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第29回スーパーボウル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
第29回スーパーボウル
Super Bowl XXIX
1 2 3 4

SD 7 3 8 8

26
SF 14 14 14 7

49
開催日 1995年1月29日
スタジアム ジョー・ロビー・スタジアム
開催地 フロリダ州マイアミガーデンズ
MVP スティーブ・ヤング(フォーティナイナーズQB
優勝予想 49ers by 18½[1]
国歌斉唱 キャシー・リー・ギフォード
コイントス オットー・グレアムミーン・ジョー・グリーンスティーブ・ラージェントレイ・ニチキゲイル・セイヤーズリー・ロイ・セルモンケレン・ウィンズロー
ハーフタイム トニー・ベネットパティ・ラベルアルトゥーロ・サンドヴァルマイアミ・サウンド・マシーン
入場者数 74,107人
アメリカにおけるテレビ放送
ネットワーク ABC
実況と解説 アル・マイケルズ(実況)
フランク・ギフォードダン・ディーアドルフ(解説)
視聴率 41.3%(全米)
占有率 63%(全米)
CM広告料
(30秒)
115万ドル
 < 第28回 スーパーボウル 第30回 > 

第29回スーパーボウル(だい29かいスーパーボウル、Super Bowl XXIX)は、1995年1月29日アメリカ合衆国フロリダ州マイアミガーデンズジョー・ロビー・スタジアムで行われたアメリカンフットボールの試合[2]1994年シーズンNFL優勝をかけて、NFC王者サンフランシスコ・フォーティーナイナーズAFC王者サンディエゴ・チャージャーズが対戦した。その結果、ナイナーズがチャージャーズを49-26で破って、5年ぶり5度目の制覇を果たした。このナイナーズの勝利で、スーパーボウルはNFCのチームが11連勝となった[3]

ナイナーズは、スーパーボウルでの5度目の優勝を果たした最初のチームとなった。MVPスーパーボウル記録となる6TDパスを決めたナイナーズのクォーターバックであるスティーブ・ヤングが受賞した[3]。ヤングはこのシーズン、シーズンMVPにも選ばれており、1966年バート・スター1978年テリー・ブラッドショー1989年ジョー・モンタナ1993年エミット・スミスに次いで5人目の同一シーズン両MVP受賞者となった。

背景

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1991年5月23日に行われたオーナー会議で、開催地にマイアミが選ばれた。マイアミでのスーパーボウル開催は7回目となった。

過去4シーズン連続でAFCからスーパーボウルに出場したバッファロー・ビルズは後半8試合のうち、6試合に敗れ、7勝9敗でシーズンを終えた。

サンフランシスコ・フォーティナイナーズ

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1988年から1993年までの6シーズンにナイナーズは、NFCチャンピオンシップゲームに5度進出し、第23回第24回スーパーボウルを連覇していた。しかしジョージ・シーファート率いるチームは、1992年・1993年とダラス・カウボーイズに敗れてスーパーボウル出場を逃していた[1]。チームはフリーエージェントリチャード・デント第20回スーパーボウルMVP)、チャールズ・マンリッキー・ジャクソンケン・ノートン・ジュニアゲイリー・プラマーディオン・サンダースなどのディフェンス選手を獲得した。

ディオン・サンダースは3インターセプトリターンTDをあげて、シーズン最優秀守備選手に選ばれた[1]

こうした補強によりトータルディフェンスは前年の18位から8位に向上、ランディフェンスは16位から2位となった。デイナ・スタブルフィールドがチームトップの8.5サックをあげてプロボウルに選ばれた。また新人DTのブライアント・ヤングが42タックル、6サック、1ファンブルリカバーをあげた。ミドルラインバッカーのケン・ノートン・ジュニアはチームトップの77タックル、1インターセプトをあげた。プロボウルセイフティのマートン・ハンクスがチームトップの7インターセプト、ディオン・サンダースは6インターセプト、3TDをあげて最優秀守備選手に選ばれた。この年ディオンは303ヤードのインターセプトリターンを見せたが、これはNFL史上3位の記録であり、90ヤード以上のリターンTDを同じシーズンに2回あげた最初の選手となった。もう1人のプロボウルセイフティ、ティム・マクドナルドは2インターセプト、1TDをあげた。

