函館工業高等専門学校
函館工業高等専門学校 | |
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図書館側から情報棟を眺める | |
略称 | 函館高専 |
英称 | National Institute of Technology, Hakodate College (NIT, Hakodate College) |
設置者 | 国立高等専門学校機構 |
種別 | 国立工業高等専門学校 |
校訓 | 汝が夢を持て 大志を抱け 力強かれ |
設立年 | 1962年 |
学生数 | 994人 |
学科 |
生産システム工学科 物質環境工学科 社会基盤工学科 |
専攻科 |
生産システム工学専攻 物質環境工学専攻 社会基盤工学専攻 |
所在地 | 〒042-8501 |
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北緯41度47分0.09秒 東経140度48分10.21秒 / 北緯41.7833583度 東経140.8028361度座標: 北緯41度47分0.09秒 東経140度48分10.21秒 / 北緯41.7833583度 東経140.8028361度 | |
ウェブサイト | https://www.hakodate-ct.ac.jp/ |
ウィキポータル 教育 ウィキプロジェクト 学校 |
函館工業高等専門学校 図書館 NIT, Hakodate College, Library | |
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図書館入口・情報棟側より | |
施設情報 | |
前身 | 函館高専 図書室 |
事業主体 | 函館工業高等専門学校 |
延床面積 | 1,600 m2 |
開館 | 1970年(昭和45年) |
所在地 |
〒042-0953 函館市戸倉町14-1 |
統計情報 | |
蔵書数 | およそ8万冊(2017年時点) |
公式サイト | https://www.hakodate-ct.ac.jp/~w-gakujo/tosyo/libra_j.htm#cont_article |
備考 | 学外者の利用は、受付にて申込みが必要。 |
地図 | |
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館 |
函館工業高等専門学校(はこだてこうぎょうこうとうせんもんがっこう、英称:National Institute of Technology, Hakodate College[注釈 1])は、北海道函館市にある国立高等専門学校[1][2]。略称は函館高専[2]。英略称はNIT, Hakodate College[3]。
概要
[編集]函館市東部の丘陵地に位置し、函館空港とは指呼の距離にある。離着陸する航空機内および空港アクセス道路からは高専キャンパスを目にすることができる。
1962年の高等専門学校第一期校としての設置[4]以来、40年を経て北海道南部(渡島檜山地方)における唯一の工学系高等教育機関としての地位を確立し、それに加えて函館市の主導する「函館水産・海洋都市構想」における学術研究部門を担っている[5]。
本科(5年制・準学士課程)3学科と専攻科(2年制・学士課程)3専攻を擁し[6]、1000人を越える学生が在籍している。
2024年8月に行われた、モルック世界大会in函館の会場[7]。また、同時開催される音楽フェス、「レインボリーミュージックジャンボリー」は、同校体育館で行われた[8]。
所在地
[編集]- 校舎:〒042-8501 春潮寮:〒042-0953 北海道函館市戸倉町14番1号[2](市道湯川高丘線沿)
- 醸造ラボ:〒042-0917 北海道函館市亀尾町28号 上川大雪酒造五稜乃蔵内[9]
- 最寄のバス停留所:亀尾(函館バス99系統、徒歩1分)
教育理念
[編集]校訓
[編集]汝が夢を持て 大志を抱け 力強かれ
(ながゆめをもて たいしをいだけ ちからづよかれ、Thou shall dream, aspire and be strong.)
