コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

与謝郡

半保護されたページ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
与射評から転送)

京都府与謝郡の位置(1.伊根町 2.与謝野町 薄黄:後に他郡に編入された地域)
宮津町にあった与謝郡役所(大正時代)

与謝郡(よさぐん)は、京都府丹後国)の

人口20,203人、面積170.33km²、人口密度119人/km²。(2024年10月1日、推計人口

下記の2町を含む。

郡域

1897年明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記2町のほか、概ね下記の区域にあたる。

歴史

地元では「よさぐん」ではなく「よぐん」と発音されることが多い。2011年3月11日に開通した山陰近畿自動車道与謝天橋立ICは、地元の読み方を尊重して「よざあまのはしだて」と命名されている。また与謝野町内の地名「与謝」は行政上も「よざ」と読まれる。

古代

地名としてのよさ雄略天皇22年に「餘社郡」で初見される。入江の見られる郡域において、湾での「よせあみ」(寄網)漁法が「よさみ」、そして「よさ」へ転訛したものである[1]

7世紀に丹波国与射評として設置された[2]701年に評が郡になり、713年丹後国が設置されるとこれに属した。

和名類聚抄』に記される郡内の

  • 宮津郷
  • 日置郷
  • 拝師郷
  • 物部郷
  • 山田郷
  • 謁叡郷
  • 神戸郷

式内社

延喜式神名帳に記される郡内の式内社

神名帳 比定社 集成
社名 読み 付記 社名 所在地 備考
与謝郡 20座(大3座・小17座)
篭神社 コノ
コモリ
名神大 月次新嘗 籠神社 京都府宮津市大垣430 丹後国一宮 [1]
物部神社 モノノヘノ 物部神社 京都府与謝郡与謝野町大字石川字物部2013
弥刀神社 イヤトノ
ミト
弥刀神社 京都府与謝郡与謝野町上山田1340
須代神社 スシロノ 須代神社 京都府与謝郡与謝野町明石599
布甲神社 フカフ (廃絶)
宇豆貴神社 ウツキノ 宇豆貴神社 京都府与謝郡与謝野町与謝510
阿知江神社 アチエノ 合祀:大虫神社 京都府与謝郡与謝野町温江1821
久理陁神社[注 1] クリタノ (論)久理陀神社 京都府宮津市小田宿野字中谷262
(論)住吉神社 京都府宮津市上司字蟹ノ神1332
多由神社 タユノ 多由神社 京都府宮津市田井字石谷153-1
宇良神社 ウラノ (論)浦嶋神社 京都府与謝郡伊根町本庄浜191
矢田部神社 ヤタヘノ 矢田部神社 京都府与謝郡与謝野町石川字矢田4626
阿知江いそ部神社[注 2] アチヘイソヘノ 阿知江いそ部社[注 2] 京都府与謝郡与謝野町岩屋森谷763
(論)須津彦神社 京都府宮津市須津字吉里1564
倭文神社 シトリノ 倭文神社 京都府与謝郡与謝野町三河内1453
三重神社 ミヘノ 三重神社 京都府京丹後市大宮町三重字三坂谷133
木積神社 コツミノ 木積神社 京都府与謝郡与謝野町弓木字石田宮ヶ谷408
板列神社 イタツラノ
イタナミ
(論)板列八幡神社 京都府与謝郡与謝野町男山178
(論)板列神社 京都府与謝郡与謝野町岩滝58
杉末神社 スキスヱノ 杉末神社 京都府宮津市宮町1408 山王宮日吉神社摂社
吾野神社 ワカノノ (論)須津彦神社 京都府宮津市須津字吉里1564
(論)吾野神社 京都府与謝郡与謝野町加悦字天神山50-1 天満神社摂社
大虫神社 オホムシノ 名神大 大虫神社 京都府与謝郡与謝野町温江1821 [2]
小虫神社 コムシノ
ヲムシ
名神大 小虫神社 京都府与謝郡与謝野町温江102 [3]
凡例を表示
  1. ^ 3字目は「こざと偏に「施」の右部」。
  2. ^ a b 「いそ」は「山偏に石」。

