「石油」の版間の差分
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'''石油'''(せきゆ)とは、[[炭化水素]]を主成分として、ほかに少量の[[硫黄]]・[[酸素]]・[[窒素]]などさまざまな物質を含む液状の[[油]]である。採掘後、ガス、水分、異物などを大まかに除去した精製前のものを特に[[原油]](げんゆ)と |
'''石油'''(せきゆ、{{lang-en-short|Petroleum}})とは、[[炭化水素]]を主成分として、ほかに少量の[[硫黄]]・[[酸素]]・[[窒素]]などさまざまな物質を含む液状の[[油]]で、[[鉱物]][[資源]]の一種である。地下の油田から採掘後、ガス、水分、異物などを大まかに除去した精製前のものを特に'''[[原油]]'''(げんゆ)と呼ぶ。 |
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[[ファイル:Petroleum cm05.jpg|thumb|right|250px|原油の瓶詰め]] |
[[ファイル:Petroleum cm05.jpg|thumb|right|250px|原油の瓶詰め]] |
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[[ファイル:Petroleum storage tanks at yokohama.JPG|thumb|right|250px|石油タンク]] |
[[ファイル:Petroleum storage tanks at yokohama.JPG|thumb|right|250px|石油タンク]] |
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== 概要 == |
== 概要 == |
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石油は、英語でPetroleumという。これはラテン語のPetra(岩石)とOleum(油)を語源とする。狭義には原油 |
「石油」は[[沈括]]の『[[夢渓筆談|夢溪筆談]]』からの言葉<ref>{{Cite wikisource|title=『夢渓筆談』巻二十四 雑誌一|author=沈括|wslanguage=zh|wslink=夢溪筆談/卷24}}:鄜・延境内有石油、旧説「高奴県出脂水」、即此也。</ref>。英語で石油は「Petroleum」という。これはラテン語のPetra(岩石)とOleum(油)を語源とする。狭義には天然の原油(crude oil)のことを指すが、より広い意味では[[天然ガス]]や固体の[[アスファルト]]などを含める。さらに、原油を原料として製造された[[石油製品]]や[[石油化学]]製品をも含めることがある。また、日常生活では[[灯油]]を「石油」と呼ぶことも多い。 |
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古くは'''石脳油'''(せきのうゆ)とも呼ばれた。 |
古くは'''石脳油'''(せきのうゆ)とも呼ばれた。 |
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また、石油製品は'''連産品'''と呼ばれる。これは原油を精製して[[ガソリン]]や灯油などを作る場合、ある特定の製品のみを作ることは出来ず、必ず全部の種類の油が生産されてしまうため、こう呼ばれている。石油の精製とは油を性質の違いで分ける事 |
また、石油製品は'''連産品'''と呼ばれる。これは原油を精製して[[ガソリン]]や灯油などを作る場合、ある特定の製品のみを作ることは出来ず、必ず全部の種類の油が生産されてしまうため、こう呼ばれている。石油の精製とは、油を性質の違いで分ける事(分留)なので、精製する元の原油の種類によって、生産される製品の割合(留分)が異なってくる。留分の中でも需要の多いガソリンは、より重い油を改質することで作ることができる<ref name="石油価格はどう決まるか">甘利重治・山岡博士著 河村幹夫監修 『石油価格はどう決まるか』 時事通信社 2007年12月20日第一刷発行 ISBN 978-4-7887-0768-9</ref>。 |
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主に[[化石燃料]]として、世界中でさまざまな用途で使用されており、現代人類文明を支える重要な物質であるが、膨大な量が消費されており、いずれ枯渇すると危惧されている。 |
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近年では、[[シェールオイル]]や[[オイルサンド]]などに代表される、[[非在来型石油|'''非在来型資源''']]と呼ばれる資源が注目を集めている。存在自体は古くから知られていたものの、これまでは掘削技術や採算性の面から、開発が行われてこなかった。近年の[[掘削]]技術の進展や[[原油価格]]の高騰により、採算が取れる見通しとなったことから、[[2010年]]頃から[[北アメリカ]]を中心に開発が進められている。シェールオイルの[[資源]]自体は世界中に遍在し、埋蔵資源量も在来型の石油資源を上回ると見込まれていることから、石油のさらなる安定供給や資源の偏在の解消が期待されている一方で、在来型の石油資源と比べ掘削費用が高く、石油価格の低迷時には油田開発が低迷する傾向がある。 |
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原油産出国は[[イスラム世界|イスラム諸国]]に多いが、7世紀以降にムスリムとなった人々が石油の上に住んだのは偶然という意見がある<ref>[http://www.aa.tufs.ac.jp/~masato/awr_47.html 『イスラーム世界がよくわかるQ&A100』/第3章 Q47:石油や天然ガスの生産は、どうしてイスラーム諸国にかたよっているのですか。] - [[AA研]]</ref>。 |
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== 起源 == |
== 起源 == |
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{{出典明記|section=1|date=2019-11}} |
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石油の起源についての論争は、生物由来説(有機成因論)と非生物由来説(無機成因論)の大きく2つに分かれる。論争の起源は古く、確認できる範囲ではともに[[ルネサンス|ルネッサンス期]]にまでさかのぼる<ref>{{Cite web|url=https://www.encyclopedie-environnement.org/en/life/oil-evidence-biological-origin/|title=Crude oil: evidences for its biological origin|accessdate=2021年8月19日|publisher=Encyclopedia of the Environment}}</ref>。今日では生物由来説が広く受け入れられている。非生物由来の石油(炭化水素)もわずかながら存在はしているが、全体からすると極めて少量と推定される<ref name=":2">{{Cite journal|last=Sherwood Lollar|first=B.|last2=Westgate|first2=T. D.|last3=Ward|first3=J. A.|last4=Slater|first4=G. F.|last5=Lacrampe-Couloume|first5=G.|date=2002-04|title=Abiogenic formation of alkanes in the Earth's crust as a minor source for global hydrocarbon reservoirs|url=http://www.nature.com/articles/416522a|journal=Nature|volume=416|issue=6880|pages=522–524|language=en|doi=10.1038/416522a|issn=0028-0836}}</ref>。 |
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=== 生物由来説(有機成因論) === |
=== 生物由来説(有機成因論) === |
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現在の学説の主流である。百万年以上の長期間にわたって厚い土砂の堆積層に埋没した生物遺骸は、高温 |
現在の学説の主流である。百万年以上の長期間にわたって厚い土砂の堆積層に埋没した[[植物]]や[[藻類|藻]]などの生物遺骸は、高温・高圧下で油母 ([[ケロゲン|ケロジェン]]) という物質に変わり、次いで液体やガスの[[炭化水素]]へと変化する<ref name=":1">{{Cite book|edition=2|title=The Biomarker Guide: Volume 1: Biomarkers and Isotopes in the Environment and Human History|url=https://www.cambridge.org/core/books/biomarker-guide/38F1AC02B49B61216C2252A9B4D940D0|publisher=Cambridge University Press|date=2004|location=Cambridge|isbn=978-0-521-78697-3|volume=1|doi=10.1017/cbo9780511524868|first=K. E.|last=Peters|first2=C. C.|last2=Walters|first3=J. M.|last3=Moldowan}}</ref>。これらは岩盤内の隙間を移動し、貯留層と呼ばれる砂岩や石灰岩など多孔質岩石に捕捉されて[[油田]]を形成する。この由来から、[[石炭]]とともに[[化石燃料]]とも呼ばれる。 |
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有機成因論の根拠の一つとして石油中に含まれる[[:en:Biomarker_(petroleum)|バイオマーカー]]の存在がある。[[光合成]]生物の[[葉緑体]]に由来する[[ポルフィリン]]、真核生物が生産する[[ステロール]]([[コレステロール]]など)に由来する[[ステラン]]、同様に[[細菌]]が生産する[[ホパノイド]]に由来する[[ホパン]]、あるいは[[酵素]]の関与しない化学反応では生成が困難な[[光学活性]]をもつ有機化合物などがバイオマーカーとして石油に含まれている<ref name=":1" /><ref>{{Cite book|edition=2|title=The Biomarker Guide: Volume 2: Biomarkers and Isotopes in Petroleum Systems and Earth History|url=https://www.cambridge.org/core/books/biomarker-guide/B83B3155C79DE5D4547F557937D15D7C|publisher=Cambridge University Press|date=2004|location=Cambridge|isbn=978-0-521-03998-7|volume=2|doi=10.1017/cbo9781107326040|first=K. E.|last=Peters|first2=C. C.|last2=Walters|first3=J. M.|last3=Moldowan}}</ref>。これらバイオマーカーの組成と石油の熟成度には関連性が見出されている。また、石油中に含まれる炭化水素の[[炭素の同位体|炭素同位体]]比に関して、炭素数の少ない炭化水素ほど質量の軽い炭素同位体を含む割合が多くなるという傾向が、熱分解による炭化水素の生成の傾向と同じであることが知られている{{要出典|date=2021年8月}}。この結果は、メタンのような炭素数の少ない炭化水素の重合によって石油が生成したとする無機成因説とは矛盾する。 |
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有機成因論の根拠として石油中に含まれる[[バイオマーカー]]の存在がある。 |
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葉緑素に由来する[[ポルフィリン]]や、[[コレステロール]]に由来する[[ステラン]]、あるいは、[[酵素]]の関与しない化学反応では生成が困難な[[光学活性]]をもつ有機化合物などが石油に含まれる[[バイオマーカー]]として知られている。 |
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[[地球物理学|地球物理学者]]の石井吉徳は「2.25億年前に超[[大陸]][[パンゲア]]が次第に分離、現在の姿になるまでの過程で2億年前の[[三畳紀]](Triassic)以後に存在した[[テチス海]](Tethys)が地球史上の石油生成に極めて特異だった。[[中生代]]は二酸化炭素の濃度が今より10倍も高く、[[気温]]は10℃も高かった。つまり[[地球温暖化]]で、植物の光合成は極めて活発であった。しかもこのテチス海は[[赤道]]付近に停滞し、海水は攪拌されず長く[[酸欠]]状態が続いた。このため有機物は分解されず、石油熟成に好条件であったことが中東油田の始まりである。石油は探せばまだまだあるという単純な発想は地球史から見て正しくない。」と有限性を強調している<ref>石井吉徳「高く乏しい石油時代が来る」</ref>。 |
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これら石油の大部分は油母(kerogen、ケロジェン)の[[熱分解]]によって生成していると考えられている。 |
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これは、石油中に含まれる炭化水素の炭素同位体比を調べた結果、炭素数の少ない炭化水素ほど、質量の軽い炭素同位体を含む割合が多くなるという傾向が、熱分解による炭化水素の生成の傾向と同じであることが知られているためである。 |
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また、2021年に石油と同等の炭化水素を合成する植物プランクトンのDicrateria rotunda (D. rotunda)が発見された。このプランクトンの合成する一連の飽和炭化水素の炭素数は10から38までであり、これはガソリン(炭素数10-15)、ディーゼル油(炭素数16-20)、燃料油(炭素数21以上)に相当する<ref>{{Cite press release| title = 植物プランクトンDicrateria rotundaが 石油と同等の炭化水素を合成する能力をもつことを発見| publisher = NIPS| date = 2021-07-19| url = https://www.nips.ac.jp/release/2021/07/dicrateria_rotunda.html| accessdate = 2024-05-23| language = ja}}</ref><ref>{{Cite journal|和書| author = Naomi Harada| author2 =Yuu Hirose| author3 =Song Chihong| author4 =Hirofumi Kurita et al.| year = 2021| title = A novel characteristic of a phytoplankton as a potential source of straight-chain alkanes| journal = Scientific Reports| publisher = Nature| doi = 10.1038/s41598-021-93204-w| ref = harv}}</ref>。 |
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この結果は、メタンのような炭素数の少ない炭化水素の重合によって石油が生成したとする無機成因説とは矛盾するため、多くの学者は有機成因説を支持している。 |
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=== 非生物由来説(無機成因論) === |
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また[[地球]][[物理学者]]の[[石井吉徳]]は、発表している[[論文]]<ref>石井吉徳「高く乏しい石油時代が来る」</ref>のなかで、2.25億年前に超[[大陸]][[パンゲア]]が次第に分離、現在の姿になるまでの過程で2億年前の[[三畳紀]](Triassic)に存在した[[テチス海]](Tethys)が中東油田の始まりであるとする説を唱えている。石井によれば、「石油とは[[有機物]]が熟成したもの、[[太陽]]光による[[二酸化炭素]]の[[光合成]]で出来た[[植物]]、[[藻]]などの有機物が海底に堆積し石油になったものである。[[堆積盆地]]とは、盆のようなところに堆積した地層の集積で、これがその後の[[地殻変動]]で褶曲し、馬の背のような形のように盛り上がった地質構造の上部に[[ガス]]、油、水が軽い順に移動、濃集したものである。油田とは堆積盆地内の背斜構造にある。 |