校歌
[編集]同校の校歌は、全三番の構成であり、作詞者は初代校長の太秦康光、作曲者は矢野一郎。各番の最後には校訓が入る。同校周辺の地名や自然は出てくるが、同校を直接的に表す「函館高専」などといった表現は出てこない。著作権の関係上、歌詞は以下のリンクを参照のこと。
校章
[編集]函館市の木であるイチイの枝の濃緑の葉と赤く熟した実に 「豊かな自然」と「情熱」を、固く結ばれ た青いリボンに「青雲の志」を象徴させ、その中で、未来にはばたく有為人材を育成する高等教育機関として、 永遠に光り輝く「函館高専」の姿をデザインした[12]。
ロゴマーク
[編集]同校は、創立50周年記念事業の一つとして、ロゴマークを募集した[13]。審査の結果選ばれたのは、以下のような特徴をもつロゴマークである。
- 函館の頭文字「H」を基調にし、技術と英知で未来へ躍動する元気な同校のイメージをもたせた。
- 赤色(太陽)、青色(空と海)、緑色(大地と青葉)を取り入れ、豊かで恵まれた函館を表現した。
- 現代的でシンプルかつ親しみやすく、長く愛されることをテーマとした。
このロゴマークは、現在でも同校ウェブサイトで閲覧できる。
教育目的
[編集]技術者に必要な実践的かつ専門的な知識および技術を有する創造的な人材を育成するとともに、実践的研究水準の向上に努め、道南地域唯一の総合的な技術系高等教育機関として均衡ある発展を図る。
教育目標
[編集]- 創造力と実行力を持った技術者
- 専門技術に関する基礎知識を持った技術者
- 情報技術を活用できる技術者
- 社会の歴史や文化、技術者倫理を理解して行動できる技術者
- 多面的なコミュニケーション能力を持った技術者
- 問題解決のためのデザイン能力を持った技術者
アドミッション・ポリシー(本科一年次入学・帰国子女)
[編集]- 科学技術に興味があり,それを活用して社会へ貢献する意欲のある人
- 異なる文化を尊重し,国内及び国際社会で活躍したい人
- 大学や専攻科に進学してさらに高い専門性を身につけたい人
- 高専・大学・専攻科・実社会などの各ステージを通して成長し続けたい人
- 仲間と協力してともに成長し,未来を切り開こうとする協調性やコミュニケーション能力のある人
アドミッション・ポリシー(本科四年次編入)
[編集]- 将来取り組んでみたい課題を表現できる人
- 生徒会,部活動,委員会等のような他者との関わりのなかで得られた経験を持つ人
- 自らの意見や考えを的確に伝えることができる人
- 国際社会で活躍したいと考えている人
アドミッション・ポリシー(専攻科入学)
[編集]- 地球規模で活躍する自分を想像して,国際社会と関わりを持とうという意欲のある人
- 自らの良心に従って物事を判断しようとする人
沿革
[編集]前史
[編集]第38回国会において、学校教育法の一部を改正する法律が成立し、1962年より全国に高等専門学校が設置されることになった。函館市を中心とした地元の高等専門学校誘致の熱望に応え、同年1月10日、文部省が函館市内に三学科からなる高等専門学校を設置することを決定し、発表した。同年同月17日、文部大臣の裁定により、北海道大学長・北海道知事・函館市長からなる「函館工業高等専門学校設置準備委員会」を設置され、すでに設置されていた会長を当時の函館市長とした函館工業高等専門学校設置期成会と連携し、開校準備に当たった。
年表
[編集]- 1962年4月1日 機械工学科・電気工学科・土木工学科からなる国立高専一期校として開校。
- 1966年4月1日 工業化学科増設。
- 1991年4月1日 情報工学科増設。
- 1995年4月1日 土木工学科を環境都市工学科へ改組。
- 1996年4月1日 工業化学科を物質工学科へ改組。
- 2000年4月1日 電気工学科を電気電子工学科に改称。
- 2000年12月1日 技術室設置。
- 2001年7月1日 技術相談室設置。
- 2002年3月28日 構内LANシステム導入。
- 2003年3月20日 創造工房設置。
- 2004年4月1日 独立行政法人に移行。生産システム工学専攻・環境システム工学専攻からなる専攻科設置。
- 2007年5月14日 「複合型システム工学」教育プログラムがJABEE認定を受ける。
- 2008年4月1日 技術室を技術教育支援センターへ改組。
- 2010年1月18日 学習支援室設置。
- 2012年4月1日 開校50周年。記念式典などが行われる。また、「複合型システム工学」教育プログラムのJABEE認定が継続された。
- 2013年4月1日 機械工学科・電気電子工学科・情報工学科を生産システム工学科、物質工学科を物質環境工学科、環境都市工学科を社会基盤工学科に改組。生産システム工学科内に機械コース、電気電子コース、情報コースを設置。
- 2014年4月1日 キャリア教育センター・学習支援室及び学生相談室を統合し、総合学生支援センターに改組。
