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=== 人とサルを用いた排気ガス吸引実験 ===
=== 人とサルを用いた排気ガス吸引実験 ===
BMW、[[フォルクスワーゲン]]、[[ダイムラー (自動車メーカー)|ダイムラー]]の3社が出資する研究団体「輸送セクターにおける環境と健康についての欧州研究グループ(EUGT)」は、[[ディーゼルエンジン]]の[[排気ガス]]吸引の影響を調べるため、2013年から2014年にかけて健康な25人を対象に、[[窒素酸化物]]を含む排気ガスを吸引させる実験をドイツ国内で行なった<ref name="afpbb20180130">{{Cite web |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3160396 |title=人とサルで排ガス吸引実験、独自動車3社に非難集中|publisher=[[AFP通信|フランス通信社]]|accessdate=2022-01-15|archiveurl=https://web.archive.org/web/20211011120810/https://www.afpbb.com/articles/-/3160396|archivedate=2021-10-11}}</ref>。また、2014年にはアメリカで、気密室に入れた[[サル]]10匹にフォルクスワーゲン車から出る排気ガスを吸引させる実験を行なった<ref name="afpbb20180130/>。2018年にこうした吸引実験の存在が報道されると非難が殺到し、[[アンゲラ・メルケル]]首相は「倫理上正当化のしようがない」と強く批判した<ref name="afpbb20180130/>。
BMW、[[フォルクスワーゲン]]、[[ダイムラー (自動車メーカー)|ダイムラー]]の3社が出資する研究団体「輸送セクターにおける環境と健康についての欧州研究グループ(EUGT)」は、[[ディーゼルエンジン]]の[[排気ガス]]吸引の影響を調べるため、2013年から2014年にかけて健康な25人を対象に、[[窒素酸化物]]を含む排気ガスを吸引させる実験をドイツ国内で行なった<ref name="afpbb20180130">{{Cite web |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3160396 |title=人とサルで排ガス吸引実験、独自動車3社に非難集中|publisher=[[AFP通信|フランス通信社]]|accessdate=2022-01-15|archiveurl=https://web.archive.org/web/20211011120810/https://www.afpbb.com/articles/-/3160396|archivedate=2021-10-11}}</ref>。また、2014年にはアメリカで、気密室に入れた[[サル]]10匹にフォルクスワーゲン車から出る排気ガスを吸引させる実験を行なった<ref name="afpbb20180130" />。2018年にこうした吸引実験の存在が報道されると非難が殺到し、[[アンゲラ・メルケル]]首相は「倫理上正当化のしようがない」と強く批判した<ref name="afpbb20180130" />。


== その他 ==
== その他 ==

2022年1月29日 (土) 00:00時点における版

BMW
Bayerische Motoren Werke AG
ドイツ・ミュンヘンのBMW本社ビルとBMW博物館(左下)
種類 株式会社
市場情報
略称 BMW
本社所在地 欧州連合の旗 欧州連合
ドイツの旗 ドイツ
バイエルン州ミュンヘン
設立 1916年
業種 自動車製造業
事業内容 乗用車の製造・販売等
代表者 ノルベルト・ライトホーファー (会長)
オリバー・ツィプセ(CEO)
資本金 27,038 Million Euro
(2011年12月31日時点)[1]
売上高 連結:68,821 Million Euro
(2011年12月期)[2]
営業利益 連結:7,383 Million Euro
(2011年12月期)[3]
純利益 連結:4,907 Million Euro
(2011年12月期)[4]
総資産 連結:123,429 Million Euro
(2011年12月末時点)[5]
従業員数 100,306人
(2011年12月末時点)[6]
決算期 12月末日
主要子会社 ロールス・ロイス
MINI
関係する人物 グスタフ・オットー
カール・ラップ(創業者)
外部リンク BMW Group
BMW
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BMW(ビー・エム・ダブリュー、ドイツ語: Bayerische Motoren Werke AG[注釈 1]、バイエルン発動機製造株式会社)は、ドイツバイエルン州ミュンヘンを拠点とする自動車および自動二輪車、エンジンメーカーである。

