コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

在大韓民国日本国大使館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
駐韓日本大使館から転送)
在大韓民国日本国大使館
주 대한민국 일본 대사관
菊花紋章
地図
所在地大韓民国の旗 大韓民国
住所ソウル特別市鍾路区栗谷路6
大使相星孝一
ウェブサイト在大韓民国日本国大使館
旧庁舎(老朽化のため建物は解体され2023年現在は隣のビルへ移転している)。手前はいわゆる朝鮮人慰安婦とされるブロンズ像

在大韓民国日本国大使館(ざいだいかんみんこくにほんこくたいしかん、朝鮮語: 주 대한민국 일본 대사관英語: Embassy of Japan in South Korea)は、大韓民国ソウル特別市鍾路区に在所する日本国大使館である。

所在地

[編集]
節内の全座標を示した地図 - OSM
節内の全座標を出力 - KML

沿革

[編集]
李氏朝鮮時代
在朝鮮日本公使館(1900年
大韓民国時代

歴代在韓日本大使

[編集]
大使 任期 備考(前職、その他)
- 水嶋光一 2024年(予定) 在イスラエル大使
21 相星孝一 2021年 - 在イスラエル大使
20 冨田浩司 2019年 - 2021年 金融・世界経済に関する首脳会合担当大使
19 長嶺安政 2016年 - 2019年 外務審議官、2017年1月から4月にかけて12週間ほど一時引揚
18 別所浩郎 2012年 - 2016年 外務審議官
17 武藤正敏 2010年 - 2012年 クウェート大使
16 重家俊範 2007年 - 2010年 南アフリカ共和国大使
15 大島正太郎 2005年 - 2007年 在ジュネーブ国際機関大使
14 高野紀元 2003年 - 2005年 外務審議官
13 寺田輝介 2000年 - 2003年
12 小倉和夫 1997年 - 1999年 外務審議官
11 山下新太郞 1994年 - 1997年
10 後藤利雄 1992年 - 1994年
9 柳健一 1990年 - 1992年
8 梁井新一 1987年 - 1990年
7 御巫淸尚 1984年 - 1987年
6 前田利一 1981年 - 1984年
5 須之部量三 1977年 - 1981年 駐インドネシア大使
4 西山昭 1975年 - 1977年
3 後宮虎郞 1972年 - 1975年
2 金山政英 1968年 -1972年
1 木村四郎七 1966年 -1968年
前田利一 1965年 -1966年 臨時代理大使

歴代在李氏朝鮮公使

[編集]
大使 任期 備考
花房義質 1877年 - 1883年 1880年まで代理公使
大鳥圭介 1893年 - 1894年
井上馨 1894年 - 1895年
三浦梧楼 1895年 -

大韓民国との紛争

[編集]

2012年、在韓日本大使館の建て替えが計画された。日韓関係の深化に伴い業務が増え手狭となり、また建物の老朽化も進んだため、地下3階、地上6階建大使館への建て替え計画であった。文化財である景福宮(王宮)に近接していることから、敷地は文化財保護法の適用範囲内にあり、同法の高さ制限に抵触するとして、文化財庁文化財委員会が反対した。

これに対し日本政府は、大使館は高層ビルに囲まれており、景福宮との間には今回の建築計画よりも高い17階建のビルもある。景観への影響はないと反論したが、韓国側は長らく建設許可を認めなかった。

2013年、東京の韓国大使館の新築計画が浮上。在韓日本大使館の建築を認めず、東京の韓国大使館の新築に取りかかれば、日韓の新たな火種になりかねず、韓国外交部が再検討を促し、文化財庁は取り壊し後に発掘調査を行う条件で承諾した。そして、発掘調査で朝鮮時代と推定される遺物が発見されたものの歴史的な価値は認められず、工事は可能となったが、日本政府は工事に着手しなかった。日本政府と外務省は着工しない理由を明らかにしていないが、大使館前に設置されたいわゆる慰安婦像が影響していると言われている。

着工しないまま4年近くが経過し、日本大使館側が着工延長申請をしなかったことから、韓国ソウルの鐘路区は、2019年3月、在韓日本大使館に新築ビルの建築許可の取り消しを通知した。

2017年1月9日まで長嶺安政特命全権大使を務めていたが、「慰安婦問題日韓合意に基いて直ちに撤去されるべき従軍慰安婦像を、韓国当局が日本側からの慰安婦像撤去の申し入れに応じない」という重大な合意違反に対する抗議として、長嶺大使はソウル市内の金浦国際空港で記者団に慰安婦像設置について「極めて遺憾だ」と述べた上で、赴任地の韓国から引き揚げた[10]

