「Q (アルバム)」の版間の差分
m編集の要約なし |
Yakumo 0209 (会話 | 投稿記録) 編集の要約なし |
||
48行目: | 48行目: | ||
桜井は後のインタビューで当時のことを振り返り「'''メンバーが音楽やってるときより酒飲んでるときの方が楽しそうな状態で進歩がなかった。解散まで考えた。'''」と述べた<ref>ROCKIN'ON JAPAN 2001年9月号</ref>。 |
桜井は後のインタビューで当時のことを振り返り「'''メンバーが音楽やってるときより酒飲んでるときの方が楽しそうな状態で進歩がなかった。解散まで考えた。'''」と述べた<ref>ROCKIN'ON JAPAN 2001年9月号</ref>。 |
||
== |
==収録内容== |
||
{{tracklist |
|||
*全作詞・作曲:[[桜井和寿]](#2,#10除く) / 全編曲:[[小林武史]] & [[Mr.Children]] / 弦編曲:小林武史, Stephen Barber, Tony Finno |
|||
| headline = CD |
|||
#'''CENTER OF UNIVERSE''' [5:32] |
|||
| total_length = 63:52 |
|||
#:ライブでの演奏回数が多い楽曲。ダーツでテンポを決めて作られた。 |
|||
| all_writing = 桜井和寿 |
|||
#:ドラムは[[コルグ]]のシンセサイザーである「KORG Trinity」に内蔵されているドラムの音源を歪ませて混ぜているとのこと<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
| 1 = 全作詞: 桜井和寿、 |
|||
#:ギターはプライベートスタジオでのセッションで録音されたものをそのまま使用している<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
| all_arrangements = 小林武史 & Mr.Children |
|||
#:次曲「その向こうへ行こう」と繋がっている。 |
|||
| 2 = ストリングス・アレンジ: 小林武史、Stephen Barber、Tony Finno。 |
|||
#'''その向こうへ行こう''' [5:48] |
|||
| music_credits = yes |
|||
#*作曲:Mr.Children |
|||
| title1 = CENTER OF UNIVERSE |
|||
#:Mr.Childrenが漫画「[[バガボンド]]」のテーマ曲を作ったらというコンセプトで制作された楽曲。ギターに「Moogerfooger」というエフェクターを掛けている<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
| length1 = 5:32 |
|||
#:展開が多い楽曲で、サビのベースフレーズは別の楽曲のベースのフレーズを移植したものであり、後半からはシーケンスのフレーズを入れ、スピード感を出している。因みにループ部分のドラムは桜井が叩いている<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
| title2 = その向こうへ行こう |
|||
#:バックコーラスは基本的に「Beyond my wish」と歌っているが、ラスサビ部分は新たに「Beyond the time」「Beyond the time」「Beyond the sex」「Beyond the place」が付け加えられている。このコーラスは最上川の舟下りの歌を参考にしたもの<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
| music2 = Mr.Children |
|||
#:もともとはプライベートスタジオで作り上げていたものの、ニューヨークのレコーディングで全く違うアレンジに変更された。 |
|||
| length2 = 5:49 |
|||
#'''[[NOT FOUND (Mr.Childrenの曲)|NOT FOUND]]''' [4:54] |
|||
| title3 = [[NOT FOUND (Mr.Childrenの曲)|NOT FOUND]] |
|||
#:19thシングル。 |
|||
| length3 = 4:54 |
|||
#'''スロースターター''' [3:15] |
|||
| title4 = スロースターター |
|||