- 2016年4月1日 国際交流センター・キャリアセンター設置。
- 2017年4月1日 生産システム工学専攻・環境システム工学専攻の2専攻を、生産システム工学専攻・物質環境工学専攻・社会基盤工学専攻の3専攻に改組。
- 2022年3月24日 令和3年度の独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が実施した高等専門学校機関別認証評価において、高等専門学校評価基準を満たしていることが認定された。
- 2023年4月1日 グローバルエンジニア特待生制度新設。
歴代校長
[編集]引用:[19]
- 初代 太秦康光 - 男爵・北大名誉教授(理学部パリ会議参加)・理学博士
- 二代 武谷愿 - 北大名誉教授・工学博士
- 三代 神原富民 - 北大名誉教授・理学博士
- 四代 伊藤英治 - 北大名誉教授・理学博士
- 五代 延與三知夫 - 北大名誉教授・Ph.D
- 六代 東市郎 - 北大名誉教授(副学長)・薬学博士
- 七代 長谷川淳 - 北大名誉教授・工学博士・第92代電気学会長
- 八代 岩熊敏夫 - 北大名誉教授・理学博士
- 九代 伹野茂 - 北大名誉教授・工学博士
- 十代 阿部恵 - 英語学者・Ph.D
設置学科・コース
[編集]本科第1学年では、混合学級制度により、合格した学科にかかわらずクラスの編成を行い、同じカリキュラムを学ぶ。それにより、1年間の学習を経て、自らの適性に合わせて2年次からの学科を選択することができる[注釈 2]。本科の入学試験には推薦選抜と、一般選抜があり、どちらの選抜においても、2年次からの志望学科をあらかじめ設定する。しかし、一般選抜で入学した場合、入学後の学業成績によって学科配属は左右される。推薦選抜の場合は、基本的には合格した学科に優先的に配属される。ただし、合格した学科と異なる学科を志望した場合は、一般選抜と同じく、学業成績により学科が配属される[20]。同校の設置学科は複合系学科と、建設・建築系学科、化学・生物系学科の3学科5コース構成となっており、全国の高等専門学校の中では唯一の形式である[21]。本科を修了後、「準学士」の称号、専攻科を修了かつ学位授与試験合格後、「学士」の学位が与えられる[4]。また、2023年度より、推薦選抜においてグローバルエンジニア特待生制度が導入され[18]、前籍校での成績が特に優秀であったものが全体の約10%ほど選出される。中学校での成績については、第3学年の数学・英語・理科の評定が5段階評価のうちすべて5で、全体の合計が39以上であることが求められる。国際寮への優先入寮・国際交流プログラムへの優先参加・在学中1回の海外渡航費補助などの特典がある。
- 生産システム工学科 - S, Department of Production Systems Engineering
- 機械コース - SM, Mechanical Course
- モノづくりのための機械系の専門知識を主に学ぶ。工作機械による加工方法・計測方法、設計法や、力学について学習し、実習を通して理解を深めることで機械技術者としての専門性を養う[25]。2013年4月1日設置。定員は40名。
- 電気電子コース - SE, Electrical and Electronic Course
- 安全で豊かな未来の社会を実現する、電気電子技術者としての専門性を養う。電子工学、電気電子回路、パワーエレクトロニクスや、プログラミング基礎などの科目が開講される[26]。2013年4月1日設置。定員は40名。
- 情報コース - SJ, Information Course
- IT技術者としての専門性を養う。コンピュータアーキテクチャ、応用プログラミング、信号処理、ソフトウェア工学などの科目が開講される[27]。2013年4月1日設置。定員は40名。
- 機械コース - SM, Mechanical Course
- 物質環境工学科 - C, Department of Materials and Environmental Engineering
- 社会基盤工学科 - Z, Department of Civil Engineering
- 社会基盤コース - ZZ, Civil Course
- インフラの整備、防災・復興などのプロジェクトでリーダーとなりうる技術者を育成する。都市デザインや建設設計などの座学や、それに加えた実験・実習などを通して、実践的な総合力を持った建設技術を身につける[30]。2013年4月1日設置。定員は40名。
- 社会基盤コース - ZZ, Civil Course
かつてあった学科
[編集]- 機械工学科 - 1962年、開校と同時に設置。2013年に生産システム工学科機械コースに改組。
