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和気郡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
岡山県和気郡の位置(緑:和気町 薄黄:後に他郡に編入された区域 薄緑・水色:後に他郡から編入された区域)

和気郡(わけぐん)は、岡山県備前国)の

人口12,623人、面積144.21km²、人口密度87.5人/km²。(2024年11月1日、推計人口

以下の1町を含む。

郡域

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1878年明治11年)に行政区画として発足した当時の郡域は、下記の区域にあたる。

歴史

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721年養老5年)に赤坂郡より東部(吉井西岸地域)・邑久郡より北部・北東部それぞれ割譲し設置された藤原郡東野郡藤野郡)が、788年延暦7年)に吉井川を境に西側を磐梨郡、東側を和気郡として分割して設置された。

当地は奈良・平安時代に活躍した和気清麻呂の出身地域であり、隣接する磐梨郡とともに豪族和気氏の勢力下にあった。

和名抄には坂長郷、藤野郷、益原郷、新田郷、香登郷の5郷が記載されている。なお和気郷は、和名抄では磐梨郡に所属している。郡衙の位置は藤野郷と推定されており、和気町藤野にある推定地には和気氏政庁跡の碑が建てられ、整備されている。

延喜式神名帳に記載される神社として、神根神社がある。

郡制廃止後の地方事務所は和気町に設置された。

近世以降の沿革

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坂根村、弓削村、畠田村、新庄村、福田村、香登西村、香登本村、大内村、伊部村、浦伊部村、久々井村、勢力村、千躰村、東片上村、伊里中村、木谷村、八木山村、蕃山村、麻宇那村、友延村、難田村、日生村、寒河村、福浦村、西片上村、三石村、野谷村、金谷村、田倉村、倉吉村、南方村、吉永中村、三股村、吉永北方村、葛籠村、小板屋村、山津田村、神根本村、門出村、南谷村、大藤村、大股村、八塔寺村、滝谷村、東畑村、下畑村、脇谷村、樫村、吉田村、大中山村、清水村、藤野村、下原村、野吉村、日室村、稲坪村、入田村、奥吉原村、小中山村、森村、尺所村、曽根村、和気村、益原村、天瀬村、河本村、竜ヶ鼻村、矢田村、苦木村、塩田村、奥塩田村、北山方村、南山方村、大岩村、片倉村、上田土村、木倉村、日笠下村、日笠上村、岸野村、室原村、飯掛村、牛中村、井田村、野谷新田、福浦新田、五石新田[1]、閑谷新田村、和意谷新田村、大多府村[2]
  • 穂浪村 ← 難田村、井田村
  • 福満村 ← 田倉村、倉吉村
  • 岩崎村 ← 北方村、葛籠村
  • 今崎村 ← 小板屋村、山津田村
  • 高田村 ← 門出村、南谷村
  • 都留岐村 ← 大藤村、大股村
  • 加賀美村八塔寺村、下畑村
  • 多麻村 ← 滝谷村、東畑村
  • 和意谷村 ← 脇谷村、樫村、和意谷新田村
  • 泉村 ← 下原村、野吉村
  • 衣笠村 ← 稲坪村、入田村、森村
  • 福富村 ← 小中山村、曽根村[枝村南曽根]
  • 岩戸村 ← 天瀬村、河本村
  • 丸山村 ← 大岩村、片倉村
  • 保曽村 ← 岸野村、室原村
  • 笹目村 ← 飯掛村、牛中村
  • 曽根村の残部が和気村に合併。
  • 竜ヶ鼻村が矢田村に、野谷新田が野谷村に、福浦新田が福浦村に、五石新田が三石村にそれぞれ合併。
  • 上田土村が改称して田土村となる。
  • 尺所村の一部(枝村大田原)が分立して大田原村となる。

