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==== アルバム『静寂の世界』 ==== |
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2ndアルバム『[[静寂の世界]](A Rush of the Blood to the Head)』は本来の英語タイトルの意味は「頭に血が上る」である。クリスは「2ndアルバムのタイトルは、衝動的な行動を意味しているんだ。時間には限りがある。友人がみんなずっとそばにいてくれるわけじゃない。一度きりしかできなこともあるだろう。祖父にいつも言われてた。今できることは今すぐやれって。手にしたものも、永遠にそこにあるわけじゃないから」と語っている<ref>LIFE IN TECHNICOLOR A CELEBRATION OF COLDPLAY</ref>。 |
2ndアルバム『[[静寂の世界]](A Rush of the Blood to the Head)』は本来の英語タイトルの意味は「頭に血が上る」である。クリスは「2ndアルバムのタイトルは、衝動的な行動を意味しているんだ。時間には限りがある。友人がみんなずっとそばにいてくれるわけじゃない。一度きりしかできないこともあるだろう。祖父にいつも言われてた。今できることは今すぐやれって。手にしたものも、永遠にそこにあるわけじゃないから」と語っている<ref>LIFE IN TECHNICOLOR A CELEBRATION OF COLDPLAY</ref>。 |
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==== 楽曲/アルバム「美しき生命」 ==== |
==== 楽曲/アルバム「美しき生命」 ==== |
2023年2月20日 (月) 17:40時点における版
コールドプレイ | |
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基本情報 | |
出身地 | イングランド ロンドン |
ジャンル | |
活動期間 | 1996年 - |
レーベル | |
公式サイト | コールドプレイ 公式サイト |
メンバー |
コールドプレイ(英語: Coldplay)は、1996年にロンドンで結成されたイギリスの4人組ロックバンド、および21世紀を代表する音楽グループである。代表曲として「Viva La Vida」「Yellow」「Fix You」「A Sky Full of Stars」「Clocks」などがある。
メンバー4人はユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の学生寮で出会った。複数回の改名を経て1998年にデビューEP、2000年にデビューアルバムをリリース。これまでリリースしたスタジオ・アルバム9作全てが全英アルバムチャートで1位を獲得している。
特徴として、哀愁を帯びた美しいメロディー、繊細で壮麗なサウンド、叙情的で優しい歌声、メッセージ性に富む哲学的な歌詞、音楽性の変化や多彩さ、多幸感溢れるカラフルなライブなどが挙げられる[7]。レディオヘッドやU2などに影響を受けている。
21世紀のポピュラー音楽を象徴するアーティストの一つとして世界中の音楽シーンに多大な影響を与えている。日本を含む数多くのアーティストから称賛されており、ジェイ・Zは「現代のシェイクスピア」[8]と絶賛している。
グラミー賞7回受賞(39回ノミネート)[9][10]、イギリスのグループにおけるグラミー賞の歴代最多受賞記録[11][12]と最多ノミネート記録を保持している。前回のワールドツアー『A Head Full of Dreams Tour』は、当時のコンサートツアー史上歴代3位の興行収入を記録した。
概要
1996年にロンドンで結成される。1998年に現在の名前の「コールドプレイ(Coldplay)」に改名後、自主制作でデビューEP『Safety』をリリースした。1999年にメジャーレーベルのパーロフォンと契約。
メンバーは、クリス・マーティン(ボーカル・ギター・ピアノ)、ジョニー・バックランド(ギター)、ガイ・ベリーマン(ベース)、ウィル・チャンピオン(ドラムス)から構成される。ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の学生寮ラムゼー・ホールで知り合い、共に学生生活を過ごしながらバンド活動に打ち込んだ。現在まで同じ4人のメンバーで活動している。クリエイティブ・ディレクター(元マネージャー)のフィル・ハーヴェイはクリス・マーティンの13歳からの親友であり、「5人目のメンバー」と呼ばれている。バンド名はフィリップ・ホーキーの詩「Cold Play」に由来する。Pectoralz、Big Fat Noises、Starfishなど複数回の改名を経て「Coldplay」としてデビューした。
2000年、デビュー・アルバム『パラシューツ』とシングル「Yellow」の大ヒットにより世界的な成功を得た。『パラシューツ』は全世界で約900万枚、2ndアルバム『静寂の世界 』は約1500万枚、3rdアルバム『X&Y』は約1300万枚のセールスを記録し、3rdアルバムは2005年に世界で最も売れたアルバムとなった。『パラシューツ』、『静寂の世界』、『X&Y』はイギリス史上最も売れたアルバム50選(2019年公式チャート発表)にも選ばれ[13]、アーティストとして単独最多のランクイン数を記録している[14]。2ndアルバム『静寂の世界』は初期のコールドプレイの代表作と評されることも多く、BBCラジオのリスナーの歴代最も好きなアルバムの1位にも選出されている[15]。
2008年には、4thアルバム『美しき生命』をリリース。約1100万枚のセールスを記録した。2008年に世界で最も売れたアルバムかつ2000年代に世界で最もダウンロードされたアルバムとなった。収録曲『美しき生命』は、アメリカのシングルチャートBillboard Hot 100と全英シングルチャートで初登場1位を獲得した。ブライアン・イーノやジョン・ホプキンス、Rik Simpsonらをプロデューサーに迎えたことでコールドプレイの音楽性にとって転換点となったアルバムであり、フィニアス・オコネル[16][17]やフランク・オーシャン[18]をはじめとする他のアーティストにも大きな影響を与えている。
2010年代には、5thアルバム『マイロ・ザイロト』、6thアルバム『ゴースト・ストーリーズ』、7thアルバム『A Head Full of Dream』、8thアルバム『Everyday Life』をリリースした。電子音楽やダンス・ミュージック、ブラックミュージックなどを大胆に取り入れ、アルバムごとに急進的な変化が見られる。多くのアルバムが現在の世界のiTunesアルバムチャートでも上位にランクインし続けており[19]、ダフト・パンクの『ランダム・アクセス・メモリーズ』やアデルの『21』などと並ぶ2010年代屈指のロングセラー作品となっている。
2015年の7thアルバムのリリース後には、大規模ワールドツアー『A Head Full of Dreams Tour』が約1年7カ月にわたり行なわれた。巨大モニター、レーザー、花火、観客が腕に巻く自動制御式のLEDリストバンドなどを駆使したスペクタクルな演出、圧巻の音楽と視覚効果が織り成す壮大なエンターテインメントは全122公演で約539万人を動員し、興行収入は5億2300万ドル以上で当時のコンサートツアー史上歴代3位を記録した。
2018年11月14日には、20年間の軌跡を追ったドキュメンタリー映画『コールドプレイ:ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』(A Head Full of Dreams)が映画館で1日限定で公開され、2日後にAmazonプライム・ビデオで配信がスタートした。同年12月7日には、ライブアルバム『Live in Buenos Aires』 『Live in Tokyo』 をリリースした。
2021年には、9thアルバム『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』(Music of the Spheres)をリリース。収録曲「My Universe」はBTSとのコラボ曲として大きな話題となり、アメリカのシングルチャートBillboard Hot 100で初登場1位を記録した。
2022年3月からワールドツアー『Music of the Spheres World Tour』を行なっている。2024年に来日するとの情報もある[20]。
2000年代は「イエロー」、「The Scientist」、グラミー賞「最優秀レコード賞」を受賞した「クロックス」、「フィックス・ユー」、「最優秀楽曲賞」を受賞した「Viva La Vida」など、2010年代は「The Paradise」、「A Sky Full Of Stars」、「Hymn for the Weekend」、「サムシング・ジャスト・ライク・ディス」など、2020年代は「My Universe」など、20年以上に渡って数多くのスタンダード・ナンバーを生み出している(詳細は#代表曲/ヒット曲を参照)。
現在までに総計1億枚以上のアルバムセールスを記録し[21]、21世紀を代表する世界的なバンドである[22]。これまでスタジオ・アルバムを9作リリースし、全てのアルバムが全英アルバムチャートで1位を獲得している。9作以上のスタジオ・アルバムをリリースして現在まで全英アルバムチャートで1位を逃したことのないアーティストは、歴史上コールドプレイのみとなっている。グラミー賞やブリット・アワードなどを多数受賞し、歴史上最も多く賞を受賞したグループの一つである。イギリスのグループとしてグラミー賞[11][9]とブリット・アワードそれぞれの歴代最多受賞記録[12]と最多ノミネート記録を持っている(詳細は#業績/受賞歴を参照)。
コールドプレイはレディオヘッドやU2、ビートルズなどをはじめとする多くのアーティストの影響を受けている。オルタナティブロックだけでなく、ポップ・ミュージックやブラックミュージック、電子音楽などを含む様々なジャンルを横断している。ジャンルレスに向かうポピュラー音楽の潮流を牽引する存在である。常に新しいスタイルに取り組んで音楽性を大胆に変化させ、アルバムごとにユニークなテーマを提示している。ジャンルや人種の垣根を越えたコラボレコーションも積極的に行っている。ジェイ・Z、リアーナ、アヴィーチー、ビヨンセ、ノエル・ギャラガー、ザ・チェインスモーカーズ、ジェイコブ・コリアー、BTS、セレーナ・ゴメスなどのアーティストや、ブライアン・イーノ、ジョン・ホプキンス、スターゲイト、マックス・マーティンなどの音楽プロデューサーとこれまで作品をリリースをしている(詳細は#音楽の特徴を参照)。
最も影響力のあるアーティストの一つである。世界中の数多くのアーティスト、音楽プロデューサー、バンド、アイドルなどが称賛や影響を語っている。ジェイ・Zは「現代のシェイクスピア」[23]、カニエ・ウェストは「史上最高のバンド」[24]、BTSは「ロールモデル」[25]、テイラー・スウィフトは「永遠に大ファン」[26]、エド・シーランは「とてつもない天才」[27]と絶賛している。藤井風の全曲のプロデュースなどを手掛けるYaffleは「音楽に本当にのめり込むきっかけとなった」[28] [29]、サカナクションの山口一郎は「めちゃくちゃ参考にしたボーカリスト」[30]、松任谷由実は「大好きな現役バンド」[31]と話している。
フィニアス・オコネル(ビリー・アイリッシュ)、ハリー・スタイルズ、フランク・オーシャン、SZA、テイラー・スウィフト、エド・シーラン、フューチャー、トラヴィス・スコット、BTS、デュア・リパ、カニエ・ウェスト、J・バルヴィン、イマジン・ドラゴンズ、ワン・リパブリック、デヴィッド・ゲッタ、カイゴ、Yaffle(藤井風)、米津玄師、松任谷由実、サカナクション、BUMP OF CHICKEN、スピッツ、坂道グループ、亀田誠治などの作品や音楽性に影響を与えている。フランク・オーシャン、ドレイク、リゾ、チャンス・ザ・ラッパー、デュア・リパ、ケイシー・マスグレイヴスなどが楽曲をカバー・サンプリングしている。コールドプレイのライブ演出は、日本を含む様々なアーティストによって取り入れられている(詳細は#影響/評価参照)。
映画やドラマ、スポーツといった現代のポップカルチャーとの関わりも深い。作家の村上春樹やサッカー監督のジョゼップ・グアルディオラ、Appleの創業者スティーブ・ジョブズなど、他分野の著名人にも多くのファンが存在する。コールドプレイはこれまでに、スティーブ・ジョブズの社内追悼式のパフォーマーやロンドンパラリンピック閉会式のヘッドライナー、スーパーボウル50周年記念のハーフタイムショーのヘッドライナーなどを務めた(詳細は#文化との関係参照)。
コールドプレイはフェアトレードやアムネスティ・インターナショナルなどの社会的・政治的運動を活発に支持している。バンド・エイドやLIVE 8などの慈善コンサートにおいても公演を行っており、グローバル・シチズン・フェスティヴァルでは2015年から2030年までのキュレーターを任されている。LGBTQコミュニティを支持している。近年は「持続可能なツアー」「インクルーシブ&アクセシブル」を掲げて地球環境や聴覚障害者に配慮したワールドツアーを行っている(詳細は#政治/社会的姿勢を参照)。
歴史
結成まで(1996-1998)
1996年9月、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの学生だったクリスとジョニーが学年最初の週に学生寮のラムゼー・ホール(Ramsay Hall)で知り合い、その後1年間バンド結成の計画を練った。2人はPectoralzという名前でグループを結成し、1997年には一緒に最初の曲を書き始め、毎晩練習した。同年ティム・ライス=オクスリーに出会いキーボードプレイヤーとして参加するように頼んでいたが、すでにキーンのメンバーとして活動していたために断られている。その後2人のクラスメイトであるガイがベースとして仲間に加わり、バンド名はビッグ・ファット・ノイズ(Big Fat Noises)に変更された。クリスは、オックスフォード大学で西洋古典学を専攻していた旧友のフィル・ハーヴェイにバンド・マネージャーになるよう依頼した。フィルは大学を中退し、バンドの2ndアルバムのリリースまでマネージャーを務めた。2006年以降はクリエイティブ・ディレクターに就いており、「5人目のメンバー」と呼ばれている。
1998年初め、メンバー3人と同じ大学に通うウィルがドラマーとして加わり、現在のバンドの編成が完成した。ウィルがメンバーになった数日後にはローレル・ツリーでのデビューライブを予定していたため「慌てて」バンド名をスターフィッシュ(Starfish)に改名した。多才なウィルはすでにピアノやギター、ベース、ヴァイオリン、そしてティン・ホイッスルまでも演奏できたので、経験がなかったにもかかわらずバンドに加わるとドラムに転向しすぐに習得してしまった。数週間後、同じ大学の学生だった友人ティム・クロンプトンから「コールドプレイ」というバンド名を譲り受け、自らのバンドの名前にした。ちなみに「コールドプレイ」とは、フィリップ・ホーキーの詩のタイトルにちなんでいる。
インディーズ時代 (1998-1999)
コールドプレイは1998年5月にEP『Safety』をリリースする。このEPは500枚ほど生産されたが、その多くがメンバーの友人等の手に渡ったため、実際に販売されたのは50枚ほどとなった。さらに12月にはインディーズレーベルのFierce Pandaと契約し、翌1999年4月に、2月にたった4日間で収録を済ませていたEP『Brothers & Sisters』をリリースした。このEPはまず2500枚ほどが生産された。この頃になるとコールドプレイの曲はイギリスBBCのラジオ局Radio 1で流れ始め、次第にイギリス全土へと支持を広げていった。
1999年春にEMIの傘下パーロフォンと契約した。グラストンベリー・フェスティバルに初登場後、コールドプレイは新しいEPの製作に取り掛かる。『The Blue Room』と名づけられたEPは10月に5000枚がリリースされ、シングルカットされた『Bigger Stronger』はRadio 1で放送、知名度獲得の一助となった。その途中クリスとウィルがバンドの方針をめぐって喧嘩をしてしまう。その後和解するが、U2やR.E.M.のようなバンドを見習い、メンバー個人の尊重やドラッグをしないというバンドとしてのルールが決められた。
パラシューツ(1999-2001)
コールドプレイは1999年11月からデビューアルバムの製作に取り組んでいたが、発売に先立って2000年3月にシングル「Shiver」をリリースした。これが全英チャートトップ40に入り、このシングルで初めてMTVに登場した。続けて6月にリリースした「Yellow」は全英チャート4位に入り、注目を浴びる。さらに1stアルバム『パラシューツ』(Parachutes)をリリースし、ついに全英チャート1位を獲得する。パーロフォン側は4万枚程度のセールスを予想していたが、実際は2000年末までにイギリスだけで160万枚のセールスを記録した。そしてこのアルバムはマーキュリー賞などイギリスの数々の音楽賞を総なめにする。『パラシューツ』は『ザ・ベンズ』から『OKコンピューター』の頃のレディオヘッドから強い影響を受けている。
コールドプレイは2000年8月に日本でサマーソニックに出演。アメリカでは、「Yellow」や「Trouble」がラジオで流れ人気を博す。『パラシューツ』は11月にアメリカでも発売され、プロモーションのため全米ツアーを敢行する。このツアーはアメリカのクラブを回るものだったが、『サタデー・ナイト・ライブ』や『レイト・ナイト・ウィズ・コナン・オブライエン』、『レイト・ショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン』といったテレビ番組にも出演した。『パラシューツ』はビルボード誌において最高51位まで上がる。2002年には、グラミー賞の「最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム」を受賞した。
静寂の世界(2001-2004)
2002年8月に2ndアルバム『静寂の世界』(A Rush of the Blood to the Head)をリリースした。オープニング・トラックの「Politik」はアメリカ同時多発テロ事件の数日後に書かれた。このアルバムで人気を博した「In My Place」、「クロックス(Clocks)」、そしてバラード曲である「The Scientist」といった数々の曲が生まれた。
バンドは2002年6月から2003年9月まで1年以上にわたってグラストンベリー・ロック・フェスティバルなどのロック・フェスを皮切りに、「A Rush of Blood to the Head tour」を行った。このツアーで真のスタジアムバンドを確立するまでの過程が見られる。同時期に行われたU2のエレヴェイション・ツアーを彷彿とさせる、手の込んだ照明や個性的なスクリーンを多くの公演で採用した。延長公演のシドニー、Hordern Pavilionにおける公演でライブ2003のDVDとCDを収録した。このライブアルバムのプロモーション曲として新曲の「Moses」が選ばれた。この世界ツアーでは自らの曲だけでなく、アクアの「Barbie Girl」などのカバーも演奏した。2003年7月26日には日本のフジ・ロック・フェスティバルに出演した。
2003年12月にはローリング・ストーン誌の読者が選ぶその年のベスト・アーティストとベスト・アルバムに呼び名をあげられた。同時期にはバンドはプリテンダーズの1983年のヒット曲、「2000 miles」をカバーし公式サイトの配信でのみリリースした。楽曲は年間ダウンロードチャートの1位を飾り、セールスからの収益金はFuture Forestsや銃抑止キャンペーンといった慈善団体に寄付された。『静寂の世界』は第45回グラミー賞において「最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム」を含む二つの賞を受賞した。翌年の同賞では「クロックス」で「最優秀レコード賞」を受賞し、さらには2003年ローリング・ストーン誌が選ぶ偉大なロック・アルバム500枚の473位にランクインした。
