花子とアン
小説『赤毛のアン』との相関・類似性等を記述する場合、独自で研究したもの(「自分ではこう思う」の類)を記載するのではなく、信頼できる出典(原則としてドラマ制作側の公式コメントまたは大手の新聞の記事)に依って下さい。また、ノート:花子とアン#小説『赤毛のアン』からの推論による、ドラマのあるシーンとの関連性において、関連の議論がありますので、そちらもご覧下さい。 |
あらすじの加筆のかわりに登場人物節に1話放送毎・人物毎にストーリーを記述しないようにしてください(Wikipedia:スタイルマニュアル (フィクション関連)、Wikipedia:あらすじの書き方)。また連続投稿は控えてください。 |
花子とアン | |
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オープニング映像に登場するグリーン・ゲイブルズ(プリンスエドワード島) | |
ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 村岡恵理『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』(原案) |
脚本 | 中園ミホ |
演出 | 柳川強、松浦善之助 ほか |
出演者 |
吉高由里子 鈴木亮平 伊原剛志 室井滋 賀来賢人 黒木華 窪田正孝 松本明子 カンニング竹山 矢本悠馬 高梨臨 ともさかりえ 浅田美代子 石橋蓮司 仲間由紀恵 |
オープニング | 絢香「にじいろ」 |
時代設定 | 1900年(明治33年)[1] - 昭和時代中期 |
製作 | |
製作総指揮 | 加賀田透(制作統括) |
プロデューサー | 須崎岳 |
制作 | 日本放送協会(NHK) |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
本放送 | |
放送期間 | 2014年3月31日 - 2014年9月27日(予定)[2] |
放送時間 | 月曜日 - 土曜日8:00 - 8:15 |
放送枠 | 連続テレビ小説 |
放送分 | 15分 |
回数 | 156(予定)[2] |
公式サイト |
ドラマ |
『花子とアン』(はなことアン)は、2014年(平成26年度)上半期に、NHKの総合テレビジョンとBSプレミアムで放送される連続テレビ小説・第90シリーズの作品である。
企画・制作
『赤毛のアン』に代表されるモンゴメリなどの英米児童文学の日本語訳版を著し、明治から昭和の混乱期に翻訳家として活躍した村岡花子の半生をもとにしたテレビドラマである[3]。
村岡恵理(花子の孫)『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』[4]を原案に、フィクションストーリー[注 1]として中園ミホの書き下ろし脚本にて制作[5]。本作では実在の村岡花子を主人公のモデルとしながらも、彼女と『赤毛のアン』の主人公アンとを重ね合わせ、随所に『赤毛のアン』を彷彿とさせる場面を散りばめるといった脚色がなされている[6]。また花子の腹心の友として登場する柳原白蓮にもスポットをあてるなど、花子とともに激動の時代を生き抜いた人々も描かれる。
主役を演じる吉高由里子は、前作『ごちそうさん』の杏に続き、オーディションを介さず直接オファーによって決まった。人選について、当作品を製作統括する加賀田透は「オーディションにするか、キャスティング(直接オファー)にするか迷っていた3月頃に、映画『横道世之介』を見て、お嬢様育ちのヒロインを演じた吉高さんがいいのではないかと思った。スタッフも中園ミホさんも満場一致で支持してくれた」と経緯を説明した[7]。
劇中の語りは、美輪明宏が担当する。製作統括の加賀田透は、美輪を指名した理由について「『時空を越えて、過去も未来も自在に旅する人』、それが美輪明宏さんのイメージです。明治・大正・昭和にわたる『花子とアン』の世界に私たちをいざなってくれるのは美輪さんしかいないと思っております」と語っている[8]。また、脚本の中園も、劇中の語りの締めの言葉である「ごきげんよう」を使い慣れている人物が他にいないという理由から美輪を指名したという。美輪本人も、2014年4月7日放送の『スタジオパークからこんにちは』において、劇中で表現される当時の時代背景や文化を直接知る世代の人間として自分が語りに適役ではないかと判断し、依頼を引き受けた旨を語っている[9]。
ロケ地
2013年11月から山梨県などでロケーションが実施された[3]。ロケ地として山梨県甲府市内にオープンセットを設置して行われたほか、女学校の撮影に博物館明治村(愛知県犬山市)[10]、群馬大学工学部(群馬県桐生市)、東京の街並みにワープステーション江戸(茨城県つくばみらい市)などが使用された[11]。
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博物館明治村の建物(修和女学校外観ロケ地)※写真は北里研究所本館・医学館。
あらすじ
1945年(昭和20年)4月の東京大空襲の最中[6]、本作の主人公・村岡花子(旧名・安東はな)は「命より大事」な翻訳途中の Anne of Green Gables の原書を懐に抱え、子供たちを連れて戦火の中を逃げまどっていた。52歳の花子[13] が命がけで守り抜いたこの原書は、後年『赤毛のアン』の題名で翻訳出版され、日本中で人気を博することになる。
山梨県甲府の貧しい小作農家に生まれ育ったはなは、家の手伝いのため学校に通えなかったが、1900年(明治33年)7歳の時、行商人の父・吉平からもらった絵本に強い興味を持ち、父に導かれ尋常小学校に通い始める。読み書きを習い始めたはなの聡明さに感心した父は、彼女を東京のミッションスクール・修和女学校へ編入させようと動き出す。家族と周囲に反対され諦めざるを得なくなるものの、はなの本を愛する気持ちは3年の年月を経て母・ふじと祖父・修造の気持ちを動かし、女学校への転校が叶う(第1週)。
女学校へ転校当初、慣れない環境と苦手な英語に囲まれはなはホームシックになるが、課題で不正を犯し外国人教師を傷心させた際に校長から助言を受け、懸命に英語の勉強に取り組む決意をする。自分が話す英語で外国人教師と和解した喜びは、その後の英語の勉強への励みとなり、本科に進級した5年後には、英語の成績はクラスで一番になるほど優秀になる。さらに、通訳や英文の翻訳をするほどの実力を付け、英語力を認めた教師たちから、出版社のアルバイトを紹介されたり英語教師への推薦話が持ちかけられ、卒業式では校長の通訳の任務を果たす。そんな女学校生活で出会った編入当初からの同期・醍醐亜矢子は、友人としてはなを支え続け、本科時に編入してきた8歳年上の葉山蓮子とは当初は反発し合うものの、大文学会の演劇などを通して「腹心の友」となるまでに心を通い合わせ、青春時代を謳歌する(第2週 - 第6週)。
ほどなくして蓮子は葉山家の事情から福岡の実業家・嘉納伝助の元へ嫁ぐことが決まり、反対するはなと仲違いして女学校を去る。しかし伝助には愛人の子・冬子がすでにおり、蓮子を受け入れない女中らとの関係も悪く蓮子は嘉納家で孤立する。女学校を卒業したはなは当初希望していた東京の出版社への就職を諦め、故郷の小学校の代用教員に就任する。失敗が多く試行錯誤しながら教鞭をとるなか、ある生徒のために創作した童話『みみずの女王』が児童文学賞を受賞する(第7週 - 第8週)。その後は教職に専念し4年の月日が流れたある日、歌集を出版した蓮子からの手紙に触発され再び筆を執る。第二作『たんぽぽの目』は、かつてのアルバイト先の編集長・梶原聡一郎の好評を得て出版が決まり、同時に彼が創業する出版社への誘いを受ける。はなは悩んだ末に、本を作る夢を叶えるべく出版社の就職を決め、東京へ向かう(第9週 - 第11週)。
出版社「聡文堂」の編集者となったはなは、編集会議では提案が即却下され、歓迎会では悪酔いし、作家・宇田川満代から八つ当たりされた上に依頼を断られて落ち込むなか、取引する印刷会社の社員・村岡英治の計らいで英文の童話を入手し、積極的に翻訳に取り組む。翻訳され「王子と乞食」と題された童話は、創刊する児童文学雑誌に連載されることとなる。10年ぶりに再会した蓮子から指摘され、はなは英語に取り組む自分を応援し続けてきた英治に恋していることに気付き、亜矢子の片思いの相手と知りながらも、思わず彼に告白する。その日、英治から無言で抱擁されたはなであったが(第12週)、翌日再会した彼から、忘れるよう懇願される。英治から理由を聞けずやきもきした日々を送るはなであったが、実は英治が妻帯者であることを知ることとなる(第13週)。失恋の傷心が差障りとなり仕事で大きな失敗を続けたはなは、梶原から謹慎を言い渡されたことを機に帰省。そこで母から励まされ更に夢枕に表れた祖父の叱咤に目覚め、東京に戻ったはなは再び精力的に仕事に取り組んでいく(第14週)。そんななか、妻・香澄と死別した英治は独身を貫こうとするが、はなの幼馴染み・木場朝市の懇願や妻の遺言を知り、はなとの再婚を決める(第15週)。
登場人物
主人公
- 村岡花子(むらおか はなこ)/安東はな(あんどう はな)
- 演 - 吉高由里子(幼少期:山田望叶)
- 山梨県・甲府の貧しい小作農家の長女として生まれる。幼少より想像力が豊かで空想にふけることがたびたびある[14]。本名は「はな」だが、本人は「花子」と呼ばれることを望んでいる(#演出上の特色を参照)。酒に弱いうえに笑い上戸で酒癖が悪く、酒を呑む度に失敗を犯している[15][16]。
- 父の計らいで学校に行けるようになってから読み書きの才能を見せ始め[1]、10歳で東京の名門・修和女学校に給費生で編入し寄宿生となり、汽車賃を惜しんで5年間一度も帰省せずに過ごす。当初は苦手な英語の課題をめぐって退学瀬戸際まで追い詰められるものの辛くも逃れ、同時に英語への情熱を育むこととなる[17]。特に「パルピテーション」(palpitation)が大切だと教えられる。この言葉は医学用語で「動悸」だが、「やる気、胸のときめき」くらいの意味で使われている。
- 女学校時代、何度か退学の危機に直面するが、理解ある教師や友人や家族たちの支えで乗り越える。一方、英語の成績は本科へ進級した頃には学年一になり、自ら校長の通訳や英文の翻訳をこなしたり、女学校の英語教師へ推薦の話が持ちかけられたりし、卒業式時には学校側から正式に校長の祝辞の通訳を依頼されるまでになる[18][15][19]。
- 本科時代にアルバイト先の出版社・向学館(こうがくかん)で手がけた英文の翻訳が好評を受けたことを機に、翻訳家の道に興味を示す[20]。その後、向学館での採用が決まるが、帰郷を願う母の気持ちを知り採用を辞退し、故郷の尋常小学校の代用教員になる[19]。代用教員になって間もない頃、一人の女子生徒との交流をきっかけに初めて「安東花子」のペンネームで書いた童話「みみずの女王」が「児童の友賞」に入選する[21]。その4年後、二作目の「たんぽぽの目」が初めて本になると共に新たな出版社・聡文堂(そうぶんどう)から社員としての誘いを受け、6年間勤務した小学校を退職して再び東京へ旅立つ[22]。
