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クロナゼパム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
C15H10ClN3O3から転送)
クロナゼパム
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
  • AU: C
  • US: D
法的規制
薬物動態データ
生物学的利用能90%
血漿タンパク結合~85%
代謝肝臓 CYP3A4
半減期18–50 時間
排泄腎臓
データベースID
CAS番号
1622-61-3
ATCコード N03AE01 (WHO)
PubChem CID: 2802
DrugBank APRD00054
ChemSpider 2700 チェック
UNII 5PE9FDE8GB チェック
KEGG D00280  チェック
ChEMBL CHEMBL452 チェック
化学的データ
化学式C15H10ClN3O3
分子量315.715
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クロナゼパム(Clonazepam)は、ベンゾジアゼピン系の抗てんかん薬である。抗不安作用も有する[1]。日本では1981年より、商品名ランドセンリボトリールで販売され、適応はてんかんである。また、自律神経系統の疾病であり、抗不安作用も強いことからパニック障害の治療に使用されることもある。

連用により依存症、急激な量の減少により離脱症状を生じることがある[2]。中止の際には漸減が原則である[3]。向精神薬に関する条約のスケジュールIVに指定されている。麻薬及び向精神薬取締法の第三種向精神薬である。

適応

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日本における適応は以下である。

応用

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応用として、むずむず脚症候群パニック障害躁病鬱病の治療にも用いられる。

剤形

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リボトリール 0.5mg錠
  • 錠剤: 0.5mg, 1mg, 2mg
  • 細粒: 0.1%, 0.5%

有効性

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神経発作を鎮める作用があることから、むずむず脚症候群にも使用されている。[4][5]。様々な睡眠時異常行動の治療に用いることもできる[6]レム睡眠行動障害に低用量で良好な効果がある[7][8]

作用機序

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クロナゼパムは、神経細胞の細胞膜に存在するGABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に作用し、抑制性神経伝達を強めることで抗てんかん作用を示す。[9]

禁忌

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抗コリン作用を持つため、次の患者に対しては禁忌である。

副作用

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眠気倦怠感頭痛、集中力低下、体重増加、体重減少、いらいら、ふらつき、脱力感、失禁性欲減退、興奮など

中止の際には漸減が原則であり、急な中止は痙攣重積が発生することがある[3]

日本では2017年3月に「重大な副作用」の項に、連用により依存症を生じることがあるので用量と使用期間に注意し慎重に投与し、急激な量の減少によって離脱症状が生じるため徐々に減量する旨が追加され、厚生労働省よりこのことの周知徹底のため関係機関に通達がなされた[2]奇異反応に関して[10]、錯乱や興奮が生じる旨が記載されている[2]医薬品医療機器総合機構からは、必要性を考え漫然とした長期使用を避ける、用量順守と類似薬の重複の確認、また慎重に少しずつ減量する旨の医薬品適正使用のお願いが出されている[11]。調査結果には、日本の診療ガイドライン5つ、日本の学術雑誌8誌による要旨が記載されている[10]

出典

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  1. ^ Cowen PJ; Green AR, Nutt DJ (March 1981). “Ethyl beta-carboline carboxylate lowers seizure threshold and antagonizes flurazepam-induced sedation in rats”. Nature 290 (5801): 54?5. doi:10.1038/290054a0. PMID 6259533. 
  2. ^ a b c 厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長『催眠鎮静薬、抗不安薬及び抗てんかん薬の「使用上の注意」改訂の周知について (薬生安発0321第2号)』(pdf)(プレスリリース)https://www.pmda.go.jp/files/000217230.pdf2017年3月25日閲覧 、および、使用上の注意改訂情報(平成29年3月21日指示分)”. 医薬品医療機器総合機構 (2017年3月21日). 2017年3月25日閲覧。
  3. ^ a b 日本神経学会(監修)『てんかん治療ガイドライン2010』医学書院、2010年、102頁。ISBN 978-4-260-01122-8http://www.neurology-jp.org/guidelinem/tenkan.html 
  4. ^ Grupo Brasileiro de Estudos em Síndrome das Pernas Inquietas (GBE-SPI) (September 2007). “Síndrome das pernas inquietas: diagnóstico e tratamento. Opinião de especialistas brasileiros [Restless legs syndrome: diagnosis and treatment. Opinion of Brazilian experts]” (Portuguese). Arq. Neuro-Psiquiatr. 65 (3a): 721–7. doi:10.1590/S0004-282X2007000400035. ISSN 0004-282X. PMID 17876423. 
  5. ^ Trenkwalder C, Hening WA, Montagna P, Oertel WH, Allen RP, Walters AS, Costa J, Stiasny-Kolster K, Sampaio C (December 2008). “Treatment of restless legs syndrome: an evidence-based review and implications for clinical practice”. Mov Disord 23 (16): 2267–302. doi:10.1002/mds.22254. PMID 18925578. http://www.movementdisorders.org/publications/ebm_reviews/treatmentofrls.pdf. 
  6. ^ Schenck CH, Arnulf I, Mahowald MW (June 2007). “Sleep and Sex: What Can Go Wrong? A Review of the Literature on Sleep Related Disorders and Abnormal Sexual Behaviors and Experiences”. Sleep 30 (6): 683–702. PMC 1978350. PMID 17580590. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1978350/. 
  7. ^ Ferini-Strambi L, Zucconi M (September 2000). “REM sleep behavior disorder”. Clin Neurophysiol 111 Suppl 2: S136–40. doi:10.1016/S1388-2457(00)00414-4. PMID 10996567. 
  8. ^ Silber MH (February 2001). “Sleep disorders”. Neurol Clin 19 (1): 173–86. doi:10.1016/S0733-8619(05)70011-6. PMID 11471763. 
  9. ^ 新しい疾患薬理学』Katsunori Iwasaki, Shōgo Tokuyama, 岩崎克典., 徳山尚吾.、南江堂、Tōkyō、2018年、173頁。ISBN 978-4-524-40335-6OCLC 1030482447https://www.worldcat.org/oclc/1030482447 
  10. ^ a b 医薬品医療機器総合機構『調査結果報告書』(pdf)(プレスリリース)医薬品医療機器総合機構、2017年2月28日http://www.pmda.go.jp/files/000217061.pdf2017年3月25日閲覧 
  11. ^ 医薬品医療機器総合機構 (2017-03). “ベンゾジアゼピン受容体作動薬の依存性について” (pdf). 医薬品医療機器総合機構PMDAからの医薬品適正使用のお願い (11). https://www.pmda.go.jp/files/000217046.pdf 2017年3月25日閲覧。. 

関連項目

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