X&Y(2004-2006)
ツアーや3rdアルバムのレコーディングの休暇中も年中スポットライトを浴びていたように、2004年は完全にコールドプレイ・イヤーとなった。2004年から新しいアルバムの製作に取り掛かったが、思ったような曲ができなかった(メンバー自身が後に振り返っている)。そこで気分転換のため、メンバーが一緒に過ごす時間を増やしたという。この3rdアルバムの他のアーティストからの影響については、ガイが「デヴィッド・ボウイ、ブライアン・イーノ、ピンク・フロイドからデペッシュ・モード、ケイト・ブッシュ、クラフトワーク、そして常に聞くようにしているのだがU2まで、さまざまなアーティストの曲を聞いた」と後に語っている。
バンドの3枚目のアルバム、『X&Y』は前作と同様に日本で先行リリースされ、本国イギリスでは2005年6月6日にリリースされた。このアルバムは発売が遅れたので、所属するEMIの次年度に経常収支が引き継がれ、EMIの株価が大幅に下がってしまった。結局は全世界で830万枚を売り上げ、2005年に最も売れたアルバムとなった。先行シングルである「スピード・オブ・サウンド(Speed Of Sound)」は4月18日にラジオやネット配信で解禁となり、2005年5月23日にCDフォーマットでリリースされた。『X&Y』は28ヶ国で初登場1位を獲得し、イギリスのチャート史において最も早く売れたアルバム第3位となる(ちなみに第1位はオアシス、1997年のアルバム『Be Here Now』)。同アルバムからのシングルカット曲「フィックス・ユー(Fix You)」、「トーク(Talk)」はそれぞれ同年9月、12月に発売された。2006年5月にはシングルカット曲「ザ・ハーデスト・パート(The Hardest Part)」をイギリス以外の各国でリリースした。X&Yに対する批評家の反応は肯定的なものも多かったが、一部批判もあった。
2005年6月から2006年7月にかけて、コールドプレイはグラストンベリー・フェスティバル含む「Twisted Logic Tour」という世界ツアーを行った。そして初の単独日本公演である7月18日・19日の日本武道館公演でこのツアーが終了した。
2006年2月にコールドプレイは『X&Y』でブリット賞「ベスト・アルバム賞」、「スピード・オブ・サウンド」で同賞「ベスト・シングル賞」を受賞した。
美しき生命(2006-2009)
2006年12月初旬、バンドはブライアン・イーノ、マーカス・ドラヴスをプロデューサーに迎え、4枚目となるスタジオ・アルバム『美しき生命』(Viva la Vida or Death and All His Friends)のレコーディングにとりかかり始めた。この二人に加え、ティンバランドとのコラボレートの予定もあったという。バンドはこの後しばしのレコーディング休暇をとるが2007年初頭、チリやアルゼンチン、ブラジル、メキシコでのバンド初となる南米ツアーが敢行された。ツアー中には南米各地の教会などでアルバム収録を行っている。
「『美しき生命(VIVA LA VIDA)』はコールドプレイの新しい境地。」とクリスは語る。過去三枚のアルバムを「三部作」とし、「これまでとはまた違う変化を持たせた。ファルセットを抑え、ヴォーカルの位置づけを下げることを最優先に考えた。例えばディストーション・リフを用い、ブルージーな低いトーンのヴォーカル、『ヴァイオレット・ヒル』がある。」としている。「ヴァイオレット・ヒル(Violet Hill)」はリード・シングルとして2008年4月29日にラジオ・オン・エアーとなった。ラジオでの解禁後、公式サイトから同シングルが1週間、フリーで配信となり200万ダウンロードを達成した。UKチャートではトップ10入り、USではトップ40入りのチャートアクションと健闘するが、セカンド・シングル「美しき生命(Viva La Vida)」はiTunesからのみ解禁となり、Billboard Hot 100では堂々1位を獲得、UKでもダウンロードチャート1位を獲得した。6月16日、コールドプレイはロンドン、ブリクストン・アカデミーでの45分間、二日間連続のフリーライブを皮切りにViva la Vida Tourを始めた。このパフォーマンスはBBCテレビセンターからテレビ放送された。
6月15日、アルバム『美しき生命』はリリースからたった3日でUKチャートNo.1を獲得した。
2009年初頭、ブリット・アワード(BRIT Awards)にて、シングル「Viva La Vida」で「British Single」、アルバム『Viva La Vida or Death And All His Friends』で「British Album」、バンド本体で「British Group」など計4つの賞にノミネートした。また、第51回グラミー賞では楽曲「Viva La Vida」で「最優秀楽曲賞」、アルバム「Viva La Vida or Death And All His Friends」で「最優秀ロックアルバム」など計3つの賞を勝ち取った。
マイロ・ザイロト(2009-2012)
2009年末、再びブライアン・イーノと共同し5枚目となるスタジオ・アルバムのレコーディングを開始した。プロデューサーには、前作『美しき生命』でも携わったマーカス・ドラヴス、リック・シンプソンに加え、新たにダニエル・グリーンを迎えている。
2010年12月1日にはクリスマスに向けたシングル「クリスマス・ライツ(Christmas Lights)」(5枚目のスタジオ・アルバムには未収録)をリリース、全英13位、全米25位を記録し、メディアからは多くの高い評価も得た。
2011年6月、5thスタジオ・アルバム『マイロ・ザイロト』(Mylo Xyloto)からのリード・シングルとして「ウォーターフォール 〜一粒の涙は滝のごとく(Every Teardrop Is A Waterfall)」をリリースした。全英シングルチャートで6位、全米ビルボード・ホット100で14位を記録、イギリスを含む15カ国以上でトップ10入りを果たした。また、同曲は2012年5月公開の映画『宇宙兄弟』の主題歌に起用されている。同年9月にはセカンド・シングル「パラダイス」をリリース。
5thアルバム『マイロ・ザイロト(MX)』は日本先行で2011年10月19日、イギリスを含む全世界で同年10月24日にリリースされ、全英アルバムチャート及び全米アルバムチャート、またカナダやオーストラリアなど数ヶ国で初登場1位を記録した。また、これによりコールドプレイは、ビートルズ、オアシスに次いで史上3番目のデビューからアルバム5作品連続で初登場1位を獲得したバンドグループとして名を連ねることとなった。さらに、2012年に入ると、セカンド・シングル「パラダイス」がリリースから約4ヵ月後にしてバンド2枚目となる全英シングルチャート1位に輝いた。同曲はアルバム『マイロ・ザイロト』、楽曲「ウォーターフォール 〜一粒の涙は滝のごとく」とともに第54回グラミー賞にノミネートしている。
2011年10月19日にApple本社で行われたスティーブ・ジョブズの社内追悼式では楽曲を演奏した[32]。
2012年9月9日に行われたロンドン・パラリンピック閉幕式典ではヘッドライナーを務めた[33]。ジェイ・Zとリアーナも特別ゲストとして出演した。コールドプレイは、ジェイ・Zとはコールドプレイの楽曲「Paradise」、リアーナとはコールドプレイの楽曲「Princess of China」とリアーナの楽曲「We Found Love」でコラボし、さらに三者でジェイ・Zの楽曲「Run This Town」を披露した。コールドプレイは15曲以上の楽曲を披露し、最後に「Every Teardrop Is A Waterfall」を演奏してロンドンパラリンピック及びロンドンオリンピックの最後を締めた。
ゴースト・ストーリーズ(2013-2014)
2013年11月(日本では12月)に公開の映画『ハンガー・ゲーム2』の公式主題歌として新曲「Atlas」を書き下ろし、同映画のサウンドトラックにも収録された。
2014年2月、突如6thアルバムからの新曲「Midnight」をPVとともに発表し、間もなくして3月には6枚目となるアルバム『ゴースト・ストーリーズ』(Ghost Stories)のリリースおよび先行シングル「マジック(Magic)」を発表した。
アルバムのプロデューサーとしてダニエル・グリーン、リック・シンプソン、ジョン・ホプキンスらに加えて、ポール・エプワースを迎えた。
2014年5月に全世界でリリースされた6thアルバム『ゴースト・ストーリーズ』は、本国イギリスやアメリカを始め世界20ヶ国以上で1位を記録した。また、本作は第57回グラミー賞の最優秀ポップ・ボーカル・アルバムにノミネートしている。
2014年6月12日に約3年ぶりに来日し、TOKYO DOME CITY HALLにてライヴを行った。この模様はJ-WAVEで生中継された。その翌日には、音楽番組『ミュージックステーション』に出演し、コ・プロデューサーとしてアヴィーチーを起用した楽曲「ア・スカイ・フル・オブ・スターズ」を、「美しき生命」とともに披露した。
2014年12月には再び、アンジェリーナ・ジョリー製作・監督の映画『不屈の男 アンブロークン』(同年12月25日アメリカ公開)の為に楽曲「Miracles」を書き下ろし、シングルおよび同映画のサウンドトラックとともにリリースされた。
ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ(2015-2018)
2015年11月、前作『ゴースト・ストーリーズ』から僅か1年と7ヶ月ぶりにリリース予定の7thアルバムに向けたリード・シングル「アドヴェンチャー・オブ・ア・ライフタイム(Adventure Of A Lifetime)」を発表し、同年12月4日に7thアルバム『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』(A Head Full of Dreams)を、日本も含めた全世界で同時リリースした。プロデューサーには、前作に引き続き長年コールドプレイの作品に携わっているリック・シンプソンらに加え、ノルウェーのプロダクション・チーム、スターゲイトを迎えている。また、ビヨンセやトーヴ・ロー、ノエル・ギャラガーなど多数のゲスト・ミュージシャンを迎え、さらにはクリスの前妻であるグウィネス・パルトロウ、間接的ではあるが米大統領のバラク・オバマも参加している。
クリス曰く、今作は前作『ゴースト・ストーリーズ』とのいわゆる「連作」であり、前作が陰を表し内省的な内容であるのに対し、今作『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』は陽を表し意欲的な内容であるという。
一方アルバムは、本国イギリスを始めアメリカやカナダ、オーストラリア、イタリア、スイスなどで初登場2位、ドイツやアイルランド、ポルトガル、スウェーデンなどで初登場3位と、多くの国で初登場1位を逃した。そのほとんどでコールドプレイを退け、初登場1位を獲得したのは同時期に発売されたアデルの『25』であった。本作で初登場1位を獲得したのはノルウェーのみであった。なお、イギリスにおいて本作で初登場1位を獲得していた場合、オアシスと並ぶ「デビューアルバム以来7作連続で初登場1位を獲得したバンド」となる快挙だった。
2016年2月、アメリカ合衆国の国民的行事である第50回スーパーボウルにおいて、ブルーノ・マーズ、ビヨンセとともにハーフタイムショーを行った。ジャンルや人種、性別の垣根を越えた世界的アーティストの共演および過去の音楽史を振り返るような構成で好評を博した。このパフォーマンスの数日後、アルバム『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』は発売約2ヵ月後にして見事全英1位に返り咲いた。
2016年から2017年まで開催された『A Head Full of Dreams Tour』は興行収益5億2303万ドル以上、総動員数538万9586人となり[34]、「史上最も成功したコンサートツアー」で当時の3位にランクインした。2017年4月19日には、キャリア初となる東京ドームにて約3年ぶりの来日公演を行った。
2017年2月22日に、ザ・チェインスモーカーズとのコラボ楽曲「サムシング・ジャスト・ライク・ディス(Something Just Like This)」をリリース。同年7月14日には、7thアルバム『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』の兄弟盤として13作目のEP『カレイドスコープ EP』(Kaleidoscope EP)をリリースした。楽曲とEPはそれぞれ2018年のグラミー賞にノミネートした。
2018年11月14日に、バンドの20周年を記念してドキュメンタリー映画『コールドプレイ:ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』(A Head Full of Dreams)が映画館で1日限定で公開され、2日後にAmazonプライム・ビデオで配信がスタートした。バンドを結成した大学生時代から現在までの軌跡をまとめた映画となっている。同年には、書籍『LIFE IN TECHNICOLOR A CELEBRATION OF COLDPLAY』も発売された[35]。
同年12月7日に、ライブアルバム『Live in Buenos Aires』『Live in Tokyo』をリリースした。
同年11月30日に、Los Unidades名義で『Global Citizen – EP 1 』をリリースし、ファレル・ウィリアムズ、Wizkid、ストームジーなどとコラボした。
エヴリデイ・ライフ (2019-2020)
2019年9月、ファンに宛てた手紙の中で、8枚目となるスタジオアルバムの題が『エヴリデイ・ライフ』(Everyday Life)だと発表し、同年11月22日にリリースした。長年コールドプレイのプロデューサーを務めているリック・シンプソンらに加え、マックス・マーティンやジェイコブ・コリアーが制作に関わっている。同日には、リリースを記念してヨルダンの首都アンマンで開催するコンサートの模様がYouTubeで全世界に生配信された[36]。イギリスで1位を記録し、90年代以降では、オアシスの記録を抜き8作連続1位を獲得した初のバンドとなった。また、本作は第63回グラミー賞の最優秀アルバム賞と最優秀レコーディング・パッケージ賞にノミネートした。
2020年3月には、NPRの『Tiny Desk Concert』に出演し、『エヴリデイ・ライフ』からの楽曲や故プリンスの楽曲「1999」など計5曲を披露した。
ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ (2021-現在)
2021年4月、新曲「ハイアー・パワー(Higher Power)」をリリース。同年9月、BTSとのコラボレーション曲「マイ・ユニヴァース(My Universe)」をリリース[37]。同曲はアメリカのシングルチャートBillboard Hot 100で初登場1位を獲得した。
同年10月15日、9thスタジアアルバム『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』(Music of the Spheres)をリリース。リック・シンプソンやジョン・ホプキンス、マックス・マーティンらに加え、オスカー・ホルターが制作に参加している。イギリスでは初登場1位を獲得し、2019年発売のエド・シーランのアルバム『No.6 コラボレーションズ・プロジェクト』以降で最高初週売上を記録したアルバムとなった。本作は第65回グラミー賞の最優秀アルバム賞及び最優秀ポップ・ボーカル・アルバムにノミネートした。収録曲の「ハイアー・パワー」「マイ・ユニバース」もそれぞれ第64回、第65回グラミー賞にノミネートした。
アルバム発売前日の10月14日には、8度目のコンサートツアー『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ・ワールド・ツアー』を発表した。2022年3月にコスタリカのサンホセで始まり、3大陸を訪れる予定で、今後さらにツアー日程が発表される予定である。クリスはインタビューで、このツアーではコンサート参加者の動きによってコンサートに動力を与えるキネティック・フローリングやそれと同じ仕組みの自転車を採用することでショー全体が再生可能エネルギーで動くことを説明した。クリスは「ツアーを可能な限り環境面で持続可能なものにしたい」と語っている。
メンバー
- クリス・マーティン (Chris Martin、1977年3月2日 - ) / ボーカル・ギター・ピアノ
- イングランド南西部のデヴォン州生まれ。レディオヘッド、U2、トラヴィス、A-ha、ブルース・スプリングスティーン、ビートルズらに影響を受けている。音楽教師の母親のピアノに幼少時から興味を持ち、調律がおかしくなるまで弾き続け、その後ギターも始めた。11歳のときには新任のピアノの先生の影響で作曲を始める。パブリックスクールでは友人同士で「The Rockin' Honkies」というバンドを組んでソウルやR&Bのコピー演奏をしていた。バンドではキーボードを担当した。クリエイティブ・ディレクター(元マネージャー)のフィル・ハーヴェイは13歳からの親友で同じバンドに所属していた。ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンでは西洋古典学を専攻し、ラテン語とギリシャ語のファーストクラスの学士号を取得して同校を卒業している。ソロでは、ジェイ・Z、カニエ・ウェスト、アヴィーチー、デュア・リパ、バーナ・ボーイなどの楽曲に参加している。親友であるジェイ・Z、ビヨンセ夫妻の長女ブルー・アイビーの名付け親である。純粋でユーモアのある誠実な人柄で知られている。ステージ上では情熱的なパフォーマンスを見せる。
- ジョニー・バックランド (Jonny Buckland、1977年9月11日 - ) / ギター
- ロンドン生まれ。幼少期からジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンに触れる。兄の影響でギターを始め、多くのアーティストを兄から教わった。ザ・ストーン・ローゼズ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、U2らに影響を受けている。ボーカルのクリスをして「ジョニー・バックランドなくしてコールドプレイの音楽は存在しない」「曲を完成させる完璧な旋律を奏でる」「美しいメロディーの源泉」と言わしめる存在。U2のジ・エッジは「ジョニーは多くのギタリストの憧れだ」と称賛している。スライドバーやディレイペダルを駆使した薄く繊細なアレンジが特徴で、キメが細かく鳴りの良い音色を奏出る。ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンでは天文学と数学を専攻した。クリスと1番親しいメンバーである。俳優のサイモン・ペッグとともにクリスの娘アップルの名付け親となった。サイモン主演の映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』にはクリスとともにカメオ出演した。物静かで穏やかな性格。カーキ色のキャップがトレードマークとなっている。
- ガイ・ベリーマン (Guy Berryman、1978年4月12日 - ) / ベース
- スコットランド生まれ。幼少期にスティーヴィー・ワンダーの曲を聴いたことがきっかけでソウル・ミュージックやファンク、モータウンの楽曲のファンになり、レアなレコード収集が趣味となった。13歳からベースを始め、ジェームス・ブラウンやクール&ザ・ギャング、ファンク・ブラザーズ、ビートルズらに影響を受けている。大学入学前は、スクールバンドではトランペットやドラムを演奏し、Time Outというバンドにも所属していた。ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンでは途中で専攻を機械工学から建築学に変えたが、最終的に中退している。プライベートではクラシックカーの収集をはじめ、ファッションや写真、デザイン、アート、アンティークなどの創作活動に打ち込み、ファッションブランド「Applied Art Forms」[38]や自動車メディア「The Road Rat」[39]も設立している。ガイのことをクリスはハンサムでおとなしい性格だと語っている。メンバーの中でも随一の親日家であり、デビュー前の18歳のころにバックパッカーとして日本各地を訪れたこともある。
