「新東名高速道路」の版間の差分
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道路名「新東名高速道路」は一般公衆に案内されている通称(営業路線名)で、法令による[[国土開発幹線自動車道]]の予定路線名では「第二東海自動車道」、[[高速自動車国道法]]に基づく法定路線名では「第二東海自動車道横浜名古屋線」という{{sfn|浅井建爾|2015|p=169}}。法定路線の第二東海自動車道の起点は[[東京都]]であるが、新東名高速道路は[[首都圏中央連絡自動車道]]と接続する[[海老名南ジャンクション|海老名南JCT]]が起点となり、海老名南JCT以東のルートや事業化は未定である。また、第二東海自動車道の終点は[[名古屋市]]であるが、[[豊田東ジャンクション|豊田東JCT]] - [[東海インターチェンジ|東海IC]]間は、東海IC - [[四日市ジャンクション|四日市JCT]]間と合わせ[[伊勢湾岸自動車道]]として供用中であり、四日市JCTで[[新名神高速道路]]や[[東名阪自動車道]]に接続している{{sfn|浅井建爾|2015|p=172}}{{efn|東海IC - <!--[[名港中央インターチェンジ|名港中央IC]]-->[[飛島インターチェンジ|飛島IC]]間は[[高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路]]([[国道302号]])の「伊勢湾岸道路」([[名古屋環状2号線]])であり、第二東海自動車道としては事業化されていない{{sfn|浅井建爾|2015|p=172}}。}}。 |
道路名「新東名高速道路」は一般公衆に案内されている通称(営業路線名)で、法令による[[国土開発幹線自動車道]]の予定路線名では「第二東海自動車道」、[[高速自動車国道法]]に基づく法定路線名では「第二東海自動車道横浜名古屋線」という{{sfn|浅井建爾|2015|p=169}}。法定路線の第二東海自動車道の起点は[[東京都]]であるが、新東名高速道路は[[首都圏中央連絡自動車道]]と接続する[[海老名南ジャンクション|海老名南JCT]]が起点となり、海老名南JCT以東のルートや事業化は未定である。また、第二東海自動車道の終点は[[名古屋市]]であるが、[[豊田東ジャンクション|豊田東JCT]] - [[東海インターチェンジ|東海IC]]間は、東海IC - [[四日市ジャンクション|四日市JCT]]間と合わせ[[伊勢湾岸自動車道]]として供用中であり、四日市JCTで[[新名神高速道路]]や[[東名阪自動車道]]に接続している{{sfn|浅井建爾|2015|p=172}}{{efn|東海IC - <!--[[名港中央インターチェンジ|名港中央IC]]-->[[飛島インターチェンジ|飛島IC]]間は[[高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路]]([[国道302号]])の「伊勢湾岸道路」([[名古屋環状2号線]])であり、第二東海自動車道としては事業化されていない{{sfn|浅井建爾|2015|p=172}}。}}。 |
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設計速度は伊勢原市 - 豊田市間で140[[キロメートル毎時]](km/h)を担保しており、これは諸外国の設計速度や[[ドイツ]]の[[アウトバーン]]の走行実態などから判断のうえ、将来における走行性、安全性等の調査、研究の進展によって条件が整えば、乗用車では140 km/h走行の実現の可能性があることを考慮して決定した{{sfn|久保田荘一・津田剛|1991|p=47}}。また、計画時点(2010年)における新東名、新名神の平均断面交通量を62000台(日)と推計したことで、車線数は往復6車線で計画された{{sfn|久保田荘一・津田剛|1991|p=47}}。この道路規格は建設コストの面から批判を浴び<ref name="日経20030624"/><ref name="読売20021105-P35"/>、開通時点では暫定往復4車線(法定速度100 km/h)に縮小して供用されたが{{sfn|大石久和|2012|p=10}}、しばらくして車線数の一部6車線化決定<ref name="6車線化"/>および速度見直しの検討がなされた<ref name="sintoumei110" />。 |
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総事業費は約7兆円、全線開通時期は[[2020年]]度を予定している。 |
総事業費は約7兆円、全線開通時期は[[2020年]]度を予定している。 |
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=== 路線データ === |
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* 起点 : 神奈川県海老名市(海老名南JCT)<ref name="行政セミナー2016-5">{{Cite web |date=2016-05 |url=http://www.hido.or.jp/14gyousei_backnumber/2016data/1605/1605shin-tomei.pdf |title=新東名高速道路(浜松いなさJCT~豊田東JCT間)開通とその効果 |format=PDF |publisher=中日本高速道路株式会社 名古屋支社 |page=1 |accessdate=2018-10-27}}</ref> |
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道路規格は第1種第1級('''設計速度120 [[キロメートル毎時|km/h]]''')であるが(浜松いなさJCT以西は暫定施工時 第1種第2級)、道路構造令にはない'''設計速度140 km/h'''を担保とした構造になっている。このため工事費用は割高になっているが、現在は'''規制速度100 km/h - 110 km/h'''で運用されている(設計速度と規制速度の決定についての詳細は[[#設計速度|'''設計速度の節''']]を参照)。基本的には暫定4車線(完成6車線)で施工されており、一部区間は5車線や6車線に拡幅されているほか、トンネルや橋などの構造物は6車線分確保されている部分もある。ただし、浜松いなさJCT - 岡崎SA間は工費や工期削減のため、従来の4車線構造で施工されており、路肩部分も下記に示す幅は確保されていない。 |
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* 終点 : 愛知県豊田市(豊田東JCT)<ref name="行政セミナー2016-5"/> |
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* 路線延長 : 253.2 km<ref name="行政セミナー2016-5"/> |
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* 構造規格 : 第1種第1級(海老名南JCT - 御殿場JCT、浜松いなさJCT - 豊田東JCTは暫定施工時: 第1種第2級) |
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* 道路規格 : 御殿場JCT - 浜松いなさJCT間 : 第1種第1級<ref name="行政セミナー2012-7">{{Cite web |date=2012-07 |url=http://www.hido.or.jp/14gyousei_backnumber/2012data/1207/1207shin_tomei_expressway_c-nexco.pdf |title=新東名高速道路開通とその効果 |format=PDF |publisher=NEXCO中日本 |accessdate=2018-10-27}}</ref>、浜松いなさJCT - 豊田東JCT間 : 第1種第2級(完成時第1種第1級)<ref name="行政セミナー2016-5"/> |
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* 設計速度 : 120 km/h |
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* 設計速度 : 120 km/h{{sfn|中日本高速道路(株)建設事業本部|2012|p=34}}(法定100 km/h) |
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* [[車線]]幅員 : 3.50 [[メートル|m]] - 3.75 m |
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* 車線数 : 基本4車線(完成時6車線){{sfn|大石久和|2012|p=10}}<ref name="行政セミナー2016-5"/> |
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* [[路肩]] |
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** 左側 : 2.50 m - 3.00 m |
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** 右側 : 1.25 m - 1.75 m |
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* [[中央分離帯]] : 2.25 m - 4.50 m |
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* [[線形 (路線)#平面線形|最小曲率半径]] : 標準値3,000 m |
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** 海老名南JCT - [[伊勢原北インターチェンジ|伊勢原北IC]] : 1,500 m、伊勢原北IC - 秦野IC : 2,997 m、秦野IC - 御殿場JCT : 2,994 m |
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* [[線形 (路線)#縦断線形|最急縦断勾配]] : 標準値2.0 [[パーセント|%]] |
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** 海老名南JCT - [[厚木南インターチェンジ|厚木南IC]] : 1.4 %、厚木南IC - 伊勢原北IC : 2.1 %、秦野IC - 御殿場JCT : 3.0 % |
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* 車線数 : 4車線(用地買収6車線) |
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* 構造物比率 : 橋梁 32.4 %、トンネル 29.4 % |
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** 東名高速道路(参考値) : 橋梁 14.9 %、トンネル 3.0 % |
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=== 設計速度 === |
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当初は、従来の高速道路よりも道路規格が高い設計速度140 [[キロメートル毎時|km/h]]で建設運用が計画されていたが<ref>{{Cite web|date=1990-08-06|url=http://wwwkt.mlit.go.jp/notice/dispAction.do|title=第二東海自動車道及び近畿自動車道名古屋神戸線に係る構造基準等について|publisher=建設省道路局長・建設省都市局長|accessdate=2017-02-15|archiveurl=https://web.archive.org/web/20161222092341/http://wwwkt.mlit.go.jp/notice/dispAction.do|archivedate=2016年12月22日|deadlinkdate=2017年10月}}</ref>、[[道路構造令]]で設計速度140 km/hは定められておらず、[[国土交通省]]が改正を要請していた。 |
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[[新名神高速道路]]と同じく、道路規格は第1種第1級(設計速度120 km/h)として建設され、規制速度も法定[[最高速度]]の100 km/hが基本となっている。 |
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[[警察庁]]は、国土交通省の担当者や学識者らをメンバーに加えた「規制速度決定の在り方に関する調査研究検討委員会」において、高速道路や[[一般道路]]の[[最高速度]]引き上げを[[2006年]]([[平成]]18年)から3年がかりと長期間かけて検討を行ったが、高速道路の制限速度については「上限を上げるにはさらなる検証が必要で、直ちに上げる必要はない」と見送りという方針を示した<ref name="読売新聞2">{{Cite web |date=2012-01-20 |url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120120-OYT1T00116.htm |title=最高速度どこまで…新東名、有効利用か安全か |publisher=株式会社 読売新聞グループ本社 |accessdate=2014-02-28 |archiveurl=https://archive.fo/20120123013600/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120120-OYT1T00116.htm |archivedate=2012年1月23日 |deadlinkdate=2017年10月 }}</ref>。ただし、有識者として会議に出席した[[交通工学]]が専門の中村英樹([[名古屋大学]][[大学院]][[教授]])は制限速度引き上げに肯定的なコメントを出している。 |
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これに対し静岡県は、6車線化(前述)を前提とした法定速度140 km/h化を国などに要望するとしている<ref name="読売新聞1">{{Cite web |date=2011-11-22 |url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111121-OYT1T01472.htm |title=新東名は法定速度140キロ…静岡県が要望素案 |publisher=株式会社 読売新聞グループ本社 |accessdate=2014-02-28 |archiveurl=https://archive.fo/20111123111710/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111121-OYT1T01472.htm |archivedate=2011年11月23日 |deadlinkdate=2017年10月 }}</ref>。 |
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[[2014年]](平成26年)[[2月24日]]に[[静岡市]]で開かれた[[自由民主党 (日本)|自民党]]の会合で警察庁を統括する[[国家公安委員会]]・[[国家公安委員会委員長|委員長]]の[[古屋圭司]]は制限速度を120 km/hに見直すことを検討することを表明し、翌日にはこの発言を受けて、[[静岡県知事一覧|静岡県知事]]の[[川勝平太]]も140 km/hの設計速度にふれた上で、いきなり制限速度を140 km/hにあげるのではなく、120 km/hが妥当だという見解を示した。その後警察庁で行われた「交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会」において、「新東名高速道路を始めとする高規格の高速道路については、設計速度120 km/hで、かつ、片側3車線以上の道路などに関して、最高速度100 km/hを超える速度への引き上げについて早急に検討を開始すべき」との提言がなされた<ref>{{Cite web |date=2013-12-26 |url=http://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/regulation_wg/teigen/teigen.pdf |title=交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する提言 |format=PDF |publisher=交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会 |page=12 |accessdate=2017-02-15}}</ref>。 |
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それを踏まえ、[[2016年]](平成28年)[[3月24日]]、御殿場JCT - 浜松いなさJCT間において、[[2017年]]以降に試験的に最高速度を110 km/hに引き上げると発表し<ref name="max_speed120">{{Cite web |date=2016-3-24 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG24H04_U6A320C1MM0000/ |title=高速道の最高速度120キロまで容認 新東名や東北道で試行 |publisher=株式会社 日本経済新聞社 |accessdate=2016-3-24}}</ref>、同年[[10月23日]]には、試行的に最高速度を引き上げる区間を「新静岡IC - 森掛川IC間」 (50.5 km) とすることが発表された。2017年度にも実施され、1年以上をかけてデータ収集・分析が行われた上で、最高速度100 km/hとした交通規制基準の見直しを検討するとしている<ref name="max_speed110">{{Cite web |date=2016-10-13 |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2016101300214&g=soc |title=高速110キロ試行、17年度にも=新東名・東北道の区間決定-警察庁公表 |publisher=株式会社 時事通信社 |accessdate=2016-10-14}}</ref>。 |
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2017年(平成29年)[[9月28日]]、[[警察庁]]から「2017年11月1日から、新静岡IC - 森掛川ICで試験的に最高速度を110 km/hに引き上げる」との発表がされ、予定通り[[11月1日]]午前10時に実施された<ref name="nikkei20170928">{{Cite news|author=|title=新東名高速、最高速度110キロに 11月から一部区間|newspaper=日本経済新聞|date=2017-09-28|url=https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG27H75_Y7A920C1MM0000/|accessdate=2017-09-28}}</ref><ref name="sintoumei110">{{Cite web|url=https://www.pref.shizuoka.jp/police/anzen/jiko/kiseka/documents/sokudo110.pdf|title=新東名高速道路 最高速度110キロ試行開始|date=2017-09-29|accessdate=2017-11-01|publisher=静岡県警察本部|format=PDF}}</ref>。 |
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== インターチェンジなど == |
== インターチェンジなど == |
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|colspan="2"|[[厚木市]] |
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|style="background-color:#CCC"|[[伊勢原ジャンクション|伊勢原JCT]] |
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|style="background-color:#CCC"|{{Ja Exp Route Sign|E1}} [[東名高速道路]] |
|style="background-color:#CCC"|{{Ja Exp Route Sign|E1}} [[東名高速道路]] |
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|style="background-color:#CCC; text-align:right"|5.8 |
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|style="background-color:#CCC"|2018年度開通予定<ref name="schedule">{{Cite web |url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/operation/construction/open/ |title=高速道路開通情報 |publisher=中日本高速道路株式会社 |accessdate=2017-02-12}}</ref><ref name="press20180320">{{Cite web|url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_release/4257.html|title=E1A 新東名高速道路(海老名南JCT |
|style="background-color:#CCC"|2018年度開通予定<ref name="schedule">{{Cite web |url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/operation/construction/open/ |title=高速道路開通情報 |publisher=中日本高速道路株式会社 |accessdate=2017-02-12}}</ref><ref name="press20180320">{{Cite web|url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_release/4257.html|title=E1A 新東名高速道路(海老名南JCT - 御殿場JCT間)連絡調整会議 (第2回)開催結果について|date=2018-03-20|accessdate=2018-03-20|publisher=中日本高速道路株式会社}}</ref> |
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|colspan="2" rowspan="2"|[[伊勢原市]] |
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|style="background-color:#CCC"|[[伊勢原北インターチェンジ|伊勢原北IC]] |
|style="background-color:#CCC"|[[伊勢原北インターチェンジ|伊勢原北IC]] |
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|style="background-color:#CCC"|[[厚木秦野道路]](事業中)<br />[[神奈川県道603号上粕屋厚木線|県道603号上粕屋厚木線]]<br />(都市計画道路西富岡石倉線<ref>{{Cite web |url=http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/751925.pdf |title=県道603号(上粕屋厚木) 「都市計画道路西富岡石倉線」及び「伊勢原北IC(仮称)接続区間」整備事業 |format=PDF |publisher=神奈川県広域幹線道路事務所 |accessdate=2017-02-12}}</ref>)(事業中) |
|style="background-color:#CCC"|[[厚木秦野道路]](事業中)<br />[[神奈川県道603号上粕屋厚木線|県道603号上粕屋厚木線]]<br />(都市計画道路西富岡石倉線<ref>{{Cite web |url=http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/751925.pdf |title=県道603号(上粕屋厚木) 「都市計画道路西富岡石倉線」及び「伊勢原北IC(仮称)接続区間」整備事業 |format=PDF |publisher=神奈川県広域幹線道路事務所 |accessdate=2017-02-12}}</ref>)(事業中) |
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|style="background-color:#CCC"|[[2019年]]度開通予定<ref name="press20180320" /> |
|style="background-color:#CCC"|[[2019年]]度開通予定<ref name="press20180320" /> |
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|style="background-color:#CCC"|[[秦野サービスエリア|秦野SA/SIC]]<ref>{{Cite web |date=2015-06-30 |url=http://www.mlit.go.jp/common/001094915.pdf |title=スマートインターチェンジの新規事業化・準備段階調査について |format=PDF |publisher=国土交通省 道路局 |accessdate=2017-02-12}}</ref><ref name="hadano">{{Cite web |date=2016-10-12 |url=http://www.city.hadano.kanagawa.jp/www/contents/1001000000728/index.html |title=スマートICの実現化に向けて |publisher=秦野市 |accessdate=2017-02-12}}</ref> |
|style="background-color:#CCC"|[[秦野サービスエリア|秦野SA/SIC]]<ref>{{Cite web |date=2015-06-30 |url=http://www.mlit.go.jp/common/001094915.pdf |title=スマートインターチェンジの新規事業化・準備段階調査について |format=PDF |publisher=国土交通省 道路局 |accessdate=2017-02-12}}</ref><ref name="hadano">{{Cite web |date=2016-10-12 |url=http://www.city.hadano.kanagawa.jp/www/contents/1001000000728/index.html |title=スマートICの実現化に向けて |publisher=秦野市 |accessdate=2017-02-12}}</ref> |
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|style="background-color:#CCC"|[[神奈川県道705号堀山下秦野停車場線|県道705号堀山下秦野停車場線]]<ref name="hadano" />(市道経由) |
|style="background-color:#CCC"|[[神奈川県道705号堀山下秦野停車場線|県道705号堀山下秦野停車場線]]<ref name="hadano" />(市道経由) |
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|colspan="2" rowspan="2"|[[秦野市]] |
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|style="background-color:#CCC"|[[秦野インターチェンジ|秦野IC]] |
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|style="background-color:#CCC"|[[国道246号]]<br />厚木秦野道路(事業中) |
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|style="background-color:#CCC"|[[山北スマートインターチェンジ|山北SIC]]<ref>{{Cite web |date=2014-07-25 |url=http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000433.html |title=スマートインターチェンジの新規採択について |publisher=国土交通省 |accessdate=2017-02-12}}</ref><ref name="yamakita">{{Cite web |date=2016-01-04 |url=http://www.town.yamakita.kanagawa.jp/contents_detail.php?co=cat&frmId=2668&frmCd=2-7-16-0-0 |title=(仮称)山北スマートインターチェンジ |publisher=山北町 |accessdate=2017-02-12}}</ref> |
