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佐々木譲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
佐々木 譲ささき じょう
誕生 (1950-03-16) 1950年3月16日(74歳)
北海道夕張市
職業 小説家
国籍 日本の旗 日本
活動期間 1979年 -
ジャンル 冒険小説時代小説警察小説
代表作エトロフ発緊急電』(1989年)
警官の血』(2007年)
主な受賞歴 オール讀物新人賞(1979年)
日本冒険小説協会大賞(1990年)
日本推理作家協会賞(1990年)
山本周五郎賞(1990年)
新田次郎文学賞(2002年)
直木三十五賞(2010年)
日本ミステリー文学大賞(2016年)
デビュー作鉄騎兵、跳んだ』(1979年)
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(ささき じょう、1950年3月16日 -)は、日本作家。本名は同じ漢字で「ささき ゆずる」と読む。東京農業大学客員教授。日本アレンスキー協会の名誉会長。

経歴

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北海道夕張市生まれ[1][注 1]。北海道中標津町在住。父親は択捉島出身、母親は樺太からの引き揚げ者であった[3]。幼時に札幌市へ移り、北海道札幌月寒高等学校卒業[1]。広告代理店や本田技研で広告関連の仕事に従事した後、1979年『鉄騎兵、跳んだ』で文藝春秋オール讀物新人賞」を受賞し、作家デビュー[1]。同作は映画化もされ評判となった。若い頃はジュブナイル小説も手がけていたが、近年は歴史や犯罪を題材とした重厚な作風で知られる[4]。近年は電子絵本の制作や自作の舞台化にも積極的である。また、直木賞をはじめ数々の文学賞を受賞している[1]

受賞・候補歴

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作品の特徴

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社会派エンターテインメントで広く知られる。「真夜中の遠い彼方(後に「新宿のありふれた夜」と改題)」では暴力団ボートピープル・違法入国労働者など、「夜にその名を呼べば」では冷戦警察など、国内外の情勢に取材した作品で知られる。のち、出身地の北海道警を舞台とした「うたう警官(のちに『笑う警官』に改題)」や警官家族の3代にわたる歴史を描いた「警官の血」などの警察小説も、傾向のひとつとなっている。西部劇映画のファンであり、「蝦夷地三部作」シリーズは、開拓期の北海道をアメリカ西部開拓時代に見立て、西部劇の趣向を導入している[5]

作品リスト

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第二次大戦三部作

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蝦夷地三部作

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  • 五稜郭残党伝(1991年1月 集英社 / 1994年2月 集英社文庫
  • 雪よ荒野よ(1994年10月 集英社 / 1997年11月 集英社文庫)
  • 北辰群盗録(1996年11月 集英社 / 1999年12月 集英社文庫 / 2022年10月 光文社文庫

幕末三部作

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道警シリーズ

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  • うたう警官(2004年12月 角川春樹事務所
  • 警察庁から来た男(2006年12月 角川春樹事務所 / 2008年5月 ハルキ文庫)
  • 警官の紋章(2008年12月 角川春樹事務所 / 2010年5月 ハルキ文庫)
  • 巡査の休日(2009年10月 角川春樹事務所 / 2011年5月 ハルキ文庫)
  • 密売人(2011年8月 角川春樹事務所 / 2013年5月 ハルキ文庫)
  • 人質(2013年1月 角川春樹事務所 / 2014年5月 ハルキ文庫)
  • 憂いなき街(2014年4月 角川春樹事務所 / 2015年8月 ハルキ文庫)
  • 真夏の雷管(2017年7月 角川春樹事務所 / 2019年7月 ハルキ文庫)
  • 雪に撃つ(2020年12月 角川春樹事務所 / 2022年5月 ハルキ文庫)
  • 樹林の罠(2022年12月 角川春樹事務所)

駐在警官・川久保篤シリーズ

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  • 制服捜査(2006年3月 新潮社 / 2009年1月 新潮文庫 / 埼玉福祉会 大活字本シリーズ【上・下】) - 連作短編集
  • 暴雪圏(2009年2月 新潮社)