#:仮タイトルは「'''ジュビ研・炎のテーマ'''」で、メンバーが所属するサッカーチーム「ジュビ研」のゴールシーンで流れる曲というコンセプトで制作された<ref name=":0">『[[Mr.Children 1996-2000]]』ライナーノーツ</ref>。 |
|||
| length4 = 3:15 |
|||
#'''[[I'LL BE (Mr.Childrenの曲)#楽曲解説|Surrender]]''' [3:41] |
|||
| title5 = [[I'LL BE (Mr.Childrenの曲)|Surrender]] |
|||
| length5 = 3:42 |
|||
#:表記は無いが、冒頭に[[鈴木英哉]]のカウントが入っているためアルバムバージョン。 |
|||
| title6 = つよがり |
|||
| length6 = 5:10 |
|||
#:前作『[[DISCOVERY (Mr.Childrenのアルバム)|DISCOVERY]]』の[[デッドストック]]。バンドの勢いを優先した前作には合わないと判断されたため収録が見送られていた<ref name=":0" />。 |
|||
| title7 = 十二月のセントラルパークブルース |
|||
#:そのため、[[ベスト・アルバム]]『[[Mr.Children 1996-2000#収録曲|Mr.Children 1996-2000]]』では先に発表された18thシングル「口笛」や19thシングル「NOT FOUND」より曲順が先になっている。 |
|||
| length7 = 5:01 |
|||
#:ニューヨークでレコーディングされ、オーケストラを40人程呼んだとのこと<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
| title8 = 友とコーヒーと嘘と胃袋 |
|||
#:2007年に[[the pillows]]によってカバーされた。 |
|||
| length8 = 4:56 |
|||
#:2014年に開催されたファンクラブ限定ツアー『Mr.Children FATHER&MOTHER 21周年ファンクラブツアー』の直前に行われた「会員が最もライブで聴きたい曲」アンケートでは14位に選ばれた<ref name="Mr.Children FILM2015">映画「Mr.Children REFLECTION」 劇場公開パンフレット</ref>。 |
|||
| title9 = ロードムービー |
|||
#'''十二月のセントラルパークブルース''' [5:01] |
|||
| length9 = 4:18 |
|||
#:タイトルの「[[セントラルパーク]]」をはじめ、歌詞に「[[ダコタ・ハウス]]」「[[6番街 (マンハッタン)|六番街]]」等[[ニューヨーク]]の地名が登場する。 |
|||
| title10 = Everything is made from a dream |
|||
#:セッション中に出来た2つの楽曲を1つにしたもの。歌詞は『[[深海 (アルバム)|深海]]』の頃にニューヨークでレコーディングした時のことが書かれている<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
| music10 = Mr.Children |
|||
#:桜井は当時のインタビューで、「12月のNYを思ってつくったんじゃなく『深海』のころの自分を思ってる曲で。ホントに、どっかから飛び降りようと思ったくらい悩んでたときが、12月で。その自分を、今、笑って歌えるみたいな。笑えるだけの強さが取り戻せたっていう。」と語っている。 |
|||
| length10 = 4:40 |
|||
#:次の「友とコーヒーと嘘と胃袋」に音が残っており、この曲から「ロードムービー」までノンストップである。 |
|||
| title11 = [[口笛 (Mr.Childrenの曲)|口笛]] |
|||
#'''友とコーヒーと嘘と胃袋''' [4:55] |
|||
| length11 = 5:49 |
|||
#:歌詞には、[[赤塚不二夫]]や[[キース・リチャーズ]]、[[野坂昭如]]、[[藤原喜明]]が登場する。 |
|||
| title12 = Hallelujah |
|||
#:冒頭のコーヒーカップの音は、エンジニアが喫茶店で録音したもので、ミックスを終えた直後に取り付けたものである。 |
|||
| length12 = 6:49 |
|||
#:間奏は桜井の語りであり、ワインを飲んでから酔っ払った状態で録られている。 |
|||
