「松尾和子」の版間の差分
278行目: | 278行目: | ||
{{DEFAULTSORT:まつお かすこ}} |
{{DEFAULTSORT:まつお かすこ}} |
||
[[Category:東京都出身の人物]] |
[[Category:東京都出身の人物]] |
||
[[Category:日本の歌手]] |
[[Category:日本の女性歌手]] |
||
[[Category:日本のジャズ歌手]] |
[[Category:日本のジャズ歌手]] |
||
[[Category:NHK紅白歌合戦出演者]] |
[[Category:NHK紅白歌合戦出演者]] |
2016年11月10日 (木) 18:42時点における版
松尾 和子(まつお かずこ、1935年5月17日 - 1992年9月25日)は、日本の歌手。
略歴
戦後、ジャズに惹かれたことと自身及び家族の生活のために歌手となり、レイモンド・コンデのバンド、ゲイ・セプテットの専属歌手のひとりとなる。進駐軍のキャンプやナイトクラブ等で歌ううち、徐々に人気が上がっていき、やがて、赤坂のクラブ・リキ(力道山が経営していた)の専属歌手となり歌っていたときに、フランク永井に認められスカウト。吉田正に紹介されて、ビクターに入社。
1959年には「グッド・ナイト/東京ナイト・クラブ」でレコードデビュー。「グッド~」は和田弘とマヒナスターズ、「東京~」はフランク永井との共唱。当時はベテラン/人気歌手でも片面は他の歌手である場合が多く、ビクター及び吉田正の期待の程が窺える。第2弾として発売した「誰よりも君を愛す」(マヒナとの共唱)が大ヒットし、それと共に「グッド~」もつられる形でヒット、「誰よりも~」は第2回レコード大賞を受賞、「東京ナイト~」はその後長らくデュエットソングの定番として根強い人気を博し、松尾の名は一躍スターダムへとのし上がり、後にムード歌謡の女王と称されるようになった。
1960年にはソロで吹き込んだ「再会」がヒット。その後も「夜がわるい」「お座敷小唄」「再会の朝」「銀座ブルース」とコンスタントにヒットを出している。
私生活では歌手デビュー前の1958年に結婚、1963年には長男を授かるが、1966年に夫と離婚した辺りから、人気が下降していく。
1971年ごろ、大学生を中心に熟女ブームのようなものが巻き起こり、五月みどりらと共に人気が再燃。この時期以降タレントしての活動が活発化し、1980年代には、「ライオンのいただきます」(フジテレビ)、「午後は○○おもいッきりテレビ」(日本テレビ)のバラエティー/情報番組のコメンテーターとして大活躍し、人気を博していた。また女優としても「池中玄太80キロ」(日本テレビ)などに出演している。
1991年には息子が覚せい剤取締法違反で逮捕され、懲役2年の実刑判決を受ける。このことから、松尾はマスメディアから厳しく批判され、芸能活動の大幅自粛を余儀なくされる。折からブティック経営にも失敗し、負債は8億円ともいわれた。この事に思い悩み、松尾は睡眠薬を多量服用し、自殺未遂を起こすまでに追い込まれていた。
松尾の息子がまだ服役中だった1992年9月25日、自宅の階段から転落して頭部を強打する。それでも転落直後には松尾本人は家族に「なんでもない、大丈夫」と無事であることを主張していたが数時間後に容態が急変、まもなくして死去。57歳没。
死因は脳圧迫死であった。あまりにも突然の事故であり、前述の自殺未遂騒動などから、その急死は大きな波紋を呼んだ。この時階段に滑り止めが付いておらず、滑り止めが有れば転落事故は防げたとも話されていた。
松尾没後、「(松尾に)歌って欲しい曲がいっぱいあったし、書けと言われれば今も書ける。でも肝心の歌う人がいない。せめてフランク(永井)が健在なら…」というのが、晩年の吉田正の口癖だった。
没後20年以上経った現在も、過去の作品が多数CD化されている。
刑務所から出所した長男は2011年に48歳で病死している。
ディスコグラフィー
主な作品