- ウィル・チャンピオン (Will Champion、1978年7月31日 - ) / ドラムス
- イングランド南部のハンプシャー生まれ。若いころはボブ・ディラン、トム・ウェイツ、ニック・ケイヴらに影響を受け、ギター、ピアノ、ベース、ヴァイオリン、ティン・ホイッスル、ヴィブラフォーンなど様々な楽器に触れていた。コールドプレイに参加する以前はドラムはたまに演奏したことがある程度だったが、あらゆる楽器を経験していたのですぐに上達していった。ドラムを本格的に始める前に他の楽器の経験があったことが、他のドラマーとは異なる視点やスタイルを持つことに役立ったと語っている。コールドプレイ加入前は「Fat Hamster」というバンドで活躍していた。クリスは「人間ジュークボックス」と称賛している。好きなドラマーとしてジンジャー・ベイカー、デイヴ・グロール、ジョン・ボーナムの名前を挙げている。ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンでは人類学を専攻した。サッカー好きでサウサンプトンFCのファンである。ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』にはドラマーとしてカメオ出演した。メンバーはウィルを「絶対的な信頼性」「バンドの土台」と表現している。
- フィル・ハーヴェイ (Phil Harvey、1976年8月29日 - ) / クリエイティブ・ディレクター
- イングランド西部のブリストル生まれ。1998年から2002年までコールドプレイのマネージャーを務め、2006年以降はクリエイティブ・ディレクターを担当している。「5人目のメンバー」と呼ばれる存在。ボーカルのクリス・マーティンとはパブリックスクールからの親友で、「The Rockin' Honkies」というバンドに共に所属していた。オックスフォード大学で西洋古典学を専攻していたが、中退してコールドプレイのマネージャーを務めることになった。3rdアルバム『X&Y』前後の4年間はバンドを離れていたが、その時期についてフィルは、ライブのデザイン、ビデオの制作、A&R、「ただ隙間を埋めるようなこと」を発見することを含む「役に立つことを学んだ」と話している。4thアルバム『美しき生命』の制作時期からクリエイティヴ・ディレクターとしてバンドに復帰している。多くのコールドプレイのミュージックビデオにカメオ出演している。コールドプレイのソーシャルメディアでもしばしばファンからの質問やリクエストに答えている。
代表曲/ヒット曲
代表曲
- イエロー (Yellow) / 2000年(1stアルバム『パラシューツ』収録)
- ザ・サイエンティスト (The Scientist) / 2002年(2ndアルバム『静寂の世界』収録)
- クロックス (Clocks) / 2003年(2ndアルバム『静寂の世界』収録)
- フィックス・ユー (Fix You) / 2005年(3rdアルバム『X&Y』収録)
- 美しき生命 (Viva La Vida) / 2008年(4thアルバム『美しき生命』収録)
- ウォーターフォール~一粒の涙は滝のごとく (Every Teardrop Is a Waterfall) / 2011年(5thアルバム『マイロ・ザイロト』収録)
- パラダイス (Paradise) / 2011年(5thアルバム『マイロ・ザイロト』収録)
- ア・スカイ・フル・オヴ・スターズ (A Sky Full of Stars) / 2014年(6thアルバム『ゴースト・ストーリーズ』収録)
- アドヴェンチャー・オヴ・ア・ライフタイム (Adventure of a Lifetime) / 2015年(7thアルバム『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』収録)
- ヒム・フォー・ザ・ウィークエンド (Hymn for the Weekend) / 2016年(7thアルバム『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』収録)
- サムシング・ジャスト・ライク・ディズ (Something Just Like This) / 2017年(ザ・チェインスモーカーズの1stアルバム『メモリーズ...ドゥー・ノット・オープン』収録)(11th EP『カレイドスコープ EP』にTokyo Remix収録)
- マイ・ユニヴァース (My Universe) / 2021年(9thアルバム『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』収録)
ヒット曲
- イエロー (Yellow) / 2000年(1stアルバム『パラシューツ』収録)
- スパークス (Sparks) / 2000年(1stアルバム『パラシューツ』収録)
- イン・マイ・プレイス (In My Place) / 2002年(2ndアルバム『静寂の世界』収録)
- ザ・サイエンティスト (The Scientist) / 2002年(2ndアルバム『静寂の世界』収録)
- クロックス (Clocks) / 2003年(2ndアルバム『静寂の世界』収録)
- スピード・オヴ・サウンド (Speed of Sound) / 2005年(3rdアルバム『X&Y』収録)
- フィックス・ユー (Fix You) / 2005年(3rdアルバム『X&Y』収録)
- 美しき生命 (Viva La Vida) / 2008年(4thアルバム『美しき生命』収録)
- ウォーターフォール~一粒の涙は滝のごとく (Every Teardrop Is a Waterfall) / 2011年(5thアルバム『マイロ・ザイロト』収録)
- パラダイス (Paradise) / 2011年(5thアルバム『マイロ・ザイロト』収録)
- チャーリー・ブラウン (Charlie Brown) / 2012年(5thアルバム『マイロ・ザイロト』収録)
- マジック (Magic) / 2014年(6thアルバム『ゴースト・ストーリーズ』収録)
- ミッドナイト (Midnight) / 2014年(6thアルバム『ゴースト・ストーリーズ』収録)
- ア・スカイ・フル・オヴ・スターズ (A Sky Full of Stars) / 2014年(6thアルバム『ゴースト・ストーリーズ』収録)
- アドヴェンチャー・オヴ・ア・ライフタイム (Adventure of a Lifetime) / 2015年(7thアルバム『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』収録)
- ヒム・フォー・ザ・ウィークエンド (Hymn for the Weekend) / 2016年(7thアルバム『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』収録)
- エヴァーグロウ (Everglow) / 2016年 (7thアルバム『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』収録)
- サムシング・ジャスト・ライク・ディズ (Something Just Like This) / 2017年(ザ・チェインスモーカーズの1stアルバム『メモリーズ...ドゥー・ノット・オープン』収録)(11th EP『カレイドスコープ EP』にTokyo Remix収録)
- オーファンズ (Orphans) / 2019年 (8thアルバム『エヴリデイ・ライフ』収録)
- ハイアー・パワー (Higher Power) / 2021年(9thアルバム『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』収録)
- マイ・ユニヴァース (My Universe) / 2021年(9thアルバム『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』収録)
ディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
年 | アルバム名 | 各国チャート最高位 | |||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
英国 | 米国 | 加 | 独 | 墺 | 瑞 | 仏 | 愛 | 伊 | 豪 | 新 | 蘭 | 葡 | 典 | 諾 | 丁 | 芬 | 日本 | ||
2000 | 『パラシューツ』 - Parachutes
|
1 | 51 | 19 | 54 | 41 | 38 | 31 | 14 | 11 | 2 | 4 | 29 | 4 | 20 | 1 | 29 | 29 | - |
2002 | 『静寂の世界』 - A Rush of Blood to The Head
|
1 | 5 | 1 | 1 | 10 | 1 | 4 | 2 | 1 | 1 | 2 | 3 | 8 | 5 | 1 | 1 | 4 | 23 |
2005 | 『X&Y』
|
1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 6 |
2008 | 『美しき生命』 - Viva la Vida or Death and All His Friends
|
1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | 3 |
2011 | 『マイロ・ザイロト(MX)』 - Mylo Xyloto
|
1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 3 |
2014 | 『ゴースト・ストーリーズ』 - Ghost Stories
|
1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 7 |
2015 | 『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』 - A Head Full of Dreams
|
1 | 2 | 2 | 3 | 4 | 2 | 4 | 3 | 2 | 2 | 4 | 2 | 3 | 3 | 1 | 4 | 7 | 7 |
2019 | 『エヴリデイ・ライフ』 - Everyday Life
|
1 | 7 | 3 | 4 | 5 | 1 | 1 | 5 | 3 | 1 | 2 | 1 | 2 | 9 | 1 | 6 | 8 | 10 |
2021 | 『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』
2021年10月15日 |
1 | 4 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 4 | 1 | 2 | 1 | 1 | 3 | 2 | 6 | 4 | 13 |
シングル
- 1999年:Brothers & Sisters
- 2000年:Shiver
- 2000年:Yellow
- 2000年:Trouble
- 2001年:Don't Panic
- 2002年:In My Place
- 2002年:The Scientist
- 2003年:Clocks
- 2003年:God Put a Smile upon Your Face
- 2005年:Speed of Sound
- 2005年:Fix You
- 2005年:Talk
- 2006年:The Hardest Part
- 2008年:Violet Hill
- 2008年:Viva La Vida
- 2008年:Lost! / Lost+ (Feat. Jay-Z)
- 2009年:Life in Technicolor II
- 2009年:Strawberry Swing
- 2010年:Christmas Lights
- 2011年:Every Teardrop Is a Waterfall
- 2011年:Paradise
- 2012年:Charlie Brown
- 2012年:Princess of China (with Rihanna)
- 2012年:Hurts Like Heaven
- 2013年:Atlas
- 2014年:Magic
- 2014年:A Sky Full of Stars
- 2014年:True Love
- 2014年:Ink
- 2015年:Adventure of a Lifetime
- 2016年:Hymn for the Weekend
- 2016年:Up&Up
- 2016年:A Head Full of Dreams
- 2016年:Everglow
- 2017年:Something Just Like This (with The Chainsmokers)
- 2017年:Miracles (Someone Special) (with Big Sean)
- 2019年:Orphans
- 2019年:Arabesque
- 2021年:Higher Power
- 2021年:My Universe (with BTS)
- 2022年:Let Somebody Go (with Selena Gomez)
プロモーショナル・シングル
- 2003年:Moses
- 2006年:What If
- 2008年:Lovers in Japan
- 2012年:Up with the Birds / U.F.O
- 2012年:Up in Flames
- 2014年:Midnight
- 2019年:Everyday Life
- 2020年:Champion of the World
- 2020年:Flags
- 2021年:Coloratura
- 2022年:People of the Pride
- 2022年:Biutyful
- 2022年:Humankind
EP
- Ode to Deodorant/Brothers & Sisters[40] / 1998年
- Safety EP[41] / 1998年
- Brothers & Sisters[42] / 1999年
- The Blue Room EP[43] / 1999年
- Acoustic (Sparks EP)[44] / 2000年
- Trouble - Norwegian Live EP[45] / 2001年
- Mince Spies[46] / 2001年
- Remixes EP[47] / 2003年
- Prospekt's March[48] / 2008年
- A Sky Full of Stars - EP[49] / 2014年
- Live from Spotify London / 2016年
- Kaleidoscope EP[50] / 2017年
- Global Citizen – EP 1 / 2018年
- Coldplay: Reimagined / 2020年
- Live from Climate Pledge Arena / 2021年
- Infinity Station Sessions / 2021年
- Spotify Singles / 2022年
ライブ・アルバム
- 『ライブ 2003』 - LIVE 2003 / 2003年12月3日
- LeftRightLeftRightLeft[51] / 2009年5月15日
- 『ライブ 2012』 - Coldplay Live 2012 / 2012年11月21日
- 『ゴースト・ストーリーズ ライヴ 2014』 - Ghost Stories Live 2014 / 2014年12月3日
- 『ライヴ・イン・ブエノスアイレス』 - Live in Buenos Aires / 2018年12月7日
- 『ラヴ・イン・トーキョー』 - Love in Tokyo[52] / 2018年12月7日
ビデオ・アルバム
- Coldplay Live 2003 (DVD) / 2003年11月4日
- Coldplay Live 2012 (DVD・Blu-ray) / 2012年11月20日
- Ghost Stories Live 2014 (DVD・Blu-ray) / 2014年12月3日
- The Butterfly Package [Live in Buenos Aires (CD) / Live in São Paulo (DVD) / Coldplay: A Head Full of Dreams (DVD) ] / 2018年12月7日
映像作品
- Coldplay: A Head Full of Dreams (Amazon プライム・ビデオ) / 2018年
- Everyday Life - Live in Jordan (YouTube) / 2019年
- Coldplay: Reimagined (Apple Music) / 2020年
コンピレーション・アルバム
- The Singles 1999-2006 / 2007年3月26日
- 『美しき生命〜プロスペクツ・マーチ・エディション』 / 2009年1月14日
来日記念盤
- クロックスEP -ジャパン・ツアー・ミニ・アルバム- / 2003年7月24日
- X&Y SPECIAL EDITION / 2006年6月28日
- ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ (ジャパニーズ・ツアー・エディション) / 2017年3月29日
音楽の特徴
楽曲制作の方法
ベーシストのガイ・ベリーマンは、楽曲ができる前にバンドとしてタイトルやコンセプトを既に決めていることが多く、それが「テーマ的に作業できる枠組み」を提供する役割を担っていると語っている。2019年に行われたYouTube向けのインタビューで、ヴォーカルのクリス・マーティンは、自分たちの曲作りの方法を「一連のドア」と表現し、通常彼はギタリストのジョニー・バックランドに最初のアイデアを持ち込み、彼はそれに反対するか意見を言う。同じことがジョニー・バックランドからガイ・ベリーマン、そしてドラマーのウィル・チャンピオンにも起こり、各メンバーが芸術的に表現することを可能にする。しかし、このプロセスは必ずしも直線的ではないことが知られており、「Magic」や「Adventure of a Lifetime」のような曲は、ガイとジョニーのベースとギターのリフからそれぞれ始まっている。
音楽・歌詞のスタイル
コールドプレイはキャリアを通じて多くの音楽スタイルを探求しており、一般的にジャンルはオルタナティブ・ロック、オルタナティブ・ポップ、ポップロック、ポスト・ブリットポップ、ソフトロック、ポップなどとされることが多い。2009年にグラミー賞の最優秀ロックアルバム賞を受賞した後、クリス・マーティンは受賞スピーチで、「ハードロック」に対して自分たちは「ライムストーンロック」だと冗談交じりに述べた。
コールドプレイの音楽はボーカル/作曲/作詞を手がけるクリスの「尽きることのない感情表現の試行錯誤」であるともいわれ、クリスの詞は女性的もしくは中性的ともいわれる。1stアルバム『パラシューツ』は「歪んだギターリフとパーカッションを多用」しメロディアスなポップ作であり、非常に美しいダークさと磨きのかかった名作と評された。2ndアルバム『静寂の世界』は「個々の楽曲は胸が張り裂けんばかりの激情のメロディーであり、バンドの新しい境地」と称賛された。3rdアルバム『X&Y』は「クリスの“疑問”や“恐れ”、“希望”や“愛”の反芻」であると評価された。
日本で発売されたアルバムやその収録された曲には、元のアルバムタイトルや曲とまったく違う、曲のイメージだけで連想させたマーケティング関係上それらしい邦題が、日本のレコード会社によりつけられていることも多い。
全体的な特徴として、哀愁を帯びた美しいメロディー、繊細で壮麗なサウンド、叙情的で優しい歌声、メッセージ性に富む哲学的な歌詞、音楽性の変化や多彩さ、多幸感溢れるカラフルライブなどが挙げられる [53]。コールドプレイのファンでもある松任谷由実は「グルーミィなロンドンの雲を突き抜けて光が遠くまで届くような、寂寥感とそれを包み込むような優しさがこのバンドの特徴」とラジオで解説している。