| title13 = 安らげる場所 |
|||
#:[[真心ブラザーズ]]のアルバム『[[KING OF ROCK]]』に影響を受けた曲<ref>{{Cite web|url=https://www.eco-reso.jp/100710-2.php|title=ap bank fes '10 Special Talk|publisher=エコレゾウェブ|date=2010-07-10|accessdate=2020-04-11}}</ref>。 |
|||
| length13 = 3:55 |
|||
#'''ロードムービー''' [4:18] |
|||
}} |
|||
#:アルバム曲ながらファンからの人気が高い。 |
|||
#:桜井が2000年の元日に歌詞を書き上げた曲で、この曲が自分が作った中で最も気に入っている歌詞だと語っている。 |
|||
== 楽曲解説 == |
|||
#:桜井は元々この曲に[[エレキギター]]は入るスペースがないと思っていたが、[[田原健一]]がまるでエレキギターを元に曲を構成したかのようなギターを入れたため非常に驚いたという。 |
|||
; CENTER OF UNIVERSE''' [5:32] |
|||
#:曲中の[[グロッケンシュピール|グロッケン]]は小林が担当している<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
:ライブでの演奏回数が多い楽曲。ダーツでテンポを決めて作られた。 |
|||
#'''Everything is made from a dream''' [4:40] |
|||
:ドラムは[[コルグ]]のシンセサイザーである「KORG Trinity」に内蔵されているドラムの音源を歪ませて混ぜているとのこと<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
#*作曲:Mr.Children |
|||
:ギターはプライベートスタジオでのセッションで録音されたものをそのまま使用している<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
#:Mr.Childrenが出演する[[BIGLOBE]]「Mr.Children Alternative」の[[コマーシャルソング|CMソング]]。 |
|||
:次曲「その向こうへ行こう」と繋がっている。 |
|||
#:仮タイトルは「'''やまびこマーチ'''」で、[[行進曲|マーチ]]をベースに曲が進行する。 |
|||
; その向こうへ行こう |
|||
#:曲の大半は桜井のプライベートスタジオで既に制作されていたが、サビのリズムの変更等の部分はニューヨークで行われた<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
:Mr.Childrenが漫画「[[バガボンド]]」のテーマ曲を作ったらというコンセプトで制作された楽曲。ギターに「Moogerfooger」というエフェクターを掛けている<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
#:間奏の語りはスタジオにいた人々に一通りセリフを読ませ、それを切り貼りしたもの。 |
|||
:展開が多い楽曲で、サビのベースフレーズは別の楽曲のベースのフレーズを移植したものであり、後半からはシーケンスのフレーズを入れ、スピード感を出している。因みにループ部分のドラムは桜井が叩いている<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
#:歌詞に[[ジョン・レノン]]や[[ブルース・リー]]が登場する。 |
|||
:バックコーラスは基本的に「Beyond my wish」と歌っているが、ラスサビ部分は新たに「Beyond the time」「Beyond the time」「Beyond the sex」「Beyond the place」が付け加えられている。このコーラスは最上川の舟下りの歌を参考にしたもの<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
#'''[[口笛 (Mr.Childrenの曲)|口笛]]''' [5:48] |
|||
:もともとはプライベートスタジオで作り上げていたものの、ニューヨークのレコーディングで全く違うアレンジに変更された。 |
|||
#:18thシングル。 |
|||
; [[NOT FOUND (Mr.Childrenの曲)|NOT FOUND]] |
|||