|style="background-color:#CCC"|[[山北スマートインターチェンジ|山北SIC]]<ref>{{Cite web |date=2014-07-25 |url=http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000433.html |title=スマートインターチェンジの新規採択について |publisher=国土交通省 |accessdate=2017-02-12}}</ref><ref name="yamakita">{{Cite web |date=2016-01-04 |url=http://www.town.yamakita.kanagawa.jp/contents_detail.php?co=cat&frmId=2668&frmCd=2-7-16-0-0 |title=(仮称)山北スマートインターチェンジ |publisher=山北町 |accessdate=2017-02-12}}</ref> |
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|style="background-color:#CCC"|[[神奈川県道76号山北藤野線|県道76号山北藤野線]]<ref name="yamakita" />(町道経由) |
|style="background-color:#CCC"|[[神奈川県道76号山北藤野線|県道76号山北藤野線]]<ref name="yamakita" />(町道経由) |
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|colspan="2"|[[山北町]] |
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|style="background-color:#CCC"|[[小山パーキングエリア|小山PA/SIC]]<ref name="oyama">{{Cite web |url=http://www.fuji-oyama.jp/sangyou_smartIC_kyougikai.html |title=(仮称)小山スマートIC地区協議会 |publisher=小山町 |accessdate=2017-02-12}}</ref> |
|style="background-color:#CCC"|[[小山パーキングエリア|小山PA/SIC]]<ref name="oyama">{{Cite web |url=http://www.fuji-oyama.jp/sangyou_smartIC_kyougikai.html |title=(仮称)小山スマートIC地区協議会 |publisher=小山町 |accessdate=2017-02-12}}</ref> |
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|style="background-color:#CCC"|[[静岡県道151号須走小山線|県道151号須走小山線]]<ref name="oyama" />(町道経由) |
|style="background-color:#CCC"|[[静岡県道151号須走小山線|県道151号須走小山線]]<ref name="oyama" />(町道経由) |
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|colspan="2"|[[小山町]] |
|colspan="2"|[[小山町]] |
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|style="background-color:#CCC"|[[御殿場インターチェンジ (新東名高速道路)|御殿場IC]] |
|style="background-color:#CCC"|[[御殿場インターチェンジ (新東名高速道路)|御殿場IC]] |
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|style="background-color:#CCC"|[[国道138号]][[御殿場バイパス|御殿場バイパス(西区間)]](事業中)<br />[[静岡県道406号仁杉柴怒田線|県道406号仁杉柴怒田線]]<ref>{{Cite web |date=2016-04-01 |url=http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-830/douro/documents/h28hitosugisibannta.pdf |title=Welcome to 沼土<br />一般県道仁杉柴怒田線(御殿場市仁杉 |
|style="background-color:#CCC"|[[国道138号]][[御殿場バイパス|御殿場バイパス(西区間)]](事業中)<br />[[静岡県道406号仁杉柴怒田線|県道406号仁杉柴怒田線]]<ref>{{Cite web |date=2016-04-01 |url=http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-830/douro/documents/h28hitosugisibannta.pdf |title=Welcome to 沼土<br />一般県道仁杉柴怒田線(御殿場市仁杉?柴怒田)道路整備の概要 ?新東名高速道路へのアクセス性向上? |format=PDF |publisher=静岡県沼津土木事務所 |accessdate=2017-02-12}}</ref>(事業中) |
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|[[島田金谷インターチェンジ|島田金谷IC]] |
|[[島田金谷インターチェンジ|島田金谷IC]] |
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|[[国道473号]]<br /><span style="background-color:#CCC">国道473号[[金谷御前崎連絡道路]]<ref>{{Cite web |url=http://doboku.pref.shizuoka.jp/desaki2/shimada/shuyou_jigyou/H28/1-1【R473号金谷相良Ⅱ:道路改良】島田市菊川~菊川市倉沢.pdf |title=国道473号 金谷相良道路Ⅱ 道路改良事業(島田市菊川 |
|[[国道473号]]<br /><span style="background-color:#CCC">国道473号[[金谷御前崎連絡道路]]<ref>{{Cite web |url=http://doboku.pref.shizuoka.jp/desaki2/shimada/shuyou_jigyou/H28/1-1【R473号金谷相良Ⅱ:道路改良】島田市菊川~菊川市倉沢.pdf |title=国道473号 金谷相良道路Ⅱ 道路改良事業(島田市菊川?菊川市倉沢) |format=PDF |publisher=静岡県島田土木事務所 |accessdate=2017-02-13}}</ref>(事業中)</span> |
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== 歴史 == |
== 歴史 == |
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本節における路線名は、新東名として開通した2012年以前については計画段階の名称である「第二東名」の名称を用いて解説する。 |
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* [[1987年]]([[昭和]]62年) |
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=== 東名の限界 === |
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[[File:Tomei-Atsugi-IC-Overview.jpg|thumb|250px|right|東名の厚木付近。東京 - 厚木間は1977年までに日交通量64000 - 88000台に登るとの需要予測から開通当初より往復6車線とされたが{{Sfn|池上雅夫|1969|p=32}}、その需要予測をあざ笑うかのように1978年頃には12万台を突破し、渋滞が慢性化した{{Sfn|倉沢真也|1982|pp=58-59}}。]] |
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[[東海道メガロポリス]]を貫く戦後日本の新しい動脈として開通した東名高速道路(以下、東名)だが{{Sfn|池上雅夫|1969|p=まえがき(ⅰ) }}、ほどなく都市通過地域を中心に混雑が目立ち始め、特に東京 - 厚木間は休日ともなると高速道路の態をなさないほど渋滞が酷くなった{{Sfn|25年誌編さん委員会|1975|pp=727-728}}。このため建設省は割合早い段階から東名の代替路線の必要を認識した。1971年(昭和46年)4月には調査を開始し、この時点で道路規格第1種第1級、設計速度120 km/h、往復6車線として構想され、のちの新東名で採用された幾何構造がこの時すでに考えられていた{{Sfn|25年誌編さん委員会|1975|pp=727-728}}。 |
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しかし、第二東名の計画は遅々として進まなかった。地形的な条件が厳しく、資金を要するためである{{Sfn|村上圭三|1981|p=10}}。なお、東名の増強案としては、並行する[[東海道新幹線]]を2階建てにしてその上に第二東名を建設する案、東名を2階建てにする案、並行する国道1号のバイパスを建設する案、東名の交通集中著しい区間を往復6車線化する案が挙がった{{Sfn|村上圭三|1981|pp=10-11}}。この内、2階建て案は資金がかかり過ぎることが予想され、何よりも新幹線と高速道路の線形は全く異なり、インターチェンジを造ることも難しい{{Sfn|村上圭三|1981|pp=10-11}}。なお、一部の人からは[[s:国土開発幹線自動車道建設法|国土開発幹線自動車道建設法]](国幹道法)で定められた7600 kmの高速道路の建設を終了してから第二東名の建設を検討すればいい、という意見も出た{{Sfn|村上圭三|1981|p=11}}。だが、そうした悠長なことを言っていられないほどに東名の混雑は年々酷さを増した。1979年度のデータでは、東京 - 川崎間で既にキャパシティを超え、平均時速で見ると、東京 - 横浜間、静岡 - 焼津間、音羽 - 岡崎間、春日井 - 小牧間などで時速70キロを下回り、国際水準で見ると高速道路の概念に入らないような低速ぶりであった{{Sfn|村上圭三|1981|pp=8-9}}。 |
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東名、名神の渋滞がなぜ他の道路(高速、一般を問わず)よりも抜きん出て問題視されるかといえば、日本の経済活動を支える貨物輸送の主流が自動車であり、船や鉄道、飛行機に比べてもその比率は9割と圧倒的であるが、そのかなりの部分を東名、名神が担っているからである{{Sfn|村上圭三|1981|p=7}}。これは1977年度の調査であるが、東名、名神の1年間に輸送された貨物総量は約15億トンで、これは国道、都道府県道、市町村道を合わせた全道路の約14パーセントを東名、名神が担っていることになる。東名、名神の路線延長は536 km、全道路の0.0005パーセントに過ぎない道路にこれだけの貨物が集中している訳である{{Sfn|村上圭三|1981|pp=7-8}}。 |
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この異常なまでの東名、名神に対する分担率が日本経済に与える影響を一部垣間見させたのが[[日本坂トンネル]]における火災事故であった{{Sfn|村上圭三|1981|p=8}}。1979年(昭和54年)7月に発生したこの事故は、173台の車が焼失し、事故から完全復旧に至るまでまる2か月を要したが、この間は並行する一般国道が代替道路として利用された<ref name="中日19790724夕">{{Cite news |title=東名炎上 動脈切れ経済混乱 ハイウエー前提の危険な物流機構 |newspaper=中日新聞夕刊 |date=1979-07-24|page=8}}</ref>。だが、一般国道が東名のバイパスとなり得ないことは明らかで、これは同じ日本の大動脈である東海道新幹線と全く同様の弱点でもあった。なぜなら、東名、名神、東海道新幹線とも、そのポテンシャルがあまりに図抜けているために、不通の際には並行する一般道路や在来線ではリリーフの役割が期待できないからである<ref name="中日19790724夕"/>。東海道新幹線の場合、一列車あたり約1000人の乗客を200 km/h以上のスピードで時間あたり10本以上の高頻度で高速輸送するが、これを並行する東海道本線のローカル列車がその代役を果たそうとすることは土台無理な話で、東名の場合も並行する国道では東名の代替を果たすには荷が勝ち過ぎるのである。果たして、日本坂トンネルを迂回した車が国道1号や[[国道150号]]バイパスに流れ込んだ途端に、場所によっては40 kmの大渋滞が発生するなど麻痺状態に陥る有様であった<ref name="中日19790724夕"/>{{Sfn|窪津義弘・吉田光雄|1979|p=41}}。なお、普段の国道1号における普通車と大型車の比率は概ね4対1であるが、日本坂トンネル事故の期間中は1対1となった。つまり、普段25パーセントの大型車混入率が50パーセントに跳ね上がった訳で、これなど東名が普段からいかに大量の長距離大型トラックの輸送を担っているかを示す証左である<ref name="中日19790724夕"/>。 |
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この事故によって「[[カンバン|カンバン方式]]」を採用する[[トヨタ自動車]]に対して部品や材料が時間通りに届かないことによる組み立てラインの停止など産業への影響が少なからず発生した。地域によってはゴミ収集や郵便配達の停滞、果てはスーパーなどで売られる野菜や魚などが品薄になって値上がりするなど市民生活にも大きな影響が出た{{Sfn|村上圭三|1981|pp=7-8}}。なお、静岡、愛知、兵庫などの野菜生産地から東京への輸送は100パーセント東名、名神を利用しており、自動車産業における[[ジャストインタイム生産システム|ジャスト・イン・タイム]]輸送方式は生産行程の合理化に役立っているが、それは高速道路利用による時間厳守の確実な輸送によって成り立っている{{Sfn|(財)高速道路調査会|1982|p=68}}。また、長距離輸送のワンマン運転を可能にして物流の合理化に寄与し、翌日に配達されるという[[宅急便]]のシステムも高速道路の力に負う所が大きく<ref name="michi No.104-P9">『みち』No.104、平成8年11月(季刊)、日本道路公団、9頁(愛知県図書館蔵)</ref>、このことからも東名、名神が日本の経済活動に深く関わっていることが判るのである。なお、焼失した173台のうちの7割にあたる127台がトラックで、その[[日本のナンバープレート|ナンバープレート]]に刻印されていた地名は、東北地方を除いてほぼ日本列島の全域をカバーした{{Sfn|村上圭三|1981|p=8}}。そして焼けた積み荷の中身は、自動車部品、農産物、金属材料、ゴム、紙ロール、水産物、清涼飲料などあらゆる産業の材料、製品が含まれ、これらによっても東名が果たしている役割の一端が垣間見えるのである{{Sfn|村上圭三|1981|p=8}}。 |
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[[File:Mount Fuji and Ashitaka Mountains from Satta Pass.JPG|thumb|300px|right|東名高速の静岡市清水区由比地区付近。高潮により度々通行止めになる{{Sfn|静岡県交通基盤部 管理局政策監|2012|p=38}}。また[[駿河湾]]沖を震源とする大地震が発生した場合は東名へのダメージが大きく、地滑りや津波の危険も存在する<ref name="michi No.104-P6"/>{{Sfn|大石久和|2012|pp=7-8}}。]] |
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東名の混雑度も当初は部分的に散見されたものが、1980年頃にはほとんど全線に渡って過密の状態に立ち至り{{Sfn|倉沢真也|1982|p=54}}、日本の産業構造が東名、名神に支えられている状況を見るにつけ、いよいよこれ以上放置しておくことは出来ないレベルまで到達した{{Sfn|橋本弘之|1982|p=57}}。そして渋滞のみならず、上記に見る日本坂トンネル火災事故をはじめとした交通事故、あるいは静岡市清水区由比地区付近の台風や[[高潮]]による通行止めの頻発{{Sfn|中日本高速道路(株)建設事業本部企画統括チーム|2012|pp=35-36}}、さらには[[東海地震|東海]]、[[東南海地震]]が発生した際には大動脈が一本だけでは経済面や災害対応でも大いに問題があることから、何らかの対策を必要とする時期に差し迫ってきた{{Sfn|(財)高速道路調査会|1982|pp=66-68}}。 |
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=== 提言と四全総 === |
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1982年(昭和57年)1月、第26回国土開発幹線自動車道建設審議会(国幹審)が開催され、ここで交通量の増加に悩む東名、名神の一部区間の路線増強が決定した{{Sfn|倉沢真也|1982|pp=50-54}}。東名では大井松田 - 御殿場間の増強が決定され、一部拡幅のほかは基本別線で建設されることになった{{Sfn|橋本弘之|1982|p=65}}。だが、一部専門家には混雑区間に的を絞った部分改良では問題の根本的解決にはなり得ないと不安視する意見もあった{{Sfn|村上圭三|1981|pp=10-11}}。つまり、混雑区間が渋滞解消されたとしても、日本坂トンネル事故のようなどこで発生するかわからない大事故で東名が長期間不通になろうものなら収拾がつかなくなるなるというのである{{Sfn|村上圭三|1981|pp=10-11}}。 |
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1982年(昭和57年)3月には道路審議会が建設大臣に建議という形で、21世紀を目指した道路づくりの提言を行なった。1980年から下準備を開始して、この度ようやくまとめたものだが、その内の一つが東名、名神の部分的拡幅を行なうと同時に、長期的には第二東名、第二名神の建設を促す内容であった{{Sfn|武田文夫|1982|pp=40-41}}。ここでも部分改良だけでは問題は解決しないとしているが、理由は東海道地域における交通は今後とも増えると見込まれることや、東名、名神が全国高速道路網のかなめの位置にあることから、各地方が3大都市圏と交流し、あるいは地方相互に交流する場合に東名、名神を使わざるを得ない訳で、そこへ東名、名神の混雑があっては地域間の交流も妨げることにもなりかねない{{Sfn|(財)高速道路調査会|1982|p=66}}。また、交通量増加によって道路への負荷もかかることで維持補修の必要も増し、これに対して大規模な交通規制を敷くことは渋滞を招来することになって流通の停滞、追突事故の増大など悪循環となる{{Sfn|(財)高速道路調査会|1982|p=68}}。休憩施設も大幅な不足をきたしており、この現状を鑑みると、一部施設の改良や道路拡幅と並行しながら別線建設も検討する必要があると報告している{{Sfn|(財)高速道路調査会|1982|p=68}}。この提言が直ちに第二東名、第二名神建設に結びつくことはなかったが、その翌年からは[[第四次全国総合開発計画]](四全総)の策定作業が[[国土庁]]によって開始されており{{Sfn|坂下昇|1987|p=7}}、これと絡んで少しずつではあるが第二東名の計画が具体化していくことになった。 |
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四全総が計画されていた頃、政治的にもっぱら問題となっていたのは、日米間における[[貿易摩擦]]と予想以上の[[円高]]により発生した不況であった。この対策としては、円高に弱い業態(造船、鉄鋼、石炭)をある程度あきらめて、産業構造の調整を図ることとされた{{Sfn|武田文夫(座談会)|1987|p=19}}。また、これらの対外的な問題から、外需依存では立ちゆかなくなってきたことで、国内経済に依存する内需依存型経済を指向する必要が生じていた{{Sfn|武田文夫(座談会)|1987|p=20}}。こうした背景の下、国内経済を刺激するためには東京一極集中ではなく、地方経済の独立化と活性化が必要となるが、その実現のためには高速道路が必要であるとの要望が多く寄せられるに至った{{Sfn|武田文夫(座談会)|1987|p=20}}。つまり、大都市圏と地方を結ぶよりは、地方同士を結ぶ交流ネットワークが必要とされ、これを踏まえて四全総では地域間の移動に1時間以内で到達できるような高速道路ネットワーク形成が目標として掲げられるに至った{{Sfn|武田文夫(座談会)|1987|p=20}}。またこれとは別に、既定の高速道路の内、混雑が著しい区間の解消を目指すとしたが、これが東名、名神の代替路線建設を指すことは明らかであった{{Sfn|武田文夫|1987|p=54}}。こうして諸々の案件を加えて、当初は7600 kmで計画された全国高速道路網は、今回計画分の6220 kmを足して約14000 kmに拡充されることになった{{Sfn|武田文夫(座談会)|1987|p=21}}。ただし、6220 kmには採算性が悪い路線も含まれることから、これを全て[[日本道路公団]](以下、公団)が引き受けると内部補助に問題が生じる。このため、[[一般国道自動車専用道路]]2300 kmと[[国土開発幹線自動車道]]3920 kmに分けて公団引受け分は後者とすることになり、1987年9月の臨時国会で国幹道法の法律改正を目指すことになった{{Sfn|武田文夫(座談会)|1987|p=21}}。なお、四全総は1987年6月に内閣によって承認され、第二東名、第二名神は[[高規格幹線道路]]14000 kmの枢要部を形成する路線として位置づけられた{{Sfn|伊勢湾岸道路編集委員会|1998|p=2}}{{Sfn|伊浜野光司・小山康寛|2000|p=35}}。 |
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=== 国幹道法改正以後 === |
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[[File:Isewangan 20180203C.png|thumb|500px|第二東名、第二名神、伊勢湾岸道路路線図。図は海老名南JCT - 神戸間のルート確定の内容で記載。東名、名神に並行して計画された。]] |
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[[File:Shin Tomei expressway near Shin-Fuji InterChange 20100830.jpg|thumb|250px|建設中の第二東名(静岡県富士市)。ルートは市街地を避けて山寄りに建設。]] |
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1987年(昭和62年)9月1日、1966年(昭和41年)に国幹道法による予定路線7600 kmが制定されて以来{{Sfn|辻靖三|1987|p=23}}、21年ぶりに法改正されて予定路線は11520 km(7600 km+公団引受け分3920 kmの合計)に拡充された{{Sfn|中日本高速道路(株)建設事業本部企画統括チーム|2012|p=34}}。その中でも整備の緊急性、優先順位が最も高いと位置づけられたのが第二東名と第二名神である<ref name="中日19870708">{{Cite news |title=高速国道に24路線追加 「第2東名」など優先 建設相方針 |newspaper=中日新聞朝刊 |date=1987-07-08|page=1}}</ref>。 |
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地方間を結ぶ交流ネットワーク推進のために、予定路線を11520 kmに拡充するというのが四全総における一応の建前であったが、実態は高速道路を求める各地方自治体が地元の有力政治家に働きかけて半ば強引に計画路線に組み入れた結果が今回追加分(3920 km)の路線網である{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=102-104}}。なお、かつて7600 kmに制定された路線とは、一定の交通需要が見込めて採算ラインに載ることを念頭に選び、そこに人口分布なども勘案して定められた路線であって、それ以外の路線は不採算路線であることから建設省が除外した経緯がある{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=31-38}}。なぜ不採算路線を計画から外したかと言えば、公団は高速道路建設にあたって税金投入ではなく、[[郵便貯金]]や[[簡易保険]]を財源とする[[財政投融資]]、および銀行から建設資金を借り入れてのち、通行料金で返済する方式を採用しているため、建設する高速道路の採算が悪ければ公団経営が悪化しかねないためである{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=35-36}}。これに対して一般国道などは税金が投入されることから、採算性はそれほど問題視されない訳で、ゆえに通行量が極端に少ない地方にも国道が建設できるのである{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=35-36}}。今回追加された3920 kmの路線はそのほとんどが不採算路線とされ{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=98-106}}、それも追加分の目玉路線が高コストの第二東名、第二名神とあっては赤字必至であることから、後述するように公団関係者の一部には経営を不安視する者さえ現れた{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=106-111}}。 |
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第二東名、第二名神の予定路線は、四全総計画時点で示された高規格幹線道路網計画図によると、概ね東名、名神に並行して計画されているが、[[伊勢湾]]北端([[名古屋港]]付近)をかすめることと、[[岐阜県]]を避けて[[三重県]]側に寄せられるなど完全な並行とはなっていない{{Sfn|武田文夫|1987|p=55}}。なお、 国幹道法改正の5か月前には、愛知県知事が元々一般有料道路として計画されていた豊田 - 四日市間の伊勢湾岸道路を第二東名、第二名神に取り込むための提案をしており<ref name="中日19870409">{{Cite news |title=伊勢湾岸道 含めたい 第二東名愛知ルート 鈴木知事談 |newspaper=中日新聞朝刊|date=1987-04-09|page=1}}</ref>、政府も伊勢湾岸道路が東名、名神のバイパスになりうるとの判断から伊勢湾岸道路を第二東名、第二名神に取り込む決定を下した<ref name="中日19870530">{{Cite news |title=中部の21世紀戦略 四全総試案から(上)/分散の動脈 第二東名軸に道路網整備 |newspaper=中日新聞朝刊|date=1987-05-30|page=1}}</ref>。 |
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建設省は第二東名、第二名神のルート確定に向けてさまざまな構想を練ったが、1988年(昭和63年)6月に公表したルートでは、東京近郊と大阪近郊の用地買収は困難として、当面は[[御殿場市|御殿場]]と[[栗東市|栗東]]間を構想し、それ以外は東名、名神を拡幅のうえ供用する案を出した。そして3大都市圏以外の設計速度(工学上の安全速度で<ref name="中日19890201"/>実際車を運転する速度とは異なる)を140 km/hに引き上げ、道路の勾配を2パーセント(1000メートルの間に2メートルの高低差)以下に抑える、雪や霧などの天候の影響を抑えるために標高を300 m以下に抑える、山間地振興の地元要望受け入れと海岸部の人口密集地帯を避けるために山すそにルート設定するなどの案を示した<ref name="中日19880610">{{Cite news |title=第2東名・名神 全ルート固まる 御殿場以東と栗東以西 拡幅し当面供用 |newspaper=中日新聞朝刊 |date=1988-06-10|page=1}}</ref>。この内の勾配抑制とは、自動車の性質からいって、下りはスピードが増して上りはスピードが落ちるという現象から渋滞発生要因の一つとされることで、可能な限り道路を水平に保って渋滞発生要素を初めから排除しようという考えによっている<ref name="michi No.104-P6"/>。なお、140 km/hの根拠は、公団の広報誌によれば、欧米の例、ユーザーのニーズ、投資効率などの条件から最適と思われる数値として決定したとする<ref name="michi No.104-P8">『みち』No.104、平成8年11月(季刊)、日本道路公団、8頁(愛知県図書館蔵)</ref>。そして設計速度を高く設定すれば安全性を確保するために路肩を広くしたり、カーブや坂を減らす工夫を要し、結果的にコストの高い道路ができあがる<ref name="日経20030624"/>。この高い規格を指示したのは1986年(昭和61年)まで建設大臣を務めた[[江藤隆美]]とされ、「第二東名は立派な道路を造るよう指示した(中略)後世に誇れるような財産を造れと指示した」とNHKのインタビューで述べているが、同時に「安くという発想は全くなかった。世界に誇れるものをということだけだった」とも述べている{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=106-107}}。 |
