与謝郡
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人口20,179人、面積170.33km²、人口密度118人/km²。(2024年11月1日、推計人口)
下記の2町を含む。
郡域
1897年(明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記2町のほか、概ね下記の区域にあたる。
歴史
地元では「よさぐん」ではなく「よざぐん」と発音されることが多い。2011年3月11日に開通した山陰近畿自動車道与謝天橋立ICは、地元の読み方を尊重して「よざあまのはしだて」と命名されている。また与謝野町内の地名「与謝」は行政上も「よざ」と読まれる。
古代
地名としてのよさは雄略天皇22年に「餘社郡」で初見される。入江の見られる郡域において、湾での「よせあみ」(寄網)漁法が「よさみ」、そして「よさ」へ転訛したものである[1]。
7世紀に丹波国の与射評として設置された[2]。701年に評が郡になり、713年に丹後国が設置されるとこれに属した。
郷
- 宮津郷
- 日置郷
- 拝師郷
- 物部郷
- 山田郷
- 謁叡郷
- 神戸郷
式内社
神名帳 | 比定社 | 集成 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
社名 | 読み | 格 | 付記 | 社名 | 所在地 | 備考 | |
与謝郡 20座(大3座・小17座) | |||||||
篭神社 | コノ コモリ |
名神大 | 月次新嘗 | 籠神社 | 京都府宮津市大垣430 | 丹後国一宮 | [1] |
物部神社 | モノノヘノ | 小 | 物部神社 | 京都府与謝郡与謝野町大字石川字物部2013 | |||
弥刀神社 | イヤトノ ミト |
小 | 弥刀神社 | 京都府与謝郡与謝野町上山田1340 | |||
須代神社 | スシロノ | 小 | 須代神社 | 京都府与謝郡与謝野町明石599 | |||
布甲神社 | フカフ | 小 | (廃絶) | ||||
宇豆貴神社 | ウツキノ | 小 | 宇豆貴神社 | 京都府与謝郡与謝野町与謝510 | |||
阿知江神社 | アチエノ | 小 | 合祀:大虫神社 | 京都府与謝郡与謝野町温江1821 | |||
久理陁神社[注 1] | クリタノ | 小 | (論)久理陀神社 | 京都府宮津市小田宿野字中谷262 | |||
(論)住吉神社 | 京都府宮津市上司字蟹ノ神1332 | ||||||
多由神社 | タユノ | 小 | 多由神社 | 京都府宮津市田井字石谷153-1 | |||
宇良神社 | ウラノ | 小 | (論)浦嶋神社 | 京都府与謝郡伊根町本庄浜191 | |||
矢田部神社 | ヤタヘノ | 小 | 矢田部神社 | 京都府与謝郡与謝野町石川字矢田4626 | |||
阿知江いそ部神社[注 2] | アチヘイソヘノ | 小 | 阿知江いそ部社[注 2] | 京都府与謝郡与謝野町岩屋森谷763 | |||
(論)須津彦神社 | 京都府宮津市須津字吉里1564 | ||||||
倭文神社 | シトリノ | 小 | 倭文神社 | 京都府与謝郡与謝野町三河内1453 | |||
三重神社 | ミヘノ | 小 | 三重神社 | 京都府京丹後市大宮町三重字三坂谷133 | |||
木積神社 | コツミノ | 小 | 木積神社 | 京都府与謝郡与謝野町弓木字石田宮ヶ谷408 | |||
板列神社 | イタツラノ イタナミ |
小 | (論)板列八幡神社 | 京都府与謝郡与謝野町男山178 | |||
(論)板列神社 | 京都府与謝郡与謝野町岩滝58 | ||||||
杉末神社 | スキスヱノ | 小 | 杉末神社 | 京都府宮津市宮町1408 | 山王宮日吉神社摂社 | ||
吾野神社 | ワカノノ | 小 | (論)須津彦神社 | 京都府宮津市須津字吉里1564 | |||
(論)吾野神社 | 京都府与謝郡与謝野町加悦字天神山50-1 | 天満神社摂社 | |||||
大虫神社 | オホムシノ | 名神大 | 大虫神社 | 京都府与謝郡与謝野町温江1821 | [2] | ||
小虫神社 | コムシノ ヲムシ |
名神大 | 小虫神社 | 京都府与謝郡与謝野町温江102 | [3] | ||