ジョー・モンタナに代わって先発QBを務めたスティーブ・ヤングは1991年、1992年とNFLトップのパス成績をあげ、モンタナはカンザスシティ・チーフスにトレードされていた[1]。しかしモンタナが4回のスーパーボウルを制覇していることに対して、ヤングはビッグゲームに勝てないと批判された。1994年ヤングはパス461回中324回成功、3,969ヤード、35TD、10INTの成績をあげて、これまでモンタナが持っていたシーズンNFL記録を塗り替えるQBレイティング112.8をマークした。また58回のランで293ヤードを走り7TD、シーズンMVPに選ばれた。ヤングに率いられたオフェンスはNFLトップの505得点をあげて、NFLトップの13勝3敗でシーズンを終えた。プロボウルRBのリッキー・ワタースは877ヤードを走り6TD、レシーブでも66回のキャッチで719ヤード、5TDをあげた。新人FBのウィリアム・フロイドは305ヤードを走り6TD、19回のレシーブで145ヤードを獲得した。プロボウルWRのジェリー・ライスは112回のキャッチで1,499ヤードを獲得、13TD[1]、ランでも2TDをあげた。そしてジョン・テイラーが41回のキャッチで531ヤードを獲得、5TD、プロボウルTEのブレント・ジョーンズは49回のキャッチで670ヤードを獲得、9TD、オフェンスラインはプロボウラーのバート・オーツジェシー・サポルに率いられた。

スペシャルチームではデクスター・カーターがキックオフリターンとパントリターンで合計1,426ヤードをリターン、それぞれでTDをあげた。

サンディエゴ・チャージャーズ

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チャージャーズはスーパーボウル出場はおろか、プレーオフ進出すら期待されていなかった[1]。チームは1980年代に負け越しシーズンが続き、1990年、GMワシントン・レッドスキンズからボビー・ベサードを迎えた。ベサードはチームの再建に着手し、大型のオフェンスラインマンによるパワーランニングゲームと優れたディフェンスの構築を目指した。1992年には元ジョージア工科大学ヘッドコーチのボビー・ロスをヘッドコーチに招聘、チームは11勝5敗でAFC西地区優勝を果たしプレーオフに出場した。しかし翌1993年は8勝8敗でプレーオフを逃した。1994年のチームは新しい選手が22人、うち先発が10人加入しており、シーズン開幕前あまり期待されなかった。ところがチームは開幕から6連勝し、11勝5敗でAFC西地区を制覇した。最終週にエースQBのスタン・ハンフリーズに代わりゲイル・ギルバートが先発、ジョン・カーニーの決勝FGでピッツバーグ・スティーラーズを37-34で破り、AFC第2シードを得てプレーオフ1回戦はシードされた。

ワシントン・レッドスキンズ第26回スーパーボウルを制覇したとき、マーク・リッピンの控えだったハンフリーズは、パス453回中264回成功、3,209ヤード、17TD、12INTの成績をあげた。WRマーク・シーイがチームトップの58回のキャッチで645ヤード、6TD、トニー・マーティンが50回のキャッチで885ヤード、7TD、ショーン・ジェファーソンが43回のキャッチで627ヤード、3TD、TEのアルフレッド・ププヌが21回のキャッチで214ヤード、2TDをあげた。

RBネイトロン・ミーンズは1,350ヤードを走り、12TD[1]、レシーブでも39回のキャッチで235ヤードを獲得しプロボウルに選ばれた。第3ダウンRBのロニー・ハーモンは58回のキャッチで615ヤードを獲得、1TDをあげた。スペシャルチームのアンドレ・コールマンは49回のキックオフで1,293ヤードをリターンし(平均26.4ヤード)2TDをあげた。   ディフェンスラインは強力で、プロボウルラインマンのレスリー・オニールが12サック、4ファンブルフォース、クリス・ミムズが11サック、ショーン・リーが6,5サック、1ファンブルリカバーをマークした。LBは4年連続プロボウルに選ばれているジュニア・セアウに率いられた。セアウは123タックル、5.5サック、3ファンブルリカバーをあげた。ディフェンスバックのスタンリー・リチャードは4インターセプト、2TD、ダリエン・ゴードンが4インターセプトの他にパントリターンでも2TDをあげた。ロドニー・ハリソンがこの時新人であった。

