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白国 (姫路市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本 > 兵庫県 > 姫路市 > 白国 (姫路市)
白国
白国の位置(兵庫県内)
白国
白国
白国の位置
北緯34度52分07秒 東経134度42分38秒 / 北緯34.868514度 東経134.71047度 / 34.868514; 134.71047
日本の旗 日本
都道府県 兵庫県
市町村 姫路市
面積
内訳:
白国(丁目無し) 1.764km2[1]
白国1丁目 0.117km2[2]
白国2丁目 0.081km2[3]
白国3丁目 0.105km2[4]
白国4丁目 0.157km2[5]
白国5丁目 0.154km2[6]
 • 合計 2.378 km2
人口
2024年令和6年)3月31日現在)[7]
 • 合計 3,068人
 • 密度 1,300人/km2
等時帯 UTC+9 (日本標準時)
郵便番号
670-0808[8]
市外局番 079[9]
ナンバープレート 姫路

白国(しらくに)は兵庫県姫路市の町名。白国1丁目から5丁目までと丁目の付かない白国とに分かれる。郵便番号670-0808[8]

地理

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白国は姫路市中心部北部、増位山南麓に位置する。北に砥堀、以下時計回りに保城増位新町増位本町広峰峰南町北平野広嶺山と接する。

白国1丁目から5丁目までは増位山麓の集落・住宅地で住居表示実施済み[10]。白国は山地の町名となっている。

歴史

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上古は枚野里(ひらののさと)に属していた。『播磨国風土記』には新羅国の人が来て住んだので「新羅訓(しらくに)」と呼んだとある[11]。増位山も当初は「新羅訓山」のちに「白国山」と呼ばれたが、735年(天平7年)に行基が出井(現・伊伝居)にあった増位寺[12]をこの山に移して835年(承和元年)に増位山随願寺の勅号を与えられてから増位山と改めたとされる[11]

江戸時代の白国村は飾東郡のうち姫路藩領(一部増位山寺領)で村高は「旧高旧領取締帳」では542石余。他に随願寺領として飾西郡龍野町出作[13]に279石余[14]

大区小区制においては飾磨県では第8大区第8小区に、兵庫県では第8大区第1小区に属した[15]。1889年(明治22年)に水上村に属し、1933年(昭和8年)に同村が姫路市に合併しその一部となる。1897年(明治30年)に白国の南西部が野砲兵第10連隊ほかの兵営地(現・姫路駐屯地)の一部となる[16][17]。1945年(昭和20年)7月3日深夜からの姫路空襲では東洋紡績姫路工場とその近辺にあった白国の住宅も被爆する[18]

1976年(昭和51年)に元・城北練兵場の区域(姫路競馬場を含む)が広峰1丁目・2丁目に、1979年(昭和54年)に旧東洋紡績姫路工場跡地に掛かっていた部分が増位本町1丁目・2丁目になる。1982年(昭和57年)には南部が白国1丁目から5丁目になる。1983年(昭和58年)には一部が北平野に、姫路駐屯地に掛かる部分が峰南町となる[14]

世帯数と人口

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2024年(令和6年)3月31日現在の人口は以下の通り[19]

丁目 世帯数 人口
白国(丁目無し) なし なし
白国1丁目 471世帯 917人
白国2丁目 248世帯 433人
白国3丁目 274世帯 535人
白国4丁目  395世帯 759人
白国5丁目 188世帯 424人
白国(合計) 1549世帯 3068人

それ以前の世帯数と人口は以下の通りである。

調査年 世帯数 人口 備考 出典
1881年(明治14年) 116世帯 600人 町域変更前 [14]
1891年(明治24年) 118世帯 693人 [14]
1927年(昭和2年) 177世帯 967人 [14]
1949年(昭和24年) 227世帯 980人 他に「奥白国」として
98世帯・450人
[20]
1951年(昭和26年) 340世帯 1,479人 他に「東紡社宅」として
113世帯・477人
[21]
1978年(昭和53年) 1644世帯 4880人 現・峰南町および
増位本町含む
[22]
1983年(昭和59年) 1236世帯 3597人 町域確定後

(白国・白国1~5丁目の合計)

