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西武101系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
西武101系電車 (2代)から転送)
西武101系電車
左端が旧101系、中央と右が新101系

西武101系電車(せいぶ101けいでんしゃ)は、1969年昭和44年)に登場した西武鉄道通勤形車両

本形式は、製造時期によって以下の2種類のグループに分けられる。

  • 旧101系(低運転台車、1969 - 1976年製造)
  • 新101系・301系(高運転台車、1979 - 1984年製造)

なお、本項では個別の編成について、「N編成(N=編成中の最若番車両の番号)」の表記とする。

  • 本系列の車両番号の付与の規則性上、各編成とも編成中の最若番車両の番号は必ず奇数となっているので、編成番号は必ず奇数となる。

旧101系

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西武101系電車
晩年の旧101系ワンマン車
(2010年11月4日)
基本情報
運用者 西武鉄道
製造所 西武所沢車両工場
製造年 1968年 - 1976年
製造数 278両
運用開始 1969年3月5日
引退 2010年
主要諸元
編成 4・6両編成
軌間 1,067 mm (狭軌
電気方式 直流1,500 V
架空電車線方式
最高運転速度 105 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.3 km/h/s (2M2T)
(高加速度設定時 2.5 km/h/s)
3.0 km/h/s (4M2T)
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 656人(4両編成)
992人(6両編成)
車両定員 160人(座席66人) [先頭車]
168人(座席72人) [中間車]
自重 40.0 t(モハ101形冷房車)
29.0 t(クハ1101形冷房車)
全長 20,000 mm
全幅 2,813 mm
全高 4,231 mm
車体 普通鋼
台車 住友金属工業FS372(モハ101形)
FS072(クハ1101形)
主電動機 直巻整流子電動機
主電動機出力 150 kW
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 15:86=1:5.73
編成出力 1,200 kW(4両編成)
2,400 kW(6両編成)
制御方式 電動カム軸式抵抗制御、直並列組合せ制御及び弱界磁制御
制御装置 MMC-HTB-20E
制動装置 抑速ブレーキ装備発電ブレーキ併用電磁直通空気制動(HSC-D)
保安装置 西武形ATS
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概要

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1969年(昭和44年)の西武秩父線開業に合わせて山岳路線を走行するための高出力・高ブレーキ性能の車両として登場し、同年3月5日に西武秩父線の開通より一足早く営業運転を開始した。登場時は「ASカー(All round Service Car)」とも称された。1976年(昭和51年)までに4両編成50本(200両)と6両編成13本(78両)の計278両が新製された。このうち6両固定編成の電動車2ユニット中1ユニットには当時の大手民鉄では珍しいハイフン付ナンバー(モハ101-21 - 30・201 - 216)が登場している。車両形式は制御車のクハ1101形と中間電動車のモハ101形のみである。

車両の特徴

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車体構造は先に登場した801系のデザインを踏襲しており、前面は非貫通・2枚窓で、上部中央には手動巻き取り式の行き先表示器(方向幕)が、その左右に後部標識灯と通過標識灯が搭載されている。向かって右側の後部標識灯下(運転席窓上)には乗務員室用通風口のフタを有する。前面窓下に前照灯を左右1灯ずつ装備し、その下にはステンレス製の飾り帯が巻かれている。前面の方向幕は行先のみの表示で、準急以上の種別は運転席窓内の向かって左上に種別名が書かれた札を掲示していた。なお車体側面には種別・行き先表示器とも無い。側面は片側両開き3扉で、扉間には戸袋窓と二段窓が4つ配されている。

701・801系列での外観上の差異は、台枠厚さが増加した一方床面高さをほぼ同一としたため、その分車体裾が下がっている。このほか、客用扉を閉扉した際に物挟みなどで完全に閉まりきらない扉のみ再度全開にする事ができる再開閉スイッチや、車内保温を目的に運転台直近の扉以外を締切る装置が本系列で初めて備えられた。

屋根上にはグローブ形ベンチレーターを、先頭車の非冷房車は7個で冷房車は5個、中間車の奇数車(M1、3車)の非冷房車は5個で冷房車は3個、中間車の偶数車(M2,4車)は8個で冷房車は6個装備する。パンタグラフは菱形をM1車に2基搭載する。

座席はオールロングシートで、モケットは茶色と緑色(優先席)が採用された。内装の化粧板は茶色系統の暖色系が採用された。車両間の貫通扉は両開き式で101 - 127編成はM2車のM1車寄り(1位側)のみに、129 - 181編成はTc1車・M2車の1位側・Tc2車に、183編成以降はM1・2車の1位側、Tc2車に設けられた。101 - 181編成は冷房化改造の際に扉の新設や移設により183編成以降と同じ位置に統一された。天井には非冷房車は扇風機、試作冷房車は冷風吹き出し口と扇風機、冷房車はラインデリア6個を備え非冷房車および試作冷房車より蛍光灯を中間車では2本、先頭車では3本多く搭載している。

台車住友金属工業製の空気ばね台車でクハ1101形がFS072、モハ101形がFS372を装着する。これらは801系クハ1801形が装着していた空気ばね・インダイレクトマウントタイプFS067の発展型で、枕ばね周りの構造はダイレクトマウント方式に変更された。軸ばね周りの基本構造は共通のペデスタル+軸ばね支持であるが、この構造は基本構造がシンプルで初期コストが低く、通常のメンテナンスも容易という長所がある。ただしペデスタル摩擦部は他の高度な軸ばね方式に比べて頻度の高い適切なメンテナンス(隙間調整)を要するが、元々在来旧型車の多数がペデスタル付き旧型台車で占められていた西武では、保守上の問題はなかった。

主電動機日立製作所製HS-836-Nrb・Prb(出力150 kW)または東洋電機製造製TDK-8010-A(出力150 kW)が、主制御器は日立製の電動カム軸式の抵抗制御器MMC-HTB20E(弱め界磁起動1段・直列12段・並列13段・弱め界磁5段・発電制動25段)が搭載された。一般的な抵抗制御としては進段数を多めに取り高加速性能を得ている。また、定格回転数を1,850 rpm(80 %界磁)[1]と高く設定されたほか、最弱め界磁率が40 %から35 %に拡大され、高速域の性能も向上している。これらはM1、3車に搭載された。補助発電機としては電動発電機(MG)がM2、4車に搭載された。非冷房車は12 kVAのHG-534-Mrb型、冷房車および冷房改造車は150 kVAのMG117-S型、6両固定編成はMG114A-S型、一部の冷房改造車はブラシレスで140 kVAのHG-77445-01R型またはTDK-3350-A型を搭載する。また、モハ218・220・222・224は1988年に静止形インバータ(SIV)へ交換された[2]

車内(クハ1223、2010年2月撮影)
同車は特別修繕工事を受けており、座席や内装の色などが登場時とは異なる。

制動装置には西武鉄道では初めて応荷重装置を持った発電制動付き電磁直通空気制動(HSC-D)を採用、勾配抑速発電制動を装備した。これらは急勾配が続く西武秩父線を走行するための装備であり、同時期に登場した5000系もこれと同様の装備を有する[注 1]。これにより、自動空気ブレーキ装備の在来系列との通常の併結運転は不可能になった。

電動空気圧縮機(CP)はAK-3型[注 2]をM2、4車に2台搭載した。後の冷房化改造や特別修繕工事に併せてHB-2000型1台に交換された車両も多く存在した。

塗装

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159編成赤電塗装
159編成赤電塗装

車体塗装は従来と異なり、レモンイエロー(西武エロー[3])の地に窓回りがウォームグレー(西武ライトベージュ)の塗り分けとなり、ドアは内外共にステンレス無塗装仕上げとなった。この塗装パターンは西武通勤車の標準色として1994年(平成6年)登場の9000系まで採用されることとなる。塗装が変更された理由は、搭載機器の種類が異なり連結運転が不可能な701・801系(当時赤電色)と識別する意味もあった[注 3]。その後、1996年(平成8年)からは183編成を皮切りに保守作業の簡略化を目的に車体色のレモンイエロー単色化が行われ、1999年(平成11年)の201編成を最後に変更が完了した。

  • 変更期間中の1998年(平成10年)10月に横瀬車両基地での「西武トレインフェスティバル」の開催に際し、塗装未変更車1編成が西武新宿 - 西武秩父間の臨時列車に充当された。

2001年(平成13年)秋には、「西武トレインフェスティバル・赤電スペシャルウィーク」において159編成が赤電色に変更され、臨時列車として同年9月29日 - 30日に西武新宿 - 西武園間を、同年10月7日 - 8日には池袋 - 横瀬間でそれぞれ運転された。同編成は重要部検査を間近に控えており、臨時列車への充当後すぐに検査入場しレモンイエロー1色塗装に戻され、赤電塗装での定期列車への充当はなかった。旧101系に赤電色が施工された唯一の例である。

冷房車の登場および冷房化改造

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旧101系は冷房器非搭載で登場し、しばらくそのまま増備が続けられたが、1972年(昭和47年)に171 - 181各編成の4両編成6本(24両)が試作冷房車として新製された。これは西武鉄道で初の冷房通勤車である。

  • パンタグラフのあるM1車にはCU-72形集中式冷房装置[注 4]を1基、他の3両にはCU-16形集約分散式冷房装置を5基搭載。
  • 冷房化による大容量交流低圧電源確保のために150 kVAの電動発電機(MG)MG117-Sを搭載。
  • 車内には補助送風機として扇風機を設置。特にM1車は天井から張り出したダクトが目立っていた。

比較試験の結果、量産車では集中式冷房装置を採用することになり、1973年(昭和48年)には121 - 129編成の4両編成5本が冷房改造され、同時に新製冷房車のMM'ユニット2両を組み込むことで101系初の6両編成となった[注 5]。1974年(昭和49年)には新製冷房車となる191編成が登場し、163編成に4両編成で最初の冷房化改造が施された。