- 聡文堂では新刊の児童雑誌『ニジイロ』の編集者として作家・宇田川満代に執筆してもらうために頭を下げ、夜中は同誌に載せる英国の小説「王子と乞食」の翻訳に奮闘する。聡文堂に出入りする印刷屋の村岡英治に恋心を抱くが、実は英治が既婚者であることを知らされ、自分が道ならぬ恋をしていることに気付き悩む日々を送る[注 3][16][23][24]。そのため編集者としての仕事に身が入らず、重大なミスを次々に起こしたため、編集長から謹慎処分を言い渡され、傷心のまま甲府に帰省し、泣きながら図書室で思い出の英語辞典を投げ捨てようとするが、朝市に制止される。その後で夢の中に現れた祖父から叱責され、自分の果たすべきことを母から諭されて、仕事に復帰する[24]。その後、妻を病気で亡くした英治と紆余曲折の末に結婚。結婚式において「花子」を名乗ることも神の前で誓う。結婚後は息子・歩を育てながら自宅で翻訳の仕事を続ける[25]。
- 第1回の冒頭における昭和20年(1945年)4月の東京大空襲[6]の時点では、翻訳家として大森(東京・大田区)に在住する[26][27]。劇中では時折、昭和20年における52歳の花子が登場し、彼女が『赤毛のアン』の翻訳作業を進めながら過去の思い出を回想するという形でストーリーが進められる[注 4]。
山梨・甲府の人々
安東家の人々
- 安東吉平(あんどう きっぺい)
- 演 - 伊原剛志
- はなの父。静岡の出身で[22]、仕事のために訪れた甲府でふじと出逢い結婚した。生糸を東京で販売し、その収益で日用品を買い付け甲府に帰って販売する行商をしているため、年の半分は不在にしている[28]。
- 理想家で新しい物好き[14]。幼少時に学校へ行くことができず奉公などで苦労した経験から、学問の大切さを痛感している。はなの読み書きに対する強い興味と才能を見抜き、貧しい家の境遇を顧みず、はなを東京の女学校へ入れようと奮闘する[28]。はなが修和女学校の寄宿舎に入った後も様子を気にかけ、たびたび学校を訪問するが、阿母村でははなの自慢ばかりで他の子供たちを顧みない父親と思われており、特に息子の吉太郎からは強い反発を買う[18]。
- 行商中に出くわした社会主義運動家・浅野中也の演説に共感する。浅野から依頼され、彼の思想について書かれた新聞や書物を人々に教えを説きながら行商する「伝道行商」を行うが[17][18][15]、浅野が警察に逮捕されたことにより身の危険を感じ、長い旅に出るとはなに言い残して失踪[20]、女学校のはな宛に居場所の記されていない葉書を数回送った後[19]にはなの卒業後は完全に音信不通になる。
- 仲間の故郷である新潟の山奥などに逃亡を続ける中で自分は逮捕されないことを知り、4年ぶりに帰宅、吉太郎から自分の留守中に困窮する家族の苦労を初めて聞かされて反省し[29]、以後は借金返済の為に元の行商に勤しむ[30]。
- 行商中に知り合った人妻・サダとの浮気疑惑を持たれ、怒ったふじから家を追い出される羽目になる。徳丸家や教会で寝泊まりする[30]なか、病床の周造との和解を経て家族のことを託され、浮気は誤解と判明し再びふじに受け入れられる。以来、周造に代わりふじと共に畑仕事に出るようになり、周造亡き後の仏前にて、行商をやめて家に落ち着き百姓に専念することを誓う[22]。
- その後、百姓の生活に変化を求め、百姓仕事の傍ら甲州産のぶどうでぶどう酒を作り全国に広めたいと夢を語る[24]。
- 村岡英治がはなとの結婚を申し込みに来た際には彼を気に入りつつも、彼が前妻と死別していることに難色を示すが、ふじの言葉で考えが変わり、2人の結婚を認める。はなと英治の結婚式において、異議を唱える英治の父・平祐に対して「考え方が古い」と不快を述べ、近所の朝市や娘たちや英治の弟・郁弥と共に賛成側に回る[25]。
- 安東ふじ(あんどう ふじ)
- 演 - 室井滋
- はなの母。夫・吉平とは、甲府で行商中に倒れた彼に出くわし介抱したことをきっかけに知り合い、村を出たことがない自分に見知らぬ地の話題を楽しげに教えてくれる彼に惹かれ結婚した[28]。
- 貧しい家の境遇にもかかわらず理想ばかりを追い求める夫に振り回されながらも、明るく家庭を切り盛りしている[14]。学校に通ったことがなく読み書きができないが、本を愛するはなの気持ちは理解している。はなが10歳の時、家のために頑張ってきた彼女の「多くの本に囲まれたい」夢を叶えるべく、女学校への進学に同意し、反対する周造に夫婦で頼み込む[28]。
- はなが上京してからの5年間、送られてくる手紙を近所の朝市に代読してもらい、はなへの手紙も代筆してもらうが、やがて自分でも手紙を書きたくなり、朝市から字を習い始め、平仮名と片仮名の読み書き程度はできるようになる[20][19]。蓮子が初めて安東家を訪れた際には、彼女が誰にも言えない悩みを抱えていることを察し、家族同然に温かく受け入れる[20]。
- 女学校卒業を目前にして東京での就職を希望するはなに対し、表向きは好きなようにすれば良いと励ましつつも実際は故郷に戻ってくれることを望み、はなが最終的に帰郷することを知って安心する[19]。その後、吉平が4年ぶりに帰省し、長年の失踪の理由を知って呆れつつも、彼が社会的に何の影響力もない小者であるため警察から目を付けられずに済んだことを安堵し、吉平を快く許す[29]。
- はなが教師になって4年後には、吉平の恋人を名乗るサダが突如現れたことで憤慨し吉平を家から追い出すが、ほどなく誤解と判明し和解する[22]。はなが再び東京へ立って間もなく失恋して家に帰って来た時には、彼女に同情しつつも、毅然として彼女が果たすべきことを教え諭し、叱咤激励して彼女を仕事に復帰させる[24]。
- 英治がはなとの結婚を申し込みに来た際には、2人の様子を見て、自分たち夫婦が周造に結婚の懇願をした姿と重ね合わせて理解し、結婚を承諾する[25]。
- 安東周造(あんどう しゅうぞう)
- 演 - 石橋蓮司
- はなの祖父で、ふじの実父。入り婿の吉平とはそりが合わず、ふじを困らせる[14]。吉平がはなを東京の女学校へ入れたいと言い出した際も、孫娘を手放したくない思いもあり反対するが、3年後、娘夫婦に揃って頭を下げられ、はなの東京行きを認める[28]。自分の娘を「ふじ」と名付けるほど故郷の富士山に愛着を抱いている。富士山は山梨から見る方が表であると主張しており、他県の人々が山梨から見た富士山を「裏富士」、静岡から見た富士山を「表富士」と呼ぶことを非常に嫌っている[22]。
- 陰日向に孫たちに愛情を注いでおり、5年振りに帰省したはなが女学校をやめて働きたい旨を訴えた際、「百姓ではなく勉強に専念して自分たちに作れないものを作ってほしい」とはなを諭し、女学校へ戻るよう促す[18]。また、吉太郎が一生百姓仕事だけを続けることに迷いを感じている心情も察し、理解している[15]。吉平が4年もの失踪から戻った際には、吉平に憤る吉太郎をなだめつつ、吉平に家族全員に対して取るべき責任を考えるよう促す[21]。
- 吉平の浮気疑惑の騒動のさなかに心臓の病で倒れる。その後、字が読めないために病床ではなの作品『たんぽぽの目』を吉平に読み聞かせてもらったことを機に吉平と打ち解けて和解し、家族のことを吉平に託した後に他界する[22]。他界後も、はなの人生の節目において、彼女の目の前に幻の形で現れる[31]。
- 名前の「周造」は、『赤毛のアン』に登場するアンの育ての親・マシューをもじったものである。また、彼の口癖である「そうさな」も、『赤毛のアン』におけるマシューの口癖に由来している[32][33][注 5]。
- 安東吉太郎(あんどう きちたろう)
- 演 - 賀来賢人(幼少期:山崎竜太郎)
- はなの1つ年上[14]の兄。小学校に通っていたが、勉強が嫌いで学校をやめ、家の農作業の手伝いに専念する。勉強嫌いが原因で父に疎まれていると思っており、家を出ようと考え、はなが奉公に行く予定だった長野の材木問屋へ自ら行くことを志願し旅立つ[28][注 6]。3年後に奉公を終えて帰宅した後も、吉平とは距離を置き続け、彼が失踪から戻った時には、家族らの苦労を知らず長年家を顧みない無責任さを叱責し、吉平を安東家に必要ないと罵るが、後日軍隊に入営するため旅立つ時には、背後から自分を見守る吉平の存在に気付き、一礼して去って行く[29]。
- 自ら勉学の道を選んだはなや朝市に対して複雑な思いを抱き、百姓だけで一生を終える境遇に嫌気を感じるなか[15]、甲府の町で陸軍連隊の大行進を目撃したことがきっかけで軍隊に強い憧れを抱き、家族たちの反対を押し切って軍人への道を希望する[15][34]。はなが教員になって間もなく徴兵検査に甲種で合格[21]、同年の秋に入営し、2年間の兵役終了後も軍隊に残り、職業軍人を目指す[29]。入営から4年後には志願して憲兵になり[30]、その翌年には伍長に昇進し[注 7]、任務として社会主義運動を行う宮本龍一を尾行するなか、偶然訪れたカフェー「ドミンゴ」で、はなとかよと5年ぶりに再会する[23]。
- 軍人になる前、はなの友人・蓮子に淡い恋心を抱くが、後日に蓮子の婚約を知って失恋する[19]。数年後、蓮子が宮本と行動を共にする姿を東京で目撃し、蓮子に彼と関わらないよう忠告する[23]。
- 大正10年(1921年)、花子の息子・歩に会うために上京した両親と7年ぶりに再会。両親とは敬語で会話をするようになる[25]。
- 安東かよ(あんどう かよ)
- 演 - 黒木華(幼少期:木村心結[35])
- はなの2つ年下の長妹[14]。幼少期、姉の上京後は妹の世話をする[17]。
- 上の学校へ行くことが叶わない自らの境遇に複雑な思いを抱きつつ[18]、女学校で奮闘する姉を憧れ慕う[14]。はなが修和女学校に進学してから5年後、生活のために製糸工場へ女工として働きに出る[18]。過酷な労働ながらも友人の女工と支え合い勤務を続けてきたが、彼女が病気で辞めたことをきっかけに心が折れ、前払いされた賃金分の勤務を果たさず工場から脱逃して女学校のはなを訪ね、寄宿舎にて保護される。その後、女学校の下働きを経て、外国人教師たちの服を縫う洋服店に見習い奉公に行き[19]、女工時代よりも恵まれた環境で仕事に励む[21]。しかし、数年後はなが出版社就職で再上京時には、家族たちに何の連絡もせずに洋服店の仕事を辞め、制服である綺麗な着物への憧れと給金の他に貰える客からのチップで母に仕送り出来る理由から銀座のカフェー「ドミンゴ」の女給に転職している[16][注 8]。
- 「ドミンゴ」に来店する村岡郁弥から興味を持たれ言い寄られるが、蛋白な対応を続ける[23]。村岡英治が既婚者であることを偶然に郁弥から聞かされるが、その事実をはなが知れば傷付くと考えて意図的に隠し続け、それがはなの悩みを余計に助長することになる[23]。英治に失恋したことで仕事に支障をきたしたはなに対し、甲府へ帰省するよう勧める[24]。
- はなが結婚する事になり、数年ぶりに帰省した際に、製糸工場を逃げて両親に借金を背負わせた事を謝罪する[25]。
- 安東もも(あんどう もも)→森田もも(もりた もも)
- 演 - 土屋太鳳(少女期:渡邊れいら、幼少期:須田理央[36]、乳児期:黒沢莉愛・奥寺心優・佐藤紅[37])
- はなの6つ年下の末妹[14]。幼少期は、はな以外の言うことを聞かず困らせる[28]。
- 幼少時、兄の吉太郎が軍人を志した際には、家族でただ一人彼を応援するが[34][20]、吉太郎が徴兵検査に合格して入営する日には、ふじと共に泣いて彼を見送る[29]。はながふじの気持ちに気付かず女学校の卒業後に東京での就職を希望した際には不満を抱き、ふじが出そうとして出せなかった本音の葉書をはなに送り、彼女に帰郷を決意させる[19]。
- 幼い頃から朝市に想いを寄せるが、朝市ははなに恋していることを知り失恋、間もなく父が勧める北海道で事業を開拓する森田との縁談を受け入れ、朝市に告白した後に旅立って行く[30][注 9]。
- 数年後、はなの結婚式のために帰省。英治の父・平祐が息子とはなの結婚に異議を唱えた際、かよ・郁弥と共に賛成側に回る[25]。
木場家の人々
安東家と同じく小作農家。