- グッド・ナイト(1959年)
- 東京ナイト・クラブ(1959年)
- 誰よりも君を愛す(1960年)
- 再会(1960年)作詞:佐伯孝夫、作曲:吉田正
- お座敷小唄(1964年)
- 再会の朝(1971年)
- 春来川慕情/船が港をはなれるように(1990年)- ラストシングル
シングル
- グッド・ナイト(1959年7月)※共演:和田弘とマヒナスターズ
- (c/w 東京ナイト・クラブ)※共演:フランク永井
- 口笛のブルース(1959年10月、VS-251)※歌唱:フランク永井
- (c/w 情熱)
- 誰よりも君を愛す(1959年12月)※共演:和田弘とマヒナスターズ
- (c/w そんな女になりました)
- 夜がわるい(1960年2月、VS-289)
- 作詞:川内康範 / 作曲:吉田正 / 編曲:寺岡真三
- (c/w 街の噂も65日)※歌唱:和田弘とマヒナスターズ
- 別離(1960年2月、VS-307)
- 作詞:川内康範 / 作曲:吉田正 / 編曲:佐野雅美
- (c/w 夜はあなたのもの)
- 嫌い 嫌い 嫌い(1960年2月、VS-321)
- 作詞:佐伯孝夫 / 作曲:吉田正 / 編曲:寺岡真三
- (c/w 待たせないで)※歌唱:ブラック・キャッツ
- ピンクの灯りを消さないで(1960年4月、VS-319)
- 作詞:宮川哲夫 / 作曲:吉田正
- (c/w 霧に濡れた恋)※歌唱:フランク永井
- 夜の招待(1960年5月、VS-332)※共演:フランク永井、和田弘とマヒナスターズ
- 作詞:佐伯孝夫 / 作曲:吉田正
- 小さな酒場(1960年7月、VS-357)
- 作詞:宮川哲夫 / 作曲:吉田正 / 編曲:寺岡真三
- (c/w どうして流れ星を拾うの)※歌唱:朝倉ユリ
- 再会(1960年8月、VS-373)
- 作詞:佐伯孝夫 / 作曲:吉田正 / 編曲:小沢直与志
- (c/w 恋)
- 恋の旅路の果てなのか(1960年10月、VS-379)
- 作詞:宮川哲夫 / 作曲:渡久地政信 / 編曲:渡久地政信
- (c/w 情愛)※歌唱:朝倉ユリ
- 炎(1960年、VS-393)
- (c/w ごめんなさいネ)
- ドンドン節(1960年、VS-406)
- (c/w 五ツ木の子守唄)
- とってもたのしくしてあげましょう(1960年、VS-427)※共演:和田弘とマヒナスターズ
- 作詞:佐伯孝夫 / 作曲:吉田正 / 編曲:佐野雅美
- (c/w 花の大理石通り)※歌唱:藤本二三代
- 女ひとり(1960年、VS-436)
- (c/w 泣きぬれて)
- あの星だけは知っている(1961年、VS-460)
- 作詞:水嶋哲 / 作曲:渡久地政信
- (c/w 恋占い)
- こいさん流し(1961年、VS-476)
- (c/w ねんねこ峠)※歌唱:和田弘とマヒナスターズ
- AF機が呼んでいる(1961年、VS-501)※共演:藤田功との共唱
- (c/w アカシヤ通り)
- 東京ドドンパ音頭(1961年6月、VS-508)※共演:フランク永井、藤本二三代、多摩幸子
- (c/w 三味線ドドンパ)※歌唱:神楽坂浮子
- 幸福は明日來る(1961年6月、VS-513)
- 作詞:吉川静夫 / 作曲:渡久地政信
- (c/w あの娘はねんね)※歌唱:フランク永井
- 愛の渦潮(1961年、VS-541)
- (c/w 女の勲章)
- 涙の渡り鳥(1961年、VS-593)※歌唱:佐川ミツオ
- (c/w 君待てども)
- 哀愁の一夜(1961年、VS-608)
- (c/w その人の名は言えない)
- 愛すればこそ(1962年、VS-619)
- (c/w 女の園)
- 白い夜霧のブルース(1962年、VS-639)
- (c/w 悲しき女学生)※歌唱:竹越ひろ子
- 島の娘(1962年、VS-644)
- (c/w あなたなしでは)
- 昔の人(1962年、VS-647)
- (c/w 女は夜明けに消えていく)※歌唱:藤本二三代
