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大笠山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大笠山
前笈ヶ岳方面から望む紅葉した大笠山
標高 1,821.84[1] m
所在地 石川県白山市
富山県南砺市
位置 北緯36度19分14秒 東経136度47分23秒 / 北緯36.32056度 東経136.78972度 / 36.32056; 136.78972座標: 北緯36度19分14秒 東経136度47分23秒 / 北緯36.32056度 東経136.78972度 / 36.32056; 136.78972[2]
山系 両白山地
大笠山の位置(日本内)
大笠山
大笠山
大笠山 (日本)
大笠山の位置(石川県内)
大笠山
大笠山
大笠山 (石川県)
大笠山の位置(富山県内)
大笠山
大笠山
大笠山 (富山県)
プロジェクト 山
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一等三角点が設置されている山頂

大笠山(おおがさやま)は、石川県白山市富山県南砺市との県境にある標高1,822 m両白山地日本三百名山に選定されている[3]

概要

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両白山地の主稜線の北部に位置する。白山国立公園に含まれ[4]、山の南側は特別保護地区、北側が特別地域に指定されている。山体は酸性火成岩からなる[3]1993年平成5年)に、大笠山を源流とする境川庄川支流)に境川ダムが完成した。その後、境川との合流部の大畠谷に鉄製の吊橋が設置され、フカバラノ尾根に登山道が整備された。1997年(平成9年)10月には、東砺波郡上平村(現在の南砺市)が、大笠山の約800 m東の稜線上に大笠山避難小屋を建設した。山頂の西500 mには大笠池(標高約1,720 m、長径80 m - 短径30 mの楕円形)があり、オオルリボシヤンマモリアオガエルマメゲンゴウなどが生息している[5]

山名の由来

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山名の由来は、越中側から見た山容が編笠状であるためとされている[6]加賀側からは、山頂直下に広い平地があることから「千丈平山」と呼ばれていた。金沢市方面からその端正な三角形の山容を望むことができる。国土地理院地形図では、南西に「千丈平」と呼ばれる平坦地がある[7]

登山

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登山道

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境川ダムが建設される以前は、富山県道54号福光上平線のブナオ峠(大獅子山と大門山との鞍部)からの登山道が利用されていた。フカバラノ尾根の登山道整備後は、多くの登山者がこの登山道を利用するようになった。境川ダムの上部の登山口付近には桂湖ビジターセンターや桂湖オートキャンプ場などがあり、毎年6月1日にビジターセンターで大笠山の山開きが行われている[8]。南の笈ヶ岳からの主稜線には、深い藪や木が生い茂っていて一般登山道はない。

山頂には、国土地理院一等三角点(点名は「大笠山」)、山名と展望図の御影石、テーブルとベンチなどが設置されている。

  • フカバラノ尾根からのコース:桂橋西 - 大畠谷(吊橋) - 前笈ヶ岳 - 旧大笠山避難小屋 - 両白山地主稜線合流点 - 大笠山
登山道には全長6.2 kmに対する山頂まで各1.6、2.6、3.7、4.8、5.7 kmの登山標識が設置されている。登山口付近にある大畠谷吊橋の踏板は冬期には外される。平成18年豪雪でこの吊橋は半壊したが、その後修復された。
山頂手前約100 mの稜線上登山道脇に2013年9月に新築された大笠山避難小屋(1.5間×2間=3坪、収容数名、無人、トイレなし)がある。水場はない[9]。山頂から東800 mにあった旧避難小屋は取り壊され、基礎上に四角く丸太が組まれ、休息所になっている。水場は旧避難小屋近くにあり、水を入手できる場合がある[10]

両コースの登山口とも最寄りのインターチェンジは、東海北陸道五箇山インターチェンジである。

ギャラリー

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登山道の植物

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初夏に登山道では、コブシホンシャクナゲ広葉樹の花が見られる。上部に行くにつれて、ブナ林からダケカンバオオシラビソへと植生が変わる。また上部では、クマザサが多く見られる。またイワウチワイワカガミタテヤマリンドウニッコウキスゲハクサンコザクラなどの高山植物も見られる[10]

コブシ ホンシャクナゲ ブナ オオシラビソ イワカガミ ニッコウキスゲ

地理

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周辺の山

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三方岩岳から望む大笠山周辺の山
大笠山の登山道から望む境川ダムの桂湖

両白山地の主稜線上にあり、その北部に位置する。南には笈ヶ岳がある。

山容 山名 標高[1][2]
(m)
三角点等級
基準点名[1]
大笠山からの
方角と距離 (km)
備考
野谷荘司山から望む人形山 人形山 1,726 東北東 13.8 日本三百名山
三方岩岳から望む大門山 大門山 1,571.59 三等
「大門山」
北北東 5.1 日本三百名山
大笠山から望む見越山 見越山 1,621 北 3.2
大笠山から望む奈良岳 奈良岳 1,644.33 三等
「三方山」
北 2.4
前笈ヶ岳から望む大笠山 大笠山 1,821.84 一等
「大笠山」
0 日本三百名山
大笠山方面から望む前笈ヶ岳 前笈ヶ岳 1,522.06 三等
「前笈」
東南東 2.2 フカバラノ尾根
前笈ヶ岳から望む笈ヶ岳 笈ヶ岳 1,841.35 三等
「笈岳」
南 2.4 日本二百名山
三方岩岳から望む白山 白山 2,702.17 一等
「白山」
南 18.4 日本百名山

源流の河川

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以下の源流となる河川は、日本海へ流れる。

大笠山の風景

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奈良岳と大笠山
見越山から望む
春の大笠山
南隣の笈ヶ岳から望む
初夏の大笠山
上部に高山植物が自生
秋の大笠山
ブナナナカマドなどの紅葉

脚注

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  1. ^ a b c 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2011年6月24日閲覧。
  2. ^ a b 日本の主な山岳標高(石川県の山)”. 国土地理院. 2011年6月24日閲覧。
  3. ^ a b 『日本三百名山』毎日新聞社、1997年3月、223頁。ISBN 4620605247 
  4. ^ 白山国立公園・公園区域の概要”. 環境省自然環境局. 2011年6月24日閲覧。
  5. ^ 上馬康生 (2009年). “白山大笠池の水生昆虫を中心とする動物相” (PDF). 白山自然保護センター. 2011年9月18日閲覧。
  6. ^ 山と溪谷社 編『日本の山1000』山と溪谷社、1992年10月、500頁。ISBN 4-635-09025-6 
  7. ^ 地図閲覧サービス 2万5千分1地形図名:中宮温泉(金沢)”. 国土地理院. 2011年6月24日閲覧。
  8. ^ 桂湖と大笠山の安全を祈る”. 南砺市観光ガイド (2011年6月1日). 2011年6月24日閲覧。
  9. ^ 日本山岳会『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月、1162-1163頁。 
  10. ^ a b 『白山と北陸の山』山と溪谷社、2000年8月、117-118頁。ISBN 4-635-01321-9 

参考文献

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関連項目

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