「琵琶湖」の版間の差分
琵琶湖の水止めたろか#琵琶湖の水資源利用・治水よりの一部転記を提案。ノート:琵琶湖の水止めたろか#一部転記提案を参照。 |
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{{Infobox 湖 |
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{{一部転記|琵琶湖の水止めたろか#琵琶湖の水資源利用・治水|琵琶湖の水止めたろか|date=2021年2月}}{{Infobox 湖 |
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|名称=琵琶湖 |
|名称=琵琶湖 |
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|周囲長=235.20{{sfn|環境政策課|2020|p=83}} |
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|画像=[[ファイル:Lake_biwa.jpg|300px]]<br/>衛星写真 |
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|所在地={{JPN}} [[滋賀県]] |
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|緯度度 = 35|緯度分 = 20|緯度秒 = 0 |
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|経度度 = 136|経度分 = 10|経度秒 = 0 |
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|面積=669.26<ref name="menseki">{{Cite web|author=国土地理院|authorlink=国土地理院|date=2015-03-06|title=平成28年全国都道府県市区町村別面積調 湖沼面積|url=http://www.gsi.go.jp/KOKUJYOHO/MENCHO/201610/f1_kosho.pdf|format=PDF|accessdate=2015-03-24|archiveurl=https://web.archive.org/web/20171008231857/http://www.gsi.go.jp/KOKUJYOHO/MENCHO/201610/f1_kosho.pdf |archivedate=2017-10-08}}</ref> |
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|周囲長=241 |
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|最大水深=104.1<ref name="最深部">[https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/21912.pdf トピック 琵琶湖の最深部は?]琵琶湖環境科学センター・熊谷道夫/滋賀県(2019年7月19日閲覧)。</ref> |
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|平均水深=41.2 |
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|貯水量=27.5 |
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|標高=84.371 |
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|成因=構造湖 |
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|淡汽=[[淡水]] |
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|湖沼型=中栄養湖 |
|湖沼型=中栄養湖 |
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|淡汽=[[淡水]] |
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|透明度=2.0~16.8<ref group="注">天候によって大きく変動する。また、季節や水域ごとにも異なる。概して南湖で低く、北湖で高い透明度。最高値は2007年3月に観測。</ref><ref name="水環境の現状">[http://www.byq.or.jp/kankyo/k_04.html 琵琶湖・淀川流域の水環境の現状] 琵琶湖・淀川水質保全機構(2019年7月19日閲覧)。</ref>}} |
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|成因=構造湖 |
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|標高=84.371{{sfn|松田|2013|p=187}} |
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|貯水量=27.5{{sfn|環境政策課|2020|p=83}} |
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|平均水深=41.2{{sfn|環境政策課|2020|p=83}} |
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|最大水深=103.58{{sfn|環境政策課|2020|p=83}} |
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|面積=669.26{{sfn|環境政策課|2020|p=83}} |
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|画像=[[ファイル:Lake_biwa.jpg|300px]]<br/>衛星写真|経度秒=0|経度分=10|経度度=136|緯度秒=0|緯度分=20|緯度度=35 |
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|所在地={{JPN}} [[滋賀県]] |
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|透明度=2.0~16.8<ref group="注">天候によって大きく変動する。また、季節や水域ごとにも異なる。概して南湖で低く、北湖で高い透明度。最高値は2007年3月に観測。</ref><ref name="水環境の現状">[http://www.byq.or.jp/kankyo/k_04.html 琵琶湖・淀川流域の水環境の現状] 琵琶湖・淀川水質保全機構(2019年7月19日閲覧)。</ref> |
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'''琵琶湖'''(びわこ)は、[[滋賀県]]にある[[日本]][[日本一の一覧|最大]]の[[面積]]と貯水量を持つ[[湖]] |
'''琵琶湖'''(びわこ)は、[[滋賀県]]にある[[日本]][[日本一の一覧|最大]]の[[面積]]と貯水量を持つ[[湖]]{{sfn|環境政策課|2020|p=83}}{{sfn|松田|2013|p=186}}。[[一級水系]]「[[淀川]]水系」に属する[[一級河川]]で、[[河川法]]上の名称は「'''一級河川琵琶湖'''」。[[国土交通大臣]]から委託を受けて滋賀県知事が管理を担う<ref>{{Cite web|title=管理所の仕事 管理業務の目的と内容|url=https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/works/works_01.html|website=独立行政法人水資源機構 琵琶湖開発総合管理所|accessdate=2021-01-14}}</ref><ref group="注">例えば、琵琶湖岸に構築物を無許可で設置すると、河川法に基づいて滋賀県から撤去命令が出される。例:[http://www.shigaken-gikai.jp/voices/GikaiDoc/attach/Nittei/Nt1815_12.pdf 「行政代執行の実施結果について」]</ref>。[[湖沼水質保全特別措置法]]指定湖沼で、[[ラムサール条約]]登録[[湿地]]でもある。 |
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約400-600万年前に形成された[[古代湖]]であり、40-100万年前に現在の位置に移動してきた。古くから近畿地方の水運・水利における役割を担い、文学や美術の題材となることも多い。多数の固有種を含む豊かな生態系をもっており、環境保全活動も盛ん。「びわ湖」「びわこ」と表記されることもあるほか、「Mother Lake」の愛称や「近畿の水瓶」の別称で呼ばれることもある<!--本文の要約につき出典略-->。 |
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== 地理 == |
== 地理 == |
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琵琶湖は滋賀県の面積の6分の1を占める。 |
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滋賀県の面積の6分の1を占める。400以上の流入河川があるが、湖水が流れ出るのは[[瀬田川]]のみである<ref name="日経20200212">[https://www.nikkei.com/article/DGKKZO55456960Q0A210C2BC8000/ 石田弘子「琵琶湖の治水 歴史すくう◇庄屋3代、命懸けの闘い 古文書ひもとき伝える◇」]『[[日本経済新聞]]』朝刊2020年2月12日(文化面)2020年2月22日閲覧</ref>。瀬田川は[[淀川|宇治川、淀川]]と名前を変えて、[[大阪湾]]([[瀬戸内海]])へ至る。また、湖水は淀川流域の[[上水道]]として利用され、[[京都市]]は[[琵琶湖疏水]]から取水している<!--琵琶湖疏水が水が京都市以外の水道水として使われていますか?-->。 |
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最狭部に架かる[[琵琶湖大橋]]を挟んだ北側の主湖盆を'''北湖'''{{要出典範囲|('''太湖''')|date=2021年2月}}、南側の副湖盆を'''南湖'''と呼んでいる{{sfn|国際協力総合研究所|1990|p=9}}{{sfn|大久保|1998|p=245}}。より面積が大きく深い北湖に、湖水の99%が北湖に蓄えられている{{sfn|大久保|1998|p=245}}。一方、湖底地形から見ると、北湖盆 (North Basin)、中湖盆 (Central Basin)、南湖盆 (South Basin) に分けられ、北湖盆と中湖盆の境界は[[沖島]]北方付近で、鞍状の湖底地形が存在している{{sfn|植村|太井子|1990}}{{要ページ番号|date=2021年2月}}。北湖は面積623km{{sup|2}}、平均水深41[[メートル|m]]。南湖は面積58[[平方メートル|km{{sup|2}}]]、平均水深4m{{sfn|植村|太井子|1990|p=723}}。湖底が最も深い水域は北湖の中央やや北寄り、[[竹生島]]と[[安曇川]]河口の間にあり{{sfn|松田|2013|p=187}}<ref name=":0">[https://www.gsi.go.jp/kankyochiri/kinki-biwako.html 琵琶湖] [[国土地理院]](2019年7月19日閲覧)。</ref>、これまでに観測された最大水深は104.1mである。琵琶湖の湖底は1000年間に1mというペースで沈降している{{sfn|熊谷|2012}}。 |
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[[日本水準原点#東京湾平均海面|東京湾平均海面]] (T.P.) 基準で+84.371 m、[[大阪湾最低潮位]] (O.P.) 基準で+85.614 mの高さが琵琶湖基準水位 (B.S.L.=Biwako Surface Level ) と定められており{{sfn|松田|2013|p=187}}、「琵琶湖の水位」とはB.S.L.を±0 mとした水位のことをいう。B.S.L.は、[[1874年]](明治7年)に[[鳥居川]]観測点において「これ以上水位が下がることはない」と判断された点として定められたものであるが、その後、[[瀬田川]]の改修によって流出量が多くなったことなどにより、水位がB.S.L.以下になることが多くなった。現在では、B.S.L.の値が概ね満水位となるように水位の調整が行われている。 |
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一方、湖底地形から見ると、北湖盆 (North Basin)、中湖盆 (Central Basin)、南湖盆 (South Basin) に分けられ、北湖盆と中湖盆の境界は[[沖島]]北方付近で、鞍状の湖底地形が存在している<ref name="grj1984a.722">植村善博、太井子宏和「[https://doi.org/10.4157/grj1984a.63.11_722 琵琶湖湖底の活構造と湖盆の変遷]」『地理学評論』Ser. A 1990年 63巻 11号 p.722-740, {{doi|10.4157/grj1984a.63.11_722}}</ref>。 |
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=== 河川 === |
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北湖は面積623km{{sup|2}}、平均水深41[[メートル|m]]。南湖は面積58[[平方メートル|km{{sup|2}}]]、平均水深4m<ref name="grj1984a.722"/>。湖底が最も深い水域は北湖の中央やや北寄り、[[竹生島]]の南にあり<ref name=":0">[https://www.gsi.go.jp/kankyochiri/kinki-biwako.html 琵琶湖] [[国土地理院]](2019年7月19日閲覧)。</ref>、これまでに観測された最大水深は104.1mである。琵琶湖の湖底は1000年間に1mというペースで沈降している<ref name="最深部"/>。 |
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[[ファイル:20080813AnegawaBiwaKo.JPG|サムネイル|[[姉川]][[三角州]]]] |
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[[ファイル:20080813AdoGawa.JPG|サムネイル|[[安曇川]]三角州]] |
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湖を囲む[[山地]]からの流れが[[源流]]で、400以上の流入河川があり、そのうち117本は一級河川である{{sfn|日経|2020}}{{sfn|流域政策局|2018}}。以下に主な流入河川を挙げる(丸括弧内の自治体名は主な流域)。 |
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琵琶湖を取り巻く各自治体は、大きく'''[[湖南]]'''、'''[[湖東]]'''、'''[[湖北]]'''、'''[[湖西]]'''に分けられる''(※区分については「[[滋賀県#地域区分]]」を参照)。'' |
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湖を囲む[[山地]]からの流れが[[源流]]で、[[琵琶湖疏水]]や[[淀川]]水系を通じて[[京阪神]]に水道水を供給している''(「[[#水利用]]」も参照)''。水源としての利用に留まらず古くから[[水上交通]]路としても利用されており、[[明治時代]]に[[鉄道]]が開通するまでは、[[京都|京]]や[[大阪|大坂]]から[[東山道|東国]]・[[北陸地方|北陸]]<!--岐阜・名古屋や敦賀は、あくまで上方から東国や北陸への中継地に過ぎません-->への物資輸送の中継地として利用されていた。 |
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* [[野洲川]](やすがわ、[[甲賀市]]、[[湖南市]]、[[野洲市]]、[[栗東市]]、[[守山市]]) |
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* [[日野川 (滋賀県)|日野川]](ひのがわ、[[蒲生郡]]、[[近江八幡市]]) |
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* [[愛知川]](えちがわ、[[愛知郡 (滋賀県)|愛知郡]]、[[東近江市]]) |
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* [[安曇川]](あどがわ、[[高島市]]) |
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* [[鴨川 (滋賀県)|鴨川]](かもがわ、高島市) |
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* [[宇曽川]](うそがわ、愛知郡、[[彦根市]]) |
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* [[犬上川]](いぬかみがわ、[[犬上郡]]、彦根市) |
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* [[芹川 (滋賀県)|芹川]](せりがわ、犬上郡、彦根市) |
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* [[姉川]](あねがわ、[[米原市]]、[[長浜市]]) |
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* [[天野川 (滋賀県)|天野川]](あまのがわ、米原市) |
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* [[余呉川]](よごがわ、長浜市) |
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* [[真野川 (滋賀県)|真野川]](まのがわ、[[大津市]]) |
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流出河川は[[瀬田川]]のみであり{{sfn|日経|2020}}、[[淀川|宇治川、淀川]]と名前を変えて、[[大阪湾]]([[瀬戸内海]])へ至る。河川以外では[[琵琶湖疏水]]があり、琵琶湖からの流出水路は2つしかない。[[琵琶湖疏水]]や[[淀川]]水系を通じて[[京阪神]]に水道水を供給している''(「[[#水利用]]」も参照)''。瀬田川は水源としての利用に留まらず古くから[[水上交通]]路としても利用されており、[[明治時代]]に[[鉄道]]が開通するまでは、[[京都|京]]や[[大阪|大坂]]から[[東山道|東国]]・[[北陸地方|北陸]]<!--岐阜・名古屋や敦賀は、あくまで上方から東国や北陸への中継地に過ぎません-->への物資輸送の中継地として利用されていた。 |
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世界で20ほどしかない古代湖の一つであり<ref>{{Cite web |url=http://www.pref.shiga.lg.jp/d/biwako-kankyo/lberi/01shiru/01-04biwako/01-04biwako.html |title=琵琶湖の概要 |date=2017/07/26 |accessdate=2019/02/12 |publisher=滋賀県}}</ref>、世界で13番目に古い湖と言われている<ref name="marine-rutgers">{{cite web |title = Ancient lakes of the world |format=website |url = https://marine.rutgers.edu/~cfree/ancient-lakes-of-the-world/ |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200209063201/https://marine.rutgers.edu/~cfree/ancient-lakes-of-the-world/ |archivedate = January 20, 2020 | publisher = Christopher M. Free | accessdate = 20 January 2020 }}</ref>。[[魚類]]57種、[[貝類]]49種の生息が確認されており、琵琶湖[[固有種]]も多い(魚類は[[ビワコオオナマズ]]、[[ニゴロブナ]]、[[ホンモロコ]]、[[ビワヒガイ]]など16種、貝類は29種)<ref name="なんでも一番"/>など[[生物多様性]]に富む。[[明治]]から[[昭和]]の初期までは、琵琶湖の周囲に大小40数個の内湖が広がり、多くの生物を育んでいた。しかし琵琶湖の洪水防御のため、1943年から始まった河水統制事業により<ref>{{Cite web |url=https://www.city.higashiomi.shiga.jp/0000001122.html |title=びわ湖の干拓 |website=東近江市ホームページ |publisher=東近江市 |accessdate=2018-12-17}}</ref>、事業が終了する1952年までに平均水位が数十[[センチメートル|cm]]低下したことや、これに前後して内湖の大半が[[干拓]]されたこともあって琵琶湖の自然は大きく変化し、固有の風致や[[生態系]]が大きく損なわれた。現在、滋賀県は一部の内湖を復元することを計画<ref>{{Cite web |url=http://www.lberi.jp/root/jp/31kankou/3112news/omia/77/bkjhOmia77.htm |title=滋賀県琵琶湖環境科学研究センター |publisher=滋賀県琵琶湖環境科学研究センター|archiveurl=https://web.archive.org/web/20111111222230/http://www.lberi.jp/root/jp/31kankou/3112news/omia/77/bkjhOmia77.htm |archivedate=2011-11-11 |accessdate=2018-12-17}}</ref>しており、生態系の回復や水質浄化が各方面から期待されている<ref>{{Cite web |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160305225910/http://www.ex.biwa.ne.jp/~hayazaki/sub03.html |archivedate=2016-03-05 |title=早崎内湖ビオトープ聞取調査結果『広報びわ』 |website= |publisher=早崎ビオトープネットワーキング |accessdate=2018-12-17 |url=http://www.ex.biwa.ne.jp/~hayazaki/sub03.html}}</ref>。「[[入江干拓]]」「[[大中湖]]」も参照。 |
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=== 内湖 === |
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[[日本水準原点#東京湾平均海面|東京湾平均海面]] (T.P.) 基準で+84.371 m、[[大阪湾最低潮位]] (O.P.) 基準で+85.614 mの高さが琵琶湖基準水位 (B.S.L.=Biwako Surface Level ) と定められており、「琵琶湖の水位」とはB.S.L.を±0 mとした水位のことをいう。B.S.L.は、[[1874年]](明治7年)に[[鳥居川]]観測点において「これ以上水位が下がることはない」と判断された点として定められたものであるが、その後、[[瀬田川]]の改修によって流出量が多くなったことなどにより、水位がB.S.L.以下になることが多くなった。現在では、B.S.L.の値が概ね満水位となるように水位の調整が行われている。 |
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[[ファイル:Lake_Nishi.jpg|サムネイル|西の湖]] |
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[[昭和]]初期ごろまで、琵琶湖の周囲には大小40あまり、総面積29km{{sup|2}}(1940年時点)の内湖があった{{sfn|大道|2013|p=191}}。これらの内湖は、繁茂する[[ヨシ]]などにより河川より流入する水を浄化する機能や、魚類の産卵・生育の場、あるいは堆積した泥による肥料の提供といった役割を担ってきた{{sfn|大道|2013|pp=192-193}}。しかし、琵琶湖の洪水防御のため、1943年から始まった河水統制事業により<ref>{{Cite web|url=https://www.city.higashiomi.shiga.jp/0000001122.html|title=びわ湖の干拓|website=東近江市ホームページ|publisher=東近江市|accessdate=2018-12-17}}</ref>{{出典無効|date=2021年2月}}、事業が終了する1952年までに平均水位が数十[[センチメートル|cm]]低下したことや、これに前後して内湖の大半が[[干拓]]されたこともあって琵琶湖の自然は大きく変化し、固有の風致や[[生態系]]が大きく損なわれた{{要出典|date=2021年2月}}''(「[[入江干拓]]」および「[[大中湖]]」も参照)''。20113年現在残されているのは、[[近江八幡市]]の[[西の湖]]をはじめとする総面積4.25km{{sup|2}}の23内湖のみである{{sfn|大道|2013|p=191}}。 |
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「'''[[wikt:急がば回れ|急がば回れ]]'''」という[[ことわざ]]の語源である現在の[[草津市|草津]]と[[大津市|大津]]の間を結ぶ「[[矢橋]]の渡し」という[[渡し舟]]があったものの、運休が多かったらしい。「もののふの矢橋の船は速かれど急がば廻れ瀬田の長橋」(急ぎなら[[瀬田の唐橋]]まで遠回りするほうが確実)という、[[室町時代]]後期の[[連歌師]]、柴屋軒[[宗長]]の歌が出典。 |
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2003年現在、滋賀県は一部の内湖を復元することを計画しており{{sfn|滋賀県琵琶湖研究所|2003}}、生態系の回復や水質浄化が各方面から期待されている<ref>{{Cite web|archiveurl=https://web.archive.org/web/20160305225910/http://www.ex.biwa.ne.jp/~hayazaki/sub03.html|archivedate=2016-03-05|title=早崎内湖ビオトープ聞取調査結果『広報びわ』|website=早崎ビオトープ公式ホームページ|publisher=早崎ビオトープネットワーキング|accessdate=2018-12-17|url=http://www.ex.biwa.ne.jp/~hayazaki/sub03.html}}</ref>。 |
