コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

Ultra HD Blu-ray

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Ultra HD Blu-ray
UHD BD
100 GB Ultra HD Blu-ray ディスクの裏面
メディアの種類

光ディスク

  • カバー層
  • 記録膜
記録容量
  • 50GB(2層 82Mbps)[発表 1]
  • 66GB(2層 108Mbps)[発表 1]
  • 100GB(3層 128Mbps)[発表 1]
  • フォーマット
  • 物理フォーマット
    • レーザー波長
    • 対物レンズ開口数(NA)
    • トラックピッチ:320nm
    • 線速度
    • チャネル周波数
    • 変調方式:1-7PP
    • 誤り訂正
    • アドレス方式
  • ファイルシステム:UDF 2.5
  • アプリケーション・フォーマット
  • コーデック
  • 映像
    • H.265/MPEG-H Part 2(HEVC)
  • HDR規格(オプション)
  • 音声
  • 読み込み速度
  • 50GB:92Mbps
  • 66GB:123Mbps
  • 100GB:123Mbps
  • 策定 Blu-ray Disc Association[発表 2]
    主な用途 4K映像(映画)の再生、PlayStation 5用ディスク
    ディスクの直径 120mm
    大きさ Φ120mm(12cmディスク)/t=1.2mm
    下位規格 HD DVD
    Blu-ray Disc
    関連規格 HVD
    テンプレートを表示

    Ultra HD Blu-ray(ウルトラ エイチディー ブルーレイ)は、 Blu-ray Discの後継となる光ディスク規格。第3世代光ディスクの一種[注 1]であり、UHD BD(ユーエイチディー ビーディー)と略される[発表 1][3]。プロモーションでは4K Ultra HDブルーレイ(よんケー ウルトラ エイチディーブルーレイ)の表記が推奨されている[4]

    UHD BDは4K UHD(2160p - 3840×2160 60fps)をサポートする。

    規格

    [編集]

    ハードウェア

    [編集]

    物理メディアはBD-ROM Version2.0であり、すなわちBlu-ray Discと同じ第3世代光ディスクの一種であるが、大容量化が図られている。標準的なBD-ROMが25GB×1 - 2層であるのに対し、UHD BDは25GB×2層、33GB×2 - 3層のいずれかとなる[2]。既存のBlu-ray規格・機器との互換性はない。

    記録方式

    [編集]

    UHD BDは4K UHDをサポートし、ビデオ・エンコードはH.265(ISO/IEC 23008-2 HEVC)を使用する。また、ハイダイナミックレンジ記録(HDR)をサポートする。

    なお、4K UHDおよびHDRは必須ではなく、H.265/HEVC下で2K(HDTV)、SDR(標準ダイナミックレンジ)の選択もそれぞれ独立して可能である。この場合にも、従来のBDとの互換性はない。

    著作権保護技術

    [編集]

    UHD BDにおけるDRMはいずれもAACS 2.0に更新される。

    リージョンコード

    [編集]

    DVDや従来のBDと異なり、UHD BDではリージョンコードは廃止された[5]

    CMP Export

    [編集]

    UHD BDでは一般に、CMP Exportという外部媒体コピー技術をサポートする[6]。これにより、BDの記録された動画ならびに関連情報を他の記録媒体に安全に転送する。

    作成時の互換性

    [編集]

    映像以外のメニュー、字幕は従来のBDと共通である[7]

    サポート環境

    [編集]

    一般的には、UHD BD機器に接続されるディスプレイの4K UHDのサポート/非サポート、HDRのサポート/非サポートを自動的に判別し、非対応機器に対しては自動的に2K(HDTV)やSDRへのダウンコンバートを行う。

    なお、一部を除く従来のBD機器でサポートされたBlu-ray 3Dは、UHD BD機器では一般的には非サポート(optional)となる。ただし、Xbox One Sのように両対応も存在。