- 木場朝市(きば あさいち)
- 演 - 窪田正孝(幼少期:里村洋)
- はなの幼馴染みで同級生。はなに恋心を抱いており[14]、彼女に何かと親切に接する。
- 本が好きで、いつも本を読んでいる小学校時代を送る[28]。はなが女学校へ転校後、読み書きのできないふじに頼まれ、はなからの手紙を読んで聞かせると同時に、はなへの手紙を代筆する[17]。
- はなが女学校へ転校してから5年後、勉強をしたい気持ちを抱きつつ、小学校卒業後は進学せず家業の百姓を継ぐ傍ら、ふじに字を教える役目を新たに引き受ける。帰省したはなと再会したことをきっかけに、沢山の本がある教会で読書を始め、独学ながら勉強を再開し[18]、やがて教会の森牧師の勧めで教師になることを決意し、師範学校進学を経て、はなと一緒に故郷の尋常小学校で働くことを決める[15][19]。物心つく前に父を日清戦争で失っており、軍人を志望する吉太郎に複雑な感情を抱く[34]。
- はなに恋心を抱いていることを安東家のほぼ全員と母に知られているが、肝心のはな本人からは全く気付かれていない。ももから諭され、意を決してはなに想いを伝えようとするが[30]、結局伝えることは出来ず、出版社へ就職するはなを後押しして見送る[22]。
- はなが帰省した時、図書室の窓から英語の辞書を投げ捨てようとするのを制止する[24]。
- その年の冬、徳丸武(後述)のお伴と称して、はなの様子を見るために上京し、カフェー「ドミンゴ」で英治と初対面し、自分でははなを幸せにしてやることはできない旨を告白した上で、はなの気持ちを真面目に受け止めてくれるよう英治に伝えて甲府へ帰っていく。[38]。その後、はなと英治の結婚式の場で平祐が2人の結婚に異議を唱えた際には、はなに恋心を抱いている立場として彼も異議を唱えるよう母から勧められるが、彼自身は2人の結婚を祝福し、吉平たちと共に賛成の側に回った[25]。
- 木場リン(きば リン)
- 演 - 松本明子
- 朝市の母。夫は日清戦争で戦死し、息子たち[注 10]と暮らしている。吉太郎からは「村一番のおしゃべり」と呼ばれている。「農業の役には立たない」と学問を嫌悪しており、修和女学校編入を目指す幼少期のはなと吉平についても、否定的に周囲に吹聴する[28]。さらに、百姓仕事をせず勉強のために熱心に教会に通う息子の朝市をも親不孝者と罵り、教師を目指す彼の決意を聞いて卒倒する[15]。吉太郎の軍隊志願を知り、夫の死を思い出し深く悲しむ[34]。周造の死後は、子供たちが全員故郷を離れて夫婦二人だけになる安東家の面倒を見てくれるよう、はなから依頼される[22]。
- 「村一番の情報通」として、はなの身辺等に関する噂を村中に伝えるという人物設定は、小説『赤毛のアン』のリンド夫人に共通するものである[32]。
徳丸家の人々
裕福な暮らしぶりの地主。安東家や木場家をはじめ、はなの住む村で多くの小作人を抱えている。
- 徳丸甚之介(とくまる じんのすけ)
- 演 - カンニング竹山
- 甲府一の大地主と呼ばれ、生糸を扱う商店も営む。地元の有力者で、小作人たちから恐れられているが、息子・武の勉強嫌いと成績の悪さに頭を抱えている[17]。
- 幼馴染みであるふじを「ふじちゃん」と呼び、彼女の困窮時に金を貸したり、借金の肩代わりをするなど、何かと世話を焼く。吉平が失踪中のふじに、自分と再婚するよう、幾度となく遠回しに持ちかけるが、ふじには想いが届かずにいる[19][29]。しかし、ふじにとって吉平が最も大切な男性であることは十分に理解しており、吉平の浮気疑惑を知った際には、彼に対し怒りを露にするが、追い出された吉平を1晩だけ泊め、周造が倒れても借金返済のためと行商へ出かけようとする吉平に、ふじの側にいるべきと説得する[22]。
- 幼少時のはなから頼まれ奉公先の斡旋をするが、実際には吉太郎がはなの代わりに奉公へ行くことになる[28]。その後、はなが家族を助けるために東京の女学校をやめて働きたいと再び希望した際には仕事の口はないと断る[18]。
- 明治42年(1909年)から甲府に陸軍連隊が常駐することになり、これに伴う景気の向上を見込んで将来に期待を寄せる[15][34]。吉太郎の入隊が決まった時には、彼のために賑やかな壮行会を開き、入営の日には安東家の人々と共に彼を見送る[29]。さらに、後年にははなと英治の結婚式にも立ち会う[25]。
- 大正8年(1919年)からは生糸のほかに甲州産のぶどう酒も店で扱い始めたことが武の口から語られる[38]。
- 徳丸武(とくまる たけし)
- 演 - 矢本悠馬(幼少期:高澤父母道)
- はなの幼馴染みで同級生。幼少時には地主の息子であることを鼻にかけて威張り散らしており、取り巻きを何人も引き連れて、はなの名前や貧乏な境遇をからかったり、いじめたりする[28]。はなが転校先で英語を学んでいると知り、村では英語など役に立たないと馬鹿にするも逆に父から叱咤され、地主の息子として小作人の娘に負けないよう精進するよう諭される[17]。
- その後、隣町の商業学校に進学するが、学校の成績の悪さで、相変わらず父から怒鳴られる。帰省途中のはなを偶然見かけ彼女とは気付かず心を奪われるが、正体が判明すると再び手のひらを返すようにはなを見下し、小学校の頃と変わっていないと彼女と朝市に評される[18]。はなの結婚に関する想像上の中では、彼女にとって不本意な相手として登場する[34][29]。卒業後は父の店で働いているが[29]、幼少期の取り巻きはいなくなり、朝市とも力関係が逆転して、顎で使われる有様となる[25]。
- 大正8年(1919年)の冬、父の使いで甲州のぶどう酒を東京へ売り込むため、朝市と共に初めて上京。朝市の前では知ったかぶりをしながら彼自身もお上りさんの態度を丸出しにしつつ、カフェー「ドミンゴ」の女給たちや、はなの友人である亜矢子に見とれて鼻の下を伸ばすが、彼女たちからは全く相手にされずに終わる[38]。
阿母尋常小学校の人々
はなと朝市の母校。後にはなと朝市が教師として就任することになる。
- 本多正平(ほんだ しょうへい)
- 演 - マキタスポーツ
- はなの尋常小学校時代の担任[28]。はなと朝市が教師として就任時には校長に昇進している[21]。標準語や英語を発する際に訛りが抜けず、吉平とはなからたびたび指摘を受けている[28][21]。はなが教師になった当初は彼女を教師失格と見なしていたが、生徒たちの要望により彼女を解雇することはなく、1年かかってようやく一人前の教師と認める[29]。はなが職業作家になるために教師を辞めて学校を去る時には、彼女を「この小学校の誇り」と称えて送り出す[22]。
- 緑川幾三(みどりかわ いくぞう)
- 演 - 相島一之
- はなと朝市の同僚で、男尊女卑の考えを持つ教師。東京のミッションスクール卒業で英語が堪能なはなを気に入らず、何かと嫌味や毒舌を口にし、早く結婚して退職するよう執拗に勧めるが[21][30]、その一方では彼女が書いた『たんぽぽの目』の本を自分で買って読んでおり、本人から感謝される[22]。はなが教師を辞めて学校を去る時には、他の教師たちと共に「元気で頑張れ」と餞の言葉を贈る[22]。
- 合田寅次(あいだ とらじ)
- 演 - 長江英和
- はなと朝市の幼少時には教会の番人をしており、教会に忍び込んだ2人を見付け追いかけようとする[28]。はなと朝市が教員に就任時には小学校の小使いとして勤務している[21]。
- 小山たえ(こやま たえ)
- 演 - 伊藤真弓
- はなが担任をする組の女子生徒。幼少時のはなと同じく家が貧しく、赤子を背負って登校し、空想好きである。そんな様子が級友たちのからかいの的となっている[21]。
- 母は他界し、父は働きに出ている為に不在がちである。後に赤子の弟は里子に出され、たえ自身も親戚の家に引き取られることとなり、村を去る前日に安東家を訪れてはなの家族と夕飯を共にしたり、はなの案内で教会の図書室へ行き、つかの間の読書を楽しむ。この時にはなが彼女にせがまれて即興で考えた物語を元に書いた童話「みみずの女王」は、後日「児童の友賞」に入選する[21]。後日、たえ自身も父から与えられた『児童の友』に掲載されていた「みみずの女王」を読み、その感想を手紙に書いてはなに送る[29]。
その他の山梨・甲府の人々
- 森 牧師(もり ぼくし)
- 演 - 山崎一
- 地域の教会の牧師。はなを東京のミッション系女学校に入れたいと願う吉平から、はなに洗礼を授けてほしいと頼まれるが、それには家族の理解と協力が必要であると説く。また、吉平からはなの才能を活かすために修和女学校の寄宿舎へ入学させたく周囲への説得を懇願されるが、はなが辛い思いをするとして反対する[28]。その後、修和女学校で英語を学ぶはなに触発されて勉強を再開した朝市を応援し、彼に教師の道を勧める[15]。はなと英治の結婚式の際には、朝市から頼まれて司式を執り行う[25]。
- 連隊長
- 演 - 田中伸一
- 明治42年から甲府に常駐することが決まった陸軍連隊の指揮官。まだ17歳の若さで熱心に入隊を希望する吉太郎の意気込みを評価しつつも、20歳の徴兵検査までは親孝行に励むよう諭す[34]。徳丸から接待を受けた際に飲んだ甲州産のぶどう酒を絶賛する[34]。
- 望月啓太郎(もちづき けいたろう)
- 演 - 川岡大次郎
- 徳丸家と肩を並べる大地主の息子で青年実業家。「児童の友賞」を受賞したはなに興味を持ち、さらに彼女が英語も出来ることを知り、甚之介の仲介で見合いを申し込む。結婚のあかつきには彼が安東家の面倒を見ること、家事育児は全て使用人に任せてはなの好きなことをしてよい(ただし教師は辞めること)などの好条件を持ちかける。はなと出会いときめきを感じるが、彼女にその気が無いことを察し、自ら縁談を破談にする[29]。
東京の人々
修和女学校の人々
教職員
- ブラックバーン校長
- 演 - トーディ・クラーク
- 校長。英語教育に熱心なカナダ人教師で、規律に厳しく、英語の分からない編入当時のはなからは「鬼みたいにおっかない」と恐れられる[17]。
- 英語の基礎を効率良く生徒たちに学ばせるため、自ら考案した独特な英語教育を実践する[注 11]。規則を守らない生徒や不正を犯した生徒に対しては「Go to bed!」(ベッドに行って寝てきなさい!)と命令し、食事抜きで長時間床に就かせ反省を促すのが常である[17]。その他にも規則違反をした生徒に反省文を書かせたり罰掃除を課すなど、生徒たちには厳格な態度で接するが、その厳しさの根底には生徒たちへの深い愛情が込められている[注 12]。
- はなや蓮子のように重大な問題行動を起こした生徒に対しては、退学も辞さない厳とした態度で接するが、一度本人から反省の念を確認すると温情を示して退学処分を取り下げるなど、教育者としての度量の大きさを見せる[17][15]。日本人と会話をする際には、英語教師の富山もしくは はなによる通訳を通す場合が多い。
- はな達の卒業式では、「過去を懐かしむのではなく、人生の最後まで希望と理想を持ちながら進歩を続けて行かなければならない」旨の祝辞を贈る[19]。
- 花子(はな)が息子を出産した際には、花子の友人・亜矢子の案内で村岡家を訪問し、花子を祝福するが、その直後に村岡家の上空を飛行機が飛んでいく様子を目撃した際、当時まだ発展途上であった飛行機がやがて戦争に悪用されるかもしれない可能性を危惧する言葉を言い残す[25]。
- 実際の村岡花子が学んでいた東洋英和女学院の当時の校長であったミス・ブラックモアがモデル[39]。
- 茂木のり子(もぎ のりこ)
- 演 - 浅田美代子
