THE GREATEST HITS (アルバム)
『THE GREATEST HITS』 | ||||
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LOVE PSYCHEDELICO の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 2000年 - 2001年 | |||
ジャンル | ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | ビクターエンタテインメント | |||
チャート最高順位 | ||||
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ゴールドディスク | ||||
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LOVE PSYCHEDELICO アルバム 年表 | ||||
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『THE GREATEST HITS』収録のシングル | ||||
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『THE GREATEST HITS』(ザ・グレイテスト・ヒッツ)は、LOVE PSYCHEDELICOによる1枚目のスタジオ・アルバム。
制作の背景
[編集]まだ二人が青山学院大学の音楽サークル「ACM」(Aoyama Creative Music)に在籍していた頃[注 1] に作られたデモテープを土台に、アコースティック・ギターと歌のみ録音し直して完成させた処女作[1]。
発売日も1000年に一度の1並びの日とし、タイトルもズバリ「THE GREATEST HITS」と銘打った作品として世に送り出された。
彼らがデビューするまでの1997年から2000年にかけての時期、日本でも本格的なロック・フェスティバルが開催されて国内外のアーティストが共に出演するようになったり、彼らと同様に洋楽に強い影響を受け、英語と日本語が入り混じった歌を歌う宇多田ヒカルがメガヒットを記録したりするなど、洋楽と邦楽の垣根が取り払われていた[2]。また彼らと同様、60-70年代のロック、ブルース、R&B、ソウル、ロックンロール、サイケデリック・ロック、カントリーなどのルーツミュージックを現代風にアレンジしたEGO-WRAPPIN'のようなアーティストが流行していたこともあり、この作品はオリコン集計で160万枚を超えるセールスを記録した。
THE ALFEEの坂崎幸之助も購入し、しばらく愛聴していた。後に自身のラジオ番組で、「英語まじりの日本語の歌は好きじゃないけど、彼らだけは逆で『格好良いなぁ』と思った」と語っている[3]。
タイトルからベスト・アルバムであると誤解されがちであるが、本作はオリジナル・アルバムである[注 2]。これは当人たちが意図的に命名したものであり、実際に収録曲の3曲目まではシングルで発売されたものを発売順に並べ、収録曲のうち完全な新曲は半分の5曲と、この時点におけるベスト盤とも言うべき内容であった。なおエレキメインのロック色の強い楽曲はシングル曲、アコースティックメインのゆったりとした楽曲はアルバム曲と言った具合にきちんと棲み分けが行われていた。
アルバムのアートワークはグラフィックデザイナーの藤川コウとともに作り上げた[4]。
アルバム解説
[編集]アルバムのテーマは“ロックなんて聴かない女の子の部屋のCDの棚にロックのリフが入っているCDを1枚置く”[5]。
本作の時点で、80年代のバンドブーム以降に多様化した日本のロックとは異なる洋楽のエッセンスを前面に打ち出したサウンドとNAOKIの印象的なギターリフ、KUMIが手がける日本語と英語が混在する歌詞という彼らの基本的なスタイルをすでに確立していた[2][6]。
60-70年代の音楽でありながら音作りは90-00年代のそれであり、決して懐古趣味ではない現代的なセンスに裏打ちされたサウンド・プロダクトが特徴[2][6]。クラブ・ミュージックの影響を感じさせる打ち込みを中心としたリズムトラックでは当時(2000年前後)の流行のリズムを感じさせるなど、しっかりと同時代のサウンドを取り込んでアップデートされていた[2]。
収録曲
[編集]- LADY MADONNA 〜憂鬱なるスパイダー〜
- Your Song
- 2ndシングル。
- SEIKO「ルキア」CMソング。
- ベスト・アルバム『Early Times』の1曲目に収録。
- Last Smile (extension mix)
- 3rdシングル。
- シングル・バージョンよりもわずかに尺が長くなっているものを収録。
- I mean love me
- アルバムオリジナル曲。全編英語詞。
- Moonly
- 3rdシングル「Last Smile」カップリング曲のアルバムバージョン。本来はこちらがオリジナルであり、シングルに収録されていたものにはSingle editとついている。
- Are you still dreaming ever-free?
- アルバム・オリジナル曲。全編英語詞。ギター弾き語りの1分にも満たない楽曲。
- I miss you
- アルバム・オリジナル曲。
- ノスタルジック'69
- 2ndシングル「Your Song」のカップリング曲。シングルと同じミックスで収録。
- These days
- アルバム・オリジナル曲。アコースティック・ギターをメインとした曲。
- LOW (ver.1.1)
- 1stシングル「LADY MADONNA 〜憂鬱なるスパイダー〜」のカップリング曲。「ver1.1」という別バージョンを収録している。
- A DAY FOR YOU
- アコースティック・サウンドを全体的に押し出した楽曲。
楽曲クレジット
[編集]全作詞・作曲: LOVE PSYCHEDELICO。 | ||
# | タイトル | 時間 |
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1. | 「LADY MADONNA〜憂鬱なるスパイダー〜」 | |
2. | 「Your Song」 | |
3. | 「Last Smile (extension mix)」 | |
4. | 「I mean love me」 | |
5. | 「Moonly」 | |
6. | 「Are you still dreaming ever-free?」 | |
7. | 「I miss you」 | |
8. | 「ノスタルジック '69」 | |
9. | 「These days」 | |
10. | 「LOW (ver.1.1)」 | |
11. | 「A DAY FOR YOU」 | |
合計時間: |
参加ミュージシャン
[編集]- Additional Keyboards:清水俊也 (AYANE'S PATRON SHIMIZU)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ バンド結成後、音楽性の違いから最終的にKUMIとNAOKIのデュオとなり、後任のベースとドラムとキーボードを探していた時期。
- ^ そのため、本当のベストアルバムである『Early Times』が発売されるまでベスト・アルバムと思って購入した者が少なからずいるという。
出典
[編集]- ^ “LOVE PSYCHEDELICOを知るための7枚―衝撃のデビュー作から2013年の最新オリジナル・アルバムまで”. Mikiki. TOWER RECORDS ONLINE (2015年3月12日). 2018年2月12日閲覧。
- ^ a b c d “LOVE PSYCHEDELICOが60〜70年代の洋楽を日本でアップデイトした『THE GREATEST HITS』”. OKMusic. ガジェット通信 GetNews (2017年8月30日). 2018年2月12日閲覧。
- ^ 「K's TRANSMISSION」2012年12月7日分より。
- ^ “LOVE PSYCHEDELICO、3年3カ月ぶり待望アルバム発表”. 音楽ナタリー (2013年2月3日). 2018年3月5日閲覧。
- ^ “LOVE PSYCHEDELICOの紹介として、とてもいい1stアルバム”. OKMusic編集部 (2008年6月20日). 2018年2月12日閲覧。
- ^ a b “LOVE PSYCHEDELICOの不変の音楽性 LOVE PSYCHEDELICOのビンテージサウンドはなぜ新鮮に響く? ベストアルバムに見る“ブレなさ””. リアルサウンド. サイゾー (2015年2月18日). 2018年2月2日閲覧。