なお、量産冷房車では以下の点で設計変更が実施された。

  • 天井がダクト埋め込みの平天井となり、補助送風機もラインデリアとなった。
  • MGを容量12 kVAのHG-534-Mrbから150 kVAのMG117A-Sへ交換、もしくは新製時から搭載。なお、前述の通り6両編成には120 kVAのMGが搭載され、4両編成の一部には140 kVAのMGが搭載された。
  • 改造によりモハ101形の自重は2.0 t(38.0 t→40.0 t)、クハ1101形の自重は1.0 t(28.0 t→29.0 t)増加。

冷房改造は新製車導入と並行して行われたが、池袋・新宿線間での冷房車比率を均等にする目的で旧101系の冷房改造は一時中断となり[注 6]、701系・801系・401系の冷房改造完了後に再開された。1987年(昭和62年)の161編成を最後に全編成の改造が完了した。

試作冷房車のうち175・177編成が他編成と同一の集中式冷房装置搭載ならびに屋根上ベンチレーターを箱型タイプに交換改造され、残りの4編成は4000系に機器を提供するため未改造のまま廃車となった。なお、175・177編成および1984年(昭和59年)以降に冷房化改造された101 - 119・131・139・149・161の計24編成は、改造時に座席端パイプが新101系と同様の網棚と一体化したタイプに変更されたほか、車側灯の電球[注 7]が2灯化された。

冷房化以外の改造

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全編成に列車無線装置の設置・ブレーキ制御装置の変更(カバー付き)・前面密着連結器の胴受形状変更・屋根ならびに床下機器のグレー色調変更(N5→N4)・ドアエンジンのTK-4D形からSTK-4D形への改造(戸開き時に排気音→戸閉め時に排気音)などが施工され、一部編成は空気圧縮機への除湿装置取付・MGからSIVへの交換が行われた。

1980年代以降に新宿線で運用された編成は冷房改造後の401・701・801系との併結運転対応の改造工事が行われた。改造内容は抑速ブレーキのカットをはじめとするもので、該当編成は電気連結器部分が黄色塗装にされ識別された。なお、1998年に復元工事が行われている。

1980年代中頃から後述の新101系と同様に乗務員室の客室仕切り扉に客室側より忍び錠にてラッチ施錠を行える改造が施工された。これはドアシリンダーの引っかかりが甘く車掌の車内改札中に急に開いてしまうことが多々あった事や、折り返し駅などで悪質な者に勝手に車掌スイッチを扱われる事件が発生したために備品盗難防止や保安上の観点から実施された。ほぼ同時期に他系列でも同様に忍び錠がないと操作できない新タイプの車掌スイッチに交換された。

特別修繕工事

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1988年(昭和63年)に129・183・191 - 201・209- 225編成の30編成に対し、車内外の特別修繕工事(特修)が実施された。

  • 車内の変更点
    • 129・183編成以外は内装が変更され、化粧板が新2000系に準じたものとなった。
    • 施工3編成目の191編成以降では座席モケットが赤系のオレンジのものに変更された。また、193編成以降の編成では座面と背もたれの間にFRP成形物を入れたタイプの座席とした。
  • 車両の変更点
    • CPの交換(195 - 201・209 - 225編成)。
    • 前面乗務員室通風口の室外側撤去(183編成を除く)。
    • 客室ドアの窓支持方式を黒色Hゴムから金具押さえに変更(129・211 - 225編成は701系の廃車発生品への交換、183・191編成は特修工事終了後単独で701系の廃車発生品への交換)。
      • 客室ドアは特修工事未施工の203編成が窓支持方式の変更を、123・205・207編成が701系の廃車発生品への交換を実施されている。

VVVFインバータ制御試験車

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1988年に引退した145編成のうち、中間車モハの145・146は廃車にならず、以下の改造が施された。

  • 主回路をVVVFインバータへ変更。モハ145には日立製GTO-VVVF、モハ146には三菱製GTO-VVVFを搭載した。
  • 台車はFS372Aを装着。主電動機は170kWの三相かご形誘導電動機を取り付けた[4]
    • この台車はクハ3005・3006の落成時に装着されていたもので、交換により余剰となっていた。またモハ145・146に元々装着されていたFS372は編成内の他車両と同じく4000系へ流用された。
  • 301系への組み込みのため、両端の妻面貫通路を狭幅化。

改造後は301系307編成のサハ1301形の代わりに組み込まれ(1307+307+308+145+146+301-7+301-8+1308)、MT比を維持するためモハ301-7・8は主電動機回路をカットした上営業運転を行った。

1990年(平成2年)には試験が終了しモハ145・146は廃車、307編成はサハ1301-7・8を復帰させ元の編成に戻った。

ワンマン対応改造

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※新101系については#ワンマン対応改造 (新101系)を参照。

1996年(平成8年)4月に多摩川線ワンマン運転が開始されるのに際し、1995年度に4両5編成に対してワンマン運転並びに甲種輸送[注 8]への対応改造が実施された[5][6]。当時池袋線所属で特修施工済の217 - 225編成が対象となり、多摩川線の701系を置換えた。改造内容は以下の通り。

多摩川線には4編成が配置され、もう1編成は予備で新宿線の支線(主に西武園線)で運用されるシステムが採られた。

配置と運用

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西武有楽町線山口線を除く全線で特急以外の全列車で使用された。新101系と、対応改造車は701・801系などとも併結運転が可能で、最大10両まで連結された。

旧101系の登場当初は西武秩父線対応であったことから池袋線系統に配置されていたが、冷房車登場後は冷房化率向上のため新宿線にも配置された。

前述のように池袋線と新宿線の冷房車配置を均等にする目的で旧101系の冷房改造を中断し、701系などの冷房化改造に移行した時期があったが、実際には旧101系冷房車を新宿線に配置し、701系・401系冷房改造車を池袋線に配置するケースもあった。その後1979年(昭和54年)に登場した新101系は、2連の一部が新宿線にも配置され既存の旧101系と組んで使用されたが、その直後1980年(昭和55年)3月17日改正に伴う転配で101系は池袋線に、701系・401系冷房改造車は新宿線にそれぞれ集約することになり、以降しばらくの間旧101系は全車が池袋線に配置された。

1990年代になると池袋線にも新2000系の投入が開始される一方で、新宿線の701系・801系・401系・501系(3代)冷房改造車の老朽化により、旧101系が新宿線系統に再び配置された。

1996年からワンマン改造が施工された217 - 225編成が多摩川線に投入された。多摩川線での運用車4本と本線に残った1本とは検査などの際には武蔵野線を介して編成の入れ替えを行っていたが、1999年に始まったJR中央線武蔵境駅高架化工事に伴い同駅でJR線との連絡が断たれてからは217 - 223編成の4本で固定された。

2004年の車両の動き

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2004年夏時点で、旧101系は新宿線と池袋線にそれぞれ4両編成4本(16両)とワンマン車4両編成5本(20両)の計9本36両が在籍していた。

新宿線に残存していた175編成と191編成は12月6日付けで廃車になった。

池袋線に残存していた193編成と197編成は、同年の「西武トレインフェスティバル2004 in 横瀬」の開催に合わせて5年ぶりに登場時のツートンカラーに塗色変更[注 9]され池袋 - 横瀬駅間の臨時列車として走った。イベント終了後、両編成は秩父夜祭輸送や土休日の西武秩父線直通快速急行の運用に使用された。この快速急行運用の中の特定の3日間は「秩父線開業35周年」のヘッドマークを装着して運行された。

その後12月19日に「さよなら旧101系運転」として西武園東村山本川越西武球場前所沢→飯能→西武秩父の経路で運転された[8]。西武球場前駅では展示会が行われ[8]、終着地の西武秩父駅到着後は横瀬車両基地に回送の上解体された。

  • この列車は団体専用であり、参加費用は大人1人1,101円(クハ1101形にあやかって)と設定されたほか[8]、本川越 - 狭山市間では特急列車とほぼ同じダイヤでの運転、元加治 - 飯能間での非常ブレーキの実演や正丸トンネル信号場(正丸 - 芦ヶ久保間)では列車を停車させ「夜間の停電」を想定した車内灯の一瞬消灯など、通常の営業列車では体験できない様々なイベントが盛り込まれた。前面方向幕には「さよなら 101系」(行先表示幕の上にテープを貼付して対応)が表示され、運転台にはかつての小型の種別板をイメージした「最終」「惜別」の板が、前面には「急行 奥武蔵/奥秩父」をあしらった「さよなら 101系」のヘッドマークがそれぞれ装着された。

2008年の車両の動き

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さよならヘッドマークを掲出した225編成
さよならヘッドマークを掲出した225編成

多摩川線配置車が217 - 223編成に固定された後本線側に残った225編成は、2006年4月から約1年間かけて行われた多摩湖線用新101系ワンマン車の更新工事の間に予備車として2008年2月3日まで同線で運用された[9]。運転終了直前の1月27日から先頭車の中央下部に「さようなら101系225/226号車」と写真が載った特製ヘッドマークが掲出された[9]

  • 運転最終日の2月3日にはイベント列車(ミステリートレイン)として運転される予定だったが[9]、降雪のため中止となり新宿線内を回送列車として走行した。

2010年の車両の動き

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2010年に入って武蔵境駅の高架化が完了し、多摩川線と中央線の連絡線が復活したことから車両の入れ替えが再開され、同線にはワンマン改造を施工された新101系が4編成投入された。それらと交替で3月に217編成、6月に219編成、9月に221編成、11月に223編成がそれぞれ多摩川線から小手指車両基地に回送され、最終的には横瀬車両基地に回送され解体された。なお、223編成のみ横瀬車両基地に回送される前に方向転換を行っている[10]。同編成の廃車をもって旧101系が全廃となった。1224号車はツートン塗装に塗り替えた上、横瀬車両基地に保存されている(後述)。

  • 221編成は10月3日に横瀬車両基地で開催された「西武トレインフェスティバル2010 in 横瀬」で展示された。

なお、最後まで残った223編成は11月3日から運用終了日まで2種類のヘッドマークが掲出された[11]