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石油「無機」由来説は、1940年代に[[BP (企業)|BP]](ブリティッシュペトロリアム)の研究所内では、無機生成物であることが主要理論であったが、市場戦略的な理由で機密扱いにしていた{{要出典|date=2021年8月}}。1850年代以降[[ロシア帝国]]の化学者[[メンデレーエフ]]などが提唱して、旧[[東側諸国]]では従来から定説とされていた学説である{{要出典|date=2021年8月}}。旧[[西側諸国]]でも、天文物理学者である[[トーマス・ゴールド]]などが無機由来説を唱えた<ref>{{Cite journal|last=Gold|first=T.|date=1992-07-01|title=The deep, hot biosphere.|url=http://www.pnas.org/cgi/doi/10.1073/pnas.89.13.6045|journal=Proceedings of the National Academy of Sciences|volume=89|issue=13|pages=6045–6049|language=en|doi=10.1073/pnas.89.13.6045|issn=0027-8424|pmid=1631089|pmc=49434}}</ref>。 |
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ところでこのテチス海は、地球史上の石油生成に極めて特異だった。[[中生代]]は二酸化炭素の濃度が今より10倍も高く、[[気温]]は10℃も高かった。つまり[[地球温暖化]]で、植物の光合成は極めて活発であった。しかもこのテチス海は2億年もの間[[赤道]]付近に停滞し、[[内海]]であったため海水は攪拌されず長く[[酸欠]]状態が続いた。このため有機物は分解されず、石油熟成に好条件であった。この偶然が中東油田を作った。石油は探せばまだまだある、という単純な発想は地球史から見て正しくない」という。 |
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無機成因論の根拠としては「石油の分布が生物の分布と明らかに異なる」「化石燃料では考えられないほどの超深度から原油がみつかる」「石油の組成が多くの地域でおおむね同一である」「[[ヘリウム]]、[[ウラン]]、[[水銀]]、[[ガリウム]]、[[ゲルマニウム]]など、生物起源では説明できない成分が含まれている」などが挙げられる{{要出典|date=2021年8月}}。また、生物起源論が根拠としている、炭素数の少ない炭化水素ほど質量の軽い炭素同位体を含む割合が多くなるという傾向は、地下から炭化水素が上昇する過程で、分子の熱運動により重い同位体が分離されたと解釈する{{要出典|date=2021年8月}}。この無機由来説に基づけば、一度涸れた[[油井]]もしばらく放置すると、再び原油産出が可能となる現象を説明することができる{{要出典|date=2021年8月}}。また超深度さえ掘削できれば、日本はもちろん世界中どこでも石油を採掘できる可能性があることになる。 |
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=== 無機成因論 === |
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石油「無機」由来説は、1870年代、元素の周期律表で知られるロシアの化学者[[メンデレーエフ]]が唱えたのが始まりで、旧[[東側諸国]]では従来から定説とされていた学説である。ただし、旧[[西側諸国]]では、定説とされてきた石油「有機」由来説に真っ向から反対するものであったため長く顧みられることがなく、その後[[トーマス・ゴールド]]が取り上げたことで、西側諸国でも脚光を浴びることとなった。 |
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天文物理学者であるゴールドの説く石油無機由来説は、「惑星が誕生する際には必ず大量の炭化水素が含まれる」「炭化水素は地球の内核で放射線の作用により発生する」「この炭化水素が惑星内部の高圧・高熱を受けて変質することで石油が生まれる」「炭化水素は岩石よりも軽いので地上を目指して浮上してくる」というものである。 |
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石油の大部分が非生物由来であるとする仮説は、多くの地質学的および地球化学的証拠と矛盾しており、今日では認められていない<ref name="glasby2006">{{cite journal |last=Glasby |first=Geoffrey P |date=2006 |title=Abiogenic origin of hydrocarbons: an historical overview |journal=Resource Geology |volume=56 |issue=1 |pages=85–98 |url=http://static.scribd.com/docs/j79lhbgbjbqrb.pdf |access-date=2008-01-29 |doi=10.1111/j.1751-3928.2006.tb00271.x |df=mdy-all |format=PDF }}</ref>。非生物起源の[[炭化水素]]自体は存在するが、その量については商業的に有益な量ではまったくない<ref name=":2" />。米国石油地質学者協会のラリー・ネイションは「論争は、非生物起源の石油埋蔵量が存在するかどうかについてではありません」「論争は、それらが地球の全体的な埋蔵量にどれだけ貢献するか、そして地質学者がそれらを探すためにどれだけの時間と労力を費やすべきかについてです。」と述べている<ref>{{cite journal |journal=Live Science |title=The Mysterious Origin and Supply of Oil |url=http://www.livescience.com/9404-mysterious-origin-supply-oil.html |url-status=live |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160127095201/http://www.livescience.com/9404-mysterious-origin-supply-oil.html |archive-date=January 27, 2016 |df=mdy-all }}</ref>。 |
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無機成因論の根拠としては「石油の分布が生物の分布と明らかに異なる」「化石燃料では考えられないほどの超深度から原油がみつかる」「石油の組成が多くの地域でおおむね同一である」「[[ヘリウム]]、[[ウラン]]、[[水銀]]、[[ガリウム]]、[[ゲルマニウム]]など、生物起源では説明できない成分が含まれている」などが挙げられる。 |
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また、生物起源論が根拠としている、石油中に含まれる炭化水素の炭素同位体比を調べた結果、炭素数の少ない炭化水素ほど、質量の軽い炭素同位体を含む割合が多くなるという傾向は、地下から炭化水素が上昇する過程で、分子の熱運動により重い同位体が分離されたと説明することも可能だという。 |
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この無機由来説に基づけば、一度涸れた[[油井]]もしばらく放置すると再び原油産出が可能となる現象を説明することができる。また超深度さえ掘削できれば、日本はもちろん世界中どこでも石油を採掘できる可能性があることになり、膨大な量の石油が消費されたとしても、掘削技術の問題さえ解決されれば枯渇する危険性はほぼ皆無であるとされている。 |
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=== 石油分解菌説 === |
=== 石油分解菌説 === |
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無精製でも[[内燃機関]]を動かす事が出来る程、世界的にも稀な[[軽質原油|軽質油]]を産出する{{要出典|date=2021年8月}}、[[静岡県]]の[[相良油田]]では、{{要検証|有機成因論とも無機成因論とも異なる、第三の仮説が唱えられている|date=2021年8月}}。1993年、当時[[京都大学]]大学院の今中忠行により相良油田から採取した石油分解菌「[[オレオモナス・サガラネンシス|Oleomonas sagaranensis HD-1株]]」が嫌気性条件下で炭化水素を作り出すことを報告した<ref>{{Cite web|url=https://agris.fao.org/agris-search/search.do?recordID=JP9402002|title=https://agris.fao.org/agris-search/search.do?recordID=JP9402002|accessdate=2021年8月19日|publisher=Agricultural Science and Technology (AGRIS)}}</ref>。この際生成された石油は、相良油田産の軽質油と性質が酷似しており、相良油田が形成された一因として唱えられている{{要出典|date=2021年8月}}ほか、今中忠行らはこの石油分解菌が、[[メタンハイドレート]]に関係していると指摘した{{要出典|date=2021年8月}}。 |
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無精製でも内燃機関を動かす事が出来る程の世界的にもまれな[[軽質油]]を産出する[[静岡県]]の[[相良油田]]では、有機成因論とも無機成因論とも異なる第三の説が唱えられている。 |
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しかし2002年の論文では、この菌株の[[嫌気性生物|嫌気性]]条件での生育はむしろ否定されている<ref>{{Cite journal|last=Kanamori|first=Takeshi|last2=Rashid|first2=Naeem|last3=Morikawa|first3=Masaaki|last4=Atomi|first4=Haruyuki|last5=Imanaka|first5=Tadayuki|date=2002-12|title=Oleomonas sagaranensis gen. nov., sp. nov., represents a novel genus in the α- Proteobacteria|url=https://academic.oup.com/femsle/article-lookup/doi/10.1111/j.1574-6968.2002.tb11484.x|journal=FEMS Microbiology Letters|volume=217|issue=2|pages=255–261|language=en|doi=10.1111/j.1574-6968.2002.tb11484.x}}</ref>。また、相良油田の起源については有機物の熱分解とする結論が2006年に出されている<ref>{{Cite journal|last=Toki|first=Tomohiro|last2=Gamo|first2=Toshitaka|last3=Tsunogai|first3=Urumu|date=2006-08-18|title=Origins of hydrocarbons in the Sagara oil field, central Japan: Origins of hydrocarbons in the Sagara oil field|url=https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1440-1738.2006.00528.x|journal=Island Arc|volume=15|issue=3|pages=285–291|language=en|doi=10.1111/j.1440-1738.2006.00528.x}}</ref>。ちなみに、[[微生物]]による炭化水素の合成自体は珍しいことではなく、広く知られている<ref>{{Cite journal|last=Lea-Smith|first=David J.|last2=Biller|first2=Steven J.|last3=Davey|first3=Matthew P.|last4=Cotton|first4=Charles A. R.|last5=Perez Sepulveda|first5=Blanca M.|last6=Turchyn|first6=Alexandra V.|last7=Scanlan|first7=David J.|last8=Smith|first8=Alison G.|last9=Chisholm|first9=Sallie W.|date=2015-11-03|title=Contribution of cyanobacterial alkane production to the ocean hydrocarbon cycle|url=http://www.pnas.org/lookup/doi/10.1073/pnas.1507274112|journal=Proceedings of the National Academy of Sciences|volume=112|issue=44|pages=13591–13596|language=en|doi=10.1073/pnas.1507274112|issn=0027-8424|pmid=26438854|pmc=4640736}}</ref><ref>{{Cite journal|last=Ladygina|first=N.|last2=Dedyukhina|first2=E.G.|last3=Vainshtein|first3=M.B.|date=2006-05|title=A review on microbial synthesis of hydrocarbons|url=https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S1359511305004988|journal=Process Biochemistry|volume=41|issue=5|pages=1001–1014|language=en|doi=10.1016/j.procbio.2005.12.007}}</ref>。 |
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1993年、[[京都大学]]大学院の今中忠行(現在:[[立命館大学]]生命科学部)は、研究室内の「無酸素実験装置」において、 相良油田から採取した石油分解菌「Oleomonas sagaranensis HD-1株」が通常状態では石油を分解する能力を持ちながら、 石油も酸素もない環境におかれると、細胞内に逆に原油を作り出すことを発見した。この際生成された石油は相良油田産の軽質油と性質が酷似しており、相良油田が形成された一因として唱えられているほか、今中忠行らはこの石油分解菌が[[メタンハイドレート]]に関係していると指摘した。 |
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このHD-1株の研究が進めば、将来的には石油醸造プラントでの有機的な石油の生成が可能になるとも言われており、今後の研究が待たれるところである。 |
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== 成分 == |
== 成分 == |
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=== 天然ガス === |
=== 天然ガス === |
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[[天然ガス]]は沸点が30℃位までであり、常温よりも沸点が低いため、ガスとして分離する。主な構成成分は、メタン |
[[天然ガス]]は、[[沸点]]が30℃位までであり、常温よりも沸点が低いため、ガスとして分離する。主な構成成分は、メタン・エタン・プロパン・ブタン・[[ペンタン]]など。但しプロパン及びブタンは、[[液化石油ガス]](LPG)として販売される。 |
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* CH<sub>4</sub> ([[メタン]]、 methane) - 沸点 -108℃ |
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* |
* C<sub>2</sub>H<sub>6</sub> ([[エタン]]、 ethane) - 沸点 -67℃ |
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*C<sub> |
* C<sub>3</sub>H<sub>8</sub> ([[プロパン]]、 propane) - 沸点 -43℃ |
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*C<sub> |
* C<sub>4</sub>H<sub>10</sub> ([[ブタン]]、 butane) - 沸点 -18℃ |
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*C<sub>4</sub>H<sub>10</sub> ([[ブタン]]、 butane) - 沸点 -18℃ |
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=== ナフサ === |
=== ナフサ === |
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[[ナフサ]]は沸点が30 - 200℃程度の炭化水素であり、[[粗製ガソリン]]とも呼ばれる。主成分は炭素数5 - 12の[[アルカン]]である。 |
[[ナフサ]]は沸点が30 - 200℃程度の炭化水素であり、[[粗製ガソリン]]とも呼ばれる。主成分は炭素数5 - 12の[[アルカン]]である。 |
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炭素数5 - 7のナフサは、[[軽質ナフサ]]と呼ばれ、透明で蒸発しやすく、[[溶媒]]やドライクリーニングの[[溶剤]]、あるいはその他の速乾性の製品に用いられる。 |
