RUN (長渕剛の曲)
「RUN」 | |||||||
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長渕剛 の シングル | |||||||
初出アルバム『Captain of the Ship』 | |||||||
B面 | 「愛してるのに('93 大阪城ホール Live Version)」 | ||||||
リリース | |||||||
規格 |
8センチCD カセットテープ | ||||||
ジャンル |
ポピュラー フォークソング | ||||||
時間 | |||||||
レーベル | 東芝EMI/エキスプレス | ||||||
作詞・作曲 | 長渕剛 | ||||||
チャート最高順位 | |||||||
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長渕剛 シングル 年表 | |||||||
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EANコード | |||||||
EAN 4988006107793 |
「RUN」(ラン)は、日本のシンガーソングライターである長渕剛の26枚目のシングル。
アルバム『Captain of the Ship』(1993年)からの先行シングルであり、オリコンチャートでは最高位1位を獲得、売り上げ枚数は99万枚を記録した。
長渕主演のTBS系テレビドラマ『RUN』(1993年)の主題歌として使用された。
録音
[編集]「しゃぼん玉」以来となるロサンゼルスでのレコーディングを行っており、ケニー・アロノフやロイ・ビッタンなどアメリカ合衆国の現地ミュージシャンが参加している。
音楽性
[編集]デビュー当時とはかけ離れた、非常にしわがれた声で歌われている。声質はこの曲以前、また1994年以降よりもガラついており、作風が大きく変化した1990年代以降の確固とした長渕剛のスタイルが現れている。サウンド面では、通常のバンド形態の楽器のほかにマンドリンが加わっており、民族音楽のような曲調となっている。
歌詞の内容は、金よりも愛や真実を追い求める姿を描き出している。歌いだしの一節が、相田みつをの詩集からの盗作ではないかという疑惑[1]が浮上し、遺族側が長渕の事務所へ確認したところ、長渕は「相田さんの作品にインスパイアされたことは事実」と認め、遺族側に謝罪した[2]。遺族側はそれに対し光栄であると長渕に伝え、次作である「人間」(1994年)では冒頭で相田の代表作「人間だもの」の一節を引用し、ジャケット裏に「A tribute to Mr.MITSUO AIDA」と表示している。
音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「重苦しい悲愴感が漂う、自問自答的な内省歌。詞にはシニカルな表現が多分に盛り込まれている[3]」、「うなるように絞り出すしわがれた声で歌うのは、上手に世を渡ろうとして蹴つまづき、嘘で塗り固めてきた男の夢ばかり見て日が暮れる世知辛い物語[4]」と表記されている。
リリース
[編集]1993年9月22日に東芝EMIのエキスプレスレーベルよりリリースされた。セルフカバーシングルとなった前作「巡恋歌'92」(1992年)から約11ヶ月ぶりとなるリリース。そのため、新曲を収録したオリジナルシングルとしては「しゃぼん玉」(1991年)以来約2年ぶりともなる作品である。
同年11月に発売された約2年ぶりのアルバム『Captain of the Ship』(1993年)からの先行シングル。このシングルとアルバム『Captain of the Ship』2つのCDの購入者にプレゼントされる「長渕 剛 オリジナル ゴールドディスク・プレート」のキャンペーンの応募券付きのステッカーが封入されていた。
カップリング曲の「愛してるのに('93 大阪城ホール Live Version)」は、アルバム『時代は僕らに雨を降らしてる』(1982年)の収録曲。同年5月27日に開催された『LIVE JAPAN '93』大阪城ホールでのライブ音源。
批評
[編集]専門評論家によるレビュー | |
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レビュー・スコア | |
出典 | 評価 |
CDジャーナル | 肯定的[3][4] |
音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「やるせない嘆きの感情が、しとしと伝わってきて酷く切ない。曲のムードとは裏腹に、キャッチーなメロディで聴かせる[3]」、「果てなく広がる荒野に立たされたような孤独感が迫る[4]」と評されている。
チャート成績
[編集]オリコンチャートでは1位を獲得し、売り上げ枚数は累計で99万枚となった。長渕のシングルとしては「しゃぼん玉」(1991年)の110.8万枚、「とんぼ」(1988年)の103.5万枚に次ぐ売り上げとなった。また、この結果により長渕はシングル3作連続での1位を獲得する事となった。
ライブ・パフォーマンス
