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一方、京都駅構内は一部単線のままとなっており、複線化に関しては大掛かりな用地買収を行うかまたは既存の配線を大幅に変更する必要性があり費用の面から困難である。また、運転本数が増えたことにより、特に[[角屋]]近くを通る京都駅 - 二条駅付近の高架区間において騒音問題が浮上しているが、まだ抜本的な解決策はない<ref>[http://www.kyoto-minpo.net/archives/2008/11/29/post_5106.php JR西の対策見守る 調停成立の角屋保存会] - [[京都民報]] 2008年11月29日、2010年2月5日閲覧</ref>。 |
一方、京都駅構内は一部単線のままとなっており、複線化に関しては大掛かりな用地買収を行うかまたは既存の配線を大幅に変更する必要性があり費用の面から困難である。また、運転本数が増えたことにより、特に[[角屋]]近くを通る京都駅 - 二条駅付近の高架区間において騒音問題が浮上しているが、まだ抜本的な解決策はない<ref>[http://www.kyoto-minpo.net/archives/2008/11/29/post_5106.php JR西の対策見守る 調停成立の角屋保存会] - [[京都民報]] 2008年11月29日、2010年2月5日閲覧</ref>。 |
2017年9月4日 (月) 14:30時点における版
嵯峨野線 | |
---|---|
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 京都府 |
起点 | 京都駅 |
終点 | 園部駅 |
駅数 | 15駅 |
経由路線 | 山陰本線 |
路線記号 | |
開業 |
1897年2月15日(山陰本線) 1988年3月13日(愛称使用開始) |
所有者 | 西日本旅客鉄道 |
運営者 | 西日本旅客鉄道 |
路線諸元 | |
路線距離 | 34.2 km |
軌間 | 1,067 mm |
線路数 | 複線 |
電化方式 | 直流1,500 V 架空電車線方式 |
最高速度 | 130 km/h |
嵯峨野線(さがのせん)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)山陰本線のうち、京都府京都市下京区の京都駅から同府南丹市の園部駅までの区間に付けられた愛称である。この愛称は1988年3月13日から使用されている。本来の名称である山陰線とあわせて「嵯峨野山陰線」と案内されることもある。
概要
JR西日本のアーバンネットワークの路線の一つである。起点の京都駅から京都市内を縦貫し、京都府中部(南丹)へと伸びている。ラインカラーは紫(■)であり、選定理由は「京の優雅さをイメージ」とされている。路線記号は E [1]。
観光地として人気のある嵯峨野・嵐山方面へのアクセスルートの一つで、特に紅葉シーズンには多くの利用がある。この路線の競争相手としては、京阪京都交通(旧 京都交通[2])による国道9号を経由して京都市内(京都駅、阪急京都線桂駅)と亀岡およびその以西とを結ぶ路線バスや、京福電気鉄道嵐山本線(嵐電)がある。
全区間が旅客営業規則上の大都市近郊区間の「大阪近郊区間」、およびIC乗車カード「ICOCA」の近畿圏エリアに含まれている。
路線データ
- 管轄(事業種別):西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 路線距離(営業キロ):34.2km
- 軌間:1067mm
- 駅数:15(起終点駅含む)
- 複線区間:全線複線(ただし、京都駅から京都貨物駅への分岐点付近までは単線)
- 電化区間:全線電化(直流1500V)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 保安装置:ATS-P(拠点P方式)およびATS-SW
- 運転指令所:大阪総合指令所
- 最高速度:
- 京都駅 - 嵯峨嵐山駅間、馬堀駅 - 園部駅間:120km/h
