コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

第59回有馬記念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
映像外部リンク
2014 有馬記念
レース映像 jraofficial(JRA公式YouTubeチャンネル)による動画

第59回有馬記念(だい59かいありまきねん)は、2014年12月28日中山競馬場で施行された競馬競走である。このレースを最後に引退を表明したジェンティルドンナが優勝し、有終の美を飾った。

第59回有馬記念(優勝馬: ジェンティルドンナ (4番馬))

ファン投票の結果

[編集]

11月22日から12月7日までファン投票が行われ、11月27日に第1回中間発表、12月4日に第2回中間発表、12月11日に最終発表が行われた[1]。最終の有効件数は143,863件、有効投票総数は957,708票だった。

以下の表において、出走馬は灰色の枠で表示する。

最終順位 馬名 性齢 第1回 第2回 最終 出否
票数 順位 票数 順位 票数
1位 ゴールドシップ 牡5 12,678 1 39,337 1 66,796 出走
2位 ジェンティルドンナ 牝5 9,428 4 31,524 4 55,699 出走
3位 ハープスター 牝3 10,546 2 33,466 3 54,954 回避
4位 イスラボニータ 牡3 10,394 3 33,606 2 53,745 回避
5位 ジャスタウェイ 牡5 8,405 7 27,337 7 52,324 出走
6位 フェノーメノ 牡5 8,906 6 29,075 5 49,520 出走
7位 ワンアンドオンリー 牡3 8,930 5 27,550 6 45,418 出走
8位 エピファネイア 牡4 3,373 8 16,640 12 41,854 出走
9位 スピルバーグ 牡5 6,587 9 22,115 8 40,764 回避
10位 トーホウジャッカル 牡3 6,729 8 19,497 9 31,729 回避
11位 ウインバリアシオン 牡6 6,087 10 18,413 10 31,252 出走
12位 メイショウマンボ 牝4 1,498 19 9,298 12 30,698 出走
13位 ヌーヴォレコルト 牝3 5,642 11 16,919 11 26,268 回避
14位 キズナ 牡4 5,163 12 13,439 13 19,913 回避
15位 ラキシス 牝4 3,184 14 10,168 14 17,638 出走
16位 トゥザワールド 牡3 1,260 15 7,575 15 12,118 出走
17位 デニムアンドルビー 牝4 1,717 16 6,592 16 11,800 出走
18位 トーセンラー 牡6 889 27 5,692 18 11,694 出走
19位 ヴィルシーナ 牝5 1,672 18 5,616 19 10,354 出走
20位 サウンズオブアース 牡3 1,708 17 5,115 20 8,119 回避
  • 最終登録を行った馬のうち、最終順位21位以下で100位までに入った馬の順位
最終順位 馬名 性齢 第1回 第2回 最終 出否
票数 順位 票数 順位 票数
21位 ラブイズブーシェ 牡5 1,151 23 3,582 25 7,884 除外
22位 フェイムゲーム 牡4 1,439 20 4,578 21 7,672 除外
23位 ラストインパクト 牡4 850 28 3,005 29 6,899 出走
38位 サトノノブレス 牡4 553 39 1,995 40 3,677 出走
42位 ナカヤマナイト 牡6 224 60 1,453 45 3,214 除外
49位 タマモベストプレイ 牡4 221 61 1,033 59 2,396 除外
56位 ショウナンラグーン 牡3 370 47 1,272 51 2,149 除外
59位 オーシャンブルー 牡6 218 63 933 63 1,962 出走

レース施行前の状況

[編集]

各競走の結果

[編集]
施行日 レース名 着順 競走馬名
06月29日 第55回宝塚記念(GI)[4] 1着 ゴールドシップ
2着 カレンミロティック
09月28日 第60回オールカマー(GII)[5] 1着 マイネルラクリマ
10月05日 第93回凱旋門賞(G1)[6] 6着 ハープスター
8着 ジャスタウェイ
14着 ゴールドシップ
10月12日 第65回毎日王冠(GII)[7] 1着 エアソミュール
10月14日 第49回京都大賞典(GII) 1着 ラストインパクト[要出典]
10月26日 第75回菊花賞(GI) 1着 トーホウジャッカル[要出典]
2着 サウンズオブアース[要出典]
11月02日 第150回天皇賞(秋)(GI) 1着 スピルバーグ[要出典]
2着 ジェンティルドンナ[要出典]
11月09日 第52回アルゼンチン共和国杯(GII) 1着 フェイムゲーム[要出典]
11月16日 第39回エリザベス女王杯(GI) 1着 ラキシス[要出典]
2着 ヌーヴォレコルト[要出典]
11月30日 第34回ジャパンカップ(GI) 1着 エピファネイア[要出典]
2着 ジャスタウェイ[要出典]
12月06日 第48回ステイヤーズステークス(GII) 1着 デスペラード[要出典]
第50回金鯱賞(GII) 1着 ラストインパクト[要出典]

