Pepper (ロボット)
開発者 |
ソフトバンクロボティクス アルデバランロボティクス |
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国 |
日本 フランス |
開発年 | 2014年 |
価格 | 19万8000円 |
形式 | ヒューマノイド |
用途 | 技術デモンストレーション |
ウェブサイト | Pepper ソフトバンク |
Pepper(ペッパー)は、感情を認識する人型のロボットである。店舗や一般家庭などで利用される。開発時のコードネームはアルデバランの兄弟機Romeoに対して「Juliet」[1]、日本では「タロウ」であった[2]。生産は2020年夏から停止している。 開発と販売を手がけるソフトバンクロボティクスによると返却分で在庫が十分に確保できたための一時的な停止で、生産終了ではないとしている。 ただ、フランスにあるロボットの開発拠点では、人員削減に向けた交渉も進めているという。
概要
[編集]「感情エンジン[3]」と「クラウドAI」を搭載した世界初の感情認識パーソナルロボットで、世界で初めて量産[4][5]されたヒト型ロボットでもある。OSは「NAOqi(ナオキ) OS」を採用(中国向けはYunOS)し、Naoとプラットフォームの互換性があるが、二足歩行機能は連続稼働12時間以上を確保するため見送られたため車輪移動式である[6]。胸部のタブレットに接触しないよう、腕の可動域も人間に比べてかなり狭いので、事実上はチャットボット搭載式の移動型タブレット端末である
2014年6月5日に税抜19万8000円と発表[7]し、6月6日から一部のソフトバンクモバイル販売店頭へ設置[8]し、9月20日から開発者向け先行モデル200台の受付とSDKを提供[9]した。12月1日にネスレ日本のネスカフェで接客を開始し[10]、12月20日に公開された映画『ベイマックス』日本語吹替版でコンピュータの音声を担当した[11]。
中華人民共和国山東省煙台市[12][13]の工場から出荷される初回生産300台を、2015年2月27日に開発者へ向けて発売すると1分で完売[14]した。改良した一般向けモデル計7000台を6月20日、7月31日、8月29日、9月26日、10月31日、11月28日、12月28日、にそれぞれ発売するとずべて受付開始1分で完売した[15]。生産体制を従来5台/時間から15台/時間へ増強[16]し、2016年1月28日からソフトバンクショップ店頭でも常時購入手続きが可能となった。
2018年11月に、立体商標登録第6081795号(9類:人工知能搭載ヒューマノイドロボット、28類:人型ロボットおもちゃ)、立体商標登録第6047746号(7類:工業用ロボット、9類:コンピュータ類、14類:貴金属、16類:印刷物、28類:玩具、35類:広告、38類:電気通信)として日本の特許庁に登録した。
以後、Pepper for Biz、Pepper for Home、Pepper for Educationなどプラットフォームを複数展開し、2019年12月に渋谷駅前FUKURASUビル内でロボットカフェ「PepperParlor」を開業し、2021年に100台のPepperによるソフトバンクホークスの応援団がギネスに認定された。
沿革
[編集]- 2014年
- 2015年
- 2016年
- 1月6日 - IBM社と提携しPepper向けIBM Watsonを共同開発する計画を発表[25]
- 1月28日 - ソフトバンクショップ店頭でPepperの販売受付開始[26]
- 2月1日〜4日 - Pepper for Bizアトリエ名古屋・福岡・大阪・東京を開設[27]
- 2月3日〜5日 - エヌ・デーソフトウェアと連携した介護分野の実証実験を実施[28]
- 2月22日 - ロボアプリマーケット for Bizオープン
- 3月8日 - PepperとマイクロソフトのクラウドプラットフォームMicrosoft Azureを連携させるサービスの共同開発を発表[29]
- 3月24日 - 30日 - 「Pepperだらけの携帯ショップ」をオープン[30]
- 5月19日 - PepperをグーグルのOSAndroidと連携させることを発表[31]
- 7月21日 - 本田技研工業と提携しPepperのAIを自動車や航空機に搭載するための共同研究を発表[32]
- 7月25日 - 台湾でPepperの法人向け販売を開始。販売は鴻海傘下のPerobotが行う[33]
- 10月13日 - 中国向けPepper YunOS搭載モデルを発表。販売はAlibaba Robotが行う[34]
- 2017年