- 嵯峨嵐山駅 - 馬堀駅間:130km/h
全区間を近畿統括本部が管轄している。
沿線概況
停車場・施設・接続路線 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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地下鉄線・廃止路面電車は経路表記を省略 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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京都駅では北西の専用ホームから発車している。京都駅を発車すると東海道本線(JR京都線)に沿って西進して一度単線となるが、大宮通をくぐった先から複線になる。ここまでが京都駅構内である。右手には梅小路公園とすぐ横を走る京都鉄道博物館(元の梅小路蒸気機関車館)の「SLスチーム号」の線路を見ながら右に大きくカーブして、高架区間になる。その間左手には、梅小路運転区と京都鉄道博物館が車窓から見える。左側から廃止された東海道本線の支線である山陰連絡線と合流すると丹波口駅で、この付近には京都市中央卸売市場第一市場や京都リサーチパークがある。京福電気鉄道(嵐電)嵐山本線、四条通(四条通の地下には阪急電鉄京都線が走っている)、三条通を越え、右手に立命館朱雀キャンパス、正面に大きな楕円形の屋根が見え始めると二条駅である。丹波口駅から二条駅までは千本通(平安京朱雀大路跡)にほぼ沿ってきたことになる。
二条駅を出ると、左にカーブして進路を再び西に変えると丸太町通に沿って、円町駅、さらに進むと三角屋根が目立つ花園駅に到着する。花園駅を出ると、一旦地上に下りて高架の天神川通(国道162号)をくぐると再び高架になるが、その高架も左手に東映太秦映画村を過ぎて嵐電北野線を越えると終わり、地上駅の太秦駅に到着する。この付近から高いビルが目立たなくなり高度を上げて進んでいくと、2面4線の嵯峨嵐山駅に到着する。嵯峨嵐山駅は嵯峨野線全線複線化工事により橋上駅となり、構内の配線も上下共に同一ホームで緩急接続ができるように改良された。なお、近年嵯峨嵐山駅 - 保津峡駅間にある野々宮踏切にて線路内に観光客が立ち入り撮影を行う危険行為が問題になっており[3]、JR西日本は4か国語の警告看板の設置や踏切付近に警備員を配置するなど対策を強化している。
嵯峨嵐山駅のすぐ横には嵯峨野観光鉄道のトロッコ嵯峨駅がある。嵯峨嵐山駅を出ると嵯峨野観光線と合流する。同線は嵯峨野線の下り線を使用して1線で単線運転を行っている。この付近から住宅地も少なくなり雑木林の中を進むようになるが、かつての嵯峨野線である嵯峨野観光線と分岐すると全長1,450mの小倉山トンネルを進む。トンネルを抜けて嵯峨野観光線と保津川を渡る第一保津川橋梁を抜けると第一保津トンネルを通過し、第二保津川橋梁上に駅がある保津峡駅である。すぐに第二保津トンネルに入り、トンネルを抜けては保津川を渡ってを2回繰り返して地蔵トンネルを抜けると田園風景が色濃くになり、右側から嵯峨野観光線が見え始めてトロッコ亀岡駅を過ぎ、右にカーブをすると馬堀駅で、しばらく左側には住宅地が多く立ち並ぶ中を進むと亀岡駅に到着する。亀岡駅は嵯峨嵐山駅と同じく、嵯峨野線全線複線化に伴って橋上駅となった。
亀岡駅を出ると、左手には引き続き住宅地が広がり、右手には田園風景が広がる。前川を渡り始めるとこのあたりから右側にも住宅地が立ち並ぶようになり、低層のマンションが見え始めると緩やかな右カーブを進んで並河駅、そのまま直進を続けると千代川駅である。国道9号をくぐって、左にカーブを進むと国道9号と大堰川と並行する。亀岡市・南丹市市境でもある、この辺りから沿線に田園風景が広がる。八木駅を通過し、京都縦貫自動車道をくぐって山間を抜けると吉富駅で、そのまま北上を続ける新興住宅地に囲まれた園部駅に到着する。
運行形態
京都市と北近畿方面とを結ぶ特急のほか、快速・普通が運転されている。1996年3月15日までは急行も運転されていた。