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1989年(平成元年)2月には第28回国幹審で横浜市 - [[東海市]]間が基本計画区間(国幹道の予定路線のうち建設を開始すべき路線として策定されるもの{{Sfn|建設省道路局高速国道課 |1997|p=33}})に格上げされ<ref name="朝日19890201">{{Cite news |title=大2東名・名神を優先建設 基本計画に昇格 審議会決定 |newspaper=朝日新聞(名古屋)朝刊|date=1989-02-01|page=1}}</ref>、月内には第二東海自動車道横浜東海線として高速自動車国道の路線に指定された{{Sfn|伊勢湾岸道路編集委員会|1998|p=2}}。今回策定にあたり、過密が酷く用地買収が困難<ref name="中日19890201">{{Cite news |title=第2東名・名神を優先建設 基本計画に昇格 審議会決定 |newspaper=中日新聞朝刊 |date=1989-02-01|page=1}}</ref>、かつルートを巡って地元自治体との調整がつかなかった東京 - 横浜間(約30 km)<ref name="朝日19890201"/>、および一般有料道路として事業中の東海 - 名古屋間(約4 km)は除外された{{Sfn|伊勢湾岸道路編集委員会|1998|p=2}}。この頃までには具体的なルートが検討されており、並行する東名、名神の代替性を重視して新旧両道の乗り移りを可能とする渡り線を設けることなどが計画された<ref name="中日19890201"/>。つまり、複数の連絡路で東名と相互に行き来できる[[梯子]]状(ラダー)とすることで、東名の一部区間で不通になった場合はこの連絡路で第二東名に移動して迂回路として活用することとされた<ref name="michi No.110 P7">『みち』No.110、平成10年4月(季刊)、日本道路公団、7頁(愛知県図書館蔵)</ref>。また、両道路は近い位置で並行することから、一般道路においても各IC経由で相互連絡できる構造とした{{Sfn|中日本高速道路(株)建設事業本部企画統括チーム|2012|p=34}}。 |
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1991年(平成3年)12月には[[環境アセスメント|環境影響評価]]の手続きが終了した静岡県[[長泉町]] - 愛知県東海市間の216 kmについて、第29回国幹審の議決を経て着工前提の整備計画路線に昇格した{{Sfn|荒牧英城 |1992|p=1}}<ref name="中日19911203夕">{{Cite news |title=第2東名・名神 整備路線に昇格 高速道路建設で国幹審決定 93年春にも着工 21世紀初頭完成めざす |newspaper=中日新聞夕刊|date=1991-12-03|page=1}}</ref>。 |
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そして1993年(平成5年)11月、長泉町 - 東海市間に建設大臣から公団に対して施行命令が下された{{Sfn|猪熊康夫・黒岩正・佐溝純一|1995|p=38}}。だが、この規模にとどまる施行命令ではなかった。日本道路公団始まって以来の最大規模の施行命令で、他の高速道路までも含んでその延長距離は1184 km、事業費は9兆7000億円もの規模であった{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|p=157}}。この中でも特に金のかかる第二東名、第二名神の建設費を工面し、他の採算の見込めない路線を建設して償還を達成するために公団は、1994年(平成6年)に高速道路の通行料金の値上げに踏み切った(実施は翌年4月){{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=157-158}}{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|p=154}}。 |
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値上げにあたり、公団は専門家に意見を聞いたうえでその値上げ幅を4割強と試算したが、認可を出す立場の建設省は、[[バブル経済]]がはじけて企業収益が軒並み悪化している中で、運輸業界を始めとする財界からの反発を予想し、前回値上げ時からこの時に至るまでの物価上昇率(約11パーセント)以内に値上げ幅を抑えたいとの意向を持っていた{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=167-168}}。結果的に9.7パーセントで落着したが、ここまで圧縮するために建設省は公団に一層のコスト緊縮策を迫り、道路建設に対して新技術導入による建設費削減などの努力を求めた{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=167-168}}。公団はこうした要請に応えるべく、大型機械導入や新工法の積極的導入を図ったが{{Sfn|猪熊康夫・黒岩正・佐溝純一|1995|pp=40-41}}<ref name="michi No.110 P6-8"/>、これについては[[新東名高速道路#トンネル・主な橋梁|トンネル・主な橋梁節]]で後述する。それにしてもこの時期はバブル経済が崩壊して不況のただ中にあった訳で、それでも空前の施行命令が下された背景には、第二東名が景気浮揚の起爆剤につながるとの期待が経済界にあったからである{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=158-159}}。 |
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なお、1996年(平成8年)12月に開かれた第30回国幹審で、新たな基本計画が策定されることになり、第二東海自動車道では東海 - 名古屋市間約4 kmが追加された{{Sfn|建設省道路局高速国道課 |1997|pp=32-35}}。これを反映して翌1997年(平成9年)2月には、高速自動車国道法による路線名が第二東海自動車道横浜名古屋線となった<ref name="1997-2政令"/>。また今回の国幹審では、海老名 - 秦野間{{Sfn|友池哲雄 |2000|p=40}}、御殿場 - 長泉間{{Sfn|太田睦男 |2000|p=45}}が整備計画認可を受けた。そして残りの区間(秦野 - 御殿場間)も1998年(平成10年)12月開催の第31回国幹審で整備計画認可を受け{{Sfn|友池哲雄 |2000|p=40}}{{Sfn|太田睦男 |2000|p=45}}、当面の営業区間となる海老名 - 東海間の整備計画がこれで出揃うことになった。 |
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前述したように、公団内部には1987年(昭和62年)の国幹道法改正以後、高速道路ネットワークが11520 kmに拡大されたことに対してある種の危機感を抱く者が少なからずいた。危機感の根底にあったのは、今回の拡大によって不採算路線を多く抱きかかえたことと、それにも増してコストがあまりにも高い第二東名が正式に計画に盛り込まれたことにより、公団の存在そのものが吹き飛びかねないことにあった。慢性的な渋滞により東名の機能低下が目立ってきていることで、その代替路線が必要なことは理解できるとしながらも、道路規格や事業の進め方には疑問を投げかけ、このままでは公団は倒壊するというのである{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=106-114}}。果たして第二東名の建設が始まってみると、持てる技術を駆使して多くの「日本一」と「世界一」を実現しながらも{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=128-129}}、コスト意識がない事業手法と体質が祟って公団の借金はうなぎ登りに増加することとなった{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|p=128}}{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|p=150}}。 |
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=== 第二東名への批判 === |
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[[File:Fujikawa Bridge(2)-2.jpg|thumb|250px|新富士川橋。急流のため河川に橋脚を建てられなかったことでアーチ式となった。コンクリート製アーチ上に鋼製の主桁が載る「鋼・コンクリート複合構造」を採用。公団は同工法の採用によってコスト低減の成果を強調したが、それでも建設費140億円と高コストとなった{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=129-130}}。]] |
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上記に見る第二東名の設計速度140 km/h、曲線半径3000 m、勾配2パーセント以下という構造基準によって、第二東名は高コストで建設されることになった。何故なら、これらの条件で建設すれば必然的に道路は直線形状に近づき、かつ限りなく水平に造らざるを得ず、それを実現するためには橋梁、トンネルの構造物比率が増加するためである{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|p=133}}。直線であることは山を避けることが出来ずにトンネル数が多くなり、水平に近いことは山間部において非常に高い橋梁が必要となってくるが、これによって第二東名に占める構造物は全体の6割(東名は2割<ref name="読売20011214"/>)に及ぶことになった{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=132-133}}。[[盛土]]の上に道路を造る場合と違い、トンネルや橋などの構造物を造るには莫大な建設費用がかさむのである{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=132-133}}。これに加え、第二東名は往復6車線のため、トンネル断面は往復4車線の東名と比較して2.5倍となって、さらにコストが膨らむ結果となっている{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|p=134}}。これによって第二東名、第二名神の1キロ換算の工事費は一般高速道路の5.1倍(236億円)に膨れ上がり、総事業費は約10兆円(2002年当時)と見積もられた<ref name="読売20021105-P1"/>。 |
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この構造基準は1990年(平成2年)8月6日、当時の建設省道路局長の[[藤井治芳]](後の日本道路公団総裁)の通達によって正式に定められた{{Sfn|猪瀬直樹|2003|p=449}}{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=136-137}}。通常、政令にはない構造規格の道路建設には[[道路構造令]]の改正が必要となるが、藤井は法律を飛び越えて局長通達1通だけで公団に対して指示を下したのである{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=136-137}}。道路構造令には140 km/hの規定は無く、[[警察庁]]との調整も無視して{{Sfn|猪瀬直樹|2003|pp=449-453}}<ref name="読売20021105-P1">{{Cite news |title=第2東名・名神高速道路「時速140キロ設計」空転 警察合意抜きで建設続行 |newspaper=読売新聞(東京)朝刊|date=2002-11-05|page=1}}</ref>、第二東名、第二名神の構造規格は一介の官僚によって強引に制定された。これは第二東名、第二名神にA、B、Cの3規格を設け、A規格が最もハイスペックの140 km/h、ほかの大都市近郊ないし中心部をB、C規格として120 km/h、100 km/hとする内容であった{{Sfn|浜野光司・小山康寛|2000|p=37}}。その結果が、莫大な高コストとなって跳ね返ることになり、これには後年、[[道路関係四公団|道路関係四公団民営化推進委員会]]が藤井に対して厳しく責任追求している{{Sfn|猪瀬直樹|2003|pp=449-453}}{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=136-137}}。 |
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'''建設省道路局長通達による第二東名、第二名神高速道路の幾何構造基準の抜粋''' |
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{|class="wikitable" style="text-align:center; font-size:90%;" |
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! 道路の存する地域 !! 道路の規格 !! 道路の区間 !! 設計速度 !! 車線幅員 !! 路肩幅員 !! 中央帯幅員 !! 曲線半径 !! 縦断勾配 |
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| rowspan="2"|大都市圏間||rowspan="2"|A規格||伊勢原市付近 - 豊田市付近||rowspan="2"|120 km/h<br>(140 km/h)||rowspan="2"|左側車線3.75 m<br>中央車線3.75 m<br>右側車線3.75 m||rowspan="2"|左3.25 m以上<br>右2.0 m以上||rowspan="2"|7.5 m以上||rowspan="2"|3000 m付近||rowspan="2"|2 %以下 |
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|- |
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|四日市市付近 - 城陽市付近 |
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|- |
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| rowspan="2"|大都市圏内周辺部||rowspan="2"|B規格||横浜市付近 - 伊勢原市付近||rowspan="2"|120 km/h||rowspan="2"|左側車線3.75 m<br>中央車線3.75 m<br>右側車線3.50 m||rowspan="2"|左3.25 m以上<br>右1.75 m以上||rowspan="2"|6.0 m以上||rowspan="2"|1800 m付近||rowspan="2"|2 %以下 |
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|- |
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|城陽市付近 - 神戸市付近 |
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|- |
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| rowspan="2"|大都市圏内中心部||rowspan="2"|C規格||東京都付近 - 横浜市付近||rowspan="2"|100 km/h||rowspan="2"|左側車線3.75 m<br>中央車線3.75 m<br>右側車線3.50 m||rowspan="2"|左3.25 m以上<br>右1.75 m以上||rowspan="2"|4.5 m以上||rowspan="2"|1100 m付近||rowspan="2"|3 %以下 |
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|豊田市付近 - 四日市市付近 |
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|} |
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<small>(表典拠:『高速道路と自動車』第43巻第9号(2000年9月)公益財団法人高速道路調査会、37頁)</small>{{-}} |
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この局長通達後、建設省は警察庁と非公式に協議を行ない、120 km/hまでしかない道路構造令の改正を目指した。だが警察庁側は事故防止の観点から140km/h化に対する反対意見が優勢で合意は得られず、建設省は道路構造令はそのままにして、1993年(平成5年)に施行命令を出して事業化した<ref name="読売20021105-P1"/>。後年、道路構造令にはない140 km/hの規格で建設続行していることに対して[[国土交通省]](建設省からの改称)は「規制速度が140 km/hを下回っても安全性は高まっているので一概に無駄になるとは言えない」として、法改正を経ずして通達だけで高コスト路線の建設に邁進していることについては問題にしないような素振りを見せた<ref name="読売20021105-P1"/>。なお、民営化推進委員会が第二東名のコスト縮減策を模索し始めた段階では既に6車線分で完成した区間が多く、規制速度や交通量の予測を精査することなしに建設に邁進した公団の姿勢に対してマスコミはこぞって批判を浴びせた<ref name="読売20021105-P35">{{Cite news |title=第2東名・名神高速道路 豪華な設計、見通し貧弱 工事優先のツケ |newspaper=読売新聞(東京)朝刊|date=2002-11-05|page=35}}</ref>。 |
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用地買収もたけなわの頃、一つのニュースが新聞記事を賑わした。静岡県浜松市の宅地が第二東名および県道建設予定地にかかることから、宅地をそれぞれ2つに分割した。土地は元々一つであるから、分割された2つの土地は接している。しかし、第二東名の用地は一平方メートルあたり55000円、一方の県道用地は25000円で売却したとすることで、公団が県道の2倍の高値で土地を購入していたことが判明したのである。[[不動産鑑定士]]によって評価額の差異があるにせよ、通常は2割から3割程度とされるなかで、2倍から4倍の差がつくことは公団のコストに対する意識が希薄であるとの批判がなおのこと強まる結果となった<ref name="読売20021011">{{Cite news |title=第2東名用地買収 同地点で県道の2-4倍価格 鑑定評価額も2倍超? |newspaper=読売新聞(静岡)朝刊|date=2002-10-11|page=35}}</ref>。 |
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今ひとつの批判として、第二東名の2001年度における建設工事の指名競争入札のうち、平均落札率が予定価格の98パーセント台という高率であったことも公団のコスト意識の無さを改めて印象づける結果となった<ref name="読売20011214">{{Cite news |title=第2東名・名神高速道路 不自然な高値落札続々 工事8割、ほぼ予定価格 |newspaper=読売新聞(東京)朝刊|date=2001-12-14|page=39}}</ref>。指名競争入札であるから、公団が設定した予定価格(業者には非公表)より最も安い価格を提示した企業が落札するのが通常だが、予定価格の98パーセント台というのは競争が無きに等しい数値である{{Refnest|group="注釈"|予定価格に近いほど工事で得られる儲けは大きくなる<ref>『読売新聞(東京)』2005年7月9日夕刊、13面</ref>。}}。予定価格が事前に業者に知らされ、業者間で落札する業者を[[カルテル|談合]]によって決めていたと糾弾されても仕方の無い落札率である{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|p=120}}。そして入札に参加した企業には公団のOBが天下っていたことから、業者と公団の癒着という構造が存在し、高速道路の高い建設費用と公団の借金が膨らんだ背景には、こうした公団の体質があった{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=119-120}}。 |
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第二東名は当面の起点を神奈川県海老名市(海老名南JCT)として、それ以東は住宅密集地帯のため一部で基本計画区間として策定されているのみで着工の計画はない。しかし、東名の交通量は東京に近づくほど増大し、渋滞が酷くなることを考えると、海老名市起点では東名の補完道路としてどこまで有効であるのか疑問視された<ref name="読売20021105-P35"/>。そもそも東名の渋滞解消が第二東名の主たる使命であるのに、東名の最混雑区間について第二東名はカバーしないのである{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|p=135}}。前出の当時の道路局長の藤井が元公団総裁を訪ねて第二東名建設の是非を問うたとき、元総裁から第二東名の高コストを懸念され、東京側の入口の計画がはっきりしないならば造らない方がいい、との忠告を受けていた{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|pp=21-22}}。しかし、用地買収をも含めた計画がはっきりしないまま着工に踏み切り、これには公団内部からも見切り発車との批判が出ている{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|p=135}}。 |
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[[File:Shin-Tomei Expressway 2013-03-09 (9397223287).jpg|thumb|250px|静岡県富士市内。往復6車線を前提に着工され、開業時は暫定4車線に縮小、運用された。]] |
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第二東名建設に対して、建設省や事業主体の公団側にコストカットの意識が全く無かったかといえばそうではなく、1990年代初頭には高い構造規格を実現するには高コストになるため、橋梁に対する[[プレキャストコンクリート|プレキャストセグメント工法]]の採用などが早くから考えられていた{{Sfn|荒牧英城|1992|p=5}}{{Sfn|猪熊康夫・黒岩正・佐溝純一|1995|pp=40-41}}。公団発行の広報誌にはやたらとコスト低減を標榜した工法の採用や実績が示されている<ref name="michi No.123 P6-8">『みち』No.113、平成13年7月(季刊)、日本道路公団、6-8頁(愛知県図書館蔵)</ref>。それにも関わらず第二東名や公団に対するマスコミおよび世間の風当たりは一層厳しくなった。第二東名を不採算路線として見直すべきとする意見から<ref name="朝日20020901">{{Cite news |title=建設計画の見直しを急げ 道路改革 |newspaper=朝日新聞(東京)朝刊|date=2002-09-01|page=2}}</ref>、東名の現実を見て第二東名は必要だが140 km/hや勾配2パーセント、往復6車線はコストを押し上げ、贅沢すぎるなどの意見もあった<ref name="日経20030624"/><ref name="読売20021105-P35"/>。そして上記に見る国や公団のコスト意識の希薄さと[[天下り]]やファミリー企業問題により借金が30兆円に達っしようという状況から2001年には[[小泉純一郎|小泉]]政権の下、[[特殊法人]]改革が推し進められ、これに乗じて道路関係四公団民営化推進委員会が設立されるに至った。 |
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ここでは公団の民営化が目的であったが、同時に高コストの第二東名、第二名神がやり玉に挙がった<ref name="日経20030624">{{Cite news |title=第二東名・名神の設計「時速140キロ」は過大 民営化委、見直し要求へ |newspaper=日本経済新聞(東京)|date=2003-06-24|page=5}}</ref>。先に国土交通大臣は第二東名の交通量や最高速度が曖昧なまま工事が続けられている状況から全線6車線を4車線に見直し、最高速度の見直しも図る見解を示したが、これは建設凍結を回避するための代替案でもあった<ref name="読売20021105夕">{{Cite news |title=第2東名・名神高速道路「6車線見直す」/扇国交相 |newspaper=読売新聞(東京)夕刊|date=2002-11-05|page=19}}</ref>。結局、政府は2003年(平成15年)3月に第二東名、第二名神の規格見直しを決定し、第二東名の場合、豊田以東は基本往復4車線で建設されることになった{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|p=211}}。これにより1兆円規模の経費削減が可能とされた<ref name="日経20030326">{{Cite news |title=道路4公団コスト削減案決定 |newspaper=日本経済新聞(東京)|date=2003-03-26|page=2}}</ref>。これは2003年(平成15年)12月に開催された第1回[[国土開発幹線自動車道建設会議]](国幹会議:それまでの国土開発幹線自動車道建設審議会〈国幹審〉を改称したもの{{Sfn|NHK報道局「道路公団」取材班|2005|p=196}})によって議決された<ref name="michi No.134 P38">『みち』No.134、平成16年4月最終号(季刊)、日本道路公団、38頁(愛知県図書館蔵)</ref>{{Sfn|国土交通省 道路局高速国道課|2004|pp=36-39}}。 |
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なお、日本道路公団は2005年(平成17年)10月に民営化され、第二東名の建設は[[中日本高速道路]](NEXCO中日本)が引き継ぐことになった{{Sfn|中日本高速道路(株)建設事業本部企画統括チーム|2009|p=55}}。 |
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=== 開通後 === |
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第二東名としては1998年(平成10年)3月に[[名古屋南インターチェンジ|名古屋南IC]] - [[東海インターチェンジ|東海IC]]間が最も早く開通したが、この区間は名古屋都市圏の幹線道路網構築を優先するとの意味から<ref name="michi No.104-P4"/>当面は「伊勢湾岸自動車道」を称することになり{{Sfn|伊勢湾岸道路編集委員会|1998|p=2}}、2005年(平成17年)3月までにこの路線名で豊田東JCT - 東海IC間(西は[[四日市ジャンクション|四日市JCT]]まで)が全通している{{Sfn|呉菲・野竹壮一郎・古田俊彦|2018|p=96}}。 |
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一方、伊勢湾岸自動車道を除いた区間としては、2012年(平成24年)4月に御殿場JCT - 三ヶ日JCT間(162 km)が施工命令から18年5か月を費やして開通した{{Sfn|中日本高速道路(株)建設事業本部|2012|p=33}}。162 kmという、これまで開通した日本の高速道路のうち、一度の開通としては最長であったことで、NEXCO中日本ではこれを「史上最長の作戦」と呼んで、一丸となって工事完成にこぎ着けたとする<ref name="行政セミナー2012-7"/>。今回開通により、東名において行なわれていた改修工事について、新東名への迂回路が完成したことで長期規制を伴う大規模老朽化対策工事{{Sfn|中日本高速道路(株)建設事業本部企画統括チーム|2009|p=54}}の実施が可能となった。これまでは工事期間を限定した集中工事方式を採用せざるを得なかったが、それも今回開通によって資材搬入や施工範囲に制限がない重点的な工事が出来ることになった{{Sfn|中日本高速道路(株)建設事業本部|2012|p=35}}。そして、今回開通区間は東名の由比ヶ浜における台風、高潮における通行止めの際の代替ルートを担うことが特徴となっている{{Sfn|大石久和|2012|p=7}}{{Sfn|中日本高速道路(株)建設事業本部|2012|pp=35-36}}。開通1か月間における効果としては、東名利用の交通が順調に新東名に転換したことで、静岡県内の東名で発生していた10 km以上の渋滞が9割減少した<ref name="行政セミナー2012-7"/>。 |