#'''Hallelujah''' [6:48] |
|||
:19thシングル表題曲。 |
|||
#:当初は「I'LL BE」のカップリング曲候補だったが、思いの外出来が良かったため本作のリード曲として使用された。 |
|||
; スロースターター |
|||
#:アルバムタイトル候補だった曲の1つ。 |
|||
:仮タイトルは「'''ジュビ研・炎のテーマ'''」で、メンバーが所属するサッカーチーム「ジュビ研」のゴールシーンで流れる曲というコンセプトで制作された<ref name=":0">『[[Mr.Children 1996-2000]]』ライナーノーツ</ref>。 |
|||
#:1999年12月27日に[[スペースシャワーTV]]で放送されたミスチルの特別ドキュメンタリー番組内で未発表曲として先行披露されていた<ref name=":0" />。 |
|||
; Surrender |
|||
#:しかし、ドキュメンタリー撮影後に「サビでガンと盛り上がる感じが足りない」と気づき、別のアレンジでレコーディングし直したという。 |
|||
:17thシングル『[[I'LL BE (Mr.Childrenの曲)|I'LL BE]]』のカップリング曲。 |
|||
:表記は無いが、冒頭に[[鈴木英哉]]のカウントが入っているためアルバムバージョン。 |
|||
#'''安らげる場所''' [3:54] |
|||
; つよがり |
|||
#:2ndアルバム『[[Kind of Love]]』に収録されている楽曲「いつの日にか二人で」の時と同様、ピアノとストリングスで構成されたスローバラードで、桜井の個人的な歌らしい。 |
|||
:前作『[[DISCOVERY (Mr.Childrenのアルバム)|DISCOVERY]]』の[[デッドストック]]。バンドの勢いを優先した前作には合わないと判断されたため収録が見送られていた<ref name=":0" />。 |
|||
#:ライブツアー『[[Mr.Children Concert Tour Q 2000-2001]]』では本作で唯一演奏されなかった曲。 |
|||
:そのため、[[ベスト・アルバム]]『[[Mr.Children 1996-2000#収録曲|Mr.Children 1996-2000]]』では先に発表された18thシングル「口笛」や19thシングル「NOT FOUND」より曲順が先になっている。 |
|||
:ニューヨークでレコーディングされ、オーケストラを40人程呼んだとのこと<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
:2007年に[[the pillows]]によってカバーされた。 |
|||
:2014年に開催されたファンクラブ限定ツアー『Mr.Children FATHER&MOTHER 21周年ファンクラブツアー』の直前に行われた「会員が最もライブで聴きたい曲」アンケートでは14位に選ばれた<ref name="Mr.Children FILM2015">映画「Mr.Children REFLECTION」 劇場公開パンフレット</ref>。 |
|||
; 十二月のセントラルパークブルース |
|||
:タイトルの「[[セントラルパーク]]」をはじめ、歌詞に「[[ダコタ・ハウス]]」「[[6番街 (マンハッタン)|六番街]]」等[[ニューヨーク]]の地名が登場する。 |
|||
:セッション中に出来た2つの楽曲を1つにしたもの。歌詞は『[[深海 (アルバム)|深海]]』の頃にニューヨークでレコーディングした時のことが書かれている<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
:桜井は当時のインタビューで、「12月のNYを思ってつくったんじゃなく『深海』のころの自分を思ってる曲で。ホントに、どっかから飛び降りようと思ったくらい悩んでたときが、12月で。その自分を、今、笑って歌えるみたいな。笑えるだけの強さが取り戻せたっていう。」と語っている。 |
|||
:次の「友とコーヒーと嘘と胃袋」に音が残っており、この曲から「ロードムービー」までノンストップである。 |
|||
; 友とコーヒーと嘘と胃袋 |
|||
:歌詞には、[[赤塚不二夫]]や[[キース・リチャーズ]]、[[野坂昭如]]、[[藤原喜明]]が登場する。 |
|||
:冒頭のコーヒーカップの音は、エンジニアが喫茶店で録音したもので、ミックスを終えた直後に取り付けたものである。 |
|||
:間奏は桜井の語りであり、ワインを飲んでから酔っ払った状態で録られている。 |
|||