特急をのぞくと1時間に4本程度の運転で、2010年3月の複線化事業の完了により日中は20分間隔(快速をのぞく)のパターンダイヤとなったが、2017年3月に嵯峨嵐山駅発着の普通列車が設定されたことにより、京都駅 - 嵯峨嵐山駅間は15分間隔(快速をのぞく)のパターンダイヤとなった。
紅葉シーズンを中心に、京都駅 - 嵯峨嵐山駅間に臨時列車が運転されているほか、定期列車の増結も行われる。かつては、京都駅でスイッチバックまたは、丹波口駅から東海道本線の支線である山陰連絡線を利用して、大阪方面との間に臨時新快速が運転されていたことがあった(「大阪方面からの臨時列車」を参照)。近畿地方交通審議会では、山陰連絡線を活用して大阪方面との相互直通運転案を検討した[4]が、この山陰連絡線は2016年2月をもって廃止された。
日本国有鉄道(国鉄)の時代は汽車ダイヤであり、長距離特急や長距離普通列車を中心に運行され、京都近郊の日常的な需要に対してはほとんど考慮されていなかった[5]。
種別\駅名 | 京都 | … | 嵯峨嵐山 | … | 亀岡 | … | 園部 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
特急 | 1本 | ||||||||||
快速 | 1本 | ||||||||||
普通 | 4本 | 3本 | 1本 |
特急
朝から夜間にかけて1時間に1本運行されている。運転系統は以下の通りである。
嵯峨野線内は全列車、二条駅・亀岡駅・園部駅に停車する。「まいづる」は、京都駅 - 綾部駅間を「きのさき」または「はしだて」と併結して運転されている。
快速
京都駅 - 亀岡駅間で一部の駅を通過し、亀岡駅 - 園部駅・福知山駅間では各駅に停車する。基本的な運転区間は京都駅 - 園部駅間で、ラッシュ時には胡麻駅・福知山駅発着の列車も運転されている。日中時間帯は1時間に1本運行されており、園部駅で福知山駅発着の普通と接続している。朝夕には、嵯峨嵐山駅で普通と緩急接続を行う列車がある。
現在の快速は電車としては2代目(電化前、「嵯峨野線」の呼称もなかった時代にも気動車快速が存在したことがあった)で、1990年3月10日から2000年9月22日まではラッシュ時のみ京都駅 - 園部駅間に快速が運転されていた。当時の快速の途中停車駅は二条駅・嵯峨嵐山駅(1994年9月3日以前の名称は嵯峨駅)・亀岡駅で亀岡駅 - 園部駅間は無停車であり(1996年3月16日の改正で一部が八木駅にも停車)、八木駅に停車する一部の急行列車との間で千鳥停車が実施されていた。
2012年3月17日のダイヤ改正で朝の福知山発京都行きの上り普通2本が山家駅・立木駅・安栖里駅を通過するようになったが、2013年3月18日のダイヤ改正からこの列車をはじめ福知山駅 - 園部駅間で通過駅のある普通列車は、この区間を快速として運転している[6]。
普通
各駅に停車し、基本的に京都駅 - 嵯峨嵐山駅・亀岡駅・園部駅間で運転されている。日中時間帯は1時間に4本(京都駅 - 嵯峨嵐山駅間)が運行されている。この時間帯に途中駅で快速に追い抜かれる列車は設定されていない。朝夕ラッシュ時には、胡麻駅・福知山駅まで直通する列車がある。車両の夜間滞泊は園部駅で行う。
過去の列車
1959年に準急列車として京都駅 - 天橋立駅・東舞鶴駅/福知山駅間で「丹後」が運転を開始し、1966年3月に急行列車に格上げされた。1972年8月から臨時列車ではあるが、特急「あさしお」が京都駅 - 鳥取駅間で運転を開始し、10月からは定期化され最長米子駅まで運転されたが、園部駅 - 福知山駅間および北近畿タンゴ鉄道福知山駅 - 宮津駅 - 天橋立駅間の電化に伴う1996年3月16日のダイヤ改正で「丹後」とともに廃止された。
大阪方面からの臨時列車
2002年の紅葉のシーズンから、土曜・休日に「嵐山もみじ号」と称して神戸発嵯峨嵐山行きの臨時列車が設定された。223系8両編成が用いられ、途中、三ノ宮駅・芦屋駅・尼崎駅・大阪駅・新大阪駅のみに停車し、京都駅を経由せずに梅小路駅(現在の京都貨物駅)から山陰連絡線を経由するものであった。2003年度には復路の嵯峨嵐山発神戸行きも設定され、2004年の春には「嵐山わかば号」として、夏には「嵐山涼風号」として同様のルートで神戸駅 - 嵯峨嵐山駅間で運転された。