他にも、英国ロールス・ロイスMINIの2社を傘下のカー・ブランドとして、BMW MBMW Motorradを子会社として所有する。本社ビルはエンジンシリンダーを模した円筒形を4つ組み合わせたような形をしており、フィーアツュリンダー(Vierzylinder)、英語でフォー・シリンダー(Four Cylinder)と呼ばれる。2020年3月より新エンブレムが発表され、そのエンブレムが公式となった。今までのエンブレムは青と白の2色のバイエルン州の旗をモチーフにされていたが、今回のエンブレムはその白が切り取られ、ボディカラーに合わせることとなった。また、黒縁もなくなりBMWの表記だけとなった。

概要

読み方について

1981年の日本法人BMW JAPAN設立により、日本における正式名称は英語読みの「ビー・エム・ダブリュー」となった[注釈 2]。ちなみに本国ドイツでは「ベー・エム・ヴェー[注釈 3]と呼ばれており、メーカー公式ページで世界各国のBMWの発音動画を見ることが出来る[7]。以前は日本でもドイツ語読みであったため「ベー・エム・ヴェー」と読む傾向がある。

BMWの二輪車販売法人名「Motorrad」(→BMWモトラッドwikt:Motorrad)は、日本では「モトラッド」と表記されているが、ドイツ語読みでは 「モト(ア)ラート 」である[8](モトラッドが Motorrad の英語読みからきているのか、バイエルンなまりがそう聞こえたからなのかについては議論がある)。

エンブレム

バイエルン州旗

1917年10月5日ロゴマークがドイツで商標登録された。1929年の広報広告より、以前のく縁取った抜きの「BMW」を配し、中央の円の中を十字によって4等分し、点対称にとに塗り分けたデザインである。過去に何度かBMWの字体とその位置が微妙に変わっているが、基本的に変更はない。

また同広告では円と十字は元航空機エンジンメーカーであったことにちなみプロペラを、青と白は白いと青いをそれぞれイメージしていると説明され、以降2019年までの長きに渡ってプロペラ由来説が採用されていた。BMW JAPANでもロゴのプロペラ由来説を歴史ページに掲載していた。

しかし、BMWは2020年のエンブレム改訂の際、厳密にはBMWのロゴがプロペラに由来するという解釈は正解ではないとする見解を示した。だが一方で約90年にも渡りその説が信じられ、既成事実化しているため、BMWはプロペラ由来説もある意味では正当化されるようになったのも事実としている[9]

製品の特徴

キドニーグリル

フル4シーターの4ドアセダン車をメインに据えつつも、スポーティーな作りを心掛けているのが特徴である。駆動方式についてもフロントエンジン・リアドライブ方式(FR)の後輪駆動(もしくはFRベースの4WD)にこだわり、最近までBMWブランドでの前輪駆動(FF)車はなかったが、2シリーズアクティブツアラーが同社初のFF車としてラインナップに加わった。また、過去にもFF車の研究開発も行っており、その技術は同じグループ内のFF車、ローバー75MINIで生かされている。また、直列6気筒へのこだわりも同社ならではである。他社が、縦置き横置きの共通化、クラッシャブルゾーンと室内スペースの両立、エンジン重量といった面で有利なV型6気筒へ次々転換を進める中、あえて直列6気筒の振動特性やフィーリングにこだわり、上記のメリットを犠牲にしてまで同社製直列6気筒エンジンを搭載し続けており、このエンジン類を俗称として「シルキーシックス」と呼ぶ。この長いエンジンを納めるため、特に小型の車種では全長に対してボンネットが長めであり、他社にはない独特のプロポーションとなっている。