:[[真心ブラザーズ]]のアルバム『[[KING OF ROCK]]』に影響を受けた曲<ref>{{Cite web|url=https://www.eco-reso.jp/100710-2.php|title=ap bank fes '10 Special Talk|publisher=エコレゾウェブ|date=2010-07-10|accessdate=2020-04-11}}</ref>。 |
|||
; ロードムービー |
|||
:アルバム曲ながらファンからの人気が高い。 |
|||
:桜井が2000年の元日に歌詞を書き上げた曲で、この曲が自分が作った中で最も気に入っている歌詞だと語っている。 |
|||
:桜井は元々この曲に[[エレキギター]]は入るスペースがないと思っていたが、[[田原健一]]がまるでエレキギターを元に曲を構成したかのようなギターを入れたため非常に驚いたという。 |
|||
:曲中の[[グロッケンシュピール|グロッケン]]は小林が担当している<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
; Everything is made from a dream |
|||
:Mr.Childrenが出演する[[BIGLOBE]]「Mr.Children Alternative」の[[コマーシャルソング|CMソング]]。 |
|||
:仮タイトルは「'''やまびこマーチ'''」で、[[行進曲|マーチ]]をベースに曲が進行する。 |
|||
:曲の大半は桜井のプライベートスタジオで既に制作されていたが、サビのリズムの変更等の部分はニューヨークで行われた<ref name="Sound"></ref>。 |
|||
:間奏の語りはスタジオにいた人々に一通りセリフを読ませ、それを切り貼りしたもの。 |
|||
:歌詞に[[ジョン・レノン]]や[[ブルース・リー]]が登場する。 |
|||
; [[口笛 (Mr.Childrenの曲)|口笛]] |
|||
:18thシングル表題曲。 |
|||
; Hallelujah |
|||
:当初は「I'LL BE」のカップリング曲候補だったが、思いの外出来が良かったため本作のリード曲として使用された。 |
|||
:アルバムタイトル候補だった曲の1つ。 |
|||
:1999年12月27日に[[スペースシャワーTV]]で放送されたミスチルの特別ドキュメンタリー番組内で未発表曲として先行披露されていた<ref name=":0" />。 |
|||
:しかし、ドキュメンタリー撮影後に「サビでガンと盛り上がる感じが足りない」と気づき、別のアレンジでレコーディングし直したという。 |
|||
:後にベスト・アルバム『Mr.Children 1996-2000』にも収録された。 |
|||
; 安らげる場所 |
|||
:2ndアルバム『[[Kind of Love]]』に収録されている楽曲「いつの日にか二人で」の時と同様、ピアノとストリングスで構成されたスローバラードで、桜井の個人的な歌らしい。 |
|||
:ライブツアー『[[Mr.Children Concert Tour Q 2000-2001]]』では本作で唯一演奏されなかった曲。 |
|||
== 参加ミュージシャン == |
== 参加ミュージシャン == |
2021年10月17日 (日) 09:39時点における版
『Q』 | ||||
---|---|---|---|---|
Mr.Children の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
Oorong NY Studio Oorong TOKYO Studio Bunkamura Studio Victor Studio | |||
ジャンル | ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | トイズファクトリー | |||
プロデュース |
小林武史 Mr.Children | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
| ||||
ゴールドディスク | ||||
| ||||
Mr.Children アルバム 年表 | ||||
| ||||
『Q』収録のシングル | ||||
『Q』(キュー)は、日本のバンド・Mr.Childrenの9枚目のオリジナルアルバムである。2000年9月27日にトイズファクトリーより発売された。
概要
通常盤のみで発売。前作『1/42』から約1年ぶり、オリジナルアルバムでは7thアルバム『DISCOVERY』から約1年8ヶ月ぶりとなるアルバム。
