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「モスラ対ゴジラ」の版間の差分

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| 作品名 = モスラ対ゴジラ
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『'''モスラ対ゴジラ'''』(モスラたいゴジラ)は、[[1964年]]([[昭和]]39年)[[4月29日]]に公開された[[日本映画]]{{R|全史547|BEST5432}}。[[ゴジラ|ゴジラシリーズ]]の第4作であり{{Refnest|group="出典"|{{R|超最新90|デイズ112|来襲54|池田224|大辞典320|G6053|TCMP36|超常識42|解体全書144|検定36}}}}、『[[モスラ]]』の続編でもある{{R|大辞典320|解体全書144}}。製作・配給は[[東宝]]。カラー、[[東宝スコープ]]{{Refnest|group="出典"|{{R|全史547|超最新90|デイズ112|映画大全56|東宝特撮映画大全集78|超常識42|解体全書144|検定36}}}}。併映は『[[蟻地獄作戦]]』{{Refnest|group="出典"|<ref>{{Movie Walker|mv21173|蟻地獄作戦}}</ref>{{R|デイズ54|来襲54|映画大全56|東宝特撮映画大全集78}}}}。
『'''モスラ対ゴジラ'''』(モスラたいゴジラ)は、[[1964年]]([[昭和]]39年)[[4月29日]]に公開された[[日本映画]]{{R|全史547|BEST5432}}。[[ゴジラ|ゴジラシリーズ]]の第4作であり{{Refnest|group="出典"|{{R|FCGRAFF|超最新90|デイズ112|来襲54|池田224|大辞典320|G6053|TCMP36|超常識42|解体全書144}}{{R|検定36}}}}、映画『[[モスラ]]』の続編でもある{{R|大辞典320|解体全書144}}。製作・配給は[[東宝]]。カラー、[[東宝スコープ]]{{Refnest|group="出典"|{{R|全史547|大鑑473|大百科91|超最新90|デイズ112|本多全仕事123|映画大全56|東宝特撮映画大全集78|東宝全怪獣|超常識42}}{{R|解体全書144|検定36|モスゴジCOMP140}}}}。併映は『[[蟻地獄作戦]]』{{Refnest|group="出典"|<ref>{{Movie Walker|mv21173|蟻地獄作戦}}</ref>{{R|デイズ54|来襲54|本多全仕事123|映画大全56|東宝特撮映画大全集78|365日117}}}}。略称は『モスゴジ』{{R|大百科114|大辞典20}}。


初回興行時の観客動員数は351万人{{R|TCMP162}}{{efn|現在の公表値は720万人{{R|デイズ198|TCMP162}}だが、これは再上映時の動員数を合わせたものである{{R|TCMP162}}。}}。主要襲撃地点は[[中京圏|名古屋]]。
初回興行時の観客動員数は351万人{{Refnest|group="出典"|{{R|最新大百科66|TCMP162|モスゴジCOMP140|GTOM024}}}}{{efn|現在の公表値は720万人{{Refnest|group="出典"|{{R|デイズ198|平成大全|TCMP162}}}}(722万人{{Refnest|group="出典"|{{R|大百科M141|365日117|GTOM024}}}})だが、これは再上映時の動員数を合わせたものである{{R|TCMP162|GTOM024}}。}}。主要襲撃地点は[[中京圏|名古屋]]。


== 概要 ==
== 概要 ==
怪獣映画10周年を記念して東宝が制作し{{R|GTOM vol.06}}、タイトルのとり、モスラとゴジラの闘いを初めて描た作品{{R|映画大全59}}。明確に善・悪に分けた怪獣対決の図式を初めて導入し{{R|全史268|映画大全59|GTOM vol.06}}、本作品でのゴジラはモスラに対する悪役であり{{Refnest|group="出典"|{{R|全史268|超最新90|大ゴジラ68|デイズ54|5499超全集96|映画大全59|東宝特撮映画大全集79|G6053|Walker56|解体全書144}}{{R|検定36}}}}、昭和シリーズで唯一、怪獣同士の闘いにおける黒星を喫している。また、ゴジラとしては初めて操演怪獣との対決となった{{R|大ゴジラ5|東宝特撮映画大全集81}}。第1作『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』および『[[モスラ]]』を踏襲した描写が多く取り入れられている{{R|全史268|映画大全65}}。
怪獣映画10周年を記念して東宝が制作し{{R|GTOM06|LOM16}}、タイトルにもあるように[[モスラ (初代よび昭和ゴジラシリーズ)|モスラ]][[ゴジラ (2代目)|ゴジラ]]の闘いを初めて描き、その集大成を狙った作品{{R|映画大全59|東宝全怪獣}}。明確に善・悪に分けた怪獣対決の図式を初めて導入した作品でもあり{{Refnest|group="出典"|{{R|全史268|大百科M127|映画大全59|GTOM06|GTOM024}}}}、本作品でのゴジラはモスラに対する悪役として描かれている{{Refnest|group="出典"|{{R|FCGRAFF|全史268|大鑑61|超最新90|大ゴジラ68|デイズ54|5499超全集96|映画大全59|東宝特撮映画大全集79|G6053}}{{R|Walker56|解体全書144|検定36}}}}。また、ゴジラとしては初めて飛翔型の操演怪獣との対決となった{{Refnest|group="出典"|{{R|大ゴジラ5|東宝特撮映画大全集81|LOM16}}}}。第1作『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』および『[[モスラ]]』を踏襲した描写が多く取り入れられている{{R|全史268|映画大全65}}。


一見単純な娯楽作品の体裁をとりつつも、「観光開発ブーム」「背後の興行師による暗躍」「新聞の第三権力化」など、さり気なく当時の世相への批判が盛り込まれている{{R|GTOM vol.06}}{{efn|『モスラ』では悪役要素が外国人に集約されていたが、本作品では日本における現実的な問題が描かれている{{R|映画大全65}}。}}。主人公が新聞記者という設定は、当時の社会派推理小説ブーム反映ているものである{{R|大辞典320}}{{efn|同時期他の東宝特撮作品でも新聞記者や刑事が主人公であることが多{{R|大辞典320}}。}}。
一見単純な娯楽作品の体裁をとりつつも、「観光開発ブーム」「背後の興行師による暗躍」「新聞の第三権力化」など、当時の世相への批判がさり気なく盛り込まれている{{R|モスゴジCOMP98|GTOM06}}{{efn|『モスラ』では悪役要素が外国人に集約されていたが、本作品では日本における現実的な問題が描かれている{{R|映画大全65}}。}}。また、主人公が新聞記者という設定は、当時の[[社会派推理小説]]ブーム反映されている{{R|大辞典320}}{{efn|同時期他の東宝特撮作品でも新聞記者や刑事が主人公であることが多かった{{R|大辞典320}}。}}。

本作の公開された1964年には『[[宇宙大怪獣ドゴラ]]』『[[三大怪獣 地球最大の決戦]]』と怪獣映画が3本公開されており、後の[[第一次怪獣ブーム]]の土台を築いたとされる{{Refnest|group="出典"|{{R|映画大全59|東宝特撮映画大全集79|大辞典320}}}}{{efn|しかし、東宝プロデューサーの[[田中友幸]]は、前作『[[キングコング対ゴジラ]]』よりも調子は落ちたと評している{{R|全史57}}。}}。本作品以降、ゴジラ映画が毎年製作されるようになった{{R|超最新90}}。

1972年ごろには『モスラ』と『[[ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘]]』を編集した[[8ミリ映画]]と、[[ソノシート]]とセットの絵本「モスラ アタック東京!」が発売されており、本作品の国内盤DVDの特典に収録されている。


== ストーリー ==
== ストーリー ==
[[File: View of Nagoya TV Tower (3), Nishiki Naka Ward Nagoya 2020.jpg|200px|thumb|right|ゴジラに尻尾で倒壊させられる[[名古屋テレビ塔]]。]]
[[File: View of Nagoya TV Tower (3), Nishiki Naka Ward Nagoya 2020.jpg|200px|thumb|right|ゴジラに尻尾で倒壊させられる[[名古屋テレビ塔]]。]]
大台風8号が日本を通過した翌日、毎朝新聞{{efn|架空の新聞社{{R|大辞典257}}。『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』にも登場しているが、所在地が異なる{{R|大辞典257}}。『[[キングコング対ゴジラ]]』『[[三大怪獣 地球最大の決戦]]』『[[ゴジラvsキングギドラ]]』『[[ゴジラvsデストロイア]]』では紙面が登場{{R|大辞典257}}。}}の記者である酒井と助手の純子は、高潮被害を受けた倉田浜干拓地{{efn|架空地名{{R|大辞典95}}。}}で虹色に光る肉片のような物体を見つける。一方、静之浦{{efn|架空の地名{{R|大辞典142}}。卵の漂着を報じた毎朝新聞に「静岡県田方郡静之浦村」と表記されている。}}海岸には巨大な卵が漂着する。ハッピー興行社の熊山は漁民から卵を買い取り、静之浦の海岸に[[孵化]]施設を兼ねたレジャーランド「静之浦ハッピーセンター」の建設を始める。
台風8号が西日本を通過した翌朝{{efn|劇中の新聞報道では、台風の上陸時を昭和39年9月3日と記述している{{R|365日254|モスゴジCOMP17}}。}}、毎朝新聞{{efn|架空の新聞社{{R|大辞典257}}。『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』にも登場しているが、所在地が異なる{{R|大辞典257}}。また、『[[キングコング対ゴジラ]]』『[[三大怪獣 地球最大の決戦]]』『[[ゴジラvsキングギドラ]]』『[[ゴジラvsデストロイア]]』では紙面が登場している{{R|大辞典257}}。}}の記者である酒井とカメラマンの純子は、取材で訪れた高潮による浸水被害で壊滅し新産業計画の倉田浜干拓地の海に浮かぶ瓦礫の中で虹色に光る、多量の[[放射能]]を帯びたウロコのような物体を見つける{{R|LOM16}}。一方、静之浦の沖合には巨大な卵が漂着する{{R|大鑑473|LOM16}}。ハッピー興行社の[[興行#事業分類|興行師]]の熊山は漁民から引き上げた卵を買い取り、静之浦の海岸に[[孵化]]施設を兼ねたレジャーランド「静之浦ハッピーセンター」の建設を始める{{R|大鑑473|LOM16}}

三浦博士と酒井らは巨大な卵を調査するが、彼らの目の前に双子の[[小美人]]が現れる。小美人たちによると、巨大な卵は[[インファント島]]に唯一残っていたモスラの卵で、卵を失った島の人々は悲しんでいるという。酒井たちは卵を返還するよう抗議活動を始めるが、熊山はそれに応じないどころか、小美人たちまで売るように言い放つ。実は大興行師・虎畑二郎が熊山の後ろ盾となっており、抗議活動は頓挫する。落胆した小美人たちは、インファント島へ帰ってしまう。


三浦博士と酒井らは巨大な卵を調査するが、そこへ双子の[[小美人]]が現れる。小美人たちによると、巨大な卵は[[インファント島]]に唯一残っていたモスラの卵であり、それを失った島の人々は悲しんでいるという。酒井たちは卵を返還するよう抗議活動を始めるが、熊山はそれに応じないどころか、小美人たちまで売るように言い放つ{{R|大鑑473|LOM16}}。実は大興行師の虎畑次郎が熊山の後ろ盾となっており、抗議活動は頓挫する。人間社会に落胆した小美人たちは、乗ってきたモスラの成虫とともにインファント島へ帰ってしまう{{R|LOM16}}。
そんな折、酒井と純子は三浦に呼び出され、[[放射能]]洗浄を受ける。倉田浜で見つけた物体から、放射能が検出されたのだ。酒井たちは調査のために倉田浜干拓地へ赴くが、その眼前でゴジラが出現し、[[四日市市]]のコンビナート地帯と[[名古屋市]]を蹂躙する。酒井たちはインファント島へ飛び、原住民たちにモスラの力を借りたいと懇願するが、「悪魔の火」と呼ぶ[[核実験]]によって島を荒らされ、モスラの卵の返還をも拒まれた原住民たちと小美人たちは、激しい人間不信を抱いていた。しかし、純子の必死の訴えを聞き入れたモスラは、寿命が近づく身を押して日本へ飛び立つ。


そんな折、酒井と純子は三浦に呼び出され、放射能洗浄を受ける。それは、倉田浜で見つけた物体から、放射能が検出されたためであった。酒井たちは調査のために排水作業中の倉田浜干拓地へ赴くが、そこへゴジラが出現し、[[四日市市]]のコンビナート地帯と[[名古屋市]]を蹂躙する{{R|大鑑473|LOM16}}。酒井たちはインファント島へ飛び、原住民たちにモスラの力を借りたいと懇願するが{{R|大鑑473|LOM16}}、「悪魔の火」と呼ぶ[[核実験]]によって島を荒らされ、モスラの卵の返還をも拒まれた原住民たちと小美人たちは、激しい人間不信を抱いていた。しかし、純子の必死の訴えを聞き入れたモスラは、寿命が近づく身を押して日本へ飛び立つ。
ゴジラは、金銭トラブルから熊山を射殺してしまった虎畑が滞在するホテルを破壊し、虎畑もその際に逃げ遅れて落命する。ゴジラがモスラの卵がある静之浦に迫ったところへモスラが飛来し、寿命と引き換えの武器である毒鱗粉をも用いた戦いを繰り広げるが、ゴジラへの決定的なダメージとはならず、逆にゴジラに放射熱線で羽を焼かれてしまったモスラは最後の力で卵をかばうように着地し、寿命により力尽きてしまう。


ゴジラは、金銭トラブルから熊山を射殺してしまった虎畑が滞在する浜風ホテルを破壊し、彼もその際に逃げ遅れて死亡する。ゴジラがモスラの卵の孵化器が設置されている静之浦の西浜に迫ったところへモスラが飛来し、寿命と引き換えの武器である毒鱗粉をも用いた戦いを繰り広げるが、ゴジラへの決定的なダメージとはならず、逆にゴジラに放射能火炎で羽を焼かれてしまったモスラは最後の力で卵をかばうように着地し、死亡してしまう{{R|大鑑473|LOM16}}。
モスラに勝利したゴジラに対し、[[自衛隊]]は3000万ボルトに達する放電作戦で挑む。ゴジラは凄まじい電圧にもがき苦しむが、装置は限界を超えた放電を強行したために故障してしまったうえ、ゴジラの反撃によって特車隊も壊滅させられる。無敵となったゴジラが小学校の教師と生徒たちが残された岩島に迫り、小美人たちが祈りの歌を歌う中、モスラの卵が孵化し始める。


孵化した双子の幼虫モスラは岩島に向か、ゴジラに糸を吹きけて動きを封じ、撃退する。まもな、無事に教師と生徒たちを救出した酒井たちはインファント島へ帰っていく幼虫たちと小美人たちを見送りながら、人間不信のない社会を作ることを決意するのだった。
モスラに勝利したゴジラに対し、[[自衛隊]]は3,000万ボルトに達する人工雷作戦で挑む。ゴジラは超高電圧による大電流にもがき苦しむが、装置は限界を超えた放電を強行したために故障してしまったうえ、ゴジラの反撃によって特車隊も壊滅させられる。無敵となったゴジラが分教場の教師と生徒たちが残された岩島に迫り{{R|大鑑473}}、小美人たちが祈りの歌を歌う中、モスラの卵が孵化し始める。孵化した双子の幼虫モスラは岩島に向かうと、ゴジラに糸を吹きけて動きを封じてい{{R|大鑑473|LOM16}}。酒井たちはその隙に教師と生徒たちを救出に成功、やがて、歩行すらままならなくなっゴジラは、岸壁から海へ転落する{{R|大鑑473|LOM16}}。幼虫モスラの活躍でゴジラの脅威が去り、酒井たちはインファント島へ帰っていく幼虫モスラと小美人を見送りながら、人間不信のない社会を作ることを決意するのだった。


== 登場怪獣 ==
== 登場怪獣 ==
; ゴジラ
; ゴジラ
:{{Main|ゴジラ (2代目)}}
:{{Main|ゴジラ (2代目)#『モスラ対ゴジラ』}}
; モスラ(幼虫・成虫)
; モスラ(幼虫・成虫)
:{{Main|モスラ (架空の怪獣)}}
:{{Main|モスラ (初代および昭和ゴジラシリーズ)#『モスラ対ゴジラ』}}
; 怪骨{{Refnest|group="出典"|{{R|超常識42|Walker56|検定36}}}}
; 怪骨{{Refnest|group="出典"|{{R|超常識42|Walker56|検定36|モスゴジCOMP15|GTOM0213}}}}
: 酒井らが上陸したインファント島の海岸に転がっていた巨大なカメのような生物の骨{{R|超常識42|検定36}}。
: インファント島の海岸に転がっていた、カタカタと頭部が揺れる巨大なカメのような生物の骨{{Refnest|group="出典"|{{R|超常識42|検定36|モスゴジCOMP15|GTOM0213}}}}。
:* 脚本決定稿では、大きな貝殻の残骸やクジラの肋骨と列挙しており、核実験に対する無言の抗議をしているようだと形容している{{R|東宝SF2123}}。
:* 脚本決定稿では、大きな貝殻の残骸やクジラの肋骨と列挙しており、核実験に対する無言の抗議をしているようだと形容している{{R|東宝SF2123}}。
:* この骨について特に設定は存在しないが、年になって「怪骨」と命名され、フィギュアやデザインTシャツなどの商品化がわれた{{R|超常識42}}。
:* この骨について特に設定は存在しないが、2012年になって「怪骨」と命名され、フィギュアやデザインTシャツなどの商品化がおこなわれた{{R|超常識42|モスゴジCOMP158}}。


