ドゥラメンテ
ドゥラメンテ | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015年東京優駿 | ||||||||||||
欧字表記 | Duramente[1] | |||||||||||
品種 | サラブレッド[1] | |||||||||||
性別 | 牡[2] | |||||||||||
毛色 | 鹿毛[2] | |||||||||||
生誕 | 2012年3月22日 | |||||||||||
死没 | 2021年8月31日(9歳没) [3] | |||||||||||
抹消日 | 2016年6月29日[4] | |||||||||||
父 | キングカメハメハ[2] | |||||||||||
母 | アドマイヤグルーヴ[2] | |||||||||||
母の父 | サンデーサイレンス[2] | |||||||||||
生国 | 日本(北海道勇払郡安平町)[2] | |||||||||||
生産者 | ノーザンファーム[2] | |||||||||||
馬主 | サンデーレーシング[2] | |||||||||||
調教師 | 堀宣行(美浦)[2] | |||||||||||
調教助手 | 橋本篤典[5] | |||||||||||
競走成績 | ||||||||||||
タイトル | JRA賞最優秀3歳牡馬(2015年)[1] | |||||||||||
生涯成績 |
9戦5勝[1] 中央:8戦5勝 海外:1戦0勝 | |||||||||||
獲得賞金 |
6億6106万3000円[6] 中央:5億1660万7000円[1] UAE:440万6904UAEディルハム[7] | |||||||||||
WBRR |
L121 / 2015年[8] M121 / 2016年[9] | |||||||||||
| ||||||||||||
繁殖成績 | ||||||||||||
タイトル | 日本リーディングサイアー(2023年) |
ドゥラメンテ(欧字名:Duramente、2012年3月22日 - 2021年8月31日) は、日本の競走馬・種牡馬[1]。馬名の意味は、イタリア語の "duramente" (荒々しく、はっきりと)という音楽用語より[10]。
概要
[編集]2015年に皐月賞、東京優駿(日本ダービー)のクラシック二冠を制し、JRA賞最優秀3歳牡馬に選出された。翌2016年にはアラブ首長国連邦のドバイシーマクラシック(G1)で2着、続いて宝塚記念でも2着となったが、この競走中に競走能力を喪失する怪我を負い、引退して種牡馬となった。種牡馬入り後はタイトルホルダー、スターズオンアース、リバティアイランドなど9頭のGI級競走優勝馬を輩出しているが、タイトルホルダーによる産駒初のGI優勝を見ることなく、2021年8月31日に急性大腸炎のため僅か9歳の若さで死亡した。没後の2023年にはJRAリーディングサイアーを獲得。父内国産馬によるリーディングサイアーは日本競馬史上初。
経歴
[編集]デビュー前
[編集]母はエリザベス女王杯を連覇したアドマイヤグルーヴで[11]、出産後の10月に死亡したため、最後の産駒であった[12]。祖母エアグルーヴは優駿牝馬・天皇賞(秋)(共にGI)を勝った名馬(1997年JRA賞年度代表馬)で、さらにその母のダイナカールも優駿牝馬を勝っており、母子4代でのGI制覇となった[13]。
ノーザンファーム場長の中島文彦によると、ドゥラメンテは当歳時は骨の成長が早かった反面やや馬体が薄く、クラブで募集された時には少し繋ぎが硬いところがありすべてのバランスが良かったわけではなかったので、「ある程度じっくりやってくれる厩舎がいい」ということで、美浦トレーニングセンターの堀宣行厩舎への預託を決めたという[14]。
2歳(2014年)
[編集]デビュー戦は10月12日の東京競馬場芝1800m戦で1番人気に推されるも出遅れてしまい、2着だった[15]。2戦目は東京の未勝利戦に出走[16]。2着に6馬身差をつけて初勝利を挙げたが[16]、ゲート内で立ち上がったために発走調教再審査が課された[17]。
3歳(2015年)
[編集]前年末に帰厩後、首に輪を通してゲートに固定し、ゲート内で駐立させる訓練をした[18]。2月1日のセントポーリア賞では直線で抜け出すと、2着に5馬身差をつけ圧勝[19]。中1週で共同通信杯を目指すこととなった[20]。共同通信杯でも圧倒的な1番人気に推されるものの[21]、道中では折り合いを欠き、スムーズに運んだリアルスティールに敗れた[22]。次走は馬の状態を優先させ、トライアルを経ずに皐月賞直行をめざし[23]、除外された場合は、青葉賞を経て東京優駿出走を予定していた[24]。賞金的に出場は難しかったものの[25]、出走馬が36年ぶりにフルゲートに満たなかったため、無事出場することとなった[26]。