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=== 湖面の島 === |
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[[竹生島]](面積0.14km<sup>2</sup>)、[[沖島]](面積1.5km<sup>2</sup>)、[[多景島]]、[[沖の白石]]、[[矢橋帰帆島]]がある。矢橋帰帆島は、下水処理場のために埋め立てて造った[[人工島]]である。 |
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File:Chikubu island01s3200.jpg|竹生島 |
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File:Oki Island (Lake Biwa).JPG|沖島 |
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File:Biwako Takei island2012.jpg|多景島 |
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File:Oki-no-shiraishi.JPG|沖の白石 |
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</gallery> |
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=== 主な港 === |
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{{Div col|colwidth=25em}} |
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* [[大津港 (滋賀県)|大津港]] |
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* [[長浜港 (滋賀県)|長浜港]] |
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* [[彦根港]] |
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* [[竹生島港]] |
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* [[今津港]] |
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* [[沖島]]漁港 |
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* [[長命寺]]港 |
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* [[雄琴温泉|おごと温泉]]港 |
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* 草津[[烏丸半島]]港 |
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* [[琵琶湖大橋]]港 |
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* [[びわ湖大津プリンスホテル|大津プリンスホテル]]港(におの浜観光港) |
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{{Div col end}}<gallery> |
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ファイル:Otsu port01s3200.jpg|大津港 |
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ファイル:Nagahama port01s3872.jpg|長浜港 |
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ファイル:Port of imazu01s3200.jpg|今津港 |
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ファイル:Ogoto port Shiga,JAPAN.jpg|おごと温泉港 |
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</gallery> |
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=== 沿岸自治体 === |
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琵琶湖に接する自治体は次のとおり(北から時計回り)。右記は、市町村ごとの琵琶湖の面積(単位:km<sup>2</sup>)<ref name="menseki">{{Cite web|author=国土地理院|authorlink=国土地理院|date=2015-03-06|title=平成28年全国都道府県市区町村別面積調 湖沼面積|url=http://www.gsi.go.jp/KOKUJYOHO/MENCHO/201610/f1_kosho.pdf|format=PDF|accessdate=2015-03-24|archiveurl=https://web.archive.org/web/20171008231857/http://www.gsi.go.jp/KOKUJYOHO/MENCHO/201610/f1_kosho.pdf |archivedate=2017-10-08}}</ref>。琵琶湖を取り巻く各自治体は、大きく'''[[湖南 (滋賀県)|湖南]]'''、'''[[湖東 (滋賀県)|湖東]]'''、'''[[湖北 (滋賀県)|湖北]]'''、'''[[湖西 (滋賀県)|湖西]]'''に分けられる''(区分については「[[滋賀県#地域区分]]」を参照)。'' |
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{{Div col}} |
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* [[長浜市]] - 141.39 |
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* [[米原市]] - 27.32 |
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* [[彦根市]] - 98.59 |
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* [[東近江市]] - 5.15 |
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* [[近江八幡市]] - 76.03 |
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* [[野洲市]] - 19.58 |
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* [[守山市]] - 10.16 |
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* [[草津市]] - 19.17 |
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* [[大津市]] - 89.91 |
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* [[高島市]] - 181.93 |
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{{Div col end}} |
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琵琶湖の市町境界については、かつて、どの市町にも組み入れられていなかった。2007年5月8日、沿岸の各自治体による共同会議において境界の設定に合意し、各自治体の議会の同意を得た上で[[総務省]]に届け出を行い、9月28日付で『[[官報]]』に確定が公示された{{sfn|総務省|2007}}<ref>{{cite news|url=http://www.asahi.com/politics/update/0508/TKY200705080343.html|title=琵琶湖「分割」に14自治体合意 初めて帰属決まる|newspaper=[[朝日新聞デジタル|asahi.com]]|publisher=朝日新聞社|date=2007-05-08|archiveurl=https://web.archive.org/web/20070511044629/http://www.asahi.com:80/politics/update/0508/TKY200705080343.html|archivedate=2007-05-11}}</ref><!--リンク切れ |
|||
<ref>[http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007050900036&genre=A2&area=S00 琵琶湖境界線を合意 関係14市町検討会議 交付税増の半額を保全に] - 京都新聞(2007年5月9日付)</ref> |
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-->。境界確定の目的は主に[[地方交付税交付金]]の増額である。また、増額された交付金の半分は琵琶湖の保全に使われることが発表されている<ref>[http://www.pref.shiga.lg.jp/kouhyo/chougi/190515/files/s01.pdf 琵琶湖における市町境界の確定について](PDF) - 滋賀県</ref>。 |
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== 歴史 == |
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=== 自然史 === |
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{{wide image|BiwaKoLakesideViewWide.JPG|800px|琵琶湖の西岸を区切る'''琵琶湖西岸断層'''が'''[[比叡山]]'''(写真左)から'''[[比良山地]]'''(右)へと続く。琵琶湖西岸はこれによる断層崖が急激に湖に落ち込むため平地に乏しい ([[#toc|冒頭写真]]も参照のこと)。断層の主活動時期は20万年~30万年前であり、湖よりも歴史が新しい。|400px|right}} |
{{wide image|BiwaKoLakesideViewWide.JPG|800px|琵琶湖の西岸を区切る'''琵琶湖西岸断層'''が'''[[比叡山]]'''(写真左)から'''[[比良山地]]'''(右)へと続く。琵琶湖西岸はこれによる断層崖が急激に湖に落ち込むため平地に乏しい ([[#toc|冒頭写真]]も参照のこと)。断層の主活動時期は20万年~30万年前であり、湖よりも歴史が新しい。|400px|right}} |
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琵琶湖が形成された時期は、約400万年~600万年前で、現在の[[三重県]][[伊賀市]]平田に[[地殻]]変動によってできた[[構造湖]]であった(大山田湖)。'''湖は次第に北へ移動'''し、現在から約100 - 40万年前<ref>太田弘・斉藤忠光『地球診断』([[講談社]]、2010年)p49</ref>、[[比良山系]]によって止められる形で現在の琵琶湖の位置に至ったという。大山田湖以前、現在の琵琶湖の位置には山(古琵琶湖山脈)があり、[[鈴鹿山脈]]は未だ隆起せず、今日の琵琶湖東南部の河川は[[伊勢湾]]へ流れていた。それを裏付けるように、鈴鹿山脈の主要な地質は[[礫岩]]である。また、琵琶湖に流入する最大の川で、東南に位置する[[野洲川]]は、当時西方ではなく、東方へ流れていたという。なお、琵琶湖は世界の湖の中でも、[[バイカル湖]]や[[タンガニーカ湖]]に次いで成立が古い[[古代湖]]であると考えられている<ref>{{Cite web |url=http://www.lberi.jp/root/jp/13biwakogaiyo/bkjhindex.htm |title=琵琶湖の概要 |publisher=滋賀県琵琶湖環境科学研究センター|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140220134821/http://www.lberi.jp:80/root/jp/13biwakogaiyo/bkjhindex.htm |archivedate=2014-02-20 |accessdate=2018-12-17}}</ref>。 |
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琵琶湖は世界の湖の中でも、[[バイカル湖]]や[[タンガニーカ湖]]に次いで成立が古い[[古代湖]]であるとも<ref>{{Cite web|url=http://www.lberi.jp/root/jp/13biwakogaiyo/bkjhindex.htm|title=琵琶湖の概要|publisher=滋賀県琵琶湖環境科学研究センター|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140220134821/http://www.lberi.jp:80/root/jp/13biwakogaiyo/bkjhindex.htm|archivedate=2014-02-20|accessdate=2018-12-17}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.lberi.jp/root/jp/13biwakogaiyo/bkjhindex.htm|title=琵琶湖の概要|publisher=滋賀県琵琶湖環境科学研究センター|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140220134821/http://www.lberi.jp:80/root/jp/13biwakogaiyo/bkjhindex.htm|archivedate=2014-02-20|accessdate=2018-12-17}}</ref>、世界で13番目に古い湖であるとも推定されている<ref name="marine-rutgers">{{cite web |title = Ancient lakes of the world |format=website |url = https://marine.rutgers.edu/~cfree/ancient-lakes-of-the-world/ |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200209063201/https://marine.rutgers.edu/~cfree/ancient-lakes-of-the-world/ |archivedate = January 20, 2020 | publisher = Christopher M. Free | accessdate = 20 January 2020 }}</ref>。 |
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西岸には、琵琶湖西岸断層帯が東北-南西方向に延び<ref name="grj1984a.722"/>、断層帯北部の最新活動時期は約2800年前から約2400年前頃とされ、活動時には[[断層]]の西側が東側に対して相対的に2mから5m程度隆起した可能性がある。断層帯南部の最新活動時期は1185年([[元暦]]2年)の[[文治地震]]であった可能性があり、活動時には断層の西側が東側に対して相対的に6mから8m程度隆起した可能性があるとされている<ref>[https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_katsudanso/f065_biwako-seigan/ 琵琶湖西岸断層帯] 地震調査研究推進本部事務局([[文部科学省]]研究開発局地震・防災研究課)2020年2月22日閲覧</ref>。地震に伴う[[地すべり]]などで水没した[[琵琶湖湖底遺跡]]が100以上存在する。 |
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琵琶湖が形成された時期は、約400万年~600万年前で、現在の[[三重県]][[伊賀市]]平田に[[地殻]]変動によってできた[[構造湖]]であった(大山田湖)。'''湖は次第に北へ移動'''し、現在から約100 - 40万年前{{sfn|太田|齊藤|2010|page=49}}、[[比良山系]]によって止められる形で現在の琵琶湖の位置に至ったという。大山田湖以前、現在の琵琶湖の位置には山(古琵琶湖山脈)があり、[[鈴鹿山脈]]は未だ隆起せず、今日の琵琶湖東南部の河川は[[伊勢湾]]へ流れていた。それを裏付けるように、鈴鹿山脈の主要な地質は[[礫岩]]である。また、琵琶湖に流入する最大の川で、東南に位置する[[野洲川]]は、当時西方ではなく、東方へ流れていたという。 |
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西岸には、琵琶湖西岸断層帯が東北-南西方向に延び{{sfn|植村|太井子|1990}}{{要ページ番号|date=2021年2月}}、断層帯北部の最新活動時期は約2800年前から約2400年前頃とされ、活動時には[[断層]]の西側が東側に対して相対的に2mから5m程度隆起した可能性がある。断層帯南部の最新活動時期は1185年([[元暦]]2年)の[[文治地震]]であった可能性があり、活動時には断層の西側が東側に対して相対的に6mから8m程度隆起した可能性があるとされている<ref>[https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_katsudanso/f065_biwako-seigan/ 琵琶湖西岸断層帯] 地震調査研究推進本部事務局([[文部科学省]]研究開発局地震・防災研究課)2020年2月22日閲覧</ref>。地震に伴う[[地すべり]]などで水没した[[琵琶湖湖底遺跡]]が100以上存在する。 |
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=== 人間史 === |
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[[ファイル:Hiroshige Boats on a lake.jpg|サムネイル|[[歌川広重]]の『[[近江八景]]』より「矢橋帰帆」(1834年ごろ)。]] |
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[[ファイル:Inoh_taizu_biwako.jpg|サムネイル|『[[大日本沿海輿地全図]]』(レプリカ)より。]] |
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[[File:Hiradake02, Eight Views of Ōmi.png|サムネイル|1918年ごろの琵琶湖]] |
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{{See also|淀川#淀川開発史}} |
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== 人間史 == |
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[[縄文時代]]や[[弥生時代]]から[[交通]]路としても利用され、[[丸木舟]]なども出土している。[[古代]]には、都から近い[[淡水]]の海として'''近淡海'''(ちかつあふみ、単に淡海とも。『[[万葉集]]』では「淡海乃海」(あふみのうみ)と記載)と呼ばれた。近淡海に対し、都から遠い淡水の海として[[浜名湖]]が'''遠淡海'''(とほつあふみ)と呼ばれ、それぞれが「[[近江国]](おうみのくに、現在の滋賀県)」と[[遠江国]](とおとうみのくに、現在の[[静岡県]]西部)の[[語源]]になった。別名の'''鳰海'''(におのうみ)は近江国の[[歌枕]]で、鳰は[[カイツブリ]]を表す。 |
[[縄文時代]]や[[弥生時代]]から[[交通]]路としても利用され、[[丸木舟]]なども出土している。[[古代]]には、都から近い[[淡水]]の海として'''近淡海'''(ちかつあふみ、単に淡海とも。『[[万葉集]]』では「淡海乃海」(あふみのうみ)と記載)と呼ばれた。近淡海に対し、都から遠い淡水の海として[[浜名湖]]が'''遠淡海'''(とほつあふみ)と呼ばれ、それぞれが「[[近江国]](おうみのくに、現在の滋賀県)」と[[遠江国]](とおとうみのくに、現在の[[静岡県]]西部)の[[語源]]になった。別名の'''鳰海'''(におのうみ)は近江国の[[歌枕]]で、鳰は[[カイツブリ]]を表す。 |
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琵琶湖は、[[若狭湾]]沿岸からの[[年貢]]の輸送路としても利用されており、湖上で賊に襲撃された記録なども残されている。湖西には、大津から[[若狭国]]へ向かう[[西近江路]]や[[若狭街道]]、[[京都]]から琵琶湖などを経て[[今庄町|今庄]]から[[北陸道]]につながる<ref>{{Cite web |publisher=福井県農林水産部販売開拓課 |url=http://info.pref.fukui.jp/hanbai/syunfile/syun16/fukei_01.htm |title=旬の里ふくい_越前・若狭 味な旅 |accessdate=2008-03-18|archiveurl=https://web.archive.org/web/20160428031706/http://info.pref.fukui.jp:80/hanbai/syunfile/syun16/fukei_01.htm |archivedate=2016-04-28}}</ref>[[北国街道]]などの各種交通路が整備された。湖上交通による荷物の輸送も行われており、大津や[[堅田]]などは[[港湾都市]]として発達した。 |
琵琶湖は、[[若狭湾]]沿岸からの[[年貢]]の輸送路としても利用されており、湖上で賊に襲撃された記録なども残されている。湖西には、大津から[[若狭国]]へ向かう[[西近江路]]や[[若狭街道]]、[[京都]]から琵琶湖などを経て[[今庄町|今庄]]から[[北陸道]]につながる<ref>{{Cite web |publisher=福井県農林水産部販売開拓課 |url=http://info.pref.fukui.jp/hanbai/syunfile/syun16/fukei_01.htm |title=旬の里ふくい_越前・若狭 味な旅 |accessdate=2008-03-18|archiveurl=https://web.archive.org/web/20160428031706/http://info.pref.fukui.jp:80/hanbai/syunfile/syun16/fukei_01.htm |archivedate=2016-04-28}}</ref>[[北国街道]]などの各種交通路が整備された。湖上交通による荷物の輸送も行われており、大津や[[堅田]]などは[[港湾都市]]として発達した。 |
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「'''[[wikt:急がば回れ|急がば回れ]]'''」という[[ことわざ]]の語源である現在の[[草津市|草津]]と[[大津市|大津]]の間を結ぶ「[[矢橋]]の渡し」という[[渡し舟]]があったものの、運休が多かったらしい。「もののふの矢橋の船は速かれど急がば廻れ瀬田の長橋」(急ぎなら[[瀬田の唐橋]]まで遠回りするほうが確実)という、[[室町時代]]後期の[[連歌師]]、柴屋軒[[宗長]]の歌が出典。 |
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[[安土桃山時代]]には、[[豊臣秀吉]]は大津の船持に大津百艘船を整備し、[[観音寺]]の船奉行の支配下に置かれ、特権を与えられて保護された。[[近世]]になると、大津は松原や[[米原市|米原]]など他の港と対立し、[[江戸時代]]には松原・米原・[[長浜市|長浜]]が「[[彦根藩|彦根]]三湊」として[[井伊氏]]の保護を受けた。[[文化 (元号)|文化]]2年(1805年)8月から10月にかけて[[伊能忠敬]]が沿岸を測量している<ref>{{Cite web |format=PDF |url=http://www.town.aisho.shiga.jp/rekibun/documents/kaisetsu-ichiran.pdf |title=古地図の魅力 |publisher=愛荘町立歴史文化博物館 |page=1|date=2015 |accessdate=2017-11-16}}</ref>。 |
[[安土桃山時代]]には、[[豊臣秀吉]]は大津の船持に大津百艘船を整備し、[[観音寺]]の船奉行の支配下に置かれ、特権を与えられて保護された。[[近世]]になると、大津は松原や[[米原市|米原]]など他の港と対立し、[[江戸時代]]には松原・米原・[[長浜市|長浜]]が「[[彦根藩|彦根]]三湊」として[[井伊氏]]の保護を受けた。[[文化 (元号)|文化]]2年(1805年)8月から10月にかけて[[伊能忠敬]]が沿岸を測量している<ref>{{Cite web |format=PDF |url=http://www.town.aisho.shiga.jp/rekibun/documents/kaisetsu-ichiran.pdf |title=古地図の魅力 |publisher=愛荘町立歴史文化博物館 |page=1|date=2015 |accessdate=2017-11-16}}</ref>。 |
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江戸時代には湖岸に約2000の村があり、[[彦根藩]]や[[膳所藩]]のほか[[旗本]][[知行地]]など領主は約50に分かれていた。唯一の流出河川である瀬田川に土砂が溜まると、雨で湖岸や流入河川の水位が上がり、[[水害]]に悩まされた。[[ |
江戸時代には湖岸に約2000の村があり、[[彦根藩]]や[[膳所藩]]のほか[[旗本]][[知行地]]など領主は約50に分かれていた{{要出典|date=2021年1月}}。唯一の流出河川である瀬田川に土砂が溜まると、雨で湖岸や流入河川の水位が上がり、[[水害]]に悩まされた。江戸時代をつうじ、幕府の[[普請]]が2回と自普請が3回、計5回の浚渫工事がおこなわれており、とくに1699年(元禄12年)の「[[河村瑞賢]]の大普請」と、[[高島郡]]深溝村の[[庄屋]]藤原家による{{要出典範囲|老中[[松平定信]]への[[駕籠訴]]も含む|date=2021年1月}}尽力の末に実現した1831年(天保二年)の普請が大規模なものであった。またこの間、流量増加による洪水を危惧する下流住民の反対などによりなかなか浚渫が実現しなかった時期には、[[アサリ|あさり]]取りなどと称した地元住民による小規模な浚渫などもおこなわれている{{sfn|竹林|今井|1995|pp=410-412}}{{sfn|日経|2017}}。 |
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[[1896年]]([[明治]]29年)の洪水では9月3日から12日の豪雨によって琵琶湖の水位は平時よりも3.76メートル上昇し、[[彦根市]]など琵琶湖周辺のほとんどの地域が200日以上にわたって浸水。県の記録によれば床上・床下浸水は5万8千棟を超えた<!--日経2017,日経2020-->。下流への流水機能の維持、治水を目的に改良工事が施され[[1905年]](明治38年)には南郷洗堰が完成。[[1961年]](昭和36年)には隣接地に瀬田川洗堰が築造され、水害は減っていった{{sfn|日経|2017}}{{sfn|日経|2020}}。 |