2004年度からは京都駅を経由するようになり、神戸駅 - 京都駅間は臨時新快速として運転し、嵯峨野線内は定期普通の時刻で運転され、この形態は運転が終了する2006年度まで続くことになった。嵯峨野線内を定期列車として運転していたため、往路は園部行き、復路は亀岡発として運転された。2005年度は西明石駅発着、2006年度は大阪駅発着となった。
2005年の桜のシーズンには「嵐山さくら号」が同様に運転されていた。
また1998年までは「嵯峨野・嵐山ホリデー号」2往復のうちの1往復は阪和線経由で和歌山駅発着の臨時快速列車として設定されていて、221系の4両編成(1997年からは6両編成)で運転され、指定席の設定もあった。停車駅は、阪和線内の快速停車駅(当時、三国ケ丘駅・紀伊駅・六十谷駅は通過)・新今宮駅・弁天町駅・西九条駅・新大阪駅・高槻駅・丹波口駅 - 園部駅間の各駅で、大阪駅・京都駅は経由しなかったが、嵯峨野線内も通過駅があった年や京都駅を経由した年もある[7]。
ほかにも、快速嵯峨野ホリデー号・レジャー号などが運転された。
使用車両
2008年8月11日から新型車両223系5500番台が運用を開始したが、福知山電車区所属であり、園部駅以北ならびに舞鶴線・福知山線(篠山口駅以北)での運用が主体であるため、愛称制定以来最初から嵯峨野線向けとして吹田総合車両所京都支所(旧:京都総合運転所)に新製配置された新型車両は存在しない。
現在の車両
気動車である北近畿タンゴ鉄道(現・WILLER TRAINS)の車両をのぞいて、すべて電車で運転されている。
特急列車
- 287系(福知山電車区)
- 北近畿方面の特急「きのさき」「はしだて」「まいづる」で使用されている。2011年3月に運用を開始した。
- 北近畿タンゴ鉄道KTR8000形
- 北近畿方面の特急「はしだて」「まいづる」で使用されている。
快速・普通列車
- 221系(吹田総合車両所京都支所)
- 223系5500番台(福知山電車区)
- 福知山地区で使用されていた113系3800番台・5800番台の置き換え用として2008年に製造された。嵯峨野線内では221系と併結した6両編成で運転されている。221系性能固定で223系6000番台と同様に運転室扉と前面貫通扉にオレンジのラインが入っている。
過去の車両
この節の加筆が望まれています。 |
ここでは1988年に嵯峨野線と命名されて以降に使用されていた車両を記す。
電車
- 113系・115系
- 快速・普通と区別なく使用されていた。2010年3月13日に行われたダイヤ改正で嵯峨野線での運用は終了した[8]。
- 117系
- 快速・普通と区別なく使用されていた。ただしラッシュ時のみの運用。
- 183系
- 北近畿方面の特急「きのさき」「はしだて」で使用されていた。2013年3月16日に行われたダイヤ改正で運用を終了した。
- 381系
- 北近畿方面の特急「きのさき」「はしだて」で使用されていた。2012年6月に運用を開始して、約3年後の2015年10月30日をもって運用を終了した。
- 289系(福知山電車区)
- 北近畿方面の特急「きのさき」「はしだて」で使用されていた。2015年10月31日に運用を開始して、2016年3月26日運用終了。
気動車
- キハ58系
- キハ40系
- 普通列車でのみ運転されていたが、電化を期に運用は終了した(キハ47のみ)。
- キハ181系
- 北近畿方面の特急「あさしお」に1982年から使用されたが、園部駅以北の電化後にこの区間の運用は終了した。
- 北近畿タンゴ鉄道KTR001形
- 1999年まで京都発着だった特急「タンゴエクスプローラー」で使用。
客車
輸送改善
複線化の経過 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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|