新たな鞍上として同年にJRAの通年騎乗免許を取得したミルコ・デムーロ騎手を迎えて臨んだ4月19日の第75回皐月賞では、3連勝で弥生賞を制したクリストフ・ルメール騎乗のサトノクラウン、福永祐一騎乗のリアルスティールに続く3番人気に支持された[14]。逃げるクラリティスカイが緩みないペースを作り、これを2番手のスプリングステークス勝ち馬キタサンブラックらが追走する中[14]、ドゥラメンテの序盤は後方からのレース[27]となり、第4コーナーで内側から大外まで大きく斜行(3頭[28]の進路を妨害したため、鞍上のデムーロはレース後開催4日間の騎乗停止処分を受けた[29]。)するが[30]、体勢を立て直すと直線では強烈な末脚を披露し[31]、早め先頭に立ったリアルスティールを交わし勝利した[14][32][33]。
5月31日の第82回東京優駿では単勝1.9倍で1番人気となった。レースでは折り合いが心配されていたが、道中は中団に位置し、直線に入ると坂の途中で先頭に立ち、押し寄せる後続馬をものともせずに押し切り勝利した[34]。これにより、2011年に達成したオルフェーヴル以来、4年ぶり史上23頭目となる春の2冠達成となった[35]。また勝ち時計2分23秒2は父キングカメハメハとディープインパクトが記録した2分23秒3を0.1秒更新するレースレコードとなった[36]。 また、関東所属のダービー馬は2009年に制したロジユニヴァース以来6年ぶり、関東所属のクラシック二冠馬は1997年のサニーブライアン以来、実に18年ぶりとなった[37]。鞍上のデムーロにとっては2003年のネオユニヴァース以来となる二冠達成となった[2]。
東京優駿後、秋に目標とするレースについて、三冠達成がかかる菊花賞、あるいは10月4日にフランスのロンシャン競馬場で開催される凱旋門賞の2つが浮上した[38]。しかし、ノーザンファーム早来へ放牧されていた際に両橈骨遠位端骨折が発見された[39]。堀調教師のコメントによればドゥラメンテの両脚の関節内へ米粒程度の軟骨片が遊離している状態であり症状としては軽度とされるも、今後について関係者間で協議して手術を行い骨片を摘出することに踏み切ったという[39]。手術によりドゥラメンテの競走能力へ影響が及ぶ懸念は無いと堀調教師はコメントしているが、もとより手術やリハビリ期間だけでも6か月を要し、さらに復帰時期が厳寒期にさしかかるため、より慎重なリハビリメニューをドゥラメンテに施し再起を図った[39]。
東京優駿以降、秋シーズンは全休を余儀なくされたものの皐月賞、東京優駿のクラシック春2冠制覇が大きく評価され、2016年1月6日に行われた2015年度JRA賞受賞馬選考委員会において、投票数291票中285票という圧倒的な得票数で最優秀3歳牡馬に選出された[40]。
-
皐月賞
-
東京優駿表彰式
4歳(2016年)
[編集]2月28日に行われた中山記念で9か月ぶりに復帰。M.デムーロ騎乗で単勝2.1倍1番人気に推され勝利[41][42]。今後のレースは3月28日にメイダン競馬場で行われるドバイ国際競走出走を予定し、その後の経過によっては凱旋門賞も視野に入れているとコメント[43]。3月3日、ドバイシーマクラシック(芝2410m)へ出走することが正式に発表された[44]。
ドバイシーマクラシックでは、馬場入場後右前脚の蹄鉄を落鉄するアクシデントが発生[45]。蹄鉄の打ち直しもうまくいかずそのまま発走し、イギリスのポストポンドの2着に敗れた[45][46]。
6月26日、3か月ぶりの実戦として宝塚記念に出走し、天皇賞(春)を勝利したキタサンブラックを抑え、単勝1.9倍の1番人気に支持された[47]。しかし、直線で外から伸びを図るも、先に抜けたマリアライトにクビ差及ばず2着に敗れた[47]。その直後に歩様が乱れレース後に下馬し、左前肢ハ行(はこう)とする診断がなされた。吉田俊介は「凱旋門賞への出走はやめます。今後のローテーションについても白紙です」と語り、今後の病状によっては、2016年度も凱旋門賞への出走を事実上見合わせる方向で調整する予定だったが[48]、6月29日、複数の靭帯、腱の損傷によって獣医師から競走能力喪失の診断が下され、引退することとなった[49]。
競走成績
[編集]以下の内容はnetkeiba.com[50]、ドバイシーマクラシックのみJBIS[51]およびRacing Post[52]の情報に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014.10.12 | 東京 | 2歳新馬 | 芝1800m(良) | 11 | 8 | 11 | 1.4 (1人) | 2着 | 1:48.9(33.7) | 0.1 | F.ベリー | 55 | ラブユアマン | 480 | |