これまでのコールドプレイのアルバムを辿ると、(特に4thアルバム『美しき生命』以降は顕著に)前作に対する反動が次の作品に表れるという傾向があり、それは静と動、あるいは内省と開放といった相反する性格を反復するサイクルのようだと分析されている[54]。
アルバム『静寂の世界』
2ndアルバム『静寂の世界(A Rush of the Blood to the Head)』は本来の英語タイトルの意味は「頭に血が上る」である。クリスは「2ndアルバムのタイトルは、衝動的な行動を意味しているんだ。時間には限りがある。友人がみんなずっとそばにいてくれるわけじゃない。一度きりしかできないこともあるだろう。祖父にいつも言われてた。今できることは今すぐやれって。手にしたものも、永遠にそこにあるわけじゃないから」と語っている[55]。
楽曲/アルバム「美しき生命」
代表曲「美しき生命(Viva La Vida)」のタイトルの「ヴィヴァ・ラ・ヴィダ」はスペイン語で、言葉そのままの意味は「人生を生きる」である[56]。日本語にすると「人生万歳」という意味になり、邦題はそれをさらに意訳して「美しい生命」と付けられている。しかし、楽曲の内容はそのような生命賛歌ではく、歌詞には「かつて世界を支配していた」という主人公の語り口による栄枯必衰と革命の物語が描かれている。この曲について聞かれたベーシストのガイ・ベリーマンは「この曲は王国を失った王についての物語なんだ。アルバムのアートワークはすべて革命家とゲリラのアイデアに基づいていて、歌詞の一部には反権力的な視点が忍び込んでいる。政府に囲まれていることの代償でもあるんだけど、人間には感情があり、みんな死んでしまうし、毎日我慢しなければならないことの愚かさもあるんだ。だからアルバム・タイトルにしたんだ」と答えている[57]
楽曲「Lovers In Japan」
コールドプレイは2008年にアルバム『美しき生命』の3rdシングルとして「Lovers In Japan」をリリースした。アルバムでは「Lovers In Japan/Reign Of Love」という形で1つのトラックに2曲が収録されている。タイトルは「日本の恋人たち」という意味で、クリス・マーティンが日本を訪れたときに代々木公園や大阪で見た風景からインスパイアされて作られた。クリスはインタビューで「僕は代々木公園を歩いていて、『こんなロマンティックな場所は初めてだ』と感じたんだよ。それで“ラヴァーズ・イン・ジャパン”というタイトルにしたんだ。すごくシンプルに、東京は、誰かと訪れるのにいい場所だと思ったんだよね。西洋の人たちは日本というとテクノロジーを連想して、セクシーな感じやロマンティックな感覚を日本と繋げない人たちもいる。でも、僕は日本にいるとそういうことを、すごく感じるんだ。こんなこと言ったら、日本の人たちに失礼かな?」「初めて日本に行った時に大阪に滞在したんだけど、到着してから何もかもが目新しくて、僕たち全員眠ることができないでいたんだ。そして、太陽が埠頭から昇ってくるのを見ていたところ、“僕の人生もずいぶんと変わったな”と、ふと感じたんだよね。だから、すごく幻想的なイメージなんだよ」と語っている[58][59]。
コールドプレイが受けた影響
コールドプレイの音楽は、レディオヘッド、U2、ビートルズ、トラヴィス、a-ha、ブルース・スプリングスティーン、ブライアン・イーノ、シガー・ロス、ザ・スミス、ピンク・フロイド、R.E.M.、オアシス、ザ・ストーン・ローゼズ、ストロマエなどに影響を強く受けている[60]。
他にも多くのアーティストに影響を受けており、1stアルバム『パラシューツ』ではジェフ・バックリィやニール・ヤング、2ndアルバム『静寂の世界 』ではエコー&ザ・バニーメンやジョージ・ハリスン、ミューズ、PJ ハーヴェイ、3rdアルバム『X&Y』ではジョニー・キャッシュやクラフトワーク、デヴィッド・ボウイ、ケイト・ブッシュ、4thアルバム『美しき生命 』ではマイ・ブラッディ・ヴァレンタインやブラー、アーケイド・ファイア、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ジャスティン・ティンバーレイクなどにも影響を受けている。4thアルバム『美しき生命 』以降、ブライアン・イーノやジョン・ホプキンスをプロデューサーに迎えてからは、アンビエント・ミュージックやエレクトロニカの要素を取り入れた作品を発表するようになる。
代表曲「イエロー」はニール・ヤング、「The Scientist」はジョージ・ハリソン、「クロックス」はミューズ、「フィックス・ユー」はエルボーやジミー・クリフ、「A Sky Full of Stars」はニルヴァーナやケイティー・ペリーなどに影響を受けている。
コールドプレイは主にレディオヘッドやU2の音楽性を継承して発展させたとされる。ローリング・ストーン誌の取材に対して、ボーカルのクリス・マーティンは「時々、彼ら(=レディオヘッド)がナタで道を切り開き、僕ら(=コールドプレイ)が後からやってきて、ショッピングモールを建てたように感じるんだ」「レディオヘッドの『OK コンピューター』と同じくらい良いものを書くためなら、僕はまだどんな犠牲も厭わないよ」と話し、自身が影響を受けたレディオヘッドへのリスペクトを口にしている。また、クリスはU2について「自分が全ての作品を暗記している唯一のバンド」と2006年に書いている。1991年、14歳のときに当時発売されたばかりのU2のアルバム『アクトン・ベイビー』を聴いて衝撃を受け、半年に1枚のペースで過去のU2の作品を購入したことを明かしている[61]。
クリスはボノ(U2)、ジ・エッジ(U2)、ジェイ・Z、サイモン・ペッグ、ブルース・スプリングスティーン、ニック・ケイヴ、マイケル・スタイプ(元R.E.M.)、エド・オブライエン(レディオヘッド)、フラン・ヒーリー(トラヴィス)、 ダニー・マクナマラ(エンブレイス)などと親交があり、長年にわたってサポートを受けたことを話している。
R&Bやヒップホップ、ファンク、ソウルなどのブラックミュージックの影響も強く感じられる。ボーカルのクリス・マーティンは、中高時代のバンドではソウルミュージックやR&Bのコピー演奏をしていた。ソロとしてはジェイ・Z、カニエ・ウェスト、バーナ・ボーイなどの作品にも参加している。ベースのガイ・ベリーマンは、6歳ごろにスティーヴィー・ワンダーの「マイ・シェリー・アモール」を聴いたことがきっかけでソウルミュージックやファンク、モータウン、スタックス・レコードのファンになり、現在までガイの音楽性の軸となっている。バンドの楽曲でもブラックミュージックのアーティストやプロデューサーと積極的にコラボエーションを行っている。例えば、ビヨンセ、リアーナ、ジェイ・Z、ビッグ・ショーン、ファレル・ウィリアムスなどのアーティストやスターゲイト、ティンバランド、マイク・ディーン、メトロ・ブーミンなどのプロデューサーと楽曲をリリースしている。「Tiny Desk Concert」ではプリンス、「Spotify Singles」ではキッド・カディの楽曲をカバーしている。ツアーのオープニングアクトとしてジェイ・Z、SZA、H.E.R、フランク・オーシャン(直前でチャーリー・XCXに交代)[62]など、R&Bやヒップホップのアーティストを迎えることも多い。
クラシック音楽からも大きな影響を受けている。クリス・マーティンは7歳からピアノを習っていた。また、母親は音楽教師の仕事をしていた。コールドプレイはピアノとストリングスを多用した作風となっている。
ジャンル区分が曖昧になり、ジャンル・クロスオーヴァーな音楽スタイルが一般化していく現在の音楽シーンの潮流を象徴する存在である。オルタナティブ・ロック、ロック、ポップ、R&B、ヒップホップ、ソウル、ファンク、ディスコ、EDM、シンセポップ、エレクトロニカ、アンビエント、フォーク、カントリー、ラテン音楽、アフリカ音楽、ブルース、ゴスペル、ジャズ、クラシック、現代音楽、映画音楽など様々なジャンルの音楽を楽曲に取り入れている。7thアルバム『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』期のインタビューでは、「ロックバンドはロックミュージックを作らなくてはいけないという概念を壊したかった。2015年現在、ビョークからエディット・ピアフ、ラムシュタインからベートーヴェンに至るまでどんな音楽にもアクセスできる。 それがこのアルバムのメッセージ。21世紀にもう未開拓分野はないんだ。」とボーカルのクリス・マーティンは語っている[63]。ベースのガイ・ベリーマンは「1stアルバムが好きだった多くの人は今僕たちが作っている音楽を嫌っているし、今作っている音楽が好きな人は1stアルバムが嫌いだろうね。今は難しい立場にいるんだ。」「でも僕たちはいつも違うことをしようとしているんだ。境界を越えようとしたり、僕たちの音楽に違った影響を与えてくれるものを探求したりするのは面白いし、それを続けると思う」[64]「僕たちはアルバム毎に、サウンドの面でも、曲作りのテクニックの面でも、スタイルの面でも新しい世界を作り出そうとしているんだ」[65]と話している。
ジャンルや人種の垣根を越えて様々なアーティストやプロデューサーとコラボレーションをしている。ビヨンセ、リアーナ、セレーナ・ゴメス、ジェイ・Z、ノエル・ギャラガー、BTS、アヴィーチー、ザ・チェインスモーカーズ、ブライアン・イーノ、ジョン・ホプキンス、ジェイコブ・コリアー、マックス・マーティン、オスカー・ホルター、スターゲイト、マーカス・ドラヴス、ポール・エプワース、ビッグ・ショーン、ストロマエ、キング、メトロ・ブーミン、マイク・ディーン、ティンバランド、マデオン、ファレル・ウィリアムズ、Wizkid、ストームジー、ケン・ネルソン、ダントン・サプルなどが挙げられる。
主なプロデューサーとして、ケン・ネルソンは1stアルバム『パラシューツ』から3rdアルバム『X&Y』まで、ブライアン・イーノとマーカス・ドラヴスは4thアルバム『美しき生命』と5thアルバム『マイロ・ザイロト』、ポール・エプワースは6thアルバム『ゴースト・ストーリーズ』、スターゲイトは7thアルバム『A Head Full of Dreams』、マックス・マーティンは9thアルバム『Music of the Spheres』に関わっている。リック・シンプソン、Bill Rahko、Dan Green、ダヴィデ・ロッシ、ジョン・ホプキンスは、4thアルバム『美しき生命 』から現在まで継続的にコールドプレイの作品に携わっている。前者3人は多数の楽曲に関わっており、8thアルバム『Everyday Life』では「ドリームチーム」と言及されている。
2017年に将来コラボレーションをしたい人をインタビューで聞かれたドラムスのウィル・チャンピオンは、「一緒にやってみたい人は山ほどいるけど、僕たち4人が一緒に音楽をやって、その過程で魔法のようなことが起こる、それ以上に楽しいことはないんだ。これまでの20年幸せだったのは、僕たちが一緒に新たなプロジェクトに取り組めたこと。このバンドにいられて、こんな親友たちを持てて幸せなんだ。それがこの20年間で最も重要なことだ」と話している[66]。
多くの本や詩などにも影響を受けている。バンド名は、フィリップ・ホーキーの『チャイルド・リフレクションズ』(1997)に収録されている詩「Cold Play」に由来している。7thアルバム『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』の制作では、ルーミーの『ゲストハウス』、ジョン・スタインベックの『怒りの葡萄』、ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』、シェリル・ウーダンとニコラス・クリストフの『ハーフ・ザ・スカイ』、ファリードゥッディーン・アッタール『鳥の言葉』などからインスピレーションを得ている[67]。
ライブの特徴
コールドプレイは、レーザー、花火、紙吹雪、自動制御式のLEDリストバンドを駆使したビジュアル・ショーによって「ライトアップされた輝かしい壮大なライブツアー」を行うことで知られている。インタラクティブなLEDリストバンドは2012年にコールドプレイが初めて使用し、他のアーティストにも広めたとされているため、彼らのパフォーマンスの特徴的な部分と考えられている。
ライブアルバム『Live in Buenos Aires』(2018)をレビューした際、ピッチフォークのサム・ソドムスキーは、「21世紀の最も不朽のライブ・アクトの一つであるコールドプレイによる遺産を強く主張している」と述べ、ガーディアンのアレクシス・ペトリディスもバンドのセットリストを「いかにコールドプレイが巨大化し、そして巨大化し続けたかという強く気づかせる」と評した上で、この視点に同調している。また、両氏は、ボーカルのクリス・マーティンが各楽曲の演奏の合間にしばしば一般客と交流していることについてもコメントしている。
2014年の『Ghost Stories Tour』では、Royal Albert HallやBeacon Theatreといった会場で親密なセットを披露した。環境への配慮を巡っては、『Everyday Life』(2019年)でも同様のアプローチがとられ、チャリティのための小規模な公演や、ヨルダンのアンマン城塞での特別ライブストリームが行われた。後者をレビューしたNMEのダン・スタッブスは、「ステージ上こそコールドプレイが生き生きとする場所であり、彼らが最も意味を成す場所だ」と結論づけている。
2022年にウィル・チャンピオンは、ザ・フレイミング・リップスのツアーについて「不思議な感覚と楽しさがあり、私たちはそれにとても反応する」と述べ、コンサートがいかに楽しいものであるかという考えを形成する上で、ザ・フレイミング・リップスが重要であったと語っている。
今後の予定
ボーカルのクリス・マーティンは、2021年に9thアルバム『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』をリリースした後のインタビューで、「僕らの最後のちゃんとしたレコードは2025年にリリースされる。そしてその後はツアーだけになると思う」と話している[68]。2025年までにあと3枚のアルバムをリリースするつもりであることを明かし、その後はツアー活動に重きを置くようで「ツアーは続けるし、メンバーとはミュージシャンや友達として関係は続くが、アルバムというストーリーはそこで終わると思う。『ハリー・ポッター』がある地点で終わるように」「好きなアーティストのカタログに始まりと終わりがあるのが好きで、自分たちにとってもそれが正しいと感じる」と語っている。「その後もアルバム以外のコラボレーションのようなことはするかもしれない」とも話している。
『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』の続編となる10枚目アルバム『Moon Music』と11枚目のミュージカルアルバムを出した後に、セルフタイトルアルバム『Coldplay』を最後の12枚目のアルバムとして2025年12月にリリースする予定だと語っている。クリスはインタビューで次作『Moon Music』の完成が間近であることを明かしている[69]。ナイル・ロジャースやソダ・ステレオ、ウェット・レッグなどとコラボしたとの噂もあるが、真偽は不明である。最後のアルバム『Coldplay』は原点回帰となるアルバムで、クリエイティブ・ディレクターのフィル・ハーヴェイは「クリスはほとんどの曲を既に書き終えている」と明かしている。
クリスは過去にも、2ndアルバムの頃には「これでアルバムは終わりかもしれない」、3rdアルバムでは「みんなもううんざりだろうから消える」、7thアルバムでは「7作目が最終章」など、事あるごとに「終わり」をほのめかす発言を繰り返しているため、あくまで「予定」である[70]。過去のインタビューでは、アルバム制作では今やりたいことを全て出し切るようにしているため、終わった後には燃え尽きてしまうと話し、毎回これで終わりだと思うようにしているとも語っている。
業績/受賞歴
コールドプレイは21世紀で最も成功したバンドである[71]。全世界で1億枚以上のアルバムを売り上げ、これまでリリースしたスタジオ・アルバム9作全てが全英アルバムチャートで1位を獲得している。9作以上のスタジオ・アルバムをリリースし、現在まで全英アルバムチャートで1位を逃したことのないアーティストは、歴史上コールドプレイのみとなっている。
グラミー賞[11][9]では、2022年時点で39回[10]のノミネート、うち7回受賞を果たしている。イギリスのグループとしてのグラミー賞の歴代最多受賞記録[12]と最多ノミネート記録を保持している。主要部門では、「クロックス」で最優秀レコード賞、「Viva La Vida」で最優秀楽曲賞を受賞し、最優秀アルバム賞には3回ノミネートされている。
イギリス版グラミー賞とも称されるブリット・アワードでは、2022年現在、30回のノミネートから9回受賞している。グループとしての歴代最多受賞記録と最多ノミネート記録を持っている。また、史上初めて最優秀アルバム賞を3回、最優秀グループ賞を4回受賞したアーティストであり、この2部門の最多ノミネート記録も保持している。
2000年代にリリースした1stアルバム『パラシューツ』, 2ndアルバム『静寂の世界 (A Rush of the Blood to the Head)』、3rdアルバム『X&Y』はイギリス史上最も売れたアルバム50選 (2019年公式チャート発表) に選ばれ、ビートルズやクイーン、マイケル・ジャクソン等を上回り、アーティストとして単独最多のランクイン数を記録した。3rdアルバム『X&Y』と4rdアルバム『美しき生命』 (Viva la Vida or Death and All His Friends)はそれぞれ2005年[72]、2008年[73]に世界で最も売れたアルバムとなった。4thアルバム『美しき生命』は、2000年代において世界で最もダウンロードされたアルバムでもある。
2010年代にリリースした5thアルバム『マイロ・ザイロト』、6thアルバム『ゴースト・ストーリーズ』、7th『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』(A Head Full of Dreams)は、現在の世界のiTunesアルバムチャートで上位にランクインし続けおり、アデルの『21』『25』やダフト・パンクの『ランダム・アクセス・メモリーズ』、エド・シーラン『÷』『X』などのアルバムと並ぶ2010年代屈指のロングセラー作品となっている[19]。
2012年のロンドンパラリンピック閉会式のヘッドライナーに選ばれた。15曲以上の楽曲を披露し、前年にリリースした「Every Teardrop Is A Waterfall」でロンドンパラリンピック及びロンドンオリンピックの最後を締めた。2013年にはフォーブスによって世界で最も影響力のあるイギリスの有名人に選ばれた。世界最大級の音楽フェスティバルであるグラストンベリー・フェスティバルのトリを歴代最多の5回務めている。コーチェラ・フェスティバルでも2005年にトリを務めている。 2016年の第50回スーパーボウルのハーフタイムショーでのパフォーマンスは、グループや男性アーティストとして史上最多の視聴者数を記録した。2016年から2017年まで行なわれたワールドツアー『A Head Full of Dreams Tour』は全122公演で約539万人を動員し、興行収入は5億2300万ドル以上で当時のコンサートツアー史上歴代3位を記録した。
主なイギリスのグループのグラミー賞受賞歴
グラミー賞は、アメリカのザ・レコーディング・アカデミー が主催する音楽賞であり、音楽産業において傑出した実績を上げたものに対して与えられ、世界で最も権威のある音楽賞として知られている[74]。1959年に第一回が開催され、毎年2月に授賞式が行われている。芸術的業績、技術的能力、および総合的に卓越した楽曲・人物に与えられる[75]。
グループ名 | ノミネート数[11] | 受賞数[11] | Ref. |
---|---|---|---|
コールドプレイ | 39[10] | 7 | [9] |
ビートルズ | 23[76] | 7[12] | [77] |
レディオヘッド | 18 | 3 | [78] |
ケミカル・ブラザーズ | 14 | 6 | [79] |
ローリング・ストーンズ | 12 | 3 | [80] |
ゴリラズ | 11 | 1 | [81] |
マムフォード・アンド・サンズ | 9 | 2 | [82] |
ポリス | 8 | 5 | [83] |