国鉄時代の1979年に京都駅 - 園部駅間の複線化、京都駅 - 綾部駅間の電化を決定し、桂川(保津川)に沿って大きく迂回していた嵯峨駅(現在の嵯峨嵐山駅) - 馬堀駅間の新線への切り替えおよび複線化工事を着工し、JR西日本発足後の1989年3月5日に開通した。同時に太秦駅が開業し、単線区間であった並河駅と吉富駅に行き違い施設を設置したほか、一部の駅では一線スルー化が行われ、翌1990年3月には京都駅 - 園部駅間が電化された。しかし、国鉄再建法・国鉄分割民営化の影響等により、他の区間の複線化工事は延期された。
その後、1996年の二条駅 - 花園駅間の高架化・複線化など設備の増強が少しずつ行われ、国鉄時代から大きく変貌を遂げたほか、始終着駅である京都駅のホームも増設された。また、京都市内においては太秦駅に続いて、2000年9月23日に円町駅が開業し、同日のダイヤ改正で朝ラッシュ時を中心に快速17本、普通14本を増発し、新たな需要を開拓している[9]。
2003年からは、京都駅 - 園部駅間の全線複線化および、周辺道路の混雑解消と安全確保のために花園駅 - 嵯峨嵐山駅間の高架化工事と、嵯峨嵐山駅・亀岡駅の改良工事も同時に行われた。工事の進捗に合わせて段階的に複線化が行われ、2008年12月14日に馬堀駅 - 亀岡駅間[10]、2009年3月14日に八木駅 - 園部駅間[11][12]、同年7月20日に京都駅 - 丹波口駅間[11]、同年9月6日には並河駅 - 八木駅間[11]、同年11月1日には亀岡駅 - 並河駅間[11][13]、2010年1月31日に丹波口駅 - 二条駅間[11]の工事が完了し、先行して供用された。複線化と同時に同年9月6日、および11月1日にそれぞれダイヤ修正が行われた。
全線複線化は当初の計画より1年遅れ、2010年3月7日に花園駅 - 嵯峨嵐山駅間[11]の複線化もって完成した。これを受けて同年3月13日にダイヤ改正を実施し、ラッシュ時の快速を増発し、日中についても運転間隔を均等化された[8]。
また、花園駅 - 太秦駅間が2008年3月23日、太秦駅 - 嵯峨嵐山駅間が2008年5月25日に高架化され[14]、さらに同時に進められていた嵯峨嵐山駅および亀岡駅の橋上化と自由通路設置工事は、2008年春に完成し部分供用を開始した。嵯峨嵐山駅はその後2008年11月21日に全面完成した[15][16]。これにあわせて、2011年1月19日にATS-P(拠点P方式)の設置が完了した[17]。
一方、京都駅構内は一部単線のままとなっており、複線化に関しては大掛かりな用地買収を行うかまたは既存の配線を大幅に変更する必要性があり費用の面から困難である。また、運転本数が増えたことにより、特に角屋近くを通る京都駅 - 二条駅付近の高架区間において騒音問題が浮上しているが、まだ抜本的な解決策はない[18]。
-
ホーム改良工事中の京都駅(1995年)
-
高架化事業中の花園駅付近(1993年)
-
旧駅から見た保津峡駅建設工事の様子(1988年)
歴史
嵯峨野線区間は京都鉄道が1899年までに開通させたものである。
- 1897年(明治30年)
- 1898年(明治31年)1月1日:花園駅が開業。
- 1899年(明治32年)
- 1902年(明治35年)11月12日:営業距離の単位をマイル・チェーンからマイルのみに簡略化(22M16C → 22.2M) 。
- 1905年(明治38年)1月15日:大宮駅が再開業。
- 1907年(明治40年)8月1日:京都鉄道が国有化。
- 1909年(明治42年)10月12日:線路名称設定、京都駅 - 園部駅間が京都線となる。
- 1911年(明治44年)9月16日:大宮駅廃止。
- 1912年(明治45年)3月1日:京都線全線を山陰本線に編入。
- 1929年(昭和4年) 8月17日:嵯峨駅 - 馬堀駅間に松尾山信号場開設。
- 1930年(昭和5年)4月1日:営業距離の単位をマイルからメートルに変更。京都駅 - 丹波口駅間の貨物営業が廃止。
- 1935年(昭和10年)7月20日:馬堀駅・並河駅・千代川駅・吉富駅が開業。
- 1936年(昭和11年)4月15日:松尾山信号場を駅に変更し保津峡駅が開業。