11. 8 | 東京 | 2歳未勝利 | 芝1800m(良) | 14 | 1 | 1 | 1.2 (1人) | 1着 | 1:47.5(33.7) | -1.0 | R.ムーア | 55 | (ショウナンハルカス) | 474 | |
2015. 2. 1 | 東京 | セントポーリア賞 | 500万下 | 芝1800m(良) | 14 | 3 | 4 | 1.7 (1人) | 1着 | 1:46.9(34.1) | -0.9 | 石橋脩 | 56 | (ウェルブレッド) | 488 |
2.15 | 東京 | 共同通信杯 | GIII | 芝1800m(良) | 12 | 6 | 8 | 1.8 (1人) | 2着 | 1:47.2(33.7) | 0.1 | 石橋脩 | 56 | リアルスティール | 488 |
4.19 | 中山 | 皐月賞 | GI | 芝2000m(良) | 15 | 2 | 2 | 4.6 (3人) | 1着 | 1:58.2(33.9) | -0.2 | M.デムーロ | 57 | (リアルスティール) | 486 |
5.31 | 東京 | 東京優駿 | GI | 芝2400m(良) | 18 | 7 | 14 | 1.9 (1人) | 1着 | R2:23.2(33.9) | -0.3 | M.デムーロ | 57 | (サトノラーゼン) | 484 |
2016. 2.28 | 中山 | 中山記念 | GII | 芝1800m(良) | 11 | 7 | 9 | 2.1 (1人) | 1着 | 1.45.9(34.1) | 0.0 | M.デムーロ | 57 | (アンビシャス) | 502 |
3.26 | メイダン | ドバイSC | G1 | 芝2410m(稍) | 9 | 4 | 4 | 5.0 (3人) | 2着 | (2馬身) | M.デムーロ | 56.5 | Postponed | 計不 | |
6.26 | 阪神 | 宝塚記念 | GI | 芝2200m(稍) | 17 | 5 | 9 | 1.9 (1人) | 2着 | 2:12.8(36.1) | 0.0 | M.デムーロ | 58 | マリアライト | 498 |
- タイム欄のRはレコード勝ちを示す。
- 海外の枠番はゲート番
種牡馬時代
[編集]引退後は種牡馬となり、社台スタリオンステーションで繋養されることが決まった[53]。2017年から供用が開始され、同年は種牡馬生活1年目にして国内年間種付頭数の過去最高となる284頭との繁殖牝馬と交配された[54]。翌2018年1月15日にノーザンファームにて初産駒となる鹿毛の牝馬が誕生[54]。母が現役時代にGI3勝を挙げたスイープトウショウだったため、両親のGI勝利数を合計して「五冠ベイビー」と称された[55]。同馬は後にクリーンスイープと命名され、シルクレーシングの所有馬、美浦の国枝栄厩舎の所属馬となっている[56]。2018年もロードカナロアの294頭に次ぐ290頭の繁殖牝馬と交配された[57]。
2020年に初年度産駒がデビュー。6月から始まる中央での新馬戦に先駆け、浦和でデビューしたトーセンウォーリアが4月24日に新馬勝ちを収め、これが産駒の初出走初勝利となった[58]。
2020年6月7日、阪神競馬場の2歳新馬戦でアスコルターレがデビュー勝ちを収め、これが産駒のJRA初勝利となった[59]。
2021年3月7日、中山競馬場のGII弥生賞ディープインパクト記念をタイトルホルダーが勝利して産駒の重賞初勝利となった[60]。
種付け料は2020年度で700万円、2021年度は増額され、エピファネイア、キズナと同額の1000万円となる[61]。
2021年8月31日19時、急性大腸炎のため、繋養先の社台スタリオンステーションで死亡した。関係者によれば、死亡する1週間前から右前肢の蹄冠部外傷の治療を行っており良化途上にあったが、同月30日から症状の兆候が見え始め、悪化の一途を辿っていったという[3][62]。
2021年10月24日、タイトルホルダーが菊花賞を制し、産駒のGI初勝利及びクラシック初制覇を果たした。
2022年4月10日、スターズオンアースが桜花賞を制し、産駒の牝馬限定GI初勝利及び牝馬クラシック初制覇を果たした。
2022年5月1日、タイトルホルダーが天皇賞(春)を制し、産駒の古馬GI初勝利を果たした。
2022年5月22日、スターズオンアースが優駿牝馬を制し、産駒が牝馬2冠を達成した。
2022年11月3日、ヴァレーデラルナがJBCレディスクラシックを制し、産駒のダートGI級競走初勝利を果たした。
