世界ミステリ全集
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『世界ミステリ全集』(せかいミステリぜんしゅう)は、早川書房が1972年から1973年にかけて刊行した、翻訳ミステリ小説の叢書(全集)である。全18巻。編集委員は、小鷹信光、稲葉由紀、石川喬司だった[1]。
刊行リスト
[編集]- 1巻 アガサ・クリスティー 1972.2
- 2巻 E・S・ガードナー 1972.4
- 3巻 エラリィ・クイーン 青田勝訳 1972.8
- エジプト十字架の秘密
- 災厄の町
- 最後の女
- 4巻 ウィリアム・アイリッシュ/コーネル・ウールリッチ 1973.9
- 5巻 レイモンド・チャンドラー 清水俊二訳 1972.6
- 6巻 ロス・マクドナルド 1972.7
- 7巻 エリック・アンブラー 1972.3
- 8巻 ガーヴ/ブレイク/レヴィン 1973.3
- ヒルダよ眠れ アンドリュウ・ガーヴ 福島正実訳
- 野獣死すべし ニコラス・ブレイク 永井淳訳
- 死の接吻 アイラ・レヴィン 中田耕治訳
- 9巻 シムノン/ボアロー・ナルスジャック/シモナン 1973.4
- メグレの回想録 ジョルジュ・シムノン 北村良三訳
- 悪魔のような女 ボアロー, ナルスジャック 北村太郎訳
- 現金に手を出すな アルベール・シモナン 野口雄司訳
- 10巻 スピレイン/マッギヴァーン/スターク 1973.1
- 裁くのは俺だ ミッキー・スピレイン 中田耕治訳
- 殺人のためのバッジ ウィリアム・P・マッギヴァーン 矢野浩三郎訳
- 悪党パーカー/人狩り リチャード・スターク 小鷹信光訳
- 11巻 エド・マクベイン 井上一夫訳 1972.5
- 警官嫌い
- 殺意の楔
- 暴力教室
- 12巻 デュレンマット/セミョーノフ/シェルバネンコ(スイス、ソ連、イタリア傑作選) 1972.12
- 嫌疑 フリードリッヒ・デュレンマット 前川道介訳
- ペトロフカ、38 ユリアン・セミョーノフ 飯田規和訳
- 裏切者 ジョルジュ・シェルバネンコ 千種堅訳
- 13巻 フレミング/マクリーン 1972.10
- サンダーボール作戦 イアン・フレミング 井上一夫訳
- アリゲーター イ*ン・フ*ミ*グ 井上一夫訳
- ナヴァロンの要塞 アリステア・マクリーン 平井イサク訳
- 14巻 ブランド/ポーター/モイーズ 1973.2
- はなれわざ クリスチアナ・ブランド 宇野利泰訳
- ドーヴァー4/切断 ジョイス・ポーター 小倉多加志訳
- 死人はスキーをしない パトリシア・モイーズ 小笠原豊樹訳
- 15巻 ジャプリゾ/モンテイエ/エクスブライヤ 1973.5
- ウサギは野を駆ける セバスチアン・ジャプリゾ 榊原晃三訳
- かまきり ユベール・モンテイエ 斎藤正直訳
- 死体をどうぞ シャルル・エクスブライヤ 三輪秀彦訳
- 16巻 デイトン/ル・カレ/マクダニエル 1972.11
- ベルリンの葬送 レン・デイトン 稲葉明雄訳
- 寒い国から帰ってきたスパイ ジョン・ル・カレ 宇野利泰訳
- 人類抹殺計画(ナポレオン・ソロ5) デイヴィッド・マクダニエル 一ノ瀬直二訳
- 17巻 ライアル/フランシス/ポール 菊池光訳 1972.9
- もっとも危険なゲーム ギャビン・ライアル
- 興奮 ディック・フランシス
- 夜の熱気の中で ジョン・ボール
- 18巻 37の短篇 傑作短編集 石川喬司編 1973.6
『37の短篇』収録作品
[編集]ハヤカワ・ミステリ版『天外消失』および『51番目の密室』に再録されているものは、その旨を示す。
- エドガー・ライス・バロウズ「ジャングル探偵ターザン」(斎藤伯好訳) - 『天外消失』に再録
- ブレット・ハリデイ「死刑前夜」(都筑道夫訳) - 『天外消失』に再録
- ジェイムズ・サーバー「虹をつかむ男」(鳴海四郎訳)