- 1941年(昭和16年)8月10日:吉富駅が営業休止。
- 1951年(昭和26年)10月1日:吉富駅が営業再開。
- 1958年(昭和33年)6月10日:千代川駅 - 八木駅間でバスとの衝突事故発生。
- 1973年(昭和48年)4月19日:馬堀駅構内で京都行き気動車が信号見落としにより脱線[19]。
- 1976年(昭和51年)3月16日:京都駅 - 二条駅間が高架化。丹波口駅移転。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道が承継。日本貨物鉄道が丹波口駅 - 二条駅間の第二種鉄道事業者となる。二条駅 - 湖山駅間の貨物営業廃止。
- 1988年(昭和63年)3月13日:嵯峨野線の愛称が使用開始。
- 1989年(平成元年)
- 3月5日:嵯峨駅 - 馬堀駅間を複線の新線に切り替え、1.6km短縮。列車の運行が廃止された旧線は存置。
- 3月11日:太秦駅が開業。
- 1990年(平成2年)3月10日:京都駅 - 園部駅間が電化[20]。
- 1991年(平成3年)4月27日:嵯峨駅 - 馬堀駅間の旧線が嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線として開業(西日本旅客鉄道が第一種、嵯峨野観光鉄道が第二種鉄道事業者)。
- 1994年(平成6年)
- 1996年(平成8年)3月16日:二条駅 - 花園駅間が高架化。丹波口駅 - 二条駅間の貨物列車設定廃止。
- 2000年(平成12年)9月23日:二条駅 - 花園駅間が複線化。円町駅開業。朝ラッシュ時と日中に快速を新設し、朝ラッシュ時の快速は円町駅にも停車。
- 2002年(平成14年)3月23日:円町駅にすべての快速が停車[21]
- 2003年(平成15年)10月1日 コンコースの喫煙コーナーを廃止[22]。
- 2006年(平成18年)4月1日:日本貨物鉄道の第二種鉄道事業(丹波口駅 - 二条駅間)廃止。
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)1月19日:京都駅 - 園部駅間でATS-P(拠点P方式)が使用開始[17]。
- 2013年(平成25年)9月16日:台風18号により京都府に特別警報が発表、亀岡駅周辺で浸水、終日運休[25]。
- 2015年(平成27年)3月14日:路線記号が本格導入開始[26]。
駅一覧
- 京:特定都区市内制度における「京都市内」エリアの駅
- 停車駅
- 全駅京都府内に所在
- 駅ナンバーは2018年3月より導入予定[27]。駅ナンバーのうち「JR-E02」は後述の新駅に割り当てられる予定であるため、導入当初は欠番となる
駅 ナン バー[28] |
駅名 | 駅間営業キロ | 累計営業キロ | 快速 | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
JR-E01 | 京 京都駅 | - | 0.0 | ● | 西日本旅客鉄道: 東海道本線(琵琶湖線・JR京都線)・ 湖西線[* 1]・ 奈良線 東海旅客鉄道: 東海道新幹線 近畿日本鉄道:B 京都線 京都市営地下鉄: 烏丸線 |
京都市 | 下京区 |
JR-E03 | 京 丹波口駅 | 2.5 | 2.5 | | | |||
JR-E04 | 京 二条駅 | 1.7 | 4.2 | ● | 京都市営地下鉄: 東西線 | 中京区 | |
JR-E05 | 京 円町駅 | 1.6 | 5.8 | ● | |||
JR-E06 | 京 花園駅 | 1.1 | 6.9 | | | 右京区 | ||
JR-E07 | 京 太秦駅 | 1.7 | 8.6 | | | 京福電気鉄道:北野線…撮影所前駅、嵐山本線・北野線…帷子ノ辻駅 | ||
JR-E08 | 京 嵯峨嵐山駅 | 1.7 | 10.3 | ● | 嵯峨野観光鉄道:嵯峨野観光線 …トロッコ嵯峨駅 京福電気鉄道:嵐山本線 …嵐電嵯峨駅 | ||
JR-E09 | 京 保津峡駅 | 4.0 | 14.3 | | | 亀岡市 | ||