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2016年(平成28年)2月には浜松いなさJCT - 豊田東JCT間(55.2 km)が延伸開通して伊勢湾岸自動車道と接続された{{Sfn|中日本高速道路(株)名古屋支社|2016|p=36}}。当該区間は暫定4車線(完成時6車線)で整備された{{Sfn|中日本高速道路(株)名古屋支社|2016|p=37}}。開通から1週間のデータでは、並行する東名の渋滞発生回数が前年同月では13回であったものが開通後は発生せず、ダブルネットワークの効果が早速現れた{{Sfn|中日本高速道路(株)名古屋支社|2016|p=39}}。 |
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2018年(平成30年)1月には神奈川県内としては最初の供用区間となる海老名南JCT - 厚木南IC間(1.5 km)が開通した{{Sfn|中日本高速道路(株)東京支社|2018|p=34}}。僅か1.5 kmの距離であるため、4車線(暫定形で用地は6車線確保済)では車線変更が伴うことで、今回は片側1車線の運用とした{{Sfn|中日本高速道路(株)東京支社|2018|pp=34-35}}。施工命令を受けている区間としては、新東名にとって海老名南JCTが当面の起点となる{{Sfn|中日本高速道路(株)東京支社|2018|pp=34-35}}。 |
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=== 年表 === |
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* [[1982年]]([[昭和]]57年)[[3月5日]] : 建設相の諮問機関、道路審議会が第二東名、第二名神の建設を提言<ref name="中日19820306">{{Cite news |title=高速道1万キロ整備を 21世紀への道路づくり 審議会が提言 第二東名、名神の建設も |newspaper=中日新聞朝刊|date=1982-03-06|page=2}}</ref>。 |
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* [[1987年]](昭和62年) |
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** [[6月30日]] : [[第四次全国総合開発計画]]の閣議決定により、'''第二東名自動車道'''として東京 - 名古屋間が高規格幹線道路に構想される<ref>{{Cite web |date=1987-06 |url=http://www.mlit.go.jp/common/001135927.pdf |title=第四次全国総合開発計画 |format=PDF |publisher=国土交通省 |page=3 |accessdate=2017-02-14}}</ref><ref>{{Cite web |date=1987-06 |url=http://www.mlit.go.jp/common/001135927.pdf |title=第四次全国総合開発計画 |format=PDF |publisher=国土交通省 |page=142 |accessdate=2017-02-14}}</ref>。 |
** [[6月30日]] : [[第四次全国総合開発計画]]の閣議決定により、'''第二東名自動車道'''として東京 - 名古屋間が高規格幹線道路に構想される<ref>{{Cite web |date=1987-06 |url=http://www.mlit.go.jp/common/001135927.pdf |title=第四次全国総合開発計画 |format=PDF |publisher=国土交通省 |page=3 |accessdate=2017-02-14}}</ref><ref>{{Cite web |date=1987-06 |url=http://www.mlit.go.jp/common/001135927.pdf |title=第四次全国総合開発計画 |format=PDF |publisher=国土交通省 |page=142 |accessdate=2017-02-14}}</ref>。 |
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** [[9月1日]] : [[s:国土開発幹線自動車道建設法|国土開発幹線自動車道建設法]]の一部改正により、'''[[第二東海自動車道]]'''として東京都 - 名古屋市が国土開発幹線自動車道の予定路線となる<ref>{{Cite web |url=http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/10919870901083.htm |title=法律第八十三号(昭六二・九・一) |publisher=衆議院 |accessdate=2017-02-14}}</ref>。 |
** [[9月1日]] : [[s:国土開発幹線自動車道建設法|国土開発幹線自動車道建設法]]の一部改正により、'''[[第二東海自動車道]]'''として東京都 - 名古屋市が国土開発幹線自動車道の予定路線となる<ref>{{Cite web |url=http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/10919870901083.htm |title=法律第八十三号(昭六二・九・一) |publisher=衆議院 |accessdate=2017-02-14}}</ref>。 |
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* [[1996年]](平成8年)[[12月27日]] : 海老名南JCT - 秦野、御殿場JCT - 長泉沼津間の整備計画が決定する<ref name="history1" />。 |
* [[1996年]](平成8年)[[12月27日]] : 海老名南JCT - 秦野、御殿場JCT - 長泉沼津間の整備計画が決定する<ref name="history1" />。 |
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* [[1997年]](平成9年) |
* [[1997年]](平成9年) |
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** [[2月5日]] : '''第二東海自動車道横浜名古屋線'''として横浜市 - 名古屋市が高速自動車国道に指定される<ref>高速自動車国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(平成9年政令第12号)</ref>。 |
** [[2月5日]] : '''第二東海自動車道横浜名古屋線'''として横浜市 - 名古屋市が高速自動車国道に指定される<ref name="1997-2政令">高速自動車国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(平成9年政令第12号)</ref>。 |
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** [[12月25日]] : 御殿場JCT - 長泉沼津IC間に施工命令が出る<ref name="history1" />。 |
** [[12月25日]] : 御殿場JCT - 長泉沼津IC間に施工命令が出る<ref name="history1" />。 |
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* [[1998年]](平成10年) |
* [[1998年]](平成10年) |
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** [[3月1日]] : 静岡SAスマートIC、浜松浜北スマートIC(現・浜松SAスマートIC)の設置が許可される<ref>{{Cite web |date=2011-03-01 |url=http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000153.html |title=高速道路へのスマートインターチェンジの追加設置について |publisher=国土交通省 |accessdate=2017-02-13}}</ref>。 |
** [[3月1日]] : 静岡SAスマートIC、浜松浜北スマートIC(現・浜松SAスマートIC)の設置が許可される<ref>{{Cite web |date=2011-03-01 |url=http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000153.html |title=高速道路へのスマートインターチェンジの追加設置について |publisher=国土交通省 |accessdate=2017-02-13}}</ref>。 |
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** [[3月11日]] : [[東北地方太平洋沖地震]]([[東日本大震災]])が発生し、東名高速道路および並行する[[国道1号]]が通行止になり、建設中の藤枝岡部IC - 新富士ICの上り線を緊急輸送路として活用する<ref>{{Cite web |date=2011-12-21 |url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/company/disclosure/evaluation/pdf/2011/2011_03-2.pdf |title=事業評価監視委員会資料 資料3-2 再評価(原案) |format=PDF |publisher=中日本高速道路株式会社 |page=18 |accessdate=2017-02-14}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://media2.c-nexco.co.jp/images/news_old/2454/3db27f4edcec695b3bb59d875d789c1b.pdf |title=3.開通区間の特徴 |format=PDF |publisher=中日本高速道路株式会社 |page=3 |accessdate=2017-02-15}}</ref>。 |
** [[3月11日]] : [[東北地方太平洋沖地震]]([[東日本大震災]])が発生し、東名高速道路および並行する[[国道1号]]が通行止になり、建設中の藤枝岡部IC - 新富士ICの上り線を緊急輸送路として活用する<ref>{{Cite web |date=2011-12-21 |url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/company/disclosure/evaluation/pdf/2011/2011_03-2.pdf |title=事業評価監視委員会資料 資料3-2 再評価(原案) |format=PDF |publisher=中日本高速道路株式会社 |page=18 |accessdate=2017-02-14}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://media2.c-nexco.co.jp/images/news_old/2454/3db27f4edcec695b3bb59d875d789c1b.pdf |title=3.開通区間の特徴 |format=PDF |publisher=中日本高速道路株式会社 |page=3 |accessdate=2017-02-15}}</ref>。 |
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** [[8月26日]] : 道路名称が'''新東名高速道路'''に、御殿場JCT - 浜松いなさJCT間と清水連絡路および引佐連絡路の各施設の名称が正式決定する<ref>{{Cite web |date=2011-08-26 |url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_old/?id=2258 |title=「新東名高速道路」御殿場JCTから三ヶ日JCTは2012年初夏開通を目指します |
** [[8月26日]] : 道路名称が'''新東名高速道路'''に、御殿場JCT - 浜松いなさJCT間と清水連絡路および引佐連絡路の各施設の名称が正式決定する<ref>{{Cite web |date=2011-08-26 |url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_old/?id=2258 |title=「新東名高速道路」御殿場JCTから三ヶ日JCTは2012年初夏開通を目指します?道路名称とインターチェンジなどの名称も決定しました? |publisher=中日本高速道路株式会社 |accessdate=2017-02-15}}</ref>。 |
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** [[11月2日]] : 静岡SAスマートIC、浜松浜北スマートICの名称がそれぞれ静岡SAスマートIC、浜松SAスマートICに正式決定する<ref>{{Cite web |date=2011-11-02 |url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_old/index.php?id=2341 |title=新東名(静岡県内)のスマートインターチェンジ名称が決まりました |publisher=静岡市建設局道路部/浜松市土木部/中日本高速道路株式会社 東京支社 |accessdate=2017-02-15}}</ref>。 |
** [[11月2日]] : 静岡SAスマートIC、浜松浜北スマートICの名称がそれぞれ静岡SAスマートIC、浜松SAスマートICに正式決定する<ref>{{Cite web |date=2011-11-02 |url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_old/index.php?id=2341 |title=新東名(静岡県内)のスマートインターチェンジ名称が決まりました |publisher=静岡市建設局道路部/浜松市土木部/中日本高速道路株式会社 東京支社 |accessdate=2017-02-15}}</ref>。 |
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* [[2012年]](平成24年)[[4月14日]] : 御殿場JCT - 浜松いなさJCT間、清水連絡路の清水JCT - 新清水JCT間、引佐連絡路の三ヶ日JCT - 浜松いなさJCT間がそれぞれ開通し、これまでに開通した日本の高速道路で一度の開通延長が最も長い区間となる約162 [[キロメートル|km]]が開通する |
* [[2012年]](平成24年)[[4月14日]] : 御殿場JCT - 浜松いなさJCT間、清水連絡路の清水JCT - 新清水JCT間、引佐連絡路の三ヶ日JCT - 浜松いなさJCT間がそれぞれ開通し、これまでに開通した日本の高速道路で一度の開通延長が最も長い区間となる約162 [[キロメートル|km]]が開通する{{Sfn|中日本高速道路(株)建設事業本部|2012|p=33}}。 |
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* [[2014年]](平成26年) |
* [[2014年]](平成26年) |
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** [[3月29日]] : 遠州森町スマートICが供用開始する<ref>{{Cite web |date=2014-01-17 |url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_old/index.php?id=3411 |title=3月29日(土)から新東名高速道路 遠州森町スマートICがご利用いただけます |publisher=中日本高速道路株式会社 |accessdate=2017-02-15}}</ref>。 |
** [[3月29日]] : 遠州森町スマートICが供用開始する<ref>{{Cite web |date=2014-01-17 |url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_old/index.php?id=3411 |title=3月29日(土)から新東名高速道路 遠州森町スマートICがご利用いただけます |publisher=中日本高速道路株式会社 |accessdate=2017-02-15}}</ref>。 |
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** [[7月23日]] : 2014年度末に開通予定だった浜松いなさJCT - 豊田東JCT間の開通予定年度が2015年度末に見直すことを発表する<ref>{{Cite web |date=2014-07-23 |url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_release/3530.html |title=新東名高速道路 浜松いなさJCT |
** [[7月23日]] : 2014年度末に開通予定だった浜松いなさJCT - 豊田東JCT間の開通予定年度が2015年度末に見直すことを発表する<ref>{{Cite web |date=2014-07-23 |url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_release/3530.html |title=新東名高速道路 浜松いなさJCT?豊田東JCT 開通予定時期の見直しについて |publisher=中日本高速道路株式会社 |accessdate=2017-02-13}}</ref>。 |
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** [[9月18日]] : 浜松いなさJCT - 豊田東JCT間の各施設の名称が正式決定する<ref>{{Cite web |date=2014-09-18 |url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_release/3551.html |title=新東名高速道路 浜松いなさJCT |
** [[9月18日]] : 浜松いなさJCT - 豊田東JCT間の各施設の名称が正式決定する<ref>{{Cite web |date=2014-09-18 |url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_release/3551.html |title=新東名高速道路 浜松いなさJCT?豊田東JCT インターチェンジなどの名称が決定されました |publisher=中日本高速道路株式会社 |accessdate=2017-02-13}}</ref>。 |
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* [[2016年]](平成28年) |
* [[2016年]](平成28年) |
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** [[2月13日]] : 浜松いなさJCT - 豊田東JCT間が開通する |
** [[2月13日]] : 浜松いなさJCT - 豊田東JCT間が開通する{{Sfn|中日本高速道路(株)名古屋支社|2016|p=36}}。 |
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** [[3月24日]] : [[警察庁]]が御殿場JCT - 浜松いなさJCT間の最高速度を100 [[キロメートル毎時|km/h]]から110 km/hに引き上げを2017年から試行を認める方針を発表する<ref name="max_speed120" />。 |
** [[3月24日]] : [[警察庁]]が御殿場JCT - 浜松いなさJCT間の最高速度を100 [[キロメートル毎時|km/h]]から110 km/hに引き上げを2017年から試行を認める方針を発表する<ref name="max_speed120" />。 |
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** [[4月21日]] : 2016年度末に開通予定だった海老名南JCT - 厚木南IC間の開通予定年度が2017年度末になると発表する<ref name="ebina-atsugi2" /><ref name="ebina-atsugi3" />。 |
** [[4月21日]] : 2016年度末に開通予定だった海老名南JCT - 厚木南IC間の開通予定年度が2017年度末になると発表する<ref name="ebina-atsugi2" /><ref name="ebina-atsugi3" />。 |
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** [[11月1日]] : 警察庁が新静岡IC - 森掛川IC間(約50 km)の最高速度を試験的に100 km/hから110 km/hに引き上げる<ref>{{Cite web|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22970960R01C17A1CC0000/|title=新東名最高速度110キロに 1年間試行、安全性検証|date=2017-11-01|accessdate=2017-11-01|publisher=日本経済新聞}}</ref><ref name="nikkei20170928" /><ref name="sintoumei110" />。 |
** [[11月1日]] : 警察庁が新静岡IC - 森掛川IC間(約50 km)の最高速度を試験的に100 km/hから110 km/hに引き上げる<ref>{{Cite web|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22970960R01C17A1CC0000/|title=新東名最高速度110キロに 1年間試行、安全性検証|date=2017-11-01|accessdate=2017-11-01|publisher=日本経済新聞}}</ref><ref name="nikkei20170928" /><ref name="sintoumei110" />。 |
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* [[2018年]](平成30年) |
* [[2018年]](平成30年) |
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** [[1月28日]] : 海老名南JCT - 厚木南IC間が開通する<ref>{{Cite web|url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_release/4211.html|title=E1A 新東名高速道路 海老名南JCTから厚木南IC間が 2018年1月28日(日)15時に開通します。 |
** [[1月28日]] : 海老名南JCT - 厚木南IC間が開通する{{Sfn|中日本高速道路(株)東京支社|2018|p=34}}<ref>{{Cite web|url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_release/4211.html|title=E1A 新東名高速道路 海老名南JCTから厚木南IC間が 2018年1月28日(日)15時に開通します。 ?物流の効率化による生産性向上と地域開発の促進が期待されます?|date=2017-12-20|accessdate=2017-12-20|publisher=中日本高速道路株式会社}}</ref>{{Refnest|group="注釈"|name="ebina-atsugi1"|当初は2016年度開通予定だった<ref name="ebina-atsugi2">{{Cite web |date=2016-04-21 |url=http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/interview/125.html |title=2016年04月21日宮池社長定例会見 |publisher=中日本高速道路株式会社 |accessdate=2017-02-15}}</ref><ref name="ebina-atsugi3">{{Cite web |date=2016-04-21 |url=http://media2.c-nexco.co.jp/images/press_conference/125/76240686157185833e9a63.pdf |title=定例記者会見 資料1 |format=PDF |publisher=中日本高速道路株式会社 |page=2 |accessdate=2017-02-15}}</ref>。}}。 |
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** [[3月20日]] : 2018年度に開通予定だった伊勢原JCT - 伊勢原北IC間の開通予定年度が2019年度になると発表する<ref name="press20180320" />。 |
** [[3月20日]] : 2018年度に開通予定だった伊勢原JCT - 伊勢原北IC間の開通予定年度が2019年度になると発表する<ref name="press20180320" />。 |
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** [[8月10日]] : 御殿場JCT - 浜松いなさJCT間の6車線化について国土交通省より事業許可を受ける<ref>{{Cite web|url=http://www.mlit.go.jp/common/001248992.pdf|title=新東名の6車線化について|date=2018-08-10|accessdate=2018-08-10|publisher=国土交通省道路局|format=PDF}}</ref>。 |
** [[8月10日]] : 御殿場JCT - 浜松いなさJCT間の6車線化について国土交通省より事業許可を受ける<ref name="6車線化">{{Cite web|url=http://www.mlit.go.jp/common/001248992.pdf|title=新東名の6車線化について|date=2018-08-10|accessdate=2018-08-10|publisher=国土交通省道路局|format=PDF}}</ref>。 |
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=== 開通予定年度 === |
=== 開通予定年度 === |
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[[#道路規格|前述]]した通り、本路線は[[暫定2車線#完成6車線・暫定4車線|暫定4車線]](海老名南JCT - 厚木南ICは暫定2車線、清水連絡路・引佐連絡路は完成4車線)での供用となっており、[[路肩|路肩側]]に6車線化の為の用地が確保されている区間もある。一部区間では5車線や6車線に拡幅されている区間もあるが、現時点では付加車線扱いとなっている。 |
[[#道路規格|前述]]した通り、本路線は[[暫定2車線#完成6車線・暫定4車線|暫定4車線]](海老名南JCT - 厚木南ICは暫定2車線、清水連絡路・引佐連絡路は完成4車線)での供用となっており、[[路肩|路肩側]]に6車線化の為の用地が確保・舗装されている区間もある。一部区間では5車線や6車線に拡幅されている区間もあるが、現時点では付加車線扱いとなっている。 |
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新静岡IC - 森掛川ICは試験的に[[最高速度]]が110 [[キロメートル毎時|km/h]]に引き上げられた。この区間では大貨等・三輪・牽引の最高速度とそれ以外の車種の最高速度の標識がそれぞれ設置されている<ref>{{Cite web|url=http://www.asahi.com/articles/ASKBZ5RH7KBZUTIL04Z.html|title=最高速度110キロ、試行開始 目新しい標識も 新東名|date=2017-11-01|accessdate=2017-11-05|publisher=毎日新聞}}</ref>。 |
新静岡IC - 森掛川ICは試験的に[[最高速度]]が110 [[キロメートル毎時|km/h]]に引き上げられた。この区間では大貨等・三輪・牽引の最高速度とそれ以外の車種の最高速度の標識がそれぞれ設置されている<ref>{{Cite web|url=http://www.asahi.com/articles/ASKBZ5RH7KBZUTIL04Z.html|title=最高速度110キロ、試行開始 目新しい標識も 新東名|date=2017-11-01|accessdate=2017-11-05|publisher=毎日新聞}}</ref>。 |
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=== 道路規格 === |
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道路規格は第1種第1級('''設計速度120 [[キロメートル毎時|km/h]]''')であるが(浜松いなさJCT以西は暫定施工時 第1種第2級)、道路構造令にはない'''設計速度140 km/h'''を担保とした構造になっている。このため工事費用は割高になっているが、現在は'''規制速度100 km/h - 110 km/h'''で運用されている(設計速度と規制速度の決定についての詳細は[[#設計速度|'''設計速度の節''']]を参照)。基本的には暫定4車線(完成6車線)で施工されており、一部区間は5車線や6車線に拡幅されているほか、トンネルや橋などの構造物は6車線分確保されている部分もある。ただし、浜松いなさJCT - 岡崎SA間は工費や工期削減のため、従来の4車線構造で施工されており、路肩部分も下記に示す幅は確保されていない。 |