217編成
回送のため連結器交換済
223編成
ヘッドマーク武蔵境方
223編成
ヘッドマーク是政方

廃車と機器の再利用

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1988年(昭和63年)に試作冷房車の171・173・179・181編成および141 - 147編成の8編成32両のうちモハ145・146を除いた30両が本系列最初の廃車になった。以下の形式に本形式の機器の流用・再利用が行われている。

4000系
上記の8編成分の機器を使い1988年に4両編成8本(32両)が製造された。さらに秩父鉄道への乗り入れ列車を増発するため、1992年(平成4年)に163 - 169編成の機器を使用して4両編成4本(16両)が追加製造された。
9000系
台車、主電動機、主制御器などが流用され1993 - 1998年(平成10年)に10両8編成が製造された。現在ではVVVFインバータ制御器に取替えられている。
10000系
旧101系・3代目501系・5000系の台車、主電動機、主制御器などが流用され1993 - 1996年に7両11編成が製造された。なお、台車は緩衝ゴム式に改造されている。2003年には199・201編成の一部機器・台車を流用して第12編成が製造された。この編成は主回路制御にVVVFインバータを採用したため流用範囲が狭まっているほか、緩衝ゴム式への改造は行われていない。

事故廃車

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1992年(平成4年)12月に213編成が新宿線東村山0号踏切で自動車との衝突事故を起こした際、モハ101-214から火災が発生し同車は廃車になった。代替として経年廃車予定だった125編成のモハ101-26を2代目モハ101-214に改番の上で組み込んだことで、213編成は営業運転に復帰している。なお、213編成は最終的に2003年(平成15年)に廃車になった。

編成表

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4両編成

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是政
備考
号車 1 2 3 4
形式 クハ1101
(Tc1)
モハ101
(M1)
モハ101
(M2)
クハ1101
(Tc2)
車両番号 1101
(奇数)
1119
101
(奇数)
119
102
(偶数)
120
1102
(偶数)
1120
新製時非冷房
1131
(奇数)
1169
131
(奇数)
169
132
(偶数)
170
1132
(偶数)
1170
1171
(奇数)
1181
171
(奇数)
181
172
(偶数)
182
1172
(偶数)
1182
試作冷房車
1183
(奇数)
1189
183
(奇数)
189
184
(偶数)
190
1184
(偶数)
1190
新製時非冷房
1191
(奇数)
1199
191
(奇数)
199
192
(偶数)
200
1192
(偶数)
1200
 
1217
(奇数)
1225
217
(奇数)
225
218
(偶数)
226
1218
(偶数)
1226
多摩川線用ワンマン化改造車


6両編成

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備考
形式 クハ1101
(Tc1)
モハ101
(M1)
モハ101
(M2)
モハ101
(M3)
モハ101
(M4)
クハ1101
(Tc2)
車両番号 1121
(奇数)
1129
121
(奇数)
129
122
(偶数)
130
101-21
(奇数)
101-29
101-22
(偶数)
101-30
1122
(偶数)
1130
ハイフン付き車両以外は
新製時非冷房
1201
(奇数)
1215
201
(奇数)
215
202
(偶数)
216
101-201
(奇数)
101-215
101-202
(偶数)
101-216
1202
(偶数)
1216
213編成のモハ101-214は
事故廃車による代替あり

新101系・301系

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西武新101系・301系電車
1979年からの増備車はデザイン変更され、
新101系として区別される
基本情報
運用者 西武鉄道
製造所 西武所沢車両工場東急車輛製造
製造年 1979年 - 1984年
製造数 156両
主要諸元
編成 2・4・8両編成
軌間 1,067 mm (狭軌
電気方式 直流1,500 V
架空電車線方式
最高運転速度 105 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.3 km/h/s (2M2Tおよび4M4T)
(高加速度設定時2.5 km/h/s)
3.3 km/h/s (2M)
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 320人(2両編成)
656人(4両編成)
1,328人(8両編成)
車両定員 160人(座席64人)[先頭車]
168人(座席72人) [中間車]
自重 40.0 t(クモハ101形およびモハ101形)
29.0 t(クハ1101形)
28.0 t(サハ1301形)
編成重量 80.0 t(2両編成)
138.0 t(4両編成)
274.0 t(8両編成)
全長 20,000 mm
全幅 2,850 mm
全高 4,246 mm
車体 普通鋼
台車 住友金属工業FS372(電動車)
FS072(付随車)
主電動機 直巻整流子電動機
主電動機出力 150 kW
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 15:86=1:5.73
編成出力 1,200 kW(2・4両編成)
2,400 kW(8両編成)
制御方式 電動カム軸式抵抗制御、直並列組合せ制御及び弱界磁制御
制御装置 MMC-HTB-20E
制動装置 抑速ブレーキ装備発電ブレーキ付き電磁直通空気制動(HSC-D)
保安装置 西武形ATS
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概要

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2000系の増備が一段落した1979年(昭和54年)に登場した。旧101系から続けて番号が振られており、227以降の編成が新101系にあたる。

自社の西武所沢車両工場だけでなく、東急車輛製造でも多数製造され設計も同社に委託した。このため、同時期に同社が設計に関与した国鉄201系電車とも外観上の類似点が数々見られる。戦後発足の現・西武鉄道の通勤形電車としては初の外部発注[注 10]であった上に、その発注先がかつて箱根山戦争伊豆戦争で対立関係にあった東急グループの企業であったことが特筆される。

1979年7月に9次車として2両編成8本(281 - 295編成)が東急車輛にて製造された。同年12月には4両編成が登場、翌年10月までに18本(227編成 - 261編成)が製造された。9 - 11次車となり、このうち235 - 253編成の10本が東急車輛製、その他は西武所沢工場製である。なお以降は全て所沢工場での製造となった。

続けて1980年(昭和55年)12月に300番台の4両編成が製造された。305編成が登場した時点でこれらの編成は301系とされた。301 - 309編成の4両5本(20両)が登場したのち、1981年度中ににサハ1301形を含む中間車20両が製造、1982年(昭和57年)から各編成に組み込みが行われ8両固定編成となった。引き続き11次車となっている。

また1982年度には12次車として2両編成6本(269 - 279編成)が増備されており、これらは番号が若返っている。

さらに1983年度には13次車として8両編成2本(311・313編成)が増備された。また、両編成は新製時から8両固定編成で、所沢工場における最初で最後の8両同時出場となった。

  • 301系は当初、701系が多く運用されていた新宿線用に、701系と併結して運用できる101系として製造が計画された[12]。実際には1981年(昭和56年)に4連の253 - 261編成が701系列と連結できるよう改造され(詳細は後述)、301系は101系の8両固定編成版に計画変更された。また、8連車の誕生により先頭車用の資材が余剰となったため、これを活用する形で2連車(12次車、269 - 279編成)が製造されたといわれている[12]
  • 新101系と301系は1982年(昭和57年)で製造を終了する予定であったが、1983(昭和58)年度に3000系を5編成製造する計画が3000系3編成と301系2編成の製造へと変更された経緯がある。

最終的に新101系が100両、301系が56両の計156両が製造された。内訳の詳細を下表に示す。

竣工時期 編成 (両数)[13] 製造所 区分
1979年7月 281 - 295 (2) 東急 9次車
1979年12月 -
1980年3月
227 - 233 (4) 所沢
1979年12月 235 - 243 (4) 東急
1980年4月 245 - 253 (4) 10次車
1980年6月 -
10月
255 - 261 (4) 所沢 11次車
1980年12月 -
1981年7月
301 - 309 (8)
うち4両編成分
1981年8月 -
1982年3月
301 - 309 (8)
うち中間車4両
1982年5月 -
12月
269 - 279 (2) 12次車
1983年11月 -
1984年3月
311 - 313 (8) 13次車

車両の特徴

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クモハ288車内
2011年4月

新101系・301系はデザイン面で旧101系を大幅に変更されたが、台車・ブレーキシステム・電装品は変わらない。旧101系からの変更点は以下の通り。

外観・設備面

  • 前面窓周りを一段へこませた額縁タイプとし同時に鼻筋の通ったデザインとした。
  • 前面窓上側は向かって右側に行先表示器、左側に種別表示器(共に手動式)を配置。
  • 前照灯の間隔も旧101系より拡大し、標識灯と尾灯は縦配置とした。
  • 運転台を150 mm高くしワイパーも2連とした。
  • 側窓を旧101系の2段上昇式から上段下降・下段上昇式に変更。周辺の造作も変更された。
  • 車側灯を戸閉・非常通報が縦並びのワンセットになったものへ変更。
    • さらに13次車では戸閉車側灯が縦長の2灯式に変更された。
  • 乗務員室の客室仕切り扉は客室側より忍び錠にてラッチ施錠を行えるようにした。
  • 側扉窓と妻扉窓を金属押さえとした。
  • 貫通路は2000系と同じ狭幅とした。
    • さらに12次車から取手の形状が変更されている。
  • 化粧板変更。
  • 蛍光灯を増設。
    • さらに12次車以降では予備灯が客室灯と兼用のものへ変更[13]
  • 網棚と座席仕切りパイプを一体化。
  • 運転室スペース拡大に伴い運転席直後の座席を3人掛けから2人掛けに変更(先頭車の着席定員は若干減少)。
  • 12次車以降は座席が旧101系の特修車と同様のFRP成形物を入れたタイプに変更。

機器類

  • 全車両において当初より冷房装置を搭載。
    • 12次車以降ではステンレスキセのCU72Cへ変更された[13]
  • ベンチレーターを箱型に変更。
    • 13次車以降では側面開口部の整風板が3枚に増加した。それ以前のものは1枚で、これは本系列独自のものとなっている。
  • 2両編成において、補助電源装置に日立製MG (HG-584系) を採用。
    • このうち12次車(269 - 279編成)には同社のブラシレスタイプ (HG77443系)が採用され、他の編成も後の改造で揃えられた[12]
  • 空気圧縮機をHB2000の1台搭載へ変更。
    • なお2両編成においては後の除湿装置取付あたってスペース上の問題があり、12次車はAK3を1台搭載で製造、既存車も同じくAK3に置き換えられた[13]。さらにその後、AK3の老朽化に伴い低騒音形のHS10へ再交換されている[12](283編成を除く)。
  • 11次車より、ドアエンジンの電磁弁が変更されて従来とは逆に減圧で閉扉となるよう改められた[14]