炭素数5 - 7のナフサは、[[軽質ナフサ]]と呼ばれ、透明で蒸発しやすく、[[溶媒]]やドライクリーニングの[[溶剤]]、あるいはその他の速乾性の製品に用いられる。炭素数が6 - 12のナフサは、[[重質ナフサ]]と呼ばれ、水素化精製、接触改質などを経てから配合調整され[[ガソリン]]として精製される。[[ベンジン]]や[[ホワイトガソリン]]はナフサから作られる石油製品である。 |
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炭素数が6 - 12のナフサは、[[重質ナフサ]]と呼ばれ、水素化精製、接触改質などを経てから配合調整され[[ガソリン]]として精製される。 |
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[[ベンジン]]や[[ホワイトガソリン]]はナフサから作られる石油製品である。 |
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=== 灯油・軽油 === |
=== 灯油・軽油 === |
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=== 重油 === |
=== 重油 === |
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沸点320℃以上の蒸留で船舶のエンジン |
沸点320℃以上の蒸留で、船舶のエンジンや[[ボイラー]]に用いられる[[重油]]が精製される。これらの石油製品は、常温で液体である。 |
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=== 残油 === |
=== 残油 === |
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常圧蒸留留分の名称と沸点(℃)を示す: |
常圧蒸留留分の名称と沸点(℃)を示す: |
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: [[石油エーテル]] (petrol ether) :40 - 70℃ (溶媒用) |
: [[石油エーテル]] (petrol ether) :40 - 70℃ (溶媒用) |
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: 軽ガソリン (light petrol) :60 - 100℃ (自動車燃料) |
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: 重ガソリン (heavy petrol) :100 - 150℃ (自動車燃料) |
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: 軽ケロシン (light kerosene) :120 - 150℃ (家庭用溶媒・燃料) |
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: [[ケロシン]] (kerosene):150 - 300℃ (ジェット燃料) |
: [[ケロシン]] (kerosene):150 - 300℃ (ジェット燃料) |
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: ガス油 (gas oil):250 - 350℃ (ディーゼル燃料/軽油/灯油) |
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: [[潤滑油]]:> 300℃ (エンジン・オイル) |
: [[潤滑油]]:> 300℃ (エンジン・オイル) |
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: 残留分:[[タール]]、[[アスファルト]]、 |
: 残留分:[[タール]]、[[アスファルト]]、残余燃料 |
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== 公害・環境問題 == |
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{{see|化石燃料#化石燃料の使用が引き起こす公害・環境問題}} |
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== 歴史 == |
== 歴史 == |
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=== 前近代 === |
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地下から湧く燃える水の存在は、古代から各地で知られていた。産地で燃料や照明に用いた例も多い。たとえば4世紀には中国で石油の採掘が行われたという記録がある。また1691年には現在も石油の生産が行われている[[ルーマニア]]の[[モレニ]]油田から石油が採掘され、産出された石油は品質の点で他の油より良いとされていた。しかし、大量生産はずっと後のことであった。 |
地下から湧く燃える水の存在は、[[古代]]から各地で知られていた。産地で燃料や照明に用いた例も多い。たとえば[[4世紀]]には中国大陸で石油の採掘が行われたという記録がある。[[東ローマ帝国|ビザンティン帝国]]には[[ギリシア火薬|ギリシャ火薬]]と呼ばれる[[火炎放射器]]、あるいは[[焼夷弾]]に似た兵器があった。ギリシャ火薬の製法は現在では失われているが、原料のひとつとして石油が使用されていたと考えられる。また1691年には現在も石油の生産が行われている[[ルーマニア]]の[[モレニ]][[油田]]から石油が採掘され、産出された石油は品質の点で他の油より良いとされていた。しかし、大量生産はずっと後のことであった。 |
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[[ファイル:Gusher Okemah OK 1922.jpg|thumb|オケマ([[オクラホマ]])の油井やぐら, 1922]] |
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機械掘りの[[油井]]の出現が、石油生産の一大画期をなした。[[エドウィン・ドレーク]](ドレーク大佐)が[[1859年]]8月にペンシルベニア州[[ドレーク油田|タイタスビルの近くのオイル・クリークで採掘]]を始めたのが世界最初と言われる。しかし、別のところでもっと早くあったとする説もある。19世紀後半には、[[アメリカ合衆国]]、[[ルーマニア]]、[[ロシア]]の[[カフカス|コーカサス]]地方が石油の産地であった。 |
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なお、世界最古の石油製品は[[石器時代]]には既に[[接着剤]]として利用されていた天然[[アスファルト]]とされている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkakyo.org/upload/plcenter/349_371.pdf |title=化学はじめて物語 |publisher=日本化学工業協会 |accessdate=2020-02-10 |format=PDF }}</ref>。紀元前3000年のころ、[[メソポタミア]]では、地面の割れ目からしみ出していた[[天然アスファルト]]が、建造物の接着や[[ミイラ]]の防腐、水路の防水などに使われていた。紀元前1世紀ごろの記録では、石油を傷口にぬって血を止めたり、発熱をおさえるなどの万能薬として用いられていたと記されている。 |
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[[1863年]]、[[ジョン・D・ロックフェラー]]が[[オハイオ州]][[クリーブランド (オハイオ州)|クリーブランド]]で石油精製業に乗り出し、[[1870年]]、[[スタンダード石油]]を設立した。 |
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日本では天智7年(668年)、[[日本書紀]]に[[越の国]]から「燃ゆる土」と「燃ゆる水」が[[近江大津宮]]に献上されたという記録が残っている。江戸時代になると石油は「くそうず」(臭水、草生水などと表記)と呼ばれていた。 |
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[[1879年]]に[[ジョゼフ・スワン]]が発明した白熱電球を[[トーマス・エジソン]]が実用化し、[[アルコールランプ]]の需要は減ったものの、そのことがスタンダード石油を倒産の危機に追い込んだわけではない。ジョン・D・ロックフェラーは石油から灯油を採った後に残るガソリンを産業廃棄物として夜陰に乗じて川に廃棄していたが、これを内燃機関の燃料として再利用することを思いついた。 そこへ[[1876年]]にドイツの[[ニコラウス・オットー]]がガソリンで動作する内燃機関(ガソリンエンジン)の発明を、[[ゴットリープ・ダイムラー]]がそれを改良し、[[1885年]]にダイムラーによる特許が出される。同年、ドイツの[[カール・ベンツ]]はダイムラーとは別にエンジンを改良、といったことが重なった。しかしながら、アルコール燃料は燃焼によって水と酸素と二酸化炭素は排出するが、一酸化炭素や窒素化合物を出さないため、その点だけでもアルコール燃料の方が石油よりも内燃機関の燃料として優れていることに変わりはない。 |
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このように石油の発見自体は非常に古く、産地においてその存在は有史以前から知られていたものの、積極的に利用されていたとは言い難く、それどころか多くの国で利用の禁止さえされていたこともある。その理由については[[宗教]]や迷信も含めて様々だが、やはり最も大きい理由として挙げられるのは燃焼時等に発生する有毒ガスの危険性であると推測される。 |
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{{要出典|=ジョン・D・ロックフェラーらはアルコールの販売・製造を禁止させることをもくろみ、議会や禁酒運動団体等に介入し|date=2013年2月}}、とうとう1919年に{{要出典|=世紀の法律|date=2013年2月}}・禁酒法が成立する。{{要出典|=ロックフェラー家は更に欧州各国でも暗躍し、20世紀初頭は禁酒法の成立が相次いだ|date=2013年2月}}。{{要出典|=運良く次世代の石油需要(ガソリン)に転換できたことがスタンダード石油を倒産の危機から救った、などという単純な話ではない|date=2013年2月}}。 |
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精製された現在の石油製品でさえその危険性は皆無ではなく、未精製の石油に至っては比較にならないほどリスクが高い。そのため石油は産地におけるごく小規模の利用にとどまり、積極的な実用には至らなかった。 |
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同社は、事業統合を重ね、[[1884年]]には、[[アメリカ合衆国]]全体の石油精製能力の77%、石油販売シェアは80-85%に達した。あまりに巨大化したスタンダード石油に対し、世論の反発が起き、[[1890年]]に成立した[[シャーマン法|シャーマン反トラスト法]]により、同社は34の会社に解体された。ただし、消滅したわけではなく、分割されただけである。スタンダード石油が前身となって、現在ある[[エクソンモービル]]、[[シェブロン]]などの旧[[国際石油資本|7大メジャー]]ができた。 |
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=== 19世紀 === |
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[[ファイル:Gusher Okemah OK 1922.jpg|thumb|オケマ([[オクラホマ州|オクラホマ]])の油井やぐら、1922]] |
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[[アメリカ合衆国]]では[[1855年]]、[[ネイティブ・アメリカン]]が薬用にしていた黒色の油を精製したところ、[[鯨油]]よりも照明に適していることが分かり、油田開発がスタートした<ref>『歴史学事典13』弘文堂、2006年、372頁</ref>。[[需要と供給|需要]]が伸びるにつれ、原油採掘の必要性が高まったところ、機械掘りの[[油井]]の出現が、石油生産の一大画期をなした。 |
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エドウィン・ドレーク(ドレーク大佐)が[[1859年]]8月に、[[ペンシルベニア州]][[ドレーク油田|タイタスビルの近くのオイル・クリークで採掘]]を始めたのが世界最初と言われる。しかし、別のところでもっと早くあったとする説もある。[[19世紀]]後半には、アメリカ合衆国、[[ルーマニア]]、[[ロシア帝国]]の[[カフカス|コーカサス]]地方が石油の産地であった。 |
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[[1863年]]、[[ジョン・D・ロックフェラー]]が[[オハイオ州]][[クリーブランド (オハイオ州)|クリーブランド]]で石油精製業に乗り出し、[[1870年]]、[[スタンダード石油]]を設立した。同社は事業統合を重ね、[[1884年]]には[[アメリカ合衆国]]全体の石油精製能力の77%、石油販売シェアは80-85%に達した。その後あまりに巨大化したスタンダード石油に対し、世論の反発が起き、[[1890年]]に成立した[[シャーマン法|シャーマン反トラスト法]]により、同社は34の会社に解体された。ただし、消滅したわけではなく、分割されただけである。スタンダード石油が前身となって、今日の[[エクソンモービル]]、[[シェブロン]]などの旧[[国際石油資本|7大メジャー]]ができた。 |
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1858年には、最初の実用[[内燃機関]]として、石炭ガスで動作する[[2ストローク機関#ルノアール・エンジン|ルノアール・エンジン]]が発明され、[[1876年]]にドイツ帝国の[[ニコラウス・オットー]]が、[[4ストローク機関]]の[[オットーサイクル]]を発明した。1870年頃には石油から灯油を採った後に残るガソリンは、[[産業廃棄物]]として廃棄されていたが、[[1883年]]に[[ゴットリープ・ダイムラー]]が、液体燃料であるガソリンを用いられる内燃機関を開発、[[1885年]]にダイムラーによる特許が出される。同年、ドイツ帝国の[[カール・ベンツ]]は、ダイムラーとは別にエンジンを改良した<ref>{{PDFlink|[http://www.jmf.or.jp/kawaraban/kawara162.pdf 熱力学とエンジンの話]}} 日機連かわら版162号 2020年8月3日</ref>。[[自動車]]の動力源には、[[蒸気機関]]や電気も用いられていたが、20世紀初めまでにこれらは衰退した。このような技術革新により、19世紀後半以降石油の普及が促進された。 |
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日本でも明治初期には、輸入ランプ用の灯油が普及し、文字どおり「灯りの油」として広く利用されるようになった<ref>{{Cite web|和書|title=石油情報センター |url=https://oil-info.ieej.or.jp/whats_sekiyu/2-1.html |website=oil-info.ieej.or.jp |access-date=2023-06-23}}</ref>。 |
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=== 第二次世界大戦まで === |
=== 第二次世界大戦まで === |
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19世紀末の[[自動車]]の商業実用化、20世紀初めの[[飛行機]]の発明は、[[ガソリンエンジン]]と切り離しては考えられない。船舶も重油を汽缶([[ボイラー]])の燃料にするようになった。 |
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石油自体は珍しくないが、大量生産できる油田は少なく、発見が困難であったため、石油産地は地理的に偏った。[[戦車]]、[[軍用機]]、[[軍艦]]などの燃料でもあったことから、20世紀半ばから後半にかけて、石油は |
石油自体は珍しくないが、大量生産できる油田は少なく、発見が困難であったため、石油産地は地理的に偏った。[[戦車]]、[[軍用機]]、[[軍艦]]などの燃料でもあったことから、20世紀半ばから後半にかけて、石油は戦略資源となった。 |
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20世紀前半には、[[ベネズエラ]]や[[インドネシア]]が石油の輸出地に加わった。 |
20世紀前半には、[[ベネズエラ]]や[[インドネシア]]が石油の輸出地に加わった。この当時、世界の石油生産はアメリカ、[[ソビエト連邦|ソ連]]、そして[[ベネズエラ]]が多く占めていた。その中でもアメリカ合衆国は約70パーセントを占めていた。 |
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=== 第二次世界大戦後 === |
=== 第二次世界大戦後 === |
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第二次大戦後、石油の新たな用途として、既に戦前に登場した[[化学繊維]]や[[プラスチック]]が、あらゆる工業製品の素材として利用されるようになった。また、[[発電所]]の燃料としても石油が利用された。 |
