愛知電気鉄道電3形電車
愛知電気鉄道電3形電車(あいちでんきてつどうでん3がたでんしゃ)は、愛知電気鉄道(愛電)が新製した通勤形電車。デハ1020形とも称する。後年愛電と名岐鉄道が合併し名古屋鉄道(名鉄)が設立されたことに伴い、モ1000形およびモ1020形と改称された。
沿革
1921年(大正10年)に日本車輌製造で製造された愛知電気鉄道で最初のボギー車である。また、愛知電気鉄道で初めて空気ブレーキ、汽笛が採用された車両である。20 - 24、26(後に1020 - 1024、1026に改称)[1]がの6両が製造された。
同時期に製造された美濃電気鉄道DB505形(後のモ520形)、各務原鉄道K1-BE形(後のモ450形)、岡崎電気軌道デ200形(後のモ460形)と同様の正面5枚窓の車体であったが、3扉車であったのが特徴である。当時の愛知電気鉄道の路線は架線電圧600Vであり、有松線(現・名鉄名古屋本線神宮前 - 有松裏)で運用されるが、常滑線に移る。
1928年(昭和3年)、傍系会社の碧海電気鉄道が1500Vから600Vに降圧すると、1022 - 1024、1026の4両は車輌交換で碧海電気鉄道に移り、碧海電気鉄道100形となる。残りの2両は郵便室が設置され、デハユ1020形(1020、1021)となる。
1935年(昭和10年)、名岐鉄道と愛知電気鉄道が合併すると、デハユ1020形はモユ1020形に改称する。その後(時期不明)、郵便室が撤去され、モ1020形となる。
1944年(昭和19年)、碧海電気鉄道が名古屋鉄道に合併すると、碧海電気鉄道100形はモ1000形(1001 - 1004)に改称する。
戦後、1000形と1020形は西尾線、蒲郡線で使用されたが、1500V昇圧のため各務原線に移り、1964年(昭和39年)ころ廃車となった。
主要諸元
モ1000形
- 全長:13,487mm
- 全幅:2,642mm
- 全高:4,191mm
- 自重:24.9t
- 定員(座席):80(36)
- 台車:ブリル27-MCB-2
モ1020形
- 全長:13,585mm
- 全幅:2,642mm
- 全高:4,191mm
- 自重:24.7t
- 定員(座席):80(36)
- 台車:ブリル27-MCB-2