== 登場人物 ==
== 登場人物 ==
; {{読み仮名|酒井 市郎|さかい いちろう}}{{R|大辞典129}}
; {{読み仮名|酒井 市郎|さかい いちろう}}{{R|大辞典129|GTOM0214}}
: 毎朝新聞社会部記者{{R|大辞典129|検定38}}。
: 毎朝新聞社会部記者{{Refnest|group="出典"|name="酒井"|{{R|大百科130|大辞典129|検定38|GTOM0214}}}}。純子からは「市ちゃん」と呼ばれる{{R|GTOM0214}}。
: モスラの卵を独占しようとするハッピー興行社のやり方に対し、報道の力で世論に訴えかける{{R|大辞129|検定38}}。
: 正義感にあふれ、行動力もある青年{{R|大百科130}}。モスラの卵を独占しようとするハッピー興行社のやり方に対し、報道(ペン)の力で世論に訴えかけるが、限界を痛感する{{R|group="出"|酒井}}。
:
:
; {{読み仮名|中西 純子|なかにし じゅんこ}}{{R|大辞典212}}
; {{読み仮名|中西 純子|なかにし じゅんこ}}{{R|大辞典212|GTOM0214}}
: 毎朝新聞の新人カメラマン{{R|大辞典212|検定38}}。写真には芸術性を求めるタイプ{{R|大辞典212}}。
: 毎朝新聞の新人見習いカメラマン{{Refnest|group="出典"|{{R|大百科141b|大辞典212|検定38|GTOM0214}}}}。写真には芸術性を求める理屈的なタイプ{{R|大辞典212|GTOM0214}}。常に帽子を被っている{{R|大百科141b}}。
:
:
; {{読み仮名|三浦博士|みうら はかせ}}{{R|大辞典265}}{{efn|劇中の新聞記事では、'''三浦俊助'''というフルネームが記載されている。}}
; {{読み仮名|三浦博士|みうら はかせ}}{{R|大辞典265}}{{efn|name="三浦"|劇中の新聞記事では、'''三浦俊助'''というフルネームが記載されており、書籍によっては、こちらの名前を記述している{{R|モスゴジCOMP140|GTOM0214}}。}}
: 動物学を専攻する京南大学教授{{R|大辞典265|検定38}}。モスラの卵やゴジラの皮膚片などを調査する{{R|大辞典265|検定38}}。
: 動物学を専攻する京南大学教授{{Refnest|group="出典"|{{R|大百科150|大辞典265|検定38|GTOM0214}}}}。モスラの卵やゴジラの皮膚片などを調査する{{Refnest|group="出典"|{{R|大百科150|大辞典265|検定38}}}}。
:* 準備稿では、登場が予定されていた原健也の師という設定であった{{R|東宝特撮映画大全集80}}。
:* 準備稿では、登場が予定されていた原健也の師という設定であった{{R|東宝特撮映画大全集80}}。
:
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; {{読み仮名|中村 二郎|なかむら じろう}}{{R|大辞典212}}
; {{読み仮名|中村 二郎|なかむら じろう}}{{R|大辞典212|GTOM0214}}
: 毎朝新聞社会部記者{{R|大辞典212}}。半熟ゆで卵が好物{{R|大辞典212}}。
: 毎朝新聞社会部記者{{R|大百科141b|大辞典212}}。半熟ゆで卵が好物{{R|大辞典212|GTOM0214}}。
: 怠惰な勤務態度でデスクによくられているが、モスラの卵が漂着した際にはヘリで駆けつけたり、ゴジラが岩島に上陸した際には酒井らとともに住民を救出したりするなどの行動力を見せる{{R|大辞典212}}。
: 怠惰な勤務態度でデスクによくられているが、モスラの卵が漂着した際にはヘリで駆けつけたり、ゴジラが岩島に上陸した際には酒井らとともに住民を救出したりするなどの行動力を見せる{{R|大辞典212}}。モスラとゴジラを戦わせるというアイデアも出している{{R|大百科141b|大辞典212}}。
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; {{読み仮名|虎畑 次郎|とらはた じろう}}{{Refnest|group="出典"|name="虎畑"|{{R|全史536|超最新90|デイズ112|映画大全56|東宝特撮映画大全集79}}}}{{efn|name=":0"|資料によっては、'''虎畑二郎'''と表記している{{Refnest|group="出典"|{{R|映画資料室|東宝SF2125|検定38}}}}。}}
; {{読み仮名|虎畑 次郎|とらはた じろう}}{{Refnest|group="出典"|name="虎畑"|{{R|全史536|超最新90|デイズ112|映画大全56|東宝特撮映画大全集79}}}}{{efn|name="虎畑二郎"|資料によっては、'''虎畑二郎'''と表記している{{Refnest|group="出典"|{{R|映画資料室|東宝SF2125|大百科141|365日132|検定38|GTOM0214|モスゴジCOMP140}}}}。}}
: 興行界を陰で操るといわれる人物{{R|大辞典209}}{{efn|書籍『「ゴジラ検定」公式テキスト』では、若手実業家と記述している{{R|検定38}}。}}。父は政財界の大物である虎畑万造{{R|大辞典209}}。
: 若手実業家{{R|大百科141|検定38}}。興行界を陰で操るといわれる{{R|大辞典209|GTOM0214}}。父は政財界の大物である虎畑万造{{Refnest|group="出典"|{{R|大百科141|大辞典209|GTOM0214}}}}。知的な皮肉屋で、自らの手を汚さずに金儲けをおこなう{{R|大百科141}}。
: 熊山の黒幕としてモスラの卵を中心に静之浦ハッピーセンターを建設し、一大レジャー事業を目論むが、ゴジラの出現により頓挫する{{R|大辞典209}}。大金を盗もうとした熊山を撃ち殺すが、自身もゴジラが破壊したホテルの下敷きとなり死亡する{{R|大辞典209|検定38}}。
: 熊山の黒幕としてモスラの卵を中心に静之浦ハッピーセンターを建設し、一大レジャー事業を目論むが、ゴジラの出現により頓挫する{{R|大辞典209}}。大金を盗もうとした熊山を殺すが、自身もゴジラが破壊した浜風ホテルの下敷きとなり死亡する{{Refnest|group="出典"|{{R|大百科141|大辞典209|検定38|GTOM0214}}}}。
:* 決定稿での名称は虎畑万造であり{{R|東宝SF2144}}、東宝スタジオ・メールのポスターにも「虎畑万造(役)」と記載されていた。完成作品では「万造」は虎畑の父の名前となり、脚本よりも若いイメージとなった{{R|東宝SF2144}}。
:* 脚本第2稿および決定稿での名称は虎畑万造であり{{R|東宝SF2144|モスゴジCOMP106}}、東宝スタジオ・メールのポスターにも「虎畑万造(役)」と記載されていた。完成作品では「万造」は虎畑の父の名前となり、脚本よりも若いイメージとなった{{R|東宝SF2144}}。資料によっては、役名が「万造」のままとなっているものもある{{Sfn|東宝特撮怪獣映画大鑑|1989|pp=62,473}}{{R|動画王大図鑑64}}。
:* 本多は自身の作品に「悪」はおらずそれぞれの立場で置かれた状況を動いていると述べており、虎畑も事業家として当たり前のことをやっていると語っている{{R|東宝SF2153}}。
:* 本多は自身の作品に「悪」はおらずそれぞれの立場で置かれた状況を動いていると述べており、虎畑も事業家として当たり前のことをやっていると語っている{{R|東宝SF2153}}。
:* 演じる[[佐原健二]]は、役作りにあたって知人からアクの強い不動産屋を数人紹介してもらい、1週間程度行動を共にした{{R|モスゴジCOMP97}}。その中で佐原は、いずれの人物も自分の行動に自信たっぷりであったと感じたという{{R|モスゴジCOMP97}}。
:
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; {{読み仮名|丸田デスク|まるたデスク}}{{R|大辞典263}}
; {{読み仮名|丸田デスク|まるたデスク}}{{Refnest|group="出典"|{{R|大辞典263|モスゴジCOMP140|GTOM0214}}}}
: 毎朝新聞社会部デスクで、酒井らの上司{{R|大辞典263}}。
: 毎朝新聞社会部デスクで、酒井らの上司{{R|大辞典263|GTOM0214}}。
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; {{読み仮名|熊山|くまやま}}{{R|大辞典94}}
; {{読み仮名|熊山|くまやま}}{{R|大辞典94|GTOM0214}}
: ハッピー興行社の社長{{R|大辞典94|検定38}}。漂着したモスラの卵を網元から買い取り、見世物として大儲けを企む{{R|大辞典94}}。
: ハッピー興行社の社長{{Refnest|group="出典"|{{R|大百科125|大辞典94|検定38|GTOM0214}}}}。漂着したモスラの卵を網元から買い取り、見世物として大儲けを企む{{Refnest|group="出典"|{{R|大百科125|大辞典94|GTOM0214}}}}。その後、虎畑の入れ知恵により静之浦ハッピーセンターの建設に取りかかるが、ゴジラの上陸により計画が頓挫して一文無しとなったため、浜風ホテルから大金を盗もうとした結果、虎畑に射殺される{{R|大辞典94|GTOM0214}}。
:* 脚本準備稿では虎畑が登場しておらず、悪役は熊山のみであった{{R|モスゴジCOMP106}}。
: その後、虎畑の入れ知恵により静之浦ハッピーセンターの建設をはじめるが、ゴジラの上陸により計画が頓挫し、一文無しとなる{{R|大辞典94}}。虎畑のホテルから大金を盗もうとしたところを、虎畑に射殺される{{R|大辞典94}}。
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; {{読み仮名|小林|こばやし}}{{R|大辞典125}}
; {{読み仮名|小林|こばやし}}{{R|大辞典125}}{{efn|書籍によっては、'''小林先生'''と記述している{{R|GTOM0214}}。}}
: 岩島分教場の女性教師{{R|大辞典125}}。ゴジラが上陸した岩島に生徒らとともに取り残されてしまい、洞窟に避難する{{R|大辞典125}}。
: 岩島分教場の女性教師{{R|大辞典125|GTOM0214}}。ゴジラが上陸した岩島に生徒らとともに取り残されてしまい、山伝いに歩いて海沿いの洞窟に避難する{{R|大辞典125|GTOM0214}}。


== 登場兵器・メカニック ==
== 登場兵器・メカニック ==
=== 架空 ===
=== 架空 ===
; {{読み仮名|人工雷発生装置|じんこうらいはっせいそうち}}{{Refnest|group="出典"|{{R|超最新148|東宝特撮映画大全集80|大辞典153|ALLMECHA82|検定38}}}}
; {{読み仮名|人工雷発生装置|じんこうらいはっせいそうち}}{{Refnest|group="出典"|{{R|超最新148|動画王大図鑑67|東宝特撮映画大全集80|大辞典153|ALLMECHA82|検定38|GTOM0222}}}}(人工雷発生機{{R|入門141}})
: ゴジラを撃滅するために自衛隊が行った「A作戦」と「B作戦」に投入された装置{{Refnest|group="出典"|name="作戦"|{{R|超最新148|東宝特撮映画大全集80|検定38}}}}。送電用[[鉄塔]]の頂上に取り付けらており、[[変電所]]から電を回してもらうことで、200万[[ボルト (単位)|ボルト]]から最大3000万ボルトまでの電流を発生させ、それをゴジラに向けて射する{{R|group="出典"|作戦}}。
: ゴジラを撃滅するために自衛隊が行った「A作戦」と「B作戦」に投入された強力な電流発生装置{{Refnest|group="出典"|name="作戦"|{{R|超最新148|東宝特撮映画大全集80|検定38|GTOM0222}}}}。3点を結んだ三角形の地域に装置を設け、送電用の高圧[[鉄塔]]と装置を有した鉄塔が設置され、[[変電所]]から地域のほとんどのを回してもらうことで、200万[[ボルト (単位)|ボルト]]から最大3,000万ボルトまでの電流を発生させ、それをゴジラに向けて射する{{R|group="出典"|作戦}}。
: 「A作戦」では特に効果は与えられずゴジラに破壊されてしまうが、「B作戦」では帯電[[網|ネット]]との組み合わせによってゴジラの全身に電流を浴びせ、もがき苦しむほどのダメージを与え、あと一歩で倒せるところまで追いつめる{{R|超最新148|検定38}}。しかし、ゴジラに止めを刺そうと限界以上に電圧を上げたことで電線が焼き切れて電流が止まったうえ、最後は立ち直ったゴジラの放射能火炎によって溶解し、作戦は失敗する。
: 「A作戦」では特に効果は与えられずゴジラに破壊されてしまうが、「B作戦」では帯電[[網|ネット]]との組み合わせによってゴジラの全身に電流を浴びせ、もがき苦しむほどのダメージを与え、あと一歩で倒せるところまで追いつめる{{Refnest|group="出典"|{{R|超最新148|Walker90|検定38}}}}。しかし、ゴジラに止めを刺そうと限界以上に電圧を上げたことで電線が焼き切れて電流が止まったうえ、最後は立ち直ったゴジラの放射能火炎によって溶解し、作戦は失敗する{{R|入門141}}
:* ゴジラに対する高圧電流作戦は、第1作『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』以来の定番となっていたが、昭和シリーズでは本作品が最後となった{{R|超最新148}}。
:* ゴジラに対する高圧電流作戦は、第1作『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』以来の定番となっていたが、昭和シリーズでは本作品が最後となった{{R|超最新148}}。助監督を務めた[[中野昭慶]]によれば、特技監督の[[円谷英二]]が高圧鉄塔を気に入っていたためゴジラと鉄塔が絡むシーンを取り入れていたといい、本作品でも円谷自ら鉄塔を用いた作戦を考案したという{{R|モスゴジCOMP99}}。
:* 書籍『モスラ対ゴジラコンプリーション』では、鉄塔のミニチュアは『キングコング対ゴジラ』のものを流用したと推測している{{R|モスゴジCOMP146}}。
; 特殊帯電ネット{{R|超最新148|大辞典206}}
:
: 「B作戦」にて、人工雷発生装置の威力を高めるために投入された巨大ネット。電気を通す材質で作られており、これをゴジラの全身に被せることで、体中へ一度に強力な電流を浴びせることができる。[[V-107#自衛隊での運用|KV-107II-4]]中型輸送ヘリコプターの4機[[編隊 (航空機)|編隊]]で1枚ずつ[[輸送]]され{{R|超最新148}}、作中では3個編隊が計3枚をゴジラに向けて投下している。
; 特殊帯電ネット{{Refnest|group="出典"|{{R|超最新148|動画王大図鑑67|大辞典206|GTOM0222}}}}
; フロンティアミサイル([[ミサイル巡洋艦]])
: 「B作戦」にて、人工雷発生装置の威力を増強するために第二次空挺隊が投入した巨大ネット。電気を通す材質で作られており、これをゴジラの全身に被せることで、体中へ一度に強力な電流を浴びせることができる。[[V-107#自衛隊での運用|KV-107II-4]]中型輸送ヘリコプターの4機[[編隊 (航空機)|編隊]]で1枚ずつ[[輸送]]され{{R|超最新148}}、作中では3個編隊が計3枚をゴジラに向けて投下しているが、ゴジラの放射能火炎と装置のオーバーヒートによって失敗した{{R|GTOM0222}}。
:
; フロンティアミサイル([[ミサイル巡洋艦]]){{efn|書籍によっては、'''誘導弾フロンテア'''{{R|GTOM0229}}と記述している。}}
: 海外版に登場。劇中の国連大使の説明によれば「高性能誘導弾」とのこと。[[国際連合|国連]]の派遣した艦隊から発射され、浜辺を進むゴジラを転倒させたものの、それ以上のダメージには至らなかった。
: 海外版に登場。劇中の国連大使の説明によれば「高性能誘導弾」とのこと。[[国際連合|国連]]の派遣した艦隊から発射され、浜辺を進むゴジラを転倒させたものの、それ以上のダメージには至らなかった。
: ミサイルを発射した[[軍艦]]([[星条旗]]が掲げられている)は、前部[[甲板 (船)|甲板]]と後部甲板にそれぞれ2基ずつの単装式ミサイル発射機を備える一方、[[艦砲]]やヘリコプター搭載能力を有していないオリジナル艦。幹部将校を載せた旗艦の艦番号は29となっている。
: ミサイルを発射した[[軍艦]]([[星条旗]]が掲げられている)は、前部[[甲板 (船)|甲板]]と後部甲板にそれぞれ2基ずつの単装式ミサイル発射機を備える一方、[[艦砲]]やヘリコプター搭載能力を有していないオリジナル艦。幹部将校を載せた旗艦の艦番号は29となっている。
:* 脚本では、『[[モスラ]]』に登場するロリシカ国の新兵器とされている{{R|東宝SF2123|大辞典192}}。
:* 脚本では、『[[モスラ]]』に登場するロリシカ国の新兵器とされている{{R|東宝SF2123|大辞典192}}。
:* 書籍『モスラ対ゴジラコンプリーション』では、艦艇のミニチュアは『[[ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐]]』(1960年)のものを改造したと推測している{{R|モスゴジCOMP146}}。


=== 実在 ===
=== 実在 ===
==== 自衛隊 ====
==== 自衛隊 ====
* [[61式戦車|61式特車]]{{Refnest|group="出典"|{{R|超最新168|メカ大全306|大辞典306|ALLMECHA82|検定38}}}}
* [[61式戦車|61式特車]]{{Refnest|group="出典"|{{R|超最新168|動画王大図鑑67|メカ大全306|大辞典306|Walker90|ALLMECHA82|検定38|モスゴジCOMP146|GTOM0222}}}}
* [[GMC CCKW|GMC 2.5tトラック]]
* [[GMC CCKW|GMC 2.5tトラック]]
* 3/4tトラック({{仮リンク|ダッジM37|en|Dodge M37}}/[[ダッジ WC#3/4tシリーズ|WC52型]]・[[3/4tトラック#日産製(Q4W70シリーズ)|Q4W70型]])
* 3/4tトラック({{仮リンク|ダッジM37|en|Dodge M37}}/[[ダッジ WC#3/4tシリーズ|WC52型]]・[[3/4tトラック#日産製(Q4W70シリーズ)|Q4W70型]])
* 1/4tトラック([[三菱・ジープ|三菱型]]・[[ジープ|ウィリスMB型]])
* 1/4tトラック[[三菱・ジープ|三菱型]]・[[ジープ|ウィリスMB型]]
* [[トヨタ・DA型トラック|トヨタ ボンネットトラック]]
* [[トヨタ・DA型トラック|トヨタ ボンネットトラック]]
* [[F-86 (戦闘機)|F-86F]][[戦闘機]]{{Refnest|group="出典"|{{R|超最新174|メカ大全296|大辞典50|検定38}}}}
* [[F-86 (戦闘機)|F-86F]][[戦闘機]]{{Refnest|group="出典"|{{R|超最新174|メカ大全296|大辞典50|検定38|モスゴジCOMP146|GTOM0222}}}}(F-86Fセイバー旭光{{R|動画王大図鑑67}})
* [[C-46 (航空機)|C-46]][[輸送機]]{{Refnest|group="出典"|{{R|メカ大全303|大辞典67|ALLMECHA82}}}}
* [[C-46 (航空機)|C-46]][[輸送機]]{{Refnest|group="出典"|{{R|メカ大全303|大辞典67|ALLMECHA82|モスゴジCOMP146|GTOM0222}}}}(C46コマンド改{{R|入門135}}、C46大型輸送機{{R|動画王大図鑑67}})
* [[HU-16 (航空機)|UF-2]][[救難機]]
* [[HU-16 (航空機)|UF-2]][[救難機]]かりがね{{R|モスゴジCOMP146|GTOM0222}}{{efn|機内のシーンは、セットで撮影された{{R|モスゴジCOMP38}}。}}
* [[V-107#自衛隊での運用|KV-107II-4]]中型輸送ヘリコプター{{Refnest|group="出典"|{{R|超最新174|大辞典100|ALLMECHA82|検定38}}}}
* [[V-107 (航空機)#自衛隊での運用|KV-107II-4]]中型輸送ヘリコプター{{Refnest|group="出典"|{{R|超最新174|大辞典100|ALLMECHA82|検定38}}}}(KV-107II しらさぎ{{R|動画王大図鑑67}}、バートルV107{{R|モスゴジCOMP146|GTOM0222}})
* [[M2 107mm迫撃砲|107mm迫撃砲M2]]
* [[M2 107mm迫撃砲|107mm迫撃砲M2]]{{R|GTOM0222}}
* [[M20 75mm無反動砲|75mm無反動砲M20]]
* [[M20 75mm無反動砲|75mm無反動砲M20]]{{R|GTOM0222}}
* [[M1ガーランド|7.62mm小銃M1]]
* [[M1ガーランド]]
* [[U.S.M1カービン#日本|M1騎銃]]
* [[U.S.M1カービン#日本|M1カービン]]


==== 警察 ====
==== 警察 ====
* [[パトロールカー#日本|パトロールカー]]([[三菱・ジープ|三菱・ジープ型]])
* [[パトロールカー#日本|パトロールカー]][[三菱・ジープ|三菱・ジープ型]]


==== 民間 ====
==== 民間 ====
* [[シュド・エスト SE.3130|SE.3130 アルエット II]]{{R|ALLMECHA82}}
* [[シュド・エスト SE.3130|SE.3130 アルエット II]]{{R|ALLMECHA82}}(ジュドSA318{{R|入門135}})
* [[化学消防車]]([[いすゞ・TX|いすゞ・TX型]])
* [[化学消防車]][[いすゞ・TX|いすゞ・TX型]]
* [[日産・パトロール#2代目 60型系 (1960年 - 1980年)|日産・パトロール(2代目型)]]
* [[日産・パトロール#2代目 60型系 (1960年-1980年)|日産・パトロール(2代目型)]]
* [[FN ポケット・モデル M1906]]
* [[FN ポケット・モデル M1906]]
* 第十一威王丸{{R|モスゴジCOMP61}}{{efn|[[江之浦漁港]]所属の漁船が撮影に用いられた{{R|モスゴジCOMP61}}。}}

