200026-44] 山田 2000, p. 26.

[FOOTNOTE山田200030-45] 山田 2000, p. 30.

[FOOTNOTE臼井1999163-46] 臼井 1999, p. 163.

[FOOTNOTE山田200053-49] 山田 2000, p. 53.

[FOOTNOTE宮澤2007第3章-50] 宮澤 2007, p. 第3章.

[FOOTNOTE山田200066-51] 山田 2000, p. 66.

[FOOTNOTE山田200081,_84-52] 山田 2000, p. 81, 84.

[FOOTNOTE明石201119,_66-53] 明石 2011, p. 19, 66.

[FOOTNOTE柿沼2015-56] 柿沼 2015.

[FOOTNOTE山田2000100-61] 山田 2000, p. 100.

[FOOTNOTE山田2000第5章-64] 山田 2000, p. 第5章.

[FOOTNOTE山田2000-65] 山田 2000.

[FOOTNOTE山田2000第8章-67] 山田 2000, p. 第8章.

[FOOTNOTE宮澤2007第6章-68] 宮澤 2007, p. 第6章.

[FOOTNOTE山田2000276-69] 山田 2000, p. 276.

[FOOTNOTE宮澤1998289,_497-73] 宮澤 1998, p. 289, 497.

[FOOTNOTE山田2000244-74] 山田 2000, p. 244.

[FOOTNOTE明石201177-75] 明石 2011, p. 77.

[FOOTNOTE山田2000246-76] 山田 2000, p. 246.

[FOOTNOTE宮澤1998-77] 宮澤 1998.

[FOOTNOTE李2012-78] 李 2012.

[FOOTNOTE藤尾2015141-80] 藤尾 2015, p. 141.

[FOOTNOTE山田2000134-81] 山田 2000, p. 134.

[FOOTNOTE荒川2010第10章-82] 荒川 2010, p. 第10章.

[FOOTNOTE山田200010-83] 山田 2000, p. 10.

[FOOTNOTE山田200048-85] 山田 2000, p. 48.

[FOOTNOTE雨宮2012-86] 雨宮 2012.

[FOOTNOTE山田200054-87] 山田 2000, p. 54.

[FOOTNOTE宮澤1998499-88] 宮澤 1998, p. 499.

[FOOTNOTE宮澤1998500-89] 宮澤 1998, p. 500.

[FOOTNOTE宮澤1998504-90] 宮澤 1998, p. 504.

[FOOTNOTE宮澤1998498-91] 宮澤 1998, p. 498.

[FOOTNOTE湯浅1998第5章-92] 湯浅 1998, p. 第5章.

[FOOTNOTE四日市2008-93] 四日市 2008.

[FOOTNOTE櫻木2016146-95] 櫻木 2016, p. 146.

[FOOTNOTE黒田201455-96] 黒田 2014, p. 55.

[FOOTNOTE宮澤1998375-97] 宮澤 1998, p. 375.

[FOOTNOTE宮澤1998441-98] 宮澤 1998, p. 441.

[FOOTNOTE宮澤1998441,_508-99] 宮澤 1998, p. 441, 508.

[FOOTNOTE宮澤1998511-100] 宮澤 1998, p. 511.

[FOOTNOTE宮澤1998509-101] 宮澤 1998, p. 509.

[FOOTNOTE四日市2008131,_139-102] 四日市 2008, p. 131, 139.

[FOOTNOTE安木2012-105] 安木 2012.

[FOOTNOTE齊藤2011-108] 齊藤 2011.

[FOOTNOTE黒田201465-109] 黒田 2014, p. 65.

[FOOTNOTE植村199411-110] 植村 1994, p. 11.

[FOOTNOTE松丸ほか編1997-111] 松丸ほか編 1997.

[FOOTNOTE黒田201493-112] 黒田 2014, p. 93.

[FOOTNOTE宮澤2001-113] 宮澤 2001.

[FOOTNOTE湯浅1998第8章-114] 湯浅 1998, p. 第8章.

[FOOTNOTE本多,_早島201797-115] 本多, 早島 2017, p. 97.

[FOOTNOTE須川199978-116] 須川 1999, p. 78.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999280-117] 松丸ほか編 1999, p. 280.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999125-119] 松丸ほか編 1999, p. 125.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999123-121] 松丸ほか編 1999, p. 123.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999127,_159-122] 松丸ほか編 1999, p. 127, 159.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999133-124] 松丸ほか編 1999, p. 133.

[FOOTNOTE羽田201769-125] 羽田 2017, p. 69.

[FOOTNOTEBitterli,_Robertson1993-127] Bitterli, Robertson 1993.

[FOOTNOTE毎日頭條2016-128] 毎日頭條 2016.

[FOOTNOTE岡2010-130] 岡 2010.

[FOOTNOTE岡201063-131] 岡 2010, p. 63.