施行直前の状況

[編集]

この年はファン投票の上位馬に回避が少なく、上位20頭のうち13頭が出走を表明し、GI競走の勝ち馬は10頭、出走16頭すべてが重賞優勝馬と豪華な顔ぶれになった。[要出典]また、登録馬も21頭と多く5頭が除外対象となっていたが、出走可能馬で回避馬が1頭もいなかったため、除外対象馬はすべて除外された。[要出典]

ジェンティルドンナ、ジャスタウェイ、トーセンラー、ヴィルシーナの4頭はこのレースで引退することが陣営から発表された。[8]また、ジェンティルドンナは同日の全レース終了後に引退式を行うことも発表された。[9]

この年の出走馬のうち、関東馬はフェノーメノ1頭のみで、残り15頭はすべて関西馬であった。[10]

ハープスターとイスラボニータ、スピルバーグはジャパンカップ後、トーホウジャッカルは菊花賞後、ヌーヴォレコルトはエリザベス女王杯後休養に当てるため出走登録は行わなかった。[要出典]また、キズナは天皇賞(春)のレース中に骨折しており、年内は休養することになった。[要出典]

この年はJRA史上初めて、指名された馬の関係者が枠順を選択する方式が採用された。指名はニューヨーク・ヤンキース田中将大投手と松山康久元調教師が交互に行った。[11]

1番人気のゴールドシップは2012年の皐月賞菊花賞の2冠馬で、2年前の同レースの覇者でもある。2013年に宝塚記念を優勝し、2014年は史上初の宝塚記念連覇を達成した。海外遠征となった凱旋門賞は14着に敗れ、今回はその凱旋門賞以来約3カ月ぶりのレースとなったが、陣営は3着だった前年の同レースよりも状態がいいと述べていた。[12]

2番人気のエピファネイアは前年度の菊花賞の優勝馬で、2014年の春は未勝利に終わったが、前走のジャパンカップでは豪華メンバーの中、2着馬に4馬身突き放す圧勝を決めてGI2勝目をあげた。[13]

3番人気のジャスタウェイは前年度の天皇賞(秋)4馬身差の圧勝[要出典]でGI初制覇を飾ると、2014年は中山記念ドバイデューティーフリー安田記念と重賞を連勝した。特にドバイデューティーフリーは2着に6馬身以上突き放す圧勝[要出典]で、それまでのコースレコードを2秒以上短縮する非常に強い内容[要出典]だった。このドバイデューティーフリーで国際クラシフィケイションにおいては130ポンドを獲得し、日本競馬史上初の単独1位にランクインされた。海外遠征となった凱旋門賞では8着に敗れたが、ジャパンカップでは2着に入り、健在ぶりをアピールした。

4番人気のジェンティルドンナは2012年度の牝馬三冠馬で、同年のジャパンカップで三冠馬オルフェーヴルを叩き合いの末に下し、3歳牝馬史上初制覇の快挙を成し遂げた。[要出典]2013年は史上初となるジャパンカップ連覇を達成し、2014年はドバイシーマクラシックを制し、一線級の牡馬とも互角以上の実績を見せていた。[要出典]3連覇のかかったジャパンカップでは4着に敗れ、当初はこのレースを最後に引退する可能性もあったが、敗戦が「不完全燃焼」であったことから出走を表明した。[14][15]なお、ジェンティルドンナは中山のレースには一度も出走経験がなく、今回が最初で最後の中山出走となる。[16]

単勝オッズ1桁台の馬は以上の4頭で、3番人気のジャスタウェイまでがほぼ固まったオッズとなっており、ジェンティルドンナが離れた4番人気という構図になった。

出走馬と枠順

[編集]

枠順は12月25日に東京・お台場フジテレビ本社ニューヨーク・ヤンキース田中将大投手をゲストに発表された。[17]

2014年12月28日 第5回中山競馬第8日目 第10競走
天気:晴、馬場状態:良、発走時刻:15時25分[18]