== 設定 ==
; インファント島
:{{Main|インファント島}}
:
; {{読み仮名|静之浦|しずのうら}}{{R|大辞典142}}
: 架空の地名{{R|大辞典142}}。台風8号によりインファント島から流されたモスラの卵が漂着する{{R|大百科131}}。
: モスラの卵を見世物にしようという虎畑の目論見のもと、ハッピー興行社が静之浦ハッピーセンターの建設を開始するが、ゴジラの出現により頓挫する{{R|大辞典142}}。
: 卵の漂着を報じた毎朝新聞に、「静岡県田方郡静之浦村」と表記されている{{efn|書籍『ゴジラ大辞典』では、'''名古屋近郊'''と記述している{{R|大辞典142}}。}}。
:
; {{読み仮名|倉田浜干拓地|くらたはまかんたくち}}{{R|大辞典95}}
: 架空の地名{{R|大辞典95}}。[[伊勢湾]]に面した[[干拓|干拓地]]{{R|大百科125|大辞典95}}。台風8号による浸水被害のため、ポンプを用いての排水作業がおこなわれていたが、その地中からゴジラが出現する{{R|大百科125|大辞典95}}{{efn|書籍『ゴジラ大辞典』では、海底で眠るゴジラに気づかず埋め立ててしまったものと推測している{{R|大辞典95}}。}}。
:* 書籍『モスラ対ゴジラコンプリーション』では、1959年(昭和34年)の[[伊勢湾台風]]で被災した[[鍋田干拓地]]がモデルと推測している{{R|モスゴジCOMP154}}。
:
; {{読み仮名|岩島|いわじま}}{{R|大辞典39}}
: 静之浦沖の小島{{R|大百科116|大辞典39}}。ゴジラと双子のモスラ幼虫が対決する{{R|大百科116|大辞典39}}。
: [[分校|分教場]]の生徒と女性教師の小林が逃げ遅れるが、酒井らに救出される{{R|大辞典39}}。
:
; ハッピー興行社
: 熊山が代表を務める[[興行]]会社{{R|大百科142|大辞典226}}。静之浦ハッピーセンターの建設を進めていたが、ゴジラの出現により頓挫し、莫大な負債を抱えることになる{{R|大辞典226}}。
:
; 浜風ホテル
: 静之浦の高級ホテル{{R|大辞典228}}。鉄筋5階建て{{R|大百科142}}。
: 虎畑が逗留しており{{R|大百科142}}、卵の調査に訪れた酒井らも宿泊する{{R|大辞典228}}。上陸したゴジラに破壊される{{R|大百科142|大辞典228}}。


== キャスト ==
== キャスト ==
* 酒井市郎{{R|映画資料室|CAST|365日117}}:[[宝田明]]
参照{{R|映画資料室|全史536|超最新90|デイズ112|東宝特撮映画大全集79}}
* 中西純子{{R|映画資料室|CAST|365日352}}:[[星由里子]]
* 酒井市郎:[[宝田明]]
* 三浦博士{{R|映画資料室|CAST|365日225}}{{efn|name="三浦"}}:[[小泉博]]
* 中西純子:[[星由里子]]
* 中村二郎{{R|映画資料室|CAST|365日67}}:[[藤木悠]]
* 三浦博士:[[小泉博]]
* 虎畑次郎{{R|group="出典"|虎畑}}{{efn|name="虎畑二郎"}}:[[佐原健二]]
* 中村二郎:[[藤木悠]]
* [[小美人]]{{R|映画資料室|CAST|365日96}}:[[ザ・ピーナッツ]]([[伊藤エミ]]、[[伊藤ユミ]])
* 虎畑次郎{{R|group="出典"|虎畑}}{{efn|name=":0"}}:[[佐原健二]]
* 毎朝新聞社デスク{{R|映画資料室|CAST}}{{efn|資料によっては、役名を'''丸田'''と記述している{{R|365日240|モスゴジCOMP140}}。}}:[[田崎潤]]
* [[小美人]]:[[ザ・ピーナッツ]]([[伊藤エミ]]、[[伊藤ユミ]])
* 毎朝新聞デスク{{R|映画大全56}}:[[田崎潤]]
* ハッピー興行 熊山{{R|映画資料室|CAST|365日216}}:[[田島義文]]
* 県会議員{{R|映画資料室|CAST|365日226}}{{efn|完成台本ではフルネームを'''吉田大作'''と記述しており{{R|モスゴジCOMP30}}、資料によってはこれに準じている{{R|CAST2}}。}}:[[田武謙三]]
* ハッピー興業社 熊山{{R|映画大全56}}:[[田島義文]]
* 老校長{{R|映画資料室|CAST'|デイズ112|365日91}}:[[佐田豊]]
* 県会議員:[[田武謙三]]
* 網元{{R|映画資料室|CAST|365日273}}:[[谷晃]]
* 老校長:[[佐田豊]]
* 対策本部長{{R|映画資料室|全史536|大鑑473|超最新90|デイズ112|動画王大図鑑64|映画大全56|東宝特撮映画大全集79|365日15|モスゴジCOMP140}}{{efn|書籍によっては、'''自衛隊対策本部長'''{{R|GTOM0214}}と記述している。}}:[[藤田進]]
* 網元:[[谷晃]]
* 神主{{R|映画資料室|CAST'|大鑑473|365日255}}:[[沢村いき雄]]
* 対策本部長:[[藤田進]]
* 船員{{R|映画資料室|全史536|超最新90|デイズ112|映画大全56|東宝特撮映画大全集79|365日130|CAST2}}:[[山本廉]]
* 神主:[[沢村いき雄]]
* 自衛隊員{{R|映画資料室|映画大全56|365日368}}{{efn|書籍によっては'''陸上自衛隊員'''{{R|映画大全56}}、'''自衛隊幹部'''{{R|CAST2}}と記述している。}}:[[野村浩三]]
* 船員:[[山本廉]]
* 自衛隊員{{R|映画資料室|映画大全56}}{{efn|書籍『モスラ映画大全』では'''陸上自衛隊員'''{{R|映画全56}}と記述している。}}:[[野村浩三]]
* 船着場の警官{{R|映画資料室|全史536|超最新90|デイズ112|映画大全56|東宝特撮映画大全集79|365日91|CAST2}}{{Sfn|初代ゴジラ研究読本|2014|p=112|loc=「オール初代ゴジラ俳優図鑑」}}:[[堤康久]]
* 自衛隊幹部{{R|映画資料室|CAST2}}(陸上自衛隊幹部{{R|映画大全56}}、自衛隊士官{{R|初代読本114}}):[[津田光男]]
* 船着場の警官:[[堤康久]]
* 自衛隊幹部{{R|映画資料室|映画大全56}}{{efn|書籍『モスラ映画大全』では'''陸上自衛隊幹部'''{{R|映画大全56}}と記述している。}}:[[津田光男]]
* 警察幹部{{R|映画資料室|CAST'|デイズ112}}:[[大友伸]]
* 漁民A{{R|映画資料室|CAST'|大鑑473|365日115}}:[[大村千吉]]
* 警察幹部:[[大友伸]]
* 長老{{R|全史536|大鑑473|デイズ112|動画王大図鑑64|東宝特撮映画大全集79|GTOM0214}}{{efn|資料によっては、'''部落の長老'''{{R|映画資料室}}、'''インファント島長老'''{{R|映画大全56|365日266}}、'''インファント島の長老'''{{R|モスゴジCOMP140}}と記述している。}}:[[小杉義男]]
* 漁民:[[大村千吉]]
* 長老{{Refnest|group="出典"|{{R|全史536|デイズ112|東宝特撮映画大全集79}}}}{{efn|東宝公式サト映画資料室では'''部落の長老'''{{R|映画資料室}}、書籍『モスラ映画大全』では'''インファント島長老'''{{R|映画大全56}}と記述している。}}:[[小杉義男]]
* 女教員{{R|映画資料室|全史536|大鑑473|超最新90|動画王大図鑑64|映画大全56|東宝特撮映画大全集79}}(女教師{{R|ズ112}}){{efn|書籍によって、役名を'''小林先生'''と記述している{{R|映画大全56|CAST2}}。}}:[[八代美紀]]
* 漁民C{{R|映画資料室|CAST'|大鑑473}}(静之浦の漁師{{R|365日44}}):[[岩本弘司]]
* 女教員{{efn|書籍『モスラ映画大全』では、役名を'''小林先生'''と記述している{{R|映画大全56}}。}}:[[八代美紀]]
* ウェイトレス{{R|映画資料室|映画大全56}}(ウエイトレス{{R|CAST2}}){{efn|書籍『モスラ映画大全』では、'''浜風ホテルのウェイトレス'''と記述している{{R|映画大全56}}。}}:[[丘照美]]
* 漁民:[[岩本弘司]]
* ウェイトレス{{R|映画資料室|映画大全56}}{{efn|書籍『モスラ映画大全』では、'''浜風ホテルウェイトレス'''と記述している{{R|映画大全56}}。}}:[[丘照美]]
* ハッピー興行社社員{{R|映画資料室|365日49|CAST2}}{{efn|name="手下"|書籍『モスラ映画大全』では、役名を'''熊山手下'''と記述している{{R|映画大全56}}。}}:[[大前亘]]
* 漁民{{R|映画資料室|CAST'}}、毎朝新聞社員{{R|GTOM0214}}:[[土屋詩朗]]
* ハッピー興行社社員{{R|映画資料室}}{{efn|name="手下"|書籍『モスラ映画大全』では、役名を'''熊山の手下'''と記述している{{R|映画大全56}}。}}:[[大前亘]]
* 漁民:[[土屋詩朗]]、[[熊谷卓三]]、[[宇野晃司]]、[[中山豊]]
* 漁民{{R|映画資料室|CAST'}}:[[熊谷卓三]]
* 漁民{{R|映画資料室|CAST'|365日274}}(漁民B{{R|大鑑473}}):[[中山豊]]
* 記者{{R|映画資料室|映画大全56}}:[[古田俊彦]]、[[渋谷英男|澁谷英男]]、[[宇留木康二|宇留木耕嗣]]、[[越後憲|越後憲三]]
* 漁民{{R|映画資料室|CAST'|初代読本114|365日110}}(漁民D{{R|大鑑473}}):[[宇野晃司]]
* ハッピー興業社社員{{R|映画資料室}}{{efn|name="手下"}}:[[権藤幸彦]]、[[佐藤功一 (俳優)|佐藤功一]]
* 記者{{R|映画資料室|映画大全56|365日15|CAST2}}:[[古田俊彦]]
* 漁民:[[安芸津広]]
* 記者{{R|映画資料室|映画大全56|初代読本106|365日53|CAST2}}:[[渋谷英男|澁谷英男]]
* 自衛隊員{{R|映画資料室|映画大全56}}{{efn|書籍『モスラ映画大全』では[[岡部正]]は'''陸上自衛隊員'''、[[坂本晴哉]]は'''陸上自衛隊幹部'''{{R|映画大全56}}と記述している。}}:[[岡部正]]、[[坂本晴哉]]、[[久野征四郎]]
* ハッピー興業社社員{{R|映画資料室}}{{efn|name="手下"}}:[[]]
* 記者{{R|映画資料室|映画大全56|CAST2}}:[[宇留木康二|宇留耕嗣]]
* 警察幹部{{R|映画資料室}}:[[山田圭介 (俳優)|山田圭介]]
* 記者{{R|映画資料室|映画大全56|初代読本106|365日348|CAST2}}:[[越後憲|越後憲三]]
* ハッピー興社社員{{R|映画資料室}}{{efn|書籍『モスラ映画大全』では、役名を'''毎朝新聞記者'''と記述している{{R|映画大全56}}。}}:[[広田新二郎]]
* ハッピー興社社員{{R|映画資料室|モスゴジCOMP140}}{{efn|name="手下"}}:[[権藤幸彦]]、[[佐藤功一 (俳優)|佐藤功一]]
* 漁民{{R|映画資料室}}{{efn|書籍『モスラ映画大全』では'''船員'''{{R|映画大全56}}と記述している。}}、毎朝新聞記者{{R|映画大全56}}:[[砂川繁視]]
* 漁民G{{R|映画資料室|CAST'|365日259}}:[[安芸津広]]
* 操縦士{{R|映画資料室|映画大全56}}、毎朝新聞記者{{R|映画大全56}}[[川村郁夫]]
* 自衛隊員{{R|映画資料室|映画大全56|モスゴジCOMP140}}(陸上自衛隊員{{R|映画大全56}}、自衛隊幹部{{R|GTOM0214}}):[[岡部正]]
* 自衛隊員{{R|映画資料室|映画大全56|365日235|モスゴジCOMP140}}(陸上自衛隊幹部{{R|映画大全56}}、自衛隊幹部{{R|GTOM0214}}):[[坂本晴哉]]
* 副操縦士{{R|映画資料室}}:[[緒方燐作]]
* 自衛隊員{{R|映画資料室|映画大全56}}{{efn|書籍『モスラ映画大全』では'''陸上自衛隊員'''{{R|映画大全56}}と記述している。}}:[[鈴木治夫 (俳優)|鈴木治夫]]
* 陸上自衛隊員{{R|映画大全56|365日107|モスゴジCOMP140}}、漁師{{R|映画大全56|365日107}}:[[久野征四郎]]
* ハッピー興行社社員{{R|映画資料室|CAST2}}{{efn|name="手下"}}:[[高木弘]]
* {{要出典範囲|岩島分教場の生徒たち|date=2022年2月}}:[[劇団・あすなろ]]
* 警察幹部{{R|映画資料室|CAST2}}:[[山田圭介 (俳優)|山田圭介]]
* ゴジラ:[[手塚勝巳]]{{R|映画資料室|映画大全56}}(補佐)、[[中島春雄]]{{Refnest|group="出典"|{{R|映画資料室|映画大全56|東宝特撮映画大全集81}}}}
* ハッピー興行社社員{{R|映画資料室|CAST2}}、毎朝新聞記者{{R|映画大全56}}(毎朝新聞社員{{R|モスゴジCOMP140}}):[[広田新二郎]]
* 漁民{{R|映画資料室|365日117|GTOM0214}}(船着場の漁師{{R|モスゴジCOMP140}}){{efn|書籍『モスラ映画大全』では'''船員'''{{R|映画大全56}}と記述している。}}、毎朝新聞記者{{R|映画大全56}}(毎朝新聞社員{{R|モスゴジCOMP140}}):[[砂川繁視]]
* 操縦士{{R|映画資料室|映画大全56|CAST2}}、毎朝新聞記者{{R|映画大全56}}:[[川村郁夫]]
* 副操縦士{{R|映画資料室|365日14|CAST2}}、インファント島島民{{R|365日14|モスゴジCOMP140}}:[[緒方燐作]]
* 自衛隊員{{R|映画資料室|映画大全56|GTOM0214}}{{efn|資料によっては、'''陸上自衛隊通信士'''{{R|映画大全56}}、'''自衛隊通信員'''{{R|365日286|モスゴジCOMP140}}と記述している。}}:[[鈴木治夫 (俳優)|鈴木治夫]]
* 分教場の生徒{{R|CAST2}}:[[劇団・あすなろ]]
* ゴジラ:[[手塚勝巳]]{{R|映画資料室|映画大全56|モスゴジCOMP140}}(補佐)、[[中島春雄]]{{R|映画資料室|映画大全56|東宝特撮映画大全集81|モスゴジCOMP140}}
<!-- ※映画クレジット順 -->
<!-- ※映画クレジット順 -->
=== キャスト(ノンクレジット) ===
=== キャスト(ノンクレジット) ===
* インファント島民:[[加藤茂雄]]{{R|映画大全103}}、天見龍太郎{{R|映画大全15}}、[[篠原正記]]{{R|映画全69}}、[[坪野鎌之]]{{R|映画大全99}}、光秋次郎{{R|映画大全133}}
* インファント島民:[[加藤茂雄]]{{R|映画大全103|初代読本114|365日160|CAST2}}、天見龍太郎{{R|映画大全15|CAST2}}{{Sfn|初代ゴジラ研究読本|2014|p=111|loc=「オール初代ゴジラ俳優図鑑」}}、光秋次郎{{R|映画大全133|初代読本108|CAST2}}、[[伊藤実]]{{R|モスゴジCOMP140}}
* インファント島島民{{R|365日207|モスゴジCOMP140}}、名古屋の通行人{{R|365日207}}:[[千葉一郎]]
* 警官:河辺昌義{{R|映画大全47}}
* インファント島島民{{R|映画大全69|365日10|CAST2}}、毎朝新聞社員{{R|365日10|モスゴジCOMP140}}、警官{{R|モスゴジCOMP140}}(警察幹部{{R|365日10}}):[[篠原正記]]
* 三浦博士の助手:[[川又由希夫|川又吉一]]{{R|映画大全47}}
* インファント島島民{{R|CAST2}}、浜風ホテルの客{{R|モスゴジCOMP140}}、名古屋の観光客{{R|モスゴジCOMP140}}:[[関田裕]]
* 防衛隊幹部:[[吉頂寺晃]]{{R|映画大全49}}
* インファント島島民{{R|映画大全99|初代読本108|365日203|CAST2}}、浜風ホテルの避難客{{R|365日203|モスゴジCOMP140}}:[[坪野鎌之]]
* 原住民、新聞社員:[[夏木順平]]{{R|映画大全111}}
* インファント島島民{{R|CAST2}}、警官{{R|365日337|モスゴジCOMP140}}:[[門脇三郎]]
* 静之浦の住民:[[毛利幸子]]{{R|映画大全139}}
* 警官:河辺昌義{{R|映画大全47|モスゴジCOMP140}}、[[古谷敏]]{{R|モスゴジCOMP140}}
* 三浦博士の助手:[[川又由希夫|川又吉一]]{{R|映画大全47|CAST2}}{{Sfn|初代ゴジラ研究読本|2014|p=119|loc=「オール初代ゴジラ俳優大図鑑」}}、大塚秀男{{R|CAST2}}、速水洸{{R|CAST2}}、佐竹弘行{{R|CAST2}}、内山みどり{{R|モスゴジCOMP140}}
* 防衛隊幹部{{efn|書籍によっては、'''自衛隊幹部'''{{R|GTOM0214}}と記述している。}}:[[吉頂寺晃]]{{R|映画大全49|初代読本108|365日101|CAST2}}、[[草間璋夫]]{{R|365日289|CAST2}}、[[須田準之助]]{{R|CAST2}}
* 原住民{{R|映画大全111|初代読本114|365日159}}、新聞社員{{R|映画大全111|初代読本114|365日159}}{{efn|書籍によっては、'''毎朝新聞社員'''{{R|CAST2}}と記述している。}}、倉田浜の群集{{R|365日159|モスゴジCOMP140}}:[[夏木順平]]
* 静之浦の住民{{R|映画大全139}}(漁民{{R|モスゴジCOMP140}})、毎朝新聞社員{{R|モスゴジCOMP140}}:[[毛利幸子]]{{R|映画大全139|モスゴジCOMP140}}
* 毎朝新聞社員、浜風ホテルの客:[[記平佳枝]]{{R|365日89|モスゴジCOMP140}}
* 毎朝新聞社員、自衛隊幹部:西條竜介{{R|モスゴジCOMP140}}
* 毎朝新聞社員:成田孝{{R|モスゴジCOMP140}}
* 記者{{R|365日101|GTOM0214}}、毎朝新聞社員{{R|モスゴジCOMP140}})、インファント島民{{R|365日103}}:[[今井和雄]]
* 毎朝新聞社員:[[生方壮児]]{{R|365日90|モスゴジCOMP140}}、[[黒木順]]{{R|モスゴジCOMP140}}、高野文子{{R|モスゴジCOMP140}}
* 漁民、名古屋の通行人、インファント島島民、船着場の警官:松下正秀{{R|モスゴジCOMP140}}
* 漁民、浜風ホテルクローク係、船着場の消防団員:[[勝部義夫]]{{R|365日82|モスゴジCOMP140}}
* 漁民、名古屋の観光客:清水良二{{R|モスゴジCOMP140}}
* 静之浦の漁師{{R|365日360}}(漁民{{R|モスゴジCOMP140}})、船着場の警官{{R|365日360}}:[[大仲清治]]
* 漁民:新野悟{{R|モスゴジCOMP140}}
* 新聞記者:[[三浦敏男]]{{R|モスゴジCOMP140}}、[[北川陽一郎|細川隆一]]{{R|モスゴジCOMP140}}、庄司一郎{{R|モスゴジCOMP140}}、[[鈴川二郎]]{{R|モスゴジCOMP140}}、鹿島邦義{{R|モスゴジCOMP140}}、渡辺白洋児{{R|モスゴジCOMP140}}
* 浜風ホテルの支配人{{R|モスゴジCOMP140}}{{efn|資料によっては、'''フロント係'''と記述している{{R|365日187|GTOM0214}}。}}、船着場の船員{{R|365日187|モスゴジCOMP140}}、静之浦の住民{{R|365日187}}、記者{{R|365日187}}:[[岡豊]]
* 浜風ホテルのフロント係{{R|モスゴジCOMP140}}(ホテルマン{{R|GTOM0214}}):由紀卓也{{R|CAST2}}
* インファント島島民{{R|365日21|CAST2}}、名古屋の通行人{{R|365日21|モスゴジCOMP140}}:[[榊田敬二]]
* インファント島島民、名古屋の通行人:[[勝本圭一郎]]{{R|モスゴジCOMP140}}
* 虎畑の秘書:田辺和佳子{{R|CAST2}}
* 名古屋のアナウンサー:[[池谷三郎]]{{R|365日231|モスゴジCOMP140}}
* 倉田浜干拓地の男{{R|365日81}}、自衛隊員{{R|365日81|モスゴジCOMP140}}、浜風ホテルの避難客{{R|365日81|モスゴジCOMP140}}:[[橘正晃]]
* 県会議員の秘書{{R|CAST2}}{{efn|書籍『ゴジラ365日』では、役名を'''県会議員'''と記述している{{R|365日197}}。}}、毎朝新聞社員{{R|モスゴジCOMP140}}:[[日方一夫]]{{R|CAST2}}
* 自衛隊員(対策本部):[[小松英三郎]]{{R|365日107}}
* 浜風ホテルの客:[[矢野陽子]]{{R|365日124}}
* 毎朝新聞記者:[[中西英介]]{{R|365日153}}
* 毎朝新聞社員:[[荒木保夫]]{{R|365日161}}

