「水戸高等学校 (旧制)」の版間の差分
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2023年1月7日 (土) 06:26時点における版
水戸高等学校 (水高) | |
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創立 | 1920年 |
所在地 | 茨城県東茨城郡常磐村 (現・水戸市) |
初代校長 | 渡辺又次郎 |
廃止 | 1950年 |
後身校 | 茨城大学 |
同窓会 | 旧制水戸高等学校 同窓会 |
旧制水戸高等学校(きゅうせいみとこうとうがっこう)は、1920年(大正9年)4月に茨城県東茨城郡常磐村に設立された官立旧制高等学校である。略称は「水高」(すいこう)。
概要
- 宇都宮との熾烈な誘致合戦があったが、茨城県・水戸市による熱心な運動と同県出身の船成金・内田信也の寄附した1,000,000円により全国13番目の官立高等学校として設立された。
- 文科・理科よりなる修業年限3年の高等科が設置された。学生は4割が東京出身、3割前後が地元出身であった。また学生構成について、北関東の秀才と東京の半不良学生で占めていたと宇都宮徳馬は秦郁彦の『旧制高校物語』で語っている。旧制高校中最も「蛮カラ」の雰囲気の強い学校として知られた。
- 一高に次ぐ大型の寄宿舎「暁鐘寮」(ぎょうしょうりょう)が設置された。
- 新制茨城大学文理学部の前身校の一つとなった。
- 卒業生により「旧制水戸高等学校同窓会」が結成されている。
沿革
- 1920年(大正9年)4月:設立。
- 1933年(昭和8年)1月 - 5月:日本共産党水高細胞に対する弾圧事件。
- 1945年(昭和20年):米軍による水戸空襲と直後の失火により校舎焼失。学校民主化運動激化。
- 1949年(昭和24年):日共水高細胞を中心とした全学スト。米軍政部の介入により中止。
- 1949年(昭和24年)5月:新制茨城大学の発足にともない包括される。
- 1950年(昭和25年)3月:廃校。
歴代校長
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校地の変遷と継承
- 設立当初の校地は水戸市郊外の東茨城郡常磐村に所在し(東原校地)、1933年3月同村は水戸市に編入された。水戸空襲による校舎焼失後、水高は1948年陸軍東部第37部隊跡地に移転、これが新制茨城大学水戸キャンパスとして継承され現在に至っている。
- その後、旧東原校地の南半分は水戸市立第一中学校の校地となり、同校校内には水高を記念するモニュメントが建立されている。水戸市立第一中学校には、水戸高等学校関係の資料室が設置され、多くの資料が残されている。北半分には1965年、国立水戸病院(現在の国立病院機構水戸医療センター)が設置されたが、2004年同病院は茨城町に移転した。跡地は北水会病院(水高スクエア)になっている。
- この他市内に残る水高関連のモニュメントとしては、偕楽園内に「暁鐘楼」等が設置され、千波湖南岸には「水高の森」が寄贈されている。また水戸市立博物館には水高同窓会が寄贈した「旧制水戸高等学校 暁鐘の青春」の常設展示コーナーが設けられている。
著名な出身者
政界
- 赤城宗徳 - 衆議院議員、農林水産大臣
- 水田三喜男 - 衆議院議員、経済審議庁長官、通商産業大臣、大蔵大臣
- 宇都宮徳馬 - 衆議院議員・参議院議員、宇都宮軍縮研究室主宰
- 岡崎英城 - 衆議院議員、内閣官房副長官(事務担当)、内務省出身
- 塚原俊郎 - 衆議院議員、総理府総務長官、労働大臣
- 丹羽喬四郎 - 衆議院議員、運輸大臣
- 後藤田正晴 - 衆議院議員、副総理、内閣官房長官、警察庁長官、法務大臣