- 4月4日 - Bizモデル向けNAOqiOS2.5.5リリース
- 7月11日 - 一般販売モデル向けNAOqiOS2.5.5リリース
- 7月11日 - Pepperに呼びかけ家電を操作するアプリ「iRemocon for Pepper」を提供開始[35]
- 7月19日 - Pepperが顔認証機能で客を記憶しコーヒーを提供する「ロボカフェ」試験導入(8月2日迄)[36]
- 10月10日 - Pepper向け4年目以降の月額プランと保険パックを案内開始[37]
- 11月30日 - Pepper for Biz向けに「お仕事かんたん生成2.0」提供開始[38]
- 12月4日 - Pepper for Biz向けに「レジ for Pepper」提供開始[39]
- 2018年
- 2019年
- 2021年
- 6月21日 - 2020年夏ごろより生産一時停止であることが発表される。[45]
- 2024年
仕様
[編集]テクニカル・スペック | |
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サイズ | 高さ1,210 mm×奥行425 mm×幅485 mm |
重量 | 28 kg → 29 kg[47] |
バッテリー | リチウムイオンバッテリー30.0Ah/795Wh |
稼働時間 | 最長12時間以上 |
センサー | 頭:マイク×4、RGBカメラ×2、ASUS Xtion 3Dセンサー×1、タッチセンサー×3 胸:ジャイロセンサー×1 |
可動部 | [自由度] 頭:2、肩:2×2(L/R)、肘:2×2(L/R)、手首:1×2(L/R)、手:1×2(L/R)、腰:2、膝:1、ホイール:3
[モーター] 20個 |
CPU | Intel Atom Z530(先行モデル)、E3845(一般モデル) |
ディスプレイ | LG CNS 10.1インチタッチディスプレイ |
プラットフォーム | NAOqi(Pepper for HomeはディスプレイのみAndroid) |
プログラミング言語 | Choregraphe(Pepper for Homeは対象外)、C++、Python、Java |
通信方式 | Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n(2.4GHz/5GHz) イーサネットポート×1(10/100/1000 base T) |
移動速度 | 最大2km/h |
移動可能段差 | 最大1.5cm |
音声合成エンジン | AITalk「まき(民安ともえ)」[48] |
主な出演
[編集]テレビ
[編集]- おはスタ 第1部「おはスタ645」(2015年4月6日 -、テレビ東京) - ロボットMCとしてレギュラー出演
- AI-TV(2017年10月30日 - 2018年3月12日、フジテレビ) - MCとしてレギュラー出演。
ミュージックビデオ
[編集]脚注
[編集]- ^ 森山和道 (2014年9月24日). “ロボットアプリの未来をオープンコミュニティに賭けるソフトバンク”. impress 2015年3月3日閲覧。
- ^ 田中聡 (2014年6月5日). “孫氏「最終的には愛を理解させたい」――ソフトバンクが人型ロボット「Pepper」で目指すもの”. ITmedia 2015年3月3日閲覧。
- ^ “ペッパーに感情を持たせるとは 東京大特任講師の光吉俊二さん”. 毎日新聞 (2015年12月7日). 2016年1月21日閲覧。
- ^ “金型の粋、ペッパーに 硬く柔軟 複合材成型”. 日本経済新聞. (2015年8月28日) 2019年1月28日閲覧。
- ^ “Hon Hai's success with Pepper humanoid a matter of molding”. Nikkei Asia Review. (2015年9月3日) 2019年1月28日閲覧。
- ^ SATORU MASUDA (2014年6月5日). “ソフトバンク、家庭向け感情ロボット「pepper」を19.8万円で来年2月発売”. engadget 2015年2月27日閲覧。
- ^ 『ソフトバンクモバイルとアルデバラン、世界初の感情認識パーソナルロボット「Pepper」を発表』(プレスリリース)ソフトバンク、2015年10月29日 。2015年11月28日閲覧。
- ^ ソフトバンク (2014年6月5日). “Pepperに会える場所”. engadget 2015年2月27日閲覧。