凡例を表示 |
近世以降の沿革
知行 | 村数 | 村名 | |
---|---|---|---|
幕府領 | 幕府領 | 9村 | 大島村、大原村、新井村[3]、本坂村[4]、野村、本庄上村、本庄浜村、峠村、畑谷村 |
藩領 | 丹後宮津藩 | 3町 82村 |
宮津[5]、雲原村、与謝村、滝村、金屋村、後野村、加悦町、温江村、加悦奥村、算所村、三河内村、四辻村、幾地村、岩屋村、田中村、有田村、須津村、石川村、明石村、香河村、鍛冶町[6]、猟師町[7]、小田村、喜多村、今福村、宮村、惣村、皆原村、山中村、新宮村、脇村、中村、小寺村、上司町、中津村、小田宿野村、島陰村、田井村、矢原村、獅子村、獅子崎村、波路村、上山田村、下山田村、弓木村、岩滝村、男山村、国分村、溝尻村、小松村、成相寺村、中野村、大垣村、江尻村、難波野村、日置浜村、日置上村、畑村、下世屋村、松尾村、東野村、上世屋村、駒倉村、木子村、須川村[8]、野中村[9]、里波見村、長江村、外垣村、岩ヶ鼻村、田原村、日出村、亀島村、平田村、日ケ谷村[10]、菅野村、本庄宇治村、長延村、蒲入村、野室村、津母村、井室村、六万部村、泊村[11] |
幕府領・藩領 | 幕府領・宮津藩 | 1村 | 奥波見村 |
- 慶応4年
- 明治初年(3町92村)
- 奥波見村のうち宮津藩領が分立して中波見村となる。
- 日置浜村・日置上村が合併して日置村となる。
- 明治4年
- 明治8年(1875年) - 惣村の一部(旧・枝郷文珠門前)より文珠村が起立。(3町93村)
- 明治9年(1876年)8月21日 - 第2次府県統合により京都府の管轄となる。
- 明治12年(1879年)4月10日 - 郡区町村編制法の京都府での施行により、行政区画としての与謝郡が発足。郡役所が宮津に設置。
- 明治18年(1885年) - 田中村・有田村が合併して滝馬村となる。(3町92村)
- 明治22年(1889年)4月1日 - 町村制の施行により、下記の町村が発足。(2町22村)
- 宮津町(宮津[12]が単独町制。現・宮津市)
- 城東村 ← 惣村、皆原村、滝馬村、波路村、山中村、宮村、獅子崎村、猟師町、鍛冶町[一部[13]を除く](現・宮津市)
- 栗田村 ← 新宮村、脇村、中村、小寺村、上司町、中津村、小田宿野村、島陰村、田井村、矢原村、獅子村(現・宮津市)
- 上宮津村 ← 小田村、喜多村、今福村(現・宮津市)
- 吉津村 ← 須津村、文珠村、鍛冶町[一部[13]](現・宮津市)
- 石川村(単独村制。現・与謝野町)
- 桑飼村 ← 温江村、明石村、香河村(現・与謝野町)
- 与謝村 ← 与謝村、滝村、金屋村(現・与謝野町)
- 加悦町 ← 加悦町、算所村、加悦奥村、後野村(現・与謝野町)
- 三河内村(単独村制。現・与謝野町)
- 市場村 ← 四辻村、幾地村、岩屋村(現・与謝野町)
- 山田村 ← 上山田村、下山田村(現・与謝野町)
- 岩滝村 ← 弓木村、岩滝村、男山村(現・与謝野町)
- 府中村 ← 国分村、小松村、中野村、大垣村、江尻村、難波野村、成相寺村、溝尻村(現・宮津市)
- 日置村(単独村制。現・宮津市)
- 世屋村 ← 畑村、下世屋村、松尾村、東野村、上世屋村、駒倉村、木子村(現・宮津市)
- 養老村 ← 里波見村、中波見村、奥波見村、長江村、岩ヶ鼻村、外垣村、大島村、田原村(現・宮津市)
- 伊根村 ← 亀島村、平田村、日出村(現・伊根町)
- 朝妻村 ← 大原村、新井村、井室村、六万部村、泊村、津母村、峠村、畑谷村(現・伊根町)
- 本庄村 ← 本庄上村、本庄宇治村、本庄浜村、野室村、長延村、蒲入村(現・伊根町)
- 筒川村 ← 菅野村、野村、本坂村(現・伊根町)
- 野間村 ← 須川村(現・宮津市、京丹後市)、野中村(現・京丹後市)
- 日ケ谷村(単独村制。現・宮津市)
- 雲原村(単独村制。現・福知山市)
- 明治27年(1894年)10月12日 - 市場村の一部(岩屋)が分立して岩屋村が発足。(2町23村)
- 明治32年(1899年)
- 明治35年(1902年)4月1日 - 雲原村の所属郡が天田郡に変更。(2町22村)
- 大正10年(1921年)4月1日 - 岩滝村が町制施行して岩滝町となる。(3町21村)
- 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