    パソコンにおいてのUHD BDは導入のハードルが高くなり[8]#パーソナルコンピューターに記述する要件を満たす必要がある。

    用途

    [編集]
    ホームシアターなど映像フォーマットとしての用途
    Ultra HD Blu-rayの用途は2017年現在これが一般的であり、ソフトは2017年現在で数百種類がある。

    Ultra HD Blu-ray規格の採用例

    [編集]
    Ultra HD Blu-rayの再生に対応したBDレコーダー(ソニー・BDZ-FT1000)

    レコーダー

    [編集]
    • パナソニックは2015年11月にUltra HD Blu-ray規格に世界で初めて対応(Ultra HD Blu-rayは再生のみ)したBDレコーダー「DMR-UBZ1」を発売した。

    再生専用機器

    [編集]
    • パナソニックは2016年6月24日にUltra HD Blu-ray規格に日本で初めて対応したBDプレーヤー「DMP-UB900」を発売した。また、同年7月には「DMP-UB90」を発売した。その後、2017年6月16日には「DMP-UB30」を発売した。
    • ソニーは2017年6月24日にUltra HD Blu-ray規格対応のBDプレーヤー「UBP-X800」を発売した。

    ラップトップパソコン

    [編集]
    • VAIOの「VAIO S15」2019年モデルはUltra HD Blu-rayドライブが標準搭載可能となっている[注 2]

    家庭用ゲーム機

    [編集]
    • マイクロソフトの「Xbox One S」ならびに「Xbox One X」はUltra HD Blu-ray対応ドライブを搭載している(ゲームディスクは従来のBlu-ray Discのみ)。
    • 2020年11月に発売したマイクロソフトの「Xbox Series X」およびソニー・インタラクティブエンタテインメントの「PlayStation 5」(PS5)は、Ultra HD Blu-ray対応ドライブを搭載している[注 3]。ただし、PS5はUltra HD Blu-ray対応ドライブ搭載の「スタンダードモデル」と、ドライブ自体が搭載されずダウンロード版ソフト専用の「デジタル・エディション」の2タイプが用意されている。

    パーソナルコンピューター

    [編集]

    CyberLinkPowerDVDCorelWinDVD(いずれもエディションによって異なる)が再生に対応しているが、対応したディスクドライブのほか、

    が必要となる[9][注 6]

    このため、RyzenなどのAMD製CPUやARMアーキテクチャ対応SoC搭載のPCでは再生できない。また、CPU内蔵グラフィックでのみ再生が可能となるため、グラフィックボードを介しての出力も不可能である。

    対応ドライブが発売された2017年当初は、特にマザーボード側のSGXおよびHDCP 2.2への対応が不明瞭だったことから、ハードルが高かった[10]。この状況は2019年頃に多少改善されたものの[11]、2020年に発売された第11世代プロセッサ[注 7]以降はSGXの機能が削除された[12]ため、これらの新世代CPUが搭載された環境では再生できない状態となっている[13]。2021年に公開されたWindows 11にも対応しておらず、既存の環境でもIntel SGXが使用不可能になる可能性があるため、チップセットドライバの更新も推奨されていない[14]。よって、よほどのこだわりが無ければパーソナルコンピューターではなく、AV機器(≒単体のUHD BDプレーヤー、およびUHD BD再生対応HDD/BDレコーダー)や対応ゲーム機で再生することが無難とされている[15]

    沿革

    [編集]

    脚注

    [編集]

    注釈

    [編集]
    1. ^ ただし、BDの上位規格ということで次世代BDの表記も見られる[1][2]
    2. ^ 発売時点のノートPCでは唯一であった。
    3. ^ ゲームディスクとしてもUltra HD Blu-rayを使用可能。
    4. ^ Kaby Lake
    5. ^ Ice LakeおよびComet Lake
    6. ^ ディスプレイが一体となったノートPCではHDCP 2.2への対応は不要。
    7. ^ Tiger LakeおよびRocket Lake
    8. ^ PlayStation 5 デジタル・エディション以外。