プレーオフ

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ナイナーズは、ディビジョナルプレーオフでシカゴ・ベアーズに対してウィリアム・フロイドの3TDランなどで、37点連取をして、44-15と圧勝した。NFCチャンピオンシップゲームでは過去2年苦杯をなめた相手、ダラス・カウボーイズと対戦した。第1Qにチームは3回のターンオーバーでボールを奪取、21得点をあげた[1]。ゲーム開始3プレー目にエリック・デービストロイ・エイクマンのパスをインターセプトしリターンTDをあげた。続くカウボーイズのドライブではマイケル・アービンがファンブル、ヤングからワターズへの29ヤードのTDパスで追加点をあげた。さらにキックオフリターンでケビン・ウィリアムズがファンブル、これをキッカーのダグ・ブライエンがダラスの35ヤード地点でリカバー、数プレー後にフロイドが1ヤードのTDランをあげてナイナーズが試合開始から8分足らずで21-0とリードした。その後24-14からエイクマンが3本連続でパス失敗、パントが短かったこともあり、残り1分を切ってから攻撃権を得たナイナーズは前半残り8秒に、ヤングからライスへの28ヤードのTDを決めてリードを広げた。その後エミット・スミスのTD、エイクマンからアービンへの10ヤードのTDパスなどで反撃を許したが38-28で勝利した[1]。この試合ナイナーズが294ヤード獲得したのに対して、カウボーイズに451ヤードを許し[1]、エイクマンは380ヤードのパス獲得、アービンが192ヤードレシーブと2つのNFCチャンピオンシップゲーム記録を作られたが第1Qに奪ったターンオーバーによるリードで逃げ切った。

AFCチャンピオンシップゲームピッツバーグスリー・リバース・スタジアムで行われ、チャージャーズが17-13でスティーラーズを破り、チーム創設以来初めてのカンファレンス優勝とスーパーボウル進出を決めた。

試合経過

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ドライブごとの試合経過
開始 ボール保持 ドライブ TOP 結果 得点内容 得点
Q 時間 地点 P yd yd 得点者 PAT チャージャーズ 49ERS
1 15:00 自陣41 49ERS 3 59 1:24 タッチダウン(パス) 44 S.ヤングライス キック成功 0 7
2 13:36 自陣15 チャージャーズ 3 9 1:38 パント
1 11:18 自陣21 49ERS 4 79 1:53 タッチダウン(パス) 51 S.ヤング→R. Watters キック成功 0 14
1 10:05 自陣22 チャージャーズ 13 78 7:21 タッチダウン(ラン) 1 N.Means キック成功 7 14
1-2 2:44 自陣30 49ERS 10 70 4:42 タッチダウン(パス) 5 S.ヤング→W. Floyd キック成功 7 21
2 13:02 自陣20 チャージャーズ 3 -8 1:32 パント
2 11:30 自陣44 49ERS 3 5 1:00 パント
2 10:30 自陣18 チャージャーズ 3 -9 0:55 パント
2 9:35 敵陣49 49ERS 9 49 4:51 タッチダウン(パス) 7 S.ヤング→R. Watters キック成功 7 28
2 4:44 自陣25 チャージャーズ 8 62 3:00 フィールドゴール成功 31 J. Carney 10 28
2 1:44 自陣23 49ERS 6 48 1:14 47ydフィールドゴール失敗
2 0:30 自陣37 チャージャーズ 3 9 0:20 パント
2 0:10 自陣20 49ERS 1 -1 0:10 前半終了
前半終了
3 15:00 自陣10 チャージャーズ 3 8 1:40 パント
3 13:20 自陣38 49ERS 7 62 3:45 タッチダウン(ラン) 9 R. Watters キック成功 10 35
3 9:35 自陣37 チャージャーズ 6 30 2:10 パント
3 7:25 自陣33 49ERS 10 67 4:07 タッチダウン(パス) 15 S.ヤング→ライス キック成功 10 42
3 3:18 チャージャーズ 0:17 キックオフリターンTD 98 A. Coleman キック成功 18 42
3 3:01 自陣28 49ERS 3 -1 1:39 パント
3 1:22 自陣28 チャージャーズ 4 9 1:14 第4ダウン失敗
3-4 0:08 自陣32 49ERS 6 32 1:19 タッチダウン(パス) 7 S.ヤング→ライス キック成功 18 49
4 13:49 自陣38 チャージャーズ 12 55 4:08 インターセプト
4 9:41 自陣14 49ERS 5 8 3:54 パント
4 6:47 自陣28 チャージャーズ 2 0 0:39 インターセプト
4 6:08 自陣28 49ERS 3 3 1:47 パント
4 4:21 自陣33 チャージャーズ 8 67 1:56 タッチダウン(パス) 30 S.HumphriesT. Martin キック成功 26 49
4 2:25 敵陣38 49ERS 3 -16 0:46 パント
4 1:39 自陣8 チャージャーズ 9 27 1:39 試合終了
P=プレー数、TOP=タイム・オブ・ポゼッションPAT=ポイント・アフター・タッチダウン。 アメリカンフットボールの用語集 (enも参照。 26 49
映像外部リンク
NFL.comによるハイライト動画(英語、3分10秒)