=== 海外版出演者 ===
* 記者:[[オスマン・ユセフ]]{{R|海外版}}
* 国連大使:[[ハロルド・コンウェイ]]{{R|海外版}}
* 米軍将校:[[ロルフ・ジェッサー]]{{R|海外版}}


== スタッフ ==
== スタッフ ==
参照{{R|映画資料室|全史547|東宝特撮映画大全集79}}
参照{{R|映画資料室|全史547|大百科91|東宝特撮映画大全集79|GTOM0235}}
* 製作:[[田中友幸]]{{efn|海外版の製作者クレジットは田中友幸と[[藤本真澄]]の連名になっている。}}
* 製作:[[田中友幸]]{{efn|海外版の製作者(エグゼクティブプロデューサー{{R|GTOM0235}})クレジットは田中友幸と[[藤本真澄]]の連名になっている。}}
* 脚本:[[関沢新一]]
* 脚本:[[関沢新一]]
* 音楽:[[伊福部昭]]
* 撮影:[[小泉一]]
* 撮影:[[小泉一]]
* 美術:[[北猛夫]]
* 美術:[[北猛夫]]
* 録音:[[矢野口文雄]]
* 録音:[[矢野口文雄]]
* 照明:[[小島正七]]
* 照明:[[小島正七]]
* 編集:[[藤井良平]]
* 音楽:[[伊福部昭]]
* 監督助手:[[梶田興治]]
* 製作担当者:[[森本朴]]
* スチール:[[土屋次郎]]
* 整音:[[下永尚]]
* 整音:[[下永尚]]
* 監督助手(チーフ):[[梶田興治]]
* 編集:[[藤井良平]]
* 音響効果:[[西本定正]]
* 音響効果:[[西本定正]]
* 現像:[[東京現像所]]
* 現像:[[東京現像所]]
* 製作担当者:[[森本朴]]
* 監督助手:藤井誠之助、奈良正博、今村一平
* 撮影助手:安本英、松尾民夫、小林博、鈴木信之
* 照明助手:平野清久、清水博、市川祐、山口正春、北川忠利、棚網恒夫、細井美宏、中谷孝正
* 照明準備・照明機材:横田俊司、山崎惣一郎
* 美術助手:荒巻宏俊、菊池甲爾、菊池秋良
* 録音助手:宮本陽弘、棚網昭夫、近田進
* レコーダー:北沢靖
* 特殊機械:小川昭二、加瀬和男
* 大道具班長:柴田春雄
* 大道具・装置:石井常男
* 大道具助手:室祐治
* 小道具:杉本茂、河原正高、佐々木大三郎
* 電飾:鈴木行雄
* 衣裳:清水昭治
* 結髪:大友八千代
* 技髪:山田順二郎
* スチール:[[土屋次郎]]
* 作品係:中島清
* 経理担当:野口光一
* 宣伝係:下村毅一
* 製作係:古賀祥一
* 特殊技術
* 特殊技術
** 撮影:[[有川貞昌]]、[[富岡素敬]]
** 撮影:[[有川貞昌]]、[[富岡素敬]]
** 光学撮影:[[真野田幸雄]]、[[徳政義行]]
** 美術:[[渡辺明 (美術監督)|渡辺明]]
** 美術:[[渡辺明 (美術監督)|渡辺明]]
** 照明:[[岸田九一郎]]
** 照明:[[岸田九一郎]]
** 火薬:[[山本久蔵]]
** 造形:[[利光貞三]]
** 繰演:[[中代文雄]]
** 合成:[[向山宏]]
** 合成:[[向山宏]]
** 監督助手(チーフ):[[中野昭慶]]
** 光学撮影:[[真野田幸雄]]、[[徳政義行]]
** 光学作画:[[飯塚定雄]]
** 監督助手:[[中野昭慶]]
** 製作担当者:[[小池忠司]]
** 製作担当者:[[小池忠司]]
** 監督助手:宮﨑英明
** 撮影助手:[[真野田陽一]]、[[唐沢登喜麿]]、[[山本武 (撮影監督)|山本武]]、[[鶴見孝夫]]、[[宮西武史]]、[[川北紘一]]、[[鳥海満]]、[[中尾成雄]]
** 撮影助手:[[真野田陽一]]、[[唐沢登喜麿]]、[[山本武 (撮影監督)|山本武]]、[[鶴見孝夫]]、向井賢哉、[[宮西武史]]、[[川北紘一]]、{{要出典範囲|[[鳥海満]]、[[中尾成雄]]|date=2023年4月}}
** 編集:[[石井清子]]
** 照明助手:佐藤幸次郎、村上勝美、西島幸毅、山木健、中村和夫、松本衆三、川越和見、煙草俊憲
** 照明準備・照明機材:石井吉信、平間重和
** 美術助手:井上泰幸、入江義夫、白﨑治郎
** 大道具組付:池渕剛治、青木利郎
** 大道具班長:工藤忠雄
** 大道具:富川正蔵、田中敬喜、高山一
** 火薬:[[山本久蔵]]
** 電飾:鈴木昶
** 背景:鈴木福太郎、[[島倉二千六]]、宮本栄一
** 工作:飯島周次郎
** 造形:[[利光貞三]]、八木康栄、八木勘寿、[[開米栄三]]、[[村瀬継蔵]]
** 石膏:小田切幸夫、富樫美津男、照井栄、安丸信行
** 繰演:[[中代文雄]]
** 特殊機械:大隈銀造、串田松二、三輪野勇、松本光司
** 光学撮影:幸隆生、[[飯塚定雄]]
** 編集:皆川泰陳、[[石井清子]]
** スチール:中尾孝
** 記録:久松桂子
** 製作係:関和郎
* 特技監督:[[円谷英二]]
* 特技監督:[[円谷英二]]
* 監督:[[本多猪四郎]]
* 監督:[[本多猪四郎]]


== 製作 ==
== 製作 ==
前作『キングコング対ゴジラ』のヒットを受け、ゴジラシリーズが本格的に世界市場を目指すこととなり、対戦相手のモスラも登場作品の『[[モスラ]]』が世界配給され海外でも知名度を得ていたことから選ばれた{{R|大ゴジラ5}}。企画際し、『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]の原作者ある[[香山滋]]は、東宝スタッフが本作品制作の挨拶に訪れといい香山はその義理堅さに感激したとう{{R|来襲54}}。劇中では、成虫モスラゴジラは一度きりであり撮影の[[有川貞昌]]はモスラをゴジラと戦わせるめではなく美しゴジラ映画を作りたくて出したと述べている{{R|デイズ252}}。
前作『[[キングコング対ゴジラ]]』のヒットを受け、ゴジラシリーズが本格的に世界市場を目指すこととなり、対戦相手のモスラも登場作品の『[[モスラ]]』が1961年に世界配給され海外でも知名度を得ていたことから選ばれた{{R|大ゴジラ5|GTOM024}}。この間前作の続編となる続キングコング対ゴジラ』や、海外評価された『[[ガス人間第一号]]続編となる『ランケンシュタイン対ガス人間』などの企画進行してい、いずれもアメリカ側との折り合がつかなかったため実現せず、モスラが選ばれ契約上の問題が起きない東宝怪獣同士という事情もあったとされる{{R|モスゴジCOMP81}}。


企画に際し、『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』の原作者である[[香山滋]]は、本作品制作の挨拶に訪れた東宝のスタッフの義理堅さに感激したという{{R|来襲54|モスゴジCOMP81}}。
海岸のロケは、[[静岡県]][[下田市]]の弓ヶ浜で行われた{{R|映画大全62}}。同地の選定は監督の[[本多猪四郎]]からの提案によるもので、助監督を務めた[[梶田興治]]によれば砂浜や漁船を撮影できることを理由に挙げていたという{{R|映画大全62}}。同地では、モスラの卵の一部を実物大セットで組んでおり、設営には現地で手伝いを募ったという{{R|映画大全62}}。


[[円谷英二]]率いる特撮班は、1963年には『[[青島要塞爆撃命令]]』『[[マタンゴ]]』『[[海底軍艦 (映画)|海底軍艦]]』『[[士魂魔道 大龍巻]]』などの制作に取り掛かっていたが、急遽制作の決まった『[[大盗賊]]』がこれに加わったため『海底軍艦』の撮影が遅れ、本作品の準備は同年内にはほとんど進まなかったとされる{{R|モスゴジCOMP81}}。決定稿が2月10日に完成し{{R|365日45}}、同月11日に特殊技術斑、14日に本編班がクランクインし、急ピッチで撮影が進められた{{R|モスゴジCOMP81|GTOM024}}。そして、3月15日に特殊技術斑、16日に本編班がクランクアップした{{R|モスゴジCOMP81|GTOM024}}。
このころの東宝作品で日本人俳優が南方の原住民を演じる際は[[ドーラン]]で黒塗りにすることが多かったが、本作品でのインファント島民は[[砥の粉]]に赤い塗料を混ぜたものを塗っており、赤みがかった色となっている{{R|映画大全103}}。インファント島民役の一人である[[加藤茂雄]]によれば、何人もこの塗料でかぶれていたという{{R|映画大全103}}。

併映作品には、当初『[[君も出世ができる]]』が予定されていたが制作が間に合わず、『蟻地獄作戦』へ変更となった{{R|モスゴジCOMP81}}。


=== 配役 ===
=== 配役 ===
小美人役の[[ザ・ピーナッツ]]は『モスラ』から引き続き登場した{{R|映画大全61}}。同一役での連続出演は『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』と『[[ゴジラの逆襲]]』に山根博士役で出演した[[志村喬]]以来であり、メインキャラクターとしての連投は珍しいものである{{R|映画大全61}}。梶田によれば、2人のスケジュールは多忙であったが、『モスラ』がヒットしていたため[[渡辺プロダクション]]は出演を快諾したという{{R|映画大全62}}。
小美人役の[[ザ・ピーナッツ]]は『モスラ』から引き続き登場した{{R|映画大全61}}。同一役での連続出演は『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』と『[[ゴジラの逆襲]]』に山根博士役で出演した[[志村喬]]以来であり、メインキャラクターとしての連投は珍しいものである{{R|映画大全61}}。梶田によれば、ザ・ピーナッツのスケジュールは多忙であったが、『モスラ』がヒットしていたため[[渡辺プロダクション]]は出演を快諾したという{{R|映画大全62}}。


一方、同じく『モスラ』から続投である[[小泉博]]は、別役での出演であった{{R|映画大全61}}。『ゴジラ』の主演であった[[宝田明]]も、別役だが同作品以来のゴジラシリーズへの出演となった{{R|映画大全62}}。宝田は、新人であった『ゴジラ』から10年を経て、本多とも演技について議論ができるようになるなど、自信を持って演じることができたと述懐している{{R|VIP8}}。
一方、同じく『モスラ』から続投である[[小泉博]]は、別役での出演であった{{R|映画大全61}}。『ゴジラ』の主演であった[[宝田明]]も、別役だが同作品以来のゴジラシリーズへの出演となった{{R|映画大全62}}。宝田は、新人であった『ゴジラ』から10年を経て、本多とも演技について議論ができるようになるなど、自信を持って演じることができたと述懐している{{R|VIP8}}。


本作がゴジラシリーズ初出演となる[[星由里子]]は、ゴジラが主役のため芝居の仕様がなく正直苦手で、重いカメラを持たされたりしてやっているときは大変でつらかったと述べている<ref>{{Cite book|和書|title=別冊[[映画秘宝]] 東宝特撮女優大全集|chapter=星由里子インタビュー|pages=72-75|series=洋泉社MOOK|publisher=[[洋泉社]]|date=2011-04-28}}</ref>。
脚本の準備稿では、悪役である虎畑次郎は登場せず{{R|東宝SF2144|東宝特撮映画大全集80}}、虎畑役の[[佐原健二]]は準主役として動物学者の原健也という役でキャスティングされていた{{R|東宝特撮映画大全集80}}。完成作品では、原の立ち位置は三浦博士に置き換えられており{{R|東宝SF2144|東宝特撮映画大全集80}}{{efn|脚本を手掛けた[[関沢新一]]は、博士が2人いても仕方がないと考えていたところに、プロデューサーから予算などの都合で博士を1人にすることを提案され、双方の考えがうまく合致したという{{R|東宝SF2165}}。}}、この変更の結果、東宝特撮作品では珍しく佐原が悪役を演じることとなった{{R|東宝特撮映画大全集80}}。監督の[[本多猪四郎]]が佐原に、前年の『[[マタンゴ]]』(1963年)の悪役が良かったので「またやってみるか」と薦めたという{{R|映画大全62}}。佐原は、それまで出演した東宝特撮作品では青年科学者のような役が多かったため、悪役に挑戦したと述べており{{R|KHBVSMG104}}、後年のインタビューでも虎畑が一番おもしろい役であったと回顧している{{R|VIP61}}。

脚本の準備稿では、悪役である虎畑次郎は登場せず{{Refnest|group="出典"|name="虎畑2"|{{R|東宝SF2144|東宝特撮映画大全集80|GTOM024}}}}、虎畑役の[[佐原健二]]は準主役として動物学者の原健也という役でキャスティングされていた{{Refnest|group="出典"|{{R|東宝特撮映画大全集80|モスゴジCOMP81|GTOM024}}}}。完成作品では、原の立ち位置は三浦博士に置き換えられており{{R|group="出典"|虎畑2}}{{efn|脚本を手掛けた[[関沢新一]]は、博士が2人いても仕方がないと考えていたところに、プロデューサーから予算などの都合で博士を1人にすることを提案され、双方の考えがうまく合致したという{{R|東宝SF2165}}。}}、この変更の結果、東宝特撮作品では珍しく佐原が悪役を演じることとなった{{R|東宝特撮映画大全集80}}。本多が佐原に、前年の『[[マタンゴ]]』(1963年)の悪役が良かったので「またやってみるか」と薦めたという{{R|映画大全62}}。佐原は、それまで出演した東宝特撮作品では青年科学者のような役が多かったため、悪役に挑戦したと述べており{{R|KHBVSMG104}}、後年のインタビューでも「虎畑が一番おもしろい役であった」{{R|VIP61}}、あるいは「特にやりがいのあるものであった」{{R|モスゴジCOMP97}}と回顧している。


そのほか、[[藤田進]]、[[田崎潤]]、[[田島義文]]など、特撮常連俳優が脇を固めている{{R|映画大全62}}。
そのほか、[[藤田進]]、[[田崎潤]]、[[田島義文]]など、特撮常連俳優が脇を固めている{{R|映画大全62}}。

=== 撮影 ===
海岸の[[ロケーション撮影|ロケ]]は、[[静岡県]][[下田市]]の弓ヶ浜でおこなわれた{{R|映画大全62}}{{efn|書籍『モスラ対ゴジラコンプリーション』では、同市の吉佐美大浜と記述している{{R|モスゴジCOMP154}}。}}。同地の選定は監督の[[本多猪四郎]]からの提案によるもので、助監督を務めた[[梶田興治]]によれば砂浜や漁船を撮影できることを理由に挙げていたという{{R|映画大全62}}。同地では、モスラの卵の一部を実物大セットで組んでおり、設営には現地で手伝いを募ったという{{R|映画大全62}}。冒頭の取材シーンは、当時干拓事業が行われていた[[茨城県]][[潮来市|潮来町]]の延方干拓地で撮影された{{R|モスゴジCOMP154}}。漁村内は、[[沼津市]]静浦地区で撮影された{{R|モスゴジCOMP154}}。

当時の東宝作品で日本人俳優が南方の原住民を演じる際は[[ドーラン]]で黒塗りにすることが多かったが、本作品でのインファント島民は[[砥の粉]]に赤い塗料を混ぜたものを塗っており、赤みがかった色となっている{{R|映画大全103}}。インファント島民役の一人である[[加藤茂雄]]によれば、何人もこの塗料でかぶれていたという{{R|映画大全103}}。

ハッピー興行の事務所セットは、東宝撮影所第2ステージに組まれ、2月18日から19日にかけて撮影が行われた{{R|モスゴジCOMP27}}。

浜風ホテルのセットは第1ステージに組まれ、2月21日から24日にかけて撮影が行われた{{R|モスゴジCOMP22}}。

毎朝新聞のセットは第6ステージに、三浦の研究室は第2ステージにそれぞれ組まれた{{R|モスゴジCOMP29}}。前者は、撮影を取材していた新聞記者から「雰囲気がよく出ている」と好評であった{{R|モスゴジCOMP81}}。三浦の研究室の外観は、[[日立製作所#中央研究所|日立製作所中央研究所]]の小平記念館を用いている{{R|モスゴジCOMP154}}。

インファント島の上陸シーンは、[[下田市]]近辺の海上で撮影された{{R|モスゴジCOMP38}}。島内の洞窟は、第9ステージにセットを組んでいる{{R|モスゴジCOMP39}}。本多は、洞窟のシーンでは原水爆の後遺症の酷さを描写する予定であったが、予算の都合などから実現しなかったと述べている{{R|モスゴジCOMP98}}。踊りのシーンでは、日劇ダンシングチームを中心に500人近いエキストラが参加した{{R|モスゴジCOMP81}}。

自衛隊の車両や兵器のシーンは、『[[地球防衛軍 (映画)|地球防衛軍]]』(1957年)などから流用している{{R|モスゴジCOMP158}}。『[[怪獣大戦争]]』でも自衛隊の描写は流用映像を用いており、当時は自衛隊の協力を得られなかったものとみられる{{R|モスゴジCOMP158}}。


=== 特撮 ===
=== 特撮 ===
[[File:Nagoya Castle(Larger).jpg|220px|thumb|ゴジラに破壊される「名古屋城」]]
[[File:Nagoya Castle(Larger).jpg|220px|thumb|ゴジラに破壊される「名古屋城」]]
前年に[[オプチカル・プリンター]]1900が導入されたこともあり、小美人と俳優の共演場面やゴジラの都市破壊シーンなど、本作品では従来以上に合成を多用している{{R|全史268}}。
『マタンゴ』で導入された光学合成機や、前年にオックスベリー社の3ヘッド式[[オプチカル・プリンター]]1900が導入されたこともあり、小美人と俳優の共演場面やゴジラの都市破壊シーンなど、本作品では従来以上に映像に自然に馴染む合成を多用している{{Refnest|group="出典"|{{R|全史268|最新大百科66|大百科M127|モスゴジCOMP98|GTOM024}}}}。


一方、モスラとゴジラとの戦いには合成ほとんど用いず、[[操演]]を活用している{{R|全史272}}。パノラマ画面を活かし、空陸の戦いをシチュエーションに合わせた様々なアングルで描写している{{R|超常識42}}。撮影の有川は、立っているゴジラと横になっているモスラでは画面に空きが出てバランスが取りづらく、距離感をつかむのが大変であったと述懐している{{R|デイズ252}}。
一方、モスラとゴジラとの戦いには合成ほとんど用いず、[[操演]]を活用している{{Refnest|group="出典"|{{R|全史272|大鑑61|最新大百科66}}}}。パノラマ画面を活かし、空陸の戦いをシチュエーションに合わせた様々なアングルで描写している{{R|超常識42}}。円谷の演出意図としては、前作のようなコミカルさや擬人的描写を避け、リアルさのある迫力を重視している{{R|モスゴジCOMP81}}。撮影の[[有川貞昌]]は、立っているゴジラと横になっているモスラでは画面に空きが出てバランスが取りづらく、距離感をつかむのが大変であったと述懐している{{R|デイズ252}}。