警官の血シリーズ

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  • 警官の血(2007年9月 新潮社【上・下】 / 2010年1月 新潮文庫【上・下】)
  • 警官の条件(2011年9月 新潮社 / 2014年2月 新潮文庫)

特命捜査対策室シリーズ

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  • 地層捜査(2012年2月 文藝春秋 / 2014年7月 文春文庫
  • 代官山コールドケース(2013年8月 文藝春秋 / 2015年12月 文春文庫)

その他の小説

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1980年代

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  • 鉄騎兵、跳んだ(1980年8月 文藝春秋 / 1986年5月 徳間文庫 / 2010年5月 文春文庫)
  • 振り返れば地平線(1982年9月 CBSソニー出版 / 1986年10月 集英社文庫)
  • あこがれは上海クルーズ(1984年4月 コバルト文庫 / 1997年9月 集英社)
  • 死の色の封印(1984年5月 トクマ・ノベルズ / 1989年6月 徳間文庫)
  • 真夜中の遠い彼方(1984年11月 大和書房 / 1987年3月 集英社文庫 / 1992年3月 天山文庫
    • 【改題】新宿のありふれた夜(1996年1月 スコラ・ノベルズ / 1997年10月 角川文庫)
  • そばにはいつもエンジェル(1984年12月 コバルト文庫 / 1997年9月 集英社)
  • いつか風が見ていた(1985年4月 CBSソニー出版)
    • 【改題】タイム・アタック(1988年4月 集英社文庫) - 2篇を追加収録
  • 夜を急ぐ者よ(1986年8月 集英社 / 1990年7月 集英社文庫 / 2009年12月 ポプラ文庫 / 2010年7月 集英社文庫)
  • ベイシティ恋急行(1986年12月 コバルト文庫)
    • 【改題】湾岸道路は眠らない(1997年9月 集英社)
  • 白い殺戮者(1986年12月 トクマ・ノベルズ / 1991年8月 徳間文庫)
  • 南の風にモーニン(1987年3月 CBSソニー出版 / 1991年2月 集英社文庫)
  • 犬どもの栄光(1987年8月 集英社 / 1990年8月 集英社文庫)
  • きみの素敵なサクセス【短編集】(1987年10月 集英社文庫)
  • 仮借なき明日(1989年1月 集英社 / 1992年2月 集英社文庫 / 2010年4月 集英社文庫)
  • マンハッタンの美徳(1989年8月 集英社文庫) - 中短編集

1990年代

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  • 愚か者の盟約(1991年7月 講談社 / 1993年8月 講談社文庫 / 2009年9月 ハヤカワ文庫JA
  • ハロウィンに消えた(1991年9月 日本経済新聞社 / 1995年9月 カドカワノベルズ / 1996年10月 角川文庫)
  • サンクスギビング・ママ【短編集】(1992年1月 スイッチパブリッシング / 1995年4月 新潮文庫 / 2008年6月 扶桑社文庫
  • 夜にその名を呼べば(1992年3月 早川書房 / 1995年5月 ハヤカワ文庫JA / 2008年5月 ハヤカワ文庫JA)
  • ネプチューンの迷宮(1993年8月 毎日新聞 / 1997年2月 新潮文庫 / 2001年12月 徳間文庫 / 2008年9月 扶桑社文庫)
  • きょうも舗道にすれちがう【連作短編集】(1994年2月 中央公論社 / 2000年9月 中公文庫)
  • 勇士は還らず(1994年10月 朝日新聞社 / 1997年11月 朝日文芸文庫
  • 昭南島に蘭ありや(1995年8月 中央公論社 / 1998年4月 C★NOVELS / 2001年11月 中公文庫【上・下】 / 2008年7月 中公文庫【上・下】)
  • 飛ぶ想い【短編集】(1995年11月 中央公論社)
  • 総督と呼ばれた男(1997年6月 集英社 / 2000年8月 集英社文庫【上・下】)
  • ワシントン封印工作(1997年12月 新潮社 / 2000年12月 新潮文庫 / 2010年10月 文春文庫)
  • ステージドアに踏み出せば(1998年5月 集英社 / 2002年6月 集英社文庫)
  • 牙のある時間(1998年8月 マガジンハウス / 2000年7月 ハルキ文庫)
  • 鷲と虎(1998年10月 角川書店 / 2001年9月 角川文庫)
  • 屈折率(1999年12月 講談社 / 2003年1月 講談社文庫 / 2018年3月 光文社文庫)

