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2024年3月20日 (水) 22:59時点における版
石山駅 | |
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南口(2020年6月) | |
いしやま Ishiyama | |
◄JR-A26 瀬田 (2.5 km) (2.8 km) 膳所 JR-A28► | |
下は乗換の京阪石山駅 | |
所在地 | 滋賀県大津市粟津町3-1 |
駅番号 | JR-A27 |
所属事業者 |
西日本旅客鉄道(JR西日本) 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所属路線 | 東海道本線(琵琶湖線) |
キロ程 |
499.1 km(東京起点) 米原から53.2 km |
電報略号 | イシ |
駅構造 | 地上駅(橋上駅) |
ホーム | 2面4線[1] |
乗車人員 -統計年度- |
19,236人/日(降車客含まず) -2020年- |
開業年月日 | 1903年(明治36年)4月1日 |
乗換 | 京阪石山駅(京阪石山坂本線) |
備考 |
直営駅 みどりの窓口 有 |
石山駅(いしやまえき)は、滋賀県大津市粟津町(あわづちょう)にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)東海道本線の駅である。駅番号はJR-A27。「琵琶湖線」の愛称区間に含まれている。
概要
石山駅は瀬田川橋梁のすぐ西側に位置する[2]。大津市南部の拠点であり[3]、市内南部圏域のバス路線や京阪石山坂本線との乗換駅になっている[4]。駅周辺には商店街が形成され、工場なども集積している[5]。1985年時点では利用客の7割以上が定期客で占められ、通勤・通学において重要な役割を果たしているといえる[6]。
歴史
1889年(明治22年)に東海道線が敷設されたが、石山駅はのちの1903年(明治36年)に開設された[4]。位置は旧膳所町にあたるが、石山駅の名称は石山寺への入口を意識したものと考えられる[7]。
開業当初は広い平野の中に小さな駅舎があるのみで、乗降客は少なかった[4]。次第に駅前に茶店や運送店が開店するようになったが、本格的に駅が発展するようになったのは旭ベンベルグや東洋レーヨン(現在の東レ)などの工場が操業した大正末期からである[4]。1928年(昭和3年)12月から駅舎の改築補修や駅前の区画整理が行われ、1929年(昭和4年)4月1日に竣工した[8]。この駅舎は木骨コンクリート製で洋風の建築であり、当時は横浜駅・金沢駅でしか導入されていなかった1人ずつ処理する方式の出札口が導入された[8]。一方で、石山駅の存在が東レなど工場の立地に大きな役割を果たし、東海道本線や草津線の広い範囲で労働力を求めることができるようになった[9]。また、工場内への引き込み線を設置することで、原材料の入荷や製品の出荷に利便が図られた[10]。戦後はさらに多くの企業が進出し、駅周辺が工業の町となり、石山駅を利用する貨客の数は本格的に増加した[10]。
1965年(昭和40年)から1970年(昭和45年)にかけて東海道本線草津 - 京都間で複々線化工事が実施されたが、石山駅では駅舎の改築や駅北口の新設、駅前広場の新設・整備が関連工事で行われた[10]。貨物用の待避線が上下線で設置されたほか、3線に対応したホームを改良して2面4線のホームになった[11]。これらの工事が石山駅周辺に平和堂石山店(※現在の平和堂石山)や西友石山店(※現存しない)が出店するきっかけとなる[12]。
石山駅の上下線に工場への専用線が設けられていたが、2013年現在では廃止されて跡地が失われつつある[13]。
年表
- 1903年(明治36年)4月1日:官設鉄道東海道線(1909年より東海道本線)の草津駅 - 馬場駅(現在の膳所駅)間に新設開業[4]。旅客扱いのみ。
- 1908年(明治41年)3月15日:貨物の取り扱いを開始。
- 1912年(大正元年)4月1日:跨線橋が設置される[4]。
- 1929年(昭和4年)4月1日:駅舎が改築され、平屋の駅舎が使用開始になる[4]。
- 1930年(昭和5年)4月25日:東海道線石山駅急行列車脱線転覆事故が発生(後述)。
- 1956年(昭和31年)11月19日:東海道本線が電化する[4]。
- 1970年(昭和45年)
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道(JR西日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅となる。
- 1988年(昭和63年)3月13日:路線愛称の制定により、「琵琶湖線」の愛称を使用開始。
- 1998年(平成10年)3月7日:自動改札機を設置し、供用開始[14]。
