コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

利用者:Bsx/準備稿2

スーパーまつかぜ
宍道駅に進入する「スーパーまつかぜ」(2012年4月)
宍道駅に進入する「スーパーまつかぜ」(2012年4月)
運行者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
列車種別 特急列車
運行区間 鳥取駅 - 米子駅益田駅
経由線区 山陰本線
使用車両 キハ187系気動車
後藤総合車両所
運行開始 2003年10月1日
備考 2014年3月13日現在
テンプレートを表示

スーパーまつかぜは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が鳥取駅 - 米子駅益田駅間で運行する山陰本線特急列車である。

本記事では、スーパー松風を保管する快速列車である「とっとりライナー」「アクアライナー」、「スーパーまつかぜ」の前身に当たる特急列車「まつかぜ」「いそかぜ」ならびに山陰地方都市間を結んでいた優等列車の沿革についても記述する。

概要

[編集]

1988年3月13日から特急「いそかぜ」を系統分離した特急「くにびき」として米子駅 - 益田駅間で運転を開始。1996年3月16日からは鳥取駅まで乗り入れることにより、鳥取県東部と島根県西部を結ぶ列車としての役割を担うようになった。その後、2001年7月7日には新型車両の投入を機に「スーパーくにびき」に列車名が変更されたが、2003年10月1日に「スーパーまつかぜ」に変更された[1]

島根県の東部と西部を結ぶ高速道路網が整備されていないため、「スーパーおき」とともに、島根県の東西の移動には重宝されている特急列車である。

運行概況

[編集]

2014年3月15日現在の運行概況は次の通り[2]

鳥取駅 - 米子駅間 (92.7km) に3往復(2・3・8・11・13・14号)、鳥取駅 - 益田駅間 (284.2km) に4往復(1・4-7・9・10・12号)が運転されている。山陰本線内での運転本数は、「スーパーおき」を含めて、鳥取駅 - 米子駅間で下り9本・上り8本、米子駅 - 益田駅間で7往復である。

列車番号は、2001D - 2014Dと運転線区で変更がない。下りは号数+2000の奇数、上りは号数+2000の偶数で、1号が2001D、2号が2002Dである。2008年3月15日から列車番号が変更になり、それまでは2011D - 2020D・2022D・8081Dであった。

停車駅

[編集]

鳥取駅 - 鳥取大学前駅 - 倉吉駅 - (伯耆大山駅) - 米子駅 - (安来駅) - 松江駅 - (玉造温泉駅) - (宍道駅) - 出雲市駅 - (西出雲駅) - 大田市駅 - (仁万駅) - (温泉津駅) - 江津駅 - (波子駅) - 浜田駅 - (三保三隅駅) - 益田駅

  • ( )は一部の列車のみ停車。

使用車両・編成

[編集]
2012年3月17日現在の編成図
スーパーまつかぜ
← 益田・米子
鳥取 →
1 2 3 4
  • 全車禁煙
  • 2号以外は2両編成
凡例
指=普通車座席指定席
自=普通車自由席

後藤総合車両所所属のキハ187系気動車のうち、0・10番台が使用されている。なお、500番台が使用されることもある。

グリーン車はすべての列車に連結されておらず、基本的に普通車のみの2両編成で運転されているが、2号のみ4両編成で運転されている。多客期は3両 - 8両編成で運転されている。

担当車掌区

[編集]

快速列車

[編集]

以下は、「スーパーまつかぜ」に平行して運転される快速列車について記す。

とっとりライナー

[編集]
とっとりライナー
とっとりライナー 鳥取行き (2009年11月16日 下市駅)
とっとりライナー 鳥取行き
(2009年11月16日 下市駅)
運行者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
列車種別 快速列車
運行区間 鳥取駅 - 米子駅出雲市駅
経由線区 山陰本線
使用車両 キハ126系・キハ121系気動車
後藤総合車両所
運行開始 2001年7月7日
テンプレートを表示

とっとりライナーTottori Liner)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)が山陰本線鳥取駅 - 米子駅出雲市駅間で運転している快速列車である。