- ^ HIROMU TSUDA (2014年6月9日). “ソフトバンクの人型ロボ Pepper 開発者「言葉では2-3割しか伝わらない」。9月にも先行販売予定”. engadget. オリジナルの2015年12月8日時点におけるアーカイブ。 2015年2月27日閲覧。
- ^ “Pepper、ついに接客開始!!”. ネスレ日本. (2014年12月1日) 2015年2月22日閲覧。
- ^ “感情認識ロボット「Pepper」、緊張のアフレコ初挑戦!NG出されて充電心配…”. 映画.com. (2014年11月10日) 2014年12月18日閲覧。
- ^ “Pepper(ペッパー)大増殖計画”. 週刊ダイヤモンド. (2015年2月28日) 2016年8月3日閲覧。
- ^ “ペッパー100台踊る工場 台湾・鴻海の工場ルポ”. 日本経済新聞. (2015年8月6日) 2016年8月3日閲覧。
- ^ 藤井涼 (2015年2月27日). “ヒト型ロボ「Pepper」、発売からわずか1分で完売--初回分300台”. CNETT Japan 2015年2月27日閲覧。
- ^ “Pepper、1000台が1分で完売”. マイナビニュース. (2015年6月20日) 2015年6月20日閲覧。
- ^ “鴻海ルポ、ロボット100台踊る工場newspaper=日経新聞社”. (2015年8月6日) 2015年8月8日閲覧。
- ^ “ソフトバンク、家庭向けの人型ロボット「Pepper」を2015年2月に発売”. 日経BPネットITpro (2014年6月5日). 2015年2月10日閲覧。
- ^ “ソフトバンクの人型ロボ「Pepper」開発者向け先行販売、抽選予約受け付け開始”. ITmedia (2014年9月22日). 2015年2月5日閲覧。
- ^ “Pepper、『おはスタ』1部MC就任 ロボットが帯番組レギュラーは世界初の快挙!?”. オリコンスタイル (2015年3月21日). 2015年8月8日閲覧。
- ^ “鳥取県が「ロボてなし」でスイカPR 「ペッパー」を宣伝部長に”. 産経新聞 (2015年7月11日). 2015年8月8日閲覧。
- ^ “ペッパー君、米子勤務に ソーラーパーク案内役”. ITmedia (2015-07-91). 2015年8月8日閲覧。
- ^ “ソフトバンク、法人向け人型ロボット「Pepper for Biz」をレンタル提供”. 日経新聞社ITpro (2015年7月30日). 2015年8月8日閲覧。
- ^ ““世界初” ロボットが決算発表 ソフトバンクの業績をPepperが説明 「孫社長から無茶ブリされた」”. ITmedia (2015-08-61). 2015年8月8日閲覧。
- ^ “人型ロボット「Pepper」のビジネス支援プログラムが拡充、アプリ販売もスタートへ”. AFP.com (2015年11月30日). 2015年12月2日閲覧。
- ^ “「ペッパー」進化へ ソフトバンク、米IBMと提携”. 日経新聞社 (2016年1月6日). 2016年1月22日閲覧。
- ^ “ソフトバンクショップでPepperを販売開始”. ソフトバンク (2016年1月21日). 2016年1月21日閲覧。
- ^ “ソフトバンク、「Pepperだらけの携帯ショップ」を表参道に期間限定オープン”. インプレス (2016年1月27日). 2016年2月1日閲覧。
- ^ “人型ロボ「Pepper」を活用した高齢者介護の実証実験が開始--服薬管理や体操”. CNET Japan (2016年2月3日). 2016年2月4日閲覧。
- ^ “「ペッパー」で提携、マイクロソフトとも ソフトバンク”. 日本経済新聞 (2016年3月8日). 2016年8月3日閲覧。
- ^ “ヒト型ロボットは雇用を奪えるか、Pepperだけで接客する携帯ショップに足を踏み入れてみた。東京・表参道に期間限定オープン”. engadget (2016年3月24日). 2018年12月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月27日閲覧。
- ^ “「ペッパー」をアンドロイド対応に ソフトバンク”. 日本経済新聞 (2016年5月19日). 2016年8月3日閲覧。
- ^ “ソフトバンクとホンダ AIを搭載、“愛”ある車やジェット機を開発”. 産経新聞 (2016年7月22日). 2016年8月3日閲覧。
- ^ “ヒト型ロボット「Pepper」が海外進出--まずは台湾から”. CNET Japan (2016年7月26日). 2016年8月1日閲覧。
- ^ “ロボット「Pepper」、中国で独自の展開 搭載OSは初の「YunOS」なぜ?”. ITmediaニュース (2016年10月13日). 2016年10月19日閲覧。