- 2002年(平成14年)7月29日:JR京都・神戸線運行管理システム導入。
- 2003年(平成15年)11月1日:ICカード「ICOCA」の利用が可能となる。
- 2005年(平成17年)
- 2007年(平成19年)3月18日:貨物列車の設定が廃止される。駅自動放送を更新。
- 2015年(平成27年)3月12日:入線警告音の見直しに伴い、接近メロディ導入[15]。
- 2018年(平成30年)3月17日:駅ナンバリングが導入され、使用を開始する。
東海道線石山駅急行列車脱線転覆事故
1930年(昭和5年)4月25日 、東京発下関行き急行第5列車(14両編成、牽引機C53 30(国鉄C53形蒸気機関車)、乗客約650名)が石山駅に差し掛かり下り本線から中線へのポイントを通過時に脱線転覆し、13名が重軽傷を負った。石山駅はカーブになっており、普段は通らない中線への渡り線も急角度で、そこに遅れを取り戻すため高速で進入した事が原因とされた[16]。木造客車ならば1926年(大正15年)9月23日の山陽本線特急列車脱線事故のように粉砕していた所だが、半鋼製客車だったため被害は少なく済んだ。機関士は100円の罰金刑を受けた[17]。この事故で東京のある新聞が「急行列車脱線転覆、死傷者多数」の号外を出したが、結局誤報となってしまい、物笑いになってしまった[18]。
この事故を受けて、山陽本線河内駅構内の配線と速度制限の調査が行われ、誤ったポイント付け替え工事がされた事が、9ヶ月後の山陽線急行列車脱線事故の原因となったという[19]。
瀬田川が写っていることから、写真は跨線橋から草津方を見て撮影したものと思われる。なお、当時の石山駅にはランプ小屋があった。
-
脱線転覆事故の現場(石山駅から草津方)
駅構造
島式ホーム2面4線に外側待避線を持つ地上駅で[1]橋上駅舎を有している。改札口の横にキヨスク、みどりの窓口の横にセブンイレブン石山店がある。改札外部は北口・南口でエレベーターやエスカレーターが設置されている[20]。
直営駅(大津駅の被管理駅)。ICOCA利用可能駅であり、ICOCAの相互利用対象カードも利用可能。
のりば
のりば | 路線 | 方向 | 線路 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 琵琶湖線 | 下り | 外側線 | 京都・大阪方面[21] | 一部列車 |
2 | 内側線 | ||||
3 | 上り | 草津・米原方面[21] | |||
4 | 外側線 | 一部列車 |
- 上表の路線名は旅客案内上の名称(愛称)で記載している。
- 運転取り扱い上の呼称
- 1番線(ホームなし、下り外側待避線)
- 2番線(1番のりば、下り外側線本線)
- 3番線(2番のりば、下り内側線)
- 4番線(3番のりば、上り内側線)
- 5番線(4番のりば、上り外側線本線)
- 6番線(ホームなし、上り外側待避線)
- 付記事項
- ホームの有効長は260 mで、現行は12両に対応しているが将来的に16両まで対応できるよう想定されている[11]。
- 待避線(有効長600 m)を有するため、場内信号機・出発信号機を持つ[11]。しかし、駅付近には「外側線→待避線」(逆方向もある)以外の渡り線が設けられていない。
- 上下線のホームでエレベーター・エスカレーターが設置されている[20]。
-
改札口(2022年12月)
-
ホーム(2022年12月)
ダイヤ
日中時間帯は1時間に7本(新快速が3本、普通(大阪方面行きは高槻駅から快速)が4本)が停車する。朝夕のラッシュ時は草津線へ直通する普通も運行されるため、本数がやや多くなる(※夕方はラッシュ前から草津線に直通する列車の設定がある)。
貨物の取り扱い
2007年まで専用線発着の車扱貨物を取り扱っており、貨物列車の設定があった。現在は臨時車扱貨物のみを取り扱っており、貨物列車の発着は無い。
駅北側にある日本電気硝子大津事業所へ関西日本電気が保有する専用線が上り線側から分岐し、石油輸送を行っていた。そのため塩浜駅 - 当駅間に石油輸送貨物列車が運行されていた。
駅南側にある東レ滋賀事業場へ専用線が下り線側から分岐し、石油輸送を行っていた。災害時など公共性の面があるため権利だけは残っている。しかし、線路は2009年7月頃にすべて撤去されており、国道1号との平面交差の踏切のレールも外され溝は埋められ、踏切信号も撤去されたが、専用線の路盤と踏切警報機のみ残存している。なお、京都鉄道博物館で静態保存されている1801号機(鉄道記念物)は、1964年に国鉄に寄贈されるまではこの専用線での入換作業で使用されていた。
利用状況
2020年度の1日平均乗車人員は19,236人である。滋賀県内の駅では草津駅、南草津駅に次ぐ第3位で、JR西日本全体の駅では第39位である[22]。また、大津市内にある駅では最も多い。