チャージャーズは最初のキックオフでLBのダグ・ミラーがフェイスマスクの反則を取られ、フォーティナイナーズに自陣41ヤード地点からの攻撃権を与えた。3プレー目に、スティーブ・ヤングからジェリー・ライスへの44ヤードのTDパスが決まり、試合開始から1分24秒でナイナーズが先制した[3](オープニングドライブでタッチダウンをあげたのは、第8回スーパーボウルマイアミ・ドルフィンズに次いで2チーム目であった。)。またこのタッチダウンは、スーパーボウル史上試合開始から最速でのタッチダウンとなった[2](後に第41回スーパーボウルデビン・ヘスターがキックオフリターンTDをあげて、この記録を更新した。)。チャージャーズの最初の攻撃はパントに終わり、ナイナーズはヤングのスクランブルによる21ヤードのラン[2]リッキー・ワターズへの51ヤードのTDパスなど、4プレーで79ヤードを前進し、第1Q残り10分05秒に、14-0とリードを広げた[3][1]。チャージャーズは7分以上をかけて13プレーで78ヤードを前進、ネイトロン・ミーンズの1ヤードのTDランで14-7と点差を縮めた[3]。しかし、ナイナーズは次のドライブでジェリー・ライスのリバースプレーでの19ヤードのゲイン[1]ジョン・テイラーへの12ヤードのパス、ヤングのスクランブルによる15ヤードの獲得など、10プレーで70ヤードを前進、フルバックのウィリアム・フロイドへの5ヤードのTDパスで21-7とリードを広げた[3]

第2Q終盤、チャージャーズ陣9ヤード地点からのチャージャーズのパンター、ブライアン・ワグナーのパントは、40ヤードとなり、ナイナーズは敵陣49ヤード地点からの攻撃権を得た。9プレー目にヤングからワターズへの8ヤードのTDパスが決まり、前半残り4分44秒で28-7となった[3]。チャージャーズは自陣25ヤード地点から、スタン・ハンフリーズからエリック・ビエネミーへのスクリーンパスでの33ヤード獲得などで62ヤードを前進し、敵陣13ヤード地点まで攻め込んだ。そこからパスが3回連続で不成功となったが、1回はマーク・セーイのエンドゾーン内での落球によるものであった。ジョン・カーニーが31ヤードのFGを成功させて、28-10となった。その後、ナイナーズは、ヤングからタイトエンドのブレント・ジョーンズへの33ヤードのパスなどで敵陣29ヤード地点まで前進したが、ダグ・ブライエンの47ヤードのFGは失敗に終わった[1]。チャージャーズは自陣46ヤード地点まで前進したが、前半残り10秒の第3ダウンにハンフリーズがエンドゾーンに投げたパスをエリック・デービスがインターセプトし、28-10で前半を終了した[1]