1985年3月に、鳥取駅 - 米子駅間で快速「わかとりライナー」として運転を開始し、一部は急行白兎」「砂丘」「さんべ」のほか、快速「しまねライナー」や普通として直通する列車もあった。1986年11月に運行区間が最長豊岡駅まで延長され、特急あさしお」、急行「砂丘」「さんべ」、快速「しまねライナー」や普通として直通する列車もあったが、1994年12月に運行系統が鳥取駅 - 米子駅間に統一し、同区間を運転する快速のうち、速達タイプの列車を快速「とっとりライナー」として運転することになった。

運行概況

[編集]

2015年3月14日現在、鳥取駅 - 米子駅間に平日5往復、土休日は下り4本・上り6本。鳥取駅 - 出雲市駅間に平日1往復、土休日は下り1本のみ運転されている。

停車駅
鳥取駅 - (湖山駅) - 鳥取大学前駅 - (末恒駅) - (宝木駅) - 浜村駅 - 青谷駅 - (泊駅) - (松崎駅) - 倉吉駅 - (下北条駅) - (由良駅) - 浦安駅 - 赤碕駅 - (下市駅) - (御来屋駅) - (大山口駅) - (淀江駅) - 伯耆大山駅 - 米子駅 - 安来駅 - 荒島駅 - 揖屋駅 - 東松江駅 - 松江駅 - 乃木駅 - 玉造温泉駅 - 来待駅 - 宍道駅 - 荘原駅 - 直江駅 - 出雲市駅
  • ( )内の駅には一部の列車が停車し、千鳥停車を行っている。
  • 下市駅と淀江駅は上り鳥取行きの一部のみ停車。下り列車は全て通過する。
  • 停車駅はかつて、倉吉駅 - 米子駅間では最少で浦安駅・赤碕駅・伯耆大山駅の3駅のみだったが、2015年3月14日ダイヤ改正時点では、これら3駅の他、由良駅若しくは大山口駅の何れかに停車する便があり、現在は4駅である。なお、時期によっては、上記( )内の駅を全て通過する列車もあった。
  • プロ野球やガイナーレ鳥取の公式戦などが東山運動公園で開催される際は東山公園駅に臨時停車する事がある。
  • アクアライナー」と同様、米子駅 - 出雲市駅間は上下とも各駅停車。さらに「通勤ライナー」も通過するのは乃木駅 - 玉造温泉駅 - 来待駅のみ。
使用車両
後藤総合車両所に所属するキハ126系・キハ121系[3]を使用している。通常は2両編成で運転されているが、不定期で3,4両編成での運行もある。基本的にはワンマン運転だが一部の列車で車掌が乗務する。

沿革

[編集]
  • 1985年昭和60年)3月14日キハ58系キハ65形を使用し、鳥取駅 - 米子駅間を運行する快速「わかとりライナー」が運行開始。一部は急行「白兎」「砂丘」「さんべ」、快速「しまねライナー」、普通として直通するものもあった。下り7本、上り6本運行。
  • 1986年(昭和61年)11月1日:運行系統が豊岡駅・城崎駅(現在の城崎温泉駅)・鳥取駅 - 米子駅間となり、一部は特急「あさしお」、急行「砂丘」「さんべ」、快速「しまねライナー」、普通として直通するものもあった。10往復運行となる。また、使用車両がキハ181系・キハ58系・キハ65形・キハ40系となる。
  • 1988年(昭和63年)3月13日:急行「砂丘」との直通を中止。下り10本、上り9本運行となる。
  • 1993年平成5年)3月18日:9往復運行となる。
  • 1994年(平成6年)12月3日:運行系統が鳥取駅 - 米子駅間となり、速達タイプの列車を快速「とっとりライナー」に名称を変更。2往復運行。従来の快速列車は列車名称を廃止。6往復運行。また、使用車両がキハ58系のみとなる。
  • 1996年(平成8年)3月16日:速達タイプの快速「とっとりライナー」は4往復、列車名称のない快速列車は下り2本、上り1本運行となる。
  • 1997年(平成9年)3月22日:全列車が快速「とっとりライナー」となり、6往復運行。
  • 1998年(平成10年)3月14日:8往復運行となる。
  • 2001年(平成13年):開放式便所による黄害対策でキハ28形の便所を貯留式に改造し、キハ58形の便所は閉鎖された。
  • 2003年(平成15年)10月1日:山陰本線鳥取駅 - 米子駅間の高速化に伴い、キハ126系・キハ121系に変更。7往復運行。また、境線への直通を開始。
  • 2004年(平成16年)10月16日:急行「だいせん」廃止に伴い、1往復(下りは早朝・上りは深夜)増発され、8往復運行となる。
  • 2006年(平成18年)3月18日:境線への直通を中止。
  • 2008年(平成20年)3月15日:鳥取駅 - 米子駅間で特急「スーパーまつかぜ」が1往復増発されることに伴い、1往復削減し7往復運行となる。同時に、出雲市駅 - 西出雲駅間を廃止。
  • 2009年(平成21年)3月14日:キハ121系の運用変更に伴い、早朝の下り1本を廃止。6.5往復運行となる。
  • 2010年(平成22年)3月13日:深夜の上り1本が倉吉駅 - 鳥取駅間の運転を廃止する形で普通列車に格下げ。6往復運行となり、八橋駅中山口駅名和駅東山公園駅の4駅への停車は無くなる。土休日の朝の下り1本に限り、因美線からの直通を開始し智頭駅始発となる(因美線内は普通)。土休日のみ出雲市駅始発の上り列車が米子駅始発に短縮。
  • 2011年(平成23年)3月12日:土休日の智頭駅始発の下り1本が全区間普通列車に格下げ。因美線からの直通は1年で無くなり、平日6往復、土休日5.5往復となる。
  • 2013年(平成25年)3月16日:この日のダイヤ改正で、鳥取大学前駅にすべてのとっとりライナーが停車するようになる。
  • 2015年(平成27年)3月14日:深夜の上り1本が土休日に限り倉吉駅 - 鳥取駅間各駅停車となる[4]