滋賀県統計書によると、近年の1日平均乗車人員推移は下表のとおりである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
---|---|---|
1992年(平成 | 4年)23,456 | [統計 1] |
1993年(平成 | 5年)23,992 | [統計 2] |
1994年(平成 | 6年)24,192 | [統計 3] |
1995年(平成 | 7年)24,851 | [統計 4] |
1996年(平成 | 8年)25,081 | [統計 5] |
1997年(平成 | 9年)24,758 | [統計 6] |
1998年(平成10年) | 24,322 | [統計 7] |
1999年(平成11年) | 23,764 | [統計 8] |
2000年(平成12年) | 23,623 | [統計 9] |
2001年(平成13年) | 23,438 | [統計 10] |
2002年(平成14年) | 23,043 | [統計 11] |
2003年(平成15年) | 23,039 | [統計 12] |
2004年(平成16年) | 22,949 | [統計 13] |
2005年(平成17年) | 23,320 | [統計 14] |
2006年(平成18年) | 23,677 | [統計 15] |
2007年(平成19年) | 24,098 | [統計 16] |
2008年(平成20年) | 24,412 | [統計 17] |
2009年(平成21年) | 23,977 | [統計 18] |
2010年(平成22年) | 24,156 | [統計 19] |
2011年(平成23年) | 24,475 | [統計 20] |
2012年(平成24年) | 24,722 | [統計 21] |
2013年(平成25年) | 25,004 | [統計 22] |
2014年(平成26年) | 24,285 | [統計 23] |
2015年(平成27年) | 24,596 | [統計 24] |
2016年(平成28年) | 24,429 | [統計 25] |
2017年(平成29年) | 24,413 | [統計 26] |
2018年(平成30年) | 24,223 | [統計 27] |
2019年(令和元年) | 24,103 | [統計 28] |
2020年(令和 | 2年)19,236 | [統計 29] |
駅周辺
駅南口が表玄関となっており、当駅から国道1号にかけて市街地が形成されている。駅北口側は工場が多いが、住宅地もある。東レ滋賀事業場は駅南側にあり、同工場は当駅から約1 km南を通る東海道新幹線のすぐ手前まで大きく広がる。
北口
南口
バス路線
駅南口にバスターミナルがあり、京阪バス・近江鉄道バス・帝産湖南交通の路線バスが乗り入れる[27][28]。
石山駅 | |||
---|---|---|---|
乗り場 | 運行事業者 | 系統または路線名・行先 | 備考 |
1 | 京阪バス | 1・31・31A:石山団地 2:新浜 3・3A・3B:国分団地 4・54:大石小学校 11:大津市民病院 14:大津駅 25:びわ湖浜大津 30A:大津車庫 52:南郷二丁目東 / 新浜 55:びわこ池田墓園 NS:滋賀大学 |
2:平日深夜に1便のみ運行 3:夕方以降に運行 3A・31A:朝のみ運行 3B:国分団地を基点とする循環系統 11・14・30A:平日朝に1便ずつ運行 54:平日夕方に運行。本数わずか。 55:土曜・日曜・祝日のみ運行。本数わずか。 NS:直行路線。平日朝1便のみ運行(※学休期は運休) |
2 | 近江鉄道バス | 野郷原線:松陽三丁目 / 瀬田ゴルフ場 神領団地線:神領団地 / 瀬田駅 国道線:滋賀病院 / 大津市民病院 湖岸線:びわ湖浜大津 |
野郷原線:瀬田ゴルフ場行きは朝1便のみ 神領団地線:瀬田駅行きは1日4便のみ 国道線:平日のみ運行。ともに病院玄関前行き。 湖岸線:平日のみ運行。 |
3 | 帝産湖南交通 | 40・50:田上車庫 120:石山駅 130・140:アルプス登山口 150:ミホミュージアム 210:牧口 310:龍谷大学 |
50:終点(田上車庫)まで150と同じ経路で運行 120:東レ・焼野循環(園山、焼野、観音口、三池方面) 140:朝から昼前と夕方以降のみ運行(※夕方以降:平日のみ運行) 150:ミホミュージアム休館日は田上車庫止り 210:宵のうち(夜のはじめ頃)のみ運行。本数わずか。 310:平日と土曜のみ運行。本数わずか。 |
- 付記事項
- 石山駅を発着するバス
- 駅付近にあった停留所
隣の駅
脚注
記事本文
注釈
出典
- ^ a b 『週刊 JR全駅・全車両基地』 04号 名古屋駅・古虎渓駅・美濃赤坂駅ほか77駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年9月2日、27頁。
- ^ 今田保 2013, p. 26.