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* 構造規格 : 第1種第1級(海老名南JCT - 御殿場JCT、浜松いなさJCT - 豊田東JCTは暫定施工時: 第1種第2級) |
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* 設計速度 : 120 km/h |
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* [[車線]]幅員 : 3.50 [[メートル|m]] - 3.75 m |
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* [[路肩]] |
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** 左側 : 2.50 m - 3.00 m |
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** 右側 : 1.25 m - 1.75 m |
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* [[中央分離帯]] : 2.25 m - 4.50 m |
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* [[線形 (路線)#平面線形|最小曲率半径]] : 標準値3,000 m |
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** 海老名南JCT - [[伊勢原北インターチェンジ|伊勢原北IC]] : 1,500 m、伊勢原北IC - 秦野IC : 2,997 m、秦野IC - 御殿場JCT : 2,994 m |
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* [[線形 (路線)#縦断線形|最急縦断勾配]] : 標準値2.0 [[パーセント|%]] |
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** 海老名南JCT - [[厚木南インターチェンジ|厚木南IC]] : 1.4 %、厚木南IC - 伊勢原北IC : 2.1 %、秦野IC - 御殿場JCT : 3.0 % |
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* 車線数 : 4車線(用地買収6車線) |
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* 構造物比率 : 橋梁 32.4 %、トンネル 29.4 % |
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** 東名高速道路(参考値) : 橋梁 14.9 %、トンネル 3.0 % |
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=== 設計速度 === |
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当初は、従来の高速道路よりも道路規格が高い設計速度140 [[キロメートル毎時|km/h]]で建設運用が計画されていたが{{Sfn|久保田荘一・津田剛|1991|pp=46-47}}、[[道路構造令]]で設計速度140 km/hは定められておらず、[[国土交通省]]が改正を要請していた。 |
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[[新名神高速道路]]と同じく、道路規格は第1種第1級(設計速度120 km/h)として建設され、規制速度も法定[[最高速度]]の100 km/hが基本となっている。 |
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[[警察庁]]は、国土交通省の担当者や学識者らをメンバーに加えた「規制速度決定の在り方に関する調査研究検討委員会」において、高速道路や[[一般道路]]の[[最高速度]]引き上げを[[2006年]]([[平成]]18年)から3年がかりと長期間かけて検討を行ったが、高速道路の制限速度については「上限を上げるにはさらなる検証が必要で、直ちに上げる必要はない」と見送りという方針を示した<ref name="読売新聞2">{{Cite web |date=2012-01-20 |url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120120-OYT1T00116.htm |title=最高速度どこまで…新東名、有効利用か安全か |publisher=株式会社 読売新聞グループ本社 |accessdate=2014-02-28 |archiveurl=https://archive.fo/20120123013600/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120120-OYT1T00116.htm |archivedate=2012年1月23日 |deadlinkdate=2017年10月 }}</ref>。ただし、有識者として会議に出席した[[交通工学]]が専門の中村英樹([[名古屋大学]][[大学院]][[教授]])は制限速度引き上げに肯定的なコメントを出している。 |
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これに対し静岡県は、6車線化(前述)を前提とした法定速度140 km/h化を国などに要望するとしている<ref name="読売新聞1">{{Cite web |date=2011-11-22 |url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111121-OYT1T01472.htm |title=新東名は法定速度140キロ…静岡県が要望素案 |publisher=株式会社 読売新聞グループ本社 |accessdate=2014-02-28 |archiveurl=https://archive.fo/20111123111710/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111121-OYT1T01472.htm |archivedate=2011年11月23日 |deadlinkdate=2017年10月 }}</ref>。 |
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[[2014年]](平成26年)[[2月24日]]に[[静岡市]]で開かれた[[自由民主党 (日本)|自民党]]の会合で警察庁を統括する[[国家公安委員会]]・[[国家公安委員会委員長|委員長]]の[[古屋圭司]]は制限速度を120 km/hに見直すことを検討することを表明し、翌日にはこの発言を受けて、[[静岡県知事一覧|静岡県知事]]の[[川勝平太]]も140 km/hの設計速度にふれた上で、いきなり制限速度を140 km/hにあげるのではなく、120 km/hが妥当だという見解を示した。その後警察庁で行われた「交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会」において、「新東名高速道路を始めとする高規格の高速道路については、設計速度120 km/hで、かつ、片側3車線以上の道路などに関して、最高速度100 km/hを超える速度への引き上げについて早急に検討を開始すべき」との提言がなされた<ref>{{Cite web |date=2013-12-26 |url=http://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/regulation_wg/teigen/teigen.pdf |title=交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する提言 |format=PDF |publisher=交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会 |page=12 |accessdate=2017-02-15}}</ref>。 |
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それを踏まえ、[[2016年]](平成28年)[[3月24日]]、御殿場JCT - 浜松いなさJCT間において、[[2017年]]以降に試験的に最高速度を110 km/hに引き上げると発表し<ref name="max_speed120">{{Cite web |date=2016-3-24 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG24H04_U6A320C1MM0000/ |title=高速道の最高速度120キロまで容認 新東名や東北道で試行 |publisher=株式会社 日本経済新聞社 |accessdate=2016-3-24}}</ref>、同年[[10月23日]]には、試行的に最高速度を引き上げる区間を「新静岡IC - 森掛川IC間」 (50.5 km) とすることが発表された。2017年度にも実施され、1年以上をかけてデータ収集・分析が行われた上で、最高速度100 km/hとした交通規制基準の見直しを検討するとしている<ref name="max_speed110">{{Cite web |date=2016-10-13 |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2016101300214&g=soc |title=高速110キロ試行、17年度にも=新東名・東北道の区間決定-警察庁公表 |publisher=株式会社 時事通信社 |accessdate=2016-10-14}}</ref>。 |
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2017年(平成29年)[[9月28日]]、[[警察庁]]から「2017年11月1日から、新静岡IC - 森掛川ICで試験的に最高速度を110 km/hに引き上げる」との発表がされ、予定通り[[11月1日]]午前10時に実施された<ref name="nikkei20170928">{{Cite news|author=|title=新東名高速、最高速度110キロに 11月から一部区間|newspaper=日本経済新聞|date=2017-09-28|url=https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG27H75_Y7A920C1MM0000/|accessdate=2017-09-28}}</ref><ref name="sintoumei110">{{Cite web|url=https://www.pref.shizuoka.jp/police/anzen/jiko/kiseka/documents/sokudo110.pdf|title=新東名高速道路 最高速度110キロ試行開始|date=2017-09-29|accessdate=2017-11-01|publisher=静岡県警察本部|format=PDF}}</ref>。 |
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=== 道路施設 === |
=== 道路施設 === |
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==== サービスエリア・パーキングエリア ==== |
==== サービスエリア・パーキングエリア ==== |
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[[File:NEOPASA HAMAMATSU 20181021.jpg|thumb|250px|浜松サービスエリア(NEOPASA浜松)。]] |
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区間内の全ての[[サービスエリア]] (SA) と[[清水パーキングエリア]] (PA) は「[[NEOPASA]]」(ネオパーサ)のブランド名で施設を展開する。また、浜松SA下り線以外の全てのサービスエリア・[[パーキングエリア]]には[[ヘリポート]]を併設しており、防災活動や医療搬送などで活用される(浜松SA下り線に関しては隣接地に「浜松市消防ヘリポート」が既設されており、これを活用する)。 |
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区間内の全ての[[サービスエリア]] (SA) と[[清水パーキングエリア]] (PA) は「[[NEOPASA]]」(ネオパーサ)のブランド名で施設を展開する{{Sfn|中日本高速道路(株)関連事業本部|2012|p=44}}。このブランドは新東名(御殿場JCT - 三ヶ日JCT間)開通に合わせて立ち上げたものである{{Sfn|中日本高速道路(株)関連事業本部|2012|p=44}}。また、<!--浜松SA下り線以外の全てのサービスエリア・[[パーキングエリア]]には-->[[ヘリポート]]を併設しており、大地震発生の際には防災活動や医療搬送などで活用される{{Sfn|中日本高速道路(株)関連事業本部|2012|p=46}}。 |
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売店は全てのサービスエリア・パーキングエリアに設置されている。ガソリンスタンドは全てのサービスエリアにあり、全て24時間営業である。岡崎SAを除き、普通車はセルフ式である。24時間営業の売店は全てのSAと遠州森町PA上り線と藤枝PA下り線を除く全てのパーキングエリアにある(駿河湾沼津SAの上下各1店舗と藤枝PA上り線を除き全て[[コンビニエンスストア|コンビニ]]である)。飲食店は全てのサービスエリアと清水PAの一部店舗で24時間営業である(サービスエリアでは持ち帰りのみ24時間営業店舗あり)<ref>[http://sapa.c-nexco.co.jp/guide/book サービスエリアガイド] 東名・新東名版 中日本高速道路・中日本エクシス 2018年5月22日掲載・閲覧</ref> |
売店は全てのサービスエリア・パーキングエリアに設置されている。ガソリンスタンドは全てのサービスエリアにあり、全て24時間営業である。岡崎SAを除き、普通車はセルフ式である。24時間営業の売店は全てのSAと遠州森町PA上り線と藤枝PA下り線を除く全てのパーキングエリアにある(駿河湾沼津SAの上下各1店舗と藤枝PA上り線を除き全て[[コンビニエンスストア|コンビニ]]である)。飲食店は全てのサービスエリアと清水PAの一部店舗で24時間営業である(サービスエリアでは持ち帰りのみ24時間営業店舗あり)<ref>[http://sapa.c-nexco.co.jp/guide/book サービスエリアガイド] 東名・新東名版 中日本高速道路・中日本エクシス 2018年5月22日掲載・閲覧</ref> |
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()</ref>。また、静岡県商工会議所連合会は静岡県に設置を要望しており、静岡県知事の川勝平太は既に中日本高速道路に要望している旨を明らかにしている<ref>{{Cite news |title=県商議所連合会:富士山望む休憩施設を 新東名に設置要望 /静岡 |newspaper=毎日新聞 |date=2013-10-29 |url=http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20131029ddlk22020361000c.html}}※現在は外部者閲覧不可(閲覧には愛読者登録が必要)</ref>。 |
()</ref>。また、静岡県商工会議所連合会は静岡県に設置を要望しており、静岡県知事の川勝平太は既に中日本高速道路に要望している旨を明らかにしている<ref>{{Cite news |title=県商議所連合会:富士山望む休憩施設を 新東名に設置要望 /静岡 |newspaper=毎日新聞 |date=2013-10-29 |url=http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20131029ddlk22020361000c.html}}※現在は外部者閲覧不可(閲覧には愛読者登録が必要)</ref>。 |
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なお、新東名には[[バス停留所|バス停(バスストップ)]]は1ヶ所も設置されておらず、区間内で乗降扱いを行わない長距離バスの一部は東名から新東名に経路をシフトしている{{efn|ただし、東京 - 名古屋間の一部を除く[[ドリーム号 (高速バス)|ドリーム号]]や[[昼特急]]などの[[JRバス]]は[[三ヶ日インターチェンジ|三ヶ日]]に運転手交替施設があるため、静岡県内に関しては依然として東名経由のままである。}}。 |
なお、新東名には[[バス停留所|バス停(バスストップ)]]は1ヶ所も設置されておらず、区間内で乗降扱いを行わない長距離バスの一部は東名から新東名に経路をシフトしている{{Sfn|宮坂芳男|2012|p=42}}{{efn|ただし、東京 - 名古屋間の一部を除く[[ドリーム号 (高速バス)|ドリーム号]]や[[昼特急]]などの[[JRバス]]は[[三ヶ日インターチェンジ|三ヶ日]]に運転手交替施設があるため、静岡県内に関しては依然として東名経由のままである。}}。 |
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==== トンネル・主な橋梁 ==== |
==== トンネル・主な橋梁 ==== |
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{{See|新東名高速道路のトンネルと橋}} |
{{See|新東名高速道路のトンネルと橋}} |
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[[File:Shin-Tomei 20181021A.jpg|thumb|250px|扁平大断面トンネル(平島トンネル:暫定片側2車線)。]] |
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[[File:Shin-Sanagawa bridge.jpg|thumb|200px|right|新東名の山岳区間で採用された高い橋脚。山岳区間を極力水平に通過するために高く設計された。]] |
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東名が比較的海岸線近くを走っているのに対し、新東名は人口の集中した市街地を避けるべく山寄りに建設されている。これよりもさらに山寄りに建設すれば山岳区間が多くなることでトンネル長が5000 mを超過し、[[危険物#道路の通行規制|危険物積載車両]]の通行制限が適用される<ref name="michi No.104-P6">『みち』No.104、平成8年11月(季刊)、日本道路公団、6頁(愛知県図書館蔵)</ref>。さらに深い谷を越えることで橋脚は勾配2 %を保つために非常に高く建設する必要が生じる。このことから新東名のルート選択についてはこれらの条件を勘案して選定されている<ref name="michi No.104-P6"/>。 |
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トンネル長は新東名、新名神を問わず上記の理由から全て5000 m未満で建設されている<ref name="michi No.104-P6"/>。トンネル断面は、従来のトンネル入口が心理的圧迫となってスピードダウンを促し渋滞発生が問題化していたことから、大断面化することで心理的問題を解消している<ref name="michi No.110 P6-8">『みち』No.110、平成10年4月(季刊)、日本道路公団、6-8頁(愛知県図書館蔵)</ref>。他高速道路のトンネルは、路肩については縮小を認めていることから2 mの縮小で建設されている{{Sfn|久保田荘一・津田剛|1991|p=50}}。これに対して新東名では路肩の縮小はせず、原則3.25 mの「望ましい幅員」を維持することとし、これに掘削断面積を少なくする必要もあって横長の扁平断面形状という外観的特徴を持つに至った{{Sfn|荒牧英城|1992|p=7}}。扁平の大断面トンネルはこうして計画された{{Sfn|久保田荘一・津田剛|1991|p=50}}。 |
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ルートを山寄りに位置づけたことで、工事関係者の間ではルートの構造物別比率として「トンネル2、橋梁4、土工4」と言われているが<ref name="michi No.104-P4">『みち』No.104、平成8年11月(季刊)、日本道路公団、4頁(愛知県図書館蔵)</ref>、ルートに占めるトンネルと橋梁の比率は東名と比較すると高めである<ref name="michi No.123 P9">『みち』No.123、平成13年7月(季刊)、日本道路公団、9頁(愛知県図書館蔵)</ref>。そして全線往復6車線、設計速度140 km/hを実現するための幾何構造を採用したことも手伝って勢い建設費用も高額となり{{Sfn|池田博之・水口和之・藤田真実|1999|p=4}}、折からの経済不況から政府による公共事業コスト縮減の要請もあって、新東名建設では土の運搬では巨大[[ダンプカー]]や[[バックホー|バックホウ]]による巨大マシーンの導入<ref name="michi No.110 P6-8"/>、橋梁では鋼とコンクリートの複合構造やストラット付PC箱桁の採用などでコスト節減に取り組むこととした{{Sfn|中日本高速道路(株)建設事業本部企画統括チーム|2009|p=56}}。トンネルに至っては特に長大トンネルの場合、掘削機には経済性向上はもとより、施工性向上の観点から{{Sfn|太田睦男|2000|p=44}}[[英仏海峡トンネル]]掘削で使われた「[[トンネルボーリングマシン|トンネル・ボーリング・マシーン]]」(略称:TBM)を導入して直径5 mの穴(先進導坑)を掘り進み、後工程で大断面に拡大する方法を採った{{Sfn|中日本高速道路(株)建設事業本部企画統括チーム|2009|p=56}}。 |
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新東名、新名神を象徴する光景の一つに、山岳区間のコンクリート製橋脚がある。新東名の道路の勾配は標準2 %以下であるが、これを山岳部で実現しようとした場合、橋脚を低く設定すればそれだけ勾配がきつくなることで[[渋滞#渋滞の原因|サグ]]が発生し、渋滞発生の温床となる。よって谷の通過では必然的に橋脚を高くして、出来るだけ道路を水平に保つことが必要となる<ref name="michi No.123 P10-11">『みち』No.123、平成13年7月(季刊)、日本道路公団、10-11頁(愛知県図書館蔵)</ref>。このことから新東名の山岳区間では場所によっては高さ80 mの高い橋脚が建設されている。ただし、これだけの高い橋脚に対して[[異形鉄筋|鉄筋]]だけを張り巡らせるのは作業効率が悪いことから、直径1.4 mの太い鋼管を縦方向に何本も建て込み、その周りに鉄筋をらせん状に巡らせてからコンクリートを打設する「鋼管・コンクリート複合構造橋脚」が採用された<ref name="michi No.123 P10-11"/>。これにより高い耐震性と作業省略化を両立させている<ref name="michi No.123 P10-11"/>。 |
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{|class="wikitable" style="text-align:center" |
{|class="wikitable" style="text-align:center" |
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|+ トンネルと橋梁の数 |
|+ トンネルと橋梁の数 |
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内牧トンネル([[新静岡インターチェンジ|新静岡IC]] - [[静岡サービスエリア|静岡SA]]間)以西の5本、寺島トンネル([[藤枝パーキングエリア|藤枝PA]] - [[島田金谷インターチェンジ|島田金谷IC]]間)以西の5本は、連続するトンネル群となっているため、トンネル入口には長さの右側に「n/5本」という表記がある。また雁峰第一トンネル([[長篠設楽原パーキングエリア|長篠設楽原PA]] - [[岡崎東インターチェンジ|岡崎東IC]]間)以西の9本は、連続するトンネル群となっているため、トンネル入口には長さの右側に「n/9本」という表記がある。 |
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参考資料:[https://shintomei.jp/news/detail_20160129.html 新東名高速道路 浜松いなさJCT〜豊田東JCT間構造物の正式名称をお知らせします] 中日本高速道路 2016年1月29日掲載・30日閲覧 |
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==== 案内標識 ==== |
==== 案内標識 ==== |
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民営化後より実施されつつあるサイン類の「新デザイン」への更新により、全線で案内標識の[[書体]]が、これまでのいわゆる「[[GD-高速道路ゴシックJA|公団文字]]」ではなく「[[ヒラギノ]]角ゴシック体」を用いている |
民営化後より実施されつつあるサイン類の「新デザイン」への更新により、全線で案内標識の[[書体]]が、これまでのいわゆる「[[GD-高速道路ゴシックJA|公団文字]]」ではなく「[[ヒラギノ]]角ゴシック体」を用いている{{Sfn|イカロス出版|2011|pp=94-95}}。 |
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当路線と東名高速道路との分岐点では誤認防止の為、「'''新<span style="font-size:small">東名</span>'''」と、「新」が「東名」より大きく強調されている。 |
当路線と東名高速道路との分岐点では誤認防止の為、「'''新<span style="font-size:small">東名</span>'''」と、「新」が「東名」より大きく強調されている。 |
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<small>(出典:「[http://www.mlit.go.jp/road/census/h27/index.html 平成27年度全国道路・街路交通情勢調査]」([[国土交通省]]ホームページ)より一部データを抜粋して作成)</small> |
<small>(出典:「[http://www.mlit.go.jp/road/census/h27/index.html 平成27年度全国道路・街路交通情勢調査]」([[国土交通省]]ホームページ)より一部データを抜粋して作成)</small> |
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なお平成28年に開通した、新東名愛知県区間(浜松いなさJCT - 豊田東JCT)の通行量の速報値は、平日で約43,000台、休日で約47,000台<ref>[http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_release/3790.html 新東名高速道路(浜松いなさJCT |
なお平成28年に開通した、新東名愛知県区間(浜松いなさJCT - 豊田東JCT)の通行量の速報値は、平日で約43,000台、休日で約47,000台<ref>[http://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_release/3790.html 新東名高速道路(浜松いなさJCT - 豊田東JCT)開通直後の交通状況]</ref>。 |
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==== 渋滞 ==== |
==== 渋滞 ==== |
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2016年9月時点で御殿場JCT - 豊田東JCT間が開通しており、この区間と並行する[[東名高速道路]]で発生していた交通集中による渋滞は大幅に減少した。しかし、[[ゴールデンウィーク]]などの大型連休には新清水JCT - 新富士IC間で上下線ともに渋滞が発生しやすい。さらに、東名上りの[[大和トンネル]]付近を先頭とする渋滞が、御殿場IC付近まで伸びることがある。 |
2016年9月時点で御殿場JCT - 豊田東JCT間が開通しており、この区間と並行する[[東名高速道路]]で発生していた交通集中による渋滞は大幅に減少した。しかし、[[ゴールデンウィーク]]などの大型連休には新清水JCT - 新富士IC間で上下線ともに渋滞が発生しやすい。さらに、東名上りの[[大和トンネル]]付近を先頭とする渋滞が、御殿場IC付近まで伸びることがある。 |
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鉄道ライター・イラストレーターの[[恵知仁]]は、2016年2月の浜松いなさJCT - 豊田東JCT間の開通により、(御殿場JCT - 豊田東JCT間の)所要時間は60分の大幅短縮の試算発表を公開し評価している一方<ref>{{Cite news |title=東名の渋滞緩和へ 新東名 2月13日に御殿場 |