外部塗装は、旧101系と同様レモンイエロー地に窓回りがウォームグレーの塗り分けとなった。前面の窓回りは、最初に登場した2両編成では側面と同じウォームグレーであったが、4両編成ではそれより濃い色(ブラウン、ミルクココアなどと言われる)となった。さらに12次車からは黒色(西武チョコレート)となり、初期の編成も含めて数年の間に黒色へ統一されている。1990年代後半には旧101系と共に側面の黄色一色化が行われた。また同時期に種別・行先表示器の字幕も白地黒文字から黒地白文字に変更した。2008年(平成20年)6月からは種別・行先にローマ字表記を追加し、各駅停車の種別表示は「普通」から「各停」に変更された。

改造

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701系列との連結運転対応改造

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1981年以降に253 - 261編成に701系列(701系・801系・401系・501系)と連結できるように抑速ブレーキの無効化、戸閉め装置その他の電気回路の一部を変更などの改造が施工されて新宿線系統に転属し[15]551系などを置換えた。

  • この改造では識別のため電気連結器カバーが黄色に塗装された[15][注 11]。1988年以降、新2000系が新宿線に配属されると一部の車両は連結対応仕様を解除した上で池袋線系統に再転属、さらに1997年の701系グループ淘汰後は全て解除された。

秩父鉄道乗り入れ改造

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1989年から秩父鉄道への乗り入れが始まり、これに先立って227編成+229編成・231編成+233編成・235編成+237編成・239編成+241編成の4両編成8本4組に対応改造が行われた。内容は以下の通り。

  • パンタグラフを従来のKP62Aから折り畳み高さの低いPT4320Sに変更[注 12]
  • 横瀬駅での切り離しを行うため、中間のクハ4両(クハ1228,1229,1232,1233,1236,1237)に自動解放装置を取付け、これに伴い電気連結器を交換[注 13]。その他の車両とは連結不可となることから、識別のため電気連結器のカバーを白塗装とした。なお、ペアの外側となるクハ4両には行われていない。
  • 分割時の案内のために各車の車内外に号車番号ステッカーを貼り付け、また池袋・西武秩父側となる5 - 8号車(229・233・237・241編成)のつり革を茶色へ変更[注 14]
  • 方向幕に秩父鉄道の駅名などのコマを追加。
  • 1992年に秩父鉄道がATSを導入したことにあわせ、秩父鉄道ATSを搭載した。
    • この際に編成数が見直され、239編成+241編成は乗り入れ仕様を解除され原型に復元されたが、241編成の茶色つり革はそのまま残された。

なお、休日ダイヤの乗り入れ運用には三峰口+西武秩父行きと西武秩父+野上行きがあり、編成の組合わせが入れ替わることもあった。

本系列の秩父鉄道乗り入れ終了に際し、秩父鉄道用のATS車上子は撤去されたが、パンタグラフや自動解放装置、号車表示、茶色のつり革等はそのまま残されている。その後の運用においては、通常はペア同士で連結したままとし、8両固定編成と同様に扱われた[注 15]。これらの車両は2008年の235編成+237編成を最後に全車廃車されたが、多くが他社へ譲渡されている。

なお先に仕様解除となっていた2本については、239編成は2010年に廃車となったが、241編成のみは廃車を免れ、ワンマン化・リニューアル改造を実施している[16]。この編成も茶色のつり革は改造時まで残されていた。

スカート取付

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スカート取り付け後の新101系

2005年3月の313編成を皮切りにスカートの取付が実施された。全編成への施工はされず、最終的に239・245・247・269・295・301・303・307・309・311・313編成への施工で終了した。

ワンマン対応改造 (新101系)

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1998年、8月の多摩湖線(国分寺 - 萩山間)ワンマン運転開始に先立ち、4両3編成に対応改造が行われた。257編成が5月、259編成が6月、261編成が7月に竣工している[17]。内容は主に以下の通りで、基本的に旧101系ワンマン車に準拠している。

  • 電気連結器を撤去。
  • ワイパーを空気式から黒色の電動式(ウォッシャー付)へ変更。取付位置とブレードの長さが僅かに変更された。
  • 戸閉予告放送装置の設置。
  • 車内非常通報装置(対話式)の設置[17][6]
  • 自動放送装置の設置[17][6]
  • デッドマン装置取付[17][6](マスコンハンドルの変更に伴い、抑速ブレーキ廃止)。
  • 戸閉回路の変更[6]
  • 方向幕の取替(種別に「ワンマン」を追加、行先を多摩湖線・西武園線・狭山線・豊島線関連のみへ)。

リニューアル工事

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リニューアル当初、黄色塗装時の姿
リニューアル当初、黄色塗装時の姿
2010年以降は白塗装に変更、さらに連結器の胴受ハリが変更された。 (257編成 2018年5月13日)
2010年以降は白塗装に変更、さらに連結器の胴受ハリが変更された。
(257編成 2018年5月13日)
259編成は初期グループで唯一の多摩川線入線歴を持つ。このため連結器周りは後期グループと同じ形態。 (259編成 2018年2月25日)
259編成は初期グループで唯一の多摩川線入線歴を持つ。このため連結器周りは後期グループと同じ形態。
(259編成 2018年2月25日)

ワンマン化された3編成は2000年代に入り西武車両によるリニューアル工事が実施された。261編成は2005年3月、259編成は同年9月、257編成は2006年3月に竣工している。内容は以下の通りで、2005年度以降の旧2000系車体更新新2000系リニューアルもこれに近い内容となっている。

以下、最初に施工された3編成を「初期グループ」、263編成以降の6編成を「後期グループ」と総称する。

  • 前面スカートの設置[18]
  • 側面車両番号表記のプレート化[18]
  • 前面種別表示器の廃止・行先表示器の電動化[18](行先表示器は流用品のため、側面と同じサイズ)。
    • 表示幕の内容は多摩川線・多摩湖線・西武園線と、これに関連する小平・玉川上水のみとなった。
  • 側面行先表示器の設置[18]。直下の窓を固定化。
  • パンタグラフのシングルアーム化[18]、並びに電磁カギ外し化。
  • 補助電源装置のSIV化[18](東芝製INV174)。
  • 空気圧縮機を20000系と同じスクリュー式(RW20)に交換。
  • 冷房装置を冷媒に代替フロンを使用するCU721に交換。
  • 両先頭車に車いすスペースを配置[18]
    • 先頭部向かって右側の座席と荷棚を撤去し、手摺と非常通報器を設置(移設)、窓を固定化した。
  • 座席のバケットシート化とスタンションポールの設置[18]、モケット変更(一般席は青系・優先席は紫系)[18]
  • 車端部の座席を6人掛けから5人掛けに変更[注 16]
  • 消火器を車外床下から車内妻面(機器箱内)に移動。
  • 非常通報器の取替。
  • 優先席付近のつり革を低位置化、またドア付近枕木方向につり革を増設[注 17]
  • 化粧板を白色系に変更。
  • 窓のロールカーテンを交換(乗務員室仕切を含む)。
  • 冷房吹き出し口の交換。
  • 床材の交換(ベージュ系3色のデザインへ変更)。
  • LED式案内表示器の設置(鴨居部・千鳥配置)[18]
  • 扉開閉案内表示器の設置[18]
  • ドアチャイムの設置[18](開閉時の注意用および開放時の視覚障碍者向け案内用の2種)。
  • 自動放送装置の音声を変更。
  • 乗務員室内にタッチパネル式の表示設定器(指令器)を設置、ドア一部締切スイッチ等を交換。
  • 電子警笛を設置。
  • 屋根端部の塗り分け変更(灰色部分の拡大、編成毎に差異あり)[注 18]
追加導入
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リニューアル直後の247編成。連結器周りが未変更だった。 (247編成 2010年3月8日)
リニューアル直後の247編成。連結器周りが未変更だった。
(247編成 2010年3月8日)
リニューアル後の運転台 (クハ1251 2024年2月15日)
リニューアル後の運転台
(クハ1251 2024年2月15日)

その後、2008年3月には263編成の登場に際して同様の改造が行われた。初期グループと比較し、施工内容には以下の変更がある。

  • ワンマン化と同時施工
  • 空気圧縮機を変更(スクリュー式RW20→スクロール式MBU1600Y)
  • 床材の配色を30000系に準じて変更(ベージュ系3色→灰色・黒色・黄色の3色[注 19]
  • 鴨居部のカバー形状を変更
  • 電子警笛の音色を変更(高音→低音)[19]
  • 263編成では甲種輸送車両の牽引に対応(詳細は後述)、またその際の空気ホース取付に対応するため連結器胴受の右上に金具を追加。

2010年には多摩川線旧101系の置換用として247 ‐ 253編成の4編成(番号順)に、また2011年7月には245編成、2013年2月には241編成[16]にも同様の改造が行われた。これによりワンマン車は計10本体制となり、2013年3月には多摩湖線のワンマン運転区間が全線に拡大されている。これまでのワンマン化は全て所沢製の車両だったのに対し、本グループは全て東急製の車両となっているほか、改造メニューにも以下の違いがみられる。

  • 車体色を白色へ変更(後に初期グループも実施)
  • 甲種輸送に対応、関連して連結器胴受周辺を変更(自動連結器取付のため胴受ハリを変更、空気ホース取付のため胴受の右上に金具追加)[注 20]
    • 胴受ハリの変更は後に全編成で実施。さらに259編成は多摩川線入線に際して金具も追加された。
  • 表記類を変更(車内外に号車表示を追加、車内銘板をステッカー式へ変更[注 21]、側引戸内側にドア番号ステッカーを追加)
    • 以前に施工した編成も、号車番号ステッカー(車内外)、ドア番号ステッカー(車内)の追加が2008年6月以降[14]に行われている。
  • 屋根の塗り分け変更を省略(241編成を除く[注 22]
  • 245編成以降、組織改革に伴い更新名義を武蔵丘車両検修場に変更
  • 241編成では、屋上の通風器を撤去(後に全編成実施)