- 電気電子工学科 - 1962年、開校と同時に設置。設置当時の名称は電気工学科。2000年に左の名称に改称し、2013年に生産システム工学科電気電子コースに改組。
- 土木工学科 - 1962年、開校と同時に設置。1995年に下記環境都市工学科に改組。
- 工業化学科 - 1966年設置。1996年、下記物質工学科に改組。
- 情報工学科 - 1991年設置。2013年に生産システム工学科情報コースに改組。
- 環境都市工学科 - 1995年設置。2013年に社会基盤工学科に改組。
- 物質工学科 - 1996年設置。2013年に物質環境工学科に改組。
専攻科(学士課程)
[編集]- 生産システム工学専攻 - Advanced Course of Production Systems Engineering
- 物質環境工学専攻 - Advanced Course of Materials and Environmental Engineering
- 社会基盤工学専攻 - Advanced Course of Civil Engineering
かつてあった学科
[編集]- 環境システム工学専攻 - 2004年、専攻科設置と同時に設置。2017年に物質環境工学専攻と社会基盤工学専攻に改組。
施設
[編集]敷地は、東西に約400m、南北に約400mと広がっており、面積は124,901m²である[31][注釈 4]。この敷地は、函館市が高専誘致のために確保していたものである[16]。正門から左に曲がると校舎、右に曲がると春潮寮があるが、校舎の入り口までは約200mの距離がある。構内には20km/h以下の速度制限や、一方通行規制などが敷かれている。また、自転車通学用に、一部に自転車専用道路が整備されている[32]。同校南部には森林が広がっており、北海道道83号線からは校舎・春潮寮などを見ることはできない。渡り廊下でつながる棟(校舎)は、11棟の建物からなる。また、正式名称とは別にアルファベット名称もあり、正式名称の横に円括弧をつけて示す。
学内主要施設一覧
[編集]管理棟(A棟)
[編集]- 総務課、校長室、事務部長室、応接室、用務員室などがあり、同校の中枢を成す。図書館、講義棟に隣接している。1階建て。
講義棟(B棟)
[編集]- 講義室(HR)、教員室、CALL教室、キャリアセンター、物理実験室、第1・2・3会議室などがあり、一部の学年の講義はここで行われる。3階建て。
実験棟(C棟)
[編集]- 主に1階・2階にシビルセンターA・B、熱機関実験室、生産システム総合演習室をはじめとした実験室と講義室(HR)、3階に教員室がある。エレベーターが1基設置されている。3階建て。
実習工場(D棟)
[編集]物質環境棟(E棟)
[編集]- 1階・2階には主に物質環境系の実験室、3階には教員室がある。3階建て。
図書館(F棟)
[編集]- 約8万冊の所蔵があり、マンガや雑誌も貸し出しされている[36]。学外者の利用も可能だが、貸出冊数やジャンルの制限がある。また、2階にはセミナールーム・グループラーニングルームなどの貸し出し可能施設もあり、学外者には有償で貸し出している。[37]。2階建て。
福利施設(G棟)
[編集]- 売店では、弁当・菓子・飲料・文房具などが購入できる。また、カフェテリア[38]では、日替わりのメニューや、ラーメン・カレーや日替わりパン、フライドポテトなどのスナックも提供されている。また、自動販売機コーナーも設置されており、通常のものに加え、紙コップ式自動販売機などが設置されている。また、2階にはKOSENコモンズのラウンジが設置されており[39]、企業との産学提携を通じた地域貢献・アントレプレナーシップの推進を行っている。2階建て。
情報棟(H棟)
[編集]- 情報処理演習室・プログラム演習室をはじめとした情報系の演習室、講義室(HR)、教員室がある。1階は、エントランスとしての役割も果たしており、正面玄関から向かって左側は講義棟、右側は低学年講義棟、奥には学生課がある。エレベーターが設置されており、4階建て。
- 低学年の講義室(HR)と、第一講義室が設置されている。第一講義室は同校で最も大きい講義室である[40]。学年全体の講義や、集会に使用される。また、グラウンド側に入口がある。4階建て。
地域共同テクノセンター棟(J棟)
[編集]- 食品チャレンジ工房、ドローン研究センターをはじめとした多種多様な研究室が設置されている。地域企業との産学連携を行うために2004年に設置された。専攻科棟と接続されていて、3階建て。
専攻科棟(K棟)
[編集]- 2006年に設置された専攻科棟専用の棟。ゼミナール室、教員室と、いくつかの研究室がある。エレベーターが設置されていて、3階建て。
第一体育館・第二体育館・武道場