その他、フロントアクスルを前端寄りに、エンジン配置を可能な限り客室寄りに、バッテリートランクルームに配置するなど、前後の重量配分を50:50に近づける努力を続けており、さらに理想的な駆動のために縦置き搭載されるエンジン、スムーズで心地よい加速感が得られるトラクション性能、俊敏なハンドリングレスポンスなど、FR車の美点(コーポレートスローガンでもある「Freude am Fahren」。翻訳すると「運転する喜び」または「走る喜び」となり、BMW JAPANのスローガンも日本語で「駆けぬける歓び」)を追求し続けている。

デザインとしては、丸形四灯式(そもそもは二灯式+補助灯)のヘッドランプとキドニーグリル(kidney = 腎臓)と呼ばれる独特の形状をしたグリルをもつフロントマスクが特徴である。キドニーグリルは、1933年に発表された初のオリジナル車BMW 303から採用され、イソライセンス生産車であるイセッタ、およびその派生車である600、同じく空冷フラットツイン リアエンジン700、BMW 325(1937-1940年)を除いた全てのモデルに使われている。北米市場向けにアルブレヒト・フォン・ゲルツがスタイリングした507は左右二分割のフロントグリルであるものの、低く、横長で、大きく意匠が異なる。

近年、デザインに大きな影響を与えた人物として、1992年から2009年までデザイン部門に在籍し、同部門のチーフを務めたアメリカ人デザイナークリス・バングルがいる。彼は1990年代を通じて徐々に、そして2000年代には大胆にデザインを先進的なものに変えていった。1990年代中期から後期にかけて登場したオープンカーZ3(E36/7)や第4世代5シリーズ(E39)第4世代3シリーズ(E46)初代X5シリーズ(E53)ではこれまでの路線を踏襲した比較的マイルドなデザインだったものの、2000年代に入ってからデザインされたフォーマルセダン第4世代7シリーズ(E65)では、フラッグシップモデルとしてあまりに先進的なデザインであったため、「バングルはBMWを潰すためにメルセデスが送り込んだ刺客だ」などの批判が、保守的なデザインを好むユーザーから数多く寄せられた。その後も、クリス・バングルはオープンカーZ4(E85)第2世代6シリーズ(E63)第5世代5シリーズ(E60)第5世代3シリーズ(E90)と先進的なデザイン路線を推し進めていく(もっとも実際にはクリス・バングルが唯一人でデザインを行っていたわけではない。例えば第5世代3シリーズ(E90)の場合、エクステリア・デザインを永島譲二が手掛け、デザインの最終決定権をチーフデザイナーのクリス・バングルが受け持っていた。強いて云えば、近年のデザインコンセプトを統率していたのがクリス・バングルであった、といえよう)。結果的に、彼の推し進めた先進的なデザインは商業的に成功を収め、販売台数増加に貢献した。賛否両論はあったもののクリス・バングルはデザイナーとして評価を高めるとともに、その先進的なデザインセンスは他メーカーに大きな影響を与えた。

かつては車の性能向上により重きを置いていたため、最新の電気仕掛けや新機軸を好み、それが元でトラブルを起こしやすかった。また部品の信頼性に不安があり、部品の交換周期も短くかつそれが同じくドイツ車で同じような車種を出しているメルセデス・ベンツと比べてより高額で(メルセデス・ベンツは信頼性重視の姿勢が強く、得てして熟成した技術に重きを置き、保守的で故障しにくい車作りを好んだ)、業務用途では敬遠される傾向にある。例えばタクシーへの採用率ではメルセデス車(中でもEクラス)が圧倒的に多く、同社の採用は非常に少ない[注釈 4]

二輪車

BMW最初の二輪車、R32

第一次世界大戦後に、オートバイ用エンジンの生産を始め、続いてオートバイ自体の生産を始めた[10]

同社のオートバイブランドは、現在日本では「BMWモトラッド(ドイツ語読みではモトアラート、モトラート)」として知られる。「ヘリオス」と「フリンク」が失敗した後、最初の成功作R32の生産を1923年に始める。R32は空冷の「ボクサーツイン」(水平対向2気筒)エンジンを搭載し、縦置きエンジン配置により各シリンダーは車体の左右に突出している。

