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臭化リチウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
臭化リチウム
識別情報
CAS登録番号 7550-35-8 チェック
PubChem 82050
EC番号 231-439-8
RTECS番号 OJ5755000
特性
化学式 LiBr
モル質量 86.845(3) g/mol
外観 吸湿性のある白色の固体
密度 3.464 g/cm3
融点

552℃

沸点

1,265℃

への溶解度 145 g/100 mL (4℃)
254 g/100 mL (90℃)
溶解度 メタノールエタノールエーテルに可溶。ピリジンにわずかに溶ける。
屈折率 (nD) 1.784
熱化学
標準生成熱 ΔfHo -4.044 kJ/g
−351.213 kJ mol−1[1]
標準モルエントロピー So 74.27 J mol−1K−1
危険性
EU Index Not listed
NFPA 704
2
2
0
引火点 29℃
関連する物質
その他の陰イオン フッ化リチウム
塩化リチウム
ヨウ化リチウム
その他の陽イオン 臭化ナトリウム
臭化カリウム
臭化ルビジウム
臭化セシウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

臭化リチウム(しゅうかリチウム、: Lithium bromide)は、リチウム臭化物で、化学式LiBrで表される。

性質

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炭酸リチウムあるいは水酸化リチウム臭化水素酸を反応させると水溶液が得られる。

無色の塩化ナトリウム型構造イオン結晶であり、格子定数はa = 5.490Å (549.0pm)である[2]

潮解性が強く、密栓して保存する。に易溶、エタノールおよびジエチルエーテルなどにも可溶である。水溶液からは4℃以下で3水和物、4〜34℃で2水和物、34℃以上では1水和物が析出する。また5水和物と水との間に−72℃の共晶点がある。これらの水和物を加熱すると無水物が得られる。

用途

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吸湿性があり、吸収式冷凍機吸収溶液乾燥剤として使用される。近年ではリチウム塩として、躁病双極性障害の治療にも用いられる。ラットに経口投与した場合の半数致死量は雄で1,383mg/kg、雌では1,600mg/kg[3]

脚注

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  1. ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982)
  2. ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年
  3. ^ 財団法人食品薬品安全センター