[編集]- グラウンドの東側、校舎の南側に位置し、体育室が2室と柔道・剣道室が1室設置されている。三つの建物は渡り廊下でそれぞれ接続されている。また、教員室と更衣室、器具室、ビデオ学習室なども設置されている。いずれも1階建て。
春潮寮
[編集]- #春潮寮を参照。
屋外施設
[編集]- 総合グラウンド
- 第二グラウンド
- 野球場
- テニスコート
- アーチェリー場
- プール
- ゴルフ練習場
なお、これらに限らない。
学外施設
[編集]醸造ラボ
[編集]- 2021年11月、函館市に54年ぶりの日本酒酒蔵である函館五稜乃蔵(はこだてごりょうのくら)の中に、「函館高専醸造ラボ」が設けられた。酒蔵の中に研究室がある教育施設には例がなく、全国から注目が集まっている[9]。ブランドに付随する商品開発の研究、関連する機器・装置の設計、発酵・醸造技術による地域活性化などが行われている。キャンパスからはおよそ6.5km離れており、徒歩で約2時間。
- 団地。〒042-0932 北海道函館市湯川町2丁目40-2[43]。キャンパスからおよそ2km。
- 団地。〒040-0015 北海道函館市梁川町13-10[43] 。キャンパスからおよそ5km。
- 1963年まで存在した、現在の春潮寮が完成するまで使用されていた仮設寮。函館市湯川町あたりに位置した。
施設・設備の変遷
[編集]- 1962年4月 函館市立中央中学校の元校舎を仮校舎として開校。この校舎は、1899年に重砲兵隊の兵舎として建てられたものであった。
- 1962年12月 現在の校舎の第一期工事が竣工。
- 1963年3月 寄宿舎の第一期工事が竣工。当時までの仮設寮であった「巴寮」から約半数の寮生が移転した。
- 1963年4月 現在の校舎の第二期工事が竣工。また、国立文教施設環境整備のモデル校に指定され、構内道路の舗装、グラウンド整備、水銀灯の設置などの環境整備が行われた。
- 1963年12月 寄宿舎の第二期工事が竣工。また、当時の校長によって「春潮寮」と命名された。
- 1964年11月 寄宿舎や体育館など、計画されていた工事がすべて竣工。体育館で校舎落成記念式典が挙行された。
- 1965年10月 学生集会所と学生食堂竣工。理髪室も併設していた。
- 1967年3月 工業化学科の増設に伴い、学科等・講義室・教官室・学寮・武道場の増設工事が竣工。
- 1970年 図書館竣工。当時までは、校舎内の一角に図書室が設けられていた。
- 1978年3月 第二体育館新設・武道場増設工事が竣工。
- 1984年3月 食堂跡地に福利会館が竣工。1階に食堂、売店、理髪室、保健室、教育相談室とホール、2階にはクラブ活動用の共用室と、音楽室があった。
- 1987年 管理棟から図書館、福利会館への渡り廊下が完成。
- 1993年3月 情報工学科棟(現在の情報棟)が竣工。
- 1999年12月 低学年講義棟・大講義室(現在の第一講義室)が竣工。
- 2004年3月 地域共同テクノセンター棟が竣工。
- 2006年7月 専攻科の設置に伴って、専攻科棟が地域共同テクノセンター棟に併設して竣工。
- 2021年11月 国際寮竣工。上川大雪酒造五稜乃蔵内に醸造ラボ竣工。
備考
[編集]断りがない限り、引用:[16]
- 当初、現在の第二体育館の位置に講堂の設置が計画されていた。
- 学生会館は、現在の春潮寮側に設置が予定されていた。
- 学生会館完成当初、理容室が入っていた。
- 2019年に図書館、2020年に福利施設の大規模な改修が行われた[12]。
施設画像
[編集]- 函館高専の施設画像
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校門
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西側より校舎を眺める
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図書館
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カフェテリア
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低学年講義棟と第一講義室
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専攻科棟
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KOSENコモンズ入口
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春潮寮国際棟とA棟
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エントランスから校門までの道路