本作のセッションは桜井のプライベートスタジオで以前から行われていたが、セッション終了後にニューヨークの「Oorong NY Studio」に移動。このスタジオは小林が所有していたスタジオであり、レコーディングが行われた時期は丁度スタジオが完成した直後だったといい、ニューヨークでは以前のセッションで作り上げていた曲のイントロ、アウトロ、伴奏などの構成を小林と桜井の二人でミーティングし、新たに構成し直した物を再びバンドで演奏するという形で作業が行われた。また、プライベートスタジオでProtoolsに録っておいたものの中で、ドラムやギターのフレーズなど使えるものはそのまま使用しているとのこと[1]。
桜井はこのアルバムあたりから作曲時にキーボードを活用するようになったという[2]。
ジャケットは、桜井和寿が潜水服を着用しているもので、「深海からの脱出」という意味も込められている。アートディレクターは信藤三雄。
アルバムタイトルは本作が9枚目ということにちなんで、レコーディングの初期に桜井が遊び心で譜面などに小文字で「q」と書いていたものをメンバーやスタッフが気に入ったことに由来する。そのため桜井は、「『Q』という言葉自体に深い意味はない」と述べている[3]。他のタイトル候補として、『Hallelujah』『Stomach Love』があった。
曲のテンポをダーツの合計点によって決めたり、コード進行をくじ引きによって決めたりと、非常に自由なセッションによって制作が進められた。そのため、作曲クレジットがMr.Childrenとなっている曲も存在している。一方で「つよがり」のようなバンドが目立たない曲(桜井曰く「ソロシンガーとして歌うような曲」)も収録されている[2]。
同日発売の『Duty』(浜崎あゆみ)に阻まれてオリコンチャート初登場2位となり、連続1位獲得記録は5作でストップした。累計売上は89万枚であり、3rdアルバム『Versus』以来6作ぶりに100万枚を下回った(日本レコード協会からはミリオン認定を受けている)。初めて1位を獲得した4thアルバム『Atomic Heart』以降のオリジナルアルバムで1位を獲得できなかったのは本作のみである。
本作発売後にライブツアー『Mr.Children Concert Tour Q 2000-2001』を開催。2001年2月4日に行われたさいたまスーパーアリーナ公演ではBIGLOBE提供でMr.Children初のインターネット生中継が行われた。
桜井は後のインタビューで当時のことを振り返り「メンバーが音楽やってるときより酒飲んでるときの方が楽しそうな状態で進歩がなかった。解散まで考えた。」と述べた[4]。
収録内容
全作詞: 桜井和寿、全編曲: 小林武史 & Mr.Children。ストリングス・アレンジ: 小林武史、Stephen Barber、Tony Finno。 | |||
# | タイトル | 作曲 | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「CENTER OF UNIVERSE」 | 桜井和寿 | |
2. | 「その向こうへ行こう」 | Mr.Children | |
3. | 「NOT FOUND」 | 桜井和寿 | |
4. | 「スロースターター」 | 桜井和寿 | |
5. | 「Surrender」 | 桜井和寿 | |
6. | 「つよがり」 | 桜井和寿 | |
7. | 「十二月のセントラルパークブルース」 | 桜井和寿 | |
8. | 「友とコーヒーと嘘と胃袋」 | 桜井和寿 | |
9. | 「ロードムービー」 | 桜井和寿 | |
10. | 「Everything is made from a dream」 | Mr.Children | |
11. | 「口笛」 | 桜井和寿 | |
12. | 「Hallelujah」 | 桜井和寿 | |
13. | 「安らげる場所」 | 桜井和寿 | |
合計時間: |
楽曲解説
- CENTER OF UNIVERSE [5:32]
- ライブでの演奏回数が多い楽曲。ダーツでテンポを決めて作られた。
- ドラムはコルグのシンセサイザーである「KORG Trinity」に内蔵されているドラムの音源を歪ませて混ぜているとのこと[1]。
- ギターはプライベートスタジオでのセッションで録音されたものをそのまま使用している[1]。
- 次曲「その向こうへ行こう」と繋がっている。
- その向こうへ行こう
- Mr.Childrenが漫画「バガボンド」のテーマ曲を作ったらというコンセプトで制作された楽曲。ギターに「Moogerfooger」というエフェクターを掛けている[1]。