2022年12月11日、リバティアイランドが阪神ジュベナイルフィリーズを制し、産駒の2歳GI初勝利を果たした。さらに同馬は翌年4月9日に桜花賞、5月21日に優駿牝馬、10月15日に秋華賞を制し、史上7頭目の牝馬三冠を成し遂げた[63]。
2023年は牝馬三冠のリバティアイランドやNHKマイルカップを制したシャンパンカラー、菊花賞を勝ったドゥレッツァ、勝利こそないものの古馬戦線で好走を続けたスターズオンアースなどの活躍により、獲得賞金は前年比約12億円増の41億6555万9000円を記録。長らくディープインパクトが守ってきたJRAリーディングサイアーのタイトルを獲得した[64]。ディープインパクト以外の種牡馬がJRAリーディングサイアーを獲得したのは、自身の父であるキングカメハメハが2011年に獲得して以来、12年ぶり。
2024年4月14日に皐月賞の行われていた中山競馬場でJRA70周年記念プレミアムレースである前座のレースとして(準メインレース)、ドゥラメンテカップが施行された[65]。
2024年9月29日、ルガルがスプリンターズステークスを制し、産駒のスプリントG1初勝利を果たした。
種牡馬成績
[編集]種付料の推移
[編集]年 | 種付料(万円) | 増減 | 種付頭数[66] | 出産頭数[66] |
---|---|---|---|---|
2017年 | 400[67] | - | 284 | 191 |
2018年 | 400[68] | 0 | 294 | 203 |
2019年 | 600[69] | 200 | 184 | 122 |
2020年 | 700[70] | 100 | 178 | 120 |
2021年 | 1000[71] | 300 | 131 | 96 |
年度別成績
[編集]年 | 総合 (中央+地方) | 中央 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
出走 | 勝利 | 順位 | AEI | 収得賞金 | 出走 | 勝利 | 順位 | AEI | 収得賞金 | |||||
頭数 | 回数 | 頭数 | 回数 | 頭数 | 回数 | 頭数 | 回数 | |||||||
2020年 | 105 | 263 | 35 | 43 | 62 | 0.93 | 4億0635万2000 | 102 | 234 | 32 | 37 | 44 | 0.63 | 3億9134万7000 |
2021年 | 285 | 1343 | 113 | 170 | 11 | 1.34 | 16億1398万2000 | 273 | 958 | 72 | 91 | 11 | 0.92 | 15億5239万0000 |
2022年 | 353 | 2071 | 174 | 276 | 5 | 2.04 | 31億7528万6000 | 289 | 1164 | 100 | 126 | 5 | 1.59 | 29億4646万1000 |
2023年 | 381 | 2279 | 160 | 252 | 1 | 2.57 | 44億5248万8000 | 292 | 1188 | 82 | 118 | 1 | 2.17 | 41億5775万9000 |
主な産駒
[編集]以下、GI・JpnI競走は太字で示す。
GI級競走優勝馬
[編集]- 2018年産
- 2019年産
- 2020年産
- リバティアイランド(2022年阪神ジュベナイルフィリーズ、2023年桜花賞、優駿牝馬、秋華賞)[78]
- ドゥラエレーデ(2022年ホープフルステークス)[79]
- シャンパンカラー(2023年NHKマイルカップ)[80]
- ドゥレッツァ(2023年菊花賞)[81]
- ルガル(2024年シルクロードステークス、スプリンターズステークス)
-
タイトルホルダー(2018年産)
-
アイコンテーラー(2018年産)
-
スターズオンアース(2019年産)
-
ヴァレーデラルナ(2019年産)
-
リバティアイランド(2020年産)
-
ドゥラエレーデ(2020年産)
-
シャンパンカラー(2020年産)
-
ドゥレッツァ
(2020年産) -
ルガル
(2020年産)
グレード制重賞優勝馬
[編集]- 2018年産
- 2019年産
- 2020年産
- 2021年産
地方重賞優勝馬
[編集]- 2018年産
- フォーヴィスム(2024年スパーキングサマーカップ)
- 2019年産
- ジョンソンテソーロ(2024年九州クラウン)
- 2020年産
その他の著名な馬
[編集]- 2019年産
- プリーミー(12月生まれの超早生まれ馬)
特徴・評価