単気筒モデルは別として、1980年代前半までこの特有のレイアウトのみを使用した。現在でも多くのモデルが空冷ボクサーツインを搭載し、RシリーズおよびHPシリーズとして生産される。

F 650 GS Dakar (2004)
K1200GT
最後の「プランジャー」モデル、1955年型 R67/3

第二次世界大戦の間、サイドカー付きのR75を生産した。ユニークなデザインを特徴とするR75はツェンダップ・KS750のコピーであり、サイドカーも動力で駆動した。これは固定式ディファレンシャルで結合され、オフロードも容易に走行できた。第二次世界大戦中において同様に多用された車両はアメリカ軍のジープであった。

1982年、Kシリーズの生産が始まる。これは水冷直列エンジン3気筒または4気筒)を横向き縦置き(左右方向の水平シリンダーが前後に並ぶ)に搭載し、シャフトドライブで駆動した。間もなくチェーンドライブのFシリーズおよびGシリーズの生産が始まり、これらには単気筒ないし直列2気筒ロータックスエンジンが横置き搭載された。

1990年代初めに空冷ボクサーエンジンを改訂した。「オイルヘッド」として知られるようになるSOHC4バルブエンジンである。2002年にオイルヘッドエンジンには1気筒に2本のプラグが取り付けられるようになった。

R100GS パリダカール 前期型 (1989-)

2004年にはバランサーシャフトが内蔵され、排気量も1,170ccまで増加、100 hp (75 kW)に強化されR1200GSに搭載された。これは前作のR1150GSの85 hp (63 kW)に比べ15馬力の増加であった。よりパワフルなオイルヘッドエンジンはR1100SとR1200Sに搭載され、それぞれ98 hp (73 kW)、122 hp (91 kW)を発揮する。

1980年代後半からオートバイにアンチロック・ブレーキ・システムを導入し、2006年以降のオートバイでは横滑り防止装置を導入した。

2004年、新型のK1200Sを発表した。これはウィリアムズF1チームと共に開発した167 hp (125 kW)を発揮する新型エンジンを横置き搭載し、前のモデルよりも軽量化された。電子的に調整可能な前後サスペンション、「デュオレバー」と呼ばれる新型フロントフォークと言った革新的技術も導入された。

オートバイ用サスペンションにおいても革新者である。彼らがいち早く採用したテレスコピック式のフロントサスペンションは、現在では他のほとんどのオートバイメーカーも採用している。彼らは続いてアールズフォークに切り替えた(1955年~1969年)。ほとんどの近代的な車種では、リアスイングアームは片持ち式である。いくつかの車種では1990年代初めから「テレレバー」と呼ばれるフロントフォークを採用している。これはアールズフォークに似ているが、制動の際にノーズダイブを劇的に抑制する。

2007年7月、イタリアのハスクバーナ・モーターサイクルを9,300万ユーロで買収する。BMWモトラッドとは別の会社としてハスクバーナを運営することを計画している。全ての開発、販売、生産活動拠点は元々の拠点であるヴァレーゼに留められた[11]。ハスクバーナはモトクロスエンデューロ、およびスーパーモタードを継続して生産している。

モータースポーツ

M3 ドイツツーリングカー選手権(DTM) 1989年シリーズチャンピオンマシン

モータースポーツには古くから積極的な姿勢を見せている。

特に活動が目立つのがツーリングカーレースで、シュニッツァー・モータースポーツハーマンモータースポーツなどのセミワークスチームを多数抱え、世界ツーリングカー選手権(WTCC)やニュルブルクリンク24時間レースなどのレースに積極的に参戦している。