近世以降の沿革

知行 村数 村名
幕府領 幕府領 9村 大島村、大原村、新井村[3]、本坂村[4]、野村、本庄上村、本庄浜村、峠村、畑谷村
藩領 丹後宮津藩 3町
82村
宮津[5]、雲原村、与謝村、滝村、金屋村、後野村、加悦町、温江村、加悦奥村、算所村、三河内村、四辻村、幾地村、岩屋村、田中村、有田村、須津村、石川村、明石村、香河村、鍛冶町[6]、猟師町[7]、小田村、喜多村、今福村、宮村、惣村、皆原村、山中村、新宮村、脇村、中村、小寺村、上司町、中津村、小田宿野村、島陰村、田井村、矢原村、獅子村、獅子崎村、波路村、上山田村、下山田村、弓木村、岩滝村、男山村、国分村、溝尻村、小松村、成相寺村、中野村、大垣村、江尻村、難波野村、日置浜村、日置上村、畑村、下世屋村、松尾村、東野村、上世屋村、駒倉村、木子村、須川村[8]、野中村[9]、里波見村、長江村、外垣村、岩ヶ鼻村、田原村、日出村、亀島村、平田村、日ケ谷村[10]、菅野村、本庄宇治村、長延村、蒲入村、野室村、津母村、井室村、六万部村、泊村[11]
幕府領・藩領 幕府領・宮津藩 1村 奥波見村
1.宮津町 2.城東村 3.栗田村 4.上宮津村 5.吉津村 6.石川村 7.桑飼村 8.与謝村 9.加悦町 10.三河内村 11.市場村 12.山田村 13.岩滝村 14.府中村 15.日置村 16.世屋村 17.養老村 18.伊根村 19.朝妻村 20.本庄村 21.筒川村 22.野間村 23.日ケ谷村 24.雲原村(紫:福知山市 赤:宮津市 橙:京丹後市 黄:伊根町 緑:与謝野町)
  • 明治22年(1889年4月1日 - 町村制の施行により、下記の町村が発足。(2町22村)
    • 宮津町(宮津[12]が単独町制。現・宮津市)
    • 城東村 ← 惣村、皆原村、滝馬村、波路村、山中村、宮村、獅子崎村、猟師町、鍛冶町[一部[13]を除く](現・宮津市)
    • 栗田村 ← 新宮村、脇村、中村、小寺村、上司町、中津村、小田宿野村、島陰村、田井村、矢原村、獅子村(現・宮津市)
    • 上宮津村 ← 小田村、喜多村、今福村(現・宮津市)
    • 吉津村 ← 須津村、文珠村、鍛冶町[一部[13]](現・宮津市)
    • 石川村(単独村制。現・与謝野町)
    • 桑飼村 ← 温江村、明石村、香河村(現・与謝野町)
    • 与謝村 ← 与謝村、滝村、金屋村(現・与謝野町)
    • 加悦町 ← 加悦町、算所村、加悦奥村、後野村(現・与謝野町)
    • 三河内村(単独村制。現・与謝野町)
    • 市場村 ← 四辻村、幾地村、岩屋村(現・与謝野町)
    • 山田村 ← 上山田村、下山田村(現・与謝野町)