    出典

    [編集]

    二次資料

    [編集]
    1. ^ 4K対応の次世代BD「Ultra HD Blu-ray」が規格化。今夏ライセンス開始 AV Watch
    2. ^ a b 画像6 - 次世代BD「Ultra HD Blu-ray」の詳細をキーマンに聞く(前編)年内発売へ準備着々 - PHILE WEB
    3. ^ “4K Blu-ray discs arriving in 2015 to fight streaming media”. CNET. (2014年9月5日). https://www.cnet.com/tech/home-entertainment/4k-blu-ray-discs-arriving-in-2015-to-fight-streaming-media/ 2014年10月18日閲覧。 
    4. ^ UHD BDの推奨表記は「4K Ultra HDブルーレイ」。2020年にUHD世界最大市場へ」『AV Watch』株式会社インプレス、2017年11月22日。2019年11月7日閲覧。
    5. ^ ついに始まる4K BD時代。UHD BDに向かうハリウッド・スタジオそれぞれの思惑”. AV watch. 2021年4月20日閲覧。
    6. ^ sMedio、組込み向けのUltra HD Blu-rayソリューション - AV Watch
    7. ^ HD Blu-ray - メモリーテック株式会社
    8. ^ 株式会社インプレス (2017年1月25日). “【笠原一輝のユビキタス情報局】 いよいよ立ち上がるUHD BDのPC再生環境 〜Intel SGXとHDCP 2.2対応に注意、HDR対応は次期Windows 10で進展”. PC Watch. 2021年6月15日閲覧。
    9. ^ カスタマーサポート - Ultra HD ブルーレイ ムービー再生時の最小システム要件について”. CyberLink. 2022年5月2日閲覧。
    10. ^ 株式会社インプレス (2017年3月8日). “【4K修行僧】 こいつ(UHD BD)……、(PCで)動くぞ……! もし、動作環境がニュータイプなら”. PC Watch. 2021年6月15日閲覧。
    11. ^ ASCII (2019年5月3日). “Ultra HD Blu-ray視聴可な小型PC自作! 1台数役こそPCの姿!(1/3)”. ASCII.jp. 2021年6月15日閲覧。
    12. ^ 第11世代インテルCoreプロセッサー・ファミリー(Rocket Lake / Comet Lake Refresh)とは | パソコン工房 NEXMAG”. パソコン工房 (2021年3月30日). 2021年6月15日閲覧。
    13. ^ PowerDVD 21 - 動作環境 | CyberLink”. jp.cyberlink.com. 2021年6月15日閲覧。
    14. ^ カスタマーサポート - 新しいIntel CPU(第11世代以上)のプラットフォーム(Intel SGX 機能に未対応)を使うと、Ultra HD ブルーレイ ムービーを再生できません。 Intel SGX 機能に対応する旧式のプラットフォームで Intel の関連ドライバーと Windows OS をアップデートしたところ、Ultra HD ブルーレイ ディスクが再生できなくなりました。 | CyberLink”. jp.cyberlink.com. 2022年1月27日閲覧。
    15. ^ 株式会社インプレス (2022年1月28日). “さようなら、PCのUHD BD再生!? 動作環境を改めて確認した”. AV Watch. 2022年1月27日閲覧。
    16. ^ ブルーレイディスクアソシエーション UltraHDBlu-rayTM規格策定と新ロゴを発表 2015年夏よりライセンス開始へ
    17. ^ 4K Ultra HD Blu-rayが、いよいよ北米で3日1日発売。映画番長と編集部もオーダー済 | Stereo Sound ONLINE
    18. ^ 日本初のUltra HD Blu-rayソフト「4K 夜景 HDR」が3月26日発売 - AV Watch

    一次資料

    [編集]

    関連項目

    [編集]