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日本レコード協会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本音盤協会から転送)
一般社団法人日本レコード協会
Recording Industry Association of Japan

事務所が入居する共同通信会館
団体種類 一般社団法人
設立 1942年4月30日
所在地 東京都港区六本木1丁目8番7号
MFPR六本木麻布台ビル13階
法人番号 4010405008757 ウィキデータを編集
起源 日本蓄音機レコード文化協会
主要人物 会長 村松俊亮
活動地域 日本の旗 日本
主眼 優良なレコード(音楽用CD等)の普及、レコード製作者の権利擁護
活動内容 レコード、音楽用CD等の普及促進、需要拡大に関する事業 他
ウェブサイト www.riaj.or.jp ウィキデータを編集
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一般社団法人日本レコード協会(にほんレコードきょうかい、: Recording Industry Association of Japan)は、日本国内のレコード会社により構成されている一般社団法人。主に記録媒体の識別番号であるISRC(国際標準レコーディングコード)を発行する団体である。

略称はRIAJで、「日レ協」「レコ協」と呼ばれる場合もある。協会内に、レコード倫理審査会(レコ倫、旧レコード制作基準倫理委員会)と呼ばれる倫理組織を持つ。

概要

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レコード製作者の立場を代表して、「二次使用料請求権」(曲が放送された場合等)及び 「貸レコードの報酬請求権」を行使し、使用料等の徴収・分配を行っている。ダウンロード違法化に伴い、日本レコード協会に所属しているレコード会社・映像製作会社との正式な契約に基づいて配信を行っているサイトにエルマークを発行している[1]

また、業界団体として日本ゴールドディスク大賞を実施しているほか、レコードに関する様々な調査研究の一環として、レコードの生産実績調査・ゴールド / ミリオン等の認定(後述)を行っている。

沿革

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役員

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2024年6月現在[2]
役名 氏名 所属
会長 村松俊亮 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント 代表取締役社長CEO
副会長 林真司 エイベックス株式会社 代表取締役CFO
藤倉尚 ユニバーサルミュージック合同会社 社長兼最高経営責任者
吉村隆 株式会社ポニーキャニオン 代表取締役社長
小林和之 株式会社ワーナーミュージック・ジャパン 代表取締役社長兼CEO
理事 吉田眞市 日本コロムビア株式会社 取締役副会長
斉藤正明 ビクターエンタテインメント株式会社 代表取締役会長
村上潔 キングレコード株式会社 代表取締役社長
村上剛 株式会社テイチクエンタテインメント 代表取締役専務
片岡恵介 日本クラウン株式会社 代表取締役社長
北島浩明 株式会社徳間ジャパンコミュニケーションズ 代表取締役社長
安岡喜郎 株式会社バップ 代表取締役社長執行役員
後藤豊 株式会社フォーライフミュージックエンタテイメント 代表取締役社長
荻野伸之 株式会社ヤマハミュージックコミュニケーションズ 代表取締役社長
鈴木孝明 株式会社バンダイナムコミュージックライブ 代表取締役社長
専務理事 原康晴 一般社団法人日本レコード協会
常務理事・事務局長 畑陽一郎
理事・事務局次長 須貝あゆみ
監事 楠木紳市 株式会社ドリーミュージック 代表取締役社長
坂内光夫 株式会社よしもとミュージック 代表取締役社長
石田英遠 弁護士

正会員

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2024年6月1日現在、正会員18社[3]

ゴールド / ミリオン等認定

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歴史と概要

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日本レコード協会は、1989年に音楽作品のゴールド等の認定制度を開始した。それ以来、累計で一定の出荷枚数(正味売上枚数と称される)を超えたCDアルバムやシングルに対して、それぞれの基準に応じたゴールド、プラチナ、ミリオン等の称号が与えられている。対象とされるのは原則として、同協会に加盟するレコード会社から1989年1月21日以降に発売された商品に限られているが、それ以前に初版が発表されたものに関しても、制度導入以降の出荷分にもとづいてゴールド等が授与されている[4]。認定された商品は、2か月後に協会が月刊で発行する機関誌『THE RECORD』上に掲載される。近年ではそれに加えて、前の月の認定分を公式サイト上で毎月10日に告知しており、2003年下半期以降のほとんどの認定作品一覧が確認できる[4]。 また、2014年現在、同協会は公式サイト上において1994年以降の機関誌のアーカイブをPDF化して公開しており、そこから1993年11月から2002年12月までの認定分を確認することができる[5]