JR-E10 | 馬堀駅 | 3.8 | 18.1 | | | 嵯峨野観光鉄道:嵯峨野観光線 …トロッコ亀岡駅 | ||
JR-E11 | 亀岡駅 | 2.1 | 20.2 | ● | |||
JR-E12 | 並河駅 | 3.2 | 23.4 | ● | |||
JR-E13 | 千代川駅 | 1.8 | 25.2 | ● | |||
JR-E14 | 八木駅 | 3.0 | 28.2 | ● | 南丹市 | ||
JR-E15 | 吉富駅 | 4.1 | 32.3 | ● | |||
JR-E16 | 園部駅 | 1.9 | 34.2 | ● | 西日本旅客鉄道: 山陰本線(福知山方面) |
- 保津峡駅は、駅本屋は亀岡市にあるが、ホームが京都市に跨っている。
- 直営駅は京都駅・二条駅・嵯峨嵐山駅・亀岡駅・園部駅の5駅である。保津峡駅・吉富駅が終日無人駅で、そのほかの駅はジェイアール西日本交通サービスによる業務委託駅である。
新駅設置計画
かねてより京都駅 - 丹波口駅間にある七条通付近に新駅を設置する構想があったが、2014年5月に行われた京都商工会議所の要望などを受け、同年8月より正式に検討が開始された。こののち、2015年2月2日に京都市とJR西日本との間で新駅設置事業に関する基本合意書が締結され、事業化が決定した。2016年に着工し、2019年に開業する予定としている[29][30]。
新駅は梅小路公園に隣接しているほか、2012年に京都水族館が、2016年に京都鉄道博物館がそれぞれ開業したものの、京都駅から約1km離れていてアクセスが悪いことと、梅小路公園周辺の活性化を図るため、JR西日本と京都市が新駅設置で合意した。事業費は概算49億円としており、JR西日本が19億円、京都市が15億円、残る15億円は国の補助金を充当する。一日の平均乗降数を約7,000人と見込む[31][32][33][34]。
脚注
- ^ 近畿エリア・広島エリアに「路線記号」を導入します - 西日本旅客鉄道ニュースリリース 2014年8月6日
- ^ 一時期は、繁華街の四条河原町まで乗り入れていたこともあり、競争上優位に立っていた。
- ^ タレントの松本伊代が自身のブログにおいて早見優とともに踏切内で撮影した画像をアップロードして大きく問題となり、直後に当該記事の削除と謝罪を行った。
- ^ 第8回近畿地方交通審議会資料 別紙1『京阪神圏において、既存施設の改良に関し検討すべき主な事業』 (PDF) - 国土交通省近畿運輸局近畿地方交通審議会 2004年
- ^ それでも、キハ47形を最大10両連結するなど、ラッシュアワーについては一定の対策がとられていた。一方で1970年代には、たとえば花園駅・丹波口駅といった特急の停車しない駅の場合、日中で3時間列車が発着しなかった。
- ^ 平成25年春ダイヤ改正について (PDF) - 西日本旅客鉄道福知山支社プレスリリース、2012年12月21日。
- ^ 例えば和歌山発着の臨時快速「嵯峨野・嵐山ホリデー221」1・4号は『JTB時刻表』1992年7月号によると山陰連絡線を経由して丹波口駅と並河駅 - 吉富駅を通過、『JTB時刻表』1995年4月号によると京都駅を経由して嵯峨野線内の各駅に停車していた。
- ^ a b 平成22年春ダイヤ改正について (PDF) - 西日本旅客鉄道京都支社プレスリリース 2009年12月18日
- ^ 平成12年秋のダイヤ改正について(インターネット・アーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2000年7月3日
- ^ 馬堀−亀岡間14日開通 JR山陰線複線化事業[リンク切れ] - 京都新聞 2008年12月13日
- ^ a b c d e f 「ひと目でわかる電化と複線区間」『JTB時刻表』2010年3月号、JTBパブリッシング、p.22。
- ^ 八木−園部間を14日から複線化JR山陰線園部−京都間4分短縮[リンク切れ] - 京都新聞 2009年3月10日
- ^ 広報『キラリ☆亀岡』558号 - 亀岡市