フリートウッド・マック | 7 | 2 | [84] |
ダイアー・ストレイツ | 7 | 2 | [85] |
フローレンス・アンド・ザ・マシーン | 7 | 0 | [86] |
ディスクロージャー | 7 | 0 | [87] |
アークティック・モンキーズ | 6 | 0 | [88] |
ミューズ | 5 | 2 | [89] |
ジェネシス | 5 | 1 | [90] |
デペッシュ・モード | 5 | 0 | [91] |
ブラック・サバス | 4 | 2 | [92] |
ピンク・フロイド | 4 | 1 | [93] |
アイアン・メイデン | 4 | 1 | [94] |
トレイン | 4 | 1 | [95] |
クイーン | 4 | 0 | [96] |
ウェット・レッグ | 3 | 2 | [97] |
レッド・ツェッペリン | 3 | 1 | [98] |
ジャミロクワイ | 3 | 1 | [99] |
ザ・フー | 2 | 0 | [100] |
ザ・キュア | 2 | 0 | [101] |
プロディジー | 2 | 0 | [102] |
オアシス | 2 | 0 | [103] |
キーン | 2 | 0 | [104] |
The 1975 | 2 | 0 | [105] |
アイドルズ | 2 | 0 | [106] |
XTC | 1 | 0 | [107] |
ブラー | 1 | 0 | [108] |
ザ・ヴァーヴ | 1 | 0 | [109] |
ブリング・ミー・ザ・ホライズン | 1 | 0 | [110] |
ウルフ・アリス | 1 | 0 | [111] |
アルト・ジェイ | 1 | 0 | [112] |
主なコールドプレイの受賞歴
2023年1月現在において、グラミー賞[11][9]39回ノミネート[10](7回受賞)、ブリット・アワード30回ノミネート(9回受賞)。
音楽賞 | 年[注釈 1] | 対象 | カテゴリー | 結果 | Ref. |
---|---|---|---|---|---|
グラミー賞 | 2002 | Parachutes | Best Alternative Music Album | 受賞 | [113] |
Yellow | Best Rock Song | ノミネート | |||
Best Rock Performance by a Duo or Group with Vocals | ノミネート | ||||
2003 | A Rush of Blood to the Head | Best Alternative Music Album | 受賞 | [114] | |
In My Place | Best Rock Performance by a Duo or Group with Vocals | 受賞 | |||
2004 | Clocks | Record of the Year | 受賞 | [115] | |
The Scientist | Best Short Form Music Video | ノミネート | |||
2005 | Live 2003 | Best Long Form Music Video | ノミネート | [116] | |
2006 | X&Y | Best Rock Album | ノミネート | [117] | |
Speed of Sound | Best Rock Song | ノミネート | |||
Best Rock Performance by a Duo or Group with Vocals | ノミネート | ||||
2007 | Talk [注釈 2] | ノミネート | [118] | ||
2009 | Viva la Vida or Death and All His Friends | Album of the Year | ノミネート | [119] | |
Best Rock Album | 受賞 | ||||
Viva la Vida | Song of the Year | 受賞 | |||
Record of the Year | ノミネート | ||||
Best Pop Performance by a Duo or Group with Vocals | 受賞 | ||||
Violet Hill | Best Rock Song | ノミネート | |||
Best Rock Performance by a Duo or Group with Vocals | ノミネート | ||||
2010 | Life in Technicolor II | ノミネート | [120] | ||
Best Short Form Music Video | ノミネート | ||||
2012 | Paradise | Best Pop Duo/Group Performance | ノミネート | [121] | |
Every Teardrop Is a Waterfall | Best Rock Song | ノミネート | |||
Best Rock Performance | ノミネート | ||||
2013 | Mylo Xyloto | Best Rock Album | ノミネート | [122] | |
Charlie Brown | Best Rock Performance | ノミネート | |||
2014 | Atlas | Best Song Written for Visual Media | ノミネート | [123] | |
Live 2012 | Best Music Film | ノミネート | |||
2015 | Ghost Stories | Best Pop Vocal Album | ノミネート | [124] | |
A Sky Full of Stars | Best Pop Duo/Group Performance | ノミネート | |||
Ghost Stories Live 2014 | Best Music Film | ノミネート | |||
2017 | Up&Up | Best Music Video | ノミネート | [125] | |
2018 | Kaleidoscope EP | Best Pop Vocal Album | ノミネート | [126] | |
Something Just Like This (with The Chainsmokers) | Best Pop Duo/Group Performance | ノミネート | |||
2021 | Everyday Life[注釈 3] | Album of the Year | ノミネート | [127] | |
2022 | Higher Power | Best Pop Duo/Group Performance | ノミネート | [128] | |
2023 | Music of the Spheres | Album of the Year | ノミネート | [129] | |
Best Pop Vocal Album | ノミネート | ||||
My Universe (with BTS) | Best Pop Duo/Group Performance | ノミネート | |||
ブリット・アワード | 2001 | Coldplay | British Group | 受賞 | [130] |
British Breakthrough Act | ノミネート | ||||
Parachutes | British Album of the Year | 受賞 | |||
Yellow | British Single of the Year | ノミネート | |||
British Video of the Year | ノミネート | ||||
2002 | Trouble | ノミネート | [131] | ||
2003 | Coldplay | British Group | 受賞 | [132] | |
A Rush of Blood to the Head | British Album of the Year | 受賞 | |||
2006 | Coldplay | British Group | ノミネート | [133] | |
British Live Act | ノミネート | ||||
X&Y | British Album of the Year | 受賞 | |||
Speed of Sound | British Single of the Year | 受賞 | |||
2009 | Coldplay | British Group | ノミネート | [134] | |
British Live Act | ノミネート | ||||
Viva la Vida or Death and All His Friends | British Album of the Year | ノミネート | |||
Viva la Vida | British Single of the Year | ノミネート | |||
2010 | A Rush of Blood to the Head | British Album (Last 30 Years) | ノミネート | [135] | |
Clocks | British Live Performance (Last 30 Years) | ノミネート | |||
2012 | Coldplay | British Group | 受賞 | [136] | |
Mylo Xyloto | British Album of the Year | ノミネート | |||
2013 | Coldplay | British Live Act | 受賞 | [137] | |
Princess (with Rihanna) | British Single of the Year | ノミネート | |||
2015 | Coldplay | British Group | ノミネート | [138] | |
2016 | 受賞 | [139] | |||
A Head Full of Dreams | British Album of the Year | ノミネート | |||
2017 | Hymn for the Weekend | British Single of the Year | ノミネート | [140] | |
British Video of the Year | ノミネート | ||||
2020 | Coldplay | British Group | ノミネート | [141] | |
2022 | ノミネート | [142] | |||
British Alternative/Rock Act | ノミネート |
影響/評価
コールドプレイは最も影響力のあるアーティストの一つであり[143]、現在の音楽シーンの第一線で活躍しているアーティストの多くが直接的もしくは間接的にコールドプレイの影響を受けている。ポップ、R&B、ヒップホップ、ロック、ダンス・ミュージック、ラテン音楽、K-POP、J-POPなどを含む幅広いジャンルの音楽に多大な影響を与えている。
ジェイ・Zは「現代のシェイクスピア」[23]、カニエ・ウェストは「史上最高のバンド」[24]、BTSは「ロールモデル」[25]、テイラー・スウィフトは「永遠に大ファン」[26]、エド・シーランは「とてつもない天才」[27]、アデルは「魔法のような存在」[144]、フューチャーは「永遠の伝説」[145]、ハリー・スタイルズは「音楽を愛する理由であり自分のアイドル」[146]、ノエル・ギャラガーは「とんでもない魔法使い」[147]、リアム・ギャラガーは「人々に愛と沢山の光をもたらす素晴らしい存在」[148]とコールドプレイやボーカルのクリス・マーティンを絶賛している。
フィニアス・オコネル(ビリー・アイリッシュ)、ハリー・スタイルズ、フランク・オーシャン、SZA、テイラー・スウィフト、エド・シーラン、フューチャー、トラヴィス・スコット、BTS、デュア・リパ、カニエ・ウェスト、J・バルヴィン、イマジン・ドラゴンズ、ワン・リパブリック、トゥエンティ・ワン・パイロッツ、ザ・キラーズ、デヴィッド・ゲッタ、カイゴ、ザ・チェインスモーカーズ、ジェイコブ・コリアーなどが影響を受けている(詳細は後述)。
フランク・オーシャン、ドレイク、リゾ、チャンス・ザ・ラッパー、デュア・リパ、ケイシー・マスグレイヴスなどが楽曲をカバー・サンプリングしている。
藤井風の全曲のプロデュースなどを手掛けるYaffleは「音楽に本当にのめり込むきっかけとなった」[28] [29]、サカナクションの山口一郎は「めちゃくちゃ参考にしたボーカリスト」[30]と話し、多大な影響を受けたことを明かしている。また、松任谷由実や亀田誠治(スピッツなどの音楽プロデューサーで東京事変のメンバー)は、コールドプレイの大ファンであることを語っている。BUMP OF CHICKENや坂道グループなどにも大きな影響を与えている(詳細は後述)。
音楽的ルーツの前提
コールドプレイのクリス・マーティンは、2021年のインタビュー[149][150]で自身が影響を受けた音楽について語り、現代の音楽は全て始まりまで遡ることができるものだと話している。「僕が音楽についてすごく好きなのは、偉大な人は誰でも、他の偉大な人に影響を受けたり、教えられてきたってことなんだ」「だから、音楽というのは絶え間ない会話によるもので、人々が骨や岩を打って、『いい音だ』と言っていた起源まで遡れるものなんだよ」と彼は続けている。クリスはさらにポップ・ミュージックにおける競争という概念に疑問を呈し、「その意味で一つのベスト・アクトがいるというものだとは思えないんだ。音楽とは全体の共有体験なんだ」と語っている。
例えば、コールドプレイ自身は、レディオヘッドやU2をはじめとする様々なアーティストからインスピレーションを受けてきた[151]。そして、レディオヘッド[152]やU2[153]は、ビートルズやポストパンク・パンクのバンドなどに影響を受けた。さらには、ビートルズ[154]のメンバーも同様に他のアーティストからの影響を公言している。また、個別の楽曲に関しても同じようなことが言える。例えば、コールドプレイの「イエロー」はニール・ヤング、「クロックス」はミューズからインスピレーションを受けている(コールドプレイの音楽的ルーツの詳細は#音楽の特徴の#コールドプレイが受けた影響を参照)。
日本の音楽/アーティスト
日本では、松任谷由実、松任谷正隆、米津玄師、坂東祐大、藤井風、Yaffle、スピッツ、BUMP OF CHICKEN、サカナクション、indigo la End、乃木坂46、櫻坂46、亀田誠治、蔦谷好位置など多くのアーティスト、バンド、アイドル、音楽プロデューサーなどがコールドプレイを称賛し、もしくは影響を受けている。
藤井風など多くのアーティストのプロデュースを手がけているYaffleは、「音楽に本当にのめり込むきっかけとなった」存在だと話し[28]、高校時代にコールドプレイに感動していなければ音楽家になることはなかったと明かしている[29]。「(コールドプレイの)最新の世界ツアーの映像データを視聴して久々に感動が体を貫く」[29]「徹夜で作業した後のColdplayの心への染み入りっぷりったら尋常ではない」[155]とも過去に書いている。藤井風はコールドプレイの曲「イエロー」について「朝焼けを見ると絶対にこの曲を聴きたくなる」と話している[156]。松任谷由実は、愛聴しているアーティストとしてコールドプレイの名前を10年以上にわたって出しており[31]、2022年には「Coldplayとか聴きながらずっとただ終点まで(バスに)乗ってるときとかあります」[157]と話している。自分のライブ期間中に来日公演があったときには「思わず抜け出して行っちゃおうかなと画策したぐらい」[158]大好きなアーティストだと話している。ラジオではコールドプレイのアルバムや楽曲を解説して称賛している[31]。音楽プロデューサーの松任谷正隆はこれまで体験したベストライブの一つにコールドプレイを挙げており[14]、コールドプレイの楽曲は近年の松任谷由実作品のロールモデルの一つになっているとされる。宇多田ヒカルの「桜流し」の曲の後半の展開ついてローリングストーンジャパンは、コールドプレイやシガー・ロスを彷彿させるロック的ダイナミズムと評した[159]。具体的にはコールドプレイの「Amsterdam」「Death And All His Friends」などを想起させる。宇多田ヒカルとコールドプレイは、デビュー年[160]やキャリア[161]、影響を受けた音楽[162][163][164]、タッグを組むプロデューサーの方向性[165]、家族との離別が作品に与えた影響[166]、ロンドン拠点[167] など共通点も多い。米津玄師は自身の楽曲「Nighthawks」について、自分のルーツを遡って行った先にコールドプレイやU2があることを踏まえて作ったと話している[168]。2019年以降米津玄師の多くの楽曲で共編曲を手掛けている音楽家の坂東祐大は、2020年のコールドプレイのNPRの『タイニーデスクコンサート(Tiny Desk Concert)』について「本当に素晴らしい」「胸熱」と感想を書いている[169]。
サカナクションのボーカルの山口一郎は、「めちゃくちゃ参考にしたボーカリスト」がコールドプレイのクリス・マーティンだと明かしている[30]。北海道での活動時期に小樽から札幌のスタジオを往復していたときには、車でコールドプレイのライブ音源[170]を聴きながら歌っていた。コールドプレイやクリスの歌い方がすごい好きだったため、初期の楽曲「Yellow」「In My Place」などをひたすら練習して真似をしたと話している。サカナクションの楽曲「human」はコールドプレイを意識して作られた。人気曲「ミュージック」はコールドプレイの「Viva La Vida」の影響を感じさせる。スピッツの草野マサムネは、自身の楽曲「ヒビスクス」について、コールドプレイをオマージュして作った楽曲だとインタビューで答えている[171]。イントロの部分に「Viva La Vida」の影響が見られる。ラジオでは、コールドプレイの「Clocks」について「(20年近く前に)音楽で涼しくなることってあるんだなぁと思い知った曲」と紹介して曲を流している[172]。那覇の真夏の猛暑の日に、車のエンジンを掛けたらラジオから、ちょうどこの曲が流れて来て、車のクーラーをかける前にヒンヤリとしてきたと当時を回想している。2002年リリースの『三日月ロック』以降のすべてのスピッツのオリジナルアルバムの共同プロデュースを手掛けている音楽家の亀田誠治は、海外のライブにも足を運ぶほどのコールドプレイの大ファンである(詳細は後述)。BUMP OF CHICKENの楽曲や演出のルーツにはコールドプレイの存在があるとされる[173]。特にアルバム『Butterflies』『RAY』は、コールドプレイの5thアルバム『マイロ・ザイロト』以降の作風の影響が感じられる。メンバーは海外までライブを観に行ったこともあり、2022年にガイ・ベリーマンが来日した際には、ベースの直井由文はガイに会った写真を自身のSNSに投稿している[174]。RADWIMPSは、2017年に東京ドームで行われたコールドプレイのライブのオープニングアクトを務めた。indigo la Endのドラムスの佐藤栄太郎は「頭がおかしくなるほど最高だった」[175]、ボーカルの川谷絵音は「素敵でした」とライブの感想をSNSに投稿している[176]。川谷絵音は以前にもコールドプレイの曲「Amazing Day」に「名曲過ぎる」とコメントをつけて投稿している[177]。