なお、2010年にはこれらの車両で使用されている床材が難燃性基準を満たしていないことが発覚した[20]。改造済の263編成・247-251編成が交換対象となったほか、253編成では本来黒色の部分にも灰色が使用された状態で出場している。その後2011年に247-251編成が臨時入場の上で交換、263編成は2012年の定期検査とあわせて交換を行った。

車内詳細写真
狭山線で営業運転に就く263編成

4M編成化

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2008年3月、編成替えによりに4両全電動車の編成が誕生した。E31形電気機関車の老朽化に伴う代替用の牽引車として導入されたものである。同機関車は工事用列車や甲種輸送車両の自社線内での牽引に使用されていたが[21]、定期貨物列車の廃止(1996年5月)が決まって以降、機関士の育成を行っていない[21]ことも背景にあり、このうち甲種輸送への対応において本系列の改造で賄われることとなった。150 kWの電動機を16機搭載しているため、編成の出力は2400 kWになり、この数値は引退したE851形電気機関車の2550 kWに匹敵する。

2両編成であった279編成に、255編成中のモハ255,256を逆順で組み込んだもので、263編成(クモハ263 - モハ264 - モハ265 - クモハ266)となり、牽引車として独自の装備が搭載された。

主な改造箇所は以下の通り。なお、編成内の各車については便宜上263編成としての番号で記す。

  • クモハ263に電気指令式ブレーキに対応するブレーキ読換装置と、増粘着装置を設置[22]。また母線ヒューズ箱を変更[注 23]
  • モハ264の後位側の妻面において、手掛・足掛を再設置するとともに転落防止幌を脱着式へ変更[注 24]
  • モハ265の主抵抗器を、クモハに抵抗値を合わせたものへ変更[22]
  • 性能特性の違いによる前後衝動を抑えるため、中間連結部の緩衝装置をダブルアクションタイプに変更[22]
  • クモハ266のMG・CP・蓄電池等を撤去し、バランスウェイト(蓄電池箱流用)を2つ設置[23]。なお元空気タンクは牽引時の使用量を考慮し存置した[22]
  • ワンマン対応・リニューアル工事(詳細は前節参照)を実施。
    • なお、クモハの2両はワンマン車で唯一の12次車である。座席形状は他と同じものに統一されているが、クモハ266の貫通扉は取手の形状が異なる特徴を持つ。

平時は他のワンマン車と共通で運用される。当初は玉川上水車両基地へ配属され、多摩湖線をメインに、間合い運用として西武園線でも使用されていた[注 25]。2021年には小手指車両基地へ転属し、以降は狭山線での運用に使用されている。

牽引車としては複数回の牽引試験の後、2010年3月の多摩川線向け甲種で初登板。以降全ての甲種輸送で西武線内の牽引に使用され、年4回程度行われる多摩川線車両の交換のほか、新造車や譲渡車、また2000系リニューアル時の輸送にも使用されている。2020年前後には9000系の4両化や10000系の譲渡にあたり甲種輸送ではない牽引にも使用されており、これは秩父線内も走行したことが特筆される。

また本編成に関連し、2023年2月には受験生応援企画としてクモハ263の増粘着装置に使用している砂が、受験合格お守り「スベらない砂」として配布された[24][25]。同時に配布された「負けなイシ」(砕石)とともに、263編成がパッケージにデザインされている。

改造後の変化

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初期に改造した3編成については前述の通り白塗装への変更が行われており、259編成は2010年10月[26]、257編成は2011年12月、261編成は2013年3月にそれぞれ白一色となっている。さらにこれらの編成は2017年度にCPがスクリュー式のRW20からレシプロ式のHS20-4へ再度交換された。

2015年3月以降、一部編成に車輪フランジ塗油装置の設置が行われている。また2016年8月から1年ほどかけて、全編成に誤開扉防止装置が設置された。超音波センサでのホーム検知により扉の誤扱を防止するもので、センサーの設置により手歯止の受金がステップと一体のものへ変更されている。これらの装置は後に4000系や9000系のワンマン車にも展開された。

2021年7月より多摩川線でのサイクルトレインの実証実験が開始され、10月より本実施へ移行している[27]。1号車を対象とし8台まで利用可能で[28]、扉付近にオレンジ色の固定用ベルトを設置するとともに、直近の窓に水色のステッカーを掲出している。なおこれらは多摩川線運用時のみの装備で、甲種輸送時には取り外される。10月の本実施以降時にはマナーが変更され、その文言のステッカーが追加された(2022年以降に新たに貼られた分より、一体のステッカーへ変更)。

2022年5月頃より、多摩川線運用中は非常通報装置の各通報器に番号のステッカー(是政方から① - ⑧)が、受報器にはそれらの位置を示すステッカーがそれぞれ貼られるようになっている。

2024年、多摩川線での無線式列車制御 (CBTC) システム実証試験に際して必然的に本系列が試験車両に選ばれた[29]。2024年2月に241編成へ対応改造が実施され、両先頭車に車上装置の設置(床下先頭台車直後)とこれに伴う速度発電機の追加、前面ガラス内への車上アンテナ設置(2つ)、運転台右奥への画面の設置準備が行われている。3月に多摩川線へ輸送され、画面の本設置が行われた。5月には253編成にも同じ内容で実施され、狭山線での運用後、6月に多摩川線へ輸送。8月に画面が設置されている。なお、走行試験は2024年3月から2025年1月にかけて深夜帯に行われる予定[29]

塗色変更

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前述の通り、車体側面の黄色一色化が行われている。1997年度から開始され、2000年(平成12年)7月の279編成をもって完了した。

ワンマン車は2010年以降、263編成を除いて白色が標準となっているが、2017年から後述の特別塗装が多数行われ、2020年2月に257編成が廃車になったことで純粋な白塗装は消滅した。以降はいわゆる色物のみの状態となっている。

特別塗装・車体装飾

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2006年9月に247編成にユネスコ村大恐竜探検館(2006年に閉鎖)をPRした恐竜のラッピングを実施した。

2007年には245編成に西武ライオンズ(現: 埼玉西武ライオンズ)のラッピングを実施した。

ツートンカラー

塗装変更後の261編成 塗装変更後の271編成
塗装変更後の261編成
塗装変更後の271編成

西武秩父線の開通40周年記念企画の一環として2009年にツートンカラーの復刻が行われた。3月に多摩湖線用の261編成[30]が前面ブラウンで、6月には池袋線用の271編成が前面ウォームグレーでそれぞれ運用を開始した。なお271編成は運用前の6月7日に開催された「西武・電車フェスタ2009 in 武蔵丘車両検修場」で展示も行われていた。その後、261編成は2013年に白色となり、271編成は2012年に引退、改造(塗装変更を伴う)の上で流鉄へ譲渡された。

  • 前面窓回りのウォームグレーは5年ほどで消滅した事から、この塗装は約30年ぶりの復活となった。なお271編成は黒色で登場しており、ウォームグレーに塗装されたのはこれが初めてのことであった。
  • 通常色の車両と異なり先頭部のコーポレートマークは貼られていないが、271編成は武蔵丘での公開時にはこれが貼られた状態で展示されていた。

多摩川線 四季を彩った電車

2010年、ワンマン化した247 - 253編成を同時に白塗装とし、多摩川線向けに四季をイメージしたラッピングを行った。沿線の小学生から募集したイラストで、247編成が「春」[31]、249編成が「夏」[32]、251編成が「秋」[33]、253編成が「冬」[34]をそれぞれテーマとしている。先頭車のみのラッピングで、中間車は白一色であった。それぞれ武蔵境駅で出発式が行われている。

2017年以降のうごき

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2017年以降、ワンマン車を用いて多数のラッピング列車が運行されている。最終的に4種類9編成の陣容となっており、257編成の廃車によってこれまでの標準であった白塗装が消滅した。多摩湖線(西武園線)・多摩川線で運行を開始し、多摩湖線撤退後の狭山線でも引き続き運行されている(廃車となった261編成を除く)。

伊豆箱根鉄道創業100周年コラボレーションカラー

2017年9月には、伊豆箱根鉄道創立・西武多摩川線開業が共に100周年を迎えたことから[35]、多摩川線の249編成が伊豆箱根鉄道駿豆線1300系と同様のカラーに変更され、また白色の3編成も含めてヘッドマークの掲出を行った[注 27]。当初はラッピング・HMともに12月末までの予定であったが、ラッピングは延長された。HMのみ予定通り取り外されたのち、2018年1月には多摩湖線での運転を開始、249編成のラッピングは2月26日の検査入場時まで維持された。なお入れ替わりで261編成にも同様のラッピングが施されて同2018年2月25日から運行を開始、さらに6月には241編成にもラッピングが施された。261編成は2020年11月にラッピング状態のまま廃車(一部保存、外装は変更)となっている。

本家と異なり白塗装に青色部分をラッピングしており、妻面は白色である。なお249編成では幕板部の帯が表記類を避けた高い位置となっていたが、261・241編成では正規化された。

近江鉄道100形「湖風号」カラー

2018年6月には、近江鉄道の開業120周年を記念して251編成を近江鉄道100形電車と同じ塗装に変更し、多摩湖線で営業運転を開始した[36]。7月には多摩川線へ初入線している。6月1日に開催された「西武・電車フェスタ2018in武蔵丘車両検修場」での展示も行われている[37]

赤電

2017年12月、247編成が赤電塗装となり多摩湖線での運行を開始した[38]。多摩川線への初入線は2018年1月。さらに2018年10月には259編成、12月には253編成も赤電塗装となった。このうち259編成は赤電塗装のまま、2022年3月に廃車となっている。