[[第二次世界大戦]]後、石油の新たな用途として、既に戦前に登場していた[[化学繊維]]や[[プラスチック]]が、あらゆる工業製品の素材として利用されるようになった。また、[[発電所]]の燃料としても石油が利用された。 |
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また、[[中東]]に新たな大規模油田が相次いで発見された。中東は良質の優れた油田が多いだけでなく、人口が多くなく現地消費量が限られているため、今日まで世界最大の石油輸出地域となっている。 |
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石油の探査には莫大な経費と高い技術が必要となるが、成功時の見返りもまた莫大である。必然的に石油産業では企業の巨大化が進んだ。独自に採掘する技術と資本を持たない国では、巨大資本を持った欧米の少数の石油会社に独占採掘権を売り渡した。これによって石油開発の集中化はさらに進み、[[石油メジャー]]と言われる巨大な[[多国籍企業]]が誕生した。 |
石油の探査には莫大な経費と高い技術が必要となるが、成功時の見返りもまた莫大である。必然的に石油産業では企業の巨大化が進んだ。独自に採掘する技術と資本を持たない国では、巨大資本を持った欧米の少数の石油会社に独占採掘権を売り渡した。これによって石油開発の集中化はさらに進み、[[石油メジャー]]と言われる巨大な[[多国籍企業]]が誕生した。大量産出によって安価になった石油はエネルギー源の主力となった。この変化は[[エネルギー革命]]と呼ばれた。 |
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しかし1970年代に[[資源ナショナリズム]]が強まると、石油を国有化する国が相次いだ。[[1973年]]から[[1974年]]には、[[第四次中東戦争]]で[[アラブ石油輸出国機構]]がイスラエル支持国への石油輸出を削減する動きをみせ、[[オイルショック]]と世界的な不況をもたらした。 |
しかし1970年代に[[資源ナショナリズム]]が強まると、石油を国有化する国家が相次いだ。[[1973年]]から[[1974年]]には、[[第四次中東戦争]]で[[アラブ石油輸出国機構]]が[[イスラエル]]支持国への石油輸出を削減する動きをみせ、[[オイルショック]]と世界的な不況をもたらした。 |
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=== 現在 === |
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他にも[[北海]]や[[メキシコ湾]]など世界各地で石油が採掘されるようになると、石油の戦略性は低下していった。石油の重要性は低下していないが、供給はかつてほど脆弱ではない。価格変動が景気にどの程度の影響を与えるかという程度になっている。 |
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他にも[[北海]]や[[メキシコ湾]]など、世界各地で石油が採掘されるようになると、原油供給が中東に集中していた状況は改善され、石油の戦略性は低下していった。しかし今日でも石油の重要性は低下しておらず、[[原油価格]]の変動が、[[世界経済]]に与える影響は依然として大きい。 |
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[[2020年]]3月、産油国による協調減産体制が終了したところに[[SARSコロナウイルス2|新型コロナウイルス]]流行に伴う景気減速が重なり、原油価格が1バレル20ドル台に暴落。生産費用(後述)が比較的高いシェールオイル関連業者は、大きな打撃を受けた<ref>{{Cite web|和書|date=2020-04-02 |url=https://jp.reuters.com/article/whiting-petrol-bankruptcy-idJPKBN21J6EW |title=米ホワイティングが破産法適用申請、原油安がシェール業者に打撃 |publisher=ロイター |accessdate=2021-02-04}}</ref>。2020年4月1日、大手シェールオイル開発会社の「ホワイティング・ペトロリアム」が破綻し、2020年3月9日の原油価格暴落以来、[[ニューヨーク証券取引所]]に[[上場]]する石油会社としては初の[[連邦倒産法第11章]]適用となった<ref>{{Cite web|和書|date=2020-04-03 |url=https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/04/8b497fc9e8086305.html |title=米国石油生産事業者が経営破たん、原油価格暴落後初めて(米国) |website=www.jetro.go.jp |publisher=[[日本貿易振興機構]] |accessdate=2021-02-04}}</ref><ref>{{Cite web|和書|date=2020-04-02 |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200402/k10012363591000.html |title=米 シェールオイル企業が初の破綻 原油価格の急落で |website=NHKニュース |publisher=[[日本放送協会]] |accessdate=2021-02-04 }}</ref>。6月28日にはアメリカの石油生産1 %、天然ガス生産2 %を担っていた「チェサピーク・エナジー」が資金繰りの悪化から破綻した<ref>{{Cite web|和書|date=2018-06-30 |url=https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/06/61a5079ca52b1b46.html |title=米シェール石油・ガス開発の先駆者、チェサピーク・エナジーが経営破たん |website=ジェトロ |publisher=日本貿易振興機構 |accessdate=2021-02-04}}</ref>。シェールオイル関連企業は[[社債]]の一種である「[[ハイイールド債]]」と呼ばれる[[信用格付け|信用力]]は低いが[[利子|利回り]]の高い[[債券]](ハイリスク・ハイリターン商品)を発行して、資金を調達しているが、新型コロナウイルスの感染拡大による金融市場の混乱に伴い[[金利]]が急上昇し、資金繰りが苦しくなっている。 |
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== 日本の石油事情 == |
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{{See also|日本の石油・天然ガス資源}} |
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{| class="wikitable" |
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|+ style="font-weight:bold; text-align:left"|国内主要油田の年間生産量(2004年) |
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!順位 |
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!油田名 |
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!道県名 |
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!生産量([[バレル]]) |
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|- |
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!1 |
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|[[勇払ガス田|勇払]](ゆうふつ) |
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|北海道 |
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| style="text-align:right" | 1,490,000 |
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|- |
|||
!2 |
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|[[岩船沖油ガス田|岩船沖]](いわふねおき) |
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|新潟県 |
|||
| style="text-align:right" |1,010,000 |
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|- |
|||
!3 |
|||
|[[南長岡ガス田|南長岡]](みなみながおか) |
|||
|新潟県 |
|||
| style="text-align:right" |690,000 |
|||
|- |
|||
!4 |
|||
|東新潟(ひがしにいがた) |
|||
|新潟県 |
|||
| style="text-align:right" |580,000 |
|||
|- |
|||
!5 |
|||
|由利原(ゆりはら) |
|||
|秋田県 |
|||
| style="text-align:right" |470,000 |
|||
|} |
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『[[日本書紀]]』には、[[越国]]より[[天智天皇]]に「燃土と燃水」が献上されたという記述がある。江戸時代の『[[大和本草]]』には、[[越後国|越後]]の各地で土から出る油、「臭水(くそうず)」が産し、灯油に使われるとある<ref>『大和本草』巻之三「石脳油」。</ref>。同書は[[信濃国|信濃]]、[[越前国|越前]]、[[佐渡国|佐渡]]にもあるとする。臭水は草水が転じたとされ、[[新潟市]][[秋葉区]]や新潟県[[阿賀野市]]、新潟県[[柏崎市]]を始め各地に地名として残る。『[[北越雪譜]]』も越後国[[魚沼郡]]で雪中に燃える水が見つかり、風呂の燃料や灯火に使われたと記す<ref>『北越雪譜』初編巻之上「雪中の火」(岩波文庫版55-56頁)。</ref>。 |
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石油の代替品として、[[アンモニア]]と[[水素]]から直接作りだす合成燃料の研究も行われている<ref>{{Cite web|和書|title=脱炭素燃料、主役は水素 CO2から作る人工原油とは 関連市場は急拡大へ {{!}} 財経新聞|url=https://www.zaikei.co.jp/article/20220103/654411.html|website=www.zaikei.co.jp|date=2022-01-03|accessdate=2022-01-03|language=ja}}</ref>。 |
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現在では、新潟県・[[秋田県]]の日本海沿岸、および[[北海道]]([[勇払平野]])などで原油が採掘されている。生産量は年間で98万キロリットル程度(2008年度<ref>[http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/result/ichiran/resourceData/07_shigen/kakuho/02_seihin/01_sekiyu/h2dhhpe2008zzkmc.xls 「経済産業省 資源エネルギー統計」]</ref>で、国内消費量全体に占める比率は、0.3%に過ぎない。 |
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== 日本の石油事情 == |
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一方で原油の輸入量は国内消費量全体の99.7%、2億5,460万キロリットルである。輸入相手国は上位より[[サウジアラビア]]、[[アラブ首長国連邦]]、[[イラン]]、[[カタール]]、[[クウェート]]など[[中東]]地域からが全体の87%を占めている(2006年度)。 |
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{{See also|日本の石油・天然ガス資源|石油元売}} |
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日米貿易は1853年の[[日米和親条約]]に始まったが、石油については、1879年にアメリカ人で商船J. A.トムソンの船長チャールズ・ロジャースが知人に頼まれ日本の物産を購入する際、新たな市場としての日本へ貨物として[[原油]]を精製した石油を届けている<ref>『[http://archon.mainemaritimemuseum.org/?p=creators/creator&id=53 Charles Jabez Rogers, Captain]』、メイン州海事博物館。</ref>。 |
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国際情勢の影響を抑えるために、日本の石油開発会社及び商社などが海外で権益を取得し開発する「自主開発油田」(ここより産出する原油は「自主開発原油」)の開発が急がれている。自主開発原油は原油総輸入量の17.9%である(この段落の数値は2008年度)。 |
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現在では、新潟県・[[秋田県]]の日本海沿岸、および[[北海道]]([[勇払平野]])でごくわずかではあるが原油が採掘されている。生産量は年間で63万キロリットル(2014年度)で、国内消費量全体に占める比率は0.3%に過ぎない<ref>{{PDFlink|[http://www.paj.gr.jp/statis/data/data/2016_data.pdf 石油連盟 今日の石油産業データ集2016 12頁]}}</ref>。新たに釧路平野に原油の存在が予測されており、[[経済産業省]]は新たに鉱区を設定した。 |
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石油業界は[[1996年]]の[[特定石油製品輸入暫定措置法]](特石法)廃止、ついで[[2002年]]1月の[[石油業法]]廃止によって完全自由化されている。 |
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一方で原油の輸入量は国内消費量全体の99.7%、1億9,104万キロリットル(2016年度)<ref name=":0">{{PDFlink|[https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuka/pdf/h2dhhpe2016k.pdf 資源エネルギー庁 資源・エネルギー統計年報 平成28年 92頁]}}</ref>である。輸入相手国は上位より[[サウジアラビア]]、[[アラブ首長国連邦]]、[[カタール]]、[[イラン]]、[[クウェート]]と、[[中東]]地域からが全体の87%を占めている(2016年度)<ref name=":0" />。 |
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中東系の石油が安定して手に入るようになった昭和40年代以降、国内での石油資源開発は縮小傾向にあり、零細の油田は縮小・廃坑とされた。特に、上記の自由化措置によって、不採算油田の廃坑が相次ぐようになり、特に秋田県の零細油田はほぼ壊滅状態となった(この時、年間産出量は25万キロリットル前後)。しかし、[[2004年]]以降の石油価格急騰を受け、国内においても、小規模でも安定した産出量をもつ油田を再度調査・拡張する動きが出始めている。2001年度に約37万キロリットルであったため、2004年単年度でほぼ倍増している。 |
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=== 日本の石油会社 === |
=== 日本の石油会社 === |
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[[国際石油資本]](メジャー)のような海外大手石油会社は、石油の探鉱、生産、輸送、精製、元売りまでを一貫して手がける垂直統合を行っているため、日本の石油会社も精製、元売り(これを下流事業という)のみから、上流事業(探鉱、開発、生産)を手がけるようになってきた。上流事業を専業とする日本の有力石油会社には[[ |
[[国際石油資本]](メジャー)のような海外大手石油会社は、石油の探鉱、生産、輸送、精製、元売りまでを一貫して手がける垂直統合を行っているため、日本の石油会社も精製、元売り(これを下流事業という)のみから、上流事業(探鉱、開発、生産)を手がけるようになってきた。上流事業を専業とする日本の有力石油会社には[[INPEX]]、[[石油資源開発]]、[[三井石油開発]]があり、下流事業の有力会社としては以下のグループがある。 |
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==== 国内石油会社 ==== |
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* [[出光興産]] |
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* '''[[ENEOSホールディングス]]''' |
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* [[エクソンモービル]]([[東燃ゼネラル石油]]) |