    • 岩滝村 ← 弓木村、岩滝村、男山村(現・与謝野町)
    • 府中村 ← 国分村、小松村、中野村、大垣村、江尻村、難波野村、成相寺村、溝尻村(現・宮津市)
    • 日置村(単独村制。現・宮津市)
    • 世屋村 ← 畑村、下世屋村、松尾村、東野村、上世屋村、駒倉村、木子村(現・宮津市)
    • 養老村 ← 里波見村、中波見村、奥波見村、長江村、岩ヶ鼻村、外垣村、大島村、田原村(現・宮津市)
    • 伊根村 ← 亀島村、平田村、日出村(現・伊根町)
    • 朝妻村 ← 大原村、新井村、井室村、六万部村、泊村、津母村、峠村、畑谷村(現・伊根町)
    • 本庄村 ← 本庄上村、本庄宇治村、本庄浜村、野室村、長延村、蒲入村(現・伊根町)
    • 筒川村 ← 菅野村、野村、本坂村(現・伊根町)
    • 野間村 ← 須川村(現・宮津市、京丹後市)、野中村(現・京丹後市)
    • 日ケ谷村(単独村制。現・宮津市)
    • 雲原村(単独村制。現・福知山市)
  • 明治27年(1894年10月12日 - 市場村の一部(岩屋)が分立して岩屋村が発足。(2町23村)
  • 明治32年(1899年
  • 明治35年(1902年4月1日 - 雲原村の所属郡が天田郡に変更。(2町22村)
  • 大正10年(1921年)4月1日 - 岩滝村が町制施行して岩滝町となる。(3町21村)
  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 大正13年(1924年9月1日 - 城東村が宮津町に編入。(3町20村)
  • 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 昭和23年(1948年)4月1日
    • 野間村の一部(大字須川の一部[15])が日ケ谷村に編入。
    • 野間村の所属郡が竹野郡に変更。(3町19村)
  • 昭和26年(1951年)4月1日 - 上宮津村が宮津町に編入。(3町18村)
  • 昭和29年(1954年
    • 6月1日 - 宮津町・栗田村・吉津村・府中村・日置村・世屋村・養老村・日ケ谷村が合併して宮津市が発足し、郡より離脱。(2町11村)
    • 11月3日 - 伊根村・朝妻村・本庄村・筒川村が合併して伊根町が発足。(3町7村)
    • 12月1日 - 桑飼村・与謝村・加悦町が合併し、改めて加悦町が発足。(3町5村)
  • 昭和30年(1955年3月1日 - 三河内村・岩屋村・市場村・山田村・石川村が合併して野田川町が発足。(4町)
  • 平成18年(2006年)3月1日 - 加悦町・岩滝町・野田川町が合併して与謝野町が発足。(2町)