町村制以降の沿革

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  • 明治22年(1889年6月1日 - 町村制の施行により、以下の各村が発足。(18村)
    • 熊山村 ← 弓削村(現・岡山市)、勢力村、千躰村、奥吉原村(現・赤磐市)
    • 鶴山村 ← 新庄村、畠田村、福田村、坂根村(現・備前市)
    • 香登村 ← 香登西村、香登本村、大内村(現・備前市)
    • 伊部村 ← 伊部村、浦伊部村、久々井村(現・備前市)
    • 片上村 ← 西片上村、東片上村(現・備前市)
    • 伊里村 ← 蕃山村、麻宇那村、木谷村、閑谷新田村、穂浪村、伊里中村、友延村(現・備前市)
    • 日生村 ← 日生村、大多府村(現・備前市)
    • 福河村 ← 寒河村(現・備前市)、福浦村(現・備前市、兵庫県赤穂市)
    • 三石村 ← 三石村、八木山村、野谷村(現・備前市)
    • 英保村 ← 福満村、金谷村、南方村、吉永中村、三股村、岩崎村(現・備前市)
    • 神根村 ← 神根本村、今崎村、高田村、和意谷村(現・備前市)
    • 三国村 ← 加賀美村、多麻村、都留岐村、笹目村(現・備前市)
    • 藤野村 ← 吉田村、藤野村、泉村、大田原村(現・和気町)
    • 本荘村 ← 大中山村、清水村、衣笠村、福富村、日室村、尺所村(現・和気町)
    • 和気村 ← 益原村、和気村(現・和気町)
    • 日笠村 ← 日笠下村、日笠上村、木倉村、保曽村(現・和気町)
    • 山田村 ← 矢田村、岩戸村、田土村、丸山村、南山方村(現・和気町)
    • 塩田村 ← 塩田村、奥塩田村、北山方村、苦木村(現・和気町)
  • 明治33年(1900年4月1日 - 郡制を施行。郡役所は和気村[3]
  • 明治34年(1901年2月6日(2町16村)
    • 片上村が町制施行して片上町となる。
    • 和気村が町制施行して和気町となる。
  • 明治39年(1906年3月28日(4町14村)
    • 日生村が町制施行して日生町となる。
    • 三石村が町制施行して三石町となる。
  • 明治45年(1912年)4月1日 - 伊部村が町制施行して伊部町となる。(5町13村)
  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 大正15年(1926年7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 昭和2年(1927年10月1日 - 香登村が町制施行して香登町となる。(6町12村)
  • 昭和23年(1948年
  • 昭和25年(1950年)4月1日 - 本荘村が町制施行して本荘町となる。(8町10村)
  • 昭和26年(1951年
    • 4月1日 - 伊部町・片上町が合併して備前町が発足。(7町10村)
    • 11月3日 - 伊里村が町制施行して伊里町となる。(8町9村)
  • 昭和28年(1953年
  • 昭和29年(1954年3月1日 - 吉永町・神根村・三国村が合併し、改めて吉永町が発足。(7町4村)
  • 昭和30年(1955年3月31日(6町)
    • 鶴山村・香登町・備前町・伊里町が邑久郡鶴山村と合併し、改めて備前町が発足。
    • 日生町・福河村が合併し、改めて日生町が発足。
    • 山田村・塩田村が赤磐郡佐伯村と合併して佐伯町が発足。
  • 昭和38年(1963年9月1日 - 日生町の一部(福浦のうち現・日生町寺山を除く)が兵庫県赤穂市に編入(越境合併)。
  • 昭和46年(1971年)4月1日 - 備前町・三石町が合併して備前市が発足し、郡より離脱。(4町)
  • 平成17年(2005年3月22日 - 日生町・吉永町が備前市と合併し、改めて備前市が発足、郡より離脱。(2町)
  • 平成18年(2006年)3月1日 - 和気町・佐伯町が合併し、改めて和気町が発足。(1町)