乃木坂46の代表曲[178]を多数手掛けている作曲家・編曲家の杉山勝彦は、自身が影響を受けたアーティストの一つにコールドプレイを挙げている[179]。同様に坂道グループやAKBグループの人気曲[180]を数多く手掛けている青葉紘季[181]は「改めてすげえバンドだ。感動するわ」「素晴らしすぎて震える」「Coldplayの新作が良すぎる」と度々絶賛し[182]、自身の楽曲制作への影響としても言及している[183]。坂道グループやジャニーズの楽曲を多数手掛けている辻村有記は、理想とするアーティストにコールドプレイを挙げている[184][185]。コールドプレイは坂道グループの音楽性においてビートルズ[186][187]やMr.Children[188][179]などと共にルーツの一つとなっている。乃木坂46は2017年リリースの「逃げ水」頃にグループの転換期を迎え、同時にコールドプレイの音楽をJ-POPに昇華したような作風にも積極的に取り組むようになった。乃木坂46の代表曲「シンクロニシティ」はコールドプレイの代表曲「Clocks」、「帰り道は遠回りしたくなる」は「Viva La Vida」の影響が感じられる。2022年リリースの人気曲「絶望の一秒前」を含む多数の楽曲を手掛けているツキダタダシは「何故こんなにガンガン琴線に触れるのだろうか」「Coldplay聴いてたら頑張れそうな気がしてきた」など称賛を何度も投稿している[189]。他の坂道グループも時を同じくして、音楽性や歌詞[190]、パフォーマンスを含むグループの方向性が変化した。2017年にリリースされた欅坂46(現:櫻坂46)の「風に吹かれても」のディスコ・ファンクサウンドはコールドプレイの「Adventure of a Lifetime」を思わせる。ペンライトを使ったカラフルなライブ演出はコールドプレイと通じるものがある。欅坂46・けやき坂46(現:櫻坂46・日向坂46)の元メンバーの長濱ねるは、コールドプレイのライブ映像について「いつ見ても何度見ても高ぶる」と書いている。欅坂46(現:櫻坂46)の元メンバーの平手友梨奈[191]や山下智久は2017年の東京ドームのライブを観に行ったことを話しており、山下智久は以前から好きなアーティストとしてたびたび自分のラジオで曲をかけていた。嵐の松本潤はコールドプレイをヒントに自身のグループのライブにも自動制御型のペンライトを取り入れたことを明かしている[192]。Sexy Zoneの佐藤勝利はファンを公言し、ライブを観にイギリスまで行ったことを話している。
米津玄師やOfficial髭男dism、back number、Mrs. GREEN APPLE、ゆず、Superfly、絢香、エレファントカシマシなど数多くのアーティストの楽曲を手掛けている音楽プロデューサーの蔦谷好位置は、イギリスのグラストンベリー・フェスティバル(2011年)のコールドプレイのライブの録画番組を観た感想として「もの凄いヒット曲の数々でこれは圧倒的だな。凄いわ」とブログに感想を書いている[193]。2017年の東京ドームのライブについては「アンセムと多幸感の連続に圧倒された」「今まで自分が観てきた東京ドームのライブの中で一番良かった」と絶賛している[194]。スピッツや椎名林檎、いきものがかり、MISIA、平井堅、GLAY、JUJU、ポルノグラフィティ、エレファントカシマシ、チャットモンチー、Creepy Nutsなど数多くのアーティストの楽曲を手掛けている音楽プロデューサーであり、東京事変のベーシストを務める亀田誠治は、海外も含め多くのライブに足を運んでおり、 「今日のライブ、深く胸に刻み込みました。全身で音楽を伝えるクリスは幸せを運ぶ使者でした」「もう愛しかないライブ 」「コールドプレイの光るリストバンドの発明は演出のノーベル賞」[195]「Coldplay素晴らしかった。クオリティが超高いのに、敷居は超低い。こんなにみんなの大合唱が響くドームははじめて」と何度も絶賛している。2018年のドキュメンタリー映画 『コールドプレイ:ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』 を見たときには「泣きました。バンドは絆だ」と投稿している。ももいろクローバーZや私立恵比寿中学、でんぱ組.inc、ゆず、SMAPなどの数多くのアイドルやアーティストの楽曲を手掛けている音楽プロデューサーの前山田健一は、コールドプレイを世界で最も影響力のあるイギリスのロックバンドと評し、注目曲に「Higher Power」を選んで「バンドであるコールドプレイまでもシンセウェイヴサウンドに挑戦しているというのが僕はとてもいい時代だなと思っている」と語っている[196]。Superfly、Official髭男dism、アンジェラ・アキ、ヒグチアイなどの楽曲を手掛けている音楽プロデューサーの松岡モトキは、自身の人生や仕事に影響を及ぼした曲としてコールドプレイの「In My Place」を挙げている[197]。
韓国の音楽/アーティスト
韓国では、世代や性別、事務所などを問わず、多くのグループのメンバーから支持されている。BTSのV、ジン、NCTのチソン、ムン・テイル、ジャニー、Stray Kidsのフィリックス、ITZYのリュジンなどが、好きなアーティストとしてコールドプレイの名前を挙げている。また、BTS、BLACKPINKのロゼ、EXOのチャンヨル、SHINeeのキー、DAY6のヨンケイ、元B1A4のジニョンなどが、音楽番組や映画等で楽曲をカバーしている。
BTSのVは「自分のロールモデルでもあったクリスにはこれまで多大な影響を受けてきた」と語っており、ジョングクは「スタジアムツアーの王様」と称賛している[25]。2021年にBTSは、Vの発案でコールドプレイの「Fix You」をMTVアンプラグドでカバーしている。2018年にメンバー全員で加平にプライベート旅行をしたときにも、バーベキューをしながら同曲を流している動画をSNSに投稿していた。ジミンは「この曲は辛い時期に僕たちを慰めてくれた曲だ」と明かしている。RMとJ-HOPEは、2017年にソウルのコールドプレイのライブを二人で観た際にはSNSに写真を投稿している。以前からBTSの多くのメンバーは、コラボしたいアーティストを聞かれたときには、コールドプレイと答えていた。そうしたことがクリスの耳に入り、2021年のコールドプレイとBTSのコラボ曲「My Universe」のリリースや2022年のジンのソロデビューシングル「The Astronaut」の 楽曲提供[198]に繋がった。
コールドプレイとBTSのコラボの裏側については、BTSの公式YouTubeチャンネルにドキュメンタリー動画が複数アップされている。以前RMはコラボしたいアーティストとしてコールドプレイを挙げたときに「彼らには自分たちBTSと共通したものがある気がする」と話していたが、クリス・マーティンは「BTSの人柄や楽曲からは、連帯の訴えや自分を見つけて自分自身になろうというメッセージが感じられ、強く共感する」と話している。コラボしたBTSのRMは、クリスについて「聞いていたとおりとても謙虚で人間味に溢れた純粋な人で、偏見のようなものが全くない人だった」と語っている。ジミンは「ポジティブな心で他者により良い影響を与える素晴らしい人だった」と話している。クリスはコラボを通してBTSのメンバーと交流を深め、コールドプレイのファンであるジンにはギターをプレゼントした。コールドプレイのメンバーはVの歌声を「第2のクリス・マーティンのようだ」と称賛した[199]。ジンはコールドプレイのブエノスアイレス公演に招待され、コールドプレイ提供のソロデビュー曲「The Astronaut」を観客の前で初披露した。2023年にはコールドプレイはサタデー・ナイト・ライブで「The Astronaut」のセルフカバーを披露した。
BLACKPINKのロゼは、Instagramの配信ライブで「Fix You」、YouTubeの動画で「Viva La Vida」をカバーしている。後者についてコールドプレイは「素晴らしい歌声だ」と称賛している。NCTの多くのメンバーは、好きなアーティストとしてコールドプレイを挙げており、チソンは「歌手を夢見た時から聴き続けているアーティスト」で「自分が理想とする存在」だと話している。Stray Kidsのフィリックスは好きな曲に「Fix You」をあげ、考えを整理したり気持ちを和らげたいときには「O(オー)」、ストレスを感じたときには「Everglow」を聴いていると話している。
世界の音楽/アーティスト
コールドプレイの影響を受けている世界のアーティストとしては、エド・シーラン[200]、テイラー・スウィフト[201]、ブルーノ・マーズ[202]、カニエ・ウェスト[203]、BTS、SZA、フィニアス・オコネル[16]、ハリー・スタイルズ、デュア・リパ、トラヴィス・スコット、フューチャー、H.E.R.、ジャスティン・ティンバーレイク、ティンバランド、マイク・ウィル・メイド・イット、 リル・ヨッティ 、J・バルヴィン、イマジン・ドラゴンズ、トゥエンティ・ワン・パイロッツ、ワン・リパブリック、ザ・キラーズ、マムフォード・アンド・サンズ、U2、ニック・ケイブ、デヴィット・ゲッタ、ザ・チェインスモーカーズ、カイゴ、ラウヴ、スウェディッシュ・ハウス・マフィア、チェルシー・カトラー、ジェイコブ・コリアー、ジョン・メイヤー、ショーン・メンデス、アレッシア・カーラ、レオナ・ルイス、マレン・モリス、ザ・スクリプト、アメリカン・オーサーズ、シグリッド、ブランディ、ラムシュタイン、イ・ジス、アイス・スパイスなどが挙げられる(詳細は後述)。
コールドプレイの音楽をサンプリングしたアーティストとしては、ドレイク、フランク・オーシャン、チャンス・ザ・ラッパー、リゾ、マック・ミラー、デュア・リパ、50セント、ブランディ、スウィズ・ビーツ、マデオンなどが挙げられる。
コールドプレイのカバー曲をリリースしたアーティストとしては、フランク・オーシャン、サム・スミス、ケイシー・マスグレイヴス、ウィーザー、ケリー・クラークソン、マーク・ロンソンなどが挙げられる。また、テイラー・スウィフト、エド・シーラン、カニエ・ウェスト、レディー・ガガ、カミラ・カベロ、チャーリー・プース、チャンス・ザ・ラッパー、ジェイコブ・コリアー、ロビン、スネイル・メイル、U2、ショーン・メンデス、ワン・ダイレクション、クロイ&ハリーなどが、音楽番組やライブ等でカバーを披露している。
コールドプレイのツアーのオープニングアクトを務めたアーティストとしては、ジェイ・Z、SZA、デュア・リパ、チャーリー・XCX 、H.E.R.、フィオナ・アップル、インターポール、フレーミング・リップス、スノウ・パトロール、ロビン、ジョン・ホプキンスなどが挙げられる。
ポップの分野では、テイラー・スウィフト、エド・シーラン、ビリー・アイリッシュ、ハリー・スタイルズ、デュア・リパをはじめ、多くのアーティストの作品にコールドプレイは影響を与えている。テイラー・スウィフトは「私は永遠にクリス・マーティンの大ファンであり、もし彼と仕事ができたら最高だ」と話しており[26]、「Wildest Dreams」などの楽曲で影響を受けている。エド・シーランは「自分のキャリアを通してずっとコールドプレイを勉強してきた」「コールドプレイはとんでもない天才だ」と語り[27]、自身が今後リリースしたいアルバムをコールドプレイのアルバムに喩えている。ビリー・アイリッシュの全ての楽曲をプロデュースしているフィニアス・オコネルは、自身の音楽のルーツを聞かれた際には「コールドプレイは自分にとって本当に大きな存在だ」と語り[16]、「飛行機に乗るときは大抵コールドプレイのアルバム『美しき生命 』を最初の曲から最後まで通して聴いている」と話している[17]。アルバム『美しき生命』の音楽性は、オルタナティブ・ロックとブラックミュージックに影響を受けたビリー・アイリッシュの作風に通じるものがある。ハリー・スタイルズは「クリス・マーティンは自分が音楽を愛する理由であり、自分のアイドルだ」とSNSに書いており、ソロデビューシングル「Sign of the Times」はコールドプレイの「The Scientist」の影響を受けている。デュア・リパは、クリス・マーティンについて「私にとって本当に尊敬するアーティストであり、インスピレーションを与えてくれる存在でもあり、私はずっと彼の音楽を聴いてきた」とインタビューで答えている。クリス・マーティンは、デュア・リパの「Homesick」の制作にも携わっており、同曲はコールドプレイの「Everglow」をサンプリングしている。アデルは「コールドプレイはまるで魔法のようだ」とライブの感想を写真とともにSNSに投稿している[144]。自身が2016年にグラストンベリー・フェスティバルのトリを初めて務めることが決まって不安になったときには、アドバイスをもらおうとボーカルのクリスに連絡したところ、クリスは自分のことのように泣いて喜んでくれ、2人で一緒に号泣したとドキュメンタリー番組で語っている。クリスはコールドプレイとしてグラストンベリー・フェスティバルのトリを当時既に3回(2022年現在は歴代最多の5回)経験しており、アデルに様々なことを伝えた。
R&B・ヒップホップの分野では、ジェイ・Zやカニエ・ウェスト、トラヴィス・スコット、フューチャーなどのラッパー、フランク・オーシャンやSZA、ジャスティン・ティンバーレイクなどのR&Bアーティストがコールドプレイに大きな影響を受けている。コールドプレイはジェイ・Zやビヨンセ、リアーナなどのアーティストと多数の共演をしている。何度もクリスとコラボをしているジェイ・Zは「自分はこの業界に長くいるので、天才を前にするとわかるが、クリス・マーティンはまさにその天才であり、イギリスはいずれクリスが現代のシェイクスピアだったと振り返ることになるだろう」「もしコールドプレイのライブを観る機会があれば必ず行くべきだ」とインタビューで称賛している[204]。ジェイ・Zはコールドプレイのライブ会場で何度も目撃されている。カニエ・ウェストは、かつて自身の目指す音楽性を「コールドプレイ、ポーティスヘッド、フィオナ・アップルのスタイル」と呼んだ。また、別のインタビューではコールドプレイへの愛を熱弁し、「クリスはソングライターとしてもパフォーマーとしてもジョン・レノンと並ぶ天才であり、30年後にはコールドプレイはビートルズよりも優れた、歴史上最も偉大なバンドだったと人々は回顧するだろう」と絶賛している[24]。コールドプレイと一緒に史上最高のアルバムを作ることが夢だとも語っている。カニエは自身の曲「Big Brother」の歌詞において、「『クリス・マーティンとコラボして曲”Homecoming"を作った』とジェイ・Zに伝えたところ、ジェイ・Zも続いてクリスと曲を作った」「クリスとコラボしたのは自分が先なのにも関わらず、ジェイ・Zはコラボ曲“Beach Chair"を自分より先にリリースした」と訴え、曲中でジェイ・Zのことを非難している。それに対してジェイ・Zは、「そもそもカニエがクリスとコラボできたのは自分のおかげであり、友人であるクリスの電話番号を教えて紹介してあげたからだ」とカニエの主張に反論するとともに、「カニエと違って自分はコラボした曲”Beach Chair”をシングルカットしていない」と弁明している。カニエはクリスとの楽曲をリリースした後には、「今度はコールドプレイ(バンド全員)ともコラボしたい」とインタビューで話している。自身のプロジェクト「Sunday Service」では、コールドプレイの「フィックス・ユー」をライブでカバーしている。
フランク・オーシャンは自身のソロデビュー作品であるミックステープ『Nostalgia Ultra』の1曲目「Street Fighter」でコールドプレイの楽曲「Lovers In Japan」「Life In Technicolor」「Strawberry Swing」をサンプリングし、2曲目で「Strawberry Swing」の歌詞を一部変えてカバーしている。3曲ともにコールドプレイのアルバム『美しき生命』の収録曲であり、フランク・オーシャンの同アルバムへの傾倒が表れている。アルバム『美しき生命』の作風は、ブラックミュージックとオルタナティブ・ロックに影響を受けたフランク・オーシャンの音楽性に通じるものがある。ミックステープ 『Nostalgia Ultra』 は革新的な作品として様々な方面から絶賛され、オルタナティブR&Bという新たなジャンルの潮流を作り出した。一時期悪化していたフランク・オーシャンとDef Jamとの関係が改善されるとともに、ミックステープはフランク・オーシャンの存在を広く知らしめ、ジェイ・Zやカニエ・ウェスト、ビヨンセとのコラボレーションにもつながり、その後飛躍していくきっかけとなった。さらにフランク・オーシャンは2012年のコールドプレイの『マイロ・ザイロト・ツアー』のヨーロッパでのオープニングアクトを務めることとなった。最終的にはオーシャンは自身のフェスの出演も含めたヨーロッパの予定を直前に全てキャンセルしたため、代役をチャーリー・XCXが務めた。SZAは2014年にコールドプレイの「ゴースト・ストーリーズ・ツアー」にオープニングアクトとして帯同したことについて、「自分の芸術性や精神を子供の頃に真に形成してくれたバンドの前座を務めることができたのは、計り知れないほど幸運だった」と感謝を伝えている。SZAの楽曲「Special」はコールドプレイの「Scientist」のメロディーに影響を受けている[205]。
リアーナとビヨンセは、コールドプレイがヘッドライナーを務めた 2012年のロンドンパラリンピック閉会式と2016年の第50回スーパーボウルのハーフタイムショーの客演をそれぞれ務めた。前者には客演としてジェイ・Z、後者にはブルーノ・マーズも参加した。また、リアーナとビヨンセは、コールドプレイの楽曲「Princess of China」と「Hymn for the Weekend」にもそれぞれ客演として参加している。ジェイ・Zとビヨンセの離婚危機の際には、クリスとリアーナは心配して2人でレストランで話し合った[206]。コールドプレイの「Yellow」はビヨンセの最も好きな曲の一つであり、ビヨンセのドキュメンタリー映画「ライフ・イズ・バット・ア・ドリーム」には夫のジェイ・Zと二人で「Yellow」を歌っている様子が映っている。ブルーノ・マーズの曲「Marry You」は、コールドプレイのドラムを大胆に引用している[207]。
トラヴィス・スコットはインタビューでコールドプレイが大好きだと話している[208]。メロディーのセンスや暗い感じなどが非常に好きだと語り、大きな影響を受けたアーティストの一つに挙げている。自身の曲「Way Back」の歌詞でもコールドプレイに言及している。フューチャーは「コールドプレイは永遠の伝説だ」とSNSに投稿しており、コールドプレイのメロディーが好きで影響を受けていると度々話している。ティンバランドはコールドプレイの大ファンであることを明かしており、ジャスティン・ティンバーレイクも影響を語っている。ドレイク、チャンス・ザ・ラッパー、リゾ、マック・ミラーなどは自身の楽曲でコールドプレイの曲をサンプリングしている。チャンス・ザ・ラッパーは、自身のライブでも「フィックス・ユー」をカバーしている。リゾは「クリスの詩的な歌詞で人々を感動させる能力は驚くべきものだ」と絶賛し、[209]コールドプレイの「Yellow」をサンプリングした自身の楽曲には「Coldplay」というタイトルをつけた。リル・ヨッティはコールドプレイを聴いて育ったことが自身の音楽性の背景にあると語っている。アイス・スパイスは好きなアーティストの一つとしてコールドプレイを挙げている[210]。
ローリング・ストーンズやニック・ケイヴ、U2、オアシスなど多くのロックアーティストがコールドプレイを称賛している。クリスの友人であるU2のボノは、自身の楽曲「Every Breaking Wave」はクリスの助言がなければ完成させることができなかったと話している。U2のジ・エッジは「(コールドプレイのギターの)ジョニーは多くのギタリストの憧れだ」と称賛している[211]。ニック・ケイヴは自身の楽曲「Waiting for You」はクリスの助言を取り入れて作り直したものだと明かし、「私はいつもクリスの寛大な精神と世界との関わり方に惹かれている」「彼は優しい男で、私の大切な友達だ」と話している。コールドプレイやクリスは、ブルース・スプリングスティーンやベック、元R.E.M.のマイケル・スタイプとも親交があり、ステージ上で共演もすることも多い。ローリング・ストーンズのミック・ジャガーは、コールドプレイのライブを観て楽しんでいる動画をSNSに投稿し、「素晴らしい時間を過ごした」と書いている。ポール・マッカートニーがミュージケアーズ・パーソン・オブ・ザ・イヤーを授与されたときには、ポールへのトリビュート・コンサートのパフォーマーとしてコールドプレイが選ばれ、ビートルズの「恋を抱きしめよう(We Can Work It Out)」を演奏した。元オアシスのリアム・ギャラガーは過去には「コールドプレイの曲を聴くと自殺したくなる」などと否定的な発言もしていたが、2017年には「自分が今まで彼らについて言ってきた発言全てを撤回する」「クリスもバンドメンバーもクールなやつだ」「とてもかっこいいバンドで驚いた」と発言し[212]、現在は「クリス・マーティンは人々に愛と沢山の光をもたらす素晴らしい奴だ」[148]と話している。元オアシスのノエル・ギャラガーはコールドプレイの『イエロー』について「初めて聴いたとき、とっさギターを引っ掴んで叫んだよ。ちくしょう!どうして俺がこの曲を書かなかったんだ!ってね」と話している[213]。ノエルはコールドプレイの楽曲「Up&Up」にギターで参加している。ボーカルのクリスについて「自分のアルバムにも参加してもらいたい」「やつはとんでもない魔法使いなんだ。天才だよ」と称賛している[147]。