- 明治一代女(1962年、VS-661)※歌唱:神楽坂浮子
- (c/w お傳地獄の唄)
- 七人の刑事(1962年、VS-662)※ビクター・オーケストラによるインストゥルメンタル
- (c/w 恋のムード)
- この地果つるまで(1962年、VS-684)
- (c/w 涯なき旅路)※歌唱:三浦洸一
- 初恋の詩(1962年6月、VS-703)※歌唱:フランク永井
- (c/w 恋に泣く)
- 幸福を胸に(1962年、VS-746)
- (c/w 幸福すぎて)
- たそがれのワルツ(1962年、VS-792)
- 作詞:吉川静夫 / 作曲:進藤猛 / 編曲:進藤猛
- (c/w たった一つの言葉)※歌唱:雪村いづみ
- 東京姉妹(1962年、VS-870)※共演:藤本二三代
- (c/w 山の男で暮すのさ)※歌唱:和田弘とマヒナスターズ
- 銀座はマロン(1963年、VS-986)
- (c/w さよならのあとに)
- 紫のタンゴ(1963年、VS-1008)
- 作詞:佐伯孝夫 / 作曲:飯田信夫 / 編曲:寺岡真三
- (c/w ママの星)
- 涙にしてみれば(1963年、VS-1087)
- (c/w 夜あけのふたり)※歌唱:藤田攻
- 熱海ブルース(1963年、VS-1098)
- (c/w どうせやくざで)※歌唱:和田弘とマヒナスターズ
- 巷の雨(1963年、VS-1107)
- 作詞:川内康範 / 作曲:吉田正 / 編曲:吉田正
- (c/w 街角のノスタルジー)※歌唱:三浦洸一
- 国道18号線(1964年3月、SV-3)※共演:フランク永井
- 作詞:宮川哲夫 / 作曲:吉田正 / 編曲:寺岡真三
- (c/w いつもあなたと一緒に)
- 香水と煙草(1964年5月、SV-54)※歌唱:フランク永井
- (c/w 港にジョーはいつ帰る)
- 悲しみの雨(1964年7月、SV-65)※歌唱:フランク永井
- (c/w さいはての香り)
- お座敷小唄(1964年8月、SV-77)※共演:和田弘とマヒナスターズ
- 作詞:不詳 / 作曲:不詳 / 編曲:和田弘、寺岡真三
- (c/w マヒナのさのさ)※歌唱:和田弘とマヒナスターズ
- 朝きて 昼きて 晩もきて(1965年、SV-188)※共演:藤本二三代、神楽坂浮子
- (c/w 三人で待ってるワ)※共演:藤本二三代、神楽坂浮子
- 風のワルツ(1965年、SV-271)
- (c/w 街の灯が赤い)
- 泪のこぼれ花(1965年、SV-282)
- (c/w 泣くだけ泣いて)※歌唱:フランク永井
- 白い夜霧の街角(1965年、SV-327)
- 作詞:岡城伸幸 / 作曲:岡城伸幸
- (c/w 愛を知るとき)
- 銀座ブルース(1966年、SV-386)※共演:和田弘とマヒナスターズ、松平直樹
- 作詞:鈴木道明・Selden G / 作曲:鈴木道明 / 編曲:寺岡真三
- (c/w 東京の夜は楽し)※歌唱:和田弘とマヒナスターズ、三原さと志
- 星影の小経(1967年、SV-519)※歌唱:フランク永井
- (c/w 雨の東京)
- 東西南北音頭(1967年6月、SV-571)※歌唱:橋幸夫、三沢あけみ
- 雨がいつしか降っていた(1967年、SV-613)
- (c/w 花のゆくえ)
- 恋慕小唄(1968年8月、SV-613)
- 作詞:不詳 / 補作詞:井田誠一 / 作曲:松本浩 / 編曲:松本浩
- (c/w この恋を返して)
- 銀座しぐれ(1968年、SV-663)
- (c/w 涙にあまえて)
- おじゃましたいの(1969年10月、SV-894)
- (c/w 銀座 銀座でお別れね)
- 再会(SV-2153)※セルフ・カバー
- 作詞:佐伯孝夫 / 作曲:吉田正 / 編曲:寺岡真三
- (c/w 羽田の空も泣いている)
- 再会の朝(1971年、SV-2206)
- 作詞:佐伯孝夫 / 作曲:吉田正 / 編曲:吉田正