鉄道ライター・イラストレーターの[[恵知仁]]は、2016年2月の浜松いなさJCT - 豊田東JCT間の開通により、(御殿場JCT - 豊田東JCT間の)所要時間は60分の大幅短縮の試算発表を公開し評価している一方<ref>{{Cite news |title=東名の渋滞緩和へ 新東名 2月13日に御殿場?豊田東つながる |newspaper=乗りものニュース |date=2015-12-11 |author=恵知仁 |url=http://trafficnews.jp/post/46758/ |accessdate=2015-12-12}}</ref>、モータージャーナリストの[[清水草一]]は、新東名の更なる延伸により[[2021年]]以降、御殿場JCT・海老名南JCTそして[[海老名ジャンクション|海老名JCT]]において、交通交錯の可能性について述べている<ref>{{Cite news |title=新東名延伸、東京側は茨の道? 開通で大混乱の可能性 |newspaper=乗りものニュース |date=2015-11-29 |author=清水草一 |url=http://trafficnews.jp/post/46331/ |accessdate=2015-12-12}}</ref>。 |
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=== 道路管理者 === |
=== 道路管理者 === |
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{{複数の問題|section=1|出典の明記=2013年8月|独自研究=2013年8月}}<!--執筆者による「聞いたまま情報」のみによる記述の体であるため。--> |
{{複数の問題|section=1|出典の明記=2013年8月|独自研究=2013年8月}}<!--執筆者による「聞いたまま情報」のみによる記述の体であるため。--> |
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新東名高速道路では既存の高速道路と比較してかなり長い区間にわたってハイウェイラジオが放送されている。このうち、2012年に開通した御殿場JCT - 浜松いなさJCT間と清水連絡路・引佐連絡路の各局では既存の高速道路で見られる放送区間を告知する標識は設置されておらず、道路上の簡易情報板に放送中である旨の告知が表示されている。ただし、一部の区間については供用から1ヶ月後に無放送区間を長く設定し混信を防ぐことと併せ、放送区間を告知する標識が設置されている。一方、2016年に開通した浜松いなさJCT - 豊田東JCT間の各局については開通当初から既存の高速道路と同様の看板が設置されている。 |
新東名高速道路では既存の高速道路と比較してかなり長い区間にわたってハイウェイラジオが放送されている。このうち、2012年に開通した御殿場JCT - 浜松いなさJCT間と清水連絡路・引佐連絡路の各局では既存の高速道路で見られる放送区間を告知する標識は設置されておらず、道路上の簡易情報板に放送中である旨の告知が表示されている。ただし、一部の区間については供用から1ヶ月後に無放送区間を長く設定し混信を防ぐことと併せ、放送区間を告知する標識が設置されている。一方、2016年に開通した浜松いなさJCT - 豊田東JCT間の各局については開通当初から既存の高速道路と同様の看板が設置されている。 |
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新城ICを境に東側は[[中日本高速道路東京支社|東京支社]]の川崎管制による独特のメロディで始まる放送形態、西側は[[中日本高速道路名古屋支社|名古屋支社]]の一宮管制による4点チャイムの後に「○○時○○分現在の高速道路情報をお知らせします」で始まる放送形態に分かれている。 |
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なお、全ての局において[[局名告知]]を兼ねて放送終了時に「ハイウェイラジオ、新東名○○(局名)よりお伝えしました。」とアナウンスがなされている。 |
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''※[[東名高速道路#ハイウェイラジオ(路側放送)]]も参照。'' |
''※[[東名高速道路#ハイウェイラジオ(路側放送)]]も参照。'' |
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; 引佐連絡路 |
; 引佐連絡路 |
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* 三ヶ日(浜松いなさJCT - 三ヶ日JCT) |
* 三ヶ日(浜松いなさJCT - 三ヶ日JCT) |
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== 災害時の対応 == |
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[[2009年]]([[平成]]21年)[[8月11日]]に発生した、[[駿河湾地震 (2009年)|駿河湾地震]]で東名高速道路の一部区間が通行止となったことから、[[迂回|迂回路]]の混雑緩和のために、[[8月15日]]9時-16時まで、[[大井川橋]](静岡県[[島田市]]牛尾-同市相賀間)の上り線(約1.3 [[キロメートル|km]])を普通車・小型車のみ緊急に供用した<ref>{{Cite news |title=新東名を一部開放 |newspaper=[[日本経済新聞|日本経済新聞(NIKKEI NET)]] |date=2009-08-15 |url=http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090815AT1G1500P15082009.html |archiveurl=https://web.archive.org/web/20090818043058/http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090815AT1G1500P15082009.html |archivedate=2009/08/18|accessdate=2014-02-28}}</ref>。[[建設|建設中]]のために[[舗装]]が十分でなかったことから制限速度は20 [[キロメートル毎時|km/h]]であった。 |
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また、[[2011年]](平成23年)[[3月11日]]に発生した、[[東北地方太平洋沖地震]]([[東日本大震災]])の際に[[津波警報|大津波警報]]が発表<!--気象庁の注警報は「発令」ではなく「発表」で統一している-->されたことにより、それぞれ一部区間が通行止となった東名高速道路と国道1号の代替道路として、緊急車両のみ通行可能となったこともある{{Sfn|イカロス出版|2011|pp=8-9}}<ref name="行政セミナー2012-7"/>。 |
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== その他 == |
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NEXCO中日本協力のもと、開通前の[[和田島トンネル]]では、[[テレビドラマ]]『[[コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-]]』の撮影が行われていたり、他のトンネルや[[本線車道|本線]]上で[[テレビ]]撮影も行われている<ref>{{Cite episode |title=実験(4)再挑戦!クルマは天井を走るのか? |series=とびだせ!空想科学 アニメの世界を大実験SP |serieslink=話題のシーンを再現 ミラクル実験SHOW |network=[[フジテレビ系列]] |station=[[テレビ静岡]] |airdate=2009-7-5 |url=http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2009/090615tobidase.html|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090704085321/http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2009/090615tobidase.html|archivedate=2009/07/04}}</ref>。他にも、[[浜松いなさJCT]] - [[豊田東JCT]]間の開通に合わせて、[[中日本高速道路]]と[[ドワンゴ]]による共同[[知的財産権|IP]]製作プロジェクト「[[幻想交流]]」が立ち上げられ、道路施設である[[サービスエリア]]・[[パーキングエリア]]を擬人化したキャラクターが登場する異世界と、NEXCO中日本やドワンゴが登場する現実世界が入り混じった幻想的な世界観をベースとして、[[メディアミックス]]展開が進められている<ref name="DWANGO-PR_20160212">{{cite press release |
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| title = 「NEXCO中日本×ドワンゴ」 共同製作 『幻想交流』シリーズ始動 芝村裕吏氏web小説公開のお知らせ |
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| publisher = ドワンゴ モバイル事業本部 |
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| date = 2016-02-12 |
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| url = http://dwango.co.jp/pi/ns/2016/0212/index.html |
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| accessdate = 2016-06-10}} |
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</ref>。 |
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<!--高速道路が開通する際は一般的に、指定の料金所で先着5名に通行証明書(料金所を何番目に通行したかを証明するもの)と記念品を贈呈しているが、当路線が最初に開通した時は一切行われず、代わりに「開通日通行証明書」(開通日にこの路線を利用したことを証明するもの)を4か所のSA・PAで計2,000枚配布した。--> |
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御殿場JCT - 浜松いなさJCT区間は全線6車線でほぼ完成しているものの、[[ガイドポスト]]の設置により4車線に減らされている区間が多い。このガイドポストは[[道路関係四公団|道路公団民営化]]によるコスト削減に関わった[[猪瀬直樹]]の名を冠して「猪瀬ポール」と揶揄されているが、猪瀬自身は「僕が立てさせたわけじゃない」と反論している<ref>{{Cite web |author=清水草一 |title=全線6車線の新東名を4車線で使っているのはなぜなのか? |url=https://nikkan-spa.jp/963315 |website=日刊SPA! |date=2015-11-01 |accessdate=2018-10-24 }}</ref>。 |
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== 地理 == |
== 地理 == |
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=== 接続する高速道路 === |
=== 接続する高速道路 === |
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* {{Ja Exp Route Sign|C4}}[[首都圏中央連絡自動車道]]([[海老名南ジャンクション|海老名南JCT]]で接続) |
* {{Ja Exp Route Sign|C4}} [[首都圏中央連絡自動車道]]([[海老名南ジャンクション|海老名南JCT]]で接続) |
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* {{Ja Exp Route Sign|E1}}[[東名高速道路]]([[伊勢原ジャンクション|伊勢原JCT]]で接続予定) |
* {{Ja Exp Route Sign|E1}} [[東名高速道路]]([[伊勢原ジャンクション|伊勢原JCT]]で接続予定) |
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* {{Ja Exp Route Sign|E1}}東名高速道路([[御殿場ジャンクション|御殿場JCT]]で接続) |
* {{Ja Exp Route Sign|E1}} 東名高速道路([[御殿場ジャンクション|御殿場JCT]]で接続) |
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* {{Ja Exp Route Sign|E70}}[[伊豆縦貫自動車道]](長泉沼津ICで接続) |
* {{Ja Exp Route Sign|E70}} [[伊豆縦貫自動車道]](長泉沼津ICで接続) |
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* {{Ja Exp Route Sign|E52}}[[中部横断自動車道]]([[新清水ジャンクション|新清水JCT]]で接続予定) |
* {{Ja Exp Route Sign|E52}} [[中部横断自動車道]]([[新清水ジャンクション|新清水JCT]]で接続予定) |
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* {{Ja Exp Route Sign|E1}}東名高速道路(清水連絡路を経由して[[清水ジャンクション|清水JCT]]で接続) |
* {{Ja Exp Route Sign|E1}} 東名高速道路(清水連絡路を経由して[[清水ジャンクション|清水JCT]]で接続) |
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* {{Ja Exp Route Sign|E69}}[[三遠南信自動車道]]([[浜松いなさジャンクション|浜松いなさJCT]]で接続) |
* {{Ja Exp Route Sign|E69}} [[三遠南信自動車道]]([[浜松いなさジャンクション|浜松いなさJCT]]で接続) |
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* {{Ja Exp Route Sign|E1}}東名高速道路(引佐連絡路を経由して[[三ヶ日ジャンクション|三ヶ日JCT]]で接続) |
* {{Ja Exp Route Sign|E1}} 東名高速道路(引佐連絡路を経由して[[三ヶ日ジャンクション|三ヶ日JCT]]で接続) |
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* {{Ja Exp Route Sign|E1A}}[[伊勢湾岸自動車道]]([[豊田東ジャンクション|豊田東JCT]]で直結) |
* {{Ja Exp Route Sign|E1A}} [[伊勢湾岸自動車道]]([[豊田東ジャンクション|豊田東JCT]]で直結) |
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* {{Ja Exp Route Sign|C3}}[[東海環状自動車道]](豊田東JCTで接続) |
* {{Ja Exp Route Sign|C3}} [[東海環状自動車道]](豊田東JCTで接続) |
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== 災害時の対応 == |
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[[2009年]]([[平成]]21年)[[8月11日]]に発生した、[[駿河湾地震 (2009年)|駿河湾地震]]で東名高速道路の一部区間が通行止となったことから、[[迂回|迂回路]]の混雑緩和のために、[[8月15日]]9時-16時まで、[[大井川橋]](静岡県[[島田市]]牛尾-同市相賀間)の上り線(約1.3 [[キロメートル|km]])を普通車・小型車のみ緊急に供用した<ref>{{Cite news |title=新東名を一部開放 |newspaper=[[日本経済新聞|日本経済新聞(NIKKEI NET)]] |date=2009-08-15 |url=http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090815AT1G1500P15082009.html |archiveurl=https://web.archive.org/web/20090818043058/http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090815AT1G1500P15082009.html |archivedate=2009/08/18|accessdate=2014-02-28}}</ref>。[[建設|建設中]]のために[[舗装]]が十分でなかったことから制限速度は20 [[キロメートル毎時|km/h]]であった。 |
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また、[[2011年]](平成23年)[[3月11日]]に発生した、[[東北地方太平洋沖地震]]([[東日本大震災]])の際に[[津波警報|大津波警報]]が発表<!--気象庁の注警報は「発令」ではなく「発表」で統一している-->されたことにより、それぞれ一部区間が通行止となった東名高速道路と国道1号の代替道路として、緊急車両のみ通行可能となったこともある。 |
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== その他 == |
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NEXCO中日本協力のもと、開通前の[[和田島トンネル]]では、[[テレビドラマ]]『[[コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-]]』の撮影が行われていたり、他のトンネルや[[本線車道|本線]]上で[[テレビ]]撮影も行われている<ref>{{Cite episode |title=実験(4)再挑戦!クルマは天井を走るのか? |series=とびだせ!空想科学 アニメの世界を大実験SP |serieslink=話題のシーンを再現 ミラクル実験SHOW |network=[[フジテレビ系列]] |station=[[テレビ静岡]] |airdate=2009-7-5 |url=http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2009/090615tobidase.html|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090704085321/http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2009/090615tobidase.html|archivedate=2009/07/04}}</ref>。他にも、[[浜松いなさJCT]] - [[豊田東JCT]]間の開通に合わせて、[[中日本高速道路]]と[[ドワンゴ]]による共同[[知的財産権|IP]]製作プロジェクト「[[幻想交流]]」が立ち上げられ、道路施設である[[サービスエリア]]・[[パーキングエリア]]を擬人化したキャラクターが登場する異世界と、NEXCO中日本やドワンゴが登場する現実世界が入り混じった幻想的な世界観をベースとして、[[メディアミックス]]展開が進められている<ref name="DWANGO-PR_20160212">{{cite press release |
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| title = 「NEXCO中日本×ドワンゴ」 共同製作 『幻想交流』シリーズ始動 芝村裕吏氏web小説公開のお知らせ |
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| publisher = ドワンゴ モバイル事業本部 |
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| date = 2016-02-12 |
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| url = http://dwango.co.jp/pi/ns/2016/0212/index.html |
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| accessdate = 2016-06-10}} |
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</ref>。 |
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高速道路が開通する際は一般的に、指定の料金所で先着5名に通行証明書(料金所を何番目に通行したかを証明するもの)と記念品を贈呈しているが、当路線が最初に開通した時は一切行われず、代わりに「開通日通行証明書」(開通日にこの路線を利用したことを証明するもの)を4か所のSA・PAで計2,000枚配布した。 |
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当路線や新名神高速道路などの[[中央分離帯]]に専用軌道を敷き、東京 - 大阪間に物流専用の高速貨物鉄道を走らせる[[東海道物流新幹線構想]]がある。 |
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== ギャラリー == |
== ギャラリー == |
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<gallery> |
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ファイル:MtFuji FujiCity.jpg|新東名高速道路と[[富士山]]([[新富士インターチェンジ|新富士IC]]付近) |
ファイル:MtFuji FujiCity.jpg|新東名高速道路と[[富士山]]([[新富士インターチェンジ|新富士IC]]付近) |
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ファイル:Mikkabi Junction.jpg|[[三ヶ日ジャンクション|三ヶ日JCT]](静岡県浜松市) |
ファイル:Mikkabi Junction.jpg|[[三ヶ日ジャンクション|三ヶ日JCT]](静岡県浜松市) |
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ファイル:Hamamatsu SA of SHIN-TOMEI EXPWY.JPG|開通前日の[[浜松サービスエリア|浜松SA]]付近(静岡県浜松市、2012年4月13日撮影) |
ファイル:Hamamatsu SA of SHIN-TOMEI EXPWY.JPG|開通前日の[[浜松サービスエリア|浜松SA]]付近(静岡県浜松市、2012年4月13日撮影) |
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ファイル:Shin-Tomei Expressway 20120909.jpg|開通後の富士高架橋(静岡県[[富士市]],[[富士宮市]]、2012年9月撮影) |
ファイル:Shin-Tomei Expressway 20120909.jpg|開通後の富士高架橋(静岡県[[富士市]],[[富士宮市]]、2012年9月撮影) |
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ファイル:Shinshiro IC, SHIN-TOMEI EXPRESSWAY.jpg|開通間近の[[新城インターチェンジ|新城IC]]付近([[愛知県]][[新城市]]、2016年2月11日撮影) |
ファイル:Shinshiro IC, SHIN-TOMEI EXPRESSWAY.jpg|開通間近の[[新城インターチェンジ|新城IC]]付近([[愛知県]][[新城市]]、2016年2月11日撮影) |
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ファイル:Shin-Tomei20180826C.jpg|終点の豊田東JCT付近。この先は伊勢湾岸自動車道となる。 |
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=== 出典 === |
=== 出典 === |
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{{Reflist}} |
{{Reflist|2}} |
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== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
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* 『伊勢湾岸道路工事誌』は[[三重県立図書館]]、[[飛島村図書館]]で閲覧可 |
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** {{Cite |和書|author = 伊勢湾岸道路編集委員会 |title =伊勢湾岸道路工事誌 |year = 1998|date = 1998-03 |edition = |publisher =日本道路公団名古屋建設局 伊勢湾岸道路工事事務所 |isbn = |series = |ref = harv }} |
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* {{Cite book |和書 |author=浅井建爾 |edition= 初版|date=2015-10-10 |title=日本の道路がわかる辞典 |publisher=日本実業出版社 |isbn=978-4-534-05318-3 |ref=harv}} |
* {{Cite book |和書 |author=浅井建爾 |edition= 初版|date=2015-10-10 |title=日本の道路がわかる辞典 |publisher=日本実業出版社 |isbn=978-4-534-05318-3 |ref=harv}} |
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* {{Cite |和書|author = NHK報道局「道路公団」取材班 |title = 日本道路公団 借金30兆円の真相 |year = 2005 |date = 2005-05-30 |edition = |publisher = 日本放送出版協会 |isbn = 4-14-081020-3 C0095 |series = NHKスペシャルセレクション|ref = harv }} |
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* {{Cite |和書|author = 猪瀬直樹 |title = 道路の権力 道路公団民営化の攻防1000日 |year = 2003 |date = 2003-11-15 |edition = |publisher = 株式会社文藝春秋 |isbn = 4-16-365400-3 |series = |ref = harv }} |
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* {{Cite |和書|author = イカロス出版 |title = 東名高速をゆく |year = 2011 |date = 2011-09-30 |edition = |publisher = イカロス出版株式会社 |isbn = 978-4-86320-484-3 |series = ゆくシリーズ|ref = harv }} |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
2018年10月30日 (火) 02:41時点における版
高速自動車国道 (有料) | |
---|---|
E1A/E52/E69 新東名高速道路 | |
路線延長 | 253.2 km(建設予定延長) |
開通年 | 2012年(平成24年)4月14日 - |
起点 | 神奈川県海老名市(海老名南JCT) |
主な 経由都市 |
|
終点 | 愛知県豊田市(豊田東JCT) |
接続する 主な道路 (記法) |
|
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路 |
新東名高速道路(しんとうめいこうそくどうろ、SHIN-TOMEI EXPWY)は、神奈川県海老名市から静岡県を経由し愛知県豊田市へ至る高速道路(高速自動車国道)である。略称は新東名高速(しんとうめいこうそく、SHIN-TOMEI EXP)、新東名(しんとうめい)、第二東名(だいにとうめい)など。法律上の路線名は第二東海自動車道横浜名古屋線。
高速道路ナンバリングによる路線番号は、本線が伊勢湾岸自動車道・新名神高速道路とともに「E1A」、清水連絡路が中部横断自動車道とともに「E52」、引佐連絡路が三遠南信自動車道とともに「E69」と各区間割り振られている[1]。
概要
東名高速道路と並行する道路として計画され、連絡路を介して相互に補完し合う計画とされている。新名神高速道路とともに、東京・名古屋・大阪を結ぶ日本の新しい大動脈として期待されており、伊勢湾岸自動車道を介して新東名神として一体で呼ばれる[2]。