ツートンカラー

2018年3月には249編成がツートンカラーとなり多摩湖線で運行を開始[39]、4月に多摩川線へ初入線した。さらに2019年6月には245編成もツートンカラーとなっている。両編成とも前面窓周りはブラウンとなっている。なお245編成は6月1日に開催された「西武・電車フェスタ2019 in 武蔵丘車両検修場」にて、塗装途中の状態(車体全体のウォームグレーと前面窓周りのブラウンのみ)の状態で展示が行われていた。

運用

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新製後は旧101系同様に池袋線系統に集中配置されたが、その後の新宿線系統への転配により西武有楽町線山口線を除く各線で特急以外の全列車で使用された。編成は最大10両までなら2・4・8両で様々な組み合わせが可能で、旧101系との併結も可能であった。

2000年代後半以降は新車の導入に伴う置き換えが進められ、2012年(平成24年)12月2日をもって非ワンマン車の運用は終了し、ワンマン車の運用範囲以外の区間からは撤退した。

その後、12月9日には西武球場前駅構内と横瀬車両基地にて「さよなら101系・301系イベント」を開催した[40]。これに合わせ、かつて定期運用であった101系2両3編成連結した計6両編成の団体臨時列車さよなら運転)が西武園→東村山→本川越→所沢→西武球場前→所沢→飯能→横瀬の経路で運転され、種別幕に「さよなら」、行き先幕に「101系」の特別方向幕を、車体色に合わせた黄色い電気連結器カバーを装着して走行し、同じく引退する301系も臨時快速として池袋→西武球場前で100アニバーサリーヘッドマークを付けて走行した。西武球場前駅では前述した列車を並べて展示を行った。第二会場の横瀬車両基地では団臨で使用された271編成と281編成、基地内に保存されている旧101系クハ1224と並列展示を行った[41]

2022年(令和4年)4月1日現在では4両編成7本の計28両が運用されている。

池袋線系統

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狭山線の列車に充当される277編成+275編成(2010年4月 西所沢駅)

池袋 - 飯能間

  • 8・10両での運転が中心で、かつては一部区間で6両での運用も存在した。
  • 2008年6月のダイヤ改正以降は10両編成での運用が主となるが、同年末に30000系8+2両編成が運転開始すると、新101系・301系の廃車が一気に進み、基本的に平日のみの運用となった。8両編成では各駅停車の他、土休日に池袋 - 西武秩父直通の快速急行にも充当されたが、2010年3月6日のダイヤ改正から4ドア車での運転となると、以後は代走で充当されるのみとなった。

飯能 - 西武秩父間

  • かつては閑散期の平日昼間限定で2両編成での運転も存在した。2003年(平成15年)3月のワンマン運転開始に伴い、同区間は4000系4両編成のワンマン運転対応車両に統一された。
  • 主に行楽客向けの池袋 - 西武秩父直通の快速急行にも長らく充当され、「奥武蔵」など愛称の付いたヘッドマークが掲出される場合もあった。2010年3月6日のダイヤ改正以降は4ドア車での運転となり、それ以降この列車の代走以外で本系列が飯能以西で運転されるのは、以下の多客シーズン(春の羊山公園での芝桜シーズン・秋の巾着田での曼珠沙華シーズン・秩父夜祭開催時)の臨時列車のみとなっていた。

秩父鉄道乗り入れ

  • 1989年の秩父鉄道直通列車の運転開始時には、編成数の少なかった4000系を補完するために乗入改造を受けた編成(前述)が直通列車や乗り入れ後の間合いで秩父鉄道線内の各駅停車に充当された。乗り入れ列車は主に池袋 - 野上(1992年から寄居まで延長)・三峰口間の快速急行や飯能 - 野上(寄居)・三峰口間の各駅停車であった。その後1992年に4000系が増備され同系は現在の4両編成12本(48両)の陣容となったが、101系の乗り入れは2003年3月に飯能 - 西武秩父間のワンマン運転が開始されるまで続けられた。

豊島線

  • 2008年6月14日のダイヤ改正でそれまで運転されていた4両編成での線内折返し列車が消滅し、以後は8両編成の各駅停車が池袋 - 豊島園間で運転されていた。

狭山線

  • 4両編成の線内列車の他、池袋 - 西武球場前間の直通列車、野球開催時や西武ドームでのコンサート開催時の臨時列車で運転される事があった。

新宿線系統

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301系単独での運用(303編成、2012年2月 田無駅)

新宿線、拝島線

  • 池袋線同様8,10両編成での運用であった。2011年3月のダイヤ改正までは10両編成での定期運用があったが、同改正で8,10両編成ともに定期運用が消滅した。

国分寺線

  • 現在では同線の列車は全て6両編成だが、かつては4両編成での運用も存在し本系列も充当された。2010年3月のダイヤ改正でそれまで運転されていた2+4両での運用は無くなり、4両編成の廃車とワンマン化が進んだことから、それ以降同線に入線することは無くなった。

西武園線

  • 4両での線内列車や8両での西武新宿 - 西武園間の列車で運用された。2011年に非ワンマン車では最後まで新宿線に残っていた4両の245編成がワンマン化されたことで線内運用はなくなる。

ワンマン車の運用

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多摩川線

玉川上水所属車両により運転される。

旧101系ワンマン車の置換え用として、2010年3月から新101系のワンマン車が投入された。2011年11月以降は、全列車が新101系ワンマン車で運転されている。本線とは独立しているが、概ね年4回の甲種輸送により本線側の車両と交換を行っており、多摩川線に来た車両は1年程度で本線へ戻る。

基本的に241・245-253編成の6編成が多摩川線に対応しており、そのうちいずれか4本が白糸台に常駐する。なおこの6編成以外では259編成が一度だけ入線している。初入線時期は247編成が3月、249編成が6月、251編成が9月、259編成が11月、253編成が12月、245編成が2012年4月、241編成が2013年7月である。

2010年から2011年までの入れ替えの状況を下表に示す。

入替え時期 多摩川線から
出た編成
多摩川線に
来た編成
運用中の編成 その他・備考
2010年3月 217 247「春」 219
221
223
2010年6月 219 249「夏」 247「春」
221
223
2010年9月 221 251「秋」 247「春」
249「夏」
223
2010年11月 223 259(白) 247「春」
249「夏」
251「秋」
旧101系の置換えが完了
2010年12月 247「春」 253「冬」 249「夏」
251「秋」
259(白)
2011年7月 251「秋」 247「春」 249「夏」
253「冬」
259(白)
2011年8月 249「夏」 251「秋」 247「春」
253「冬」
259(白)
2011年10月 253「冬」 249「夏」 247「春」
251「秋」
259(白)
2011年11月 259(白) 253「冬」 247「春」
249「夏」
251「秋」
「春」・「夏」・「秋」・「冬」がそろう

狭山線

小手指所属車両により運転される。

2021年2月1日より、ワンマン車の多摩湖線運用終了に先立って263編成が運行を開始した。事前に狭山線の方向幕・自動放送が用意されている。他の編成も順次小手指へ転属し、狭山線での運用を開始した。

多摩川線の車両と交換を行う際にはその都度、小手指と玉川上水との間で転属を行っている。

多摩湖線・西武園線

玉川上水所属車両により運転されていた。

1998年11月のワンマン運転開始(この時点では国分寺 - 萩山間のみ)以降、国分寺 - 西武遊園地(現:多摩湖)間の線内運用は全て新101系ワンマン車により運用されていた(萩山で車掌が乗降する)。なお、多摩川線用の各編成はそれぞれ本線側に戻った際に多摩湖線用車と共通で運用についていた。初入線時期は247編成が2010年12月、249編成が2011年9月、251編成が2011年8月、253編成が2011年10月で、他の6編成は改造後そのまま多摩湖線へ入っている。

2021年2月、国分寺駅へのホームドア設置により撤退を余儀なくされ、2月7日に一旦運行を終了。同18日から22日まで5日間限定で「ありがとう101系多摩湖線ラストランウィーク」として、赤電カラーの259編成が最後の運行を行った。なおホームドアは23日深夜(24日未明)に設置が行われている。

また西武園線では2011年12月から不定期で線内列車に充当されていた。2019年3月16日のダイヤ改正より、入出庫の拠点が南入曽から玉川上水へ変更され、編成の向きが逆になっている。多摩湖線撤退後も259編成が少しの間残っていたが、2021年3月末に撤退、同編成は4月1日に小手指へ転属した。

臨時運用など

西武秩父線開業50周年を記念した特別運行
(245編成 2019年10月14日)

基本的に車掌乗務・自動放送なしで運転されている。

  • 新宿線系統でダイヤ乱れが発生した際、西武園線運用の新101系ワンマン車が急遽国分寺線で使用されることもあった。
  • 2014年12月20日に3000系3011編成の引退イベント開催に伴い、253編成が1日限り狭山線内定期列車の一部にも充当された。西武球場前駅での展示も行われている。この時点では狭山線の方向幕はなく、白幕での運用となった。2012年12月の非ワンマン車引退後、新101系の池袋線系統での営業運転はこれが初となった(ワンマン車の狭山線運用も初めて)。
  • 2019年10月14日に、西武秩父線開業50周年を記念して、ツートンカラーの245編成が日中に飯能 - 西武秩父間の定期列車(2往復)に充当された。特製ヘッドマークを装着し、前面窓に行先板を貼り付けて白幕での運転となった。12日から3日連続で運行する予定であったが、台風19号の影響により12日・13日は運休となった。
  • 2022年と2024年の6月、西武電車フェスタ開催に伴う飯能 - 高麗間の臨時列車に使用された。22年は湖風号カラーの251編成、24年は263編成が使用され、ともに臨時幕で運転されている。

編成表

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新101系2両編成(消滅)

 

形式 クモハ101
(Mc1)
クモハ101
(Mc2)
機器配置 CONT MG, CP
車両番号 269
(奇数)
295
270
(偶数)
296

新101系4両編成(未更新車は消滅)

 

形式 クハ1101
(Tc1)
モハ101
(M1)
モハ101
(M2)
クハ1101
(Tc2)
機器配置   CONT MG, CP  
車両番号 1227
(奇数)
1261
227
(奇数)
261
228
(偶数)
262
1228
(奇数)
1262