[編集]本作でのテレビ出演は、1994年1月2日放送に放送されたフジテレビ系音楽番組『栄光のミリオンスターBIG3・夢の競演』(1994年)に出演し、本局の他に「ガンジス」、「心配しないで」を演奏した。正月特別番組であり、長渕の他にCHAGE and ASKA、プリンセス・プリンセスが出演している。
長渕のシングルとしては高い売り上げを誇る曲であるが、ライブでの演奏頻度は低くあまり演奏されていない。ライブでの演奏は発表当時のライブツアー「Live'94 Captain of the Ship」以降では、2000年のツアー「Live Only 2x2 -an unplugged-」、2002年のツアー「Live 2002 "空/SORA" in Arena」、2003年のツアー「Live 2003 Keep on Fighting」、2009年の「Tsuyoshi Nagabuchi Acoustic Live 30th Anniversary」、2014年のツアー「TSUYOSHI NAGABUCHI ARENA TOUR 2014 ALL TIME BEST」などで行われた[5]。
メディアでの使用
[編集]TBS系テレビドラマ『RUN』(1993年)の主題歌として使用された[6][7]。同ドラマは長渕の主演連続ドラマの第7作であり、平均視聴率は15.2%を記録した。
カバー
[編集]- 長渕剛 - 『ACOUSTIC 俺の太陽』(1999年) - アレンジは大幅に変更されたが、歌詞はオリジナルと同じ。
- パク・ヨンハ - 『sometime』(2005年)
- 柏原芳恵 - 『encore』(2007年)
シングル収録曲
[編集]全作詞・作曲: 長渕剛、全編曲: 瀬尾一三、長渕剛。 | ||
# | タイトル | 時間 |
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1. | 「RUN」 | |
2. | 「愛してるのに('93 大阪城ホール Live Version)」 | |
3. | 「RUN(オリジナル・カラオケ)」 | |
合計時間: |
スタッフ
[編集]参加ミュージシャン
[編集]- ケニー・アロノフ - ドラムス
- ジョン・ピアス - ベース
- ティム・ピアス - エレクトリックギター、アコースティック・ギター、マンドリン
- 長渕剛 - アコースティク・ギター
- ロイ・ビッタン - キーボード
- ジョン・ヴァン・トンジェレン - キーボード
スタッフ
[編集]- 瀬尾一三 - プロデュース
- 長渕剛 - プロデュース
- 石塚良一 (Z's) - コ・プロデュース
- シェリー・ヤカス - ミックス・エンジニア、レコーディング・エンジニア
- ブライアン・シューブル - レコーディング・エンジニア
- チャド・マンジー - ミックス・エンジニア
- 町田晋(東芝EMI) - A&Rディレクター
- 森田秀美(オフィス・レン) - エグゼクティブ・プロデュース
収録作品
[編集]- スタジオ音源
- 『Captain of the Ship』(1993年)
- 『いつかの少年』(1994年)
- 『SINGLES Vol.3 (1988〜1996)』(1997年)
- 『ACOUSTIC 俺の太陽』(1999年) - リメイクバージョンを収録。
- 『BEST〜風〜』(2002年)
- 『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』(2014年)
脚注
[編集]- ^ 相田みつを作の詩「おさいせん 百円玉一つぽんと投げて 手を合わすおねがいことの多いこと」
- ^ 矢吹光「第3章 懺悔するのは誰か?」『長渕剛 VS 桑田佳祐』三一書房、1995年3月31日、127 - 192頁。ISBN 9784380952227。
- ^ a b c “長渕剛 / シングルスVol.3(1988~1996) [2CD]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2019年1月27日閲覧。
- ^ a b c “長渕 剛 / Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。 [4CD]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2019年1月14日閲覧。
- ^ “RUN/長渕剛の演奏されたライブ・コンサート”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2019年3月2日閲覧。
- ^ “RUN - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2019年3月2日閲覧。
- ^ 矢吹光「第2章 対決!両雄黄金の経歴」『長渕剛 VS 桑田佳祐』三一書房、1995年3月31日、53 - 126頁。ISBN 9784380952227。
外部リンク
[編集]- 公式サイトディスコグラフィー「RUN」 - ウェイバックマシン(2012年1月3日アーカイブ分)
- 公式サイトディスコグラフィー「RUN」
- Run - Discogs