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琵琶湖が[[淀川]]となって[[大阪湾]]に流れる位置から、[[日本海]]の[[若狭湾]]で陸揚げされた物資が琵琶湖上の水運を介して[[京都]]や[[大坂]]に輸送された。こうした輸送は明治以降もしばらく隆盛であったが、陸上交通の発達によって次第に斜陽となった。一方、[[高度経済成長期]]には琵琶湖から[[運河]]を掘削して日本海と[[太平洋]]・[[瀬戸内海]]を結ぶ運河構想が持ち上がった。当初は、琵琶湖から日本海と瀬戸内海を結ぶ「[[日本横断運河|阪敦運河]]」構想を[[福井県]]知事の[[北栄造]]が調整し始めた。特に[[三重県]][[四日市市]]長の[[平田佐矩]]が熱心だったこともあり、福井県・滋賀県・[[岐阜県]]・[[愛知県]]・三重県および[[名古屋市]]・[[敦賀市]]・四日市市の間で、総工費2500億円-3500億円をかけ若狭湾-琵琶湖-[[伊勢湾]]を結ぶ[[中部横断運河]]の |
琵琶湖が[[淀川]]となって[[大阪湾]]に流れる位置から、[[日本海]]の[[若狭湾]]で陸揚げされた物資が琵琶湖上の水運を介して[[京都]]や[[大坂]]に輸送された。こうした輸送は明治以降もしばらく隆盛であったが、陸上交通の発達によって次第に斜陽となった。一方、[[高度経済成長期]]には琵琶湖から[[運河]]を掘削して日本海と[[太平洋]]・[[瀬戸内海]]を結ぶ運河構想が持ち上がった。当初は、琵琶湖から日本海と瀬戸内海を結ぶ「[[日本横断運河|阪敦運河]]」構想を[[福井県]]知事の[[北栄造]]が調整し始めた。特に[[三重県]][[四日市市]]長の[[平田佐矩]]が熱心だったこともあり、福井県・滋賀県・[[岐阜県]]・[[愛知県]]・三重県および[[名古屋市]]・[[敦賀市]]・四日市市の間で、総工費2500億円-3500億円をかけ若狭湾-琵琶湖-[[伊勢湾]]を結ぶ[[中部横断運河]]の建設期成同盟が結成され、[[自由民主党 (日本)|自民党]]副総裁の[[大野伴睦]]が会長に就任した。しかし、大野や平田が相次いで死去したことや、北および敦賀市長の畑守が相次いで落選するなど推進の中心人物を失い、1970年には中部圏開発整備本部が調査の打ち切りを発表した{{sfn|福井県|1996}}{{要ページ番号|date=2021年2月}}。 |
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* 1890年([[明治]]23年) - 京都市へ水を供給する[[琵琶湖疏水]]開通。 |
* 1890年([[明治]]23年) - 京都市へ水を供給する[[琵琶湖疏水]]開通。 |
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* 1993年([[平成]]5年) - [[ラムサール条約]]登録湿地に認定される。 |
* 1993年([[平成]]5年) - [[ラムサール条約]]登録湿地に認定される。 |
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* 2003年(平成15年) - 琵琶湖のレジャー利用適正化条例が施行される。 |
* 2003年(平成15年) - 琵琶湖のレジャー利用適正化条例が施行される。 |
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== 湖水 == |
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水面に現れる周期30分以上の振動(静振)として主に240.9分、71.9分、65.0分、39.8分、32.3分の5種類がある{{sfn|湖沼技術研究会|2007|p=212}}。湖の容量を流入量で割って求めた、全ての水が入れ替わるまでの時間(滞留時間)は5年程度<ref>{{Cite web|format=PDF|url=http://www.biwakokasen.go.jp/others/genjou/pdf/siryou_10.pdf|title=水文(琵琶湖への流入量・滞留時間)|publisher=国土交通省 琵琶湖河川事務所|accessdate=2018-12-17|archiveurl=https://web.archive.org/web/20150923191144/http://www.biwakokasen.go.jp/others/genjou/pdf/siryou_10.pdf|archivedate=2015-02-23}}</ref>。 |
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琵琶湖には、[[酸素]]を多く含む表面近くの水が湖底近くの水と入れ替わる「全層循環」という現象がある。生物に酸素を供給する働きがあることから「琵琶湖の深呼吸」とも呼ばれる。2020年4月、滋賀県は2年連続で全層循環が確認できなかったと発表した{{sfn|京都新聞|2020}}''(「[[#環境保全]]」も参照)''。 |
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=== 透明度 === |
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平均透明度は、6mとされている。年により変化があり、水深の浅い南湖では2m程度、水深の深い北湖では4mから6m程度であるが<ref name="水環境の現状" />、気象条件によっては16mを超える透明度を観測することもある<ref>「[http://shiga-seikyoren.org/action_report/environment/009425.php 『琵琶湖の環境問題の現状と課題対策について]」『滋賀の生協』No.142 (2007.10.6)</ref>。 |
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=== 環流 === |
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環流と呼ばれる湖全体を循環する大規模な水流(海洋での[[海流]]に相当)は、1926年に発見され、1960年代から1995年頃にかけて精力的な研究が行われた{{sfn|戸田|2013}}<ref>{{Cite web|url=http://www.lbm.go.jp/toda/lakegyre/|title=総説「琵琶湖環流の研究史」補足情報|website=戸田孝の私設琵琶湖博物館|archiveurl=https://web.archive.org/web/20150626153422/http://www.lbm.go.jp/toda/lakegyre/|archivedate=2015-01-26|accessdate=2018-12-17}}</ref>{{sfn|山敷|松井|禰津|熊谷|2000}}{{sfn|大西|田中|1981}}{{sfn|森川|岡本|1960}}。環流は、2つから3つ程度あり便宜的に北から第1環流(反時計回り)、第2環流(時計回り)、第3環流(反時計回り){{sfn|水環境部会|2008}}と呼ばれる。駆動源となるものは海洋における海流と同様に[[コリオリの力]]、風、湖心部と沿岸部との温度差{{sfn|大久保|村本|1983}}気圧などと複雑な要素が考えられ{{sfn|湖沼技術研究会|2007|p=199}}、季節や気象条件により複雑に変動している。なお、環流は常に3つあるとは限らない{{sfn|水環境部会|2008}}。 |
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=== 水利用 === |
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==== 滋賀での利用 ==== |
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[[ファイル:Harie-Okawa_river-1_2020.jpg|サムネイル|琵琶湖への流入河川の一つである[[安曇川]][[水系]]の[[伏流水]]を利用した「川端文化」で知られる[[針江区]]。]] |
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滋賀県の農村地域においては、[[江戸時代]]以降「ホリ」と呼ばれる水路と「蛇車(じゃぐるま)」と呼ばれる足踏み式の水車などの揚水機を用いて沿岸部の水田に水を引くようになった{{sfn|市川|2013|pp=267-269}}。しかし、田畑よりも低い位置にある琵琶湖の水は使いにくかったため、[[昭和]]中頃まで琵琶湖の水を農業や生活に利用することは少なく、もっぱら琵琶湖への流入河川や井戸の水を利用してきた<!-- 牧野2001,p.202 -->。しかし、これらの河川の水量は琵琶湖に比べると少なく、[[甲良町]]などでは[[農業用水]]の確保に問題を抱える地域も多かった{{Sfn|牧野|2001|p=202}}。その後昭和30年代ごろに[[上水道]]の普及が始まり、以降湖水の利用量は増えていくことになる{{Sfn|牧野|2001|pp=202, 204}}。滋賀県では1980年ごろから2000年ごろにかけて、人口の増加などの要因により湖水の利用が大幅に増え、2019年時点における上水道の主要な水源は琵琶湖の水となっている{{Sfn|牧野|2001|p=205}}{{sfn|滋賀県|2019|p=14}}。また、農業水利においては1970年代以降、大型ポンプを備えた施設で湖から水を汲み上げ、パイプラインで農地に配水する逆水灌漑による湖水の利用が増加した{{Sfn|牧野|2001|p=205}}。{{harvtxt|牧野|2001|pp=205-206|p=}} は、このような水利用は利用者から見えにくく、生活と水循環の関係に思いを馳せることが難しくなっていると指摘し、[[八幡堀]]の保存活動などは、たんなる資源としての水利用に留まらない水問題への地域固有の解決策の方向を示しているのではないかと述べている。 |
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==== 大阪・京都での利用 ==== |
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[[File:Otsu, Shiga Prefecture, Japan - panoramio (8).jpg|サムネイル|琵琶湖唯一の流出河川である瀬田川。]] |
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[[ファイル:疏水3178.JPG|thumb|琵琶湖から京都へ水を供給する琵琶湖疏水。]] |
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大阪で[[淀川]]を水源とする本格給水が始まったのは[[1895年]](明治28年)、琵琶湖第二疏水を完成させ京都でも琵琶湖の湖水を生活用水の源とするようになったのは[[1912年]](明治45年)のことである{{Sfn|中川|2011|p=190}}。[[琵琶湖疏水]]の建設は[[東京奠都|東京遷都]]によって衰退の危機にあった京都を再興することを目的とし、まずは疏水の水車動力によって工業を近代化し、さらに水運を確保する計画で京都府知事の[[北垣国道]]が先導した<ref>{{Cite web|title=京都市上下水道局:琵琶湖疏水のご紹介|url=https://www.city.kyoto.lg.jp/suido/page/0000007153.html|website=[[京都市上下水道局]]|accessdate=2021-01-14}}</ref><ref>{{Cite web|title=水でつながる文化と地域|url=https://www.pref.shiga.lg.jp/biwakatsu/handbook/106541.html|website=滋賀県|accessdate=2021-01-17|language=ja|publisher=}}</ref>。第一疏水は第二疏水より古く1890年(明治23年)に完成している{{Sfn|大久保|1998|p=245}}。当時、京都では[[鴨川 (淀川水系)|鴨川]]に源流を持つ京都盆地の水系を[[賀茂別雷神社]](上賀茂神社)が支配し、[[京都御所|御所]]の水源も「御所御用水流通水掛リ之儀者賀茂別雷神社 旧一社ニテ支配被致候」とされていた<ref name=":18">{{Cite web|url=http://www.jsidre.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/suido_H30kikaku-2.pdf|title=琵琶湖疏水の開削と京都の近代化|accessdate=2021-01-17|publisher=|author=小野芳朗|website=[[農業農村工学会]]}}</ref>。構造的に夏の渇水期になると上流小山郷の田畑の灌漑が優先されることになり、御所の水は枯渇する様であった。疏水によってに御所用水路の新たな付け替えもあり、御所の庭園と防火用桝への安定供給が図られるようになった<ref name=":18" />。 |
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戦後の[[高度経済成長|高度経済成長期]]に際しては著しい産業発展により琵琶湖下流の淀川では安定した取水が必要になった{{Sfn|中川|2011|p=191}}{{Sfn|大久保|1998|p=247}}。琵琶湖下流域における水資源の需要の急速な拡大に対応するために、[[1972年]](昭和47年)に琵琶湖総合開発特別措置法が制定。[[琵琶湖総合開発事業]]を策定した{{Sfn|大久保|1998|p=247}}。事業の策定にあたって上流への影響は避けられないことから、不利益を減らすために原案は滋賀県知事が作成し[[内閣総理大臣]]がこれを決定する形がとられた{{Sfn|大久保|1998|p=248}}。同事業によって水位低下補償事業が完了し、水位の管理について国(瀬田川洗堰管理者)と滋賀県、下流府県が初めて合意した{{Sfn|中川|2011|p=193}}。規則では、洪水時はあらかじめ水位をマイナス20センチメートルあるいはマイナス30センチメートルに下げて対処、非洪水時は30センチメートルを上限になるべく水位を高く保ち渇水に備えることを基本とし{{Sfn|中川|2011|p=193}}、下流域の渇水時には琵琶湖水位マイナス1.5メートルまで湖水を利用できることになっている{{Sfn|中川|2011|p=191}}。また、増大する水の需要に[[1991年]](平成3年)度までは不安定な「暫定豊水水利権」(河川の流量が一定の流量を超える場合に限って取水できる[[水利権]])で対応してきたが、同年度末には水資源開発事業が概成し都市用水として最大毎秒40立方メートルの新規水利権が与えられた{{Sfn|三谷|1997|p=520}}{{Sfn|大阪市水道局|2020|p=101}}。水利権の拡大によって、例えば[[1994年]](平成6年)夏の全国的な渇水によって阪神地区が大きな影響を受けることはなかった{{Sfn|三谷|1997|p=520}}。下流域の水利権を拡大せざるを得なかった背景には、京阪地域が渇水時であっても比較的豊富な水量を保つ水源として淀川、さらにその水源である琵琶湖への依存を強めたことがある{{Sfn|中川|2011|p=191}}。 |
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琵琶湖総合開発事業は京阪地区の拡大する水需要に応える水資源を開発することが主な目的であったが、琵琶湖を文化面を含み多方面で活用し親しんでいる滋賀県民の生活に直接的な影響が及ぶことは避けられず{{refnest|group=注|滋賀県にとって琵琶湖はただの水資源、「水瓶」としての役割だけではなく、水産業をはじめとする産業や食文化、崇拝対象としての宗教文化的な側面などで県民の生活に密接に関わっている<ref name=shigapref_20201021>{{Cite web|title=びわ湖なう~指標で見るびわ湖と暮らしの過去・現在~|url=https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kankyoshizen/biwako/13090.html|website=滋賀県|accessdate=2021-01-16|language=ja|date=2020年10月21日}}</ref><ref>{{Cite web|title=水と祈りの文化|url=https://ja.biwako-visitors.jp/japan-heritage/pray/|publisher=びわこビジターズビューロー|website=滋賀県観光情報|work=日本遺産 滋賀 {{!}} 琵琶湖とその水辺景観―祈りと暮らしの水遺産|accessdate=2021-01-16}}</ref>。}}、上流と下流の利権をいかに調整するかが事業の肝となった{{Sfn|大久保|1998|p=|pp=247-248}}。上流の不利益を解消するために、下流の利水公共団体は琵琶湖とその周辺の上流域の福祉増進に利するために下流負担金602億円を負担することになった{{Sfn|大久保|1998|p=248}}{{Sfn|大阪市水道局|2020|p=101}}<ref>{{Cite web|title=琵琶湖総合開発計画(平成9年3月終結)|url=https://www.mlit.go.jp/crd/daisei/biwako_hozen/biwasou.html|website=国土交通省|accessdate=2021-01-16|publisher=|date=1997-03}}</ref>。 |
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また、琵琶湖疏水を介して毎秒24立方メートル(2017年時点)<ref>{{Cite web|author=|website=京都市上下水道局|date=2019年9月27日|url=https://www.city.kyoto.lg.jp/suido/page/0000008776.html|title=京都市水道施設の現状|accessdate=2021-01-22|publisher=}}</ref>を取水し、水源の99パーセント(2019年ごろ)<ref>{{Cite web|author=|website=京都市上下水道局|date=2019年9月27日|url=https://www.city.kyoto.lg.jp/suido/page/0000006815.html|title=水道なんでもQ&A|accessdate=2021-01-22|publisher=}}</ref>をこれに頼る[[京都市]]は、[[1914年]](大正3年)以来京都市民の感謝の意をとして滋賀県に毎年感謝金(琵琶湖疏水感謝金)を支払っている<ref>{{Cite web|title=関西の水道状況 ~京都、神戸の水道水はやはり琵琶湖から?|url=https://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_00534/|website=[[LIFULL]] HOME'S PRESS|accessdate=2021-01-17|language=ja|publisher=|author=上江洲規子|date=2016年8月14日}}</ref><ref name="門川2015">{{Cite web|title=琵琶湖と滋賀県の皆さん・先人の偉大な事業に感謝! 琵琶湖疏水契約締結式|url=http://kyoto-daisakusen.jp/2015/03/30/%E7%90%B5%E7%90%B6%E6%B9%96%E3%81%A8%E6%BB%8B%E8%B3%80%E7%9C%8C%E3%81%AE%E7%9A%86%E3%81%95%E3%82%93%E3%83%BB%E5%85%88%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%81%89%E5%A4%A7%E3%81%AA%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E3%81%AB%E6%84%9F/|accessdate=2021-01-17|publisher=|website=門川大作京都市長OFFICIALサイト|date=2015/03/30|author=[[門川大作]]}}</ref>。契約は10年ごとに更新され、[[2015年]]([[平成]]27年)の更新では三日月知事と水田雅博京都市公営企業管理者上下水道局長とで年間2億3千万円の契約を締結した(1千万円増額)<ref name="門川2015" /><ref name=":17">{{Cite web|url=https://www.city.kyoto.lg.jp/suido/cmsfiles/contents/0000169/169291/dai4kaigiziroku.pdf|title=平成26年度 第4回京都市上下水道事業経営審議委員会議事録|accessdate=2021-01-17|publisher=|website=京都市上下水道局}}</ref>。財源は京都市民の水道料金で、滋賀県は感謝金を水源保全に充てている<ref name=":17" />{{sfn|日経|2015}}。 |
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琵琶湖の水利用を巡っては、下流の京都・大阪への対抗心を表すために「[[琵琶湖の水止めたろか]]」というジョークがしばしば用いられる<ref>{{Cite web|title=滋賀県民の言う「琵琶湖の水を止めるで!」……止めるとむしろ大変なことに|url=https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/galaxy021|website=www.e-aidem.com|accessdate=2021-01-14|language=ja}}</ref>{{sfn|日経|2017}}。{{harvtxt|野田|2001|p=232}} は滋賀県・京都府・大阪府の住民を対象にした1995年のアンケート調査を参照し、滋賀県以外の住民は渇水時などには水源として琵琶湖を意識するが、普段はその存在を別段気に留めていないのだと結論づけている。 |
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== 生物相 == |
== 生物相 == |
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[[ファイル:Silurus_biwaensis1.jpg|サムネイル|ビワコオオナマズ]] |
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[[ファイル:Fish from Lake Biwa for sale at a fish store in Otsu, Shiga, Japan.jpg|250px|thumb|鮮魚店で売られる琵琶湖の水産物([[大津市]]内)。]] |
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[[ファイル:Carassius_auratus_grandoculis_by_OpenCage.jpg|サムネイル|ニゴロブナ]] |
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琵琶湖の生態系は多様で、1,000種類を超える動・植物が生息している。長い期間自立したためその中には琵琶湖(およびその水系)にのみ生息する固有種も数多く確認されている。その規模も大きく、独特の[[漁業]]が発達した。 |
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[[ファイル:Gnathopogon_caerulescens_by_DaijuAzuma.jpg|サムネイル|ホンモロコ]] |
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[[ファイル:Sarcocheilichthys_variegatus_microoculus_by_OpenCage.jpg|サムネイル|ビワヒガイ]] |
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[[File:Recycle box for incasive alien fish.jpg|サムネイル|外来魚回収ボックス]] |
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{{see also|#漁業と食文化}} |
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琵琶湖は[[生物多様性]]に富み、1,000種類を超える動・植物が生息している。その中には琵琶湖(およびその水系)にのみ生息する固有種も数多く確認されている。[[魚類]]57種、[[貝類]]49種の生息が確認されており、長い期間自立したため琵琶湖[[固有種]]も多い(魚類は[[ビワコオオナマズ]]、[[ニゴロブナ]]、[[ホンモロコ]]、[[ビワヒガイ]]など16種、貝類は29種){{sfn|環境政策課|2020|p=84}}。この内[[ビワマス]]や[[アユ]]などは川を、[[コイ]]・[[フナ]]・[[ドジョウ]]などは水田を産卵場所として利用することが多いなど、琵琶湖に生息する魚類は周辺の水域との間を移動し、環境の違いをうまく利用している{{sfn|遊磨|2001|p=112}}。 |
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その一方で、[[オオクチバス]]や[[ブルーギル]]をはじめとする[[外来種]]の侵入や1992年の琵琶湖水位操作規則の改訂、内湖<ref group="注">琵琶湖周辺にあり、水路によって琵琶湖と接続している池沼群のこと。</ref>の消失、[[水田]]とのネットワークの分断等によって固有の[[生物相]]が大きく攪乱を受け、漁獲高が激減した種も多い。それらへの対抗策も講じられ、外来種駆除や生態系に配慮した水位操作、内湖の再生など様々な取り組みが行われているが、まだ十分な効果をあげられていない。また、琵琶湖産の稚[[アユ]]は日本各地へ放流され、その為に琵琶湖固有種だけでなく稚アユと共に混獲され放流された[[ハス (魚)|ハス]]などの種が各地で繁殖するという、[[移入種]]を生み出す元ともなっている。 |
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<!--何を対象・出典とした記述か不明なため、とりあえずコメントアウトします。 |
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[[オオクチバス]]や[[ブルーギル]]をはじめとする[[外来種]]の侵入や1992年の琵琶湖水位操作規則の改訂、内湖の消失、[[水田]]とのネットワークの分断等によって固有の[[生物相]]が大きく攪乱を受け、漁獲高が激減した種も多い。それらへの対抗策も講じられ、外来種駆除や生態系に配慮した水位操作、内湖の再生など様々な取り組みが行われているが、まだ十分な効果をあげられていない。また、琵琶湖産の稚[[アユ]]は日本各地へ放流され、その為に琵琶湖固有種だけでなく稚アユと共に混獲され放流された[[ハス (魚)|ハス]]などの種が各地で繁殖するという、[[移入種]]を生み出す元ともなっている。<!--何を対象・出典とした記述か不明なため、とりあえずコメントアウトします。 |
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2019年6月、滋賀県によると2017年度以降減少している可能性がある。例年と比べて大幅に少なかった。南湖の[[刺し網]]で2016年の20分の1、北湖の[[引き網]]では17年度の100分の一しか取れなかった。--> |