70年代のドイツレーシングカー選手権(ドイツツーリングカー選手権の前身)では、2002ti320i Turbo(E21)3.0CSLポルシェフォードと熾烈な争いを繰り広げ、DTM(ドイツツーリングカー選手権 第1期)時代には1980年代から1990年代にかけて635CSiM3(E30)メルセデス・ベンツやフォード、アウディと激闘を繰り広げた。DTMで華々しい活躍を見せ1994年まで参戦を続けた。撤退後は度々参戦を噂されながらなかなか参戦に踏み切らなかったが、2012年、M3 クーペ(レース用車両E92型M3 DTM)を駆って同シーズンよりDTM(ドイツツーリングカー選手権 第2期)へ参戦、いきなり初年度でシリーズチャンピオンを獲得した[12]。 日本でのツーリングカーレースでは、Z4をベース車両として、E39型M5用のV8 5.0Lエンジンに変えて、2008年シーズンからSUPER GT・GT300クラスへ参戦した。エントラント名称Studie GLAD RacingとしてZ4は2008年シーズン・2009年シーズンと戦った。が、E86型Z4は苦戦し、2009年シーズン終了後チームオーナーのアドバンスステップが参戦継続を断念し、チームは解散の危機に陥るが、メインスポンサーだったグッドスマイルレーシンググッドスマイルカンパニー)がオーナーとなって後を引き継いだ。グッドスマイルレーシングは2010年シーズンこそポルシェチューナーCOXと手を組みポルシェを採用したが、2011年シーズンから再びBMWチューナーStudieと手を組んでE89型Z4を採用し、エントラント名称GSR & Studie with TeamUKYO(グッドスマイルレーシング & スタディ with チーム右京)、2011年モデルZ4 GT3が参戦した。迎えた2011年シーズン、第3戦での初優勝を皮切りに第6戦・第8戦でも勝利を収め、Z4はBMWマシン初のGT300クラスチャンピオンとなった。

世界ツーリングカー選手権(WTCC)では、BMW Team UK320i320siを駆って参戦し、2005年(320i)、2006年(320si)、2007年(320si)と年間優勝を飾っている。

BMWザウバー F1.08 FORMULA1-Grand Prix du Canada 2008

ル・マン24時間レースにも過去にウィリアムズと組んでプロトタイプレーシングカーとしてBMW・V12 LMを開発し参戦した経験があり、1999年には同車のアップデート版であるBMW・V12 LMRを走らせるシュニッツァー・モータースポーツが総合優勝を飾っている。2018年にはM8のLM-GTE車両でWECへのワークス参戦を開始している。また、北米のIMSAではそれより前からZ4のLM-GTEの特認車がワークス参戦していた。

F1へはエンジンサプライヤーとして、1982年 - 1988年(1987~1988年はメガトロン名義)そして2000年 - 2005年と2期参戦。1982年6月の第8戦カナダグランプリで初優勝し、1983年にはネルソン・ピケブラバム・BMWを駆ってドライバーズタイトルを獲得した。2006年からはザウバー・チームを買収し、BMWザウバーF1チームとしてワークス参戦。2008年6月の第7戦カナダグランプリ(FORMULA1-Grand Prix du Canada 2008)でロバート・クビサが初優勝を飾ったが、2009年にリーマン・ショックで撤退したため、これが唯一の優勝となった。

2011年から2012年にかけては世界ラリー選手権(WRC)にMINIとして参戦していた。当初はプロドライブをワークスチームとしていたが、2012年2月にはプロドライブをプライベーターに降格させ、代わりにモータースポーツイタリア(WRCチームMINIポルトガル)をワークスに昇格させることになった[13]。しかし結局「商業的に非常に困難な環境にある」ことを理由に、わずか2シーズンでワークス活動を終了した[14]。なお同じくMINIとして参戦していたダカール・ラリーでは2012〜2015年に4連覇し、常勝軍団として活躍。2018年現在も参戦中である。