- クレイグ・ライス「うぶな心が張り裂ける」(小笠原豊樹訳) - 『51番目の密室』に再録
- ジョルジュ・シムノン「殺し屋」(北村良三訳) - 『天外消失』に再録
- エリック・アンブラー「エメラルド色の空」(小泉喜美子訳) - 『天外消失』に再録
- ヘレン・マクロイ「燕京綺譚」(田中西二郎訳) - 『51番目の密室』に再録
- フレドリック・ブラウン「後ろを見るな」(曽我四郎訳) - 『天外消失』に再録
- クレイトン・ロースン「天外消失」(阿部主計訳) - 『天外消失』に再録
- ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」(永井淳訳)
- カーター・ディクスン「魔の森の家」(江戸川乱歩訳) - 『51番目の密室』に再録
- アーサー・ウィリアムズ「この手で人を殺してから」(都筑道夫訳) - 『天外消失』に再録
- トマス・フラナガン「北イタリア物語」(宇野利泰訳)
- ロイ・ヴィカーズ「百万に一つの偶然」(宇野利泰訳) - 『51番目の密室』に再録
- Q・パトリック「少年の意志」(北村太郎訳) - 『51番目の密室』に再録
- ジョン・D・マクドナルド「懐郷病のビュイック」(井上一夫訳) - 『天外消失』に再録
- ロバート・アーサー「51番目の密室」(宇野利泰訳) - 『51番目の密室』に再録
- イーヴリン・ウォー「ラヴデイ氏の短い休暇」(永井淳訳) - 『天外消失』に再録
- C・B・ギルフォード「探偵作家は天国へ行ける」(宇野利泰訳) - 『天外消失』に再録
- E・A・ポー&R・ブロック「燈台」(吉田誠一訳) - 『51番目の密室』に再録
- フランク・R・ストックトン「女か虎か」(中村能三訳) - 『天外消失』に再録
- ロアルド・ダール「おとなしい兇器」(田村隆一訳)
- リチャード・マシスン「長距離電話」(吉田誠一訳)
- エヴァン・ハンター「歩道に血を流して」(都筑道夫訳)
- ヘンリイ・スレッサー「死刑執行の日」(村上啓夫訳)
- ジャック・フィニイ「死者のポケットの中には」(福島正実訳)
- アル・ジェイムズ「白いカーペットの上のごほうび」(小鷹信光訳) - 『天外消失』に再録
- ポール・アンダースン「火星のダイヤモンド」(福島正実訳) - 『天外消失』に再録
- デイヴィッド・イーリイ「ヨット・クラブ」(高橋泰邦訳)
- ジャック・リッチー「クライム・マシン」(丸木聰明訳)
- コーネル・ウールリッチ「一滴の血」(稲葉明雄訳) - 『51番目の密室』に再録
- ウィリアム・ブルテン「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」(伊東守男訳)
- スティーヴン・バー「最後で最高の密室」(深町真理子訳) - 『天外消失』に再録
- ロバート・L・フィッシュ「アスコット・タイ事件」(吉田誠一訳) - 『51番目の密室』に再録
- リース・デイヴィス「選ばれた者」(工藤政司訳) - 『51番目の密室』に再録
- エドワード・D・ホック「長方形の部屋」(山本俊子訳) - 『51番目の密室』に再録
- クリスチアナ・ブランド「ジェミニイ・クリケット事件」(深町真理子訳) - 『51番目の密室』に再録
エラリイ・クイーンの『黄金の十二』(1949年)や江戸川乱歩の短編ベストテン(1950年)以降の作品を中心とする方針であったため、いわゆる「黄金期」以前の古典的作品は含まれていない[2]。
関連書籍
[編集]第18巻『37の短篇』を再編集したアンソロジーが、2008年から2010年にかけてハヤカワ・ミステリより刊行されている。
- 『天外消失 世界短篇傑作集』ハヤカワ・ミステリ 1819 2008年12月。 ISBN 978-4-15-001819-1 - 14篇収録。
- 『51番目の密室 世界短篇傑作集』ハヤカワ・ミステリ 1835 2010年5月。 ISBN 978-4-15-001835-1 - 12篇収録。