2019年6月、滋賀県によると2017年度以降減少している可能性がある。例年と比べて大幅に少なかった。南湖の[[刺し網]]で2016年の20分の1、北湖の[[引き網]]では17年度の100分の一しか取れなかった。--> |
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琵琶湖(内湖を含む)とその湖岸、流入河川の河口に生息する[[鳥類]]は、[[渡り鳥]]なども含めると140種類ほどになる。[[カモ科]]が31種と最も多く、[[シギ科]]・[[サギ科]]・[[カモメ科]]がそれに続く{{sfn|亀田|2001|pp=79-80}}。 |
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=== 魚貝類 === |
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* [[固有種]](魚) |
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:[[ビワコオオナマズ]]、[[イワトコナマズ]]([[ナマズ科]]) |
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:[[ホンモロコ]]、[[ビワヒガイ]]、[[アブラヒガイ]]、[[ハス (魚)|ハス]]、[[ワタカ]]([[コイ科]]) |
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:[[イサザ]]([[ハゼ科]]) |
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:[[ウツセミカジカ]]([[カジカ科]]) |
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* 固有[[亜種]](魚):[[ビワマス]]([[サケ科]])、[[ニゴロブナ]](コイ科) |
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=== 魚貝類 === |
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* [[外来種]](魚):[[オオクチバス]]、[[コクチバス]]、[[ブルーギル]]、[[カムルチー]]([[ライギョ]])、[[レンギョ]] |
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;[[固有種]](魚) |
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:[[ナマズ科]]: [[ビワコオオナマズ]]、[[イワトコナマズ]] |
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:[[コイ科]]: [[ホンモロコ]]、[[ビワヒガイ]]、[[アブラヒガイ]]、[[ハス (魚)|ハス]]、[[ワタカ]] |
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:その他: [[イサザ]]([[ハゼ科]])、[[ウツセミカジカ]]([[カジカ科]]) |
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;固有[[亜種]](魚) |
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:[[ビワマス]]([[サケ科]])、[[ニゴロブナ]](コイ科) |
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;[[外来種]](魚) |
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:[[オオクチバス]]、[[コクチバス]]、[[ブルーギル]]、[[カムルチー]]([[ライギョ]])、[[レンギョ]] |
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=== 無脊椎動物 === |
=== 無脊椎動物 === |
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* 固有種([[プランクトン]]):[[ビワクンショウモ]]、[[ビワツボカムリ]]、[[スズキケイソウ]] |
* 固有種([[プランクトン]]):[[ビワクンショウモ]]、[[ビワツボカムリ]]、[[スズキケイソウ]] |
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== 環境保全 == |
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[[昭和40年代]]、[[高度経済成長]]に伴って湖水の[[水質汚濁]]や[[富栄養化]]が進んだ<ref>{{cite web|url=http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005403107_00000| title=琵琶湖の環境問題| website=[[日本放送協会|NHK]] for School| accessdate=2021-02-09}}</ref>。原因の1つに[[合成洗剤]]、[[リン酸塩]]が挙げられ<ref>{{cite web| url=http://jsda.org/w/01_katud/a_seminar06.html|title=セミナー: もっと良く知ってほしい洗剤|website=[[日本石鹸洗剤工業会|JSDA 日本石鹸洗剤工業会]]|accessdate=2021-02-09}}</ref>、主婦層や女性団体が「[[石鹸]]運動」を起こして対策・改善を求めた<ref>{{Cite web |website=滋賀県 |date=2014年9月11日 |url=https://www.pref.shiga.lg.jp/mizukankyobusiness/106669.html |title=琵琶湖を守る県民の活動、取組|accessdate=2021-02-09}}</ref>。このため滋賀県は独自に[[工業排水]]と[[家庭用排水]]を規制する、いわゆる琵琶湖条例(滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例)を制定するに至った{{sfn|公害防止条例施行規則}}{{sfn|富栄養化の防止に関する条例}}<ref>{{cite web|url=http://www.pref.shiga.lg.jp/d/kankyo/files/rin-senzai-kinshi.pdf|title=りんを含む家庭用合成洗剤の使用の禁止について|archiveurl=https://web.archive.org/web/20181221095820/https://www.pref.shiga.lg.jp/d/kankyo/files/rin-senzai-kinshi.pdf|archivedate=2018-12-21|deadlinkdate=2021-02-09}}</ref>。このほか琵琶湖に関する滋賀県独自の条例としては、「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」や「滋賀県琵琶湖の[[ヨシ]]群落の保全に関する条例」、景観を守るための「ふるさと滋賀の風景を守り育てる条例」などがある。 |
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[[竹生島]](面積0.14km<sup>2</sup>)、[[沖島]](面積1.5km<sup>2</sup>)、[[多景島]]、[[沖の白石]]、[[矢橋帰帆島]]がある。矢橋帰帆島は、下水処理場のために埋め立てて造った[[人工島]]である。 |
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1990年から1991年にかけ[[琵琶湖総合開発事業]]の一環として水質測定施設である南湖湖心局(大津市[[唐崎 (大津市)|唐崎]]沖1.5km)と北湖湖心局(大津市南比良沖4km及び高島市[[今津町 (滋賀県)|今津]]沖3.5km)の3基が設置され、[[水素イオン指数|pH]]値、[[溶存酸素量]]、水温、流速などのデータが自動送信されていた{{sfn|京都新聞|2017}}。しかし、内部の測定機器が老朽化し、必要なデータ量も確保できたとして2006年度までに稼働が停止された。その後も維持費がかかり、船舶の衝突事故のおそれもあることから2018年度に撤去されることとなった{{sfn|京都新聞|2017}}。 |
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== 河川 == |
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=== 流入する主な河川 === |
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琵琶湖には119本の一級河川が流入している<ref>[http://www.pref.shiga.lg.jp/biwako/koai/handbook/ 琵琶湖ハンドブック] 6-1琵琶湖と河川 - 滋賀県</ref>。()内の自治体名は主な流域。 |
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琵琶湖を始めとする[[温帯]]湖沼では、冬季の湖面冷却によって比重が重くなり、湖水の鉛直混合が起こり、湖中下層へ[[酸素]]が供給される(全層循環)。これは「琵琶湖の深呼吸」とも呼ばれる{{sfn|京都新聞|2020}}。近年の琵琶湖では、暖冬によって全層循環が不完全となり、酸素濃度の低下で生物が大量死滅する異常事態が発生している。[[地球温暖化]]が琵琶湖固有種の生態系に影響を及ぼす事例として、研究が進められている<ref>[[京都大学]]生態学研究センター奥田昇『[http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~nokuda/research&education/global%20warming.pro.htm 温暖化が大型淡水湖の循環と生態系に及ぼす影響評価に関する研究]』(2010年12月16日閲覧)。</ref>。2019年4月9日、観測以来初めて全層循環が完了しなかったと判断された{{sfn|京都新聞|2019}}。 |
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* [[野洲川]](やすがわ、[[甲賀市]]、[[湖南市]]、[[野洲市]]、[[栗東市]]、[[守山市]]) |
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* [[日野川 (滋賀県)|日野川]](ひのがわ、[[蒲生郡]]、[[近江八幡市]]) |
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* [[愛知川]](えちがわ、[[愛知郡 (滋賀県)|愛知郡]]、[[東近江市]]) |
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* [[安曇川]](あどがわ、[[高島市]]) |
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* [[鴨川 (滋賀県)|鴨川]](かもがわ、高島市) |
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* [[宇曽川]](うそがわ、愛知郡、[[彦根市]]) |
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* [[犬上川]](いぬかみがわ、[[犬上郡]]、彦根市) |
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* [[芹川 (滋賀県)|芹川]](せりがわ、犬上郡、彦根市) |
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* [[姉川]](あねがわ、[[米原市]]、[[長浜市]]) |
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* [[天野川 (滋賀県)|天野川]](あまのがわ、米原市) |
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* [[余呉川]](よごがわ、長浜市) |
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* [[真野川 (滋賀県)|真野川]](まのがわ、[[大津市]]) |
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ファイル:20080813AnegawaBiwaKo.JPG|[[姉川]][[三角州]] |
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ファイル:20080813AdoGawa.JPG|[[安曇川]]三角州 |
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</gallery> |
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また、琵琶湖の北方に位置する[[福井県]][[若狭湾]]岸には、[[敦賀発電所|敦賀原発]]・[[美浜発電所|美浜原発]]など多数の[[原子力発電所|原発]]が立地する。琵琶湖との最短距離は20キロメートル程度であるため、[[原子力事故|原発事故]]で[[放射能汚染]]されれば水の供給に影響する可能性があると指摘されている<ref>{{cite web|url=http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110715/lcl11071511500007-n1.htm|title=1435万人…原発事故、琵琶湖汚染想定し代替水源検討 関西広域連合|publisher=[[産経新聞|産経ニュース]]|date=2011-07-15|accessdate=2011-11-07|archiveurl=https://web.archive.org/web/20110721235057/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110715/lcl11071511500007-n1.htm|archivedate=2011-07-21}}</ref>。 |
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=== 流出する主な河川 === |
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琵琶湖から流出する河川は[[瀬田川]]の1本のみである<ref name="日経20200212"/>。河川以外では[[琵琶湖疏水]]があり、琵琶湖からの流出水路は2つしかない。 |
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== 自然現象 == |
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* 瀬田川(滋賀県)→[[宇治川]]([[京都府]])→[[淀川]]([[大阪府]]) |
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[[ファイル:Biwako Shinkiro.jpg|thumb|冬の蜃気楼、高島市]] |
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[[ファイル:Site at HIRA ropeway station Shiga,JAPAN.jpg|thumb|北比良峠から琵琶湖を見下ろす]] |
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=== 津波 === |
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滋賀県によると、西岸湖底断層系南部では最大で[[マグニチュード]]7.6の地震が発生し、その場合、4.9メートルの[[津波]]が沖島に到達。また、同断層系北部では最大でマグニチュード7.2の地震が発生し、その場合、[[長浜市]]沿岸に3メートルの津波が到達すると予測している。ただし、「西岸湖底断層系南部は[[活断層]]だが、300年以内に地震が起こる確率はほぼ0%。他の4断層はいずれも活断層ではなく、津波を伴う地震が発生する恐れは極めて小さい」としている<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/west/news/140317/wst1403170024-n1.html|title=「琵琶湖に津波はある?」最大で4・9メートル 滋賀県が試算(1/2ページ)|newspaper=[[産経新聞|産経WEST]]|website=|publisher=産経新聞社|accessdate=2018-12-17|date=2014-03-17}}</ref>。また、1185年7月9日に、実際に津波が発生した可能性がある。塩津港遺跡で発掘調査が行われた際、湖底で神社が発見され、その神社から津波と見られる痕跡が見つかった(柱が全て琵琶湖の岸に傾いていた)。また、『[[山槐記]]』には「琵琶湖の水は北に流れた」、[[鴨長明]]は「山は崩れて川を埋め、海(琵琶湖)は傾いて陸地を浸せり」と書いている<ref>[http://blog.goo.ne.jp/uo4/e/e39c0b9ab0acb7073e500b833f407438 『滋賀民報』]</ref>{{Full citation needed |date=2018-12-17 |title=この出典は新聞記事の転載。転載元の記事の書誌情報は不明。}}。 |
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=== 蜃気楼 === |
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条件が合致すれば初夏には上位[[蜃気楼]]が、秋冬には下位[[蜃気楼]]が観測できることがある<ref>{{Cite web|url=https://style.nikkei.com/article/DGXNASIH22004_S1A420C1AA1P01?channel=DF130120166105&style=1|title=琵琶湖、知られざる蜃気楼の名所|旅行・レジャー|NIKKEI STYLE|website=|publisher=[[日経BP]]社|accessdate=2018-12-17}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20131228000092|title=厳寒、波上ゆらめく琵琶湖に蜃気楼|newspaper=『京都新聞』|date=2013-12-28|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140330064934/http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20131228000092|archivedate=2014-03-30}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://biwako-genryu.shiga.jp/?page_id=885|title=琵琶湖の蜃気楼|website=びわ湖源流の郷|publisher=認定NPO法人eネットびわ湖高島|accessdate=2018-12-17}}</ref>。 |
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* [[大津港 (滋賀県)|大津港]] |
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* [[長浜港 (滋賀県)|長浜港]] |
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* [[彦根港]] |
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* [[竹生島港]] |
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* [[今津港]] |
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* [[沖島]]漁港 |
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* [[長命寺]]港 |
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* [[雄琴温泉|おごと温泉]]港 |
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* 草津[[烏丸半島]]港 |
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* [[琵琶湖大橋]]港 |
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* [[びわ湖大津プリンスホテル|大津プリンスホテル]]港(におの浜観光港) |
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ファイル:Otsu port01s3200.jpg|大津港 |
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ファイル:Nagahama port01s3872.jpg|長浜港 |
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ファイル:Port of imazu01s3200.jpg|今津港 |
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ファイル:Ogoto port Shiga,JAPAN.jpg|おごと温泉港 |
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=== おろしと湖陸風 === |
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[[比良山地]]から琵琶湖に向かって吹く風は[[比良おろし]]と呼ばれ、琵琶湖の[[隆起と沈降|沈降]]と比良山地の[[隆起と沈降|隆起]]により生じた急峻な地形をその要因の一つとする<!--武田2001-->。この比良おろしは、漁船や[[ウィンドサーフィン]]の事故の原因となることも多い{{sfn|武田|2001|pp=95-97}}。 |
|||
[[琵琶湖国定公園]]の指定を機に1950年、滋賀県民からの公募によって「[[琵琶湖八景]]」が選ばれた<ref>[https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/21883.pdf 近江八景・琵琶湖八景]滋賀県(2019年7月19日閲覧)。</ref>。 |
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* 暁霧 - [[海津大崎]]の岩礁(高島市) |
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* 涼風 - 雄松崎の白汀(大津市) |
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* 煙雨 - [[比叡山|比叡]]の樹林(大津市) |
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* 夕陽 - [[瀬田川|瀬田]]・[[石山寺|石山]]の清流(大津市) |
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* 新雪 - [[賤ヶ岳]]の大観(長浜市) |
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* 深緑 - [[竹生島]]の沈影(長浜市) |
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* 月明 - [[彦根城|彦根の古城]](彦根市)- [[彦根八景]]でも選定されている。 |
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* 春色 - [[安土町地域自治区|安土]]・[[近江八幡の水郷|八幡の水郷]](近江八幡市) |
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琵琶湖畔では、陸面に比べ湖面の[[比熱]]が大きいことを要因とした風が発生する<!--武田2001-->。昼間は[[日照]]により陸面の[[気温]]が上昇し[[気圧]]が低くなるため、琵琶湖から陸地に向かって「湖風」が吹く<!--武田2001-->。逆に夜間は陸面のほうが先に冷え気圧が高まるため、陸地から琵琶湖に向かって「陸風」が吹く{{sfn|武田|2001|pp=97-98}}。 |
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ファイル:Biwako123844.jpg|[[海津大崎]] |
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ファイル:Anegawa Biwako.jpg|[[姉川]][[河口]]から |
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ファイル:Chikubu-island 2.jpg|冬の湖北(湖上左寄りは[[竹生島]]) |
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ファイル:Okishima Lake Biwa.jpg|連絡船より見る[[沖島]] |
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ファイル:OkiShimaInBiwaKo.jpg|定期航空機より見る沖島 |
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ファイル:20091015琵琶湖.jpg|琵琶湖空撮 |
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ファイル:20091015琵琶湖沖島.jpg|沖島とその周辺空撮 |
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ファイル:Biwa lake.jpg|[[京阪電気鉄道|京阪]][[坂本比叡山口駅]]の近くより |
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== 文化 == |
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{{節スタブ|date=2021年2月}} |