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** [[ENEOS]]・国内最大手。2017年4月、JXエネルギーと米[[エクソンモービル]]系の[[東燃ゼネラル石油]]が合併して発足。 |
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* [[JX日鉱日石エネルギー]](ENEOS)・[[コスモ石油]] |
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* '''[[出光興産]]'''(IDEMITSU)国内2番手。戦後、創業者の[[出光佐三]]により発展。長期間未上場だったが、[[2006年]]10月に東証一部に上場する。[[2019年]]4月に[[昭和シェル石油]]と経営統合し、同社を完全子会社とする。 |
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: ただしJX日鉱日石エネルギーは[[ベトナム]]・[[マレーシア]]・[[パプアニューギニア]]などで、コスモ石油は[[アブダビ]]や[[カタール]]でも石油開発をおこなっている。 |
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* '''[[コスモエネルギーホールディングス]]''' |
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* [[昭和シェル石油]] |
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**'''[[コスモ石油]]'''{{efn|コスモ石油は[[アブダビ]]や[[カタール]]で石油開発も行っている。}}(COSMO)国内3番手。[[1986年]]4月に大協石油・丸善石油・旧・コスモ石油が合併して発足。 |
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* [[キグナス石油]](KYGNUS) |
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* [[太陽石油]](SOLATO) |
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=== 日本の石油諸税 === |
=== 日本の石油諸税 === |
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** [[ジェット燃料]]:[[航空機燃料税]](1リットルあたり 26.0円) |
** [[ジェット燃料]]:[[航空機燃料税]](1リットルあたり 26.0円) |
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** [[LPガス]]:[[石油ガス税]](自動車用1リットルあたり 9.8円) |
** [[LPガス]]:[[石油ガス税]](自動車用1リットルあたり 9.8円) |
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この結果、たとえばガソリン1リットルには、消費税を除いて約56円の税金がかかっている計算になる。 |
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* '''販売段階''' |
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** [[消費税]] 5%がさらに加算される。(軽油引取税と航空機燃料税は消費税の対象外) |
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この結果、たとえばガソリン1リットルには、消費税を除いて約56円の税金がかかっている計算になる。また、ガソリン販売時にかかる消費税は税にさらに税をかけた、事実上の[[二重課税]]である。 |
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前記の各税金のうち軽油引取税だけが[[地方税]]で、それ以外の税金は[[国税]]である。石油諸税の年間税収額は、2004年(平成16年)度予算で約4兆8,641億円となっている。地方税である軽油引取税を除いた税収合計は、[[国税]]収入の約12%を占め、所得税、法人税、消費税に次ぐ第4位の税収規模になっている。また、消費税以外の石油諸税は目的税となっており、その84%が道路整備財源として使われている。そのほか石油対策、空港整備などに使用されている。 |
前記の各税金のうち軽油引取税だけが[[地方税]]で、それ以外の税金は[[国税]]である。石油諸税の年間税収額は、2004年(平成16年)度予算で約4兆8,641億円となっている。地方税である軽油引取税を除いた税収合計は、[[国税]]収入の約12%を占め、所得税、法人税、消費税に次ぐ第4位の税収規模になっている。また、消費税以外の石油諸税は目的税となっており、その84%が道路整備財源として使われている。そのほか石油対策、空港整備などに使用されている。 |
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=== 日本の石油輸入先 === |
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2010年度21,535kl(中東地域で86.5%) |
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*1位 サウジアラビア 28.8% |
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*2位 アラブ首長国連邦 20.4% |
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*3位 カタール 11.8% |
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*4位 イラン 9.6% |
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*5位 ロシア 7.2% |
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*5位 クウェート 7.1% |
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*6位 オマーン 3.3% |
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*7位 東南アジア諸国 3.3% |
|||
*8位 イラク 3.2%<ref>[http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/result/ichiran/resourceData/07_shigen/kakuho/01_shuyo/01_sekiyu/h2dhhpe201012khc.xls 資源・エネルギー統計(確報値)p18:資源エネルギー庁 ]</ref> |
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=== 日本の石油 |
=== 日本の石油輸入先 === |
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2019年度 17,304万kl |
|||
(2010年2月末現在)200日分(原油5.5億バレル相当) |
|||
*1位 サウジアラビア 34.1% |
|||
*国家備蓄 4,808万kl(製品換算) 114日分 |
|||
*2位 アラブ首長国連邦 32.7% |
|||
*民間備蓄 3,594万kl(製品換算) 86日<ref>[http://www.jogmec.go.jp/jogmec_activities/stockpiling_oil/deta/index.html JOGMECホーム>JOGMECの活動>資源備蓄(石油・石油ガス)>備蓄データ]</ref> |
|||
*3位 カタール 9.3% |
|||
*4位 クウェート 8.9% |
|||
*5位 ロシア 4.8% |
|||
*6位 オマーン 1.7% |
|||
*7位 アメリカ合衆国 1.6% |
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*8位 バーレーン 1.4% |
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*9位 エクアドル 1.3% |
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*10位 イラク 1.1% |
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=== 日本の石油備蓄 === |
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(2010年12月末現在)199日分(原油5.5億バレル相当) |
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(2016年3月末現在)207日分(原油5.5億バレル相当)<ref>[http://www.jogmec.go.jp/library/stockpiling_oil_004.html?recommend=1 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 基礎情報:備蓄データ]</ref> |
|||
*国家備蓄113日分4,749万kl 原油4,985万kl(3億バレル) |
|||
*国家備蓄 4,734万kl(製品換算)122日分 |
|||
*民間備蓄85日分3,578万kl 原油1,771万kl (2.3億バレル) |
|||
*民間備蓄 3,130万kl(製品換算)81日分 |
|||
製品1,895万kl(≒1.2億バレル)<ref>{{PDFlink|[http://www.enecho.meti.go.jp/info/statistics/sekiyubi/pdf/h23/110215oil.pdf 石油備蓄の現況・平成23年2月・資源エネルギー庁石油精製備蓄課]}}</ref> |
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*産油国共同備蓄 134万kl(製品換算)4日分 |
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=== アメリカの石油戦略備蓄 === |
=== アメリカの石油戦略備蓄 === |
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== 可採量 == |
== 可採量 == |
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{{main|可採埋蔵量}} |
{{main|可採埋蔵量}} |
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石油の埋蔵量に関する将来予測は、その時の経済活動の状況に左右されており |
石油の埋蔵量に関する将来予測は、その時の経済活動・技術動向の状況に左右されており単純な自然科学的根拠に基づいているわけではない。20世紀末からの可採量増大の背景には、[[原油価格]]の上昇と技術の向上がある。1973年の第一次石油危機の際には多くの石油専門家がマスコミに登場して「あと30年で石油は枯渇する」と主張していたが、2005年の段階でも「現在発見されている油田可採埋蔵量だけでも現在の消費量で割ればあと40年は供給できる」とされているように、可採量は毎年増大し続けた<ref name="石油を読む">藤和彦著 『石油を読む』 日本経済新聞社 日経文庫 2005年2月15日1版1刷 ISBN 4-532-11056-4</ref>。 |
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=== 可採年数 === |
=== 可採年数 === |
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{{Main|可採年数}} |
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可採年数(R/P)とは、ある年度において埋蔵が確認されている石油のうち、その時点での技術で採算の合うコストで採掘可能な埋蔵量(R)を、その年度の実際の生産量(P)で割った値である。この値の意味を誤って解釈し、「石油は後何年でなくなる」などと吹聴するものもいるが明確な誤りである。例えば[[BP (企業)|BP統計]]によれば、[[1970年]]の可採年数は約35年であったが、[[2005年]]に石油が枯渇したという事実が存在しないことは明らかである。ちなみに2007年度末の価格での可採年数は41.6年であった。 |
可採年数(R/P)とは、ある年度において埋蔵が確認されている石油のうち、その時点での技術で採算の合うコストで採掘可能な埋蔵量(R)を、その年度の実際の生産量(P)で割った値である。この値の意味を誤って解釈し、「石油は後何年でなくなる」などと吹聴するものもいるが明確な誤りである。例えば[[BP (企業)|BP統計]]によれば、[[1970年]]の可採年数は約35年であったが、[[2005年]]に石油が枯渇したという事実が存在しないことは明らかである。ちなみに2007年度末の価格での可採年数は41.6年であった。 |
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正しくは1970年時点で「原油価格1バーレル2ドルで採掘できる石油は35年後に枯渇する」と言うべきで、実際に1バーレル2ドルで採掘できる石油は2005年には枯渇して 原油価格は2007年以降1バーレル100ドル前後で推移している。 |
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また安価な代替品が存在する場合、地中に多くの石油が残存していても相対的に採掘コストが高く生産が成り立たなくなり、可採埋蔵量なし、可採年数0、つまり、「枯渇」ということになる。 |
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=== 価格上昇 === |
=== 価格上昇 === |
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可採年数は、[[原油価格]]が上がると伸びるという特性がある。それは、 |
可採年数は、[[原油価格]]が上がると伸びるという特性がある。それは、原油価格が変化すると『採掘可能な埋蔵量』が変化するためである。以下に例を示す。 |
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: ある油田は1[[バレル]]あたり採掘コストが30ドルかかるとする。このとき、もし |
: ある油田は1[[バレル]]あたり採掘コストが30ドルかかるとする。このとき、もし原油価格が1バレルあたり10ドルならば、この油田は採算に合わないため『採掘可能な埋蔵量』には含まれない。しかし、もし原油価格が1バレル50ドルに上昇すれば、この油田は充分採算に合うため『採掘可能な埋蔵量』に含まれることになる。 |
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現在の採掘技術でコストを考えずに採掘を行えば、あと数百年分は埋蔵されているとも言われるが、石油を取り巻く事情は常に変化 |
現在の採掘技術でコストを考えずに採掘を行えば、あと数百年分は埋蔵されているとも言われるが、石油を取り巻く事情は常に変化し続ける。また、埋蔵量は各国の自己申告であり、政治的な理由のかさ上げが何度も判明してきた。 |
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人類が採掘可能な石油埋蔵量を'''究極可採埋蔵量'''という。1970年代にはこれは2兆バレルと考えられており、また、その時点での既発見の埋蔵量は1兆バレルと考えられていた。しかし、 |
人類が採掘可能な石油埋蔵量を'''究極可採埋蔵量'''という。1970年代にはこれは2兆バレルと考えられており、また、その時点での既発見の埋蔵量は1兆バレルと考えられていた。しかし、2005年には3兆バレルまで増大していた<ref name = "石鉱連資源評価スタディ2007年">石鉱連資源評価スタディ2007年 (世界の石油・天然ガス等の資源に関する2005年末における評価)2007年11月石油鉱業連盟発行 </ref>。需要は今後も拡大すると思われる石油だが、わざと供給をなるべく小さくして原油価格を上げようとしているのでは無いかという意見も聞かれる。 |
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需要は今後も拡大すると思われる石油だが、わざと供給をなるべく小さくして[[原油価格]]を上げようとしているのでは無いかという意見も聞かれる。 |
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=== 消費量の増大 === |
=== 消費量の増大 === |
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R/Pは「その時点での消費量が、増えずに永遠に続く」と言う前提の計算であることに留意しなければならない。 |
R/Pは「その時点での消費量が、増えずに永遠に続く」と言う前提の計算であることに留意しなければならない。つまり今世紀初頭、自動車人口は先進国と一部共産圏で10億人ほどであったが、中国13億人、インド12億人、東南アジア5億人という人口規模の地域で自動車が普及した場合、今世紀中盤には自動車人口が35億人に増える。つまり掘り取られる速度が3.5倍にまで早くなるため、永遠にこれらの人々が自動車に乗らない前提で計算しているR/Pでは、予想より早く枯渇することとなってしまう。 |