- ^ 大津市都市計画部都市計画課 2017, p. 14.
- ^ a b c d e f g h i j k l 粟津西町自治会 1985, p. 80.
- ^ 大津市都市計画部都市計画課 2017, p. 71.
- ^ 粟津西町自治会 1985, p. 81.
- ^ a b 滋賀県教育委員会事務局文化財保護課 2019, p. 219.
- ^ a b “関西に珍しい神式の出札口 二万円を投じ改築中だった 石山駅の新装成る”. 大阪朝日新聞. (1929年4月2日)
- ^ 晴嵐史編集委員会 1980, pp. 247–248.
- ^ a b c 晴嵐史編集委員会 1980, p. 248.
- ^ a b c 日本国有鉄道大阪工事局 1977, p. 35.
- ^ 大津市役所 1986, p. 69.
- ^ 今田保 2013, pp. 26–27.
- ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '98年版』ジェー・アール・アール、1998年7月1日、186頁。ISBN 4-88283-119-8。
- ^ 琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線・大阪環状線の駅のホームで使用している「入線警告音」の音質を見直します
- ^ 大阪朝日新聞1930年4月26日
- ^ 『決定版昭和史5 昭和の幕開く 昭和元年‐5年』(1984年、毎日新聞社)
- ^ 佐々木冨泰・網谷りょういち『続・事故の鉄道史』(日本経済評論社)57頁
- ^ 「続・事故の鉄道史」(日本経済評論社)第3話「河内駅五五号転轍器のミステリー―制限速度一覧表は教養材料にすぎず」
- ^ a b “石山駅|バリアフリー情報:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2020年10月11日閲覧。
- ^ a b “石山駅|構内図:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2022年8月4日閲覧。
- ^ “データで見るJR西日本”. 西日本旅客鉄道. 2021年10月22日閲覧。
- ^ “ローム滋賀株式会社 統合のお知らせ”. ローム滋賀株式会社. 2022年3月29日閲覧。
- ^ “岡本電気株式会社 事業所案内”. 岡本電気株式会社. 2022年3月29日閲覧。
- ^ “今井兼平の墓”. 滋賀・びわ湖観光情報. びわこビジターズビューロー (2015年7月6日). 2023年2月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月18日閲覧。
- ^ “粟津の晴嵐”. 滋賀・びわ湖観光情報. びわこビジターズビューロー (2015年6月26日). 2020年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月18日閲覧。
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- ^ “主要駅における乗り場のご案内について(石山駅)”. 近江バス・湖国バス. 2022年9月10日閲覧。
利用状況
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- ^ 第12章運輸・通信 127.JR運輸状況、滋賀県統計書(令和元年度)、滋賀県ホームページ、2021年10月22日閲覧
- ^ 第12章運輸・通信 129.JR運輸状況、滋賀県統計書(令和2年度)、滋賀県ホームページ、2022年8月29日閲覧
参考文献
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- 晴嵐史編集委員会『晴嵐史話』晴嵐コミュニティ推進委員会、1980年9月1日。
- 『粟西のあゆみ(粟西会館創立三十周年記念号)』粟津西町自治体、1985年2月25日。
- 大津市『新修大津市史9 南部地域』大津市役所、1986年11月29日。
- 今田保「東海道本線 歴史の興味 -名古屋-神戸間-」『鉄道ピクトリアル』第63巻第3号、2013年3月1日、10-19頁、ISSN 0040-4047。
- 大津市都市計画部都市計画課『大津市都市計画マスタープラン2017-2031』大津市、2017年2月 。2020年2月1日閲覧。
- 滋賀県教育委員会事務局文化財保護課『街道でめぐる滋賀の歴史遺産』サンライズ出版、2019年10月25日。
関連項目
外部リンク
- 石山駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
- JR石山駅NKビル - JR西日本不動産開発