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水面に現れる周期30分以上の振動(静振)として主に240.9分、71.9分、65.0分、39.8分、32.3分の5種類がある<ref>{{PDFlink|[https://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/kankyo/kankyou/kosyo/tec/pdf/6.5.pdf 琵琶湖の水理・水質特性]}} [[国土交通省]] 湖沼における水理・水質管理の技術</ref>。湖の容量を流入量で割って求めた、全ての水が入れ替わるまでの時間(滞留時間)は5年程度<ref>{{Cite web |format=PDF |url=http://www.biwakokasen.go.jp/others/genjou/pdf/siryou_10.pdf |title=水文(琵琶湖への流入量・滞留時間)|publisher=国土交通省 琵琶湖河川事務所 |accessdate=2018-12-17|archiveurl=https://web.archive.org/web/20150923191144/http://www.biwakokasen.go.jp/others/genjou/pdf/siryou_10.pdf |archivedate=2015-02-23}}</ref>。 |
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=== 景勝・観光地として === |
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琵琶湖には、[[酸素]]を多く含む表面近くの水が湖底近くの水と入れ替わる「全層循環」という現象がある。生物に酸素を供給する働きがあることから「琵琶湖の深呼吸」とも呼ばれる。2020年4月、滋賀県は2年連続で全層循環が確認できなかったと発表した<ref name="京都新聞20200402">[https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/205595 「琵琶湖の深呼吸」全層循環、今年も確認されず 暖冬影響か]『[[京都新聞]]』2020年4月2日朝刊(5面)2020年5月27日閲覧</ref>(「[[#琵琶湖の環境保全|琵琶湖の環境保全]]」でも後述)。 |
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[[室町時代]]ごろに漢詩に読まれる中で定着したものとも、江戸時代初期に[[近衛信尹]]が[[瀟湘八景]]に倣って選定したものともされる[[近江八景]]は、当初は文学的[[モチーフ]]であったが、江戸時代中頃には街道を通行する人が増えたこともあり、『名所記』『[[名所図会]]』といった挿絵入りの旅行案内書や[[浮世絵]]などをつうじて、全国の民衆に膾炙するようになった{{sfn|井上|2013|pp=59-60}}{{sfn|木村|2018|p=58}}。その後、1950年の[[琵琶湖国定公園]]の指定を機に、滋賀県民からの公募によって「[[琵琶湖八景]]」が選ばれている{{sfn|木村|2018|p=59}}。 |
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=== 透明度 === |
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平均透明度は、6mとされている。年により変化があり、水深の浅い南湖では2m程度、水深の深い北湖では4mから6m程度であるが<ref name="水環境の現状"/>、気象条件によっては16mを超える透明度を観測することもある<ref>「[http://shiga-seikyoren.org/action_report/environment/009425.php 『琵琶湖の環境問題の現状と課題対策について]」『滋賀の生協』No.142 (2007.10.6)</ref>。 |
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*[[ビワイチ]] |
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=== 環流 === |
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環流と呼ばれる湖全体を循環する大規模な水流(海洋での[[海流]]に相当)は、1926年に発見され、1960年代から1995年頃にかけて精力的な研究が行われた<ref>戸田孝「[https://doi.org/10.3739/rikusui.75.35 琵琶湖環流の研究史]」『陸水学雑誌』Vol.75 (2014) No.1 p.35-48</ref><ref>{{Cite web |url=http://www.lbm.go.jp/toda/lakegyre/ |title=総説「琵琶湖環流の研究史」補足情報 |website=戸田孝の私設琵琶湖博物館|archiveurl=https://web.archive.org/web/20150626153422/http://www.lbm.go.jp/toda/lakegyre/ |archivedate=2015-01-26 |accessdate=2018-12-17}}</ref><ref>山敷庸亮 ほか「[https://doi.org/10.2208/prohe.44.975 琵琶湖環流の数値シミュレーション]」『水工学論文集』Vol.44 (2000) P.975-980</ref><ref>大西外明、田中総太郎「[https://doi.org/10.2208/prohe1975.25.569 琵琶湖北湖の環流の航空機による観察と解析的考察]」『水理講演会論文集』Vol.25 (1981) P.569-575</ref><ref>森川光郎、岡本巌「[https://doi.org/10.3739/rikusui.21.173 漂流瓶調査による琵琶湖の表面流について]」『陸水学雑誌』Vol.21 (1960) No.3-4 P.173-186</ref>。環流は、2つから3つ程度あり便宜的に北から第1環流(反時計回り)、第2環流(時計回り)、第3環流(反時計回り)<ref name="mat03">{{PDFlink|[https://www.env.go.jp/council/09water/y0910-14/mat03-6.pdf 琵琶湖の水理現象について] 国交省 湖沼における水理・水質管理の技術}}</ref>と呼ばれる。駆動源となるものは海洋における海流と同様に[[コリオリの力]]、風、湖心部と沿岸部との温度差<ref>{{cite journal |和書 |author=大久保賢治 |author2=村本嘉雄 |url=https://doi.org/10.2208/prohe1975.27.185 |title=湖の加熱成層過程と環流 |journal=水理講演会論文集 |volume=27 |date=1983 |pages=185-190}}</ref>気圧などと複雑な要素が考えられ<ref>{{PDFlink|[http://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/kankyo/kankyou/kosyo/tec/pdf/6.5.pdf 琵琶湖の水理・水質特性] 国交省 湖沼における水理・水質管理の技術}}</ref>、季節や気象条件により複雑に変動している。なお、環流は常に3つあるとは限らない<ref name="mat03" />。 |
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=== 作品の題材として === |
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{{main2|近江八景を題材とした作品|近江八景#八景を取り入れた作品}} |
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{{See also|琵琶湖の水止めたろか#背景}} |
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[[京阪神]]の水利用において、琵琶湖は非常に重要である。流出する[[淀川]]は[[京都府]]南部と[[大阪府]]中部を貫いて流れ、また琵琶湖が調節池の役割を果たすことから、年間を通して水量が安定している。1895年、[[大阪市]]において近代的な水道が[[近畿地方]]で初めて引かれて以来、琵琶湖淀川水系の水は上水道をはじめとしてこの地域の水利用を支えてきた。1998年時点で約1,400万人がこの水系の水で生活をしている{{sfn|琵琶湖博物館|1998|pp=68-69}}。このため琵琶湖は「[[近畿地方|近畿]]の水瓶」とも呼ばれるが<ref name="近江八幡市" />、滋賀県側は 「琵琶湖はただの水の入れ物ではない」 との考えからこの表現を避けている<ref>{{Cite web|title=【デスクから】「琵琶湖は、近畿の水がめ」はもうやめよう|url=https://www.sankei.com/west/news/141116/wst1411160010-n1.html|website=産経WEST|accessdate=2021-01-14|language=ja|first=SANKEI DIGITAL|last=INC}}</ref>{{Sfn|野田|2001|pp=232-233}}。 |
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琵琶湖に関連する楽曲としては、[[琵琶湖周航の歌]](高島市には[[琵琶湖周航の歌資料館]]がある)、[[琵琶湖哀歌]]などがある。また、琵琶湖を舞台とした映画としては、[[幻の湖]]<ref group="注">琵琶湖周辺で1年2月に及ぶ長期[[ロケーション撮影|ロケ]]が行なわれた日本映画。[[琵琶湖大橋]]でクライマックスを迎える。</ref>、[[偉大なる、しゅららぼん]]<ref group="注">[[万城目学]]の小説及び2014年春公開の映画。琵琶湖の神から力を授けられた湖の民の話。</ref>、[[マザーレイク]]などが挙げられる。 |
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琵琶湖の水を巡っては古くから上流・下流で論争が絶えず、下流の京都・大阪への対抗心を表すために「[[琵琶湖の水止めたろか]]」というジョークがしばしば用いられる<ref>{{Cite web|title=滋賀県民の言う「琵琶湖の水を止めるで!」……止めるとむしろ大変なことに|url=https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/galaxy021|website=www.e-aidem.com|accessdate=2021-01-14|language=ja}}</ref><ref name="日経2017">{{Cite news|title=もっと関西 琵琶湖 「水止めたろか」実際どうなる…(とことんサーチ)|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21537210W7A920C1AA2P00|accessdate=2021-01-14|newspaper=[[日本経済新聞]]|date=2017-09-26|author=橋立敬生}}</ref>。{{Harvnb|野田|2001|p=232}}は滋賀県・京都府・大阪府の住民を対象にした1995年のアンケート調査を参照し、滋賀県以外の住民は渇水時などには水源として琵琶湖を意識するが、普段はその存在を別段気に留めていないのだと結論づけている。 |
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=== 漁業と食文化 === |
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== 琵琶湖の環境保全 == |
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[[ファイル:Fish from Lake Biwa for sale at a fish store in Otsu, Shiga, Japan.jpg|250px|thumb|鮮魚店で売られる琵琶湖の水産物([[大津市]]内)。]] |
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[[昭和40年代]]、[[高度経済成長]]に伴って湖水の[[水質汚濁]]や[[富栄養化]]が進んだ<ref>[http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005403107_00000 琵琶湖の環境問題]</ref>。原因の1つに[[合成洗剤]]、[[リン酸塩]]が挙げられ<ref>[http://jsda.org/w/01_katud/a_seminar06.html 1) 合成洗剤をとりまく社会状況]</ref>、主婦層や女性団体が「[[石鹸]]運動」を起こして対策・改善を求めた<ref>[http://www.pref.shiga.lg.jp/f/shokokanko/mizukankyobusiness/activity_cont_001.html 琵琶湖を守る県民の活動、取組]</ref>。このため滋賀県は独自に[[工業排水]]と[[家庭用排水]]を規制する、いわゆる琵琶湖条例(滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例)を制定するに至った<ref>[http://www.pref.shiga.lg.jp/jourei/reiki_int/reiki_honbun/k001RG00001105.html 滋賀県公害防止条例施行規則]</ref><ref>[http://www.pref.shiga.lg.jp/jourei/reiki_int/reiki_honbun/k001RG00001109.html 滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例]</ref><ref>[http://www.pref.shiga.lg.jp/d/kankyo/files/rin-senzai-kinshi.pdf りんを含む家庭用合成洗剤の使用の禁止について]</ref>。このほか琵琶湖に関する滋賀県独自の条例としては、「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」や「滋賀県琵琶湖の[[ヨシ]]群落の保全に関する条例」、景観を守るための「ふるさと滋賀の風景を守り育てる条例」などがある。 |
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{{see also|日本の郷土料理一覧#滋賀県}} |
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1990年から1991年にかけ[[琵琶湖総合開発事業]]の一環として水質測定施設である南湖湖心局(大津市[[唐崎 (大津市)|唐崎]]沖1.5km)と北湖湖心局(大津市南比良沖4km及び高島市[[今津町 (滋賀県)|今津]]沖3.5km)の3基が設置され、[[水素イオン指数|pH]]値、[[溶存酸素量]]、水温、流速などのデータが自動送信されていた<ref name="kyoto20170420">{{Cite news|url=http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20170420000069|title=琵琶湖の「UFO」撤去へ 水質測定施設、老朽化で|newspaper =『京都新聞』|date=2017-04-20|accessdate=2018-03-10|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180418173823/http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20170420000069 |archivedate=2018-04-18}}</ref>。しかし、内部の測定機器が老朽化し、必要なデータ量も確保できたとして2006年度までに稼働が停止された。その後も維持費がかかり、船舶の衝突事故のおそれもあることから2018年度に撤去されることとなった<ref name="kyoto20170420"/>。 |
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[[#生物相|前述]]のとおり、琵琶湖には多様な魚介類が生息しており、それらは1万年以上前から利用されてきた{{sfn|大沼|2013a|p=200}}。魚介類の多様さに加え、漁場の環境も岩場・砂浜・内湖・沖合と多様であり、また淡水であるため魚が湖と河川を行き来することも要因とし、漁法もまた多様かつ独特のものとなっている{{Sfn|近江水の宝||p=|loc=[https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/2042814.pdf びわ湖の伝統的漁法]}}{{sfn|中藤|2011}}{{sfn|大沼|2013a|p=201}}。その中でもとくに「待ち(型)の漁法」の発達と新規漁具の制限が特徴として挙げられる{{sfn|大沼|2013a|p=203}}{{Sfn|近江水の宝||p=|loc=[https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/2042814.pdf びわ湖の伝統的漁法]}}。これは、積極的・新進的な漁法を用いることによる資源の枯渇を避けるための、閉鎖水域である琵琶湖ならではの知恵である{{sfn|中藤|2011}}{{sfn|大沼|2013a|p=203}}。 |
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琵琶湖を始めとする[[温帯]]湖沼では、冬季の湖面冷却によって比重が重くなり、湖水の鉛直混合が起こり、湖中下層へ[[酸素]]が供給される(全層循環)。これは「琵琶湖の深呼吸」とも呼ばれる<ref name="京都新聞20200402"/>。近年の琵琶湖では、暖冬によって全層循環が不完全となり、酸素濃度の低下で生物が大量死滅する異常事態が発生している。[[地球温暖化]]が琵琶湖固有種の生態系に影響を及ぼす事例として、研究が進められている<ref>[[京都大学]]生態学研究センター奥田昇『[http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~nokuda/research&education/global%20warming.pro.htm 温暖化が大型淡水湖の循環と生態系に及ぼす影響評価に関する研究]』(2010年12月16日閲覧)。</ref>。2019年4月9日、観測以来初めて全層循環が完了しなかったと判断された<ref>{{Cite web|title=「琵琶湖の深呼吸」確認できず 観測以来初、魚介類の大量死懸念|url=https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/6443|website=|accessdate=2019-10-21|language=|publisher=『京都新聞』}}</ref>。 |
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固有種を含む琵琶湖の魚介類は、伝統的な食材として、2013年現在においても盛んに食されている<!--{{sfn|大沼|2013b|p=207}}-->。[[淡水魚]]の[[生食]]を忌避する日本においては珍しく、[[ビワマス]]・[[イワトコナマズ]]・[[ニゴロブナ]]や[[ゲンゴロウブナ]]・[[ハス (魚)|ハス]]などは「[[刺し身|造り]]」としても食される{{sfn|大沼|2013b|p=207}}。このほか「ジュンジュン」と呼ばれる[[すき焼き]]・[[寄せ鍋]]や[[焼き物 (料理)|焼き物]]、[[佃煮]]などとしても食される{{sfn|大沼|2013b|p=209}}。また、滋賀県では[[発酵食品]]が発展しており、[[鮒寿司]]をはじめとする[[なれずし]]も作られる{{sfn|堀越|2018|p=16}}{{sfn|小島|2018|p=19}}。 |
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また、琵琶湖の北方に位置する[[福井県]][[若狭湾]]岸には、[[敦賀発電所|敦賀原発]]・[[美浜発電所|美浜原発]]など多数の[[原子力発電所|原発]]が立地する。琵琶湖との最短距離は20キロメートル程度であるため、[[原子力事故|原発事故]]で[[放射能汚染]]されれば水の供給に影響する可能性があると指摘されている<ref>{{cite web|url=http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110715/lcl11071511500007-n1.htm |title=1435万人…原発事故、琵琶湖汚染想定し代替水源検討 関西広域連合 |publisher=[[産経新聞|産経ニュース]] |date=2011-07-15 |accessdate=2011-11-07|archiveurl=https://web.archive.org/web/20110721235057/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110715/lcl11071511500007-n1.htm |archivedate=2011-07-21}}</ref>。 |
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=== 年中行事・イベント === |
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== 琵琶湖での自然現象 == |
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[[File:第38回鳥人間コンテスト_(20027495056).jpg|thumb|鳥人間コンテスト]] |
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[[ファイル:Biwako Shinkiro.jpg|250px|thumb|冬の蜃気楼、高島市]] |
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*[[びわ湖開き]] |
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=== 津波 === |
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* [[伊崎寺#伊崎の棹飛び|伊崎の棹飛び]] |
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滋賀県によると、西岸湖底断層系南部では最大で[[マグニチュード]]7.6の地震が発生し、その場合、4.9メートルの[[津波]]が沖島に到達。また、同断層系北部では最大でマグニチュード7.2の地震が発生し、その場合、[[長浜市]]沿岸に3メートルの津波が到達すると予測している。ただし、「西岸湖底断層系南部は[[活断層]]だが、300年以内に地震が起こる確率はほぼ0%。他の4断層はいずれも活断層ではなく、津波を伴う地震が発生する恐れは極めて小さい」としている<ref>{{Cite news |url=https://www.sankei.com/west/news/140317/wst1403170024-n1.html |title=「琵琶湖に津波はある?」最大で4・9メートル 滋賀県が試算(1/2ページ) |newspaper=[[産経新聞|産経WEST]] |website= |publisher=産経新聞社 |accessdate=2018-12-17 |date=2014-03-17}}</ref>。また、1185年7月9日に、実際に津波が発生した可能性がある。塩津港遺跡で発掘調査が行われた際、湖底で神社が発見され、その神社から津波と見られる痕跡が見つかった(柱が全て琵琶湖の岸に傾いていた)。また、『[[山槐記]]』には「琵琶湖の水は北に流れた」、[[鴨長明]]は「山は崩れて川を埋め、海(琵琶湖)は傾いて陸地を浸せり」と書いている<ref>[http://blog.goo.ne.jp/uo4/e/e39c0b9ab0acb7073e500b833f407438 『滋賀民報』]</ref>{{Full citation needed |date=2018-12-17 |title=この出典は新聞記事の転載。転載元の記事の書誌情報は不明。}}。 |
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* [[鳥人間コンテスト選手権大会]]([[讀賣テレビ放送|ytv読売テレビ]]の主催で彦根市にて開催) |
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* 水上歩行コンテスト(NWWA[[日本ウォーターウォーク協会]]の主催で大津市にて開催) |
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* [[びわ湖大花火大会]] |
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===スポーツやレジャー=== |
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=== 蜃気楼 === |
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瀬田川を中心とし複数の艇庫があり、毎年5月には[[琵琶湖漕艇場]]で日本最大級の[[競技ボート|ボート]]大会である[[朝日レガッタ]]が開催される<!--山脇2018-->。[[カヌー]]や[[ドラゴンボート]]、[[ソーラーボート]]の競技もおこなわれる他、[[ヨット]]、[[スタンドアップパドル・サーフィン]]などを楽しむこともできる{{sfn|山脇|2018|pp=30-31}}。 |
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条件が合致すれば初夏には上位[[蜃気楼]]が、秋冬には下位[[蜃気楼]]が観測できることがある<ref>{{Cite web |url=https://style.nikkei.com/article/DGXNASIH22004_S1A420C1AA1P01?channel=DF130120166105&style=1 |title=琵琶湖、知られざる蜃気楼の名所|旅行・レジャー|NIKKEI STYLE |website= |publisher=[[日経BP]]社 |accessdate=2018-12-17}}</ref><ref>{{Cite news |url=http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20131228000092 |title=厳寒、波上ゆらめく琵琶湖に蜃気楼 |newspaper=『京都新聞』 |date=2013-12-28 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20140330064934/http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20131228000092 |archivedate=2014-03-30}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://biwako-genryu.shiga.jp/?page_id=885 |title=琵琶湖の蜃気楼 |website=びわ湖源流の郷 |publisher=認定NPO法人eネットびわ湖高島 |accessdate=2018-12-17}}</ref>。 |
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* [[びわこ競艇場]] |
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== 琵琶湖の表記等 == |
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=== 表記 === |
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「琵」「琶」が[[当用漢字]]・[[常用漢字]]外であることから、滋賀県内では[[平仮名|ひらがな]]書きにした「'''びわこ'''」「'''びわ湖'''」という表記も数多く見られる。かつては「[[びわ町]]」という自治体も存在した。 |