イマジン・ドラゴンズやトゥエンティ・ワン・パイロッツ、ワン・リパブリック、ザ・キラーズ、マムフォード・アンド・サンズなどのロックバンドや、デヴィット・ゲッタやザ・チェインスモーカーズ、カイゴ、スウェディッシュ・ハウス・マフィアなどのEDMアーティストがコールドプレイに影響を受けたことを公言している。
他にもジェイコブ・コリアー、J・バルヴィン、H.E.R.、ジョン・メイヤー、ラウヴ、ラムシュタインなど多くのアーティストが影響受けている。ジェイコブ・コリアーは、「コールドプレイが自分の人生に与えてきた影響は、正直言って言葉では言い表せない」と話している。エレクトロニック・ミュージック界を牽引し、ブライアン・イーノの作品や4thアルバム『美しき生命 』以降の多くのコールドプレイの楽曲にも携わっているジョン・ホプキンスは「あまり知られていないけど、彼ら(=コールドプレイ)はとても実験的な音楽センスを持っているんだ」「彼らは音楽の趣味がめちゃくちゃ広いんだ」とインタビューで語り、ボーカルのクリス・マーティンがビートルズとハドソン・モホークの大ファンであることを明かしている[214]。また、ホプキンスは別のインタビューで「あまりによくできたポップソングは、なぜだが簡単に作られたように思われるんだけれど、実際に作ってみようとすれば、何千人ものひとを一瞬で虜にする曲を書くことがどれだけ難しいか、よくわかると思う」「たとえばコールドプレイは誰もがくちずさんでしまう曲を書く、それどころか、スタジアム全体を合唱させてしまう。それは決して簡単なことではないよ」「ある程度聴き手を選ぶ音楽を作るほうがきっと簡単だろう」と語っている[215]。フィービー・ブリジャーズは、自身が好きなナダ・サーフの楽曲「Inside of Love」をコールドプレイの音楽に喩え、ときどき聴くと他の音楽が5日間くらい存在しなくなるような素晴らしい曲だと紹介している。
作風の変化やコラボレーションなどを通じて異なる音楽ジャンルや人種の架け橋となっている。これまで差別が常態化し、ジャンルや人種ごとの分断の激しかったポピュラー音楽の変革を支え、分断から連帯、競争から協力に進む音楽界の変化に貢献している。
2008年にラッパーのジェイ・Zがイギリスで開催される世界最大級の音楽フェス「グラストンベリー・フェスティバル」のヘッドライナーに抜擢されて激しいバッシングを受けた際には、クリス・マーティンは「彼は世界1のラッパー。(ジェイ・Z抜擢の)この騒ぎにはちょっと恥ずかしいとさえ思ってるよ」とジェイ・Zを擁護するコメントを発した。オアシスのノエル・ギャラガーがグラストンベリーでのヒップホップは「間違っている」「あり得ない」と主張するなど、マスコミを騒がせていた。 渦中のジェイ・Z本人は、この時代、ロックやヒップホップといったジャンルに境界線があるほうがおかしいと主張。「音楽を分類したがる奴らもいる。でも、今の若者は音楽をそういう風に聴いてないだろ?俺はどんなタイプのものでも聴く。そうであるべきだと思ってる。それが今の世界だ。いろんなカルチャーがミックスされてるべきだ。(分けるとしたら)いい音楽か、悪い音楽かってだけだ。」そして「新しいものを受け入れないで、どうやって発展していくって言うんだ?全くもって古い考え方だ。世の中の動きについていってない。(批判されて)ほんと驚いた」と反論した(詳細は2008年・ジェイ・Zのヘッドライナー出演を巡る騒動を参照)。2011年には、クリスはグラストンベリー・フェスティバルにヘッドライナーとして出演するビヨンセを後押しした。ビヨンセは、夫ジェイ・Zが2008年に出演した際、様々な意見が交わされていたことから自身の同フェスティバルへの出演に対して悩んでいたが、そんな彼女をクリスが説得したと、共同主催者を務めるエミリー・イーヴィスが『ラジオ・タイムズ』誌に明かしている[216]。
コールドプレイがヘッドライナーを務めた 2012年のロンドンパラリンピック閉会式と2016年の第50回スーパーボウルのハーフタイムショーでは、前者にはジェイ・Zとリアーナ、後者にはビヨンセとブルーノ・マーズが客演として参加した。ジャンルや人種、性別の垣根を越えた世界的アーティストの共演は2010年代の音楽シーンを象徴するパフォーマンスの一つとなった。50周年記念のハーフタイムショーでの共演は、自分たちだけではなく、他のアーティストと共に出演することを望んだクリス・マーティンの思いから実現した。「一体感を演出したかった。僕たちの世界、音楽界にあるできるだけ多くのものを取り入れようと考えたんだ」とクリスは話している[217]。当初はクリスの誘いをブルーノは断っていたが、クリスはブルーノをスタジオに招き、マーク・ロンソンとブルーノの大ヒット曲「アップタウン・ファンク」を三人で一緒に披露したいという希望を明かした[218]。ブルーノは「スター同士の共演はお粗末な内容になるケースも多い」との思いからまだ懐疑的だったため、ビヨンセの考えを聞いてみるようにクリスに提案した。クリスはすぐに二人の動画をビヨンセに送ったところ、ビヨンセも参加に乗り気だったため、共演が実現した。人種も性別も違う三者が歌い踊ることで音楽が人を繋げることをステージで体現し、さらにスーパーボウルや音楽の歴史を振り返る構成によって先人たちへのリスペクトを表現した。このステージは世界中の音楽ファンから称賛を浴びる一方、ビヨンセとブルーノの鮮烈な印象から「コールドプレイは脇役だった」という共演の背景や意図を無視した心無い意見も多くあったが、スーパーボウル後の会見でクリスは「ビヨンセとブルーノをよりカッコよく見せることができたなら僕は幸せだよ」と笑顔で答えている。
ライブ/ツアー
Veja誌のFelipe Branco Cruzは、コールドプレイは「アリーナロックの概念を再発明した」と述べている。彼らのライブパフォーマンスは、ファンを単なる観客ではなくライブの主人公に変え、ピンク・フロイド、クイーン、U2のようなグループが確立した「音楽を超越した」ショーの遺産を受け継ぐことになった。また、コンサートでのLEDリストバンドの普及も彼らの功績である。レディー・ガガ、テイラー・スウィフト、ワンリパブリック、ザ・ウィークエンド、ジェイ・Zなど、コールドプレイの演出を取り入れたアーティストも多数存在する。
Le SoirのDidier Zacharieによると、『Music of the Spheres World Tour』(2022-23)が提案したエコロジー計画は、スタジアムツアーとしては「前例がない」とし、バンドが環境に優しいツアーの「青写真を描いた」と評価されている。2022年、世界最大級のライブ・エンタテイメント企業であるライブ・ネイションのLucy August-Pernaは、Coldplayはそれまでの5年間に同社が開発してきたフレームワークをさらに構築するのを手助けし、コールドプレイの成功事例と計画は、より多くのアーティストに「持続可能なツアーの選択肢を提供」するために標準化されるとコメントしている。Uproxxとビルボードは、コールドプレイがビリー・アイリッシュの『Happier Than Ever, The World Tour』とショーン・メンデスの『Wonder:The World Tour』のツアーに与えた影響について評価している。
ステージのLED機材のためのJohn Wiseman(Worldwide Sales社)、Frederic Opsomer(PRG Projects社)とのパートナーシップによる仕事は、「これまでに存在しなかった」製品を生み出すことになった。例えば、膨らませることができる立体的な球体は、通常のモデルを保管・運搬するために必要なスペースを劇的に縮小した。Opsomer氏は、コールドプレイのツアーのために開発されたカスタム技術は、ライブエンターテインメント業界において「数年後には当たり前のものになる」とも語り、この試みの「ビジョンとバックボーンを持っている」バンドへの感謝を語った。
メディア/評論家
フォーブスのスティーブ・バルティンによると、コールドプレイは現在のオルタナティブロックの音楽シーンにおけるスタンダードとなり、「一貫した演奏と冒険的な仕事を通じて」「すべての音楽の中で最も優れたライブバンドのひとつ」に成長し続けている[219]。Afishaに寄稿したセルゲイ・ステパノフは、彼らは「ヒットメーカーの能力と潜在的な重さ」という点で「21世紀のビートルズ」であり、U2の「オルタナティブ・ロックを主流にする」能力も受け継いでいるとコメントしている[220]。
レコーディングアカデミーによる『パラシューツ』20周年レビューでジョン・オブライエンは、この作品が現在でもバンドにとって最も影響を与えたアルバムで、ザ・フレイ、スノウ・パトロールやワンリパブリックといったバンドの作品に影響を与えていると述べた[221]。 また、「コールドプレイや、より小さい程度ではあるがトラヴィスは、ロックンロール・スターの考え方に賛同しない人々のために門戸を開く手助けをした」とも論じている[222]。 コールドプレイの大ヒット曲「イエロー」は、ピッチフォークによって2000年代のベストトラックの1つとされ[223]、音楽において最も重要である曲の1つであるとしてロックの殿堂の「ロックンロールを形作った曲」のリストに選出された[224]。ロック史における重要な出来事について論じたガーディアン紙は、バンドがこの曲でその後のメインストリーム・ロックの方向性を定め、「高揚感に支えられた切望した哀愁という新しい音楽性を生み出した」と称賛した[225]。
2ndアルバム『静寂の世界 (A Rush of the Blood to the Head)』(2002年)は、ロイヤル・メールによって過去40年間のイギリスのクラシックなアルバム・カバーを称える切手セットに選ばれ[226]、ロックの殿堂[227]、ローリング・ストーン[228]、NME[229]によって史上最高のアルバムの1つに選ばれた。 ローリング・ストーンは「クロックス」と「フィックス・ユー」を、NMEは「イエロー」と「The Scientist」を史上最高の曲の1つに位置づけた。ローリング・ストーンとBBCアメリカは、「美しき生命 (Viva La Vida)」を2000年代のベストトラックの1つとして称賛した。『静寂の世界』はBBCのラジオ2局のリスナーによる歴代最も好きなアルバムの1位に選出された[15]。
2010年、VH1は音楽業界の専門家の投票に基づき「史上最も偉大な100人のアーティスト」の一つにコールドプレイを選出した[230]。 翌年、バンドは『マイロ・ザイロト』をリリースし、Qの「過去30年間の偉大なアルバムリスト」に加えられた[231]。ローリング・ストーンはリードシングル「Every Teardrop Is a Waterfall」を2010年代のベストトラックの1つに選出した[232]。 iHeartRadioは2014年にバンドがリリースした「A Sky Full of Stars」を2010年代のオルタナティブ・ロックを代表する1曲とした[233]。英国レコード産業協会は英国音楽の世界輸出を押し上げたアーティストとしてアデルやエド・シーランと共にコールドプレイを挙げている。
音楽雑誌MUSICAの創刊者で音楽フェス『VIVA LA ROCK』のプロデューサーを務める鹿野淳は、コールドプレイの2017年の東京ドームライブの感想として「あれだけ彼ら(=コールドプレイ)のエンターテイメントに影響されたバンドによる音楽とライヴが世界中に溢れ、それを目撃し続けているのに、やはり大元のライヴは一味違うし、誰よりも大胆でキレがあった。何度見ても楽しいし、何度見ても知り合いにバカスカ会う(笑)」と称賛している[234]。音楽ライターで元ロッキング・オンの5代目編集長の粉川しのは8thアルバム『Everyday Life』について「宗教や文化、人種や価値観の差を音楽によって融和していこうとする本作は、この分断の時代を乗り越える決意が宿った、力強いメッセージ・アルバムでもある」と評している[235]。
一方で、コールドプレイに否定的な立場をとるメディアもあった。一部のメディアやロックのファンダムには、ロックバンドは労働者階級出身であるべきであるとする価値観が存在し、中流階級や上流階級出身のロックアーティストは批判対象となることも多いとされる[236]。こうした風潮はロックが歴史的にカウンターカルチャーの象徴的存在として受容されてきたことと関係し、ビートルズやボブ・ディランなどは、下流階級や辺境、不良などの「アウトサイダー」に魅力があるということを強く訴えていた。オアシスやニルヴァーナなどは、労働者階級の代弁者として人気を集めた。反支配層・反中央という指標を満たすことが「ロックであること」にとっての本質であるとされ、ロック音楽文化にコミットする人やメディアが音楽の価値を論じるときには、「下方向」「埒外」への指向性や出自によって判断される度合いが大きかった。欧米圏ではそのような風潮が現在も残っており、階級社会であるイギリスにおいて顕著である。コールドプレイが多くのトップアーティストから称賛されているのにも関わらず、一部の評論家やリスナーから見合った評価を得ていない理由として、クリス・マーティン[237]やメンバー[238]の恵まれた生い立ちやキャリア、品行方正な振る舞いなどが伝統的なロック観と相容れないことが背景にあるという指摘がある[239]。
また、コールドプレイの中性的な音楽性や歌詞に対して「女々しい」「弱々しくて男らしくない」というマチズモ(男性優位主義)に基づく批判も多くあった。さらに、コールドプレイはブラックミュージックや電子音楽との融合、ポップアーティストとのコラボレーションなどを積極的に行い、自身の持つジャンル・クロスオーヴァーな作風を強め、ジャンル間や人種間の分断が激しかった音楽界の変革を牽引しているが、それに対してロックの“原理主義者”からは「ロックの魂を売って擦り寄った」「ミーハーで軽薄」と非難された。日本でも同様に、旧来のロック観の維持、音楽ジャンルの区別や差別化にこだわる保守的なメディアやリスナーを中心に誹謗中傷されることも多かった。コールドプレイに批判的な評論家として田中宗一郎や宇野維正などがいた。特に前者は、自身が創刊した音楽雑誌 『snoozer』(2011年に廃刊)、ウェブメディアやポッドキャスト(両者とも2023年に終了)でコールプレイを酷評し続けた。
コールドプレイへの批判やアンチの存在に対して、2016年にボーカルのクリス・マーティンは「誰かが僕たちのことを嫌いだとしても、今は全く気にしていないんだ。2つ前のアルバム(『マイロ・ザイロト』)を作るときにみんなを喜ばせようとするのはやめようと決めたんだよ。それでは結局誰も喜ばせることが出来ないからね。僕たちのことを酷いと思うことで喜びが得られるのなら、是非そうしてほしいんだ。僕は気にしない。音楽っていうのはレストランのようなもので、みんなが同じものを好きにはならない。僕は自分達が作っている音楽が好きだけど、みながそうである必要はないし、嫌いな人たちを恨むこともない。自分の心と感性に従うべきなんだ。」とインタビューで語っている[240]。
2021年のインタビューでクリスは、「僕たちの音楽に対する否定的な意見にとらわれないようにするために、僕は本当に一生懸命努力してきたんだ」「これはイギリス的なことで、自分が自分であることができないように感じる」「今はもうそんなことは気にしていないんだ」「もし僕らの音楽を好きではない人たちや、僕のことを愚か者だと思うかもしれない人たちのことを考えすぎれば、話すことも自分らしくいることもできなくなるからね」「だからいつもそのことには自分で対処しなければならないんだ」と話している。さらには、周りの友人やミュージシャンから手助けを受けたことへの感謝を語り、長年サポートを受けた友人の名前として、ジェイ・Z、サイモン・ペッグ、ボノ(U2)、ジ・エッジ(U2)、ブルース・スプリングスティーン、ニック・ケイヴ、マイケル・スタイプ(元R.E.M.)、エド・オブライエン(レディオヘッド)、フラン・ヒーリー(トラヴィス)、ダニー・マクナマラ(エンブレイス)を挙げている。
文化との関係
コールドプレイは、映画やドラマ、スポーツ、テクノロジーなどをはじめとする現代のポップカルチャーや社会とも密接に結びついている。作家の村上春樹やサッカー監督のジョゼップ・グアルディオラ、Apple創業者のスティーブ・ジョブズなど、著名人や文化人にもファンが多い。
映像作品には多くの楽曲が使用されている。映画技術史上の金字塔的作品として絶賛された『6才のボクが、大人になるまで』(2014年公開)では、冒頭からコールドプレイの「イエロー」が流れて映画が始まる。2013年の全米興行収入1位を記録した「ハンガー・ゲーム2」では、「アトラス」が主題歌に使われた。アメリカの人気テレビドラマ『SUITS/スーツ』(2011-19年放送)の最終回では、楽曲「美しき生命(Viva La Vida)」がエンディングで流された。第46回国際エミー賞で最優秀ドラマ・シリーズを受賞したスペインのテレビドラマ『ペーパー・ハウス』(2017-21年放送)の最終回では、楽曲「フィックス・ユー」が使われた。アニメ映画『SING/シング: ネクストステージ』では「A Sky Full of Stars」、『トロールズ』では「Adventure of a Lifetime」が劇中歌に使われている。川村元気が企画・プロデュースした日本の実写映画『宇宙兄弟』では、「Every Teardrop Is a Waterfall」が主題歌に使われている。川村元気と『宇宙兄弟』の原作者の漫画家小山宙哉は、その後コールドプレイの楽曲「サムシング・ジャスト・ライク・ディス」の日本版MVの脚本・監督・プロデュース、キャラクターデザインをそれぞれ担当し、小松菜奈がMVの主演を務めた。俳優ロバート・ダウニー・ジュニアはボーカルのクリス・マーティンと親交があり、度々コンサートにも行っている。自身が主演した映画「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」にはクリスのアイデアが多数使われていると明かしている。俳優マット・デイモンやクロエ・グレースモレッツ、トム・ヒドルストンなど海外セレブのコンサート会場での目撃情報が報じられることも多い。
スポーツとの関わりも深く、2012年のロンドンパラリンピック閉会式や2016年のスーパーボウル50周年記念のハーフタイムショーではヘッドライナーを務めた。閉会式では15曲以上の楽曲を披露し、前年にリリースした「Every Teardrop Is A Waterfall」でロンドンパラリンピック及びロンドンオリンピックの最後を締めた。アメリカの元フィギュアスケート選手アダム・リッポンは、2018年平昌オリンピックなどのフリープログラムでコールドプレイの楽曲「O(オー)」を使用していた。多くのサッカー選手や監督がファンを公言している(詳細は#サッカーで後述)。
世界的なベストセラー作家である村上春樹は、自身の日課であるランニングの最中に聴くアーティストとしてコールドプレイやゴリラズなどをエッセイで挙げている。
2008年のAppleの「iPod + iTunes」のCMでは、コールドプレイの「美しき生命 (Viva La Vida)」が使用された。2011年にApple本社で行われたスティーブ・ジョブズの追悼式典では、コールドプレイは式の最後に「フィックス・ユー」「Every Teardrop Is a Waterfall」など計4曲を演奏し、音楽好きでコールドプレイのファンでもあったジョブズに捧げた[241]。Appleが2014年に初めてApple Watchをイベントで発表する際の動画では、コールドプレイの「A Sky Full of Stars」が使われた。2021年にはマイクロソフト創業者のビル・ゲイツの娘のジェニファー・ゲイツの結婚式に招かれて楽曲を演奏した。
サッカー