二輪レースに関しては、2009年よりスーパーバイク世界選手権S1000RRを使用し、ワークス体制でフル参戦している。4年目となる2012年第5戦ドニントン・パークラウンドのレース1で、念願の初優勝挙げている。しかし、同年に本社のワークスチームは撤退を発表し、ワークスとしての活動はBMWイタリアが引き継いだものの、そのBMWイタリアも2013年での撤退を発表した(ただし車両使用チームへのサポート等は継続される)
また2012年にはロードレース世界選手権(MotoGP)において、CRTルールで参戦するプライベートチームへのエンジン供給を開始する予定。

沿革

R37(1924年モデル)
3/20 AM 4(1933年モデル)
328
502 V8スーパー
イセッタ
  • 2020年3月4日 - ロゴエンブレムを一新。黒の部分が透明となる。

経営状況

2011年通期の世界市場での販売実績はグループ全体として166万8982台、内訳はBMW138万384台、MINI28万5060台、ロールスロイス3538台、売上高は688億2100万ユーロ(2003年通期の世界市場での販売実績はグループ全体として110万4916台、売上高は415億2500万ユーロ)。

同族会社であり、株式の約47%がズザンネ・クラッテンシュテファン・クヴァントら、ドイツ・クヴァント家により所有されている。経営は良好であり、過去40年以上赤字を出していないとも言われる。一方、傘下に収めた英国ローバー・グループの経営再建には失敗し、2000年、同グループは解体に至った。ランドローバーをフォードに譲渡、収益の見込めるMINIについては自社で継続所有、その他、ローバーMGなどをたった10ポンドで英国の投資会社に売却したことは話題となった。

2011年からはトヨタ自動車と提携しており、燃料電池車ハイブリッドカー技術の提供を受ける代わり、ディーゼルエンジンやスポーツカー開発陣、カーボン技術などを提供している[16]トヨタ・スープラ/BMW・Z4を共同開発して2019年に発売した。

生産拠点について、1970年代から稼動する南アフリカの工場のほか、近年はアメリカ中国パキスタンなど、ドイツ国外における展開に積極的である。Z4など一部車種の生産はカナダのマグナ・シュタイアに委託されている。

日本での販売

1981年昭和56年)に設立された日本法人であるビー・エム・ダブリュー株式会社(通称・BMWジャパン)が、正規インポーターであるとともに、正規ディーラーの「BMW東京」を直接運営している。「BMW東京」による販売台数は日本国内販売の1割以上を占め、ドイツ国外では最大規模のカーディーラーとなっている。 BMWジャパンの設立以前には、バルコムトレーディングカンパニー(東京都千代田区)が正規インポーターであった。

乗用車

モデル一覧

エクステリア シリーズ名 ボディ形状 クラスカテゴリー
1シリーズ ハッチバック コンパクトクラス
2シリーズ クーペ
カブリオレ
4ドアクーペ
MPV
コンパクトクラス
3シリーズ セダン
ステーションワゴン
ハッチバック
ミドルクラス
4シリーズ クーペ
カブリオレ
4ドアクーペ
ミドルクラス
5シリーズ セダン
ステーションワゴン
ハッチバック
アッパーミドルクラス
6シリーズ クーペ
カブリオレ
4ドアクーペ
ハッチバック
ラグジュアリークラス
7シリーズ セダン
ストレッチリムジン
ラグジュアリークラス
8シリーズ クーペ
カブリオレ
4ドアクーペ
ラグジュアリークラス
X1 SUV コンパクトクラス
X2 SUVクーペ コンパクトクラス
X3 SUV ミドルクラス
X4 SUVクーペ ミドルクラス
X5 SUV アッパーミドルクラス
X6 SUVクーペ アッパーミドルクラス
X7 SUV ラグジュアリークラス
Z4 クーペ
クーペカブリオレ
ロードスター
ミドルクラス
i3 ハッチバック コンパクトクラス
i4 4ドアクーペ ミドルクラス
iX3 SUV ミドルクラス
iX SUV アッパーミドルクラス