その後、長嶺大使の再赴任と後任者の任命のいずれも行われず、駐韓日本大使の不在期間としては歴代最高記録を更新し続けていたが[11]、12週間ほど置いた4月4日、北朝鮮によるミサイル発射や朴槿恵前大統領の罷免などの情勢急変を受けた日本国政府の判断により、長嶺大使が帰任した[12]

その他

[編集]
  • 2017年4月19日、森本康敬釜山総領事が釜山市東区の朴三碩区長と面会し、領事館前に設置された慰安婦像の撤去を求めた。また、像の撤去が行われない場合、総領事館を連絡所へ格下げする案を伝えた[13]
  • 2019年7月19日、未明、大使館前で乗用車が炎上した。乗っていた70代男性が焼身自殺を図ったとみられる。男性はその後搬送された病院で死亡。警察関係者より、車内からはガソリンとみられる液体入り20リットル容器2つと、ブタンガス入りとみられるボンベ20個余りが見つかったという。男性は当初、大使館の入っているビルへ車での突進を試み、警察が阻止した[14]
  • 2019年7月22日、釜山総領事館に韓国人学生7人が敷地内に侵入、建造物侵入などの現行犯で警察当局に拘束された。学生らは、総領事館の前で日本の輸出規制に抗議する集会を開いていた団体に呼応するように、敷地内から「主権侵奪、安倍糾弾」などと書いた横断幕を掲げようとしていた。2020年4月2日、釜山地方裁判所は被告人の韓国人学生6人に対し、罰金300万ウォンを「2年間宣告猶予」すると言い渡した。裁判長は「被告人たちの行動に国民も共感した。だが手続きを間違えた」と述べ「社会進出を準備している大学生である点などを判決で考慮した」と執行猶予を付した理由を説明している[15][16]

脚注

[編集]
  1. ^ a b 植民地期朝鮮における日本人移住者の文学 立命館大学
  2. ^ 大宰相・原敬 p343 福田和也 PHP研究所2013年 ISBN 4569816479
  3. ^ a b c d 『朝鮮國漢城日本公使館氣候経驗録』ならびに『朝鮮國漢城日本領事館氣候經驗錄』にみられる気象データの観測地点について p57 小林茂大阪観光大学大阪大学名誉教授・山本健太國學院大學経済学部・関根良平東北大学環境科学研究科
  4. ^ 「ソウルのデモ隊乱入 大使館一階は完全破壊 7人を連行取り調べ 釜山でも前日に乱入騒ぎ」『朝日新聞』昭和49年(1974年)9月7日朝刊、13版、23面
  5. ^ 質問第127号 在韓国日本大使館前における「慰安婦像」に関する質問主意書 参議院 佐藤正久 2012年5月30日
  6. ^ 【中国BBS】靖国放火の犯人が中国帰国、中国人たちから称賛の声 Searchina 2013/01/05
  7. ^ 大使館に火炎瓶投げた中国人「野田首相の発言に怒り」 聯合ニュース 2012/01/08
  8. ^ 日本大使館移転のお知らせ 在大韓民国日本国大使館
  9. ^ “在韓日本大使館の建築許可取り消し、ソウル市当局”. AFPBB News. (2019年4月10日). https://www.afpbb.com/articles/-/3220196 2022年11月19日閲覧。 
  10. ^ 駐韓大使が一時帰国 釜山少女像「極めて遺憾」:朝日新聞デジタル - 2017年1月9日
  11. ^ 駐韓日本大使の不在期間 最長に=帰任ムードなし-Chosun online 朝鮮日報 - 2017年1月22日
  12. ^ 【社説】日本が韓国に差し伸べた手 - WSJ - 2017年4月4日
  13. ^ 森本康敬・釜山総領事が像撤去要求 駐韓大使は統一次官と協議”. 産経新聞 (2017年4月18日). 2020年4月4日閲覧。
  14. ^ ソウルの日本大使館前で放火の男が死亡”. 日本経済新聞 (2019年7月20日). 2021年2月18日閲覧。
  15. ^ 日本総領事館に侵入、6人拘束 韓国・釜山”. 日本経済新聞 (2019年7月22日). 2020年4月4日閲覧。
  16. ^ 日本総領事館に不法侵入した韓国人が「実質無罪」 韓国司法の仰天大甘判決”. FNN (2020年4月2日). 2020年4月4日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]