劇中では、成虫モスラとゴジラの戦いは一度きりであり、有川はモスラをゴジラと戦わせるためではなく美しいゴジラ映画を作りたくて出したと述べている{{R|デイズ252}}。
冒頭の台風のシーンでは、12から13トンの水が用いられた{{R|映画大全72}}。助監督の[[中野昭慶]]によれば、卵の造形物がどこに流れるかわからず、カメラマンが苦労したという{{R|映画大全72}}。


冒頭の台風のシーンでは、12 - 13トンの水が用いられた{{R|映画大全72}}。助監督の[[中野昭慶]]によれば、モスラの卵の造形物がどこに流れるかわからず、カメラマンが苦労したという{{R|映画大全72}}。台風上陸時の倉田浜干拓地もミニチュアセットで撮影された{{R|モスゴジCOMP17}}。
モスラの卵に近づく船舶や倉田浜干拓地の排水ポンプなど、実物さながらの精巧なミニチュアが用いられている{{Refnest|group="出典"|{{R|BEST5432|映画大全72|超常識42}}}}。


モスラの卵に近づく船舶や倉田浜干拓地の排水ポンプなど、実物さながらの精巧なミニチュアが用いられている{{Refnest|group="出典"|{{R|BEST5432|映画大全72|超常識42|モスゴジCOMP19}}}}{{efn|書籍『モスラ対ゴジラコンプリーション』では、本物のポンプを借用したと記述している{{R|モスゴジCOMP18}}。}}。
ゴジラが[[名古屋城]]を破壊するシーンは、特撮カメラマンの[[有川貞昌]]によると、撮影中に中島が転倒して城を破壊してしまったが、予算とスケジュールの両面から撮り直しは不可能だったため、編集で処理したという{{R|デイズ252}}{{efn|書籍『ゴジラの超常識』では、2週間かけてミニチュアを作り直し再撮影したと記述している{{R|超常識42}}。}}。


ゴジラによる名古屋襲撃シーンは、大規模なミニチュアが制作されたのは[[名古屋城]]周辺のみで、そのほかはオプチカル・プリンターを活用し合成により処理された{{R|大百科M127|モスゴジCOMP32}}。合成を前提としているため、避難する人々の撮影も特撮班が初めて行った{{R|モスゴジCOMP32}}。名古屋城前のロケでは、200人のエキストラが動員された{{R|モスゴジCOMP81}}。名古屋テレビ塔での避難シーンは、現地ロケとオープンセットでの撮影を併用している{{R|モスゴジCOMP33}}。四日市コンビナートのロケでは、特撮班カメラマンである[[富岡素敬]]の兄が[[昭和シェル石油|昭和石油]]で労務課長を務めていたことから撮影の協力が得られ、作業着を借り受けたほか、消防車の撮影も実現した{{R|モスゴジCOMP81}}。
名古屋の中心部に現れたゴジラは、まず名古屋城の南東方向に位置するテレビ塔を倒壊させるが、名古屋城には城の北西方向から近付いている。


なお、東宝のビデオ『特撮未使用フィルム大全集』{{efn|2008年2月22日には、7枚組DVD-BOX『ゴジラDVDコレクション II』の特典ディスクとしてDVD化された<ref>{{Cite web|url=https://www.toho.co.jp/dvd/item/html/TDV/TDV18050D.html|title=ゴジラDVDコレクションII (7枚組)|website=東宝 WEB SITE|publisher=東宝|accessdate=2021-02-22}}</ref>。}}には、ゴジラが名古屋城を壊そうとするものの模型が頑丈すぎて模型が壊れなかった映像が収録されている{{R|大ゴジラ68}}。
ゴジラが名古屋城を破壊するシーンは、東宝撮影所第11ステージで撮影された{{R|モスゴジCOMP34}}。有川によると、撮影中に中島が足を滑らして城のお堀に滑り込んでしまったが、撮影終了5日前の4月13日に撮影されたうえに公開16日前で予算とスケジュールの両面から再撮影は不可能だったため、「NGは特撮にない」という持論を常々持っていた[[円谷英二]]はこのカットの使用を決定し、足元を捉えたフィルムを使って編集で処理したという{{R|デイズ252|GTOM0220}}{{efn|資料によっては、城が思うように壊れず編集で処理したが中島が転倒したわけではない{{R|大百科M143|モスゴジCOMP104}}、2週間かけてミニチュアを作り直し、再撮影した{{R|超常識42}}と記述している。}}。なお、東宝のビデオ『特撮未使用フィルム大全集』{{efn|2008年2月22日には、7枚組DVD-BOX『ゴジラDVDコレクション II』の特典ディスクとしてDVD化された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.toho.co.jp/dvd/item/html/TDV/TDV18050D.html|title=ゴジラDVDコレクションII (7枚組)|website=東宝 WEB SITE|publisher=東宝|accessdate=2021-02-22}}</ref>。}}には、ゴジラが名古屋城を壊そうとするものの模型が頑丈すぎて壊れなかった映像が収録されている{{R|大ゴジラ68}}。名古屋テレビ塔もミニチュアセットが制作され、オープンセットと第11ステージで撮影された{{R|モスゴジCOMP33}}。テレビ塔のミニチュア制作は、戸井田工業が手掛けた{{R|モスゴジCOMP103}}。1964年7月に竣工した名古屋パナソニックビルは、建設中の状態でミニチュアが制作された{{R|モスゴジCOMP154}}。

卵を覆う温室のミニチュアセットは、東宝撮影所第11ステージに組まれた{{R|モスゴジCOMP28}}。ゴジラが地中から出現するシーンは、同第8ステージで撮影された{{R|モスゴジCOMP30}}。

人工雷作戦のシーンも第11ステージで撮影された{{R|モスゴジCOMP50}}。鉄塔のミニチュアは、サイズを変えることで遠近感を表現している{{R|モスゴジCOMP50}}。自衛隊の作戦準備に用いられた重機のミニチュアは、『[[妖星ゴラス]]』や『[[キングコング対ゴジラ]]』のものを流用しているとみられる{{R|モスゴジCOMP41}}。特殊帯電ネットは、上部に組まれた木枠から投下する仕組みとなっていた{{R|モスゴジCOMP52}}。

=== 音楽 ===
音楽は、『キングコング対ゴジラ』に引き続き[[伊福部昭]]が担当した{{R|モスゴジCOMP78}}。小美人が歌う「[[モスラの歌]]」のみ『モスラ』での[[古関裕而]]による楽曲を用いている{{R|モスゴジCOMP78}}。[[プレスコ]]は1964年2月29日に、本編音楽は4月21日にそれぞれ収録された{{R|モスゴジCOMP78}}。

本作品では、小美人の歌として「モスラの歌」のほかに「聖なる泉」と「マハラ・モスラ」が制作された{{R|モスゴジCOMP78}}。両曲とも歌とオケを個別の2[[トラック (記録媒体)|トラック]]で[[シネテープ]]に収録していたが、「聖なる泉」は歌のみのトラックが現存せず、オケとミックスした状態の音源しか残っていない{{R|モスゴジCOMP78}}。

ゴジラのテーマは、前作に引き続き「ゴジラの猛威(ゴジラの恐怖)」が用いられているが、前作でのDパートの代わりにAパートの変奏が挿入され、曲全体もスローテンポとなり以前よりも長くなっている{{R|モスゴジCOMP78}}。自衛隊との戦闘シーンでもこの曲が用いられており、自衛隊を象徴するマーチ曲は制作されていない{{R|モスゴジCOMP78}}。

モスラのテーマは新たに制作され、ゴジラとの対決シーンではゴジラのテーマのリズムに乗せてモスラのテーマを演奏している{{R|モスゴジCOMP78}}。

予告編では『[[海底軍艦 (映画)|海底軍艦]]』の楽曲が流用された{{R|モスゴジCOMP78}}。

== 評価 ==
本作品は、親子連れの動員に成功し、前年の東宝のゴールデンウィーク興行よりも好調な記録となった{{R|モスゴジCOMP81}}。子供が多かったことから動員数に対して興行収入は低めとなったが、東宝の役員会では総合的には大成功と結論づけられた{{R|モスゴジCOMP81}}。

本作品の好調のほか、前年に公開されたSF路線の『海底軍艦』および『マタンゴ』が低調に終わったこともあり、東宝特撮映画は怪獣路線が主軸となった{{R|モスゴジCOMP81}}。本作品の公開された1964年には『[[宇宙大怪獣ドゴラ]]』『[[三大怪獣 地球最大の決戦]]』と怪獣映画が3本公開されており、後の[[第一次怪獣ブーム]]の土台を築いたとされる{{Refnest|group="出典"|{{R|映画大全59|東宝特撮映画大全集79|大辞典320}}}}{{efn|しかし、東宝プロデューサーの[[田中友幸]]は、前作『[[キングコング対ゴジラ]]』よりも調子は落ちたと評している{{R|全史57}}。}}。本作品以降、ゴジラ映画は毎年製作されるようになった{{Refnest|group="出典"|{{R|超最新90|東宝全怪獣|モスゴジCOMP99}}}}。


== 海外公開版との相違 ==
== 海外公開版との相違 ==
1964年5月、[[ヘンリー・G・サパースタイン]]が本作品の[[アメリカ合衆国]]における配給権を取得し{{R|anime}}、[[アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ]]が配給を担当した{{R|anime}}。
1964年5月、[[ヘンリー・G・サパースタイン]]が本作品の[[アメリカ合衆国]]における配給権を取得し{{R|anime}}、[[アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ]]が全米配給を担当した{{Refnest|group="出典"|{{R|anime|モスゴジCOMP81|GTOM024}}}}。


当初の海外版ではタイトルが『GODZILLA VS. THE THING』 となっていた{{R|来襲185|5499超全集206}}。「THE THING」は直訳すると「謎の物体」であり、モスラの卵のことを指している{{R|来襲185}}。予告編ではモスラの存在が秘匿されていた{{R|来襲185}}。
当初の海外版ではタイトルが『GODZILLA VS. THE THING』 となっていた{{Refnest|group="出典"|{{R|大百科MG143|来襲185|5499超全集206|モスゴジCOMP157}}}}{{efn|書籍『Japan's Favorite Mon-Star: The Unauthorized Biography of "the Big G"』では『[[モスラ]]』の配給権を持っていた[[コロンビア ピクチャーズ]]と権利関係でのトラブルを防ぐためではないかと推測している<ref>{{Cite book|last = Ryfle|first = Steve|title=Japan's Favorite Mon-Star: The Unauthorized Biography of "the Big G"|date=1999-05-01|publisher= Ecw Pr|isbn=978-1550223484|page=109}}</ref>。}}。「THE THING」は直訳すると「謎の物体」であり、モスラの卵のことを指している{{R|来襲185}}。予告編ではモスラの存在が秘匿されていた{{R|来襲185}}。その後、ビデオソフト化の際に『GODZILLA VS. MOTHRA』へ改められたが、商品によって新旧名称が混在した状態となっている{{R|モスゴジCOMP157}}。


セリフはすべて英語に吹き替えられており、[[田崎潤]]と[[藤木悠]]の「卵も逃げたのか?」「いえ、卵には足がありませんから」というやり取りは、図らずも「エッグ(卵)」と「レッグ(脚)」をかけた洒落になっている。モスラの卵の売却価格は「94万38円」と改変されている{{R|来襲185}}。
セリフはすべて英語に吹き替えられており、[[田崎潤]]と[[藤木悠]]の「卵も逃げたのか?」「いえ、卵には足がありませんから」というやり取りは、図らずも「エッグ(卵)」と「レッグ(脚)」をかけた洒落になっている。モスラの卵の売却価格は「94万38円」と改変されている{{R|来襲185}}。


4月18日の国内版の検定オールラッシュ以降に海外版の撮影がおこなわれ、1日で国連軍の会議と艦橋のシーンを撮影している{{R|GTOM0229}}。
米軍司令部のシーンでは、[[オスマン・ユセフ]]や[[ハロルド・コンウェイ]]らが出演している{{R|来襲185}}。


名古屋に現れたゴジラが名古屋城を破壊して海へ向かうカットの後、国連派遣の新鋭艦隊{{efn|資料によっては[[第7艦隊 (アメリカ軍)|アメリカ第7艦隊]]と紹介しているものもある{{R|KHBVSM74}}、誤り{{要出典|date=2021-02-22}}。}}が出動し、浜辺歩くゴジラにミサイル攻撃を行なうシーンがる{{Refnest|group="出典"|{{R|KHBVSM74|超最新172|来襲185|映画大全59|5499超全集206|東宝特撮映画大全集81}}}}。海外版の完成フィルムでは、このミサイルが国連大使のセリフで「高性能誘導弾フロンティアミサイル」と説明されている。また、ミサイル艦隊の後尾で風にはためくアメリカの[[星条旗]]がアップになるカットがある{{R|KHBVSM74}}。ロケーンは静岡県浜松の[[中田島砂丘]]、擬似夜景処理を施してオープン撮影でわれた{{R|5499超全集98|東宝特撮映画大全集81}}。国内版予告にはこの浜辺を歩くゴジラの映像がる。当初、このシーンは海外向け追加シーンとされていた{{R|KHBVSM74}}、実際は決定台本にも存在しており、ロリシカ国新兵器「誘導弾フロンティア」と紹介されている{{R|大辞典192}}。
倉田浜に現れたゴジラが名古屋へ向かうカットの後、国連派遣の新鋭艦隊{{efn|資料によっては[[第7艦隊 (アメリカ軍)|アメリカ第7艦隊]]と紹介しているものもある{{R|KHBVSM74}}。}}が出動し、[[天竜川]]の鉄橋破壊して進撃するゴジラにミサイル攻撃するシーンが挿入されている{{Refnest|group="出典"|{{R|大百科M128|大百科MG143|KHBVSM74|超最新172|来襲185|映画大全59|5499超全集206|東宝特撮映画大全集81|東宝全怪獣|GTOM024}}{{R|GTOM0229}}}}。海外版の完成フィルムでは、このミサイルが国連大使のセリフで「高性能誘導弾フロンティアミサイル」と説明されている。また、ミサイル艦隊の後尾で風にはためくアメリカの[[星条旗]]がアップになるカットがある{{R|KHBVSM74}}。こののロケ静岡県の[[中田島砂丘]]にて、擬似夜景処理を施してオープン撮影で4日間おこなわれた{{Refnest|group="出典"|{{R|5499超全集98|東宝特撮映画大全集81|モスゴジCOMP36}}}}{{efn|資料によっては、茅ヶ崎の海岸と大プールと記述している{{R|GTOM0229}}。}}。完成作品ではこの流れはカットされているが{{R|GTOM0229}}、国内版予告にはこの浜辺を歩くゴジラの映像が存在する。このシーンは、もともと決定稿に四日市と名古屋へ襲撃シーンがない代わりに存在しており、ロリシカ国が開発した新兵器「誘導弾フロンティア」と紹介されている{{R|大辞典192|GTOM0229}}。スケジュールの都合により撮影予定から一旦外されていたが、サパースタインの要望により追加された{{R|モスゴジCOMP81|KHBVSM74}}。


1990年代半ばにはこの海外版と日本版をセットにした[[レーザーディスク|LD]]が発売され、2008年1月には5枚組DVD-BOX「ゴジラDVDコレクション I」の特典ディスクとして[[DVD]]化された{{R|TDV18015D}}。
1990年代半ばにはこの海外版と日本版をセットにした[[レーザーディスク|LD]]が発売され、2008年1月には5枚組DVD-BOX「ゴジラDVDコレクション I」の特典ディスクとして[[DVD]]化された{{R|TDV18015D}}。フィルムは現存しているが、日本国内のソフトではスタンダードサイズのみとなっている{{R|モスゴジCOMP87}}。

== 再上映 ==
* [[1970年]]冬の[[東宝チャンピオンまつり]]で、経費を省くためにオリジナルネガが裁断され、尺を縮めた再編集版がリバイバル上映された{{Refnest|group="出典"|{{R|東宝特撮映画大全集78|東宝全怪獣|モスゴジCOMP81}}}}。上映時間は74分{{R|映画大全56|TCMP36}}{{efn|書籍『モスラ対ゴジラコンプリーション』では、「1時間13分58秒2コマ」と記述している{{R|モスゴジCOMP140}}。}}。当初は本多猪四郎監督による新作ゴジラ映画の制作が予定されていた{{R|モスゴジCOMP81}}。同時上映は『[[柔の星]]』(新作)『[[アタックNo.1|アタックNo.1 涙の世界選手権]]』『[[昆虫物語 みなしごハッチ]]』の3本。観客動員数は73万人{{R|TCMP162}}。1992年の[[レーザーディスク|LD]]-BOX「ゴジラ激闘外伝」に収録されたほか{{R|TCMP169}}{{Sfn|ゴジラ365日|2016|p=212|loc=「8月1日」}}、2017年の『ゴジラ全映画DVDマガジン』でDVD化された。2019年に[[4K解像度|4Kスキャニング]]されたものが[[日本映画専門チャンネル]]で放送され、2021年にはこの4K版にカット部分をマスターポジからスキャンして追加した全長版の4Kデジタルリマスターが作成された{{R|モスゴジCOMP87}}。
* [[1980年]]には、オープニングタイトル前にハイライトシーンを加え、新たに再編集した短縮版が『[[ドラえもん]]』長編映画シリーズ第1作である『[[ドラえもん のび太の恐竜]]』との2本立てで再上映された{{Refnest|group="出典"|{{R|映画大全56|東宝特撮映画大全集78|TCMP127|東宝全怪獣}}}}。上映時間は76分{{R|GTOM0235}}{{efn|書籍『モスラ対ゴジラコンプリーション』では、「1時間15分35秒20コマ」と記述している{{R|モスゴジCOMP140}}。}}。当初は『怪獣王ゴジラ(仮題)』という総集編の制作が予定されており、本作品でのハイライトシーンはその名残とされる{{R|モスゴジCOMP81}}。観客動員数は298万人{{R|TCMP162}}。配給収入は15億5千万円(2本立て興行の成績){{R|モスゴジCOMP140}}。この興行では、[[松本零士]]がゴジラを描いたイラストポスターが使われ、新たにイメージソング「[[ゴジラ (TALIZMANの曲)|ゴジラ]]」が制作された{{R|TCMP127}}{{Sfn|ゴジラ365日|2016|p=73|loc=「3月7日」}}。2014年に本作品のBDに特典映像として収録された{{R|TCMP169}}。
* [[1983年]]には、20歳前後の世代を中心に数年前より起きていたゴジラのリバイバルブームに応じ、全国主要都市にておこなわれたゴジラシリーズをはじめ東宝特撮作品の人気作10本をセレクトした特集上映「復活フェスティバル ゴジラ1983」の1本として、オリジナル公開版がニュープリント上映された{{R|モスゴジCOMP81}}。2021年に4Kデジタルリマスターが作成されるまで、全長版の映像ソフトやテレビ放送ではこの時に制作されたニュープリントマスターを用いていた{{R|モスゴジCOMP87}}。