- 大正13年(1924年)9月1日 - 城東村が宮津町に編入。(3町20村)
- 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
- 昭和23年(1948年)4月1日
- 野間村の一部(大字須川の一部[15])が日ケ谷村に編入。
- 野間村の所属郡が竹野郡に変更。(3町19村)
- 昭和26年(1951年)4月1日 - 上宮津村が宮津町に編入。(3町18村)
- 昭和29年(1954年)
- 昭和30年(1955年)3月1日 - 三河内村・岩屋村・市場村・山田村・石川村が合併して野田川町が発足。(4町)
- 平成18年(2006年)3月1日 - 加悦町・岩滝町・野田川町が合併して与謝野町が発足。(2町)
変遷表
自治体の変遷
明治22年以前 | 明治22年 4月1日 町村制施行 |
明治22年 - 明治45年 | 大正元年 - 大正15年 | 昭和元年 - 昭和64年 | 平成元年 - 現在 | 現在 | ||
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小田村 | 上宮津村 | 上宮津村 | 上宮津村 | 昭和26年4月1日 宮津町に編入 |
昭和29年6月1日 宮津市 |
宮津市 | 宮津市 | |
喜多村 | ||||||||
今福村 | ||||||||
宮津[12] | 宮津町 | 宮津町 | 宮津町 | 宮津町 | ||||
惣村 | 城東村 | 城東村 | 大正13年9月1日 宮津町に編入 | |||||
田中村 | 明治18年 滝馬村 | |||||||
有田村 | ||||||||
皆原村 | ||||||||
波路村 | ||||||||
山中村 | ||||||||
宮村 | ||||||||
獅子崎村 | ||||||||
猟師町 | ||||||||
鍛冶町 | 一部[13]を除く | |||||||
一部[13] | 吉津村 | 吉津村 | 吉津村 | 吉津村 | ||||
須津村 | ||||||||
惣村 (枝郷文珠門前) |
明治8年 起立 文珠村 | |||||||
新宮村 | 栗田村 | 栗田村 | 栗田村 | 栗田村 | ||||
脇村 | ||||||||
中村 | ||||||||
小寺村 | ||||||||
上司町 | ||||||||
中津村 | ||||||||
小田宿野村 | ||||||||
島陰村 | ||||||||
田井村 | ||||||||
矢原村 | ||||||||
獅子村 | ||||||||
国分村 | 府中村 | 府中村 | 府中村 | 府中村 | ||||
小松村 | ||||||||
中野村 | ||||||||
大垣村 | ||||||||
江尻村 | ||||||||
難波野村 | ||||||||
成相寺村 | ||||||||
溝尻村 | ||||||||
日置浜村 | 明治初年 日置村 |
日置村 | 日置村 | 日置村 | 日置村 | |||
日置上村 | ||||||||
畑村 | 世屋村 | 世屋村 | 世屋村 | 世屋村 | ||||
下世屋村 | ||||||||
松尾村 | ||||||||
東野村 | ||||||||
上世屋村 | ||||||||
駒倉村 | ||||||||
木子村 | ||||||||
里波見村 | 養老村 | 養老村 | 養老村 | 養老村 | ||||
奥波見村 | 奥波見村 | |||||||
明治初年 分立 中波見村 | ||||||||
長江村 | ||||||||
岩ヶ鼻村 | ||||||||
外垣村 | ||||||||
大島村 | ||||||||
田原村 | ||||||||
日ケ谷村 | 日ケ谷村 | 日ケ谷村 | 日ケ谷村 | 日ケ谷村 | ||||
須川村 | 一部[15] | 野間村 | 野間村 | 野間村 | 昭和23年4月1日 日ケ谷村に編入 | |||
一部[15]を除く | 昭和23年4月1日 所属変更 竹野郡 |
昭和30年3月1日 竹野郡弥栄町 |
平成16年4月1日 京丹後市 |
京丹後市 | ||||
野中村 | 一部[14]を除く | |||||||
一部[14] | 明治32年7月28日 竹野郡八木村に編入 |