[編集]デビュー前の育成調教を担当したノーザンファーム早来厩舎長の林宏樹によると、ドゥラメンテはトップスピードに上がるのが速く、「車に例えるなら、3速を入れたつもりが、6速のスピードに達していたという印象もあります」といい[89]、それでいてキャンターでは安定した走りもできるため、だからこそ直線で爆発的な末脚を使うことができると述べている[89]。ミルコ・デムーロは皐月賞後のインタビューで「(2003年に自身が騎乗して二冠を制した)ネオユニヴァースに似てるね。本当に強い馬」と語り[90]、「馬体がそっくり。それから頭、考え方みたいなものもよく似ている」と評している[91]。
ドゥラメンテが優勝したGI競走で与えられたレーティングは、皐月賞が119[92]、日本ダービーが121を記録した[93]。いずれの競走でも最高となる数値を記録し(日本ダービーのレーティングは2020年にコントレイルが122を記録して更新[93])、皐月賞においては2005年のディープインパクト、2011年のオルフェーヴルの二頭のクラシック三冠馬を1ポンド上回った[92]。
血統表
[編集]ドゥラメンテの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | キングマンボ系(ミスタープロスペクター系) |
[§ 2] | ||
父 キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
父の父 Kingmambo1990 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native | |
Gold Digger | ||||
Miesque | Nureyev | |||
Pasadoble | ||||
父の母 *マンファスManfath 1991 黒鹿毛 |
*ラストタイクーン | *トライマイベスト | ||
Mill Princess | ||||
Pilot Bird | Blakeney | |||
The Dancer | ||||
母 アドマイヤグルーヴ 2000 鹿毛 |
*サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
母の母 エアグルーヴ1993 鹿毛 |
*トニービン | *カンパラ | ||
Severn Bridge | ||||
ダイナカール | *ノーザンテースト | |||
シャダイフェザー | ||||
母系(F-No.) | パロクサイド(GB)系(FN:8-f) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Northern Dancer S5×S5×M5 | [§ 4] | ||
出典 |
出典
[編集]- ^ a b c d e f "ドゥラメンテ". JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年8月7日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 谷川善久. "レース成績データ - GIレース - 日本ダービー - 第82回 東京優駿(日本ダービー)". 日本中央競馬会. 2015年7月22日閲覧。
- ^ a b “15年2冠馬ドゥラメンテ急死 急性大腸炎のため 9歳”. Sponichi Annex. 株式会社スポーツニッポン新聞社 (2021年9月1日). 2021年9月1日閲覧。
- ^ “ドゥラメンテ号が競走馬登録抹消”. JRAニュース. 日本中央競馬会 (2016年6月29日). 2016年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年7月9日閲覧。
- ^ “ドゥラメンテ・サトノクラウン、日本ダービー1週前厩舎情報/美浦トレセンニュース | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2015年5月21日). 2015年7月22日閲覧。
- ^ “ドゥラメンテが死亡”. JRAニュース. 日本中央競馬会 (2021年9月1日). 2022年6月8日閲覧。
- ^ “Dubai Sheema Classic Presented By Longines” (英語). Racing - Race Detail. IFHA. 2022年8月7日閲覧。
- ^ “LONGINES WORLD'S BEST RACEHORSE RANKINGS 2015” (英語). IFHA. 2021年10月28日閲覧。
- ^ “LONGINES WORLD'S BEST RACEHORSE RANKINGS 2016” (英語). IFHA. 2021年10月28日閲覧。
- ^ "ドゥラメンテの情報". サンデーサラブレッドクラブ. 2020年12月7日閲覧。
