車仔麺
車仔麺(チェーチャイミン、cart Noodles)は、香港の代表的な屋台料理[1]。「香港独特の食文化」とも言われる[2]。
概要
[編集]いろいろなスープ、麺、具材を任意に組み合わせて自分好みの1杯を作って食する[1]。50種類の具材を用意する店もある[1]。
全ての店で用意してあるわけではないが、どの麺、スープ、具材を選ぶか悩む客のために「お任せメニュー」が用意されていることがある[2]。「大什」は約10種類の具材が入っており、「小什」は約8種類の具材が入る[2]。各具材を1つずつ注文するよりも値段が安くなるため、どの店でも人気がある[1]。
歴史と名称
[編集]1960年代に車仔(手押し車、リヤカー)で販売していたことから、名づけられている[2][3]。調味料や塩で味付けしたスープに入れた麺の上に、くず野菜や肉を載せて売ったことが始まりといわれている[2]。この麺r料理は労働者を中心に人気を集め、以降、車仔麺を売る屋台が多く出現するようになって、香港を代表する食文化のひとつとなった[2]。
香港は移民の街であり、さまざまな地方から人々が集まってきている[2]。それぞれの地方では料理の味付けも異なり、味覚の嗜好も異なる[2]。そういった人々の味覚をそれぞれ満足させるため、麺と具材の種類をそろえて、客自らに選択させるようになったのではないかと推測されている[2]。
組み合わせの例
[編集]麺
[編集]7種類から8種類の麺を用意している店が多い[2]。
以下に例示する[2]。
- 公仔麺 - インスタントラーメンの麺。日本の出前一丁などが人気はあるが割り増し料金になることも多い。
- 烏冬麺 - うどん。
- 伊麺 - 一度揚げてから乾燥させた麺。
具材
[編集]潮州料理の鹵味(甘辛いしょうゆ味のたれで肉、野菜、ゆで卵を煮込んだ物)が多い[2]。
以下に例示する[2]。
スープ
[編集]- 辣汁 - スパイシーなスープ
- 鹵水汁 - 甘辛い醤油味
- 清湯
- 牛腩汁 - 牛ばら肉を煮込んだスープ
なお、スープを一日中煮込んでいる店が多いため、閉店間際のほうがスープは濃厚になる傾向がある[2]。