301系8両編成(消滅)

 

 
形式 クハ1301
(Tc1)
モハ301
(M1)
モハ301
(M2)
サハ1301
(T1)
サハ1301
(T2)
モハ301
(M3)
モハ301
(M4)
クハ1301
(Tc2)
備考
機器配置   CONT MG, CP     CONT MG, CP  
車両番号 1301
(奇数)
1309
301
(奇数)
309
302
(偶数)
310
1301-1
(奇数)
1301-9
1301-2
(偶数)
1301-10
301-1
(奇数)
301-9
301-2
(偶数)
301-10
1302
(偶数)
1310
当初ハイフン車なしの4両で製造
1311
(奇数)
1313
311
(奇数)
313
312
(偶数)
314
1301-11
(奇数)
1301-13
1301-12
(偶数)
1301-14
301-11
(奇数)
301-13
301-12
(偶数)
301-14
1312
(偶数)
1314
 

新101系更新車4両編成

 
池袋西所沢(狭山線)
是政
 
号車 1 2 3 4 備考
形式 クハ1101
(Tc1)
モハ101
(M1)
モハ101
(M2)
クハ1101
(Tc2)
機器配置   CONT SIV, CP  
車両番号 1241
1245
(奇数)
1253
241
245
(奇数)
253
242
246
(偶数)
254
1242
1246
(奇数)
1254
多摩川線対応
ワンマン化と同時にリニューアル
1257
(奇数)
1261
257
(奇数)
261
258
(偶数)
262
1258
(奇数)
1262
ワンマン化後にリニューアル
259編成のみ多摩川線入線歴あり

263編成

 
池袋西所沢(狭山線)
 
号車 1 2 3 4 備考
形式 クモハ101
(Mc1)
モハ101
(M2)
モハ101
(M3)
クモハ101
(Mc4)
機器配置 CONT SIV, CP CONT  
車両番号
(旧車号)
263
(279)
264
(256)
265
(255)
266
(280)
編成替えにより誕生
同時にワンマン化、リニューアル
凡例・注釈
  • CONT:主制御器
  • MG:電動発電機
  • SIV:静止形インバータ
  • CP:空気圧縮機
  • 西武園線・国分寺線は2019年3月のダイヤ改正より編成の方向が逆になった。以前は上り方(国分寺方)が表内左側であったが、以降は下り方(西武園方)が表内左側になる。

編成ごとの形態(ワンマン車)

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編成 塗色 過去の塗色・ラッピング[注 28][注 29] 製造所 更新年月 車輪塗油 廃車[42] 備考
241編成 伊豆箱根 白(~2018.06) 東急 2013.02 CBTC試験車両 (2024.02)
245編成 ツートン 白(~2019.06) 2011.07 2019.06
247編成 赤電 「春」(~2013.12)・白(~2017.12) 2010.02
249編成 ツートン 「夏」(~2014.03)・白(~2017.09)・伊豆箱根(~2018.03) 2010.05 2020.10
251編成 湖風号 「秋」(~2014.06)・白(~2018.06) 2010.08 2019.11
253編成 赤電 「冬」(~2014.12)・白(~2018.12) 2010.11 CBTC試験車両 (2024.05)
257編成 (白) 黄色(~2011.12) 所工 2006.03[注 30] 2020.02
259編成 (赤電) 黄色(~2011.10)・白(~2018.10) 2005.09[注 30] 2015.03 2022.03
261編成 (伊豆箱根) 黄色(~2009.03)・ツートン(~2013.03)・白(~2018.02) 2005.03[注 30] 2018.10 2020.11 2016年8月脱線事故(土砂崩れ)当該
263編成 黄色 2008.03 「牽引車」兼用

廃車

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新101系・301系は、2004年度から廃車が開始され、現在は非ワンマン車の全てが廃車済である。また、2019年度からはワンマン車の廃車も開始された。なお、一部は他社へ譲渡されている。以下、譲渡が発生した編成を太字で示す。

2004年度

2004年に上信電鉄に移籍した
289編成改め上信500形第1編成
(2007年4月7日 上州富岡駅
  • 289編成 - 2004年9月28日に除籍[43]。武蔵丘車両検修場で改造の上、12月上信電鉄に譲渡。

2005年度

秩父鉄道の広瀬川原車両基地に回送された101系(2006年5月)
  • 293編成 - 2005年9月23日に除籍[44]。武蔵丘車両検修場で改造の上、12月に上信電鉄へ譲渡[44]
  • 229編成 - 2005年9月24日に除籍[44]。秩父鉄道へ譲渡し同社の広瀬川原車両基地へ自力回送され改造。
  • 227編成 - 2005年10月3日に除籍[44]。除籍前には「西武トレインフェスティバル」に伴う臨時列車として横瀬まで運行されており、そのまま同車両基地で解体。
  • 231233編成 - 2005年12月27日に除籍[44]。秩父鉄道へ譲渡し同社の広瀬川原車両基地に2編成同時に自力回送(横瀬で分割)。後にそれぞれ編成中3両を武蔵丘まで輸送し改造、施工後に秩父鉄道へ輸送されている。
伊豆箱根鉄道1300系1302編成(2018年12月28日 三島二日町駅-大場駅間)

2007年度

  • クハ1255・1256 - 2008年3月7日に除籍[45]
    • 255編成は2007年11月13日に武蔵丘車両検修場へ回送されていた。
    • クハ1255・1256のみ、15日に281編成と279編成のプッシュプル(281編成+クハ1255+クハ1256+279編成の組成)により、横瀬車両基地へ回送[注 31]。その後5月下旬に解体。
    • モハ255・256は279編成とともに武蔵丘車両検修場へ入場。263編成へ改造された[45]
    • この編成が離脱した関係で2007年12月上旬 - 中旬まで243編成、同月19日 - 下旬と2008年1月中旬 - 23日に245編成が池袋線から新宿線に貸し出された。

2008年度

  • 235283編成 - 2008年7月15日に除籍[46]。14日に武蔵丘車両検修場へ回送されていた。クハ1235-モハ235は11月に伊豆箱根鉄道、モハ236-クハ1236は9月に三岐鉄道に譲渡。クモハ283は10月に三岐鉄道、クモハ284は11月に伊豆箱根鉄道に譲渡。
  • 237編成 - 2008年8月28日に除籍[46]。27日に武蔵丘車両検修場へ回送されていた。クハ1237-モハ237は2009年5月に伊豆箱根鉄道、モハ238-クハ1238は部品確保用として2008年9月に三岐鉄道に譲渡。
  • 307編成 - 2008年12月5日に除籍[46]。12月上旬に横瀬へ回送されており、全車が解体された。前面スカート設置編成の廃車は307編成が初となった。
  • 305編成 - 2008年12月30日に除籍[46]。12月25日に横瀬へ回送されており、全車が解体された。
  • 313編成 - 2008年12月30日に除籍[46]。12月26日に横瀬へ回送されており、全車が解体された。
  • 269273291編成 - 2008年12月30日に除籍[46]。2008年12月29日に武蔵丘車両検修場へ3編成同時に回送されており、269編成は2009年3月に未改造のままクモハ291と共に近江鉄道へ、273編成は改造の上同年6月に流鉄へ、クモハ292は伊豆箱根鉄道へ譲渡。

2010年度

  • 243編成 - 2010年4月19日に除籍[47]。14日に横瀬車両基地へ回送されており、その後解体。
  • 275277編成 - 2010年8月4日に除籍[47]。275編成は同年9月27日に流鉄へ譲渡[47]、277編成は翌2011年10月17日に同じく流鉄へ譲渡[48]
  • 239編成 - 2010年12月12日に除籍[47]。12月28日に横瀬車両基地へ回送されていた。

2011年度

  • 301編成 - 2011年10月23日に除籍[49]。10月21日に横瀬車両基地へ回送されており、その後解体。
  • 311編成 - 2011年12月29日に除籍[49]。12月27日に横瀬車両基地へ回送されており、その後解体。
    • クハ1311・クハ1312はしばらく留置され、2012年9月30日の「西武トレインフェスティバル」にも展示されたが、後に廃車となった303編成のサハ1301-3・サハ1301-4と共に2013年1月までに解体された。

2012年度

  • 287編成 - 2012年4月3日に除籍[50]。9月11日に流鉄に譲渡[50][51]
  • 295編成 - 2012年11月16日に除籍[50]。303編成の一部とともに12月20日に近江鉄道に譲渡[50][52]
  • 303編成 - 2012年11月26日に除籍[50]。うちサハ1301-3・サハ1301-4を除く6両は12月20日に295編成とともに近江鉄道に譲渡[50][52]
  • 271281285309編成 - 2012年12月28日に除籍[50]。このうち281・285編成と、309編成からハイフン車を抜いた4両の計8両は2013年2月8日に近江鉄道に譲渡[50][53]。また271編成は改造の上で2013年9月に流鉄へ譲渡[54][55]
    • これにより非ワンマン車は消滅した。

2019年度

  • 257編成 - 2020年2月29日に除籍[54]。2月28日に横瀬車両基地へ回送されており3月に搬出[注 32]、全て解体。ワンマン改造車初の廃車となった。

2020年度

  • 261編成 - 2020年11月9日に除籍[56]。同日に横瀬車両基地へ回送されていた。その後クハ1262を除く3両は11月中に搬出、解体されたが、クハ1262は12月に西武ドーム敷地内へ陸送、同所で保存されている[57][58]

2021年度

  • 259編成 - 2022年3月7日に除籍[59]。3月6日日中に小手指から武蔵丘へ回送、終電後(7日未明)に武蔵丘から横瀬車両基地へ回送された。同20日に横瀬町で「スプリングウォーク」が開催された際には横瀬車両基地がメイン会場として開放され、解体線での留置を間近で見ることができた。4月末に搬出、解体されている。

譲渡車両・機器

[編集]

流鉄(旧・総武流山電鉄)