- ^ JR山陰本線複線・高架化事業(京都〜二条,花園〜嵯峨嵐山) - 京都市
- ^ 山陰本線(嵯峨野線)京都駅 - 園部駅間 複線化事業の工程について(インターネットアーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2007年11月27日
- ^ 京都-園部間の複線化、2010年春に JR山陰線、1年遅れ。[リンク切れ] - 京都新聞 2007年11月27日
- ^ a b 嵯峨野線ATS-Pの使用開始について - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2011年1月12日
- ^ JR西の対策見守る 調停成立の角屋保存会 - 京都民報 2008年11月29日、2010年2月5日閲覧
- ^ 京都新聞 1973年4月19日夕刊1面
- ^ “JR7社14年のあゆみ”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 9. (2001年4月2日)
- ^ 平成14年春 ダイヤ改正について II.アーバンネットワーク(インターネット・アーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2001年12月14日
- ^ 駅コンコースを終日全面禁煙にします(インターネット・アーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年8月29日
- ^ 在来線特急列車などの全席禁煙化ならびに在来線ホームの禁煙化の拡大について - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年3月26日
- ^ 組織改正などについて - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年11月16日
- ^ 京都新聞2013年9月17日朝刊「台風18号の被害」記事より
- ^ JR西日本で路線記号の本格使用が始まる - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース、2015年3月16日。
- ^ 近畿エリアの12路線 のべ300駅に「駅ナンバー」を導入します! - 西日本旅客鉄道ニュースリリース 2016年7月20日
- ^ 「駅ナンバー」一覧表 (PDF) - 西日本旅客鉄道、2016年7月20日
- ^ “京都市とJR西、「梅小路新駅」へ検討会 来年1月にも結論”. 日本経済新聞. (2014年8月20日) 2015年2月5日閲覧。
- ^ “京商「梅小路に新駅」要望へ 山陰線の京都-丹波口間”. 京都新聞. (2014年5月8日) 2015年2月5日閲覧。
- ^ “京都-丹波口間に19年春新駅 JR西と京都市、開業へ合意”. 京都新聞. (2015年1月31日)
- ^ "嵯峨野線都〜丹波口駅間 新駅設置に関する京都市との合意について" (Press release). 西日本旅客鉄道株式会社. 2015-2-2. 2015-03-11閲覧。
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の日付が不正です。 (説明) - ^ “京都-丹波口間に新駅”. 交通新聞: pp. 1. (2015年2月4日)
- ^ "嵯峨野線 京都〜丹波口駅間新駅設置に関する事業基本計画の変更認可申請ならびに東海道線(梅小路〜丹波口間)の廃止届出書の提出について" (Press release). 西日本旅客鉄道株式会社. 27 February 2015. 2015年3月11日閲覧。
参考文献
- 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳 - 全線・全駅・全廃線』 9 関西2、新潮社、2009年。ISBN 978-4-10-790027-2。
- 今尾恵介『鉄道車窓絵図』 西日本編、JTBパブリッシング、2010年。ISBN 978-4-533-07723-4。