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つまり今世紀初頭、自動車人口は先進国と一部共産圏で10億人ほどであったが、中国13億人、インド12億人、東南アジア5億人での自動車の普及のために、今世紀中盤には自動車人口は35億人に増える。つまり掘り取られる速度が3.5倍にまで早くなるのに、永遠に中国人やインド人や東南アジアの人々が自動車に乗らない前提で計算しているR/Pは需要増大局面では、予想されたより早く枯渇する。 |
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このようなR/Pの指標としての欠陥から、最近はR/Pよりピーク理論で事実上の資源持続期間を表示することが多い。([[石油ピーク]]参照) |
このようなR/Pの指標としての欠陥から、最近はR/Pよりピーク理論で事実上の資源持続期間を表示することが多い。([[石油ピーク]]参照) |
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地下油田の内部状態も三次元や四次元地震探鉱技術によって立体的に判別出来るようになり、取り残しの原油が見通せるようになっている。 |
地下油田の内部状態も三次元や四次元地震探鉱技術によって立体的に判別出来るようになり、取り残しの原油が見通せるようになっている。 |
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「傾斜掘り」や「水平掘り」と呼ばれる自由な方向に掘り進める技術や地中で分岐させる技術の登場によって、原油が存在する地層を縫うように掘り進める事が出来るようになっている。 |
「傾斜掘り」や「水平掘り」と呼ばれる自由な方向に掘り進める技術や地中で分岐させる技術の登場によって、原油が存在する地層を縫うように掘り進める事が出来るようにもなってきている。 |
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また、従来は採掘が不可能とされていた大深度地下の油層や水深2000m以上の深海油田や極地での採掘が可能になっており、油田探査の対象地域も拡大している<ref name = "石油を読む"/>。 |
また、従来は採掘が不可能とされていた大深度地下の油層や水深2000m以上の深海油田や極地での採掘が可能になっており、油田探査の対象地域も拡大している<ref name = "石油を読む"/>。 |
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{{main|油井}} |
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詳しくは[[油井]]を参照。 |
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== 統計 == |
== 統計 == |
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===1日あたり原油生産量 |
===1日あたり原油生産量=== |
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近年、[[アメリカ合衆国]]が生産量を伸ばしている。 |
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2010年米エネルギー情報庁<ref>[http://www.eia.gov/countries/index.cfm?view=production EIA:2009 World Oil Production]</ref><ref>[http://www.eia.gov/cfapps/ipdbproject/IEDIndex3.cfm?tid=3&pid=26&aid=1 EIA:International Energy Statistics]</ref>(単位 万バレル) |
|||
*全世界8439 |
|||
2016年 英BP<ref>{{PDFlink|[https://web.archive.org/web/20180924235003/https://www.bp.com/content/dam/bp/en/corporate/pdf/energy-economics/statistical-review-2017/bp-statistical-review-of-world-energy-2017-full-report.pdf BP Statistical Review of World Energy 2017 14頁]}}</ref>(単位 万バレル) |
|||
**中東2440 |
|||
*1 ロシア993 |
|||
全世界 9215.0(100.0%) |
|||
*2 サウジ976 |
|||
*3 アメリカ914 |
|||
中東 3178.9(34.5%) |
|||
*4 イラン418 |
|||
# アメリカ合衆国 1235.4(13.4%) |
|||
*5 中国400 |
|||
# サウジアラビア 1234.9(13.4%) |
|||
*6 カナダ329 |
|||
# ロシア 1122.7(12.2%) |
|||
*7 メキシコ300 |
|||
# イラン 460.0(5.0%) |
|||
*8 UAE280 |
|||
# イラク 446.5(4.8%) |
|||
*9 ブラジル258 |
|||
# カナダ 446.0(4.8%) |
|||
*10 クウェート250 |
|||
# アラブ首長国連邦 407.3(4.4%) |
|||
*11 ベネズエラ247 |
|||
# 中華人民共和国 399.9(4.3%) |
|||
*12 イラク240 |
|||
# クウェート 315.1(3.4%) |
|||
# ブラジル 260.5(2.8%) |
|||
*14 ナイジェリア221 |
|||
*15 アルジェリア213 |
|||
*16 アンゴラ 195 |
|||
*17 リビア 179 |
|||
*18 カザフスタン154 |
|||
*19 イギリス(海洋、主に北海)142 |
|||
*20 カタール121 |
|||
*21 インドネシア 102 |
|||
===確認埋蔵量=== |
===確認埋蔵量=== |
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2010年米エネルギー情報庁(単位 億バレル) |
2010年米エネルギー情報庁(単位 億バレル) |
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*全世界13,542 |
*全世界13,542 |
||
# サウジ 2624 |
|||
# カナダ 1752 |
|||
# イラン 1376 |
|||
# イラク 1150 |
|||
# クウェート1040 |
|||
# ベネズエラ994 |
|||
# UAE 978 |
|||
# ロシア 600 |
|||
# リビア 443 |
|||
# ナイジェリア 372 |
|||
# カザフスタン 300 |
|||
# カタール 254 |
|||
# 中国 204 |
|||
# 米国 191 |
|||
# ブラジル 128 |
|||
# アルジェリア 122 |
|||
# メキシコ 104 |
|||
2007年 Oil and Gas Journal |
2007年 Oil and Gas Journal |
||
# サウジアラビア2598 |
|||
# イラン 1363 |
|||
# イラク 1150 |
|||
# クウェート990 |
|||
# ロシア 600 |
|||
# アラブ首長国連邦 922 |
|||
# ベネズエラ 800 |
|||
# ナイジェリア362 |
|||
# リビア 415 |
|||
# カザフスタン300 |
|||
# アメリカ合衆国218 |
|||
# 中国160 |
|||
# カタール152 |
|||
=== 主な産油国と油田一覧 === |
=== 主な産油国と油田一覧 === |
||
{{ |
{{see|油田の一覧}} |
||
(数値は推定埋蔵量) |
|||
* [[アゼルバイジャン]] |
|||
* [[アメリカ合衆国]] |
|||
** [[アラスカ油田]](Prudhoe Bay, Alaska 120億[[バレル]]) |
|||
** ウィルミントン石油油田'(Wilmington Oil, California 3億バレル) |
|||
* [[アルジェリア]] |
|||
* [[アラブ首長国連邦]] |
|||
** ウムシャイフ油田(Umm Shaif Field, Abu Dhabi) |
|||
** ザクム油田(Zakum, Abu Dhabi 120億バレル) |
|||
* [[アルゼンチン]] |
|||
* [[アルバニア]] |
|||
* [[アンゴラ]] |
|||
* [[イエメン]] |
|||
* [[イギリス]]・[[ノルウェー]]・[[デンマーク]] |
|||
** [[北海油田]] (North sea) |
|||
*** [[ブレント油田]] (Brent) |
|||
*** [[フルマー油田]] (Fulmar) |
|||
*** [[パイパー油田]] (Piper or Piper Alpha) |
|||
* [[イラク]] |
|||
** [[東バクダード油田]](East Bagdad, 110億バレル) |
|||
** [[キルクーク油田]](Kirkuk, 160億バレル) |
|||
** [[ルマイラ油田]](Rumaila, 200億バレル) |
|||
** 西クルナ油田(West Qurna, 380億バレル) |
|||
* [[イラン]] |
|||
** [[アーザーデガーン油田|アザデガン油田]](Azadegan, 260億バレル) |
|||
** [[アガジャリ油田]](Aghajari, 140億バレル) |
|||
** [[アフワズ油田]](Ahwaz, 170億バレル) |
|||
** ガッチサラン油田(Gachsaran, 150億バレル) |
|||
** マルン油田(Marun, 160億バレル) |
|||
* [[インド]] |
|||
* [[インドネシア]] |
|||
* [[ウズベキスタン]] |
|||
* [[エクアドル]] |
|||
* [[エジプト]] |
|||
* [[オーストリア]] |
|||
* [[オマーン]] |
|||
* [[オーストラリア]] |
|||
* [[カザフスタン]] |
|||
** テンギズ油田(Tengiz, 60 - 90億バレル) |
|||
** カシャガン油田・カスピ海油田(Kashagan, Caspian, 130億バレル) |
|||
* [[カタール]] |
|||
** ドゥハーン油田 (Dukhan) |
|||
* [[カナダ]] |
|||
** アサバスカ[[オイルサンド|タールサンド]]油田(Athabasca, 1.6兆バレル) |
|||
* [[ガボン]] |
|||
* [[キルギスタン]] |
|||
* [[グアテマラ]] |
|||
* [[クウェート]] |
|||
** [[ブルガン油田]](Burgan, 660 - 720億バレル) |
|||
* [[クロアチア]] |
|||
* [[コロンビア]] |
|||
* [[コンゴ]] |
|||
* [[コンゴ民主共和国]] |
|||
* [[サウジアラビア]] |
|||
** アブカイク油田(Abqaiq, 120億バレル) |
|||
** ベリ油田(Berri, 120億バレル) |
|||
** ファルーザン・マージャン油田(Faroozan-Marjan, 100億バレル) |
|||
** [[ガワール油田]](Ghawar, 750 - 830億バレル) |
|||
** マニファ油田(Manifa, 110億バレル) |
|||
** サファニア-カジフ油田(Safaniya, 300億バレル) |
|||
** シャイバー油田(Shaybah, 70億バレル) |
|||
* [[シリア]] |
|||
* [[スーダン]] |
|||
* [[スリナム]] |
|||
* [[赤道ギニア]] |
|||
* [[セルビア・モンテネグロ]] |
|||
* [[タジキスタン]] |
|||
* [[中華人民共和国]] |
|||
** [[大慶油田]]・黒竜江油田(160億バレル) |
|||
* [[チュニジア]] |
|||
* [[ドイツ]] |
|||
* [[トリニダード・トバゴ]] |
|||
* [[トルクメニスタン]] |
|||
* [[ナイジェリア]] |
|||
** ニジェールデルタ油田(Niger Delta, 340億バレル) |
|||
* [[バーレーン]] |
|||
* [[パキスタン]] |
|||
* [[パプアニューギニア]] |
|||
* [[バルバドス]] |
|||
* [[ハンガリー]] |
|||
* [[東ティモール]] |
|||
* [[ブラジル]] |
|||
** カリオカ油田 |
|||
** カンポス油田 (Campos) |
|||
* [[ブルガリア]] |
|||
* [[ブルネイ|ブルネイ・ダルサラーム]] |
|||
* [[ベトナム]] |
|||
* [[ベナン]] |
|||
* [[ベネズエラ]] |
|||
** ボリバーコースタル油田 (Bolivar Coastal) |
|||
** オリノコタールサンド油田(Orinoco Tar Sands, 1.7兆バレル) |
|||
* [[ベラルーシ]] |
|||
* [[ペルー]] |
|||
* [[ベルギー]] |
|||
* [[ボリビア]] |
|||
* [[マレーシア]] |
|||
* [[ミャンマー]] |
|||
* [[メキシコ]] |
|||
** カンタレル油田(Cantarell, 150 - 230億バレル) |
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** ク・マロブ・サップ油田(Ku-Maloob-Zaap) |
|||
** チコンテペック油田 (Chicontepec) |
|||
* [[リビア]] |
|||
* [[ルーマニア]] |
|||
* [[ロシア]] |
|||
** サモトロール油田(Samotlor, 200億バレル) |
|||
** ロマシュキノ油田(Romashkino, 160 - 170億バレル) |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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{{脚注ヘルプ}} |
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<references/> |
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=== 注釈 === |
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{{Notelist}} |
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=== 出典 === |
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{{Reflist|2}} |
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== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
||
* [[貝原益軒]]『[[大和本草]]』{{PDFlink|[http://www.lib.nakamura-u.ac.jp/kaibara/yama/pdf/y03.pdf 巻之三]}}、宝永6年(1709年)。 [http://www.nakamura-u.ac.jp/~library/ 中村学園大学・短期大学部図書館]「[http://www.nakamura-u.ac.jp/~library/lib_data/b01.html 電子図書館貝原益軒データ]」(2010年7月閲覧)。 |
* [[貝原益軒]]『[[大和本草]]』{{PDFlink|[https://web.archive.org/web/20071024080753/http://www.lib.nakamura-u.ac.jp/kaibara/yama/pdf/y03.pdf 巻之三]}}、宝永6年(1709年)。 [http://www.nakamura-u.ac.jp/~library/ 中村学園大学・短期大学部図書館]「[http://www.nakamura-u.ac.jp/~library/lib_data/b01.html 電子図書館貝原益軒データ]」(2010年7月閲覧)。 |
||
* [[鈴木牧之]]・撰、[[山東京山|京山人百樹]]・刪定『[[北越雪譜]]』初編、天保8年(1835年)。岡田武松・校訂『北越雪譜』、岩波書店(岩波文庫)、改版1978年(初版1936年)、ISBN 4-00-302261-0。 |
* [[鈴木牧之]]・撰、[[山東京山|京山人百樹]]・刪定『[[北越雪譜]]』初編、天保8年(1835年)。岡田武松・校訂『北越雪譜』、岩波書店(岩波文庫)、改版1978年(初版1936年)、ISBN 4-00-302261-0。 |
||
* 瀬木耿太郎『石油を支配する者』(岩波新書、1988年) |
* 瀬木耿太郎『石油を支配する者』(岩波新書、1988年) |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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* [[化石燃料]] |
* [[化石燃料]] |
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* [[石油製 |
* [[石油精製]] |
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* [[古生物]] |
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* [[原油]] |
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* [[原油価格]] |