- ^ "ダイワスカーレット、アドマイヤグルーヴ、ファレノプシスの仔が登場!/新馬戦". netkeiba.com. 9 October 2014. 2015年7月22日閲覧。
- ^ 石野静香 (27 May 2015). "【新怪物ドゥラメンテの秘密】(3)「VIP馬房」ですくすく". スポーツ報知. 2015年7月22日閲覧。
- ^ “【皐月賞】ドゥラメンテ ダイナカール一族、母子4代G1制覇”. Sponichi Annex. 株式会社スポーツニッポン新聞社 (2015年4月20日). 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年7月22日閲覧。
- ^ a b c d 『Sports Graphic Number』952号(2018年5月17日発売)pp.38-39
- ^ "ラブユアマンが好位から抜け出しV/東京新馬". netkeiba.com. 12 October 2014. 2015年7月22日閲覧。
- ^ a b "【2歳未勝利】(東京4R) 〜ドゥラメンテが6馬身差でV [News]". ラジオNIKKEI. 8 November 2014. 2015年7月22日閲覧。
- ^ “11/8(土)制裁・出来事”. 馬三郎タイムズ. 2021年12月30日閲覧。
- ^ 『優駿』2015年7月号、27頁。
- ^ "ドゥラメンテが断然人気に応え5馬身差V!/セントポーリア賞". netkeiba.com. 1 February 2015. 2015年7月22日閲覧。
- ^ "クラシックへ向けて素質馬が集結/共同通信杯の見どころ". netkeiba.com. 9 February 2015. 2015年7月22日閲覧。
- ^ "【共同通信杯】スタート良すぎた…ドゥラメンテ2着". サンケイスポーツ. 16 February 2015. 2015年7月22日閲覧。
- ^ 大西直宏 (30 May 2015). "【競馬】ドゥラメンテに不安。ダービーで台頭する意外な「穴馬」". Sportiva. 2015年7月22日閲覧。
- ^ "【新怪物ドゥラメンテの秘密】(6)戦闘モード突入!「無理しない」ローテが引き出す". スポーツ報知. 30 May 2015. 2015年7月22日閲覧。
- ^ "ドゥラメンテは皐月賞に直行". サンケイスポーツ. 19 February 2015. 2015年7月22日閲覧。
- ^ 柏木集保 (20 April 2015). "文句なしの日本ダービーの最有力馬/皐月賞". netkeiba.com. 2015年7月22日閲覧。
- ^ JRA: 第75回皐月賞
- ^ 藤倉聡子 (19 April 2015). "競馬:皐月賞、3番人気のドゥラメンテが優勝". 毎日新聞. 2015年7月22日閲覧。
- ^ 「12番」ベルラップ(三浦皇成)・「15番」ダノンプラチナ(蛯名正義)・「6番」タガノエスプレッソ(菱田裕二)。成績表(PDF): H27 (2015)年3回中山競馬8日 (JRA)より。
- ^ “Mデムーロ、4日間騎乗停止…春天乗れず”. 予想王TV@SANSPO.COM (2015年4月20日). 2023年10月5日閲覧。
- ^ 赤見千尋 (30 May 2015). "強さと不安が共存ドゥラメンテ ミルコ・デムーロの胸の内は――(1ページ目)". スポーツナビ. 2015年7月22日閲覧。
- ^ "競走成績データ|11R 第75回 皐月賞(GI)". 日本中央競馬会. 2020年12月6日閲覧。
- ^ 赤見千尋 (30 May 2015). "強さと不安が共存ドゥラメンテ ミルコ・デムーロの胸の内は--(2ページ目)". スポーツナビ. 2015年7月22日閲覧。
- ^ "競馬データベース - 第75回皐月賞(G1)". netkeiba.com. 2015年7月22日閲覧。
- ^ "ドゥラメンテ二冠達成、今後について堀師「オーナーと相談してから」/日本ダービー". netkeiba.com. 1 June 2015. 2015年7月22日閲覧。
- ^ "ダービー、ドゥラメンテ2冠達成 史上23頭目". 47NEWS. 31 May 2015. 2015年7月22日閲覧。
- ^ "ドゥラメンテ2冠、ダービー制す…父の記録更新". 読売新聞. 31 May 2015. 2015年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年6月2日閲覧。
- ^ 加藤剛史 (8 June 2015). "【調教の新トレンド!美浦編】今春GI4勝!堀宣行厩舎の調教のヒミツ". netkeiba.com. 2015年7月22日閲覧。