アクアライナー

[編集]
アクアライナー
キハ126系による「アクアライナー」 (山陰本線米子駅-安来駅間)
キハ126系による「アクアライナー」
(山陰本線米子駅-安来駅間)
運行者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
列車種別 快速列車
運行区間 米子駅 - 浜田駅益田駅
経由線区 山陰本線
使用車両 キハ126系気動車
後藤総合車両所
運行開始 2001年7月7日
以下の区間は各駅停車
* 米子駅 - 出雲市駅間:上下全列車
* 浜田駅 - 益田駅間:下りの全列車
テンプレートを表示

アクアライナー (Aqua Liner) は、西日本旅客鉄道(JR西日本)が山陰本線米子駅 - 浜田駅益田駅間で運行している快速列車の愛称である。

運行形態

[編集]

2015年3月14日現在、米子駅 - 浜田駅間で下り1本、米子駅 - 益田駅間で上り5本・下り4本が運転されている[5]。 最高速度は、米子 - 出雲市間100km、出雲市 - 益田間90km(2001年のキハ126系運行開始当初は全区間最高速度100km/h)である。 2011年3月12日のダイヤ改正まで、平日朝の益田行き1本は倉吉駅始発で運転されていた。米子駅まで普通列車 (225D)、米子駅から快速「アクアライナー」(3453D) となっていたが、このダイヤ改正で前者が米子駅止め、後者が米子駅始発になった。

停車駅
米子駅 … この間は各駅に停車 … 出雲市駅 - (西出雲駅) - (出雲神西駅) - (江南駅) - (小田駅) - (田儀駅) - (波根駅) - (久手駅) - 大田市駅 - (静間駅) - (五十猛駅) - 仁万駅 - (馬路駅) - (湯里駅) - 温泉津駅 - (黒松駅) - (浅利駅) - 江津駅 - 都野津駅 - (敬川駅) - 波子駅 - (久代駅) - (下府駅) - 浜田駅 - 西浜田駅 - (周布駅) - 折居駅 - 三保三隅駅 - (岡見駅) - (鎌手駅) - (石見津田駅) - 益田駅
  • ( )の駅には一部の列車が停車。益田行きの浜田駅 → 益田駅間は各駅に停車する。
使用車両
後藤総合車両所に所属するキハ126系0番台が主に使用されている。ただし、極稀に運用の都合でキハ126系10番台や、キハ121系気動車を2両に連結した編成も使用されることがある。
全列車がワンマン運転を行うが、朝の下り1本(3451D)は出雲市駅まで車掌が乗務する。それ以外にも車掌が乗務することがあるが、あくまでワンマン運転のため進行方向から2両目の車両は一部の駅でドアが開かない。