[23]
1990年(平成2年) 1328世帯 3653人 [24]
1995年(平成7年) 1512世帯 3840人 [25]
2000年(平成12年) 1591世帯 3896人 白国は居住者無し [26]

小・中学校の学区

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市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[27]

番地 小学校 中学校
全域 姫路市立増位小学校 姫路市立増位中学校

交通

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  • 山陽自動車道 - 増位山トンネルが町域内を貫通する。
  • 兵庫県道518号砥堀本町線
  • 巡礼道 - 東方より書写山圓教寺へ至る巡礼道が白国を通過していた。古くは姫路駐屯地内を通過していた。弁天池下や谷川そばに道標が残る[28][29]
  • 神姫バス「白国」バス停(81・82・84・86系統)、「奥白国」「広峰」バス停(4系統)、「白国口」バス停(4・5系統)、「白国南口」バス停(前記各系統および3系統)[30]

施設・名勝

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かつての施設・名勝

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  • 亀井寺(白国廃寺) - 平安時代に現在の弁天池附近にあった寺[41][14][29]
  • 人見塚古墳 - 飾磨のかちん染め伝説(「かち染め」「かっちん染め」とも。熊太郎なる者が人見塚に見張りを立たせ、見つけた旅人を長者屋敷に泊めて殺害しその血で染め物をしたという伝説)とも関連する。兵営地建設で取り壊される前に調査が行われ。家形埴輪や青銅鏡などが発掘された[42][17][29][43]
  • 白国梅林 - 広く知られた梅林であったが、太平洋戦争頃に荒廃してしまった[14][44]
  • 増位温泉 - 1896年(明治29年)に冷泉を引いて作られた温泉[14]
  • 梅麟館 - 増位温泉閉鎖後も営業していた旅館だったが2021年3月29日閉館[45]
  • 姫路市立増位中学校 - 1981年(昭和56年)に増位新町へ移転した。跡地に増位小学校[14]
  • 東洋紡績姫路工場 - 1919年(大正8年) - 1975年(昭和50年)。水上村西中島にまたがって建設された。跡地は花の北副都心(増位新町、増位本町。イオン姫路など)[46]

