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1991年のエッソ・RAC イギリスツーリングカー選手権 (1991 Esso RAC British Touring Car Championship season) は、イギリスツーリングカー選手権の34年目のシーズン。4月1日のシルバーストン・サーキットで開幕し、10月6日の同地における最終戦まで全13戦で争われた。今シーズンはスーパー・ツーリング時代の初年度であった。
- 1990年の移行期間を経て、グループA複数クラスの混走は完全に廃止され、グループAのディヴィジョンIIカテゴリーから発展したスーパーツーリングに置き換えられた。グループAの車両は参加が許可されていたが、スーパーツーリング車両のスピードと同等に制限された。
フォードとシエラRS500によって支配されていたグループAはその終焉に向かっていた。スーパーツアラーは1990年に登場し、BMWとボクスホールが車両を投入することで1991年シーズンにそのスタートを切った。BMWは数的優位性を保持し、ファクトリーチームのプロドライブは2台、セミファクトリーのヴィク・リー・モータースポーツは4台を走らせた。ボクスホールとトヨタは2台を走らせたが、フォードはロブ・グラヴェットのトラックスター・チームの1台のみであった。日産はシーズンのスタートを逃したが、ヤンスピードがキース・オードアのドライブでプリメーラを投入した。日産はシーズン終盤に元F1ドライバーのジュリアン・ベイリーに2台目を走らせた。三菱もシリーズに復帰し、BTCCの経験に長けたジョン・マグワイア・レーシングによってシーズン前半はランサーGTI、後半はギャランをマーク・ホールズが走らせた。
タイトル争いはウィル・ホイとジョン・クレランドの間で繰り広げられた。ホイは開幕2戦で連勝し、その後もコンスタントにポイントを重ねたが、シーズンが進むにつれてトップに出てきたのはクレランドであった。ホイはその安定性で14ラウンドのスラクストンにおいてタイトルを望める位置に立った。確かにホイはBMWチームの戦術によってレースの先頭に立ったが、すぐにワークスのBMWドライバー、ジョナサン・パーマーにその座を明け渡した。ホイはコースアウトし、後にはクレランドと接触してリタイアとなった。クレランドは破損した車両で8位でゴールし、タイトル争いは最終戦に持ち越された。最終戦でホイはクレランドの前でゴールし、最初のスーパーツーリングのタイトルを獲得した。アンディ・ロウズはトヨタにランキング3位をもたらした。スティーブ・ソパーはドイツツーリングカー選手権に出場するため何戦かを欠場したにもかかわらず、ランキング4位となった。
チーム
|
車両
|
No.
|
ドライバー
|
出場ラウンド
|
マニファクチャラー
|
トラックスター・モータースポーツ
|
フォード・シエラ サファイア
|
1
|
ロブ・グラヴェット
|
全戦
|
カリバー ICS チーム・トヨタ
|
トヨタ・カリーナ
|
3
|
アンディ・ロウズ
|
全戦
|
33
|
ゲイリー・アイルズ
|
全戦
|
BMWチーム・ラバッツ (ヴィク・リー・レーシング)
|
BMW・M3
|
4
|
ティム・ハーベイ
|
全戦
|
9
|
ローレンス・ブリストウ
|
1-11, 13
|
アルミン・ハーネ
|
12
|
ボクスホール・スポーツ
|
ボクスホール・キャバリエ
|
5
|
ジョン・クレランド
|
全戦
|
6
|
ジェフ・アラム
|
全戦
|
56
|
ボブ・バーリッジ
|
12-13
|
BMWチーム・リステリン(ヴィク・リー・レーシング)
|
BMW・M3
|
11
|
ウィル・ホイ
|
全戦
|
12
|
レイ・ベルム
|
全戦
|
BMWチーム・ファイナンス(プロドライブ)