- 裁縫教師。寄宿舎の寮母でもある。はなが編入した当時、まだ幼く親を恋しがるはなの心情を思いやり、厳格な校長や富山のなだめ役も務める[40][14]。その反面、行儀作法にはうるさいと言われる[注 13]。はなが本科の生徒になってからも、はなの日常の規則違反を穏やかにたしなめつつ、陰では何かとはなのために便宜を図る姿勢を見せる[18]。特殊な家庭事情を持つ新たな編入生の葉山蓮子に対しては、特に過剰なほどの気遣いを見せる[15]。
- 明治維新により没落した士族の家に8人姉弟の長女として生まれ、父親が早くに亡き後、母の内職を手伝い弟や妹の面倒を見ながら苦労して勉強に取り組み、師範の資格を取得した過去を持つ。そのため、似たような境遇に育ったはなに昔の自分を重ね合わせて見ている。蓮子が起こした問題行動により、はなが退学の危機に直面した時には、謹慎中で落ち込む彼女を「苦しみに耐えた分だけ、人は成長する」と優しく慰め励ます[15]。その一方では、生徒たちを守るために木製の薙刀を振りかざして不審な侵入者を撃退する勇ましさも見せる[19]。また、寄宿舎に逃げ込んだかよのために新たな仕事の口を紹介する[19]。
- 富山タキ(とやま タキ)
- 演 - ともさかりえ
- 英語教師。校長の通訳も兼ねている。編入当時は田舎育ちで英語の基礎も解らないはなの指導に手を焼き、彼女に冷たい態度を示す。また校長や茂木に対しても遠慮のない苦言を呈し[17]、時として感情的すぎると校長からたしなめられる場合もある[18]。他の生徒たちからも「鉄の女[41]」と恐れられるほど誰に対しても厳しく、本科に進級したはなの英語の成績が学年一になっても、自分の授業の方針に沿わないとして対立する[18][15]。しかし、はなが卒業を間近に控えた頃、はなを女学校の英語教師に推薦しようとしたり[注 14]、卒業式においての校長の通訳を託す等、英語の実力を認める。はなの卒業時には「自分の運命を決めるのは自分自身」との言葉を贈る[19]。
- かつて修和女学校の高等科時代に大文学会で『ロミオとヂュリエット』の主役のヂュリエットを演じ、観客の梶原から見初められて恋人同士になるも、裏切られて失恋した過去があり、以来独身のまま一切の恋愛事に対して拒絶反応を示し続ける。後に単身となった梶原と再会し求婚されるが、「つかみ損ねた幸せはもう取り戻せない」として断り、あくまで教職に専念する道を選ぶ[34][20]。
- スコット先生
- 演 - ハンナ・グレース
- 外国人教師。修和女学校への赴任を機に別れた恋人が故郷にいる[17]。
- 外国人教師の中では最もはなに親切で[注 15]、美声の持ち主でもある[40]。彼女が恋人を想って毎夜歌う歌は、はなが初めて英語に興味を示すきっかけとなる[17]。
- 校長が出した英語の課題を巡りはなとの間に溝ができるが、後日、彼女が必死で覚えた片言の英語による謝罪の言葉を聞き、快く許す[17]。
- はなが本科生の時には、プライベートではなにクッキーの作り方を教えるほどの親しい間柄になる[18]。また、はなの卒業間近に学校の下働きとなったかよにも親切に接する[19]。
- 花子(はな)が息子を出産した際には、ブラックバーン校長と共に村岡家を訪問し、花子を祝福する[25]。
- 白鳥かをる子(しらとり かをるこ)
- 演 - 近藤春菜(ハリセンボン)
- はなが女学校の寄宿舎に入舎した当初の同室の先輩。基本的には親切であるが、言葉遣いや上下関係の礼儀に厳しい。女学校に無断進入した男性を地面に叩き付けて簡単にねじ伏せる怪力の持ち主でもある[20]。
- 良縁に全く恵まれず、卒業後は女学校の職員として勤めるが[18][注 16]、婚期を逃した腹いせで生徒たちへの風当たりが強くなっていると評され、特に、編入当初から高飛車で挑戦的な態度の蓮子とはあらゆる場で対立する[15]。
- 高等科の女学生時代には言語矯正会の会長役を務め[17]、職員になってからもはなの甲州弁や生活態度をたびたび苦言し続けていることから劇中の語りでは「はなの天敵」と称されるが[18]、はなの卒業時、実は白鳥自身も山梨の勝沼[注 17]出身であるとともに甲州弁の話者同士であることを明かし、同郷のはなを「山梨の誇り」と称えて送り出す[19]。
- 綾小路先生
- 演 - 那須佐代子
- 国語教師。生徒たちに「女徳」などの道徳や古典を教える[17][15]。
- フィリップス先生
- 演 - サラ・マクドナルド
- 外国人教師。
- その他の外国人教師
- 演 - タニア・ザッキドニアク
女学生時代の友人
- 葉山蓮子(はやま れんこ)→嘉納蓮子(かのう れんこ)
- 演 - 仲間由紀恵
- はなの本科生時代にやって来た編入生で、葉山伯爵の異母妹。趣味は短歌で、与謝野晶子を敬愛し[注 18]、歌人として「白蓮(びゃくれん)」を称する[15][34][20]。はなとは同じ学年だが年齢は8歳上。寄宿舎における自分の世話係としてはなを指名して以来、彼女と深く関わっていく[15][注 19]。
- 先代伯爵と愛人の芸者との間に生まれる。乳母に育てられ、14歳で政略結婚によって子爵家に嫁ぎ、16歳で出産するがその子供を取り上げられた生い立ちを持ち、家族の愛情を知らずに生きてきた。揉め事を起こし離縁された後、酒に溺れ何人もの男性たちと遊び歩いたと噂されており、体裁を重んじる兄から疎まれ「幽閉」される形で修和女学校に編入する[34]。
- 編入当初は、級友や教師に対し高飛車かつ自由奔放に振る舞うが[15]、はなとは、彼女に葡萄酒を勧め酒乱騒ぎになった件の諍いや、兄への嫌がらせを込めて『ロミオとヂュリエット』のヂュリエット役を演じた大文学会での葛藤と和解を経て、「はなちゃん」「蓮さま」と呼び合い文学を語り合う「腹心の友」となる[43][20]。はなの翻訳家としての才能を最初に見出したと自称し、将来翻訳家になった時のペンネームを「花子」にするよう提案する[20]。
- しかし後日、兄が強引に進める嘉納伝助との縁談を[20]、表向きは「自ら望んだ」と偽り、伝助が福岡に創設される女学校の経営に関わることに唯一の希望を抱き、結婚に反対するはなと決別する形で福岡に嫁ぐ。再婚後、聞かされなかった夫の実態が次々と明らかになり愕然としながらも、伝助と義娘の冬子に上流社会の礼儀作法を教え込もうと奮闘するがうまく行かず、女中たちからも疎まれ、嘉納家の中で孤立を深めていく[19]。さらに、創設される女学校については、伝助は出資のみで運営には関わらないと知り、理想の女学校を作りたい蓮子の夢は砕け散る。次第に政略結婚の現実を知り自棄になるとともに、芸術や文学に理解の無い伝助への当てつけに頻繁に自宅でサロンを開くようになる[29]。
- はなの「児童の友賞」受賞から4年後、「歌集が売れればお金になる」と伝助を説得し、伝助の出費により自著の歌集『踏絵[注 20]』を出版。処女作以来執筆活動の様子が無いはなに痺れを切らし、『踏絵』の本を同封した手紙を彼女宛に送る[30]。後日、それを受けて奮起したはなから『たんぽぽの目』の本を送られて喜ぶ[22]。
- 再婚から10年後、上京する機会を得て、カフェー「ドミンゴ」ではなと再会。彼女と英治の様子を見て、無意識ながらも相思相愛同士と気付き、それぞれに助言をする[16]。また、同じ日に出逢った宮本とは、後日に演劇の脚本の執筆を依頼されたことを機に接近し[23]、彼に恋慕するようになる[24]。しかし、宮本との密会の場であった「ドミンゴ」に伝助が現れたことで、宮本との関係を伝助に感付かれそうになり、宮本を知り合いではないと否定してしまう[38]。後日、宮本から別れを告げる手紙を送られて動揺し、彼のために全てを捨てて一緒になる覚悟を示す返事の手紙を書く。後日、嘉納家を訪問した宮本と再会し、互いの気持ちを確かめた上で、二人で駆け落ちを成功させるための計画を実行。大正10年の夏、花子(はな)の出産祝いにかこつけて、仕事のために東京へ向かう伝助に伴って上京するも、なかなか脱走の機会がなく焦っていたが、伝助に急用ができたのを幸いに宿から抜け出し、宮本と待ち合わせの約束をしていた「ドミンゴ」へ走る。駆け落ちを成功させた翌日、伝助に宛てて絶縁状を書き、宮本に郵送を頼むが、その絶縁状は彼女の意に反して新聞社へ送られ、日本国内を騒がせる一大スキャンダル事件へと発展する[25]。
- 村岡花子と親交があった歌人の柳原白蓮がモデル[44]。
- 作中では準主人公の位置付けがされており(後述)、彼女が出演する回では、クレジットで必ずラストの紹介(トメ)となっている。
- 醍醐亜矢子(だいご あやこ)
- 演 - 高梨臨(幼少期:茂内麻結)
- はなの友人で貿易会社の社長令嬢。名前は、「赤毛のアン」の登場人物であるダイアナを日本語風にもじったものと指摘されている。[要出典]
- 両親の海外赴任により、はなと同時期に修和女学校に編入。同学年で寄宿舎も同室であることから、はなの最初の友人となる[17]。はなに対しては、奥手な彼女の初恋を応援したり[18]、退学を阻止するために尽力したりと世話を焼く[17][15]。しかし、本科生時代に蓮子が編入してきて以来、はなが自分よりも蓮子との関係を優先させるようになり、一時期はなに対して苛立ちを覚える[34]。
- 幼少時より貿易商の父親から英語を教わっており、編入当初から英語が得意であった反面、掃除は全て使用人に任せていたため、はなと対照的に掃除が大の苦手[17][18]。他の多くの生徒たちと同様、容姿端麗で家柄のいい理想的な男性との結婚を夢見ている。大文学会でロミオ役を演じた後、実家に戻って通学生になり、見合い三昧の日々を送った末[20]、卒業間近に医者と婚約するが、相手に恋のときめきを感じないことを理由に自ら婚約を破棄し、はなの紹介で「向学館」に就職する[19]。
- はなが自分を「花子」と名乗っている件については「はなの方があなたらしい」と取り合わず、はなが「安東花子」のペンネームで童話「みみずの女王」を向学館に投稿した際には、雑誌への掲載時に彼女のペンネームを勝手に本名に変更し、「児童の友賞」の授賞式の場で騒動を引き起こす[21]。その後、出版社「聡文堂」を創業する編集長の梶原に伴って移籍し、同僚になったはなと共に新たな編集の仕事を始める[16]。
- 占い師の助言を受けて以来、出版社の取引相手である印刷屋の村岡英治に想いを寄せる[16]。はなが英治に抱擁される現場を偶然目撃したことから、彼女に対してライバル心をむき出しにするようになるが[23]、はなが翻訳した「王子と乞食」のために英治が描いた挿絵を見て、彼のはなに対する想いを悟り、身を引く。その直後、英治が既婚の事実を隠してはなに思わせぶりな態度を示していたことが発覚し、はなに同情する[24]。英治が宇田川満代(後述)から依頼されて童話「銀河の乙女」の挿絵をうまく描けずに悩んでいた際、英治に助言を与える[38]。
- 一条高子(いちじょう たかこ)
- 演 - 佐藤みゆき
- はなが寄宿舎に入舎した当時の同室の先輩。本科に在籍中に外交官から縁談を持ち込まれ、海外赴任する相手の都合により早期退学を求められる[17]。
- 畠山鶴子(はたけやま つるこ)
- 演 - 大西礼芳
- はなの本科時代の同級生で、寄宿舎で同室の友人。亜矢子と共にいつも男性や縁談の話題に花を咲かせている。大文学会では舞台演出のリーダー的役目を務め[34]、シェイクスピアの戯曲をもっと研究したいとの理由から高等科への進学を決める[20]。卒業式の際には、「自分たちの生涯の中で女学校時代が最も楽しかった」旨の答辞を読み上げ、それを受けてブラックバーン校長が前述の祝辞で返答する[19]。
- 松平幸子(まつだいら さちこ)
- 演 - 義達祐未
- 畠山と同様にはなの同室の友人。在学中に両親の勧める縁談が成立し、卒業を待たず退学する[18]。