道路名「新東名高速道路」は一般公衆に案内されている通称(営業路線名)で、法令による国土開発幹線自動車道の予定路線名では「第二東海自動車道」、高速自動車国道法に基づく法定路線名では「第二東海自動車道横浜名古屋線」という[3]。法定路線の第二東海自動車道の起点は東京都であるが、新東名高速道路は首都圏中央連絡自動車道と接続する海老名南JCTが起点となり、海老名南JCT以東のルートや事業化は未定である。また、第二東海自動車道の終点は名古屋市であるが、豊田東JCT - 東海IC間は、東海IC - 四日市JCT間と合わせ伊勢湾岸自動車道として供用中であり、四日市JCTで新名神高速道路や東名阪自動車道に接続している[4][注釈 1]。
設計速度は伊勢原市 - 豊田市間で140キロメートル毎時(km/h)を担保しており、これは諸外国の設計速度やドイツのアウトバーンの走行実態などから判断のうえ、将来における走行性、安全性等の調査、研究の進展によって条件が整えば、乗用車では140 km/h走行の実現の可能性があることを考慮して決定した[5]。また、計画時点(2010年)における新東名、新名神の平均断面交通量を62000台(日)と推計したことで、車線数は往復6車線で計画された[5]。この道路規格は建設コストの面から批判を浴び[6][7]、開通時点では暫定往復4車線(法定速度100 km/h)に縮小して供用されたが[8]、しばらくして車線数の一部6車線化決定[9]および速度見直しの検討がなされた[10]。
総事業費は約7兆円、全線開通時期は2020年度を予定している。
路線データ
- 起点 : 神奈川県海老名市(海老名南JCT)[11]
- 終点 : 愛知県豊田市(豊田東JCT)[11]
- 路線延長 : 253.2 km[11]
- 道路規格 : 御殿場JCT - 浜松いなさJCT間 : 第1種第1級[12]、浜松いなさJCT - 豊田東JCT間 : 第1種第2級(完成時第1種第1級)[11]
- 設計速度 : 120 km/h[13](法定100 km/h)
- 車線数 : 基本4車線(完成時6車線)[8][11]
インターチェンジなど
- IC番号欄の背景色が である区間は既開通区間に存在する。
施設欄の背景色が である区間は未開通区間または未供用施設に該当する。
未開通区間の名称は全て仮称である。 - スマートインターチェンジ (SIC) は背景色 で示す。
- 路線名の特記がないものは市道。
- バスストップ (BS) のうち、○/●は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。
- 英略字は以下の項目を示す。
本線 (E1A)
清水連絡路 (E52)
IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | 起点 から (km) |
BS | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
9-2 | 清水JCT | E1 東名高速道路 | 0.0 | - | |
9-1 | 清水いはらIC | 県道75号清水富士宮線(市道経由) | 1.8 | ||
9 | 新清水JCT | E1A 本線 | 4.5 | - | |
E52 中部横断自動車道 身延・増穂・双葉方面(事業中) |
引佐連絡路 (E69)
IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | 起点 から (km) |
BS | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
三遠伊勢連絡道路(計画中) | |||||
17-1 | 三ヶ日JCT | E1 東名高速道路 | 0.0 | - | |
15-1 | 浜松いなさIC | 国道257号 | 11.0 | ||
15 | 浜松いなさJCT | E1A 本線 | 12.7 | - | |
E69 三遠南信自動車道 鳳来峡方面 |
歴史
本節における路線名は、新東名として開通した2012年以前については計画段階の名称である「第二東名」の名称を用いて解説する。
東名の限界
東海道メガロポリスを貫く戦後日本の新しい動脈として開通した東名高速道路(以下、東名)だが[34]、ほどなく都市通過地域を中心に混雑が目立ち始め、特に東京 - 厚木間は休日ともなると高速道路の態をなさないほど渋滞が酷くなった[35]。このため建設省は割合早い段階から東名の代替路線の必要を認識した。1971年(昭和46年)4月には調査を開始し、この時点で道路規格第1種第1級、設計速度120 km/h、往復6車線として構想され、のちの新東名で採用された幾何構造がこの時すでに考えられていた[35]。
しかし、第二東名の計画は遅々として進まなかった。地形的な条件が厳しく、資金を要するためである[36]。なお、東名の増強案としては、並行する東海道新幹線を2階建てにしてその上に第二東名を建設する案、東名を2階建てにする案、並行する国道1号のバイパスを建設する案、東名の交通集中著しい区間を往復6車線化する案が挙がった[37]。この内、2階建て案は資金がかかり過ぎることが予想され、何よりも新幹線と高速道路の線形は全く異なり、インターチェンジを造ることも難しい[37]。なお、一部の人からは国土開発幹線自動車道建設法(国幹道法)で定められた7600 kmの高速道路の建設を終了してから第二東名の建設を検討すればいい、という意見も出た[38]。だが、そうした悠長なことを言っていられないほどに東名の混雑は年々酷さを増した。1979年度のデータでは、東京 - 川崎間で既にキャパシティを超え、平均時速で見ると、東京 - 横浜間、静岡 - 焼津間、音羽 - 岡崎間、春日井 - 小牧間などで時速70キロを下回り、国際水準で見ると高速道路の概念に入らないような低速ぶりであった[39]。
東名、名神の渋滞がなぜ他の道路(高速、一般を問わず)よりも抜きん出て問題視されるかといえば、日本の経済活動を支える貨物輸送の主流が自動車であり、船や鉄道、飛行機に比べてもその比率は9割と圧倒的であるが、そのかなりの部分を東名、名神が担っているからである[40]。これは1977年度の調査であるが、東名、名神の1年間に輸送された貨物総量は約15億トンで、これは国道、都道府県道、市町村道を合わせた全道路の約14パーセントを東名、名神が担っていることになる。東名、名神の路線延長は536 km、全道路の0.0005パーセントに過ぎない道路にこれだけの貨物が集中している訳である[41]。
この異常なまでの東名、名神に対する分担率が日本経済に与える影響を一部垣間見させたのが日本坂トンネルにおける火災事故であった[42]。1979年(昭和54年)7月に発生したこの事故は、173台の車が焼失し、事故から完全復旧に至るまでまる2か月を要したが、この間は並行する一般国道が代替道路として利用された[43]。だが、一般国道が東名のバイパスとなり得ないことは明らかで、これは同じ日本の大動脈である東海道新幹線と全く同様の弱点でもあった。なぜなら、東名、名神、東海道新幹線とも、そのポテンシャルがあまりに図抜けているために、不通の際には並行する一般道路や在来線ではリリーフの役割が期待できないからである[43]。東海道新幹線の場合、一列車あたり約1000人の乗客を200 km/h以上のスピードで時間あたり10本以上の高頻度で高速輸送するが、これを並行する東海道本線のローカル列車がその代役を果たそうとすることは土台無理な話で、東名の場合も並行する国道では東名の代替を果たすには荷が勝ち過ぎるのである。果たして、日本坂トンネルを迂回した車が国道1号や国道150号バイパスに流れ込んだ途端に、場所によっては40 kmの大渋滞が発生するなど麻痺状態に陥る有様であった[43][44]。なお、普段の国道1号における普通車と大型車の比率は概ね4対1であるが、日本坂トンネル事故の期間中は1対1となった。つまり、普段25パーセントの大型車混入率が50パーセントに跳ね上がった訳で、これなど東名が普段からいかに大量の長距離大型トラックの輸送を担っているかを示す証左である[43]。
この事故によって「カンバン方式」を採用するトヨタ自動車に対して部品や材料が時間通りに届かないことによる組み立てラインの停止など産業への影響が少なからず発生した。地域によってはゴミ収集や郵便配達の停滞、果てはスーパーなどで売られる野菜や魚などが品薄になって値上がりするなど市民生活にも大きな影響が出た[41]。なお、静岡、愛知、兵庫などの野菜生産地から東京への輸送は100パーセント東名、名神を利用しており、自動車産業におけるジャスト・イン・タイム輸送方式は生産行程の合理化に役立っているが、それは高速道路利用による時間厳守の確実な輸送によって成り立っている[45]。また、長距離輸送のワンマン運転を可能にして物流の合理化に寄与し、翌日に配達されるという宅急便のシステムも高速道路の力に負う所が大きく[46]、このことからも東名、名神が日本の経済活動に深く関わっていることが判るのである。なお、焼失した173台のうちの7割にあたる127台がトラックで、そのナンバープレートに刻印されていた地名は、東北地方を除いてほぼ日本列島の全域をカバーした[42]。そして焼けた積み荷の中身は、自動車部品、農産物、金属材料、ゴム、紙ロール、水産物、清涼飲料などあらゆる産業の材料、製品が含まれ、これらによっても東名が果たしている役割の一端が垣間見えるのである[42]。
東名の混雑度も当初は部分的に散見されたものが、1980年頃にはほとんど全線に渡って過密の状態に立ち至り[50]、日本の産業構造が東名、名神に支えられている状況を見るにつけ、いよいよこれ以上放置しておくことは出来ないレベルまで到達した[51]。そして渋滞のみならず、上記に見る日本坂トンネル火災事故をはじめとした交通事故、あるいは静岡市清水区由比地区付近の台風や高潮による通行止めの頻発[52]、さらには東海、東南海地震が発生した際には大動脈が一本だけでは経済面や災害対応でも大いに問題があることから、何らかの対策を必要とする時期に差し迫ってきた[53]。
提言と四全総
1982年(昭和57年)1月、第26回国土開発幹線自動車道建設審議会(国幹審)が開催され、ここで交通量の増加に悩む東名、名神の一部区間の路線増強が決定した[54]。東名では大井松田 - 御殿場間の増強が決定され、一部拡幅のほかは基本別線で建設されることになった[55]。だが、一部専門家には混雑区間に的を絞った部分改良では問題の根本的解決にはなり得ないと不安視する意見もあった[37]。つまり、混雑区間が渋滞解消されたとしても、日本坂トンネル事故のようなどこで発生するかわからない大事故で東名が長期間不通になろうものなら収拾がつかなくなるなるというのである[37]。
1982年(昭和57年)3月には道路審議会が建設大臣に建議という形で、21世紀を目指した道路づくりの提言を行なった。1980年から下準備を開始して、この度ようやくまとめたものだが、その内の一つが東名、名神の部分的拡幅を行なうと同時に、長期的には第二東名、第二名神の建設を促す内容であった[56]。ここでも部分改良だけでは問題は解決しないとしているが、理由は東海道地域における交通は今後とも増えると見込まれることや、東名、名神が全国高速道路網のかなめの位置にあることから、各地方が3大都市圏と交流し、あるいは地方相互に交流する場合に東名、名神を使わざるを得ない訳で、そこへ東名、名神の混雑があっては地域間の交流も妨げることにもなりかねない[57]。また、交通量増加によって道路への負荷もかかることで維持補修の必要も増し、これに対して大規模な交通規制を敷くことは渋滞を招来することになって流通の停滞、追突事故の増大など悪循環となる[45]。休憩施設も大幅な不足をきたしており、この現状を鑑みると、一部施設の改良や道路拡幅と並行しながら別線建設も検討する必要があると報告している[45]。この提言が直ちに第二東名、第二名神建設に結びつくことはなかったが、その翌年からは第四次全国総合開発計画(四全総)の策定作業が国土庁によって開始されており[58]、これと絡んで少しずつではあるが第二東名の計画が具体化していくことになった。
四全総が計画されていた頃、政治的にもっぱら問題となっていたのは、日米間における貿易摩擦と予想以上の円高により発生した不況であった。この対策としては、円高に弱い業態(造船、鉄鋼、石炭)をある程度あきらめて、産業構造の調整を図ることとされた[59]。また、これらの対外的な問題から、外需依存では立ちゆかなくなってきたことで、国内経済に依存する内需依存型経済を指向する必要が生じていた[60]。こうした背景の下、国内経済を刺激するためには東京一極集中ではなく、地方経済の独立化と活性化が必要となるが、その実現のためには高速道路が必要であるとの要望が多く寄せられるに至った[60]。つまり、大都市圏と地方を結ぶよりは、地方同士を結ぶ交流ネットワークが必要とされ、これを踏まえて四全総では地域間の移動に1時間以内で到達できるような高速道路ネットワーク形成が目標として掲げられるに至った[60]。またこれとは別に、既定の高速道路の内、混雑が著しい区間の解消を目指すとしたが、これが東名、名神の代替路線建設を指すことは明らかであった[61]。こうして諸々の案件を加えて、当初は7600 kmで計画された全国高速道路網は、今回計画分の6220 kmを足して約14000 kmに拡充されることになった[62]。ただし、6220 kmには採算性が悪い路線も含まれることから、これを全て日本道路公団(以下、公団)が引き受けると内部補助に問題が生じる。このため、一般国道自動車専用道路2300 kmと国土開発幹線自動車道3920 kmに分けて公団引受け分は後者とすることになり、1987年9月の臨時国会で国幹道法の法律改正を目指すことになった[62]。なお、四全総は1987年6月に内閣によって承認され、第二東名、第二名神は高規格幹線道路14000 kmの枢要部を形成する路線として位置づけられた[63][64]。
国幹道法改正以後
1987年(昭和62年)9月1日、1966年(昭和41年)に国幹道法による予定路線7600 kmが制定されて以来[65]、21年ぶりに法改正されて予定路線は11520 km(7600 km+公団引受け分3920 kmの合計)に拡充された[66]。その中でも整備の緊急性、優先順位が最も高いと位置づけられたのが第二東名と第二名神である[67]。
地方間を結ぶ交流ネットワーク推進のために、予定路線を11520 kmに拡充するというのが四全総における一応の建前であったが、実態は高速道路を求める各地方自治体が地元の有力政治家に働きかけて半ば強引に計画路線に組み入れた結果が今回追加分(3920 km)の路線網である[68]。なお、かつて7600 kmに制定された路線とは、一定の交通需要が見込めて採算ラインに載ることを念頭に選び、そこに人口分布なども勘案して定められた路線であって、それ以外の路線は不採算路線であることから建設省が除外した経緯がある[69]。なぜ不採算路線を計画から外したかと言えば、公団は高速道路建設にあたって税金投入ではなく、郵便貯金や簡易保険を財源とする財政投融資、および銀行から建設資金を借り入れてのち、通行料金で返済する方式を採用しているため、建設する高速道路の採算が悪ければ公団経営が悪化しかねないためである[70]。これに対して一般国道などは税金が投入されることから、採算性はそれほど問題視されない訳で、ゆえに通行量が極端に少ない地方にも国道が建設できるのである[70]。今回追加された3920 kmの路線はそのほとんどが不採算路線とされ[71]、それも追加分の目玉路線が高コストの第二東名、第二名神とあっては赤字必至であることから、後述するように公団関係者の一部には経営を不安視する者さえ現れた[72]。
第二東名、第二名神の予定路線は、四全総計画時点で示された高規格幹線道路網計画図によると、概ね東名、名神に並行して計画されているが、伊勢湾北端(名古屋港付近)をかすめることと、岐阜県を避けて三重県側に寄せられるなど完全な並行とはなっていない[73]。なお、 国幹道法改正の5か月前には、愛知県知事が元々一般有料道路として計画されていた豊田 - 四日市間の伊勢湾岸道路を第二東名、第二名神に取り込むための提案をしており[74]、政府も伊勢湾岸道路が東名、名神のバイパスになりうるとの判断から伊勢湾岸道路を第二東名、第二名神に取り込む決定を下した[75]。
建設省は第二東名、第二名神のルート確定に向けてさまざまな構想を練ったが、1988年(昭和63年)6月に公表したルートでは、東京近郊と大阪近郊の用地買収は困難として、当面は御殿場と栗東間を構想し、それ以外は東名、名神を拡幅のうえ供用する案を出した。そして3大都市圏以外の設計速度(工学上の安全速度で[76]実際車を運転する速度とは異なる)を140 km/hに引き上げ、道路の勾配を2パーセント(1000メートルの間に2メートルの高低差)以下に抑える、雪や霧などの天候の影響を抑えるために標高を300 m以下に抑える、山間地振興の地元要望受け入れと海岸部の人口密集地帯を避けるために山すそにルート設定するなどの案を示した[77]。この内の勾配抑制とは、自動車の性質からいって、下りはスピードが増して上りはスピードが落ちるという現象から渋滞発生要因の一つとされることで、可能な限り道路を水平に保って渋滞発生要素を初めから排除しようという考えによっている[48]。なお、140 km/hの根拠は、公団の広報誌によれば、欧米の例、ユーザーのニーズ、投資効率などの条件から最適と思われる数値として決定したとする[78]。そして設計速度を高く設定すれば安全性を確保するために路肩を広くしたり、カーブや坂を減らす工夫を要し、結果的にコストの高い道路ができあがる[6]。この高い規格を指示したのは1986年(昭和61年)まで建設大臣を務めた江藤隆美とされ、「第二東名は立派な道路を造るよう指示した(中略)後世に誇れるような財産を造れと指示した」とNHKのインタビューで述べているが、同時に「安くという発想は全くなかった。世界に誇れるものをということだけだった」とも述べている[79]。
1989年(平成元年)2月には第28回国幹審で横浜市 - 東海市間が基本計画区間(国幹道の予定路線のうち建設を開始すべき路線として策定されるもの[80])に格上げされ[81]、月内には第二東海自動車道横浜東海線として高速自動車国道の路線に指定された[63]。今回策定にあたり、過密が酷く用地買収が困難[76]、かつルートを巡って地元自治体との調整がつかなかった東京 - 横浜間(約30 km)[81]、および一般有料道路として事業中の東海 - 名古屋間(約4 km)は除外された[63]。この頃までには具体的なルートが検討されており、並行する東名、名神の代替性を重視して新旧両道の乗り移りを可能とする渡り線を設けることなどが計画された[76]。つまり、複数の連絡路で東名と相互に行き来できる梯子状(ラダー)とすることで、東名の一部区間で不通になった場合はこの連絡路で第二東名に移動して迂回路として活用することとされた[82]。また、両道路は近い位置で並行することから、一般道路においても各IC経由で相互連絡できる構造とした[66]。
1991年(平成3年)12月には環境影響評価の手続きが終了した静岡県長泉町 - 愛知県東海市間の216 kmについて、第29回国幹審の議決を経て着工前提の整備計画路線に昇格した[83][84]。
そして1993年(平成5年)11月、長泉町 - 東海市間に建設大臣から公団に対して施行命令が下された[85]。だが、この規模にとどまる施行命令ではなかった。日本道路公団始まって以来の最大規模の施行命令で、他の高速道路までも含んでその延長距離は1184 km、事業費は9兆7000億円もの規模であった[86]。この中でも特に金のかかる第二東名、第二名神の建設費を工面し、他の採算の見込めない路線を建設して償還を達成するために公団は、1994年(平成6年)に高速道路の通行料金の値上げに踏み切った(実施は翌年4月)[87][88]。
値上げにあたり、公団は専門家に意見を聞いたうえでその値上げ幅を4割強と試算したが、認可を出す立場の建設省は、バブル経済がはじけて企業収益が軒並み悪化している中で、運輸業界を始めとする財界からの反発を予想し、前回値上げ時からこの時に至るまでの物価上昇率(約11パーセント)以内に値上げ幅を抑えたいとの意向を持っていた[89]。結果的に9.7パーセントで落着したが、ここまで圧縮するために建設省は公団に一層のコスト緊縮策を迫り、道路建設に対して新技術導入による建設費削減などの努力を求めた[89]。公団はこうした要請に応えるべく、大型機械導入や新工法の積極的導入を図ったが[90][91]、これについてはトンネル・主な橋梁節で後述する。それにしてもこの時期はバブル経済が崩壊して不況のただ中にあった訳で、それでも空前の施行命令が下された背景には、第二東名が景気浮揚の起爆剤につながるとの期待が経済界にあったからである[92]。
なお、1996年(平成8年)12月に開かれた第30回国幹審で、新たな基本計画が策定されることになり、第二東海自動車道では東海 - 名古屋市間約4 kmが追加された[93]。これを反映して翌1997年(平成9年)2月には、高速自動車国道法による路線名が第二東海自動車道横浜名古屋線となった[94]。また今回の国幹審では、海老名 - 秦野間[95]、御殿場 - 長泉間[96]が整備計画認可を受けた。そして残りの区間(秦野 - 御殿場間)も1998年(平成10年)12月開催の第31回国幹審で整備計画認可を受け[95][96]、当面の営業区間となる海老名 - 東海間の整備計画がこれで出揃うことになった。
前述したように、公団内部には1987年(昭和62年)の国幹道法改正以後、高速道路ネットワークが11520 kmに拡大されたことに対してある種の危機感を抱く者が少なからずいた。危機感の根底にあったのは、今回の拡大によって不採算路線を多く抱きかかえたことと、それにも増してコストがあまりにも高い第二東名が正式に計画に盛り込まれたことにより、公団の存在そのものが吹き飛びかねないことにあった。慢性的な渋滞により東名の機能低下が目立ってきていることで、その代替路線が必要なことは理解できるとしながらも、道路規格や事業の進め方には疑問を投げかけ、このままでは公団は倒壊するというのである[97]。果たして第二東名の建設が始まってみると、持てる技術を駆使して多くの「日本一」と「世界一」を実現しながらも[98]、コスト意識がない事業手法と体質が祟って公団の借金はうなぎ登りに増加することとなった[99][100]。
第二東名への批判
上記に見る第二東名の設計速度140 km/h、曲線半径3000 m、勾配2パーセント以下という構造基準によって、第二東名は高コストで建設されることになった。何故なら、これらの条件で建設すれば必然的に道路は直線形状に近づき、かつ限りなく水平に造らざるを得ず、それを実現するためには橋梁、トンネルの構造物比率が増加するためである[102]。直線であることは山を避けることが出来ずにトンネル数が多くなり、水平に近いことは山間部において非常に高い橋梁が必要となってくるが、これによって第二東名に占める構造物は全体の6割(東名は2割[103])に及ぶことになった[104]。盛土の上に道路を造る場合と違い、トンネルや橋などの構造物を造るには莫大な建設費用がかさむのである[104]。これに加え、第二東名は往復6車線のため、トンネル断面は往復4車線の東名と比較して2.5倍となって、さらにコストが膨らむ結果となっている[105]。これによって第二東名、第二名神の1キロ換算の工事費は一般高速道路の5.1倍(236億円)に膨れ上がり、総事業費は約10兆円(2002年当時)と見積もられた[106]。
この構造基準は1990年(平成2年)8月6日、当時の建設省道路局長の藤井治芳(後の日本道路公団総裁)の通達によって正式に定められた[107][108]。通常、政令にはない構造規格の道路建設には道路構造令の改正が必要となるが、藤井は法律を飛び越えて局長通達1通だけで公団に対して指示を下したのである[108]。道路構造令には140 km/hの規定は無く、警察庁との調整も無視して[109][106]、第二東名、第二名神の構造規格は一介の官僚によって強引に制定された。これは第二東名、第二名神にA、B、Cの3規格を設け、A規格が最もハイスペックの140 km/h、ほかの大都市近郊ないし中心部をB、C規格として120 km/h、100 km/hとする内容であった[110]。その結果が、莫大な高コストとなって跳ね返ることになり、これには後年、道路関係四公団民営化推進委員会が藤井に対して厳しく責任追求している[109][108]。
建設省道路局長通達による第二東名、第二名神高速道路の幾何構造基準の抜粋
道路の存する地域 | 道路の規格 | 道路の区間 | 設計速度 | 車線幅員 | 路肩幅員 | 中央帯幅員 | 曲線半径 | 縦断勾配 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
大都市圏間 | A規格 | 伊勢原市付近 - 豊田市付近 | 120 km/h (140 km/h) |
左側車線3.75 m 中央車線3.75 m 右側車線3.75 m |
左3.25 m以上 右2.0 m以上 |
7.5 m以上 | 3000 m付近 | 2 %以下 |
四日市市付近 - 城陽市付近 | ||||||||
大都市圏内周辺部 | B規格 | 横浜市付近 - 伊勢原市付近 | 120 km/h | 左側車線3.75 m 中央車線3.75 m 右側車線3.50 m |
左3.25 m以上 右1.75 m以上 |
6.0 m以上 | 1800 m付近 | 2 %以下 |
城陽市付近 - 神戸市付近 | ||||||||
大都市圏内中心部 | C規格 | 東京都付近 - 横浜市付近 | 100 km/h | 左側車線3.75 m 中央車線3.75 m 右側車線3.50 m |
左3.25 m以上 右1.75 m以上 |
4.5 m以上 | 1100 m付近 | 3 %以下 |
豊田市付近 - 四日市市付近 |
(表典拠:『高速道路と自動車』第43巻第9号(2000年9月)公益財団法人高速道路調査会、37頁)
この局長通達後、建設省は警察庁と非公式に協議を行ない、120 km/hまでしかない道路構造令の改正を目指した。だが警察庁側は事故防止の観点から140km/h化に対する反対意見が優勢で合意は得られず、建設省は道路構造令はそのままにして、1993年(平成5年)に施行命令を出して事業化した[106]。後年、道路構造令にはない140 km/hの規格で建設続行していることに対して国土交通省(建設省からの改称)は「規制速度が140 km/hを下回っても安全性は高まっているので一概に無駄になるとは言えない」として、法改正を経ずして通達だけで高コスト路線の建設に邁進していることについては問題にしないような素振りを見せた[106]。なお、民営化推進委員会が第二東名のコスト縮減策を模索し始めた段階では既に6車線分で完成した区間が多く、規制速度や交通量の予測を精査することなしに建設に邁進した公団の姿勢に対してマスコミはこぞって批判を浴びせた[7]。
用地買収もたけなわの頃、一つのニュースが新聞記事を賑わした。静岡県浜松市の宅地が第二東名および県道建設予定地にかかることから、宅地をそれぞれ2つに分割した。土地は元々一つであるから、分割された2つの土地は接している。しかし、第二東名の用地は一平方メートルあたり55000円、一方の県道用地は25000円で売却したとすることで、公団が県道の2倍の高値で土地を購入していたことが判明したのである。不動産鑑定士によって評価額の差異があるにせよ、通常は2割から3割程度とされるなかで、2倍から4倍の差がつくことは公団のコストに対する意識が希薄であるとの批判がなおのこと強まる結果となった[111]。
今ひとつの批判として、第二東名の2001年度における建設工事の指名競争入札のうち、平均落札率が予定価格の98パーセント台という高率であったことも公団のコスト意識の無さを改めて印象づける結果となった[103]。指名競争入札であるから、公団が設定した予定価格(業者には非公表)より最も安い価格を提示した企業が落札するのが通常だが、予定価格の98パーセント台というのは競争が無きに等しい数値である[注釈 4]。予定価格が事前に業者に知らされ、業者間で落札する業者を談合によって決めていたと糾弾されても仕方の無い落札率である[113]。そして入札に参加した企業には公団のOBが天下っていたことから、業者と公団の癒着という構造が存在し、高速道路の高い建設費用と公団の借金が膨らんだ背景には、こうした公団の体質があった[114]。
第二東名は当面の起点を神奈川県海老名市(海老名南JCT)として、それ以東は住宅密集地帯のため一部で基本計画区間として策定されているのみで着工の計画はない。しかし、東名の交通量は東京に近づくほど増大し、渋滞が酷くなることを考えると、海老名市起点では東名の補完道路としてどこまで有効であるのか疑問視された[7]。そもそも東名の渋滞解消が第二東名の主たる使命であるのに、東名の最混雑区間について第二東名はカバーしないのである[115]。前出の当時の道路局長の藤井が元公団総裁を訪ねて第二東名建設の是非を問うたとき、元総裁から第二東名の高コストを懸念され、東京側の入口の計画がはっきりしないならば造らない方がいい、との忠告を受けていた[116]。しかし、用地買収をも含めた計画がはっきりしないまま着工に踏み切り、これには公団内部からも見切り発車との批判が出ている[115]。
第二東名建設に対して、建設省や事業主体の公団側にコストカットの意識が全く無かったかといえばそうではなく、1990年代初頭には高い構造規格を実現するには高コストになるため、橋梁に対するプレキャストセグメント工法の採用などが早くから考えられていた[117][90]。公団発行の広報誌にはやたらとコスト低減を標榜した工法の採用や実績が示されている[118]。それにも関わらず第二東名や公団に対するマスコミおよび世間の風当たりは一層厳しくなった。第二東名を不採算路線として見直すべきとする意見から[119]、東名の現実を見て第二東名は必要だが140 km/hや勾配2パーセント、往復6車線はコストを押し上げ、贅沢すぎるなどの意見もあった[6][7]。そして上記に見る国や公団のコスト意識の希薄さと天下りやファミリー企業問題により借金が30兆円に達っしようという状況から2001年には小泉政権の下、特殊法人改革が推し進められ、これに乗じて道路関係四公団民営化推進委員会が設立されるに至った。
ここでは公団の民営化が目的であったが、同時に高コストの第二東名、第二名神がやり玉に挙がった[6]。先に国土交通大臣は第二東名の交通量や最高速度が曖昧なまま工事が続けられている状況から全線6車線を4車線に見直し、最高速度の見直しも図る見解を示したが、これは建設凍結を回避するための代替案でもあった[120]。結局、政府は2003年(平成15年)3月に第二東名、第二名神の規格見直しを決定し、第二東名の場合、豊田以東は基本往復4車線で建設されることになった[121]。これにより1兆円規模の経費削減が可能とされた[122]。これは2003年(平成15年)12月に開催された第1回国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議:それまでの国土開発幹線自動車道建設審議会〈国幹審〉を改称したもの[123])によって議決された[124][125]。