沿革

[編集]

山陰地方都市間優等列車

[編集]

概略

[編集]

石見

[編集]

1961年3月から1985年3月まで、鳥取駅・米子駅 - 益田駅間で運転されていた準急列車急行列車である。1959年に運転を開始した米子駅 - 博多駅間の準急「やくも」の利用が好評なため、その増発列車として運転されていた列車である。1970年ごろまでは対抗する公共交通機関がなく乗車率は高いため、一時期は一等車も連結されていた。1975年3月に運転区間は米子駅 - 益田駅間に短縮されるが、1982年に下り列車のみ鳥取駅始発で運転されたが、1985年3月に快速列車列車種別が変更されて、廃止された。

列車名は、島根県西部の旧国名である石見国が由来となっている。

はぎ・ながと

[編集]

1972年3月に山陽新幹線新大阪駅 - 岡山駅間の開業による山陰本線の優等列車の整備によって、米子駅 - 長門市駅間で運転を開始した急行列車である。下り列車は米子駅 → 益田駅間で「だいせん」と、上り列車は浜田駅 → 米子駅間で「しんじ」と併結運転されていた。

しかし、1975年3月に「はぎ」は「ながと」に改称されたが、1982年に「やくも」の増発により、出雲市駅 - 長門市駅間に短縮された。しかし、1985年3月に運転区間が浜田駅 → 小倉駅間と下関駅 → 益田駅間に変更され、片道のみであるが九州まで運転されていた。

列車名は、「はぎ」は山口県萩市が、「ながと」は山口県西部の旧国名である長門国が由来となっている。

くにびき

[編集]

1988年3月に米子駅 - 益田駅間で運転を開始した特急列車である。1996年10月に鳥取駅 - 益田駅間に運転区間が延長され、1997年に2往復に増発された。2001年に山陰本線安来駅 - 益田駅間の高速化により新型車両が投入された際に「スーパーくにびき」に変更されるとともに、5往復に大増発された。2003年10月に現行の「スーパーまつかぜ」に列車名が再度変更されている。

列車名は、『出雲国風土記』に記されている国引き神話が由来となっており、公募によって決定された。

美保

[編集]

1962年12月に鳥取駅 - 境港駅間で運転を開始した準急列車である。当時の気動車ブームの中で運転を開始し、鳥取県内のみを走る列車として、弓ヶ浜半島の東側に広がる美保湾にちなんでこの列車名が付けられた。この列車は境線の最初で最後の優等列車で、1966年に急行列車化されたものの、1968年に境線内で普通列車として運転されるようになると、1969年に境線の乗り入れが廃止され、鳥取駅 - 米子駅間の運転に短縮された。しかし、1970年には鳥取駅 - 出雲市駅間に、1972年には福知山駅 - 出雲市駅間に運転区間が延長された。東京駅 - 浜田駅間で運転されていた急行「出雲」が寝台特急に変更されたことによる措置であったが、1980年に再び鳥取駅 - 出雲市駅間の運転に戻され、1982年7月に快速列車・普通列車に置き換えられて、廃止された。

いなば

[編集]

1996年3月から1997年11月まで鳥取駅 - 米子駅間で運転されていた特急列車である。運転開始当時は、約17年ぶりに「いなば」の名称が使用されることになったが2年にも満たない期間で名称変更され、1997年11月から運転を開始した岡山駅 - 鳥取駅間の特急列車に「いなば」が使用されるようになった。

いそかぜ

[編集]
いそかぜ
益田駅構内に停車中の「いそかぜ」
益田駅構内に停車中の「いそかぜ」
運行者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
九州旅客鉄道(JR九州)
列車種別 特別急行列車
運行区間 益田駅 - 小倉駅
経由線区 山陰本線山陽本線鹿児島本線
使用車両 キハ181系気動車(JR西日本下関地域鉄道部
運行開始 1985年3月14日
運行終了 2005年2月28日
備考 運転終了直前のデータ
テンプレートを表示
「いそかぜ」用に一時期用いられたペイント仕様