- 大倉澄子(おおくら すみこ)
- 演 - 中別府葵
- はなの学年で最も背の高い生徒だが、内気で控え目な性格。本人の言によると許婚がいるためその目を気にして大文学会でのロミオ役を断ったが、その後ロミオと決闘するティボルト役を誰よりも男らしく演じる[34]。本科修了後は進学せず、結婚のために退学する[20]。
- 梅田淑子
- 演 - 中村優里[45]
- はなの同級生。教室では、はなの前の席[46]。
- 竹沢昌代
- 演 - 冨手麻妙
- はなの同級生。大文学会でパリス公爵役を演じる[47]。
孤児院の関係者
- 北澤司(きたざわ つかさ)
- 演 - 加藤慶祐
- はなの初恋の相手。金沢の由緒有る家柄の帝大生で、帝大一の秀才と言われ、英語にも堪能である。
- 孤児院の奉仕活動ではなと出会い、彼女を初めて「花子」と呼び[注 21]、はなの英語の能力の高さから、彼女を貿易商の娘だと勘違いする。帰省中のはなに修和女子校の寄宿舎へ恋文の葉書を送るが、白鳥の検閲を経てはなに手渡されたために想いは伝わらず、後日、結婚を前提に改めて交際を申し込むが、身分不相応と考えたはなから別れを告げられる[18]。
- 岩田祐作(いわた ゆうさく)
- 演 - 井上尚
- 北澤の友人で、財閥の子息[18]。
- ミニーメイ
- 演 - エラ・フィースティング
- はなや北澤たちが奉仕活動する孤児院に預けられていたカナダ人の少女。愛称としてミニーとも呼ばれる[18]。貿易商の父親と共に来日中に父親を亡くし、日本語も分からず周囲に対して心を閉ざしていたが、英語に堪能なはなと北澤の働きかけで少しずつ笑顔を見せ始める。やがてカナダから迎えが来て孤児院を去る[18]。
- 牧師
- 演 - 川中健次郎
- はなや北澤たちが奉仕活動する孤児院の牧師。はながクリスマス会の後でミニーメイのために特別に英語の紙芝居をしてくれた(そのためにはなは寄宿舎の門限を破った)ことを茂木と富山に説明し、ミニーメイがはなのために紙芝居のお礼として描いた絵を取り次ぐ。この事情を知った茂木は校長に報告し、はなの門限破りの処罰を軽減するよう嘆願する[18]。
出版関係者
- 梶原聡一郎(かじわら そういちろう)
- 演 - 藤本隆宏
- はなが臨時アルバイトをした向学館の編集長、後に聡文堂を創業して社長になる[注 22]。
- 女学校の大文学会で『ロミオとヂュリエット』の演劇を観ており、はなが劇中で演じた役から、アルバイトの彼女を「小間使い君」と呼び、その呼び名が編集部全体に定着してしまう[20][注 23]。後年、卒業を控えたはなから依頼され向学館の就職の世話をするが、急遽甲府に戻る決意をしたはな本人から謝罪の上で撤回される。後日、はなの代わりに紹介された亜矢子を社員として採用する[19]。
- 青年時代、修和女学校の大文学会の演劇で主役を演じていた富山と出逢い、恋人同士になるが、親が決めた財閥の娘との結婚を選び、富山を裏切った過去を持つ。離婚後、富山と再会して彼女に求婚するが断られる[20]。
- 「児童の友賞」の授賞式の場では、「みみずの女王」を面白いと評しながらも、はなが小説家になるには個性が弱いと指摘する[21]。しかし、彼女の第二作「たんぽぽの目」については、普遍的な日常に着目した作風がかえって斬新と高く評価する。自らが独立して創業する出版社・聡文堂から『たんぽぽの目』を単行本として刊行することを決めると共に、はなに聡文堂への入社を誘う[30][22]。聡文堂では、はなたちと共に『赤い鳥』に匹敵する優れた児童向けの雑誌を作ろうと奮闘する。当初は創刊する雑誌の名前を『白い鳩』とするつもりであったが、はなの発案を受け入れて『ニジイロ』に変更する[16][23]。
- 英治に失恋した精神的影響から仕事で失敗続きのはなに対し、謹慎処分を言い渡す[24]。はなの復帰後、いったん宇田川満代の担当から外された彼女を再び宇田川の担当に指名する[24]。
- 向学館の編集部員
- 演 - 猪俣三四郎、中津川朋宏、宮平安春
- 須藤大策
- 演 - 西沢仁太
- 聡文堂の編集部員。穏健な男性で、はなを見下す三田をたしなめつつ、はなの仕事を静かに見守る[16]。日本茶より紅茶の方が好き[23]。家庭ではやや恐妻家の面がある[注 24]。
- 三田悠介
- 演 - 本田大輔
- 聡文堂の編集部員。神経質な男性で、はなの発案や言動に対してたびたび否定的な発言をする[16]ほか、亜矢子の発言についても私情が入り過ぎていると批判する[23]。その後、宇田川満代の担当の仕事ではなに先を越された際には「一生の不覚」と悔しがり、宇田川に対して何かと媚を売るようになる[38]。
- 宇田川満代(うだがわ みつよ)
- 演 - 山田真歩
- はなと同時に児童文学雑誌主催の「児童の友賞」に入選した女性。趣味の延長として書いた作品がたまたま入選しただけのはなと対照的に、かねてより職業作家を目指していた。授賞式の場では堂々とした態度ですぐに売れっ子作家になると宣言し、当時の流行作家である田山花袋を全く知らなかったはなを公然と見下し、愚弄する[21]。4年後、宣言通り売れっ子作家になり、向学館で偶然出くわしたはなに対して嫌味を前面に出して邪魔者扱いし、「たんぽぽの目」の原稿のタイトルだけを見て酷評する[30]。これらの出来事から、はなから最も苦手な女とされている[16]。
- 売れっ子作家になってからは、以前にも増して高慢な態度になり、自分の好みに合わない仕事の依頼を平然と断るようになる。恋愛小説の筆が進まないなか、新しく創刊する児童雑誌『ニジイロ』の原稿依頼に訪れるはなに対しても苛立ちを見せ、自身の文壇デビューのきっかけでもある児童文学を卑下し依頼を断る[16]。
- それでも執拗に依頼を続けるはなに対しての苦情を入れに聡文堂を訪れるが、梶原や他の社員たちからも懇願され、停滞する恋愛小説の執筆を進めるため面白い恋愛の話題を提供してくれれば依頼を引き受けてもよいと提案する[16]。この日の夕方、はなはカフェー「ドミンゴ」にて蓮子と10年ぶりの再会を約束していたが、宇田川の突然の来訪によってはなは編集部に足止めされ、「ドミンゴ」に到着する時間が大幅に遅れてしまう。これにより、蓮子と宮本が「ドミンゴ」で遭遇するきっかけが発生する[16]。後日、はなが「友達の話」と偽って語った彼女の恋愛体験に興味を示し[23]、これを参考にして執筆中の恋愛小説を完成させた後、約束通り『ニジイロ』に掲載する原稿を書いてはなに手渡す[24][注 25]。後日、はなの手落ちで『ニジイロ』が店頭販売前に手元に届かなかったことに憤慨して聡文堂に押し掛け、責任を追及、重ねてその場で彼女に礼を欠いたはなを担当から外すことを要求する。しかし、亜矢子をはじめ他の社員たちも悉く彼女の担当から外され、結局は再びはなが彼女の担当を任される[24]。彼女が『ニジイロ』に連載した童話「銀河の乙女」を単行本化する話が持ち上がった際、同時に連載されていた「王子と乞食」の挿絵を気に入り、「銀河の乙女」の単行本も同じ画家(英治)の挿絵にすることを要望する[38]。
- カフェー「ドミンゴ」で蓮子(白蓮)と初対面した際には、「大正三美人の一人」と言われる彼女に嫌悪を示すが、宇田川を知らなかった蓮子からは軽く受け流される[38]。
村岡家の人々
銀座界隈で3階建ての自社ビルを持ち、多くの出版社を顧客に持つ印刷屋を経営している[48]。
- 村岡英治(むらおか えいじ)
- 演 - 鈴木亮平
- 花子の夫。向学館に出入りしている印刷屋・村岡印刷の二代目。はなが女学校の本科生時代に学校の紹介で臨時アルバイト時に出会う。はなを褒め言葉のつもりでナマケモノに喩えるが、彼女からは憤慨される[20][注 26]。はなの英語の才能を評価し、急遽依頼した翻訳の謝礼と勉学を応援する気持ちを込めて、彼女に高価な英語の辞書を贈る[20]。
- 「児童の友賞」の授賞式の場において、はなに対し充分に小説家になれる才能があると励まし[21]、北澤に次いではなを「花子」と呼ぶ。
- 創業した聡文堂にも日常的に出入りする。後に聡文堂の社員になったはなと再会した時には、彼女が女学校卒業後、英語からかけ離れた生活を送っていたことを知って驚き、彼女の英語への情熱を取り戻させるために、イギリス帰りの弟・郁弥を紹介する[16]。また、かつて画家を目指していた腕前を活かし、はなが新しい雑誌『ニジイロ』に掲載する翻訳物の挿絵も彼自身が手掛ける[23][24]。その挿絵を気に入った宇田川満代の要望より「銀河の乙女」の単行本の挿絵の作画をはなから持ちかけられる。一度は依頼を断るが、社長である父・平祐からの「社長命令」でやむなく依頼を引き受ける[38]。
- 仕事の傍ら、病床の妻・香澄の見舞いに毎日病院へ通う日々を送るなか[24][23]、はなに対して恋愛感情を抱いていることを蓮子から指摘されて困惑する[16]。更に、はなから愛の告白を受け思わず彼女を抱きしめるものの[16]、翌日には、はなに忘れるよう告げる[23]。一方、はなへの気持ちを見透かした妻から離婚を迫られ、先方の両親との話し合いを経て、不本意ながらも離婚が成立するが、その後も香澄が亡くなるまで病院へ見舞いに訪れ続ける[24]。
- 香澄の死後は、持ちかけられる見合いも断り、はなとも仕事の取引相手と割り切って接するが、朝市からはなを幸せにするよう懇願されたことや、再婚を認める香澄の遺言を知り、はなとの結婚を決意する[38]。
- 村岡花子の夫・村岡儆三がモデル[49]。
- 村岡平祐(むらおか へいすけ)
- 演 - 中原丈雄
- 英治の父で、村岡印刷の社長[23]。カフェー「ドミンゴ[50]」の常連客でもあり、店内では身分を明かさず女給のかよと言葉を交わすことを楽しむ一方、周囲の客たちの会話に耳を傾け口を挟むことがある。はなが宇田川に執筆依頼をする現場にも居合わせており、執筆依頼を無下に断る宇田川の態度に不愉快を示し、はなに同情する一方、宇田川が発した「(はなは)編集者には向いていない」との言葉には共感し、故郷へ帰ることを勧める[16]。また、帝大生の宮本龍一が新聞の三面記事を読んで頭ごなしに蓮子を批判するのを聞きとがめ、蓮子の本質を宮本に理解させるために彼女の歌集『踏絵』の本を与える[23]。その後、宇田川の説得に成功したはなの様子を見て、はなを編集者らしくなったと認めるが、後日、カフェーの紳士としてではなく村岡印刷の社長としてはなと対面した時には、編集者としてあまり優秀になると女性は生意気になるなどと放言する[24]。さらに、はなと亜矢子が自分たちの仕事に理解を示してくれる男性と結婚したいと希望を語った際には、そのような都合の良い男性がいるはずがないと反論する[38]。英治が「銀河の乙女」の単行本の挿絵の依頼を拒否し、はなと亜矢子が村岡印刷を毎日訪れて英治を説得するつもりだと言い出した際にはこれを迷惑がり、彼女たちに代わって英治の説得を引き受ける[38]。
- 嫁・香澄の父が英治に離縁を勧めていることに同意を示すとともに、英治に健康な女性と再婚するよう勧める[23]。
- 香澄を亡くしたばかりの英治に、しきりに見合い話を持ち込むが、英治からは拒否される[38]。英治の再婚相手は専業主婦であるべきと考え、はなと英治の結婚式では、結婚後も仕事を続けるはなに異議を示すが、2人を祝福する参列者らの熱意に押し切られる[25]。
- 村岡郁弥(むらおか いくや)
- 演 - 町田啓太
- 英治の弟。イギリスで最新の印刷技術を学んで帰国した。英治の紹介ではなを初めて紹介された銀座のカフェー「ドミンゴ」で彼女と英会話を楽しんだり、イギリスで入手した英語の小説本『The Prince and The Pauper』を彼女に贈り、はなの英語への情熱が再熱するきっかけを作る。後日、はなにより翻訳された本書は「王子と乞食」の題名で『ニジイロ』に掲載される。やがて英治から頼まれて担当を引き継ぎ聡文堂に出入りする[16][23]。