なお、日本道路公団は2005年(平成17年)10月に民営化され、第二東名の建設は中日本高速道路(NEXCO中日本)が引き継ぐことになった[126]。
開通後
第二東名としては1998年(平成10年)3月に名古屋南IC - 東海IC間が最も早く開通したが、この区間は名古屋都市圏の幹線道路網構築を優先するとの意味から[127]当面は「伊勢湾岸自動車道」を称することになり[63]、2005年(平成17年)3月までにこの路線名で豊田東JCT - 東海IC間(西は四日市JCTまで)が全通している[128]。
一方、伊勢湾岸自動車道を除いた区間としては、2012年(平成24年)4月に御殿場JCT - 三ヶ日JCT間(162 km)が施工命令から18年5か月を費やして開通した[129]。162 kmという、これまで開通した日本の高速道路のうち、一度の開通としては最長であったことで、NEXCO中日本ではこれを「史上最長の作戦」と呼んで、一丸となって工事完成にこぎ着けたとする[12]。今回開通により、東名において行なわれていた改修工事について、新東名への迂回路が完成したことで長期規制を伴う大規模老朽化対策工事[130]の実施が可能となった。これまでは工事期間を限定した集中工事方式を採用せざるを得なかったが、それも今回開通によって資材搬入や施工範囲に制限がない重点的な工事が出来ることになった[131]。そして、今回開通区間は東名の由比ヶ浜における台風、高潮における通行止めの際の代替ルートを担うことが特徴となっている[132][133]。開通1か月間における効果としては、東名利用の交通が順調に新東名に転換したことで、静岡県内の東名で発生していた10 km以上の渋滞が9割減少した[12]。
2016年(平成28年)2月には浜松いなさJCT - 豊田東JCT間(55.2 km)が延伸開通して伊勢湾岸自動車道と接続された[134]。当該区間は暫定4車線(完成時6車線)で整備された[135]。開通から1週間のデータでは、並行する東名の渋滞発生回数が前年同月では13回であったものが開通後は発生せず、ダブルネットワークの効果が早速現れた[136]。
2018年(平成30年)1月には神奈川県内としては最初の供用区間となる海老名南JCT - 厚木南IC間(1.5 km)が開通した[137]。僅か1.5 kmの距離であるため、4車線(暫定形で用地は6車線確保済)では車線変更が伴うことで、今回は片側1車線の運用とした[138]。施工命令を受けている区間としては、新東名にとって海老名南JCTが当面の起点となる[138]。
年表
- 1982年(昭和57年)3月5日 : 建設相の諮問機関、道路審議会が第二東名、第二名神の建設を提言[139]。
- 1987年(昭和62年)
- 6月30日 : 第四次全国総合開発計画の閣議決定により、第二東名自動車道として東京 - 名古屋間が高規格幹線道路に構想される[140][141]。
- 9月1日 : 国土開発幹線自動車道建設法の一部改正により、第二東海自動車道として東京都 - 名古屋市が国土開発幹線自動車道の予定路線となる[142]。
- 1989年(平成元年)
- 1991年(平成3年)12月3日 : 長泉沼津 - 東海間の整備計画が決定する[144]。
- 1993年(平成5年)
- 1996年(平成8年)12月27日 : 海老名南JCT - 秦野、御殿場JCT - 長泉沼津間の整備計画が決定する[144]。
- 1997年(平成9年)
- 1998年(平成10年)
- 1999年(平成11年)12月24日 : 伊勢原市 - 秦野市間に施工命令が出る[144]。
- 2000年(平成12年)1月12日 : 伊勢原北IC - 秦野IC間の工事に着手する[149]。
- 2003年(平成15年)12月25日 : 第1回国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)[150]で整備計画の変更(コスト削減)が決定する[151]。
- 2006年(平成18年)
- 2009年(平成21年)8月15日 : 8月11日に発生した駿河湾地震で東名高速道路が通行止になり、その影響で特に混雑が著しい大井川の渡河区間において、建設中の大井川橋を緊急通路として開放する[153][154]。
- 2011年(平成23年)
- 3月1日 : 静岡SAスマートIC、浜松浜北スマートIC(現・浜松SAスマートIC)の設置が許可される[155]。
- 3月11日 : 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生し、東名高速道路および並行する国道1号が通行止になり、建設中の藤枝岡部IC - 新富士ICの上り線を緊急輸送路として活用する[156][157]。
- 8月26日 : 道路名称が新東名高速道路に、御殿場JCT - 浜松いなさJCT間と清水連絡路および引佐連絡路の各施設の名称が正式決定する[158]。
- 11月2日 : 静岡SAスマートIC、浜松浜北スマートICの名称がそれぞれ静岡SAスマートIC、浜松SAスマートICに正式決定する[159]。
- 2012年(平成24年)4月14日 : 御殿場JCT - 浜松いなさJCT間、清水連絡路の清水JCT - 新清水JCT間、引佐連絡路の三ヶ日JCT - 浜松いなさJCT間がそれぞれ開通し、これまでに開通した日本の高速道路で一度の開通延長が最も長い区間となる約162 kmが開通する[129]。
- 2014年(平成26年)
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)
開通予定年度
- 2018年度 : 厚木南IC - 伊勢原JCT(仮称)[15][14]
- 2019年度 : 伊勢原JCT(仮称) - 伊勢原北IC(仮称)[15]
- 2020年度 : 伊勢原北IC(仮称) - 御殿場JCT[14]
※この情報は2018年3月現在の情報であり、工事の進捗状況によって前後する可能性がある。
路線状況
車線・最高速度
区間 | 車線 上下線=上り線+下り線 |
最高速度 | ||
---|---|---|---|---|
大型貨物等 三輪・牽引 |
左記を除く車両 | |||
本線 | ||||
海老名南JCT - 厚木南IC | 2=1+1 (暫定2車線)[注釈 6] |
70 km/h | 70 km/h (指定) | |
(厚木南IC - 御殿場JCT間未開通) | ||||
御殿場JCT - 長泉沼津IC | 4=2+2 | 80 km/h | 100 km/h (法定) | |
長泉沼津IC前後 | 6=3+3 | |||
長泉沼津IC - 新富士IC | 4=2+2 | |||
新富士IC前後 | 6=3+3 | |||
新富士lC - 新清水JCT | 4=2+2 | |||
新清水JCT - 新静岡IC | 5=2+3 | |||
新静岡IC - 静岡SA | 5=3+2 | 110 km/h (指定) | ||
静岡SA - 藤枝岡部IC | 5=2+3 | |||
藤枝岡部IC - 藤枝PA | 6=3+3 | |||
藤枝PA - 島田金谷IC | 4=2+2 | |||
島田金谷IC - 掛川PA | 6=3+3 | |||
掛川PA - 西郷TN | 5=2+3 | |||
西郷TN - 森掛川IC | 4=2+2 | |||
森掛川IC - 遠州森町PA | 5=2+3 | 100 km/h (法定) | ||
遠州森町PA - 浜松浜北IC | 4=2+2 | |||
浜松浜北IC - 浜松SA | 6=3+3 | |||
浜松SA - 岡崎SA | 4=2+2 | |||
岡崎SA - 豊田東JCT | 6=3+3 | |||
清水連絡路 | 清水JCT - 新清水JCT | 4=2+2 | 80 km/h (指定) | |
引佐連絡路 | 三ヶ日JCT - 浜松いなさJCT |
前述した通り、本路線は暫定4車線(海老名南JCT - 厚木南ICは暫定2車線、清水連絡路・引佐連絡路は完成4車線)での供用となっており、路肩側に6車線化の為の用地が確保・舗装されている区間もある。一部区間では5車線や6車線に拡幅されている区間もあるが、現時点では付加車線扱いとなっている。
新静岡IC - 森掛川ICは試験的に最高速度が110 km/hに引き上げられた。この区間では大貨等・三輪・牽引の最高速度とそれ以外の車種の最高速度の標識がそれぞれ設置されている[172]。
道路規格
道路規格は第1種第1級(設計速度120 km/h)であるが(浜松いなさJCT以西は暫定施工時 第1種第2級)、道路構造令にはない設計速度140 km/hを担保とした構造になっている。このため工事費用は割高になっているが、現在は規制速度100 km/h - 110 km/hで運用されている(設計速度と規制速度の決定についての詳細は設計速度の節を参照)。基本的には暫定4車線(完成6車線)で施工されており、一部区間は5車線や6車線に拡幅されているほか、トンネルや橋などの構造物は6車線分確保されている部分もある。ただし、浜松いなさJCT - 岡崎SA間は工費や工期削減のため、従来の4車線構造で施工されており、路肩部分も下記に示す幅は確保されていない。
- 構造規格 : 第1種第1級(海老名南JCT - 御殿場JCT、浜松いなさJCT - 豊田東JCTは暫定施工時: 第1種第2級)
- 設計速度 : 120 km/h
- 車線幅員 : 3.50 m - 3.75 m
- 路肩
- 左側 : 2.50 m - 3.00 m
- 右側 : 1.25 m - 1.75 m
- 中央分離帯 : 2.25 m - 4.50 m
- 最小曲率半径 : 標準値3,000 m
- 海老名南JCT - 伊勢原北IC : 1,500 m、伊勢原北IC - 秦野IC : 2,997 m、秦野IC - 御殿場JCT : 2,994 m
- 最急縦断勾配 : 標準値2.0 %
- 海老名南JCT - 厚木南IC : 1.4 %、厚木南IC - 伊勢原北IC : 2.1 %、秦野IC - 御殿場JCT : 3.0 %
- 車線数 : 4車線(用地買収6車線)
- 構造物比率 : 橋梁 32.4 %、トンネル 29.4 %
- 東名高速道路(参考値) : 橋梁 14.9 %、トンネル 3.0 %
設計速度
当初は、従来の高速道路よりも道路規格が高い設計速度140 km/hで建設運用が計画されていたが[173]、道路構造令で設計速度140 km/hは定められておらず、国土交通省が改正を要請していた。
新名神高速道路と同じく、道路規格は第1種第1級(設計速度120 km/h)として建設され、規制速度も法定最高速度の100 km/hが基本となっている。
警察庁は、国土交通省の担当者や学識者らをメンバーに加えた「規制速度決定の在り方に関する調査研究検討委員会」において、高速道路や一般道路の最高速度引き上げを2006年(平成18年)から3年がかりと長期間かけて検討を行ったが、高速道路の制限速度については「上限を上げるにはさらなる検証が必要で、直ちに上げる必要はない」と見送りという方針を示した[174]。ただし、有識者として会議に出席した交通工学が専門の中村英樹(名古屋大学大学院教授)は制限速度引き上げに肯定的なコメントを出している。
これに対し静岡県は、6車線化(前述)を前提とした法定速度140 km/h化を国などに要望するとしている[175]。
2014年(平成26年)2月24日に静岡市で開かれた自民党の会合で警察庁を統括する国家公安委員会・委員長の古屋圭司は制限速度を120 km/hに見直すことを検討することを表明し、翌日にはこの発言を受けて、静岡県知事の川勝平太も140 km/hの設計速度にふれた上で、いきなり制限速度を140 km/hにあげるのではなく、120 km/hが妥当だという見解を示した。その後警察庁で行われた「交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会」において、「新東名高速道路を始めとする高規格の高速道路については、設計速度120 km/hで、かつ、片側3車線以上の道路などに関して、最高速度100 km/hを超える速度への引き上げについて早急に検討を開始すべき」との提言がなされた[176]。
それを踏まえ、2016年(平成28年)3月24日、御殿場JCT - 浜松いなさJCT間において、2017年以降に試験的に最高速度を110 km/hに引き上げると発表し[163]、同年10月23日には、試行的に最高速度を引き上げる区間を「新静岡IC - 森掛川IC間」 (50.5 km) とすることが発表された。2017年度にも実施され、1年以上をかけてデータ収集・分析が行われた上で、最高速度100 km/hとした交通規制基準の見直しを検討するとしている[166]。
2017年(平成29年)9月28日、警察庁から「2017年11月1日から、新静岡IC - 森掛川ICで試験的に最高速度を110 km/hに引き上げる」との発表がされ、予定通り11月1日午前10時に実施された[170][10]。
道路施設
新東名高速道路においては全ての一般レーンが自動精算機による対応で行われている[177]。
サービスエリア・パーキングエリア
区間内の全てのサービスエリア (SA) と清水パーキングエリア (PA) は「NEOPASA」(ネオパーサ)のブランド名で施設を展開する[178]。このブランドは新東名(御殿場JCT - 三ヶ日JCT間)開通に合わせて立ち上げたものである[178]。また、ヘリポートを併設しており、大地震発生の際には防災活動や医療搬送などで活用される[179]。
売店は全てのサービスエリア・パーキングエリアに設置されている。ガソリンスタンドは全てのサービスエリアにあり、全て24時間営業である。岡崎SAを除き、普通車はセルフ式である。24時間営業の売店は全てのSAと遠州森町PA上り線と藤枝PA下り線を除く全てのパーキングエリアにある(駿河湾沼津SAの上下各1店舗と藤枝PA上り線を除き全てコンビニである)。飲食店は全てのサービスエリアと清水PAの一部店舗で24時間営業である(サービスエリアでは持ち帰りのみ24時間営業店舗あり)[180]
富士市では、駿河湾沼津SA - 新富士IC間に位置する神戸(ごうど)地区に休憩施設の設置(追加)を目指し、住民運動が行われている[181]。また、静岡県商工会議所連合会は静岡県に設置を要望しており、静岡県知事の川勝平太は既に中日本高速道路に要望している旨を明らかにしている[182]。
なお、新東名にはバス停(バスストップ)は1ヶ所も設置されておらず、区間内で乗降扱いを行わない長距離バスの一部は東名から新東名に経路をシフトしている[183][注釈 7]。
トンネル・主な橋梁
東名が比較的海岸線近くを走っているのに対し、新東名は人口の集中した市街地を避けるべく山寄りに建設されている。これよりもさらに山寄りに建設すれば山岳区間が多くなることでトンネル長が5000 mを超過し、危険物積載車両の通行制限が適用される[48]。さらに深い谷を越えることで橋脚は勾配2 %を保つために非常に高く建設する必要が生じる。このことから新東名のルート選択についてはこれらの条件を勘案して選定されている[48]。
トンネル長は新東名、新名神を問わず上記の理由から全て5000 m未満で建設されている[48]。トンネル断面は、従来のトンネル入口が心理的圧迫となってスピードダウンを促し渋滞発生が問題化していたことから、大断面化することで心理的問題を解消している[91]。他高速道路のトンネルは、路肩については縮小を認めていることから2 mの縮小で建設されている[184]。これに対して新東名では路肩の縮小はせず、原則3.25 mの「望ましい幅員」を維持することとし、これに掘削断面積を少なくする必要もあって横長の扁平断面形状という外観的特徴を持つに至った[185]。扁平の大断面トンネルはこうして計画された[184]。
ルートを山寄りに位置づけたことで、工事関係者の間ではルートの構造物別比率として「トンネル2、橋梁4、土工4」と言われているが[127]、ルートに占めるトンネルと橋梁の比率は東名と比較すると高めである[186]。そして全線往復6車線、設計速度140 km/hを実現するための幾何構造を採用したことも手伝って勢い建設費用も高額となり[187]、折からの経済不況から政府による公共事業コスト縮減の要請もあって、新東名建設では土の運搬では巨大ダンプカーやバックホウによる巨大マシーンの導入[91]、橋梁では鋼とコンクリートの複合構造やストラット付PC箱桁の採用などでコスト節減に取り組むこととした[188]。トンネルに至っては特に長大トンネルの場合、掘削機には経済性向上はもとより、施工性向上の観点から[189]英仏海峡トンネル掘削で使われた「トンネル・ボーリング・マシーン」(略称:TBM)を導入して直径5 mの穴(先進導坑)を掘り進み、後工程で大断面に拡大する方法を採った[188]。
新東名、新名神を象徴する光景の一つに、山岳区間のコンクリート製橋脚がある。新東名の道路の勾配は標準2 %以下であるが、これを山岳部で実現しようとした場合、橋脚を低く設定すればそれだけ勾配がきつくなることでサグが発生し、渋滞発生の温床となる。よって谷の通過では必然的に橋脚を高くして、出来るだけ道路を水平に保つことが必要となる[190]。このことから新東名の山岳区間では場所によっては高さ80 mの高い橋脚が建設されている。ただし、これだけの高い橋脚に対して鉄筋だけを張り巡らせるのは作業効率が悪いことから、直径1.4 mの太い鋼管を縦方向に何本も建て込み、その周りに鉄筋をらせん状に巡らせてからコンクリートを打設する「鋼管・コンクリート複合構造橋脚」が採用された[190]。これにより高い耐震性と作業省略化を両立させている[190]。
区間 | トンネル | 橋梁 | |||
---|---|---|---|---|---|
上り線 | 下り線 | 上り線 | 下り線 | ||
本線 | 海老名南JCT - 御殿場JCT | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
御殿場JCT - 長泉沼津IC | 5 | 5 | 不明 | 不明 | |
長泉沼津IC - 新富士IC | 1 | 1 | 15 | 15 | |
新富士IC - 新清水IC | 3 | 3 | 9 | 14 | |
新清水IC - 新清水JCT | 3 | 3 | 11 | 10 | |
新清水JCT - 新静岡IC | 2 | 2 | 9 | 9 | |
新静岡IC - 藤枝岡部IC | 6 | 6 | 17 | 16 | |
藤枝岡部IC - 島田金谷IC | 6 | 6 | 13 | 14 | |
島田金谷IC - 森掛川IC | 5 | 4 | 13 | 8 | |
森掛川IC - 浜松浜北IC | 0 | 0 | 30 | 30 | |
浜松浜北IC - 浜松いなさJCT | 2 | 2 | 14 | 14 | |
浜松いなさJCT - 新城IC | 2 | 2 | 12 | 11 | |
新城IC - 岡崎東IC | 11 | 11 | 15 | 16 | |
岡崎東IC - 豊田東JCT | 4 | 4 | 11 | 11 | |
本線(御殿場JCT - 豊田東JCT間)累計 | 50 | 49 | 169以上 | 168以上 | |
(参考)東名高速 御殿場JCT - 豊田JCT | 8 | 8 | |||
清水連絡路 | 清水JCT - 新清水JCT | 0 | 0 | 6 | 6 |
引佐連絡路 | 浜松いなさJCT - 浜松いなさIC | 0 | 0 | 2 | 2 |
浜松いなさIC - 三ヶ日JCT | 2 | 2 | 5 | 6 |
案内標識
民営化後より実施されつつあるサイン類の「新デザイン」への更新により、全線で案内標識の書体が、これまでのいわゆる「公団文字」ではなく「ヒラギノ角ゴシック体」を用いている[191]。
当路線と東名高速道路との分岐点では誤認防止の為、「新東名」と、「新」が「東名」より大きく強調されている。
交通量
24時間交通量(台) 道路交通センサス
区間 | 平成27(2015)年度 |
---|---|
海老名南JCT - 厚木南IC | 調査当時未開通 |
御殿場JCT - 長泉沼津IC | 41,877 |
長泉沼津IC - 新富士IC | 45,620 |
新富士IC - 新清水IC | 45,222 |
新清水IC - 新清水JCT | 48,378 |
新清水JCT - 清水いはらIC | 9,433 |
清水いはらIC - 清水JCT | 9,179 |
新清水JCT - 新静岡IC | 44,689 |
新静岡IC - 静岡SASIC | 43,534 |
静岡SASIC - 藤枝岡部IC | 43,852 |
藤枝岡部IC - 島田金谷IC | 42,702 |
島田金谷IC - 森掛川IC | 42,268 |
森掛川IC - 遠州森町PASIC | 42,092 |
遠州森町PASIC - 浜松浜北IC | 42,122 |
浜松浜北IC - 浜松SASIC | 40,450 |
浜松SASIC - 浜松いなさJCT | 40,145 |
浜松いなさJCT - 浜松いなさIC | 40,101 |
浜松いなさIC - 三ヶ日JCT | 40,482 |
浜松いなさJCT - 新城IC | 調査当時未開通 |
新城IC - 岡崎東IC | |
岡崎東IC - 豊田東JCT |
(出典:「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)
なお平成28年に開通した、新東名愛知県区間(浜松いなさJCT - 豊田東JCT)の通行量の速報値は、平日で約43,000台、休日で約47,000台[192]。
渋滞
2016年9月時点で御殿場JCT - 豊田東JCT間が開通しており、この区間と並行する東名高速道路で発生していた交通集中による渋滞は大幅に減少した。しかし、ゴールデンウィークなどの大型連休には新清水JCT - 新富士IC間で上下線ともに渋滞が発生しやすい。さらに、東名上りの大和トンネル付近を先頭とする渋滞が、御殿場IC付近まで伸びることがある。
鉄道ライター・イラストレーターの恵知仁は、2016年2月の浜松いなさJCT - 豊田東JCT間の開通により、(御殿場JCT - 豊田東JCT間の)所要時間は60分の大幅短縮の試算発表を公開し評価している一方[193]、モータージャーナリストの清水草一は、新東名の更なる延伸により2021年以降、御殿場JCT・海老名南JCTそして海老名JCTにおいて、交通交錯の可能性について述べている[194]。
道路管理者
- 中日本高速道路(NEXCO中日本)東京支社
- 御殿場保全・サービスセンター: 御殿場JCT - 長泉沼津IC
- 富士保全・サービスセンター : 長泉沼津IC - 新静岡IC、清水連絡路
- 浜松保全・サービスセンター : 新静岡IC - 新城IC、引佐連絡路
- 中日本高速道路 名古屋支社
- 豊田保全・サービスセンター: 新城IC - 豊田東JCT
ラジオ
電波出力が大きい在京、在名のAMラジオ局は静岡県内においても日常的に聴取されていることから、全トンネルでNHK静岡(ラジオ第1・第2・FM放送)・SBSラジオ・K-mix、北沼上トンネル以東でTBSラジオ・文化放送、平島トンネル以東でNHK東京(ラジオ第1・第2放送)・ニッポン放送、粟ヶ岳トンネル以西でNHK名古屋(ラジオ第1・第2放送)、CBCラジオ、東海ラジオをそれぞれ再送信する。これらは大井川、天竜川を事実上の境界にしており、実際の聴取可能範囲や関東または中京地区への文化、生活における地域の指向に則している。関東・中京という広域圏を放送対象としたAM局を2つとも再送信するトンネルが存在するのは全国的に見ても特異なケースである。
尚、民放FM局については静岡県内の放送局のみが再送信されている。一般的なカーラジオでは県外FM局の受信が困難であるため再送信も行われていない。東名高速では一部の高性能受信装置を内蔵するカーオーディオ、カーナビを利用すれば受信することが出来るが、山間部を通る新東名では電波が遮られるため御殿場や浜松など県境に近い地区以外は受信が困難である。
ハイウェイラジオ
新東名高速道路では既存の高速道路と比較してかなり長い区間にわたってハイウェイラジオが放送されている。このうち、2012年に開通した御殿場JCT - 浜松いなさJCT間と清水連絡路・引佐連絡路の各局では既存の高速道路で見られる放送区間を告知する標識は設置されておらず、道路上の簡易情報板に放送中である旨の告知が表示されている。ただし、一部の区間については供用から1ヶ月後に無放送区間を長く設定し混信を防ぐことと併せ、放送区間を告知する標識が設置されている。一方、2016年に開通した浜松いなさJCT - 豊田東JCT間の各局については開通当初から既存の高速道路と同様の看板が設置されている。
本線
- 御殿場(御殿場JCT - 長泉沼津IC)
- 裾野(御殿場JCT - 長泉沼津IC)
- 長泉(御殿場JCT - 長泉沼津IC)
- 沼津(御殿場JCT - 長泉沼津IC)
- 沼津SA(駿河湾沼津SA付近)
- 駿河湾(駿河湾沼津SA - 新富士IC)
- 新富士(新富士IC付近)
- 富士宮(新富士IC - 新清水IC)
- 新清水(新清水IC付近)
- 新清水JCT(清水PA - 新清水JCT)
- 新静岡(新清水JCT - 新静岡IC)
- 内牧(新静岡IC - 静岡SA)
- 藁科(静岡SA付近)
- 岡部(静岡SA - 藤枝岡部IC)
- 藤枝(藤枝岡部IC - 藤枝PA)
- 島田(藤枝PA - 島田金谷IC)
- 金谷(藤枝PA - 島田金谷IC)
- 粟ヶ岳(粟ヶ岳トンネル内)
- 掛川(島田金谷IC - 掛川PA)
- 森掛川(掛川PA - 遠州森町PA)
- 森町(遠州森町PA - 浜松浜北IC)
- 浜北(浜松浜北IC - 浜松SA)
- 浜松(浜松SA - 浜松いなさJCT)
- 引佐(浜松SA - 浜松いなさJCT)
- 鳳来(浜松いなさJCT - 新城IC)
- 長篠設楽原(新城IC - 岡崎東IC)
- 岡崎(岡崎東IC - 豊田東JCT)
- 清水連絡路
- いはら(清水JCT - 新清水JCT)
- 引佐連絡路
- 三ヶ日(浜松いなさJCT - 三ヶ日JCT)
災害時の対応
2009年(平成21年)8月11日に発生した、駿河湾地震で東名高速道路の一部区間が通行止となったことから、迂回路の混雑緩和のために、8月15日9時-16時まで、大井川橋(静岡県島田市牛尾-同市相賀間)の上り線(約1.3 km)を普通車・小型車のみ緊急に供用した[195]。建設中のために舗装が十分でなかったことから制限速度は20 km/hであった。
また、2011年(平成23年)3月11日に発生した、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の際に大津波警報が発表されたことにより、それぞれ一部区間が通行止となった東名高速道路と国道1号の代替道路として、緊急車両のみ通行可能となったこともある[196][12]。
その他
NEXCO中日本協力のもと、開通前の和田島トンネルでは、テレビドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の撮影が行われていたり、他のトンネルや本線上でテレビ撮影も行われている[197]。他にも、浜松いなさJCT - 豊田東JCT間の開通に合わせて、中日本高速道路とドワンゴによる共同IP製作プロジェクト「幻想交流」が立ち上げられ、道路施設であるサービスエリア・パーキングエリアを擬人化したキャラクターが登場する異世界と、NEXCO中日本やドワンゴが登場する現実世界が入り混じった幻想的な世界観をベースとして、メディアミックス展開が進められている[198]。
御殿場JCT - 浜松いなさJCT区間は全線6車線でほぼ完成しているものの、ガイドポストの設置により4車線に減らされている区間が多い。このガイドポストは道路公団民営化によるコスト削減に関わった猪瀬直樹の名を冠して「猪瀬ポール」と揶揄されているが、猪瀬自身は「僕が立てさせたわけじゃない」と反論している[199]。
地理
通過する自治体
本線
清水連絡路
- 静岡県
-
- 静岡市
- 清水区
- 静岡市
-
引佐連絡路
- 静岡県
-
- 浜松市
- 北区
- 浜松市
-
通過予定の自治体
本線
接続する高速道路
- C4 首都圏中央連絡自動車道(海老名南JCTで接続)
- E1 東名高速道路(伊勢原JCTで接続予定)
- E1 東名高速道路(御殿場JCTで接続)
- E70 伊豆縦貫自動車道(長泉沼津ICで接続)
- E52 中部横断自動車道(新清水JCTで接続予定)
- E1 東名高速道路(清水連絡路を経由して清水JCTで接続)
- E69 三遠南信自動車道(浜松いなさJCTで接続)
- E1 東名高速道路(引佐連絡路を経由して三ヶ日JCTで接続)
- E1A 伊勢湾岸自動車道(豊田東JCTで直結)
- C3 東海環状自動車道(豊田東JCTで接続)
ギャラリー
脚注
注釈
- ^ 東海IC - 飛島IC間は高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路(国道302号)の「伊勢湾岸道路」(名古屋環状2号線)であり、第二東海自動車道としては事業化されていない[4]。
- ^ 上り線(海老名南JCT方面)は1.2KPまで
- ^ 下り線の入出路にはラウンドアバウトを設置予定[29]。
- ^ 予定価格に近いほど工事で得られる儲けは大きくなる[112]。
- ^ 当初は2016年度開通予定だった[164][165]。
- ^ 伊勢原北IC延伸時までの予定
- ^ ただし、東京 - 名古屋間の一部を除くドリーム号や昼特急などのJRバスは三ヶ日に運転手交替施設があるため、静岡県内に関しては依然として東名経由のままである。
出典
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の日付が不正です。 (説明) - ^ "「NEXCO中日本×ドワンゴ」 共同製作 『幻想交流』シリーズ始動 芝村裕吏氏web小説公開のお知らせ" (Press release). ドワンゴ モバイル事業本部. 12 February 2016. 2016年6月10日閲覧。
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- 『伊勢湾岸道路工事誌』は三重県立図書館、飛島村図書館で閲覧可
- 伊勢湾岸道路編集委員会『伊勢湾岸道路工事誌』日本道路公団名古屋建設局 伊勢湾岸道路工事事務所、1998年3月。
- 浅井建爾『日本の道路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2015年10月10日。ISBN 978-4-534-05318-3。
- NHK報道局「道路公団」取材班『日本道路公団 借金30兆円の真相』日本放送出版協会〈NHKスペシャルセレクション〉、2005年5月30日。ISBN 4-14-081020-3 C0095{{ISBN2}}のパラメータエラー: 無効なISBNです。。
- 猪瀬直樹『道路の権力 道路公団民営化の攻防1000日』株式会社文藝春秋、2003年11月15日。ISBN 4-16-365400-3。
- イカロス出版『東名高速をゆく』イカロス出版株式会社〈ゆくシリーズ〉、2011年9月30日。ISBN 978-4-86320-484-3。