いそかぜは、日本国有鉄道(国鉄)が1985年3月14日から米子駅 - 博多駅間で運転を開始した特急列車である。分割民営化後は西日本旅客鉄道(JR西日本)および九州旅客鉄道(JR九州)が運行を承継し、1993年3月18日からは運転区間を米子駅 - 小倉駅間に短縮し、小倉駅 - 博多駅間で空いたダイヤは特急「にちりん」の増発に充当した。2001年7月7日からはさらに系統分割し、米子駅 - 益田駅間は「スーパーくにびき」として、「いそかぜ」は益田駅 - 小倉駅間での運転に変更され[7]2005年3月1日に廃止されるまでこの区間で運転されるようになった。系統分割の際、益田駅では「スーパーまつかぜ」3号・10号と相互接続していたが、益田駅では乗り継ぎ料金制度は適用されなかった。

なお「いそかぜ」という列車名は1965年から1968年まで、山陽本線経由で大阪駅と九州を結ぶ特急列車の愛称として使用されていた。

廃止直前の段階では益田駅 - 小倉駅間で1往復のみ運転されており、JR西日本下関地域鉄道部所属のキハ181系気動車普通車のみ3両編成)が使用されていた。下関車両管理室に入出区するための回送列車が下関駅 - 小倉駅間で1往復運転されていた。列車番号は運行線区で変更なく、下りは29D、上りは30Dであった。益田駅 - 小倉駅間の途中停車駅は東萩駅長門市駅滝部駅川棚温泉駅下関駅であった。

山陰本線(西部)優等列車沿革

[編集]
国鉄キハ80系気動車 特急「まつかぜ4号」(1985年 博多駅)

山陰西部、特に益田駅以西の急行列車の運行経路は多様であり、特に急行「さんべ」「あきよし」は、最盛期には美祢線経由・山陰本線経由・山口線経由と様々な運行形態であった。これは益田駅 - 下関駅間の走行距離が山陰本線経由・美祢線経由・山口線経由で大差が無いために実現したものである。

益田駅 - 下関駅間の営業キロ数比較
山陰本線廻り(小串駅経由):162.8km
美祢線廻り(美祢駅経由):164.9km
山口線廻り(山口駅経由):162.8km

これを利用して、「しんじ」では益田駅 - 下関駅間を山陰本線経由と山口線・山陽本線経由の編成に分割した後、再度併結して一本の編成になる運用を行い、「やくも」→「やえがき」→「さんべ」では長門市駅 - 下関駅間を山陰本線経由と美祢線経由の編成に分割した後、それぞれの経路で走行した後、再度併結して一本の編成になるという運用を行っていた。特に後者は1985年に「さんべ」の美祢線経由が廃止になるまでは日本で唯一の事例として残っていたため、“離婚・再婚列車”とも呼ばれた[8]