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高専坂から函館山方面を眺める
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第二グラウンドからは、フレスポ函館戸倉を眺めることができる
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同校俯瞰
周辺
[編集]高専坂
- 正門を左に曲がると、非常に急な坂があり、学生や教職員、OB、そして地元住民の間では「高専坂」と呼ばれている。この坂は標高約32メートルの正門から、標高約5メートルの道道83号線との合流地点まで続いている。晴れた日には高専坂からだけでなく、校舎からも函館山、五稜郭タワー、そして津軽海峡を望むことができる[46]。
サツドラ函館戸倉店
- サッポロドラッグストアーが運営するドラッグストア。2023年8月に開業した[47][48]。同校に隣接しており、春潮寮玄関から構内売店よりも近いという始末である。はこの土地には、もともとコープさっぽろが店舗の新設届け出をしていたが、その後、計画を白紙にし、取りやめていた[48]。
- 大和リースによって運営されている商業施設・フレスポのうちの一つ。地図上では、同校に隣接しているようにみえるが、実際には崖があり約1kmの道のりがある。スーパーマーケットやホームセンター、レンタルビデオ店、1000円カット、その他多数の飲食店・商業施設が入る[49]。
- サイクリングロード。「高専坂」に交差する形で接続する。川原緑道と、その先に続く自転車専用レーンを併用することで、国道5号線まで右折・左折なしで抜けることができる。現在、見晴公園通り交差地点から道道100号線の交差地点まで、工事中のため通行止めとなっている[50]。
学生生活
[編集]日課
[編集]同校の講義は1日ごと最大5時限開かれ、1時限は90分となっている[51]。曜日ごと・学年ごと・クラスごとに開講される科目の数は異なり、午前のみで終わる曜日もあれば、5時限目まで入る曜日もある。1時限目の始業は午前9時から、3時限目の終業は午後2時35分となっている。昼休みは午後0時15分から午後1時5分までの50分間で[52]、特に構外への出入り禁止等の制約はないため、構外で飲食・休憩をすることも可能である。
休業・学期
[編集]同校を含めた高等専門学校は、通じて休業期間が他の普通高校と比べて長い。同校の夏季休業は8月上旬から9月下旬、冬季休業は12月下旬から翌年1月中旬、学年末休業は2月下旬から4月の上旬であることが多い[53]。また、同校は前期・後期の2学期制であり、前期は4月から9月、後期は10月から3月と区分されている[52]。
試験
[編集]本科において、正式な試験期間は年に2回設置されている[52]。
- 前期期末試験(7月下旬から)
- 学年末試験(2月上旬から)
また、上の試験とは別に「特別時間割」が年に2回設置されており、科目によって中間試験を行うなど、その時点での達成度を確認する。以下の期間に設置される[53]。
- 6月上旬(実質的な前期中間試験)
- 11月下旬(実質的な後期中間試験)
学校行事
[編集]引用:[54]
同校では年間を通して数多くの行事が行われる。以下に月別の行事を示すが、年ごとに変更される可能性もある。
4月
[編集]- 入学式
- 新入生歓迎会
- 新入生オリエンテーション
5月
[編集]- 学生総会
6月
[編集]- 体育祭
7月
[編集]- 北海道地区国立高専体育大会
- 前期期末試験
8月
[編集]- 夏季休業
- 学外実習
- 全国高専体育大会
9月
[編集]- 夏季休業
10月
[編集]- 高専祭
11月
[編集]- ロボコン北海道地区大会
- ロボコン全国大会
12月
[編集]- 冬季休業
1月
[編集]- 卒業研究発表会
2月
[編集]- 本科学年末試験
- 学年末スポーツ大会
3月
[編集]- 卒業式
- 学年末休業
- 見学旅行
クラブ・愛好会・外局
[編集]引用:[55]
同校には42のクラブ・愛好会・外局があり、多数の学生が所属している。以下に2024年8月現在のクラブ・愛好会の一覧を示すが、入れ替わりが激しいため、最新の情報は以下のリンクを参照のこと。
クラブ
[編集]- 陸上競技部
- 男子バスケットボール部
- 女子バスケットボール部
- 卓球部
- バドミントン部
- 硬式野球部
- アーチェリー部
- テニス部
- ラグビー部
- 男子バレーボール部
- 女子バレーボール部
- 水泳部
- ハンドボール部
- 吹奏楽部
- 軽音楽部
- 将棋部
- ソフトテニス部
愛好会
[編集]- ロボット研究会
- 魚を釣って食べる会
- 革細工愛好会
- お茶研究会
- 料理部
- 天文部
- ダンス愛好会
- 写真部
- ソーラーカヌー愛好会
- 珈琲研究会