Mモデル

BMW Mチューニングした高性能スポーツモデル。

過去のモデル

モデル名について

近年の生産モデル名は原則として318、525などの3桁の数字であらわされている。この3桁のモデル名は1972年発表の5シリーズからのネーミングである。3桁の最初の数字は車種区分を表し、奇数はセダン、ステーションワゴン、ハッチバック。偶数はクーペ、カブリオレ、ミニバンという法則となっている。かつては3シリーズ、5シリーズ、6シリーズ、7シリーズ、8シリーズのみであったが、現行では1シリーズ、2シリーズ、3シリーズ、4シリーズ、5シリーズ、6シリーズ、7シリーズ、8シリーズとなっている。

シリーズを表す最初の数字以下の2桁は、かつては排気量のヘクトリットル表記(2,500ccならば、○25)を表していた。しかし、現在では下2桁の数字は「数値が示す排気量並の出力を表す」ということになっており、表記と実際の排気量が異なっている例がある。

実際の排気量より小さい表記の例としてはE90型3シリーズの323iがある。 数字は323でも、実際の排気量は2.5Lであり、本来の排気量に沿った表記であれば325iとなるが、同じE90系に325iという名のモデルもあり、両車共に同じ2.5Lエンジンを搭載している。ただし、325iが出力160kWであるのに対し323iでは出力130kWであり、323iは325iに比べ若干ディチューンされたエンジンが搭載されている。1シリーズの118iと120iも同様の例であり、同排気量モデルに廉価版が設定される場合に実際よりも小さな数値のネーミングとなることが多い。

逆に実際の排気量よりも大きな数値になっている例もある。こちらは同排気量のモデルの高性能版としての位置付けであり、古くは初代7シリーズの735iと745iがあり、745iは、735iのターボモデルであった。現在では330iと335iがその関係に当たり、どちらも排気量3Lのガソリンエンジンであるが、330iが自然吸気で出力190kw、335iがツインスクロールターボで出力225kWとなっている。ディーゼルモデルでの同様の例が530dと535dである。どちらも同じ3Lディーゼルターボであるが、530dがシングルターボで出力170kW、535dがツインターボで出力200kWである。

また末尾のアルファベットは

i:ガソリンインジェクション仕様
d :ディーゼルインジェクション仕様
e:プラグインハイブリッドインジェクション仕様
L :ロングホイールベースモデル
h :水素エンジン仕様
x :四輪駆動モデル
ti :ツーリングインターナショナル。現行車種ではコンパクトボディ。
is, si :高性能ガソリンインジェクション仕様
C :クーペボディ

を意味している。

例: 530i → ボディサイズ5シリーズ、3L自然吸気エンジン相当の出力、インジェクション仕様

ただし、SAV(スポーツ・アクティブ・ヴィークル、クロスオーバーSUVの同社での呼称)やロードスターに関しては、 (アルファベット)+(1桁数字)-(排気量(L))の表記が用いられている。このアルファベットはボディタイプをあらわす。

X :四輪駆動クロスオーバーSUVタイプ
Z :ロードスター

例: Z4 2.5i →ロードスター、排気量2.5L、ガソリンインジェクション仕様

二輪車

航空機用エンジン

BMWは第二次世界大戦ドイツ国防軍にオートバイと車両、そしてドイツ空軍には航空機用のエンジンを供給した。1945年までにBMW 801は30,000基以上が製造され、ジェットエンジンのBMW 003を始め、ロケット技術の研究も行った。戦時中に強制収容所にいた2万5,000人から3万人の捕虜を労働させたと言われている。終戦までにBMWの工場は爆撃を受け、東部ドイツの工場はソビエト連邦に占領された。

レシプロエンジン
BMW 132
ユンカース Ju52(第二次世界大戦時の輸送機)などに搭載
BMW 801
フォッケウルフ Fw190(第二次世界大戦時の戦闘機)などに搭載
ジェットエンジン
BMW 003
ハインケルHe162(第二次世界大戦末期の戦闘機)などに搭載