年表

[編集]
  • 1959年(昭和34年)9月22日:米子駅 - 博多駅間(山陰本線経由)で準急列車やくも」が運転開始。
  • 1960年(昭和35年)9月10日:「やくも」の一部編成が美祢線経由になる。
  • 1961年(昭和36年)
    • 3月1日:鳥取駅 - 益田駅間で準急「石見」(いわみ)が運転開始。
    • 10月1日岡山駅 - 出雲市駅間(伯備線経由)の準急「しんじ」の運転区間が、宇野駅 - 博多駅間(伯備線・山陰本線経由、石見益田駅〔現在の益田駅〕 - 下関駅間は山陰本線経由と山口線経由に分割)になる。
  • 1962年(昭和37年)12月1日:鳥取駅 - 境港駅間(山陰本線・境線経由)で準急「美保」(みほ)が運転開始。
  • 1963年(昭和38年)4月1日:山口線山口駅 - 博多駅間の準急「あきよし」の一部編成が東萩駅発着になる。
    • なお、「あきよし」の東萩駅発着編成は美祢線経由とし、厚狭駅 - 博多駅間は両編成を併結運転。
  • 1964年(昭和39年)
    • 3月20日京都駅 - 松江駅間(大阪駅福知山線・山陰本線経由)の特急「まつかぜ」の運転区間が、京都駅 - 博多駅間(大阪駅・福知山線・山陰本線経由)に変更。
    • 10月10日:「あきよし」の運転区間が、浜田駅・石見益田駅 - 博多駅間に変更。なお、浜田駅発着編成は美祢線経由、石見益田駅発着編成は山口線経由とした。
  • 1965年(昭和40年)10月1日:ダイヤ改正により、次のように変更(1965年10月1日・11月1日国鉄ダイヤ改正)。
    1. 米子駅 - 博多駅間(山陰本線経由)で夜行急行列車しまね」が運転開始。
    2. 米子駅 - 小倉駅間(山陰本線経由)で準急「なかうみ」が運転開始。
    3. 準急「やくも」の運転区間が延長され、米子駅 - 熊本駅間の準急「やえがき」に変更。
    4. 準急「あきよし」の運転経路が、浜田駅 - 東唐津駅間は美祢線・筑肥線経由、石見益田駅 - 天ヶ瀬駅間は山口線・日田彦山線久大本線経由になる。なお、厚狭駅 - 小倉駅間は両編成を併結運転。
    5. 準急「しんじ」の運転区間が短縮され、宇野駅 - 小郡駅(現在の新山口駅)間は伯備線・山陰本線・山口線経由とし、山陰本線経由編成が廃止。
  • 1966年(昭和41年)3月5日:準急列車制度の見直しにより準急「石見」「美保」「なかうみ」「あきよし」が急行列車になる。
  • 1967年(昭和42年)10月1日:「石見」の鳥取駅 - 米子駅間で大阪駅 - 米子駅間(姫新線因美線経由)の急行「かいけ」と併結運転開始。
  • 1968年(昭和43年)10月1日:ヨンサントオのダイヤ改正により、「しまね」「なかうみ」「やえがき」を格上げし、同時に運転開始した米子駅 - 小郡駅間を山陰本線・山口線経由で運転の季節列車を含めて急行「さんべ」に統合。「美保」の米子駅 - 境港駅間が普通列車として運転されるようになる。
  • 1969年(昭和44年)10月1日:「美保」の運転区間が鳥取駅 - 米子駅間に変更される。
  • 1970年(昭和45年)10月1日:「美保」の運転区間が鳥取駅 - 出雲市駅間に変更される。
  • 1972年(昭和47年)
    • 3月15日:米子駅 - 長門市駅間で急行「はぎ」が運転開始。「美保」の運転区間が福知山駅 - 出雲市駅間に延長される。米子駅 - 長門市駅間で「はぎ」が運転開始。
    • 10月2日:特急「まつかぜ」の運転区間が短縮され、新大阪駅・大阪駅 - 博多駅間(福知山線・山陰本線経由)になる。
  • 1975年(昭和50年)3月10日:ダイヤ改正により、次のように変更(1975年3月10日国鉄ダイヤ改正)。
    1. 「石見」は米子駅発着に変更となり併結区間が無くなる。
    2. 急行「はぎ」の名称が新幹線陰陽連絡バスに使用されるようになり、急行「ながと」に改称。
    3. 山口線経由の急行「さんべ」「あきよし」が、山陽新幹線接続列車の特急「おき」と急行「つわの」に変更(以後の詳細は「おき」の項を参照)。
    4. 急行「あきよし」は浜田駅 - 天ヶ瀬駅間(美祢線・日田彦山線・久大本線経由)の単独運転になる。
  • 1978年(昭和53年)10月2日:急行「さんべ」の夜行列車編成が20系寝台車12系座席車に置換え。山口県豊浦郡豊浦町に所在する川棚温泉駅を特急「まつかぜ」の停車駅として追加。これにより、同駅は益田駅 - 博多駅間において特急列車が停車する唯一の「町」の駅となった。
  • 1980年(昭和55年)10月1日:ダイヤ改正により、次のように変更。
    1. 米子駅 - 熊本駅間の急行「さんべ」が系統分割され、米子駅 - 博多駅間は「さんべ」に、博多駅 - 熊本駅間はエル特急「有明」になり、「さんべ」の下関駅 - 博多駅間が快速列車に格下げとなる。同時に急行「あきよし」の下関駅 - 天ヶ瀬駅間も快速列車に格下げとなった。
    2. 「美保」の運転区間が再び鳥取駅 - 出雲市駅間に変更される。
  • 1982年(昭和57年)7月1日:伯備線全線および山陰本線伯耆大山駅 - 知井宮駅間電化によるダイヤ改正に関連し、急行「ながと」の運転区間が、出雲市駅 - 長門市駅間に短縮。