- ^ "【ダービー】新怪物ドゥラ2冠!もう凱旋門賞2番人気". サンスポZBAT!競馬. 1 June 2015. 2020年12月6日閲覧。
- ^ a b c 「ニュースぷらざ - 二冠馬ドゥラメンテが骨折」『週刊競馬ブック通巻2842号』、ケイバブック、2015年6月29日、166頁、2015年7月22日閲覧。
- ^ 2015年度JRA賞競走馬部門 記者投票集計結果 日本中央競馬会
- ^ "競走成績データ|第90回中山記念". jra.jp. 日本中央競馬会. 2020年12月6日閲覧。
- ^ スポニチ・【中山記念】ドゥラメンテ復活V! ミルコ鳥肌「凄い、凄過ぎる!」2016年2月29日閲覧
- ^ ネット競馬ニュース・ドゥラメンテの次走について吉田俊介代表「使うとしたらドバイシーマクラシック」 2016年02月29日配信 2016年3月20日閲覧
- ^ 【ドバイWC】"怪物" ドゥラ、シーマC参戦へ2016年3月4日配信 2016年3月20日閲覧
- ^ a b "【ドバイシーマクラシック】落鉄で2着ドゥラメンテ ポストポンドに凱旋門賞でリベンジだ". 東京スポーツ. 28 March 2016. 2016年3月29日閲覧。
- ^ "【ドバイシーマC】ドゥラメンテ2着、凱旋門賞でリベンジ懸ける". スポーツニッポン新聞社. 27 March 2016. 2016年3月29日閲覧。
- ^ a b "競走成績データ|11R 第57回 宝塚記念(GI)". 日本中央競馬会. 2020年12月6日閲覧。
- ^ 【宝塚記念】ドゥラメンテ凱旋門賞断念 2着入線後に下馬(netkeiba)
- ^ ドゥラメンテ引退 競走能力喪失の診断、昨年2冠馬 種牡馬に スポーツニッポン 2016年6月29日
- ^ "ドゥラメンテの競走成績". netkeiba.com. 2016年6月27日閲覧。
- ^ "競走成績:全競走成績|ドゥラメンテ". JBISサーチ. 2016年3月29日閲覧。
- ^ "Full Result 4.20 Meydan (UAE) | 26 March 2016". Racing Post. 2022年7月6日閲覧。
- ^ "種牡馬入りドゥラメンテ、社台SSに到着". サンケイスポーツ. 22 July 2016. 2016年7月25日閲覧。
- ^ a b "ドゥラメンテの初産駒が誕生". 競走馬のふるさと案内所. 2020年12月6日閲覧。
- ^ "ドゥラメンテとスイープトウショウの"5冠ベイビー"が誕生". netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2020年12月6日閲覧。
- ^ "クリーンスイープ". JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2020年12月6日閲覧。
- ^ "カナロア国内種付け記録更新294頭". スポニチ Annex. 2020年12月6日閲覧。
- ^ "【地方競馬】ドゥラメンテ産駒が初勝利! 浦和でトーセンウォーリアが1.1秒差の圧勝". netkeiba.com. 24 April 2020. 2020年4月24日閲覧。
- ^ "【POG】アスコルターレがV ドゥラメンテ産駒JRA初勝利 今後は未定". netkeiba.com. 2020年12月6日閲覧。
- ^ "【弥生賞結果】タイトルホルダーが逃げ切り重賞初V 2歳王者ダノンザキッドは3着". netkeiba.com. 2021年3月7日閲覧。
- ^ "社台SSが来年度のけい養馬を発表、種付料トップはロードカナロアの1500万円". news.netkeiba.com. 2020年11月25日閲覧。
- ^ ドゥラメンテが死亡 - 日本中央競馬会(JRAニュース)2021年9月1日
- ^ “【秋華賞結果】リバティアイランドが異次元の走りで牝馬三冠達成!”. netkeiba. 2023年10月15日閲覧閲覧。
- ^ “【種牡馬リーディング】ドゥラメンテが首位に 11年連続トップのディープインパクトは3位”. netkeiba.com (2023年12月29日). 2023年12月30日閲覧。
- ^ JRA, Springer-Verlag 2024年9月4日閲覧。
- ^ a b c "種牡馬情報:世代・年次別(サラ系総合)|ドゥラメンテ". JBISサーチ. 2023年1月1日閲覧。
- ^ "【社台スタリオンステーション】の「2017年度ラインアップと種付料」が発表!". 馬市.com. 25 November 2016. 2022年4月3日閲覧。
- ^ "社台スタリオンステーションの種付料が決定". 社台スタリオンステーション. 29 December 2017. 2022年3月29日閲覧。