後半最初のチャージャーズの攻撃は、ファーストダウンを1回も更新できずパントに終わり[1]デクスター・カーターが11ヤードをリターンし、ナイナーズは自陣38ヤード地点から攻撃権を獲得した。ナイナーズは、ワターズの9ヤードのTDランで35-10とリードを広げ、その後のドライブで、ヤングの3本連続のパス成功で53ヤードを獲得するなど、7プレーで62ヤードを前進、第3ダウン14ヤードで、ダリエン・ゴードンのパスインターフェアランスによる22ヤードのペナルティにも助けられ、最後はライスへの15ヤードのTDパスが決まり42-10と追加点をあげた[1]。第3Qのチャージャーズの唯一のハイライトは、アンドレ・コールマンの98ヤードキックオフリターンTDとマーク・セーイへの2ポイントコンバージョンの成功(スーパーボウル史上初[1])のみであった。コールマンのキックオフリターンTDは、スーパーボウル史上3人目の記録であった[3]

続くナイナーズの攻撃はパントに終わったが、チャージャーズは、自陣37ヤードでの第4ダウン1ヤードで、ミーンズにボールを持たせたが、4ヤードのロスに終わり、ギャンブルは失敗した[1]。6プレー後、第4Q残り時間13分49秒にヤングはこの日6本目のTDパスをライスに通した。チャージャーズは13プレーで59ヤードを前進し、敵陣7ヤード地点までボールを進めたが控えQBゲイル・ギルバートがエンドゾーンを狙って投げたパスは、ディオン・サンダースにインターセプトされた。チャージャーズはハンフリーズからトニー・マーティンへの30ヤードのTDパスと2ポイントコンバージョンを成功させ、49-26としたが、その後オンサイドキックは、ナイナーズがリカバーし、時間を費やしたドライブを行った。チャージャーズは最後の攻撃で自陣7ヤード地点から敵陣35ヤードまで前進したが、そこで試合は終了した。

ナイナーズのオフェンスは28回のファーストダウンを更新、455ヤードを獲得した。ヤングは、パス36回中24回成功、325ヤード、6TDパスをあげて、第24回スーパーボウルジョー・モンタナが作ったスーパーボウル記録の5TDパスのスーパーボウル記録を更新した。またランでも49ヤードを稼いだ。ライスは10回のレシーブで149ヤードを獲得、自身の記録に並ぶ3TDレシーブをあげた。ワターズはランで47ヤード、1TD、レシーブでも3回のキャッチで61ヤード、2TDをあげた[3]

レギュラーシーズンに1,350ヤードを走ったミーンズは、13回のランでわずか33ヤードに抑えられた[3]。またハンフリーズはパス49回中24回成功、275ヤード、1TD、2インターセプトであった。セーイが7回のレシーブで75ヤードを獲得[3]ロニー・ハーモンが8回のレシーブで68ヤードを獲得した[3]。ディフェンシブエンドのレイリー・ジョンソンは2サックをあげた。コールマンは、8回のキックオフリターンで244ヤード、1TDをあげ、キックオフリターン回数、リターンヤードでのスーパーボウル記録を作った。

2人の選手が3TDをあげたのは、スーパーボウル史上初めてであり、ワターズはロジャー・クレイグに次いで2TDパスをキャッチした2人目のRBとなった。

第27回スーパーボウル第28回スーパーボウルダラス・カウボーイズの一員として優勝していたケン・ノートン・ジュニアは3年連続でスーパーボウル優勝を果たした初の選手となった。アトランタ・ブレーブスの一員として1992年のワールドシリーズに優勝していたディオン・サンダースは。スーパーボウルとワールドシリーズの両方で優勝した初めての選手となった。

チャージャーズの控えQBのゲイル・ギルバートは前年まで第3QBとしてビルズに所属し、ビルズのスーパーボウル4連敗を経験しているため、この試合でスーパーボウル5連敗を喫した。

両チームが合計であげた75点は、第27回スーパーボウルの69点を上回るスーパーボウル記録となった[3]