[FOOTNOTE羽田2017124-132] 羽田 2017, p. 124.

[FOOTNOTE岡201093-134] 岡 2010, p. 93.

[FOOTNOTE宮田2017-137] 宮田 2017.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999165-139] 松丸ほか編 1999, p. 165.

[FOOTNOTE李20124-141] 李 2012, p. 4.

[FOOTNOTE可児19843-142] 可児 1984, p. 3.

[FOOTNOTE岡2010118-143] 岡 2010, p. 118.

[FOOTNOTE岡2010216-145] 岡 2010, p. 216.

[FOOTNOTE岡2010241-146] 岡 2010, p. 241.

[FOOTNOTE宮澤199855-147] 宮澤 1998, p. 55.

[FOOTNOTE湯浅1998176-148] 湯浅 1998, p. 176.

[FOOTNOTE田中1997171-149] 田中 1997, p. 171.

[FOOTNOTE永積1999-150] 永積 1999.

[FOOTNOTE羽田2017138-151] 羽田 2017, p. 138.

[FOOTNOTE岡2010215-152] 岡 2010, p. 215.

[FOOTNOTEブルック2014第6章-153] ブルック 2014, p. 第6章.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999163-154] 松丸ほか編 1999, p. 163.

[FOOTNOTE鈴木編2007-156] 鈴木編 2007.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999162-158] 松丸ほか編 1999, p. 162.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999167-159] 松丸ほか編 1999, p. 167.

[FOOTNOTE臼井1999169-161] 臼井 1999, p. 169.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999461-162] 松丸ほか編 1999, p. 461.

[FOOTNOTE上田2008-164] 上田 2008.

[FOOTNOTE黒田2014152-165] 黒田 2014, p. 152.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999464-167] 松丸ほか編 1999, p. 464.

[FOOTNOTE菅谷1999-168] 菅谷 1999.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999418-169] 松丸ほか編 1999, p. 418.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999171-170] 松丸ほか編 1999, p. 171.

[FOOTNOTE臼井1999146-171] 臼井 1999, p. 146.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999474-172] 松丸ほか編 1999, p. 474.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999164-173] 松丸ほか編 1999, p. 164.

[FOOTNOTE李20127-174] 李 2012, p. 7.

[FOOTNOTE羽田2017184-175] 羽田 2017, p. 184.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999160-176] 松丸ほか編 1999, p. 160.

[FOOTNOTE永積1999359-178] 永積 1999, p. 359.

[FOOTNOTE羽田2017144-179] 羽田 2017, p. 144.

[FOOTNOTE鄭2013-181] 鄭 2013.

[FOOTNOTE佐々木1996212-182] 佐々木 1996, p. 212.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999161-184] 松丸ほか編 1999, p. 161.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002163-186] 松丸ほか編 2002, p. 163.

[FOOTNOTE濱下1999137-187] 濱下 1999, p. 137.

[FOOTNOTE松丸ほか編200254-189] 松丸ほか編 2002, p. 54.

[FOOTNOTEポメランツ,_トピック2013150-191] ポメランツ, トピック 2013, p. 150.

[FOOTNOTE松丸ほか編200215-192] 松丸ほか編 2002, p. 15.

[FOOTNOTE濱下1997第1章、第7章-194] 濱下 1997, p. 第1章、第7章.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002634-195] 松丸ほか編 2002, p. 634.

[FOOTNOTE松丸ほか編1999475-196] 松丸ほか編 1999, p. 475.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002-197] 松丸ほか編 2002.

[FOOTNOTE山室2004-198] 山室 2004.

[FOOTNOTE久末2006-201] 久末 2006.

[FOOTNOTE濱下1999383-203] 濱下 1999, p. 383.

[FOOTNOTE安里2013-204] 安里 2013.

[FOOTNOTE太田2018-205] 太田 2018.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002636-208] 松丸ほか編 2002, p. 636.

[FOOTNOTE松丸ほか編200256-209] 松丸ほか編 2002, p. 56.

[FOOTNOTE松丸ほか編200271-211] 松丸ほか編 2002, p. 71.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002197-212] 松丸ほか編 2002, p. 197.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002194,_218-214] 松丸ほか編 2002, p. 194, 218.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002193-215] 松丸ほか編 2002, p. 193.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002192,_197-217] 松丸ほか編 2002, p. 192, 197.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002216-218] 松丸ほか編 2002, p. 216.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002222-219] 松丸ほか編 2002, p. 222.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002217-220] 松丸ほか編 2002, p. 217.

[FOOTNOTE多田井1997下巻-221] 多田井 1997, p. 下巻.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002218-222] 松丸ほか編 2002, p. 218.

[FOOTNOTE山田編1995-224] 山田編 1995.

[FOOTNOTE多田井1997下巻227-225] 多田井 1997, p. 下巻227.