== ビデオソフト ==
== ビデオソフト ==
* 1972年ごろには『モスラ』と『[[ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘]]』を編集した[[8ミリ映画]]([[富士フイルム|富士写真フイルム]])と{{R|モスゴジCOMP157}}、[[ソノシート]]とセットの絵本「モスラ アタック東京!」が発売されており、本作品の国内盤DVDの特典に収録されている。
* 1980年代初頭に[[VHS]]・[[ベータマックス]]が同時発売された。短縮版フィルムを使用し、画面もスタンダードサイズにトリミングされている。その後、ノーカット・シネスコサイズの完全版も発売された。品番 TG0847{{R|超最新90}}、TG4290{{R|超最新146}}
* [[ザーディスク]]は1985年に発売された。ノーカットフィルムだが、画角は左右若干のトリミングが加えられている。1996年の再リリーで、オリナルのシネスコ(東宝スコープ)発売された。品番 TLL2021{{R|超最新146}}
* 1980年代初頭に[[VHS]]・[[ベタマッ]]が同時発売された{{R|モスゴジCOMP157}}短縮版フィルムを使用し、画面もスタンダードサイズにトリミングれている{{R|モCOMP157}}。そ後、1983年2月1日にノーカット・シネスコサイズの完全発売された{{R|モスゴジCOMP157}}。品番 TG0847{{R|超最新90|モスゴジCOMP157}}、TG4290{{R|超最新146}}
* [[DVD]]は2003425日発売{{R|U106}}。ノーカット、シネスコ収録
** 1991121に廉価版発売{{R|365日346}}。
* [[レーザーディスク|LD]]
** 2008年1月25日発売のトールケース版「ゴジラDVDコレクション I」に収録されており{{R|TDV18015D}}、単品版も同時発売。
** 1985年11月21日に発売された{{R|モスゴジCOMP157}}。ノーカットフィルムが使用されているが、画角は左右に若干のトリミングが加えられている。品番 TLL2021{{R|超最新146|モスゴジCOMP157}}
** 2005年4月22日発売の「GODZILLA FINAL BOX」に収録されている。
** 1993年12月1日に国内版と海外版を両方収録した2枚組が発売された{{R|365日346|モスゴジCOMP157}}。品番 TLL2435{{R|モスゴジCOMP157}}
** 2016年6月15日、東宝DVD名作セレクション版発売。
** 1996年5月1日に、オリジナルのシネスコ(東宝スコープ)版が発売された{{R|モスゴジCOMP157}}。品番 TLL2456{{R|モスゴジCOMP157}}
* [[Blu-ray Disc]]は2010年3月19日発売。
* [[DVD]]は2003年4月25日にジュエルケース版が発売{{Refnest|group="出典"|{{R|U106|365日113|モスゴジCOMP157}}}}。ノーカット、シネスコ収録。初ソフト化となる1980年の再々編集版も収録された{{R|モスゴジCOMP157}}。品番 TDV2712D{{R|モスゴジCOMP157}}
** 2014年5月14日、60周年記念版発売。
** 2005年4月22日発売の「GODZILLA FINAL BOX」に収録されている{{Sfn|ゴジラ365日|2016|p=111|loc=「4月22日」}}。
** 2008年1月25日発売のトールケース版「ゴジラDVDコレクション I」に収録されており{{R|TDV18015D}}、単品版も同時発売{{Sfn|ゴジラ365日|2016|p=31|loc=「1月25日」}}。
** 2014年5月14日、60周年記念版発売{{R|365日132}}。
** 2016年6月15日、東宝DVD名作セレクション版発売{{R|365日159}}。
* [[Blu-ray Disc|BD]]は2010年3月19日発売。
** 2014年6月18日には「ゴジラ60周年記念版」として期間限定の廉価版が発売{{Sfn|ゴジラ365日|2016|p=162|loc=「6月18日」}}。
** 2023年10月25日、[[4K解像度|4Kリマスター]]版発売。
* [[Ultra HD Blu-ray]]は2023年10月25日発売。


== 漫画 ==
== 漫画 ==
[[久松文雄]]作画により『[[冒険王 (漫画雑誌)|冒険王]]』 1964年5月号別冊付録に掲載。
* [[久松文雄]]作画により『[[冒険王 (漫画雑誌)|冒険王]]』 1964年5月号別冊付録に掲載{{R|365日122}}。1992年に『ゴジラVSモスラ決戦史』(竹書房)に収録、2016年に『ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX VOL.3 モスラ対ゴジラ』に付録として復刻された{{R|365日122}}
* 1984年から1985年に[[秋田書店]]「MOVIEコミックス」より[[フィルムコミック]]が発売された{{Sfn|ゴジラ365日|2016|p=196|loc=「7月20日」}}。


== 小説 ==
== 小説 ==
{{Cite book |和書 |author= 上田高正|authorlink=上田高正|others=監修:[[田中友幸]] |title = モスラ対ゴジラ |date = 1984 |publisher = [[講談社]] |series = [[講談社X文庫]] |isbn = 4061900080 }}
; {{Cite book |和書 |author= 上田高正|authorlink=上田高正|others=監修:[[田中友幸]] |title = モスラ対ゴジラ |date = 1984 |publisher = [[講談社]] |series = [[講談社X文庫]] |isbn = 4061900080 }}{{Sfn|ゴジラ365日|2016|p=292|loc=「10月11日 / 10月12日」}}
: このノベライズ版では、岩島にはもし破壊されれば日本列島の大半が汚染される規模の原子力発電所があり、記者会見をする[[官房長官]]が国民に対して民族移動を決意するように呼びかけるなどの差異がある{{R|来襲164}}。
: 『[[ゴジラ (1984年の映画)|ゴジラ]]』(1984年版)の公開に合わせて刊行された{{R|大百科MG158}}。このノベライズ版では、岩島にはもし破壊されれば日本列島の大半が放射能で汚染される規模の原子力発電所があり、記者会見をおこなう[[官房長官]]が国民に対して民族移動を決意するように呼びかけるなどの差異がある{{R|来襲164}}。


== 再上映 ==
== その他の作品 ==
; [[ソノシート]]『モスラ対ゴジラ』
* [[1970年]]冬の[[東宝チャンピオンまつり]]で、経費を省くためにオリジナルネガが裁断され、尺を縮めた再編集版がリバイバル上映された{{R|東宝特撮映画大全集78}}。上映時間は74分{{R|映画大全56|TCMP36}}。その後、オリジナルネガは復元されている。同時上映は『[[柔の星]]』(新作)『[[アタックNo.1|アタックNo.1 涙の世界選手権]]』『[[昆虫物語 みなしごハッチ]]』の3本。観客動員数は73万人{{R|TCMP162}}。1992年の[[レーザーディスク|LD]]BOX「ゴジラ激闘外伝」に収録されたほか{{R|TCMP169}}、2017年の『ゴジラ全映画DVDマガジン』でDVD化された。
: [[朝日ソノラマ]]より1970年11月30日に発売された{{R|365日339}}。脚色は[[藤川桂介]]が手がけた{{R|365日339}}。
* [[1980年]]には、冒頭部にハイライトシーンを加え、新たに再編集した短縮版が『[[ドラえもん]]』長編映画シリーズ第1作である『[[ドラえもん のび太の恐竜]]』との2本立てで再上映された{{Refnest|group="出典"|{{R|映画大全56|東宝特撮映画大全集78|TCMP127}}}}。観客動員数は298万人{{R|TCMP162}}。この興行では、[[松本零士]]がゴジラを描いたイラストポスターが使われ、新たにイメージソング「[[ゴジラ (TALIZMANの曲)|ゴジラ]]」が制作された{{R|TCMP127}}。2014年に本作品のBDに特典映像として収録された{{R|TCMP169}}。

* [[1983年]]には、20歳前後の世代を中心に数年前より起きていたゴジラのリバイバルブームに応じ、全国主要都市で行われたゴジラシリーズをはじめ東宝特撮作品の人気作10本をセレクトした特集上映「復活フェスティバル ゴジラ1983」の1本として、オリジナル公開版がニュープリント上映された。
== イベント ==
本作でテレビ塔を破壊された[[名古屋市]][[栄 (名古屋市)|栄]]の「中部電力 MIRAI TOWER」(旧・[[名古屋テレビ塔]]){{Efn|[[名古屋テレビ塔]]は、本作以後も『[[ゴジラvsモスラ]]』『[[モスラ3 キングギドラ来襲]]』と、いずれも[[モスラ (架空の怪獣)|モスラ]]がメインで登場する作品で破壊されている<ref>{{Cite news|和書|url=https://www.chunichi.co.jp/article/625199|title=名古屋テレビ塔(中部電力ミライタワー)「8つのヒミツ」後編  3度も破壊された過去…怪獣映画の話ですが【企画・NAGOYA発】|newspaper=[[中日スポーツ]]・[[東京中日スポーツ]]|publisher=[[中日新聞社]]|date=2023-1-27|accessdate=2024-06-19}}</ref>。}}では、2024年に開業70周年を迎えるのに合わせて、同じく誕生してから70年となるゴジラとのタイアップイベントが、6月20日から9月23日まで行われた<ref name="tokai-news">{{Cite news|和書|url=https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20240517/3000035548.html|title=開業70周年の「テレビ塔」が「ゴジラ」とタイアップ 名古屋|newspaper=東海 NEWS WEB|publisher=[[日本放送協会]]|date=2024-05-17|accessdate=2024-05-31}}</ref><ref name="miraitower">{{Cite pressrelease|和書|url=https://www.nagoya-tv-tower.co.jp/event/miraitower70/|title=開業70周年特別企画 中部電力 MIRAI TOWERにゴジラ襲来!|publisher=中部電力 MIRAI TOWER|accessdate=2024-09-09}}</ref>。

「[[久屋大通公園|Hisaya-odori Park]]」のミズベヒロバに巨大なゴジラのオブジェを展示した{{R|tokai-news|miraitower}}。また、ゴジラの大きさを体験できるようテレビ塔の屋外階段に作品ごとに異なるゴジラの目線の高さに印をつけたほか、展望台に[[拡張現実|AR]]の技術を使って70年間の名古屋のまちとゴジラの軌跡を振り返るコーナーを設けた{{R|tokai-news|miraitower}}。


== 後年への影響 ==
== 後年への影響 ==
後年、ゴジラシリーズで監督を務めた[[大森一樹]]や[[手塚昌明]]らは幼少期に本作品を鑑賞して感銘を受けたといい、自作品にも影響を受けているという{{R|映画大全60|映画大全74}}。
後年、ゴジラシリーズで監督を務めた[[大森一樹]]や[[手塚昌明]]らは幼少期に本作品を鑑賞して感銘を受けたといい、自作品にも影響を受けているという{{R|映画大全60|映画大全74}}。


『[[ゴジラvsメカゴジラ]]』では、ゴジラの四日市上陸シーン本作品をオマージュしている{{R|映画大全128}}。特技監督の[[川北紘一]]は、本作品でも名古屋のロケハンに参加してい『vsメカゴジラ』ロケハは本作品当時撮影場所は整備されるなどており、同じ場所でも印象が全く異なっていたという{{R|映画大全128}}。
『[[ゴジラvsモスラ]]』(1992年)の[[バトラ (ゴジラシリーズ)|バトラ]]名古屋襲撃シーンは、本作品でのゴジラの名古屋襲撃シーンをオマージュしている{{R|平成大全153|モスゴジCOMP102}}。た、冒頭台風のシー本作品の映像も一部流用してい{{R|モスゴジCOMP102}}。

『[[ゴジラvsメカゴジラ]]』(1993年)では、ゴジラの四日市上陸シーンで本作品をオマージュしている{{Refnest|group="出典"|{{R|大百科MG73|平成大全153|映画大全128|モスゴジCOMP102}}}}。特技監督の[[川北紘一]]は、本作品でも名古屋の[[ロケーション・ハンティング|ロケハン]]に参加していたが、『vsメカゴジラ』のロケハン時は本作品当時の撮影場所は整備されるなど変貌しており、同じ場所でも印象がまったく異なっていたという{{R|大百科MG73|映画大全128}}。


『[[ウルトラマンサーガ]]』([[2012年]]公開)で[[ゴメス (ウルトラ怪獣)#『ウルトラマンサーガ』に登場するゴメス(S)|ゴメス (S)]] が地中から現れるシーンは、本作品でゴジラが倉田浜干拓地から出現するシーンへのオマージュであり、これは元々ゴメスがゴジラの着ぐるみの改造であることを意識した演出である<ref>『ウルトラマンサーガ』劇場版パンフレットより。</ref>。
『[[ウルトラマンサーガ]]』([[2012年]]公開)で[[ゴメス (ウルトラ怪獣)#『ウルトラマンサーガ』に登場するゴメス(S)|ゴメス (S)]] が地中から現れるシーンは、本作品でゴジラが倉田浜干拓地から出現するシーンへのオマージュであり、これは元々ゴメスがゴジラの着ぐるみの改造であることを意識した演出である<ref>『ウルトラマンサーガ』劇場版パンフレットより。</ref>。


[[Shall we ダンス?]]』([[1996年]]公開)や『[[それでもボクはやってない]]』([[2007年]]公開)の[[周防正行]]監督は、「初めてハマったポップカルチャー」として本作品を挙げている<ref>{{Cite web|url=https://mantan-web.jp/article/20121027dog00m200039000c.html |title= 終の信託 : 周防正行監督に聞く「弱みを見せまいと頑張る姿がバレリーナ時代の草刈民代と重なった」|website= まんたんウェブ |publisher= 株式会社MANTAN|date=2012-10-28|accessdate=2015-10-04}}</ref>。
映画監督の[[周防正行]]は、『[[終の信託]]』([[2012年]]公開)の完成後に「初めてハマったポップカルチャー」として本作品を挙げている<ref>{{Cite news|url=https://mantan-web.jp/article/20121027dog00m200039000c.html|title=終の信託 : 周防正行監督に聞く「弱みを見せまいと頑張る姿がバレリーナ時代の草刈民代と重なった」|newspaper=まんたんウェブ|publisher=MANTAN|date=2012-10-28|accessdate=2015-10-04}}</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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{{Reflist|2
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<ref name="映画資料室">{{Cite web|url=https://viewer.kintoneapp.com/public/0a3f41a74b8bb9e879c82e5240035410e01df4c27f0dfc1d2ef44495962b1f44#/detail/def50200a4b86c894df2a43700322ab1fb55612dd17e8c8b013630e6d24f0f1693e729d1e2afbd8e89ea92e31f8b094731664c7c74130b7367eb1639a5cac7ae25a4e2f2d9251f7d2c7ec99d879728b52d8720c68d17f09e202a5f7f65dd4d8a4ada9680b24b0dfcaf66fbeafb4c6d9d40ff0b346d6739902a825102ca7b31eb441f9585cc2f4463c5084526550e98862da93a53717a190fe9|title=モスラ対ゴジラ|website=東宝 WEB SITE|publisher=東宝|accessdate=2022-02-19}}</ref>
<ref name="映画資料室">{{Cite web|和書|url=https://viewer.kintoneapp.com/public/0a3f41a74b8bb9e879c82e5240035410e01df4c27f0dfc1d2ef44495962b1f44#/detail/def50200a4b86c894df2a43700322ab1fb55612dd17e8c8b013630e6d24f0f1693e729d1e2afbd8e89ea92e31f8b094731664c7c74130b7367eb1639a5cac7ae25a4e2f2d9251f7d2c7ec99d879728b52d8720c68d17f09e202a5f7f65dd4d8a4ada9680b24b0dfcaf66fbeafb4c6d9d40ff0b346d6739902a825102ca7b31eb441f9585cc2f4463c5084526550e98862da93a53717a190fe9|title=モスラ対ゴジラ|website=東宝 WEB SITE|publisher=東宝|accessdate=2022-02-19}}</ref>
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<ref name="CAST">{{multiref|{{Harvnb|東宝特撮映画全史|1983|p=536|loc=「主要特撮作品配役リスト」}}|{{Harvnb|東宝特撮怪獣映画大鑑|1989|p=473|loc=「東宝特撮怪獣映画作品目録」}}|{{Harvnb|超最新ゴジラ大図鑑|1992|pp=90-91|loc=「ゴジラ映画全紹介 モスラ対ゴジラ」}}|{{Harvnb|ゴジラ・デイズ|1998|pp=112-113|loc=構成 冠木新市「23作品とゴジラ映画の解剖」}}|{{Harvnb|動画王特別編集ゴジラ大図鑑|2000|p=64|loc=「1960年代 モスラ対ゴジラ」}}|{{Harvnb|モスラ映画大全|2011|p=56|loc=「『モスラ対ゴジラ』」}}|{{Harvnb|東宝特撮映画大全集|2012|p=79|loc=「『モスラ対ゴジラ』作品解説/俳優名鑑」}}|{{Harvnb|モスゴジコンプリーション|2022|pp=140-141|loc=「モスラ対ゴジラ 作品データ」}}|{{Harvnb|GTOM vol.02|2023|pp=14-17|loc=「Withessing 脅威と善性、対決をとりまく人間たち」}}}}</ref>
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<ref name="FCGRAFF">{{Harvnb|ゴジラグラフィティ|1983|pp=12 - 13|loc=「PART.1 モスラ対ゴジラ」}}</ref>
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<ref name="大百科M127">{{Harvnb|ゴジラ大百科|1992|p=127|loc=構成 早川優「ゴジラ映画を100倍楽しむ100のカタログ 22 『モスラ対ゴジラ』の見どころ」}}</ref>
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<ref name="大百科M141">{{Harvnb|ゴジラ大百科|1992|p=141|loc=構成 早川優「ゴジラ映画を100倍楽しむ100のカタログ 59 ゴジラ映画の興行成績」}}</ref>
<ref name="大百科M143">{{Harvnb|ゴジラ大百科|1992|p=143|loc=構成 早川優「ゴジラ映画を100倍楽しむ100のカタログ 65 使用されたNGシーン」}}</ref>
<ref name="大百科MG73">{{Harvnb|ゴジラ大百科|1993|p=73|loc=文 鈴木健二「『ゴジラvsメカゴジラ』特撮撮影日誌」}}</ref>
<ref name="大百科MG143">{{Harvnb|ゴジラ大百科|1993|pp=143 - 144|loc=構成・文 中村哲「ゴジラ映画海外版大研究」}}</ref>
<ref name="大百科MG158">{{Harvnb|ゴジラ大百科|1993|p=158|loc=構成・執筆 早川優「ゴジラ映画を100倍楽しくする 東宝怪獣映画カルト・コラム 20 小説世界のゴジラ」}}</ref>
<ref name="入門135">{{Harvnb|決定版ゴジラ入門|1992|p=135|loc=「第4章 ゴジラと人類の戦い 航空兵器1」}}</ref>
<ref name="入門141">{{Harvnb|決定版ゴジラ入門|1992|p=141|loc=「第4章 ゴジラと人類の戦い 超兵器1」}}</ref>
<ref name="KHBVSM74">{{Harvnb|ヒットブックスVSモスラ|1992|p=74|loc=「東宝怪獣激闘外伝」}}</ref>
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<ref name="特撮世界102">{{Harvnb|円谷英二特撮世界|2001|pp=102-103|loc=「モスラ対ゴジラ」}}</ref>
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<ref name="平成大全">{{Harvnb|平成ゴジラ大全|2003|p=25|loc=「ゴジラ映画観客動員数 1954(昭和29) - 2002(平成14)年」}}</ref>
<ref name="平成大全153">{{Harvnb|平成ゴジラ大全|2003|p=153|loc=「COLUMN 円谷英二へのオマージュ」}}</ref>
<ref name="メカ大全296">{{Harvnb|東宝特撮メカニック大全|2003|pp=296-297|loc=「通常兵器 [航空]」}}</ref>
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<ref name="映画大全133">{{Harvnb|モスラ映画大全|2011|p=133|loc=「脇役俳優辞典39」}}</ref>
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<ref name="初代読本106">{{Harvnb|初代ゴジラ研究読本|2014|pp=106 - 107|loc=「オール初代ゴジラ俳優大図鑑」}}</ref>
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<ref name="東宝特撮映画大全集81">{{Harvnb|東宝特撮映画大全集|2012|p=81|loc=「『モスラ対ゴジラ』撮影秘話/川北監督に訊く」}}</ref>
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<ref name="VIP61">{{Harvnb|ゴジラとともに|2016|p=61|loc=構成・文 友井健人「佐原健二」(『宇宙船116号』〈朝日ソノラマ2005年〉と『初代ゴジラ研究読本』などを合併再編集)}}</ref>
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}}
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== 参考文献 ==
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** {{Cite book|和書|others=監修 田中友幸、責任編集 川北紘一|title=ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 [メカゴジラ編]|publisher=Gakken|series=Gakken MOOK|date=1993-12-10|isbn=|ref={{SfnRef|ゴジラ大百科|1993}}}}
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* 講談社ヒットブックス([[講談社]])
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* 映画秘宝COLLECTION(洋泉社)
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* DVD『三大怪獣 地球最大の決戦』(東宝)[[中島春雄]]インタビュー
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[[Category:ゴジラシリーズの映画作品]]
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2024年12月24日 (火) 12:51時点における最新版