不祥事・故障

出火問題

2018年韓国でBMW車やミニクーパーが走行中に炎上する事故が頻発した。これにより、BMWの対応と韓国の国土交通部が事態を拡大させたとの批判を受けた。安全点検後にも韓国で火災が起きていることから、点検自体への疑問の声が上がった[17][18][19][20][21][22]。更に、BMW本社がリスク報告を無視していたことも発覚した[23]。火災事故が相次いで発生したことにより、韓国ではBMW全車種の入場を拒否する駐車場や、別途BMW専用駐車区画を指定して他車から隔離する駐車場が続出した[24]。BMWは火災が多発した原因をディーゼルエンジンEGRモジュールの欠陥だと認め[25]、10万台を超えるリコールを行うことが決まったが[26]集団訴訟に発展した[27]。これに伴い、欧州でも同様に32万4千台のリコール[28]、日本においても3万9716台のリコールが届け出された[29]

人とサルを用いた排気ガス吸引実験

BMW、フォルクスワーゲンダイムラーの3社が出資する研究団体「輸送セクターにおける環境と健康についての欧州研究グループ(EUGT)」は、ディーゼルエンジン排気ガス吸引の影響を調べるため、2013年から2014年にかけて健康な25人を対象に、窒素酸化物を含む排気ガスを吸引させる実験をドイツ国内で行なった[30]。また、2014年にはアメリカで、気密室に入れたサル10匹にフォルクスワーゲン車から出る排気ガスを吸引させる実験を行なった[30]。2018年にこうした吸引実験の存在が報道されると非難が殺到し、アンゲラ・メルケル首相は「倫理上正当化のしようがない」と強く批判した[30]

その他

ヴィッテルスバッハ家の末裔バイエルン侯プリンツ・レオポルト・ヴィッテルスバッハ・フォン・バイエルンは度々同社のレーシングドライバーとして活躍している。

大阪府堺市には「カメラのドイ」創業者土居君雄が、新婚時代に堺市西区浜寺)にて生活していたゆかりで、夫人・満里恵からコレクションしていた約50台のBMWが寄贈され、財団法人 堺市文化振興財団の手によって保存されている。

1951年から1953年まで、似たような名称の「EMW」があった。EMWは、旧東ドイツのEisenacher Motorenwerk(アイゼナッハ発動機工場)の略で、旧東欧圏でのヒット車となるヴァルトブルクを製造するVEBアウトモビルヴェルク・アイゼナハ社VEB Automobilwerk EisenachAWE)の前身である。

クリス・バングルが率いていた当時のデザイン部門は、ミュージックマンが発売しているエレクトリックベース、「ボンゴ」のデザインなど、異業種へのデザイン供給を行った実績がある。

参考

関連会社

技術

その他

脚注

注釈

  1. ^ 発音:「バイエリシェ モトーレン ヴェルケ
  2. ^ もっとも、それ以前から岡崎宏司などは率先して英語読みをしていた。
  3. ^ ドイツ語発音: [ˈbeː ɛm veː]
  4. ^ 欧州のタクシーは個人経営であり、車両選びも事業者自身の責任となる。

出典

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  2. ^ BMW Group>Investor Relations>Financial Reports>Annual Report 2011>77Page>Income Statements for Group and Segments>Revenues
  3. ^ BMW Group>Investor Relations>Financial Reports>Annual Report 2011>77Page>Income Statements for Group and Segments>Profit/loss before financial result
  4. ^ BMW Group>Investor Relations>Financial Reports>Annual Report 2011>77Page>Income Statements for Group and Segments>Net profit/loss
  5. ^ BMW Group>Investor Relations>Financial Reports>Annual Report 2011>78Page>Balance Sheets for Group and Segments>Total Assets
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関連項目

BMWヴェルト

外部リンク