- 化学探偵会
- Fast Swinger
- e-sports愛好会
- 創作部
- 実用英語練習会
- プロコン研究会
- GX研究会
- 発明研究会
- LSQ(レスキュー)
- モルック愛好会
- アントレプレナー同好会
外局
[編集]- 学生会
- 体育局
- 新聞局
- 文化局
春潮寮
[編集]校舎から総合グラウンドを挟んで西側に学寮があり、名称を「春潮寮」という[56]。学校敷地124,901m²のうち、約8%の9407m²を占める[32][57]。北は北海道、南は沖縄まで、様々な地域から集まった[58]250名弱の学生が生活する。寮生会の主催による寮祭やスポーツ大会も開催されており、交流が活発である[59][60]。学校の敷地内に位置するため、登校にかかる時間は約5分程度で済む[注釈 7]。また、2021年に国際寮が竣工し、日本人学生と留学生が混在する形で生活している[45][注釈 8]。各居室には、机、椅子、書棚、ベッド、クローゼットが備え付けられている。各階の補食室には冷蔵ロッカー、流し台、電子レンジ、ガスコンロまたはIHヒーターが整備されており、24時間使用可能である。男子寮、女子寮それぞれに食堂[61][注釈 9]、浴室、洗濯室、乾燥室、補食室、研修室、談話室などの厚生施設が整えられており[60]、玄関も分離されている。また、指定された教員が寮の宿日直を行うとともに、寄宿舎指導員が在籍しており、寮の管理を行う[62]。2024年度より、寮内全個室と各階の補食室などに24時間使用可能なWi-Fiが設置された。エレベーター、車いす昇降装置などのバリアフリー化はされていない[32]。
春潮寮は以下の施設から構成されている[32][63][64]。
A棟
- 女子寮。寄宿舎の中で国際棟の次に北寄りに位置しており、現在、42名の寮生が居住する[65]。サービス棟と隣接しており、3階建て。
B棟・C棟・D棟
- いずれも男子寮。B棟はサービス棟と、C棟はB棟と、D棟はC棟と、それぞれ結ばれている。最も南寄りに位置するのはC棟とD棟で、本科2学年以上の居室がある[63]。いずれも3階建て。
国際棟(I棟)
- 2021年に新設された日本人学生と外国人留学生が混住する寮。国際的な視野と人間力のある高専グローバルエンジニアを養成する目的で整備された。同棟は唯一、他の棟と接続されておらず、独立して存在する。春潮寮の中で最も北寄りに位置する[15]。3階建て。
サービス棟[16]
- 男子食堂・研修室・事務室・宿直室・玄関がある。サービス棟内で男女の居住区域は完全に区切られているが(顔認証の自動ドアが設置されている)、事務室・宿直室は双方の寮からアクセス可能である。厨房はこの棟内にあり、女子の食事は同棟内から女子食堂へと運ばれる[62][63]。1階建て。
寮生の日課
[編集]平日と休日で日課が異なる。休日の日課も、横に併記する。
日課 | 時刻(平日) | 時刻(休日) | 備考 |
---|---|---|---|
朝食 | 7:25~8:35 | 8:00~9:30 | |
登校 | ~8:40 | 1時限目のない場合はこの限りではない。 | |
昼食 | 12:10~13:10 | 12:20~13:20 | |
再登校 | ~13:05 | 3時限目のない場合はこの限りではない。 | |
夕食 | 17:55~19:45 | 17:55~19:35 | |
入浴 | 16:30~22:30 | シャワーは浴室施錠時間(0:00~6:00)以外可。 | |
一斉学習 | 21:00~22:30 | 本科1年生のみ。平日の金曜は除く。 | |
低学年点呼 | 21:00 | 本科1~3年 | |
高学年点呼(玄関施錠) | 22:00 | 本科4・5年、専攻科 | |
掃除 | 22:30~22:50 | 本科1・2年 | |
消灯 | 24:00 | 金曜日・試験期間2週間前から除く。 |
協定等
[編集]学術交流協定
[編集]国際交流協定
[編集]- タイ高専
- プリンセスチュラポーン科学高等学校チョンブリ校
- サンフランシスコ州立大学工学部
- ヴァランシェンヌ大学,ヴァランシェンヌIUT
- リトラルコート・ドパル大学,リトラルコート・ドパルIUT
- ルアーブル大学,ルアーブルIUT
- トゥール・フランソワ=ラブレ大学,ブロワIUT
- リールA技術短期大学
- アルトワ大学,ランスIUT,ベツーヌIUT
- エドアルド工学技術学校アニエリ校
- ルーヴァン・リンブルグ大学
連携協定
[編集]産学連携協力協定
[編集]- 商工組合中央金庫函館支店
- 株式会社北海道銀行
- 株式会社北洋銀行
- 独立行政法人科学技術振興機構JSTイノベーションプラザ北海道
- 株式会社日本政策金融公庫函館支店
- フラー株式会社
- 上川大雪酒造株式会社