2003年の下半期からは音楽ビデオ(VHS/DVD)認定が追加され、2006年8月には有料音楽配信認定(現・「ダウンロード認定」)が創設された[6]。音楽配信はそれぞれのフォーマットごとに分かれていたが、2014年1月度からは「着うたフル」と「PC配信」が統合され、「シングルトラック」として認定されるようになった[7]。2020年4月度からは「定額制音楽配信」を対象にした、「ストリーミング認定」を追加した[8][9]

なお、日本レコード協会の示す「正味売上枚数」とは、オリコンサウンドスキャンなどの調査会社によって集計される「推定売上枚数」とは全く別物である。オリコンランキングと、協会認定との差異は下記の通り。

象限 オリコンランキング 日本レコード協会 注釈
カウントの対象 対象店舗での売上のみ 工場出荷枚数の全てを含む ⇒協会認定のほうが大となる要因[注釈 2]
イベント特例 販促イベントでの売上算入は3枚が上限 イベントを理由とした上限は設けず ⇒協会認定のほうが大となる要因[注釈 3][10]
モニター対象店舗以外の枚数 含まない 含む ⇒協会認定のほうが大となる要因
チャート200位圏外分の枚数 含まない 含む ⇒協会認定のほうが大となる要因[注釈 4]
協会非加盟(インディーズ 含む 含まない ⇒インディーズは協会認定の対象外。[注釈 5][11]

また、協会認定のほうがオリコンチャートよりも小となるケースもある[注釈 6]。また、いくつかの例においては、協会加盟分にもかかわらず、ダウンロード売上に係る日本レコード協会認定が全くなされないケースもある。[注釈 7]

認定基準の変遷

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「邦楽と洋楽でそれぞれ基準が異なり、わかりにくい」という理由から、2003年7月に認定基準の簡略化が施行された[6]。2020年時点の認定基準は次のとおりである。

  • ゴールドディスク認定、ダウンロード認定
    • ゴールド:10万(枚)以上
    • プラチナ:25万以上
    • ダブル・プラチナ:50万以上
    • トリプル・プラチナ:75万以上
    • ミリオン:100万以上(以下、100万枚ごとに2ミリオン、3ミリオン…を認定)

2003年6月度認定分までの基準は以下のとおりであった[6]

ジャンル ゴールド プラチナ ミリオン
邦楽 20万枚 40万枚 100万枚
洋楽アルバム 10万枚 20万枚 100万枚
洋楽シングル 5万枚 10万枚 100万枚

同年の下半期にすべてのフォーマットで基準が統一化されるまでは、プラチナ・ディスクに関しては、規定枚数の倍数ごとにそれぞれダブル[注釈 8]、トリプル[注釈 9]、クワドラプル[注釈 10]、クインティプル・プラチナなどの認定が授与されることもあった[12]。なお、米英をはじめとする諸外国における類似の制度とは異なり、それ以上のマルチ・プラチナは存在せず、200万枚以上の出荷を記録した作品については、現在と同じように100万枚ごとに2ミリオン、3ミリオンなどが与えられていた。

ミリオン認定作品

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日本レコード協会でミリオン認定された作品は下記の通り(2000年代以降、カッコ内は認定年月)[13]

シングル

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2000年代
2010年代
2020年代

アルバム

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2000年代
2010年代
2020年代

着うた

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多数あり。(2006年8月の認定開始から2013年9月までに100作品を超える実績があったが、フル配信の進展により実質的に市場から消滅した。)

着うたフル

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(有料音楽配信売上実績に基づく月次認定は2006年8月から開始。着うた、PC配信も同様)

