ドーラン
ドーランとは、油性の練り白粉のことである。化粧品の一種として、主に演劇上演や映画撮影などでのメイク用途に使われる。
白や肌の色に近いものの他、用途によって多様な色で作製されている。 演劇以外にも、仮装やコスプレでのメイク、兵士のカモフラージュ(フェイスペイント)でも使用される。 漢字の当て字で「胴乱」と書くこともある。
使用方法
[編集]化粧用のスポンジで容器からすくい取り、肌に塗り伸ばすことで色をつける。
固めてスティック状にしたものは、直接肌に押し付けるように塗ることができる。スティック状の物はフランス語でbâton Dorin(バトン・ドーラン)と呼ばれる。
色
[編集]肌の色に合わせたベージュ、褐色などの色がある。さらに、特殊メイク用として、白、黒、赤、青、緑、黄色、茶色など、様々な色のドーランが存在する。
名称の由来
[編集]フランスの会社名(Dorin社)に由来するという説と[1]、ドイツの会社名(Dohran社)に由来するという説がある[2]。
『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)では、ドイツのドーラン社の宣伝により、社名がそのまま通称名になったとしている[3]。同じく小学館から出ている『精選版 日本国語大辞典』や『デジタル大辞泉』でもドイツ社由来説を取る[3]。
他方、平凡社の『百科事典マイペディア』では、上記と同様、フランスのドーラン(Dorin)社由来説を取る[3]。
軍事用途
[編集]視覚的な偽装を目的に、黒、緑、茶色など、風景に溶け込む色のドーランを使用する[4]。化粧とは逆に、顔の立体感や輪郭が捉えにくくなるように塗る。
顔にとどまらず、首筋や耳、腕といった肌が露出する部位に用いることで、自然の風景では浮いて見える肌の色を隠したり、地肌が光を反射することを防いで敵から見つかり難くなる。そのため、肌の色の濃淡にかかわらず行われる。
塗り分けのパターンにより敵味方を識別する目的で使用される場合もある。
主なメーカー
[編集]舞台用途としては日本国内では
出典
[編集]関連項目
[編集]- ヘンリー・小谷 - 日本にドーランを広めた人物。
外部リンク
[編集]- ドーラン [dohran] - 化粧品用語集 ライブラリー(日本化粧品技術者会 SCCJ)
- 『ドーラン』 - コトバンク
- Dorin 1780 Paris Historical house of perfume - Dorin Paris