ナイナーズの完璧なパフォーマンスにはオフェンスコーディネーターのマイク・シャナハン、ディフェンスコーディネーターのレイ・ローズの存在も欠かせなかった。彼らは1995年デンバー・ブロンコスフィラデルフィア・イーグルスのヘッドコーチに就任した。

スターティングラインアップ

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サンディエゴ・チャージャーズ ポジション サンフランシスコ・49ers
オフェンス
マーク・セーイ
Mark Seay
WR ジョン・テイラー
John Taylor
スタン・ブロック
Stan Brock
LT スティーブ・ウォレス
Steve Wallace
アイザック・デービス
Isaac Davis
LG ジェシー・サポル
Jesse Sapolu
コートニー・ホール
Courtney Hall
C バート・オーツ
Bart Oates
ジョー・ココゾ
Joe Cocozzo
RG デリック・ディース
Derrick Deese
ハリー・スウェイン
Harry Swayne
RT ハリス・バートン
Harris Barton
アルフレッド・ププヌ
Alfred Pupunu
TE ブレント・ジョーンズ
Brent Jones
トニー・マーティン
Tony Martin
WR ジェリー・ライス
Jerry Rice
スタン・ハンフリーズ
Stan Humphries
QB スティーブ・ヤング
Steve Young
ネイトロン・ミーンズ
Natrone Means
FB リッキー・ワターズ
Ricky Watters
ドウェイン・ヤング
Duane Young
TE-FB ウィリアム・フロイド
William Floyd
ディフェンス
クリス・ミムズ
Chris Mims
LE デニス・ブラウン
Dennis Brown
ルーベン・デービス
Reuben Davis
NT-LDT ブライアント・ヤング
Bryant Young
ショーン・リー
Shawn Lee
RDT デイナ・スタブルフィールド
Dana Stubblefield
レスリー・オニール
Leslie O'Neal
RE-ELE リッキー・ジャクソン
Rickey Jackson
デビッド・グリッグス
David Griggs
LOLB リー・ウッドール
Lee Woodall
デニス・ギブソン
Dennis Gibson
MLB ゲイリー・プラマー
Gary Plummer
ジュニア・セアウ
Junior Seau
ROLB ケン・ノートン・ジュニア
Ken Norton, Jr.
ダリエン・ゴードン
Darrien Gordon
LCB エリック・デービス
Eric Davis
ドウェイン・ハーパー
Dwayne Harper
RCB ディオン・サンダース
Deion Sanders
ダレン・キャリントン
Darren Carrington
SS ティム・マクドナルド
Tim McDonald
スタンリー・リチャード
Stanley Richard
FS マートン・ハンクス
Merton Hanks
スペシャルチーム
ジョン・カーニー
John Carney
K ダグ・ブライエン
Doug Brien
ブライアン・ワグナー
Bryan Wagner
P クラウス・ウィルムスメイヤー
Klaus Wilmsmeyer
ヘッドコーチ
ボビー・ロス
Bobby Ross
ジョージ・シーファート
George Seifert

トーナメント表

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1994年12月31日
ジョー・ロビー・スタジアム
  1月8日
ジャック・マーフィー・スタジアム
         
 6  チーフス  17
 3  ドルフィンズ  21
 3  ドルフィンズ  27     1月15日
スリー・リバース・スタジアム
 2  チャージャーズ  22  
AFC
1995年1月1日
クリーブランド・スタジアム
 2  チャージャーズ  17
1月7日
スリー・リバース・スタジアム
   1  スティーラーズ  13  
 5  ペイトリオッツ  13 AFC チャンピオンシップ
 4  ブラウンズ  9
 4  ブラウンズ  20   1月29日
ジョー・ロビー・スタジアム
 1  スティーラーズ  29  
ワイルドカード・プレーオフ  
ディビジョナル・プレーオフ
1994年12月31日
ランボー・フィールド
 A2  チャージャーズ  26
1月8日
テキサス・スタジアム
   N1  49ers  49
 5  ライオンズ  12 第29回スーパーボウル
 4  パッカーズ  9
 4  パッカーズ  16     1月15日
キャンドルスティック・パーク
 2  カウボーイズ  35  
NFC
1995年1月1日
HHHメトロドーム
 2  カウボーイズ  28
1月7日
キャンドルスティック・パーク
   1  49ers  38  
 6  ベアーズ  35 NFC チャンピオンシップ
 6  ベアーズ  15
 3  バイキングス  18  
 1  49ers  44  
  • 対戦カード及びスタジアムはシード順で決定され、そのラウンドに登場する最上位チームが最下位チームとホームで対戦、残った2チームが上位チームのホームで対戦する(つまり、ワイルドカードプレーオフの第3シード対第6シードの結果によって、ディヴィジョナルプレーオフの対戦カードが決まる)。
  • スーパーボウル開催地は事前にオーナー会議で決定。
  • チーム名の左の数字は、1994年レギュラーシーズンの結果に基づいて決定されたシード順。
  • * 延長戦決着
  • 日付はアメリカ東部時間