流鉄流山線5000形オムライス電車
  • 1999年、在来車の置き換えのため、旧101系を3両編成に改造し3000形として導入。1998年度に135編成、1999年度に131編成がそれぞれ改造の上で譲渡された。3両編成化はモハ偶数車にクハ偶数車の先頭部を接合し先頭車化することで行われている。なおこれらは旧101系唯一の譲渡例であった。両編成とも2011年までに運用を終了している。
  • 2010年より、流山線のワンマン・2両編成化のため、新101系2両編成を改造し5000形として導入[60]。2009 - 2013の各年度に1編成ずつ、273・275・277・287・271の計5編成がいずれも改造の上で譲渡されている。

上信電鉄

  • 2005年より、200形の置き換えのため、新101系2両編成を改造し500形として導入。2004年2005年に289編成・293編成がそれぞれ改造の上譲渡された。それぞれ帯色が異なり、第1編成は緑帯、第2編成が赤帯となっている。2024年5月より第1編成が西武時代のリバイバルカラー(黄色一色)で運行している。

秩父鉄道

秩父鉄道3000系
  • 2006年、急行「秩父路」用の3000系(元JR東日本165系)を置き換えるため、新101系を3両編成の急行形に改造し6000系として導入。2005年度に229・231・233編成の4両3編成が譲渡され、2006年3月15日より順次営業運転を開始、同年11月25日までに3000系をすべて置き換えた。3両編成化はモハ偶数車にクハ偶数車の先頭部を接合し先頭車化することで行われている。なおこの3編成はいずれも秩父鉄道への直通運転に対応していた車両であり、自力回送で秩父鉄道の広瀬川原車両基地へ入線した。最初の1編成は広瀬川原で改造を実施したが、後の2編成はそれぞれ改造対象の3両を武蔵丘まで戻し、同所で施工したのち牽引により秩父鉄道側へ輸送されている。

三岐鉄道

三岐鉄道751系
  • 2009年、新101系を3両編成に組み替えた上で改造し、751系として導入。2008年度に283・235編成から組み替えた(元)283-236-1236の3両編成が改造の上で751編成として、また237編成からモハ238・クハ1238の2両が部品取り用として、合計5両が譲渡された。編成を分解した片割れはいずれも伊豆箱根鉄道向けに改造・譲渡されている。
  • クハ1238については、2012年に851系851編成の脱線事故でクハ1851が廃車となったことにより、代替車として2013年9月30日付で[61]クハ1881に改造、851系に編入されている。なおモハ238は同時期に解体された。

伊豆箱根鉄道

  • 2008年より、老朽化した1100系(元西武701系)を置き換えるため、新101系を3両編成に組み替えた上で改造し、1300系として導入。2008年度に283・235編成からなる1235-235-284の3両編成が、2009年度に291・237編成からなる1237-237-292の3両編成がそれぞれ1301編成・1302編成として改造の上譲渡された。編成は主に三岐鉄道譲渡分の片割れで構成、クモハ292のみは近江鉄道譲渡分の片割れである。なお1301編成は2016年12月10日から「イエローハッピートレイン」として西武時代のツートンカラー(前面ウォームグレー)で運行している[62]

近江鉄道

近江鉄道100系
  • 2013年より新101系2両編成を改造し900形100形として導入、また2017年より301系を2両編成に改造し同じく100形として導入。2009年3月に269編成と291編成からクモハ291の計3両、2012年12月に295編成と303編成のうちサハを除く6両の計8両[52]、2013年2月に281・285編成と309編成のうちハイフン車を除く4両の計8両[53]の3回に渡り合計19両が譲渡されている。クモハ291は伊豆箱根鉄道譲渡分の片割れで、また301系中間車の抜取りは横瀬で行われた。
  • 改造はいずれも近江鉄道側で、2012年以降に行われている。269編成は900形「淡海号」として2013年6月14日に営業運転を開始した[63]。続けて295・285・281の3編成が100形「湖風号」101 - 103編成として、それぞれ2013年12月17日[64]・2014年4月23日・2014年12月11日より営業運転を開始している。
  • その後2017年に入り、303編成が100形104編成として2017年10月21日に営業運転を開始した。続けて309編成も105編成として2018年10月に営業運転を開始。2両編成化の改造は中間モハユニットの両端にクハの先頭部を接合する形で先頭車化することで行われた。モハ301-3とモハ301-4は彦根駅構内に留置されていたが、2019年2月15日に夜から16日未明にかけて奈良県の解体場に陸送された[65]。部品取り用に譲渡されたクモハ291も同時期に解体されている。

保存車両

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クハ1150

  • 東京都東村山市美住町の「くめがわ電車図書館」として、車体のみ静態保存。2000年2月の引退後に車体のみ都市基盤整備公団に売却され[66]、2001年4月に開館。屋外だが定期的に塗装されており、状態は良好である。当初は黄色一色であったが、2019年にツートンカラーへ変更された。同所は1967年に開館し、当初は311系のクハ1311を使用していた。これは赤電塗装だったが1988年に黄色(ドアは銀色)に塗装変更、その後団地の建て替えに伴い1992年に閉館、解体された。

クハ1224

  • 横瀬車両基地で静態保存。通常時は白いカバーがかけられている。2010年11月に引退した後、2011年10月に開催された「西武トレインフェスティバル2011 in 横瀬」で公開された。登場当時のようなイエローとウォームグレーの2色塗装になっている。平成26年豪雪で横瀬車両基地の検修庫屋根が崩落した際に屋根上機器などに損傷を受け、現在もそのままの状態で保管されている。

クハ1262

  • 西武球場前駅に隣接する、プロ野球・埼玉西武ライオンズの本拠地である西武ドーム(埼玉県所沢市)敷地内の「トレイン広場」で展示。ライオンズカラーレオライナをあしらったラッピングを施し、「L-train 101」の名がつけられている[67]。2020年11月の引退後、2020年12月19日に搬入・据付が行われた[57][58][68]。2021年1月18日からラッピングが開始され、1月20日には2021年ライオンズ新入団選手による仕上げ作業が行われた。「トレイン広場」は2021年3月にオープンしている。

脚注

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注釈

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  1. ^ ただし、西武秩父線自体は車種による入線制限は行われていない。
  2. ^ 西武で多用されていた国鉄式の旧型圧縮機。101系搭載のものは増備中に廃車となった311系などからの再利用品と思われるが、一部に新品もあった。空気圧縮機は走行性能には直接関係しないため、西武鉄道の電車から国鉄式の旧型機器が廃されていく中でもAK-3圧縮機だけは後年まで長く用いられた。
  3. ^ その後、701・801系は1977 - 1978年にかけて車体塗装がレモンイエロー1色に変更されている。
  4. ^ 国鉄103系電車などに搭載されたAU75形集中式冷房装置とほぼ同等品。
  5. ^ その後の量産冷房車では201 - 215編成が6両編成で出場している。
  6. ^ これは当時、本系列は主に池袋線、701・801系列は新宿線に配属されていたため、101系のみ冷房化を進めると両線の冷房車率に偏りが出るからである。なお、このころ冷房車と非冷房車の併結も行われた。
  7. ^ 175・177編成はLEDを採用。
  8. ^ 多摩川線は他の西武線と接続しておらず、JR線を介さなければ本線と車両のやり取りができない。
  9. ^ ただし妻面のみ未塗装。
  10. ^ 1979年の時点で、既に特急型である5000系の初期車が日立に外注されている。
  11. ^ 701系列は無改造の101系との連結運転は不可能で、改造された編成は他の101系との連結運転が不可能になった事の識別のため。
  12. ^ 2000系2501 - 2507編成との振替え。
  13. ^ 編成間での連動のため、接点数を増やす必要があった。
  14. ^ 飯能側となる1 - 4号車の編成は白色のまま。
  15. ^ ペアとなる編成の片方が検査入場や廃車により運用離脱した際には残存編成が単独で狭山線などの運用に就くこともあった。
  16. ^ 消火器を座席脇に移設したことで当該部の座席が50 mm狭くなっており、6人掛けを維持すると狭すぎてしまう。このため車端部は全て5人掛けに変更された。
  17. ^ 線路方向の増設はない。
  18. ^ 妻側のエッジのR部分まで灰色が回り込む(261編成)。259編成はこれに加えて雨樋カバーの妻部が灰色、また257・263編成にはさらに雨樋カバーそのものも灰色となっている。
  19. ^ 253編成は黒色なし
  20. ^ 金具は263編成同様。なお247編成の竣工時は原型のままで、多摩川線への輸送後に変更が実施された。
  21. ^ 車両番号、号車番号、製造銘板・更新銘板、禁煙マークの表示を1枚のステッカーにまとめたもの。これとあわせて製造年の表記が元号から西暦に変更された。
  22. ^ 241編成では雨樋カバーのみ灰色へ変更された(妻側の回り込みはない)。
  23. ^ 2両編成は日立製の補助電源装置を備えるため日立製の母線ヒューズを搭載していたが、4両編成と同じ三菱製に交換された。
  24. ^ 転落防止幌設置時に、パンタグラフに隣接する箇所とそうでない箇所で仕様が分けられており、今回新たにパンタグラフに隣接したことによる変更。
  25. ^ 西武園線での運用時にはワンマン運転は行わず、車掌乗務のツーマン運転を行っていた
  26. ^ 列車情報送受信器。クハは床下に搭載されるが、クモハでは床下にスペースがないためこの位置に設置された。
  27. ^ ヘッドマークのデザインは3種類あり、241編成が赤色、245編成が青色、247編成(10月の甲種以降は253編成)が金色であった。
  28. ^ ワンマン化前を除く
  29. ^ 新塗色への変更が完了した年月を示す。
  30. ^ a b c ワンマン化は1998年(257編成:5月、259編成:6月、261編成:7月)
  31. ^ 281・279編成は同日中に武蔵丘へ戻された。
  32. ^ 以前は横瀬で車体を三分割してから搬出していたが、2019年度からは1両分の車体がそのまま搬出されるようになった。

出典

[編集]
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外部リンク

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