黄そば
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黄そば(きぃそば)とは、近畿地方などで食べられている麺料理の名称[1][2][3]。茹でた中華麺にうどんのだし汁をかけたもの[1][2][3]。黄ぃそばと表記することもある[2][4]。
近畿地方の大衆食堂や高校の学食などで提供されていたこともあり、ソウルフードとされる[1][3]。
歴史
[編集]1949年10月にまねき食品が姫路駅で立ち食い蕎麦を提供するようになったが、物資不足ということもあり、中華麺に和風だしをかけ、天ぷらを乗せた天中華を販売した[5]。日持ちが良い、安価である、腹持ちが良いといった特徴に加えて味のバランスが良かったことから、学食のメニューとして普及した[5]。その色合いからラーメンや焼きそばに用いられる中華麺は「黄ぃそば」と当時から呼ばれていたが、和風だしに中華麺を合わせた料理を黄そば、黄ぃそばと呼ぶようになった(詳細は姫路駅#えきそばを参照)。
地域によっては、「和風ラーメン」と呼んでいることもある[5]。
海南市の一部では、甘く煮た油揚げを乗せたものをいたちそばと呼称することもある[2]。また、海南駅前で1922年から営業している「みき乃や」では一部の客がパンダと呼称する。2019年頃からこのいたちそばを海南市のB級グルメとする動きがある[2]。
商品化
[編集]- 京阪グループの立ち食いそば・うどん店の麺座では黄そばを提供しており、名物メニューとなっている[1]。
- イトメンは、カップ黄そばを商品化している[6]。
- 2013年頃より山梨県の「丸政」では、自社の駅そばチェーンにて「黄そば」の提供を始めたが、これはうどん出汁ではなく蕎麦用のめんつゆと組み合わせている[7]。
出典
[編集]- ^ a b c d 『京阪電鉄のひみつ』PHP研究所、2014年、167頁。ISBN 9784569818276。
- ^ a b c d e “うどん出汁+中華めん+油揚げ=いたちそば”. ニュース和歌山. (2019年2月16日) 2021年4月26日閲覧。
- ^ a b c 「街場の黄そば」『Meets Regional』3月号、京阪神エルマガジン社、2021年、58頁。
- ^ 『人気急上昇中の新ラーメン! 和風中華 「黄ぃそば」 本格うどん出汁で食べる中華そば 薬味により全く違った味わいのスープに!』(プレスリリース)宮崎郷土料理どぎゃん、2010年10月29日 。2021年4月26日閲覧。
- ^ a b c d “ラーメン・つけ麺・中華麺” (PDF). 日本コナモン協会. 2021年4月26日閲覧。
- ^ “カップ黄そば”. イトメン. 2021年4月26日閲覧。
- ^ 街のそば屋にラーメンがあるのはなぜ? 知られざる「中華麺をそばつゆで」の世界 - 文春オンライン・2021年10月26日