- 展開が多い楽曲で、サビのベースフレーズは別の楽曲のベースのフレーズを移植したものであり、後半からはシーケンスのフレーズを入れ、スピード感を出している。因みにループ部分のドラムは桜井が叩いている[1]。
- バックコーラスは基本的に「Beyond my wish」と歌っているが、ラスサビ部分は新たに「Beyond the time」「Beyond the time」「Beyond the sex」「Beyond the place」が付け加えられている。このコーラスは最上川の舟下りの歌を参考にしたもの[1]。
- もともとはプライベートスタジオで作り上げていたものの、ニューヨークのレコーディングで全く違うアレンジに変更された。
- NOT FOUND
- 19thシングル表題曲。
- スロースターター
- 仮タイトルは「ジュビ研・炎のテーマ」で、メンバーが所属するサッカーチーム「ジュビ研」のゴールシーンで流れる曲というコンセプトで制作された[5]。
- Surrender
- 17thシングル『I'LL BE』のカップリング曲。
- 表記は無いが、冒頭に鈴木英哉のカウントが入っているためアルバムバージョン。
- つよがり
- 前作『DISCOVERY』のデッドストック。バンドの勢いを優先した前作には合わないと判断されたため収録が見送られていた[5]。
- そのため、ベスト・アルバム『Mr.Children 1996-2000』では先に発表された18thシングル「口笛」や19thシングル「NOT FOUND」より曲順が先になっている。
- ニューヨークでレコーディングされ、オーケストラを40人程呼んだとのこと[1]。
- 2007年にthe pillowsによってカバーされた。
- 2014年に開催されたファンクラブ限定ツアー『Mr.Children FATHER&MOTHER 21周年ファンクラブツアー』の直前に行われた「会員が最もライブで聴きたい曲」アンケートでは14位に選ばれた[6]。
- 十二月のセントラルパークブルース
- タイトルの「セントラルパーク」をはじめ、歌詞に「ダコタ・ハウス」「六番街」等ニューヨークの地名が登場する。
- セッション中に出来た2つの楽曲を1つにしたもの。歌詞は『深海』の頃にニューヨークでレコーディングした時のことが書かれている[1]。
- 桜井は当時のインタビューで、「12月のNYを思ってつくったんじゃなく『深海』のころの自分を思ってる曲で。ホントに、どっかから飛び降りようと思ったくらい悩んでたときが、12月で。その自分を、今、笑って歌えるみたいな。笑えるだけの強さが取り戻せたっていう。」と語っている。
- 次の「友とコーヒーと嘘と胃袋」に音が残っており、この曲から「ロードムービー」までノンストップである。
- 友とコーヒーと嘘と胃袋
- 歌詞には、赤塚不二夫やキース・リチャーズ、野坂昭如、藤原喜明が登場する。
- 冒頭のコーヒーカップの音は、エンジニアが喫茶店で録音したもので、ミックスを終えた直後に取り付けたものである。
- 間奏は桜井の語りであり、ワインを飲んでから酔っ払った状態で録られている。
- 真心ブラザーズのアルバム『KING OF ROCK』に影響を受けた曲[7]。
- ロードムービー
- アルバム曲ながらファンからの人気が高い。
- 桜井が2000年の元日に歌詞を書き上げた曲で、この曲が自分が作った中で最も気に入っている歌詞だと語っている。
- 桜井は元々この曲にエレキギターは入るスペースがないと思っていたが、田原健一がまるでエレキギターを元に曲を構成したかのようなギターを入れたため非常に驚いたという。
- 曲中のグロッケンは小林が担当している[1]。
- Everything is made from a dream
- Mr.Childrenが出演するBIGLOBE「Mr.Children Alternative」のCMソング。
- 仮タイトルは「やまびこマーチ」で、マーチをベースに曲が進行する。
- 曲の大半は桜井のプライベートスタジオで既に制作されていたが、サビのリズムの変更等の部分はニューヨークで行われた[1]。
- 間奏の語りはスタジオにいた人々に一通りセリフを読ませ、それを切り貼りしたもの。
- 歌詞にジョン・レノンやブルース・リーが登場する。
- 口笛
- 18thシングル表題曲。
- Hallelujah
- 当初は「I'LL BE」のカップリング曲候補だったが、思いの外出来が良かったため本作のリード曲として使用された。
- アルバムタイトル候補だった曲の1つ。
- 1999年12月27日にスペースシャワーTVで放送されたミスチルの特別ドキュメンタリー番組内で未発表曲として先行披露されていた[5]。