2000年代

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  • 黒頭巾旋風録(2002年8月 新潮社 / 2005年6月 新潮文庫 / 2011年3月 徳間文庫)
  • 疾駆する夢(2002年11月 小学館 / 2006年7月 小学館文庫【上・下】)
  • 帰らざる荒野(2003年4月 集英社 / 2006年4月 集英社文庫)
  • ユニット(2003年10月 文藝春秋 / 2005年12月 文春文庫)
  • 天下城(2004年3月 新潮社【上・下】 / 2006年10月 新潮文庫【上・下】)
  • 駿女(2005年11月 中央公論新社 / 2008年11月 中公文庫)
  • 廃墟に乞う(2009年7月 文藝春秋 / 2012年1月 文春文庫) - 連作短編集、2010年第142回直木賞

2010年代

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  • 北帰行(2010年1月 角川書店 / 2012年9月 角川文庫)
  • カウントダウン(2010年9月 毎日新聞社 / 2013年11月 新潮文庫)
  • 婢伝五稜郭(2011年1月 朝日新聞出版 / 2013年10月 朝日文庫
  • 回廊封鎖(2012年8月 集英社 / 2015年10月 集英社文庫)
  • 獅子の城塞(2013年11月 新潮社 / 2016年4月 新潮文庫)
  • 砂の街路図(2015年8月 小学館 / 2018年11月 小学館文庫)
  • 犬の掟(2015年9月 新潮社)
    • 【改題】警官の掟(2018年4月 新潮文庫)
  • 沈黙法廷(2016年11月 新潮社 / 2019年10月 新潮文庫)
  • 抵抗都市(2019年12月 集英社 / 2022年1月 集英社文庫)

2020年代

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  • 図書館の子(2020年7月 光文社 / 2023年5月 光文社文庫)
  • 降るがいい(2020年8月 河出書房新社
  • 帝国の弔砲(2021年2月 文藝春秋)
  • 偽装同盟(2021年12月 集英社) - 『抵抗都市』続編
  • 裂けた明日(2022年8月 新潮社)
  • 闇の聖域(2022年11月 KADOKAWA
  • 時を追う者(2023年5月 光文社)

ノンフィクション

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絵本

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  • サーカスが燃えた(2020年6月 角川春樹事務所) - 絵:中島梨絵

メディア化

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映画

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テレビドラマ

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Vシネマ

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漫画

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ラジオドラマ

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脚注

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注釈

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  1. ^ 父親が働いていた大夕張炭鉱(鹿島明石町)で生まれ、3歳まで過ごす。札幌に転出した際、戸籍の転記漏れがあり、札幌で出生したこととして戸籍回復。そのため戸籍上の出生地は札幌市である[2]

出典

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  1. ^ a b c d 「<ひと2010>佐々木譲さん*第142回直木賞に決まった」北海道新聞、2010年1月5日朝刊全道面2頁
  2. ^ 『わが夕張わがエトロフ』7頁
  3. ^ 『わが夕張わがエトロフ』7-8頁
  4. ^ 「警察内部リアルに*夕張出身・佐々木譲原作 「笑う警官」が映画化」北海道新聞、2008年10月18日夕刊芸能面2頁
  5. ^ 嗜好と文化:第7回 佐々木譲さん「虚構作りの快感」 - 毎日新聞”. mainichi.jp. 2020年12月7日閲覧。

参考文献

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  • 北海道文学館 編『北海道文学大事典』北海道新聞社、1985年10月。ISBN 978-4-89363-454-2
  • 札幌市教育委員会文化資料室 編『札幌文学散歩』北海道新聞社〈さっぽろ文庫 63〉、1992年12月。ISBN 978-4-89363-062-9
  • 佐々木譲『わが夕張わがエトロフ : ルポ・エッセイ集』北海道新聞社、2008年9月。ISBN 978-4-89453473-5

関連項目

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外部リンク

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