モスラ対ゴジラ
監督
脚本 関沢新一
製作 田中友幸
出演者
音楽 伊福部昭
撮影
編集
製作会社 東宝[出典 3]
配給
  • 日本の旗 東宝[14][17]
  • アメリカ合衆国の旗 アメリカン・インターナショナル・ピクチャー[8]
公開
上映時間
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
製作費 1億4,300万円[37]
配給収入 15億5,000万円[38]
前作
次作 三大怪獣 地球最大の決戦
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モスラ対ゴジラ』(モスラたいゴジラ)は、1964年昭和39年)4月29日に公開された日本映画[20][23]ゴジラシリーズの第4作であり[出典 6]、映画『モスラ』の続編でもある[36][31]。製作・配給は東宝。カラー、東宝スコープ[出典 7]。併映は『蟻地獄作戦[出典 8]。略称は『モスゴジ』[42][43]

初回興行時の観客動員数は351万人[出典 9][注釈 4]。主要襲撃地点は名古屋

概要

[編集]

怪獣映画10周年を記念して東宝が制作し[50][51]、タイトルにもあるようにモスラゴジラの闘いを初めて描き、その集大成を狙った作品[52][26]。明確に善・悪に分けた怪獣対決の図式を初めて導入した作品でもあり[出典 12]、本作品でのゴジラはモスラに対する悪役として描かれている[出典 13]。また、ゴジラとしては初めて飛翔型の操演怪獣との対決となった[出典 14]。第1作『ゴジラ』および『モスラ』を踏襲した描写が多く取り入れられている[53][60]

一見単純な娯楽作品の体裁をとりつつも、「観光開発ブーム」「背後の興行師による暗躍」「新聞の第三権力化」など、当時の世相への批判がさり気なく盛り込まれている[61][50][注釈 5]。また、主人公が新聞記者という設定には、当時の社会派推理小説ブームが反映されている[36][注釈 6]

ストーリー

[編集]
ゴジラに尻尾で倒壊させられる名古屋テレビ塔

超大型台風8号が西日本を通過した翌朝[注釈 7]、毎朝新聞[注釈 8]の記者である酒井とカメラマンの純子は、取材で訪れた高潮による浸水被害で壊滅した新産業計画の倉田浜干拓地の海に浮かぶ瓦礫の中で虹色に光る、多量の放射能を帯びたウロコのような物体を見つける[51]。一方、静之浦の沖合には巨大な卵が漂着する[21][51]。ハッピー興行社の興行師の熊山は漁民から引き上げた卵を買い取り、静之浦の海岸に孵化施設を兼ねたレジャーランド「静之浦ハッピーセンター」の建設を始める[21][51]

三浦博士と酒井らは巨大な卵を調査するが、そこへ双子の小美人が現れる。小美人たちによると、巨大な卵はインファント島に唯一残っていたモスラの卵であり、それを失った島の人々は悲しんでいるという。酒井たちは卵を返還するよう抗議活動を始めるが、熊山はそれに応じないどころか、小美人たちまで売るように言い放つ[21][51]。実は大興行師の虎畑次郎が熊山の後ろ盾となっており、抗議活動は頓挫する。人間社会に落胆した小美人たちは、乗ってきたモスラの成虫とともにインファント島へ帰ってしまう[51]

そんな折、酒井と純子は三浦に呼び出され、放射能洗浄を受ける。それは、倉田浜で見つけた物体から、放射能が検出されたためであった。酒井たちは調査のために排水作業中の倉田浜干拓地へ赴くが、そこへゴジラが出現し、四日市市のコンビナート地帯と名古屋市を蹂躙する[21][51]。酒井たちはインファント島へ飛び、原住民たちにモスラの力を借りたいと懇願するが[21][51]、「悪魔の火」と呼ぶ核実験によって島を荒らされ、モスラの卵の返還をも拒まれた原住民たちと小美人たちは、激しい人間不信を抱いていた。しかし、純子の必死の訴えを聞き入れたモスラは、寿命が近づく身を押して日本へ飛び立つ。

ゴジラは、金銭トラブルから熊山を射殺してしまった虎畑が滞在する浜風ホテルを破壊し、彼もその際に逃げ遅れて死亡する。ゴジラがモスラの卵の孵化器が設置されている静之浦の西浜に迫ったところへモスラが飛来し、寿命と引き換えの武器である毒鱗粉をも用いた戦いを繰り広げるが、ゴジラへの決定的なダメージとはならず、逆にゴジラに放射能火炎で羽を焼かれてしまったモスラは最後の力で卵をかばうように着地し、死亡してしまう[21][51]

モスラに勝利したゴジラに対し、自衛隊は3,000万ボルトに達する人工雷作戦で挑む。ゴジラは超高電圧による大電流にもがき苦しむが、装置は限界を超えた放電を強行したために故障してしまったうえ、ゴジラの反撃によって特車隊も壊滅させられる。無敵となったゴジラが分教場の教師と生徒たちが残された岩島に迫り[21]、小美人たちが祈りの歌を歌う中、モスラの卵が孵化し始める。孵化した双子の幼虫モスラは岩島に向かうと、ゴジラに繭糸を吹きつけて動きを封じていく[21][51]。酒井たちはその隙に教師と生徒たちを救出に成功し、やがて、歩行すらままならなくなったゴジラは、岸壁から海へ転落する[21][51]。幼虫モスラの活躍でゴジラの脅威が去り、酒井たちはインファント島へ帰っていく幼虫モスラと小美人を見送りながら、人間不信のない社会を作ることを決意するのだった。

登場怪獣

[編集]
ゴジラ
モスラ(幼虫・成虫)
怪骨[出典 15]
インファント島の海岸に転がっていた、カタカタと頭部が揺れる巨大なカメのような生物の骨[出典 16]
  • 脚本決定稿では、大きな貝殻の残骸やクジラの肋骨と列挙しており、核実験に対する無言の抗議をしているようだと形容している[67]
  • この骨について特に設定は存在しないが、2012年になって「怪骨」と命名され、フィギュアやデザインTシャツなどの商品化がおこなわれた[29][68]

登場人物

[編集]
酒井 市郎さかい いちろう[69][70]
毎朝新聞社会部記者[出典 17]。純子からは「市ちゃん」と呼ばれる[70]
正義感にあふれ、行動力もある青年[71]。モスラの卵を独占しようとするハッピー興行社のやり方に対し、報道(ペン)の力で世論に訴えかけるが、限界を痛感する[出典 17]
中西 純子なかにし じゅんこ[73][70]
毎朝新聞の新人見習いカメラマン[出典 18]。写真には芸術性を求める理屈的なタイプ[73][70]。常に帽子を被っている[74]
三浦博士みうら はかせ[75][注釈 9]
動物学を専攻する京南大学教授[出典 19]。モスラの卵やゴジラの皮膚片などを調査する[出典 20]
  • 準備稿では、登場が予定されていた原健也の師という設定であった[77]
中村 二郎なかむら じろう[73][70]
毎朝新聞社会部記者[74][73]。半熟ゆで卵が好物[73][70]
怠惰な勤務態度でデスクによく叱られているが、モスラの卵が漂着した際にはヘリで駆けつけたり、ゴジラが岩島に上陸した際には酒井らとともに住民を救出したりするなどの行動力を見せる[73]。モスラとゴジラを戦わせるというアイデアも出している[74][73]
虎畑 次郎とらはた じろう[出典 21][注釈 10]
若手実業家[80][72]。興行界を陰で操るといわれる[82][70]。父は政財界の大物である虎畑万造[出典 23]。知的な皮肉屋で、自らの手を汚さずに金儲けをおこなう[80]
熊山の黒幕としてモスラの卵を中心に静之浦ハッピーセンターを建設し、一大レジャー事業を目論むが、ゴジラの出現により頓挫する[82]。大金を盗もうとした熊山を射殺するが、自身もゴジラが破壊した浜風ホテルの下敷きとなり、死亡する[出典 24]
  • 脚本第2稿および決定稿での名称は虎畑万造であり[83][84]、東宝スタジオ・メールのポスターにも「虎畑万造(役)」と記載されていた。完成作品では「万造」は虎畑の父の名前となり、脚本よりも若いイメージとなった[83]。資料によっては、役名が「万造」のままとなっているものもある[85][24]
  • 本多は自身の作品に「悪」はおらずそれぞれの立場で置かれた状況を動いていると述べており、虎畑も事業家として当たり前のことをやっていると語っている[86]
  • 演じる佐原健二は、役作りにあたって知人からアクの強い不動産屋を数人紹介してもらい、1週間程度行動を共にした[87]。その中で佐原は、いずれの人物も自分の行動に自信たっぷりであったと感じたという[87]
丸田デスクまるたデスク[出典 25]
毎朝新聞社会部デスクで、酒井らの上司[88][70]
熊山くまやま[89][70]
ハッピー興行社の社長[出典 26]。漂着したモスラの卵を網元から買い取り、見世物として大儲けを企む[出典 27]。その後、虎畑の入れ知恵により静之浦ハッピーセンターの建設に取りかかるが、ゴジラの上陸により計画が頓挫して一文無しとなったため、浜風ホテルから大金を盗もうとした結果、虎畑に射殺される[89][70]
  • 脚本準備稿では虎畑が登場しておらず、悪役は熊山のみであった[84]
小林こばやし[91][注釈 11]
岩島分教場の女性教師[91][70]。ゴジラが上陸した岩島に生徒らとともに取り残されてしまい、山伝いに歩いて海沿いの洞窟に避難する[91][70]

登場兵器・メカニック

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架空

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人工雷発生装置じんこうらいはっせいそうち[出典 28](人工雷発生機[97]
ゴジラを撃滅するために自衛隊が行った「A作戦」と「B作戦」に投入された強力な電流発生装置[出典 29]。3点を結んだ三角形の地域に装置を設け、送電用の高圧鉄塔と装置を有した鉄塔が設置され、変電所から地域のほとんどの電流を回してもらうことで、200万ボルトから最大3,000万ボルトまでの電流を発生させ、それをゴジラに向けて放射する[出典 29]
「A作戦」では特に効果は与えられずゴジラに破壊されてしまうが、「B作戦」では帯電ネットとの組み合わせによってゴジラの全身に電流を浴びせ、もがき苦しむほどのダメージを与え、あと一歩で倒せるところまで追いつめる[出典 30]。しかし、ゴジラに止めを刺そうと限界以上に電圧を上げたことで電線が焼き切れて電流が止まったうえ、最後は立ち直ったゴジラの放射能火炎によって溶解し、作戦は失敗する[97]
  • ゴジラに対する高圧電流作戦は、第1作『ゴジラ』以来の定番となっていたが、昭和シリーズでは本作品が最後となった[92]。助監督を務めた中野昭慶によれば、特技監督の円谷英二が高圧鉄塔を気に入っていたためゴジラと鉄塔が絡むシーンを取り入れていたといい、本作品でも円谷自ら鉄塔を用いた作戦を考案したという[99]
  • 書籍『モスラ対ゴジラコンプリーション』では、鉄塔のミニチュアは『キングコング対ゴジラ』のものを流用したと推測している[100]
特殊帯電ネット[出典 31]
「B作戦」にて、人工雷発生装置の威力を増強するために第二次空挺隊が投入した巨大ネット。電気を通す材質で作られており、これをゴジラの全身に被せることで、体中へ一度に強力な電流を浴びせることができる。KV-107II-4中型輸送ヘリコプターの4機編隊で1枚ずつ輸送され[92]、作中では3個編隊が計3枚をゴジラに向けて投下しているが、ゴジラの放射能火炎と装置のオーバーヒートによって失敗した[96]
フロンティアミサイル(ミサイル巡洋艦[注釈 12]
海外版に登場。劇中の国連大使の説明によれば「高性能誘導弾」とのこと。国連の派遣した艦隊から発射され、浜辺を進むゴジラを転倒させたものの、それ以上のダメージには至らなかった。
ミサイルを発射した軍艦星条旗が掲げられている)は、前部甲板と後部甲板にそれぞれ2基ずつの単装式ミサイル発射機を備える一方、艦砲やヘリコプター搭載能力を有していないオリジナル艦。幹部将校を載せた旗艦の艦番号は29となっている。

実在

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自衛隊

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警察

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民間

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設定

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インファント島
静之浦しずのうら[116]
架空の地名[116]。台風8号によりインファント島から流されたモスラの卵が漂着する[117]
モスラの卵を見世物にしようという虎畑の目論見のもと、ハッピー興行社が静之浦ハッピーセンターの建設を開始するが、ゴジラの出現により頓挫する[116]
卵の漂着を報じた毎朝新聞に、「静岡県田方郡静之浦村」と表記されている[注釈 15]
倉田浜干拓地くらたはまかんたくち[118]
架空の地名[118]伊勢湾に面した干拓地[90][118]。台風8号による浸水被害のため、ポンプを用いての排水作業がおこなわれていたが、その地中からゴジラが出現する[90][118][注釈 16]
  • 書籍『モスラ対ゴジラコンプリーション』では、1959年(昭和34年)の伊勢湾台風で被災した鍋田干拓地がモデルと推測している[119]
岩島いわじま[120]
静之浦沖の小島[121][120]。ゴジラと双子のモスラ幼虫が対決する[121][120]
分教場の生徒と女性教師の小林が逃げ遅れるが、酒井らに救出される[120]
ハッピー興行社
熊山が代表を務める興行会社[122][123]。静之浦ハッピーセンターの建設を進めていたが、ゴジラの出現により頓挫し、莫大な負債を抱えることになる[123]
浜風ホテル
静之浦の高級ホテル[124]。鉄筋5階建て[122]
虎畑が逗留しており[122]、卵の調査に訪れた酒井らも宿泊する[124]。上陸したゴジラに破壊される[122][124]

キャスト

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キャスト(ノンクレジット)

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海外版出演者

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スタッフ

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参照[18][20][12][58][34]

  • 製作:田中友幸[注釈 31]
  • 脚本:関沢新一
  • 撮影:小泉一
  • 美術:北猛夫
  • 録音:矢野口文雄
  • 照明:小島正七
  • 音楽:伊福部昭
  • 整音:下永尚
  • 監督助手(チーフ):梶田興治
  • 編集:藤井良平
  • 音響効果:西本定正
  • 現像:東京現像所
  • 製作担当者:森本朴
  • 監督助手:藤井誠之助、奈良正博、今村一平
  • 撮影助手:安本英、松尾民夫、小林博、鈴木信之
  • 照明助手:平野清久、清水博、市川祐、山口正春、北川忠利、棚網恒夫、細井美宏、中谷孝正
  • 照明準備・照明機材:横田俊司、山崎惣一郎
  • 美術助手:荒巻宏俊、菊池甲爾、菊池秋良
  • 録音助手:宮本陽弘、棚網昭夫、近田進
  • レコーダー:北沢靖
  • 特殊機械:小川昭二、加瀬和男
  • 大道具班長:柴田春雄
  • 大道具・装置:石井常男
  • 大道具助手:室祐治
  • 小道具:杉本茂、河原正高、佐々木大三郎
  • 電飾:鈴木行雄
  • 衣裳:清水昭治
  • 結髪:大友八千代
  • 技髪:山田順二郎
  • スチール:土屋次郎
  • 作品係:中島清
  • 経理担当:野口光一
  • 宣伝係:下村毅一
  • 製作係:古賀祥一
  • 特殊技術
  • 特技監督:円谷英二
  • 監督:本多猪四郎

製作

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前作『キングコング対ゴジラ』のヒットを受け、ゴジラシリーズが本格的に世界市場を目指すこととなり、対戦相手のモスラも登場作品の『モスラ』が1961年に世界配給され、海外でも知名度を得ていたことから選ばれた[9][46]。この間には、前作の続編となる『続キングコング対ゴジラ』や、海外で評価された『ガス人間第一号』の続編となる『フランケンシュタイン対ガス人間』などの企画が進行していたが、いずれもアメリカ側との折り合いがつかなかったため実現せず、モスラが選ばれたのは契約上の問題が起きない東宝怪獣同士という事情もあったとされる[37]

企画に際し、『ゴジラ』の原作者である香山滋は、本作品制作の挨拶に訪れた東宝のスタッフの義理堅さに感激したという[5][37]

円谷英二率いる特撮班は、1963年には『青島要塞爆撃命令』『マタンゴ』『海底軍艦』『士魂魔道 大龍巻』などの制作に取り掛かっていたが、急遽制作の決まった『大盗賊』がこれに加わったため『海底軍艦』の撮影が遅れ、本作品の準備は同年内にはほとんど進まなかったとされる[37]。決定稿が2月10日に完成し[192]、同月11日に特殊技術斑、14日に本編班がクランクインし、急ピッチで撮影が進められた[37][46]。そして、3月15日に特殊技術斑、16日に本編班がクランクアップした[37][46]

併映作品には、当初『君も出世ができる』が予定されていたが制作が間に合わず、『蟻地獄作戦』へ変更となった[37]

配役

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小美人役のザ・ピーナッツは『モスラ』から引き続き登場した[193]。同一役での連続出演は『ゴジラ』と『ゴジラの逆襲』に山根博士役で出演した志村喬以来であり、メインキャラクターとしての連投は珍しいものである[193]。梶田によれば、ザ・ピーナッツのスケジュールは多忙であったが、『モスラ』がヒットしていたため、渡辺プロダクションは出演を快諾したという[194]

一方、同じく『モスラ』から続投である小泉博は、別役での出演であった[193]。『ゴジラ』の主演であった宝田明も、別役だが同作品以来のゴジラシリーズへの出演となった[194]。宝田は、新人であった『ゴジラ』から10年を経て、本多とも演技について議論ができるようになるなど、自信を持って演じることができたと述懐している[195]

本作がゴジラシリーズ初出演となる星由里子は、ゴジラが主役のため芝居の仕様がなく正直苦手で、重いカメラを持たされたりしてやっているときは大変でつらかったと述べている[196]

脚本の準備稿では、悪役である虎畑次郎は登場せず[出典 36]、虎畑役の佐原健二は準主役として動物学者の原健也という役でキャスティングされていた[出典 37]。完成作品では、原の立ち位置は三浦博士に置き換えられており[出典 36][注釈 32]、この変更の結果、東宝特撮作品では珍しく佐原が悪役を演じることとなった[77]。本多が佐原に、前年の『マタンゴ』(1963年)の悪役が良かったので「またやってみるか」と薦めたという[194]。佐原は、それまで出演した東宝特撮作品では青年科学者のような役が多かったため、悪役に挑戦したと述べており[198]、後年のインタビューでも「虎畑が一番おもしろい役であった」[199]、あるいは「特にやりがいのあるものであった」[87]と回顧している。

そのほか、藤田進田崎潤田島義文など、特撮常連俳優が脇を固めている[194]

撮影

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海岸のロケは、静岡県下田市の弓ヶ浜でおこなわれた[194][注釈 33]。同地の選定は監督の本多猪四郎からの提案によるもので、助監督を務めた梶田興治によれば砂浜や漁船を撮影できることを理由に挙げていたという[194]。同地では、モスラの卵の一部を実物大セットで組んでおり、設営には現地で手伝いを募ったという[194]。冒頭の取材シーンは、当時干拓事業が行われていた茨城県潮来町の延方干拓地で撮影された[119]。漁村内は、沼津市静浦地区で撮影された[119]

当時の東宝作品で日本人俳優が南方の原住民を演じる際はドーランで黒塗りにすることが多かったが、本作品でのインファント島民は砥の粉に赤い塗料を混ぜたものを塗っており、赤みがかった色となっている[158]。インファント島民役の一人である加藤茂雄によれば、何人もこの塗料でかぶれていたという[158]

ハッピー興行の事務所セットは、東宝撮影所第2ステージに組まれ、2月18日から19日にかけて撮影が行われた[200]

浜風ホテルのセットは第1ステージに組まれ、2月21日から24日にかけて撮影が行われた[201]

毎朝新聞のセットは第6ステージに、三浦の研究室は第2ステージにそれぞれ組まれた[202]。前者は、撮影を取材していた新聞記者から「雰囲気がよく出ている」と好評であった[37]。三浦の研究室の外観は、日立製作所中央研究所の小平記念館を用いている[119]

インファント島の上陸シーンは、下田市近辺の海上で撮影された[113]。島内の洞窟は、第9ステージにセットを組んでいる[203]。本多は、洞窟のシーンでは原水爆の後遺症の酷さを描写する予定であったが、予算の都合などから実現しなかったと述べている[61]。踊りのシーンでは、日劇ダンシングチームを中心に500人近いエキストラが参加した[37]