|
BMW・M3
|
22
|
ジョナサン・パーマー
|
全戦
|
44
|
スティーブ・ソパー
|
1, 3, 7-10, 12
|
ティム・サグデン
|
2, 5-6, 11, 13
|
クリスチャン・ダナー
|
4
|
ニッサン・ヤンスピード・レーシング
|
ニッサン・プリメーラ eGT
|
23
|
キース・オードア
|
2-13
|
24
|
ジュリアン・ベイリー
|
11-13
|
ジョン・マグワイア・レーシング
|
三菱・ランサー
|
88
|
マーク・ホールズ
|
1-5
|
三菱・ギャラン
|
8-13
|
インディペンデント
|
ピラミッド・モータースポーツ
|
BMW・M3
|
2
|
フランク・シトナー
|
1-8, 10-11
|
デイビッド・レズリー
|
13
|
18
|
マット・ニール
|
7
|
アリステア・フェンウィック
|
12
|
ゴッドフリー・ホール
|
13
|
ショーン・ウォーカー
|
フォード・シエラ RS500
|
7
|
ショーン・ウォーカー
|
2
|
BMWチーム・スウェーデン
|
BMW・M3
|
10
|
ネッタン・リンドグレーン
|
1-3, 5-6
|
91
|
ペゲン・アンダーソン
|
1-3, 6
|
R&Dモータースポーツ
|
BMW・318is
|
13
|
アンガス・マッケイ
|
1-2
|
アリステア・ライアル
|
4, 7, 13
|
ACEモータースポーツ
|
プジョー・405 Mi16
|
17
|
アンドリュー・マッケンジー
|
7, 10
|
ジャッジ・ディベロップメンツ
|
フォード・シエラ RS500
|
19
|
デニス・リーチ
|
1-4
|
モト-ビルド
|
ローバー・216GTi
|
20
|
グラハム・デイヴィス
|
1-2, 7, 10
|
ブロディ・ブリテン・レーシング
|
フォード・シエラ サファイア
|
21
|
デイヴ・ブロディ
|
10-13
|
ドランブイ・レーシング
|
BMW・M3
|
45
|
イアン・フォレスト
|
全戦
|
HWRモータースポーツ
|
ボクスホール・ベルモント
|
58
|
ジェフ・ウィルソン
|
9, 11, 13
|
トニー・バーディ
|
12
|
BRR モータースポーツ
|
BMW・M3
|
59
|
イアン・フラックス
|
1, 3-5, 13
|
ヴァル・ムセッティ
|
11
|
オート・トレーダー・テックスピード・チーム
|
BMW・M3
|
66
|
ニック・ホエール
|
1-5, 8-9, 11-13
|
デイビッド・レズリー
|
7
|
77
|
ニック・ベアード
|
1-5, 7-8, 12-13
|
マット・ニール
|
9, 11
|
ジョン・ルウェリン
|
10
|
グラハム・グード レーシング
|
フォード・シエラRS・コスワース
|
99
|
アンディ・ミドルハースト
|
全戦
|
- ^ - レースは10ラップの時点で豪雨のため中断した。その後再開されなかったためポイントは与えられなかった。
|
色 |
結果
|
金色 |
優勝
|
銀色 |
2位
|
銅色 |
3位
|
緑 |
ポイント圏内完走
|
青灰色 |
ポイント圏外完走
|
周回数不足 (NC)
|
紫 |
リタイヤ (Ret)
|
赤 |
予選不通過 (DNQ)
|
予備予選不通過 (DNPQ)
|
黒 |
失格 (DSQ)
|
白 |
スタートせず (DNS)
|
エントリーせず (WD)
|
レースキャンセル (C)
|
空欄
|
欠場
|
出場停止処分 (EX)
|
|
- ^ - ティム・ハーベイは第3戦で騒音規定に収まらなかったため48ポイントのペナルティを受けた。
† レースは豪雨のため中断、ポイントは与えられなかった。
注: 最多ファステストラップは不明。