- 「ドミンゴ」で甲州弁を話す女給のかよに興味を示し、花を贈ったり逢い引きに誘うなど彼女に言い寄るが、一方では彼女からチップを希望されても決して渡そうとせず、彼女からはつれない態度を取られる[16][23]。
- 病気の義姉・香澄について、英治に離婚を勧める父に抗議をしたり[23]、香澄が英治の浮気を察して離婚話を持ち出したことを知り思い悩むなど気にかけ[24]、はなの存在に苦悩しながら死んだ香澄を気の毒がり、英治とはなに対して互いの結婚に反対する考えを告げる。しかし後日、結婚を認める香澄の遺言を英治に告白する[38]。
- はなと英治の挙式において父が異議を唱えた際には、はなの妹たちと共に賛成側に回る。後に花子(はな)の両親が上京した際には、かよに求婚するつもりであることを彼らに告白する[25]。
- 村岡儆三の弟であった村岡斎がモデル[51]。
- 村岡香澄(むらおか かすみ)
- 演 - 中村ゆり[52]
- 英治の最初の妻。容姿端麗であるが[注 27]、結婚してすぐに結核を患い、3年間入院している。雑誌『ニジイロ』に掲載された、英治が描いた「王子と乞食」の挿絵を見て、彼がはなに想いを寄せていることを察し、「(自分が)死ぬのを待たれるのが嫌」と英治に離婚を切り出して間もなく他界する[24]。
- 生前、自分の死後について英治は生涯独身を通すかもしれないと予想した上で、自分が死んだら誰かと一緒に生きて欲しいことを英治に伝えるよう郁弥に遺言し、義母の形見のカメオを英治の愛する人に渡すよう郁弥に託していた[38]。
- 村岡歩(むらおか あゆむ)
- 演 -
- 花子と英治の息子。大正10年の夏に生まれる。平祐からは村岡印刷の後継ぎとして期待され、花子の家族や知人からも大いに祝福を受ける[25]。
- ちなみに吉平は花子の出産前、女の子を産んでほしいと望んでいたが、彼は期待が外れても全く気にせず満面の笑顔で歩を可愛がった[25]。
- 村岡美里
- 演 - 三木理紗子
- 花子の娘。第1回冒頭の昭和20年4月の東京大空襲で、花子と共に逃げ惑う[28]。
葉山家の人々
蓮子の生家で、由緒正しい家柄の伯爵家。
- 葉山晶貴(はやま あきたか)[注 28]
- 演 - 飯田基祐
- 葉山家の当主。先代伯爵の嫡嗣で、蓮子の異母兄。あらゆる問題事を金で解決しようと画策し、世間体を重んじている[注 29][15]。
- 蓮子とは不仲であるとともに彼女の存在を公にすることを嫌がり、蓮子から招待された女学校の大文学会では、大勢の観客の前で主役を演じる彼女を見て不快感を滲ませる[34]。実は先代伯爵の死後から葉山家は経済的に困窮しており、後日、蓮子の意思を無視して嘉納伝助との政略結婚を強行させる[20][19]。
- 蓮子の結婚後は、嘉納家からの結納金を使って貴族院議員に就任したり様々な事業に着手するが、いずれもうまくいかず、嘉納家を訪れて金の無心をするようになる。
- 柳原白蓮の異母兄である柳原義光がモデル[53]。
- 葉山園子
- 演 - 村岡希美[54]
- 晶貴の妻。
- 久保山(くぼやま)
- 演 - 大林丈史
- 葉山家の親戚の男性。蓮子の政略結婚の相手として、嘉納伝助を葉山家に紹介する[20]。
社会主義運動の関係者
明治以来、一部の特権階級だけが国の富を独占して国民の大部分が貧しい生活を強いられている日本の不条理な社会を強く批判し、真に平等な社会を作ることを理想とする、社会主義運動の関係者たち。政府からは社会の秩序を乱す危険思想の持ち主と見なされ、たびたび弾圧を受けている。
- 浅野中也(あさの ちゅうや)
- 演 - 瀬川亮
- 吉平が熱心に支持する東京の社会主義運動家で、労民新聞の社主。行商人である吉平を宣伝活動のために利用するが[17]、彼の社会主義運動が政府から危険思想と見なされ、他の社員たち共々警察に逮捕される[20]。4年後に釈放され、逃亡中の吉平に偶然再会し、吉平は逮捕の対象になっていないことを告げる[29]。
- 山田国松(やまだ くにまつ)
- 演 - 村松利史
- 新潟出身の饅頭売り[34]。吉平が「伝道行商」と称し社会主義の関連書を売っている時に出会った。初対面の時には吉平を商売敵と見ていたが[18]、いつの間にか吉平と一緒に「社会主義」の旗を掲げ、伝道行商の手伝いを始める[15]。浅野が逮捕された後は、吉平と共に故郷の新潟へ逃亡する[29]。
- 宮本龍一(みやもと りゅういち)
- 演 - 中島歩
- 蓮子の恋人。かよが女給をしているカフェー「ドミンゴ」の常連客。四谷区[55]四谷南町在住。社会主義運動に強い関心を持つ帝大生で、カフェーで学生仲間と共に政治や文化について熱心に談義する[16]。
- ブルジョア階級の人間を目の敵にしており、「ドミンゴ」ではなと待ち合わせ中の蓮子に対して挑発的な行動をとる[16]。しかし、平祐から与えられた蓮子の歌集『踏絵』を読み、籠の鳥である彼女の実状を知るとともに、彼女の短歌に込められた情熱に心を動かされ、福岡の嘉納家に出向き蓮子のもとに押し掛けて、自らが携る演劇の脚本の執筆を懇願する[23]。以来、脚本作りを通して蓮子と接するうちに、彼女に恋心を抱くようになる[24]。しかし、「ドミンゴ」に伝助が突如現れた際には蓮子から他人の振りをされてしまい、蓮子との距離の遠さを感じて自暴自棄になった末、蓮子に別れを告げる手紙を送る[38]。大正10年の夏、蓮子から全てを捨てて一緒になる覚悟を示す手紙を送られ、嘉納家を訪問。蓮子の気持ちに嘘偽りがないことを確認した上で、駆け落ちを計画。後日、はなの出産祝いと託け上京した蓮子と共に逃走を図る。翌日、蓮子から伝助に宛てて書いた絶縁状の郵送を託されるが、その絶縁状は新聞に報道される[25]。
- 田中・荒井
- 演 - 玉置玲央・鯨井康介
- 共に宮本の学生仲間で、カフェー「ドミンゴ」の常連客。宮本がブルジョア階級の蓮子と関わりを持つことを快く思わず、彼女とは深く関わらないよう宮本に忠告する。蓮子との駆け落ち計画を宮本から打ち明けられる[25]。
その他の東京の人々
- おでん屋台の店主
- 演 - 土平ドンペイ
- 蓮子が宮本に連れられて行った屋台の店主。蓮子がコップの冷酒を御代わり注文する際、上品な言葉遣いで「お代わり頂けますか」と言ったのを苦笑し、蓮子に庶民風の注文の言い方を教えてやるよう宮本に託す[23][注 30]。
- 女性看護師
- 演 - 八木菜々花
- 香澄が入院する病院の看護婦。
- 尾形
- 演 - 渡邉紘平
- 吉太郎が所属する憲兵隊の上官。ブルジョア打倒の思想を声高に唱えながら一方ではブルジョア御用達のカフェー「ドミンゴ」に入り浸っている宮本を「頭でっかちの生ぬるい坊ちゃん」などと酷評する[38]。
福岡の人々
嘉納家の人々
蓮子の二度目の嫁ぎ先で、福岡の大富豪。
- 嘉納伝助(かのう でんすけ)
- 演 - 吉田鋼太郎
- 蓮子の二度目の夫。蓮子より25歳年上。「九州の石炭王」と呼ばれ、日清・日露戦争に伴う石炭の需要増加の波に乗り一代で巨万の富を築いた成金で、炭坑の運営を中心に様々な事業を展開している。投資に失敗して破産宣告の危機に瀕した葉山家を救うために蓮子との政略結婚が決行される[20]。元は身分の低い平民の出身であるため、学問や芸術などの教養はなく、言動は蓮子と対照的に粗野で下品である。また、本人もそれを自覚しており、見合いの席では方言を馬鹿にされることを恐れて無言を通すなど、由緒正しい上流階級に対するコンプレックスを抱えている[20]。蓮子と再婚後、学問のある女は好かないと放言し、蓮子のことは華族の身分と顔に一目惚れして結婚したに過ぎないと断言して、蓮子を激高させる[22]。一方、蓮子の腹心の友であるはなに直々に面会し、蓮子が上京時に世話になったことを感謝するとともに謝礼の品を送り、初めて飲んだサイダーの味に感動して以来ずっとサイダーが好物である旨を語るなど、はなに対しては義理堅く気さくな面を見せる[23]。その他にも、蓮子を喜ばせようとして東京中の宝石店を探し回り高価なティアラを買い求めるなど、蓮子を大切に思う気持ちは十分にあり、また若い頃には貧しく苦労していた経験もあって、同じく貧しい平民育ちのはなからは「いい人」と共感を受けているが[38]、蓮子との価値観の違いから生ずる夫婦間の溝は解消されることなく深まり続けていく。
- 大正10年の夏、仕事で東京へ行く際、花子(はな)の出産祝いに行きたいと頼む蓮子の願いを聞き入れ、彼女が宮本と駆け落ちの計画を立てているとは知らずに同伴させるが、やがて蓮子が自分をだまして宿から脱走したことを知り、さらには蓮子からの絶縁状が新聞に掲載された事を知らされて激怒する[25]。
- 柳原白蓮の二度目の夫で、九州の炭鉱王と言われた伊藤伝右衛門がモデル[56]。
- 嘉納冬子(かのう ふゆこ)
- 演 - 城戸愛莉(少女期:山岡愛姫)
- 伝助の娘。伝助が蓮子と再婚する前に、愛人との間に生まれた[注 31]。伝助との父子関係は良好だが、蓮子を義母と認めず、慣れない礼儀作法や英語を押し付ける彼女に反発する[19][注 32]。地元の女学校卒業が近付き、進路を巡って、修和女学校の高等科への編入を勧める蓮子と、女に学問は必要ないと考える伝助の間で対立が生ずる[22]。最終的には伝助の意見が通り、銀行の頭取の息子との縁談を受け入れる[16]。
- 山元タミ(やまもと たみ)
- 演 - 筒井真理子
- 嘉納家の女中頭。嘉納家に固苦しい上流階級の仕来りを持ち込む蓮子を煙たがり、他の女中たちと一緒に陰口を叩いたり、蓮子に聞こえるように嫌味を口にする[19]。蓮子を差し置いて伝助の身の回りや家のことを取り仕切ることから、蓮子の怒りを買い、激しく対立する[30]。
- 伝助の再婚から10年後、蓮子の宮本宛の手紙を盗み読み、蓮子と宮本の不倫を察するが、笑みを浮かべながら静観する[24]。しかし、後日、蓮子の駆け落ち直前には、はなからの電話で異変を察して急ぎ伝助に連絡を取ろうとし、駆け落ち後に蓮子の絶縁状が新聞に掲載された事を知り慨嘆する[25]。
- トメ
- 演 - 比佐廉
- 嘉納家の女中。
- すず
- 演 - 隅倉啓美
- 嘉納家の女中。
- 嘉納家番頭
- 演 - クラ
- 嘉納家・他の女中
- 演 - 芳野友美[57]
その他の福岡の人々
- 黒沢一史
- 演 - 木村彰吾
- 新聞社「東西日報」の記者。伝助に取材を申し込むが応じてもらえず、手掛かりを得るために嘉納家でのサロンに潜入し、文学や芸術の知識を活かして蓮子に接近し、彼女の自作の短歌を読んで、「自分のことしか愛せない人」と評する[29]。以後、たびたび嘉納家を訪れ、蓮子に伝助所有の炭鉱事故による屋外の混乱ぶりを教え、嘉納家に押し掛けた坑夫から彼女を守ったり[30]、蓮子の依頼を受け修和女学校に編入予定だった冬子に社交ダンスを教えるなど[22]、蓮子と親しくなっていく[29]。10年ぶりの上京が決まり浮かれる蓮子の様子を見て、彼女は嘉納家から逃げ出そうとしているような雰囲気が感じられると評する[16]。後日、蓮子の脱走が現実になり、蓮子から伝助に宛てた絶縁状が新聞に掲載されたことを伝助に報告する[25]。
- 炭坑労働者
- 演 - 榊原毅、山崎潤
- 伝助所有の鉱山で働く坑夫たち。炭鉱事故で多くの仲間を失い、社長の伝助への怒りを露にしながら嘉納家に押し掛けて蓮子にも殴りかかろうとする。最終的には伝助の説得を聞き入れ、タミから見舞金を渡されて和解し去って行く[30]。
その他の人々
- サッちゃん