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* 「びわこ」の例 |
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*: [[びわこ銀行]]、[[びわこ競艇場]]、[[大津びわこ競輪場]]、[[MIOびわこ滋賀]]、[[びわこ成蹊スポーツ大学]]、[[東びわこ農業協同組合]]、[[びわこ学院大学]]など |
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* 「びわ湖」の例 |
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*: [[びわ湖放送]]、[[びわ湖ホール]]、[[びわ湖環境ビジネスメッセ]]、[[びわ湖毎日マラソン]]、[[びわ湖大学駅伝]]など |
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=== 教育・研究における利用 === |
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=== キャッチコピー === |
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[[File:大津港から出港する学習船「うみのこ(2代)」.jpg|thumb|学習船「うみのこ」(2代目)。]] |
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*[[滋賀県庁]]は琵琶湖を別称として'''Mother Lake'''と呼んでおり{{efn2|滋賀県庁ホームページ左上部に琵琶湖の地形ロゴとして掲示されている<ref>{{Cite web |url=http://www.pref.shiga.lg.jp/ |title=滋賀県公式ホームページへようこそ |website= |publisher=滋賀県 |accessdate=2018-12-17}}</ref>。}}、'''「Mother Lake 母なる湖、琵琶湖。預かっているのは滋賀県です。」'''の[[キャッチコピー]]を封筒などに記載している。 |
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* [[滋賀県立びわ湖フローティングスクール]] |
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=== 表記や別称 === |
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[[File:BiwakoBank_Honten-111.jpg|thumb|旧びわこ銀行本店]] |
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琵琶湖に接する自治体は次のとおり(北から時計回り)。右記は、市町村ごとの琵琶湖の面積(単位:km<sup>2</sup>)<ref name="menseki"/>。 |
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;びわこ・びわ湖 |
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:「琵」「琶」が[[当用漢字]]・[[常用漢字]]外であることから、滋賀県内では[[平仮名|ひらがな]]書きにした「'''びわこ'''」「'''びわ湖'''」という表記も数多く見られる。かつては「[[びわ町]]」という自治体も存在した。 |
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:*; 「びわこ」の例 |
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|style="vertical-align:top"| |
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:*: {{hlist-comma|[[びわこ銀行]]|[[びわこ競艇場]]|[[大津びわこ競輪場]]|[[MIOびわこ滋賀]]|[[びわこ成蹊スポーツ大学]]|[[東びわこ農業協同組合]]|[[びわこ学院大学]]など}} |
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* [[長浜市]] - 141.39 |
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:<!-- この行は、li分割用につき、除去しないでください --> |
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* [[米原市]] - 27.32 |
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:*; 「びわ湖」の例 |
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* [[彦根市]] - 98.59 |
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:*: {{hlist-comma|[[びわ湖放送]]|[[びわ湖ホール]]|[[びわ湖環境ビジネスメッセ]]|[[びわ湖毎日マラソン]]|[[びわ湖大学駅伝]]など}} |
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* [[東近江市]] - 5.15 |
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* [[近江八幡市]] - 76.03 |
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|style="vertical-align:top"| |
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* [[野洲市]] - 19.58 |
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* [[守山市]] - 10.16 |
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* [[草津市]] - 19.17 |
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* [[大津市]] - 89.91 |
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* [[高島市]] - 181.93 |
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|} |
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;Mother Lake |
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=== 境界の設定 === |
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:[[滋賀県庁]]は琵琶湖を別称として'''Mother Lake'''と呼んでおり{{efn2|滋賀県庁ホームページ左上部に琵琶湖の地形ロゴとして掲示されている<ref>{{Cite web |url=http://www.pref.shiga.lg.jp/ |title=滋賀県公式ホームページへようこそ |website= |publisher=滋賀県 |accessdate=2018-12-17}}</ref>。}}、'''「Mother Lake 母なる湖、琵琶湖。預かっているのは滋賀県です。」'''の[[キャッチコピー]]を封筒などに記載している。 |
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琵琶湖の市町境界については、かつて、どの市町にも組み入れられていなかった。2007年5月8日、沿岸の各自治体による共同会議において境界の設定に合意し、各自治体の議会の同意を得た上で[[総務省]]に届け出を行い、9月28日付で『[[官報]]』に確定が公示された<ref>[http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2007/pdf/070928_3.pdf 琵琶湖における市町の境界確定(PDF)] - 総務省{{リンク切れ|date=2018-12-17}}</ref><ref>{{cite news |url=http://www.asahi.com/politics/update/0508/TKY200705080343.html |title=琵琶湖「分割」に14自治体合意 初めて帰属決まる |newspaper=[[朝日新聞デジタル|asahi.com]] |publisher=朝日新聞社 |date=2007-05-08|archiveurl=https://web.archive.org/web/20070511044629/http://www.asahi.com:80/politics/update/0508/TKY200705080343.html |archivedate=2007-05-11}}</ref> |
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<!--リンク切れ |
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<ref>[http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007050900036&genre=A2&area=S00 琵琶湖境界線を合意 関係14市町検討会議 交付税増の半額を保全に] - 京都新聞(2007年5月9日付)</ref> |
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-->。 |
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;近畿の水瓶 |
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境界確定の目的は主に[[地方交付税交付金]]の増額である。また、増額された交付金の半分は琵琶湖の保全に使われることが発表されている<ref>[http://www.pref.shiga.lg.jp/kouhyo/chougi/190515/files/s01.pdf 琵琶湖における市町境界の確定について](PDF) - 滋賀県</ref>。 |
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:琵琶湖は[[#水利用|上述]]のように滋賀・京都・大阪に水を供給していることから「近畿の水瓶」などと呼ばれることもある。しかし滋賀県側は、1995年は[[稲葉稔 (政治家)|稲葉稔]]知事が「水瓶」との表現に抗議する答弁をおこなうなど、琵琶湖を「水瓶」と呼ぶ表現を避けている{{sfn|産経|2014}}。これは、滋賀県民にとって自県の象徴的存在である琵琶湖を、いわばたんなる貯水用ダムの一種として扱われては県民感情を大きく損なうとの理由によるものである{{sfn|野田|2001|pp=232-233}}。 |
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== 関連する事件・事故 == |
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; 零戦不時着事故 |
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太平洋戦争の終戦間際に[[零式艦上戦闘機]](零戦)六二型が琵琶湖に不時着した<ref>{{Cite |
:太平洋戦争の終戦間際に[[零式艦上戦闘機]](零戦)六二型が琵琶湖に不時着した{{sfn|時事通信|2012}}。[[昭和53年]]、湖底に沈んでいた零戦が引き上げられ[[京都嵐山美術館]]が修復、その後は[[和歌山県]]「[[ゼロパーク]]」、[[広島県]]「[[大和ミュージアム]]」と引き渡され、展示された<ref>{{Cite web |url=https://wetwing.com/classic/yamato_zero/yamatoindex.html |title=大和ミュージアムの零戦62型 |website= |publisher= |accessdate=2018-12-17}}</ref>。 |
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;水難事故 |
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[[昭和53年]]、湖底に沈んでいた零戦が引き上げられ[[京都嵐山美術館]]が修復、その後は[[和歌山県]]「[[ゼロパーク]]」、[[広島県]]「[[大和ミュージアム]]」と引き渡され、展示された<ref>{{Cite web |url=https://wetwing.com/classic/yamato_zero/yamatoindex.html |title=大和ミュージアムの零戦62型 |website= |publisher= |accessdate=2018-12-17}}</ref>。 |
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:* 1941年には[[琵琶湖遭難事故]]が起こっている。 |
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:* 滋賀県内の水難事故の3分の1が大津市消防局管内で発生している<!-- 産経2017 -->。大津市消防局が平成27年に出動した水難救助件数は21件で、救助件数全体に占める割合は9%であり全国平均の4.4%の2倍以上となっている{{sfn|産経|2017}}。 |
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=== 水難事故 === |
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滋賀県内の水難事故の3分の1が大津市消防局管内で発生している<ref name="n2" />。大津市消防局が平成27年に出動した水難救助件数は21件で、救助件数全体に占める割合は9%であり全国平均の4.4%の2倍以上となっている<ref name="n2">{{Cite news |url=https://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/170109/lif17010909080002-n2.html |title=「湖猿」水難救助隊の活躍 実は怖い琵琶湖の水難事故、難度の高い危険な任務 |newspaper=[[産経新聞]] |page=2 |publisher=産経新聞社 |accessdate=2020-07-12 |date=2017-01-09}}</ref>。 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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{{脚注ヘルプ}} |
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=== 注釈 === |
=== 注釈 === |
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{{Notelist2}} |
{{Notelist2|2}} |
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=== 出典 === |
=== 出典 === |
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{{Reflist| |
{{Reflist|30em}} |
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== 参考文献 ==<!--以下の「:」のみの行を削除しないでください([[Help:箇条書き#定義の箇条書き中の箇条書き]])--> |
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== 参考文献 == |
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* {{cite book |和書 |title=滋賀県立琵琶湖博物館総合案内 |editor=[[滋賀県立琵琶湖博物館]] |publisher=滋賀県立琵琶湖博物館 |date=1998-03 |ref={{SfnRef|琵琶湖博物館|1998}} }} |
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; 書籍 |
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* {{cite journal |和書 |url=http://www.japan-mirage.org/kenkyu/H16/H16_03.pdf |title=琵琶湖北湖における上位蜃気楼 |author=松井一幸 |journal= |publisher=日本蜃気楼協議会}} |
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:* {{cite book|和書|title=福井県史 通史編6(近現代2)|publisher=福井県|editor=福井県|year=1996|ref=harv|date=1996-03|doi=10.11501/9541070|isbn=493877206X|url=https://www.library-archives.pref.fukui.lg.jp/fukui/07/kenshi/T6/T6-00.htm}}<!-- 福井県のウェブサイトのもののみ確認しているので、書籍と同内容かなど要確認 --> |
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*{{Cite book|和書|title=知ってますかこの湖を ― 琵琶湖を語る50章|date=2001年11月10日|year=2001|publisher=サンライズ出版|editor=琵琶湖百科編集委員会|isbn=4-88325-092-X|chapter=琵琶湖は「みずがめ」か? ― 下流からのまなざし|last=野田|first=浩資|pages=232-233|ref=harv}} |
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:* {{cite book |和書|title=滋賀県立琵琶湖博物館総合案内 |editor=[[滋賀県立琵琶湖博物館]] |publisher=[[滋賀県立琵琶湖博物館]] |date=1998-03 |ref={{SfnRef|琵琶湖博物館|1998}} |pages=}} |
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:* {{Cite book|和書|title=知ってますかこの湖を ― 琵琶湖を語る50章|date=2001年11月10日|year=2001|publisher=[[サンライズ出版]]|editor=琵琶湖百科編集委員会|isbn=4-88325-092-X}} |
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:** {{wikicite|ref={{sfnref|亀田|2001}}|reference=亀田, 佳代子「鳥を通してつながる世界」79-84頁。}} |
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:** {{wikicite|ref={{sfnref|武田|2001}}|reference=武田, 栄夫「恐ろしさと穏やかさと ― 変化に富む琵琶湖周辺の風」93-98頁。}} |
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:** {{wikicite|ref={{sfnref|遊磨|2001}}|reference=遊磨, 正秀「河川と水田」111-116頁。}} |
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:** {{wikicite|ref={{SfnRef|牧野|2001}}|reference=牧野, 厚史「暮らしからみた水利用の変遷」201-206頁。}} |
|||
:**{{wikicite|ref={{SfnRef|野田|2001}}|reference=野田, 浩資「琵琶湖は『みずがめ』か? ― 下流からのまなざし」232-233頁。}} |
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:* {{cite book|和書|isbn=978-4-06-216468-9|title=地球診断 : 今、地上で何が起きているのか? : 社会がわかる環境問題が見える|last=太田|first=弘|last2=齊藤|first2=忠光|ref=harv|date=2010-10-16|year=2010|publisher=[[講談社]]}} |
|||
:* {{Cite book|和書|isbn=978-4829911914|title=生命の湖 琵琶湖をさぐる|publisher=[[文一総合出版]]|date=2011-04-05|ref=harv||year=2011|editor=[[滋賀県立琵琶湖博物館]]}} |
|||
:**{{Wikicite|ref={{sfnref|中藤|2011}}|reference=中藤, 容子「琵琶湖で発達した待ちの漁法」158-159頁。}} |
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:**{{Wikicite|ref={{SfnRef|中川|2011}}|reference=中川, 元男「琵琶湖の洪水対策」「琵琶湖の水利用」「琵琶湖の水位管理」188-193頁。}} |
|||
:* {{Cite book|和書|title=琵琶湖ハンドブック|date=2012-3|year=2012|publisher=滋賀県|edition=改訂版|ncid=BB09098661|chapter=トピック 琵琶湖の最深部は?|last=熊谷|first=道夫|ref=harv}}<!--三訂版には未収録--> |
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:*{{Citebook|和書|title=滋賀県謎歩き散歩|year=2013|publisher=[[中経出版]]|editor=[[中井均]]|isbn=978-4-8061-4729-9|date=2013年5月11日|editorlink=中井均}} |
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:** {{Wikicite|ref={{sfnRef|井上|2013}}|reference=井上, 優「景勝地 ―『近江八景』とは」59-63頁。}} |
|||
:** {{Wikicite|ref={{sfnRef|松田|2013}}|reference=松田, 征也「日本一の規模を誇る ― 琵琶湖数字のトリビア」186-187頁。}} |
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:** {{Wikicite|ref={{sfnRef|大道|2013}}|reference=大道, 和人「『琵琶湖の子ども』とは ― 琵琶湖を護り、生き物を育む内湖」191-193頁。}} |
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:** {{Wikicite|ref={{sfnRef|大沼|2013a}}|reference=大沼, 芳幸「琵琶湖は伝統漁法の博物館 ― 華麗なる伝統漁法」200-203頁。}} |
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:** {{Wikicite|ref={{sfnref|大沼|2013b}}|reference=大沼, 芳幸「美味なる魚食文化 ― 近江の人は固有種を食べる」207-209頁。}} |
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:** {{Wikicite|ref={{sfnRef|市川|2013}}|reference=市川, 秀之「琵琶湖から水田に水を引く知恵とは?」267-269頁。}} |
|||
:* {{Cite book|和書|title=琵琶湖ハンドブック|date=2018-3|year=2018|publisher=滋賀県|edition=三訂版|url=https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kankyoshizen/biwako/11346.html|accessdate=2021年1月21日|ncid=BB25911621}} |
|||
:**{{Wikicite|ref={{SfnRef|堀越|2018}}|reference=堀越, 昌子「[https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/21997.pdf 食文化]」16-17頁。}} |
|||
:**{{Wikicite|ref={{SfnRef|小島|2018}}|reference=小島, 朝子「[https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/21998.pdf トピック: 湖魚料理]」19頁。}} |
|||
:**{{Wikicite|ref={{SfnRef|山脇|2018}}|reference=山脇, 秀錬「[https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/22004.pdf 湖上のレジャー]」30-31頁。}} |
|||
:**{{Wikicite|ref={{SfnRef|木村|2018}}|reference=木村, 至宏「[https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/22018.pdf 近江八景と琵琶湖八景]」58-59頁。}} |
|||
:**{{Wikicite|ref={{SfnRef|流域政策局|2018}}|reference=流域政策局「[https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/22098.pdf 琵琶湖と河川]」218-219頁。}} |
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: |
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; 論文 |
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:* {{cite journal|和書|last=森川 |first=光郎 |last2=岡本 |first2=巌|authorlink2=岡本巌|title=漂流瓶調査による琵琶湖の表面流について|journal=陸水学雑誌|volume=21|issue=3-4|publisher=[[日本陸水学会]]|year=1960|date=1960-11-30|ref=harv|doi=10.3739/rikusui.21.173|issn=0021-5104|pages=173-186}} |