自衛隊の車両や兵器のシーンは、『地球防衛軍』(1957年)などから流用している[68]。『怪獣大戦争』でも自衛隊の描写は流用映像を用いており、当時は自衛隊の協力を得られなかったものとみられる[68]

特撮

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ゴジラに破壊される「名古屋城」

『マタンゴ』で導入された光学合成機や、前年にオックスベリー社の3ヘッド式オプチカル・プリンター1900が導入されたこともあり、小美人と俳優の共演場面やゴジラの都市破壊シーンなど、本作品では従来以上に映像に自然に馴染む合成を多用している[出典 38]

一方、モスラとゴジラとの戦いには合成をほとんど用いず、操演を活用している[出典 39]。パノラマ画面を活かし、空陸の戦いをシチュエーションに合わせた様々なアングルで描写している[29]。円谷の演出意図としては、前作のようなコミカルさや擬人的描写を避け、リアルさのある迫力を重視している[37]。撮影の有川貞昌は、立っているゴジラと横になっているモスラでは画面に空きが出てバランスが取りづらく、距離感をつかむのが大変であったと述懐している[205]

劇中では、成虫モスラとゴジラの戦いは一度きりであり、有川はモスラをゴジラと戦わせるためではなく美しいゴジラ映画を作りたくて出したと述べている[205]

冒頭の台風のシーンでは、12 - 13トンの水が用いられた[206]。助監督の中野昭慶によれば、モスラの卵の造形物がどこに流れるかわからず、カメラマンが苦労したという[206]。台風上陸時の倉田浜干拓地もミニチュアセットで撮影された[63]

モスラの卵に近づく船舶や倉田浜干拓地の排水ポンプなど、実物さながらの精巧なミニチュアが用いられている[出典 40][注釈 34]

ゴジラによる名古屋襲撃シーンは、大規模なミニチュアが制作されたのは名古屋城周辺のみで、そのほかはオプチカル・プリンターを活用し合成により処理された[54][209]。合成を前提としているため、避難する人々の撮影も特撮班が初めて行った[209]。名古屋城前のロケでは、200人のエキストラが動員された[37]。名古屋テレビ塔での避難シーンは、現地ロケとオープンセットでの撮影を併用している[210]。四日市コンビナートのロケでは、特撮班カメラマンである富岡素敬の兄が昭和石油で労務課長を務めていたことから撮影の協力が得られ、作業着を借り受けたほか、消防車の撮影も実現した[37]

ゴジラが名古屋城を破壊するシーンは、東宝撮影所第11ステージで撮影された[211]。有川によると、撮影中に中島が足を滑らして城のお堀に滑り込んでしまったが、撮影終了5日前の4月13日に撮影されたうえに公開16日前で予算とスケジュールの両面から再撮影は不可能だったため、「NGは特撮にない」という持論を常々持っていた円谷英二はこのカットの使用を決定し、足元を捉えたフィルムを使って編集で処理したという[205][212][注釈 35]。なお、東宝のビデオ『特撮未使用フィルム大全集』[注釈 36]には、ゴジラが名古屋城を壊そうとするものの模型が頑丈すぎて壊れなかった映像が収録されている[56]。名古屋テレビ塔もミニチュアセットが制作され、オープンセットと第11ステージで撮影された[210]。テレビ塔のミニチュア制作は、戸井田工業が手掛けた[216]。1964年7月に竣工した名古屋パナソニックビルは、建設中の状態でミニチュアが制作された[119]

卵を覆う温室のミニチュアセットは、東宝撮影所第11ステージに組まれた[217]。ゴジラが地中から出現するシーンは、同第8ステージで撮影された[133]

人工雷作戦のシーンも第11ステージで撮影された[218]。鉄塔のミニチュアは、サイズを変えることで遠近感を表現している[218]。自衛隊の作戦準備に用いられた重機のミニチュアは、『妖星ゴラス』や『キングコング対ゴジラ』のものを流用しているとみられる[219]。特殊帯電ネットは、上部に組まれた木枠から投下する仕組みとなっていた[220]

音楽

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音楽は、『キングコング対ゴジラ』に引き続き伊福部昭が担当した[221]。小美人が歌う「モスラの歌」のみ『モスラ』での古関裕而による楽曲を用いている[221]プレスコは1964年2月29日に、本編音楽は4月21日にそれぞれ収録された[221]

本作品では、小美人の歌として「モスラの歌」のほかに「聖なる泉」と「マハラ・モスラ」が制作された[221]。両曲とも歌とオケを個別の2トラックシネテープに収録していたが、「聖なる泉」は歌のみのトラックが現存せず、オケとミックスした状態の音源しか残っていない[221]

ゴジラのテーマは、前作に引き続き「ゴジラの猛威(ゴジラの恐怖)」が用いられているが、前作でのDパートの代わりにAパートの変奏が挿入され、曲全体もスローテンポとなり以前よりも長くなっている[221]。自衛隊との戦闘シーンでもこの曲が用いられており、自衛隊を象徴するマーチ曲は制作されていない[221]

モスラのテーマは新たに制作され、ゴジラとの対決シーンではゴジラのテーマのリズムに乗せてモスラのテーマを演奏している[221]

予告編では『海底軍艦』の楽曲が流用された[221]

評価

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本作品は、親子連れの動員に成功し、前年の東宝のゴールデンウィーク興行よりも好調な記録となった[37]。子供が多かったことから動員数に対して興行収入は低めとなったが、東宝の役員会では総合的には大成功と結論づけられた[37]

本作品の好調のほか、前年に公開されたSF路線の『海底軍艦』および『マタンゴ』が低調に終わったこともあり、東宝特撮映画は怪獣路線が主軸となった[37]。本作品の公開された1964年には『宇宙大怪獣ドゴラ』『三大怪獣 地球最大の決戦』と怪獣映画が3本公開されており、後の第一次怪獣ブームの土台を築いたとされる[出典 41][注釈 37]。本作品以降、ゴジラ映画は毎年製作されるようになった[出典 42]

海外公開版との相違

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1964年5月、ヘンリー・G・サパースタインが本作品のアメリカ合衆国における配給権を取得し[223]アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズが全米配給を担当した[出典 43]

当初の海外版ではタイトルが『GODZILLA VS. THE THING』 となっていた[出典 44][注釈 38]。「THE THING」は直訳すると「謎の物体」であり、モスラの卵のことを指している[224]。予告編ではモスラの存在が秘匿されていた[224]。その後、ビデオソフト化の際に『GODZILLA VS. MOTHRA』へ改められたが、商品によって新旧名称が混在した状態となっている[4]

セリフはすべて英語に吹き替えられており、田崎潤藤木悠の「卵も逃げたのか?」「いえ、卵には足がありませんから」というやり取りは、図らずも「エッグ(卵)」と「レッグ(脚)」をかけた洒落になっている。モスラの卵の売却価格は「94万38円」と改変されている[224]

4月18日の国内版の検定オールラッシュ以降に海外版の撮影がおこなわれ、1日で国連軍の会議と艦橋のシーンを撮影している[102]

倉田浜に現れたゴジラが名古屋へ向かうカットの後、国連派遣の新鋭艦隊[注釈 39]が出動し、天竜川の鉄橋を破壊して進撃するゴジラにミサイルで攻撃するシーンが挿入されている[出典 45]。海外版の完成フィルムでは、このミサイルが国連大使のセリフで「高性能誘導弾フロンティアミサイル」と説明されている。また、ミサイル艦隊の後尾で風にはためくアメリカの星条旗がアップになるカットがある[1]。このシーンのロケは、静岡県の中田島砂丘にて、擬似夜景処理を施してオープン撮影で4日間おこなわれた[出典 46][注釈 40]。完成作品ではこの流れはカットされているが[102]、国内版予告にはこの浜辺を歩くゴジラの映像が存在する。このシーンは、もともと決定稿に四日市と名古屋への襲撃シーンがない代わりに存在しており、ロリシカ国が開発した新兵器「誘導弾フロンティア」と紹介されている[103][102]。スケジュールの都合により撮影予定から一旦外されていたが、サパースタインの要望により追加された[37][1]

1990年代半ばにはこの海外版と日本版をセットにしたLDが発売され、2008年1月には5枚組DVD-BOX「ゴジラDVDコレクション I」の特典ディスクとしてDVD化された[230]。フィルムは現存しているが、日本国内のソフトではスタンダードサイズのみとなっている[231]

再上映

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  • 1970年冬の東宝チャンピオンまつりで、経費を省くためにオリジナルネガが裁断され、尺を縮めた再編集版がリバイバル上映された[出典 47]。上映時間は74分[15][39][注釈 41]。当初は本多猪四郎監督による新作ゴジラ映画の制作が予定されていた[37]。同時上映は『柔の星』(新作)『アタックNo.1 涙の世界選手権』『昆虫物語 みなしごハッチ』の3本。観客動員数は73万人[45]。1992年のLD-BOX「ゴジラ激闘外伝」に収録されたほか[232][233]、2017年の『ゴジラ全映画DVDマガジン』でDVD化された。2019年に4Kスキャニングされたものが日本映画専門チャンネルで放送され、2021年にはこの4K版にカット部分をマスターポジからスキャンして追加した全長版の4Kデジタルリマスターが作成された[231]
  • 1980年には、オープニングタイトル前にハイライトシーンを加え、新たに再編集した短縮版が『ドラえもん』長編映画シリーズ第1作である『ドラえもん のび太の恐竜』との2本立てで再上映された[出典 48]。上映時間は76分[34][注釈 42]。当初は『怪獣王ゴジラ(仮題)』という総集編の制作が予定されており、本作品でのハイライトシーンはその名残とされる[37]。観客動員数は298万人[45]。配給収入は15億5千万円(2本立て興行の成績)[17]。この興行では、松本零士がゴジラを描いたイラストポスターが使われ、新たにイメージソング「ゴジラ」が制作された[234][235]。2014年に本作品のBDに特典映像として収録された[232]
  • 1983年には、20歳前後の世代を中心に数年前より起きていたゴジラのリバイバルブームに応じ、全国主要都市にておこなわれたゴジラシリーズをはじめ東宝特撮作品の人気作10本をセレクトした特集上映「復活フェスティバル ゴジラ1983」の1本として、オリジナル公開版がニュープリント上映された[37]。2021年に4Kデジタルリマスターが作成されるまで、全長版の映像ソフトやテレビ放送ではこの時に制作されたニュープリントマスターを用いていた[231]

ビデオソフト

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  • 1972年ごろには『モスラ』と『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』を編集した8ミリ映画富士写真フイルム)と[4]ソノシートとセットの絵本「モスラ アタック東京!」が発売されており、本作品の国内盤DVDの特典に収録されている。
  • 1980年代初頭にVHSベータマックスが同時発売された[4]。短縮版フィルムを使用し、画面もスタンダードサイズにトリミングされている[4]。その後、1983年2月1日にノーカット・シネスコサイズの完全版も発売された[4]。品番 TG0847[2][4]、TG4290[236]
    • 1991年12月1日に廉価版発売[237]
  • LD
    • 1985年11月21日に発売された[4]。ノーカットフィルムが使用されているが、画角は左右に若干のトリミングが加えられている。品番 TLL2021[236][4]
    • 1993年12月1日に国内版と海外版を両方収録した2枚組が発売された[237][4]。品番 TLL2435[4]
    • 1996年5月1日に、オリジナルのシネスコ(東宝スコープ)版が発売された[4]。品番 TLL2456[4]
  • DVDは2003年4月25日にジュエルケース版が発売[出典 49]。ノーカット、シネスコ収録。初ソフト化となる1980年の再々編集版も収録された[4]。品番 TDV2712D[4]
    • 2005年4月22日発売の「GODZILLA FINAL BOX」に収録されている[240]
    • 2008年1月25日発売のトールケース版「ゴジラDVDコレクション I」に収録されており[230]、単品版も同時発売[241]
    • 2014年5月14日、60周年記念版発売[81]
    • 2016年6月15日、東宝DVD名作セレクション版発売[176]
  • BDは2010年3月19日発売。
    • 2014年6月18日には「ゴジラ60周年記念版」として期間限定の廉価版が発売[242]
    • 2023年10月25日、4Kリマスター版発売。
  • Ultra HD Blu-rayは2023年10月25日発売。

漫画

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  • 久松文雄作画により『冒険王』 1964年5月号別冊付録に掲載[243]。1992年に『ゴジラVSモスラ決戦史』(竹書房)に収録、2016年に『ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX VOL.3 モスラ対ゴジラ』に付録として復刻された[243]
  • 1984年から1985年に秋田書店「MOVIEコミックス」よりフィルムコミックが発売された[244]

小説

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上田高正『モスラ対ゴジラ』監修:田中友幸講談社講談社X文庫〉、1984年。ISBN 4061900080 [245]
ゴジラ』(1984年版)の公開に合わせて刊行された[246]。このノベライズ版では、岩島にはもし破壊されれば日本列島の大半が放射能で汚染される規模の原子力発電所があり、記者会見をおこなう官房長官が国民に対して民族移動を決意するように呼びかけるなどの差異がある[247]

その他の作品

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ソノシート『モスラ対ゴジラ』
朝日ソノラマより1970年11月30日に発売された[248]。脚色は藤川桂介が手がけた[248]

イベント

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本作でテレビ塔を破壊された名古屋市の「中部電力 MIRAI TOWER」(旧・名古屋テレビ塔[注釈 43]では、2024年に開業70周年を迎えるのに合わせて、同じく誕生してから70年となるゴジラとのタイアップイベントが、6月20日から9月23日まで行われた[250][251]

Hisaya-odori Park」のミズベヒロバに巨大なゴジラのオブジェを展示した[250][251]。また、ゴジラの大きさを体験できるようテレビ塔の屋外階段に作品ごとに異なるゴジラの目線の高さに印をつけたほか、展望台にARの技術を使って70年間の名古屋のまちとゴジラの軌跡を振り返るコーナーを設けた[250][251]

後年への影響

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後年、ゴジラシリーズで監督を務めた大森一樹手塚昌明らは幼少期に本作品を鑑賞して感銘を受けたといい、自作品にも影響を受けているという[252][253]

ゴジラvsモスラ』(1992年)でのバトラの名古屋襲撃シーンは、本作品でのゴジラの名古屋襲撃シーンをオマージュしている[254][255]。また、冒頭の台風のシーンでは、本作品の映像も一部流用している[255]

ゴジラvsメカゴジラ』(1993年)では、ゴジラの四日市上陸シーンで本作品をオマージュしている[出典 50]。特技監督の川北紘一は、本作品でも名古屋のロケハンに参加していたが、『vsメカゴジラ』のロケハン時は本作品当時の撮影場所は整備されるなど変貌しており、同じ場所でも印象がまったく異なっていたという[256][257]

ウルトラマンサーガ』(2012年公開)でゴメス (S) が地中から現れるシーンは、本作品でゴジラが倉田浜干拓地から出現するシーンへのオマージュであり、これは元々ゴメスがゴジラの着ぐるみの改造であることを意識した演出である[258]

映画監督の周防正行は、『終の信託』(2012年公開)の完成後に「初めてハマったポップカルチャー」として本作品を挙げている[259]

脚注

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注釈

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  1. ^ 書籍によっては、「9月23日」と記述している[34]
  2. ^ 東宝公式サイト映画資料室では「88分」[18]、書籍『ゴジラ 99の真実』では「92分」[27]、書籍『モスラ対ゴジラコンプリーション』では「1時間28分30秒13コマ」[17]と記述している。
  3. ^ 資料によっては「88分」と記述している[8]
  4. ^ 現在の公表値は720万人[出典 10](722万人[出典 11])だが、これは再上映時の動員数を合わせたものである[45][46]
  5. ^ 『モスラ』では悪役要素が外国人に集約されていたが、本作品では日本における現実的な問題が描かれている[60]
  6. ^ 同時期の他の東宝特撮作品でも、新聞記者や刑事が主人公であることが多かった[36]
  7. ^ 劇中の新聞報道では、台風の上陸日時を昭和39年9月3日と記述している[62][63]
  8. ^ 架空の新聞社[64]。『ゴジラ』にも登場しているが、所在地が異なる[64]。また、『キングコング対ゴジラ』『三大怪獣 地球最大の決戦』『ゴジラvsキングギドラ』『ゴジラvsデストロイア』では紙面が登場している[64]
  9. ^ a b 劇中の新聞記事では、三浦俊助というフルネームが記載されており、書籍によっては、こちらの名前を記述している[17][70]
  10. ^ a b 資料によっては、虎畑二郎と表記している[出典 22]
  11. ^ 書籍によっては、小林先生と記述している[70]
  12. ^ 書籍によっては、誘導弾フロンテア[102]と記述している。
  13. ^ 機内のシーンは、セットで撮影された[113]
  14. ^ 江之浦漁港所属の漁船が撮影に用いられた[115]
  15. ^ 書籍『ゴジラ大辞典』では、名古屋近郊と記述している[116]
  16. ^ 書籍『ゴジラ大辞典』では、海底で眠るゴジラに気づかず埋め立ててしまったものと推測している[118]
  17. ^ 資料によっては、役名を丸田と記述している[130][17]
  18. ^ 完成台本ではフルネームを吉田大作と記述しており[133]、資料によってはこれに準じている[134]
  19. ^ 書籍によっては、自衛隊対策本部長[70]と記述している。
  20. ^ 書籍によっては陸上自衛隊員[15]自衛隊幹部[134]と記述している。
  21. ^ 資料によっては、部落の長老[18]インファント島長老[15][145]インファント島の長老[17]と記述している。
  22. ^ 書籍によっては、役名を小林先生と記述している[15][134]
  23. ^ 書籍『モスラ映画大全』では、浜風ホテルのウェイトレスと記述している[15]
  24. ^ a b c 書籍『モスラ映画大全』では、役名を熊山の手下と記述している[15]
  25. ^ 書籍『モスラ映画大全』では船員[15]と記述している。
  26. ^ 資料によっては、陸上自衛隊通信士[15]自衛隊通信員[157][17]と記述している。
  27. ^ 書籍によっては、自衛隊幹部[70]と記述している。
  28. ^ 書籍によっては、毎朝新聞社員[134]と記述している。
  29. ^ 資料によっては、フロント係と記述している[183][70]
  30. ^ 書籍『ゴジラ365日』では、役名を県会議員と記述している[187]
  31. ^ 海外版の製作者(エグゼクティブプロデューサー[34])クレジットは田中友幸と藤本真澄の連名になっている。
  32. ^ 脚本を手掛けた関沢新一は、博士が2人いても仕方がないと考えていたところに、プロデューサーから予算などの都合で博士を1人にすることを提案され、双方の考えがうまく合致したという[197]
  33. ^ 書籍『モスラ対ゴジラコンプリーション』では、同市の吉佐美大浜と記述している[119]
  34. ^ 書籍『モスラ対ゴジラコンプリーション』では、本物のポンプを借用したと記述している[208]
  35. ^ 資料によっては、城が思うように壊れず編集で処理したが中島が転倒したわけではない[213][214]、2週間かけてミニチュアを作り直し、再撮影した[29]と記述している。
  36. ^ 2008年2月22日には、7枚組DVD-BOX『ゴジラDVDコレクション II』の特典ディスクとしてDVD化された[215]
  37. ^ しかし、東宝プロデューサーの田中友幸は、前作『キングコング対ゴジラ』よりも調子は落ちたと評している[222]
  38. ^ 書籍『Japan's Favorite Mon-Star: The Unauthorized Biography of "the Big G"』では『モスラ』の配給権を持っていたコロンビア ピクチャーズと権利関係でのトラブルを防ぐためではないかと推測している[225]
  39. ^ 資料によっては、アメリカ第7艦隊と紹介しているものもある[1]
  40. ^ 資料によっては、茅ヶ崎の海岸と大プールと記述している[102]
  41. ^ 書籍『モスラ対ゴジラコンプリーション』では、「1時間13分58秒2コマ」と記述している[17]
  42. ^ 書籍『モスラ対ゴジラコンプリーション』では、「1時間15分35秒20コマ」と記述している[17]
  43. ^ 名古屋テレビ塔は、本作以後も『ゴジラvsモスラ』『モスラ3 キングギドラ来襲』と、いずれもモスラがメインで登場する作品で破壊されている[249]

出典

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出典(リンク)

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外部リンク

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