トルテリーニ
トルテッリーニ(Tortellini、単数形はTortellino)は、薄く伸ばした正方形の生地にラビオリのように詰物をして、それを三角形に折り、両端を合わせて指輪状にしたパスタ[1]である[2]。
概要
[編集]詰め物の基本的な材料は、豚ロース肉(生でもよいが、伝統的なのはローズマリー、にんにくみじん切り、塩、胡椒でマリネして2日休ませてバターソテーしたもの)、生ハム、ボローニャのモルタデッラ、パルミジャーノ・レッジャーノ、卵、ナツメグ。また前述材料の肉類はすべて細かく刻むかミンチにする。トルテッリーニは、雄鶏と雄牛で作ったブイヨンスープの中に入れて食べるのが伝統的。
トルテッリーニは元々はイタリアのボローニャから広まったものとされている。[3]
ボローニャでは1974年12月7日、商工会議所によりイタリア料理アカデミーにボローニャ料理として登録されている。ボローニャでは典型的な日曜日のメニューとして知られている。雄鶏と雄牛のスープで頂くトルテッリーニ(トルテッリーニ・イン・ブロート)のレシピもそこに合わせて明記されている。このトルテッリーニ・イン・ブロードはクリスマスの定番メニューにもなっている。
神話
[編集]言い伝えによれば、ローマ神話の愛の女神ビーナスはトルテッリーニが大好物だったという。ビーナスはギリシア神話で言うアフロディーテに当たる。 ビーナスが、ある時ボローニャの食堂にやってきた。彼女がそこでジュピターと会う予定だったのか、その食堂の主人がおもてなしのために招いたのかは、定かではない。 いずれにせよ料理長は、言い伝えによれば鍵穴からこっそりとビーナスがトルテッリーニを食べてお腹がいっぱいになっていくさまを覗き見して、その美しさに感嘆したという。
脚注
[編集]- ^ 『改訂西洋料理料飲接遇サービス技法』 職業訓練教材研究会 2009年 p.29
- ^ 海老坂武は『パリからの旅1989-1991: いま、ヨーロッパは』中央公論社 1992年 p.69で「イタリア風ぎょうざ」と評している。
- ^ “Mushroom and Mozzarella Tortellini”. Ang Sarap. 2012年2月18日閲覧。、起源については、ボローニャとモデナの間で論争があるとのこと。後述のビーナスの話もこれに絡んだ口承と思われる。ビーナスの話は英語版、ドイツ語版にはあるものの、イタリア語版には記載がない。出典も不明。