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:* {{cite journal|和書|last=大西 |first=外明 |last2=田中 |first2=総太郎|title=琵琶湖北湖の環流の航空機による観察と解析的考察|journal=水理講演会論文集|publisher=[[土木学会]]|issn=0913-4131|ref=harv|volume=25|year=1981|date=1981-01-10|pages=569-575|doi=10.2208/prohe1975.25.569}} |
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:* {{cite journal|和書|last=大久保|first=賢治|year=1983|title=湖の加熱成層過程と環流|doi=10.2208/prohe1975.27.185|journal=水理講演会論文集|volume=27|pages=185-190|last2=村本|first2=嘉雄|publisher=[[土木学会]]|date=1983-01-17|issn=0913-4131|ref=harv}} |
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:* {{Cite journal|和書|last=植村 |first=善博|last2=太井子 |first2=宏和|title=琵琶湖湖底の活構造と湖盆の変遷|doi=10.4157/grj1984a.63.11_722|year=1990|date=1990-11-01|journal=地理学評論 Ser. A|publisher=[[日本地理学会]]|volume=63|issue=11|pages=722-740|ref=harv|issn=0016-7444}} |
|||
:* {{Cite journal|和書|last=竹林|author=|first=征三|author-link=竹林征三|last2=今井|first2=範雄|year=1995|date=1995/06/09|title=琵琶湖の歴史洪水と瀬田川浚渫についての土木史的研究|journal=土木史研究|volume=15|page=|pages=409-423|publisher=[[土木学会]]|ref=harv|ISSN=1884-8141|DOI=10.2208/journalhs1990.15.409}} |
|||
:*{{Cite journal|和書|last=三谷|author=|first=健太郎|year=1997|date=1997/08/30|title=琵琶湖総合開発事業の概要と成果|url=|journal=環境技術|volume=49|issue=6|page=|pages=519-523|publisher=環境技術学会|ref=harv|DOI=10.5956/jriet.26.519|ISSN=1882-8590}} |
|||
:* {{cite journal|和書|last=山敷|first=庸亮|last2=松井|first2=三郎|authorlink2=松井三郎 (環境工学者)|last3=禰津|first3=家久|last4=熊谷|first4=道夫|year=2000|date=2000-02-10|title=琵琶湖環流の数値シミュレーション|journal=水工学論文集|publisher=[[土木学会]]|pages=975-980|volume=44|ref=harv|doi=10.2208/prohe.44.975|issn=0916-7374}} |
|||
:* {{cite journal|和書|last=戸田|first=孝|year=2013|date=2013-07-09|title=琵琶湖環流の研究史|journal=陸水学雑誌|volume=75|issue=1|publisher=[[日本陸水学会]]|pages=35-48|doi=10.3739/rikusui.75.35|issn=0021-5104|ref=harv}} |
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: |
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; 法令など |
|||
:* {{Cite web |website=滋賀県 |url=https://www.pref.shiga.lg.jp/site/jourei/reiki_int/reiki_honbun/k001RG00001105.html |title=滋賀県公害防止条例施行規則 |accessdate=2021-02-09| ref={{sfnref|公害防止条例施行規則}}}} |
|||
:* {{Cite web |website=滋賀県 |url=https://www.pref.shiga.lg.jp/site/jourei/reiki_int/reiki_honbun/k001RG00001109.html |title=滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例 |accessdate=2021-02-09| ref={{sfnref|富栄養化の防止に関する条例}}}} |
|||
: |
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; 行政資料など |
|||
:* {{Cite book|和書|title=湖沼環境保全対策及び適正技術に関する調査研究|year=1990|date=1990年3月|publisher=国際協力事業団国際協力総合研修所|ref=harv|editor=国際協力総合研究所|chapter=第2章 滋賀県の自然環境と社会・経済環境|chapterurl=https://openjicareport.jica.go.jp/pdf/10842979_02.pdf|accessdate=2021-02-09}} |
|||
:* {{Cite book|和書|title=水環境保全技術研修マニュアル: 総論|date=1998年3月|year=1998|publisher=海外環境協力センター|chapter=第18章 琵琶湖|chapterurl=https://www.env.go.jp/earth/coop/coop/document/04-wpctmj1/04-wpctmj1-18.pdf|last=大久保|first=卓也|pages=245-270|url=https://www.env.go.jp/earth/coop/coop/document/04-wpctmj1/contents.html|ref=harv}} |
|||
:* {{cite book|和書|title=湖沼における水理・水質管理の技術|year=2007|month=3|publisher=湖沼技術研究会|ref={{sfnref|湖沼技術研究会|2007}}|chapter=琵琶湖の水理・水質特性|url=https://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/kankyo/kankyou/kosyo/tec/index.html|chapterurl=https://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/kankyo/kankyou/kosyo/tec/pdf/6.5.pdf}} |
|||
:* {{cite web|archiveurl=https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3192936/www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2007/pdf/070928_3.pdf|archivedate=2011|deadlink=2021-02-10|title=報道資料 琵琶湖における市町の境界確定|website=[[総務省]]|date=2007-09-28|ref={{sfnref|総務省|2007}}|url=https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2007/pdf/070928_3.pdf}} |
|||
:* {{cite web|work=[https://www.env.go.jp/council/09water/y0910-14b.html 中央環境審議会水環境部会 水生生物保全環境基準類型指定専門委員会(第14回) 議事次第・資料]|title=資料3-5 琵琶湖の水理現象について|website=[[環境省]]|url=https://www.env.go.jp/council/09water/y0910-14/mat03-6.pdf|accessdate=2021-02-10|ref={{sfnref|水環境部会|2008}}|date=2008-11-26}} |
|||
:* {{Cite book|和書|title=滋賀県水道ビジョン|year=2019|month=3|publisher=滋賀県|ref={{sfnref|滋賀県|2019}}|url=https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5138476.pdf}} |
|||
:* {{Cite book|和書|title=平成30年度 水道局事業年報|date=2020年2月|publisher=[[大阪市水道局]]|chapter=第4編 水資源|url=https://www.city.osaka.lg.jp/suido/page/0000496406.html|chapterurl=https://www.city.osaka.lg.jp/suido/cmsfiles/contents/0000496/496406/R20302_08.pdf|pages=96-97|ref={{sfnref|大阪市水道局|2020}}}} |
|||
:*{{Cite book|和書|title=滋賀の環境2019(令和元年環境白書)|year=2020|publisher=滋賀県琵琶湖環境部環境政策課|pages=|month=3|date=|ref={{sfnref|環境政策課|2020}}|url=https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kankyoshizen/kankyou/310448.html|chapter=巻末資料2 滋賀県・琵琶湖の特徴|chapterurl=https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5162104.pdf}} |
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: |
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;ニュース記事 |
|||
:* {{Cite web|url=https://www.jiji.com/jc/d4?p=zft812-dc0527339&d=d4_mili|title=零式艦上戦闘機 写真特集 |website=[[時事通信]]|accessdate=2020-07-12 |date=2012-05-26|ref={{sfnref|時事通信|2012}}}} |
|||
:* {{Cite web|title=【デスクから】「琵琶湖は、近畿の水がめ」はもうやめよう|url=https://www.sankei.com/west/news/141116/wst1411160010-n1.html|website=[[産経新聞|産経]]WEST|accessdate=2021-01-21|first=宏之|last=小林|date=2014.11.16|ref={{sfnref|産経|2014}}}} |
|||
:* {{Cite web|title=観光船運航、採算が課題 琵琶湖疏水、観光潤す(1)|url=https://www.nikkei.com/article/DGXLASJB06H4J_W5A100C1960E00|website=[[日本経済新聞]]|date=2015-01-14|accessdate=2021-01-17|language=ja|ref={{sfnref|日経|2015}}}} |
|||
:* {{Cite web |url=https://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/170109/lif17010909080002-n2.html |title=「湖猿」水難救助隊の活躍 実は怖い琵琶湖の水難事故、難度の高い危険な任務 |website=[[産経新聞]] |page=2 |accessdate=2020-07-12 |date=2017-01-09|ref={{sfnref|産経|2017}}}} |
|||
:* {{Cite web|url=http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20170420000069|title=琵琶湖の「UFO」撤去へ 水質測定施設、老朽化で|website=[[京都新聞]]|date=2017-04-20|accessdate=2018-03-10|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180418173823/http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20170420000069|archivedate=2018-04-18|ref={{sfnref|京都新聞|2017}}|deadlink=2021-02-10}} |
|||
:* {{Cite news|title=もっと関西 琵琶湖 「水止めたろか」実際どうなる…(とことんサーチ)|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21537210W7A920C1AA2P00|accessdate=2021-01-14|newspaper=[[日本経済新聞]]|date=2017-09-26|last=橋立|first=敬生|ref={{sfnref|日経|2017}}}} |
|||
:* {{Cite web|title=「琵琶湖の深呼吸」確認できず 観測以来初、魚介類の大量死懸念|url=https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/6443|website=[[京都新聞]]|accessdate=2019-10-21|deadlink=2021-02-10|archiveurl=https://web.archive.org/web/20200208191606/https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/6443|archivedate=2020-02-08|date=2019-04-09|ref={{sfnref|京都新聞|2019}}}} |
|||
:* {{Cite web |last=石田|first=弘子|website=[[日本経済新聞]] |date=2020年2月12日 |url=https://www.nikkei.com/article/DGKKZO55456960Q0A210C2BC8000/ |title=琵琶湖の治水 歴史すくう ― 庄屋3代、命懸けの闘い 古文書ひもとき伝える |accessdate=2021-02-10|ref={{sfnref|日経|2020}}}} |
|||
:* {{Cite web|website=[[京都新聞]] |date=2020年4月2日 |url=https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/205595 |title=「琵琶湖の深呼吸」全層循環、今年も確認されず 暖冬影響か |accessdate=2020年5月27日|ref={{sfnref|京都新聞|2020}}}} |
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: |
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;配布物 |
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:* {{cite journal|和書|journal=[https://www.lberi.jp/read/publications/ohmia オウミア]|title=[https://www.lberi.jp/app/webroot/files/03yomu/03-01kankoubutsu/03-01-02biwakomirai/files/files/77.pdf 固有魚類のゆりかご-内湖-の復元に向けて]|issue=77|year=2003|month=8|publisher=[[滋賀県琵琶湖研究所]]|ref={{sfnref|滋賀県琵琶湖研究所|2003}}}} |
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== 関連項目 == |
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* 湖沼に関する記事 |
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** [[湖沼の一覧]] |
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** [[湖沼の一覧 (面積順)]] |
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* 琵琶湖および周辺の地勢に関する記事 |
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** [[日本の秘境100選]]([[竹生島]]が選定されている) |
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** [[安土城]]、[[坂本城]]、[[長浜城 (近江国)]] |
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;琵琶湖および周辺の地勢に関する記事 |
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** [[北陸街道]]、[[鯖街道]] |
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:* [[余呉湖]] |
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* 芸能・文化・イベント |
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:* [[安土城]]、[[坂本城]]、[[長浜城 (近江国)]] |
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** [[琵琶湖周航の歌]] - [[琵琶湖周航の歌資料館]] |
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:* [[北陸街道]]、[[鯖街道]] |
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** [[琵琶湖哀歌]] |
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** [[幻の湖]](琵琶湖周辺で1年2月に及ぶ長期[[ロケーション撮影|ロケ]]が行なわれた日本映画。[[琵琶湖大橋]]でクライマックスを迎える) |
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** [[びわ湖開き]] |
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** [[滋賀県立びわ湖フローティングスクール]] |
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;交通 |
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** [[鳥人間コンテスト選手権大会]]([[讀賣テレビ放送|ytv読売テレビ]]の主催で彦根市にて開催) |
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:* [[西日本旅客鉄道]](JR西日本)[[琵琶湖線]](琵琶湖の東岸を通る鉄道路線の愛称。正式には[[東海道本線]]) |
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** 水上歩行コンテスト(NWWA[[日本ウォーターウォーク協会]]の主催で大津市にて開催) |
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:* JR[[湖西線]](琵琶湖の西岸を通る鉄道路線) |
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** [[大津びわ子]](大津市出身のラジオパーソナリティ) |
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:* JR[[北陸本線]](琵琶湖の東岸を通る鉄道路線) |
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** [[偉大なる、しゅららぼん]]([[万城目学]]の小説及び2014年春公開の映画。琵琶湖の神から力を授けられた湖の民の話) |
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:* [[京阪電気鉄道|京阪]][[京阪石山坂本線|石山坂本線]](琵琶湖の西岸を通る鉄道路線) |
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** [[マザーレイク]]:琵琶湖を舞台にした映画。 |
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:* [[琵琶湖汽船]](琵琶湖で遊覧船事業などを行っている) |
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* 交通 |
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** [[西日本旅客鉄道]](JR西日本)[[琵琶湖線]](琵琶湖の東岸を通る鉄道路線の愛称。正式には[[東海道本線]]) |
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** JR[[湖西線]](琵琶湖の西岸を通る鉄道路線) |
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** JR[[北陸本線]](琵琶湖の東岸を通る鉄道路線) |
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** [[琵琶湖汽船]](琵琶湖で遊覧船事業などを行っている) |
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:* [[ユスリカ]](富栄養化に伴って琵琶湖に大量発生するようになった虫。俗に「びわこ虫」と呼ばれる) |
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** [[伊吹おろし]]([[若狭湾]]から琵琶湖を経由して、[[伊吹山]]の脇を通り[[濃尾平野]]へと吹く冬の[[季節風]]) |
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** [[琵琶湖遭難事故]] |
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** [[ユスリカ]](富栄養化に伴って琵琶湖に大量発生するようになった虫。俗に「びわこ虫」と呼ばれる) |
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** [[琵琶湖の水止めたろか]] - 琵琶湖をめぐるジョーク。 |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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* [https://www.pref.shiga.lg.jp/motherlake/ 琵琶湖] - 滋賀県公式サイト |
* [https://www.pref.shiga.lg.jp/motherlake/ 琵琶湖] - 滋賀県公式サイト |
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* [https://www.kkr.mlit.go.jp/biwako/index.php 琵琶湖河川事務所] - 国土交通省 近畿地方整備局 |
* [https://www.kkr.mlit.go.jp/biwako/index.php 琵琶湖河川事務所] - 国土交通省 近畿地方整備局 |
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* [https://www.biwahaku.jp/ 滋賀県立琵琶湖博物館] |
* [https://www.biwahaku.jp/ 滋賀県立琵琶湖博物館] |
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* [https://www.env.go.jp/water/kosyou/post_4.html 琵琶湖の保全及び再生に関する法律] - 環境省 |
* [https://www.env.go.jp/water/kosyou/post_4.html 琵琶湖の保全及び再生に関する法律] - 環境省 |
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{{日本のラムサール条約登録湿地}} |
{{日本のラムサール条約登録湿地}} |
2021年2月11日 (木) 19:48時点における版
琵琶湖 | |
---|---|
衛星写真 | |
所在地 | 日本 滋賀県 |
位置 | |
面積 | 669.26[1] km2 |
周囲長 | 235.20[1] km |
最大水深 | 103.58[1] m |
平均水深 | 41.2[1] m |
貯水量 | 27.5[1] km3 |
水面の標高 | 84.371[2] m |
成因 | 構造湖 |
淡水・汽水 | 淡水 |
湖沼型 | 中栄養湖 |
透明度 | 2.0~16.8[注 1][3] m |
プロジェクト 地形 |
琵琶湖(びわこ)は、滋賀県にある日本最大の面積と貯水量を持つ湖[1][4]。一級水系「淀川水系」に属する一級河川で、河川法上の名称は「一級河川琵琶湖」。国土交通大臣から委託を受けて滋賀県知事が管理を担う[5][注 2]。湖沼水質保全特別措置法指定湖沼で、ラムサール条約登録湿地でもある。
約400-600万年前に形成された古代湖であり、40-100万年前に現在の位置に移動してきた。古くから近畿地方の水運・水利における役割を担い、文学や美術の題材となることも多い。多数の固有種を含む豊かな生態系をもっており、環境保全活動も盛ん。「びわ湖」「びわこ」と表記されることもあるほか、「Mother Lake」の愛称や「近畿の水瓶」の別称で呼ばれることもある。
地理
琵琶湖は滋賀県の面積の6分の1を占める。