[FOOTNOTE梶谷20163章-227] 梶谷 2016, p. 3章.

[FOOTNOTE多田井1997下巻12章-228] 多田井 1997, p. 下巻12章.

[FOOTNOTE岸本199943-230] 岸本 1999, p. 43.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002224-231] 松丸ほか編 2002, p. 224.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002410-232] 松丸ほか編 2002, p. 410.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002414-233] 松丸ほか編 2002, p. 414.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002422-234] 松丸ほか編 2002, p. 422.

[FOOTNOTE丸川201363-236] 丸川 2013, p. 63.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002478-237] 松丸ほか編 2002, p. 478.

[FOOTNOTE小林,_中林2010156-239] 小林, 中林 2010, p. 156.

[FOOTNOTE冨田199614-240] 冨田 1996, p. 14.

[FOOTNOTE冨田199669-241] 冨田 1996, p. 69.

[FOOTNOTE梶谷201845-243] 梶谷 2018, p. 45.

[FOOTNOTE梶谷201841-244] 梶谷 2018, p. 41.

[FOOTNOTE小林,_中林2010163-246] 小林, 中林 2010, p. 163.

[FOOTNOTE宮本,_松田編2018-247] 宮本, 松田編 2018.

[FOOTNOTE梶谷201844,_48,_241-248] 梶谷 2018, p. 44, 48, 241.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002651-249] 松丸ほか編 2002, p. 651.

[FOOTNOTE丸川2013112-251] 丸川 2013, p. 112.

[FOOTNOTE丸川2013141-252] 丸川 2013, p. 141.

[FOOTNOTE丸川2013126-253] 丸川 2013, p. 126.

[FOOTNOTE丸川2013133,_136-255] 丸川 2013, p. 133, 136.

[FOOTNOTE西村2019141-256] 西村 2019, p. 141.

[FOOTNOTE西村2019186-257] 西村 2019, p. 186.

[FOOTNOTEZ/Yen2019-258] Z/Yen 2019.

[FOOTNOTE岡田2008116-260] 岡田 2008, p. 116.

[FOOTNOTE西村201927-261] 西村 2019, p. 27.

[FOOTNOTE西村201956,_82,_115-262] 西村 2019, p. 56, 82, 115.

[FOOTNOTE西村201917,_43-263] 西村 2019, p. 17, 43.

[FOOTNOTE西村201948-264] 西村 2019, p. 48.

[FOOTNOTE高口2017164-265] 高口 2017, p. 164.

[FOOTNOTE西村2019134-267] 西村 2019, p. 134.

[FOOTNOTE西村2019152-268] 西村 2019, p. 152.

[FOOTNOTEニュー・サイエンティスト編集部2017169-270] ニュー・サイエンティスト編集部 2017, p. 169.

[FOOTNOTE梶谷2018100-272] 梶谷 2018, p. 100.

[FOOTNOTEPiketty,_Yang,_Zucman2017-274] Piketty, Yang, Zucman 2017.

[FOOTNOTE山田2000234-275] 山田 2000, p. 234.

[FOOTNOTE植村1994315-276] 植村 1994, p. 315.

[FOOTNOTE松丸ほか編2002229-278] 松丸ほか編 2002, p. 229.

[FOOTNOTE山田2000p94-279] 山田 2000, p. p94.

[FOOTNOTE植村2004p18-280] 植村 2004, p. p18.

[FOOTNOTE多田井1997下巻248,254-281] 多田井 1997, p. 下巻248,254.

[FOOTNOTE渡辺2012-282] 渡辺 2012.

[FOOTNOTE冨田1996183-284] 冨田 1996, p. 183.

[† 1]

[1]

[† 2]

[2]

[3]

[† 3]

[4]

[5]

[6]

[7]

[8]

[9]

[10]

[11]

[12]

[13]

[14]

[15]

[† 4]

[17]

[18]

[† 5]

[19]

[20]

[† 6]

[21]

[22]

[† 7]

[24]

[25]

[26]

[† 8]

[27]

[† 9]

[28]

[29]

[30]

[31]

[32]

[† 10]

[34]

[35]

[† 11]

[† 12]

[37]

[38]

[39]

[40]

[41]

[† 13]

[† 14]

[42]

[† 15]

[† 16]

[† 17]

[† 18]

[43]

[† 19]

[† 20]

[44]

[45]

[† 21]

[46]

[47]

[48]

[† 22]

[† 23]

[† 24]

[49]

[50]

[51]

[52]

[53]

[54]

[† 25]

[55]

[56]

[57]

[† 26]

[59]

[60]

[61]

[62]

[63]

[64]

[65]

[66]

[67]

[† 27]

[68]

[69]

[70]

[71]

[72]

[73]

[74]

[75]

[† 28]

[† 29]

[76]