- ^ “Pepperに呼びかけて家電を操作、多機能リモコン「iRemocon」のロボアプリが登場”. ケータイWatch (2017年7月11日). 2017年7月24日閲覧。
- ^ “Pepperがコーヒーの好みを覚えて提供してくれる「ロボカフェ」試験導入”. マイナビニュース (2017年7月19日). 2017年7月24日閲覧。
- ^ “ソフトバンクのPepper、4年目以降の月額プランと保険パックを案内”. マイナビニュース (2017年10月10日). 2017年12月13日閲覧。
- ^ “ソフトバンクロボティクス、Pepperの法人利用を促進する「お仕事かんたん生成2.0」”. クラウド Watch (2017年11月21日). 2017年12月13日閲覧。
- ^ “ソフトバンクロボティクス、Pepperによる決済を可能にするレジアプリ”. マイナビニュース (2017年11月20日). 2017年12月13日閲覧。
- ^ “Pepperを遠隔操作できるロボアプリ「Pepper View」リリース!室内を移動して高齢者や子供、ペットの見守りなどに活用”. ロボスタ (2018年1月23日). 2018年1月24日閲覧。
- ^ “Affectiva and SoftBank Robotics Partner to Bolster Emotional Intelligence in Humanoid Robots”. businesswire (2018年8月28日). 2018年8月28日閲覧。
- ^ “「あの形はアレだ。」誰が見てもPepperと分かる。Pepperが立体商標に!”. ソフトバンクニュース (2018年11月22日). 2018年11月22日閲覧。
- ^ “ソフトバンク、Pepperの法人向けプラン新版「Pepper for Biz 3.0」提供、コミュニケーション能力や管理性が向上”. クラウド Watch (2019年4月17日). 2019年4月17日閲覧。
- ^ “人型ロボット「Pepper」に家庭向け新モデル 「ハイ、ペッパー」で呼び掛け、“りんな”で会話力向上”. ITmedia NEWS (2019年4月16日). 2019年4月17日閲覧。
- ^ https://www.facebook.com/asahicom+(2021年6月29日).+“人型ロボ「ペッパー」生産が一時停止 拠点で人員削減も:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2023年6月12日閲覧。
- ^ 【動画】AI歌唱ソフト「VoiSona」にPepperの日本語ソングボイスライブラリを追加
- ^ 『日経産業新聞』2015年10月12日付デジタル面の記事「ペッパー君、1キロ太る」によると、安全性を高めるためセンサーを増やしたり、部材の強度を上げたりした結果、当初より重くなったという。
- ^ Pepperのイメージぴったりの声にすることができました - 株式会社AI
- ^ “AKB48、ぱるるセンター「ハイテンション」MVに田原総一朗ら豪華ゲスト”. 音楽ナタリー. (2016年10月25日) 2016年10月25日閲覧。
- ^ “スキマスイッチのミュージックビデオをPepperが勝手に制作”. 音楽ナタリー (2019年6月5日). 2019年6月5日閲覧。
関連項目
[編集]- ソフトバンクロボティクス
- Nao
- Romeo
- アリババグループ
- 鴻海精密工業
- ワン・トゥー・テン・デザイン - 人工知能・感情認識と連携した会話エンジンの開発を担当
- よしもとロボット研究所 - 会話やパフォーマンスの演出・制作を担当
外部リンク
[編集]- “ロボアプリマーケット for Biz”. 2016年2月29日閲覧。
- “一般販売されているPepperに会える店舗やイベント”. 2015年11月28日閲覧。
- “ロボット人材派遣サービス”. 2015年12月11日閲覧。
- “PEPPER”. ROBOTS. ALDEBARAN社. 2015年2月27日閲覧。
- “ロボット”. ソフトバンクグループ. 2015年2月27日閲覧。
(動画)
- Engadget Japanese (2014年6月9日). “Pepperインタビュー ソフトバンクの人型ロボ Pepper 開発者「言葉では2〜3割しか伝わらない」。9月にも先行販売予定”. YouTube. 2015年2月27日閲覧。
- “Lion's Heart|光吉俊二|TED x Tokyo” (2015年7月24日). 2016年1月21日閲覧。