負担重量は4歳以上牡馬・セン馬57kg、4歳以上牝馬及び3歳牡馬55kg、全馬日本 (日本の旗) 調教馬。

枠番 馬番 競走馬名 騎手 調教師 単勝オッズ 枠順抽選順番
1 1 トーセンラー 牡6 武豊 藤原英昭 22.8(8人) 4番目
2 ヴィルシーナ 牝5 内田博幸 友道康夫 77.7(12人) 3番目
2 3 ワンアンドオンリー 牡3 横山典弘 橋口弘次郎 11.8(5人) 5番目
4 ジェンティルドンナ 牝5 戸崎圭太 石坂正 8.7(4人) 1番目
3 5 ラキシス 牝4 C.デムーロ 角居勝彦 36.3(11人) 7番目
6 トゥザワールド 牡3 W.ビュイック 池江泰寿 31.2(9人) 2番目
4 7 ラストインパクト 牡4 菱田裕二 松田博資 17.6(7人) 8番目
8 メイショウマンボ 牝4 武幸四郎 飯田祐史 86.3(14人) 6番目
5 9 ウインバリアシオン 牡6 藤岡康太 松永昌博 34.9(10人) 10番目
10 フェノーメノ 牡5 田辺裕信 戸田博文 15.3(6人) 9番目
6 11 サトノノブレス 牡4 池添謙一 池江泰寿 81.0(13人) 11番目
12 デニムアンドルビー 牝4 浜中俊 角居勝彦 118.6(16人) 12番目
7 13 エピファネイア 牡4 川田将雅 角居勝彦 4.0(2人) 14番目
14 ゴールドシップ 牡5 岩田康誠 須貝尚介 3.5(1人) 13番目
8 15 ジャスタウェイ 牡5 福永祐一 須貝尚介 4.6(3人) 15番目
16 オーシャンブルー 牡6 蛯名正義 池江泰寿 87.1(15人) 16番目

レース結果

[編集]

レース展開

[編集]

ゲートが開くとまずメイショウマンボが出遅れた。それ以外の馬はほぼ揃ったスタート[要出典]を決め、大方の予想通りヴィルシーナがハナを切った。外枠発走となったエピファネイアが2番手につけ、その後ジェンティルドンナ、トーセンラー、ラキシス、ワンアンドオンリーと続き、ゴールドシップが中団やや後方、ジャスタウェイはさらに離れた後方を追走し1周目のホームストレッチに入った。[要出典]

1000m通過は63秒0と非常に遅いペースとなり、3コーナーまで隊列がほとんど変わることなく進んだ[要出典]が、3〜4コーナー中間点でヴィルシーナが失速し、エピファネイアが押し出される形で先頭に立ち、ジェンティルドンナはマークする形で2番手に上がった。このあたりでゴールドシップがまくりをかけて先団にとりついた。[要出典]

直線に入るとジェンティルドンナがエピファネイアに競りかけ、残り100mでエピファネイアが後退し先頭に立った。[要出典]後方からトゥザワールドとゴールドシップが差を詰めてきた[要出典]が、ジェンティルドンナが4分の3馬身の差で押し切って先頭でゴールし、有終の美を飾った。

1番人気のゴールドシップはトゥザワールドとの写真判定の結果3着、2番人気のエピファネイアは5着、3番人気のジャスタウェイは後方から追い込むも4着にそれぞれ敗れた。

レース着順

[編集]
着順 馬番 競走馬名 タイム 着差 上がりタイム
1 4 ジェンティルドンナ 2:35.3 34.1
2 6 トゥザワールド 2:35.4 3/4 33.8
3 14 ゴールドシップ 2:35.4 ハナ 33.9
4 15 ジャスタウェイ 2:35.5 クビ 33.4
5 13 エピファネイア 2:35.5 ハナ 34.6
6 5 ラキシス 2:35.5 アタマ 34.1
7 7 ラストインパクト 2.35.5 クビ 33.7
8 1 トーセンラー 2:35.7 1 34.4
9 12 デニムアンドルビー 2:35.7 クビ 33.9
10 10 フェノーメノ 2:35.7 アタマ 34.2
11 11 サトノノブレス 2:35.9 1.1/2 33.6
12 9 ウインバリアシオン 2:35.9 ハナ 34.1
13 3 ワンアンドオンリー 2:36.0 1/2 34.4
14 2 ヴィルシーナ 2:36.1 クビ 35.4
15 8 メイショウマンボ 2:36.4 2 33.9
16 16 オーシャンブルー 2:36.4 ハナ 34.2