- ^ "社台スタリオンステーション繋養種牡馬の種付料が決定". 社台スタリオンステーション. 29 December 2018. 2022年3月29日閲覧。
- ^ "社台スタリオンステーション繋養種牡馬の種付料が決定". 社台スタリオンステーション. 29 November 2019. 2022年3月29日閲覧。
- ^ "社台スタリオンステーション繋養種牡馬の種付料が決定。". 社台スタリオンステーション. 24 November 2020. 2022年3月29日閲覧。
- ^ "種牡馬情報:種牡馬成績 |ドゥラメンテ". BISサーチ. 2023年1月1日閲覧。
- ^ "種牡馬情報:世代・年次別(サラ系中央)|ドゥラメンテ". JBISサーチ. 2023年1月1日閲覧。
- ^ "タイトルホルダー". JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2022年12月25日閲覧。
- ^ “アイコンテーラー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年11月3日閲覧。
- ^ "スターズオンアース". JBISサーチ. 2022年4月10日閲覧。
- ^ "ヴァレーデラルナ". JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2022年11月3日閲覧。
- ^ "リバティアイランド". JBISサーチ. 2023年10月15日閲覧。
- ^ "ドゥラエレーデ". JBISサーチ. 2022年12月28日閲覧。
- ^ "シャンパンカラー". JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2023年5月7日閲覧。
- ^ “ドゥレッツァ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年10月22日閲覧。
- ^ "アリーヴォ". JBISサーチ. 2022年2月20日閲覧。
- ^ "バーデンヴァイラー". JBISサーチ. 2023年2月9日閲覧。
- ^ "サウンドビバーチェ". JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2023年4月8日閲覧。
- ^ "ドゥーラ". JBISサーチ. 2023年7月30日閲覧。
- ^ "シングザットソング". JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2023年3月12日閲覧。
- ^ "シーズンリッチ". JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2023年5月21日閲覧。
- ^ “ダット”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年10月17日閲覧。
- ^ a b "重賞ウイナーレポート 2015年04月19日 皐月賞 G1". 競走馬のふるさと案内所. 2020年12月6日閲覧。
- ^ "大外一気ドゥラメンテ、圧巻の皐月賞V ミルコ絶賛!ネオユニヴァースの再来だ". sports.yahoo.co.jp. スポーツナビ. 2020年12月6日閲覧。
- ^ 『優駿』2015年6月号、pp.16-17
- ^ a b "【ドゥラメンテ徹底分析】3冠馬超えた衝撃皐月V". 競馬予想のウマニティ. 2020年12月12日閲覧。
- ^ a b "ダービーのレーティング発表…コントレイルは「122」". サラブレモバイル. 2020年12月12日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|ドゥラメンテ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年1月1日閲覧。
- ^ a b c “ドゥラメンテの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2020年1月1日閲覧。
- ^ “ドゥラメンテ - 競走馬詳細 - UMATOKU”. 馬トク. 株式会社報知新聞社. 2022年8月7日閲覧。
- ^ “ドゥラメンテ - Duramente - 競走馬データベース”. 競馬ラボ. 株式会社ドゥイノベーション. 2022年8月7日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ、Racing Post
- ドゥラメンテ - 競走馬のふるさと案内所