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セコバルビタール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
セコバルビタール
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 Seconal
Drugs.com 患者向け情報(英語)
Consumer Drug Information
MedlinePlus a682386
胎児危険度分類
  • D (United States)
法的規制
薬物動態データ
生物学的利用能?
血漿タンパク結合45-60%[1]
代謝Hepatic
半減期15-40 hours[1]
排泄Renal
識別
CAS番号
76-73-3 チェック
ATCコード N05CA06 (WHO) QN51AA02 (WHO)
PubChem CID: 5193
IUPHAR/BPS 7615
DrugBank DB00418 チェック
ChemSpider 5005 チェック
UNII 1P7H87IN75 チェック
KEGG D00430  チェック
ChEBI CHEBI:9073 チェック
ChEMBL CHEMBL447 チェック
化学的データ
化学式C12H18N2O3
分子量238.283
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セコバルビタール(Secobarbital)は、短時間作用型のバルビツール酸誘導体で、1934年アメリカ合衆国特許が取得され販売されている[2]麻酔作用抗痙攣作用抗不安作用鎮静作用催眠作用を有する。イギリスでは、キナルバルビトン(Quinalbarbitone)として知られていた。米国内の医師幇助自殺で最も頻繁に使用されている薬物である[要出典]。睡眠薬としては時代遅れのものと見做されており[要出典]、大部分の用途はベンゾジアゼピン系薬剤に置き換えられている。

効能・効果

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日本

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海外

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  • てんかんの治療
  • 不眠症の一時的な治療
  • 痛みの少ない短時間の手術、診断または治療における、麻酔および抗不安を齎す術前投薬

禁忌

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次の患者には禁忌である[3]

  • バルビツール酸系化合物に対し過敏症の患者
  • 急性間歇性ポルフィリン症の患者

原則禁忌

  • 心障害を有する患者
  • 肝障害または腎障害を有する患者
  • 呼吸機能の低下している患者
  • 薬物過敏症の患者

副作用

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重大な副作用として[3]

が挙げられている。その他、0.1%以上の患者に、発疹等の過敏症、悪心・嘔吐 、眠気、頭重感、めまい、脈拍異常、興奮、腱反射亢進、痙攣、口渇が現れる。

離脱症状

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心理的な中毒を引き起こす可能性があり、長期間使用時に身体的な依存を生じる。離脱症状には以下のものがある。

  • 不安
  • 不眠症
  • 食欲不振
  • 痙攣発作
  • 振戦
  • 禁断症状による死亡の可能性

安楽死への利用

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オランダでは安楽死手段の一つ(ペントバルビタールまたはセコバルビタール15gを含む濃縮シロップ100mlの経口摂取)として用いられているが[4]、近年はこの手段を選択した人は15%に過ぎず、残りは医師による別の薬物の静脈内投与を選択している[5]

米国では、1998年からオレゴン州、2008年からワシントン州、2013年からバーモント州の医師による死への幇助に関する法律の下で、セコバルビタールとペントバルビタールが最もよく処方される薬物となっている[6][7][8]

2017年からはカナダでも医師幇助自殺に使用される[9]

の安楽死にも使用される。

LD50は125mg/kg(ラット、経口)、267mg/kg(マウス、経口)と報告されている[10]

参考資料

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  1. ^ a b Lexi-Comp. “Secobarbital”. 2007年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ2007年12月2日閲覧。
  2. ^ US patent 1954429, Shonle, H. A., "Propyl-Methyl Carbinyl Allyl Barbituric Acid and its Salts", issued 1934-04-10, assigned to Eli Lilly 
  3. ^ a b 注射用アイオナール・ナトリウム(0.2)”. www.info.pmda.go.jp. 2022年1月13日閲覧。
  4. ^ Hulp bij zelfdoding(Dutch)”. Oncoline (2010年7月29日). 2016年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ2016年6月29日閲覧。
  5. ^ Croonen, Heleen (April 1, 2010). “Euthanasiedrank verliest terrein(Dutch)”. Medisch contact. 2022年1月13日閲覧。
  6. ^ “Implementing a Death with Dignity program at a comprehensive cancer center”. The New England Journal of Medicine 368 (15): 1417–24. (April 2013). doi:10.1056/NEJMsa1213398. PMID 23574120. https://semanticscholar.org/paper/b263b9a3a8df3d29269f001cd732273368bb0567. 
  7. ^ Oregon's Death with Dignity Act 2013 Report”. Oregon Health Authority (January 28, 2014). 2014年11月18日時点のオリジナルよりアーカイブ2014年11月18日閲覧。
  8. ^ “Five years of legal physician-assisted suicide in Oregon”. The New England Journal of Medicine 348 (10): 961–4. (March 2003). doi:10.1056/NEJM200303063481022. PMID 12621146. 
  9. ^ Bryden, Joan (November 17, 2017). “Newly Available Drug Secobarbital Could Boost Number of Self-Administered Assisted Deaths”. CBC. https://www.cbc.ca/news/politics/secobarbital-canada-assisted-dying-1.4406784 
  10. ^ NIH. “Secobarbital - Human Health Effects”. 2018年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ2018年2月22日閲覧。

外部リンク

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