データ

[編集]
1000m通過タイム 63.0秒(ヴィルシーナ)
上がり4ハロン 47.0秒
上がり3ハロン 34.6秒
優勝馬上がり3ハロン 34.1秒

払戻

[編集]
単勝 4 870円
複勝 4 280円
6 500円
14 160円
枠連 2-3 2,610円
馬連 4-6 12,350円
馬単 4-6 21,190円
3連複 4-6-14 15,250円
3連単 4-6-14 109,590円
ワイド 4-6 3,390円
4-14 850円
6-14 1,190円

達成された記録

[編集]

入場者数・レース売り上げ

[編集]
  • 入場人員:11万5878人
  • 売上金:388億2561万8100円[26]

エピソード

[編集]
  • ジェンティルドンナは史上初めて、ラストランで優勝した三冠牝馬となった。
    • ラストランとして臨んだ馬による有馬記念制覇は前年のオルフェーヴルに続く2年連続であり、2年連続でラストランと宣言した馬による有馬記念優勝は2024年現在唯一。
    • ディープインパクト8年前の同レースをラストランとして出走・優勝しており、親子が共にラストランと宣言した有馬記念を制したのは2023年現在唯一[27]
  • 中山競馬場の全レース終了後に、ジェンティルドンナの引退式が行われた。[28]

テレビ・ラジオ中継

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ 第59回有馬記念ファン投票 上位100頭!
  2. ^ 第59回有馬記念ファン投票 第1回中間発表!
  3. ^ 第59回有馬記念ファン投票 第2回中間発表!
  4. ^ JRAホームページ
  5. ^ JRAホームページ
  6. ^ Number Web
  7. ^ JRAホームページ
  8. ^ 有馬でラストランを迎える名馬たち引退戦にかけるそれぞれの思い
  9. ^ ジェンティルドンナ号の引退式を有馬記念(GI)当日に中山競馬場で開催
  10. ^ 唯一の関東馬フェノー坂路で調整/有馬記念
  11. ^ 有馬記念の枠順決まる 田中将大投手が運命のくじ引き
  12. ^ ゴールドシップ、昨年とは雲泥の差
  13. ^ JRAホームページ第34回ジャパンカップ
  14. ^ “【JC】ジェンティルドンナは有馬で引退へ”. デイリースポーツ. (2014年11月30日). https://web.archive.org/web/20141206113634/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141130-00000074-dal-horse 2014年12月29日閲覧。 
  15. ^ “4着で3連覇ならずのジェンティルドンナ 有馬が引退レースに”. 産経ニュース. (2014年11月30日). https://web.archive.org/web/20141203014532/http://www.sankei.com/sports/news/141130/spo1411300041-n1.html 2014年12月29日閲覧。 
  16. ^ 【競馬】名牝ジェンティルドンナがJCの借りを有馬で返す!
  17. ^ “【有馬記念】〜16頭の枠順確定、エピファネイアは13番”. https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_4976.html 
  18. ^ “JRAホームページ 第59回有馬記念”. https://jra.jp/datafile/seiseki/g1/arima/result/arima2014.html 
  19. ^ “戸崎騎手(壬生出身)が年間最多勝 146勝、有馬記念も初制覇”. http://www.shimotsuke.co.jp/category/life/personality/news/20141229/1823018 
  20. ^ . http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141228-00000522-sanspo-horse=【有馬記念】ジェンティルドンナGIV7で有終の美 
  21. ^ 桜花賞
  22. ^ 優駿牝馬ジャパンカップ連覇
  23. ^ 秋華賞
  24. ^ 後にキタサンブラックも達成
  25. ^ 次点でシンボリルドルフ・ディープインパクト・オルフェーヴル・イクイノックスの4勝。詳細はGⅠ3勝以上の日本馬一覧を参照
  26. ^ “【有馬記念】売り上げ388億円、前年比10%UP 入場者はダウン”. https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/12/29/kiji/K20141229009537740.html 
  27. ^ 有馬記念の歴代親子制覇については当該ページを参照
  28. ^ “ジェンティル引退式 花婿は2頭に絞られる”. sanspo.com. (2014年12月28日). http://race.sanspo.com/keiba/news/20141228/ope14122819200020-n1.html 2015年1月6日閲覧。