脚注

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  1. ^ 兵庫県姫路市白国 (28201360100)”. 国勢調査町丁・字等別境界データセット. 2024年4月7日閲覧。
  2. ^ 兵庫県姫路市白国一丁目 (28201360101)”. 国勢調査町丁・字等別境界データセット. 2024年4月7日閲覧。
  3. ^ 兵庫県姫路市白国二丁目 (28201360102)”. 国勢調査町丁・字等別境界データセット. 2024年4月7日閲覧。
  4. ^ 兵庫県姫路市白国三丁目 (28201360103)”. 国勢調査町丁・字等別境界データセット. 2024年4月7日閲覧。
  5. ^ 兵庫県姫路市白国四丁目 (28201360104)”. 国勢調査町丁・字等別境界データセット. 2024年4月7日閲覧。
  6. ^ 兵庫県姫路市白国五丁目 (28201360105)”. 国勢調査町丁・字等別境界データセット. 2023年10月7日閲覧。
  7. ^ 町別人口・年齢別人口-令和6年(2024年)3月末-”. 姫路市 (2024年4月5日). 2024年4月7日閲覧。
  8. ^ a b 郵便番号”. 日本郵便. 2024年4月7日閲覧。
  9. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2023年10月7日閲覧。
  10. ^ 住居表示実施町名一覧表”. 姫路市. 2024年4月8日閲覧。
  11. ^ a b 橋本 1956, p. 29-30, 「白国」.
  12. ^ 増位寺(随願寺の元の寺)のあった所”. 姫路市Webマップ. 姫路市. 2024年4月7日閲覧。
  13. ^ 現在の東辻井1丁目付近と見られる。船場 (姫路市)#山畑新田も参照。
  14. ^ a b c d e f g h i j 角川地名 1988, p. 790.
  15. ^ 兵庫県総務部地方課(編) 1962, p. 694-698.
  16. ^ ふるさと白国 1987, p. 75-77.
  17. ^ a b 姫路と駐屯地の歩み 2022, p. 32.
  18. ^ ふるさと白国 1987, p. 83-87.
  19. ^ 町別人口・年齢別人口-令和6年(2024年)3月末-”. 姫路市役所統計解析室. 2024年4月7日閲覧。
  20. ^ 姫路市調査課 1949, p. 74.
  21. ^ 姫路市調査課 1951, p. 10.
  22. ^ 昭和53年9月末 姫路市町別人口・年齢別人口”. 姫路市. 2024年4月7日閲覧。
  23. ^ 昭和59年9月末 姫路市町別人口・年齢別人口”. 姫路市. 2024年4月7日閲覧。
  24. ^ 平成2年3月末 姫路市町別人口・年齢別人口”. 姫路市. 2024年4月7日閲覧。
  25. ^ 平成7年3月末 姫路市町別人口・年齢別人口”. 姫路市. 2024年4月7日閲覧。
  26. ^ 町別人口・年齢別人口-平成12年(2000年)3月末-”. 姫路市. 2024年4月7日閲覧。
  27. ^ 市立小学校・中学校・義務教育学校への入学・転校などのご案内”. 姫路市. 2022年3月15日閲覧。
  28. ^ 文化財見学シリーズ4 『巡礼道』をたずねて”. 姫路市教育委員会文化財課. 2024年4月7日閲覧。
  29. ^ a b c d 文化財見学シリーズ36 『広嶺山とその周辺』をたずねて”. 姫路市教育委員会文化財課. 2024年4月8日閲覧。
  30. ^ 姫路北部運行系統図”. 神姫バス. 2024年4月7日閲覧。
  31. ^ 文化財見学シリーズ7 『増位山』をたずねて”. 姫路市教育委員会文化財課. 2024年4月7日閲覧。
  32. ^ 平凡社歴史地名 1999, p. 492.
  33. ^ ふるさと白国 1987, p. 24-30.
  34. ^ a b c 平凡社歴史地名 1999.
  35. ^ ふるさと白国 1987, p. 49-53.
  36. ^ ふるさと白国 1987, p. 13-21.
  37. ^ 白國神社八幡社”. 姫路市教育委員会文化財課. 2024年4月12日閲覧。
  38. ^ ふるさと白国 1987, p. 22.
  39. ^ ふるさと白国 1987, p. 23.
  40. ^ 平凡社歴史地名 1999, p. 491.
  41. ^ ふるさと白国 1987, p. 91-93.
  42. ^ ふるさと白国 1987, p. 93-98.
  43. ^ 橋本 1957, p. 253-258, 「長者屋敷考」.
  44. ^ ふるさと白国 1987, p. 73-75.
  45. ^ 姫路市 手打ち蕎麦 旅館 『梅麟館』 - ウェイバックマシン(2021年3月8日アーカイブ分)
  46. ^ ふるさと白国 1987, p. 80-82.

参考文献

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  • 橋本政次『姫路市町名字考』姫路市役所、1956年。 (再録:播磨考・姫路市町名字考』臨川書店〈兵庫県郷土誌叢刊〉、1987年https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000001850766-00 
  • 橋本政次『播磨考』播磨史籍刊行会、1957年。 (再録:同上)
  • 市勢要覧 昭和24年版』姫路市調査課、1949年https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000000940408-00 
  • 市勢要覧 昭和26年版』姫路市調査課、1951年https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000000940409-00 
  • 兵庫県総務部地方課(編)『兵庫県市町村合併史 上』兵庫県、1962年https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000001045066-00 
  • 播磨地名研究会『新・姫路の町名』神戸新聞総合出版センター、2007年。ISBN 9784343004444 
  • ふるさと白国』白国自治会、1987年https://www.library.city.himeji.hyogo.jp/webmuseum/detail?cls=c_old_doc&pkey=0130393341 
  • 角川日本地名大辞典 28 兵庫県』角川書店、1988年、790,1913-1914頁。ISBN 4040012801 
  • 『兵庫県の地名Ⅱ』平凡社日本歴史地名大系〉、1999年、490-492頁。 
  • 陸上自衛隊姫路駐屯地広報班 編『姫路と駐屯地の歩み』姫路駐屯地創立70周年記念誌発行委員会、2022年3月。 

外部リンク

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