- 演 - 木下あかり
- かよの製糸工場勤務時の同僚。勤務中の眠気覚ましにかよと一緒に女工小唄[58]を歌い励まし合ってきたが、病に倒れ工場を辞めて帰郷する。別れる際、自分のようになる前に工場から逃げるよう、かよに助言する[19]。
- 浜口サダ(はまぐち サダ)
- 演 - 霧島れいか
- 吉平が新潟の木賃宿で出会った、夫の暴力で苦労する人妻。吉平とは酒を呑み語らい合ったことがあるが、後年、突如として安東家を訪れ、吉平の恋人と名乗り出る。しかし、それは吉平とふじの夫婦仲を妬んだ嘘であり、はなに白状すると共に謝罪する[22]。
オープニング
- 冒頭はカナダ・プリンスエドワード島と本作品の主要な舞台である山梨県で撮影が行われ、『赤毛のアン』をイメージしたアニメーションを絡ませ、アンの飛ばした帽子を実写の花子が拾う[59][13]。
- 日によってアバンタイトルを使用する。
エンディング
- 「ベストフレンズ」と題し、一般公募で寄せられた、友情で結ばれた2人組のツーショット写真を紹介する[60]。
- ドラマ本編は毎回、語りの「ごきげんよう、さようなら」という挨拶で締めている。これは実際の村岡花子がNHKのラジオ番組『子供の時間』(「コドモの新聞」)に出演していた際、「また明日、お話しましょうね。では皆さん、ごきげんよう、さようなら」の挨拶で締めくくっていたことに由来する[9]。ただし、第95回のストーリーは通常の挨拶ではなく、語りの美輪明宏が歌う「愛の讃歌」で締めくくられた。
演出上の特色
小説『赤毛のアン』へのオマージュ
劇中、小説『赤毛のアン』を基にしたエピソードが数々仕込まれている[6]。
- 第1回 - 教室で妹を泣かされ、怒ったはなが朝市に石盤をぶつけるシーンは、赤毛を「にんじん!」とからかわれたアンが、自分の石盤をギルバートの頭にうちおろして砕いてしまうシーン[61]から採られたもの[62]。さらに祖父の周造、朝市の母親であるリンは、それぞれマシュー、リンド夫人をもじったものであり、人物設定もそれぞれの特徴を盛り込んでいる[32][33]。また、はなが通うことになった学校の校名は「阿母(あぼ)尋常小学校」で、これは小説の舞台となるプリンス・エドワード島アヴォンリー村をもじったものである[63]。
- 登場人物の名前に関して。はなの生家である安東家は「東のアン」という意味合い[32]。はなが周囲に「花子」と呼んでほしいと要求するシーンは、アンがマリラに向かって「アンと呼ぶのなら『Ann』ではなく『e』のついたつづりの『Anne』で呼んでほしい」と言うエピソード[64]から採られている[32][33][62]。
- 第20回ではなが蓮子に葡萄酒を飲まされる場面は、アンが親友に葡萄酒を飲ませる場面をあべこべにしたものと、産経新聞の記事により指摘されている[33]。
- 翻訳家の鴻巣友李子は“「花子とアン」の世界”(2014年7月6日朝日新聞)の中で、この作品がアン「シリーズの新解釈、少し大胆に言えば、『新訳』のような側面もあるだろう」と述べ、「ロミオとジュリエット」の舞台で、「薔薇は薔薇という名でなくても良い香がする」を変え、「原作に文句をつけ、『赤毛のアン』に隠れているシェイクスピア批評を鮮やかに切りだしてみせたりする」などと書いている。
お国言葉の採用
前々作『あまちゃん』の「じぇじぇじぇ」などに倣い、はなの故郷である山梨の「お国言葉」(甲州弁)を採用しており、制作統括の加賀田透は「ユーモラスで特徴的でもあるので話題になれば」と思いを述べている[65]。以下はその主な例で、「花子とアン」推進委員会の公式サイトでも甲州弁を確認することができる[66]。
方言指導の奥山眞佐子によれば、ドラマ中の方言は視聴者の理解を妨げないために標準語との「混在」がされており、台本の検討段階で「混在を薄める」努力がなされているという[69]。
修和女学校の設定
主人公のはなが編入する修和女学校の設定やくだりは、実際の村岡花子が明治時代に学んだ東洋英和女学校[70]でのエピソードを基にしている[71][72]。作品としての設定は以下の通り。
明治時代、カナダ人の宣教師により設立された、東京・麻布に校舎を構えるミッション系女学校。校内は男子禁制[注 33]、生徒の大半は特権階級の令嬢で、言葉遣いや礼儀作法に厳しく、校長を筆頭とする複数の外国人教師により徹底した英語教育が行われている。生徒たちは下の学年から予科・本科・高等科に分けられ、下級生は「小さい人」、上級生は「大きい方」と呼ばれる。はなのように貧しい家の子女に対しては授業料が免除される「給費生」制度もあるが、試験で一度でも落第点を取れば即刻退学を言い渡される(他の生徒は悪くても留年で済む)など条件が厳しく、実際に給費生として編入を許可される生徒は極めて少ない[17]。寄宿生たちは基本的に4人1組の相部屋で生活し、教師たちも寄宿舎に住み込みで生徒たちと年中生活を共にしている。
この学校で当時の日本で最高水準の教養を身に付けた生徒たちは、外交官や貿易会社などエリート階層の男性から非常に人気が高く、在学中に縁談を持ち込まれる生徒も多い。また、多くの生徒たちはそのような好条件の縁談を獲得することを最大の目標としている。そのため、孤児院での奉仕活動や、校内年中行事として春に開催される大文學會(現在でいう文化祭)は、外部の男性と接点を持てる絶好の機会として生徒たちに認識されている[18][34]。しかし、男性から付け文をもらったことが発覚すると、校長により焼却処分されるうえ、二度と男性から付け文を受け取らない趣旨の反省文を100回書く罰則が課されるなど、在学中の男女交際は厳しく禁じられている[18]。なお、縁談が正式に成立した生徒は多くの場合、卒業を待たず退学することが慣例となっている[注 34]。
なお、校長室の机には、カナダの国旗ではなくイギリスの国旗(ユニオンジャック)[注 35]が日本の国旗と共に置かれている。
葉山蓮子について
もう一つの物語の軸として仲間演じる葉山蓮子の人生がクローズアップされ、第5週、第6週では蓮子がヒロインとなる扱いを受けている。これにより、彼女のモデルとなる柳原白蓮の生涯を小説にした『白蓮れんれん』(林真理子著)が注目を浴び品切れ店が続出し[73]、柳原白蓮が2度目の夫・伊藤伝右衛門(劇中では嘉納伝助のモデル)と10年間暮らした旧伊藤伝右衛門邸の入場者数が伸びていく[74][56]などの現象が生じている。
スタッフ
スタッフの情報は「NHKドラマトピックス」も参照[2]。
- 原案 - 村岡恵理『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』
- 脚本 - 中園ミホ
- 音楽 - 梶浦由記
- 主題歌 - 絢香「にじいろ」[75]
- 時代考証 - 天野隆子
- 山梨ことば指導 - 奥山眞佐子
- 筑豊ことば指導 - 芳野友美[57]
- 所作指導 - 藤間龍巳
- 書道指導 - 望月暁云
- アニメーション製作 - 和田羊平
- 撮影協力 - 山梨県甲府市、韮崎市、カナダプリンス・エドワード島州
- 取材協力 - 東洋英和女学院
- 制作統括 - 加賀田透
- プロデューサー - 須崎岳
- 演出 - 柳川強、松浦善之助、安達もじり、橋爪紳一朗
- 語り - 美輪明宏
- 「花子とアン1週間&5分で花子とアン」ナレーター - 西堀裕美(NHKアナウンサー)
放送日程
帯ドラマの視聴率の記載については、PJ:DRAMA#視聴率での取り決めが、文言の解釈を明確化すべく改訂され、本番組のような、未明・早朝帯もしくはノンプライム帯のうち19時以前のドラマの視聴率を原則記載しないこととなっています。(2014年3月) |
週 | 回 | 放送日(2014年) | サブタイトル | 演出 |
---|---|---|---|---|
1 | 1- 6 | 3月31日 - 4月 5日 | 花子と呼んでくりょう! | 柳川強 |
2 | 7- 12 | 4月 7日 - 4月12日 | エーゴってなんずら? | 松浦善之助 |
3 | 13- 18 | 4月14日 - 4月19日 | 初恋パルピテーション! | 柳川強 |
4 | 19- 24 | 4月21日 - 4月26日 | 嵐を呼ぶ編入生 | |
5 | 25- 30 | 4月28日 - 5月 3日 | 波乱の大文学会 | 松浦善之助 |
6 | 31- 36 | 5月 5日 - 5月10日 | 腹心の友 | |
7 | 37- 42 | 5月12日 - 5月17日 | さらば修和女学校 | 柳川強 |
8 | 43- 48 | 5月19日 - 5月24日 | 想像のツバサ? | 安達もじり |
9 | 49- 54 | 5月26日 - 5月31日 | はな、お見合いする | |
10 | 55- 60 | 6月 2日 - 6月 7日 | 乙女よ、大志を抱け! | 橋爪紳一朗 |
11 | 61- 66 | 6月 9日 - 6月14日 | グッバイ!はな先生 | 松浦善之助 |
12 | 67- 72 | 6月16日 - 6月21日 | 銀座のカフェーで会いましょう | 柳川強 |
13 | 73- 78 | 6月23日 - 6月28日 | その恋、忘れられますか? | 安達もじり |
14 | 79- 84 | 6月30日 - 7月 5日 | ゆれる思い | 橋爪紳一朗 |
15 | 85- 90 | 7月 7日 - 7月12日 | 最高のクリスマス | 松浦善之助 |
16 | 91- 96 | 7月14日 - 7月19日 | あなたがいる限り | 柳川強 |
- 4月2日の第3回の再放送(総合)は、『第86回選抜高校野球大会決勝戦』放送のため、12:15 - 12:30に放送[76]。
- 4月24日の第22回の再放送(総合)は、『正午のニュース』内で、安倍晋三内閣総理大臣とバラク・オバマ米国大統領との日米首脳共同記者会見の模様を生中継で伝え、13:42まで枠を拡大した関係で、休止となった[注 36]。4月25日12:45から、2日分を「1時のニュース」をはさんで2話連続で放映した[77]。
総集編
- 連続テレビ小説『花子とアン』総集編 前編「こぴっと、青春!」
関連番組
- もうすぐスタート!花子とアン・「花子とアン」に恋をして(2014年3月下旬に随時。総合テレビ)
- ドラマ放送開始に寄せて、番組の見どころをまとめ、また出演者のインタビューを集めたもの。前者は10分、後者は20分。
- あなたが主役 50ボイススペシャル・花子とアンボイス(2014年3月29日、総合テレビ)
- 「花子とアン」の出演者・スタッフがドラマの見どころを語る。
- 「花子とアン」撮影の舞台裏スペシャル(2014年5月6日、総合テレビ)[78]
- 山梨に作られたオープンセット撮影などの番組の舞台裏を紹介。
- キャスター(番組進行) - 小倉実華、ナレーション - 泉浩司(いずれも甲府局アナウンサー)
- まだ間に合う!「花子とアン」(2014年5月17日、18日、24日、25日、総合テレビ)
- これまでのハイライトと今後の見どころを紹介、出演者インタビューなどを放送。子供時代を演じた山田、茂内がナビゲートする形で、吉高、高梨へインタビューした。
- SONGS(2014年6月28日、総合テレビ)
- 絢香の回。主題歌「にじいろ」の歌唱や、撮影現場での吉高とのトークなど。
- 番宣・トーク番組へのゲスト出場
-
- あさイチ(総合テレビ)
- 4月11日 - 伊原剛志
- 6月 6日 - 室井滋
- スタジオパークからこんにちは(総合テレビ)
- 4月 7日 - 美輪明宏
- 4月21日 - 浅田美代子
- 5月 7日 - ともさかりえ