- 函館五稜乃蔵株式会社
業務提携協定
[編集]出身者
[編集]著名な教員、その他関係者
[編集]- 太秦康光 - 男爵。温泉研究の権威。初代校長。
- 武谷愿 - 応用科学者。人造石油研究。二代校長。
- 長谷川淳 - 工学者。瑞宝中綬章受賞者。七代校長。
- 伹野茂 - 機械工学者。独立行政法人国立高等専門学校機構理事。九代校長。
- 阿部恵 - 英語学者。現校長。
- 小林淳哉 - 現一関工業高等専門学校校長。菜の花酵母の発見[70]。元物質環境工学科教授。
- 奥平忠志 - 地理学者。元同校教員。
- 泊功 - 文学者。三体などの翻訳[71]。現同校教員。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 2015年まで、英称はHakodate National College of Technology、略称はHNCTであった。
- ^ 仮配属と言われる。
- ^ 公式ウェブサイトなどで確認できた略称(科の略称はアルファベット1文字、コースの略称はアルファベット2文字)を用いて記載しているが、具体的にどのように略したのかは不明。
- ^ 敷地面積の内に、醸造ラボ・湯川町住宅・梁川町住宅等の学外施設は含めていない。また、東京ドームおよそ3個分の広さ。全国の高専の中では、大分高専(126,579㎡)に次いで、9番目に広い。
- ^ 本来であれば、「...H→I→J...」の順序となるべきである。そこで、考えられる理由として、以下のものがある。
- 「l(小文字L)」と「I(大文字I)」の見間違い。
- I棟(国際棟)が間に入る。
2.について、国際棟が建設される前の令和元年度の学校要覧の35頁の施設一覧には「L棟」、地図には「I棟」の表記がある。しかし、国際棟が建設された後の令和五年度の学校要覧にはどちらも「L棟」と表記がある。したがって、国際棟ができる以前から、混用されており、1.が原因である可能性が高いと推察できる。しかし、同校の公式ウェブサイトをはじめとする複数の情報源に「L棟」という表記が見られるため、この記事では「L棟」と記載する。
- ^ a b 引用43によると、これらの施設(湯川町住宅と梁川町住宅)は不要財産と位置付けられており、譲渡収入又は現物を国庫に納付する、と定められているが、引用41、42はともに令和六年に公布されたものであり、湯川町住宅においては令和九年まで、消防用設備等点検業務の請負について公告しているため、現在の詳しい状況は不明。
- ^ ただし、郵便番号が校舎とは異なっており、春潮寮の郵便番号は〒042-0953。
- ^ 2021年より、従来の春潮寮の一部となり、名称も国際棟に変更された。
- ^ 出典39、3頁より、2022年時点で、食堂運営業者は株式会社LEOCである。
出典
[編集]- ^ “全国の国立高専”. 国立高等専門学校機構. 2023年6月26日閲覧。
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- ^ “音楽フェス同時開催!「#DSPM presents レインボリーミュージックジャンボリー@2024 モルック世界⼤会 in 函館」 | 2024 函館モルック世界大会” (jp). Mölkky World Championship 2024 In Japan HAKODATE (2024年7月4日). 2024年8月9日閲覧。
- ^ a b “gakkodayori_213.pdf”. 2024年8月29日閲覧。
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- ^ a b c d e f 『函館工業高等専門学校五十周年記念誌』独立行政法人国立高等専門学校機構函館工業高等専門学校、2012年10月12日、56, 57頁。国立国会図書館書誌ID:024271397。
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- ^ “信条は3つの意『創意、誠意、同意』【函館高専OB】弘前市長 葛西憲之さん”. キャンパス・コンソーシアム函館 (2024年7月19日). 2024年8月30日閲覧。
- ^ “函館高専と企業が新商品開発へ 花から採取の酵母でビール”. NHK (2024年3月4日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ “807ブログ”. 807ブログ (2020年9月7日). 2024年9月8日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 函館工業高等専門学校
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