大正14年12月1日 竹野郡豊栄村 |
竹野郡豊栄村 | 昭和30年2月1日 竹野郡丹後町 | ||||
弓木村 | 岩滝村 | 岩滝村 | 大正10年4月1日 町制 岩滝町 |
岩滝町 | 平成18年3月1日 与謝野町 |
与謝野町 | ||
岩滝村 | ||||||||
男山村 | ||||||||
加悦町 | 加悦町 | 加悦町 | 加悦町 | 加悦町 | 昭和29年12月1日 加悦町 | |||
算所村 | ||||||||
加悦奥村 | ||||||||
後野村 | ||||||||
温江村 | 桑飼村 | 桑飼村 | 桑飼村 | 桑飼村 | ||||
明石村 | ||||||||
香河村 | ||||||||
与謝村 | 与謝村 | 与謝村 | 与謝村 | 与謝村 | ||||
滝村 | ||||||||
金屋村 | ||||||||
三河内村 | 三河内村 | 三河内村 | 三河内村 | 三河内村 | 昭和30年3月1日 野田川町 | |||
上山田村 | 山田村 | 山田村 | 山田村 | 山田村 | ||||
下山田村 | ||||||||
石川村 | 石川村 | 石川村 | 石川村 | 石川村 | ||||
四辻村 | 市場村 | 市場村 | 市場村 | 市場村 | ||||
幾地村 | ||||||||
岩屋村 | 明治27年10月12日 岩屋村 |
岩屋村 | 岩屋村 | |||||
亀島村 | 伊根村 | 伊根村 | 伊根村 | 伊根村 | 昭和29年11月3日 伊根町 |
伊根町 | 伊根町 | |
平田村 | ||||||||
日出村 | ||||||||
本庄上村 | 本庄村 | 本庄村 | 本庄村 | 本庄村 | ||||
本庄宇治村 | ||||||||
本庄浜村 | ||||||||
野室村 | ||||||||
長延村 | ||||||||
蒲入村 | ||||||||
菅野村 | 筒川村 | 筒川村 | 筒川村 | 筒川村 | ||||
野村 | ||||||||
本坂村 | ||||||||
大原村 | 朝妻村 | 朝妻村 | 朝妻村 | 朝妻村 | ||||
新井村 | ||||||||
井室村 | ||||||||
六万部村 | ||||||||
泊村 | ||||||||
津母村 | ||||||||
峠村 | ||||||||
畑谷村 | ||||||||
雲原村 | 雲原村 | 明治35年4月1日 所属変更 天田郡 |
天田郡雲原村 | 天田郡雲原村 | 昭和30年4月1日 福知山市に編入 |
福知山市 | 福知山市 |
行政
- 歴代郡長
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 明治11年(1879年)4月10日 | |||
大正15年(1926年)6月30日 | 郡役所廃止により、廃官 |
脚注
- ^ 吉田茂樹『日本古代地名事典』 新人物往来社、2001年、234頁 ISBN 4-404-02950-0
- ^ 藤原京の藤原宮の北をめぐる外濠から出た木簡に、「与射評大贄伊和?」とある。奈良国立文化財研究所『藤原宮木簡』一、179、奈良国立文化財研究所史料XII、1978年、解説84頁。
- ^ 以上3村は「旧高旧領取調帳」では後に宮津県の管轄となっているが、本項では「角川」によった。
- ^ 記載は本阪村。
- ^ 無高のため「旧高旧領取調帳」には記載なし。本項では便宜的に1町に数える。
- ^ 記載は鍛冶村。
- ^ 記載は猟師村。
- ^ 記載は須川分。
- ^ 記載は野中分。
- ^ 記載は日ヶ谷村。
- ^ 記載は泊り村。
- ^ a b この時点では宮津柳縄手、宮津京街道、宮津大久保、宮津木ノ部町、宮津京口、宮津京口町、宮津松原町、宮津島崎、宮津鶴賀町、宮津外側、宮津馬場先、宮津中ノ町、宮津吉原、宮津安智、宮津波路、宮津波路町、宮津本町、宮津魚屋町、宮津万町、宮津宮本町、宮津東新浜、宮津小川町、宮津金屋谷、宮津白柏町、宮津杉末町、宮津河原町、宮津住吉町、宮津漁師町、宮津蛭子町、宮津万年町、宮津万年町新地、宮津宮町、宮津池ノ谷、宮津川向町が存在。
- ^ a b c d 文珠街道沿いの町地
- ^ a b c 現在の丹後町大石
- ^ a b c 字成谷
参考文献
- 角川日本地名大辞典 26 京都府
- 旧高旧領取調帳データベース