- しかし、ドキュメンタリー撮影後に「サビでガンと盛り上がる感じが足りない」と気づき、別のアレンジでレコーディングし直したという。
- 後にベスト・アルバム『Mr.Children 1996-2000』にも収録された。
- 安らげる場所
- 2ndアルバム『Kind of Love』に収録されている楽曲「いつの日にか二人で」の時と同様、ピアノとストリングスで構成されたスローバラードで、桜井の個人的な歌らしい。
- ライブツアー『Mr.Children Concert Tour Q 2000-2001』では本作で唯一演奏されなかった曲。
参加ミュージシャン
- Mr.Children
- 小林武史:Keyboards
- 吉田誠:Computer Programming
- 谷口和弘:Assistant Programming
- その向こうへ行こう
-
- Sandra Park Strings:Strings
- NOT FOUND
-
- Sandra Park Strings:Strings
- つよがり
-
- Sandra Park Strings:Strings
- Hallelujah
-
- Catherine Russell:Chorus
- Ada Dyer:Chorus
- 安らげる場所
-
- Sandra Park Strings:Strings
ライブ映像作品
曲名 | 作品名 |
---|---|
CENTER OF UNIVERSE | Mr.Children Concert Tour Q 2000~2001 |
wonederful world on DEC 21 | |
ap bank fes '05 | |
MR.CHILDREN DOME TOUR 2005 "I ♥ U" 〜FINAL IN TOKYO DOME〜 | |
Mr.Children HOME TOUR 2007 | |
Mr.Children HOME TOUR 2007 -in the field- | |
Mr.Children STADIUM TOUR 2011 SENSE -in the field- | |
Mr.Children [(an imitation) blood orange] Tour | |
Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25 | |
その向こうへ行こう | Mr.Children Concert Tour Q 2000~2001 |
NOT FOUND | →「NOT FOUND#ライブ映像作品」を参照
|
スロースターター | Mr.Children Concert Tour Q 2000~2001 |
Surrender | →「I'LL BE#ライブ映像作品」を参照
|
つよがり | Mr.Children Concert Tour Q 2000~2001 |
wonederful world on DEC 21 | |
Mr.Children Tour 2009 〜終末のコンフィデンスソングス〜 | |
十二月のセントラルパークブルース | Mr.Children Concert Tour Q 2000~2001[注 1] |
友とコーヒーと嘘と胃袋 | Mr.Children Concert Tour Q 2000~2001 |
ロードムービー | Mr.Children Concert Tour Q 2000~2001 |
Mr.Children DOME TOUR 2009 SUPERMARKET FANTASY IN TOKYO DOME | |
Mr.Children Dome Tour 2019 Against All GRAVITY | |
Everything is made from a dream | Mr.Children Concert Tour Q 2000~2001[注 2] |
ap bank fes '05 | |
Mr.Children STADIUM TOUR 2011 SENSE -in the field- | |
口笛 | →「口笛#ライブ映像作品」を参照
|
Hallelujah | Mr.Children Concert Tour Q 2000~2001[注 2] |
Mr.Children CONCERT TOUR POPSAURUS 2001 | |
MR.CHILDREN DOME TOUR 2005 "I ♥ U" 〜FINAL IN TOKYO DOME〜[注 2] |
脚注
注釈
出典
関連項目
- キュウ - 日本のお笑いコンビ。コンビ名は本アルバムからとったもの。