PC配信との統合により2013年12月で終了。

PC配信

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着うたフルとの統合により2013年12月で終了。

シングルトラック

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(着うたフルとPC配信を統合し、2014年1月から認定開始)

2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年
2020年
2021年

音楽ビデオ

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ストリーミング認定

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2020年4月度より、音楽ストリーミング市場拡大に鑑み、「ストリーミング認定」の公表を開始している。集計対象はAmazon Music Prime、Amazon Music Unlimited、Apple Music、auうたパス、AWAKKBOXLINE MUSIC、Rakuten Music、SpotifyTOWER RECORDS MUSIC powered by レコチョクYouTube Music、YouTube Music Premium(12サービス)であり、市場上位[14]をほぼ網羅している状況となっている。

  • ストリーミング認定
    • ゴールド:5,000万回以上[15]
    • プラチナ:1億回以上
    • ダブル・プラチナ:2億回以上
    • トリプル・プラチナ:3億回以上(「ダブル」「トリプル」の認定は2023年1月度から実施)[16]
    • ダイヤモンド:5億回以上

ダイヤモンド

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2021年
2022年
2023年
2024年

[17]

プラチナ

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多数あり。(2020年4月開始以来、2023年末までに270作品以上の認定あり)[18]

ヒットチャート

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かつては上述の「正味売上枚数」を基準に、シングル・アルバム(パッケージメディア)のオフィシャルヒットチャートを公表していた。但しオリコン等のランキングと比較すると発表が月に一度(毎月21日から翌月20日までの集計)のため速報性に欠けるほか、枚数表示の公表はジャンル別の1位の作品に限られていた[19]。2000年1月度(1999年12月21日〜2000年1月20日集計分)を最後に日本レコード協会におけるパッケージメディアのヒットチャートの公表は終了した。

その後は2006年8月度(2006年8月1日〜31日集計分)から2009年2月度(2009年2月1日〜28日集計分)に着うたを対象とした有料音楽配信チャート(月間)が、2009年4月1日〜4月7日集計分から2012年7月18日〜7月24日集計分に着うたフルを対象とした有料音楽配信チャート(週間)が発表されていた。

参加組織

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関係諸団体

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脚注

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注釈

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  1. ^ 他社に販売委託したままでの正会員認定企業である。
  2. ^ メーカーが発売と同時に大量に生産したにもかかわらず、実店舗での売れ行きが伸び悩んだ商品については、チャート上の売上枚数よりもはるかに多い枚数によって協会認定を得るケースがある。(例:小柳ゆきの『my all..』は、リリースされた月に協会からダブル・プラチナの認定を受けたものの、オリコン上でのセールスはそのわずか3割ほどにとどまった。) その他、宗教家など特殊事情によるものもある。(例:1991年に協会集計で旧認定のクワドラプル・プラチナ(160万枚突破)を獲得した宗教家・八島義郎の『恋の大阪』など。)
  3. ^ オリコンでは販促イベント時の売上集計ルールにより、2016年9月から1人上限2枚しかカウントしない事となったため(その後、3枚上限に改定)、イベントでの販売に依存する歌手の場合はオリコン側が低くなりやすい。(例:販促イベント型の代表格であるAKB48の場合、協会ではシングル2ミリオン認定が8件存在するが、オリコン上での2ミリオン達成は2023年末現在、0件である。) 
  4. ^ 長いスパンに渡ってじわじわと出荷枚数を伸ばした作品は、チャート上の売上枚数よりもはるかに多い枚数によって認定を得るケースがある。例:オリコン上では10万枚前後のセールスにとどまったが、2000年代にそれぞれトリプル・プラチナを獲得したニルヴァーナの『ネヴァーマインド』、ABBAの『ゴールド』など。
  5. ^ オリコン上では200万枚を超えるセールスを記録したがリリース元が非会員であったために協会からいかなる認定も得ていないMONGOL800MESSAGE』、レコチョク2012年間6位・2013年間1位となり、2012年時点で着うた累計100万DLを突破したと報じられているものの、リリース元が非会員であったために協会からいかなる認定も得ていないゴールデンボンバーの『女々しくて』など。
  6. ^ マライア・キャリーデイドリーム』、DREAMS COME TRUEサンキュ.』、EXILE『EXILE PRIDE 〜こんな世界を愛するため〜』など。また、2012年12月から2015年3月末まではミュージック・カードがオリコンチャート側にのみ算入され、協会には不算入であった。
  7. ^ 例として、フル配信シェア50%超の最大手であったレコチョク社が、2004年秋のフル配信開始以来の平成の約14年間(2019年春まで)をオールタイムヒッツ形式で振り返った「レコチョク平成ランキング」において、「睡蓮花」「栄光の架橋」が上位にランクインしているが、これらは日本レコード協会側のダウンロード認定においては一切認定されていない。https://recochoku.jp/special/100792/
  8. ^ (当時、邦楽80万枚、洋楽アルバム40万枚、洋楽シングル10万枚)
  9. ^ (当時、邦楽120万枚、洋楽アルバム60万枚、洋楽シングル30万枚)
  10. ^ (当時、邦楽160万枚、洋楽アルバム80万枚、洋楽シングル40万枚)
  11. ^ a b c d e f g h i クワドラプルP、160万
  12. ^ a b c d e f g h i j k トリプルP、120万
  13. ^ SRCS-2384