- 5月20日 - 松本明子
- 5月30日 - マキタスポーツ
- 6月 4日 - カンニング竹山
- 6月 5日 - 伊原剛志
- 7月 7日 - 山田真歩、町田啓太
- 7月17日 - 鈴木亮平
- 土曜スタジオパーク(総合テレビ)
- 4月 5日 - 伊原剛志、室井滋
- 山梨県立文学館ホールからの公開生放送) 5月24日 - 吉高由里子、窪田正孝(甲府局製作で
- その他
- 今夜も生でさだまさしスペシャル(総合テレビ) - 黒木華 3月30日(29日深夜)
- 地球アゴラ(BS1) - 松本明子 4月 6日
ドラマ関連の企画
テレビ
ラジオ
- NHKラジオ第2放送『朗読』枠内で2014年1月6日-3月28日まで(平日9:45-10:00。再放送1月13日-3月30日の毎週土曜22:25-23:40に5本分をまとめて)『赤毛のアン』を市原悦子の朗読で紹介[80][81]。
- NHKラジオ第1放送/NHK-FM放送『甲府発深夜便・もっと楽しむ"花子とアン"』[82]2014年5月30日23:20-31日5:00(FMは31日1:00から飛び乗り)
イベント
- 「花子とアン」〜もっと楽しむ“朝ドラ”の世界〜 - 2014年3月15日から6月29日まで開催。山梨県立図書館主催[83]。
- 連続テレビ小説 花子とアン特別展 - ドラマのスタジオセットやパネルを用いたドラマの見所の紹介など。NHKスタジオパークのスタジオギャラリーにて、2014年4月29日から6月8日まで開催[84]。
- 名訳「赤毛のアン」誕生と白蓮 - 旧伊藤伝右衛門邸企画展。同邸内の「白蓮ミュージアム」と「書生棟」において、村岡花子と白蓮を結びつける品々や、『赤毛のアン』にまつわる資料の展示[85][86]。
関連商品
音楽商品
- サウンドトラック
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- 連続テレビ小説 花子とアン オリジナル・サウンドトラック
- SME Recordsより2014年6月18日発売。
- 主題歌
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- 絢香「にじいろ」
- 2014年4月28日よりレコチョク、同4月30日よりiTunes Storeで先行配信されたほか、以下の形態で6月18日発売[87]。DVD付き商品にはミュージック・ビデオを収録。
- CD+DVD (AKCO-90024/B)
- CDのみ (AKCO-90025)
- FC限定盤 CD+DVD (AKC1-90026/B) - 絢香ファンクラブ限定のバージョン。
書籍
- ドラマガイド
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- NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 花子とアン Part1(作 : 中園ミホ、製作協力 : NHKドラマ制作班、編 : NHK出版)
- 2014年3月25日発売、NHK出版、ISBN 978-4-14-923567-7
- NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 花子とアン Part1(作 : 中園ミホ、製作協力 : NHKドラマ制作班、編 : NHK出版)
- シナリオ集
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- 月刊ドラマ 2014年5月号(映人社) - 第1週シナリオを収録。
- その他
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- 村岡恵理 編『花子とアンへの道』(新潮社、2014年)ISBN 978-4-10-335511-3
脚注
注釈
- ^ 本編後の「ベストフレンズ」のコーナーにて「このドラマはフィクションです」と表記されている。
- ^ 2013年11月現在、ロケーションセット所在位置は非公開のため、画像GPSデータは意図的に除去済み。
- ^ 原案の恵理の著作によれば、村岡には結核療養中の妻と息子がいたため、2人は苦しんだが、出会って半年で結婚という。これをライターの島崎今日子は“花子を縛る朝ドラの「コード」”(朝日新聞2014年7月9日)に「朝ドラのヒロインはが結婚する時には相手に妻や子どもがいてはならず、周囲の理解と承認が必要だということか」、そのために蓮子の恋の方に突っ走っていると書いている。
- ^ 第2週から第4週の月曜日の回の冒頭など。
- ^ なお、本来の甲州弁では「ほうさな」となる。
- ^ はなは貧乏に苦しむ家族たちの生活を助けようとして地主の徳丸に掛け合い、3年間の契約で長野の材木問屋へ奉公に行くことを志願したが、相手方が男子を希望していたために断られ、その代わりに吉太郎が申し出た(第3回、第4回のストーリー)。
- ^ 第77回で軍服姿の吉太郎が伍長の階級章を付けていることが確認できる。
- ^ なお、かよが安東家に送っていた仕送りの金は、かよが結婚する時のためにふじが全額貯金していたことが後に判明する(第92回のストーリー)。
- ^ なお、ももの夫となった森田本人は劇中に登場しておらず、どのような男性であるかは不明。
- ^ 劇中には未登場であるが、朝市には複数の兄がいることが第20回のストーリーのリンのセリフで示唆されている。
- ^ 「50センテンス」(朝起きてから夜床に着くまでの日常生活の行動を細かくつづった50項目の英文)を生徒たちに暗唱させたり、週に1度英語だけで会話をしなければならない「イングリッシュ・スピーキング・デー」を設けるなど(第2週のストーリー)。
- ^ 具体的な例として、編入当時ホームシックのあまり礼拝堂で校長の悪口を言ったはなと亜矢子に対し、罰としてスコット先生の部屋の掃除を言い付けるが、その理由はホームシックを忘れさせるには体を動かすことが一番との配慮からであった(第9回のストーリー)。また、年末に寄宿舎の門限を破ったはなに対し校舎全体の大掃除を言い付けるが、はなが門限を破った真の理由を知ると、給金と称して3円(現在の価値で概ね6万 - 7万円ほど)の現金を渡し、汽車賃を惜しんで5年間一度も帰省していないはなが甲府へ帰省できるよう取り計らった(第15回のストーリー)。
- ^ 第10回で様子を見に来た吉平にはなが語った発言より。
- ^ しかし、はなは最終的に帰郷を決め、英語教師の推薦を断った(第7週のストーリー)。
- ^ 西洋料理を初めて見て戸惑うはなにナイフとフォークの使い方を教えたり、掃除の上手なはなを褒めるなど(第8回と第9回のストーリー)。
- ^ 高等科の頃、縁談の有無について亜矢子から質問されると、縁談は多いが自分の気に入る男性がいないだけだと見栄を張っていた(第9回のストーリー)。
- ^ 現在の甲州市
- ^ 軍隊を志願するはなの兄・吉太郎に、暗記するまで読んだという「君死にたまふことなかれ」の掲載された雑誌『明星』[42]を贈っている(第35回のストーリー)。
- ^ ただし、後に校長からは「自分のことは全て自分ですること」と戒められる(第24回のストーリー)。
- ^ 竹久夢二が装丁した。
- ^ ただし、彼は本名が「はな」であり、「花子」が周囲にそう呼ばれたいと願っている名前であることを当初は知らなかった。
- ^ ただし、聡文堂は規模が小さく、梶原は一人で社長と編集長を兼ねているため、社員たちからは向学館時代と変わらず「編集長」と呼ばれている(第12週ほか)。
- ^ ただし、アルバイトの最終日には本名で「安東くん」と呼ばれた(第33回のストーリー)。その後の梶原は一貫してはなを「安東くん」と呼んでいる。
- ^ 彼いわく、結婚記念日には祝いのために早く帰宅しなければならず、帰宅が遅れれば離婚される恐れがあるとのこと(第80回・第81回のストーリー)。
- ^ ちなみに宇田川は、はなが語った恋愛の話が「友達の話」ではなく、はな自身の体験談であることを見抜いていた。さらに彼女は、はなの恋愛相手の男性が既婚者であることも見抜いていた(第79回のストーリー)。
- ^ 彼いわく、ナマケモノは一生のほとんどを木にぶら下がって過ごすが泳ぎが得意という意外な一面もあり、はなも英語の翻訳が得意という意外な一面がある点でナマケモノと共通しているとのこと(第33回のストーリー)。
- ^ 第79話のストーリーにおいての語り手の「美しい人」とのコメントより。
- ^ 読み仮名は初登場時の字幕紹介より(第22回のストーリー)。
- ^ 問題行動の多い蓮子を疎んじて実家から追い出すように修和女学校に預け、はなの飲酒事件に連子が関わっていると知り学校に多額の寄付金を支払い事無く解決しようとしたり、断られるとその小切手を「手切れ金」と称し蓮子に押し付けるなど(第22回のストーリー)。
- ^ ちなみにこの時、宮本が蓮子に教えた注文の言い方は、「親父、冷や」(おやじ、ひや)であった(第77回のストーリー)。
- ^ 蓮子は婚約時、伝助と亡き前妻との間に子供はいないと聞いていたため伝助に問いただすが、冬子は愛人の娘であって、前妻との間に子供がいないことは嘘ではないと説明する(第39回のストーリー)
- ^ しかし、成人後に嫁入り支度の場で、蓮子を「お母様」と呼んだ(第70回のストーリー)。
- ^ ただし、早朝に庭掃除を行う男性がいる他、全校生徒による礼拝は男性の牧師が担当している(第8回)。また、面談室に限り、身内の男性との面会が認められる(第12回、第22回ほか)。この他、年に一度開催される大文学会(文化祭)の日だけは男性も含めて一般人の立入が許可される(第5週のストーリー)。
- ^ 当時の日本における上流階級の女性の結婚適齢期は16 - 17歳頃とされ、当時の修和女学校では在学中に結婚が決まって卒業を待たず退学する生徒が全体の半数近くもいたと説明されている(第18回のストーリーより)。
- ^ 日本の明治時代におけるカナダは、独立国ではなくイギリス領の一部とされていた。なお、現在のカナダの国旗が公式に使用されるのは1965年からである(カナダの国旗の項目を参照)。
- ^ 当初13:05 - 13:20で第22回の放送が予定されていた。
- ^ 1979年1月から12月まで、フジテレビジョン系で放送された番組。
出典
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外部リンク
- NHK連続テレビ小説「花子とアン」公式ページ
- 「花子とアン」推進委員会 - ドラマの舞台である山梨で産学官一体となって運営されている委員会。
NHK 連続テレビ小説 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
ごちそうさん
(2013年度下半期) |
花子とアン
(2014年度上半期) |
マッサン
(2014年度下半期) |
NHK総合テレビジョン 土曜日14:50-14:55枠(変動あり) | ||
5分で『花子とアン』
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NHK総合テレビジョン 『NHKとっておきサンデー』内コーナー | ||
ごちそうさん一週間
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花子とアン一週間
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