変遷表

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自治体の変遷
明治22年以前 明治22年4月1日 明治22年 - 大正15年 昭和1年 - 昭和27年 昭和28年 - 昭和29年 昭和30年 - 昭和37年 昭和38年 - 昭和63年 平成1年 - 現在 現在
西片上村 片上村 明治34年2月6日
町制
昭和26年4月1日
備前町
備前町 昭和30年3月31日
備前町
昭和46年4月1日
備前市
平成17年3月22日
備前市
備前市
東片上村
伊部村 伊部村 明治45年4月1日
町制
浦伊部村
久々井村
香登西村 香登村 昭和2年10月1日
町制
香登町 香登町
香登本村
大内村
蕃山村 伊里村 伊里村 昭和26年11月3日
町制
伊里町
麻宇那村
木谷村
閑谷新田村
穂浪村
伊里中村
友延村
新庄村 鶴山村 鶴山村 鶴山村 鶴山村
畠田村
福田村
坂根村
邑久郡
佐山村
邑久郡
鶴山村
邑久郡
鶴山村
邑久郡
鶴山村
邑久郡
鶴山村
邑久郡
鶴海村
三石村 三石村 明治39年3月28日
町制
三石町 三石町 三石町
八木山村
野谷村
福満村 英保村 昭和23年10月20日
町制
昭和23年11月1日
改称 吉永町
昭和29年3月1日
吉永町
吉永町 吉永町
金谷村
南方村
吉永中村
三股村
岩崎村
神根本村 神根村 神根村 神根村
今崎村
高田村
和意谷村
加賀美村 三国村 三国村 三国村
多麻村
都留岐村
笹目村
日生村 日生村 明治39年3月28日
町制
日生町 日生町 昭和30年3月31日
日生町
日生町
大多府村
寒河村 福河村 福河村 福河村 福河村
福浦村 昭和38年9月1日
兵庫県
赤穂市に編入
兵庫県
赤穂市
兵庫県
赤穂市
益原村 和気村 明治34年2月6日
町制
和気町 昭和28年4月1日
和気町
和気町 和気町 平成18年3月1日
和気町
和気町
和気村
大中山村 本荘村 本荘村 昭和25年4月1日
町制
清水村
衣笠村
福富村
日室村
尺所村
吉田村 藤野村 藤野村 藤野村
藤野村
泉村
大田原村
日笠下村 日笠村 日笠村 日笠村
日笠上村
木倉村
保曽村
磐梨郡
田原上村
磐梨郡
石生村
明治33年4月1日
赤磐郡
赤磐郡
石生村
磐梨郡
田原下村
磐梨郡
原村
磐梨郡
本村
矢田村 山田村 山田村 山田村 山田村 昭和30年3月31日
佐伯町
佐伯町
岩戸村
田土村
丸山村
南山方村
塩田村 塩田村 塩田村 塩田村 塩田村
奥塩田村
北山方村
苦木村
磐梨郡
父井原村
磐梨郡
佐伯本村
明治33年4月1日
赤磐郡
昭和17年4月1日
赤磐郡
佐伯村
赤磐郡
佐伯村
磐梨郡
佐伯村
磐梨郡
米沢村
磐梨郡
津瀬村
田賀村 磐梨郡
佐伯上村
明治33年4月1日
赤磐郡
宇生村
矢田部村
加三方村
小坂村
勢力村 熊山村 熊山村 熊山村 昭和28年12月15日
赤磐郡
熊山町の一部
赤磐郡
熊山町
赤磐郡
熊山町
平成17年3月7日
赤磐市の一部
赤磐市
千躰村
奥吉原村
弓削村 昭和28年12月15日
赤磐郡
万富町に編入
昭和30年2月1日
赤磐郡
瀬戸町の一部
赤磐郡
瀬戸町
平成19年1月22日
岡山市に編入
岡山市東区

行政

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歴代郡長
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 明治11年(1878年9月29日
大正15年(1926年)6月30日 郡役所廃止により、廃官

脚注

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  1. ^ 記載は五石谷。
  2. ^ 無高のため記載なし。
  3. ^ 『岡山県史 第10巻 (近代 1)』634頁

参考文献

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  • 永山卯三郎『岡山県通史 上巻』岡山県通史刊行会(1930年)
  • 永山卯三郎『岡山県通史 下巻』岡山県通史刊行会(1930年)
  • 池邊彌『和名類聚抄郷名考証』吉川弘文館(1966年)
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 33 岡山県、角川書店、1989年6月1日。ISBN 4040013301 
  • 旧高旧領取調帳データベース

関連項目

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先代
東野郡
行政区の変遷
788年 -
次代
(現存)