サッカー史上最も強いチームとの呼び声も高いジョゼップ・グアルディオラ監督時代(2008-12年)のFCバルセロナでは、監督の意向で試合に向かうバスの中で毎回コールドプレイの曲を流していた。「美しき生命 (Viva La Vida)」は「ペップ・バルサ」の象徴的な楽曲となり、欧州サッカーリーグで6大トロフィーを全て獲得した歴史的な2008-09シーズンのFCバルセロナのシーズンエンディング曲としても使用された。当時のFCバルセロナに所属していたリオネル・メッシは、世界年間最優秀選手に贈られるバロンドールを4年連続(2009-2012年)で受賞し、キャリアの全盛期を迎えた。コールドプレイの大ファンであることを公言し、世界一の名将と評されるジョゼップ・グアルディオラ監督は、その後指揮したFCバイエルン・ミュンヘンやマンチェスター・シティFCといった他の強豪クラブでも同様に、「美しき生命」「フィックス・ユー」といったコールドプレイの楽曲を、選手に見せる動画などで使用している。
世界屈指の名門クラブとして知られるリヴァプールFCでは、2019年に30年ぶりのリーグ優勝を成し遂げた際に、選手たちは祝賀会で流す曲としてコールドプレイの「A Sky Full of Star」を選んだ。優勝の立役者としてPFA年間最優秀選手賞を受賞したフィルジル・ファン・ダイクは、コールドプレイのファンであることを明かしている。リヴァプールFCの元キャプテンのスティーヴン・ジェラードは、好きなアーティストの1つにコールドプレイを挙げている。
イングランドの強豪チームチェルシーFCでは、以前 フローラン・マルダの呼びかけにより ディディエ・ドログバ、 ジョー・コール、ジョン・テリーも含めた4名でコールドプレイに影響されたバンドを結成する計画があった。元チェルシーFCのペトル・チェフはコールドプレイのファンであると話し、自身のYouTubeチャンネルでは楽曲をドラムでカバーしている
同じくイングランドの強豪チームであるアーセナルFCに所属していたオリヴィエ・ジルーやアーロン・ラムジーは、コールドプレイのファンを公言している。ジルーは試合前に聴く曲として「Evert Teardrop Is A Waterfall」を挙げていた。アーセナルFCの熱狂的なサポーターのタレントハリー杉山もコールドプレイの大ファンであることを度々話している。
ボーカルのクリス・マーティンはエクセター・シティFC、ギターのジョニー・バックランドはトッテナム・ホットスパーFC、ベースのガイ・ベリーマンはレイス・ローヴァーズFC、ドラムスのウィル・チャンピオンはサウサンプトンFCのファンである。ウィル・チャンピオンは2007年のチャリティーマッチ、ルイス・フィーゴチームvs世界選抜でフィーゴチームに後半17分から途中出場してプレーした。2019年にはチェルシーFCの本拠地スタンフォード・ブリッジで、元マンチェスター・ユナイテッドFCのスター選手リオ・ファーディナンドなどとサッカーをした。2013年にボーカルのクリス・マーティンは、ラッパーで親友のジェイ・Zと共にアーセナルFC対マンチャスター・ユナイテッドFCの試合を観戦する姿を報じられている。2012年のインタビューでクリスは自分たちをマンチェスター・ユナイテッドFCに喩えている。
クリス・マーティンは2000年リリースの代表曲「Yellow」の制作秘話として、曲が浮かんだ際にスタジオのラウンジにいるジョニーとウィルに聴かせたが、2人はサッカーゲームのFIFAシリーズを夢中でプレーしていたため、空返事しか貰えなかったことを明かしている。クリスは曲のサビができてからまたラウンジに戻って演奏したが、2人はまだサッカーゲームに夢中だったので、同じように空返事で「いいね」と答えるだけだったという。
サッカーワールドカップではメンバー4人でイングランド代表を応援している。クリスは2022年のカタールワールドカップの前にはリオネル・メッシを史上最も偉大な選手と称賛し、決勝の対戦カードをイングランド対アルゼンチンと予想した。スコアは3対3で延長戦やPK線にもつれ込むだろうと語っていた。イングランドが準々決勝でフランスに敗れた際には、 「負けるか勝つかは重要じゃない。みんなこのイングランドというチームを見るのが大好きなんだ。彼らはとても美しい精神、優しさ、一体感を持ってプレーしており、それこそが僕たちが大切にしていることのすべてだ。本当にありがとう」と話している。決勝戦はアルゼンチンとフランスの対決となり、スコアは3対3でPK戦までもつれ込んでアルゼンチンが優勝した。メッシは自身のワールドカップ初優勝を成し遂げるとともに、大会最優秀選手(MVP)のゴールデンボール賞を受賞し、歴史的な大会となった。
政治/社会的姿勢
バンドの利益の10%を慈善団体に寄付している。コールドプレイは現在30以上の団体を支援している。アムネスティ・インターナショナルの支持者である。また、フェアトレード推進活動を支援し、2005年にスコットランドで行われた先進国首脳会議にむけて活動していたオックスファムの「Make Trade Fair」キャンペーンの参加者であった。クリスは実際の現場を見るために自らガーナやハイチにも行っている。バンド・エイドやLIVE 8、グローバル・シチズン・フェスティヴァルなどの慈善コンサートにおいても公演を行っている。グローバル・シチズン・フェスティヴァルでは、2015年から2030年までのフェスのキュレーターに就任した[242]。
2004年のグラミー賞の授賞式では当時のアメリカ大統領ジョージ・ウォーカー・ブッシュとイラク戦争を批判し、民主党の大統領候補だったジョン・ケリーを支持した。2008年の大統領選では民主党から立候補したバラク・オバマを支持した。2015年にリリースされた楽曲「Keleidoscope」では、当時の大統領のオバマが歌った「アメイジング・グレイス」[243]がサンプリングされている。コールドプレイのファンでもあるオバマは特別に使用許可を与え、「彼らの歴史の一部になることができて嬉しい」と話している。2020年のジョー・バイデンのアメリカ大統領選の勝利演説集会では、コールドプレイの「A Sky Full of Stars」が流された[244]。バイデンの息子ポー・バイデンはコールドプレイのファンだったが、2015年に脳腫瘍で亡くなっている。「A Sky Full of Stars」は息子の1番好きな曲だった。ボーカルのクリス・マーティンは当時の彼の葬儀で、コールドプレイの楽曲「Til Kingdom Come」を演奏している。
LGBTQコミュニティを支持しており、第50回スーパーボウルのハーフタイムショーでのパフォーマンスでは、ショーの最後の瞬間、観客が "Believe In Love" と書かれた虹色のプラカードをひっくり返す演出を行った。2017年6月4日、アリアナ・グランデがマンチェスター・アリーナの爆破事件を受けて開催し、事件の被害者とその家族を支援するための資金を集めた慈善コンサート「One Love Manchester」に出演し、アリアナ・グランデやリアム・ギャラガーと共演した。コールドプレイの「フィックス・ユー」「美しき生命(Viva La Vida)」やオアシスの「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」「ワンダーウォール」などを演奏した。
近年は地球環境問題や気候変動への取り組みに力を入れている。2019年に自分たちが行うツアーの環境負荷を懸念し、「環境対策ができるまではツアーを中止する」と発表した[245]。その際、BBCの取材に対し、「今後1~2年かけて、地球環境を持続させるだけでなく、地球をより良くするための、ツアーのあり方を検討していく」と語っていた。2年後の2021年には、環境に配慮したワールドツアー『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ・ワールド・ツアー』を発表した。2016年〜2017年に行なった前回のツアー『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』ツアーの時と比較して、二酸化炭素の排出量を50%削減するほか、会場では、ほとんどすべての動力を再生可能エネルギーでまかなうと宣誓した[246]。観客が動くことで発電するキネティックフローリングやソーラーパネルを会場に設置し、チケットが1枚売れるごとに木を1本植えるなど、様々な取り組みをしている。
「インクルーシブ&アクセシブル」をテーマに、あらゆる人がライブを楽しめるように様々な取り組みを実施している[247]。2021年にはツアーの全公演で聴覚障害者をサポートすると発表。コンサート手話通訳士を起用すると同時に、SUBPACという、振動を通して低音などを感じることができるウェアラブルベストを提供している[7]。
日本公演
年 | 公演・フェス | 日程 | 会場 |
---|---|---|---|
2000年 | SUMMER SONIC '00 | 8月5日 | 富士急ハイランドコニファーフォレスト |
2002年 | 招待制シークレット公演 | 12月6日 | 東京・新宿LIQUIDROOM |
2003年 | FUJI ROCK FESTIVAL '03 | 7月26日 | 新潟・苗場スキー場 |
2005年 | FUJI ROCK FESTIVAL '05 | 7月29日 | 新潟・苗場スキー場 |
2006年 | Twisted Logic Tour | 7月15日 | 大阪・インテックス大阪5号館 |
7月17日 | 名古屋・レインボーホール | ||
7月18日 | 東京・日本武道館 | ||
7月19日 | |||
2008年 | SUMMER SONIC '08 | 8月9日 | 大阪・舞洲特設会場 |
8月10日 | 千葉マリンスタジアム | ||
2009年 | Viva la Vida Tour | 2月11日 | さいたまスーパーアリーナ |
2月12日 | |||
2月14日 | 神戸・ワールド記念ホール | ||
2月15日 | |||
2011年 | FUJI ROCK FESTIVAL '11 | 7月29日 | 新潟・苗場スキー場 |
2014年 | スペシャルクラブショー | 6月12日 | TOKYO DOME CITY HALL |
2017年 | A Head Full of Dreams Tour | 4月19日 | 東京ドーム |
注釈
注釈
出典
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- ^ a b c d 2023年1月現在、コールドプレイのグラミー賞ノミネート回数は39回と書かれる場合と34回と書かれる場合がある。グラミー賞の公式サイトでは、個々のメンバーのページでは39回と表示され、グループのページでは34回と表示される。理由としては、楽曲のソングライティングのクレジットに掲載されている者だけに与えられる賞の存在があり、そのような賞ではグループの曲であっても、グループ名ではなくクレジットの個人名で授与される。コールドプレイは基本的にどの楽曲に対してもメンバー全員の個人名をクレジットに載せている。メンバー全員に対して個人名で与えられた賞を実質グループとして与えられたと考えて回数に含めるかどうかという判断はメディアによって分かれているため、コールドプレイの通算ノミネート数は媒体によって異なる。
- ^ a b c d e f 原則としてグラミー賞の公式サイトに準じている。サイトやメディアによって受賞回数やノミネート回数のカウントの仕方が異なる。曲のソングライティングに携わったものだけに与えられる賞、アートディレクターなどに与えられる賞、レコーディング・エンジニアなどに与えられる賞、通常の賞とは別の特別賞などを含むか含まないかの違いである。
- ^ a b c d グラミー賞の公式サイトではビートルズの受賞回数は7回で、コールドプレイと並んでイギリスのグループとして最多となっている。これには特別賞や一部のメンバーのみに与えられた賞、アルバムのアートディレクターに贈られた賞などが含まれていない。公式サイトでは他のアーティストに対しても同様のカウント方法が採られている。受賞回数に含めるどうかはメディアによって異なり、ビートルズの受賞回数について特別賞等を含んで9回、もしくは11回受賞などと報じている媒体なども一部存在する。
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- ^ フランク・オーシャンは、初のリリース作品であるデビューミックステープ『Nostalgia, Ultra』でコールドプレイの楽曲を3曲サンプリング、1曲カバーしているが、どれも『美しき生命』のアルバム収録曲である。
- ^ a b Kworb.netのWorldwide iTunes Album Chartより
- ^ メンバーのガイ・ベリーマンが2022年11月に来日した際には、ファンに対して"We'll come soon. I think it might be 2024."と発言した。
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- ^ 英国のみ500枚限定の自主制作音源。
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- ^ ノルウェーのみEMIから発売された、ノルウェーで収録されたライブ音源。シングルとして発表された同名タイトルとは異なる。
- ^ 当時のファンクラブでのみ発表された1000枚限定クリスマスEP。
- ^ 12インチレコードとして発表された1000枚限定リミックスEP。
- ^ 世界限定35万枚生産。『美しき生命』の続編的作品。
- ^ 『ゴースト・ストーリーズ』の未収録音源集。
- ^ 『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』の兄弟的作品。
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- ^ ともに1998年デビュー
- ^ 宇多田ヒカルは1999年の1stアルバム『First Love』、コールドプレイは2000年の1stアルバム『パラシューツ』が大ヒットした。キャリア3枚目シングルである1999年の「First Love」と2000年の「イエロー」は、両者の代表曲と称されることも多い。その後もアルバム、シングルともにヒットが続き、デビューから数年でそれぞれ日本、イギリスを代表するアーティストとなった。宇多田ヒカルはこれまで8枚のスタジオ・アルバム(Utada名義を含めると10枚)、コールドプレイは9枚のスタジオ・アルバムをリリースしている。
- ^ ともにレディオヘッド、U2、ジェフ・バックリィ、ブルース・スプリングスティーンなど、イギリスやアメリカのオルタナティブ・ロックやロックのアーティストに強い影響を受けている。また、両者ともR&Bなどのブラックミュージックも音楽的なルーツとして持っている。宇多田ヒカルが近年好きなアーティストとして挙げることの多いフランク・オーシャンは、初のリリース作品であるデビューミックステープ『Nostalgia, Ultra』でコールドプレイの楽曲を3曲サンプリング、1曲カバーしている。
- ^ 宇多田ヒカルが好きなアーティスト・InterFM「KUMA POWER HOUR with Utada Hikaru」レコメンド特集
- ^ コールドプレイが影響を受けたアーティストの詳細については#コールドプレイが受けた影響を参照
- ^ 宇多田ヒカルは、初期3部作のアルバムの共編曲を主に河野圭が務めていたが、4thアルバム『ULTRA BLUE』では多くの曲で宇多田ヒカルが単独で編曲・プログラミングを手掛けるようになり、一つのターニングポイントとなった。コールドプレイは初期3部作のアルバムのプロデューサーをケン・ネルソンが務めていたが、4thアルバム『美しき生命』以降、ブライアン・イーノやジョン・ホプキンス、Rik Simpsonなどをプロデューサーに迎えたことで音楽性が大きく変化した。宇多田ヒカルの近年の作風には、小袋成彬、フローティング・ポインツ、A・G・クックなどをプロデューサーに迎えたことが大きく影響している。両者のプロデューサーのジャンルや方向性には通じるものがある。また、2010年代にはそれぞれアヴィーチー、スクリレックスというEDMアーティストとのコラボレーション楽曲もリリースした。2021年のコールドプレイのアルバム『Music of the Spheres』と2022年の宇多田ヒカルのアルバム『BADモード』には、それぞれ自身初となる10分超の曲(「Coloratura」「Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺り」)が終盤のトラックとして収録され、キャリア屈指の名曲として評価されている。
- ^ 宇多田ヒカルは、2013年に母親と死別したことが2016年のアルバム『Fantome』のテーマとなっている。コールドプレイは、ボーカルのクリス・マーティンが2014年に妻と破局したことが同年のアルバム『ゴースト・ストーリーズ』のテーマとなっている。ともにアルバム名は「幽霊」の意味を含んでいる。
- ^ コールドプレイは1996年にロンドンで結成された。宇多田ヒカルは2012年にロンドンに移住した。コールドプレイと宇多田ヒカルはそれぞれの楽曲制作で、ロンドンの名門レコーディングスタジオであるAir Studiosを使うことも多い。
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- ^ https://www.instagram.com/p/BTEhNLGAPIS/
- ^ https://www.instagram.com/p/_noalMJ_lX
- ^ 手掛けた主な楽曲として乃木坂46「制服のマネキン」(作曲)、「君の名は希望」(作曲・共編曲)、「きっかけ」(作曲・共編曲)、「サヨナラの意味」(作曲)、「ありがちな恋愛」(作曲)、「僕は僕を好きになる」(作曲・共編曲)、「ごめんねFingers crossed」(共作曲)などがある(2022年現在)。
- ^ a b 杉山勝彦×Akira Sunset バースデーコラボ配信 2023年1月19日
- ^ 手掛けた主な楽曲としてAKB48「365日の紙飛行機」、STU48「暗闇」(aokado名義)、乃木坂46「ひと夏の長さより…」(aokado名義)、乃木坂46「バンドエイド剥がすような別れ方」(A-NOTE名義)、欅坂46「制服と太陽」(aokado名義)、櫻坂46「BAN」(A-NOTE名義)、日向坂46「約束の卵」(aokado名義)などがある(2022年現在)。
- ^ 楽曲提供する時の筆名は、青葉紘季、aokado、H.Aoba、A-NOTE
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- ^ わかりやすい顕著な変化としては、乃木坂46の歌詞の変化が挙げられる。1stシングルから17thシングルの表題曲では、7割以上の約13曲において恋愛が歌詞のモチーフ(あるいはその一部)となっていた。一方で18thシングル「逃げ水」以降は、26thシングル「僕は僕を好きになる」まで9作連続(配信シングルを含むと11作連続)で恋愛ソングが表題曲に採用されなかった。以前に比べてメッセージ性や哲学性の強い歌詞が増加したが、他の坂道グループでも同様の傾向が見られる。
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- ^ 父親は公認会計士で、母親は音楽教師であった。夏時間の提唱者であるウィリアム・ウィレットは曽曽祖父である。祖父は会社を興して成功した後、クリスが生まれ育ったデヴァン州エクセターの執政長官と市長を務め、大英帝国勲章の第3位CBEを叙勲している。遠い親戚には、ウィンストン・チャーチルがいる。クリスは広大な敷地の中にある、6つの寝室をそなえたマナー・ハウスで育った。中高は全寮制のパブリックスクールに通い、大学はイギリス屈指の名門校ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンをファーストクラスの学士号を取得して卒業している。
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- ^ “バイデンの勝利演説で使われたコールドプレイの曲は、亡くなった息子さんの好きな曲だった。その他、勝利演説のプレイリスト”. rockin'on.com. 2022年11月28日閲覧。
- ^ 英バンドColdplay、「気候ポジティブ」なワールドツアーを開催へ - IDEAS FOR GOOD
- ^ 「環境に優しいツアー」はどうやって実現する?コールドプレイの徹底ぶりがすごい - FRONTROW
- ^ LABO編集部, TABI. “「音楽は聴くだけじゃなくて、感じるもの」全てが新しい、コールドプレイのワールドツアー”. TABI LABO. 2023年2月18日閲覧。