出典

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  1. ^ エルマークについて|一般社団法人日本レコード協会
  2. ^ 役員”. 日本レコード協会. 2022年4月24日閲覧。
  3. ^ 日本レコード協会について”. 日本レコード協会. 2022年4月21日閲覧。
  4. ^ a b 日本レコード協会: 各種統計 > ゴールドディスク認定”. 日本レコード協会. 2014年5月7日閲覧。
  5. ^ 発行物 > THE RECORD”. 一般社団法人 日本レコード協会. 2014年5月7日閲覧。
  6. ^ a b c RIAJ: The Record No.525 (2003年8月): ゴールド・アルバム他認定基準改定のお知らせ” (PDF). 一般社団法人 日本レコード協会. 2010年12月23日閲覧。
  7. ^ 各種統計 > 有料音楽配信認定”. 一般社団法人 日本レコード協会. 2014年5月7日閲覧。
  8. ^ 統計情報 > ストリーミング認定”. 一般社団法人 日本レコード協会. 2020年5月31日閲覧。
  9. ^ “日本レコード協会「ストリーミング認定」月次公表スタート”. PR TIMES. (2020年5月27日). https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000331.000010908.html 2020年5月31日閲覧。 
  10. ^ https://www.oricon.jp/files/2017/09/2017090801.pdf
  11. ^ ゴールデンボンバー、今度は着信ムービーでも週間1位、BARKS、2012年4月19日 17:39閲覧。
  12. ^ RIAJ: The Record No.524 (2003年7月): ゴールド・アルバム他認定基準改定のお知らせ” (PDF). 一般社団法人 日本レコード協会. 2018年8月23日閲覧。
  13. ^ ミリオン認定数推移”. www.riaj.or.jp. 一般社団法人 日本レコード協会. 2018年8月22日閲覧。
  14. ^ https://iphone-mania.jp/news-329349/
  15. ^ 2020年4月から2021年12月までは、シルバー:3000万回以上 のカテゴリーがあったが、廃止された。
  16. ^ 日本レコード協会「ストリーミング認定」集計対象追加 および認定ランク増設について | 一般社団法人 日本レコード協会”. www.riaj.or.jp. 2023年2月23日閲覧。
  17. ^ DISH//」は、トリプル・プラチナ(3億回)認定であるが、別バージョンの「猫 〜THE FIRST TAKE ver.〜」(ダブル・プラチナ認定、2億回)と合算では5億回を達成している。
  18. ^ https://www.riaj.or.jp/f/data/cert/st.html
  19. ^ 音楽・テレビ・CM・映画 ここまでわかった100の謎 MUSIC 音楽編、『日経エンタテインメント!』1998年12月号より。(インターネットアーカイブのキャッシュ)

関連項目

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外部リンク

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