国鉄ワキ9000形貨車
国鉄ワキ9000形貨車 | |
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ワキ9000形、ワキ9001 1994年6月24日、東港駅 | |
基本情報 | |
車種 | 有蓋車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
製造所 | 汽車製造 |
製造年 | 1966年(昭和41年) |
製造数 | 2両 |
消滅 | 1995年(平成7年) |
常備駅 | 飾磨駅→君津駅→笠寺駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 青22号→とび色2号 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 13,650 mm |
全幅 | 2,733 mm |
全高 | 3,761 mm |
荷重 | 30 t |
実容積 | 69.3 m3 |
自重 | 22.0 t |
換算両数 積車 | 4.5 |
換算両数 空車 | 2.2 |
台車 | TR63B |
車輪径 | 860 mm |
台車中心間距離 | 9,150 mm |
最高速度 | 85 km/h |
国鉄ワキ9000形貨車(こくてつワキ9000がたかしゃ)とは、1966年(昭和41年)に製作された、日本国有鉄道(国鉄)の冷延コイル鋼板専用 30 t 積有蓋車(貨車)である。1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に継承された。
概要
[編集]欧州では鉄鋼コイル輸送用貨車としてクレーン荷役に対応した屋根開閉式の有蓋車が実用化していたが、日本でもこれを受け、試作された車両である。1966年(昭和41年)に2両(ワキ9000, ワキ9001)が汽車製造東京支店にて製作された。
構造
[編集]車体は軽量化のため、側扉と屋根はアルミ製で、側面全部を扉として開閉可能とした総開き構造である。
塗色は、登場時は屋根がアルミ無塗装(銀色)である他はスカイブルー(青22号)であったが、1978年(昭和53年)にとび色2号に変更されている。
屋根は、クレーンによって上から積み込みができるように2分割の開閉式を採用した。雨水の浸入を防ぐため、屋根と屋根の合わせ目、屋根と車体の接触面にはゴムが張り付けられている。
妻面には屋根開閉用のハンドルを備える。室内にはコイル9個分の受台がある。このため、コイル以外の積荷を輸送することは考慮されていない。
最高速度は85 km/h、ブレーキ装置はASD形積空ブレーキ、台車はTR63Bである。
運用の変遷
[編集]本形式は製作コストが割高であるため量産化には至らず、その後の冷延コイル鋼板輸送用貨車の増備は、トキ15000形を改造したトキ21500形の増備で対応した。
登場時は播但線飾磨駅に常備され、名古屋鉄道三河線土橋駅まで運用された。その後は、内房線君津駅常備を経て東海道本線笠寺駅に常備され、トキ21500形とともに名古屋臨海鉄道南港駅 - 信越本線東三条駅間で冷延コイル鋼板輸送に使われた。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化に際しては、2両全車がJR貨物に継承されたが、1995年(平成7年)4月に除籍され、形式消滅した。
参考文献
[編集]- 電気車研究会 『鉄道ピクトリアル』
- 吉岡心平 「JR貨車/私有貨車のすべて」 1990年2月号 No.523 pp.46 - 61
- ネコ・パブリッシング『Rail Magazine』
- 吉岡心平 「プロフェッサー吉岡の貨車研究室 - ワキ9000形」 2010年9月号 - 2010年10月号 No.324 - 325
- イカロス出版『J-train』
- 吉岡心平「昭和50年の貨車情勢」2008年 Vol.31