  • 1984年(昭和59年)2月1日:急行「さんべ」の夜行列車が臨時列車に格下げ。定期の「さんべ」は昼行列車のみとなる。
  • 1985年(昭和60年)3月14日:ダイヤ改正により、次のように変更(1985年3月14日国鉄ダイヤ改正)。
    1. 特急「まつかぜ」1号・4号の運転区間を分割、「まつかぜ」は新大阪駅・大阪駅 - 米子駅間の運行とし、米子駅 - 博多駅間で特急「いそかぜ」が運転開始。
      • 当初より普通車4両編成と短い編成を使用しており、時間帯も変更となったため米子駅での接続は考慮されなかった。
    2. 急行「あきよし」が廃止。補完のために急行「ながと」の運転区間が、浜田駅 - 下関駅・小倉駅間(山陰本線経由)に変更。
    3. 急行「さんべ」1往復が廃止され、運転区間は米子駅 - 下関駅・小倉駅間(山陰本線経由)の1往復のみになる。これにより美祢線の急行列車が廃止。
    4. なお、この改正により、米子駅 - 益田駅間では「さんべ」1往復と「ちどり」「ながと」、夜行の「だいせん」をのぞく急行列車が快速列車に格下げされた。
  • 1982年(昭和57年)
    • 7月1日:「まつかぜ」の鳥取駅発着列車が米子駅まで延長、同時に使用車両がキハ181系に変更(博多発着列車はキハ80系を継続)。
    • 11月15日:「美保」が廃止。
  • 1985年(昭和60年)3月14日:ダイヤ改正により、次のように変更。
    1. 急行「石見」が廃止。
    2. 急行「ながと」の運転区間が浜田駅 - 下関駅・小倉駅間に変更。
  • 1986年(昭和61年)11月1日:特急「いそかぜ」が3両編成に減車となる。
  • 1988年(昭和63年)3月13日:米子駅 - 益田駅間で特急「くにびき」が運行開始。
  • 1992年(平成4年)3月14日:急行「ながと」が廃止。
  • 1993年(平成5年)3月18日:特急「いそかぜ」の運転区間が、米子駅 - 小倉駅間に短縮。なお、小倉駅 - 博多駅間は特急「にちりん」の増発に充当した。
    廃止日の急行「さんべ」
  • 1996年平成8年)3月16日:「くにびき」が鳥取駅発着に変更され、鳥取駅 - 益田駅間で1往復になる。鳥取駅 - 米子駅間で特急「いなば」1往復が運転開始。
    • 「いなば」の運転時刻は、改正前まで京都駅 - 米子駅間を走っていた特急「あさしお」のダイヤを部分的に継承した。
  • 1997年(平成9年)
    • 3月22日:急行「さんべ」が夜行急行として臨時列車化される。
    • 11月29日:「いなば」が「くにびき」に統合されて廃止され、「くにびき」は鳥取駅 - 米子駅間1往復、鳥取駅 - 益田駅間1往復になる。
  • 1999年(平成11年):「さんべ」が廃止。
  • 2001年(平成13年)7月7日:「くにびき」に気動車キハ187系気動車が投入され、「スーパーくにびき」に改称。同時に特急「いそかぜ」の米子駅 - 益田駅間は「スーパーくにびき」に編入し、「スーパーくにびき」は鳥取駅 - 米子駅間1往復、鳥取駅 - 益田駅間2往復、米子駅 - 益田駅間2往復に。特急「いそかぜ」の運転区間は益田駅 - 小倉駅間に縮小[7]
  • 2003年(平成15年)
    • 10月1日:「スーパーくにびき」から「スーパーまつかぜ」に改称。全列車が鳥取駅発着になる。鳥取駅 - 米子駅間下り1本・上り2本、鳥取駅 - 益田駅間4往復。
    • 12月6日・7日:山陰本線全通80周年記念として、大阪駅 → 米子駅間で「まつかぜ」が復活運転が実施される(6日が下り、7日が上り)[9]
  • 2005年(平成17年)3月1日:特急「いそかぜ」が廃止される。これにより、山陰本線益田駅 - 下関駅間の特急・急行および関門トンネルを通過する昼行の特急・急行が廃止となった。
  • 2006年(平成18年)3月19日:寝台特急「出雲」廃止に伴い、毎日運転の臨時列車として、鳥取駅 → 米子駅間で特急「スーパーまつかぜ」81号が運転開始[10]
  • 2008年(平成20年)3月15日:鳥取駅 - 米子駅間で1往復増発し、鳥取駅 - 米子駅間3往復(うち下り1本は毎日運転の臨時列車)、鳥取駅 - 益田駅間が4往復になる。4・7号が西出雲駅に停車するようになり、全車自由席の2・81号が指定席連結に変更。これにより全列車に座席指定席が設定される。
  • 2009年(平成21年)
    • 3月14日:朝の上り1本と夜間の下り3本が伯耆大山駅に停車するようになる。
    • 6月1日:喫煙ルームが廃止され、全車両禁煙になる[11]
  • 2010年(平成22年)3月13日:上下各3本が鳥取大学前駅に停車するようになる。毎日運転の臨時列車であった81号が定期列車となる[12][13]
  • 2011年(平成23年)3月12日:下り3本と上り2本が鳥取大学前駅に、上下各1本が伯耆大山駅に停車するようになる[14]
  • 2012年(平成24年)10月6日:山陰デスティネーションキャンペーン開催に合わせ、同年11月25日までの土日祝日に7・10号が山口線新山口駅まで延長運転[15][16]。また、キハ189系を使用した臨時列車「スーパーまつかぜ96号・97号」(運転区間は鳥取~出雲市)が運転された。
  • 2014年(平成26年)3月15日:鳥取大学前駅が全停車駅に昇格。[17]