最狭部に架かる琵琶湖大橋を挟んだ北側の主湖盆を北湖(太湖)[要出典]、南側の副湖盆を南湖と呼んでいる[6][7]。より面積が大きく深い北湖に、湖水の99%が北湖に蓄えられている[7]。一方、湖底地形から見ると、北湖盆 (North Basin)、中湖盆 (Central Basin)、南湖盆 (South Basin) に分けられ、北湖盆と中湖盆の境界は沖島北方付近で、鞍状の湖底地形が存在している[8][要ページ番号]。北湖は面積623km2、平均水深41m。南湖は面積58km2、平均水深4m[9]。湖底が最も深い水域は北湖の中央やや北寄り、竹生島と安曇川河口の間にあり[2][10]、これまでに観測された最大水深は104.1mである。琵琶湖の湖底は1000年間に1mというペースで沈降している[11]。
東京湾平均海面 (T.P.) 基準で+84.371 m、大阪湾最低潮位 (O.P.) 基準で+85.614 mの高さが琵琶湖基準水位 (B.S.L.=Biwako Surface Level ) と定められており[2]、「琵琶湖の水位」とはB.S.L.を±0 mとした水位のことをいう。B.S.L.は、1874年(明治7年)に鳥居川観測点において「これ以上水位が下がることはない」と判断された点として定められたものであるが、その後、瀬田川の改修によって流出量が多くなったことなどにより、水位がB.S.L.以下になることが多くなった。現在では、B.S.L.の値が概ね満水位となるように水位の調整が行われている。
河川
湖を囲む山地からの流れが源流で、400以上の流入河川があり、そのうち117本は一級河川である[12][13]。以下に主な流入河川を挙げる(丸括弧内の自治体名は主な流域)。
流出河川は瀬田川のみであり[12]、宇治川、淀川と名前を変えて、大阪湾(瀬戸内海)へ至る。河川以外では琵琶湖疏水があり、琵琶湖からの流出水路は2つしかない。琵琶湖疏水や淀川水系を通じて京阪神に水道水を供給している(「#水利用」も参照)。瀬田川は水源としての利用に留まらず古くから水上交通路としても利用されており、明治時代に鉄道が開通するまでは、京や大坂から東国・北陸への物資輸送の中継地として利用されていた。
内湖
昭和初期ごろまで、琵琶湖の周囲には大小40あまり、総面積29km2(1940年時点)の内湖があった[14]。これらの内湖は、繁茂するヨシなどにより河川より流入する水を浄化する機能や、魚類の産卵・生育の場、あるいは堆積した泥による肥料の提供といった役割を担ってきた[15]。しかし、琵琶湖の洪水防御のため、1943年から始まった河水統制事業により[16][出典無効]、事業が終了する1952年までに平均水位が数十cm低下したことや、これに前後して内湖の大半が干拓されたこともあって琵琶湖の自然は大きく変化し、固有の風致や生態系が大きく損なわれた[要出典](「入江干拓」および「大中湖」も参照)。20113年現在残されているのは、近江八幡市の西の湖をはじめとする総面積4.25km2の23内湖のみである[14]。
2003年現在、滋賀県は一部の内湖を復元することを計画しており[17]、生態系の回復や水質浄化が各方面から期待されている[18]。
湖面の島
竹生島(面積0.14km2)、沖島(面積1.5km2)、多景島、沖の白石、矢橋帰帆島がある。矢橋帰帆島は、下水処理場のために埋め立てて造った人工島である。
-
竹生島
-
沖島
-
多景島
-
沖の白石
主な港
-
大津港
-
長浜港
-
今津港
-
おごと温泉港
沿岸自治体
琵琶湖に接する自治体は次のとおり(北から時計回り)。右記は、市町村ごとの琵琶湖の面積(単位:km2)[19]。琵琶湖を取り巻く各自治体は、大きく湖南、湖東、湖北、湖西に分けられる(区分については「滋賀県#地域区分」を参照)。
琵琶湖の市町境界については、かつて、どの市町にも組み入れられていなかった。2007年5月8日、沿岸の各自治体による共同会議において境界の設定に合意し、各自治体の議会の同意を得た上で総務省に届け出を行い、9月28日付で『官報』に確定が公示された[20][21]。境界確定の目的は主に地方交付税交付金の増額である。また、増額された交付金の半分は琵琶湖の保全に使われることが発表されている[22]。
歴史
自然史
琵琶湖は世界の湖の中でも、バイカル湖やタンガニーカ湖に次いで成立が古い古代湖であるとも[23][24]、世界で13番目に古い湖であるとも推定されている[25]。 琵琶湖が形成された時期は、約400万年~600万年前で、現在の三重県伊賀市平田に地殻変動によってできた構造湖であった(大山田湖)。湖は次第に北へ移動し、現在から約100 - 40万年前[26]、比良山系によって止められる形で現在の琵琶湖の位置に至ったという。大山田湖以前、現在の琵琶湖の位置には山(古琵琶湖山脈)があり、鈴鹿山脈は未だ隆起せず、今日の琵琶湖東南部の河川は伊勢湾へ流れていた。それを裏付けるように、鈴鹿山脈の主要な地質は礫岩である。また、琵琶湖に流入する最大の川で、東南に位置する野洲川は、当時西方ではなく、東方へ流れていたという。
西岸には、琵琶湖西岸断層帯が東北-南西方向に延び[8][要ページ番号]、断層帯北部の最新活動時期は約2800年前から約2400年前頃とされ、活動時には断層の西側が東側に対して相対的に2mから5m程度隆起した可能性がある。断層帯南部の最新活動時期は1185年(元暦2年)の文治地震であった可能性があり、活動時には断層の西側が東側に対して相対的に6mから8m程度隆起した可能性があるとされている[27]。地震に伴う地すべりなどで水没した琵琶湖湖底遺跡が100以上存在する。
人間史
縄文時代や弥生時代から交通路としても利用され、丸木舟なども出土している。古代には、都から近い淡水の海として近淡海(ちかつあふみ、単に淡海とも。『万葉集』では「淡海乃海」(あふみのうみ)と記載)と呼ばれた。近淡海に対し、都から遠い淡水の海として浜名湖が遠淡海(とほつあふみ)と呼ばれ、それぞれが「近江国(おうみのくに、現在の滋賀県)」と遠江国(とおとうみのくに、現在の静岡県西部)の語源になった。別名の鳰海(におのうみ)は近江国の歌枕で、鳰はカイツブリを表す。
天智天皇により、一時は琵琶湖西岸に大津宮が置かれた。測量技術が発達し、湖の形が楽器の琵琶に似ていることがわかった江戸時代中期以降、琵琶湖という名称が定着した。
琵琶湖は、若狭湾沿岸からの年貢の輸送路としても利用されており、湖上で賊に襲撃された記録なども残されている。湖西には、大津から若狭国へ向かう西近江路や若狭街道、京都から琵琶湖などを経て今庄から北陸道につながる[28]北国街道などの各種交通路が整備された。湖上交通による荷物の輸送も行われており、大津や堅田などは港湾都市として発達した。
「急がば回れ」ということわざの語源である現在の草津と大津の間を結ぶ「矢橋の渡し」という渡し舟があったものの、運休が多かったらしい。「もののふの矢橋の船は速かれど急がば廻れ瀬田の長橋」(急ぎなら瀬田の唐橋まで遠回りするほうが確実)という、室町時代後期の連歌師、柴屋軒宗長の歌が出典。
安土桃山時代には、豊臣秀吉は大津の船持に大津百艘船を整備し、観音寺の船奉行の支配下に置かれ、特権を与えられて保護された。近世になると、大津は松原や米原など他の港と対立し、江戸時代には松原・米原・長浜が「彦根三湊」として井伊氏の保護を受けた。文化2年(1805年)8月から10月にかけて伊能忠敬が沿岸を測量している[29]。
江戸時代には湖岸に約2000の村があり、彦根藩や膳所藩のほか旗本知行地など領主は約50に分かれていた[要出典]。唯一の流出河川である瀬田川に土砂が溜まると、雨で湖岸や流入河川の水位が上がり、水害に悩まされた。江戸時代をつうじ、幕府の普請が2回と自普請が3回、計5回の浚渫工事がおこなわれており、とくに1699年(元禄12年)の「河村瑞賢の大普請」と、高島郡深溝村の庄屋藤原家による老中松平定信への駕籠訴も含む[要出典]尽力の末に実現した1831年(天保二年)の普請が大規模なものであった。またこの間、流量増加による洪水を危惧する下流住民の反対などによりなかなか浚渫が実現しなかった時期には、あさり取りなどと称した地元住民による小規模な浚渫などもおこなわれている[30][31]。
1896年(明治29年)の洪水では9月3日から12日の豪雨によって琵琶湖の水位は平時よりも3.76メートル上昇し、彦根市など琵琶湖周辺のほとんどの地域が200日以上にわたって浸水。県の記録によれば床上・床下浸水は5万8千棟を超えた。下流への流水機能の維持、治水を目的に改良工事が施され1905年(明治38年)には南郷洗堰が完成。1961年(昭和36年)には隣接地に瀬田川洗堰が築造され、水害は減っていった[31][12]。
琵琶湖が淀川となって大阪湾に流れる位置から、日本海の若狭湾で陸揚げされた物資が琵琶湖上の水運を介して京都や大坂に輸送された。こうした輸送は明治以降もしばらく隆盛であったが、陸上交通の発達によって次第に斜陽となった。一方、高度経済成長期には琵琶湖から運河を掘削して日本海と太平洋・瀬戸内海を結ぶ運河構想が持ち上がった。当初は、琵琶湖から日本海と瀬戸内海を結ぶ「阪敦運河」構想を福井県知事の北栄造が調整し始めた。特に三重県四日市市長の平田佐矩が熱心だったこともあり、福井県・滋賀県・岐阜県・愛知県・三重県および名古屋市・敦賀市・四日市市の間で、総工費2500億円-3500億円をかけ若狭湾-琵琶湖-伊勢湾を結ぶ中部横断運河の建設期成同盟が結成され、自民党副総裁の大野伴睦が会長に就任した。しかし、大野や平田が相次いで死去したことや、北および敦賀市長の畑守が相次いで落選するなど推進の中心人物を失い、1970年には中部圏開発整備本部が調査の打ち切りを発表した[32][要ページ番号]。
- 1890年(明治23年) - 京都市へ水を供給する琵琶湖疏水開通。
- 1950年(昭和25年)7月24日 - 琵琶湖国定公園が指定される。
- 1964年(昭和39年)9月28日 - 琵琶湖大橋が開通。
- 1974年(昭和49年)9月26日 - 近江大橋が開通。
- 1980年(昭和55年) - 琵琶湖条例(滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例)が制定される。
- 1985年(昭和60年)12月 - 湖沼法における指定湖沼に指定される。
- 1993年(平成5年) - ラムサール条約登録湿地に認定される。
- 2003年(平成15年) - 琵琶湖のレジャー利用適正化条例が施行される。
湖水
水面に現れる周期30分以上の振動(静振)として主に240.9分、71.9分、65.0分、39.8分、32.3分の5種類がある[33]。湖の容量を流入量で割って求めた、全ての水が入れ替わるまでの時間(滞留時間)は5年程度[34]。
琵琶湖には、酸素を多く含む表面近くの水が湖底近くの水と入れ替わる「全層循環」という現象がある。生物に酸素を供給する働きがあることから「琵琶湖の深呼吸」とも呼ばれる。2020年4月、滋賀県は2年連続で全層循環が確認できなかったと発表した[35](「#環境保全」も参照)。
透明度
平均透明度は、6mとされている。年により変化があり、水深の浅い南湖では2m程度、水深の深い北湖では4mから6m程度であるが[3]、気象条件によっては16mを超える透明度を観測することもある[36]。
環流
環流と呼ばれる湖全体を循環する大規模な水流(海洋での海流に相当)は、1926年に発見され、1960年代から1995年頃にかけて精力的な研究が行われた[37][38][39][40][41]。環流は、2つから3つ程度あり便宜的に北から第1環流(反時計回り)、第2環流(時計回り)、第3環流(反時計回り)[42]と呼ばれる。駆動源となるものは海洋における海流と同様にコリオリの力、風、湖心部と沿岸部との温度差[43]気圧などと複雑な要素が考えられ[44]、季節や気象条件により複雑に変動している。なお、環流は常に3つあるとは限らない[42]。
水利用
滋賀での利用
滋賀県の農村地域においては、江戸時代以降「ホリ」と呼ばれる水路と「蛇車(じゃぐるま)」と呼ばれる足踏み式の水車などの揚水機を用いて沿岸部の水田に水を引くようになった[45]。しかし、田畑よりも低い位置にある琵琶湖の水は使いにくかったため、昭和中頃まで琵琶湖の水を農業や生活に利用することは少なく、もっぱら琵琶湖への流入河川や井戸の水を利用してきた。しかし、これらの河川の水量は琵琶湖に比べると少なく、甲良町などでは農業用水の確保に問題を抱える地域も多かった[46]。その後昭和30年代ごろに上水道の普及が始まり、以降湖水の利用量は増えていくことになる[47]。滋賀県では1980年ごろから2000年ごろにかけて、人口の増加などの要因により湖水の利用が大幅に増え、2019年時点における上水道の主要な水源は琵琶湖の水となっている[48][49]。また、農業水利においては1970年代以降、大型ポンプを備えた施設で湖から水を汲み上げ、パイプラインで農地に配水する逆水灌漑による湖水の利用が増加した[48]。牧野 (2001, pp. 205–206) は、このような水利用は利用者から見えにくく、生活と水循環の関係に思いを馳せることが難しくなっていると指摘し、八幡堀の保存活動などは、たんなる資源としての水利用に留まらない水問題への地域固有の解決策の方向を示しているのではないかと述べている。
大阪・京都での利用
大阪で淀川を水源とする本格給水が始まったのは1895年(明治28年)、琵琶湖第二疏水を完成させ京都でも琵琶湖の湖水を生活用水の源とするようになったのは1912年(明治45年)のことである[50]。琵琶湖疏水の建設は東京遷都によって衰退の危機にあった京都を再興することを目的とし、まずは疏水の水車動力によって工業を近代化し、さらに水運を確保する計画で京都府知事の北垣国道が先導した[51][52]。第一疏水は第二疏水より古く1890年(明治23年)に完成している[7]。当時、京都では鴨川に源流を持つ京都盆地の水系を賀茂別雷神社(上賀茂神社)が支配し、御所の水源も「御所御用水流通水掛リ之儀者賀茂別雷神社 旧一社ニテ支配被致候」とされていた[53]。構造的に夏の渇水期になると上流小山郷の田畑の灌漑が優先されることになり、御所の水は枯渇する様であった。疏水によってに御所用水路の新たな付け替えもあり、御所の庭園と防火用桝への安定供給が図られるようになった[53]。
戦後の高度経済成長期に際しては著しい産業発展により琵琶湖下流の淀川では安定した取水が必要になった[54][55]。琵琶湖下流域における水資源の需要の急速な拡大に対応するために、1972年(昭和47年)に琵琶湖総合開発特別措置法が制定。琵琶湖総合開発事業を策定した[55]。事業の策定にあたって上流への影響は避けられないことから、不利益を減らすために原案は滋賀県知事が作成し内閣総理大臣がこれを決定する形がとられた[56]。同事業によって水位低下補償事業が完了し、水位の管理について国(瀬田川洗堰管理者)と滋賀県、下流府県が初めて合意した[57]。規則では、洪水時はあらかじめ水位をマイナス20センチメートルあるいはマイナス30センチメートルに下げて対処、非洪水時は30センチメートルを上限になるべく水位を高く保ち渇水に備えることを基本とし[57]、下流域の渇水時には琵琶湖水位マイナス1.5メートルまで湖水を利用できることになっている[54]。また、増大する水の需要に1991年(平成3年)度までは不安定な「暫定豊水水利権」(河川の流量が一定の流量を超える場合に限って取水できる水利権)で対応してきたが、同年度末には水資源開発事業が概成し都市用水として最大毎秒40立方メートルの新規水利権が与えられた[58][59]。水利権の拡大によって、例えば1994年(平成6年)夏の全国的な渇水によって阪神地区が大きな影響を受けることはなかった[58]。下流域の水利権を拡大せざるを得なかった背景には、京阪地域が渇水時であっても比較的豊富な水量を保つ水源として淀川、さらにその水源である琵琶湖への依存を強めたことがある[54]。
琵琶湖総合開発事業は京阪地区の拡大する水需要に応える水資源を開発することが主な目的であったが、琵琶湖を文化面を含み多方面で活用し親しんでいる滋賀県民の生活に直接的な影響が及ぶことは避けられず[注 3]、上流と下流の利権をいかに調整するかが事業の肝となった[62]。上流の不利益を解消するために、下流の利水公共団体は琵琶湖とその周辺の上流域の福祉増進に利するために下流負担金602億円を負担することになった[56][59][63]。
また、琵琶湖疏水を介して毎秒24立方メートル(2017年時点)[64]を取水し、水源の99パーセント(2019年ごろ)[65]をこれに頼る京都市は、1914年(大正3年)以来京都市民の感謝の意をとして滋賀県に毎年感謝金(琵琶湖疏水感謝金)を支払っている[66][67]。契約は10年ごとに更新され、2015年(平成27年)の更新では三日月知事と水田雅博京都市公営企業管理者上下水道局長とで年間2億3千万円の契約を締結した(1千万円増額)[67][68]。財源は京都市民の水道料金で、滋賀県は感謝金を水源保全に充てている[68][69]。
琵琶湖の水利用を巡っては、下流の京都・大阪への対抗心を表すために「琵琶湖の水止めたろか」というジョークがしばしば用いられる[70][31]。野田 (2001, p. 232) は滋賀県・京都府・大阪府の住民を対象にした1995年のアンケート調査を参照し、滋賀県以外の住民は渇水時などには水源として琵琶湖を意識するが、普段はその存在を別段気に留めていないのだと結論づけている。
生物相
琵琶湖は生物多様性に富み、1,000種類を超える動・植物が生息している。その中には琵琶湖(およびその水系)にのみ生息する固有種も数多く確認されている。魚類57種、貝類49種の生息が確認されており、長い期間自立したため琵琶湖固有種も多い(魚類はビワコオオナマズ、ニゴロブナ、ホンモロコ、ビワヒガイなど16種、貝類は29種)[71]。この内ビワマスやアユなどは川を、コイ・フナ・ドジョウなどは水田を産卵場所として利用することが多いなど、琵琶湖に生息する魚類は周辺の水域との間を移動し、環境の違いをうまく利用している[72]。
オオクチバスやブルーギルをはじめとする外来種の侵入や1992年の琵琶湖水位操作規則の改訂、内湖の消失、水田とのネットワークの分断等によって固有の生物相が大きく攪乱を受け、漁獲高が激減した種も多い。それらへの対抗策も講じられ、外来種駆除や生態系に配慮した水位操作、内湖の再生など様々な取り組みが行われているが、まだ十分な効果をあげられていない。また、琵琶湖産の稚アユは日本各地へ放流され、その為に琵琶湖固有種だけでなく稚アユと共に混獲され放流されたハスなどの種が各地で繁殖するという、移入種を生み出す元ともなっている。
琵琶湖(内湖を含む)とその湖岸、流入河川の河口に生息する鳥類は、渡り鳥なども含めると140種類ほどになる。カモ科が31種と最も多く、シギ科・サギ科・カモメ科がそれに続く[73]。
魚貝類
- 固有種(魚)
- ナマズ科: ビワコオオナマズ、イワトコナマズ
- コイ科: ホンモロコ、ビワヒガイ、アブラヒガイ、ハス、ワタカ
- その他: イサザ(ハゼ科)、ウツセミカジカ(カジカ科)
- 固有亜種(魚)
- ビワマス(サケ科)、ニゴロブナ(コイ科)
- 外来種(魚)
- オオクチバス、コクチバス、ブルーギル、カムルチー(ライギョ)、レンギョ
無脊椎動物
- 節足動物:ビワミジンコ、アナンデールヨコエビ、ナリタヨコエビ、ビワカマカ、カワムラナベブタムシ
- 軟体動物:ビワコミズシタダミ(ミズシタダミ科)、セタシジミ(シジミ科)、ビワカワニナ類(カワニナ科ビワカワニナ属)、オウミガイ(モノアラガイ科)、カドヒラマキガイ(ヒラマキガイ科)、ヒロクチヒラマキガイ(ヒラマキガイ科)、オトコタテボシガイ、イケチョウガイ、マルドブガイ
- 固有亜種(軟体動物):タテボシガイ(イシガイ科)
- 扁形動物:ビワオオウズムシ
水草
その他
環境保全
昭和40年代、高度経済成長に伴って湖水の水質汚濁や富栄養化が進んだ[74]。原因の1つに合成洗剤、リン酸塩が挙げられ[75]、主婦層や女性団体が「石鹸運動」を起こして対策・改善を求めた[76]。このため滋賀県は独自に工業排水と家庭用排水を規制する、いわゆる琵琶湖条例(滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例)を制定するに至った[77][78][79]。このほか琵琶湖に関する滋賀県独自の条例としては、「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」や「滋賀県琵琶湖のヨシ群落の保全に関する条例」、景観を守るための「ふるさと滋賀の風景を守り育てる条例」などがある。
1990年から1991年にかけ琵琶湖総合開発事業の一環として水質測定施設である南湖湖心局(大津市唐崎沖1.5km)と北湖湖心局(大津市南比良沖4km及び高島市今津沖3.5km)の3基が設置され、pH値、溶存酸素量、水温、流速などのデータが自動送信されていた[80]。しかし、内部の測定機器が老朽化し、必要なデータ量も確保できたとして2006年度までに稼働が停止された。その後も維持費がかかり、船舶の衝突事故のおそれもあることから2018年度に撤去されることとなった[80]。
琵琶湖を始めとする温帯湖沼では、冬季の湖面冷却によって比重が重くなり、湖水の鉛直混合が起こり、湖中下層へ酸素が供給される(全層循環)。これは「琵琶湖の深呼吸」とも呼ばれる[35]。近年の琵琶湖では、暖冬によって全層循環が不完全となり、酸素濃度の低下で生物が大量死滅する異常事態が発生している。地球温暖化が琵琶湖固有種の生態系に影響を及ぼす事例として、研究が進められている[81]。2019年4月9日、観測以来初めて全層循環が完了しなかったと判断された[82]。
また、琵琶湖の北方に位置する福井県若狭湾岸には、敦賀原発・美浜原発など多数の原発が立地する。琵琶湖との最短距離は20キロメートル程度であるため、原発事故で放射能汚染されれば水の供給に影響する可能性があると指摘されている[83]。
自然現象
津波
滋賀県によると、西岸湖底断層系南部では最大でマグニチュード7.6の地震が発生し、その場合、4.9メートルの津波が沖島に到達。また、同断層系北部では最大でマグニチュード7.2の地震が発生し、その場合、長浜市沿岸に3メートルの津波が到達すると予測している。ただし、「西岸湖底断層系南部は活断層だが、300年以内に地震が起こる確率はほぼ0%。他の4断層はいずれも活断層ではなく、津波を伴う地震が発生する恐れは極めて小さい」としている[84]。また、1185年7月9日に、実際に津波が発生した可能性がある。塩津港遺跡で発掘調査が行われた際、湖底で神社が発見され、その神社から津波と見られる痕跡が見つかった(柱が全て琵琶湖の岸に傾いていた)。また、『山槐記』には「琵琶湖の水は北に流れた」、鴨長明は「山は崩れて川を埋め、海(琵琶湖)は傾いて陸地を浸せり」と書いている[85][要文献特定詳細情報]。
蜃気楼
条件が合致すれば初夏には上位蜃気楼が、秋冬には下位蜃気楼が観測できることがある[86][87][88]。
おろしと湖陸風
比良山地から琵琶湖に向かって吹く風は比良おろしと呼ばれ、琵琶湖の沈降と比良山地の隆起により生じた急峻な地形をその要因の一つとする。この比良おろしは、漁船やウィンドサーフィンの事故の原因となることも多い[89]。
琵琶湖畔では、陸面に比べ湖面の比熱が大きいことを要因とした風が発生する。昼間は日照により陸面の気温が上昇し気圧が低くなるため、琵琶湖から陸地に向かって「湖風」が吹く。逆に夜間は陸面のほうが先に冷え気圧が高まるため、陸地から琵琶湖に向かって「陸風」が吹く[90]。
文化
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景勝・観光地として
室町時代ごろに漢詩に読まれる中で定着したものとも、江戸時代初期に近衛信尹が瀟湘八景に倣って選定したものともされる近江八景は、当初は文学的モチーフであったが、江戸時代中頃には街道を通行する人が増えたこともあり、『名所記』『名所図会』といった挿絵入りの旅行案内書や浮世絵などをつうじて、全国の民衆に膾炙するようになった[91][92]。その後、1950年の琵琶湖国定公園の指定を機に、滋賀県民からの公募によって「琵琶湖八景」が選ばれている[93]。
作品の題材として
琵琶湖に関連する楽曲としては、琵琶湖周航の歌(高島市には琵琶湖周航の歌資料館がある)、琵琶湖哀歌などがある。また、琵琶湖を舞台とした映画としては、幻の湖[注 4]、偉大なる、しゅららぼん[注 5]、マザーレイクなどが挙げられる。
漁業と食文化
前述のとおり、琵琶湖には多様な魚介類が生息しており、それらは1万年以上前から利用されてきた[94]。魚介類の多様さに加え、漁場の環境も岩場・砂浜・内湖・沖合と多様であり、また淡水であるため魚が湖と河川を行き来することも要因とし、漁法もまた多様かつ独特のものとなっている[95][96][97]。その中でもとくに「待ち(型)の漁法」の発達と新規漁具の制限が特徴として挙げられる[98][95]。これは、積極的・新進的な漁法を用いることによる資源の枯渇を避けるための、閉鎖水域である琵琶湖ならではの知恵である[96][98]。
固有種を含む琵琶湖の魚介類は、伝統的な食材として、2013年現在においても盛んに食されている。淡水魚の生食を忌避する日本においては珍しく、ビワマス・イワトコナマズ・ニゴロブナやゲンゴロウブナ・ハスなどは「造り」としても食される[99]。このほか「ジュンジュン」と呼ばれるすき焼き・寄せ鍋や焼き物、佃煮などとしても食される[100]。また、滋賀県では発酵食品が発展しており、鮒寿司をはじめとするなれずしも作られる[101][102]。
年中行事・イベント
- びわ湖開き
- 伊崎の棹飛び
- 鳥人間コンテスト選手権大会(ytv読売テレビの主催で彦根市にて開催)
- 水上歩行コンテスト(NWWA日本ウォーターウォーク協会の主催で大津市にて開催)
- びわ湖大花火大会
スポーツやレジャー
瀬田川を中心とし複数の艇庫があり、毎年5月には琵琶湖漕艇場で日本最大級のボート大会である朝日レガッタが開催される。カヌーやドラゴンボート、ソーラーボートの競技もおこなわれる他、ヨット、スタンドアップパドル・サーフィンなどを楽しむこともできる[103]。
教育・研究における利用
表記や別称
- びわこ・びわ湖
- 「琵」「琶」が当用漢字・常用漢字外であることから、滋賀県内ではひらがな書きにした「びわこ」「びわ湖」という表記も数多く見られる。かつては「びわ町」という自治体も存在した。
- 「びわこ」の例
-
- 「びわ湖」の例
- Mother Lake
- 滋賀県庁は琵琶湖を別称としてMother Lakeと呼んでおり[注 6]、「Mother Lake 母なる湖、琵琶湖。預かっているのは滋賀県です。」のキャッチコピーを封筒などに記載している。
- 近畿の水瓶
- 琵琶湖は上述のように滋賀・京都・大阪に水を供給していることから「近畿の水瓶」などと呼ばれることもある。しかし滋賀県側は、1995年は稲葉稔知事が「水瓶」との表現に抗議する答弁をおこなうなど、琵琶湖を「水瓶」と呼ぶ表現を避けている[105]。これは、滋賀県民にとって自県の象徴的存在である琵琶湖を、いわばたんなる貯水用ダムの一種として扱われては県民感情を大きく損なうとの理由によるものである[106]。
関連する事件・事故
- 零戦不時着事故
- 太平洋戦争の終戦間際に零式艦上戦闘機(零戦)六二型が琵琶湖に不時着した[107]。昭和53年、湖底に沈んでいた零戦が引き上げられ京都嵐山美術館が修復、その後は和歌山県「ゼロパーク」、広島県「大和ミュージアム」と引き渡され、展示された[108]。
- 水難事故
脚注
注釈
- ^ 天候によって大きく変動する。また、季節や水域ごとにも異なる。概して南湖で低く、北湖で高い透明度。最高値は2007年3月に観測。
- ^ 例えば、琵琶湖岸に構築物を無許可で設置すると、河川法に基づいて滋賀県から撤去命令が出される。例:「行政代執行の実施結果について」
- ^ 滋賀県にとって琵琶湖はただの水資源、「水瓶」としての役割だけではなく、水産業をはじめとする産業や食文化、崇拝対象としての宗教文化的な側面などで県民の生活に密接に関わっている[60][61]。
- ^ 琵琶湖周辺で1年2月に及ぶ長期ロケが行なわれた日本映画。琵琶湖大橋でクライマックスを迎える。
- ^ 万城目学の小説及び2014年春公開の映画。琵琶湖の神から力を授けられた湖の民の話。
- ^ 滋賀県庁ホームページ左上部に琵琶湖の地形ロゴとして掲示されている[104]。
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- 配布物
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- 「固有魚類のゆりかご-内湖-の復元に向けて」『オウミア』第77号、滋賀県琵琶湖研究所、2003年8月。
- 『近江水の宝』滋賀県教育委員会・滋賀県埋蔵部文化センター、2019年10月 。
関連項目
- 湖沼に関する記事
外部リンク
- 琵琶湖 - 滋賀県公式サイト
- 琵琶湖河川事務所 - 国土交通省 近畿地方整備局
- 独立行政法人水資源機構
- 琵琶湖開発総合管理所 - 独立行政法人 水資源機構
- 国立環境研究所琵琶湖分室
- 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター
- 滋賀県立琵琶湖博物館
- 琵琶湖の保全及び再生に関する法律 - 環境省