- 小幡治和 - 参議院議員、福井県初代公選知事
- 細田徳寿 - 大分県初代公選知事
- 岩上二郎 - 参議院議員、茨城県知事
- 竹内藤男 - 参議院議員、茨城県知事
- 山本敬三郎 - 参議院議員、静岡県知事
- 西銘順治 - 衆議院議員、沖縄県知事
- 葉梨信行 - 衆議院議員、自治大臣兼国家公安委員長
- 鈴木直人 - 衆議院議員(自由党)/ 田中直紀の父
- 森田義衛 - 参議院議員(自由民主党)、国鉄関東総支配人
- 湊徹郎 - 衆議院議員(自由民主党)
- 阿部憲一 - 参議院議員(公明党)
- 安井吉典 - 衆議院議員、日本社会党副委員長
- 大河原太一郎 - 参議院議員、農林水産大臣、農林水産事務次官
- 曽根田郁夫 - 参議院議員、厚生事務次官
- 川合武 - 衆議院議員(新自由クラブ)、消防庁次長
- 松浦昭 - 衆議院議員、食糧庁長官
- 安東仁兵衛 - 社会民主連合政策委員長、江田三郎ブレーン
官界
- 吉村成一 - 5代目横浜銀行頭取(1954-62)、大蔵省出身
- 片柳真吉 - 農林次官
- 山中徳二 - 行政管理事務次官、関東庁官僚出身
- 白岩晃 - 近畿管区警察局長、内務省出身
- 大塚茂 - 郵政事務次官
- 和田敏信 - 通商産業事務次官
- 中村辰五郎 - 通産省東京通産局長
- 斎藤正 - 文部事務次官
- 諸沢正道 - 文部事務次官
- 大口駿一 - 農林事務次官、日本水産社長
- 篠原登 - 科学技術事務次官
- 山本三郎 - 建設事務次官
- 川村皓章 - 総理府総務副長官
- 松下廉蔵 - 厚生省薬務局長、ミドリ十字社長
- 下河辺淳 - 総合研究開発機構理事長、国土庁事務次官
- 伊達邦美 - 駐ブラジル大使 東北大法卒
- 眞島健 - 海上保安庁長官、東亜国内航空社長
- 馬渡一真 - 日本国有鉄道副総裁、日本テレコム初代社長
- 岩田誠 - 最高裁判所判事
- 佐藤哲郎 - 最高裁判所判事
財界
- 小川栄一 - 藤田観光創立者、同和鉱業副社長
- 江戸英雄 - 三井不動産社長
- 法華津孝太 - 極洋捕鯨社長
- 袖山喜久雄 - 東洋レーヨン社長
- 金成増彦 - 富士電機社長
- 川﨑千春 - 京成電鉄社長(4代目)、オリエンタルランド初代社長
- 早川三郎 - 藤沢薬品工業社長
- 安藤太郎 - 住友不動産社長
- 四ツ柳高茂 - 北海道電力社長
- 馬渕威雄 - 東宝会長
- 内藤祐次 - エーザイ会長
- 安田直輔 - ジャパンライン社長
- 吉野照蔵 - 清水建設社長
- 持田英 - 持田製薬社長
- 田中雄平 - 藤田観光社長
- 島田秀夫 - 三菱重工業副社長、日本サッカー協会第7代会長
- 松平一郎 - 東京銀行会長
学術・文化
- 今井正 - 映画監督
- 井村恒郎 - 精神医学者
- 舟橋聖一 - 作家
- 金子兜太 - 俳人
- 出澤三太 - 俳人
- 小林直樹 - 憲法学者
- 鶴見良行 - 人類学者
- 大原光憲 - 政治学者
- 團勝磨 - 発生生物学者
- 土方定一 - 美術評論家
- 宮原誠一 - 教育学者
- 平塚益徳 - 教育学者
- 相良守次 - 心理学者
- 芳賀檀 - ドイツ文学者
- 目加田誠 - 中国文学者
- 大石泰彦 - 経済学者
- 梅本克己 - 哲学者
- 山田宗睦 - 哲学者
- 増井経夫 - 東洋史学者
- 松本喜太郎 - 日本海軍技術大佐 / 戦艦大和設計補佐
- 保谷六郎 - 社会政策 慶應義塾大学経済学博士 著書 労働経済学入門 社会政策―歴史と課題 他
その他
脚注
関連書籍
- 秦郁彦 『旧制高校物語』 文春新書、2003年 ISBN 4166603558
- 『日本近現代史辞典』 東洋経済新報社、1978年
- 尾崎ムゲン作成「文部省管轄高等教育機関一覧」参照