亡くなったチャージャーズ選手

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この試合に出場したチャージャーズのメンバーのうち、18年後の2012年5月まで次の8人が亡くなっている[4][5]

放送とエンターテインメント

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ABCが全米中継を行い、実況をアル・マイケルズ、解説をフランク・ギフォードダン・ディーアドルフ、サイドラインレポートをリン・スワンレスリー・ヴィッセルが担当した。

日本では第23回スーパーボウルから中継をしていた日本テレビが放送権を手放し[9]NHK BSのみの放送となった(実況:野瀬正夫、解説:後藤完夫、ゲスト:東海辰弥)。

ハーフタイムショーではディズニーによるプロデュースで、その年ディズニーランドにオープンする予定のアトラクション、インディ・ジョーンズ・アドベンチャーのプロモートが行われた。

トニー・ベネットパティ・ラベルアルトゥーロ・サンドヴァルマイアミ・サウンド・マシーン(1980年代終わりから1990年代初めにかけて、マイアミ・ドルフィンズのディフェンスは、マイアミ・パウンド・マシーンと呼ばれた[10])が出演し、最後には1994年に公開のディズニー映画『ライオン・キング』の楽曲、『愛を感じて』を合唱した。

評価

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2016年2月の第50回スーパーボウル開催を目前に控えた時期、複数のメディアが過去49回のスーパーボウルすべてを名勝負順に並べたランキングを発表した。そのうちESPNジョン・クレイトンはこの第29回を49位、つまりスーパーボウル史上最低の凡戦に選んだ[11]。他のメディアでは、『ニューヨーク・ポスト』のスティーブ・サービーと『ヒューストン・クロニクル』のグレッグ・レイジャンと『ニューズデイ』のニール・ベストがそれぞれ第47位[12][13][14]、『スポーツ・イラストレイテッド』のドン・バンクスと『ワシントン・ポスト』のジェレミー・ゴットリーブがそれぞれ第45位[15][16]、『ニューヨーク・デイリーニューズ』のゲイリー・マイヤーズが第43位[17]、『USAトゥデイ』のネイト・デービスが第41位[18]、『サンディエゴ・ユニオン=トリビューン』のエディ・ブラウンが第36位という順位をつけている[19]。ブラウン以外はいずれも下から10番目以内と評価が低い。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r Aaron Malone (2013年2月2日). “Super Bowl history, Super Bowl XXIX: Steve Young gets the monkey off his back”. ninersnation.com. 2013年12月4日閲覧。
  2. ^ a b c Rick Telander (1995年2月6日). “Sports Illustrated's Super Bowl Archive”. スポーツ・イラストレイテッド. 2013年12月4日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m Super Bowl XXIX San Francisco 49, San Diego 26”. nfl.com (1995年1月30日). 2013年12月4日閲覧。
  4. ^ Chris Littmann (2012年5月2日). “Junior Seau becomes eighth player from Super Bowl XXIX Chargers team to die”. AOL. 2012年5月3日閲覧。
  5. ^ Pete O'Brien (2012年5月2日). “Junior Seau eighth player to die from 1994 Chargers team”. USAトゥデイ. 2012年5月3日閲覧。
  6. ^ Lightning kills Cal assistant”. サンフランシスコ・クロニクル (1998年7月23日). 2012年5月3日閲覧。
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外部リンク

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