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* [[油田]] |
* [[油田]] |
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* [[石油化学]] |
* [[石油化学]] |
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* [[石油 |
* [[石油製品]] |
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* [[ |
* [[ガソリン]] |
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* [[ガソリンスタンド]] |
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* [[石油備蓄]] |
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* [[オイルマネー]] |
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* [[バレル]] |
* [[バレル]] |
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* [[石油の備蓄の確保等に関する法律]] |
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* [[石油需給適正化法]] |
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* [[石油燃料]] |
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* [[石油ピーク]] |
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* [[国際石油資本]] |
* [[国際石油資本]] |
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* [[石油連盟]] |
* [[石油連盟]] |
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* [[石油流出]] |
* [[石油流出]] |
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* [[古生物]] |
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* [[原油価格]] |
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* [[石油需給適正化法]] |
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* [[石油ピーク]] |
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* [[石油備蓄]] |
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* [[石油の備蓄の確保等に関する法律]] |
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* [[オイルマネー]] |
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* [[もったいない学会]] |
* [[もったいない学会]] |
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* [[シェールオイル]] |
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* [[逆オイルショック]] |
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* [[石油タンパク]] |
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}} |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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{{Commons|Petroleum}} |
|||
* [http://www.jpca.or.jp/index.html 石油化学工業会] 石油化学用語辞典あり |
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{{Wikt}} |
|||
* [http://oil-info.ieej.or.jp/ 石油情報センター] |
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* [https://www.jpca.or.jp/index.html 石油化学工業会] - 石油化学用語辞典あり |
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* [https://oil-info.ieej.or.jp/ 石油情報センター] |
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* [http://www.jogmec.go.jp/ 石油天然ガス・金属鉱物資源機構] |
* [http://www.jogmec.go.jp/ 石油天然ガス・金属鉱物資源機構] |
||
* [ |
* [https://www.japt.org/ 石油技術協会] |
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* [ |
* [https://www.sekkoren.jp/index.htm 石油鉱業連盟] |
||
* [http://www.fromthewilderness.com/free/ww3/100404_abiotic_oil.shtml Abiotic Oil: Science or Politics?] {{en icon}} |
|||
* [http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=200511_063a%2epdf&id=641 石油天然ガスの起源〜無機成因説は成り立つか〜](PDF) |
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2025年1月1日 (水) 10:26時点における最新版
石油(せきゆ、英: Petroleum)とは、炭化水素を主成分として、ほかに少量の硫黄・酸素・窒素などさまざまな物質を含む液状の油で、鉱物資源の一種である。地下の油田から採掘後、ガス、水分、異物などを大まかに除去した精製前のものを特に原油(げんゆ)と呼ぶ。
概要
[編集]「石油」は沈括の『夢溪筆談』からの言葉[1]。英語で石油は「Petroleum」という。これはラテン語のPetra(岩石)とOleum(油)を語源とする。狭義には天然の原油(crude oil)のことを指すが、より広い意味では天然ガスや固体のアスファルトなどを含める。さらに、原油を原料として製造された石油製品や石油化学製品をも含めることがある。また、日常生活では灯油を「石油」と呼ぶことも多い。
古くは石脳油(せきのうゆ)とも呼ばれた。
また、石油製品は連産品と呼ばれる。これは原油を精製してガソリンや灯油などを作る場合、ある特定の製品のみを作ることは出来ず、必ず全部の種類の油が生産されてしまうため、こう呼ばれている。石油の精製とは、油を性質の違いで分ける事(分留)なので、精製する元の原油の種類によって、生産される製品の割合(留分)が異なってくる。留分の中でも需要の多いガソリンは、より重い油を改質することで作ることができる[2]。
主に化石燃料として、世界中でさまざまな用途で使用されており、現代人類文明を支える重要な物質であるが、膨大な量が消費されており、いずれ枯渇すると危惧されている。
近年では、シェールオイルやオイルサンドなどに代表される、非在来型資源と呼ばれる資源が注目を集めている。存在自体は古くから知られていたものの、これまでは掘削技術や採算性の面から、開発が行われてこなかった。近年の掘削技術の進展や原油価格の高騰により、採算が取れる見通しとなったことから、2010年頃から北アメリカを中心に開発が進められている。シェールオイルの資源自体は世界中に遍在し、埋蔵資源量も在来型の石油資源を上回ると見込まれていることから、石油のさらなる安定供給や資源の偏在の解消が期待されている一方で、在来型の石油資源と比べ掘削費用が高く、石油価格の低迷時には油田開発が低迷する傾向がある。
起源
[編集]石油の起源についての論争は、生物由来説(有機成因論)と非生物由来説(無機成因論)の大きく2つに分かれる。論争の起源は古く、確認できる範囲ではともにルネッサンス期にまでさかのぼる[3]。今日では生物由来説が広く受け入れられている。非生物由来の石油(炭化水素)もわずかながら存在はしているが、全体からすると極めて少量と推定される[4]。
生物由来説(有機成因論)
[編集]現在の学説の主流である。百万年以上の長期間にわたって厚い土砂の堆積層に埋没した植物や藻などの生物遺骸は、高温・高圧下で油母 (ケロジェン) という物質に変わり、次いで液体やガスの炭化水素へと変化する[5]。これらは岩盤内の隙間を移動し、貯留層と呼ばれる砂岩や石灰岩など多孔質岩石に捕捉されて油田を形成する。この由来から、石炭とともに化石燃料とも呼ばれる。
有機成因論の根拠の一つとして石油中に含まれるバイオマーカーの存在がある。光合成生物の葉緑体に由来するポルフィリン、真核生物が生産するステロール(コレステロールなど)に由来するステラン、同様に細菌が生産するホパノイドに由来するホパン、あるいは酵素の関与しない化学反応では生成が困難な光学活性をもつ有機化合物などがバイオマーカーとして石油に含まれている[5][6]。これらバイオマーカーの組成と石油の熟成度には関連性が見出されている。また、石油中に含まれる炭化水素の炭素同位体比に関して、炭素数の少ない炭化水素ほど質量の軽い炭素同位体を含む割合が多くなるという傾向が、熱分解による炭化水素の生成の傾向と同じであることが知られている[要出典]。この結果は、メタンのような炭素数の少ない炭化水素の重合によって石油が生成したとする無機成因説とは矛盾する。
地球物理学者の石井吉徳は「2.25億年前に超大陸パンゲアが次第に分離、現在の姿になるまでの過程で2億年前の三畳紀(Triassic)以後に存在したテチス海(Tethys)が地球史上の石油生成に極めて特異だった。中生代は二酸化炭素の濃度が今より10倍も高く、気温は10℃も高かった。つまり地球温暖化で、植物の光合成は極めて活発であった。しかもこのテチス海は赤道付近に停滞し、海水は攪拌されず長く酸欠状態が続いた。このため有機物は分解されず、石油熟成に好条件であったことが中東油田の始まりである。石油は探せばまだまだあるという単純な発想は地球史から見て正しくない。」と有限性を強調している[7]。
また、2021年に石油と同等の炭化水素を合成する植物プランクトンのDicrateria rotunda (D. rotunda)が発見された。このプランクトンの合成する一連の飽和炭化水素の炭素数は10から38までであり、これはガソリン(炭素数10-15)、ディーゼル油(炭素数16-20)、燃料油(炭素数21以上)に相当する[8][9]。
非生物由来説(無機成因論)
[編集]石油「無機」由来説は、1940年代にBP(ブリティッシュペトロリアム)の研究所内では、無機生成物であることが主要理論であったが、市場戦略的な理由で機密扱いにしていた[要出典]。1850年代以降ロシア帝国の化学者メンデレーエフなどが提唱して、旧東側諸国では従来から定説とされていた学説である[要出典]。旧西側諸国でも、天文物理学者であるトーマス・ゴールドなどが無機由来説を唱えた[10]。
無機成因論の根拠としては「石油の分布が生物の分布と明らかに異なる」「化石燃料では考えられないほどの超深度から原油がみつかる」「石油の組成が多くの地域でおおむね同一である」「ヘリウム、ウラン、水銀、ガリウム、ゲルマニウムなど、生物起源では説明できない成分が含まれている」などが挙げられる[要出典]。また、生物起源論が根拠としている、炭素数の少ない炭化水素ほど質量の軽い炭素同位体を含む割合が多くなるという傾向は、地下から炭化水素が上昇する過程で、分子の熱運動により重い同位体が分離されたと解釈する[要出典]。この無機由来説に基づけば、一度涸れた油井もしばらく放置すると、再び原油産出が可能となる現象を説明することができる[要出典]。また超深度さえ掘削できれば、日本はもちろん世界中どこでも石油を採掘できる可能性があることになる。
石油の大部分が非生物由来であるとする仮説は、多くの地質学的および地球化学的証拠と矛盾しており、今日では認められていない[11]。非生物起源の炭化水素自体は存在するが、その量については商業的に有益な量ではまったくない[4]。米国石油地質学者協会のラリー・ネイションは「論争は、非生物起源の石油埋蔵量が存在するかどうかについてではありません」「論争は、それらが地球の全体的な埋蔵量にどれだけ貢献するか、そして地質学者がそれらを探すためにどれだけの時間と労力を費やすべきかについてです。」と述べている[12]。
石油分解菌説
[編集]無精製でも内燃機関を動かす事が出来る程、世界的にも稀な軽質油を産出する[要出典]、静岡県の相良油田では、有機成因論とも無機成因論とも異なる、第三の仮説が唱えられている[要検証 ]。1993年、当時京都大学大学院の今中忠行により相良油田から採取した石油分解菌「Oleomonas sagaranensis HD-1株」が嫌気性条件下で炭化水素を作り出すことを報告した[13]。この際生成された石油は、相良油田産の軽質油と性質が酷似しており、相良油田が形成された一因として唱えられている[要出典]ほか、今中忠行らはこの石油分解菌が、メタンハイドレートに関係していると指摘した[要出典]。
しかし2002年の論文では、この菌株の嫌気性条件での生育はむしろ否定されている[14]。また、相良油田の起源については有機物の熱分解とする結論が2006年に出されている[15]。ちなみに、微生物による炭化水素の合成自体は珍しいことではなく、広く知られている[16][17]。
成分
[編集]石油の成分のほとんどは炭化水素であり、色々な炭化水素の混合物から構成されている。その他、硫黄化合物、窒素化合物、金属類も含まれている。工業的に有用な石油製品を作るためには、分留によって成分を分ける。精製することにより、天然ガス、ナフサ(ガソリン)、灯油、軽油、重油、潤滑油、アスファルトなどが製品として得られる。
天然ガス
[編集]天然ガスは、沸点が30℃位までであり、常温よりも沸点が低いため、ガスとして分離する。主な構成成分は、メタン・エタン・プロパン・ブタン・ペンタンなど。但しプロパン及びブタンは、液化石油ガス(LPG)として販売される。
- CH4 (メタン、 methane) - 沸点 -108℃
- C2H6 (エタン、 ethane) - 沸点 -67℃
- C3H8 (プロパン、 propane) - 沸点 -43℃
- C4H10 (ブタン、 butane) - 沸点 -18℃
ナフサ
[編集]ナフサは沸点が30 - 200℃程度の炭化水素であり、粗製ガソリンとも呼ばれる。主成分は炭素数5 - 12のアルカンである。 炭素数5 - 7のナフサは、軽質ナフサと呼ばれ、透明で蒸発しやすく、溶媒やドライクリーニングの溶剤、あるいはその他の速乾性の製品に用いられる。炭素数が6 - 12のナフサは、重質ナフサと呼ばれ、水素化精製、接触改質などを経てから配合調整されガソリンとして精製される。ベンジンやホワイトガソリンはナフサから作られる石油製品である。
灯油・軽油
[編集]炭素数10 - 15の範囲の炭化水素からケロシンが作られジェット燃料に用いられる。炭素数10 - 20の範囲からディーゼル燃料(軽油)と灯油が精製される。
重油
[編集]沸点320℃以上の蒸留で、船舶のエンジンやボイラーに用いられる重油が精製される。これらの石油製品は、常温で液体である。
残油
[編集]常圧蒸留で蒸留できない残油は、減圧蒸留(真空蒸留)する。潤滑油と半固体の油脂(ワセリンを含む)は、炭素数16から炭素数20の範囲である。
炭素数20以上の鎖状炭化水素は固体であり、パラフィンワックスを皮切りに、タール、アスファルトの順である。
常圧蒸留留分の名称と沸点(℃)を示す:
- 石油エーテル (petrol ether) :40 - 70℃ (溶媒用)
- 軽ガソリン (light petrol) :60 - 100℃ (自動車燃料)
- 重ガソリン (heavy petrol) :100 - 150℃ (自動車燃料)
- 軽ケロシン (light kerosene) :120 - 150℃ (家庭用溶媒・燃料)
- ケロシン (kerosene):150 - 300℃ (ジェット燃料)
- ガス油 (gas oil):250 - 350℃ (ディーゼル燃料/軽油/灯油)
- 潤滑油:> 300℃ (エンジン・オイル)
- 残留分:タール、アスファルト、残余燃料
公害・環境問題
[編集]歴史
[編集]前近代
[編集]地下から湧く燃える水の存在は、古代から各地で知られていた。産地で燃料や照明に用いた例も多い。たとえば4世紀には中国大陸で石油の採掘が行われたという記録がある。ビザンティン帝国にはギリシャ火薬と呼ばれる火炎放射器、あるいは焼夷弾に似た兵器があった。ギリシャ火薬の製法は現在では失われているが、原料のひとつとして石油が使用されていたと考えられる。また1691年には現在も石油の生産が行われているルーマニアのモレニ油田から石油が採掘され、産出された石油は品質の点で他の油より良いとされていた。しかし、大量生産はずっと後のことであった。
なお、世界最古の石油製品は石器時代には既に接着剤として利用されていた天然アスファルトとされている[18]。紀元前3000年のころ、メソポタミアでは、地面の割れ目からしみ出していた天然アスファルトが、建造物の接着やミイラの防腐、水路の防水などに使われていた。紀元前1世紀ごろの記録では、石油を傷口にぬって血を止めたり、発熱をおさえるなどの万能薬として用いられていたと記されている。
日本では天智7年(668年)、日本書紀に越の国から「燃ゆる土」と「燃ゆる水」が近江大津宮に献上されたという記録が残っている。江戸時代になると石油は「くそうず」(臭水、草生水などと表記)と呼ばれていた。