- (c/w リスボンの酒場)
- 待ちくたびれて(1972年、SV-2269)
- 作詞:なかにし礼 / 作曲:吉田正 / 編曲:吉田正
- (c/w 悪魔が出て来て笛を吹く)
- 午前零時に逢いましょう(1973年3月25日、SV-2327)
- (c/w 女の祈り)
- なみだの子守唄(1973年、SV-2391)
- (c/w 愛して別れて)
- 煙草のくせ(1974年、SV-2415)
- (c/w 恋と云うもの)
- ひとりぼっちのあなた(1975年、SV-2458)
- 作詞:松本隆 / 作曲:川口真 / 編曲:川口真
- (c/w つよがり)
- 人情夜曲(1975年、SV-2506)
- 作詞:泉谷しげる / 作曲:泉谷しげる / 編曲:泉谷しげる
- (c/w 夜明けのラプソディー)
- 夜がわるい(1976年、SV-6117)※セルフ・カバー
- 作詞:川内康範 / 作曲:吉田正 / 編曲:吉田正
- (c/w いのちの恋)
- 11時(イレブン)過ぎから(1977年10月、SV-6309)※共演:フランク永井
- 作詞:阿久悠 / 作曲:吉田正 / 編曲:寺岡真三
- (c/w お涼さん)※歌唱:フランク永井
- 枯葉のような女(1978年、SV-6503)
- (c/w ジョーカー)
- いつまでも待つの(1980年、SV-7032)※共演:フランク永井
- 作詞:岩谷時子 / 作曲:ニック・ペリート / 編曲:ニック・ペリート
- (c/w KISS ME) ※歌唱:フランク永井
- 私どうしたらいいの─ナヌン オト カラグ─(1984年11月、7A0448)
- (c/w 恋模様)
- 酒よお前は(1986年3月、7A0568)
- (c/w 私どうしたらいいの─ナヌン オト カラグ─)
- 再会の朝(1987年、SV-9302)※セルフ・カバー
- 作詞:佐伯孝夫 / 作曲:吉田正 / 編曲:吉田正
- (c/w 愛乱感謝)
- 春来川慕情(1990年4月21日、VIDL-10023)
- 作詞:池田充男 / 作曲:吉田正
- (c/w 船が港をはなれるように)
オリジナル・アルバム
- 松尾和子の俗曲ムード(1961年、LV-189)
- 夜のためいき(1966年12月、SJV-237)
- 知りたくないの(1967年8月、SJV-293)
- 愛と別離(1970年12月、SJX-59)
- 赤坂の夜は更けて(1970年、SJX-104)
- 松尾和子とため息と夜(1972年、SJX-95)
- 酒場の唄(1973年8月、SJX-143)
- ひとりぼっちのあなた(1975年、SJX-203)
- ラプソディー(1975年、SJX-216)
- 或る窓(1976年、SJX-10125)
- スター・ダスト(1979年、SJX-20109)
- お大事に/松尾和子イン・アメリカ(1980年、SJX-30020)
- SATIN VOICE(1984年6月21日、C28A0340)
- 私的・昭和歌謡掌史(1988年9月21日、VDR-1547)
テレビ番組
ドラマ
- 特別機動捜査隊 第310話「誰よりも愛す」(1967年、NET)
- 傷だらけの天使 第15話「つよがり女に涙酒を」(1974年、NTV・東宝)- クラブ歌手、ララバイ・ミツコ役
- けんか安兵衛(1975年、KTV)
- 池中玄太80キロ(1980年 - 1992年、NTV)- 飯島歌子(のち楠夫人)
- 月曜ドラマランド「ひまわりくん」(1985年、CX)
- 火曜サスペンス劇場「ウェディングベル」(1986年、NTV)
- 化身(1987年、KTV)
バラエティ
- ライオンのいただきます(CX)- 準レギュラー
- 午後は○○おもいッきりテレビ(NTV)- コメンテーター
ほか多数
映画
紅白歌合戦出場歴
- 1960年 第11回「誰よりも君を愛す」
- 1961年 第12回「再会」
- 1962年 第13回「昔の人」
- 1989年 第40回「誰よりも君を愛す」