ヘレン・マクロイ
ヘレン・マクロイ Helen McCloy | |
---|---|
ペンネーム |
ヘレン・クラークソン (Helen Clarkson) |
誕生 |
1904年6月6日 アメリカ ニューヨーク |
死没 |
1994年12月1日(90歳没) アメリカ ニューヨーク |
職業 | 推理作家 |
国籍 | アメリカ |
ジャンル | 推理小説 |
代表作 |
『家蝿とカナリア』 『暗い鏡の中に』 『幽霊の2/3』 『殺す者と殺される者』 |
デビュー作 | 『死の舞踏』 |
ウィキポータル 文学 |
ヘレン・マクロイ(Helen Worrell Clarkson McCloy、1904年6月6日 - 1994年12月1日[1])は、アメリカ合衆国の女性推理作家。フランスのソルボンヌ大学を卒業し、ヨーロッパで新聞記者として活動した後に帰国。ミステリー作家として活躍した。
人物
[編集]1904年、アメリカ、ニューヨークで作家の母と新聞社編集長の父との間に生まれる。父親の影響で、10代の頃より文芸論等を執筆。幼少期はシャーロック・ホームズシリーズを愛読した。ブルックリンの学校で学んだ後、1923年にフランスに留学、ソルボンヌ大学で学んだ。
大学在学中の1927年からウィリアム・ランドルフ・ハースト主催の「ユニバーサル・ニュース・サービス」で働き、美術評論家や「ロンドン・モーニング・ポスト」などのフリー記者を務め、1932年に帰国した。
1938年に『死の舞踏』でデビュー。精神科医であるベイジル・ウィリング博士のシリーズを始め、本格ミステリから怪奇・ホラー、SFまで、多くの作品を残した。1946年、「EQMM」主催の第1回短編小説コンテストに「東洋趣味」を応募し第2席を受賞。その後、同誌を中心に短編小説を数多く執筆。
1946年に作家のブレット・ハリデイと結婚。2児を儲けた後、1961年に離婚している。
1950年代には女性としては初めてアメリカ探偵作家クラブ(MWA)会長に就任。
1953年にMWAの評論賞、最後の長編作品となった『読後焼却のこと』で第2回ネロ・ウルフ賞を受賞。1990にはMWAの巨匠賞を受賞。ヘレン・クラークスン名義の作品や、アンソロジー集もある。
日本での紹介は短編が中心で「短編の名手」として知られていたが、21世紀に入ってからは、未訳だった長編ミステリーが数多く翻訳されている。
著書
[編集]ベイジル・ウィリング博士シリーズ
[編集]# | 邦題 | 原題 | 刊行年 |
刊行年月 |
訳者 | 出版社 |
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1 | 死の舞踏 | Dance of Death (英国版:Design for Dying ) | 1938年 | 2006年6月 | 板垣節子 | 論創社〈論創海外ミステリ51〉 |
2 | 月明かりの男 | The Man in the Moonlight | 1940年 | 2017年8月 | 駒月雅子 | 東京創元社(創元推理文庫) |
3 | ささやく真実 | The Deadly Truth | 1941年 | 2016年8月 | ||
4 | あなたは誰? | Who's Calling? | 1942年 | 2015年9月 | 渕上痩平 | 筑摩書房〈ちくま文庫〉 |
5 | 家蝿とカナリア | Cue for Murder | 1942年 | 2002年9月 | 深町眞理子 | 東京創元社〈創元推理文庫〉 |
6 | 小鬼の市 | The Goblin Market | 1943年 | 2013年1月 | 駒月雅子 | |
7 | 逃げる幻 | The One That Got Away | 1945年 | 2014年8月 | ||
8 | 暗い鏡の中に | Through a Glass, Darkly | 1950年 | 1955年11月 | 高橋豊(旧訳) | 早川書房〈ハヤカワ・ミステリ〉 |
2011年6月 | 駒月雅子(新訳) | 東京創元社〈創元推理文庫〉 | ||||
9 | 二人のウィリング | Alias Basil Willing | 1951年 | 2016年4月 | 渕上痩平 | 筑摩書房〈ちくま文庫〉 |
10 | 悪意の夜 | The Long Body | 1955年 | 2018年8月 | 駒月雅子 | 東京創元社〈創元推理文庫〉 |
11 | 幽霊の2/3 | Two-Thirds of a Ghost | 1956年 | 1962年6月 | 守屋陽一(旧訳) | 東京創元社〈創元推理文庫〉 |
2009年8月 | 駒月雅子(新訳) | |||||
12 | 割れたひづめ | Mr. Splitfoot | 1968年 | 2002年11月 | 好野理恵 | 国書刊行会〈世界探偵小説全集〉 |
13 | 読後焼却のこと | Burn This | 1980年 | 1982年2月 | 山本俊子 | 早川書房〈ハヤカワ・ミステリ〉 |
その他
[編集]# | 邦題 | 原題 | 刊行年 |
刊行年月 |
訳者 | 出版社 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | Do Not Disturb | 1943年 | ||||
2 | 牧神の影 | Panic | 1944年 | 2018年6月 | 渕上痩平 | 筑摩書房〈ちくま文庫〉 |
3 | ひとりで歩く女 | She Walks Alone (改題:Wish You Were Dead |
1948年 | 1998年9月 | 宮脇孝雄 | 東京創元社〈創元推理文庫〉 |
4 | 人生はいつも残酷[2] | Better Off Dead | 1951年 | |||
5 | Unfinished Crime (英国版:He Never Came Back ) | 1954年 | ||||
6 | 殺す者と殺される者 | The Slayer and the Slain | 1957年 | 1959年12月 2009年12月 |
中田耕治(旧訳) 務台夏子(新訳) |
東京創元社〈創元推理文庫〉 |
7 | The Last Day (ヘレン・クラークスン名義) |
1959年 | ||||
8 | Before I Die | 1963年 | ||||
9 | The Further Side of Fear | 1967年 | ||||
10 | A Question of Time | 1971年 | ||||
11 | A Change of Heart | 1973年 | ||||
12 | The Sleepwalker | 1974年 | ||||
13 | Minotaur Country | 1975年 | ||||
14 | The Changeling Conspiracy (英国版:Cruel as the Grave ) | 1976年 | ||||
15 | The Imposter (英国版:The Impostor ) | 1977年 | ||||
16 | The Smoking Mirror | 1979年 |
短編集
[編集]- 歌うダイアモンド The Singing Diamonds and Other Stories (英国版:Surprise, Surprise! )( 1965年 / 2003年1月、好野理恵他 訳、晶文社);2015年2月、東京創元社〈創元推理文庫〉
- 東洋趣味(シノワズリ) Chinoiserie (今本渉 訳)
- Q通り十番地 Number Ten Q Street (吉村満美子 訳)
- 八月の黄昏に Silence Burning (吉村満美子 訳)
- カーテンの向こう側 The Other Side of the Curtain (霧島義明 訳)
- ところかわれば Surprise, Surprise! (吉村満美子 訳)
- 鏡もて見るごとく Through a Glass, Darkly (好野理恵 訳)
- 歌うダイアモンド The Singing Diamond (好野理恵 訳)
- 風のない場所 Windless (吉村満美子 訳)
- 人生はいつも残酷 Better Off Dead (霧島義明 訳)
- The Pleasant Assassin and Other Cases of Dr. Basil Willing (2004)