このように石油の発見自体は非常に古く、産地においてその存在は有史以前から知られていたものの、積極的に利用されていたとは言い難く、それどころか多くの国で利用の禁止さえされていたこともある。その理由については宗教や迷信も含めて様々だが、やはり最も大きい理由として挙げられるのは燃焼時等に発生する有毒ガスの危険性であると推測される。
精製された現在の石油製品でさえその危険性は皆無ではなく、未精製の石油に至っては比較にならないほどリスクが高い。そのため石油は産地におけるごく小規模の利用にとどまり、積極的な実用には至らなかった。
19世紀
[編集]アメリカ合衆国では1855年、ネイティブ・アメリカンが薬用にしていた黒色の油を精製したところ、鯨油よりも照明に適していることが分かり、油田開発がスタートした[19]。需要が伸びるにつれ、原油採掘の必要性が高まったところ、機械掘りの油井の出現が、石油生産の一大画期をなした。
エドウィン・ドレーク(ドレーク大佐)が1859年8月に、ペンシルベニア州タイタスビルの近くのオイル・クリークで採掘を始めたのが世界最初と言われる。しかし、別のところでもっと早くあったとする説もある。19世紀後半には、アメリカ合衆国、ルーマニア、ロシア帝国のコーカサス地方が石油の産地であった。
1863年、ジョン・D・ロックフェラーがオハイオ州クリーブランドで石油精製業に乗り出し、1870年、スタンダード石油を設立した。同社は事業統合を重ね、1884年にはアメリカ合衆国全体の石油精製能力の77%、石油販売シェアは80-85%に達した。その後あまりに巨大化したスタンダード石油に対し、世論の反発が起き、1890年に成立したシャーマン反トラスト法により、同社は34の会社に解体された。ただし、消滅したわけではなく、分割されただけである。スタンダード石油が前身となって、今日のエクソンモービル、シェブロンなどの旧7大メジャーができた。
1858年には、最初の実用内燃機関として、石炭ガスで動作するルノアール・エンジンが発明され、1876年にドイツ帝国のニコラウス・オットーが、4ストローク機関のオットーサイクルを発明した。1870年頃には石油から灯油を採った後に残るガソリンは、産業廃棄物として廃棄されていたが、1883年にゴットリープ・ダイムラーが、液体燃料であるガソリンを用いられる内燃機関を開発、1885年にダイムラーによる特許が出される。同年、ドイツ帝国のカール・ベンツは、ダイムラーとは別にエンジンを改良した[20]。自動車の動力源には、蒸気機関や電気も用いられていたが、20世紀初めまでにこれらは衰退した。このような技術革新により、19世紀後半以降石油の普及が促進された。
日本でも明治初期には、輸入ランプ用の灯油が普及し、文字どおり「灯りの油」として広く利用されるようになった[21]。
第二次世界大戦まで
[編集]19世紀末の自動車の商業実用化、20世紀初めの飛行機の発明は、ガソリンエンジンと切り離しては考えられない。船舶も重油を汽缶(ボイラー)の燃料にするようになった。
石油自体は珍しくないが、大量生産できる油田は少なく、発見が困難であったため、石油産地は地理的に偏った。戦車、軍用機、軍艦などの燃料でもあったことから、20世紀半ばから後半にかけて、石油は戦略資源となった。
20世紀前半には、ベネズエラやインドネシアが石油の輸出地に加わった。この当時、世界の石油生産はアメリカ、ソ連、そしてベネズエラが多く占めていた。その中でもアメリカ合衆国は約70パーセントを占めていた。
第二次世界大戦後
[編集]第二次世界大戦後、石油の新たな用途として、既に戦前に登場していた化学繊維やプラスチックが、あらゆる工業製品の素材として利用されるようになった。また、発電所の燃料としても石油が利用された。
また、中東に新たな大規模油田が相次いで発見された。中東は良質の優れた油田が多いだけでなく、人口が多くなく現地消費量が限られているため、今日まで世界最大の石油輸出地域となっている。
石油の探査には莫大な経費と高い技術が必要となるが、成功時の見返りもまた莫大である。必然的に石油産業では企業の巨大化が進んだ。独自に採掘する技術と資本を持たない国では、巨大資本を持った欧米の少数の石油会社に独占採掘権を売り渡した。これによって石油開発の集中化はさらに進み、石油メジャーと言われる巨大な多国籍企業が誕生した。大量産出によって安価になった石油はエネルギー源の主力となった。この変化はエネルギー革命と呼ばれた。
しかし1970年代に資源ナショナリズムが強まると、石油を国有化する国家が相次いだ。1973年から1974年には、第四次中東戦争でアラブ石油輸出国機構がイスラエル支持国への石油輸出を削減する動きをみせ、オイルショックと世界的な不況をもたらした。
現在
[編集]他にも北海やメキシコ湾など、世界各地で石油が採掘されるようになると、原油供給が中東に集中していた状況は改善され、石油の戦略性は低下していった。しかし今日でも石油の重要性は低下しておらず、原油価格の変動が、世界経済に与える影響は依然として大きい。
2020年3月、産油国による協調減産体制が終了したところに新型コロナウイルス流行に伴う景気減速が重なり、原油価格が1バレル20ドル台に暴落。生産費用(後述)が比較的高いシェールオイル関連業者は、大きな打撃を受けた[22]。2020年4月1日、大手シェールオイル開発会社の「ホワイティング・ペトロリアム」が破綻し、2020年3月9日の原油価格暴落以来、ニューヨーク証券取引所に上場する石油会社としては初の連邦倒産法第11章適用となった[23][24]。6月28日にはアメリカの石油生産1 %、天然ガス生産2 %を担っていた「チェサピーク・エナジー」が資金繰りの悪化から破綻した[25]。シェールオイル関連企業は社債の一種である「ハイイールド債」と呼ばれる信用力は低いが利回りの高い債券(ハイリスク・ハイリターン商品)を発行して、資金を調達しているが、新型コロナウイルスの感染拡大による金融市場の混乱に伴い金利が急上昇し、資金繰りが苦しくなっている。
石油の代替品として、アンモニアと水素から直接作りだす合成燃料の研究も行われている[26]。
日本の石油事情
[編集]日米貿易は1853年の日米和親条約に始まったが、石油については、1879年にアメリカ人で商船J. A.トムソンの船長チャールズ・ロジャースが知人に頼まれ日本の物産を購入する際、新たな市場としての日本へ貨物として原油を精製した石油を届けている[27]。
現在では、新潟県・秋田県の日本海沿岸、および北海道(勇払平野)でごくわずかではあるが原油が採掘されている。生産量は年間で63万キロリットル(2014年度)で、国内消費量全体に占める比率は0.3%に過ぎない[28]。新たに釧路平野に原油の存在が予測されており、経済産業省は新たに鉱区を設定した。
一方で原油の輸入量は国内消費量全体の99.7%、1億9,104万キロリットル(2016年度)[29]である。輸入相手国は上位よりサウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、イラン、クウェートと、中東地域からが全体の87%を占めている(2016年度)[29]。
日本の石油会社
[編集]国際石油資本(メジャー)のような海外大手石油会社は、石油の探鉱、生産、輸送、精製、元売りまでを一貫して手がける垂直統合を行っているため、日本の石油会社も精製、元売り(これを下流事業という)のみから、上流事業(探鉱、開発、生産)を手がけるようになってきた。上流事業を専業とする日本の有力石油会社にはINPEX、石油資源開発、三井石油開発があり、下流事業の有力会社としては以下のグループがある。
国内石油会社
[編集]- ENEOSホールディングス
- 出光興産(IDEMITSU)国内2番手。戦後、創業者の出光佐三により発展。長期間未上場だったが、2006年10月に東証一部に上場する。2019年4月に昭和シェル石油と経営統合し、同社を完全子会社とする。
- コスモエネルギーホールディングス
- キグナス石油(KYGNUS)
- 太陽石油(SOLATO)
日本の石油諸税
[編集]日本で消費される石油には多段階にわたってさまざまな税金がかかっている。これを石油諸税と言う。
- 輸入段階(次の2税目が加算されて課税される)
- 製品段階(次の5種類の個別間接税がそれぞれかかる)
この結果、たとえばガソリン1リットルには、消費税を除いて約56円の税金がかかっている計算になる。
前記の各税金のうち軽油引取税だけが地方税で、それ以外の税金は国税である。石油諸税の年間税収額は、2004年(平成16年)度予算で約4兆8,641億円となっている。地方税である軽油引取税を除いた税収合計は、国税収入の約12%を占め、所得税、法人税、消費税に次ぐ第4位の税収規模になっている。また、消費税以外の石油諸税は目的税となっており、その84%が道路整備財源として使われている。そのほか石油対策、空港整備などに使用されている。
日本の石油輸入先
[編集]2019年度 17,304万kl
- 1位 サウジアラビア 34.1%
- 2位 アラブ首長国連邦 32.7%
- 3位 カタール 9.3%
- 4位 クウェート 8.9%
- 5位 ロシア 4.8%
- 6位 オマーン 1.7%
- 7位 アメリカ合衆国 1.6%
- 8位 バーレーン 1.4%
- 9位 エクアドル 1.3%
- 10位 イラク 1.1%
日本の石油備蓄
[編集](2016年3月末現在)207日分(原油5.5億バレル相当)[30]
- 国家備蓄 4,734万kl(製品換算)122日分
- 民間備蓄 3,130万kl(製品換算)81日分
- 産油国共同備蓄 134万kl(製品換算)4日分
アメリカの石油戦略備蓄
[編集]米国には2011年2月現在17.27億バレルの石油備蓄を持つ。この中には米国内油田で産出せずに備蓄指定しているものを含む。(日本5.5、ドイツ2.8、フランス1.8、オランダ1.4等だが、ロシア、中国などの備蓄量は不明)
可採量
[編集]石油の埋蔵量に関する将来予測は、その時の経済活動・技術動向の状況に左右されており単純な自然科学的根拠に基づいているわけではない。20世紀末からの可採量増大の背景には、原油価格の上昇と技術の向上がある。1973年の第一次石油危機の際には多くの石油専門家がマスコミに登場して「あと30年で石油は枯渇する」と主張していたが、2005年の段階でも「現在発見されている油田可採埋蔵量だけでも現在の消費量で割ればあと40年は供給できる」とされているように、可採量は毎年増大し続けた[31]。
可採年数
[編集]可採年数(R/P)とは、ある年度において埋蔵が確認されている石油のうち、その時点での技術で採算の合うコストで採掘可能な埋蔵量(R)を、その年度の実際の生産量(P)で割った値である。この値の意味を誤って解釈し、「石油は後何年でなくなる」などと吹聴するものもいるが明確な誤りである。例えばBP統計によれば、1970年の可採年数は約35年であったが、2005年に石油が枯渇したという事実が存在しないことは明らかである。ちなみに2007年度末の価格での可採年数は41.6年であった。
また安価な代替品が存在する場合、地中に多くの石油が残存していても相対的に採掘コストが高く生産が成り立たなくなり、可採埋蔵量なし、可採年数0、つまり、「枯渇」ということになる。
価格上昇
[編集]可採年数は、原油価格が上がると伸びるという特性がある。それは、原油価格が変化すると『採掘可能な埋蔵量』が変化するためである。以下に例を示す。
- ある油田は1バレルあたり採掘コストが30ドルかかるとする。このとき、もし原油価格が1バレルあたり10ドルならば、この油田は採算に合わないため『採掘可能な埋蔵量』には含まれない。しかし、もし原油価格が1バレル50ドルに上昇すれば、この油田は充分採算に合うため『採掘可能な埋蔵量』に含まれることになる。
現在の採掘技術でコストを考えずに採掘を行えば、あと数百年分は埋蔵されているとも言われるが、石油を取り巻く事情は常に変化し続ける。また、埋蔵量は各国の自己申告であり、政治的な理由のかさ上げが何度も判明してきた。
人類が採掘可能な石油埋蔵量を究極可採埋蔵量という。1970年代にはこれは2兆バレルと考えられており、また、その時点での既発見の埋蔵量は1兆バレルと考えられていた。しかし、2005年には3兆バレルまで増大していた[32]。需要は今後も拡大すると思われる石油だが、わざと供給をなるべく小さくして原油価格を上げようとしているのでは無いかという意見も聞かれる。
消費量の増大
[編集]R/Pは「その時点での消費量が、増えずに永遠に続く」と言う前提の計算であることに留意しなければならない。つまり今世紀初頭、自動車人口は先進国と一部共産圏で10億人ほどであったが、中国13億人、インド12億人、東南アジア5億人という人口規模の地域で自動車が普及した場合、今世紀中盤には自動車人口が35億人に増える。つまり掘り取られる速度が3.5倍にまで早くなるため、永遠にこれらの人々が自動車に乗らない前提で計算しているR/Pでは、予想より早く枯渇することとなってしまう。
このようなR/Pの指標としての欠陥から、最近はR/Pよりピーク理論で事実上の資源持続期間を表示することが多い。(石油ピーク参照)
採油技術の向上
[編集]従来の採油技術は単純に油層の圧力で自噴させるかポンプで汲み上げるだけであり、地下に存在する原油の内の容易に出てくるものだけが得られるに過ぎなかった。この「一次回収」と呼ばれる方法では地下に存在する原油の20-40%しか得られない。しかし、採油技術が向上し「二次回収」「三次回収」と呼ばれる技術で場合により100%に近い回収が行なえるようになっている。
地下油田の内部状態も三次元や四次元地震探鉱技術によって立体的に判別出来るようになり、取り残しの原油が見通せるようになっている。
「傾斜掘り」や「水平掘り」と呼ばれる自由な方向に掘り進める技術や地中で分岐させる技術の登場によって、原油が存在する地層を縫うように掘り進める事が出来るようにもなってきている。
また、従来は採掘が不可能とされていた大深度地下の油層や水深2000m以上の深海油田や極地での採掘が可能になっており、油田探査の対象地域も拡大している[31]。
統計
[編集]1日あたり原油生産量
[編集]近年、アメリカ合衆国が生産量を伸ばしている。
2016年 英BP[33](単位 万バレル)
全世界 9215.0(100.0%)
中東 3178.9(34.5%)
- アメリカ合衆国 1235.4(13.4%)
- サウジアラビア 1234.9(13.4%)
- ロシア 1122.7(12.2%)
- イラン 460.0(5.0%)
- イラク 446.5(4.8%)
- カナダ 446.0(4.8%)
- アラブ首長国連邦 407.3(4.4%)
- 中華人民共和国 399.9(4.3%)
- クウェート 315.1(3.4%)
- ブラジル 260.5(2.8%)
確認埋蔵量
[編集]2010年米エネルギー情報庁(単位 億バレル)
- 全世界13,542
- サウジ 2624
- カナダ 1752
- イラン 1376
- イラク 1150
- クウェート1040
- ベネズエラ994
- UAE 978
- ロシア 600
- リビア 443
- ナイジェリア 372
- カザフスタン 300
- カタール 254
- 中国 204
- 米国 191
- ブラジル 128
- アルジェリア 122
- メキシコ 104
2007年 Oil and Gas Journal
- サウジアラビア2598
- イラン 1363
- イラク 1150
- クウェート990
- ロシア 600
- アラブ首長国連邦 922
- ベネズエラ 800
- ナイジェリア362
- リビア 415
- カザフスタン300
- アメリカ合衆国218
- 中国160
- カタール152
主な産油国と油田一覧
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 沈括 (中国語), 『夢渓筆談』巻二十四 雑誌一, ウィキソースより閲覧。:鄜・延境内有石油、旧説「高奴県出脂水」、即此也。
- ^ 甘利重治・山岡博士著 河村幹夫監修 『石油価格はどう決まるか』 時事通信社 2007年12月20日第一刷発行 ISBN 978-4-7887-0768-9
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- ^ Peters, K. E.; Walters, C. C.; Moldowan, J. M. (2004). The Biomarker Guide: Volume 2: Biomarkers and Isotopes in Petroleum Systems and Earth History. 2 (2 ed.). Cambridge: Cambridge University Press. doi:10.1017/cbo9781107326040. ISBN 978-0-521-03998-7
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- ^ 石油連盟 今日の石油産業データ集2016 12頁 (PDF)
- ^ a b 資源エネルギー庁 資源・エネルギー統計年報 平成28年 92頁 (PDF)
- ^ 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 基礎情報:備蓄データ
- ^ a b 藤和彦著 『石油を読む』 日本経済新聞社 日経文庫 2005年2月15日1版1刷 ISBN 4-532-11056-4
- ^ 石鉱連資源評価スタディ2007年 (世界の石油・天然ガス等の資源に関する2005年末における評価)2007年11月石油鉱業連盟発行
- ^ BP Statistical Review of World Energy 2017 14頁 (PDF)
参考文献
[編集]- 貝原益軒『大和本草』巻之三 (PDF) 、宝永6年(1709年)。 中村学園大学・短期大学部図書館「電子図書館貝原益軒データ」(2010年7月閲覧)。
- 鈴木牧之・撰、京山人百樹・刪定『北越雪譜』初編、天保8年(1835年)。岡田武松・校訂『北越雪譜』、岩波書店(岩波文庫)、改版1978年(初版1936年)、ISBN 4-00-302261-0。
- 瀬木耿太郎『石油を支配する者』(岩波新書、1988年)
- 藤和彦『石油を読む』(日経文庫、2005年)
- 正井泰夫『今がわかる 時代がわかる 世界地図』(成美堂出版、2007年)
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 石油化学工業会 - 石油化学用語辞典あり
- 石油情報センター
- 石油天然ガス・金属鉱物資源機構
- 石油技術協会
- 石油鉱業連盟
- Abiotic Oil: Science or Politics?
- 『石油』 - コトバンク