変遷表

自治体の変遷
明治22年以前 明治22年
4月1日
町村制施行
明治22年 - 明治45年 大正元年 - 大正15年 昭和元年 - 昭和64年 平成元年 - 現在 現在
小田村 上宮津村 上宮津村 上宮津村 昭和26年4月1日
宮津町に編入
昭和29年6月1日
宮津市
宮津市 宮津市
喜多村
今福村
宮津[12] 宮津町 宮津町 宮津町 宮津町
惣村 城東村 城東村 大正13年9月1日
宮津町に編入
田中村 明治18年
滝馬村
有田村
皆原村
波路村
山中村
宮村
獅子崎村
猟師町
鍛冶町 一部[13]を除く
一部[13] 吉津村 吉津村 吉津村 吉津村
須津村
惣村
(枝郷文珠門前)
明治8年
起立 文珠村
新宮村 栗田村 栗田村 栗田村 栗田村
脇村
中村
小寺村
上司町
中津村
小田宿野村
島陰村
田井村
矢原村
獅子村
国分村 府中村 府中村 府中村 府中村
小松村
中野村
大垣村
江尻村
難波野村
成相寺村
溝尻村
日置浜村 明治初年
日置村
日置村 日置村 日置村 日置村
日置上村
畑村 世屋村 世屋村 世屋村 世屋村
下世屋村
松尾村
東野村
上世屋村
駒倉村
木子村
里波見村 養老村 養老村 養老村 養老村
奥波見村 奥波見村
明治初年
分立 中波見村
長江村
岩ヶ鼻村
外垣村
大島村
田原村
日ケ谷村 日ケ谷村 日ケ谷村 日ケ谷村 日ケ谷村
須川村 一部[15] 野間村 野間村 野間村 昭和23年4月1日
日ケ谷村に編入
一部[15]を除く 昭和23年4月1日
所属変更 竹野郡
昭和30年3月1日
竹野郡弥栄町
平成16年4月1日
京丹後市
京丹後市
野中村 一部[14]を除く
一部[14] 明治32年7月28日
竹野郡八木村に編入
大正14年12月1日
竹野郡豊栄村
竹野郡豊栄村 昭和30年2月1日
竹野郡丹後町
弓木村 岩滝村 岩滝村 大正10年4月1日
町制 岩滝町
岩滝町 平成18年3月1日
与謝野町
与謝野町
岩滝村
男山村
加悦町 加悦町 加悦町 加悦町 加悦町 昭和29年12月1日
加悦町
算所村
加悦奥村
後野村
温江村 桑飼村 桑飼村 桑飼村 桑飼村
明石村
香河村
与謝村 与謝村 与謝村 与謝村 与謝村
滝村
金屋村
三河内村 三河内村 三河内村 三河内村 三河内村 昭和30年3月1日
野田川町
上山田村 山田村 山田村 山田村 山田村
下山田村
石川村 石川村 石川村 石川村 石川村
四辻村 市場村 市場村 市場村 市場村
幾地村
岩屋村 明治27年10月12日
岩屋村
岩屋村 岩屋村
亀島村 伊根村 伊根村 伊根村 伊根村 昭和29年11月3日
伊根町
伊根町 伊根町
平田村
日出村
本庄上村 本庄村 本庄村 本庄村 本庄村
本庄宇治村
本庄浜村
野室村
長延村
蒲入村
菅野村 筒川村 筒川村 筒川村 筒川村
野村
本坂村
大原村 朝妻村 朝妻村 朝妻村 朝妻村
新井村
井室村
六万部村
泊村
津母村
峠村
畑谷村
雲原村 雲原村 明治35年4月1日
所属変更 天田郡
天田郡雲原村 天田郡雲原村 昭和30年4月1日
福知山市に編入
福知山市 福知山市

行政

歴代郡長
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 明治11年(1879年)4月10日
大正15年(1926年)6月30日 郡役所廃止により、廃官

脚注

  1. ^ 吉田茂樹『日本古代地名事典』 新人物往来社、2001年、234頁 ISBN 4-404-02950-0
  2. ^ 藤原京の藤原宮の北をめぐる外濠から出た木簡に、「与射評大贄伊和?」とある。奈良国立文化財研究所『藤原宮木簡』一、179、奈良国立文化財研究所史料XII、1978年、解説84頁。
  3. ^ 以上3村は「旧高旧領取調帳」では後に宮津県の管轄となっているが、本項では「角川」によった。
  4. ^ 記載は本阪村。
  5. ^ 無高のため「旧高旧領取調帳」には記載なし。本項では便宜的に1町に数える。
  6. ^ 記載は鍛冶村。
  7. ^ 記載は猟師村。
  8. ^ 記載は須川分。
  9. ^ 記載は野中分。
  10. ^ 記載は日ヶ谷村。
  11. ^ 記載は泊り村。
  12. ^ a b この時点では宮津柳縄手、宮津京街道、宮津大久保、宮津木ノ部町、宮津京口、宮津京口町、宮津松原町、宮津島崎、宮津鶴賀町、宮津外側、宮津馬場先、宮津中ノ町、宮津吉原、宮津安智、宮津波路、宮津波路町、宮津本町、宮津魚屋町、宮津万町、宮津宮本町、宮津東新浜、宮津小川町、宮津金屋谷、宮津白柏町、宮津杉末町、宮津河原町、宮津住吉町、宮津漁師町、宮津蛭子町、宮津万年町、宮津万年町新地、宮津宮町、宮津池ノ谷、宮津川向町が存在。
  13. ^ a b c d 文珠街道沿いの町地
  14. ^ a b c 現在の丹後町大石
  15. ^ a b c 字成谷

参考文献

関連項目