脚注

[編集]
  1. ^ 平成15年秋 ダイヤ改正インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年7月30日
  2. ^ 『JTB時刻表』2014年3月号。
  3. ^ キハ126系は原則新潟トランシス名義の10番台、極稀に新潟鐵工所名義の0番台。
  4. ^ 平成27年春ダイヤ改正について - 西日本旅客鉄道 2014年12月19日
  5. ^ 『JR時刻表』2015年3月号、交通新聞社
  6. ^ 平成27年春ダイヤ改正について - 西日本旅客鉄道 2014年12月19日
  7. ^ a b 『JR気動車客車編成表』'02年版 ジェー・アール・アール 2000年 ISBN 4-88283-123-6
  8. ^ 井上孝司『ダイヤグラムで広がる鉄の世界: 運行を読み解く&スジを引く本』秀和システム、2009年10月、p.182頁。ISBN 978-4798024127  - なお、著者の井上は、相手が同じだから「離縁・復縁列車」のほうがよいのではと述べている。
  9. ^ 『JR気動車客車編成表 '04年版』ジェー・アール・アール、2004年。ISBN 4-88283-125-2
  10. ^ 平成18年3月18日ダイヤ改正(米子エリア)(別紙詳細) (PDF) (インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2006年1月30日
  11. ^ 受動喫煙防止の取り組みについて : JR西日本 - 西日本旅客鉄道
  12. ^ 平成22年春ダイヤ改正について (PDF) [リンク切れ] - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年12月18日
  13. ^ 平成22年春ダイヤ改正について (PDF) [リンク切れ] - 西日本旅客鉄道米子支社プレスリリース 2009年12月18日
  14. ^ 平成23年春のダイヤ改正について (PDF) - 西日本旅客鉄道米子支社プレスリリース 2010年12月17日
  15. ^ 平成24年秋の臨時列車のご案内 (PDF) - 西日本旅客鉄道米子支社プレスリリース 2012年8月24日
  16. ^ 「スーパーおき」と同じ運転区間・停車駅になったが列車愛称は「スーパーまつかぜ」のままである
  17. ^ 平成26年春ダイヤ改正について

参考文献

[編集]
  • 寺本光照『国鉄・JR列車名大事典』中央書院、2001年。ISBN 4-88732-093-0
  • 今尾恵介・原武史『日本鉄道旅行歴史地図帳-全線・全駅・全優等列車- 11号・中国四国』新潮社、2011年。ISBN 978-4-10-790045-6

脚注

[編集]

外部リンク

[編集]